本発明の一実施形態に係る装飾部品駆動装置1について説明する。まず、装飾部品駆動装置1が適用された遊技機としてのパチンコ機PMの概略について説明しておく。パチンコ機PMは、図1に示すように、鉛直方向に延びる略直方体状の装置である。以下の説明において、パチンコ機PMの高さ方向(鉛直方向)を上下方向と呼ぶ。また、パチンコ機PMの幅方向を左右方向と呼び、パチンコ機PMの奥行き方向を前後方向と呼ぶ。
パチンコ機PMは、同図に示すように、遊技球発射装置BS、遊技盤PB、表示装置DD、装飾部品DPなどを備える。遊技球発射装置BSは、図示しない遊技球を1球ずつ遊技盤PBへ向けて発射する。遊技盤PBは、遊技球発射装置BSの上方に配置されている。遊技盤PBは、上下方向に延びる略長方形の板状部材である。遊技盤PBは、遊技者に対向するように配置されている。すなわち、遊技盤PBの板厚方向が前後方向に一致している。
遊技盤PBの略中央部に開口部OPが設けられている。開口部OPの後方には、表示装置DD及び装飾部品駆動装置1が収容されたケースCAが配置されている。ケースCAは前方(遊技者側)へ開放された箱状部材である。ケースCAの中央部に表示装置DDが配置されている。表示装置DDとして、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどが用いられる。表示装置DDは、図示しない制御装置に接続されており、制御装置から供給された制御信号に従って画像を表示する。また、表示装置DDの左方及び右方に、装飾部品駆動装置1がそれぞれ配置されている。装飾部品駆動装置1に装飾部品DPが取り付けられる。装飾部品DPは、装飾部品駆動装置1によって駆動されて上下方向にスライドする。開口部OPの周縁部には枠状の縁飾りEPが取り付けられている。縁飾りEPによって装飾部品駆動装置1が覆われる。ただし、装飾部品駆動装置1のうち、後述する支持板22のみが縁飾りEPの内側に露出している。この支持板22に装飾部品DPが取り付けられている。すなわち、開口部OPに縁飾りEPが取り付けられた状態において、縁飾りEPの内側に表示装置DD及び装飾部品DPが露出しており、装飾部品駆動装置1はほとんど視認されない。なお、左側の装飾部品DPと右側の装飾部品DPとは左右対称である。また、左側の装飾部品駆動装置1と右側の装飾部品駆動装置1とは左右対称である。以下、左側の装飾部品駆動装置1について説明し、右側の装飾部品駆動装置1の説明は省略する。
つぎに、装飾部品駆動装置1の構成について説明する。装飾部品駆動装置1は、図2A及び図2Bに示すように、ベースプレート10、支持装置20、回動駆動装置30及びスライド駆動装置40を備える。
ベースプレート10は、上下方向に延びる板部材である。ベースプレート10は、遊技盤PBに対して平行に配置されている。すなわち、ベースプレート10の板厚方向が前後方向に一致している。ベースプレート10に、支持装置20、回動駆動装置30及びスライド駆動装置40が組み付けられている。
支持装置20は、装飾部品DPを支持する。支持装置20は、図3A及び図3Bに示すように、ガイドシャフト21、支持板22、支持板ガイド23、及びスライドブロック24を備える。なお、図3A及び図3Bにおいては、スライド駆動装置40を省略している。
ガイドシャフト21は、上下方向に延びる棒状部材である。ガイドシャフト21は、丸棒の側面部に、その中心軸C21に平行に延びる一対の溝G21,G21を形成した部材である。図4に示すように、溝G21,G21は、ガイドシャフト21の周方向に180°ずれている。したがって、同図に示すように、ガイドシャフト21の長手方向に直交する断面は非円形を呈する。ガイドシャフト21の上端から下端に亘り、前記断面の形状及び大きさが一定である。
ガイドシャフト21は、ベースプレート10の左右方向における中央部から見て少し左方に配置されている。また、ガイドシャフト21は、ベースプレート10の前方に配置されている。ガイドシャフト21の上端部及び下端部が、上下対称の一対のガイドシャフトホルダーHD1,HD1によって支持されている(図3A及び図3B参照)。図5に示すように、ガイドシャフトホルダーHD1は、略直方体のブロック状部材である。ガイドシャフトホルダーHD1には、円形の凹部RPが形成されている。上側のガイドシャフトホルダーHD1の凹部RPと下側のガイドシャフトホルダーHD1とが対向している。凹部RPの内径は、ガイドシャフト21の外径と略同一である。ガイドシャフト21の上端部が上側のガイドシャフトホルダーHD1の凹部RPに挿入され、ガイドシャフト21の下端部が下側のガイドシャフトホルダーHD1の凹部RPに挿入されている。ガイドシャフトホルダーHD1,HD1はベースプレート10に締結されている。ガイドシャフト21は、中心軸C21まわりに回動可能に支持されている。ガイドシャフト21は、後述する回動駆動装置30によって駆動されて、中心軸C21まわりに回動する。
