JP6900093B1 - 配管洗浄ピグ及び配管洗浄方法並びに配管洗浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】配管内部の異物を落とす研削力と配管洗浄後に水で短時間のうちに溶解される水溶解力の両方を兼ね備えた配管洗浄ピグ及び配管洗浄方法並びに配管洗浄装置を提供する。【解決手段】一方端が開放可能であると共に他方端が開放不能に閉塞された配管12の内部をピグ洗浄する配管洗浄装置10において、本発明の配管洗浄ピグ14を、配管12の一方端から配管洗浄ピグ14に対して非溶解性の液体又は気体の流体圧Qによって配管12内部に圧入させる配管洗浄ピグ圧入手段16と、配管12内部に水を注入して配管洗浄ピグ14を水に溶解する配管洗浄ピグ溶解手段18と、配管洗浄ピグ14が溶解された溶解水を配管12から排出することによって配管12内部から配管洗浄ピグ14を回収する配管洗浄ピグ回収手段20と、を備えた。【選択図】図1

Description

本発明は配管洗浄ピグ及び配管洗浄方法並びに配管洗浄装置に係り、特に一方端が開放可能であると共に他方端がドレイン抜き等の抜き口のみを有して開放不能に閉塞された閉塞配管の内部をピグ洗浄する技術に関する。
例えば冷凍機の熱交換器の配管や油圧装置の配管等は、多数の配管が配設されており、空気、水、オイル等の流体が通る通路として使用される。このような配管が装置に連結されて使用される際、配管の内部にスケール等の異物が付着することが避けられない。そして、配管の内部に付着した異物は装置の効率を低下させるという問題を引き起こす。したがって、配管の内部を定期的に洗浄して配管内部の異物を除去する配管洗浄が必要になる。
配管内部を洗浄する従来の方法としては、高圧水用のチューブを配管内部に挿入して高圧水を噴出することで配管内部の異物を落とす方法や、洗浄剤を配管内部に充填して空気でバブリングすることにより配管内部の異物を落とす方法等がある。しかし、これらの配管洗浄方法は洗浄に時間がかかると共に配管内部に付着した異物の除去効果が十分ではないという問題がある。
このような背景から、配管内部を比較的短時間で且つ付着した異物の除去効果が大きな配管洗浄方法として特許文献1に示すピグ洗浄が提案されている。このピグ洗浄は、弾性力を有するプラスチックやゴムで形成されたピグと言う例えば砲弾形状の洗浄具を、配管の一方端に設置したランチャーから液体又は気体で圧入し、ピグが配管内部を進行しながら配管の内面を擦すって異物を剥離除去する。そして、配管の他方端に設置したレシーバからピグを回収する。水溶性高分子としては、一般的に非水溶性材料や耐油性材料の弾性材料である発泡ポリウレタンが使用されている。
配管内部をピグ洗浄する場合、洗浄の終了したピグを配管外に排出しなくてはならないが、一方端が開放可能であると共に他方端がドレイン抜き等の抜き口のみを有して開放不能に閉塞された閉塞配管の場合には、配管から発泡ポリウレタンのピグを排出するのが難しいという問題がある。
引用文献2では、水溶性高分子として、パオゲン(商品名)等の水溶性高分子材料を使用することで、ピグ洗浄後に水でピグを溶解して配管から除去することができるとされている。また、引用文献3ではピグとして紙を使用することが開示されている。また、引用文献4では、ピグとして氷やドライアイス等の自然消滅するものを使用することが開示されている。
特開2002−205025号公報 特開平5−285462号公報 米国特許出願公開2010/0252071号明細書 特開昭61−65994号公報
ところで、ピグで配管内部に付着した汚れ等の異物を落とすにはピグが研削力を有する程度に硬質であることが必要である。しかしながら、水溶性高分子として水溶性高分子材料を使用する場合、硬質な水溶性高分子材料は水への溶解性が低く、例えば砲弾形状又は球体状のピグが水に溶解して配管から排出するまでの時間が長くなるという問題がある。逆に、軟質な水溶性高分子材料は水への溶解性が高く、ピグを水に溶解して配管から排出するまでの時間が短くなるが、配管内部の異物を落とすには研削力が不足するという欠点がある。
現在、水溶性高分子をピグ材料とした配管洗浄ピグは、配管内部の異物を落とす研削力と配管洗浄後に水で短時間のうちに溶解される水溶解力の両方を兼ね備えたものはないのが実情である。この結果、特に一方端が開放可能であると共に他方端がドレイン抜き等の抜き口のみを有して開放不能に閉塞された閉塞配管の内部を洗浄する方法としてピグ洗浄は適さないという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、配管洗浄中に配管内部の異物を落とす研削力と配管洗浄後に水で短時間のうちに溶解される水溶解力の両方を兼ね備えた配管洗浄ピグ及び配管洗浄方法並びに配管洗浄装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の配管洗浄ピグは、配管の一方端から流体圧によって配管内部に圧入させることによって配管内部を洗浄すると共に配管の洗浄後に水を用いて溶解させられて配管から排出される配管洗浄ピグであって、ピグ本体部と、ピグ本体部の外面の全体又は一部分を外殻状に覆うピグ外殻部と、の二重構造に形成され、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリオール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、メチロール化ユリア樹脂、メチロール化メラミン樹脂、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロースの水溶性高分子のうちから選択された2種類の水溶性高分子のうち水溶性の大きい方の第1の水溶性高分子でピグ本体部を成形すると共に水溶性の小さい方の第2の水溶性高分子でピグ外殻部を成形することを特徴とする。
