JP6899785B2 - 絶縁ワニス、絶縁ワニス硬化物、固定子コイル及び回転電機 - Google Patents

絶縁ワニス、絶縁ワニス硬化物、固定子コイル及び回転電機 Download PDF

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本発明は、絶縁ワニス、絶縁ワニス硬化物、固定子コイル及び回転電機に関する。
タービン発電機等の回転電機は、固定子鉄心の内周側に形成された複数のスロット内に収納された固定子コイルを有する。固定子コイルは、コイル導体と、その周囲を被覆する絶縁層とから構成される。この絶縁層は、マイカシートにガラスクロス等の繊維補強材を貼り合わせた絶縁テープをコイル導体に複数回巻き付け、低粘度の液状熱硬化性樹脂組成物(絶縁ワニスとも呼ばれる)を減圧下で含浸させた後に加熱プレスする方法(真空加圧含浸方法)、絶縁テープに半硬化状態の樹脂又は絶縁ワニスを配置し、このテープをコイル導体に巻き付けた後に加熱プレスする方法(レジンリッチ法)等により形成される。大型の回転電機においては、固定子コイルは、スロット内で上下2段に収納されており、これらの固定子コイル間にスペーサーを挿入すると共に、スロットの開口端部に固定子コイルを固定するためのウェッジを挿入することにより、回転電機の運転時に固定子コイルから発生する電磁振動を抑制している。
一方、サーボモータ等の回転電機においては、鉄心に、インシュレータ、絶縁紙又はこれらの組合せからなる絶縁材を挿入した後に電線の巻回処理を施し、電線の保護・固着のために、電線の自己融着化、モールド樹脂成型、絶縁ワニス処理等を行う。絶縁ワニス処理の方法としては、滴下含浸処理、半浸漬回転処理、全含浸処理、真空含浸処理、刷塗り、流塗り等が挙げられる。これらの方法は、回転電機の要求特性により使い分けられている。
これらの回転電機に用いられる絶縁ワニスには、絶縁性能を長期にわたって維持することが求められるだけでなく、絶縁テープ間又は電線間への含浸性が優れることも重要である。
特許文献1には、含浸性を確保しつつ絶縁性能を長寿命化するために、エポキシ樹脂等のベース樹脂と、ナノサイズ粒子を有する充填剤と、フリーラジカル重合反応性希釈剤と、ベース樹脂及び反応性希釈剤の架橋用の架橋剤とを含む含浸樹脂が開示されている。
特表2016−511303号公報
回転電機においては、運転時にコイル導体を流れる電流によって固定子コイルが発熱する。この発熱によって固定子コイルの温度が上昇すると、絶縁ワニス硬化物の熱劣化が進行し、絶縁性能が低下する恐れがある。近年、回転電機の小型化及び高出力化に伴い、固定子コイルの温度が上昇しやすくなっているため、絶縁ワニスの硬化物には更なる耐熱性が求められている。
しかしながら、特許文献1に開示される含浸樹脂の硬化物は、耐熱性が十分ではないため、回転電機の小型化及び高出力化に対応することができない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、含浸性が良好であると共に、その硬化物の耐熱性及び耐電圧性が優れる絶縁ワニスを提供し、回転電機の小型化及び高出力化を実現することを目的としている。
本発明は、エポキシ樹脂と、エポキシ硬化剤と、分子中に1つのラジカル重合性基を有する反応性希釈剤と、分子中に2つ以上のラジカル重合性基を有するラジカル重合性モノマーと、ナノフィラーとを含む絶縁ワニスであって、反応性希釈剤とラジカル重合性モノマーとの共重合体は、硬化時にエポキシ樹脂と相互侵入高分子網目構造を形成することを特徴とする絶縁ワニスである。
本発明によれば、含浸性が良好であると共に、その硬化物の耐熱性及び耐電圧性が優れる絶縁ワニスを提供することができる。
本発明の一実施形態による絶縁ワニスの模式図である。 本発明の一実施形態による絶縁ワニスの硬化物の模式図である。 回転電機の固定子の部分拡大斜視図である。 回転電機の一例としての発電機の模式断面図である。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1による絶縁ワニスは、エポキシ樹脂と、エポキシ硬化剤と、分子中に1つのラジカル重合性基を有する反応性希釈剤と、分子中に2つ以上のラジカル重合性基を有するラジカル重合性モノマーと、ナノフィラーとを含む絶縁ワニスであって、反応性希釈剤とラジカル重合性モノマーとの共重合体は、硬化時にエポキシ樹脂と相互侵入高分子網目構造(IPN(Interpenetrating Polymer Network)構造)を形成することを特徴とするものである。
