JP6758526B1 - 回転機コイル、その製造方法及び回転機 - Google Patents

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Abstract

コイル導体と、前記コイル導体を被覆する絶縁層とを備える回転機コイルであって、前記絶縁層は、前記コイル導体に巻き付けられたマイカテープと、前記マイカテープに含浸させた熱硬化性樹脂組成物の硬化物とからなり、前記マイカテープは、前記コイル導体側から、マイカ層と、ナノフィラーを含むフィルム層と、繊維補強層と、がこの順に積層された構造を有し、前記熱硬化性樹脂組成物は、ナノフィラー及び熱硬化性樹脂を含む、回転機コイル。

Description

本発明は、回転機コイル、その製造方法及び回転機に関する。
タービン発電機などに用いられる回転機では、固定子鉄心の内周部に形成されたスロット内に固定子コイルが収納されている。固定子コイルは、コイル導体と、コイル導体を被覆する絶縁層とを備える。絶縁層の形成方法としては、コイル導体に巻き付けられたマイカテープに、低粘度の液状熱硬化性樹脂組成物を減圧下で含浸させた後、加熱及び加圧する真空加圧含浸方法などが知られている。
近年、回転機の更なる小型化及び高効率化に対する要求が強まっている。回転機の小型化及び高効率化に伴って絶縁層に印加される電界が増大するため、耐電圧性の高い絶縁層を有する固定子コイルが望まれている。
例えば、特許文献1には、絶縁対象物を電気的に絶縁するために前記絶縁対象物の外表面を覆う絶縁構造であって、前記絶縁対象物の表面に沿って平面的に広がる主絶縁層と、前記主絶縁層に沿って広がる繊維強化部と、前記繊維強化部内に形成されて前記主絶縁層と前記繊維強化部とを互いに接着する高分子重合体部とを有し、前記高分子重合体部はナノ粒子が散在し、前記ナノ粒子の濃度は前記繊維強化部において最も高い、絶縁構造が提案されている。特許文献1では、高分子重合体部にナノ粒子を配置することで、絶縁構造における電気トリーの進行を抑制している。
国際公開第2018/002972号
特許文献1では、絶縁構造における電気トリーの進行を抑制しているので、絶縁寿命の長期化、すなわち、長期の耐電圧性の向上を図っている。回転機の更なる小型化及び高効率化を達成するためには、絶縁構造の薄肉化が求められるが、絶縁構造の薄肉化は絶縁破壊電圧を低下させる。そのため、長期の耐電圧性の向上を図るだけでなく、絶縁破壊電圧の向上、すなわち、短期の耐電圧性の向上も図る必要がある。しかしながら、特許文献1の絶縁構造では、短期の耐電圧性が不十分であるという課題があった。
従って、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、短期及び長期の耐電圧性に優れた絶縁層を備える回転機コイルを提供することを目的とする。
本発明は、コイル導体と、前記コイル導体を被覆する絶縁層とを備える回転機コイルであって、前記絶縁層は、前記コイル導体に巻き付けられたマイカテープと、前記マイカテープに含浸させた熱硬化性樹脂組成物の硬化物とからなり、前記マイカテープは、前記コイル導体側から、マイカ層と、ナノフィラーを含むフィルム層と、繊維補強層と、がこの順に積層された構造を有し、前記熱硬化性樹脂組成物は、ナノフィラー及び熱硬化性樹脂を含む、回転機コイルである。
また、本発明は、コイル導体にマイカテープを巻き付ける工程と、前記マイカテープに熱硬化性樹脂組成物を含浸させる工程と、前記熱硬化性樹脂組成物を加熱して硬化させる工程とを含む回転機コイルの製造方法であって、前記マイカテープは、前記コイル導体側から、マイカ層と、ナノフィラーを含むフィルム層と、繊維補強層と、がこの順に積層された構造を有し、前記熱硬化性樹脂組成物は、ナノフィラー及び熱硬化性樹脂を含む、回転機コイルの製造方法である。
本発明によれば、短期及び長期の耐電圧性に優れた絶縁層を備える回転機コイルを提供することができる。
実施の形態1に係る回転機コイルが組み込まれた回転機の固定子の斜視模式図である。 実施の形態1に係る回転機コイルの断面模式図である。 実施の形態1に係る回転機コイルの絶縁層を形成するのに用いられるマイカテープの模式断面図である。 実施の形態1に係る回転機コイルの絶縁層の模式断面図である。 実施の形態1に係る回転機コイルの製造方法のフロー図である。 実施の形態2に係る回転機の模式図である。 実施の形態2に係る回転機の模式図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る回転機コイルが組み込まれた回転機の固定子の一部を拡大して示した斜視模式図である。図1に示す回転機の固定子において、回転機コイル1は、固定子鉄心2の内周部に形成された複数のスロット3内で固定子鉄心2の径方向に2段収納されている。固定子鉄心2の径方向内側に位置する回転機コイル1と固定子鉄心2の径方向外側に位置する回転機コイル1との間にはスペーサー4が挿入されている。スロット3の開口端部には、回転機コイル1を固定するためのウェッジ5が挿入されている。このウェッジ5は、回転機の運転時に回転機コイル1から発生する電磁振動を抑制する効果がある。
