実施例に係る暖房システム2について図面を参照して説明する。図1に示すように、実施例に係る暖房システム2は、暖房装置21と、サーバ51(制御手段の一例)を備えている。暖房装置21とサーバ51は、インターネット101を介して接続されている。
暖房装置21は、暖房システム2のユーザの自宅91に設置されている。暖房装置21は、自宅91の室内92を暖房する装置である。図2に示すように、暖房装置21は、主に、ヒートポンプユニット4と、燃焼ユニット6(補助熱源機の一例)と、暖房端末8と、分配弁10と、コントローラ12を備えている。暖房装置21は、熱媒(例えば水または不凍液)を、ヒートポンプユニット4、燃焼ユニット6、および暖房端末8の間で循環させつつ、ヒートポンプユニット4および/または燃焼ユニット6で熱媒を加熱し、暖房端末8で熱媒から放熱することで、暖房端末8が設置された室内92(図1参照)を暖房する。暖房端末8は、例えば床暖房機、浴室乾燥暖房機、ファンコンベクタなどの、熱媒からの放熱によって暖房する暖房機である。
ヒートポンプユニット4は、第1熱媒加熱路14に介装されている。第1熱媒加熱路14の下流端は、第2熱媒加熱路16の上流端に接続している。燃焼ユニット6は、第2熱媒加熱路16に介装されている。第2熱媒加熱路16の下流端は、熱媒放熱路18の上流端に接続している。暖房端末8は、熱媒放熱路18に介装されている。熱媒放熱路18の下流端は、第1熱媒加熱路14の上流端に接続している。また、第1熱媒加熱路14と並列に、第1熱媒バイパス路20が設けられている。第1熱媒バイパス路20の上流端は、熱媒放熱路18の下流端に接続している。第1熱媒バイパス路20の下流端は、第2熱媒加熱路16の上流端に接続している。分配弁10は、熱媒放熱路18の下流端と、第1熱媒加熱路14の上流端と、第1熱媒バイパス路20の上流端の接続箇所に介装されている。分配弁10は、電動式三方弁の一種であり、熱媒放熱路18から第1熱媒加熱路14へ流れる熱媒の流量と、熱媒放熱路18から第1熱媒バイパス路20へ流れる熱媒の流量の割合を調整可能である。
ヒートポンプユニット4は、自然環境から吸熱して熱媒を加熱する。ヒートポンプユニット4は、冷媒(例えば、R410AといったHFC冷媒や、R744といったCO2冷媒)を循環させるための冷媒循環路62と、蒸発器64と、送風ファン66と、圧縮機68と、凝縮器30と、膨張弁32を備えている。
蒸発器64は、送風ファン66によって送風された空気と冷媒循環路62内の冷媒との間で熱交換を行う、気液熱交換器である。蒸発器64には、膨張弁32を通過後の低圧低温の液体状態にある冷媒が供給される。蒸発器64は、冷媒と空気とを熱交換させることによって、冷媒を加熱する。冷媒は、加熱されることにより気化し、比較的高温で低圧の気体状態となる。
圧縮機68は、蒸発器64を通過後の比較的高温で低圧の気体状態の冷媒を加圧する。圧縮機68によって冷媒が圧縮されることにより、冷媒は高温高圧の気体状態となる。圧縮機68は、圧縮後の高温高圧の気体状態の冷媒を、凝縮器30に送り出す。
凝縮器30には、圧縮機68から送り出された高温高圧の気体状態の冷媒が供給される。凝縮器30は、冷媒循環路62内の冷媒と第1熱媒加熱路14内の熱媒との間で熱交換を行なう、液液熱交換器である。冷媒は、凝縮器30での熱交換の結果、熱を奪われて凝縮する。これにより、冷媒は、比較的低温で高圧の液体状態となる。
膨張弁32には、凝縮器30を通過後の比較的低温で高圧の液体状態の冷媒が供給される。冷媒は、膨張弁32を通過することによって減圧され、低温低圧の液体状態となる。すなわち、膨張弁32は凝縮器30からの冷媒を減圧する減圧機構として機能する。膨張弁32を通過した冷媒は、上記の通り、蒸発器64に送られる。
ヒートポンプユニット4において、送風ファン66を駆動させ、かつ圧縮機68を駆動させると、冷媒循環路62内の冷媒は、蒸発器64、圧縮機68、凝縮器30、膨張弁32の順に循環し、蒸発器64において自然環境から冷媒へ吸熱するとともに、凝縮器30において冷媒から熱媒へ放熱する。すなわち、ヒートポンプユニット4は、凝縮器30における冷媒との熱交換によって熱媒を加熱する。
