次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。最初に、図1〜図6を参照して、本発明に係るテープ貼付ユニット110の全体構成について説明する。本実施形態のテープ貼付ユニット110は、両面テープである粘着テープTを被貼付面Psに貼り付ける作動機構である。
テープ貼付ユニット110は、上方へ伸びる支持軸111によって支持された本体部112と、この本体部112の前面側に配置され、図示しないカバーに覆われるテープ貼付機構113と、テープ貼付機構113に対して粘着テープTを供給するテープ供給機構114と、テープ貼付機構113から粘着テープTに貼着されていたセパレータS(剥離シート、剥離紙、ライナー、離型テープなどを含む。)を回収するセパレータ回収機構115とを具備している。なお、粘着テープT及びセパレータSの断面は、図6(d)に示してある。粘着テープTは、表裏両面に粘着層が露出してなる両面粘着テープであり、好ましくは、基材層の両面に粘着層が形成されたものである。一方、セパレータSは、一般的には剥離紙或いは離型シートとも呼ばれるものであり、多くの場合、粘着テープTの外面側に貼着された形のロール形態で供給される。セパレータSが粘着テープTに重ねて配置(貼着)されている状態では、被貼付面Psに対面する側の粘着テープTの表面である貼付面t1は粘着面であり、その逆側の面s1はセパレータSの表面であるから非粘着面である。
本体部112は、テープ貼付ユニット110の全体を制御するユニット制御部112Aと、このユニット制御部112Aによって制御されるユニット駆動部112Bとが筐体の内部に収容されている。ユニット駆動部112Bは、テープ貼付部10をユニット本体に対して上下に移動させるエアシリンダ等よりなる上下駆動部112Dと、テープ切断機構13を構成する後述する切断作動部13Aを作動させるエアシリンダ等よりなる作動駆動部13Bと、セパレータ固定機構14を構成する後述する固定作動部材14Aを回動させるエアシリンダ等よりなる作動駆動体14Bと、を備えている。
また、上記テープ供給機構114は、粘着テープTのロールを装着する供給リール116と、この供給リール116の回転軸に所定の回転抵抗を付与するスリップクラッチなどの抵抗付与器117と、供給リール116から引き出された粘着テープTとセパレータSの積層体に所定のテンションを付与するテンションローラ118と、このテンションローラ118から引き出された粘着テープTをテンションローラ118の回動位置に拘わらず一定位置から後述するテープ貼付ヘッド12へ供給するためのテープ供給ローラ119とを備えている。なお、テンションローラ118及びテープ供給ローラ119は、上記テープ貼付部10を構成する取付ベース11上に軸支されている。
一方、上記セパレータ回収機構115は、後述するテープ貼付ヘッド12に軸支されたテープ貼付ローラ12aに架設された箇所において粘着テープTから剥離され、分離されたセパレータSを回収方向に引き出すセパレータ回収ローラ120と、このセパレータ回収ローラ120を介してセパレータSを巻き取って回収する回収リール121と、この回収リール121の回転軸に接続されたスリップクラッチからなる回転伝達部122と、この回転伝達部122に接続された出力側プーリと、この出力側プーリに対して駆動ベルト123を介して接続された入力側プーリと、この入力側プーリを回転駆動する駆動モータ124とを備えている。このセパレータ回収機構115では、駆動モータ124により回収リール121が回転駆動され、これによってセパレータSが巻き取られることによりセパレータSが回収される。このため、粘着テープT及びセパレータSが供給可能な状態にあれば、回収リール121の回転に供給リール116が連れ回ることによって粘着テープT及びセパレータSが引き出されるようになっている。このとき、抵抗付与器117により供給リール116には回転抵抗が付与されるとともに、テンションローラ118によって所定の張力が付与されることにより、粘着テープTはセパレータS上に配置された状態で安定して引き出される。
ここで、粘着テープT及びセパレータSに固定力が加わるなどの或る程度以上の引き出し抵抗が付与されると、セパレータSの巻取抵抗が大きくなるため、回収リール121の回転抵抗が増大する。回収リール121の回転抵抗が予め設定された閾値を越えると、クラッチ構造を備える回転伝達部122が滑って駆動モータ124の回転駆動力(回収力)が回収リール121に伝達されなくなり、セパレータSが停止すれば回収リール121も停止するように構成される。これにより粘着テープT及びセパレータSに過大な張力が加わることが防止される。
次に、上記テープ貼付機構113について詳細に説明する。テープ貼付機構113は、上記上下駆動部112Dにより図示上下方向に移動可能に構成されたテープ貼付部10を含む。このテープ貼付部10の取付ベース11には、テープ貼付ヘッド12と、テープ切断機構13と、セパレータ固定機構14とが取り付けられている。テープ貼付ヘッド12は、その下端部においてテープ貼付ローラ12aを回転自在に軸支する。テープ貼付ヘッド12は、図5に示すように、テープ貼付ローラ12aを軸支する軸支部材12bと、この軸支部材12bに固定された本体ブロックの一方(図示右側)の側部である供給側案内部12cと、当該本体ブロックの他方(図示左側)の側部である回収側案内部12dとが設けられるヘッド本体とを有する。もちろん、テープ貼付ヘッド12は、上記軸支部材12b、上記供給側案内部12c及び上記回収側案内部12dを一体に成形した単一部材や上記とは異なる組立体により構成されていても構わない。なお、図11に示すように、テープ貼付ヘッド12と本体部112の上部との間にはコイルばね12kが架設されている。このコイルばね12kがテープ貼付部10の自重の一部を支持して荷重調整手段となることにより、テープ貼付時のテープ貼付ローラ12aにより粘着テープTに与えられる貼り付け荷重が調整される。
上記供給側案内部12cの外面は供給側案内面12csを構成する。この供給側案内面12csは、上記テープ供給機構114により供給される粘着テープT及びセパレータSを、セパレータSが供給側案内面12csの側に配置される姿勢で、上記テープ貼付ローラ12aのローラ面のうちの被貼付面Psに対面する側にあるテープ貼付領域12arに向けて案内する。
上記供給側案内面12csは、上記テープ供給ローラ119から上記テープ貼付ローラ12a上に向けて粘着テープT及びセパレータSを案内する。上記供給側案内面12csは、図示例の場合、案内方向に沿ってほぼ平坦な面となっている。ただし、上記供給側案内面12csは、上記テープ貼付ローラ12aの近くの先端部12cpでは、当該テープ貼付ローラ12aのローラ面に沿って、上記テープ貼付領域12arに向けてやや内側へ湾曲している。また、上記供給側案内面12csの先端部12cpは、上記テープ貼付ローラ12aの上記テープ貼付領域12arとは反対側の端部(図示上側の軸支部材12bにより隠された上端部)よりも先端側(図示下側、すなわち、被貼付面Psの側)に延出している。より詳細に言えば、上記供給側案内面12csの先端部12cpは、被貼付面Psに対する距離が上記テープ貼付ローラ12aの中心と同じになる位置に達するように形成されている。