支持板22は、図6A及び図6Bに示すように、本体部221及び上下一対のスライドブッシュ部222U,222Lを備える。本体部221及びスライドブッシュ部222U,222Lは一体的に形成されている。本体部221は、左右方向に延びる板状部である。本体部221の板厚方向が前後方向に一致している。本体部221の前面に装飾部品DPが取り付けられる。本体部221は、突出部P221を有する。突出部P221は、本体部221の後面に形成されている。突出部P221は、基部Pa221と凸部Pb221とからなる。基部Pa221は、本体部221の後面から後方へ突出するとともに、上下方向に延設されている。凸部Pb221は、基部Pa221の後端部から左方へ突出するとともに、上下方向に延設されている。凸部Pb221は、後述する支持板ガイド23に形成された溝G23に嵌合する。
スライドブッシュ部222U,222Lは、本体部221の左端部に接続されている。スライドブッシュ部222U,222Lは、上下方向に延びる筒状部である。スライドブッシュ部222U,222Lの中心軸C222に直交する断面において、スライドブッシュ部222U,222Lの内周縁部及び外周縁部は円形を呈する。スライドブッシュ部222U,222Lの内径は、ガイドシャフト21の外径と略同一である。スライドブッシュ部222U,222Lの外径は、内径の1.5倍程度である。スライドブッシュ部222U,222Lは、ガイドシャフト21に嵌め込まれている。ガイドシャフト21の中心軸C21とスライドブッシュ部222U,222Lの中心軸C222とが重なっている。すなわち、ガイドシャフト21とスライドブッシュ部222U,222Lとが同軸配置されている。
スライドブッシュ部222U,222Lの内周面には、ガイドシャフト21の溝G21,G21に嵌合する部位が存在しない。したがって、スライドブッシュ部222U,222Lとガイドシャフト21との関係における、上下方向の相対的なスライドが許容されるとともに、中心軸C21(中心軸C222)まわりの相対的回動も許容されている。
支持板ガイド23は、上下方向に延びる角柱状部材である。支持板ガイド23は、ベースプレート10の前面における右端部に配置されている。支持板ガイド23の右側面部には、上下方向に延びる溝G23が形成されている。溝G23に、支持板22の凸部Pb221が嵌合している。支持装置20がベースプレート10に取り付けられた状態において、本体部221とベースプレート10とが平行になるように、支持板ガイド23の溝G23の位置及びガイドシャフトホルダーHD1における凹部RPの位置が設定されている。また、支持板ガイド23の左面における上部には、左方へ延びる突出部P23が形成されている。突出部P23は、支持板ガイド23の左面から左方へ延びる基部Pa23と、基部Pa23の先端から前方へ突出した突起部Pb23とからなる。
スライドブロック24は、図7A及び図7Bに示すように、本体部241と突出部242とを有する。本体部241と突出部242とが一体的に形成されている。本体部241は、略円筒状に形成されている。本体部241の内径は、ガイドシャフト21の外径と同一である。本体部241の外径は、内径の2倍程度である。ガイドシャフト21の外径と同一である本体部241の内周面には凸部P241,P241が形成されている。凸部P241,P241は、本体部241の周方向に180°ずれている。ガイドシャフト21の断面(図4参照)における溝G21,G21の形状と、スライドブロック24の本体部241の断面における凸部P241,P241の形状(図7B参照)とが略同一である。図7Bに示す断面において、本体部241の内周縁部は非円形を呈する。一方、同断面において、本体部241の外周縁部は円形を呈する。
突出部242は、本体部241の外周面から、本体部241の径方向における外側へ突出するとともに、本体部241の周方向に沿って延設されている。突出部242は、本体部241の全周の略6分の1に亘る部分に沿って形成されている。
