JP5946623B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
例えば、遊技盤に設けられた始動入賞口に遊技球が入賞すると、遊技盤中の図柄表示装置に表示される図柄が変動を開始し、所定時間経過後に停止した図柄が予め定めた大当たり図柄となった場合に大当たり状態となり、遊技者が大量の出球を獲得できるようになっている。このような遊技機では、遊技の興趣を高めるために様々な表示演出が行われる。
例えば、特許文献1、2、3には、パンタグラフ式の伸縮機構を用いてギミックを遊技盤面に沿って昇降させる構成が開示されている。
しかし、パンタグラフ式の伸縮機構によってギミックを昇降させる場合、パンタグラフの横方向への振れによるギミック動作の不安定化、ギミックからの負荷によるモータへの負荷増大という問題があった。特に、ギミックからパンタグラフに加わる負荷が一定でなく、パンタグラフの伸張によりギミックを上昇させる過程でギミックからの負荷が増大する場合には、モータへの負荷が急増してギミックの上昇速度がばらついたり、遅くなることがあった。
即ち、パンタグラフはギミックをより高く上昇させる際に有効であるが、収縮状態から伸長開始する際にモータから大きな負荷を必要とする点と、伸長した長さが長い程、横方向に揺れが発生してギミックの動作が不安定化するという問題を有している。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、パンタグラフ式の伸縮機構を用いてギミックを昇降させる際に、ギミックの横振れを防止しつつ、上昇途中でギミックからの負荷が増大することによって上昇速度が減速することを効果的に防止することができる可動盤面部品を備えた遊技機を提供することを目的としている。
また、本発明は、最収縮状態にある前記パンタグラフが伸長を開始する段階では、該パンタグラフには前記第1の昇降部材からの荷重のみが加わっていることを特徴とする。
図1は本発明の実施形態に係る遊技機の一例としてのパチンコ遊技機を示した全体正面図であり、図2は各種盤面部品を搭載した遊技盤の正面図である。
遊技盤1の前面側には、ガラス板を支持したガラス枠2が開閉可能に取り付けられている。また遊技盤1の下部には遊技球を貯留する受け皿部3と、受け皿部内の遊技球を発射する発射レバー4が設けられている。また、受け皿部3の上面には遊技機用ボタンスイッチや、遊技球の購入ボタン、購入取り消しボタン(何れも図示せず)が設けられている。
遊技盤1の裏面には、液晶画面、主制御基板とサブ制御基板等、遊技の進行、演出に関わる裏部品を組み付けた合成樹脂製の機構板(何れも図示せず)が開閉自在に装着されている。遊技盤1における遊技領域1aの周囲には、発射レバー4を操作することにより発射装置から発射された遊技球を遊技領域1aの上部に案内したり、アウト口10に案内する外レールR1、及び内レールR2が設けられている。
遊技盤1のほぼ中央部には、中央が開口したセンター部材5が配置される。センター部材5の内部には図柄表示装置6が配置されている。図柄表示装置6は、例えば、液晶表示装置等の液晶表示パネルによって構成され、通常動作状態の時は、図示しない特別図柄画像が表示される。また、いわゆる特別遊技状態の時は、特別遊技状態であることを示す演出画像等が表示される。
センター部材5の下方には、図柄表示装置6の特別図柄を可変表示させるための可変入賞装置11が設けられている。また、図柄表示装置6の左方の盤面には、普通図柄表示装置16に表示される普通図柄を作動させるためのゲート12が設けられている。さらに可変入賞装置11の右方には、特別遊技状態の一つである大当たり状態のときに開成状態になる開閉扉を有する大入賞口13が設けられている。
可変入賞装置11は、図柄表示装置6を可変表示させるための左右一対の開閉爪(可動片)を有する電動式チューリップを備えて構成される。
また遊技盤1には普通入賞口14やアウト口10等が設けられていると共に、風車15や図示しない多数の遊技釘が突設されている。遊技釘は、遊技球の落下速度を遅くすると共に、落下方向を複雑に変化させて遊技進行上の興趣を高めている。
