以下、図面を参照しながら各実施例を説明する。尚、本実施例で記載したNMOSトランジスタ、PMOSトランジスタは適宜、逆の導電型に置き換えることが可能である。逆の導電型に置き換えた場合には、トランジスタの制御ノード、主ノードに印加される電圧もまた適宜変更される。
(実施例1)
本実施例では光電変換装置の一例として、撮像装置を説明する。
図1は、本実施例の撮像装置の画素100と、垂直信号線107と、接続線120と、カウンタ160と、ランプ信号供給部165と、列回路部180を示した図である。図1ではn行目、n+1行目、n+2行目にそれぞれ配された3つの画素100を示している。
画素100は、光電変換部であるフォトダイオード101、転送トランジスタ102、リセットトランジスタ104、増幅トランジスタ105、選択トランジスタ106を有する。増幅トランジスタ105の制御ノードとして、フローティングディフージョン部103(以下、FD部103と表記する)が設けられている。画素100に含まれるトランジスタはN型のMOSトランジスタである。
転送トランジスタ102には、垂直走査回路125から信号ptx[n]が供給される。尚、[n]は、画素100が位置する行を示している。転送トランジスタ102の一方の主ノードはフォトダイオード101に電気的に接続され、他方の主ノードはFD部103を介して増幅トランジスタ105に電気的に接続されている。
リセットトランジスタ104には、垂直走査回路125から信号pres[n]が供給される。また、リセットトランジスタ104の一方の主ノードには電源電圧svddが供給され、他方の主ノードにはFD部103を介して増幅トランジスタ105が電気的に接続されている。
増幅トランジスタ105は、一方の主ノードは接続線120に電気的に接続され、他方の主ノードは選択トランジスタ106の一方の主ノードに電気的に接続されている。
選択トランジスタ106には、垂直走査回路125から信号psel[n]が供給される。選択トランジスタ106の他方の主ノードは垂直信号線107に電気的に接続されている。選択トランジスタ106は、増幅トランジスタ105と垂直信号線107との間の電気的経路に設けられている。
複数の画素100の各々の選択トランジスタ106は、垂直信号線107に共通に電気的に接続されている。
本実施例では、複数の画素100の各々が有する増幅トランジスタ105は、互いに同じチャネル幅、チャネル長を有する。尚、チャネル幅とは、制御ノードであるゲートにトランジスタがオンする電圧を印加した時にゲート下に生じる強反転領域の幅を指す。幅とは、キャリアが移動する方向に対して、ゲート上からトランジスタを俯瞰した平面視において垂直の方向の長さである。また、チャネル長とは、制御ノードであるゲートにトランジスタがオンする電圧を印加した時にゲート下に生じる強反転領域の長さを指す。ここでいう長さとは、キャリアが移動する方向の長さである。すなわち、複数の画素100の各々が有する増幅トランジスタ105の各々のチャネル比であるW/Lは互いに等しい。また、複数の画素100の各々が有する選択トランジスタ106は、互いに同じチャネル幅、チャネル長を有する。すなわち、複数の画素100の各々が有する選択トランジスタ106の各々のチャネル比であるW/Lは互いに等しい。
列回路部180は、出力部150、メモリ155を有する。出力部150は、電流源108、トランジスタ109、トランジスタ110、トランジスタ111、スイッチトランジスタ112、トランジスタ113、スイッチトランジスタ114を有する。トランジスタ109、トランジスタ110はP型のMOSトランジスタであり、他のトランジスタはN型のMOSトランジスタである。スイッチトランジスタ112はスイッチであり、スイッチトランジスタ114は第2のスイッチである。
トランジスタ109とトランジスタ110には電源電圧VDDが供給される。トランジスタ109、トランジスタ110によってカレントミラー回路が構成される。また、増幅トランジスタ105の制御ノードは差動対の一方の入力ノードである。また、トランジスタ111、トランジスタ113のうち、オンとなるトランジスタの制御ノードが差動対の他方の入力ノードである。トランジスタ111およびトランジスタ113は、増幅トランジスタ105と対となる関係にある。トランジスタ111、トランジスタ113の各々は、増幅トランジスタ105と差動対を構成する差動トランジスタである。本実施例では、増幅トランジスタ105、トランジスタ111、トランジスタ113の各々のチャネル幅Wは同じである。また、増幅トランジスタ105、トランジスタ111、トランジスタ113の各々のチャネル長Lは同じである。すなわち、増幅トランジスタ105、トランジスタ111、トランジスタ113の各々のチャネル比であるW/Lは同じである。
また、本実施例では、選択トランジスタ106、スイッチトランジスタ112、スイッチトランジスタ114の各々のチャネル幅Wは同じである。また、選択トランジスタ106、スイッチトランジスタ112、スイッチトランジスタ114の各々のチャネル長Lは同じである。すなわち、選択トランジスタ106、スイッチトランジスタ112、スイッチトランジスタ114の各々のチャネル比であるW/Lは同じである。