本体部241は、ガイドシャフト21に嵌め込まれている。本体部241がガイドシャフト21に嵌め込まれた状態では、中心軸C241と中心軸C21とが重なっている。すなわち、ガイドシャフト21と本体部241とが同軸配置されている。そして、凸部P241,P241が溝G21,G21に嵌合している。そのため、スライドブロック24とガイドシャフト21との関係における、上下方向の相対的スライドは許容されているが、スライドブロック24とガイドシャフト21との関係における、中心軸C21(中心軸C241)まわりの相対的回動は規制されている。すなわち、ガイドシャフト21を中心軸C21まわりに回動させると、ガイドシャフト21とスライドブロック24とが一体的に回動する。したがって、ガイドシャフト21を回動させることにより、突出部242の向きを変更することができる。
本体部241は、スライドブッシュ部222Uとスライドブッシュ部222Lとの間に配置されている。したがって、支持板22及びスライドブロック24が一体的に上下方向へスライドする。その際、スライドブロック24は、ガイドシャフト21に沿ってスライドし、支持板22は、ガイドシャフト21及び支持板ガイド23に沿ってスライドする。ガイドシャフト21が中心軸C21まわりに回動すると、スライドブロック24は、ガイドシャフト21とともに回動するが、支持板22は回動しない。すなわち、本体部221とベースプレート10とは常に平行である。なお、スライドブロック24は、本発明の支持部材に相当する。
つぎに、回動駆動装置30について説明する。回動駆動装置30は、図8に示すように、ステッピングモーター31、第1ギヤ32及び第2ギヤ33を備える。ステッピングモーター31は、図示しないブラケットを介して、ベースプレート10の前面の下端部に固定されている。第1ギヤ32は、平歯車である。すなわち、円板状の基部321の外周面に複数の歯が形成されている。ただし、基部321の全周に亘って歯が並べられているのではなく、基部321の全周の略3分の1に亘る部分に複数の歯が並べられており、その他の部分には歯が形成されていない。第1ギヤ32は、ステッピングモーター31の出力軸に嵌め込まれている。第1ギヤ32とステッピングモーター31の出力軸とが同軸配置されている。
第2ギヤ33は、第1ギヤ32と同様の平歯車である。すなわち、筒状の基部331の外周面における下部に複数の歯が形成されている。ただし、基部331の全周に亘って歯が形成されているのではなく、基部331の全周の略3分の1に亘る部分に複数の歯が形成されており、その他の部分には歯が形成されていない。また、基部331の外周面における上部には、爪部332が形成されている。爪部332は、基端部332aと、凸部332bとを備える。基端部332aは、基部331の外周面から基部331の径方向における外側へ延設されている。凸部332bは、基端部332aの先端部から、基部331の平面視における反時計回り方向へ突出している。第2ギヤ33は、ガイドシャフト21の下端部に嵌め込まれている。第2ギヤ33とガイドシャフト21とが同軸配置されている。基部331の内周面には、スライドブロック24の凸部P241,P241と同様の凸部P33,P33が形成されており(図13参照)、凸部P33,P33がガイドシャフト21の溝G21,G21に嵌合している。第2ギヤ33の歯は、第1ギヤ32の歯に噛み合っている。なお、第1ギヤ32及び第2ギヤ33は、図示しないギヤカバーによって覆われている。
第1ギヤ32がステッピングモーター31に駆動されて回動することにより、第2ギヤ33が回動する。これにより、ガイドシャフト21が中心軸C21まわりに回動する。図示しない制御装置によって、ステッピングモーター31の出力軸の回動角度位置が目標位置になるように制御される。これにより、スライドブロック24の突出部242の向きが制御される。
つぎに、スライド駆動装置40について説明する。スライド駆動装置40は、図9A及び図9Bに示すように、スライドブロック24に当接して、スライドブロック24を上下方向にスライドさせる第1スライド駆動装置SD1及び第2スライド駆動装置SD2から構成されている。なお、図9A及び図9Bにおいては、支持装置20及び回動駆動装置30を省略している。
第1スライド駆動装置SD1は、図10に拡大して示すように、ガイドシャフトGS、ステッピングモーター41、ピニオンギヤ42及びラックギヤ43を備える。
