以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1乃至図10は、本発明の第1実施形態の羽口取替装置として、小羽口の取り替えを行う例を示すものである。
図1は本実施形態の羽口取替装置と高炉炉底部の羽口取付部の概略平面図、図2は図1の概略側面図である。図3はスライド機構における固定フレームの機器保持用フレームを拡大して示すもので、図3(a)は正面図、図3(b)は側面図である。図4は羽口保持機構を拡大して示すもので、図4(a)は側面図、図4(b)はメイン爪と補助爪を閉じた状態の先端部分の正面図、図4(c)はメイン爪と補助爪を開いた状態の先端部分の正面図、図4(d)は切断側面図である。図5は装置ロック機構を拡大して示す切断平面図である。図6は調芯機構を拡大して示す切断正面図、図7は調芯機構と傾動機構を拡大して示す側面図、図8は図7のS−S方向切断平面図である。図9は昇降機構の昇降フレームを拡大して示すもので、図9(a)は側面図、図9(b)は平面図である。図10は昇降機構の昇降ガイドを拡大して示すもので、図10(a)は側面図、図10(b)は平面図である。
先ず、本実施形態の羽口取替装置を適用する高炉炉底部の側壁部における羽口取付部の構成について説明する。
高炉の炉底部の側壁部100には、図1、図2に示すように、炉外側から炉内101側に向けて先細り形状とされた羽口用開口105が設けられている。
羽口用開口105には、炉内101寄りとなる位置に、先細り円筒状の大羽口(大丸)103が取り付けられている。大羽口103の先端側には、先細り略円筒状の小羽口102が取り付けられている。なお、大羽口103の先端側とは、炉内101寄りに配置される小径側をいう。その逆側の大羽口103の大径側は後端側という。また、小羽口102は、小径側を先端側といい、その逆側の大径側を後端側という。
小羽口102は、大羽口103の内側から大羽口103の先端側へ押し込むことで取り付けられる。大羽口103の先端側の内側に取り付けられた小羽口102は、後端側が、側壁部100の外側に取り付けられた小羽口押さえ台107に小羽口押さえ106を介して押さえられている。小羽口押さえ106は、取り外すことができる。これにより、小羽口102は、小羽口押さえ106を取外した後、大羽口103の先端側から炉外側へ引き抜くことで、大羽口103から取り外すことができるようになっている。
大羽口103の後端側には、羽口用開口105に固定された羽口保持金物104が備えられている。
小羽口102は、高炉の大きさに応じて多数が炉底部の側壁部100に放射状に取り付けられている。なお、小羽口102には、図示しない冷媒給排管が接続されていて、内部の流路に冷媒を流通させることで冷却できるようになっている。また、図2において、108は大羽口103の後端側を押さえる大羽口押さえ、109はピンである。
本実施形態の羽口取替装置は、図1および図2に全体構成が示されている。
本実施形態の羽口取替装置は、移動可能な取替機Aと、高炉の側壁部100に設置される装置ロック用ブラケット23とを備えた構成とされている。
取替機Aは、スライド機構Bと、スライド機構Bに備えられた羽口保持機構Cと、ロック手段Dと、羽口保持機構Cの位置を調整する機能を有する調芯機構E、傾動機構F、昇降機構Gと、走行機構Hとを備えた構成とされている。
なお、構成を説明する便宜上、取替機Aは、平面視で羽口保持機構Cの向く方向、すなわち、小羽口102の脱着を行うときに高炉の炉内101側に向けて配置される方向を取替機Aの前、その逆側を取替機Aの後といい、後方から前方を見た状態で左手側と右手側を取替機Aの左側と右側という。また、以下の構成の説明は、取替機Aが水平面に配置され、スライド機構Bが前後方向に水平な姿勢に配置されている状態を基準として行う。したがって、以下の構成の説明中における、水平、垂直という方向は、実際の使用状態では傾いていてもよいことは勿論である。
スライド機構Bは、固定フレーム1と、固定フレーム1の内側に、リニアガイドを介して移動できるように配置されているスライドフレーム2と、スライドフレーム2を移動させるアクチュエータとしての油圧ジャッキ3とを備える。
固定フレーム1は、前後方向に延びる左右一対の水平材1a,1bと、左右両側の水平材1a,1bの各後端側を連結する水平材1cと、左右両側の水平材1a,1bの各前端側に取り付けて左右方向に各水平材1a,1bよりも張り出すようにしてある機器保持用フレーム4とを備えた構成とされている。機器保持用フレーム4の詳細は後述する。左側水平材1aの内側(右側)と、右側水平材1bの内側(左側)には、図1、図6に示すように、前後方向に延びるリニアガイドレール5aがそれぞれ平行に取り付けられている。
スライドフレーム2は、前後方向に延びる左右一対の水平材2a,2bと、左右の水平材2a,2bの各後端側を連結する支持材2cと、左右の水平材2a,2bの各前端側を連結する支持材2dとを備えた構成とされている。支持材2dの前面には、羽口保持機構Cを連結するブラケット2eが前方へ突出して設けてある。ブラケット2eには、連結ピン12を通す孔が設けられている。
スライドフレーム2の左側水平材2aの外側(左側)と、右側水平材2bの外側(右側)には、各々複数(本実施形態では2つ)のリニアガイドブロック5bが取り付けられ、リニアガイドレール5aとリニアガイドブロック5bとからなるリニアガイドにより、スライドフレーム2が固定フレーム1の左右方向の内側で、前後方向に移動できるようになっている。
スライドフレーム2の内側には、油圧ジャッキ3がある。油圧ジャッキ3は、固定フレーム1の前端側の機器保持用フレーム4の左右方向の中央部分に、後方に向けて取り付けられ、ロッド3aの先端は、後端側の支持材2cにブラケット6を介して取り付けられている。これにより、スライドフレーム2は、油圧ジャッキ3の短縮作動で、固定フレーム1より前側へ突出する前進方向へ移動でき、油圧ジャッキ3の伸長作動で固定フレーム1の内側に引き込まれる後退方向へ移動できる。
次に、固定フレーム1の前端側で左右方向に張り出している機器保持用フレーム4について詳述する。機器保持用フレーム4は、図1に示すように、左右方向に、羽口用開口105の直径(水平方向の直径)よりも大となる寸法を備えている。機器保持用フレーム4は、図3(a)に示すように、左右方向に延びる上面板7と下面板8を平行に備えている。
機器保持用フレーム4の上面板7と下面板8との間には、左右の水平材1a,1bの各前端側が挟持されて取り付けられている。
機器保持用フレーム4の中央部位置には、油圧ジャッキ3の端部が固定されている。
機器保持用フレーム4の上面板7と下面板8との間における油圧ジャッキ3の固定位置と左右の水平材1a,1bとの間の位置は、空洞部となっており、該空洞部には、スライドフレーム2の左右の水平材2a,2bが前後方向に挿通して配置されている。
また、図3(a)(b)に示すように、機器保持用フレーム4の左右の両端部には、ロック手段Dの構成要素となる支持部材26がそれぞれ取り付けられている。機器保持用フレーム4における左右の水平材1a,1bの各外側位置には、各支持部材26との間に、後述するロック用油圧ジャッキ27を通す開口を備えた補強板9がそれぞれ設けられている。
固定フレーム1の水平材1a,1bは、図6では、みぞ形鋼を用いる例を示しているが、これに限定されるものではない。
羽口保持機構Cは、図1、図2、図4(a)(b)(c)(d)に示すように、スライドフレーム2の前端側のブラケット2eに連結する元部10と、小羽口102の先端側の開口部に係止する爪として、元部10の前端側に上下方向へ回動できるように取り付けられた1本のメイン爪13および2本の補助爪14とを備えた構成とされている。