燃焼ユニット6は、熱媒循環ポンプ34と、ガス燃焼器36を備えている。熱媒循環ポンプ34は、第2熱媒加熱路16に介装されている。ガス燃焼器36は、ケーシング38と、バーナ40と、送風ファン42を備えている。バーナ40は、ケーシング38の内部に収容されている。バーナ40は、都市ガスやプロパンガス等の燃料ガスを燃焼させて、燃焼ガスを生成する。ケーシング38の内部の第2熱媒加熱路16には、内部を流れる熱媒と外部を流れる燃焼ガスとの間で熱交換する熱交換器16aが設けられている。送風ファン42は、ケーシング38の内部に燃焼用の空気を送り込むとともに、ケーシング38の内部から燃焼排ガスを排出する。図示はしていないが、燃焼ユニット6はさらに、バーナ40に点火するイグナイタ、バーナ40へ燃料ガスを供給する燃料供給路を開閉する開閉弁、バーナ40へ燃料ガスを供給する燃料供給路の開度を調整する流量調整弁等を備えている。第2熱媒加熱路16には、燃焼ユニット6に流入する熱媒の温度を検出する熱媒温度センサ44が取り付けられている。
コントローラ12は、暖房装置21のヒートポンプユニット4、燃焼ユニット6、分配弁10等の各種の構成要素の動作を制御する。
暖房装置21は、第1暖房運転と第2暖房運転を実行可能である。第1暖房運転は、ヒートポンプユニット4のみで加熱した熱媒の熱によって暖房端末8が室内92を暖房する運転である。第2暖房運転は、ヒートポンプユニット4と燃焼ユニット6の両方で加熱した熱媒の熱によって暖房端末8が室内92を暖房する運転である。
また、暖房装置21は、プレ暖房運転と本暖房運転を実行可能である。プレ暖房運転は、本暖房運転より前に暖房端末8が室内92を暖房する運転である。プレ暖房運転は、本暖房運転が開始される本暖房運転開始時刻より前の所定のプレ暖房運転開始時刻になると開始される運転である。本暖房運転は、プレ暖房運転より後に暖房端末8が室内92を暖房する運転である。本暖房運転は、プレ暖房運転が開始されるプレ暖房運転開始時刻より後の所定の本暖房運転開始時刻になると開始される運転である。また、後述するように、本暖房運転開始時刻にならなくても、ユーザの起床が検知されると、本暖房運転が開始されることがある。プレ暖房運転が先に実行され、その後に本暖房運転が実行される。また、プレ暖房運転は、後述する温度センサ24(図1参照)によって検知される室内温度が本暖房運転開始時刻に所定の目標暖房温度になるように暖房端末8が室内92を暖房する運転である。暖房目標温度は、暖房装置21がプレ暖房運転または本暖房運転を実行するときにその暖房運転において到達目標とする室内92の温度である。目標暖房温度は、例えば20℃である。目標暖房温度は、例えばユーザによって設定される。なお、暖房装置21は、プレ暖房運転と本暖房運転の他に、給湯運転を実行可能な構成であってもよい。
図1に示すように、暖房装置21は、リモコン22とホームゲートウェイ23を介してインターネット101に接続されている。暖房装置21とリモコン22とホームゲートウェイ23は、ユーザの室内92に配置されている。リモコン22は、暖房装置21のコントローラ12に接続されている。リモコン22は、暖房装置21に関する各種の設定を行うことができる装置である。例えば、リモコン22によって暖房目標温度を設定することができる。ホームゲートウェイ23は、リモコン22とインターネット101の間の通信を中継する装置である。
ユーザの自宅91の室内92には、更に、温度センサ24(温度検知手段の一例)と人感センサ25(活動検知手段の一例(起床検知手段の一例))とHEMSコントローラ26が配置されている。温度センサ24と人感センサ25は、HEMSコントローラ26とホームゲートウェイ23を介してインターネット101に接続されている。
温度センサ24は、ユーザの室内92の温度を検知する装置である。温度センサ24がユーザの室内92の温度を検知すると、その温度を示す情報が温度センサ24からインターネット101を介してサーバ51に送信される。
人感センサ25は、人(例えば暖房システム2のユーザ)を感知する装置である。人感センサ25は、室内92で寝ている人(ユーザ)が起床したことを検知することができる。例えば、人感センサ25が所定時間以上にわたって人(ユーザ)を感知した場合は、室内92にいる人(ユーザ)が起床している。人感センサ25が人(ユーザ)を感知した場合は、そのことを示す情報が人感センサ25からインターネット101を介してサーバ51に送信される。人感センサ25は、例えばユーザが寝ているベッドの隣に配置されており、ユーザが起床したときに、そのユーザを感知する。人感センサ25は、ユーザが起床したことを検知することによって、人(ユーザ)が活動したことを検知することができる。ユーザが起床していない場合は、ユーザが活動していないと判断することができる。
HEMSコントローラ26は、温度センサ24と人感センサ25に関する各種の設定を行うことができる装置である。また、HEMSコントローラ26は、室内92で使用されるエネルギーの管理を行うこともできる。
サーバ51は、各種の情報処理を実行する。サーバ51が実行する情報処理については後述する。