ガイドシャフトGSは、上下方向に延びる棒状部材である。ガイドシャフトGSは、ガイドシャフト21とは異なり、溝を有していない。つまり、ガイドシャフトGSの長手方向に直交する断面は円形を呈する。ガイドシャフトGSの上端から下端に亘り、前記断面の形状及び大きさが一定である。ガイドシャフトGSの外径は、ガイドシャフト21の外径と略同一である。ガイドシャフトGSは、ガイドシャフト21より少し短い。ガイドシャフトGSは、ベースプレート10とガイドシャフト21との間に配置されている(図2A参照)。
ガイドシャフトGSの上端部及び下端部が、ガイドシャフトホルダーHD1,HD1と同様のガイドシャフトホルダーHD2,HD2によって保持されている(図9A及び図9B参照)。ガイドシャフトホルダーHD2の前後方向の寸法は、ガイドシャフトホルダーHD1の前後方向の寸法に比べて小さい。ガイドシャフトホルダーHD2のその他の構成は、ガイドシャフトホルダーHD1の構成と同一である。なお、ガイドシャフトGSは、第1スライド駆動装置SD1と、第2スライド駆動装置SD2とに共用される。
ステッピングモーター41は、ベースプレート10の後面に取り付けられている(図10参照)。ステッピングモーター41は、ベースプレート10の中央部から見て少し右方に配置されている。ベースプレート10には貫通孔が設けられており、この貫通孔から、ステッピングモーター41の出力軸41aが、ベースプレート10の前面側へ突出している。出力軸41aの先端にピニオンギヤ42が取り付けられている。ピニオンギヤ42は、平歯車である。ピニオンギヤ42と出力軸41aとが同軸配置されている。ピニオンギヤ42は、支持板ガイド23の左方に位置している。ピニオンギヤ42は、次に説明するラックギヤ43に噛み合っている。
ラックギヤ43は、本体部431及びスライドブッシュ部432を有する。本体部431及びスライドブッシュ部432は一体的に形成されている。本体部431は、複数の歯からなる。これらの複数の歯は、上下方向に並べられており、それらの歯面が右方へ向けられている。本体部431を構成する複数の歯に、ピニオンギヤ42の歯が噛み合っている。スライドブッシュ部432は、本体部431の左端面(歯面とは反対側の面)における上端部に接続されている。スライドブッシュ部432は、上下方向に延びる筒状部である。スライドブッシュ部432の長手方向に直交する断面において、スライドブッシュ部432の内周縁部は円形を呈し、スライドブッシュ部432の外周縁部は左右方向に延びる略長方形を呈する。また、スライドブッシュ部432の下端部には、前方へ突出した突起部P43が形成されている。なお、突起部P43は、本発明の係合部に相当する。スライドブッシュ部432は、ガイドシャフトGSに嵌め込まれている。ラックギヤ43は、ガイドシャフトGSに沿って上下方向にスライド可能である。ラックギヤ43がガイドシャフトGSに沿ってスライドする際、スライドブッシュ部432の後面がベースプレート10の前面に摺接する。また、スライドブロック24の突出部242が後方へ向けられていない状態では、スライドブッシュ部432と本体部241とが干渉することなく、ラックギヤ43がスライドブロック24の後方を通過可能である。
第2スライド駆動装置SD2は、引張りコイルバネ44及び保持装置45からなる(図9A及び図9B参照)。引張りコイルバネ44は、ベースプレート10の左側部に配置されている。ベースプレート10の左側の上端部には前後方向に延びる軸SHが設けられており、引張りコイルバネ44の上端が軸SHに引っ掛けられている。また、引張りコイルバネ44の下端が、次に説明するスライド爪451に固定されている。また、次に説明する保持装置45によって、引っ張りコイルバネ44が所定量だけ引き伸ばされた状態が一時的に保持される。
保持装置45は、図11A及び図11Bに示すように、スライド爪451及び回転爪452を備える。スライド爪451は、本体部451aとスライドブッシュ部451bとを備える。本体部451aは、上下方向に延びる略長方形の板状部である。本体部451aの板厚方向が左右方向に一致している。本体部451aの周端面のうち、本体部451aの前端面SF451a及び後端面SR451aは、前後方向に対して直交している。また、上端面SU451aは、上下方向に対して直交している。また、下端面SL451aのうちの前半部SLF451aは、上下方向に対して直交している。下端面SL451aのうちの後半部SLR451aは、上下方向及び前後方向に対して傾斜している。すなわち、後半部SLR451aは、後方且つ下方へ向けられた傾斜面である。また、本体部451aの後側の部分であって、後端面SR451aの下端部が切り欠かれて、切り欠き部CP451aが設けられている。スライド爪451の左方から見て、切り欠き部CP451aは、上下方向に延びる長方形を呈する。本体部451aの左面における上端部に、引っ張りコイルバネ44の下端部が固定される。