トランジスタ111、トランジスタ113の各々の制御ノードには、ランプ信号供給部165からランプ信号rampが供給される。ランプ信号rampは、時間の経過とともに電位が単調増加あるいは単調減少する信号である。スイッチトランジスタ112には、不図示の制御部から信号psiz[0]が供給される。スイッチトランジスタ114には、不図示の制御部から信号psiz[1]が供給される。
垂直信号線107は、電流源108、スイッチトランジスタ112、スイッチトランジスタ114に電気的に接続されている。
接続線120は、複数の画素100の各々の増幅トランジスタ105に共通に電気的に接続されている。また、接続線120はトランジスタ109、トランジスタ110と電気的に接続されている。
出力部150は、垂直信号線107に出力された信号と、ランプ信号rampとを比較した結果を示す比較結果信号である信号outを出力する比較部である。出力部150が出力する信号outは、メモリ155に入力される。メモリ155には、クロック信号を計数することによってカウント信号を生成するカウンタ160から、カウント信号が入力される。メモリ155は、信号outの信号値の変化に対応して、その時点のカウント信号を保持する。このメモリ155は、画素100の各列に対応して複数設けられている。
不図示の水平走査回路は、各列のメモリ155を順次走査することにより、各列のメモリ155から、各々のメモリ155が保持したカウント信号を出力させる。この水平走査によって読み出された各列のカウント信号は、不図示の装置出力部を経由して、撮像装置に外部に出力される。
図2(a)、図2(b)のそれぞれは、図1に示した撮像装置の動作を示した図である。図2(a)、図2(b)のそれぞれは、図1に示した撮像装置のうち、n行目とn+1行目の画素100の動作を示したものである。図2(a)、図2(b)のそれぞれにおいて示した各信号は、図1に示した各信号と対応している。また、図2(a)、図2(b)ではHighレベルの信号をHi、Lowレベルの信号をLoとして示している。
図2(a)は、複数の画素100の各々から垂直信号線107に読み出された、入射光に基づく信号をAD変換する動作を示した図である。一方、図2(b)は、複数の画素100の各々の信号を垂直信号線107で混合し、この混合された信号をAD変換する動作を示した図である。図2(b)の動作は、図2(a)の動作に比して、1フレームあたりに撮像装置が出力する信号の数を抑制する動作である。具体的には、図2(a)は静止画を撮影する場合の動作とし、図2(b)は、動画を撮影する場合の動作とすることができる。
まず、図2(a)の動作を説明する。
時刻t1に、垂直走査回路125は、信号pres[n]をLoレベルとする。これにより、n行目の画素100のリセットトランジスタ104はOFFする。よって、n行目の画素100のFD部103のリセットが解除される。また、垂直走査回路125は、n行目の画素100の選択トランジスタに供給する信号psel[n]をHiレベルとする。n行目の画素100の選択トランジスタ106がオンする。これにより、n行目の増幅トランジスタ105が、選択トランジスタ106を介して、垂直信号線107に電気的に接続される。よって、n行目の画素100の増幅トランジスタ105が差動対の一方の入力ノードとなる。この時に垂直信号線107に出力される信号は画素100のノイズ成分を主とするノイズ信号である。以下、このノイズ信号をN信号と表記する。制御部は、信号psiz[0]をHiレベルとし、信号psiz[1]をLoレベルとしている。これにより、差動対の他方の入力ノードに接続された複数のトランジスタのうちの一部のトランジスタであるトランジスタ111がオンする。
時刻t2から時刻t3までの期間は、N信号をデジタル信号に変換するためのAD変換期間である。
時刻t2にランプ信号供給部165は、ランプ信号rampの時間の経過に伴なった電位の変化を開始させる。また、メモリ155にカウント信号を供給するカウンタ160は、クロック信号の計数を開始する。
その後、ランプ信号rampの電位と、垂直信号線107に出力されたN信号との電位の大小関係が逆転したことに基づいて、信号outの信号値が変化する。信号outの信号値が変化したことに応じて、メモリ155は、その時点のカウント信号を保持する。このメモリ155に保持されたカウント信号は、N信号に基づくデジタル信号である。このデジタル信号をデジタルN信号と表記する。
その後、時刻t3に、ランプ信号供給部165は、ランプ信号rampの時間の経過に伴なった電位の変化を終了し、ランプ信号rampの電位を初期の電位にリセットする。
次に、時刻t4に、垂直走査回路125は信号ptx[n]の信号レベルをHiレベルとする。これにより、n行目の画素100の転送トランジスタ102がONする。よって、フォトダイオード101が生成した電荷の、FD部103を介した増幅トランジスタ105の制御ノードへの転送が開始される。その後、時刻t5に、垂直走査回路125は、信号ptx[n]の信号レベルをLoレベルとする。これにより、フォトダイオード101から増幅トランジスタ105への電荷の転送が終了する。この時に、増幅トランジスタ105から垂直信号線107に出力されている信号をS信号と表記する。
時刻t6に、ランプ信号供給部165は再びランプ信号rampの時間の経過に伴なった電位の変化を開始する。また、メモリ155にカウント信号を供給するカウンタ160は、クロック信号の計数を開始する。