これにより、配管洗浄中に配管内部の異物を落とす研削力と配管洗浄後に水で短時間のうちに溶解される水溶解力の両方を兼ね備えた配管洗浄ピグを製作することができる。したがって、配管内部を比較的短時間で且つ付着した異物の剥離効果が大きなピグ洗浄の欠点である閉塞配管に適用できないという問題を解決することができる。
本発明の配管洗浄ピグの態様において、配管洗浄ピグは砲弾形状又は円柱形状であって、配管内部への圧入方向から見た配管洗浄ピグの後端面が円弧状又はU字状に窪んでいることが好ましい。これにより、配管洗浄ピグを配管内部に圧入する流体圧が円弧状又はU字状に窪んだ配管洗浄ピグの後端面に作用して配管洗浄ピグの後部を押し広げる。この結果、配管洗浄ピグのピグ外殻部と配管内部との接触抵抗が大きくなり、配管内部の汚れを落とす効果が増大する。
本発明の配管洗浄ピグの態様において、ピグ本体部をポリエチレンオキシドで形成すると共にピグ外殻部をポリビニルアルコールで形成することが好ましい。上記8種類の水溶性高分子において、ピグ本体部をポリエチレンオキシドで形成すると共にピグ外殻部をポリビニルアルコールで形成する組み合わせが、配管洗浄ピグの研削力と水溶解力との両方をバランスよく発揮するからである。
本発明の配管洗浄ピグの態様において、ピグ外殻部の厚みは0.4mm以上1.0mm以下であることが好ましい。ピグ外殻部の厚みは0.4mmを下回ると配管洗浄時に割れて破損し易くなり、1.0mmを超えると配管洗浄後に水に溶解する時間が長くなる。好ましくは0.6mm以上0.8mm以下である。
本発明の配管洗浄ピグの態様において、ピグ外殻部は押し出し成形、射出成形、ブロー成形、鋳型成形の何れかで成形可能であることが好ましい。これにより、配管洗浄ピグを機械的に製作することができるので、製作効率が向上する。
本発明の配管洗浄ピグの態様において、ピグ外殻部は水溶性高分子の発泡体であることが好ましい。発泡体とすることによって研削力が大きくなると共に水との接触面積が大きくなり溶解時間を短縮できる。したがって、ピグ外殻部の厚みを厚くすることが可能となる。
本発明の配管洗浄ピグの態様において、ピグ外殻部は網状に形成されることが好ましい。ピグ外殻部は網状に形成することによって研削力が大きくなる。また、網状にしない場合に比べてピグ外殻部の面積を小さくできるので、溶解時間を短縮できる。
本発明の配管洗浄ピグの態様において、ピグ外殻部には水溶性の研削材が含有されていることが好ましい。配管内部に付着したスケール等の洗浄し難い異物は、配管内部を削り落とすための研削力を有する配管洗浄ピグの方が洗浄効果を向上できる。
本発明の配管洗浄ピグの態様において、水溶性の研削材は炭酸カルシウムであることが好ましい。これは、配管洗浄ピグに含有させる好ましい研削材を具体的に示したものである。
本発明の配管洗浄ピグの態様において、ピグ本体部はピグ形状の成形品がゲル状態の水溶性高分子であることが好ましい。ピグ本体部がゲル状態であることによって、ピグ本体部は多少の弾力性と固さとを有するので、厚みが薄いピグ外殻部が受ける外力を吸収することができる。これにより、配管洗浄ピグで配管洗浄中にピグ外殻部が破損することを抑制できると共に、配管洗浄ピグに弾力性をもたせることができるので、配管の曲がり部分を通過し易くなる。
本発明の配管洗浄ピグの態様において、ピグ本体部は水溶性高分子の発泡体であることが好ましい。ピグ本体部が発泡体であることによって、ピグ本体部はゲル状態の場合と同様に多少の弾力性と固さとを有するので、厚みが薄いピグ外殻部が受ける外力を吸収することができる。
前記目的を達成するために、本発明の配管洗浄ピグは、配管の一方端から流体圧によって配管内部に圧入させることによって配管内部を洗浄すると共に配管の洗浄後に水を用いて溶解させられて配管から排出される配管洗浄ピグであって、ピグ本体部と、ピグ本体部の外面の全体を外殻状に覆うピグ外殻部と、の二重構造に形成され、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリオール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、メチロール化ユリア樹脂、メチロール化メラミン樹脂、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロースの水溶性高分子材料のうちから選択された1種類の水溶性高分子でピグ本体部を成形すると共に塩又は砂糖でピグ外殻部を成形することを特徴とする。
水分を飛ばして乾燥した塩や砂糖は、硬質性を有すると共に水に対して簡単に溶解するので、塩又は砂糖を配管洗浄ピグのピグ外殻部として使用することで、配管内部の異物を落とす研削力と配管洗浄後に水で短時間のうちに溶解される水溶解力の両方を兼ね備えた配管洗浄ピグを製作することができる。