エポキシ樹脂としては、分子中にエポキシ基を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂、その他二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びそれらのハロゲン化物、水素添加物、脂環式エポキシである3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ε−カプロラクトン変性3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いてもよいし、又は2種以上を併用してもよい。これらの中でも、コスト及び耐熱性のバランスの観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。このようなエポキシ樹脂は、三菱化学(株)製JER806、JER828、JER825及びJER1001、東都化成(株)製エポトートYD128、大日本インキ化学工業(株)製エピクロン850、住友化学工業(株)製スミエポキシELA−128等として市販されている。また、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、低粘度化による含浸性の確保の観点から、100以上1000以下の範囲であることが好ましい。エポキシ当量が1000を超えると、硬化物の架橋密度が低下して所望の耐熱性が得られない場合がある。一方、エポキシ当量が100未満であると、硬化物の靭性が低下して機械的特性が不十分となる場合がある。
絶縁ワニスにおいては、機械的特性として靭性の向上が重要である。このためには、エポキシ樹脂として、エポキシ当量が100以上250以下のエポキシ樹脂(A)と、エポキシ当量が300以上1000以下のエポキシ樹脂(B)とを併用することが好ましく、さらにそれらの質量比(エポキシ樹脂(A):エポキシ樹脂(B))は100:5〜100:80の範囲であることがより好ましい。エポキシ樹脂(B)の質量比が5未満であると、靭性が向上しない場合がある。一方、エポキシ樹脂(B)の質量比が80を超えると、絶縁ワニスの粘度が増大して含浸性が低下する場合がある。
また、硬化物の耐熱性を更に向上させるために、3つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を単独で用いてもよいし、又は上記したエポキシ樹脂と併用してもよい。3つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、例えば、レゾルシノールジグリシジルエーテル(1,3−ビス−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゼン)、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(2,2−ビス(p−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)プロパン)、トリグリシジル p−アミノフェノール(4−(2,3−エポキシプロポキシ)−N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)アニリン)、ブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル(2,2−ビス(4−(2,3−エポキシプロポキシ)3−ブロモ−フェニル)プロパン)、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル(2,2−ビス(p−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)メタン)、メタ−及び/又はパラ−アミノフェノールのトリグリシジルエーテル(3−(2,3−エポキシプロポキシ)N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)アニリン)、テトラグリシジルメチレンジアニリン(N,N,N’,N’−テトラ(2,3−エポキシプロピル)4,4’−ジアミノジフェニルメタン)、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂等が挙げられる。
3つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂は、添加量に応じて耐熱性を高められるものの、一般的に粘度が高く、含浸性の低下を招くため、添加量及び耐熱性のバランスが要求される。この観点から、フェノールノボラックエポキシ樹脂及びクレゾールノボラックエポキシ樹脂が好ましい。また、絶縁テープ又は電線の固着強度の向上の観点から、フェノキシ樹脂を上記したエポキシ樹脂と併用することが好ましい。
エポキシ樹脂硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化させることが可能なものであれば限定されないが、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸等の酸無水物(A)が挙げられる。これらの酸無水物(A)は、単独で用いてもよいし、又は2種以上を併用してもよい。