その後、ランプ信号rampの電位と、垂直信号線107に出力されたS信号との電位の大小関係が逆転したことに基づいて、信号outの信号値が変化する。信号outの信号値が変化したことに応じて、メモリ155は、その時点のカウント信号を保持する。このメモリ155に保持されたカウント信号は、S信号に基づくデジタル信号である。このデジタル信号をデジタルS信号と表記する。
時刻t7に、ランプ信号供給部165は、ランプ信号rampの時間の経過に伴なった電位の変化を終了し、ランプ信号rampの電位を初期の電位にリセットする。
その後、水平走査回路は、各列のメモリ155に保持されたデジタルN信号、デジタルS信号のそれぞれを、各列のメモリ155から順次読み出す。装置出力部は、デジタルN信号とデジタルS信号との差の信号を得て、この差の信号を撮像装置の外部に出力する。
時刻t8に、垂直走査回路125は、信号psel[n]をLoレベルとする。また、垂直走査回路125は、信号pres[n]をHiレベルとし、n行目の画素100のFD部103のリセットを行う。
その後、時刻t9に、垂直走査回路125は信号psel[n+1]をHiレベルとする。また、垂直走査回路125は、信号pres[n+1]をLoレベルとする。以降のn+1行目の画素100に関わる動作は、1行目の画素100に関わる動作を同じである。
次に、図2(b)の動作について説明する。
時刻t21に、垂直走査回路125は、信号psel[n]、信号psel[n+1]を共にHiレベルとする。これにより、垂直信号線107には、n行目の画素100の増幅トランジスタ105と、n+1行目の画素100の増幅トランジスタ105とが共に電気的に接続される。また、垂直走査回路125は、信号pres[n]、信号pres[n+1]を共にLoレベルとする。これにより、垂直信号線107には、n行目の画素100のN信号と、n+1行目の画素100のN信号とが混合された信号が出力される。この混合されたN信号を混合N信号と表記する。
また、制御部は、信号psiz[0]、信号psiz[1]を共にHiレベルとしている。
このように、図2(b)の動作では、n行目の画素100の増幅トランジスタ105、n+1行目の画素100の増幅トランジスタ105が差動対の一方の入力ノードである。また、差動対の他方の入力ノードである複数のトランジスタである、トランジスタ111、トランジスタ113が共にオンする。また、n行目の増幅トランジスタ105とn+1行目の増幅トランジスタ105のチャネル幅Wの和は、トランジスタ111とトランジスタ113のチャネル幅Wの和と等しい。
時刻t22に、ランプ信号供給部165は、ランプ信号rampの時間の経過に伴なった電位の変化を開始する。
時刻t22から時刻t24までの出力部150、メモリ155、カウンタ160の動作は、先の図2(a)の時刻t2から時刻t4までの動作と同じである。この動作により、メモリ155は、混合N信号をAD変換したデジタル信号を保持する。このデジタル信号をデジタル混合N信号と表記する。
時刻t24に、垂直走査回路125は、信号ptx[n]、信号ptx[n+1]を共にHiレベルとする。その後、時刻t25に、垂直走査回路125は、信号ptx[n]、信号ptx[n+1]を共にLoレベルとする。これにより、垂直信号線107には、n行目の画素100のS信号と、n+1行目の画素100のS信号とが混合された信号が出力される。この混合されたS信号を混合S信号と表記する。
時刻t26に、ランプ信号供給部165は、ランプ信号rampの時間の経過に伴なった電位の変化を開始する。
時刻t26から時刻t28までの出力部150、メモリ155、カウンタ160の動作は、先の図2(a)の時刻t6から時刻t8までの動作と同じである。この動作により、メモリ155は、混合S信号をAD変換したデジタル信号を保持する。このデジタル信号をデジタル混合S信号と表記する。
その後、水平走査回路は、各列のメモリ155に保持されたデジタル混合N信号、デジタル混合S信号のそれぞれを、各列のメモリ155から順次読み出す。装置出力部は、デジタル混合N信号とデジタル混合S信号との差の信号を得て、この差の信号を撮像装置の外部に出力する。
図2(a)に示した撮像装置の動作は第1の動作である。また、図2(b)に示した撮像装置の動作は第2の動作である。具体的には、第1の動作において、1以上の個数である第1の個数(本実施例では1個)の増幅トランジスタ105が第1の期間に渡ってオンの状態である。また、複数のトランジスタ(トランジスタ111、トランジスタ113)のうち、1以上の個数である第2の個数(本実施例では1個)のトランジスタがともに第1の期間に渡ってオンの状態である。また、第2の動作において、第1の個数よりも多い第3の個数(本実施例では2個)の増幅トランジスタ105が第2の期間に渡ってオンの状態である。また、複数のトランジスタ(トランジスタ111、トランジスタ113)のうち、第2の個数よりも多い第4の個数(本実施例では2個)のトランジスタが共に第2の期間に渡ってオンの状態である。