スライドブッシュ部451bは、本体部451aの右面に接続されている。スライドブッシュ部451bは、上下方向に延びる筒状部である。スライドブッシュ部451bの形状は、スライドブッシュ部432の形状と略同一である。スライドブッシュ部451bは、ガイドシャフトGSに嵌め込まれている。スライドブッシュ部451bは、スライドブッシュ部432の下方に位置している。スライド爪451は、ガイドシャフトGSに沿って上下方向にスライド可能である。なお、スライド爪451がガイドシャフトGSに沿ってスライドする際、スライドブッシュ部451bの後面がベースプレート10の前面に摺接する。また、スライドブロック24の突出部242が後方へ向けられていない状態では、スライドブッシュ部451bと本体部241とが干渉することなく、スライド爪451がスライドブロック24の後方を通過可能である。なお、本体部451aの上端面SU451aは、本発明の係合部に相当する。また、図示しない制御装置によって、ステッピングモーター41の回転が制御され、ラックギヤ43の上下方向の位置が目標位置に設定される。
回転爪452は、図12A及び図12Bに示すように、上下方向に延びる環状部材である。回転爪452は、ガイドシャフトGSの下部に嵌め込まれている。すなわち、回転爪452は、図13に示すように、回動駆動装置30の第2ギヤ32の後方に配置されている。回転爪452とガイドシャフトGSとが同軸配置されている。回転爪452は、ガイドシャフトGSの中心軸CGSまわりに回動可能である。回転爪452は、基部452a、第1爪部452b、第2爪部452c、周壁部452d及びねじりコイルバネ452eを備える。基部452a、第1爪部452b、第2爪部452c及び周壁部452dが一体的に形成されている。基部452aは、円板状部である。基部452aの内径は、ガイドシャフトGSの外径と略同一である。基部452aの外径は、基部452aの内径の2倍程度である。
第1爪部452bは、基部452aの外周面から突出した柱状部である。回転爪452はガイドシャフトGSの中心軸CGSまわりに回動可能であるが、以下、回転爪452の説明における各部の方向は、第1爪部452bの先端が左方へ向くように回転爪452の姿勢が設定されている状態の方向である。第1爪部452bは、基部452aの後半部の外周面から左方へ延設されている。第1爪部452bの前面SF452b及び後面SR452bは、前後方向に対して直交している。また、下面SL452bは、上下方向に対して直交している。また、上面SU452bのうちの後半部SUR452bは、上下方向に対して直交している。上面SU452bのうちの前半部SUF452bは、上下方向及び前後方向に対して傾斜している。すなわち、前半部SUF452bは、前方且つ上方へ向けられた傾斜面である。
第2爪部452cは、基部452aの外周面から基部452aの径方向における外側へ突出した凸状部である。回転爪452の平面視において、第2爪部452cと第1爪部452bとが、基部452aの周方向に約100°ずれている。
周壁部452dは、基部452aの下側の面における外縁部に沿って延設されている。周壁部452dは、基部452aの全周に亘って形成されているのではなく、基部452aの外縁部のうちの略半周に亘って形成されている。周壁部452dは、第1爪部452bと基部452aとの接続部の下方に位置する部分から、回転爪452の平面視において反時計回り方向に延設されている。周壁部452dの一端部であって、第1爪部452bと基部452aとの接続部の下方に位置する部分の上端部が切り欠かれて、基部452aの周方向に沿って延びる溝G452dが形成されている。
ねじりコイルバネ452eの外径は、周壁部452dの内径よりも少し小さい。ねじりコイルバネ452eの内径は、ガイドシャフトGSの外径と略同一である。周壁部452dの内側の空間に、ねじりコイルバネ452eが収容される。ねじりコイルばね452eの一端部が溝G452dに挿入される。
