以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機の一実施形態を説明する。なお、本明細書における「上」「下」「左」「右」「前(表)」「後(裏)」は、それぞれ遊技者から見たときの「上」「下」「左」「右」「前(表)」「後(裏)」を示すものとする。
図1に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、遊技盤YBを有する。また、パチンコ遊技機10は、該パチンコ遊技機10の前面側において、遊技盤YBを遊技者から透視可能な状態で保護する不図示の保護ガラスと、該保護ガラスを支持する前面扉ZTと、を有する。
また、パチンコ遊技機10の前面側には、遊技盤YBへ遊技球を発射させるときに遊技者によって操作される発射ハンドルHDが配設されている。また、パチンコ遊技機10の前面側には、楽曲や効果音等を出力することにより、遊技演出としての音声演出を実行可能に構成されたスピーカSPが配設されている。また、パチンコ遊技機10の前面側には、図示しないLEDなどの発光体を点滅や点灯させることにより、遊技演出としての発光演出を実行可能に構成された装飾ランプSRが配設されている。
図2に示すように、遊技盤YBは、表面に各種の装飾を施された略四角形の遊技板YCを有する。遊技板YCは、該遊技板YCの略中央において前後方向に貫通する開口部YCaを有する。この遊技板YCの裏側には、全体として扁平な略四角箱状の取付部材YDが固定されている。取付部材YDは、前方に開口する第1開口部YDaと後方に開口する第2開口部YDbとを有しているとともに、正面から見たときに各開口部YDa,YDbと遊技板YCの開口部YCaとが重なるように配設されている。そして、遊技板YCと取付部材YDとによって区画された収容空間S1には、取付部材YDの内側に組み付けられた各種の部材が収容されている。
遊技盤YBには、複数種類の図柄として特別図柄を表示可能な特別図柄表示装置11が配設されている。特別図柄表示装置11では、特別図柄を変動させて行う図柄変動ゲームが表示される。以下の説明では、特別図柄を用いる図柄変動ゲームを「特別図柄変動ゲーム」と示す。特別図柄は、後述する大当りか否かの大当り判定(大当り抽選)の判定結果を報知するために用いられる図柄である。
特別図柄表示装置11では、特別図柄変動ゲームの開始と同時に特別図柄の変動表示が開始されるとともに、特別図柄変動ゲームの終了と同時に特別図柄が確定停止表示される。「変動表示」とは、図柄を表示する表示装置の表示領域内において、表示される図柄の種類が変化している状態である。「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。特別図柄変動ゲームでは、後述する大当り判定の判定結果に応じた表示結果として、複数種類の特別図柄の中から選択された特別図柄が確定停止表示される。特別図柄は、大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)と、はずれを認識し得るはずれ図柄(はずれ表示結果)とに分類される。
また、遊技盤YBには、各種の画像を表示することにより、遊技演出としての表示演出を実行可能に構成されたメイン演出表示装置13が配設されている。メイン演出表示装置13の画像表示部GH1は、例えば液晶ディスプレイ型の表示部である。詳しく説明すると、メイン演出表示装置13は、画像表示部GH1が遊技者から視認可能となるように、正面から見て各開口部YCa,YDa,YDbと画像表示部GH1とが整合一致した状態で取付部材YDの裏側に組み付けられている。
そして、メイン演出表示装置13では、特別図柄変動ゲームに関連する表示演出が表示される。詳しく説明すると、メイン演出表示装置13では、上記表示演出の1つとして、複数種類の飾り図柄を複数の図柄列で変動させて図柄組み合わせを表示(導出)する図柄変動ゲームが行われる。以下の説明では、飾り図柄を用いる図柄変動ゲームを「飾り図柄変動ゲーム」と示す。飾り図柄は、表示演出を多様化するために用いられる演出用の図柄(演出図柄)である。飾り図柄変動ゲームでは、遊技者から見て左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の3列にわたって図柄列が表示される。本実施形態のパチンコ遊技機10では、左図柄列、中図柄列及び右図柄列に表示可能な飾り図柄として、[1]〜[8]の各アラビア数字を模した画像が設定されている。
メイン演出表示装置13では、特別図柄変動ゲームの開始と同時に飾り図柄の変動表示が開始される。また、メイン演出表示装置13では、特別図柄変動ゲームの終了前に飾り図柄が一旦停止表示されるとともに、特別図柄変動ゲームの終了と同時に飾り図柄が確定停止表示される。なお、「一旦停止表示」とは、例えばゆれ変動状態など、図柄が再び変動表示される可能性があることを示す状態である。メイン演出表示装置13は、特別図柄表示装置11に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾り図柄は特別図柄に比較して遥かに大きく表示される。このため、遊技者は、専らメイン演出表示装置13に確定停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。
そして、メイン演出表示装置13には、特別図柄変動ゲームの表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示される場合には、メイン演出表示装置13にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾り図柄による大当り図柄は、メイン演出表示装置13に確定停止表示された全列の飾り図柄が同一となる図柄組み合わせ(例えば[7・7・7])とされている。また、特別図柄変動ゲームではずれ図柄が確定停止表示される場合には、メイン演出表示装置13にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾り図柄によるはずれ図柄は、メイン演出表示装置13に確定停止表示された全列の飾り図柄が同一でない図柄組み合わせ(例えば[1・3・2]や[7・8・7])とされている。
そして、左図柄列及び右図柄列に停止表示された飾り図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせからリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数の図柄列のうち、特定の図柄列(本実施形態では左右の図柄列)の飾り図柄が同一種類となって一旦停止表示され、かつ前記特定の図柄列以外の図柄列(本実施形態では中図柄列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。メイン演出表示装置13では、飾り図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが表示されてから、最終的に図柄組み合わせが一旦停止表示される迄の間に、表示演出の1つとしてリーチ演出を表示可能である。
遊技盤YBには、メイン演出表示装置13とは別体で、各種の画像を表示することにより、遊技演出としての表示演出を実行可能に構成された演出表示装置として、第1サブ演出表示装置30及び第2サブ演出表示装置35が配設されている。第1サブ演出表示装置30の画像表示部GH2及び第2サブ演出表示装置35の画像表示部GH3は、例えば液晶ディスプレイ型の表示部である。各画像表示部GH2,GH3は、何れもメイン演出表示装置13の画像表示部GH1よりも小型の表示部である。
第1サブ演出表示装置30は、収容空間S1内においてメイン演出表示装置13の左方に設定された原位置Pa1と、該原位置Pa1の右方に設定された演出位置Pa2との間で変位可能となるように、取付部材YDに対して組み付けられている。第1サブ演出表示装置30は、例えばステッピングモータなどの図示しないアクチュエータの作動により、原位置Pa1と演出位置Pa2との間で変位可能に構成されている。
第2サブ演出表示装置35は、収容空間S1内においてメイン演出表示装置13の右方に設定された原位置Pb1と、該原位置Pb1の左方に設定された演出位置Pb2との間で変位可能となるように、取付部材YDに対して組み付けられている。第2サブ演出表示装置35は、例えばステッピングモータなどの図示しないアクチュエータの作動により、原位置Pb1と演出位置Pb2との間で変位可能に構成されている。
遊技板YCの前面において、正面から見たときにおけるメイン演出表示装置13の下方には、遊技球が入球可能な第1始動入賞口14を有する第1始動入賞装置15が配設されている。第1始動入賞口14は、遊技球が常に入球可能である。また、第1始動入賞口14の奥方には、第1始動入賞口14へ入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1(図6に示す)が設けられている。
遊技板YCの前面において、第1始動入賞口14の右方には、遊技球が入球可能な第2始動入賞口16を有する第2始動入賞装置17が配設されている。また、第2始動入賞口16の奥方には、第2始動入賞口16へ入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2(図6に示す)が設けられている。本実施形態では、各始動センサSE1,SE2が遊技球を検知することで、特別図柄変動ゲームの始動条件が成立し得る。また、本実施形態では、各始動センサSE1,SE2が遊技球を検知することで、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が成立する。また、第2始動入賞装置17は、例えばソレノイドなどの普通電動役物アクチュエータA1(図6に示す)の作動により開閉動作を行う開閉扉(普通電動役物)18を有している。開閉扉18は、第2始動入賞口16へ遊技球が入球容易な開状態、及び第2始動入賞口16へ遊技球が入球困難な閉状態に動作可能である。
遊技板YCの前面において、正面から見たときにおけるメイン演出表示装置13の右下方には、遊技球が入球可能な大入賞口19を有する大入賞装置20が配設されている。また、大入賞口19の奥方には、大入賞口19へ入球した遊技球を検知するカウントセンサSE3(図6に示す)が設けられている。本実施形態では、カウントセンサSE3が大入賞口19に入球した遊技球を検知することで、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が成立する。また、大入賞装置20は、例えばソレノイドなどの大入賞口アクチュエータA2(図6に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉21を有している。大入賞口扉21は、大入賞口19へ遊技球が入球容易な開状態、及び大入賞口19へ遊技球が入球困難な閉状態に動作可能である。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り判定で肯定判定されると、特別図柄変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示された後に大当り遊技が付与される。大当り遊技では、大入賞口扉21が開状態となり、大入賞口19へ遊技球を入球させ易くなる。このため、遊技者は、大当り遊技中、賞球の払出条件を容易に獲得できるチャンスを得ることができる。