前記目的を達成するために、本発明の配管洗浄方法は、一方端が開放可能であると共に他方端が開放不能に閉塞された配管の内部をピグ洗浄する配管洗浄方法において、配管洗浄ピグを、配管の一方端から配管洗浄ピグに対して非溶解性の液体又は気体の流体圧によって配管内部に圧入させることによって配管内部を洗浄する工程を少なくとも1回行う配管洗浄ピグ圧入工程と、洗浄の終了した配管内部に配管洗浄ピグに対して水を注入して配管洗浄ピグを溶解する配管洗浄ピグ溶解工程と、配管洗浄ピグが溶解された溶解水を配管から排出することによって配管内部から配管洗浄ピグを回収する配管洗浄ピグ回収工程と、を少なくとも備えたことを特徴とする配管洗浄方法。ここで、配管洗浄ピグに対して非溶解性の液体又は気体としては、エアを好適に使用することができる。
本発明の配管洗浄方法を行うことによって、長さの長い閉塞配管であってもピグ洗浄を行うことができる。また、配管洗浄ピグ回収工程では、配管の他方端にドレイン抜き等の液体の抜き口がある場合には、溶解液又は溶解ガスを抜き口から排出することが好ましい。配管の他方端に例えばドレイン抜き等の液体の抜き口があれば、そこから更に簡単に配管洗浄ピグを回収(排出)することができる。
前記目的を達成するために、本発明の配管洗浄装置は、一方端が開放可能であると共に他方端が開放不能に閉塞された配管の内部をピグ洗浄する配管洗浄装置において、配管洗浄ピグを、配管の一方端から配管洗浄ピグに対して非溶解性の液体又は気体の流体圧によって配管内部に圧入させる配管洗浄ピグ圧入手段と、配管内部に水を注入して配管洗浄ピグを水に溶解する配管洗浄ピグ溶解手段と、配管洗浄ピグが溶解された溶解水を配管から排出することによって配管内部から配管洗浄ピグを回収する配管洗浄ピグ回収手段と、を備えたことを特徴とする。本発明の配管洗浄装置を備えることによって、長さの長い閉塞配管であってもピグ洗浄を行うことができる。
本発明によれば、配管洗浄中に配管内部の異物を落とす研削力と配管洗浄後に水で短時間のうちに溶解される水溶解力の両方を兼ね備えた配管洗浄ピグ及び配管洗浄方法並びに配管洗浄装置を提供することができる。したがって、配管内部を比較的短時間で且つ付着した異物の剥離効果が大きなピグ洗浄の欠点である閉塞配管に適用できないという問題を、解決することができる。
本発明の配管洗浄装置の全体構成を説明する概念図 本発明の配管洗浄ピグの各種形状における二重構造を説明する説明図 研磨材を含有させた本発明の配管洗浄ピグの説明図 ピグ外殻部を網目状にした本発明の配管洗浄ピグの説明図 本発明の配管洗浄ピグの後端面が窪んだ態様を説明する説明図 本発明の配管洗浄方法のステップ図 配管洗浄ピグで配管内部を洗浄している説明図
以下添付図面に従って、本発明に係る配管洗浄ピグ及び配管洗浄方法並びに配管洗浄装置の好ましい実施の形態について詳述する。
[配管洗浄装置の全体構成]
図1は、本発明の実施の形態の配管洗浄装置の全体構成を説明する概念図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態の配管洗浄装置10は、一方端が開放可能であると共に他方端が開放不能に閉塞された閉塞配管12の内部を洗浄するのに好適な装置として発明されたものであるが、閉塞配管12に限らず両端が開放された配管にも適用できることは勿論である。
本実施の形態では、一方端が開放可能であると共に他方端が開放不能に閉塞された配管(以下、閉塞配管12という)の開放不能に閉塞された他方端にドレインを抜くためのドレイン配管24(液体の抜き口)がある場合で説明する。ドレイン配管24には開閉バルブ24Aが設けられている。
また、洗浄する閉塞配管12は、例えば100m以上の長い配管であり、図1では閉塞配管12の一方端側の部分と他方端側の部分のみを示し、配管途中は省略した図で示している。
なお、本実施の形態では、閉塞配管12で説明するが、本発明の配管洗浄ピグはその他の配管等の筒状の管内部の洗浄に使用できる。
図1に示すように、本発明の実施の形態の配管洗浄装置10は、主として、本発明の配管洗浄ピグ14と、配管洗浄ピグ圧入手段16と、配管洗浄ピグ溶解手段18と、配管洗浄ピグ回収手段20と、切換手段22とで構成される。次に、配管洗浄ピグ14と、配管洗浄ピグ圧入手段16と、配管洗浄ピグ溶解手段18と、配管洗浄ピグ回収手段20と、切換手段22との詳細について順番に説明する。
(配管洗浄ピグの第1の実施の形態)
本発明の発明者は、ピグ材料として水溶性高分子を使用して配管洗浄ピグ14を製作する場合、水溶性が小さい水溶性高分子ほど水に溶解して閉塞配管12から排出するまでの時間は長くなるが、砲弾形状等のピグ形状に成形し易いと共に硬質で研削力が大きい。一方、水溶性が小さい水溶性高分子ほど水に溶解して閉塞配管12から排出するまでの時間は短くなるが、砲弾形状等のピグ形状に成形しにくいと共に軟質(ゲル状態)で研削力が小さいことに着目した。
そして、発明者は、ピグ本体部14A(図2参照)と、ピグ本体部14Aの外面の全体又は一部分を外殻状に覆うピグ外殻部14B(図2参照)との二重構造に形成することで、閉塞配管12の内部の異物を落とす研削力と閉塞配管12の洗浄後に水で短時間のうちに溶解される水溶解力の両方を兼ね備えた配管洗浄ピグ14を製作できるとの新たな知見を得た。
図2は、本発明の第1の実施の形態の配管洗浄ピグ14の各種のピグ形状における二重構造を説明する説明図であり、(A-1)から(A-3)は斜視図、(B-1)から(B-3)は(A-1)から(A-3)の断面指示線に沿った断面図である。