光電変換装置の一例である本実施例の撮像装置は、垂直信号線107で複数の画素100が出力する信号同士を混合する。この場合においても本実施例の撮像装置は、複数の画素100の増幅トランジスタ105のチャネル幅の和と、当該増幅トランジスタ105と、オンの状態である期間が重複する差動トランジスタのチャネル幅の和とを揃えている。従来の差動対では、オンの状態である期間が重複する増幅トランジスタ105の数が変化しても、差動トランジスタがオンする数は一定であった。よって、オンの状態である期間が重複する増幅トランジスタ105の数が変化することによって、差動対の対称性も変化する。よって、出力部150が出力する信号の精度が、オンの状態である期間が重複する増幅トランジスタ105の数が変化することによって変化する課題があった。本実施例の撮像装置は、オンの状態である期間が重複する増幅トランジスタ105の数が増えるのに対応して、オンの状態である期間が重複する差動トランジスタの数を増やしている。これにより、本実施例の撮像装置は、従来の差動対に比して、オンの状態である期間が重複する増幅トランジスタ105の数の変化によって生じる差動対の対称性の変化を生じにくくしている。よって、本実施例の撮像装置は、オンの状態である期間が重複する増幅トランジスタ105の数の変化によって生じる、出力部150が出力する信号の精度の変化を生じにくくすることができる効果を有する。尚、本実施例の撮像装置は、複数の画素100の増幅トランジスタ105のチャネル幅の和と、当該増幅トランジスタ105とオンしている差動トランジスタのチャネル幅の和とを揃えていたが、この構成に限定されない。つまり、オンの状態である期間が重複する増幅トランジスタ105の数が増えるのに対応して、オンの状態である期間が重複する差動トランジスタの数を増やすようにすればよい。例えば、上述した第1の個数が1、第2の個数が2であって、第3の個数が2、第4の個数が3という関係であっても良い。
尚、本実施例では、ランプ信号rampはスロープ状に電位が変化する信号を例に説明した。他の例として、ランプ信号rampは、例えばDACを用いて生成したランプ信号のように、のこぎり波状に電位が変化する信号としても良い。
また、本実施例では、カウンタ160が複数のメモリ155に対して共通のカウント信号を供給する例を説明した。他の例として、各列にクロック信号を計数するカウンタを備える撮像装置であっても良い。この場合には、各列のカウンタは、ランプ信号rampの時間の経過に伴なった電位の変化の開始に応じてクロック信号のカウントを開始した後、出力部150が出力する信号outの信号値の変化に応じて、クロック信号のカウントを停止するようにすればよい。
尚、本実施例では、出力部150はスイッチトランジスタ112、スイッチトランジスタ114の2つを有していた。出力部150はスイッチトランジスタ114を有していればよい。つまり、トランジスタ111は常にオンの状態であって、図2(a)の動作においてトランジスタ113がオフであり、図2(b)の動作においてトランジスタ113がオンすれば良い。尚、スイッチトランジスタ114がオフしている場合のトランジスタ113の動作を述べる。トランジスタ113は制御ノードに、トランジスタ111の制御ノードと共通の電圧が入力される。よって、トランジスタ113のスイッチトランジスタ114と電気的に接続された主ノードと、トランジスタ113の入力ノードとの電圧差である電圧Vgsは閾値電圧Vthよりも大きいものとなるためオンとなる。スイッチトランジスタ114がオフであることにより、トランジスタ113の主ノード同士は同じ電圧となる。よって、トランジスタ113の主ノード同士の間で電流が流れなくなり、トランジスタ113はオフとなる。このような動作を行うトランジスタ113は、主ノード同士の間で電流が流れないため、実質的にオフの状態であるとして取り扱うことができる。
ただし、好ましいのは本実施例で述べた様にスイッチトランジスタ112、スイッチトランジスタ114の両方が設けられた構成である。なぜなら、画素100は選択トランジスタ106を有しており、この選択トランジスタ106とチャネル幅の等しいスイッチトランジスタ112、スイッチトランジスタ114を出力部150に設ける。これにより、差動対の対称性が、スイッチトランジスタ112が無い構成に比して向上するからである。
尚、本実施例では画素100が選択トランジスタ106を有していたが、選択トランジスタ106を有さない構成としても良い。この場合には、画素100の選択は、増幅トランジスタ105の制御ノードの電位の設定によって行われる。具体的には、例えばリセットトランジスタ104に供給する電源電圧svddを、画素100を非選択とする電源電圧svdd1と、画素100を選択とする電源電圧svdd2とが選択的に供給されるようにする。非選択の画素100には、制御部がリセットトランジスタ104に電源電圧svdd1を供給するとともに垂直走査回路125が信号pres[n]をHiレベルとする。これにより、増幅トランジスタ105の制御ノードの電位は電源電圧svdd1に基づく電位となり、画素100は非選択状態となる。一方、画素100を選択する場合には、制御部が電源電圧svdd2をリセットトランジスタ104に供給するとともに、垂直走査回路125が信号pres[n]をHiレベルとする。これにより、増幅トランジスタ105の制御ノードの電位は電源電圧svdd2に基づく電位となり、画素100は選択状態となる。尚、この場合には、画素100には選択トランジスタ106が設けられていないため、出力部150においてもスイッチトランジスタ112が設けられていない構成とすることが好ましい。より好ましくは、スイッチトランジスタ112、スイッチトランジスタ114を設けず、さらにトランジスタ111の制御ノードとトランジスタ113の制御ノードとが電気的に分離された構成である。例えば、トランジスタ111の制御ノードにはランプ信号rampが入力される。そして、トランジスタ113の制御ノードには、トランジスタ113をオフとする固定電位と、トランジスタ111の制御ノードに供給する共通のランプ信号rampとの一方が選択的に入力される構成である。