ベースプレート10の下部には、貫通孔TH10が形成されており、この貫通孔TH10にねじりコイルバネ452eの他端部が挿入されている(図11A参照)。回転爪452は、ねじりコイルばね452eによって、図13における反時計回りに付勢され、第2爪部452cが図示しないギヤカバーに当接して、回転爪452が静止している。なお、回転爪452は、上下方向にはスライドしない。詳しくは後述するように、スライド爪451がガイドシャフトGSの下端部に位置する状態において、第1爪部452bが切り欠き部CP451a内に進入して、スライド爪451の上方へのスライドが規制される。すなわち、引っ張りコイルバネ44が所定量だけ引き伸ばされた状態が一時的に保持される。
つぎに、上記のように構成された装飾部品駆動装置1の動作について説明する。まず、初期状態において、図14に示すように、ラックギヤ43がガイドシャフトGSの上端部に位置している。また、スライド爪451が引張りコイルバネ44によって付勢されて上方へスライドし、スライドブッシュ部451bの上面が、スライドブッシュ部432の下面に当接している。この初期状態において、突出部P23の突起部Pb23 の上面、突起部P43の上面、及び本体部451aの上端面が同一の高さに位置している。そして、図15に示すように、スライドブロック24の突出部242が突起部Pb23の上面に当接している。すなわち、装飾部品DP(スライドブロック24及び支持板22)は、その可動範囲の上端部に位置している。
つぎに、ステッピングモーター41が正転駆動されて、ラックギヤ43が下方へスライドする。図16に示すように、スライド爪451はラックギヤ43によって下方へ押され、ラックギヤ43とスライド爪451とが一体となって下方へスライドする。これにより、引っ張りコイルバネ44が引き伸ばされる。なお、装飾部品DP(スライドブロック24及び支持板22)は、その可動範囲の上端部に位置したままである。図17Aに示すように、スライド爪451の下端面SL451aのうちの後半部SLR451aが、第1爪部452bの上面SU452bのうちの前半部SUF452bに当接する。スライド爪451がさらに下方へスライドすると、図17Bに示すように、第1爪部452bが、スライド爪451に押され、ねじりコイルばね452eの付勢力に抗して、図13において時計回り方向へ回動する。そして、図17Cに示すように、スライド爪451の切り欠き部CP451aの内周面のうちの下側の面が、第1爪部452bの下面SL452bの位置に達すると、回転爪452がねじりコイルばね452eに付勢されて回動し、第1爪部452bが切り欠き部CP451aに進入する。これにより、スライド爪451の上方へのスライドが規制される。つぎに、ステッピングモーター41が逆転駆動されて、ラックギヤ43が上方へスライドし、初期状態の位置(ガイドシャフト21の上端部)に戻る。
つぎに、ステッピングモーター31が正転駆動され、図15において、ガイドシャフト21が時計回り方向に回動する。すると、図18に示すように、突出部242が突起部Pb23から離脱する。そのため、スライドブロック24及び支持板22が自由落下する。すなわち、装飾部品DPが急下降する。そして、スライドブッシュ部222Lが、ガイドシャフトホルダーHD1に当接して、装飾部品DPが停止する。この状態において、スライドブロック24の突出部242の下面とスライド爪451の本体部451aの上端面SU451aとが同一の高さに位置している。
つぎに、ステッピングモーター31が逆転駆動され、図13において、第1ギヤ32が時計回り方向へ回動し、第2ギヤ33(すなわち、ガイドシャフト21)が反時計回り方向へ回動する。そして、図19に示すように、突出部242が本体部451aの上端面SU451aの上方に達すると、ステッピングモーター31が停止する。その際、第2ギヤ33の爪部332が回転爪452の第2爪部452cに当接して、回転爪452が図13において時計回り方向へ回動する。回転爪452の第1爪部452bが切り欠き部CP451aから退避すると、スライド爪451の上方へのスライドの規制が解除される。スライド爪451は引張りコイルバネ44によって上方へ付勢されているので、スライド爪451が急上昇する。スライドブロック24は、スライド爪451によって上方へ押される。これにより、スライドブロック24及び支持板22が急上昇する。すなわち、装飾部品DPが急上昇する。そして、スライドブッシュ部451bの上面が、スライドブッシュ部432の下面に当接して、装飾部品DPが停止する。