図2の(A-1)から(A-3)に本発明の実施の形態の配管洗浄ピグ14のピグ形状を示すように、例えば球体形状(A-1)、砲弾形状(A-2)、円柱形状(A-3)に形成される。更に、図2の(B-1)から(B-3)に示すように、本発明の実施の形態の配管洗浄ピグ14は、ピグ本体部14Aと、ピグ本体部14Aの外面の全体又は一部分を外殻状に覆うピグ外殻部14Bとの二重構造に形成される。
ピグ本体部14A及びピグ外殻部14Bをピグ形状に成形する水溶性高分子は、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド(ポリエチレングリコールともいう)、ポリエステルポリオール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、メチロール化ユリア樹脂(尿素樹脂ともいう)、メチロール化メラミン樹脂、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース(CMC樹脂ともいう)の8種類のうちから選択される。なお、水道管のような配管の洗浄の場合には、毒性のない水溶性高分子材料を選択することが好ましい。
そして、8種類の水溶性高分子のうちから選択された2種類の水溶性高分子のうち、水溶性の大きい方の第1の水溶性高分子でピグ本体部14Aを成形すると共に水溶性の小さい方の第2の水溶性高分子でピグ外殻部14Bを成形する。したがって、これらの水溶性高分子が水に何グラム溶解するかを厳密に調べる必要はなく、選択された2種類の水溶性高分子の水溶性の大小を比較できればよい。上記8種類の水溶性高分子における水溶性の大小を比較する水溶性比較方法はどのような方法でもよいが、例えば20℃の水道水1Lに、水溶性高分子を1g入れて緩やかに撹拌しながら時間経過と溶融状態とを観察することで比較することができる。
図1に示すように、配管洗浄ピグ14の直径(外径)L1は、閉塞配管12の内径L2の1.05〜1.2倍であることが好ましい。これにより、配管洗浄ピグ14が閉塞配管12の内面を擦る研削力が大きくなり、配管内部に付着した汚れを落とし易くなる。したがって、配管洗浄ピグ14を閉塞配管12の内部に圧入するときに弾性変形して形が細くなるように弾性力を有することが好ましい。
ピグ外殻部14Bは、閉塞配管12の内面に直接接触する外殻状の部分であるので、研削力や水溶解力以外の要素として、外殻状に成形し易いか否かの成形性及び成形した後の成形品強度も重要になる。これらの研削力、水溶解力、成形性、成形品強度を考慮すると、図2の(B-1)から(B-3)に示すように、ピグ外殻部14Bの厚みは0.4mm以上1.0mm以下であることが好ましい。ピグ外殻部14Bの厚みは0.4mmを下回ると成形が難しくなると共に配管洗浄時に割れ易くなり、1.0mmを超えると閉塞配管12の洗浄後に水に溶解する時間が長くなる。好ましくは0.6mm以上0.8mm以下である。
また、研削力や水溶解力を維持しながらピグ外殻部14Bの厚みを厚くして成形品強度を大きくする方法としては、図示しないが、ピグ外殻部14Bを水溶性高分子の発泡体とすることも好ましい。ピグ外殻部14Bを発泡体とすることによって水との接触面積が大きくなり溶解時間を短縮できるだけでなく、閉塞配管12の内面との接触抵抗が大きくなり研削力も大きくなる。
図3は、本発明の第1の実施の形態の配管洗浄ピグ14の別の態様であり、(A-1)から(A-3)は斜視図、(B-1)から(B-3)は(A-1)から(A-3)の断面指示線に沿った断面図である。
図3に示すように、ピグ外殻部14Bを水溶性高分子で網状に形成することも好ましい。ピグ外殻部14Bを網状にすることによって、網状にしないでピグ本体部14Aの全面を覆う場合に比べてピグ外殻部14Bの表面積を小さくできるので、溶解時間を短縮できるだけでなく、網状にすることで研削力も大きくなる。
また、研削力の向上を考える場合、図4に示すように、ピグ外殻部14Bに水溶性の研削材14Eを含有させることも好ましい。図4は、ピグ外殻部14Bに研削材14Eを含有させた配管洗浄ピグ14の説明図であり、(A-1)から(A-3)は斜視図、(B-1)から(B-3)は断面指示線に沿った断面図である。
閉塞配管12の内面に付着したスケール等の洗浄し難い異物は、閉塞配管12の内面を削り落とすための大きな研削力を有する配管洗浄ピグ14の方が洗浄効果を向上できる。水溶性の研削材14Eとしては、例えば炭酸カルシウムを使用することができる。なお、図4は、ピグ本体部14Aの外面の全体をピグ外殻部14Bで覆う場合であるが、図3で示したように、ピグ外殻部14Bを網状とする場合にも水溶性の研削材14Eを含有させることができる。
一方、ピグ本体部14Aは砲弾形状等のピグ形状の成形品がゲル状態の水溶性高分子であることが好ましい。ピグ本体部14Aがゲル状態であることによって、ピグ本体部14Aに適度な弾力性と固さとをもたせることができるので、厚みが薄いピグ外殻部14Bが受ける外力を吸収することができる。これにより、配管洗浄ピグ14で閉塞配管12の洗浄中にピグ外殻部14Bが破損することを抑制できる。更には、配管洗浄ピグ14に弾力性をもたせることによって、配管洗浄ピグ14の直径(外径)L1を、配管の内径L2の1.05〜1.2倍にしても閉塞配管12の内部にスムーズに圧入することができるだけでなく閉塞配管12の曲がり部分を通過し易くなる。