尚、本実施例では、複数の画素100の増幅トランジスタ105のチャネル幅Wの和とトランジスタ111、トランジスタ113のチャネル幅Wの和とが等しいことを説明した。一方、複数の画素100の増幅トランジスタ105のゲート幅の和と、トランジスタ111、トランジスタ113のゲート幅の和を揃えるようにしても、トランジスタ113を設けない構成に対して、本実施例の効果を得ることができる。
尚、本実施例では、図2(b)に示した動作において、複数の画素100の各々の選択トランジスタに垂直走査回路125が供給する信号psel同士がHiレベルとなっている期間が同一である例を説明したが、この例に限定されるものではない。本実施例の撮像装置は、時刻t26から時刻t27の期間であるAD変換期間の前に、複数の画素100の各々の増幅トランジスタ105が出力する信号同士が垂直信号線107にて混合されていれば良い。
また、図2(b)に示した動作では、制御部が信号psiz[0]と信号psiz[1]とを共にHiレベルとする期間を同じとしていた。本実施例の撮像装置はこの例に限定されるものではない。少なくとも時刻t26から時刻t27までの期間である、混合S信号をデジタル信号に変換するAD変換期間において、信号psiz[0]と信号psiz[1]とがHiレベルであり続ければ良い。
尚、本実施例では光電変換装置の一例として撮像装置を説明した。本実施例は撮像装置に限定されるものではなく、例えば、位相差を用いて焦点を検出する焦点検出装置などにも適用することができる。
(実施例2)
光電変換装置の一例である撮像装置について、実施例1と異なる点を中心に説明する。
実施例1の撮像装置の出力部150は、垂直信号線107に出力された信号と、ランプ信号rampとを比較する比較部として動作した。本実施例では、出力部の他の例として、ボルテージフォロワとして動作する例を説明する。
図3は、本実施例の撮像装置の構成を示した図である。図1で示した撮像装置が有する部材と同じ機能を有する部材については、図1で付した符号と同じ符号を図3でも付している。
出力部250は、電流源208、トランジスタ209、トランジスタ210、トランジスタ211、トランジスタ213、スイッチトランジスタ212、スイッチトランジスタ214を有する。
トランジスタ211、トランジスタ213は差動対の他方の入力ノードである。トランジスタ211、トランジスタ213の各々は、増幅トランジスタ105と差動対を構成する差動トランジスタである。本実施例では、増幅トランジスタ105、トランジスタ211、トランジスタ213の各々のチャネル幅Wは同じである。また、増幅トランジスタ105、トランジスタ211、トランジスタ213の各々のチャネル長Lは同じである。すなわち、増幅トランジスタ105、トランジスタ211、トランジスタ213の各々のチャネル比であるW/Lは同じである。
また、本実施例では、選択トランジスタ106、スイッチトランジスタ212、スイッチトランジスタ214の各々のチャネル幅Wは同じである。また、選択トランジスタ106、スイッチトランジスタ212、スイッチトランジスタ214の各々のチャネル長Lは同じである。すなわち、選択トランジスタ106、スイッチトランジスタ212、スイッチトランジスタ214の各々のチャネル比であるW/Lは同じである。
トランジスタ209、トランジスタ210、電源電圧VDDとでカレントミラー回路が構成される。
制御部は、スイッチトランジスタ212の制御ノードに信号psiz[0]を出力する。また、制御部は、スイッチトランジスタ214の制御ノードに信号psiz[1]を出力する。
実施例1の撮像装置の出力部150は、トランジスタ111、トランジスタ113の制御ノードにランプ信号rampが入力されていた。本実施例の撮像装置の出力部250は、トランジスタ211、トランジスタ213の制御ノードは、出力部250が信号outを出力するノードに電気的に接続されている。
本実施例の撮像装置の動作は、図2(a)、図2(b)のそれぞれに示した動作において、信号rampが入力されていた点を除いて、同じとすることができる。
このように、本実施例の撮像装置においてもまた、実施例1と同じく、撮像装置の画素100の信号の読み出し方を異ならせても、差動対の対称性の変化を生じにくくさせることができる。
(実施例3)
光電変換装置の一例である本実施例の撮像装置について、実施例1と異なる点を中心に説明する。
実施例1の撮像装置では、オンの状態の期間が重複する画素100の増幅トランジスタ105のチャネル幅の和と、オンの状態の期間が重複する差動トランジスタのチャネル幅の和とを等しくしていた。
本実施例では、オンの状態の期間が重複する画素100の増幅トランジスタ105のチャネル幅の和に対し、オンの状態の期間が重複する差動トランジスタのチャネル幅の和が大きくなるようにする。
一般的に、トランジスタの閾値Vthの、トランジスタごとのばらつきは、トランジスタのチャネル面積(チャネル幅×チャネル長)が小さくなるにつれて大きくなる。従って、本実施例では、オンする差動トランジスタのチャネル面積を増幅トランジスタ105よりも大きくする。これにより、差動トランジスタで生じるトランジスタごとの閾値のばらつきを低減することができる。これにより、本実施例に撮像装置は、差動対が出力する信号の精度の低下を低減することができる。