酸無水物の配合量は、使用するエポキシ樹脂及び酸無水物の種類等に応じて適宜調整すればよいが、エポキシ樹脂100質量部に対して、10質量部以上150質量部以下であることが好ましく、30質量部以上120質量部以下であることがより好ましく、50質量部以上100質量部以下であることが最も好ましい。上記した配合量であれば、絶縁ワニスの硬化を適切に行うことができる。
また、エポキシ樹脂のエポキシ基に対する酸無水物の酸無水物基の当量比は、特に限定されないが、0.3以上1.3以下の範囲であることが好ましく、0.5以上1.0以下の範囲であることがより好ましい。この当量比が0.3未満又は1.3を超えると、硬化物の耐熱性が低下する場合がある。また、酸無水物として、その分子骨格中に炭素原子と炭素原子との2重結合を含む酸無水物(B)を用いることで、後述の反応性希釈剤、ラジカル重合性モノマー及びエポキシ樹脂のいずれとも反応するため、硬化物の機械的特性がより向上する。このような酸無水物(B)としては、例えば、無水マレイン酸、[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物等が挙げられる。
これらの酸無水物(B)は、上記したヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物(A)と併用してもよく、酸無水物(A)と酸無水物(B)との質量比は、100:2.5〜100:50の範囲であることが好ましい。酸無水物(B)の質量比が2.5未満であると、硬化物の機械的特性が向上しない場合がある。一方、酸無水物(B)の質量比が50を超えると、絶縁ワニスの粘度が高くなって保管安定性が低下する場合がある。
分子中に1つのラジカル重合性基を有する反応性希釈剤は、絶縁ワニスの含浸性を向上させるために配合されるため、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤との混合物の粘度より低い粘度を有するものであればよい。反応性希釈剤としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ノルマルプロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ノルマルブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等が挙げられる。これらの反応性希釈剤は、単独で用いてもよいし、又は2種以上を併用してもよい。絶縁ワニスを低粘度化する観点から、反応性希釈剤の粘度は25℃において、200mPa・s以下であることが好ましく、70mPa・s以下であることがより好ましい。絶縁ワニスの接着性と低粘度化とのバランスの観点から、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤の合計量と反応性希釈剤との質量比は、100:40〜100:250の範囲であることが好ましく、100:60〜100:200の範囲であることがより好ましい。反応性希釈剤の質量比が250を超えると、接着性が著しく低下する場合がある。一方、反応性希釈剤の質量比が40未満であると、反応性希釈剤の添加による低粘度化の効果が十分に得られない場合がある。
分子中に2つ以上のラジカル重合性基を有するラジカル重合性モノマーは、絶縁ワニスを硬化させたときに反応性希釈剤と共重合体を形成して高架橋密度化し、その共重合体がエポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤とによって形成される架橋性高分子と互いに絡み合った相互侵入高分子網目構造(IPN構造)を形成することにより、硬化物の耐熱性が著しく向上する。IPN構造は、2つ以上の橋かけ高分子網目構造体が、部分的又は全体的に相互連結した混合物として定義され、互いに共有結合を形成しない状態で絡み合っていることとされる。反応性希釈剤とラジカル重合性モノマーとから形成される共重合体と、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤とから形成される架橋性高分子とは、重合が進行しながらIPN構造を形成するが、耐熱性の向上の観点からより緻密に絡み合うことが好ましい。そのためには、反応性希釈剤、ラジカル重合性モノマー及びエポキシ樹脂の相溶性が高く、反応性希釈剤及びラジカル重合性モノマーの混合物とエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤の混合物との反応開始温度の差が100℃以内であることが好ましい。これらの反応開始温度は、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤との混合物並びに反応性希釈剤とラジカル重合性モノマーとの混合物それぞれにおいてDSC分析による反応に伴う発熱ピークの開始温度と定義される。これらの反応開始温度は、各混合物に添加する硬化触媒、ラジカル重合反応開始剤等の種類及び添加量を変えることにより適宜調整することができる。