また、ピグ本体部14Aが比較的硬質であって成形品がゲル状態にならない水溶性高分子を使用する場合には、水溶性高分子を発泡体として使用することが好ましい。ピグ本体部14Aを発泡体とすることで、ピグ本体部14Aに適度な弾力性と固さとをもたせることができるので、ゲル状態の場合と同様に厚みが薄いピグ外殻部14Bが受ける外力を吸収することができる。更には、配管洗浄ピグ14に弾力性をもたせることによって、配管洗浄ピグ14の直径(外径)L1を、配管の内径L2の1.05〜1.2倍にしても閉塞配管12の内部にスムーズに圧入することができるだけでなく閉塞配管12の曲がり部分を通過し易くなる。
ピグ本体部14Aとピグ外殻部14Bとの両方を発泡体とすることもできるが、この場合にも水溶性の大きい方の第1の水溶性高分子で発泡体のピグ本体部14Aを成形すると共に水溶性の小さい方の第2の水溶性高分子で発泡体のピグ外殻部14Bを成形する。
ピグ外殻部14Bは、押し出し成形(熱溶融成形ともいう)、射出成形、ブロー成形、鋳型成形の何れかの成形方法又はピグ本体部14Aへの塗布により外殻状に成形可能であり、成形後の成形品強度が大きな水溶性高分子を選択することが好ましい。これにより、ピグ外殻部14Bを機械的に製作することができるので、効率よく製作できる。また、ピグ外殻部14Bを発泡体とする場合は、上記の何れかの成形方法又は塗布の工程に加えて発泡の工程を加えればよい。
ピグ外殻部14Bを網状にする方法としては、ピグ本体部14Aにピグ外殻部14Bを形成する水溶性高分子を熱溶融して網状に塗布するか又は熱溶融して紐状にした水溶性高分子をピグ本体部14Aに巻くことにより製作することができる。
また、ピグ本体部14Aは、押し出し成形、射出成形、ブロー成形、鋳型成形の何れかの成形方法で砲弾形状等に成形可能な水溶性高分子については、この成形方法で行うことができる。また、これらの成形方法では成形できない軟質(ゲル状態)な水溶性高分子については、成形したピグ外殻部14Bにピグ本体部14Aの水溶性高分子を熱溶融して充填する方法もある。
図2では、配管洗浄ピグ14の一般的なピグ形状を示したが、更に好ましい形状としては、砲弾形状又は円柱形状であって、閉塞配管12の内部への圧入方向から見た配管洗浄ピグ14の後端面14Cが円弧状又はU字状に窪んでいることが好ましい。
図5は、砲弾形状の配管洗浄ピグ14の場合であり、(A)は後端面14Cが円弧状に窪んだピグ本体部14Aの外面の全体を外殻状に覆うピグ外殻部14Bを設けた場合である。(B)は後端面14CがU字状に窪んだピグ本体部14Aの外面の全体を外殻状に覆うピグ外殻部14Bを設けた場合である。(C)は後端面14Cが円弧状に窪んだピグ本体部14Aの後端面14Cを除く外面に外殻状に覆うピグ外殻部14Bを設けた場合である。(D)は後端面14CがU字状に窪んだピグ本体部14Aの後端面14Cを除く外面に外殻状に覆うピグ外殻部14Bを設けた場合である。
このように、配管洗浄ピグ14の後端面14Cを窪ませることによって、配管洗浄ピグ14を閉塞配管12の内部に圧入する流体圧Qが円弧状又はU字状に窪んだ配管洗浄ピグ14の後端面14Cに作用して配管洗浄ピグ14の後部を想像線Pで示すように押し広げる。この結果、配管洗浄ピグ14の外面(ピグ外殻部14Bの部分)と閉塞配管12の内面との接触抵抗が大きくなって研削力が増大するので、閉塞配管12の内面の汚れを落とす効果が向上する。
この場合、上記したように、ピグ本体部14Aをゲル状態にすることで、流体圧Qによってピグ外殻部14Bの内部でゲル状態のピグ本体部14Aが移動して後端面14Cを一層押し広げ易くなる。また、図5の(C)及び(D)のように、後端面14Cにピグ外殻部14Bを設けないことで、流体圧Qがゲル状態のピグ本体部14Aに直接作用するので一層広がり易くなる。
本発明の実施の形態の配管洗浄ピグ14は、上述の通り、上記8種類の水溶性高分子の中から、ピグ本体部14Aとしてピグ形状に成形した成形品がゲル状態となるのに好適な水溶性高分子、及びピグ外殻部14Bとして研削力、水溶解力、成形性、成形品強度を有するのに好適な水溶性高分子を適宜選択することができる。このような水溶性高分子としては例えば、ピグ本体部14Aとしてポリエチレンオキシド、ピグ外殻部14Bとしてポリビニルアルコールを好適に選択することができる。
ポリビニルアルコールとしては、例えば三菱ケミカル(株)のニチゴーGポリマー(商品名)のOKS-8095P(型番)、クラレ(株)のMOWIFLEX(商品名)のC17又はC500T(型番)、デンカ(株)のデンカポバール(商品名)を好適に使用することができる。
ポリエチレンオキシドとしては、明星化学工業(株)のアルコックス(商品名)のL−6(型番)を好適に使用することができる。なお、三菱ケミカル(株)のニチゴーGポリマー(商品名)には、OKS-8095P(型番)以外に、BVE8049P(基本グレード)、OKS-8077P(高流動グレード)、OKS-8042P(易水溶性グレード)、BVE8049Q(完全ケン化)があるので、適宜選択することができる。
(配管洗浄ピグの第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態の配管洗浄ピグ14は、第1の実施の形態と同様に、ピグ本体部14Aと、ピグ本体部14Aの外面の全体を外殻状に覆うピグ外殻部14Bと、の二重構造に形成されるが、ピグ外殻部14Bを成形するピグ材料として、塩又は砂糖を使用するようにしたものである。