回転機コイル1は、コイル導体6と、コイル導体6を被覆する絶縁層7とを有している。コイル導体6は、その外周が絶縁層7で被覆されているので、固定子鉄心2との対地絶縁が確保されている。コイル導体6の断面形状は矩形である。コイル導体6としては、断面形状が矩形である金属素線を複数束ねたもの等を用いることができる。金属素線の材質としては、銅、アルミニウム、銀等が挙げられる。
図2は、本実施の形態に係る回転機コイル1の断面模式図である。図2において、絶縁層7は、コイル導体6の外周に複数回巻き付けられたマイカテープ8と、マイカテープ8に含浸させた熱硬化性樹脂組成物の硬化物9とからなる。マイカテープ8は、コイル導体6側から、マイカ層と、ナノフィラーを含むフィルム層と、繊維補強層と、がこの順に積層された構造を有するものである。熱硬化性樹脂組成物は、ナノフィラー及び熱硬化性樹脂を含むものである。
図3は、本実施の形態に係る回転機コイル1の絶縁層7を形成するために用いられるマイカテープ8の模式断面図である。図3において、マイカテープ8は、マイカ層10と、ナノフィラー11を含むフィルム層12と、繊維補強層13と、がこの順に積層された構造を有する。マイカ層10は、鱗片状のマイカ粒子14がマイカテープ8の厚み方向に重ねられたものである。このように、ナノフィラー11を含むフィルム層12を、マイカ層10と繊維補強層13との間に設けることで、短期の耐電圧性を向上させることができる。
図4は、本実施の形態に係る回転機コイル1の絶縁層7の一部を拡大して示した模式断面図である。図4に示す絶縁層7は、コイル導体6の外周に図3に示すマイカテープ8を巻き付け、そのマイカテープ8にナノフィラー11及び熱硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物を含浸させた後、熱硬化性樹脂組成物を加熱して硬化させることによって形成される。図4に示されるように、熱硬化性樹脂組成物の硬化物9は、マイカ層10及び繊維補強層13の隙間に配置されている。更に、熱硬化性樹脂組成物の硬化物9中では、ナノフィラー11が分散されている。このように、マイカ層10及び繊維補強層13の隙間に配置された熱硬化性樹脂組成物の硬化物9の中にナノフィラー11を分散させることで、長期の耐電圧性を向上させることができる。なお、熱硬化性樹脂組成物に含まれるナノフィラー11とフィルム層12に含まれるナノフィラー11とは、材質及び平均一次粒子径が同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
繊維補強層13は、マイカテープ8の強度を保持したり、絶縁層7の機械的強度を向上させるだけでなく、熱硬化性樹脂組成物をマイカテープ8に含浸させる際の含浸流路としての役割を果たす。フィルム層12は、熱硬化性樹脂組成物をマイカテープ8に含浸させる際の含浸流路としての役割を果たさないが、フィルム層12上に繊維補強層13を設けることで、マイカ層10の空隙に熱硬化性樹脂組成物を含浸させることができる。繊維補強層13は、これらの役割を果たすものであれば特に限定されない。繊維補強層13を構成する繊維の種類としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、ポリアミド繊維等が挙げられる。これらの中でも、経済的利点を有し且つ特性が優れるという観点から、ガラス繊維で構成される繊維補強層13を用いることが好ましい。また、繊維の織り方としては、平織り、綾織り、からみ織り等が挙げられる。繊維補強層13の厚みとその空隙率との比を大きくすることができるという観点から、繊維が平織りされた繊維補強層13を用いることが好ましい。また、熱硬化性樹脂組成物の含浸性を向上させる観点から、ガラス繊維で構成される繊維補強層13は、ガラス単糸を撚り合わせたガラス合撚糸を平織りして得られるものが好ましい。特に、ガラス合撚糸の縦糸及び横糸それぞれの本数が、1平方インチ当たり10本〜60本であることが好ましい。縦糸及び横糸の本数が1平方インチ当たり10本未満であると、マイカテープ8の強度を保持することが難しくなる。その結果、コイル導体6にマイカテープ8を巻き付ける際にマイカテープ8が切れる場合がある。一方、縦糸及び横糸の本数が1平方インチ当たり60本を超えると、繊維補強層13の空隙率が小さくなり、熱硬化性樹脂組成物の含浸性が低下する場合がある。