相溶性の高さは、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、反応性希釈剤及びラジカル重合性モノマーを混合したときの液体状態における透明性によって評価することができる。エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、反応性希釈剤及びラジカル重合性モノマーの混合物の可視光の透過率が50%以上であれば、相溶性が高いといえる。
反応性希釈剤及びラジカル重合性モノマーから形成される共重合体と、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤から形成される架橋性高分子とが、IPN構造を形成したか否かについては、(1)エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤の混合物、(2)反応性希釈剤及びラジカル重合性モノマーの混合物並びに(3)エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、反応性希釈剤及びラジカル重合性モノマーの混合物それぞれに硬化触媒、ラジカル重合反応開始剤等を適宜添加した状態で硬化(重合)させたときの硬化物の動的粘弾性のガラス転位温度に伴うtanδピーク形状及びピーク温度で判別することができる。IPN構造が形成される場合には、(3)におけるtanδピーク形状(縦軸:ピーク強度、横軸:温度)は、(1)のtanδピーク形状と(2)のtanδピーク形状とを足し合わせた形状と異なり、(1)又は(2)由来のtanδピーク形状及びピーク温度の変化が起こる。例えば、(1)のピーク温度と(2)のピーク温度とが異なる場合は、(3)において、ピークの完全重複化((1)及び(2)それぞれに由来した2つのピークが1つになる)又は部分重複化(ピーク温度の変化、ショルダーピーク化等)が確認できる場合がある。また、このような場合、系内の樹脂は相溶した状態であるため透明な硬化物となる。以上の特徴が見られる場合にはIPN構造が形成されたと推定することができる。
ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、ヘキサンジオールメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメリロールプロタンメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジビニルベンゼン、ジビニルエーテル、メタクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、グリセリントリアクリレート、トリメチロールプロパン3EOトリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、メタクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル等が挙げられる。これらのラジカル重合性モノマーは、単独で用いてもよいし、又は2種以上を併用してもよい。反応性希釈剤とラジカル重合性モノマーとの共重合体の構造は、絶縁ワニスの硬化物の耐熱性へ影響する。この共重合体の分子鎖において、反応性希釈剤が連続して重合したブロック性の大きな構造が形成されると、硬化物の耐熱性が低下する傾向がある。そのため、反応性希釈剤とラジカル重合性モノマーとの配列は、交互性が大きいことが好ましい。所望の耐熱性を発現する交互性の大きな共重合体を形成する観点から、反応性希釈剤の反応性比r及びラジカル重合性モノマーの反応性比rは、1未満であることが好ましい。なお、これらの反応性比(r及びr)は、ファインマン−ロス(Fineman−Ross)法等の公知の手法を用いて、反応性希釈剤及びラジカル重合性モノマーの仕込み比を変えたときの共重合体の組成から求めることができる。
反応性希釈剤とラジカル重合性モノマーとの質量比は、絶縁ワニスの粘度と硬化物の耐熱性とのバランスの観点から、100:3〜100:80の範囲であることが好ましい。ラジカル重合性モノマーの質量比が3未満であると、硬化物の耐熱性が十分に得られない場合がある。一方、ラジカル重合性モノマーの質量比が80を超えると、絶縁ワニスの粘度が増大して含浸性が低下する場合がある。また、反応性希釈剤を添加せずにラジカル重合性モノマーのみを用いると、絶縁ワニスの粘度が増大したり、高架橋密度化による靭性の低下といった欠陥を招く。