次に、暖房システム2で実行される暖房運転処理について説明する。図3に示すように、暖房運転処理のステップS11では、サーバ51が、過去のデータに基づいて起床予想時刻を演算する。起床予想時刻は、ユーザが起床すると予想される時刻である。起床予想時刻は、例えば午前7:00である。サーバ51は、過去にユーザが起床した時刻に基づいて起床予想時刻を演算する。ユーザが起床した時刻に関する過去のデータはサーバ51に記憶されている。例えば、過去の複数日にわたるユーザの起床時刻の平均が午前7:00である場合は、サーバ51が、起床予想時刻を午前7:00とする。
続いてステップS12では、サーバ51が、本暖房運転開始時刻を設定する。本暖房運転開始時刻は、本暖房運転が開始される予定の時刻である。サーバ51は、上記のステップS11で演算した起床予想時刻(例えば午前7:00)を本暖房運転開始時刻として設定する。
続いてステップS13では、サーバ51が、予想外気温度情報を取得する。予想外気温度情報は、ユーザの自宅91の宅外の予想外気温度を示す情報である。サーバ51は、本暖房運転開始時刻における予想外気温度情報を取得する。サーバ51は、インターネット101を介して予想外気温度情報を取得する。または、サーバ51は、過去の外気温度に基づいて予想外気温度を演算し、自らが演算した予想外気温度を示す予想外気温度情報を有していてもよい。
続いてステップS14では、サーバ51が、上記のステップS13で取得した予想外気温度情報が示す予想外気温度が、基準外気温度未満であるか否かを判断する。予想外気温度情報が示す予想外気温度は、例えば8℃である。基準外気温度は、例えば10℃である。予想外気温度が基準外気温度未満である場合は、ステップS14でサーバ51がYESと判断してステップS15に進む。一方、予想外気温度が基準外気温度未満でない場合は、サーバ51がNOと判断してステップS41に進む。
ステップS14でNOと判断した後のステップS41では、サーバ51が、上記のステップS12で設定した本暖房運転開始時刻(例えば午前7:00)が到来したか否かを判断する。本暖房運転開始時刻が到来した場合は、ステップS41でサーバ51がYESと判断して後述するステップS22に進む。一方、本暖房運転開始時刻が到来していない場合は、サーバ51がNOと判断して待機する。
上記のステップS14でYESと判断した後のステップS15では、サーバ51が、プレ暖房運転開始時刻を設定する。プレ暖房運転開始時刻は、プレ暖房運転が開始される予定の時刻である。プレ暖房運転開始時刻は、上記のステップS12で設定した本暖房運転開始時刻(すなわち、起床予想時刻)よりも所定時間前の時刻である。所定時間は、例えば30分である。プレ暖房運転開始時刻は、例えば午前6:30である。サーバ51は、例えばユーザの自宅91の構造、予想外気温度、暖房装置21の暖房能力等に基づいてプレ暖房運転開始時刻を演算して設定してもよい。
続いてステップS16では、サーバ51が、上記のステップS15で設定したプレ暖房運転開始時刻(例えば午前6:30)が到来したか否かを判断する。プレ暖房運転開始時刻が到来した場合は、ステップS16でサーバ51がYESと判断してステップS17に進む。一方、プレ暖房運転開始時刻が到来していない場合は、サーバ51がNOと判断して待機する。
続いてステップS17では、サーバ51が、暖房装置21にプレ暖房運転を開始するように指示する。サーバ51は、第1暖房運転でプレ暖房運転を実行するように暖房装置21に指示する。サーバ51は、インターネット101を介して暖房装置21にプレ暖房運転の開始指示情報を送信する。暖房装置21は、プレ暖房運転の開始指示情報を受信すると、第1暖房運転によるプレ暖房運転を開始する。プレ暖房運転は、本暖房運転開始時刻に室内92の温度が所定の目標暖房温度になるように室内92を暖房する運転である。
続いてステップS18では、サーバ51が、プレ暖房運転における暖房強度を調節するように暖房装置21に指示する。サーバ51は、インターネット101を介して暖房装置21に暖房強度の調節指示情報を送信する。暖房装置21は、暖房強度の調節指示情報を受信すると暖房強度を調節する。暖房装置21は、本暖房運転開始時刻(例えば午前7:00)に室内92の温度が所定の目標暖房温度になるように暖房強度を調節する。暖房装置21は、ヒートポンプユニット4の動作を制御して暖房強度を調節する。プレ暖房運転における暖房強度は、例えば、現在の室内92の温度と目標暖房温度との温度差と、現在から本暖房運転開始時刻までの時間とに基づいて調節される。