また、熱硬化性樹脂組成物の含浸性を向上させると共に絶縁層7の機械的強度を向上させるため、ガラス繊維の表面をカップリング剤で処理してもよい。ただし、カップリング剤処理によってガラス繊維そのものの強度が低下する場合がある。また、ガラス繊維の製造過程において、ガラス繊維の表面には、澱粉、スターチ等が付着する。これらの付着物は絶縁層7の耐電圧性を低下させるので、付着物の合計量は、ガラス繊維に対して5質量%以下であることが好ましい。付着物の合計量が5質量%を超えると、熱硬化性樹脂組成物の硬化物9とガラス繊維との間で剥離が発生して絶縁性が低下する場合がある。なお、本明細書において、付着物の合計量は、ガラス繊維を900℃で30時間加熱した時の質量減少から求めることができる。
機器運転時における絶縁層7の機械的強度を担保すると共にマイカ層10との接着性を担保するという観点から、繊維補強層13の厚みは10μm〜60μmであることが好ましく、20μm〜40μmであることがより好ましい。
フィルム層12は、ナノフィラー11を含む樹脂膜であれば特に限定されない。樹脂膜中にナノフィラー11が配置されていることで、ナノフィラー11が、絶縁破壊に至るまでの現象として知られる電気トリーの進行を抑制し、長期の耐電圧性を向上させる。フィルム層12を構成する樹脂の種類としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。耐電圧性を向上させる観点から、絶縁破壊電圧が後述の熱硬化性樹脂よりも高く且つ一定応力を与えた時の変位量が後述の熱硬化性樹脂よりも大きい熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。特に、経済的利点を有し且つ耐熱性が優れるという観点から、ポリエチレンテレフタラートを用いることが好ましい。本明細書において、絶縁破壊電圧は、IEC 60243−1、JIS C2110に準拠した試験方法に従って測定される破壊電圧値である。また、本明細書において、一定応力を与えた時の変位量は、JIS K7161に準拠した試験方法に従って求められる値である。ナノフィラー11及び熱可塑性樹脂を含むフィルム層12を、マイカ層10と繊維補強層13との間に設けることで、高温雰囲気下における短期の耐電圧性をより向上させることができる。
フィルム層12に用いるナノフィラー11は、1μm未満の平均一次粒子径を有するものであれば特に限定されないが、絶縁性を有する中実粒子であることが好ましい。ナノフィラー11の材質としては、シリカ、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。ナノフィラー11の平均一次粒子径は、350nm以下であることが好ましく、10nm〜120nmであることがより好ましい。ナノフィラー11の平均一次粒子径が350nmを超えると、電気トリーの進行を抑制する効果が低下し、長期の耐電圧性が十分に向上しない場合がある。なお、本明細書において、フィルム層12中のナノフィラー11の平均一次粒子径は、フィルム層12の断面を電子顕微鏡で観察し、任意に選択した100個以上のナノフィラー11それぞれの一次粒子径を画像解析により計測し、それらの値を算術平均したものである。
ナノフィラー11とフィルム層12を構成する樹脂との接着性を向上させる観点から、ナノフィラー11の表面をカップリング剤で処理してもよい。ナノフィラー11とフィルム層12を構成する樹脂とが強固に接着されることにより、絶縁層の耐電圧性をより向上させることができる。カップリング剤は、ナノフィラー11の材質に応じて適宜選択することができる。
カップリング剤の具体例としては、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらのカップリング剤の中から、1種類を用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
フィルム層12中のナノフィラー11の含有量は、フィルム層12に対して、0.5体積%〜40体積%であることが好ましく、1体積%〜20体積%であることがより好ましい。フィルム層12中のナノフィラー11の含有量が上記範囲内であれば、耐電圧性を高めつつ、マイカテープ8の柔軟性を担保してコイル導体6への巻き付け易さを向上させることができる。
フィルム層12の厚みは、5μm〜75μmであることが好ましく、20μm〜40μmであることがより好ましい。フィルム層12の厚みが5μm未満であると、短期の耐電圧性が十分に向上しない場合がある。一方、フィルム層12の厚みが75μmを超えると、フィルム層12の柔軟性が不足する場合がある。その結果、コイル導体6の角部において、巻き付けられたマイカテープ8に皺が生じ、絶縁層7の耐電圧性が低下する場合がある。