また図柄表示装置6に表示される特別図柄は、停止図柄が予め定められた図柄の組合せ、例えば同一図柄の組合せとなった場合に大当たり状態となるように構成されている。また特別図柄は可変入賞装置の電動式チューリップの開成動作により遊技球が誘導される下始動口(図示していない)において遊技球を検出することを条件に乱数制御等により表示がスクロールする等、所定の変動パターンで所定時間変動(可変)して図柄で停止するようになっている。その際、有効ライン上に2個の停止図柄が同一となった場合に、リーチ状態が発生し、このリーチ状態において、有効ライン上の最後の停止図柄が既に停止している2個の図柄と同一となった場合に大当たり状態が発生する。なお、特別図柄としては、数字図柄、アルファベット図柄、キャラクター図柄等が使用可能である。
第1及び第2のスライダー片51a、51b、及び固定側ガイドレール52aは、昇降ガイド機構50を構成している。
なお、符号53はハーネスガイドであり、各昇降部材に搭載されたプリント基板に対して図示しない電源部からの電力を供給するハーネスをガイドする部材である。
ラックアンドピニオン機構(昇降機構)80は、第1のラックアンドピニオン81と、第2のラックアンドピニオン90と、を備えている。
モータMは、ベース部材31に固定される保持部材61によって支持されると共に、モータMの出力軸一体化された出力ギヤ62はベース部材31に設けた軸支部31aにより回転自在に軸支されたピニオンギヤ63の大径ギヤ部63aと噛合してこれを回転駆動する。大径ギヤ部63aには同軸状に小径ギヤ部63bが一体化されている。
第1のラックアンドピニオン81は、ピニオンギヤ63(小径ギヤ部63b)と、小径ギヤ部63bと噛合する第1のラックギヤ部82aを上辺に有した第1のラックギヤ部材82と、第1のラックギヤ部材82を一方向(パンタグラフ上昇方向)に付勢する第1の弾性部材83と、を有しており、第1のラックギヤ部材82の一端部はパンタグラフ65の一方の最下部リンク片(リンク)66aと回動自在に連結している。また、ベース部材31に固定されたガイドレール片84aは第1のラックギヤ部材82に固定されたスライダー84bを水平方向(パンタグラフの昇降方向と直交する方向)へスライド自在にガイドしている。
このため、モータMの駆動力がピニオンギヤ63を介して第1のラックギヤ部材82に伝達されて第1のラックギヤ部材を水平方向へ進退させ、第1のラックギヤ部材の水平方向への移動によってパンタグラフ65の一方の最下部リンク片が回動する。
また、第1のラックギヤ部材82の移動経路にはフォトインタラプタ(センサ)64を配置して、第1のラックギヤ部材の位置を検出することにより、パンタグラフ35が収縮位置にあるか伸長位置にあるかを判定する。
第2の弾性部材93は、パンタグラフを伸長(上昇)させる方向へ常時付勢する手段であり、第2のラックギヤ部材92は矢印ロで示す方向へ付勢されている。第2の弾性部材93は、モータMがパンタグラフを伸長させる際の補助手段である。
モータMが第1のラックギヤ部材82を水平方向へ進退させると、ピニオンギヤ91が回転し、第2のラックギヤ部材92を水平方向へ進退させる。モータからの駆動力が伝達されない場合には第2の弾性部材93の付勢によって第2のラックギヤ部材92は矢印ロで示す方向へ退避している。
このため、モータMがパンタグラフ65を下降させる方向へ駆動している時には各弾性部材83、93の付勢力に抗して各ラックギヤ部材82、92は、夫々矢印イ、ロとは反対の方向へ移動して退避しているため、最下端の各リンク片66a、66bの下端部は何れも外側へ向けて移動しており、パンタグラフは収縮した状態にある。
パンタグラフ65が所定の昇降軌道に沿って伸縮するようにガイドする昇降ガイド機構70は、ベース部材31の縦壁(ガイド壁=ガイド部材)に設けた上下方向へ延びる長穴(ガイド部)71であり、この長穴71には少なくとも一つの中間ピン67(本例では、最下部の中間ピン)が上下動自在に嵌合することにより、パンタグラフが横方向へばたついたり、垂直な昇降軌道からずれることを防止する。
図1乃至図3、及び図4(a)には各昇降部材(パンタグラフ)が最下降位置にある状態が示されている。
