JP6898357B2 - 生体高分子複合体の精製のための方法 - Google Patents

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Description

本発明は、第一の態様において、生体高分子複合体の精製のための方法に関する。典型的に、それによって、クロマトグラフィーステップは適用されない。つまり、本発明は、精製された生体高分子複合体を得るための、a)生体高分子複合体を含有する粗試料を用意するステップ、b)25,000から35,000×gでの細胞残屑の分離のための第1の遠心分離ステップを行うステップ、c)0%から25%(w/v)の量のオスモライト、およびシステインをチオール−アルキル化を可能にする化合物を、第1の遠心分離ステップから得られた上清に補うステップ、d)50,000から150,000×g、例えば、80,000から120,000×gでの遠心分離による、第2の遠心分離ステップを行うステップ、e)沈殿のために、第2の遠心分離ステップから得られた上清を、水溶性ポリマー、特に、非イオン性ポリマーまたは正味電荷ゼロのポリマー、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリアミン、もしくはポリカルボキシレートで処理するステップ、f)前記ポリマー、例えば、ポリアルキレングリコールを含有しないバッファー中での再懸濁後に、ポリマーをベースとする沈殿物、例えば、ポリアルキレングリコールをベースとする沈殿物を有するオスモライトを使用して、密度勾配遠心分離を行うステップ、g)ステップe)およびf)を1回または複数回、任意に繰り返すステップ、h)生体高分子複合体の水溶性ポリマーをベースとする沈殿、例えば、ポリアルキレングリコールをベースとする沈殿による、濃縮のステップを含む、方法に関する。
さらに、本発明は、記載された通りの精製に続き、水溶性ポリマーを含有するリザーバー溶液中での結晶化のステップを含む、生体高分子複合体の結晶化のための方法に関する。さらに、本発明による方法によって取得可能な、精製された生体高分子複合体ならびに結晶化された生体高分子複合体が提供される。最後に、個体の免疫プロテアソームを含む20Sプロテアソームを阻害するための候補化合物の適合性を判定するための方法が提供される。前記方法は、癌、自己免疫疾患、筋ジストロフィー、肺気腫、または癌もしくはAIDSに伴うカヘキシーを治療、改善または予防するための、個体中の免疫プロテアソームを含む20Sプロテアソームの適切な阻害剤を同定する個別化医療において、特に有用である。
多くの生化学のニーズについて、さらに分析するために、分子の混合物から特定の分子を分離できることが望ましい。これは、例えば、細胞抽出物からのタンパク質もしくはその他の生体分子の精製、汚染物質からの合成化学物質の精製、または化学混合物、特に、生体高分子複合体の分離を含む。高分子複合体、例えば生体高分子複合体は、超分子集合体または同一の部分である。例えば、生体高分子複合体は、同一のまたは異なる生体分子、種類が異なってさえいる生体分子の集合体である。かかる生体分子としては、タンパク質、核酸、脂質および糖が挙げられる。典型的に、生体高分子複合体は、自然環境、例えば、生命体の中に存在する特定の条件下で形成される。前記生体高分子複合体は、生命体の生存にとって極めて重要であり、様々な生化学経路において主要な機能を有する。これらの生体高分子複合体が作業課題をどのように行うかという機構的理解の鍵は、これらの生体高分子複合体の三次元構造に関する知識である。しかし、生体高分子複合体の構造、特に、前記生体高分子複合体の機能を研究する際の1つの主要な障害は、生体高分子複合体の組成上の複雑さ、およびしばしば、特に自然環境から単離される場合のその組成上の複雑さに基づく前記構造の相対的不安定性である。つまり、高分子集合体における構造決定および正確な形成は、組換えで発現されるまたは合成で生成されるときの精製の間に実現することは困難である。特に、生体高分子複合体を単離および精製する場合、目標は、機能状態にあり構造が安定している、精製された生体高分子複合体を提供することである。生物科学における進行中の研究により、高分子が、一般に、孤立して作用せず、その代わり、組織化されて超分子集合体になることが、明らかにされている。生体高分子複合体または分子機械と呼ばれる、これらのモジュールは、細胞恒常性を維持するのに必須の生化学反応を実施する活性種である。以下、生体高分子複合体または一般的に複合体と称される、分子機械または生体高分子複合体は、タンパク質のみから構成されるクラス、タンパク質および核酸からなるクラス、ならびに内在性膜複合体の3つの主要なクラスに分類できる。