また、スライド爪451の上方へのスライドが規制された状態(図17C参照)において、図20に示すように、スライドブロック24の突出部242がラックギヤ43の突起部P43の上面に当接した状態に設定される。そして、ステッピングモーター41が正転駆動又は逆転駆動されて、装飾部品DPが比較的低速で上昇又は下降する。
上記のように、装飾部品駆動装置1は、ガイドシャフト21に沿って上下方向にスライド可能なスライドブロック24を備えている。スライドブロック24は、支持板22を介して装飾部品DPを支持している。また、装飾部品駆動装置1は、第1スライド駆動装置SD1及び第2スライド駆動装置SD2を備えている。第1スライド駆動装置SD1及び第2スライド駆動装置SD2は、スライドブロック24に係合して、スライドブロック24を上下方向へスライドさせる。これにより、装飾部品DPを上下方向へスライドさせる。第1スライド駆動装置SD1によれば、装飾部品DPを比較的低速度で上昇又は下降させることができる。また、第2スライド駆動装置SD2によれば、装飾部品DPを急上昇させることができる。第1スライド駆動装置SD1及び第2スライド駆動装置SD2は、ガイドシャフト21の周囲における異なる位置に配置されている。ガイドシャフト21を回動させることにより、スライドブロック24の突出部242の向きを変更して、突出部242を第1スライド駆動装置SD1又は第2スライド駆動装置SD2に係合させることができる。すなわち、ガイドシャフト21を回動させることにより、スライドブロック24が係合する駆動装置(第1スライド駆動装置SD1又は第2スライド駆動装置SD2)を切り替えて、装飾部品DPの動作態様を切り替えることができる。さらに、本実施形態では、第1スライド駆動装置SD1及び第2スライド駆動装置SD2の配置位置とは異なる方向へ突出部242を向けることにより、装飾部品DPを急下降(自由落下)させることができる。上記のように、本実施形態によれば、特許文献1の駆動装置を用いた場合に比べて、装飾部品DPの動作態様のバリエーションを増加させて、パチンコ機PMの演出効果を向上させることができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態では、スライド駆動装置40は、動作態様の異なる2つの装置(第1スライド駆動装置SD1及び第2スライド駆動装置SD2)から構成されているが、スライド駆動装置40が、さらに多くの装置から構成されていてもよい。これによれば、装飾部品DPの動作態様のバリエーションをさらに増加させて、パチンコ機PMの演出効果をさらに向上させることができる。
また、上記実施形態では、装飾部品DPを鉛直方向にスライドさせているが、装飾部品駆動装置1(ガイドシャフト21及びガイドシャフトGS)を左右方向に延設して、装飾部品DPを左右方向にスライドさせても良い。
また、上記実施形態では、第2スライド駆動装置SD2において、引き伸ばし量(ストローク)に応じて引っ張り荷重が変化する引張りコイルバネ44を採用しているが、引っ張り荷重が一定である定荷重バネを用いてもよい。例えば、定荷重バネは、ボビン及び帯板を備える。ボビンは、前後方向に延びる略円柱状部材である。ボビンの中心には、前後方向に延びる貫通孔が設けられている。ボビンの貫通孔に、軸SHが挿入される。このように、ボビンが軸SHのまわりに回転可能に支持されている。帯板は、帯状の鋼板であり、ボビンの外周部に巻き回されている。帯板の基端がボビンの外周面に固定され、定荷重バネの前側から見て、ボビンを時計回りに回転させるようにして、帯板がボビンに巻き回される。帯板の先端部が下方へ引き出される。帯板の復元力により帯板の先端部が上方へ引き戻される力は、帯板の引き出し量(ストローク)にかかわらず一定である。
また、ガイドシャフト21の断面形状(図4)は上記実施形態に限られない、すなわち、ガイドシャフト21に対するスライドブロック24の上下方向のスライドが許容され、且つガイドシャフト21に対するスライドブロック24の中心軸C21まわりの回動が規制されるような形状であれば、どのような形状であってもよい。例えば、ガイドシャフト21の断面が楕円形、矩形などであってもよい。すなわち、ガイドシャフト21の断面は非円形であればよい。これらの場合、スライドブロック24の内周縁の形状をガイドシャフト21の外周縁の形状に沿うように設定すればよい。
なお、ラックギヤ43及びスライド爪451の上下方向の位置を検出するセンサー、ガイドシャフト21及び回転爪452の回動角度位置を検出するセンサーを設けておき、それらの検出結果に基づいて、ステッピングモーター31及びステッピングモーター41が制御されるとよい。