遊技板YCの前面において、正面から見たときにおけるメイン演出表示装置13の右下方には、保留表示装置22が配設されている。保留表示装置22では、始動条件が成立したが開始条件が成立していないことで未だ実行されていない保留中の特別図柄変動ゲームの回数が表示される。以下の説明では、保留中の特別図柄変動ゲームの回数を「特別図柄保留数」と示す。
遊技板YCの前面において、正面から見たときにおけるメイン演出表示装置13の右下方には、複数種類の図柄として普通図柄を表示可能な普通図柄表示装置24が配設されている。普通図柄表示装置24では、普通図柄を変動させて行う図柄変動ゲームが表示される。以下の説明では、普通図柄を用いる図柄変動ゲームを「普通図柄変動ゲーム」と示す。普通図柄表示装置24では、普通図柄変動ゲームの開始と同時に普通図柄の変動表示が開始されるとともに、普通図柄変動ゲームの終了と同時に普通図柄が確定停止表示される。本実施形態の普通図柄変動ゲームでは、後述する普通当り判定の判定結果に応じた表示結果として普通図柄が確定停止表示される。普通図柄は、普通当りを認識し得る普通当り図柄(普通当り表示結果)と、普通はずれを認識し得る普通はずれ図柄(普通はずれ表示結果)とに分類される。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、普通当り判定で肯定判定されると、普通図柄変動ゲームにて普通当り図柄が確定停止表示された後に普通当り遊技が付与される。普通当り遊技では、開閉扉18が開状態となり、第2始動入賞口16へ遊技球を入球させ易くなる。このため、遊技者は、普通当り遊技中、特別図柄変動ゲームの始動条件と賞球の払出条件とを容易に獲得できるチャンスを得ることができる。
遊技板YCの前面において、正面から見たときにおけるメイン演出表示装置13の右方には、作動ゲート25が配設されている。作動ゲート25には、入球(通過)した遊技球を検知するゲートセンサSE4(図6に示す)が設けられている。本実施形態では、ゲートセンサSE4が遊技球を検知することで、普通図柄変動ゲームの始動条件が成立し得る。以下の説明では、始動条件が成立したが開始条件が成立していないことで未だ実行されていない保留中の普通図柄変動ゲームの回数を「普通図柄保留数」と示す。
そして、遊技盤YBには、所定の動作を行って可動体演出を実行可能な演出用の可動体が配設されている。本実施形態の可動体には、それぞれ配設位置や可動範囲を異ならせた複数の可動体として、横可動体40、下可動体50、及び上可動体60がある。以下、各可動体40,50,60について詳しく説明する。
最初に、横可動体40について説明する。
図2及び図3に示すように、横可動体40は、左可動体41及び右可動体42を含んで構成されている。各可動体41,42は、何れも表面に装飾が施された四角板状の可動体である。左可動体41は、収容空間S1内において、正面から見たときに開口部YCaの下縁部に沿うように設定された原位置Pc1と、正面から見たときに開口部YCaの左縁部に沿うように設定された演出位置Pc2との間で変位可能となるように、取付部材YDに対して組み付けられている。横可動体40は、例えばステッピングモータなどの横可動体アクチュエータA3(図6に示す)の作動によって原位置Pc1と演出位置Pc2との間で変位可能に構成されている。
また、右可動体42は、収容空間S1内において、正面から見たときに開口部YCaの下縁部に沿うように設定された原位置Pd1と、正面から見たときに開口部YCaの右縁部に沿うように設定された演出位置Pd2との間で変位可能となるように、取付部材YDに対して組み付けられている。なお、各原位置Pc1,Pd1は、左右方向に並んでいる。右可動体42は、横可動体アクチュエータA3(図6に示す)の作動によって原位置Pd1と演出位置Pd2との間で変位可能に構成されている。以下の説明では、横可動体40を構成する各可動体41,42を変位させて行う可動体演出を単に「第1可動体演出」と示す。
次に、下可動体50について説明する。
下可動体50は、前面に漢字の「大」の文字を模した装飾が施された四角板状の可動体である。収容空間S1内において、正面から見たときに開口部YCaの下縁部に沿った位置であって、左可動体41の原位置Pc1及び右可動体42の原位置Pd1の後方には、下可動体50を収容可能な図示しない収容部が設けられている。下可動体50は、収容空間S1内において、収容部内に設定された原位置Pe1と、該原位置Pe1の上方に設定された演出位置Pe2との間で変位可能となるように、取付部材YDに対して組み付けられている。
下可動体50は、例えばステッピングモータなどの下可動体アクチュエータA4(図6に示す)の作動によって原位置Pe1と演出位置Pe2との間で変位可能に構成されている。以下の説明では、下可動体50を変位させて行う可動体演出を単に「第2可動体演出」と示す。
次に、上可動体60について説明する。なお、ここでは、上可動体60の概略について説明し、上可動体60を変位させるための具体的な構成については後述する。
図3に示すように、上可動体60は、第1上可動体61及び第2上可動体71を含んで構成されている。第1上可動体61は、前面に漢字の「日」の文字を模した装飾が施されており、且つ左右方向に沿って延びる四角板状の可動体である。また、第2上可動体71は、前面に漢字の「取」の文字を模した装飾が施されており、且つ左右方向に沿って延びる四角板状の可動体である。このため、上可動体60は、正面から見たときに各上可動体61,71が上下方向に並ぶように配置されることで、「日」と「取」とで漢字の「最」の文字を遊技者に認識させ得るようになっている。
収容空間S1内において、正面から見たときに開口部YCaの上縁部より上方には、上可動体60を構成する各上可動体61,71を収容可能な図示しない収容部が設けられている。第1上可動体61は、収容空間S1内において、収容部内に設定された原位置Pf1と、該原位置Pf1の下方に設定された演出位置Pf2との間で変位可能となるように、取付部材YDに対して組み付けられている。第1上可動体61は、上可動体アクチュエータA5(図6に示す)の作動によって、原位置Pf1と演出位置Pf2との間で上下方向(垂直方向)に変位可能に構成されている。
また、第2上可動体71は、収容空間S1内において、第1上可動体61の原位置Pf1の後方に設定された原位置Pg1と、該原位置Pg1の下方であって、且つ第1上可動体61の演出位置Pf2の後下方に設定された演出位置Pg2との間で変位可能となるように、取付部材YDに対して組み付けられている。なお、各演出位置Pf2,Pg2は、正面から見たときに上下方向に隣接するように並んでいる。第2上可動体71は、上可動体アクチュエータA5の作動によって、原位置Pg1と演出位置Pg2との間で上下方向(垂直方向)に変位可能に構成されている。以下の説明では、各上可動体61,71を上下方向に沿って変位させて行う可動体演出を単に「第3可動体演出」と示す。本実施形態のパチンコ遊技機10では、第3可動体演出の実行に伴って、第1上可動体61が演出位置Pf2に位置し、且つ第2上可動体71が演出位置Pg2に位置した状態となることで、遊技者に対して「最」の文字を認識させ得るように構成されている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、上可動体60に装飾として施された「最」の文字(漢字)と、下可動体50に装飾として施された「大」の文字(漢字)との組合せにより、遊技者に対して「最大」の文字列を認識させ得るようになっている。また、本実施形態において、第2上可動体71の演出位置Pg2と、下可動体50の演出位置Pe2とは、一部が重なるように設定されている。このため、本実施形態において、第2可動体演出と第3可動体演出とは、同時に実行されないようになっている。本実施形態では、上下方向(垂直方向)が所定方向に対応する。また、本実施形態において、第2上可動体71は特定の可動体に対応するとともに、第1上可動体61は特定の可動体とは異なる可動体のうち一部の可動体に対応する。
本実施形態のパチンコ遊技機10において、第2上可動体71に施された「取」の文字が水平に配置されている状態は、予定された第3可動体演出の内容(演出内容)の一部となる。以下の説明では、第2上可動体71に施された「取」の文字が水平に配置されている状態となる第2上可動体71の姿勢を単に「基準姿勢BP」という。第2上可動体71の姿勢が基準姿勢BPである場合、第2上可動体71の長手方向と上下方向とは、直交している状態となる。また、以下の説明では、説明の便宜上、第2上可動体71の姿勢が基準姿勢BPである状態において上下方向と平行な仮想線を第2上可動体71の基準線BLとする。
以下、上可動体60を含み該上可動体60を変位させるための可動体ユニットKUについて詳しく説明する。可動体ユニットKUは、収容空間S1において、開口部YCaの上方であって、且つ遊技板YCの後側に位置するように、取付部材YDに対して組み付けられている。
図3に示すように、可動体ユニットKUは、左右方向に沿って延びる四角板状の可動体配設部材90を有する。可動体配設部材90は、正面から見たときに開口部YCaの上縁部より上方であって、且つ遊技板YCの後側に位置するように、取付部材YDに対して固定されている。
図4に示すように、可動体配設部材90の前面には、左右方向に沿って延びる略板状の前板92が全体として可動体配設部材90から離間した状態で配設されている。このため、可動体配設部材90と前板92との間には、各種の構成部材を収容可能な収容空間S2が形成されている。前板92は、可動体配設部材90と平行に延びる板状の第1壁92aと、左右方向における第1壁92aの両縁部から可動体配設部材90に向かって延びる板状の2つの第2壁92bと、各第2壁92bから左右方向の外側へ向かってそれぞれ延びる板状の第3壁92cとを有する。
前板92の第1壁92aは、それぞれ上下方向に沿って延びる第1挿通孔95a、第2挿通孔95b、第3挿通孔95c、及び第4挿通孔95dを有する。第1挿通孔95a、第2挿通孔95b、第3挿通孔95c、及び第4挿通孔95dは、この順で左から並ぶように配置されている。また、各挿通孔95a〜95dは、互いに平行に延びるように配置されている。なお、本実施形態において、各挿通孔95a〜95dが延びる方向は、第1上可動体61の変位(動作)方向となる。
また、本実施形態の第1上可動体61の裏面には、左右方向に幅があるとともに上下方向に延びる略板状の延出部として、第1延出部62aと第2延出部62bとが取り付けられている。第1延出部62aは、第1上可動体61の左端部に取り付けられている。また、第2延出部62bは、第1上可動体61の右端部に取り付けられている。そして、第1延出部62a及び第2延出部62bは、その各上端が第1上可動体61の上端よりも上方に突出するように配設されている。また、第1延出部62aは、それぞれ後方に向かって延びる第1挿通ピン63a及び第2挿通ピン63bを有する。第1挿通ピン63a及び第2挿通ピン63bは、第1延出部62aの上端部において左右方向に並ぶように配設されている。また、第2延出部62bは、それぞれ後方に向かって延びる第3挿通ピン63c及び第4挿通ピン63dを有する。第3挿通ピン63c及び第4挿通ピン63dは、第2延出部62bの上端部において左右方向に並ぶように配設されている。また、第1挿通ピン63a、第2挿通ピン63b、第3挿通ピン63c、及び第4挿通ピン63dは、この順で左から並ぶように配設されている。