上記回収側案内部12dの外面は回収側案内面12dsを構成する。この回収側案内面12dsは、上記テープ貼付領域12ar上から延在するセパレータSをセパレータ回収ローラ120に向けて案内する。上記回収側案内面12dsは、図示例の場合、上記テープ貼付ローラ12aの上記テープ貼付領域12ar上で粘着テープTと分離されるセパレータSを上記セパレータ回収ローラ120に向けて案内する。上記回収側案内面12dsは、図示例の場合、案内方向に沿ってほぼ平坦な面となっている。ただし、上記回収側案内面12dsは、上記テープ貼付ローラ12aの近くの先端部12dpでは、当該テープ貼付ローラ12aのローラ面に沿って、上記テープ貼付領域12arに向けてやや内側へ湾曲している。また、上記回収側案内面12dsの先端部12dpは、上記テープ貼付ローラ12aの上記テープ貼付領域12arとは反対側の端部(図示上側の軸支部材12bにより隠された上端部)よりも先端側(図示下側、すなわち、被貼付面Psの側)に延出している。より詳細に言えば、上記回収側案内面12dsの先端部12dpは、被貼付面Psに対する距離が上記テープ貼付ローラ12aの中心と同じになる位置に達するように形成されている。
テープ供給リール116から引き出された粘着テープT及びセパレータSは、テンションローラ118及びテープ供給ローラ119を介して図示下方へ進み、上記テープ貼付ヘッド12の供給側案内面12cs上を通過し、その後、テープ貼付ローラ12aのローラ面に支持されて、当該ローラ面の下側部分であるテープ貼付領域12ar上に達する。このテープ貼付領域12arは、上記ローラ面のうちの被貼付面Psとは反対側(図示上側)ではなく、被貼付面Psの側(図示下側)を向く領域である。このテープ貼付領域12arで粘着テープTとセパレータSとが剥離して分離され、セパレータSはテープ貼付ローラ12aから上記回収側案内面12dsとセパレータ回収ローラ120を経て回収リール121に巻き取られる。なお、粘着テープTはテープ貼付ローラ12aにより被貼付面Psに貼着されるが、その詳細な貼付手順は後述する。なお、図5に示すEは、テープ貼付ヘッド12の両側の供給側案内面12cs及び回収側案内面12ds及びそれらの間のテープ貼付ローラ12aのテープ貼付領域12arによって構成される粘着テープT又はセパレータSの架設経路である。
テープ貼付部10は、上記上下駆動部112Dにより、被貼付面Psから離反した離反位置(図示上方位置)と、被貼付面Psに接近した接近位置(図示下降位置)とのいずれかに選択的に配置される。なお、上記離反位置は、テープ貼付ローラ12aが被貼付面Psの表面から離反し、一定の高さに配置されるように予め設定されていることが好ましい。一方、上記接近位置は、テープ貼付ローラ12aが被貼付面Psに接することのできる位置に設定される必要があるが、被貼付面Psの表面には凹凸が存在する可能性があり、また、当該表面が傾斜している場合もあることから、上記接近位置では、テープ貼付ユニット110全体が被貼付面Ps(下方)に向けて、ばね力等により押し付けられた状態とされ、テープ貼付ローラ12aが被貼付面Psの表面に圧接されるとともに当該表面に沿って或る程度の範囲において上下に追随するように構成されることが望ましい。
上記テープ切断機構13は、供給側案内面12cs上の粘着テープTを切断する切断作動部13Aと、この切断作動部13Aを作動させる作動駆動部13Bとを具備する。切断作動部13Aは、図6に示すように、テープ貼付部10の取付ベース11上の支点13aにおいて回動可能に軸支された作動アーム13bと、この作動アーム13bの先端に取り付けられたカッターヘッド13cとを有する。カッターヘッド13cは、保持部材13dと、この保持部材13dに取り付けられた切断刃13eと、上記保持部材13dに取り付けられた規制部材13fとを備える。規制部材13fには、保持部材13dに対して切断刃13eの進退方向(切断刃13eの刃先が供給側案内面12csに対して接近したり離反したりする方向)に突出する量を調整可能となるように、規制部材13fを出没可能に受け入れる構造と、規制部材13fに当接して固定する止めねじなどの固定手段とからなる規制位置調整機構13gが設けられている。
ここで、カッターヘッド13cは、保持部材13dに対する切断刃13e及び規制部材13fの固定により、切断刃13eと規制部材13fとの相対的位置関係が保持されるように構成される。特に、本実施形態では、一対の規制部材13f,13fが設けられ、切断刃13eの両側(粘着テープTの幅方向の両側であり、図示例では、切断刃13eの刃渡り方向の両側でもある。)に一対の上記規制部材13fが固定されている。そして、これらの規制部材13fは、いずれも、粘着テープT及びセパレータSの幅方向の外側において前記供給側案内面12csに当接する。一方、上記供給側案内面12csは規制部材13fの当接部分も含めて幅方向に平坦に構成される。これにより、規制部材13fが供給側案内面12csの上記部分に当接すると、切断刃13eは、それ以上供給側案内面12csには接近できないため、粘着テープT及びセパレータSに対する切断刃13eの刃先の食い込み量を確実に規制できる。さらに、本実施形態では、切断刃13eと規制部材13fの位置関係を保持したままで、粘着テープT及びセパレータSに対する切断動作を行う作動アーム13bに対して、保持部材13dが着脱可能となるように取り付けられる。ここで、本実施形態において、上記切断作動部13Aは、上記支点13aを中心に回動可能な作動アーム13b、並びに、当該作動アーム13bに取り付けられたカッターヘッド13c(保持部材13d、切断刃13e及び一対の規制部材13f)により構成される。
より詳細に述べると、図6(a)及び(b)に示すように、保持部材13dは、保持部材13dの本体との間に、取付ねじ13drにより切断刃13eを固定する固定板13dqを備えるとともに、本体から固定板13dqの図示しない孔部に向けて突出する一対の位置決めピン13dpを幅方向の二箇所に備えている。切断刃13eは、刃先とは逆側の基端縁を一対の上記位置決めピン13dpに突き当てられた状態で本体と固定板13dqとの間に取付ねじ13drにより挟持された状態で固定される。
上記のカッターヘッド13cの構造により、図6(c)及び(d)に示すように、規制部材13fの規制部(先端面)13faは、切断刃13eの刃先13eaよりもΔtだけ突出した状態とされる。ここで、粘着テープTの厚みをTtとし、セパレータSの厚みStとすると、ΔtはStよりも僅かに小さな値を有する。これにより、図6(d)に示すように、粘着テープT及びセパレータSの積層構造に対して、Δt<Stの関係により、刃先13eaが厚みTtの粘着テープTを貫通して、その先端が厚みStのセパレータSに食い込むことにより、粘着テープTを完全に切断することができる。ここで、St−Δt=Δd(Δdは図示せず。)は粘着テープTの切断余裕である。切断余裕Δdは、粘着テープTの材質や切断刃13eの切断性能に応じて、粘着テープTを切断箇所で確実に分離できるように設定される。なお、粘着テープTが破断しやすい材質で構成される場合には、粘着テープTの切断余裕Δdをマイナスに設定することもできる。