図4は本実施例の撮像装置の構成を示した図である。図1で示した撮像装置が有する部材と同じ機能を有する部材については、図1で付した符号と同じ符号を図4でも付している。
本実施例の撮像装置の列回路部380は出力部350を有する。出力部350は、電流源308、トランジスタ309、トランジスタ310を有する。電源電圧VDDと、トランジスタ309と、トランジスタ310でカレントミラー回路が構成される。また、出力部350は、トランジスタ311、スイッチトランジスタ312、トランジスタ313、スイッチトランジスタ314、トランジスタ315、スイッチトランジスタ316、トランジスタ317、スイッチトランジスタ318を有する。
トランジスタ311、トランジスタ313、トランジスタ315、トランジスタ317の各々は、差動対の他方の入力ノードである。トランジスタ311、トランジスタ313、トランジスタ315、トランジスタ317の各々は、増幅トランジスタ105と差動対を構成する差動トランジスタである。本実施例では、増幅トランジスタ105、トランジスタ311、トランジスタ313、トランジスタ315、トランジスタ317の各々のチャネル幅Wは同じである。また、増幅トランジスタ105、トランジスタ311、トランジスタ313、トランジスタ315、トランジスタ317の各々のチャネル長Lは同じである。すなわち、増幅トランジスタ105、トランジスタ311、トランジスタ313、トランジスタ315、トランジスタ317の各々のチャネル比であるW/Lは同じである。
また、本実施例では、選択トランジスタ106、スイッチトランジスタ312、スイッチトランジスタ314、スイッチトランジスタ316、スイッチトランジスタ318の各々のチャネル幅Wは同じである。また、選択トランジスタ106、スイッチトランジスタ312、スイッチトランジスタ314、スイッチトランジスタ316、スイッチトランジスタ318の各々のチャネル長Lは同じである。すなわち、選択トランジスタ106、スイッチトランジスタ312、スイッチトランジスタ314、スイッチトランジスタ316、スイッチトランジスタ318の各々のチャネル比であるW/Lは同じである。
制御部は、スイッチトランジスタ312、スイッチトランジスタ314、スイッチトランジスタ316、スイッチトランジスタ318にそれぞれ順に信号psiz[10]、信号psiz[11]、信号psiz[12]、信号psiz[13]を出力する。
トランジスタ311、トランジスタ313、トランジスタ315、トランジスタ317の制御ノードにはランプ信号rampが入力される。また、トランジスタ311、トランジスタ313、トランジスタ315、トランジスタ317のそれぞれの一方の主ノードは、信号outが出力される、差動対の出力ノードに電気的に接続されている。
図5(a)、図5(b)のそれぞれは、図4に示した撮像装置の動作を示した図である。
図5(a)は、先の図2(a)を用いて説明したように、複数の画素100の各々から垂直信号線107に読み出された、入射光に基づく信号をAD変換する動作を示した図である。一方、図5(b)は、先の図2(b)を用いて説明したように、複数の画素100の各々の信号を垂直信号線107で混合し、この混合された信号をAD変換する動作を示した図である。
図5(a)に示した動作では、制御部は信号psiz[10]、信号psiz[11]をそれぞれHiレベルとし、信号psiz[12]、信号psiz[13]のそれぞれをLoレベルとする。これにより、差動対の他方の入力ノードである複数のトランジスタのうちの一部のトランジスタである、トランジスタ311、トランジスタ313が共にオンする。このトランジスタ311とトランジスタ313は、トランジスタ311あるいはトランジスタ313の2倍のチャネル面積を有する1つの差動トランジスタとして振る舞う。よって、図5(a)の動作では、差動対の一方の入力ノードである1つの増幅トランジスタ105のチャネル面積に対し、差動対の他方の入力ノードでオンの状態の期間が重複するトランジスタ311、トランジスタ313のチャネル面積の和が大きい。
図5(b)に示した動作では、制御部は、信号psiz[10]、信号psiz[11]、信号psiz[12]、信号psiz[13]の各々をHiレベルとする。これにより、差動対の他方の入力ノードである複数のトランジスタのトランジスタ311、トランジスタ313、トランジスタ315、トランジスタ317が共にオンする。これにより、差動対の一方の入力ノードである2つの増幅トランジスタ105に対し、差動対の他方である差動トランジスタのチャネル面積が大きい。
図5(a)に示した撮像装置の動作は第1の動作である。また、図5(b)に示した撮像装置の動作は第2の動作である。具体的には、第1の動作において、1以上の個数である第1の個数(本実施例では1個)の増幅トランジスタ105が第1の期間に渡ってオンの状態である。また、複数のトランジスタ(トランジスタ311、トランジスタ313、トランジスタ315、トランジスタ317)のうち、1以上の個数である第2の個数(本実施例では2個)のトランジスタがともに第1の期間に渡ってオンの状態である。また、第2の動作において、第3の個数(本実施例では2個)の増幅トランジスタ105が第2の期間に渡ってオンの状態である。また、複数のトランジスタ(トランジスタ311、トランジスタ313、トランジスタ315、トランジスタ317)のうち、第4の個数(本実施例では4個)のトランジスタが共に第2の期間に渡ってオンの状態である。