各昇降部材40、45が最下降位置にある時に昇降駆動機構60は、図6(正面図)、図9(斜視図)、図12(背面図)に示した初期状態にある。即ち、各昇降部材40、45が最下降位置にある時にはパンタグラフ35が最も収縮した状態にあり、この時に各ラックギヤ部材82、92は、各弾性部材83、93に抗して最外側位置にある。各ラックギヤ部材82、92が最外側位置にあることにより、各ラックギヤ部材82、92と夫々回動自在に連結されたパンタグラフを構成する最下部のリンク片66a、66bは、下端部を最外側に位置させている。このため、他のリンク片66は全て最下降位置にある。
この時、最上部の中間ピン(連結部材)67a、固定部材47を介してパンタグラフ65と連結された第1の昇降部材40は最下降位置にあり、第2の昇降部材45も最下降位置にある。
また、この時、第1のラックギヤ部材82の端部がフォトインタラプタ64を遮蔽しているため、図示しない制御手段はパンタグラフ65が最下降位置にあることを知ることができる。
即ち、図6などに示した初期状態においてモータMを正転開始させると、駆動ギヤ62、ピニオンギヤ63が夫々矢印方向へ回転して第1のラックギヤ部材82を第1の弾性部材83の付勢方向と同じ方向である矢印イ方向へ移動させる。第1のラックギヤの第2のラックギヤ部82bと噛合するピニオンギヤ91を介して連結された第2のラックギヤ部材92も第2の弾性部材93の付勢方向と同じ方向である矢印ロ方向へ移動する。このため、最下部のリンク片66a、66bの下端部は等距離ずつ内側へ移動開始し、パンタグラフは全体として上向きに伸長を開始する。
この中間段階では、パンタグラフの上部と連結した固定部材47によって第1の昇降部材40だけが上昇させられており、固定部材47から下方へ延びる二本の昇降ガイド棒46はスライド部材48のスライド穴48aを通過して上昇する。昇降ガイド棒46の下端に固定されたストッパ49がスライド部材48の下面に当たってこれを引き上げるまでは第1の昇降部材45は上昇を開始しない。
第1のラックギヤ部材82が移動を開始してもその端部がフォトインタラプタ64を遮蔽している限り、制御手段はパンタグラフが最上昇位置に達した旨の判定を行わない。
即ち、図7などに示した中間状態においてモータMを更に正転させると、第1のラックギヤ部材82は更に矢印イ方向へ移動し、第2のラックギヤ部材92も更に矢印ロ方向へ移動し、パンタグラフは上限に達する。
中間段階からパンタグラフが更に上昇すると、ストッパ49がスライド部材48の下面を引き上げるため、第2の昇降部材45が第1の昇降部材40と共に上昇を開始し、パンタグラフが図7等に示した上限位置に達した時点で両昇降部材40、45は上昇を停止する。この時、第1の昇降部材40は、図2中に鎖線で示したように図柄表示装置6の中央部を越えた上部にまで達しており、第2の昇降部材45は第1の昇降部材の直下に連続して配置された状態となっている。
本発明では、パンタグラフを伸長させる際におけるモータMの正転出力に対する抵抗となる両昇降部材40、45等の重量、パンタグラフからの抵抗等を考慮して、各ラックギヤ部材82、92を弾性部材83、93によって補助付勢している。即ち、各弾性部材83、93は、パンタグラフを伸長させる方向へ向けて各ラックギヤ部材82、92を水平に付勢している。
又、パンタグラフ65に対して第1のラックアンドピニオン81を横方向に配置していることから可動盤面部品の高さ方向寸法、厚さ方向寸法を低減することができる。
つまり、パンタグラフが最下降位置(最収縮状態)にある時には、最下部のリンク片66aとラックギヤ部材82との間の角度θ1が大きな鈍角となっているが、パンタグラフが伸長するに連れてこの角度θ1が小さくなるように構成されている。従って、最下降位置にある時のパンタグラフの姿勢を可能な限り低くしても上昇開始時の負荷が過大になることを防止できる、という利点を提供することができる。
次に、図13に示した中間段階では、第1のラックギヤ部材82の長手方向に沿った直線L1と、最下部のリンク片66aの長手方向に沿った直線L2との成す角度θ2は角度θ1よりも大幅に小さくなっているため、パンタグラフからの抵抗が既に小さくなっており、第2の昇降部材45からの荷重を加味しても小さい出力によって各ラックギヤ部材をパンタグラフ上昇方向へ移動させてパンタグラフをスムーズに上昇させることができる。
まず、図15、図16の断面図に基づいて各昇降部材を順次上昇させる手順について説明する。