ただし、刃先13eaはセパレータSを貫通して切断しないように、また、テープ貼付機構113、テープ供給機構114及びセパレータ回収機構115により供給及び回収される架設経路において、セパレータSが張力により破断しないように、セパレータSに或る程度の切断部の残厚Δtmin(図示せず。)が残るように設定される。このとき、上記残厚Δtminは、セパレータSの強度と上記張力との関係によって定められる。典型的な例では、Tt=1.0〜1.2mm程度、St=0.1mm程度であれば、Δt=0.03〜0.08mm程度とする。この場合、Δd=0.02〜0.07mmであるが、セパレータSは切断余裕Δdの分だけ切断されるとは限らないため、残厚はΔtmin=0.04〜0.09mm程度となることが想定される。
なお、上記作動駆動部13Bの駆動端13h(図5参照、エアシリンダ等の出力軸)が作動アーム13bの被駆動部13brを押すことにより、カッターヘッド13cはテープ貼付ヘッド12の供給側案内面12csに向けて押し出され、これによって、切断刃13eが供給側案内面12cs上の粘着テープTを切断する。このとき、切断刃13eの姿勢及び進退方向は、供給側案内面12cs又はその上の粘着テープTの架設経路Eの方向と直交することが切断力を高める上で好ましい。なお、作動アーム13bの上部と作動駆動部13Bとの間に架設されたコイルばね13kは、粘着テープTの切断後において作動駆動部13Bの駆動端13hの退避後に作動アーム13bを後方へ退避させるための復帰力を与える。
上記切断作動部13Aにはテープ押え13iが設けられている。テープ押え13iは、作動アーム13bとともに上記支点13aを中心として回動することにより、カッターヘッド13cとともに供給側案内面12csに対して進退する。このとき、切断作動部13Aが粘着テープTから退避した状態では、テープ押え13iの押え端13iaは、切断刃13eの刃先13eaよりも供給側案内面12csの側に突出している。また、テープ押え13iは、その押え端13iaが粘着テープTから退避する方向に弾性変形可能となるように構成される。このため、切断作動部13Aが粘着テープTに向けて前進する際における、切断刃13eによる粘着テープTの切断動作が開始される前において、テープ押え13iの先端の押え端13iaが粘着テープT及びセパレータSを供給側案内面12cs上に押さえ付ける。また、上記カッターヘッド13cが粘着テープTの切断後に退避する際における、粘着テープTから切断刃13eが退避した後においても、テープ押え13iの先端の押え端13iaが粘着テープT及びセパレータSを供給側案内面12cs上に押さえ付ける。
上記構成により、カッターヘッド13cが前進すると、切断刃13eの刃先13eaよりも先にテープ押え13iの押え端13iaが粘着テープTに当接し、粘着テープT及びセパレータSを供給側案内面12csに押さえ付ける。これにより、供給側案内面12csに押さえ付けられた状態で粘着テープTの切断刃13eにより切断されるため、テープ貼付ヘッド12に対する粘着テープTの切断位置及び切断状態が安定する。また、粘着テープTの切断時には、テープ押え13iが後退方向に弾性変形するため、切断刃13eは支障なく上述の位置まで前進できる。さらに、切断刃13eによる粘着テープTの切断後にカッターヘッド13cが退避する際には、切断刃13eが粘着テープTから或る程度の距離だけ離れるまで、テープ押え13iの押え端13iaは粘着テープT及びセパレータSを供給側案内面12cs上に押え続ける。ここで、上記距離は、カッターヘッド13cの待機時において上記の押え端13iaが切断刃13eの刃先13eaより突出する量である。これにより、切断刃13eが粘着テープTから離れる際に粘着テープT及びセパレータSが供給側案内面12csから浮き上がることを防止できる。なお、刃先13eaや押え端13iaの表面(粘着テープTに接触する表面部分)には、粘着テープTに接触したときに付着しにくくなる表面処理、例えば、シリコン系樹脂やフッ素系樹脂の表面コーティングを施すことが好ましい。
セパレータ固定機構14は、テープ貼付部10の上記取付ベース11上において回動可能に軸支され、先端にセパレータSを押圧固定するロック部14aを備えた固定作動部材14Aと、この固定作動部材14Aに対して回転自在に連結される駆動部14bを備え、上記ベース11上において回動可能に軸支されたエアシリンダなどの作動駆動体14Bとを有する。図示例において、作動駆動体14Bの駆動部14bが退避した状態では、図1に示すように固定作動部材14Aのロック部14aが回収側案内面12ds上のセパレータSを押圧し、固定する。一方、図5に示すように、駆動部14bが突き出ると、ロック部14aが回収側案内面12ds上のセパレータSから離反するので、セパレータSは解放される。
上記のように構成されたテープ貼付ユニット110は種々の構成で用いることができるが、テープ貼付ユニット110を備えたテープ貼付装置100を構成する場合の一例を図17に模式的に示す。このテープ貼付装置100においては、テープ貼付ユニット110の下方に配置された支持台101と、支持軸111を用いてテープ貼付ユニット110を吊り下げ、保持するユニット支持部102と、ユニット支持部102に保持されたテープ貼付ユニット110を支持台101に対してX軸及びY軸(平面方向)、θ軸(回転方向)についてそれぞれ相対的に移動可能に構成する装置駆動部130とを具備する。この装置駆動部130は、公知のXYθテーブル及び駆動モータなどによって構成できる。また、昇降駆動軸をさらに設けることなどにより、テープ貼付ユニット110を支持台101に対してZ軸(図示上下方向)にも移動可能に構成されることが好ましい。
このテープ貼付装置100では、上記支持台101上に被貼付体Pを配置(固定)することにより、装置駆動部130の動作態様に対応して、被貼付体Pの表面である被貼付面Ps上に粘着テープTを貼り付けできる。また、テープ貼付装置100には、その全体を制御する装置制御部140が設けられる。この装置制御部140は、上記装置駆動部130を制御するとともにテープ貼付ユニット110の上記ユニット制御部112Aを制御し、後述する各種の動作手順で各種の処理を実行する。装置制御部140は、所定の動作プログラムに従って動作するMPU(マイクロプロセッサユニット)などにより構成される。
次に、図7〜図19を参照して、上記テープ貼付装置100により、被貼付面Psに粘着テープTを貼り付けるときの貼付態様及びこのときの各部の動作態様を説明する。まず、図7〜図16を参照して、テープ貼付装置100による個々の粘着テープ貼付態様について説明する。