実施例1の撮像装置では、差動対の一方の入力ノードの増幅トランジスタ105と他方の入力ノードでオンの状態の期間が重複する差動トランジスタとでチャネル面積が揃っていた。一方、本実施例の撮像装置は、差動対の一方の入力ノードの増幅トランジスタに対し、他方の入力ノードでオンの状態の期間が重複する差動トランジスタのチャネル面積を大きくすることによって、実施例1の撮像装置に比して、差動トランジスタごとの閾値Vthのばらつきを低減することのできる効果を有する。
尚、撮像装置に求められる特性に応じて、実施例1の撮像装置と本実施例の撮像装置とを使い分けるようにしても良い。例えば、画素数の増加により出力部150の面積縮小が求められる撮像装置においては、トランジスタのサイズの減少に伴なう閾値Vthのばらつきを低減するために出力部を本実施例の出力部350の構成とすれば良い。一方、差動対の対称性の向上が求められる場合には、出力部を実施例1の出力部150とすれば良い。
(実施例4)
本実施例の撮像装置について、実施例1と異なる点を中心に説明する。
本実施例の撮像装置では、差動対を構成する差動トランジスタが、画素領域に設けられている。
図6は、本実施例の撮像装置の構成を示した図である。
本実施例の撮像装置は、複数の画素100が配された有効画素領域1000、各々にランプ信号rampが入力される複数のランプ画素700が配されたランプ画素領域1100、複数の参照画素750が配された参照画素領域1200を有する。画素領域1500は、有効画素領域1000、ランプ画素領域1100、参照画素領域1200を有する。また、複数の列回路部900が配された周辺回路領域1300を有する。また、周辺回路領域1300にはカウンタ160、ランプ信号供給部165が配されている。画素領域1500と周辺回路領域1300は互いに別の活性領域に設けられている。
図7は、図6に示した撮像装置について、画素100、ランプ画素700、列回路部900の構成の詳細を示した図である。図1で示した撮像装置が有する部材と同じ機能を有する部材については、図1で付した符号と同じ符号を図7でも付している。
ランプ画素700は、画素100と同じく、フォトダイオード101、転送トランジスタ102、リセットトランジスタ104を有する。さらにm行目のランプ画素700は、トランジスタ611、スイッチトランジスタ612を有する。トランジスタ611の制御ノードには、ランプ信号供給部165からランプ信号rampが入力される。また、スイッチトランジスタ612の制御ノードには、垂直走査回路725から信号psel[m]が入力される。また、m+1行目のランプ画素700は、トランジスタ613、スイッチトランジスタ614を有する。トランジスタ613の制御ノードには、トランジスタ611と共通のランプ信号rampがランプ信号供給部165から入力される。
ランプ画素700のトランジスタ611、トランジスタ613のそれぞれのチャネル幅およびチャネル長は、増幅トランジスタ105のチャネル幅およびチャネル長と同じである。また、ランプ画素700のスイッチトランジスタ612、スイッチトランジスタ614のそれぞれのチャネル幅およびチャネル長は、選択トランジスタ106のチャネル幅およびチャネル長と同じである。また、図7では示していないが、ランプ画素700に含まれる複数のトランジスタの各々およびフォトダイオード101のレイアウトは、画素100に含まれる複数のトランジスタの各々およびフォトダイオード101のレイアウトと同じである。
本実施例の撮像装置の動作は、図2(a)、図2(b)のそれぞれに示した動作において、信号psiz[0]、信号psiz[1]をそれぞれ信号psel[m]、信号psel[m+1]に置き換えたものとすることができる。
尚、本実施例のランプ画素700は、画素100と同じレイアウトとしていた。複数のランプ画素700は、少なくとも、トランジスタ611、トランジスタ613を有していれば良い。ただし、好ましくはランプ画素700に含まれる複数のトランジスタの各々およびフォトダイオード101のレイアウトが、画素100に含まれる複数のトランジスタの各々およびフォトダイオード101のレイアウトと同じ形態である。なぜなら、差動対の一方の入力ノードである増幅トランジスタ105が出力する信号に含まれるノイズ成分と、差動対の他方の入力ノードである差動トランジスタが出力する信号に含まれるノイズ成分とが略等しくなる。これによって、増幅トランジスタ105と差動トランジスタとが差動対を構成することによって、増幅トランジスタ105のノイズ成分と差動トランジスタのノイズ成分とを差し引くことができるからである。これにより、本実施例の撮像装置は、出力部650が出力する信号outに対する、増幅トランジスタ105と、差動トランジスタのノイズの影響を抑えることができる。