マイカ層10を構成するマイカ粒子14は、層状ケイ酸縁鉱物である硬質マイカ及び軟質マイカを主成分として含むものである。マイカ粒子14の形態としては、ブロックマイカ、剥がしマイカ、集成マイカ等が挙げられる。これらの中でも、経済的利点を有し且つ厚さが均一であるという観点から、集成マイカを用いることが好ましい。絶縁層7の耐電圧性を向上させる観点から、マイカ粒子14の含有量は、1m2のマイカテープ8当たり60g〜200gであることが好ましい。マイカ粒子14の含有量が60g/m2未満であると、絶縁層7の耐電圧性が劣る場合がある。一方、マイカ粒子14の含有量が200g/m2を超えると、耐電圧性は優れるものの、マイカテープ8の厚みの増大に伴って、絶縁層7の熱抵抗が増大する場合がある。
絶縁層7の機械的な弾性を担保するという観点から、マイカ層10の厚みは40μm〜120μmであることが好ましく、50μm〜90μmであることがより好ましい。
マイカ層10の厚み/フィルム層12厚みの比は、0.8〜40であることが好ましい。マイカ層10の厚み/フィルム層12厚みの比が0.8未満であると、絶縁層7全体におけるマイカ粒子14の含有量が少なくなり、長期の耐電圧性が低下する場合がある。一方、マイカ層10の厚み/フィルム層12厚みの比が40を超えると、マイカテープ8の巻き付け回数が少なくなり、長期の耐電圧性が低下する場合がある。
熱硬化性樹脂組成物に用いる熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、イミド樹脂等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、接着性、電気絶縁性及び機械的強度に優れるという観点から、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂、その他二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びそれらのハロゲン化物、水素添加物等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂の中から、1種類を用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。価格、粘度及び耐熱性のバランスが優れるという観点から、エピクロロヒドリンとビスフェノールA化合物との反応生成物を用いることが好ましい。そのような反応生成物の製品例としては、三菱ケミカル株式会社製jER828及びjER825、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製エポトートYD128、DIC株式会社製エピクロン850、住友化学株式会社製スミエポキシELA−128等が挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物の硬化物9の靭性を向上させる観点から、常温において固形であり且つ分子量が900以上のエポキシ樹脂を用いることが好ましい。常温において固形であり且つ分子量が900以上のエポキシ樹脂の添加量は、熱硬化性樹脂に対して、3質量%〜40質量%であることが好ましい。常温において固形であり且つ分子量が900以上のエポキシ樹脂の添加量が3質量%未満であると、靭性を十分に向上させることができない場合がある。一方、常温において固形であり且つ分子量が900以上のエポキシ樹脂の添加量が40質量%を超えると、熱硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり、マイカテープ8への含浸性が低下する場合がある。
また、熱硬化性樹脂組成物の硬化物9の耐熱性をより向上させる観点から、分子中に3つ以上のエポキシ基を含むエポキシ樹脂を上記したエポキシ樹脂と併用してもよい。
分子中に3つ以上のエポキシ基を含むエポキシ樹脂の具体例としては、レゾルシノールジグリシジルエーテル(1,3−ビス−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゼン)、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(2,2−ビス(p−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)プロパン)、トリグリシジルp−アミノフェノール(4−(2,3−エポキシプロポキシ)−N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)アニリン)、ブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル(2,2−ビス(4−(2,3−エポキシプロポキシ)3−ブロモ−フェニル)プロパン)、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル(2,2−ビス(p−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)メタン)、メタ−アミノフェノールのトリグリシジルエーテル(3−(2,3−エポキシプロポキシ)N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)アニリン)、パラ−アミノフェノールのトリグリシジルエーテル(3−(2,3−エポキシプロポキシ)N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)アニリン)、テトラグリシジルメチレンジアニリン(N,N,N’,N’−テトラ(2,3−エポキシプロピル)4,4’−ジアミノジフェニルメタン)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。