第1挿通ピン63aは第1挿通孔95aに、第2挿通ピン63bは第2挿通孔95bに、第3挿通ピン63cは第3挿通孔95cに、第4挿通ピン63dは第4挿通孔95dにそれぞれ挿通された状態で、上下方向に沿って摺動可能に係合されている。つまり、第1上可動体61は、各挿通ピン63a〜63dが対応する各挿通孔95a〜95dにそれぞれ係合された状態で前板92の第1壁92aに対して取り付けられている。このため、第1上可動体61は、前板92に対して、各挿通孔95a〜95dの延びる方向、即ち、上下方向に沿って変位可能に取り付けられている。なお、本実施形態の第1上可動体61の原位置Pf1は、各挿通ピン63a〜63dが各挿通孔95a〜95dの上端にそれぞれ接しているときの第1上可動体61の位置である。また、本実施形態の第1上可動体61の演出位置Pf2は、各挿通ピン63a〜63dが各挿通孔95a〜95dの下端にそれぞれ接しているときの第1上可動体61の位置である。
また、図4及び図5に示すように、第1上可動体61は、前板92の第1壁92aの裏面、即ち収容空間S2において、第2挿通ピン63b及び第3挿通ピン63cの先端同士を連結する板部64を有する。板部64は、左右方向に延びる第1板64aと、第1板64aの上端から後方に向かって延びる第2板64bと、を有する。第2板64bは、下面が左方から右方に向かうにつれて下方に突出するように傾斜している。また、第2板64bは、第1上可動体61の上端よりも後上方に配設されている。そして、第1上可動体61と板部64とは、一体に変位するように取り付けられている。
また、図4に示すように、前板92において、左右方向における第1壁92aの上縁部の中央には、第1取付部96が配設されている。第1取付部96には、上下方向に沿って延びている取付ばね96aの基端が取り付けられている。また、取付ばね96aの先端は、第1上可動体61の裏面に配設されている第2取付部65に取り付けられている。このため、取付ばね96aは、第1上可動体61を前板92に対して上方に付勢する。なお、本実施形態において取付ばね96aが付勢する力は、第1上可動体61にかかる重力よりも小さい。
図4及び図5に示すように、可動体配設部材90の前面には、上可動体アクチュエータA5が固定されている。なお、図5では、説明の為、可動体配設部材90の一部の図示を省略している。本実施形態の上可動体アクチュエータA5は、ステッピングモータである。上可動体アクチュエータA5は、出力軸が後方に向かって突出している。そして、上可動体アクチュエータA5は、駆動信号の入力によって、出力軸が遊技者側から見て右回り又は左回りに回転可能に構成されている。
図5に示すように、上可動体アクチュエータA5の出力軸には、第1ギア97aが出力軸と一体に回転可能に固定されている。また、可動体配設部材90には、第1ギア97aと噛合する第2ギア97b、及び該第2ギア97bと噛合する駆動ギア98がそれぞれ中心線まわりで回転可能となるように固定されている。本実施形態の上可動体アクチュエータA5、及び各ギア97a,97b,98は、可動体配設部材90において、左右方向における可動体配設部材90の中央よりも右方に配設されている。
駆動ギア98の前面には、円盤状のギアベース部98aが配設されている。また、ギアベース部98aにおいて、該ギアベース部98aの中心から離間した位置には、前方に向かって突出する摺動ピン98bが配設されている。また、可動体配設部材90の前面には、前方に向かって突出する支軸99が配設されている。本実施形態の支軸99は、前述した駆動ギア98の右方に配設されている。
また、可動体ユニットKUは、各種の構成部材として細長い板状のアーム部材110を有する。本実施形態のアーム部材110はわずかに屈曲しており、基端から延びる第1腕部110aと、該第1腕部110aの先端に位置する屈曲部110bと、該屈曲部110bから第1腕部110aの延びる方向と交差する方向に延びる第2腕部110cと、を有する。第2腕部110cは、第2上可動体71が原位置Pg1に位置している状態において、可動体配設部材90の上端に沿って延びている。また、第1腕部110aは、その基端部に軸孔111を有する。軸孔111には、前述した支軸99が挿通されている。これにより、アーム部材110は、可動体配設部材90に対して支軸99を回動軸(回動中心)として回動可能に支持されている。つまり、本実施形態の支軸99は、可動体配設部材90とアーム部材110との取付部に対応する。
また、第1腕部110aは、軸孔111よりも先端側に摺動孔112を有する。摺動孔112には、前述した摺動ピン98bが係合されている。また、摺動孔112は、第1腕部110aが延びる方向に沿って延びる長孔である。このため、摺動ピン98bは、摺動孔112に対して摺動孔112が延びる方向に沿って摺動可能に係合されている。また、本実施形態の摺動ピン98bの中心は、第2上可動体71が原位置Pg1に位置している状態において、駆動ギア98の回転中心から摺動孔112の延びる方向と直交するように延びる仮想線KLよりもわずかに右回りに回動した方向に位置するように配設されている。また、第2腕部110cの先端部、即ち、アーム部材110において軸孔111から離間した位置には、前方に向かって突出する第1係合部としての係合ピン113が配設されている。
本実施形態の第2上可動体71は、該第2上可動体71の裏面に、前述したアーム部材110の係合ピン113と係合可能な第2係合部としての係合孔72を有する。このため、第2上可動体71は、係合孔72とアーム部材110の係合ピン113とが係合された状態で、アーム部材110に取り付けられている。換言すれば、アーム部材110において、軸孔111から離間した位置には第2上可動体71が取り付けられている。また、本実施形態の係合孔72は、第2上可動体71とアーム部材110との取付部に対応する。係合孔72は、基準線BLに対して交差する方向に沿って延びる長孔である。なお、基準線BLは、後述のように上下方向と平行にならない場合があるものの、この場合であっても上下方向に対してわずかに傾斜するのみである。つまり、基準線BLは常に上下方向と平行又は略平行となる。このため、本実施形態の係合孔72は、上下方向と交差する方向に沿って延びていることとなる。このため、係合ピン113は、係合孔72に対し、上下方向と交差する方向に沿って摺動可能に係合している。
また、可動体配設部材90の前面には、第3取付部100が配設されている。第3取付部100は、その右面に取付面100aを有する。取付面100aは、左右方向と直交する平面上に延びている。即ち、取付面100aは、上下方向と平行に延びている。第3取付部100は、前述した駆動ギア98及び支軸99よりも左方に配設されている。また、第3取付部100と支軸99とは、可動体配設部材90において左右方向における第2上可動体71の中央を挟んで互いに反対側に配設されている。本実施形態の第3取付部100は、例えばポリカーボネート製の部材である。
また、可動体ユニットKUは、各種の構成部材としてのスライドユニット120を有する。スライドユニット120は、複数のスライド部材を有し、全体として伸縮可能に構成されている。本実施形態の複数のスライド部材には、第1スライド部材121と、第2スライド部材122と、第3スライド部材123と、第4スライド部材124とがある。また、本実施形態のスライドユニット120は、スライド部材同士を連結させる第1連結部材125と、第2連結部材126と、第3連結部材127とを有する。本実施形態の各スライド部材121〜124及び各連結部材125〜127は、何れもスライドユニット120の伸縮方向に延びる略直方体型の部材である。本実施形態の各スライド部材121〜124、第1連結部材125、及び第3連結部材127は、例えば金属製の部材である。また、本実施形態の第2連結部材126は、例えばポリカーボネート製の部材である。このため、本実施形態のスライドユニット120は、全体として伸縮するのに十分な強度を有している。
第1スライド部材121の左面と、前述した第3取付部100の取付面100aとは、相互に固定されている。また、第1スライド部材121の左面と、取付面100aとは、第1スライド部材121の長手方向が取付面100aと平行になるように相互に固定されている。即ち、本実施形態の取付面100aは、可動体配設部材90とスライドユニット120との取付部に対応する。第1スライド部材121及び第2スライド部材122は、何れも第1連結部材125に対して該第1連結部材125が延びる方向に沿って摺動(スライド)可能な状態で連結されている。つまり、第1スライド部材121及び第2スライド部材122は、第1連結部材125を介して、該第1連結部材125が延びる方向に沿って互いに摺動可能である。また、第2スライド部材122及び第3スライド部材123は、何れも第2連結部材に対して固定されている。
また、第3スライド部材123及び第4スライド部材124は、何れも第3連結部材127に対して該第3連結部材127の延びる方向に沿って摺動可能な状態で連結されている。つまり、第3スライド部材123及び第4スライド部材124は、第3連結部材127を介して、該第3連結部材127の延びる方向に沿って互いに摺動可能である。このように、本実施形態のスライドユニット120は、第1スライド部材121と第2スライド部材122との間での摺動、及び第3スライド部材123と第4スライド部材124との間での摺動によって、多段(本実施形態では、2段階)に伸縮自在に構成されている。
第1スライド部材121、第1連結部材125、第2スライド部材122、第2連結部材126、第3スライド部材123、第3連結部材127、第4スライド部材124は、この順で左から並ぶように配設されている。また、第2上可動体71が原位置Pg1に位置している場合において、各スライド部材121〜124及び各連結部材125〜127は、各部材121〜127の長手方向が互いに平行になるように配設されている。また、前述のように、第1スライド部材121は、その長手方向が上下方向と平行に延びる第3取付部100の取付面100aと平行になっている。このため、第2上可動体71が原位置Pg1に位置している場合において、スライドユニット120における各部材121〜127は、何れも長手方向が上下方向と平行になっている。したがって、スライドユニット120は、原則として上下方向に沿って伸縮自在に構成されている。なお、本実施形態において、第1スライド部材121の上端は、スライドユニット120全体としての基端に対応するとともに、第4スライド部材124の下端は、スライドユニット120全体としての先端に対応する。即ち、本実施形態のスライドユニット120は、その基端側が可動体配設部材90に取り付けられている一方で先端側が第2上可動体71に取り付けられている。
また、第1スライド部材121と第1連結部材125との連結部、及び第2スライド部材122と第1連結部材125との連結部において、各部材121,122,125の間にはクリアランスがある。同様に、第3スライド部材123と第3連結部材127との連結部、及び第4スライド部材124と第3連結部材127との連結部において、各部材123,124,127の間にはクリアランスがある。このため、本実施形態のスライドユニット120は、各部材の間に設けられたクリアランスの分だけ、全体として左右方向にたわむ場合がある。本実施形態において、スライドユニット120が全体として左右方向にたわむ幅は、スライドユニット120が全体として上下方向に伸縮する長さと比較して十分に短くなっている。即ち、本実施形態のスライドユニット120において、各部材121〜127は、左右方向への変位が規制されるようになっている。