硬化物の耐熱性を更に向上させる観点から、ラジカル重合性モノマーのホモポリマーのガラス転位温度(Tg)が、反応性希釈剤のホモポリマーのガラス転位温度(Tg)より高くなるように、反応性希釈剤及びラジカル重合性モノマーを組み合わせることが好ましい。ラジカル重合性モノマーのホモポリマーのガラス転位温度(Tg)と反応性希釈剤のガラス転位温度(Tg)との差は20K以上であることがより好ましい。
ナノフィラーとしては、例えば、シリカ、窒化ホウ素(BN)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム(マグネシア)、窒化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン(チタニア)等の絶縁性粒子を用いることができる。これらの絶縁性粒子は、単独で用いてもよいし、又は2種以上を併用してもよい。絶縁ワニスにナノフィラーを配合することで、絶縁破壊に至るまでの絶縁破壊進展現象として知られる電気トリーの進展をナノフィラーが遮蔽、抑制するといった効果に基づき、耐電圧性の向上を図ることができる。この効果を得るためには、その平均粒径が100nm以下であることが好ましい。また、絶縁ワニスに低粘度の反応性希釈剤が配合されている場合、絶縁ワニスの長期保管時にナノフィラーが沈降し、見かけのナノフィラー含有量が低下したり、又はナノフィラーが凝集し、見かけの平均粒径が100nm超となり、電気トリーの進展を抑制する効果が低下する場合がある。ナノフィラーが、その粒子表面に、反応性希釈剤若しくはラジカル重合性モノマーと同じラジカル重合性基を有するか又はエポキシ基を有するものであると、ナノフィラーの凝集及び沈降を防止する効果が得られ、絶縁ワニスの硬化物においてナノフィラーが単分散した状態を維持しやすく、より高い耐電圧性を発現することができるため好ましい。
図1は、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤の図示を省略して示した液状での絶縁ワニスの模式図である。図1に示す絶縁ワニスでは、ラジカル重合性基1を有するナノフィラー2が反応性希釈剤3及びラジカル重合性モノマー4中に分散されており、反応性希釈剤3の一部はナノフィラー2の表面に化学的に吸着している。また、図2は、絶縁ワニスの硬化物の模式図である。この液状の絶縁ワニスを硬化したとき、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤との高分子量化が進むと共に、反応性希釈剤3とラジカル重合性モノマー4との共重合反応が進行する。更に、ラジカル重合性モノマー由来の分子鎖とナノフィラー2との結合が形成される。図2に示す絶縁ワニス硬化物では、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤から形成された架橋性高分子10と反応性希釈剤由来の分子鎖11及びラジカル重合性モノマー由来の分子鎖12から形成された共重合体13とがIPN構造を形成しており、更に、ラジカル重合性モノマー由来の分子鎖12とナノフィラー2表面のラジカル重合性基1とが化学的に結合している。
通常、ナノフィラーを絶縁ワニスに配合すると増粘してハンドリング性が悪くなるため、ナノフィラーを分散処理するプロセスが必要となり、絶縁ワニスの製造コストが高くなる。平均粒径が50nm以下のナノフィラーであって、その粒子表面に、反応性希釈剤若しくはラジカル重合性モノマーと同じラジカル重合性基を有するか又はエポキシ基を有するナノフィラーを、反応性希釈剤とラジカル重合性モノマーとの混合物に添加し、簡易な攪拌を行った後、エポキシ樹脂を添加することで、ナノフィラーを分散処理するプロセスが不要となって製造コストの上昇を抑えつつ、ナノフィラーが単分散した状態の絶縁ワニスを得ることができる。このとき、ラジカル重合性モノマーとして分子中に3つ以上のラジカル重合性基を有するものを用いると、ナノフィラー表面との化学的親和性が更に向上すると共に、ナノフィラー表面におけるラジカル重合性モノマーの化学的吸着性が高まるため、より簡易にナノフィラーの単分散化が進行し、常温で1ヶ月以上の長期間にわたる保管時及び絶縁ワニス硬化時のナノフィラーの凝集及び沈降を抑制することができる。ナノフィラーの平均粒径は、10nm以上50nm以下であることが好ましい。なお、ナノフィラーの平均粒径は、レーザー回折式粒度分布計又は動的光散乱法によって測定することができる。