つまり、三次元構造を決定して、細胞内のそれぞれの作用様式への機構的洞察を得ることを可能にするためには、生体高分子複合体を安定させ、完全に機能させることが必要である。
プロテオミクスの成長する化学は、特定の時期に特定の細胞によって産生されるタンパク質の全体である細胞のプロテオーム内で、生体高分子複合体を形成する、分子および相互作用する分子のより大きい集合体の同定を必要とする。したがって、タンパク質の分析をする一般的方法が必要とされ、その方法によって、機構的活性を研究するために、精製は、高純度で豊富な生体高分子複合体を提供させるべきである。
細胞活性および疾患における治療標的化の機構的理解のために、生体高分子複合体のより高い分解能構造の説明が、最も重要である。
今日、タンパク質およびより大きい複合体を精製させる、様々な方法およびツールが提供される。これらの方法のほとんどが、好適なカラムを使用して精製させるクロマトグラフィーステップに基づく。しかし、カラムまたはクロマトグラフィーに基づく精製は、多くの時間と労力を要し、費用がかかる。その上、これらの種類の精製方法は、したがって、所望の機能性生体高分子複合体を単純で迅速に精製させる適切な方法とならない。適切な分離または精製方法としては、いくつかの異なる方法、例えば、沈殿および透析技術、クロマトグラフィー法ならびに電荷/質量の比によって支配される移動度による分子の分離を使用するゲル電気泳動が挙げられる。電気泳動は、広く使用され、多孔質母材、例えば、アガロースまたはポリアクリルアミドゲル中で通常実施される。しばしば、分子は、移動度に関連する一次元目の電場および、その後、一次元目の分離のために使用された電場とは方向が異なる電場への適用によって分離され、そのようにして、二次元ゲル電気泳動を作り出す。しかし、ゲル電気泳動は、機能性高分子の精製のための最適な方法ではない。つまり、ネイティブ電気泳動は可能であるが、典型的に、電気泳動は、変性条件を提供する必要がある。しかし、クロマトグラフィー単離と同様に、電気泳動は、多孔質母材に起因して、サイズにかかわらず、正味電荷に基づく。
現在、最適な方法は、クロマトグラフィー単離および精製である。しかし、典型的に、この種類の精製手順は、例えば結晶化によって、さらなる分析にとって適切でない高分子をもたらす。
Hwang K Yら、Mol.And Cells.1994、4、273〜275は、ラットの肝臓からの20Sプロテアソームの結晶化を記載している。US2006/0281118A1は、プロテアソームの迅速精製のための方法および組成物ならびにその成分の使用方法を記載している。Evteeva I.N.ら、Citologica Nauka、St.Petersburg、Russland、2013、55(12)、893〜900は、ラットの肝臓から単離された26Sプロテアソームの精製および濃縮のための方法の比較分析に関する。JP H05 292964Aは、安定状態のヒト26Sプロテアソームを精製するための生成方法およびヒト26Sプロテアソームそれ自体を記載している。
参考文献に記載された方法は、ゲル濾過またはその他のカラムおよびクロマトグラフィーをベースとする方法に基づく精製を、典型的に含有する。
WO2013/034160において、したがって、生体高分子複合体の集合、均一性および/または熱力学的安定性の判定に基づき、前記複合体を分析するための方法が提供される。しかし、そこに記載された方法を実施するには、したがって、精製された高分子複合体を提供することが必要である。
それ故に、生体高分子複合体を迅速で単純に精製させ、それによって、これらの複合体が、活性および機能性を維持する方法が、現在も引き続き必要である。
第一の態様において、本発明は、精製された生体高分子複合体を得るための、
a)生体高分子複合体を含有する粗試料を用意するステップ、
b)25,000から35,000×gでの細胞残屑の分離のための第1の遠心分離ステップを行うステップ、
c)0%から25%(w/v)の量のオスモライト、ならびにシステインをチオール−アルキル化および/または還元させる化合物を含有する、第1の遠心分離ステップから得られた上清を補うステップ、
d)50,000から150,000×g、例えば、80,000から120,000×gでの遠心分離による、第2の遠心分離ステップを行うステップ、