元部10の後側には、ブラケット11が設けられている。ブラケット11は、スライドフレーム2の先端側のブラケット2eに連結ピン12で連結されることで、羽口保持機構Cがスライドフレーム2に連結されている。
なお、元部10が連結ピン12を中心に回動して、羽口保持機構Cの先端側(元部10とは反対側)が下方へ傾動することを防止するため、元部10の下端側を前方へ向けて押さえる元部押さえ10aがスライドフレーム2と元部10との間に取り付けられている。
メイン爪13は、前後方向に小羽口102の軸心方向の寸法よりも長い寸法で延びていて、先端側に上向きに突出する突起13aがあり、基端側が元部10の前端側の上部位置に上下方向へ回動できるように取り付けられている。
2本の補助爪14は、前後方向に小羽口102の軸心方向の寸法よりも長い寸法で延びていて、先端側に下向きに突出する突起14aがあり、基端側が元部10の前端側の下部位置に上下方向へ回動できるように取り付けられている。
これにより、メイン爪13と補助爪14は、互いの先端側が上下方向に開閉できるようにしてある。
2本の補助爪14は、メイン爪13の左右方向の両側に配置されているので、メイン爪13と各補助爪14は、閉じた状態では、図4(b)に示すように、互いの先端側同士を左右方向に並べて配置することができる。この状態で、メイン爪13の突起13aが設けられている部分、および、補助爪14の突起14aが設けられている部分を前方から見た形状は、小羽口102の先端側の最も細くなる部分の径に対応する図4(b)に一点鎖線で示す仮想円xの内側に収まるように設定されている。
これにより、メイン爪13と補助爪14は、閉じた状態で、図4(a)に示すように、小羽口102内を貫通して、先端側を小羽口102の先端より突出させることができる。
一方、メイン爪13と各補助爪14は、図4(c)に示すように、互いの先端側を上下に開いて、メイン爪13の突起13a、および、各補助爪14の突起14aを、前記仮想円xの上方および下方に突出させることができる。
これにより、メイン爪13と補助爪14は、図4(a)に示したように先端側が小羽口102を貫通した状態で上下方向へ開くことにより、メイン爪13の突起13aが小羽口102の先端側の開口部周縁の上部に係止され、各補助爪14の突起14aが小羽口102の先端側の開口部周縁の下部に係止された状態とすることができる。
メイン爪13の長さ方向の途中位置と、各補助爪14の長さ方向の途中位置には、図4(d)に示すように、長穴15と長穴16がそれぞれ設けられ、長穴15には、メイン爪側リンク17の一端側がピン18を介して連結されている。各長穴16には、補助爪側リンク19の各一端側がピン20を介して連結されている。
なお、図4(d)では、メイン爪13は、下面側の左右方向の中央部に、メイン爪側リンク17の一端側を挿入可能な凹部13bを設け、この凹部13bの左右の側壁に長穴15を設ける構成を示してある。しかし、メイン爪13におけるメイン爪側リンク17を連結する部分の構成は、この構成に限定されるものではない。
メイン爪側リンク17の他端側と、各補助爪側リンク19の他端側は、元部10に前後方向に設けられている爪開閉用アクチュエータとしての爪開閉用油圧ジャッキ21のロッド先端側に、ピン22にて上下方向へ回動できるように連結されている。
したがって、羽口保持機構Cは、メイン爪13と各補助爪14を小羽口102に挿通させると共に、それぞれの先端側を小羽口102の先端側の開口部に貫通させた状態で、爪開閉用油圧ジャッキ21によりメイン爪13と各補助爪14を上下方向へ開くことで、小羽口102を内側から保持することができる。更に、この状態では、小羽口102の内周面の上部位置には、メイン爪13を下方から接するように配置することができ、小羽口102の内周面の下部位置には、各補助爪14を接するかまたは近接した状態で配置することができる。このため、羽口保持機構Cは、小羽口102を保持しているときに外力が作用したり振動が生じたりしても、羽口保持機構Cの小羽口102に対する相対変位を抑えることができて、小羽口102の安定した保持を行うことができる。
羽口保持機構Cは、更に、図4(a)に示すように、元部10の前端側、たとえば、元部10におけるメイン爪13の取り付け位置付近に、小羽口押さえ板10bを備えている。小羽口押さえ板10bは、メイン爪13と各補助爪14を挿通させた状態の小羽口102に対し、該小羽口102の基端側に当接する機能を備えるものである。なお、小羽口押さえ板10bは、小羽口102の基端側に当接させた状態のときに、小羽口102の外周側に突出しない形状、サイズとされている。
これにより、羽口保持機構Cは、小羽口102の大羽口103への取り付けを行うときには、メイン爪13と各補助爪14で保持した小羽口102を大羽口103の先端側に配置した後、小羽口押さえ板10bを小羽口102の基端部に当てて更に押し込むことができる。
ロック手段Dは、高炉の側壁部100側の装置ロック用ブラケット23と連携して、スライド機構Bを介して羽口保持機構Cの位置決めを行う機能と、取替機Aを用いて小羽口102の取り外しおよび取り付けを行うときの反力を受ける機能とを備えるものである。
ここで、先ず、装置ロック用ブラケット23について説明する。
装置ロック用ブラケット23は、図1、図2に示すように、高炉の側壁部100にて、取り替え対象となる小羽口102が取り付けられている羽口用開口105の左右両側となる位置に、左右一対で新たに設置されるものである。なお、装置ロック用ブラケット23は、高炉のすべての羽口用開口105の左右両側に予め設置するようにしてもよいし、小羽口102の取り替え対象となる順序に従って、対応する羽口用開口105ごとに順次設置するようにしてもよい。
本実施形態では、左右の各装置ロック用ブラケット23は、大羽口103の軸心の位置から左右両側に等しい距離となり、且つ、羽口用開口105との間に支持部材26を突き当てて配置するため領域を確保した配置で、側壁部100から外向きに突設されている。なお、各装置ロック用ブラケット23の前記した大羽口103の軸心に対する相対的な配置は、厳密なものではなく、装置ロック用ブラケット23自体の製造時の誤差や、側壁部100への取り付け作業時の誤差など、後述する小羽口102の取り外しや取り付けに支障が生じない範囲の誤差は許容される。これにより、左右の各装置ロック用ブラケット23の中間の位置は、大羽口103の軸心の位置にほぼ一致する。
各装置ロック用ブラケット23には、図1、図2、図5に示すように、側壁部100からの突出方向、あるいは、水平方向に延びる開口部24が設けられている。
ロック手段Dは、図1〜図3(a)(b)、図5に示すように、機器保持用フレーム4の左右両端側に設けられていて、側壁部100に突き当てて配置される支持部材26と、支持部材26に水平方向に回転可能に支持されていて、装置ロック用ブラケット23の開口部24に係合離脱させるロック爪25と、ロック爪25を水平方向に回転させるロック用アクチュエータとしてのロック用油圧ジャッキ27とを備えた構成とされている。
支持部材26は、図1、図3(a)(b)、図5に示すように、前後方向に設定された寸法で延びる略プレート状の部材であり、左右一対の支持部材26の各後端側が、機器保持用フレーム4の左右の両端側における上面板7と下面板8との間にそれぞれ固定されている。