粒子表面に反応性希釈剤若しくはラジカル重合性モノマーと同じラジカル重合性基を有するか又はエポキシ基を有するナノフィラーは、上記した凝集及び沈降の抑制、耐電圧性の向上、絶縁ワニス製造コストの抑制等に加えて、接着性の向上に効果がある。上記したラジカル重合性基又はエポキシ基は、ナノフィラーをカップリング処理することにより、その表面に導入することができる。カップリング処理に用いるカップリング剤の種類は、導入する基に応じて適宜選択すればよいが、例えば、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらのカップリング剤は、単独で用いてもよいし、又は2種以上を併用してもよい。これらの中でも、接着性の観点から、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン及び3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランが好ましい。
ナノフィラーのカップリング処理方法としては、ナノフィラーへカップリング剤を直接添加する湿式処理法又は乾式処理法、ナノフィラーを含む絶縁ワニスへカップリング剤を添加するインテグラルブレンド法等が挙げられる。ナノフィラーの表面にカップリング剤を単分子層状に導入することが好ましい。
ナノフィラーの配合量は、絶縁ワニスに対して、1体積%以上30体積%以下の範囲であることが好ましく、3体積%以上15体積%以下の範囲であることがより好ましい。ナノフィラーの配合量が1体積%未満であると、ナノフィラーが単分散した状態であっても耐電圧性が向上しない場合がある。一方、ナノフィラーの配合量が30体積%を超えると、絶縁ワニスの粘度が増大して含浸性が低下する場合がある。
以上の構成からなる絶縁ワニスは、含浸性に優れる上に、加熱処理により硬化し、優れた耐熱性及び耐電圧性を発現することができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2による固定子コイルは、コイル導体と、このコイル導体の外周部に巻き付けられた絶縁テープに、実施の形態1による絶縁ワニスを含浸して加熱加圧硬化させてコイル導体と一体化された絶縁層とを有する。本実施の形態の固定子コイルは、使用する絶縁ワニスに特徴があり、その他の構成は従来公知の構成(例えば、図3に示す構成)を採用することができる。図3に示すように、回転電機の固定子において、コイル導体20と絶縁層21とを有する固定子コイル22は、固定子鉄心23の内周側に形成された複数のスロット24内で上下2段に収納され、これらの固定子コイル22間にスペーサー25が挿入されると共に、スロット24の開口端部に固定子コイル22を固定するためのウェッジ26が挿入される。
このような構造を有する固定子コイル22は、以下のようにして製造される。まず、絶縁被覆された複数の素線導体を束ねて構成されたコイル導体20の外周部に、絶縁テープを一部(例えば、絶縁テープの幅の半分の部分)が互いに重なるように複数回巻き付ける。ここで、コイル導体20を構成する素線としては、導電性であれば特に限定されず、銅、アルミニウム、銀等からなる素線を用いることができる。
次に、コイル導体20に巻き付けた絶縁テープに絶縁ワニスを含浸させる。絶縁ワニスとしては、実施の形態1において説明したものを用いる。含浸方法の例としては、真空含浸、真空加圧含浸、常圧含浸等が挙げられる。含浸の際の条件は、特に限定されることはなく、使用する絶縁ワニスの種類に応じて適宜調整すればよい。また、平角状の金属素線でなく、絶縁被膜を有した電線を用いる場合は絶縁テープを具備していなくてもよい。電線の絶縁皮膜は、実施の形態1において説明した絶縁ワニスを用いて形成してもよい。絶縁ワニスを絶縁テープに含浸させた後、コイル導体20を絶縁テープの外側から型締めすることにより、絶縁テープに圧力を加える。次に、絶縁テープを加熱加圧することにより、絶縁テープに含浸されている絶縁ワニスを硬化させ、絶縁層21を形成する。これにより、固定子コイル22が得られる。
上記のようにして製造される本実施の形態の固定子コイル22は、絶縁ワニス硬化物が耐熱性及び耐電圧性に優れるため、機器の寿命を向上させ、かつ機器の小型化及び高出力化を実現することができる。また、実施の形態1において説明した絶縁ワニスは含浸性に優れるため、従来のコイル製造プロセスを用いて絶縁テープの間隙に絶縁ワニスを充填することができる。なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、絶縁ワニスを絶縁テープに予め塗布し、半硬化した状態のプリプレグテープを作製し、これを上記同様にコイル導体20に巻き付けた後、加熱加圧プロセスで、絶縁層21を形成することも可能である。
上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明とすることができる。例えば、上記した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、実施の形態1及び2にわたる構成要素を適宜組み合せてもよい。
実施の形態3.