ピグ本体部14Aは、第1の実施の形態と同様に、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリオール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、メチロール化ユリア樹脂、メチロール化メラミン樹脂、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロースの水溶性高分子材料のうちから選択される。
水分を飛ばして乾燥した塩や砂糖は、硬質で研削力を有すると共に水に対して簡単に溶解する。したがって、水溶性高分子をピグ本体部14Aとして使用し、塩又は砂糖をピグ外殻部14Bとして使用することで、閉塞配管12の内部の異物を落とす研削力と配管洗浄後に水で短時間のうちに溶解される水溶解力の両方を兼ね備えた配管洗浄ピグ14を製作することができる。
本発明の第2の実施の形態の配管洗浄ピグ14の製作方法としては、砲弾形状等のピグ形状に形成したピグ本体部14Aの外面に、水に溶いてどろどろ状の塩又は砂糖をピグ形状に塗布した後、乾燥する。これにより、硬質なピグ外殻部14Bになる。
本発明の第2の実施の形態の配管洗浄ピグ14については図示しなかったが、外観的には図2から図4と同様であり、図3のようにピグ外殻部14Bを網状にしたり、図4のようにピグ外殻部14Bに研削材を含有させたりすることも可能である。
(配管洗浄ピグ圧入手段)
図1に示すように、配管洗浄ピグ圧入手段16は、閉塞配管12の開放された一方端に取り付けられたランチャー16Aと、ランチャー16Aに投入された配管洗浄ピグ14を閉塞配管12の内部にエア圧で圧入するコンプレッサ16Bと、エア量調整手段16Cとで構成される。
なお、上述の通り、配管洗浄ピグ14は水に溶解性を有する材料で形成されている。したがって、配管洗浄ピグ14を閉塞配管12の内部に圧入して走行させながら閉塞配管12の内部を洗浄中に配管洗浄ピグ14が溶解しないように、配管洗浄ピグ14を閉塞配管12の内部に圧入するための液体又は気体は配管洗浄ピグ14に対して非溶解性の液体又は気体である必要がある。
したがって、本実施の形態では、配管洗浄ピグ14をエアによって閉塞配管12の内部に圧入するコンプレッサ16Bの場合で説明する。しかし、気体としては、配管洗浄ピグ14に対して非溶解性であり、且つ不燃性で毒性がなく化学的に安定な気体であれば、例えば窒素ガス等を使用ことができる。また、配管洗浄ピグ14に対して非溶解性であり、且つ閉塞配管12の内部に付着した異物の溶解性を有する液体、例えば有機溶剤等を使用することができる。使用する液体は気体と同様に不燃性で毒性がなく化学的に安定な液体であることが望ましい。
配管洗浄ピグ14が閉塞配管12の内部に圧入されて閉塞配管12の内部を走行する速度は、配管内部の汚れ程度に応じてエア量調整手段16Cで制御する。一般的な配管洗浄ピグ14の走行速度としは、80〜200m/分であり、細い配管ほど走行速度を遅く、太い配管ほど走行速度を速くすることが好ましい。
ランチャー16Aは、配管洗浄ピグ14の入口側が出口側よりも拡がったラッパ管状に形成され、出口側が洗浄する閉塞配管12の開放口に接続される。また、ランチャー16Aにおける配管洗浄ピグ14の投入口には開閉蓋16Dが設けられ、配管洗浄ピグ14が投入されたランチャー16A内部が閉塞配管12への入口側を除いて密閉されるようになっている。
コンプレッサ16Bは、耐圧ホース16Eを介してランチャー16Aに接続され、耐圧ホース16Eの途中にエア量調整手段16Cが設けられる。これにより、コンプレッサ16Bからの高圧エアをランチャー16Aに供給するエア量を調整することができるので、閉塞配管12の内部を走行する配管洗浄ピグ14の走行速度を制御することができる。
(配管洗浄ピグ溶解手段)
配管洗浄ピグ溶解手段18は、水供給装置18Aから水供給ホース18Bを介して閉塞配管12の内部に水を注入して閉塞配管12の洗浄が終了した配管洗浄ピグ14を水に溶解するものであり、水を供給できる装置であればどのようなものでもよい。図示しないが、配管洗浄ピグ溶解手段18として、例えば水を張ったプレハブプールと水中ポンプとで構成することができる。
(配管洗浄ピグ回収手段)
配管洗浄ピグ回収手段20は、水に溶解された溶解水となった配管洗浄ピグ14を閉塞配管12から回収(排出)するものである。即ち、閉塞配管12の内部に水を注入して配管洗浄ピグ14を溶解した溶解水をエア圧でドレイン配管24から排出する。したがって、本実施の形態では、配管洗浄ピグ圧入手段16のコンプレッサ16Bを、配管洗浄ピグ回収手段20のコンプレッサ20Bとして兼用することにする。
(切換手段)
切換手段22は、配管洗浄ピグ圧入手段16と配管洗浄ピグ溶解手段18とを切り換えるものであり、例えば三方コックを用いることができる。図1に示すように、切換手段22は、耐圧ホース16Eの途中であってエア量調整手段16Cの下流側(エア流れ方向から見て)に設けられる。そして、切換手段22に水供給装置18Aからの水供給ホース18Bが接続される。これにより、配管洗浄ピグ圧入手段16を使用する場合には、ランチャー16Aとコンプレッサ16Bとが通じるように切換手段22を切り替え、配管洗浄ピグ溶解手段18を使用する場合には、ランチャー16Aと水供給装置18Aとが通じるように切換手段22を切り替える。
[配管洗浄方法]