図15(a)、図16(a)の初期状態では第1及び第2の昇降部材40、45は共に最下降位置にあるため、図1中に示すようにセンター部材5の開口の下縁から上部が僅かに突出した状態にある。次いで、モータMを正転方向へ駆動開始するとパンタグラフ65が伸長(上昇)を開始して図15(b)、図16(b)の中間段階に移行する。
第1の昇降部材40が最下降位置から上昇する過程において、ストッパ49がスライド部材48の高さ位置に到達する前段階では、第1の昇降部材は第2の昇降部材45と関係なく単独で上昇する一方で、ストッパ49がスライド部材48の下面に係合した時点以降はストッパ49、昇降ガイド棒46、固定部材47を介して第1の昇降部材が第2の昇降部材45を引き上げる。
第1の昇降部材が第2の昇降部材45と関係なく単独で上昇する期間中は、モータMに対する負荷が小さくなり、モータの耐久性の低下を防止することができる。また、上昇開始当初は、第1のラックギヤ部材82の長手方向に沿った直線L1と、最下部のリンク片66aの長手方向に沿った直線L2との成す角度θ1が大きな鈍角となっているため、モータへの負荷が増すように見えるが、第2の昇降部材45からの負荷がないため、モータは小さい出力でパンタグラフを伸長開始させることができる。
つまり、パンタグラフが収縮状態から伸長状態に移行する過程における、昇降部材からパンタグラフに加わる負荷は一定ではなく、当初小さく、その後増大する。このため、モータの始動初期においてパンタグラフのリンク片からの負荷が大きかったとしても昇降部材からの荷重が小さいため、これらの初期負荷に対応した出力を有したモータを採用すれば可動盤面部品を耐久性よく長期的に駆動することが可能となる。
従来パンタグラフが伸長する過程で加わる負荷が増大すると左右へ揺れを起こし易かったが、本発明ではこのような不具合を解消することができる。
更に本発明ではパンタグラフ65の昇降動作を安定させる昇降ガイド機構50、70を備えているため、従来のパンタグラフの致命的な欠点であった動作中における横方向への揺れと、それに起因した動作のばたつき、昇降動作に要する時間のバラツキという不具合を解消することができる。即ち、まず昇降ガイド機構50は各昇降部材40、45を垂直な軌道に沿って案内するように構成したので、昇降部材自体の軌道が安定する。また、第1の昇降部材40と連結したパンタグラフから横揺れが伝搬したとしてもその影響を最小限に留めて各昇降部材は昇降動作することができる。次に、昇降ガイド機構70では、パンタグラフの中間ピン(連結部材)67の一つを上下方向へガイドする長穴71をベース部材に設けたことにより、モータの出力が一定であっても加重の変化に対応しつつ迅速に上昇させることができる。
また、各種部品のレイアウトの結果として図柄表示装置6を奥寄りに配置することができた場合には図柄表示装置の前方に空間を確保することができるが、この空間を利用して可動盤面部品30を配置することが可能となる。可動盤面部品30は、2つの昇降部材を前後位置関係で配置し、しかもパンタグラフの横方向、下方向に、パンタグラフの厚みの範囲内でラックアンドピニオン機構を配置したので、薄型化が可能となり、狭い収納空間内に収納することができる。
Claims (1)
- ベース部材と、該ベース部材により最下降位置から最上昇位置までの間を所定の経路に沿って昇降自在に支持された第1の昇降部材と、該第1の昇降部材を昇降させる昇降駆動機構と、最下降位置から最上昇位置までの間を昇降自在に支持され、且つ上昇途中にある該第1の昇降部材が所定の高さ位置に達した時に該第1の昇降部材により引き上げ開始されて前記最上昇位置まで上昇する第2の昇降部材と、を備え、
前記昇降駆動機構は、前記第1の昇降部材と係合してこれを昇降させる昇降手段と、該昇降手段が所定の昇降軌道に沿って伸縮するようにガイドする昇降ガイド機構と、モータと、該モータの駆動力を前記昇降手段に伝達して昇降させる昇降機構と、を有し、
前記昇降手段は複数のリンクを連結部材により連結した伸縮自在な構成を備え、
前記昇降ガイド機構は、ガイド部材に形成されて複数の前記連結部材のうちの少なくとも一つを前記昇降手段の伸縮方向にガイドするガイド部と、前記第1の昇降部材と前記第2の昇降部材に夫々固定されて互いにスライド自在に係合するスライダーと、を備えていることを特徴とする遊技機。
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