図7は、テープ貼付装置100の各部の動作態様を示すタイミングチャートである。ここで、テープ貼付部10の動作態様は、上記上下駆動部112Dの作動により、図8に示すようにテープ貼付ローラ12aが被貼付面Psに対して上方へ離間した離反位置(上昇位置)と、図9に示すように被貼付面Psに接触した接近位置(下降位置)とのいずれかに位置決めされる。なお、本実施形態では、上下駆動部112Dをエアシリンダで構成し、上記の接近位置では、テープ貼付部10は空気圧により下方へ向けて付勢された状態とされる。これにより、テープ貼付部10は貼付面Psに微小な凹凸や傾斜が存在してもこれらに追随するように構成される。なお、付勢手段はエアシリンダに限らず、油圧シリンダやコイルばねなどの各種の構成を用いることができる。また、本実施形態では、テープ貼付ユニット110において、テープ貼付部10がユニット本体に対して上下駆動部112Dにより上下に移動可能に構成されているが、このような上下駆動部112Dを設ける代わりに、上記ユニット支持部102によりテープ貼付ユニット110全体を上下に駆動するようにしてもよい。この点は、本明細書において、上下駆動部112Dによりテープ貼付部10を上下に移動させる他の記載部分においても同様である。
上記セパレータ固定機構14は、上記作動駆動体14Bにより固定作動部材14Aが作動することによって、セパレータSを回収側案内面12dsに押し付けるロック状態と、セパレータSを開放するアンロック状態のいずれかに設定される。上記テープ切断機構13は、上記作動駆動部13Bにより切断作動部13Aが作動することによって、供給側案内面12cs上の粘着テープTを切断するカット位置と、粘着テープTから離反する待機位置とのいずれかに設定される。上記装置駆動部130は、上記テープ貼付ユニット110と支持台101とを相対的に移動させるON状態と、相対的な移動を停止するOFF状態のいずれかに設定される。上記セパレータ回収機構115は、上記駆動モータ124の駆動によって回転伝達部122を介して回収リール121が巻取り可能なON状態と、巻取りが停止されるOFF状態のいずれかに設定される。
初期化段階Iでは、テープ貼付装置100を起動すると、当初から原点位置に配置されている場合を除き、上昇位置にあるテープ貼付ユニット110は支持台101上の原点位置に配置される。このとき、テープ貼付部10は離反位置(上昇位置)にあり、セパレータ固定機構14はロック状態、テープ切断機構13は待機位置、装置駆動部130はOFF状態、セパレータ回収機構115はOFF状態である。ここで、装置制御部140に対して、図示しない入力インターフェースなどにより入力されたり、開始操作などが行われることにより、メモリなどに格納された粘着テープTの貼付位置、貼付方向及び貼付長を少なくとも含むテープ貼付情報が読みだされたりすると、このテープ貼付情報の上記貼付位置に応じて、ON状態に移行した装置駆動部130がテープ貼付ユニット110を支持台101上の所定の相対位置に移動させる。この位置は、上記貼付位置に含まれるか或いはこれに対応する、テープ貼付開始位置に相当する。これが貼付位置移動段階IIである。
次に、テープ始端貼付段階IIIでは、粘着テープTの始端Tsを貼付開始位置に貼り付ける。このとき、最初に、テープ貼付ユニット110において、当該ユニットの貼付方向(ユニット姿勢)が上記テープ貼付情報に含まれる貼付方向に対応するように設定される。その後、図8に示すように離反位置にあったテープ貼付部10が上下駆動部112Dにより降下し、図9に示すように接近位置に配置されることにより、テープ貼付ローラ12aのテープ貼付領域12arが被貼付面Psに当接する。ここで、テープ貼付ローラ12aのテープ貼付領域12arの中心位置12ac(テープ貼付ローラ12aのローラ面の最下部である先端)に粘着テープTの始端Ts(図14参照)が配置されることにより、テープ貼付ローラ12aの降下によって粘着テープTの貼付位置が確定されるため、テープの貼り付けを直ちに開始することが可能になる。
ただし、図14に示す例では、始端Tsは、テープ貼付領域12ar内ではあるものの、その中心位置12acより上流側へΔmaだけずれた位置に配置されている。このように、テープ貼付領域12arの中心位置12acに粘着テープTの始端Tsが配置されてない場合には、上記テープ始端貼付段階IIIのテープ貼付部10の降下時にテープ貼付ローラ12aを回転させて始端Tsを中心位置12acに一致させてもよい。しかし、このようにするには、テープ貼付ローラ12aを回転駆動する回転駆動機構などのテープ及びセパレータを供給する駆動機構が必要となる。したがって、このような駆動機構を設けない場合において、粘着テープTの始端Tsが上記中心位置12acにないときには、上記段階IIIにおけるテープ貼付部10の降下位置を粘着テープTの貼付開始位置よりも始端Tsの中心位置12acに対するずれ量Δmaだけ貼付方向の手前に設定する。このようにすれば、テープ貼付ユニット110を上記降下位置から貼付開始位置へ移動させるだけで、テープ貼付ローラ12aが転動することにより、粘着テープTの始端Tsが上記貼付開始位置に一致する。
この段階IIIでは、セパレータ固定機構14はロック状態に維持されたままである。この状態で、それまでON状態であった装置駆動部130はOFF状態とされ、テープ貼付ローラ12aが平面的に停止した状態で被貼付面Ps上に降下する。また、この段階IIIでは、それまでOFF状態であったセパレータ回収機構115がON状態となり、ロック部材14aによる固定位置より下流側にあるセパレータSがセパレータ回収ローラ120を介して回収力(張力、或いは、巻取力)を受けた状態とされる。
その後、テープ貼付準備段階IVでは、それまでロック状態であったセパレータ固定機構14が回収側案内面12ds上のセパレータSを解放し、アンロック状態に移行する。その他の部分は、上記のテープ始端貼付段階IIIの完了時と同じである。
次に、装置駆動部130により、テープ貼付ユニット110を支持台101に対して相対的に平面方向に移動させ、テープ貼付主段階Vを実行する。このとき、図10に示すように、テープ貼付ローラ12aは、テープ貼付ユニット110の相対移動に伴って被貼付面Ps上で粘着テープTを介在させた状態で転動するので、粘着テープTはセパレータSとともにテープ供給機構114から引き出され、被貼付面Ps上に貼り付けられていく。また、このとき、ON状態のセパレータ回収機構115はセパレータSを弛みを生じさせることのないように回収していく。
このテープ貼付主段階Vは、テープ貼付情報の貼付長Lが図10に示す基準長L1よりも長い場合に実行される。ここで、基準長L1は、図10に示すように、粘着テープTの架設経路E(図5参照)上に沿って計測したテープ切断位置Cpとテープ貼付位置Lpとの間の距離である。ここで、テープ切断位置Cpは、上記テープ切断機構13により粘着テープTが供給側案内面12cs上で切断される位置である。また、テープ貼付位置Lpは、上記粘着テープTが被貼付面Ps上に貼り付けられるテープ貼付ローラ12aのテープ貼付領域12ar(図示例ではその中心位置12ac)上の位置である。ここで、テープ貼付ユニット110を本実施形態のようにコンパクトに構成すれば、上記基準長をL1=10〜20mm程度、或いは、それ以下に、容易に設定することができる。
上記貼付長Lが上記基準長L1よりも長い場合(L>L1)には、上記テープ貼付主段階Vにおいては、L−L1=L2だけテープ貼付ユニット110を支持台101に対して平面方向に移動させ、これによって被貼付面Ps上に粘着テープTを長さL2だけ貼り付ける。これにより、上記テープ貼付主段階Vは終了し、装置駆動部130がOFF状態とされ、テープ貼付ユニット110が支持台101に対して停止する。