第2上可動体71の裏面には、第4取付部73が配設されている。第4取付部73は、その左面に第4スライド部材124を取り付けるための取付面73aを有する。つまり、本実施形態の取付面73aは、第2上可動体71とスライドユニット120との取付部に対応する。また、本実施形態の第4スライド部材124は、第2上可動体71に取り付けられている特定のスライド部材に対応する。本実施形態において、取付面73aと第4スライド部材124の右面とは、互いに固定されている。また、本実施形態の取付面73aは、第2上可動体71の裏面において、係合孔72よりも、左右方向において支軸99とは反対側に位置している。本実施形態の第4取付部73は、第3取付部100と同様に、例えばポリカーボネート製の部材である。このため、本実施形態の各取付部73,100は、全体として伸縮するスライドユニット120を取り付けるのに十分な強度を有している。
取付面73aは、基準線BLに対して、第2上可動体71の下端部74に向かうにつれて、遊技者から見て右側に向かうように、即ち、支軸99のある方向に近接するように角度θだけ傾斜されている。また、取付面73aと第4スライド部材124の右面とは、取付面73aが第4スライド部材124の長手方向と平行になるように相互に固定されている。つまり、第4スライド部材124は、基準線BLに対して、第4スライド部材124の下端に向かうにつれて支軸99に近接するように角度θだけ傾斜された状態で第2上可動体71に取り付けられている。本実施形態において、取付面73aが基準線BLに対して傾斜される角度θは、例えば3°である。
また、前述のように、第2上可動体71が原位置Pg1に位置している状態において、第4スライド部材124は、その長手方向が上下方向と平行になるように構成されているため、第4スライド部材124の長手方向と平行に固定されている取付面73aも上下方向と平行になる。したがって、第2上可動体71が原位置Pg1に位置している状態において、基準線BLは第2上可動体71の下端部74に向かうにつれて支軸99から離間するように上下方向に対して角度θだけ傾斜されている。つまり、第2上可動体71は、原位置Pg1において、基準線BLが傾斜される分だけ第2上可動体71全体として傾斜される。
第2上可動体71の原位置Pg1は、収容空間S2内に設定されている。また、第2上可動体71は、第1上可動体61の板部64のうち第2板64bの下方に第2上可動体71の上端部75が位置するように配設されている。換言すれば、第1上可動体61の板部64のうち第2板64bは、第2上可動体71の上端部75の上方に配設されている。つまり、第2上可動体71の上端部75は、第2板64bと係合可能に構成されている。また、前述のように、第2板64bは、第1上可動体61の後上方に位置している。したがって、第2上可動体71は、第2上可動体71の上端部75が第1上可動体61の板部64のうち第2板64bと係合する場合に、第1上可動体61と前後方向に並ぶように構成されている。本実施形態において、上端部75は特定係合部に対応するとともに、第2板64bは上端部75と係合可能な特別係合部に対応する。
また、アーム部材110において、摺動孔112の左方には、前方に向かって突出する検出片114が配設されている。また、第3壁92cの裏面において、可動体配設部材90に配設されている駆動ギア98の左上方には、アーム部材110の検出片114を検出可能な原位置センサSE5(図6に示す)が配設されている。原位置センサSE5は、例えばフォトセンサである。原位置センサSE5は、第2上可動体71が原位置Pg1に位置している場合に、アーム部材110の検出片114を検出するように構成されている。そして、原位置センサSE5は、検出片114を検出すると、第2上可動体71が原位置Pg1に位置していることを示す検出信号を出力可能に構成されている。
以上のように、本実施形態において、可動体配設部材90及び前板92には、上可動体60を含む各種の構成部材が取り付けられている。なお、本実施形態の可動体配設部材90及び前板92はベース部材に対応する。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御構成について説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、主制御基板200が装着されている。主制御基板200は、パチンコ遊技機10における遊技に関する処理を実行するとともに、該処理の結果に応じて各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。また、パチンコ遊技機10の機裏側には、演出制御基板300が装着されている。演出制御基板300は、主制御基板200が出力した制御信号に基づいて、遊技演出の実行に関する処理を実行する。即ち、演出制御基板300は、メイン演出表示装置13の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)、装飾ランプSRの発光態様、及びスピーカSPの音声出力態様を制御する。
まず、主制御基板200について詳しく説明する。
図6に示すように、主制御基板200には、主制御用CPU200a、主制御用ROM200b、主制御用RAM200c、及び乱数生成回路200dが備えられている。主制御用CPU200aには、主制御用ROM200b、主制御用RAM200c、及び乱数生成回路200dが接続されている。また、主制御用CPU200aには、第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、カウントセンサSE3、及びゲートセンサSE4が接続されている。また、主制御用CPU200aには、特別図柄表示装置11、保留表示装置22、及び普通図柄表示装置24が接続されている。また、主制御用CPU200aには、普通電動役物アクチュエータA1及び大入賞口アクチュエータA2が接続されている。
主制御用ROM200bには、主制御用CPU200aが遊技に関する処理を実行するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM200bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、特別図柄が変動を開始してから特別図柄が確定停止表示される迄の間の遊技演出のベースとなるパターンを示すものである。即ち、変動パターンは、特別図柄の変動が開始されてから特別図柄が確定停止表示される迄の変動時間(演出時間)を特定可能である。また、変動パターンは、特別図柄の変動が開始されてから特別図柄が確定停止表示される迄の遊技演出の変動内容(演出内容)を特定可能である。また、主制御用ROM200bには、各種の判定値が記憶されている。詳しく説明すると、主制御用ROM200bには、大当り判定に用いられる大当り判定値、普通当り判定に用いられる普通当り判定値、リーチ演出の実行を許容するか否かのリーチ判定に用いられるリーチ判定値が記憶されている。
また、主制御用RAM200cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。また、主制御用CPU200aは、各種のソフトウェア乱数の値を所定の制御周期(割込み周期)毎に更新し、主制御用RAM200cに記憶させる乱数更新処理(ソフトウェア乱数生成処理)を実行する。ソフトウェア乱数は、リーチ判定に用いるリーチ判定用乱数や、特別図柄の大当り図柄を決定するときに用いる大当り図柄用乱数や、変動パターンを振り分けるときに用いられる変動パターン振分用乱数となる。乱数生成回路200dは、マイクロプロセッサに搭載された図示しないクロック回路から供給される内部システムクロック(例えば10MHz)の1周期毎に値を1更新することにより、ハードウェア乱数を生成する。ハードウェア乱数は、大当り判定に用いる大当り判定用乱数や、普通当り判定に用いる普通当り判定用乱数となる。
次に、演出制御基板300について説明する。
演出制御基板300には、演出制御用CPU300a、演出制御用ROM300b、及び演出制御用RAM300cが備えられている。演出制御用CPU300aには、演出制御用ROM300b及び演出制御用RAM300cが接続されている。また、演出制御用CPU300aには、メイン演出表示装置13、第1サブ演出表示装置30、第2サブ演出表示装置35、装飾ランプSR、スピーカSP、及び原位置センサSE5が接続されている。
演出制御用CPU300aは、各種のソフトウェア乱数の値を所定の制御周期(割込み周期)毎に更新し、演出制御用RAM300cに記憶させる乱数更新処理(ソフトウェア乱数生成処理)を実行する。演出制御用ROM300bには、遊技演出の実行などに関する処理を実行するための演出制御プログラムが記憶されている。演出制御用ROM300bには、表示演出用の表示演出データ(図柄、背景画像、文字、及びキャラクタなどの各種の画像データ)、音声演出用の音声演出データ(楽曲や効果音などの音声データ)、及び発光演出用の発光演出データ(点灯パターンなどの発光データ)が記憶されている。演出制御用RAM300cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。
また、演出制御用CPU300aには、横可動体40を動作させる横可動体アクチュエータA3が接続されている。同様に、演出制御用CPU300aには、下可動体50を動作させる下可動体アクチュエータA4及び上可動体60を動作させる上可動体アクチュエータA5がそれぞれ接続されている。そして、演出制御用CPU300aは、各アクチュエータA3〜A5に対して駆動信号を出力することにより、各アクチュエータA3〜A5を作動させる。これにより、演出制御用CPU300aは、各可動体40,50,60の動作を制御し、各可動体演出を実行させる。また、演出制御用CPU300aには、原位置センサSE5が接続されている。演出制御用CPU300aは、原位置センサSE5が検出片114を検出したときに出力する検出信号を入力したか否かにより、第2上可動体71が原位置Pg1に位置しているか否かを特定できる。
次に、メイン制御プログラムに基づいて、主制御基板200の主制御用CPU200aが実行する制御内容について説明する。
主制御用CPU200aは、第1始動入賞口14及び第2始動入賞口16の何れかに遊技球が入球し、各始動センサSE1,SE2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM200cに記憶されている特別図柄保留数が上限数の4未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(特別図柄保留数<4)の場合、主制御用CPU200aは、特別図柄保留数に1加算し、特別図柄保留数を書き換える。また、主制御用CPU200aは、保留判定を肯定判定している場合、各種乱数の値を取得するとともに、該取得した各種乱数の値を、該各種乱数の値を記憶させた順序と、最先に記憶された各種乱数の値が何れであるかと、を特定可能となるように主制御用RAM200cに記憶させる。このとき、主制御用CPU200aは、大当り判定用乱数の値、大当り図柄用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、及び変動パターン振分用乱数の値を取得する。一方、主制御用CPU200aは、保留判定の判定結果が否定(特別図柄保留数=4)の場合、上限数を超える特別図柄保留数の書き換えを行わないとともに、各種乱数の値を取得しない。