左右の各支持部材26の前端側は、機器保持用フレーム4よりも前方へ同じ寸法で突出している。これにより、各支持部材26の前端側を共に高炉の側壁部100に接触させると、機器保持用フレーム4は、高炉の側壁部100に正対する配置となる。
各支持部材26は、機器保持用フレーム4より前方に突出している部分(前端寄り部分)に、図3(a)(b)、図5に示すように、水平方向に貫通する開口部28を有している。
各支持部材26の開口部28には、ロック爪25の中央部分が垂直方向に延びるピン29により取り付けられて、水平方向に回転できるようにしてある。
ロック爪25は、先端側が、装置ロック用ブラケット23の開口部24に係合できる係合面25aとなっており、基端側がロック用油圧ジャッキ27への連結部25bとなっている。
ロック爪25の係合面25aは、ピン29を中心にして回転しながら装置ロック用ブラケット23の開口部24に係合できるように円弧状に形成されている。
ロック爪25の連結部25bに連結されてロック爪25を回転させるロック用油圧ジャッキ27は、機器保持用フレーム4の各補強板9の開口に貫通させられて、前後方向となる姿勢に配置されている。各ロック用油圧ジャッキ27は、固定フレーム1の左右の水平材1a,1bに、ブラケット30を介して取り付けられている。
各ロック用油圧ジャッキ27の各ロッド27aは、ロック爪25の連結部25bに連結されている。ロック用油圧ジャッキ27の伸縮作動でロック爪25が水平回転させられる。
したがって、ロック手段Dは、支持部材26が装置ロック用ブラケット23の側方に配置され、ロック爪25が装置ロック用ブラケット23の開口部24に届く状態となっていれば、ロック用油圧ジャッキ27を伸長作動させてロック爪25を回転させることにより、ロック爪25を装置ロック用ブラケット23の開口部24に係止させることができる。更に、この際、ロック手段Dでは、係合面25aが湾曲しているので、ロック爪25が装置ロック用ブラケット23の開口部24の縁に触れた状態で回転すると、ロック爪25と装置ロック用ブラケット23との左右方向の相対位置が定まる。すなわち、ロック爪25を図5に示すロック状態まで回転させると、装置ロック用ブラケット23は、ロック爪25の湾曲した係合面25aにおける最も深い部分に係合されるようになる。
そのため、ロック手段Dは、ロック爪25を回転させることにより、支持部材26に対し、装置ロック用ブラケット23を相対的に引き寄せることができる。
その結果、ロック手段Dでは、左右のロック爪25を、対応する装置ロック用ブラケットの開口部24に係合させてロック状態にすると、各支持部材26を、羽口用開口105の左右位置の側壁部100で、且つ左右の対応する装置ロック用ブラケット23の近傍となる位置に、各支持部材26の前端側が側壁部100に突き当たるか、または、近接するように配置することができる。図1、図5では、各支持部材26の前端側が、側壁部100に固定された各装置ロック用ブラケット23のベースプレートに突き当って配置された状態を示してある。
したがって、この状態では、機器保持用フレーム4の左右方向の中央部が羽口用開口105の中心部に正対した配置で、スライド機構Bの固定フレーム1が、装置ロック用ブラケット23とロック手段Dを介して側壁部100にロックされる。よって、この状態では、スライド機構Bに保持された羽口保持機構Cは、大羽口103の軸心位置にほぼ沿うように配置される。
本実施形態の羽口取替装置では、側壁部100に設置された左右の装置ロック用ブラケット23同士の間隔は、ロック手段Dにおける左右の支持部材26同士の間隔に対してマージンを付加した寸法に設定されている。このマージンは、後述する走行機構Hとしての移動台車84の移動の制御性に応じて設定される。すなわち、移動台車84を移動させて目標位置に目標方向に向けて配置するときには、移動台車84の制御性に起因して、移動台車84の左右方向に関する目標位置からの位置ずれや、目標方位からの左右方向への傾きが生じることがある。そのため、このような位置ずれや傾きが生じるとしても、左右の各支持部材26を左右の各装置ロック用ブラケット23の内側に配置する操作が設定された期待値で実施できるように、前記マージンが設定されている。
なお、左右で対応する側の装置ロック用ブラケット23と支持部材26は、最大で前記マージンの2倍程度の隙間を隔てて配置される可能性がある。そのため、本実施形態の羽口取替装置では、各装置ロック用ブラケット23の側壁部100からの突出量と、開口部24の長手方向寸法、および、支持部材26と開口部28の長手方向寸法と、ロック爪25のピン29よりも先端側の長さは、各支持部材26が各装置ロック用ブラケット23の間に入った状態であれば、ロック爪25が装置ロック用ブラケット23の開口部24に届くように設定されている。
以上の構成としてあるロック手段Dと、各装置ロック用ブラケット23とにより、本発明の羽口取替装置における装置ロック機構が構成される。
スライド機構Bは、固定フレーム1が、後述する調芯機構E、傾動機構F、昇降機構Gを介して移動台車84である走行機構H上に支持されている。
調芯機構Eは、前記のように装置ロック用ブラケット23とロック手段Dとによって側壁部100にスライド機構Bの固定フレーム1をロックして、羽口保持機構Cを大羽口103の軸心位置にほぼ沿うように配置するときに、固定フレーム1を介して羽口保持機構Cの水平方向の位置と向きを自動的に調芯させる機能を備えるもので、水平方向位置調整部31を備えている。
水平方向位置調整部31は、図1、図2、図6〜図8に示すように、固定フレーム1を左右方向に変位可能に支持する上段ベース33と、上段ベース33を前後方向に変位可能に支持する中段ベース34と、中段ベース34を水平方向に旋回可能に支持する下段ベース35とを備えている。
上段ベース33は、平面視で方形状となっており、その上面には、左右方向に延びる2本のリニアガイドレール36が平行に設けられている。また、上段ベース33の上面の左右方向両端位置には、固定フレーム1が左右方向に変位できる範囲を規制するためのストッパ37が設けられている。
固定フレーム1の左右の各水平材1a,1bの下面には、2本のリニアガイドレール36に対応するリニアガイドブロック38が各水平材1a,1bの長手方向の2個所に設けられ、リニアガイドブロック38を介して固定フレーム1がリニアガイドレール36上に取り付けられている。これにより、固定フレーム1は、リニアガイドレール36とリニアガイドブロック38からなるリニアガイドを介して上段ベース33上を、ストッパ37に当接するまで自在に左右方向へ変位(移動)できるようになっている。
中段ベース34は、平面視で方形状となっており、その上面には、前後方向に延びる2本のリニアガイドレール39が平行に設けられている。また、中段ベース34の上面の前後方向両端位置には、上段ベース33が前後方向に変位できる範囲を規制するためのストッパ40が設けられている。
上段ベース33の前後方向両端側の下面には、2本のリニアガイドレール39に対応するリニアガイドブロック41が複数(本実施形態の場合は2個)ずつ設けられ、該各リニアガイドブロック41が各リニアガイドレール39に取り付けられている。これにより、上段ベース33は、固定フレーム1とともに、リニアガイドレール39とリニアガイドブロック41からなるリニアガイドを介して中段ベース34上を、ストッパ40に当接するまで自在に前後方向へ変位(移動)できるようになっている。
更に中段ベース34と下段ベース35との間には、クロスローラー42が設けられて、下段ベース35に対して中段ベース34が水平旋回できるようにしてある。
クロスローラー42は、図6、図8に示すように、外輪42aと内輪42bとの間に、図示しないローラ、スペーサリテーナが介装された構成とされている。