実施の形態1による絶縁ワニスをタービン発電機等の回転電機のコイル絶縁に適用した実施の形態について説明する。この発電機の固定子コイルでは、実施の形態2で説明したコイルが用いられている。図4(a)及び(b)は回転電機の一例としての発電機の模式断面図である。図4(a)は、回転電機の一例としての発電機の回転軸に直行する図4(b)のIa−Ia線における断面図である。図4(b)は回転電機の一例としての発電機の回転軸に沿った断面を示す断面図である。図4(a)及び(b)において、回転電機の固定子は、図示しない回転子を収納する円筒状の固定子鉄心23と、この固定子鉄心23の外周部に周方向に所定間隔を空けて設けられ、固定子鉄心23を軸方向に締付ける複数(この例では8本)の鉄心締付部材30と、固定子鉄心23の外周部に軸方向に所定間隔を空けて設けられ、固定子鉄心23を鉄心締付部材30の上から中心部方向に締付ける如く保持する軸方向に扁平な複数(この例では4箇所)の保持リング31と、固定子鉄心23の周りを間隔を空けて包囲する円筒状のフレーム32と、フレーム32の内面に軸方向に所定間隔を空けて軸心方向に突設されたリング状の複数(この例では5箇所)の中枠部材33と、隣り合う中枠部材33の相互に固定されてその軸方向中央部で保持リング31に固定されたばね板からなる複数(この例では4本)の弾性支持部材34などを備えている。
図4に示した固定子は、例えば、タービン発電機の電機子を構成するものであり、固定子鉄心23の内周部には軸方向に形成されたスロットが周方向に所定数設けられ、図3に示すようにそのスロット内には固定子コイルが配設されている。タービン発電機等の回転電機にあっては、一層の高出力化及び小型化が求められている。高出力化及び小型化を実現するためにはコイルの絶縁性能を向上させることが必須である。実施の形態1による絶縁ワニスを回転電機の固定子コイルに適用することにより、一層の高出力化及び小型化を図ることができる効果が期待できる。また、これらのコイルは、通常、絶縁ワニスと絶縁テープ等を組み合わせて使用するが、実施の形態1による絶縁ワニスの構成を採用することで耐電圧性と耐熱性に優れた回転電機を得ることができる。
〔実施例1〜3及び比較例1〜3〕
表1に示す配合量に従って絶縁ワニスを作製し、以下の項目に関して評価を行った。絶縁ワニスに対するナノフィラーの配合量は、ナノフィラーを除いた絶縁ワニスの密度1.1g/cm及びナノフィラー(ナノシリカ)の密度2.2g/cmから算出することができ、実施例1〜3及び比較例1〜2においてはいずれも3.6体積%とした。絶縁ワニスの硬化は、120℃で4時間加熱した後、180℃で4時間加熱するという2段階の加熱で行った。なお、表1に示す各材料の詳細は下記の通りである。
エポキシ樹脂:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製jER806)
エポキシ樹脂硬化剤:無水メチルナジック酸(日立化成株式会社製MHAC−P)
硬化触媒:2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製2E4MZ)
反応性希釈剤:ビニルトルエン(東京化成工業株式会社製、ビニルトルエンのホモポリマーのTg:94℃)
ラジカル重合性モノマー:ジビニルベンゼン(東京化成工業株式会社製、ジビニルベンゼンのホモポリマーのTg:155℃)
ラジカル重合反応開始剤:ジクミルパーオキサイド(東京化成工業株式会社製)
重合禁止剤:ヒドロキノン(東京化成工業株式会社製)
ナノフィラー:ナノシリカ(日本アエロジル株式会社製、平均粒径10nm)
シランカップリング剤:ビニル基含有シランカップリング剤(信越化学工業株式会社製)
<含浸性>
長さ1mのコイル導体に絶縁テープを巻き付けたもの(巻付回数:半重ねで10回)に絶縁ワニスを減圧下で含浸し、3時間後、絶縁テープを巻き戻し、コイル導体中心部における絶縁ワニスの有無を目視で確認した。コイル導体中心部に絶縁ワニスがあるものを含浸性良好(○)、ないものを含浸性不良(×)と判断した。
<保管安定性>
絶縁ワニス100ccを40℃の雰囲気下で保管し、30日後の絶縁ワニス中のナノフィラーの分散状態を確認した。ナノフィラーの沈降がない且つ絶縁ワニス粘度の増大がないものを保管安定性優良(◎)、ナノフィラーの沈降はないが絶縁ワニス粘度の増粘があるものを保管安定性良好(○)、ナノフィラーの沈降があるものを保管安定性不良(×)と判断した。
<耐電圧性>
絶縁ワニスの硬化物(厚み1mm)の上下に針−平板電極を配置し、AC電圧10kVにて絶縁破壊に至る時間を計測した。絶縁破壊に至る時間が200時間以上であるものを耐電圧性優良(◎)、絶縁破壊に至る時間が50時間以上100時間未満であるものを耐電圧性良好(○)、絶縁破壊に至る時間が20時間未満であるものを耐電圧性不良(×)と判断した。