そして、主制御用CPU200aは、特別図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM200cに記憶されている各種乱数の値のうち、最先に記憶された各種乱数の値(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、及び変動パターン振分用乱数の値)を取得する。
次に、主制御用CPU200aは、取得した大当り判定用乱数の値と、大当り判定値とが一致するか否かの大当り判定を行う。大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致する場合、主制御用CPU200aは、大当り図柄用乱数の値に基づいて特別図柄による大当り図柄の中から特別図柄表示装置11にて確定停止表示させる確定停止図柄を決定するとともに、変動パターン振分用乱数の値に基づいて大当り演出用の変動パターンを決定する。
一方、大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致しない場合、主制御用CPU200aは、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とが一致するか否かのリーチ判定を行う。リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とが一致する場合、主制御用CPU200aは、特別図柄表示装置11にて確定停止表示させる確定停止図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ演出用の変動パターンを決定する。一方、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とが一致しない場合、主制御用CPU200aは、特別図柄表示装置11にて確定停止表示させる確定停止図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ演出用の変動パターンを決定する。
また、主制御用CPU200aは、演出制御基板300に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に、主制御用CPU200aは、変動パターンを指示するとともに飾り図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドや、特別図柄を指示する特別図柄指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU200aは、指定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、飾り図柄の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
次に、演出制御プログラムに基づいて、演出制御基板300の演出制御用CPU300aが実行する各種処理について説明する。演出制御用CPU300aは、主制御用CPU200aから制御コマンドを入力すると、その制御コマンドに応じて各種処理を実行する。
最初に、飾り図柄変動処理について説明する。
飾り図柄変動処理において、演出制御用CPU300aは、特別図柄指定コマンドを入力すると、特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づき、メイン演出表示装置13に確定停止表示させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定する。演出制御用CPU300aは、特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄が大当り図柄である場合には、大当りの図柄組み合わせを決定する。
また、演出制御用CPU300aは、指定された最終停止図柄がはずれ図柄である場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づいてメイン演出表示装置13に確定停止表示させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定する。即ち、演出制御用CPU300aは、指定された最終停止図柄がはずれ図柄である場合であって、はずれリーチ演出用の変動パターンが指定されたときには、はずれリーチの図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU300aは、指定された最終停止図柄がはずれ図柄である場合であって、はずれ演出用の変動パターンが指定されたときには、はずれの図柄組み合わせを決定する。
また、演出制御用CPU300aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、全図柄列の飾り図柄の変動表示を開始させ、飾り図柄変動ゲームが開始されるようにメイン演出表示装置13の表示内容を制御する。演出制御用CPU300aは、所定のタイマにより、飾り図柄変動ゲームの開始時からの経過時間を計測するとともに、該計測結果に基づいて可動体演出の開始タイミングなど、各種制御のタイミングを把握する。可動体演出の開始タイミングは、例えばリーチ演出の実行タイミングなどである。また、演出制御用CPU300aは、入力した変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づいて、飾り図柄変動ゲームの具体的な演出内容を特定するとともに、該特定した演出内容で飾り図柄変動ゲームが表示されるようにメイン演出表示装置13の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU300aは、全図柄停止コマンドの入力を契機として、決定した飾り図柄を確定停止表示させるようにメイン演出表示装置13を制御する。
次に、可動体演出を実行するための処理について説明する。なお、本実施形態の可動体演出は、図柄変動ゲームの実行中に、該図柄変動ゲームにおいて大当りとなる可能性の高低を示す大当り期待度を遊技者に報知する演出(所謂、大当り予告演出)として実行される。
演出制御用CPU300aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、各可動体演出を実行するか否かの演出判定を実行する。この演出判定において可動体演出を実行しないと判定した場合、演出制御用CPU300aは、各可動体演出を実行させる制御を行わない。
一方で、演出判定において可動体演出を実行すると判定した場合、演出制御用CPU300aは、可動体演出の演出態様を特定可能な演出パターンを抽選により決定する。本実施形態の演出パターンには、第1可動体演出及び第2可動体演出を実行する第1演出パターンと、第1可動体演出、第2可動体演出、及び第3可動体演出を実行する第2演出パターンと、がある。本実施形態において、第2演出パターンは、第1演出パターンよりも演出パターンの決定割合の全体に占める大当り演出用の変動パターンが指定されているときの決定割合が高くなる。即ち、本実施形態では、第2演出パターンが決定された場合の方が第1演出パターンが決定された場合よりも大当り期待度が高いことが報知されるようになっている。そして、演出制御用CPU300aは、演出パターンを決定すると、決定した演出パターンに従って、図柄変動ゲームの実行中に各可動体演出を実行させる制御を行う。
次に、可動体演出を実行させるための具体的な制御について説明する。
まず、第1演出パターンが決定された場合に演出制御用CPU300aが行う制御について説明する。
演出制御用CPU300aは、可動体演出の開始タイミングになると、横可動体アクチュエータA3に対して駆動信号を出力することで、左可動体41を原位置Pc1から演出位置Pc2に変位させるとともに、右可動体42を原位置Pd1から演出位置Pd2に変位させる。これにより、演出制御用CPU300aは第1可動体演出を開始させる。次に、演出制御用CPU300aは、下可動体アクチュエータA4に対して駆動信号を出力することで、下可動体50を原位置Pe1から演出位置Pe2に変位させる。これにより、演出制御用CPU300aは第2可動体演出を開始させる。
その後、演出制御用CPU300aは、下可動体アクチュエータA4に対して駆動信号を出力することで、下可動体50を演出位置Pe2から原位置Pe1に変位させる。これにより、演出制御用CPU300aは第2可動体演出を終了させる。続いて、演出制御用CPU300aは、横可動体アクチュエータA3に対して駆動信号を出力することで、左可動体41を演出位置Pc2から原位置Pc1に変位させるとともに、右可動体42を演出位置Pd2から原位置Pd1に変位させる。これにより、演出制御用CPU300aは第1可動体演出を終了させる。
このような制御により、演出制御用CPU300aは、第1演出パターンに基づく可動体演出を実行させる。また、このような制御により、第1演出パターンに基づく可動体演出では、左可動体41を演出位置Pc2に、右可動体42を演出位置Pd2にそれぞれ変位させた状態で、下可動体50を演出位置Pe2に変位させることができる。これにより、第1演出パターンに基づく可動体演出では、遊技者に対して「大」の文字を認識させることができるようになっている。
次に、第2演出パターンが決定された場合に演出制御用CPU300aが行う制御について説明する。
演出制御用CPU300aは、可動体演出の開始タイミングになると、第1演出パターンが決定された場合の制御と同様にして、第2可動体演出を終了させるまでの制御を行う。そして、演出制御用CPU300aは、第2可動体演出を終了させた後、第1可動体演出を実行させたまま、即ち、左可動体41を演出位置Pc2に、右可動体42を演出位置Pd2にそれぞれ変位させたまま、上可動体アクチュエータA5に対して駆動信号を出力することで、上可動体60を原位置から演出位置に変位させる。このとき、演出制御用CPU300aは、第1上可動体61を原位置Pf1から演出位置Pf2に変位させるとともに、第2上可動体71を原位置Pg1から演出位置Pg2に変位させる。これにより、演出制御用CPU300aは第3可動体演出を開始させる。
その後、演出制御用CPU300aは、上可動体アクチュエータA5に対して駆動信号を出力することで、上可動体60を演出位置から原位置に変位させる。このとき、演出制御用CPU300aは、第1上可動体61を演出位置Pf2から原位置Pf1に変位させるとともに、第2上可動体71を演出位置Pg2から原位置Pg1に変位させる。これにより、演出制御用CPU300aは、第3可動体演出を終了させる。続いて、演出制御用CPU300aは、横可動体アクチュエータA3に対して駆動信号を出力することで、左可動体41を演出位置Pc2から原位置Pc1に変位させるとともに、右可動体42を演出位置Pd2から原位置Pd1に変位させる。これにより、演出制御用CPU300aは第2可動体演出を終了させる。