本実施形態では、中段ベース34に、クロスローラー42の外輪42aが取り付けられ、下段ベース35の上面に、クロスローラー42の内輪42bが取り付けられている。
すなわち、中段ベース34の下面には、下方へ突出するリング状の突出部43が設けられている。クロスローラー42の外輪42aは、リング状の突出部43の内側に配置され、中段ベース34に取り付けられている。
リング状の突出部43の外周面には、図7、図8に示すように、周方向の2個所に、放射方向に突出する棒状のストッパ44が設けられている。
一方、下段ベース35の一端側(本実施形態では前端側)の上面には、図7、図8に示すように、中段ベース34側の2つのストッパ44同士の間の位置で、且つストッパ44に接近した位置に、2つの円板状のストッパ45が設けられている。
これにより、中段ベース34は、上段ベース33および固定フレーム1とともに、クロスローラー42を介して下段ベース35上で、左右いずれかのストッパ44とストッパ45が当接するまで自在に水平旋回できるようになっている。
なお、水平方向位置調整部31は、上方から順に、左右方向の変位手段と、前後方向の変位手段と、旋回手段とを備える構成の例について示したが、平面内で直交する2軸方向に沿う方向への変位と、前記平面に垂直な軸を中心とする旋回が可能となっていれば、それぞれの手段の上下方向の順序は変更してもよい。また、水平面内での変位を可能とする手段としては、左右方向の変位手段と、前後方向の変位手段とを備える構成を例示したが、水平面内で直交する2軸方向への変位を実現できれば、個々の軸方向は、必ずしも前後方向と左右方向でなくてもよい。
傾動機構Fは、調芯機構Eとスライド機構Bと共に、羽口保持機構Cの上下方向の角度を自動的に調整するもので、傾動部32を備えている。
調芯機構Eにおける下段ベース35の後端側の下面には、図6、図7に示すように、傾動用ブラケット46が左右方向に間隔を置いて設けられている。
下段ベース35の前端側の下面には、図7に示すように、ダンパ連結用ブラケット47が左右方向に間隔を置いて設けられている。
各傾動用ブラケット46は、昇降機構Gの後述する昇降フレーム53(図9参照)に傾動可能に連結される。各ダンパ連結用ブラケット47には、前記昇降フレーム53に一端側(下端側)が連結されるダンパ48(図2、図7参照)の他端側(上端側)が連結される。
ダンパ48は、軸心方向に伸縮でき、短縮方向に外力が加わると短縮して、その外力を吸収して減衰し、弾性力で伸長して復元できるように構成されている。
傾動用ブラケット46と、ダンパ連結用ブラケット47に連結されるダンパ48とで、調芯機構Eである水平方向位置調整部31が傾動できる傾動部32が構成される。
ダンパ48は、一例を図7に示すように、ケーシング49とばね押え蓋50とが軸心方向に伸縮可能に嵌合されている。ケーシング49内には、図示しない弾性材としての、たとえば、皿ばねが積層されて収納され、この皿ばねの弾性をケーシング49内で拘束して、ばね押え蓋50の内側で皿ばねを押しているようにしてある。これにより、ケーシング49とばね押え蓋50が短縮する方向に外力を受けると、ばね押え蓋50が皿ばねを押すことでダンパ48は短縮でき、皿ばねが復元することでダンパ48が伸長する方向に付勢されるようにしてある。
ばね押え蓋50には、ダンパ連結用ブラケット47に連結するためのブラケット51が取り付けられている。ケーシング49には、昇降機構Gの昇降フレーム53に連結するためのブラケット52(図9(a)参照)が取り付けられている。
昇降機構Gは、傾動機構F、調芯機構Eとともにスライド機構Bを昇降させて、羽口保持機構Cの高さ位置を調整できるようになっている。
昇降機構Gは、調芯機構Eの傾動用ブラケット46への連結部と、ダンパ連結用ブラケット47に連結したダンパ48への連結部と、後述する昇降用油圧ジャッキへの連結部とを備える昇降フレーム53と、昇降フレーム53の昇降をガイドする昇降ガイド54と、昇降ガイド54をベースにして昇降フレーム53を昇降させる昇降用アクチュエータとしての昇降用油圧ジャッキ55とを備えた構成とされている。
昇降フレーム53は、図9(a)(b)に示すように、ベースフレーム56に、傾動用ブラケット46への連結部としてのブラケット57と、ダンパ48への連結部としてのブラケット58と、昇降用油圧ジャッキ55への連結部としてのブラケット61とを備えた構成とされている。
ベースフレーム56は、2本の縦部材56aと、該各縦部材56aの下端側位置の間と上部の位置の間にそれぞれ両端を固定して組み付けた2本の水平部材56bとからなる構成とされている。
ブラケット57は、ベースフレーム56の上部位置の水平部材56bの一側面(後側面)に水平方向に張り出す姿勢で取り付けられた左右2本の支持アーム59の先端側(後端側)上面に、上向きに設けられている。各ブラケット57は、各傾動用ブラケット46に対応させて、該各傾動用ブラケット46の左右方向の間隔に合わせた配置で設けられている。
ブラケット58は、ベースフレーム56の下端側位置の水平部材56bの他側面(前側面)に、前向きに設けられている。各ブラケット58は、2本のダンパ48に対応させた配置で設けられている。
ブラケット61は、2本の支持アーム59の先端間に固定された連結材60の一側面(後側面)に、上向きに屈曲させて設けられている。ブラケット61は、昇降フレーム53の左右方向の中央部に配置されている。
また、昇降フレーム53の2本の縦部材56aの各下端側位置と上部位置には、支持アーム59の張り出し側に向けた姿勢でリニアガイドブロック62がそれぞれベースプレート63を介して備えられている。
更に、2本の支持アーム59は、各先端側の下面と、ベースフレーム56の下側の水平部材56bの後面とを結合する補強部材64により補強されている。これにより、傾動用ブラケット46からブラケット57へ伝達される荷重は、支持アーム59、補強部材64を介してベースフレーム56で受けられるようになっている。
なお、ベースフレーム56は、一例として、縦部材56aは断面みぞ形形状としたものを示し、水平部材56bは角筒形状としたものを示したが、これに限定されるものではない。また、ブラケット57とブラケット58とブラケット61は、いずれも図9(b)に示すように、二又形状としてあり、各々には、連結用ピンを挿通するための孔が設けられている。各ブラケット57,58,61の二又形状は一例であり、これに限定されるものではない。
昇降ガイド54は、走行機構Hに固定支持させて、昇降フレーム53の昇降をガイドする固定フレームとして機能するもので、図10(a)(b)に示すように、ベースフレーム65と、ベースフレーム65に設けられたガイド部66と、ベースフレーム65に設けられた走行機構Hへの固定支持部67と、ベースフレーム65に設けられた昇降用油圧ジャッキ取付部68とが備えられている。
ベースフレーム65は、2本の縦部材65aと、該各縦部材65aの下端側位置に両端を固定して組み付けた1本の水平部材65bとからなる構成とされている。
ガイド部66は、ベースフレーム65の2本の縦部材65aの前面側にベースプレート69を介して上下方向へ延びるように設けられているリニアガイドレール70とされている。リニアガイドレール70と昇降フレーム53のベースフレーム56に設けられているリニアガイドブロック62(図9(a)(b)参照)とからなるリニアガイドにより昇降フレーム53が昇降ガイド54に沿い昇降できるように構成される。