その後、テープ切断段階VIを実行する。このテープ切断段階VIでは、供給側案内面12cs上の粘着テープT及びセパレータSに対してテープ切断機構13を作動させ、図11に示すように、粘着テープTを上記テープ切断位置Cpにおいて切断する。ここで、図示例では、テープ貼付部10は接近位置にある。テープ切断動作は離反位置でも可能であり、このときセパレータ固定機構14によりセパレータSが固定されていることが好ましい。しかし、本実施形態のようにテープ切断動作が接近位置で行われると、テープ貼付ローラ12aのテープ貼付領域12arでテープT及びセパレータSが被貼付面Psとの間に挟持されるため、テープの浮き上がりがさらに抑制されることなどから、テープ切断位置(カット部Ct)をさらに高精度に形成できる。セパレータS上において切断された粘着テープTには、切断刃13eによって前後部分が分離されたカット部Ctが形成される。このテープ切断段階VIにおいては、カッターヘッド13cは、図10に示す待機状態から図11に示すカット状態に移行し、その後、直ちに、上記待機状態に戻る。カット部Ctが形成されることにより、当該カット部Ctの下流側に既に被貼付面Ps上に貼着された粘着テープTの終端(Tf、図13等参照)が形成される。また、上記カット部Ctの上流側にはその次に貼り付けられる粘着テープTの始端(Ts、図10等参照)が形成されている。
その後、末端貼付段階VIIにおいて、粘着テープTの上記テープ貼付主段階Vが終了した時点において被貼付面Ps上のテープ貼付部分の最後尾にある部位から上記カット部Ctにより形成された下流側の部位(終端Tfまでの長さL1の末端部分)の貼り付けが開始される。すなわち、装置駆動部130は再びON状態とされ、テープ貼付ユニット110は支持台101に対して上記貼付方向に移動し、これに伴って転動するテープ貼付ローラ12aにより、粘着テープTはさらに被貼付面Ps上に貼着される。
なお、上記貼付長Lが上記基準長L1と等しい場合には、上記のテープ貼付主段階Vを省略し、上記テープ貼付領域12arの中心位置12acに粘着テープTの始端Tsが配置されている状態で、上記テープ切断段階VIを実行することで、粘着テープTを基準長L1と同じ長さにカットすることができる。この状態で、上記末端貼付段階VIIを実行すれば、基準長L1の長さの粘着テープTを貼り付けることができる。
次に、セパレータ固定段階VIIIにおいて、上記セパレータ固定機構14により、停止したテープ貼付ヘッド12の回収側案内面12ds上のセパレータSを固定する。図12は、当該セパレータ固定段階VIIIが終了した時点のテープ貼付ヘッド12の近傍を示す拡大図である。セパレータSがロック部14aにより回収側案内面12ds上で固定されることにより、次の貼付ヘッド離反段階IXにおけるテープ貼付部10の上昇時において、セパレータ回収機構115が設けられているにも拘わらず、セパレータSが一時的に弛んで、種々の不具合、例えば、粘着テープTの始端Tsや終端Tfの位置ずれが生じたり、粘着テープTのカット部Ctの上流側にある部分が被貼付面Psに付着してしまったりすることを防止できる。これは、セパレータSが停止している状態から急にテープ貼付部10が上昇することにより、セパレータ回収機構115が回収側案内面12ds上のセパレータSの上昇動作に追随できずに一時的な回収不良が生ずる場合があるためである。
この時点では、装置駆動部130はOFF状態とされ、テープ貼付動作は終了し、テープ貼付ヘッド12は被貼付面Ps上で停止している。この状態で、テープ貼付ローラ12aのテープ貼付領域12arの中心位置に上記カット部Ctを配置してもよいが、図12に示す例では、上記カット部Ctをテープ貼付領域12arの中心位置からわずかに上流側へずらして配置している。このときのカット部Ctの上記中心位置からのずれ量Δmaは、次の貼付ヘッド離反段階IXにおいて、粘着テープTのカット部Ctの上流側にある部分が被貼付面Psに付着してしまう不具合を回避するために設けている。このずれ量Δmaは、粘着テープTのカット部Ctより上流側にある部分が被貼付面Psに付着しなければよいので、例えば、テープ貼付ローラ12aのローラ面上の粘着テープTが被貼付面Psから離反するのに十分な距離、典型的には1〜2mm程度に設定される。なお、当該十分な距離はテープ貼付ローラ12aの径やテープの可撓性などにより変わる。
次に、貼付ヘッド離反段階IXにおいて、テープ貼付部10が上下駆動部112Dにより上昇し、テープ貼付ローラ12aが被貼付面Ps上から離反する。これにより、図13に示すように、粘着テープTのカット部Ctより下流側にある部分は被貼付面Ps上に残り、その端部が上記終端Tfとなる。また、粘着テープTのカット部Ctより上流側にある部分は、セパレータSとともに、テープ貼付ヘッド12とともに上昇し、被貼付面Psから離反する。このとき、セパレータSの下流側部分はセパレータ固定機構14により回収側案内面12ds上で固定されているとともに、粘着テープT及びこれに重なるセパレータSの上流側部分は、上記テープ供給ローラ119を介してテンションローラ118により与えられる張力により、所定の引き戻し力を受けた状態にある。このため、テープ貼付部10が上昇しても、粘着テープT及びセパレータSは、テープ貼付ヘッド12に沿った架設経路E(図5参照)において上記の引き戻し力により保持されている。
この貼付ヘッド離反段階IXにおいて、図7に点線で示すように、テープ切断機構13を作動させることにより、供給側案内面12cs上の粘着テープT及びセパレータSがテープ貼付ヘッド12において移動しないように保持する保持力を高めることができる。例えば、粘着テープTの表面に切り込みが残っても構わなければ、切断刃13eを粘着テープTに食い込ませることにより、粘着テープT及びセパレータSをテープ貼付ヘッド12に保持することができる。ここで、切断刃13eは粘着テープTを切断する必要はないため、上記テープ切断動作よりも切断刃13eの食い込み量を低下させることも可能である。また、カッターヘッド13cの食い込み量をさらに低下させることにより、切断刃13eを粘着テープTに食い込ませることなしに、上記テープ押え13iだけを粘着テープTに当接させてもよい。この場合には、粘着テープTに損傷を与えずに、粘着テープT及びセパレータSをテープ貼付ヘッド12に保持できる。なお、このようにテープ貼付ヘッド12への粘着テープT及びセパレータSの保持機能により、粘着テープTがカット部Ctにおいて完全に切断されていなくても、テープ貼付部10の上昇時に破断させることによって粘着テープTを分断することが容易になる。
以上のように、テープ貼付部10が離反位置に戻ると、貼付ヘッド移動段階Xとなり、セパレータ回収機構115がOFF状態になるとともに、テープ貼付ユニット110は、次のテープ貼付情報に対応する次の貼付開始位置に向けて移動する。また、次のテープ貼付情報がない場合には、テープ貼付ユニット110は原点位置に戻り、初期状態となる。この場合、その後に次のテープ貼付情報が与えられれば、当該情報に対応するテープ貼付工程として、再び上記の手順にて各段階が実行される。