このような制御により、演出制御用CPU300aは、第2演出パターンに基づく可動体演出を実行させる。また、第2演出パターンに基づく可動体演出では、下可動体50を演出位置Pe2から原位置Pe1に変位させた後、左可動体41を演出位置Pc2に、右可動体42を演出位置Pd2にそれぞれ変位させたまま、第1上可動体61を演出位置Pf2に、第2上可動体71を演出位置Pg2にそれぞれ変位させることができる。これにより、第2演出パターンに基づく可動体演出では、「最」の文字の下方に「大」の文字が並ぶように位置させ、遊技者に対して「最大」の文字列を認識させることができるようになっている。
以下、第3可動体演出の実行中における上可動体60の動作について、その作用とともに詳しく説明する。
まず、図7に従って、第2上可動体71の動作について説明する。第3可動体演出の開始タイミングにおいて演出制御用CPU300aから上可動体アクチュエータA5に駆動信号が入力されると、上可動体アクチュエータA5の出力軸は遊技者から見て左回り(矢印Y1に示す方向)に回転される。上可動体アクチュエータA5の出力軸が左回りに回転されると、各ギア97a、97bによって運動が伝達され、駆動ギア98は左回りに回転される。また、摺動ピン98bは、駆動ギア98が左回りに回転されることに伴って駆動ギア98の中心線まわりで左回りに回動されるとともに、摺動孔112内を摺動しつつアーム部材110を押し下げる。これに伴って、アーム部材110が支軸99を回動軸(回動中心)として左回りに回動することから、アーム部材110の係合ピン113は、支軸99を回動軸として、円弧状の軌跡Ksを描くように左回りに回動される。このため、係合ピン113は、係合孔72内を摺動しつつ第2上可動体71を押し下げる。
また、第3可動体演出の終了タイミングにおいて演出制御用CPU300aから上可動体アクチュエータA5に駆動信号が入力されると、上可動体アクチュエータA5の出力軸は遊技者側から見て右回り(矢印Y2に示す方向)に回転される。上可動体アクチュエータA5の出力軸が右回りに回転されると、各ギア97a,97bによって運動が伝達され、駆動ギア98が右回りに回転される。また、摺動ピン98bは、駆動ギア98が右回りに回転されることに伴って駆動ギア98の中心線まわりで右回りに回動されるとともに、摺動孔112内を摺動しつつアーム部材110を押し上げる。これに伴って、アーム部材110が支軸99を回動軸として右回りに回動することから、アーム部材110の係合ピン113は、支軸99を回動軸として、円弧状の軌跡Ksを描くように右回りに回動される。このため、係合ピン113は、係合孔72内を摺動しつつ第2上可動体71を押し上げる。
このように、アーム部材110は、上可動体アクチュエータA5が発生させる回転運動を、支軸99を回動軸として回動する運動に変換する。つまり、本実施形態の上可動体アクチュエータA5は、アーム部材110を回動させるアクチュエータに対応する。そして、第2上可動体71は、アーム部材110が回動されて係合ピン113が円弧状の軌跡Ksを描くように変位されるのに伴って変位される。
また、アーム部材110の係合ピン113は円弧状の軌跡Ksを描くように変位するため、係合ピン113が変位する方向は、円弧状の軌跡Ksの接線方向となる。このため、本実施形態において、係合ピン113が変位する方向は、係合ピン113が下方に変位するほど上下方向に対して左右に傾斜した方向となる。つまり、本実施形態において、係合ピン113が変位する方向は上下方向と交差する方向となることがある。
これに対し、本実施形態の係合ピン113は、前述のように、係合孔72の延びる方向、即ち上下方向と交差する方向に沿って摺動可能である。したがって、円弧状の軌跡Ksを描くように係合ピン113が変位する場合、係合ピン113と係合孔72とが上下方向に係合することによって、第2上可動体71は上下方向に沿って変位される。一方、円弧状の軌跡Ksを描くように係合ピン113が変位する場合、係合ピン113は係合孔72と上下方向と交差する方向に係合することなく、上下方向と交差する方向に沿って係合孔72に対して相対的に摺動する。このため、第2上可動体71は上下方向と交差する方向に変位されることが抑制される。
また、前述のように、係合ピン113が係合孔72の延びる方向に沿って摺動可能であっても、係合ピン113と係合孔72の縁部との間に摩擦が加わる場合など、第2上可動体71に対して上下方向と交差する方向に力が加わることがある。このため、アーム部材110の回動に伴って第2上可動体71を原位置Pg1から演出位置Pg2へ変位させるときに、第2上可動体71には、左右方向のうち支軸99のある方向(矢印Y3に示す方向)へ向かうように力が加わることがある。
これに対し、本実施形態の第2上可動体71には、可動体配設部材90に対して上下方向に沿って伸縮自在に構成されたスライドユニット120が取り付けられている。また、前述のように、スライドユニット120は、全体として上下方向に伸縮自在に構成されており、左右方向への変位が規制されている。このため、アーム部材110の回動に伴って第2上可動体71が押し下げられる場合、スライドユニット120は、全体として下方に伸びつつ、第2上可動体71がスライドユニット120の伸びる方向に沿って変位するように案内する。また、アーム部材110の回動に伴って第2上可動体71が押し上げられる場合、スライドユニット120は、全体として上方に縮みつつ、第2上可動体71がスライドユニット120の縮む方向に沿って変位するように案内する。
このように、スライドユニット120は、第2上可動体71がアーム部材110の回動に伴って変位されると、第2上可動体71の変位に伴って上下方向に沿って伸縮しつつ、第2上可動体71が上下方向に沿って変位するように案内する。したがって、第2上可動体71は、上下方向とは異なる方向に変位されることが抑制される。
また、前述のように、スライドユニット120の第1スライド部材121及び第2スライド部材122と第1連結部材125との連結部において、各部材121,122,125の間にはクリアランスが設けられている。同様に、スライドユニット120の第3スライド部材123及び第4スライド部材124と第3連結部材127との連結部において、各部材123,124,127の間にはクリアランスが設けられている。このため、本実施形態のスライドユニット120は、各部材の間に設けられたクリアランスの分だけ、左右方向にたわむ場合がある。また、スライドユニット120の第4スライド部材124は、第2上可動体71の第4取付部73に固定されている。このため、第2上可動体71が原位置Pg1から演出位置Pg2へ変位されるのに伴って、第2上可動体71に対して支軸99のある方向へ向かうように力が加わる場合、第4スライド部材124は、該第4スライド部材124の下端に向かうにつれて支軸99に近接するように傾斜される場合がある。したがって、本実施形態の第2上可動体71は、第4スライド部材124の傾斜に伴って、演出位置Pg2において、第2上可動体71が原位置Pg1に位置している状態と比較して基準線BLが第2上可動体71の下端部74に向かうにつれて支軸99に近接するように傾斜される場合がある。
このため、仮に、基準線BLが第4スライド部材124の長手方向と平行になるように、第2上可動体71と第4スライド部材124とが相互に固定されている場合、基準線BLは、第2上可動体71が演出位置Pg2に位置する状態において、第2上可動体71の下端部74に向かうにつれて支軸99に近接するように傾斜される。即ち、第2上可動体71は、演出位置Pg2において、基準姿勢BPに対して傾斜された姿勢(BPa)となる。
これに対し、本実施形態の第2上可動体71の基準線BLは、前述のように、第2上可動体71が原位置Pg1に位置している状態において、第2上可動体71の下端部74に向かうにつれて支軸99から離間するように、上下方向に対して角度θだけ傾斜されている。つまり、本実施形態の第2上可動体71は、原位置Pg1において、基準姿勢BPに対して、アーム部材110の回動に伴って演出位置Pg2に変位される場合に傾斜される方向とは反対方向に予め傾斜されている。なお、本実施形態における角度θは、演出位置Pg2において、原位置Pg1に位置している状態と比較して第2上可動体71が傾斜されると想定される角度である。このため、本実施形態の第2上可動体71は、演出位置Pg2において、基準姿勢BPに対して予め傾斜された状態から、アーム部材110の回動に伴って第2上可動体71が傾斜されることで基準姿勢BPとなるように構成されている。
また、本実施形態のスライドユニット120は、2段階に伸縮自在に構成されている。このため、本実施形態のスライドユニット120は、1段階に伸縮自在である場合よりも長い距離に亘って第2上可動体71を案内できる。
また、本実施形態において、第2上可動体71とスライドユニット120との取付部としての取付面73aは、第2上可動体71とアーム部材110との取付部としての係合孔72よりも、遊技者側から見て左側、即ち、左右方向において支軸99とは反対側に位置している。このため、スライドユニット120は、第2上可動体71に対して左右方向のうち支軸99のある方向へ向かうように力が加わる場合に、係合孔72よりも左右方向において支軸99とは反対側で第2上可動体71を支持することができる。したがって、第2上可動体71は、係合孔72において、支軸99のある方向へ向かうように力が加わった場合であっても、支軸99のある方向に変位されることが抑制される。
また、可動体配設部材90とアーム部材110との取付部としての支軸99は、可動体配設部材90とスライドユニット120との取付部としての取付面100aに対して、可動体配設部材90において左右方向における第2上可動体71の中央を挟んで反対側に位置している。このため、本実施形態の第2上可動体71は、アーム部材110及びスライドユニット120により、可動体配設部材90において左右方向における第2上可動体71の中央を挟んだ両側から支持されている。したがって、本実施形態の第2上可動体71は、可動体配設部材90において左右方向における第2上可動体71の中央よりも右側又は左側の何れか片側のみから支持されている場合と比較して、第2上可動体71全体として傾斜されることが抑制される。
以上のように、本実施形態の第2上可動体71は、第3可動体演出において、原位置Pg1と演出位置Pg2との間で変位されるとともに、演出位置Pg2において基準姿勢BPとなる。
また、第2上可動体71が上下方向とは異なる方向に変位されたり、演出位置Pg2において基準姿勢BPに対して傾斜された姿勢となることを抑制する方法としては、例えば複数のアーム部材や、複数のスライドユニットによって第2上可動体71の変位する方向を規制することが考えられる。しかしながら、このように構成する場合には、各種の構成部材を収容する収容空間S1においてアーム部材やスライドユニットの占める空間が大きくなり、他の構成部材を収容する空間が制限されてしまう虞がある。
これに対し、本実施形態の可動体ユニットKUは、前述のように、1つのアーム部材110と1つのスライドユニット120によって第2上可動体71を変位させている。このため、本実施形態では、複数のアーム部材や、複数のスライドユニットを設ける場合などと比較して、収容空間S1において他の構成部材を収容する空間を広くすることができる。
また、本実施形態の摺動ピン98bの中心は、第2上可動体71が原位置Pg1に位置している状態において、駆動ギア98の回転中心から摺動孔112の延びる方向と直交するように延びる仮想線KLよりもわずかに右回りに回動した方向に位置するように配設されている。このため、上可動体アクチュエータA5が作動されることなく、アーム部材110が自重や外力によって左回りに回動しようとした場合、摺動ピン98bには摺動孔112を介して右回りの方向への力が加わる。この方向は、アーム部材110を左回りに回動させる場合における摺動ピン98bの回動方向とは逆方向である。したがって、本実施形態では、アーム部材110が自重や外力によって左回りに回動されることを抑制できる。