続いてステップS19では、サーバ51が、上記のステップS12で設定した本暖房運転開始時刻(例えば午前7:00)が到来したか否かを判断する。本暖房運転開始時刻が到来した場合は、ステップS19でサーバ51がYESと判断してステップS21に進む。一方、プレ暖房運転開始時刻が到来していない場合は、サーバ51がNOと判断してA(図4に示すステップS31)に進む。
図4に示すように、ステップS19でNOと判断した後のステップS31では、サーバ51が、ユーザの自宅91の室内92で寝ているユーザが起床したか否かを判断する。例えば、ユーザの室内92に配置されている人感センサ25が所定時間にわたってユーザを感知した場合は、ユーザが起床したと判断することができる。ユーザが起床した場合は、ステップS31でサーバ51がYESと判断してステップS32に進む。一方、ユーザが起床していない場合は、サーバ51がNOと判断してB(図3に示すステップS19)に戻る。
続いてステップS32では、サーバ51が、暖房装置21にプレ暖房運転を終了するように指示する。サーバ51は、インターネット101を介して暖房装置21にプレ暖房運転の終了指示情報を送信する。暖房装置21は、プレ暖房運転の終了指示情報を受信するとプレ暖房運転を終了する。
続いてステップS33では、サーバ51が、検知室内温度が基準室内温度未満であるか否かを判断する。検知室内温度は、室内92に配置されている温度センサ24によって検知された室内92の温度である。基準室内温度は、室内92で寝ているユーザが寒さを不快に感じる程度の温度である。基準室内温度は、例えば15℃である。検知室内温度が基準室内温度未満である場合は、ステップS33でサーバ51がYESと判断してステップS34に進む。一方、検知室内温度が基準室内温度未満でない場合は、サーバ51がNOと判断してステップS35に進む。
続いてステップS34では、サーバ51が、暖房装置21に第2暖房運転を開始するように指示する。サーバ51は、インターネット101を介して暖房装置21に第2暖房運転の開始指示情報を送信する。暖房装置21は、第2暖房運転の開始指示情報を受信すると第2暖房運転を開始する。第2暖房運転は、ヒートポンプユニット4と燃焼ユニット6の両方で加熱した熱媒の熱によって暖房端末8が室内92を暖房する運転である。ここでの第2暖房運転は、本暖房運転として実行される。本暖房運転は、室内92の温度が所定の目標暖房温度になるように室内92を暖房する運転である。暖房装置21は、第1暖房運転によるプレ暖房運転を実行している場合は、第2暖房運転による本暖房運転に切り替える。
一方、上記のステップS33でNOと判断した後のステップS35では、サーバ51が、暖房装置21に第1暖房運転を開始するように指示する。サーバ51は、インターネット101を介して暖房装置21に第1暖房運転の開始指示情報を送信する。暖房装置21は、第1暖房運転の開始指示情報を受信すると第1暖房運転を開始する。第1暖房運転は、ヒートポンプユニット4のみで加熱した熱媒の熱によって暖房端末8が室内92を暖房する運転である。ここでの第1暖房運転は、本暖房運転として実行される。暖房装置21は、第1暖房運転によるプレ暖房運転を実行していた場合は、第1暖房運転を継続したまま本暖房運転を実行する。
続いてステップS36では、サーバ51が、第1暖房運転または第2暖房運転における暖房強度を調節するように暖房装置21に指示する。サーバ51は、インターネット101を介して暖房装置21に暖房強度の調節指示情報を送信する。暖房装置21は、暖房強度の調節指示情報を受信すると本暖房運転(上記の第1暖房運転または第2暖房運転)における暖房強度を調節する。本暖房運転における暖房強度は、例えば現在の室内92の温度と目標暖房温度との温度差に基づいて調節される。
サーバ51は、ステップS36の処理が終了した後にステップ33に戻る。あるいは、暖房装置21の電源がOFFになった場合は、暖房運転処理を終了してもよい。
図3に示すように、上記のステップS19でYESと判断した後のステップS21では、サーバ51が、暖房装置21にプレ暖房運転を終了するように指示する。サーバ51は、インターネット101を介して暖房装置21にプレ暖房運転の終了指示情報を送信する。暖房装置21は、プレ暖房運転の終了指示情報を受信するとプレ暖房運転を終了する。
続いてステップS22では、サーバ51が、暖房装置21に本暖房運転を開始するように指示する。サーバ51は、第1暖房運転で本暖房運転を実行するように暖房装置21に指示する。サーバ51は、インターネット101を介して暖房装置21に本暖房運転の開始指示情報を送信する。暖房装置21は、本暖房運転の開始指示情報を受信すると本暖房運転を開始する。暖房装置21は、第1暖房運転による本暖房運転を開始する。暖房装置21は、第1暖房運転によるプレ暖房運転を実行していた場合は、第1暖房運転を継続したまま本暖房運転を実行する。