また、本実施例の撮像装置は、ランプ画素領域1100と周辺回路領域1300との間に、参照画素領域1200を設けている。画素領域1500の端部では、画素領域1500の中心に比べて、画素ごとの製造ばらつきが大きくなる傾向がある。この製造ばらつきは、トランジスタの閾値電圧Vthのばらつきを生じさせる。よって、ランプ画素領域1100をより画素領域1500の中心に近づけるために、ランプ画素領域1100と周辺回路領域1300との間に参照画素領域1200を設けることが好ましい。尚、参照画素領域1200に配される参照画素750は、フォトダイオードを有していても、有していなくとも良い。フォトダイオードを有さないダミー画素を参照画素750とする場合には、増幅トランジスタ105、選択トランジスタ106を有する画素とする。これにより、ダミー画素の出力する信号から、増幅トランジスタ105、選択トランジスタ106が出力する信号に含まれるノイズ成分を検出することができる。一方、フォトダイオードを有する参照画素750とする場合には、フォトダイオードを遮光したオプティカルブラック画素とする。その他のオプティカルブラック画素の構成は、画素100と同じ構成とする。このオプティカルブラック画素の出力する信号から、画素100が出力する信号のノイズ成分を検出することができる。
尚、本実施例の撮像装置は、実施例2、実施例3のそれぞれの撮像装置のように変形しても良い。
(実施例5)
光電変換装置の一例である本実施例の撮像装置について、実施例1と異なる点を中心に説明する。
図8は本実施例の撮像装置の構成を示した図である。図1で示した撮像装置が有する部材と同じ機能を有する部材については、図1で付した符号と同じ符号を図8でも付している。
本実施例の撮像装置は、複数の画素800のFD部103同士を電気的に接続するスイッチトランジスタ810を有する。スイッチトランジスタ810の制御ノードには、垂直走査回路825から信号paddが入力される。スイッチトランジスタ810は第3のスイッチである。
図8に示した撮像装置の、複数の画素800の各々から信号を垂直信号線107に読み出す場合の動作は、図2(a)で示した動作と同じとすることができる。この場合には、垂直走査回路825は信号paddを、図2(a)で示した動作の全ての期間にわたってLoレベルとする。
図9は、複数の画素800の信号を1つの信号として読み出す場合の動作である。図2(b)に示した動作と異なるのは、垂直走査回路825が信号psel[n]をHiレベルとしている期間に、垂直走査回路825が信号padd[n]をHiレベルとしていることである。
信号padd[n]をHiレベルとすると、n行目の画素800のFD部103とn+1行目の画素800のFD部103のFD部103とを電気的に接続するスイッチトランジスタ810がオンする。これにより、n行目の画素800のFD部103の電荷とn+1行目の画素800のFD部103の電荷が混合される。よって、この図9の動作では、2つの画素800の信号が1つの信号として垂直信号線107に読み出される。
図2(b)の動作では、n行目の画素100と、n+1行目の画素100の各々の増幅トランジスタ105は、互いに異なるFD部103の電位に基づく信号を出力していた。一方、本実施例の撮像装置は、n行目の画素100と、n+1行目の画素100の各々の増幅トランジスタ105は、FD部103の同じ電位に基づく信号を出力する。
本実施例の撮像装置においても、複数の画素800の信号をまとめて垂直信号線107に読み出す場合、複数の画素800の増幅トランジスタ105は共にオンしている。この場合においても、実施例1と同じく、トランジスタ111、トランジスタ113をオンする。これにより、実施例1と同じ効果を、本実施例の撮像装置も得ることができる。
尚、本実施例の撮像装置は、実施例2〜実施例4のそれぞれの撮像装置のように変形しても良い。
(実施例6)
実施例1〜5で述べた撮像装置を撮像システムに適用した場合の実施例について述べる。撮像システムとして、デジタルスチルカメラやデジタルカムコーダーや監視カメラなどがあげられる。図10に、撮像システムの例としてデジタルスチルカメラに撮像装置を適用した場合の模式図を示す。
図10に例示した撮像システムは、レンズ保護のためのバリア2000、被写体の光学像を撮像装置2030に結像させるレンズ2010、レンズ2010を通った光量を可変にするための絞り2020を有する。レンズ2010、絞り2020は撮像装置2030に光を集光する光学系である。また、図10に例示した撮像システムは撮像装置2030より出力される出力信号の処理を行って画像を生成する出力信号処理部2040を有する。
また、図10に例示した撮像システムは、撮像データを一時的に記憶する為のバッファメモリ部2050、外部コンピュータ等と通信する為の外部インターフェース部2060、記録媒体に記録または読み出しを行うための制御インターフェース部2070を有する。さらに撮像システムは、撮像データの記録または読み出しを行う為の半導体メモリ等の着脱可能な記録媒体2080、各種演算とデジタルスチルカメラ全体を制御する全体制御・演算部2090を有する。さらに撮像システムは、撮像装置2030、出力信号処理部2040、各種タイミング信号を出力するタイミング供給部2100を有する。ここで、タイミング信号などは外部から入力されてもよく、撮像システムは少なくとも撮像装置2030と、撮像装置2030から出力された出力信号を処理する出力信号処理部2040とを有すればよい。
このように、実施例1〜5で述べた撮像装置は、撮像システムに適用することができる。
尚、本明細書において、増幅トランジスタと差動トランジスタとのチャネル幅、チャネル長、チャネル面積の関係について述べた。実態的には、トランジスタのチャネル幅、チャネル長、チャネル面積はそれぞれ、ゲート幅、ゲート長、ゲート面積と見なすことができる。