走行機構Hへの固定支持部67は、ベースフレーム65の各縦部材65aの後側面に水平方向に張り出す姿勢で取り付けられた左右2本の支持フレーム71と、各支持フレーム71の左右方向の外側面から各縦部材65aの左右方向の外側面に亘る長さを有する固定用プレート72とが備えられ、固定用プレート72が、各支持フレーム71の左右方向の外側面と各縦部材65aの左右方向の外側面に、左右方向に水平に張り出すように固定された構成とされている。左右の各固定用プレート72には、ボルト挿通用の孔73が設けられている。74は補強用のステイである。
各支持フレーム71の先端側は、ベースフレーム65に補強部材76,77を介して支持されている。補強部材76は、各縦部材65aの上端側と各支持フレーム71の先端側の上面との間に斜めに配設されている。補強部材77は、各縦部材65aの下端側と各支持フレーム71の先端側の下面との間に斜めに配設されている。
なお、左右の支持フレーム71の先端同士の間と、左右の補強部材76の間には、それぞれ間隔保持用のスペーサ兼補強部材78,79が設置されている。
昇降用油圧ジャッキ取付部68は、ベースフレーム65の水平部材65bの左右方向中央部分に、後方へ突出するように設けられたブラケット75により構成されている。このブラケット75に昇降用油圧ジャッキ55の下端側を連結して支持させる。
なお、昇降ガイド54のベースフレーム65は、縦部材65aに断面形状がみぞ形形状のものを用い、水平部材65bに角形形状のものを用いたものを例示したが、軽量で強度が得られるものであれば、他の断面形状のものを用いることは任意である。
昇降フレーム53と昇降ガイド54は、それぞれ以上説明した構成を有しており、昇降フレーム53を、昇降ガイド54のベースフレーム65内に、ベースフレーム65の前側(支持フレーム71の張り出し側とは反対の側)から組み入れることで組み合わせる。この際、昇降フレーム53は、ブラケット57が昇降ガイド54のベースフレーム65の内側、すなわち、左右の縦部材65aの間に位置するように組み入れて、昇降フレーム53のリニアガイドブロック62を昇降ガイド54のリニアガイドレール70に取り付ける。この際、リニアガイドブロック62は、リニアガイドレール70に予め取り付けておき、このリニアガイドブロック62に昇降フレーム53に備えたベースプレート63を連結するようにしてもよい。
更に、昇降ガイド54のブラケット75に連結して支持された昇降用油圧ジャッキ55のロッド先端を、昇降フレーム53のブラケット61に連結することで、昇降フレーム53と昇降ガイド54とを一体的に組み合わせて、昇降機構Gとする。
これにより、昇降機構Gは、昇降用油圧ジャッキ55を伸縮作動させることにより、昇降フレーム53が昇降ガイド54に対して、リニアガイドレール70とリニアガイドブロック62からなるリニアガイドにより自在に昇降できる構成とされている。
走行機構Hは、図2に示すように、台車フレーム80の前端側に前輪81を備え、台車フレーム80の後端に、後輪82を駆動できるようにしてある電動走行ユニット83が備えられている移動台車84とされている。
移動台車84の台車フレーム80は、前端側の前輪81のシャフト取付部と、前端側のバルブユニット85の設置部と、後端側の油圧ユニット86の設置部を除いて内側に上下方向に貫通する空間部が形成されている。
この台車フレーム80の内部空間部は、昇降機構Gの昇降ガイド54が上下方向に貫通できる寸法とされている。また、台車フレーム80の左右の各フレーム部80aは、昇降機構Gの昇降ガイド54の固定用プレート72を載置できる幅寸法とされている。
台車フレーム80のフレーム部80aには、固定用プレート72のボルト挿通用の孔73に対応してボルト挿通用の孔が設けられており、ボルトとナットにより固定用プレート72が台車フレーム80のフレーム部80aに締結されるようになっている。
本実施形態では、取替機Aは、前記した構成を有するスライド機構Bと調芯機構Eと傾動機構Fと昇降機構Gとを組み合わせて、移動台車84の台車フレーム80上に搭載してなる構成とされている。
以下、スライド機構Bと調芯機構Eと傾動機構Fと昇降機構Gとを組み合わせて、移動台車84の台車フレーム80上に搭載する手順の一例を説明する。
先ず、移動台車84の台車フレーム80の内側空間部に、昇降機構Gを、図2に示すように昇降ガイド54の支持フレーム71が後方へ突出する姿勢で上方より嵌合して配置し、支持フレーム71より左右方向に張り出す固定用プレート72を台車フレーム80の左右のフレーム部80a上に載置させる。次いで、固定用プレート72をフレーム部80aにボルトとナットにより複数個所で締結し、昇降ガイド54を台車フレーム80に固定支持させる。
次に、昇降機構Gの昇降フレーム53に、傾動機構Fを介して調芯機構Eにおける水平方向位置調整部31の下段ベース35を載置して支持させる。この支持は、下段ベース35の後端側下面の左右2つの傾動用ブラケット46を、昇降フレーム53の左右2つのブラケット57に、傾動用ピンPによりそれぞれ連結して、該傾動用ピンPを中心として下段ベース35の前端側が上下方向に傾動できるようにする。更に、下段ベース35の前端側下面の左右2つのダンパ連結用ブラケット47に上端側のブラケット51を介してピン枢着した別々のダンパ48の下端側のブラケット52を、昇降フレーム53の左右2つのブラケット58にピン枢着して、下段ベース35の前端側と昇降フレーム53との間にダンパ48を介装して傾動部32を形成すればよい。これにより、下段ベース35は、傾動用ピンPを支点とする傾動ができ、傾動はダンパ48で受けられるようにする。
調芯機構Eにおける水平方向位置調整部31の上段ベース33の上面には、羽口保持機構Cとロック手段Dを装備したスライド機構Bの固定フレーム1を配置し、固定フレーム1の下面のリニアガイドブロック38を、上段ベース33の上面のリニアガイドレール36に保持させて、固定フレーム1を上段ベース33上に支持させる。これにより、固定フレーム1を介してスライド機構Bは、水平方向位置調整部31、傾動部32により左右、前後、旋回方向の変位と傾動ができて、羽口保持機構Cの自動調芯と傾動ができるようにする。
以上のようにして構成された本実施形態の羽口取替装置は、次のようにして小羽口取替えの実施を行う。
小羽口102の取替えに際して、予め、高炉の側壁部100に、前記した所定の配置で、左右の装置ロック用ブラケット23を設置しておく。また、図2に示してある小羽口102を押している小羽口押さえ106を取り外しておく。なお、小羽口102に接続されている図示しない冷媒給排管は、予め小羽口102から取り外すか、あるいは、そのまま残しておいて、小羽口102と一緒に取り外すようにしてもよい。
取替機Aは、移動台車84により走行できて自在に移動できるので、図示しない作業者が羽口取替えを行う高炉の側壁部100まで移動させて、ロック手段Dの左右の支持部材26を、左右の装置ロック用ブラケット23の間に配置し、この状態で移動台車84を停止させる。この際、各支持部材26との高さ位置が、装置ロック用ブラケット23とずれているときは、昇降機構Gの昇降用油圧ジャッキ55を伸縮作動させて、昇降フレーム53を上昇、下降させるようにする。この場合、スライド機構Bの位置を高くするときは、昇降フレーム53を昇降ガイド54に沿わせて上昇させればよく、逆に、スライド機構Bの位置を下げるときは、昇降フレーム53を昇降ガイド54に沿わせて下降させればよい。これにより、各支持部材26の高さ位置を、各装置ロック用ブラケット23の位置に合わせて適正に調整できる。