耐熱性及び絶縁層7を形成する際の作業性のバランスに優れるという観点から、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
熱硬化性樹脂組成物の硬化物9の耐熱性をより向上させるために、分子中に2つ以上のマレイミド基を含むポリマレイミド化合物を熱硬化性樹脂組成物に添加してもよい。分子中に2つ以上のマレイミド基を含むポリマレイミド化合物の平均分子量は、250〜1500であることが好ましく、350〜1000であることがより好ましい。分子中に2つ以上のマレイミド基を含むポリマレイミド化合物の平均分子量が250未満であると、硬化収縮量が大きくなり、絶縁層7にクラックを生じさせる原因となる場合がある。一方、分子中に2つ以上のマレイミド基を含むポリマレイミド化合物の平均分子量が1500を超えると、絶縁層7を形成する際の作業性が低下する場合がある。
分子中に2つ以上のマレイミド基を含むポリマレイミド化合物の具体例としては、1−メチル−2,4−ビスマレイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−トルイレンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ビフェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4’−〔3,3’−ジメチルビフェニレン〕ビスマレイミド、N,N’−4,4’−〔3,3’−ジメチルジフェニルメタン〕ビスマレイミド、N,N’−4,4’−〔3,3’−ジエチルジフェニルメタン〕ビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−3,3’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、2,2−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−t−ブチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−s−ブチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕デカン、1,1−ビス〔2−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)−5−t−ブチルフェニル〕−2−メチルプロパン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス〔1−(4−マレイミドフェノキシ)−2−(1,1−ジメチルエチル)ベンゼン〕、4,4’−メチレン−ビス〔1−(4−マレイミドフェノキシ)−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)ベンゼン〕、4,4’−メチレン−ビス〔1−(4−マレイミドフェノキシ)−2,6−ジ−s−ブチルベンゼン〕、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス〔1−(4−マレイミドフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、4,4’−メチレン−ビス〔1−(マレイミドフェノキシ)−2−ノニルベンゼン〕、4,4’−(1−メチルエチリデン)−ビス〔1−(マレイミドフェノキシ)−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)ベンゼン〕、4,4’−(2−エチルヘキシリデン)−ビス〔1−(マレイミドフェノキシ)−ベンゼン〕、4,4’−(1−メチルヘプチリデン)−ビス〔1−(マレイミドフェノキシ)−ベンゼン〕、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス〔1−(マレイミドフェノキシ)−3−メチルベンゼン〕、2,2−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−エチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−エチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