以上の説明では、テープ貼付情報の貼付長Lが基準長L1以上の場合におけるテープ貼付工程の動作手順について示した。しかし、上記のテープ貼付工程では、テープ貼付情報の貼付長LがL1未満の場合には対応できない。そこで、図15に示すように、テープ貼付ローラ12aを逆向きに回転させることにより、粘着テープTの始端Tsを上流側へ引き戻してからテープを切断するテープ引き戻し切断処理を実行する。この処理では、上記始端Tsをテープ切断位置Cpに向けて移動させ、図16に示すように、始端Tsがテープ切断位置Cpから所望の貼付長Lに一致する距離を有する位置に配置されたときに停止させ、そして、テープ切断位置Cpにおいて粘着テープTを切断する。これにより、基準長L1未満の所望の貼付長Lに対応する長さの粘着テープTを準備することができる。このようなテープ貼付ローラ12aの逆向きの回転(引き戻し)は、上記駆動機構を用いて行うことができる。ただし、上記駆動機構は、粘着テープTの始端Tsをテープ貼付領域12arの中心位置12acに一致させるために粘着テープTを貼付方向に駆動するものである。このため、当該駆動機構を順逆両方向に駆動できるものとするか、或いは、テープ貼付ローラ12aを逆向きに回転駆動する回転駆動機構などの逆方向に駆動する駆動機構を上記テープ及びセパレータを供給する駆動機構(すなわち、順方向の駆動機構)とは別に設ければ、上記テープ引き戻し動作を実現できる。
本実施形態では、上記テープ引き戻し切断処理において、上記いずれかの駆動機構を用いるのではなく、図15に示すように、テープ貼付部10を接近位置に配置し、テープ貼付ローラ12aを被貼付面Psに接触させ、装置駆動部130により、テープ貼付ユニット110を支持台101に対して平面方向に移動させることにより、テープ貼付ローラ12aを逆向きに転動させる。これにより、上記と同様に基準長L1より短い長さとなるように粘着テープTを切断できる。この場合において、図14に示すように、テープ貼付ローラ12aを逆向きに回転させるためにテープ貼付部10を降下させる際に、粘着テープTの始端Tsをテープ貼付領域12arの中心位置12acよりもずれ量Δmaだけ上流側にずらして配置したままにすると、降下後に粘着テープTが被貼付面Ps若しくは支持台101の表面に付着しにくくなって好都合である。ここで、テープ貼付ローラ12aを支持台101の支持面などの被貼付面Ps以外の面に接触させることにより、上記引き戻し動作を実行してもよい。ただし、この場合には、引き戻し動作の前後において、テープ貼付ユニット110を離反位置で平面方向に移動させる必要がある。
なお、上記の駆動機構を用いる方法と、これを用いない本実施形態の方法のいずれの方法であっても、テープ引き戻し切断処理では、粘着テープT及びセパレータSが上流側へ引き戻される。このとき、上記テンションローラ118の張力付与機能により与えられる張力と、テンションローラ118のテンションが付与される可動範囲とを適宜に設定しておくことにより、テンションローラ118の動作によって上記張力下においてたぐり寄せられることで、供給リール116を巻き戻すことなしに、テープ引き戻し動作に必要な長さ分だけ、粘着テープT及びセパレータSを上流側へ引き戻すことができる。
図18及び図19は、複数のテープ貼付情報を予め装置制御部140やユニット制御部112Aに対して入力、転送、記録、送信等することにより、複数のテープ貼付情報にそれぞれ対応するテープ貼付工程を順次行うように構成した場合の動作手順の態様を示す概略フローチャートである。この概略フローチャートは、複数のテープ貼付情報に基づいて、各テープ貼付情報に対応する個々の粘着テープTのテープ貼付工程を順次に行っていく場合に、前後の工程の効率化を図るように構成された動作プログラムの一例を示している。
図18に示すように、装置制御部140は、上記の複数のテープ貼付情報iに基づいて、このテープ貼付情報iに対応するテープ貼付工程を実行する。ここで、図示例では、i=1〜N(Nは2以上の自然数)の複数(組)のテープ貼付情報iが存在するものとする。このとき、初期値としてi=1とし、このiに対応するフラグをF(i)=0に設定する。このフラグF(i)の値は、テープ貼付情報iに対応する粘着テープTの終端Tfを形成する上記カット部Ctが既に形成済みであるか否かを示すものであり、0であれば未形成であり、1であれば形成済である。
次に、テープ貼付情報iについて、テープ貼付工程を開始する。最初に、上記テープ貼付情報iの貼付長L(i)が上記基準長L1以上であるか否かを判定し、貼付長L(i)がL1以上であれば、テープ貼付情報iの貼付位置に対応する貼付開始位置に向けて移動する。その後、フラグF(i)が0であるか否かを確認し、0であれば、テープ貼付距離をLd=0に初期化し、上記テープ貼付主段階を開始する。そして、テープ貼付距離LdがL(i)−L1に達すると、貼付動作を停止し、テープ切断動作を実行する。ただし、貼付長L(i)が基準長L1と同じである場合には、テープ貼付主段階は実行せずに、テープ切断動作を実行する。なお、フラグF(i)が0でなければ(1であれば)、このテープ貼付工程において貼り付けられるテープを切断するためのテープ切断動作は実行しない。
一方、i=1のときには、貼付長L(i)がL1未満であれば、テープ引き戻し切断処理BCを実行する。このテープ引き戻し切断処理BCでは、テープ貼付ユニット110を貼付開始位置に移動した後に、テープ貼付部10を降下させ、テープ引き戻し動作を行うためにテープ貼付ユニットを貼付方向とは逆向きにΔL=L1−L(i)だけ後退させる。その後、テープ切断を行うことにより、上記テープ引き戻し切断処理BCを実行する。さらに、テープ貼付ユニット110を貼付方向にΔLだけ前進させ、粘着テープTの始端Tsを貼付開始位置に復帰させる。
なお、テープ引き戻し動作を開始する前に粘着テープTの始端Tsが被貼付面Psに付着して剥がせなくなる場合には、上記ずれ量Δmaを有する状態でテープ貼付部10を降下させることにより、セパレータSのみが被貼付面Psに接するようにし、そこから後退して引き戻し動作を行う。ただし、この場合には、上記ずれ量Δmaだけ貼付開始位置がずれてしまうため、引き戻し動作前の移動時に貼付開始位置よりもΔmaだけ貼付方向とは逆の後方にある位置に降下し、当該位置から引き戻し動作を始めるようにすればよい。この場合でも、引き戻し動作後に、テープ貼付ユニットを貼付開始位置に戻すことにより、粘着テープTの始端Tsがテープ貼付領域12arの中心位置12acに配置される。ここで、上記ずれ量Δmaは、テープ貼付部10の上昇時の問題を回避するためのずれ量と同じである必要はない。しかし、両時点のずれ量を同じにすれば、前回のテープ貼付工程の終了時から今回のテープ貼付工程の開始時までの間にテープ貼付ローラ12aを回転させる必要がなくなるため、上回転駆動機構その他の駆動機構が不要になるという利点が生ずる。
なお、テープ貼付ローラ12aの上記回転駆動機構その他の粘着テープTを供給の向きとは逆向きに引き戻す他の駆動機構が存在する場合には、テープ貼付ユニット110を貼付開始位置に配置する前に、粘着テープTの引き戻し動作及びテープ切断動作からなる上記テープ引き戻し切断処理BCを上記機構により実行すればよい。これにより、被貼付面Psや支持台101の支持面上でテープ貼付ユニット110を逆向きに移動させる必要がなくなる。