次に、図8及び図9に従って、第1上可動体61の動作について、第2上可動体71の動作とともに詳しく説明する。
まず、第2上可動体71が原位置Pg1から演出位置Pg2に変位される場合の第1上可動体61の動作について説明する。第2上可動体71が原位置Pg1に位置している場合、第1上可動体61は、板部64の第2板64bと第2上可動体71の上端部75とが係合することにより、原位置Pf1に位置するように第2上可動体71によって支持される。そして、第2上可動体71が原位置Pg1から下方に変位されると、第1上可動体61を支持する第2上可動体71の上端部75は下方に変位される。このため、第1上可動体61は、第2板64bが第2上可動体71の上端部75と係合する位置まで自重によって下方に変位される。その後、第2上可動体71が原位置Pg1と演出位置Pg2との間に設定された支持位置Pg3まで変位されると、第1上可動体61は演出位置Pf2まで変位される。支持位置Pg3は、第1上可動体61が演出位置Pf2に位置している状態で、第2上可動体71の上端部75と第1上可動体61の板部64のうち第2板64bとが係合する位置である。また、前述のように、演出位置Pf2は、第1上可動体61の各挿通ピン63a〜63dが対応する前板92の各挿通孔95a〜95dの下縁にそれぞれ接しているときに第1上可動体61が配設される位置である。このため、第1上可動体61は、演出位置Pf2において、各挿通ピン63a〜63dが対応する各挿通孔95a〜95dの下縁にそれぞれ接した状態で、前板92によって支持される。そして、第2上可動体71が支持位置Pg3よりも下方に変位されると、第1上可動体61は前板92によって支持されるため、演出位置Pf2に位置する。
次に、第2上可動体71が演出位置Pg2から原位置Pg1に変位される場合の第1上可動体61の動作について説明する。第2上可動体71が支持位置Pg3よりも下方に位置している間、第1上可動体61は前板92によって支持されるため、演出位置Pf2に位置する。その後、第2上可動体71が支持位置Pg3から上方に変位されると、第2上可動体71の上端部75が第1上可動体61の板部64のうち第2板64bに係合するため、第1上可動体61は、第2上可動体71の上方への変位に伴って上方に変位される。そして、第2上可動体71が原位置Pg1に変位されると、第1上可動体61は原位置Pf1に変位される。
以上のように、第1上可動体61は、第2上可動体71が原位置Pg1から支持位置Pg3の間において下方に変位されると、第2板64bが第2上可動体71の上端部75と係合する位置まで自重によって下方に変位する。また、第1上可動体61は、第2上可動体71が原位置Pg1から支持位置Pg3の間において上方に変位されると、第2板64bが第2上可動体71の上端部75に係合されることにより、第2上可動体71の変位に伴って上方に変位する。つまり、第1上可動体61は、第2上可動体71が原位置Pg1から支持位置Pg3の間に位置している場合において、第2上可動体71の変位に伴って変位される。
また、前述のように、上下方向に沿って延びている取付ばね96aは、その基端が前板92の第1取付部96に取り付けられているとともに、その先端が第1上可動体61の第2取付部65に取り付けられている。このため、第1上可動体61は、取付ばね96aによって、前板92に対して上方に付勢された状態で支持されている。また、本実施形態において取付ばね96aが第1上可動体61を上方に付勢する力は、第1上可動体61が自重によって下方に変位する力よりも小さい。したがって、取付ばね96aは、第1上可動体61を上方に付勢することにより、第1上可動体61を上方に変位させるときに必要な力を軽減できる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、収容空間S1において、上可動体60以外に、各サブ演出表示装置30,35や各可動体40,50など複数の部材を有する。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、これら複数の部材を有しない場合と比較して、収容空間S1のうち、上可動体60を収容する収容部として利用できる空間が狭くなっている。
これに対し、本実施形態の上可動体60は、前述のように、第1上可動体61及び第2上可動体71から構成されている。また、本実施形態の上可動体60は、原位置に位置している状態において、第1上可動体61及び第2上可動体71が前後方向に並ぶように構成されている。このため、本実施形態では、第1上可動体61及び第2上可動体71を「最」の文字を模した装飾を施した可動体として一体に形成する場合と比較して、各上可動体61,71を上下方向において狭い空間に収容できる。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)第2上可動体71は、アーム部材110の回動に伴って、アーム部材110の回動方向に沿って力が加わる場合であっても、スライドユニット120が上下方向に沿って伸縮しつつ第2上可動体71を案内することにより、上下方向に沿って変位するように案内される。このため、第2上可動体71は、上下方向とは異なる方向へ移動されることが抑制される。したがって、本実施形態では、第3可動体演出を安定して実行させることにより、第3可動体演出に対する興趣の低下を抑制できる。
(2)スライドユニット120は、複数段階に伸縮自在に構成されているため、1段階の伸縮が可能である場合よりも長い距離に亘って第2上可動体71を案内できる。これにより、本実施形態では、第2上可動体71を長い距離に亘って変位させる場合であっても、アーム部材110の回動のみによって変位させる場合と比較して安定して変位させることができる。したがって、本実施形態では、第3可動体演出を安定して実行させることにより、第3可動体演出に対する興趣の低下を抑制できる。
(3)本実施形態のスライドユニット120は、第2上可動体71において、係合孔72よりも、左右方向において支軸99とは反対側に取り付けられている。このため、本実施形態では、第2上可動体71の変位される位置が左右方向のうち支軸99のある方向にずれることを抑制できる。
(4)本実施形態の第2上可動体71は、原位置Pg1に位置している状態において、アーム部材110の回動に伴って傾斜される方向とは反対方向に予め傾斜されている。したがって、本実施形態では、アーム部材110の回動に伴って第4スライド部材124が傾斜された場合であっても、第2上可動体71が、演出位置Pg2で基準姿勢BPに対して傾斜された姿勢となることを抑制できる。
(5)係合ピン113と、係合孔72とは、該係合孔72が延びる方向、即ち、上下方向と交差する方向に沿って互いに相対的に摺動可能となっている。このため、アーム部材110が回動されることに伴って係合ピン113が変位する場合、係合ピン113と係合孔72とが上下方向に係合することによって、第2上可動体71は上下方向に沿って変位される。一方で、アーム部材110が回動されることに伴って係合ピン113が変位する場合、係合ピン113は係合孔72と上下方向と交差する方向に係合することなく、上下方向と交差する方向に沿って係合孔72に対して相対的に摺動する。このため、第2上可動体71は上下方向と交差する方向に変位されることが抑制される。したがって、本実施形態では、第2上可動体71の変位される位置が上下方向と交差する方向にずれることを抑制できる。
(6)第1上可動体61は、第2上可動体71の変位に伴って変位される。つまり、本実施形態では、第2上可動体71を変位させるアクチュエータと第1上可動体61とを変位させるアクチュエータを個別に備えることなく、第1上可動体61を変位させることができる。したがって、本実施形態では、各上可動体61,71を変位させることで第3可動体演出を実行させる場合であっても、パチンコ遊技機10の構成が複雑化することを抑制できる。
(7)第2上可動体71は、アーム部材110及びスライドユニット120により、可動体配設部材90において左右方向における第2上可動体71の中央を挟んだ両側から支持されている。したがって、本実施形態の第2上可動体71は、可動体配設部材90において左右方向における第2上可動体71の中央よりも右側又は左側の何れか片側のみから支持されている場合と比較して、第2上可動体71全体が傾斜されることを抑制できる。
(8)第1上可動体61は、取付ばね96aによって、上方に付勢されている。このため、本実施形態では、第1上可動体61が第2上可動体71によって支持される場合に、第2上可動体71及び第2上可動体71を支持するアーム部材110にかかる負担が軽減される。したがって、本実施形態では、第3可動体演出を実行するにあたって第2上可動体71及びアーム部材110にかかる負担を軽減することができるため、第3可動体演出を安定して実行させることができる。
(9)本実施形態の上可動体60は、「最」の文字を模した装飾を施した可動体として一体に形成される場合と比較して、上下方向において狭い空間に収容できる。したがって、本実施形態では、上可動体60の収容部として利用できる空間が狭い場合であっても、上可動体60を配設し、第3可動体演出を実行することができる。
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・各可動体40,50の形状、配設位置、及び可動範囲は、適宜変更してもよい。例えば、円形などの形状としてもよいし、キャラクタを模した形状としてもよい。また、遊技板YCの開口部YCaの左方や右方に収容部を設け、左右方向に沿って変位可能などとしてもよい。また、各可動体40,50の一方又は両方を省略してもよい。
・各サブ演出表示装置30,35は、遊技盤YBに対して移動不能に取り付けられてもよい。また、各サブ演出表示装置30,35の構成を省略してもよい。
・第1上可動体61と第2上可動体71との係合態様は、適宜変更してもよい。例えば、第2板64bは、第2上可動体71の上端部75でなく、第2上可動体71に取り付けられている部材などと係合するようにしてもよい。また例えば、第2板64bは、第2上可動体71と係合可能な方向であれば、後方とは異なる方向に延びるように構成されてもよい。また例えば、第2板64bは、第1上可動体61の下端部に取り付けられてもよい。この場合、第1上可動体61及び第2上可動体71は、各上可動体61,71が互いに係合する際に前後方向に並ばなくてもよい。即ち、本実施形態において、第1上可動体61は、第2上可動体71と係合した状態で支持されるように構成されていればよい。
・第1上可動体61を上方に付勢する部材であれば、取付ばね96aの代わりに、例えばゴム製の部材などを用いてもよい。また、第1上可動体61を支持するときに、第2上可動体71及び第2上可動体71を支持するアーム部材110にかかる負担を軽減することを意図しない場合には、取付ばね96aを省略してもよい。
・第1上可動体61及び第2上可動体71の形状は、適宜変更してもよい。例えば、第1上可動体61はキャラクタの上半身を模した可動体とする一方で、第2上可動体71はキャラクタの下半身を模した可動体としてもよい。