<耐熱性>
絶縁ワニスの硬化物を180℃の雰囲気下に10日間配置した後、3点曲げ強度を測定した。熱劣化前の硬化物の強度と熱劣化後の硬化物の強度とから熱劣化前後における強度の低下率を求めた。強度の低下率が20%未満であるものを耐熱性優良(◎)、強度の低下率が20%以上50%未満であるものを耐熱性良好(○)、強度の低下率が50%以上であるものを(×)と判断した。
<IPN構造の形成の有無>
(1)エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤の混合物、(2)反応性希釈剤及びラジカル重合性モノマーの混合物、(3)エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、反応性希釈剤及びラジカル重合性モノマーの混合物(絶縁ワニス)の硬化物をそれぞれ作製し、動的粘弾性の評価を行った。その結果、実施例1、2、3、比較例1及び3においては、エポキシ樹脂由来のtanδピークと反応性希釈剤及びラジカル重合性モノマー由来のtanδピークとが重複化し、IPN構造を形成していることを確認した。
Figure 0006899785
表1から分かるように、実施例1においては全ての評価項目が良好であった。実施例2及び3においてはカップリング剤を含有することで保管安定性及び耐電圧性が優良となった。更に、実施例3においてはラジカル重合性モノマーの添加量が増加させたため、耐熱性も優良となった。一方、比較例1〜3ではいずれかの評価項目において劣るものが認められた。
1 ラジカル重合性基、2 ナノフィラー、3 反応性希釈剤、4 ラジカル重合性モノマー、10 架橋性高分子、11 反応性希釈剤由来の分子鎖、12 ラジカル重合性モノマー由来の分子鎖、13 共重合体、20 コイル導体、21 絶縁層、22 固定子コイル、23 固定子鉄心、24 スロット、25 スペーサー、26 ウェッジ、30 鉄心締付部材、31 保持リング、32 フレーム、33 中枠部材、34 弾性支持部材。

Claims (7)

  1. エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤と、分子中に1つのラジカル重合性基を有する反応性希釈剤と、分子中に2つ以上のラジカル重合性基を有するラジカル重合性モノマーと、ナノフィラーとを含む絶縁ワニスであって、
    前記反応性希釈剤の反応性比r 及び前記ラジカル重合性モノマーの反応性比r は、1未満であり、
    前記反応性希釈剤と前記ラジカル重合性モノマーとの共重合体は、硬化時に前記エポキシ樹脂と相互侵入高分子網目構造を形成することを特徴とする絶縁ワニス。
  2. 前記ラジカル重合性モノマーのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が、前記反応性希釈剤のホモポリマーのガラス転移温度(Tg)より高いことを特徴とする請求項1に記載の絶縁ワニス。
  3. 前記ナノフィラーが、シリカ、窒化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及び二酸化チタンからなる群から選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁ワニス。
  4. 前記ナノフィラーが、50nm以下の平均粒径を有し、且つその粒子表面に、前記反応性希釈剤若しくは前記ラジカル重合性モノマーと同じラジカル重合性基を有するか又はエポキシ基を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の絶縁ワニス。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の絶縁ワニスの硬化物であって、
    前記反応性希釈剤と前記ラジカル重合性モノマーとの共重合体が、前記エポキシ樹脂と相互侵入高分子網目構造を形成していることを特徴とする絶縁ワニス硬化物。
  6. コイル導体と、前記コイル導体を被覆する絶縁層とを有する固定子コイルであって、
    前記絶縁層は、前記コイル導体に巻き付けた絶縁テープに含浸させた請求項1〜のいずれか一項に記載の絶縁ワニスの硬化物を含むことを特徴とする固定子コイル。
  7. 固定子鉄心のスロット内に、請求項に記載の固定子コイルが収納されていることを特徴とする回転電機。
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