次に、現在貼付対応中のテープ貼付情報iの次のテープ貼付情報i+1に関し、貼付長L(i+1)が基準長L1以上か否かを判定する。貼付長L(i+1)がL1以上であれば、現在のテープ貼付工程においてこれ以上のテープ切断を行う必要がないため、末端貼付段階に移行し、テープ貼付距離Ldが貼付長L(i)に達した時点で貼付が終了される。
一方、次のテープ貼付工程の貼付長L(i+1)がL1未満であれば、現在のテープ貼付工程において、さらにテープ切断を実行しておく必要があるため、図19に示す追加テープ切断処理を行うルーティンに移行する。この追加テープ切断処理ルーティンでは、まず、次のテープ貼付工程(テープ貼付情報i+1)の貼付長L(i+1)と、そのさらに次のテープ貼付工程(テープ貼付情報i+2)の貼付長L(i+2)の和ΣL[1−2]が上記基準長L1以上であるか否かを判定する。この和ΣL[1−2]がL1以上であれば、現在のテープ貼付工程では、次のテープ貼付工程の貼付長L(i+1)のための追加テープ切断動作を行う必要はあるものの、そのさらに次のテープ貼付工程の貼付長L(i+2)のための追加テープ切断動作を行う必要はないため、フラグF(i+2)=0とする。以上の手順は、追加切断要否判定B[1−2]である。ここで、ΣL[1−2]=L(i+1)+L(i+2)である。このように、それ以上の追加テープ切断動作が不要と判断されると、テープ貼付情報i+1のテープ貼付工程のための追加テープ切断処理C[0−1]を実行する。すなわち、貼付を開始した後に、テープ貼付距離Ldが上記L(i)とL(i+1)の和Σ[0−1]と基準長L1との差に達すると、貼付を停止し、テープを切断する。その後、フラグF(i+1)を1にセットして、図18の末端貼付段階に戻る。ここで、Σ[0−1]=L(i)+L(i+1)である。
このルーティンでは、追加切断要否判定B[1−2]において上記和ΣL[1−2]がL1未満であると判定された場合には、次のテープ貼付工程(テープ貼付情報i+1)のための追加テープ切断動作だけでなく、さらにその次のテープ貼付工程(テープ貼付情報i+2)のための追加テープ切断動作も、現在のテープ貼付工程(テープ貼付情報i)において実行しておく必要が生ずる。この場合には、追加切断要否判定B[1−3]を実行し、次のテープ貼付工程(テープ貼付情報i+1)の貼付長L(i+1)と、そのさらに次のテープ貼付工程(テープ貼付情報i+2)の貼付長L(i+2)と、そのさらに次のテープ貼付工程(テープ貼付情報i+3)の和ΣL[1−3]が上記基準長L1以上か否かを判定する。
上記の追加切断要否判定B[1−3]において上記和ΣL[1−3]がL1以上であれば、テープ貼付情報i+3以降のテープ貼付工程のための追加テープ切断動作を現在のテープ貼付工程(テープ貼付情報i)において実行することは不要となるので、追加テープ切断処理C[0−1]とC[0−2]を実行して、上記と同様に図18の末端貼付段階に戻る。ここで、ΣL[1−3]=L(i+1)+L(i+2)+L(i+3)である。また、追加テープ切断処理C[0−2]では、テープ貼付距離Ldが上記L(i)とL(i+1)とL(i+2)の和Σ[0−2]と基準長L1との差に達すると、貼付を停止し、テープを切断する。その後、フラグF(i+2)を1にセットして、図18の末端貼付段階に戻る。ここで、Σ[0−2]=L(i)+L(i+1)+L(i+2)である。
なお、上記の追加切断要否判定B[1−3]において上記和ΣL[1−3]がL1未満であれば、さらに追加切断要否判定B[1−4]を実行し、その結果に応じて、追加テープ切断処理C[0−1]、C[0−2]、C[0−3]を実行するか、或いは、さらに追加切断要否判定B[1−5]を実行する。このように、上記と同様に追加切断要否判定の結果に応じて、図19に示す要領で種々の手順を実行するが、最終的には、図18の末端貼付段階に戻ることとなる。なお、上述の追加テープ切断処理の要否を基準長L1との比較により判定する各手順において、それ以上の貼付長L(i+1)、L(i+2)、L(i+3),・・・に対応する追加のテープ切断動作が不要と判定された場合には、必要な追加のテープ切断動作があればそれを実行した後に、追加のテープ切断動作が全く必要なければそのままで、以下の動作手順に進む。
以上のようにして、図18の末端貼付段階に戻り、上述のようにして、現在のテープ貼付工程を完了すると、i+1を新たなiとすることで、次のテープ貼付情報iに対応するテープ貼付工程に進む。この場合にも、上記と同じ動作手順を実行し、さらに次の貼付情報に対応するテープ貼付工程に進む。以上のようにして、次々とテープ貼付工程を順次に実行し、最後のテープ貼付情報i=Nに対応するテープ貼付工程が完了すると、装置100は停止する。
本実施形態では、基準長L1未満の長さのテープを貼り付ける場合においては、当該テープを被貼付体に貼り付けるためのテープ貼付工程の前段階において、上記追加のテープ切断動作(具体的には、テープ貼付動作の中断時のテープ切断動作)を実行する。例えば、テープ貼付情報i+1に対応するテープ貼付工程において、基準長L1の1/n(nは2以上の自然数)の長さのテープを貼り付ける場合には、前回のテープ貼付工程(テープ貼付情報i)の貼付長がL1以上であれば、当該工程(テープ貼付情報i)の末端貼付動作中(図11に示す時点と図12に示す時点との間)において、末端貼付動作の開始時からL1/nだけ進んだ時点でテープ貼付動作を中断し、追加のテープ切断動作を実行する。このようにすると、上記のテープ引き戻し動作を行わずに基準長L1未満の長さのテープをカットすることができる。なお、このときの前回のテープ貼付工程は、実際に被貼付体に貼り付ける実工程である場合に限らず、被貼付体以外の場所(例えば、支持面など)に貼り付けるダミー工程であっても構わない。また、テープ及びセパレータを供給する駆動機構(テープ貼付ローラ12aの回転駆動機構など)を備えていれば、上記離反位置でテープ及びセパレータを供給することも可能になる。このため、粘着テープTの一部を使用しない(当該一部を貼付けずにセパレータ回収機構により回収する)ことを前提とすれば、上記実工程やダミー工程以外であっても、L1未満の貼付長を有するテープ貼付工程の前段階のテープ及びセパレータを供給する過程において上記テープ切断動作を実施することが可能になる。