、ビス〔3−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−エチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メタン、3,8−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕−トリシクロ−〔5.2.1.02,6〕デカン、4,8−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕−トリシクロ−〔5.2.1.02,6〕デカン、3,9−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕−トリシクロ−〔5.2.1.02,6〕デカン、4,9−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕−トリシクロ−〔5.2.1.02,6〕デカン、1,8−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メンタン、1,8−ビス〔3−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メンタン、1,8−ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メンタン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−(4,4’−ジフェニルエーテル)ビスマレイミド、N,N’−(4,4’ジフェニルスルホン)ビスマレイミド、N,N’−(4,4’−ジシクロヘキシルメタン)ビスマレイミド、N,N’−(4,4’−ジフェニルシクロヘキサン)ビスマレイミド、N,N’−(4,4’−トリフェニルメタン)ビスマレイミド、2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、N,N’−(2,2’−ジエチル−6,6’−ジメチル−4,4’−メチレンジフェニルメタン)ビスマレイミドビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン等が挙げられる。これらのポリマレイミド化合物の中から、1種類を用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
熱硬化性樹脂組成物には、硬化剤を添加してもよい。硬化剤としては、エポキシ樹脂と反応してエポキシ樹脂を硬化させることができるものであれば特に限定されない。硬化剤の具体例としては、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸等の酸無水物、アミン系化合物、イミダゾール系化合物等が挙げられる。これらの硬化剤の中から、1種類を用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
エポキシ樹脂の硬化反応を適切に進行させる観点から、硬化剤の添加量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、10質量部〜150質量部であることが好ましく、30質量部〜120質量部であることがより好ましく、50質量部〜100質量部であることが最も好ましい。
また、硬化剤として酸無水物を用いる場合、エポキシ樹脂のエポキシ基に対する酸無水物の酸無水物基の当量比は、0.7〜1.3であることが好ましく、0.8〜1.2であることがより好ましく、0.9〜1.1であることが最も好ましい。エポキシ樹脂のエポキシ基に対する酸無水物の酸無水物基の当量比が0.7未満であると、絶縁層7を形成する際の作業性が低下する場合がある。一方、エポキシ樹脂のエポキシ基に対する酸無水物の酸無水物基の当量比が1.3を超えると、熱硬化性樹脂組成物の硬化物9の耐熱性が低下する場合がある。
熱硬化性樹脂組成物には、硬化促進剤を添加してもよい。硬化促進剤としては、エポキシ樹脂と硬化剤との反応を促進させることができるものであれば特に限定されない。硬化促進剤の具体例としては、トリ−n−ブチルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン類、それら三級アミン類の塩類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン等のホスフィン系誘導体が挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物には、反応性希釈剤を添加してもよい。反応性希釈剤の具体例としては、スチレンモノマー、スチレンのベンゼン環の少なくとも1つの水素原子が炭化水素基で置換されたモノマー、(メタ)アクリルモノマー等が挙げられる。これらの反応性希釈剤の中から、1種類を用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