次に、上記説明した本発明の実施の形態の配管洗浄装置10を用いて本発明の配管洗浄方法を行う一例を説明する。なお、配管洗浄ピグ14は第1の実施の形態のものを使用する。
図6は、本発明の実施の形態の配管洗浄方法のステップ図である。
先ず、図6の(A)に示す配管洗浄ピグ圧入工程を行う。配管洗浄圧入工程は、配管洗浄ピグ14を、閉塞配管12の開放された一方端から配管洗浄ピグ14に対して非溶解性の液体又は気体の流体圧Qによって閉塞配管12の内部に圧入させることによって閉塞配管12の内部を洗浄する工程であり、この工程を少なくとも1回行う。
即ち、配管洗浄ピグ14をランチャー16Aに投入すると共に、ランチャー16Aとコンプレッサ16Bとが通じるように、図6の(A)に太線の矢印で示した経路に切換手段22を切り替える。また、配管洗浄ピグ14を閉塞配管12の内部に圧入する際、閉塞配管12の閉塞された他端部が完全に密閉されていると、配管洗浄ピグ14を圧入しづらいので、ドレイン配管24の開閉バルブ24Aを全開して外部に開放しておく。
それから、コンプレッサ16Bを運転して高圧エアをランチャー16Aに供給し、配管洗浄ピグ14を閉塞配管12の内部に圧入していく。これにより、図6の(A)に点線で示したように、配管洗浄ピグ14は、閉塞配管12の開放された一方端から閉塞された他方端に向けて走行し、閉塞配管12の内面に付着した異物(汚れ)を擦り落としながら進む。この配管洗浄ピグ圧入工程を少なくとも1回行うことにより、閉塞配管12の内部をピグ洗浄する。
図7は、閉塞配管12の内部を配管洗浄ピグ14でピグ洗浄している様子を示した概念図である。図7に示すように、配管洗浄ピグ14が通過前の閉塞配管12の内面には異物26(汚れ)が付着しており、通過後の閉塞配管12の内面には異物26がなく洗浄されている。この場合、閉塞配管12の内部の汚れ具合を予めファイバースコープ(図示せず)等で検査し、汚れ具合に応じてエア量調整手段16Cを調整して閉塞配管12の内部を走行する配管洗浄ピグ14の走行速度を設定するとよい。また、配管洗浄ピグ圧入工程を1回以上行う場合、配管洗浄ピグ14の形状や研磨材の含有の配管洗浄ピグ14を使い分けることが好ましい。
次に、図6の(B)に示す配管洗浄ピグ溶解工程を行う。配管洗浄ピグ溶解工程は、洗浄の終了した閉塞配管12の内部に水を注入して、閉塞配管12の内部に残った配管洗浄ピグ14を水に溶解して溶解水を形成する工程である。即ち、ランチャー16Aと水供給装置18Aとが通じるように、図6の(B)に太線の矢印で示した経路に切換手段22を切り替える。これにより、閉塞配管12の内部に水が供給されて閉塞配管12の内部に満たされる。したがって、閉塞配管12の他方端に残された配管洗浄ピグ14は水に溶解して溶解水となる。この場合、使用した配管洗浄ピグ14が水にどの程度の時間で溶解するかを予め予備試験等により把握しておくことが好ましい。
なお、配管洗浄ピグ溶解工程は、配管洗浄ピグ14を水に溶解する工程であるが、閉塞配管12に水を供給することによって、閉塞配管12の内部を水洗いすることもできる。したがって、ドレイン配管24の開閉バルブ24Aを絞って、ドレイン配管24から少しずつ水が流れ出る程度にすると、閉塞配管12の内部に水を満たし易くなるだけでなく、閉塞配管の水洗いも一緒にできる。
上記の配管洗浄ピグ溶解工程において、本発明の配管洗浄方法では、上記説明した特徴を有する配管洗浄ピグ14を使用するようにしたので、閉塞配管12の内部の異物を落とす研削力と配管洗浄後に水で短時間のうちに溶解される水溶解力の両方を兼ね備えた配管洗浄ピグを製作することができる。したがって、閉塞配管12の内部を比較的短時間で且つ付着した異物の剥離効果が大きなピグ洗浄の欠点である閉塞配管12に適用できないという問題を解決することができる。
次に、図6の(C)に示す配管洗浄ピグ回収工程を行う。配管洗浄ピグ回収工程は、配管洗浄ピグ14が溶解された溶解水を閉塞配管12から排出することによって閉塞配管12の内部から配管洗浄ピグ14を回収(排出)する工程である。即ち、ランチャー16Aとコンプレッサ16Bとが通じるように、図6の(C)に太線の矢印で示した経路に切換手段22を再度切り替える。また、ドレイン配管24の開閉バルブ24Aを全開とすると共に、コンプレッサ16Bを運転する。これにより、コンプレッサ16Bから高圧エアが閉塞配管12の内部に送り込まれるので、閉塞配管12の内部の溶解水はドレイン配管24から排液用容器24Bに排出される。
このように、本発明は、配管洗浄ピグ14を水に溶解性を有する材料で形成したので、閉塞配管12の内部を配管洗浄ピグ14で洗浄した後に閉塞配管12の内部に配管洗浄ピグ14が残存したとしても、閉塞配管12の内部に水を注入して配管洗浄ピグ14を水に溶解して溶解水とすることができる。
液体状の溶解水であれば、長い閉塞配管12であっても上述のようにドレイン配管24から排出できるので、閉塞配管12から配管洗浄ピグ14を簡単に回収(排出)することができる。また、ドレイン配管24のような液体の抜き口がない場合であっても、溶解水であれば、配管洗浄ピグ14を投入した閉塞配管の一方端から吸引手段(図示せず)で吸引することもできる。これにより、長さの長い閉塞配管12であってもピグ洗浄を行うことができる。