以上説明した本実施形態のテープ貼付ユニット110及びテープ貼付装置100によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態では、粘着テープT及びセパレータSを供給するテープ供給機構114と、テープ貼付ローラ12aを軸支するとともに、テープ貼付ローラ12aのテープ貼付領域へ向けて延在し、テープ供給機構114により供給される粘着テープT及びセパレータSを案内する供給側案内面12csを一方の側面に備えるテープ貼付ヘッド12と、テープ貼付ローラ12aのテープ貼付領域12ar上を経由したセパレータSを回収するセパレータ回収機構115と、テープ貼付ヘッド12の供給側案内面12csに支持された粘着テープTを切断するテープ切断機構13とを設ける。これにより、テープ貼付ヘッド12の一方の側面である供給側案内面12cs上でテープ切断機構13により粘着テープTを切断できるため、テープ貼付ユニット110のテープ貼付部10をコンパクトに構成できるとともに、テープ貼付ローラ12aのローラ面の一部により構成されるテープ貼付領域12arにより、微細な箇所にも容易にテープを貼り付けることが可能になる。特に、押付部材の押圧面上に一定の長さを有する粘着テープTを引き出してから当該押圧面を被貼付面に押し付けることにより上記一定の長さの粘着テープTを貼り付ける場合に比べると、テープ貼付ヘッド12に軸支したテープ貼付ローラ12aを用いることにより、被貼付面Psの微細な領域にも容易に短い粘着テープTを貼り付けることが可能である。また、上記構成により、テープ貼付領域12ar(の中心位置12ac)に対応するテープ貼付位置Lpと、テープ切断機構13によるテープ切断位置Cpとの距離(上記基準長L1)を短く設定できるというメリットもある。
特に、テープ切断機構13は、粘着テープTの幅方向に延在する刃先13eaを備える切断刃13eを備えるとともにテープ貼付ヘッド12に向けて進退可能に構成された切断作動部13Aと、該切断作動部13Aを作動させる作動駆動部13Bとを有することにより、切断刃13eを供給側案内面12cs上のセパレータS上に配置される粘着テープTに押し当てることで、粘着テープTを押し切り手法により切断することができる。
この場合において、切断作動部13Aはテープ押え13iを含み、テープ押え13iは、切断刃13eが粘着テープTから退避しているときに切断刃13eの刃先13eaよりもテープ貼付ヘッド12の側に突出する押え端13iaを備えるとともに、この押え端13iaが粘着テープTから退避する方向に弾性変形可能となるように構成されることにより、粘着テープTの切断動作の前後において押え端13iaが粘着テープTを供給側案内面12csに押さえ付けるため、粘着テープTの切断時の位置決め作用や切断刃13eの退避時の粘着テープTの浮き上がりを抑制できるため、粘着テープTの切断位置や貼付位置の高精度化を図ることができる。
ここで、テープ供給機構114は、粘着テープT及びセパレータSの引出力が所定の閾値を越えたときに粘着テープT及びセパレータSの引き出しを許容する、摩擦ブレーキや電磁ブレーキなどのブレーキ部である抵抗付与器117を有することにより、粘着テープT及びセパレータSに一定の張力を付与することができる。なお、図示例とは異なるが、テープ供給機構114は、前記引出力の少なくとも一部に相当し、粘着テープT及びセパレータSを供給する供給力を与える供給駆動部(供給側駆動モータなど)をさらに有してもよい。
一方、セパレータ回収機構115は、セパレータSに回収力を与える回収駆動部である、駆動ベルト123及び駆動モータ124と、セパレータSの回収抵抗が所定の閾値を越えたときには前記回収力を与えずに前記セパレータの回収を停止する、摩擦クラッチや電磁クラッチなどからなるクラッチ部である回転伝達部122と、を有することにより、粘着テープTやセパレータSの動作態様に拘わらず、セパレータSを弛みなく回収することができる。
また、本実施形態では、上記構成に加えて、セパレータSをテープ貼付ヘッド12の上記供給側案内面12csとは反対の他方の側面に備えられた回収側案内面12ds上を経由してセパレータ回収機構115により回収することにより、テープ貼付部10のうちの被貼付面に対面する先端部分をさらにコンパクトに構成できる。
この場合にはさらに、セパレータSを回収側案内面12dsに押し付けることにより固定するセパレータ固定機構14を設けることにより、テープ切断機構13とセパレータ固定機構14をいずれもテープ貼付ヘッド12の両側において、それぞれテープ貼付ヘッド12を切断機能と固定機能の一部を果たす部材として用いる態様で構成することができる。したがって、テープ貼付ユニット110のテープ貼付部10をコンパクトに構成することができる。
また、上記と同じ構成により、テープ貼付ヘッド12を基準として粘着テープTを適宜の位置で切断することによって所定の長さの粘着テープTをテープ貼付ローラ12aにより被貼付面Ps上に貼り付けることができるとともに、テープ貼付ヘッド12を基準としてセパレータSを固定することができる。したがって、テープ貼付ローラ12aの両側でテープ貼付ヘッド12を基準として粘着テープTの切断及びセパレータSの固定がいずれも可能となることから、粘着テープTを高精度に位置決めし、かつ、切断して、貼り付けることができる。そして、以上の各作用効果を総合することにより、微細な領域にも精度よくテープを貼り付けることができる。
また、本実施形態では、上記テープ貼付ヘッド12の両側の供給側案内面12csと回収側案内面12dsとが平行に構成されているため、テープ貼付部10をさらにコンパクト化できる。また、テープ貼付部10では、上記テープ貼付ヘッド12が被貼付面Psに対して直立し、供給側案内面12csと回収側案内面12dsとが被貼付面Psに直交しているため、微細な箇所に微細なテープを貼り付けることがさらに容易になるという利点がある。
さらに、本実施形態では、上記テープ引き戻し切断処理BCや、事前のテープ貼付工程における追加のテープ切断動作により、基準長L1よりも短いテープを自在にカットすることができるため、微細な箇所へのテープ貼り付けがさらに容易になる。また、供給側案内面12csがテープ貼付ローラ12aと並ぶ位置まで延在することによって、テープ切断位置をテープ貼付領域12arに近づけることができるため、基準長L1自体を小さく設定できる。さらに、回収側案内面12dsがテープ貼付ローラ12aと並ぶ位置まで延在することによって、テープ固定位置をテープ貼付領域12arに近づけることができるため、被貼付面Psへのテープの貼付位置の高精度化をさらに高めることができる。
なお、本発明の方法及び装置は、上述の図示例のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記各実施形態では、テープ貼付ユニット110においてテープ貼付部10が上下駆動部112Dにより上下動可能に構成されているが、本発明では、テープ貼付ヘッド12のみが上下動可能に構成されていてもよく、或いは、テープ貼付ユニット110全体が上下動可能に構成されているだけてもよい。
また、上記実施形態では、テープ切断機構13として、支点13aを中心として回動する作動アーム13bにカッターヘッド13cを取り付けた構造とし、作動アーム13bの回動により、回収側案内面12csに向けて進退可能に構成しているが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、切断刃13eが回収側案内面12cs上のテープに進退可能に構成されていればよく、当該進退可能に構成するための作動態様としては、進退方向への直進動作態様を実現するシリンダ構造やスライド構造を有するものであってもよい。さらに、セパレータ固定機構14についても、上述のような回動リンク構造や回動押し付け構造を用いたものに限らず、結果として、セパレータSを回収側案内面12ds上に押し付けることにより固定するものであればよく、回収側案内面12dsへの押し付けのための直進動作態様を実現するシリンダ構造やスライド構造を有するものであってもよい。