(メタ)アクリルモノマーとしては、エポキシ樹脂の硬化反応を損なわないものであれば特に限定されず、直鎖状(メタ)アクリレート、分岐状(メタ)アクリレート、環状(メタ)アクリレート等を用いることができる。絶縁層7の耐熱性を低下させない観点から、直鎖状(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。直鎖状(メタ)アクリレートの具体例としては、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテルアクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアクリレート、テトラエチレングリコールモノフェニルエーテルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ベンジルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エチルアクリレート等が挙げられる。これらの直鎖状(メタ)アクリレートの中から、1種類を用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
反応性希釈剤の添加量は、絶縁層7の耐熱性を低下させない範囲で適宜調整すればよい。熱硬化性樹脂組成物に反応性希釈剤を添加する場合、反応性希釈剤の添加量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、50質量部〜310質量部であることが好ましく、70質量部〜250質量部であることがより好ましい。
反応性希釈剤の重合反応を促進するために、熱硬化性樹脂組成物にラジカル開始剤を更に添加してもよい。ラジカル開始剤の具体例としては、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ラウルイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート等の過酸化物、アゾイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物が挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物に用いるナノフィラー11は、1μm未満の平均一次粒子径を有するものであれば特に限定されないが、絶縁性を有する中実粒子であることが好ましい。ナノフィラー11の材質としては、シリカ、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物に用いるナノフィラー11の平均一次粒子径は、200nm以下であることが好ましく、10nm〜120nmであることがより好ましい。熱硬化性樹脂組成物に用いるナノフィラー11の平均一次粒子径が200nmを超えると、マイカ層10を構成するマイカ粒子14の間にナノフィラー11を均一に充填することができず、長期の耐電圧性が十分に向上しない場合がある。なお、本明細書において、熱硬化性樹脂組成物に用いるナノフィラー11の平均一次粒子径は、レーザー回折散乱式粒度分布装置、例えば、マイクロトラックMT3300を用いて測定される平均粒子径である。
次に、本実施の形態に係る回転機コイルの製造方法について説明する。コイル導体6を被覆する絶縁層7の形成方法は、真空加圧含浸方法、全含浸法、レジンリッチ法等があるが、以下では真空加圧含浸方法を採用した場合について説明する。図5は、本実施の形態に係る回転機コイルの製造方法のフロー図である。本実施の形態に係る回転機コイルの製造方法は、コイル導体6にマイカテープ8を巻き付ける工程(S1)と、マイカテープ8に熱硬化性樹脂組成物を含浸させる工程(S2)と、熱硬化性樹脂組成物を硬化させる工程(S3)とを備える。
コイル導体6にマイカテープ8を巻き付ける工程(S1)では、コイル導体6の外周に、マイカテープ8の一部が互いに重なるように複数回巻き付ける。その後、必要に応じて、巻き付けられたマイカテープ8の予備乾燥を行う。
マイカテープ8に熱硬化性樹脂組成物を含浸させる工程(S2)では、減圧雰囲気下で、コイル導体6に巻き付けられたマイカテープ8に、液状の熱硬化性樹脂組成物を加圧含浸する。
熱硬化性樹脂組成物を硬化させる工程(S3)では、常圧にした状態で、熱硬化性樹脂組成物を90℃〜180℃の温度で6時間〜30時間加熱して硬化させる。このような工程を経て、本実施の形態に係る回転機コイルを製造することができる。
実施の形態1によれば、短期及び長期の耐電圧性に優れた絶縁層を備える回転機コイルを提供することができる。実施の形態1に係る回転機コイルは、回転機の小型化及び高効率化を実現することができる。
実施の形態2.