続いてステップS23では、サーバ51が、本暖房運転における暖房強度を調節するように暖房装置21に指示する。サーバ51は、インターネット101を介して暖房装置21に暖房強度の調節指示情報を送信する。暖房装置21は、暖房強度の調節指示情報を受信すると暖房強度を調節する。
続いてステップS24では、サーバ51が、ユーザの自宅91の室内92で寝ているユーザが起床したか否かを判断する。例えば、ユーザの室内92に配置されている人感センサ25が所定時間にわたってユーザを感知した場合は、ユーザが起床したと判断することができる。ユーザが起床した場合は、ステップS24でサーバ51がYESと判断してD(図4に示すステップS33)に進む。一方、ユーザが起床していない場合は、サーバ51がNOと判断してステップS23に戻る。
上記の暖房運転処理は、暖房装置21の電源がオフになるとリセットされる。あるいは、所定の時刻(例えば午前8:00)が到来すると上記の暖房運転処理がリセットされる。以上、暖房システム2で実行される暖房運転処理について説明した。
次に、上記の暖房システム2によって実現される具体的なケースの一例について説明する。
(ケース1:図5)
ケース1では、予想外気温度が基準外気温度未満である場合に(ステップS14でYES)、プレ暖房運転開始時刻が到来すると(ステップS16でYES)、サーバ51が、暖房装置21にプレ暖房運転を開始するように指示する(ステップS17)。暖房装置21は、プレ暖房運転の開始指示情報を受信するとプレ暖房運転を開始する。図5に示すように、プレ暖房運転開始時刻(例えば6:30)が到来すると第1暖房運転によるプレ暖房運転が開始される。
その後、本暖房運転開始時刻が到来する前(プレ暖房運転開始時刻と本暖房運転開始時刻の間)に、室内92で寝ているユーザが起床した場合は(ステップS19でNO、ステップS31でYES)、サーバ51が、暖房装置21にプレ暖房運転を終了するように指示する(ステップS32)。また、この場合に、検知室内温度が基準室内温度未満である場合は(ステップS33でYES)、サーバ51が、暖房装置21に第1暖房運転に替えて第2暖房運転を開始するように指示する(ステップS34)。暖房装置21は、第2暖房運転の開始指示情報を受信すると第2暖房運転を開始する。図5に示すように、本暖房運転開始時刻(例えば午前7:00)が到来する前(例えば午前6:45)にユーザが起床すると第2暖房運転が開始される。ここでの第2暖房運転は、本暖房運転として実行される。
その後、検知室内温度が基準室内温度未満でない場合は(ステップS33でNO)、サーバ51が、暖房装置21に第2暖房運転に替えて第1暖房運転を開始するように指示する(ステップS35)。暖房装置21は、第1暖房運転の開始指示情報を受信すると第1暖房運転を開始する。図5に示すように、第2暖房運転の後に第1暖房運転が開始される。ここでの第1暖房運転は、本暖房運転として実行される。
(ケース2:図6)
図6に示すように、ケース2では、上記のケース1と同様に、プレ暖房運転開始時刻(例えば6:30)が到来すると第1暖房運転によるプレ暖房運転が開始される。
その後、本暖房運転開始時刻が到来する前(プレ暖房運転開始時刻と本暖房運転開始時刻の間)に、室内92で寝ているユーザが起床した場合は(ステップS19でNO、ステップS31でYES)、サーバ51が、暖房装置21にプレ暖房運転を終了するように指示する(ステップS32)。また、この場合に、検知室内温度が基準室内温度未満でない場合は(ステップS33でNO)、サーバ51が、暖房装置21に第1暖房運転を開始するように指示する(ステップS35)。暖房装置21は、第1暖房運転の開始指示情報を受信すると第1暖房運転を開始する。図5に示すように、本暖房運転開始時刻(例えば午前7:00)が到来する前(例えば午前6:30)にユーザが起床したとしても第1暖房運転が継続される。ここでの第1暖房運転は、本暖房運転として実行される。
(ケース3:図7)
図7に示すように、ケース3では、上記のケース1及びケース2と同様に、プレ暖房運転開始時刻(例えば6:30)が到来すると第1暖房運転によるプレ暖房運転が開始される。