次に、ロック手段Dの左右のロック用油圧ジャッキ27を伸長作動させて、各ロック爪25の連結部25bを前方へ押し出すことで、各ロック爪25をピン29を中心に水平方向に回転させ、各ロック爪25の先端側を、対応する装置ロック用ブラケット23の開口部24に挿入させてロックする。
これにより、移動台車84を停止した時点で、移動台車84の前後左右方向の位置と左右方向の向きに応じて、羽口保持機構Cが、大羽口103の軸心の位置から左右方向へのずれや傾きを生じていたとしても、左右の支持部材26を備えた固定フレーム1の位置が、各装置ロック用ブラケット23を基準にして自動的に修正される。よって、羽口保持機構Cは、大羽口103の軸心にほぼ沿う位置、姿勢に配置される自動調芯が行われる。これにより、図1、図2に示すように、羽口保持機構Cは、メイン爪13と補助爪14の先端側が大羽口103の軸心の位置にほぼ沿う配置で、羽口保持金物104の内側に配置される。
次いで、スライド機構Bの油圧ジャッキ3を短縮作動させて、スライドフレーム2を、固定フレーム1のリニアガイドレール5aに沿わせて前進させる。これにより、スライドフレーム2の前端面に取り付けられている羽口保持機構Cは、スライドフレーム2と一体として前進し、メイン爪13と補助爪14の各先端側が小羽口102の内側を貫通して炉内101へ突出させられる。この際、小羽口102の上下方向の取付角度は、小羽口102ごとに異なっているため、羽口保持機構Cのメイン爪13と補助爪14が小羽口102を貫通するとき、メイン爪13および補助爪14は、先端側が小羽口102の内周面に接触することがある。この場合、羽口保持機構Cは、スライド機構B、調芯機構Eと共に、傾動機構Fの傾動部32により、ダンパ48に受けられた状態で上下に傾動が可能なため、メイン爪13および補助爪14の先端側は、小羽口102の内周面に倣って移動して、小羽口102の先端側の開口部を通過できる。
羽口保持機構Cのメイン爪13と補助爪14の先端側が小羽口102を貫通して炉内101に突出させられると、羽口保持機構Cの爪開閉用油圧ジャッキ21を伸長作動させ、メイン爪側リンク17と補助爪側リンク19を介して、メイン爪13と補助爪14を、小羽口102の先端側の開口部に内側から接するか、近傍に達するまで上下方向に開く。
メイン爪13の先端側には上向きの突起13aがあるので、メイン爪13は、突起13aが小羽口102の先端側の開口部に内側から係止できる状態になる。
一方、補助爪14の先端側には下向きの突起14aがあるので、補助爪14は、突起14aが小羽口102の先端側の開口部に内側から係止できる状態になる。
次に、スライド機構Bの油圧ジャッキ3を伸長作動させる。
油圧ジャッキ3が伸長作動すると、スライドフレーム2は、羽口保持機構Cとともに後退させられる。これにより、メイン爪13と補助爪14は、突起13a,14aがある先端側が小羽口102内から炉内101に突出している状態から後退するときに、小羽口102の炉内開口部の先端面に突起13aと突起14aが係止する。
この状態で、更に、油圧ジャッキ3が伸長作動すると、メイン爪13の突起13aと補助爪14の突起14aが係止している小羽口102には、引き抜かれる方向である後端側の方向へ力が羽口保持機構Cより付与される。
このとき、スライド機構Bの固定フレーム1は、前端側の機器保持用フレーム4の左右両端側に備えたロック手段Dの各支持部材26が高炉の側壁部100に突き当てられているため、小羽口102の引抜き時の反力は、各支持部材26を介して側壁部100に伝えて受けさせることができる。このため、小羽口102はスライドフレーム2のスライドにより大羽口103の先端側から後方へ引き抜かれる。
小羽口102が大羽口103の先端側から後方へ引き抜かれると、ロック手段Dによるスライド機構Bの固定フレーム1のロックを解除する。ロック解除の操作は、ロック用油圧ジャッキ27を短縮作動してロック爪25をピン29を中心に回転させ、係合面25aを装置ロック用ブラケット23の開口部24から離脱させることにより行われる。
大羽口103の先端側から後方へ引き抜かれた小羽口102は、羽口保持機構Cのメイン爪13と補助爪14により内側から保持された状態となっているため、以後、移動台車84の移動により、羽口用開口105(羽口保持金物104)から引き出して、取替機Aにより目的の場所まで搬送するようにすればよい。
以後、同様な操作を繰り返すことにより、各小羽口102を順次高炉から取り外すことができる。
本実施形態では、小羽口102は、引き抜かれた後も、メイン爪13と各補助爪14の3本の爪で内側から保持するようにしてあるため、前記のような搬送を行うときにも、小羽口102の保持を従来に比してより確実に行うことができる。
次に、新しい小羽口102の取り付け作業を行うときは、先ず、新しい小羽口102を羽口保持機構Cのメイン爪13と各補助爪14により保持させる。この場合は、新しい小羽口102の後端側からメイン爪13と補助爪14を挿入し、次いで、メイン爪13と補助爪14の先端側を新しい小羽口102の先端側の開口部に貫通させてから、メイン爪13と補助爪14を、爪開閉用油圧ジャッキ21の作動により上下方向へ開いて、メイン爪13と補助爪14を新しい小羽口102に内側から押し当てるようにすればよい。
この状態で、作業者は、取替機Aを、移動台車84により移動させて、前記した小羽口102の取り外し作業時と同様に、ロック手段Dの左右の支持部材26を、左右の装置ロック用ブラケット23の間に配置する。次いで、この状態で移動台車84を停止させてから、ロック手段Dでは、各ロック爪25の先端側を、対応する装置ロック用ブラケット23の開口部24に挿入させてロックする。これにより、前記した取り外し作業時と同様に、新しい小羽口102を保持した羽口保持機構Cは、大羽口103の軸心にほぼ沿う位置、姿勢に配置される自動調芯が行われる。
次いで、スライド機構Bの油圧ジャッキ3を短縮作動させる。これにより、スライドフレーム2は、羽口保持機構Cとともに前方へ移動させられて、新しい小羽口102が大羽口103の先端側の開口部に押し込まれて挿入される。このとき、新しい小羽口102が大羽口103の内周面に接触すると、新しい小羽口102が大羽口103の上下方向の傾きに倣って移動するように、傾動機構Fの傾動部32により、羽口保持機構Cの上下方向の傾きが調整される。
その後は、スライドフレーム2とともに羽口保持機構Cを更に前方へ移動させて、小羽口102の基端側を小羽口押さえ板10bで押して、小羽口102を、大羽口103内から炉内101側へ突出し、小羽口102の後端側の外周面が大羽口103の先端側の内側に押圧されるまで前進させて、取り付けを終了する。
このとき、固定フレーム1は、ロック手段Dを介して装置ロック用ブラケット23にロックされているので、小羽口102の取り付け時の反力は、ロック爪25から装置ロック用ブラケット23を介して側壁部100に伝えて受けさせることができる。
このようにして新しい小羽口102の取り付けが終了すると、羽口保持機構Cのメイン爪13と各補助爪14を閉じて、小羽口102の保持を解除する。
しかる後、スライドフレーム2を、油圧ジャッキ3の伸長作動で後退させることで、羽口保持機構Cのメイン爪13と補助爪14を、小羽口102内から後退させる。
その後は、ロック手段Dによる固定フレーム1のロックを解除してから、取替機Aを、別の新しい小羽口102を保持するために、移動させるようにすればよい。
前記小羽口102の取替えは、損傷したすべての小羽口102を引き抜いた後、新しい小羽口102の取付部となる大羽口103の先端側のばり取りなどの処理を行ってから、新しい小羽口102を順次取り付けるようにしてもよく、あるいは、1つの小羽口102を引き抜いた後に、その引き抜いた小羽口102の個所に新しい小羽口102を取り付ける取替え作業を、各小羽口102ごとに行うようにしてもよい。