図6は、実施の形態2に係る回転機の回転軸に沿った模式断面図である。図7は、実施の形態2に係る回転機の回転軸に直交する断面を図6の矢印A方向から見た模式図である。
図6及び7において、本実施の形態に係る回転機20は、図示しない回転子鉄心と、回転子鉄心を囲む円筒状の固定子鉄心2と、複数の鉄心締付部材21と、複数の保持リング22と、フレーム23と、複数の中枠部材24と、複数の弾性支持部材25とを備えている。図6及び7に図示していないが、固定子鉄心2の内周部には、軸方向に形成されたスロットが周方向に複数設けられている。スロット内には、実施の形態1で説明した回転機コイルが収納されている。図6及び7では、8本の鉄心締付部材21が用いられているが、鉄心締付部材21の数はこれに限定されるものではない。図6及び7では、保持リング22が4箇所に設けられているが、保持リング22の数はこれに限定されるものではない。図6及び7では、中枠部材24が5箇所に設けられているが、中枠部材24の数はこれに限定されるものではない。図6及び7では、4本の弾性支持部材25が用いられているが、弾性支持部材25の数はこれに限定されるものではない。鉄心締付部材21は、固定子鉄心2の外周部に、周方向に間隔をあけて設けられている。また、鉄心締付部材21は、固定子鉄心2を締付ける。保持リング22は、軸方向に扁平状に形成されている。保持リング22は、固定子鉄心2の外周部に、軸方向に間隔をあけて設けられている。また、保持リング22は、固定子鉄心2を鉄心締付部材21の外周から締付けて保持する。フレーム23は、円筒状に形成されており、固定子鉄心2の周りに間隔をあけて包囲する。中枠部材24は、リング状に形成されており、フレーム23内面に軸方向に間隔をあけて設けられている。中枠部材24は、フレーム23内面から径方向内側に突出している。弾性支持部材25は、隣り合う中枠部材24の相互に固定され、その軸方向中央部で保持リング22に固定されたばね板からなる。図6及び7に示す回転機は、例えば、電機子を備えるタービン発電機に適用できる。
実施の形態2に係る回転機は、回転機コイルの短期及び長期の耐電圧性が向上されているので、一層の小型化及び高出力化を図ることができる。特に、実施の形態2に係る回転機をタービン発電機に適用した場合、コイル導体を被覆する絶縁層の厚みを従来よりも低減することができるので、コイル導体の発熱を低減し、タービン発電機の出力効率を向上させることが可能となる。
1 回転機コイル、2 固定子鉄心、3 スロット、4 スペーサー、5 ウェッジ、6 コイル導体、7 絶縁層、8 マイカテープ、9 熱硬化性樹脂組成物の硬化物、10 マイカ層、11 ナノフィラー、12 フィルム層、13 繊維補強層、14 マイカ粒子、20 回転機、21 鉄心締付部材、22 保持リング、23 フレーム、24 中枠部材、25 弾性支持部材。

Claims (4)

  1. コイル導体と、
    前記コイル導体を被覆する絶縁層と
    を備える回転機コイルであって、
    前記絶縁層は、前記コイル導体に巻き付けられたマイカテープと、前記マイカテープに含浸させた熱硬化性樹脂組成物の硬化物とからなり、
    前記マイカテープは、前記コイル導体側から、マイカ層と、平均一次粒子径が350nm以下のナノフィラーを層中に0.5体積%〜40体積%含むフィルム層と、繊維補強層と、がこの順に積層された構造を有し、
    前記熱硬化性樹脂組成物は、ナノフィラー及び熱硬化性樹脂を含前記熱硬化性樹脂に対して、3質量%〜40質量%の、常温において固形であり且つ分子量が900以上のエポキシ樹脂を含む、回転機コイル。
  2. 前記フィルム層が、ナノフィラー及び熱可塑性樹脂を含む、請求項1に記載の回転機コイル。
  3. コイル導体にマイカテープを巻き付ける工程と、
    前記マイカテープに熱硬化性樹脂組成物を含浸させる工程と、
    前記熱硬化性樹脂組成物を加熱して硬化させる工程と
    を含む回転機コイルの製造方法であって、
    前記マイカテープは、前記コイル導体側から、マイカ層と、平均一次粒子径が350nm以下のナノフィラーを層中に0.5体積%〜40体積%含むフィルム層と、繊維補強層と、がこの順に積層された構造を有し、
    前記熱硬化性樹脂組成物は、ナノフィラー及び熱硬化性樹脂を含前記熱硬化性樹脂に対して、3質量%〜40質量%の、常温において固形であり且つ分子量が900以上のエポキシ樹脂を含む、回転機コイルの製造方法。
  4. 回転子鉄心と、
    固定子鉄心と
    を備え、
    前記固定子鉄心のスロット内に請求項1又は2に記載の回転機コイルが収納されている、回転機。
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