プレ暖房運転は、室内92の温度が本暖房運転開始時刻に目標暖房温度になるように室内92を暖房する運転である。しかしながら、例えば外気温度が予想以上に低くなった場合には、プレ暖房運転においてヒートポンプユニット4の加熱能力が不足してしまい、本暖房運転開始時刻になっても室内92の温度が目標暖房温度まで到達しない場合がある。このような場合でも、ユーザが起床していない場合は、エネルギー効率を高めるために、第2暖房運転に切り替えずに第1暖房運転を継続することが好ましい。そこで、本暖房運転開始時刻が到来すると(ステップS19でYES)、サーバ51が、暖房装置21に本暖房運転を開始するように指示する(ステップS22)。暖房装置21は、本暖房運転の開始指示情報を受信すると本暖房運転を開始する。図7に示すように、本暖房運転開始時刻(例えば7:00)が到来すると第1暖房運転による本暖房運転が開始される。
その後、室内92で寝ているユーザが起床した場合に(ステップS24でYES)、検知室内温度が基準室内温度未満である場合は(ステップS33でYES)、サーバ51が、暖房装置21に第1暖房運転に替えて第2暖房運転を開始するように指示する(ステップS34)。暖房装置21は、第2暖房運転の開始指示情報を受信すると第2暖房運転を開始する。図7に示すように、本暖房運転開始時刻(例えば午前7:00)が到来した後(例えば午前7:10)にユーザが起床すると第2暖房運転が開始される。
その後、検知室内温度が基準室内温度未満でない場合は(ステップS33でNO)、サーバ51が、暖房装置21に第2暖房運転に替えて第1暖房運転を開始するように指示する(ステップS35)。暖房装置21は、第1暖房運転の開始指示情報を受信すると第1暖房運転を開始する。図7に示すように、第2暖房運転の後に第1暖房運転が開始される。
上記の実施例における第1暖房運転が、第1暖房態様での暖房の一例であり、第2暖房運転が、第2暖房態様での暖房の一例である。
以上、実施例に係る暖房システム2について説明した。上記の説明から明らかなように、暖房システム2は、自然環境から吸熱して熱媒を加熱するヒートポンプユニット4と、燃料の燃焼によって熱媒を加熱する燃焼ユニット6と、熱媒の熱によって室内92を暖房する暖房端末8を備えている。また、暖房システム2は、室内92の温度を検知する温度センサ24と、室内92で寝ているユーザが起床したことを検知する人感センサ25と、サーバ51を備えている。この暖房システム2では、ヒートポンプユニット4のみで加熱した熱媒の熱によって暖房端末8が室内92を暖房する第1暖房運転と、ヒートポンプユニット4と燃焼ユニット6の両方で加熱した熱媒の熱によって暖房端末8が室内92を暖房する第2暖房運転を実行可能である。また、この暖房システム2は、プレ暖房運転および本暖房運転を実行するように構成されている。プレ暖房運転は、本暖房運転が開始される本暖房運転開始時刻より前の所定のプレ暖房運転開始時刻になると開始される。プレ暖房運転は、温度センサ24によって検知される室内92の温度が本暖房運転開始時刻に所定の目標暖房温度になるように暖房端末8が室内92を暖房する運転である。本暖房運転は、温度センサ24によって検知される室内92の温度が所定の目標暖房温度になるように暖房端末8が室内92を暖房する運転である。この暖房システム2では、サーバ51が、プレ暖房運転が開始されるプレ暖房運転開始時刻になると第1暖房運転によるプレ暖房運転を実行し(ステップS16、S17参照)、プレ暖房運転開始時刻と本暖房運転開始時刻の間にユーザが起床したことを人感センサ25が検知すると(ステップS19、S31参照)、温度センサ24によって検知される室内92の温度が所定の基準室内温度以上である場合は(ステップS33参照)、第1暖房運転を継続し(ステップS35参照)、温度検知手段によって検知される室内温度が所定の基準室内温度未満である場合は(ステップS33参照)、第1暖房運転から第2暖房運転に切り替える(ステップS34参照)。
プレ暖房運転開始時刻にプレ暖房運転が開始されたとしても、本暖房運転開始時刻の前では、室内92がまだ十分に暖房されておらず、室内92の温度がそれほど高くなっていない可能性がある。そのため、本暖房運転開始時刻より前にユーザが起床すると、ユーザが寒さを感じてしまう可能性がある。そこで、上記の暖房システム2では、ユーザが起床(活動)したことを人感センサ25が検知すると、室内92の温度が所定の基準室内温度未満である場合は、第1暖房運転に替えて第2暖房運転を開始する。第2暖房運転ではヒートポンプユニット4と燃焼ユニット6の両方で熱媒を加熱するので、室内92を暖房するための熱量を多くすることができる。これによって、室内92で寝ているユーザが本暖房運転開始時刻より前に起床したとしても、起床したユーザが寒さを感じないように室内92の温度を高くすることができる。すなわち、ユーザが本暖房運転開始時刻の前に活動したとしても、ユーザが寒さを感じないように室内92の温度を高くすることができる。一方、室内92の温度が所定の基準室内温度以上である場合は、室内92が既に十分に暖房されているので、第2暖房運転に切り替えなくても起床したユーザが寒さを感じるおそれが少ない。この場合は、第1暖房運転を継続することによって、ヒートポンプユニット4のみで熱媒を加熱することができ、エネルギー効率を高くすることができる。