このように、本実施形態の羽口取替装置によれば、移動台車84の移動による取替機Aの位置合わせは、ロック手段Dの左右の支持部材26が、左右の装置ロック用ブラケット23の間に配置されるようにするのみでよい。しかも、この場合、高炉の側壁部100側の位置合わせの対象は、各装置ロック用ブラケット23という高炉の側壁部100に露出した状態で取り付けられた実在のもの、すなわち、容易に目視できるものであって、小羽口102の軸心の位置のように実在しないものではないので、移動台車84の位置合わせを容易に行うことができる。
本実施形態の羽口取替装置では、前記のようにロック手段Dの左右の支持部材26が、左右の装置ロック用ブラケット23の間に配置されていれば、その後はロック手段Dによる固定フレーム1のロックの処理に伴って、羽口保持機構Cを、大羽口103の軸心位置にほぼ沿うように自動的に配置することができる。よって、本実施形態の羽口取替装置は、小羽口102の取替作業の際に、羽口保持機構Cの位置決めを容易に行うことができる。
更に、本実施形態の羽口取替装置は、前記したように移動台車84の位置合わせの対象物として用いる側壁部100の各装置ロック用ブラケット23は、ロック手段Dと連携して、固定フレーム1の位置の固定、および、小羽口102の取り外し作業時および取り付け作業時の反力を側壁部100に伝える手段としても利用することができる。
したがって、本実施形態では、取替機Aは、移動台車84の固定を行う必要がないので、移動台車84の固定手段は備えなくてもよい。よって、本実施形態の羽口取替装置は、取替機Aに移動台車の固定手段と、小羽口102の脱着作業時の反力を受けさせる手段とを別々に設ける場合に比して、構成の単純化を図る効果が期待できる。
しかも、本実施形態では、取替機Aにおいて、羽口保持機構Cから小羽口102の取り外し、および、取り付けの反力が伝わるのは、スライド機構Bとロック手段Dのみである。そのため、取替機Aは、調芯機構E、傾動機構F、昇降機構G、走行機構Hについては、前記反力を受けることを考慮した剛性を備えなくてよい。
また、小羽口102の取り付けと取り外しを行うときには、前記反力を受けるスライド機構Bとロック手段Dは、羽口保持機構Cと同じ平面に配置されているので、本実施形態では、取替機Aの調芯機構E、傾動機構F、昇降機構G、走行機構Hに、前記反力に起因する回転モーメントが生じることを防ぐことができる。
[第2実施形態]
図11は第2実施形態の羽口取替装置と高炉炉底部の羽口取付部の概略側面図を示すものである。
なお、図11において、第1実施形態と同一のものには同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の羽口取替装置は、第1実施形態と同様の構成に加えて、取替機Aの羽口保持機構Cに、取り外し可能な大羽口押さえ板87を備え、更に、メイン爪13および補助爪14を、各先端側の位置が大羽口103の先端側の開口部に接する位置まで開くことが可能な構成としたものである。
大羽口押さえ板87は、元部10の上側に図示しないボルトとナットを介して取り外し可能に取り付けられているもので、大羽口103の後端側を内側(下側)から支持する支持台部88と、大羽口103の後端面に接触する押圧部89とを備えた構成とされている。
なお、大羽口押さえ板87は、元部10の外側の複数個所に設けておけば、大羽口103を引抜き後、新しい大羽口103を取り付けるとき、大羽口103を均一に押すことができて有利であるが、1個所に設けられていてもよい。
大羽口押さえ板87は、図11に示すように、メイン爪13および補助爪14の各先端側を大羽口103の先端側の開口部に内側から接触させた状態で、大羽口103の軸心方向を水平に保持できるように、元部10から突出する寸法が設定されている。また、元部10における大羽口押さえ板87の取付け位置は、メイン爪13および補助爪14の各先端からの距離が、大羽口103の軸心方向の長さ寸法より長くなる位置とされている。これは、大羽口103を引き抜くときは、メイン爪13および補助爪14の各先端位置が大羽口103の先端よりも炉内101側に突出でき、且つ大羽口103を取り付けるときは、大羽口押さえ板87が大羽口103の後端を先端側へ押すことができるようにするためである。
大羽口103は、前記したように、高炉の側壁部100に備えた羽口用開口105の炉内101寄りに取り付けられており、大羽口103の先端側に取り付けられる小羽口102のように、炉底部に溜る溶鉄や溶滓に直接触れる場合は少ない。そのため、大羽口103は、小羽口102に比して損傷の度合いは低いが、損傷することがある。損傷した大羽口103は、取替えの必要がある。
以上の構成としてある本実施形態の羽口取替装置を使用して大羽口103の取替えを行う場合は、取り替え対象となる大羽口103から、小羽口102を取り外しておく。この小羽口102の取り外し作業は、羽口保持機構Cにおける元部10から、大羽口押さえ板87を取り外した状態の取替機Aで、第1実施形態と同様の手順で行うようにすればよい。
次に、図11に示す大羽口押さえ108を取り外すと共に、小羽口押さえ台107をピン109を中心に回動させて、大羽口103の引き抜きに障害となるものをなくしておくようにする。
その後、取替機Aは、羽口保持機構Cの元部10に大羽口押さえ板87を取り付けた状態で、移動台車84により、取り替え対象となる大羽口103に対応する位置まで移動させて、第1実施形態で説明した小羽口102の取り外し作業時と同様に、ロック手段Dの左右の支持部材26を、左右の装置ロック用ブラケット23の間に配置する。この状態で移動台車84を停止させてから、ロック手段Dでは、各ロック爪25の先端側を、対応する装置ロック用ブラケット23の開口部24に挿入させて、固定フレーム1のロックを行う。これにより、羽口保持機構Cは、大羽口103の軸心にほぼ沿う位置、姿勢に配置される自動調芯が行われる。
以後、第1実施形態の小羽口102の取替えの場合と同様に、スライドフレーム2を前進させる。これにより、スライドフレーム2の前端面に取り付けられている羽口保持機構Cは、スライドフレーム2と一体として前進し、メイン爪13と補助爪14の各先端側が大羽口103内を貫通して、大羽口103の先端より炉内101側へ突出させられる。この場合、羽口保持機構Cは、大羽口押さえ板87の支持台部88に大羽口103の後端側が載り、押圧部89が大羽口103の後端側に近接する位置まで前進させるようにすればよい。
しかる後、羽口保持機構Cの爪開閉用油圧ジャッキ21を伸長作動させ、メイン爪側リンク17と補助爪側リンク19を介してメイン爪13と補助爪14を上下方向に開き、メイン爪13と補助爪14が、大羽口103の先端側の開口部に内側から接触するように付勢する。
次に、スライドフレーム2を油圧ジャッキ3の伸長作動により後退させ、羽口保持機構Cを後退させる。羽口保持機構Cのメイン爪13と補助爪14には、先端に突起13aと14aがあるので、羽口保持機構Cの後退動作でメイン爪13と補助爪14が後退させられることで、突起13aと突起14aが自動的に大羽口103の先端面に係止させられる。
更に、スライドフレーム2とともに羽口保持機構Cが後退動作させられることにより、大羽口103には、後方への引抜き力が付与されて、大羽口103は引き抜かれることになる。
このようにして引き抜かれた大羽口103は、羽口保持機構Cのメイン爪13、補助爪14および大羽口押さえ板87により内側から保持されているので、取替機Aにより、保管場所などへ搬送すればよい。