・第2上可動体71の基準姿勢BPは、適宜変更してもよい。例えば、第2上可動体71の示す文字が水平に対して傾斜した状態となる姿勢を基準姿勢BPとしてもよい。また、第2上可動体71において、短手方向が上下方向と直交する場合の姿勢を基準姿勢BPとしてもよい。即ち、基準姿勢BPは、第3可動体演出の演出内容として、演出位置Pg2において予定された姿勢であればよい。
・係合孔72と係合ピン113の係合態様は、適宜変更してもよい。例えば、係合孔72と係合ピン113とを入れ替えて構成してもよいし、所定方向に延びる凸状の部材と該凸状の部材に係合する部材とにより構成してもよい。
・第4スライド部材124の長手方向が基準線BLに対して傾斜する角度θは、適宜変更してもよい。例えば、3°より大きい角度でもよいし、小さい角度でもよい。即ち、角度θは、演出位置Pg2において、第2上可動体71が傾斜されると想定される角度と略同一の角度であればよい。また、第4スライド部材124は、該第4スライド部材124の長手方向が基準線BLと平行となる状態で第2上可動体71に取り付けられてもよい。このような場合であっても、スライドユニット120は、上下方向に沿って伸縮しつつ、第2上可動体71が上下方向に沿って変位するように案内するため、第2上可動体71が基準姿勢BPに対して傾斜されることを抑制できる。また、このような場合には、スライドユニット120において、各部材121,122,125の間、及び各部材123,124,127の間に設けられたクリアランスを小さくし、左右方向へのたわみをより規制することで、第2上可動体71が基準姿勢BPに対して傾斜されることを更に抑制するとよい。
・上可動体60は、一体に形成された1つの可動体としてもよい。また、上可動体60として、3つ以上の可動体を備えるなどしてもよい。この場合、第1上可動体61及び第2上可動体71とは異なる可動体は、第1上可動体61及び第2上可動体71のうち何れか一方又は両方と係合することにより、係合する可動体の変位に伴って変位するように構成するとよい。
・上可動体60の配設位置及び可動範囲は、適宜変更してもよい。例えば、遊技板YCの開口部YCaの左方や右方に収容部を設け、左右方向に沿って変位可能などとしてもよい。この場合、スライドユニット120は、左右方向に沿って伸縮自在に構成するとよい。
・支軸99及び第3取付部100が配設される位置は、適宜変更してもよい。例えば、支軸99及び第3取付部100の両方を、可動体配設部材90において左右方向における第2上可動体71の中央よりも右側又は左側の何れか片側に配設してもよい。本別例において、第2上可動体71は、可動体配設部材90から支持される位置が片側に偏るため、基準姿勢BPに対して傾斜されることが想定される。しかしながら、このような場合であっても、スライドユニット120は、上下方向に沿って伸縮しつつ、第2上可動体71が上下方向に沿って変位するように案内するため、第2上可動体71が基準姿勢BPに対して傾斜されることを抑制できる。
・第4取付部73及び係合孔72が配設される位置は、適宜変更してもよい。例えば、第4取付部73を、係合孔72よりも左右方向において支軸99のある側に配設してもよい。本別例において、第2上可動体71は、左右方向のうち支軸99のある方向に向かうように力が加わった場合、左右方向のうち支軸99のある方向に変位されることが想定される。しかしながら、このような場合であっても、スライドユニット120は、上下方向に沿って伸縮しつつ、第2上可動体71が上下方向に沿って変位するように案内するため、第2上可動体71が左右方向のうち支軸99のある方向に変位されることを抑制できる。
・アーム部材110を回動させる方法は、適宜変更してもよい。例えば、各ギア97a,97b,98のうち何れか1つのギアの中心に軸を設け、該軸をアーム部材110の軸孔111に挿通させた状態で固定することにより、アーム部材110を回動させてもよい。また、各ギア97a,97b,98とは異なるギアを設けてもよいし、各ギア97a,97b、98の一部又は全部を省略してもよい。このような場合、上可動体アクチュエータA5の出力軸をアーム部材110の軸孔111に挿通させた状態で固定することにより、アーム部材110を回動させるとよい。
・アーム部材110に加えて、さらにアーム部材110とは異なるアーム部材を備えてもよい。本別例では、複数のアーム部材によって第2上可動体71の変位する方向を規制できる。またこの場合、複数のアーム部材は、1つの上可動体アクチュエータA5によって回動されてもよいし、それぞれ個別のアクチュエータによって回動されてもよい。
・第2上可動体71を変位させる上可動体アクチュエータA5は、ステッピングモータでなく、例えば電磁ソレノイドやシリンダなどに変更してもよい。この場合、上可動体アクチュエータA5の運動をアーム部材110の回動に変換する部材を更に備えるとよい。
・スライドユニット120及び該スライドユニット120が取り付けられる各取付部73,100の材料は、適宜変更してもよい。即ち、上下方向に伸縮しつつ第2上可動体71を案内するのに十分な強度を有する材料であればよい。
・スライドユニット120の構成は、適宜変更してもよい。例えば、3段階以上に伸縮自在としてもよい。また、スライドユニット120は、複数段階に伸縮自在である方が、1段階に伸縮自在である場合よりも長い距離に亘って第2上可動体71を案内できる。しかしながら、第2上可動体71の変位する距離が十分短い場合には、スライドユニット120を1段階に伸縮自在としてもよい。また、スライドユニット120を構成する各部材121〜127は、その長手方向が互いに平行となるように連結されていればよく、例えば前後方向に並ぶように連結されていてもよい。
・スライドユニット120に加えて、さらにスライドユニット120とは異なるスライドユニットを備えてもよい。本別例では、複数のスライドユニットによって第2上可動体71の変位する方向を規制できる。
・可動体ユニットKUの構成は、適宜変更してもよい。例えば、可動体ユニットKUを構成する各種の部材を、左右方向に反転させて取り付けるなどしてもよい。また例えば、前板92を省略するなどしてもよい。この場合、アーム部材110及びスライドユニット120を可動体配設部材90の裏面に配設するとともに、各挿通孔95a〜95d、第1取付部96、取付ばね96a、及び原位置センサSE5などを可動体配設部材90に配設するとよい。
・各アクチュエータA1〜A5の制御は、主制御基板200の主制御用CPU200aが行ってもよい。
・可動体演出の演出パターンの決定割合は、適宜変更してもよい。例えば、第1演出パターンの方が第2演出パターンよりも演出パターンの決定割合の全体に占める大当り演出用の変動パターンが指定されているときの決定割合が高くなるように設定してもよい。また例えば、大当り演出用の変動パターンが指定されているときのみ決定される演出パターンを備えるなどしてもよい。
・可動体演出の演出パターンは、適宜変更してもよい。例えば、各可動体演出を単独で実行させる演出パターンを備えるなどしてもよい。また、演出パターンの数を1つとしてもよいし、3つ以上としてもよい。即ち、本実施形態において、第3可動体演出を実行させる演出パターンを備えていればよい。また例えば、各演出パターンにおいて、第1可動体演出、第2可動体演出、及び第3可動体演出を実行するタイミングを変更してもよい。また、各可動体の原位置及び演出位置が重ならないように構成する場合、各可動体演出を同時に実行させてもよい。
・可動体演出の実行タイミングは、適宜変更してもよい。例えば、演出制御用CPU300aは、各可動体演出を大当り遊技中に実行する大当り演出やデモンストレーション演出の一環として実行させてもよい。
・大当り遊技とは別に、大入賞口19を開放する小当り遊技を設けてもよい。小当り遊技は、大当り判定とは別に行う小当り判定の判定結果が肯定であることを条件として付与するとよい。
・第1始動入賞口14への遊技球の入球検出を契機に第1特別図柄変動ゲームを行う一方で、第2始動入賞口16への遊技球の入球検出を契機に第2特別図柄変動ゲームを行ってもよい。この場合、第2特別図柄変動ゲームを優先的に実行してもよく、各始動入賞口14,16への入球順に各特別図柄変動ゲームを実行してもよい。
・主制御用CPU200aは、特別図柄指定コマンドに代えて、大当りの種類を特定可能な制御コマンドを出力してもよい。なお、この制御コマンドは、大当りの種類毎に設定されたコマンドであって、特別図柄の種類は特定できない。また、大当りの種類毎に変動パターンを設定した場合には、演出制御用CPU300aが変動パターン指定コマンドをもとに大当りの種類を把握するようにしてもよい。
・演出制御基板300をサブ統括制御基板とし、演出制御基板300とは別にメイン演出表示装置13、第1サブ演出表示装置30、及び第2サブ演出表示装置35を専門に制御する表示制御基板、スピーカSPを専門に制御する音声制御基板、及び装飾ランプSRを専門に制御するランプ制御基板を設けてもよい。また、各演出表示装置13,30,35をそれぞれ個別に制御する複数の表示制御基板を設けてもよい。
・特別図柄のみを用いる遊技機に具体化してもよい。この場合、メイン演出表示装置13において特別図柄変動ゲームを表示するとよい。
・遊技球が特定領域を通過することを契機に大当り遊技を付与する遊技機(所謂1種2種混合機)に具体化してもよい。
・スロットマシン(回胴式遊技機)に具体化してもよい。スロットマシンは、遊技媒体のベットを契機として変動ゲームを開始可能となる。スロットマシンでは、所定の開始操作を契機として図柄表示手段に導出可能な図柄の組合せ(役)を決定するとともに、図柄表示手段にて図柄の変動表示を開始させ、所定の停止操作を契機として図柄の組合せを図柄表示手段に導出させる。そして、スロットマシンは、図柄表示手段にて導出された図柄の組合せに応じて所定の遊技価値を付与可能に構成されている。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)特定の可動体を所定方向に沿って変位させて行う可動体演出を実行可能な遊技機において、各種の構成部材が取り付けられているベース部材と、前記ベース部材に対して回動可能に支持されているとともに、回動中心から離間した位置には前記特定の可動体が取り付けられているアーム部材と、スライド移動を可能な状態で連結された複数のスライド部材を有しており、該複数のスライド部材のスライド移動によって前記所定方向に沿って伸縮自在に構成され、その基端側が前記ベース部材に取り付けられている一方で先端側が前記特定の可動体に取り付けられているスライドユニットと、前記アーム部材を回動させるアクチュエータと、を備え、前記スライドユニットは、前記特定の可動体が前記アクチュエータによる前記アーム部材の回動に伴って変位されると、前記特定の可動体の変位に伴って前記所定方向に沿って伸縮しつつ、前記特定の可動体が前記所定方向に沿って変位するように案内することを特徴とする遊技機。
(ロ)前記ベース部材と前記アーム部材との取付部は、前記ベース部材と前記スライドユニットとの取付部に対して、前記所定方向と直交する方向における前記特定の可動体の中央を挟んで反対側に位置していることが好ましい。
(ハ)前記一部の可動体を上方に付勢する取付ばねをさらに備え、前記取付ばねは、上下方向に沿って延びており、その基端が前記ベース部材に取り付けられているとともに、その先端が前記一部の可動体に取り付けられていることが好ましい。
(ニ)前記特定の可動体は、前記特定係合部が前記特別係合部と係合する場合に、前記一部の可動体と前後方向に並ぶように配設されていることが好ましい。