また、上記の暖房システム2では、サーバ51が、過去にユーザが起床したことを人感センサ25が検知した時刻に基づいて起床予想時刻を演算し、演算した起床予想時刻を本暖房運転開始時刻とする。
この構成によれば、起床予想時刻に向けてプレ暖房運転で室内92を暖房することができるので、起床したユーザが寒さを感じないようにすることができる。
また、サーバ51が、本暖房運転開始時刻になると第1暖房運転による本暖房運転を実行し(ステップS19、S22参照)、本暖房運転開始時刻より後にユーザが起床したことを起床検知手段が検知すると(ステップS24参照)、温度検知手段によって検知される室内92の温度が所定の基準室内温度以上である場合は(ステップS33参照)、第1暖房運転を継続し(ステップS35参照)、温度検知手段によって検知される室内92の温度が所定の基準室内温度未満である場合は(ステップS33参照)、第1暖房運転から第2暖房運転に切り替える(ステップS34参照)。
例えば、外気温度が予想以上に低くなった場合には、プレ暖房運転においてヒートポンプユニット4の加熱能力が不足してしまい、本暖房運転開始時刻になっても、室内92の温度が目標暖房温度まで到達しない場合がある。このような場合でも、ユーザがいまだ起床しておらず、ユーザが室内92で寝ている状況であれば、第1暖房運転を継続して、エネルギー効率を高めることが好ましい。その後、室内92で寝ているユーザが本暖房運転開始時刻より後に起床した場合、上記の構成では、室内92の温度が所定の基準室内温度未満である場合は、第1暖房運転に替えて第2暖房運転を開始する。これによって、起床したユーザが寒さを感じないように室内92の温度を高くすることができる。また、ユーザが起床したときの室内92の温度が所定の基準室内温度以上である場合は、第1暖房運転を継続することによって、エネルギー効率を高くすることができる。
また、サーバ51が、第2暖房運転を開始した後に、温度センサ24によって検知される室内92の温度が所定の基準室内温度以上になった場合は(ステップS33参照)、第2暖房運転に替えて第1暖房運転を開始する(ステップS35参照)。
この構成によれば、第2暖房運転によって室内92が十分に暖房された後には、第2暖房運転に替えて第1暖房運転を開始することによって、エネルギー効率を高くすることができる。
また、サーバ51が、予想外気温度が所定の基準外気温度未満である場合は、プレ暖房運転を実行した後に本暖房運転を実行し、予想外気温度が所定の基準外気温度以上である場合は、プレ暖房運転を実行することなく本暖房運転を実行する(ステップS14、S17参照)。
予想外気温度が所定の基準外気温度未満である場合は、室内温度が低いことが予想されるので、プレ暖房運転によって室内92を暖房することが望ましい。よって、この場合はプレ暖房運転を実行した後に本暖房運転を実行することによって、起床したユーザが寒さを感じないようにすることができる。一方、予想外気温度が所定の基準外気温度以上である場合は、室内92の温度がそれほど低くないことが予想されるので、プレ暖房運転によって室内92を暖房する必要性が低くなる。よって、この場合はプレ暖房運転を実行することなく本暖房運転を実行することによって、エネルギー消費を抑制することができる。
以上、一実施例について説明したが、具体的な態様は上記実施例に限定されるものではない。以下の説明において、上述の説明における構成と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
上記の実施例では、制御手段の一例としてサーバ51について説明したが、この構成に限定されるものではなく、制御手段の他の例としては、例えば、リモコン22、HEMSコントローラ26、または、暖房装置21のコントローラ12が挙げられる。リモコン22、HEMSコントローラ26、または、コントローラ12が上述した暖房運転処理を実行してもよい。
また、室内92で寝ている人が起床したことを検知する起床検知手段の構成は特に限定されるものではない。
また、暖房装置21の暖房端末8が床暖房機である場合は、室内92の温度は床面の温度であってもよい。また、温度センサ24がリモコン22に備えられていてもよい。
また、サーバ51が、ユーザが起床したことを人感センサ25が検知した時刻を蓄積して記憶してもよい。例えば、サーバ51が過去1ヶ月間にわたる時刻情報を蓄積してもよい。