新しい大羽口103を羽口用開口105に取り付けるときは、新しい大羽口103を、前記と同様に羽口保持機構Cのメイン爪13、補助爪14および大羽口押さえ板87で内側から保持させる。
次に、取替機Aは、羽口保持機構Cに新しい大羽口103を保持した状態で、移動台車84により、大羽口103の取り付け対象となる羽口用開口105の位置まで移動させて、前記した大羽口103の取り外し作業時と同様に、ロック手段Dの左右の支持部材26を、左右の装置ロック用ブラケット23の間に配置する。この状態で移動台車84を停止させてから、ロック手段Dにより、固定フレーム1をロックする。これにより、羽口保持機構Cは、羽口用開口105に以前取り付けられていた大羽口103の軸心にほぼ沿う位置、姿勢に配置される自動調芯が行われる。
次いで、スライド機構Bのスライドフレーム2を、油圧ジャッキ3の短縮作動で前進させる。羽口保持機構Cは、スライドフレーム2の前端面に取り付けられているので、スライドフレーム2と一体に前進して、羽口保持金物104の内側を通して炉内101の方向へ前進する。これにより、羽口保持機構Cに保持された新しい大羽口103は、羽口保持金物104の内側を通り炉内101側へ搬入される。
新しい大羽口103が、羽口用開口105における大羽口103の正規の設置位置近くまで搬入されても、油圧ジャッキ3は、短縮作動を継続させ、スライドフレーム2とともに羽口保持機構Cを前進させ、羽口保持機構Cの元部10に取り付けた大羽口押さえ板87の押圧部89を、新しい大羽口103の後端側に接触させて、大羽口押さえ板87で大羽口103を押し込む。
これにより、新しい大羽口103が設置位置に設置されると、爪開閉用油圧ジャッキ21を短縮作動させて、メイン爪13と補助爪14を閉じた後、油圧ジャッキ3を伸長作動に切り替えて、スライドフレーム2を後退させることで、羽口保持機構Cを、大羽口押さえ板87が大羽口103離反するまで後退させる。
その後は、ロック手段Dによる固定フレーム1のロックを解除して移動台車84を移動可能な状態とすることで、1つの大羽口103の取替えが終了する。
大羽口103の取替えが終了すると、取替えの際に取り外した大羽口押さえ108を取り付けて、所定位置に設置された新しい大羽口103の後端側を押えるようにし、小羽口押さえ台107をピン109を中心に回動させて起立させておく。
本実施形態により大羽口103の取替えが終了した後、新しい大羽口103の先端に、新しい小羽口102を取り付けるときは、取替機Aを、羽口保持機構Cの元部10から大羽口押さえ板87を再度取り外した状態としてから、第1実施形態と同様の手順で実施すればよい。
したがって、本実施形態の羽口取替装置によれば、第1実施形態と同様の効果に加えて、大羽口103の取り替えも実施することができる。
なお、本発明は、前記した各実施の形態のみに限定されるものではない。
たとえば、第2実施形態にて、羽口保持機構Cの元部10に大羽口押さえ板87を取り付ける手段は、必要に応じて大羽口押さえ板87を取り外すことが可能であれば、ボルトとナット以外の取り付け手段を採用してもよい。また、大羽口押さえ板87は、下端側を、元部10に備えた受け部材に上方から差し込んで取り付けるようにしてもよい。
大羽口押さえ板87は、大羽口103の先端側の開口部がメイン爪13と補助爪14により内側から保持された状態で、大羽口103の後端側を軸心の方向が傾かないように内側から支持する機能と、大羽口103の後端側に押し当てる機能とを備えていれば、図示した以外の形状、構成を採用してもよい。
なお、本発明を発展させて、第1実施形態に示した小羽口102の取り替え作業に用いる羽口保持機構Cとは別に、大羽口押さえ板87が固定された羽口保持機構Cを用意しておき、小羽口102の取り替え作業と、大羽口103の取り替え作業とで、スライド機構Bのスライドフレーム2の前端側のブラケット2eに連結ピン12で連結される羽口保持機構Cを交換可能としてもよい。
また、前記した各実施形態は、一例を示しているものであり、本発明の羽口取替装置は、図示した構成のもののみに限定されるものではない。
たとえば、昇降機構Gの昇降フレーム53は、図9(a)(b)に示されているが、下段ベース35下面の傾動用ブラケット46に連結するブラケット57、下段ベース35下面のダンパ連結用ブラケット47に連結されるダンパ48を連結するためのブラケット58、昇降用油圧ジャッキ55を連結するためのブラケット61を備えていて、昇降ガイド54に昇降可能に支持されるものであれば、図示以外の構成としてもよい。
スライド機構Bのスライドフレーム2を移動させるアクチュエータとして油圧ジャッキ3を用い、昇降機構Gの昇降フレーム53を昇降させるアクチュエータとして昇降用油圧ジャッキ55を用いている例を示している。これらの油圧ジャッキ3と昇降用油圧ジャッキ55は、アクチュエータの一例として示しているものであり、その大きさ等は図示のものに限定されるものではない。
小羽口102や大羽口103の取り外しと取り付け時の反力に起因するモーメントが生じないようするという効果を得る観点から考えると、左右の各装置ロック用ブラケット23は、大羽口103の軸心の位置を含む平面に沿う位置に配置され、また、羽口保持機構Cと、スライド機構Bおよびロック手段Dは、同じ平面に沿って配置されていることが好ましい。しかし、本発明の羽口取替装置は、この構成に限定されるものではなく、たとえば、高炉の側壁部100に装備された他の機器の配置などを考慮して、左右の各装置ロック用ブラケット23は、大羽口103の軸心の位置から上下方向にずれた位置に設けるようにしてもよい。それに対応して、取替機Aでは、羽口保持機構Cと、ロック手段Dとは上下方向にずれた位置に設けられていてもよい。
また、左と右の各装置ロック用ブラケット23、および、ロック手段Dにおける左と右の支持部材26とロック爪25にかかる力を均等化するという効果を得る観点から考えると、左右の各装置ロック用ブラケット23は、大羽口103の軸心の位置を中心として左右対称に配置され、左右の支持部材26と左右のロック爪25は、羽口保持機構Cを中心として、左右に対象に配置されていることが好ましい。しかし、本発明の羽口取替装置は、この構成に限定されるものではなく、左右の各装置ロック用ブラケット23は、大羽口103の軸心の位置からの距離に差があり、それに応じて、左右の支持部材26とロック爪25は、羽口保持機構Cからの距離に差がある構成としてもよい。
スライド機構Bでは、固定フレーム1に対しスライドフレーム2の前後方向の移動をガイドする手段としては、リニアガイドを例示したが、リニアガイド以外の直動式のガイドを採用してもよい。
調芯機構Eでは、水平方向位置調整部31における上段ベース33に対する固定フレーム1の左右方向の変位をガイドする手段、および、中段ベース34に対する上段ベース33の前後方向の変位をガイドする手段として、それぞれリニアガイドを例示したが、リニアガイド以外の直動式のガイドを採用してもよい。
昇降機構Gでは、昇降フレーム53の昇降ガイド54に沿う昇降をガイドする手段としては、リニアガイドを例示したが、リニアガイド以外の直動式のガイドを採用してもよい。
取替機Aは、スライド機構Bの固定フレーム1と、走行機構Hとしての移動台車84との間に、調芯機構Eと傾動機構Fと昇降機構Gを備えていれば、調芯機構Eと傾動機構Fと昇降機構Gの上下方向の順序は変更してもよい。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。