10…配管洗浄装置、12…閉塞配管、14…配管洗浄ピグ、14A…ピグ本体部、14B…ピグ外殻部、14C…後端面、14E…研削材、16…配管洗浄ピグ圧入手段、16A…ランチャー、16B…コンプレッサ、16C…エア量調整手段、16D…開閉蓋、16E…耐圧ホース、18…配管洗浄ピグ溶解手段、18A…水供給装置、18B…水供給ホース、20…配管洗浄ピグ回収手段、20B…コンプレッサ、22…切換手段、24…ドレイン配管、24A…開閉バルブ、24B…排液用容器、26…異物、P…想像線、Q…流体圧

Claims (14)

  1. 配管の一方端から流体圧によって配管内部に圧入させることによって前記配管内部を洗浄すると共に前記配管の洗浄後に水を用いて溶解させられて前記配管から排出される配管洗浄ピグであって、
    ピグ本体部と、
    前記ピグ本体部の外面の全体又は一部分を外殻状に覆うピグ外殻部と、で二重構造に形成され、
    ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリオール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、メチロール化ユリア樹脂、メチロール化メラミン樹脂、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロースの水溶性高分子のうちから選択された2種類の水溶性高分子のうち水溶性の大きい方の第1の水溶性高分子で前記ピグ本体部を成形すると共に水溶性の小さい方の第2の水溶性高分子で前記ピグ外殻部を成形することを特徴とする配管洗浄ピグ。
  2. 前記配管洗浄ピグは砲弾形状又は円柱形状であって、前記配管内部への圧入方向から見た前記配管洗浄ピグの後端面が円弧状又はU字状に窪んでいる請求項1に記載の配管洗浄ピグ。
  3. 前記ピグ本体部を前記ポリエチレンオキシドで形成すると共に前記ピグ外殻部を前記ポリビニルアルコールで形成する請求項1又は2に記載の配管洗浄ピグ。
  4. 前記ピグ外殻部の厚みは0.4mm以上1.0mm以下である請求項1から3の何れか1項に記載の配管洗浄ピグ。
  5. 前記ピグ外殻部は押し出し成形、射出成形、ブロー成形、鋳型成形の何れかの成形方法又は前記ピグ本体部への塗布により形成される請求項1から4の何れか1項に記載の配管洗浄ピグ。
  6. 前記ピグ外殻部は前記水溶性高分子の発泡体である請求項1から5の何れか1項に記載の配管洗浄ピグ。
  7. 前記ピグ外殻部は網状に形成される請求項1から6の何れか1項に記載の配管洗浄ピグ。
  8. 前記ピグ外殻部には水溶性の研削材が含有されている請求項1から7の何れか1項に記載の配管洗浄ピグ。
  9. 前記水溶性の研削材は炭酸カルシウムである請求項8に記載の配管洗浄ピグ。
  10. 前記ピグ本体部はピグ形状の成形品がゲル状態の水溶性高分子である請求項1から9の何れか1項に記載の配管洗浄ピグ。
  11. 前記ピグ本体部は前記水溶性高分子の発泡体である請求項1から9の何れか1項に記載の配管洗浄ピグ。
  12. 配管の一方端から流体圧によって配管内部に圧入させることによって前記配管内部を洗浄すると共に前記配管の洗浄後に水を用いて溶解させられて前記配管から排出される配管洗浄ピグであって、
    ピグ本体部と、
    前記ピグ本体部の外面の全体を外殻状に覆うピグ外殻部と、の二重構造に形成され、
    ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリオール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、メチロール化ユリア樹脂、メチロール化メラミン樹脂、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロースの水溶性高分子材料のうちから選択された1種類の水溶性高分子で前記ピグ本体部を成形すると共に塩又は砂糖で前記ピグ外殻部を成形することを特徴とする配管洗浄ピグ。
  13. 一方端が開放可能であると共に他方端が開放不能に閉塞された配管の内部をピグ洗浄する配管洗浄方法において、
    請求項1から12の何れか1項に記載された配管洗浄ピグを、前記配管の一方端から前記配管洗浄ピグに対して非溶解性の液体又は気体の流体圧によって配管内部に圧入させることによって前記配管内部を洗浄する工程を少なくとも1回行う配管洗浄ピグ圧入工程と、
    洗浄の終了した前記配管内部に前記配管洗浄ピグに対して水を注入して前記配管洗浄ピグを溶解する配管洗浄ピグ溶解工程と、
    前記配管洗浄ピグが溶解された溶解水を前記配管から排出することによって前記配管内部から配管洗浄ピグを回収する配管洗浄ピグ回収工程と、を少なくとも備えたことを特徴とする配管洗浄方法。
  14. 一方端が開放可能であると共に他方端が開放不能に閉塞された配管の内部をピグ洗浄する配管洗浄装置において、
    請求項1から12の何れか1項に記載された配管洗浄ピグを、前記配管の一方端から前記配管洗浄ピグに対して非溶解性の液体又は気体の流体圧によって配管内部に圧入させる配管洗浄ピグ圧入手段と、
    前記配管内部に水を注入して前記配管洗浄ピグを前記水に溶解する配管洗浄ピグ溶解手段と、
    前記配管洗浄ピグが溶解された溶解水を前記配管から排出することによって前記配管内部から配管洗浄ピグを回収する配管洗浄ピグ回収手段と、を備えたことを特徴とする配管洗浄装置。
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