上記の実施例では、ステップS14で予想外気温度が基準外気温度未満である場合にプレ暖房運転が実行され、予想外気温度が基準外気温度以上である場合はプレ暖房運転が実行されない構成であったが、この構成に限定されるものではない。他の実施例では、予想外気温度にかかわらず常にプレ暖房運転が実行される構成であってもよい。
上記の実施例では、ステップS31、S32、S33の後のステップS34で第2暖房運転を開始する際に本暖房運転が開始されるとして説明したが、この構成に限定されるものではない、他の実施例では、プレ暖房運転が終了して本暖房運転が開始されるのではなく、プレ暖房運転の中において第1暖房運転から第2暖房運転に切り替わる構成であってもよい。また、上記の実施例では、ステップS31、S32、S33の後のステップS35で第1暖房運転を開始する際に本暖房運転が開始されるとして説明したが、この構成に限定されるものではない。他の実施例では、プレ暖房運転が終了して本暖房運転が開始されるのではなく、プレ暖房運転の中において第1暖房運転が継続される構成であってもよい。
上記の実施例では、人感センサ25が、室内92で寝ているユーザが起床したことを検知し、暖房装置21が、ユーザが寝起きする室内92を暖房する構成であった。しかしながら、この構成に限定されるものではない。他の実施例では、人感センサ25が、室内92とは別の部屋の室内に配置されており、別の部屋の室内で寝ているユーザが起床したことを検知する構成であってもよい。すなわち、人感センサ25によって検知されるユーザが寝起きする室内と、暖房装置21が暖房する室内92とが異なっていてもよい。例えば、ユーザが寝起きする室内が寝室内であり、暖房装置21が暖房する室内92がリビング内であってもよい。この構成では、サーバ51が、プレ暖房運転開始時刻になると第1暖房運転によるプレ暖房運転を実行し、プレ暖房運転開始時刻と本暖房運転開始時刻の間に、室内92とは別の部屋の室内で寝ているユーザが起床したことを人感センサ25が検知すると、温度センサ24によって検知される室内92(ユーザが寝起きする室内とは別の室内92)の温度が所定の基準室内温度以上である場合は、第1暖房運転を継続し、温度センサ24によって検知される室内92の温度が所定の基準室内温度未満である場合は、第1暖房運転から第2暖房運転に切り替える。
この構成によれば、暖房装置21が暖房する室内92とは別の部屋の室内で寝ているユーザが本暖房運転開始時刻の前に起床して、暖房装置21が暖房する室内92に移動したとしても、ユーザが寒さを感じないように室内92の温度を高くすることができる。すなわち、ユーザが本暖房運転開始時刻の前に活動したとしても、ユーザが寒さを感じないように室内92の温度を高くすることができる。
上記の実施例では、第2暖房運転は、ヒートポンプユニット4と燃焼ユニット6の両方で加熱した熱媒の熱によって暖房端末8が室内92を暖房する運転であった。しかしながら、この構成に限定されるものではない。他の実施例では、第2暖房運転は、燃焼ユニット6のみで加熱した熱媒の熱によって暖房端末8が室内92を暖房する運転であってもよい。この場合における燃焼ユニット6の加熱能力は、ヒートポンプユニット4の加熱能力より大きい。加熱能力は、例えば、単位時間あたりに熱媒に与えることができる熱量に基づいて求めることができる。
上記の実施例では、人感センサ25が、室内92で寝ているユーザが起床したことを検知する構成であった。しかしながら、この構成に限定されるものではない。他の実施例では、人感センサ25が、外出しているユーザが帰宅したことを検知する構成であってもよい。人感センサ25は、ユーザが帰宅したことを検知することによって、ユーザが活動したことを検知することができる。ユーザが帰宅していない場合は、ユーザが活動していないと判断することができる。人感センサ25は、外出しているユーザが帰宅したことを検知する帰宅検知手段の一例である。帰宅検知手段は、活動検知手段の一例である。
上記の実施例では、サーバ51が、過去にユーザが起床したことを起床検知手段(例えば人感センサ25)が検知した時刻に基づいて起床予想時刻を演算し、演算した起床予想時刻を本暖房運転開始時刻としていたが、この構成に限定されるものではない。活動検知手段として帰宅検知手段を用いる場合には、他の構成であってもよい。この場合には、サーバ51が、過去にユーザが帰宅したことを帰宅検知手段(人感センサ25)が検知した時刻に基づいて帰宅予想時刻を演算し、演算した帰宅予想時刻を本暖房運転開始時刻としてもよい。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。