e)沈殿のために、第2の遠心分離ステップから得られた上清を、水溶性ポリマー、特に、非イオン性ポリマーまたは正味電荷ゼロのポリマー、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリアミン、もしくはポリカルボキシレートで処理するステップ、
f)前記ポリマー、例えば、ポリアルキレングリコールを含有しないバッファー中での再懸濁後に、ポリマーをベースとする沈殿物、例えば、ポリアルキレングリコールをベースとする沈殿物を有するオスモライトを使用して、密度勾配遠心分離を行うステップ、
g)ステップe)およびf)を1回または複数回、任意に繰り返すステップ、
h)生体高分子複合体の水溶性ポリマーをベースとする沈殿、例えば、ポリアルキレングリコールをベースとする沈殿による、濃縮のステップ
を含む、生体高分子複合体の精製のための方法を提供する。
別の態様において、本発明は、水溶性ポリマー、特に、非イオン性ポリマーまたは正味電荷ゼロのポリマー、例えば、ポリアルキレングリコールアミン、もしくはポリカルボキシレート、特にポリエチレングリコールを含有する、リザーバー溶液中での結晶化のステップをさらに含む、本発明による方法による生体高分子複合体の精製のための方法を含む、生体高分子複合体の結晶化のための方法を提供する。
さらに、本発明は、本発明による方法によって取得可能な、精製された生体高分子複合体を提供する。これらの精製された生体高分子複合体は、その他の機構決定または機能分析のための使用に加えて、前記複合体のさらなる結晶化にとって適切である。
さらに、本発明は、本発明による方法によって取得可能な、結晶化された生体高分子複合体に関する。
最後に、本発明は、個体の免疫プロテアソームを含む20Sプロテアソームを阻害するための候補化合物の適合性を判定するための方法であって、
− 本発明による候補化合物を含有する、前記個体の免疫プロテアソームを含む20Sプロテアソームの結晶化のための方法のステップ、または本発明による候補化合物を含有する、結晶化された20Sプロテアソームを用意するステップ、
− 2.2Å以下の分解能での回折分析によって、免疫プロテアソームを含む20Sプロテアソームの結晶構造を決定するステップ、
− 前記分析に基づいて、個体の免疫プロテアソームを含む20Sプロテアソームの阻害剤としての候補化合物の適合性を判定するステップ
を含む、方法を提供する。
生体高分子複合体の精製のための本発明によって実施されたステップのフローチャートである。 20Sプロテアソームの精製のための本発明によって実施されたステップのフローチャートである。 精製されたタンパク質ならびに本発明による方法において得られた、様々な画分および中間画分におけるその精製を示す、SDSpageの図である。S30(第2列)およびS100(第3列)の抽出物のアリコート、再懸濁されたPEGカット(第4列)、1および2のスクロース勾配(第5および第6列)のプールならびに最終の精製されたタンパク質調製物(第7列)ならびに分子量マーカー(第1列)を表す。 本発明による方法によって得られた、ヒト20Sプロテアソーム結晶の回転写真を示す図である。振動法によって測定された、安定化および脱水されたヒト20Sプロテアソーム結晶の典型的な回折パターンを示す。この特定の結晶の回折限界は、1.8Åである。
本発明は、第一の態様において、精製された生体高分子複合体を得るための、
a)生体高分子複合体を含有する粗試料を用意するステップ、
b)25,000から35,000×gでの細胞残屑の分離のための第1の遠心分離ステップを行うステップ、
c)0%から25%(w/v)の量のオスモライト、およびシステインのチオール−アルキル化を可能にする化合物を、第1の遠心分離ステップから得られた上清に補うステップ、
d)50,000から150,000×g、例えば、80,000から120,000×gでの遠心分離による、第2の遠心分離ステップを行うステップ、
e)沈殿のために、第2の遠心分離ステップから得られた上清を、水溶性ポリマー、特に、非イオン性ポリマーまたは正味電荷ゼロのポリマー、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリアミン、もしくはポリカルボキシレートで処理するステップ、
f)前記ポリマー、例えば、ポリアルキレングリコールを含有しないバッファー中での再懸濁後に、ポリマーをベースとする沈殿物、例えば、ポリアルキレングリコールをベースとする沈殿物を有するオスモライトを使用して、密度勾配遠心分離を行うステップ、
g)ステップe)およびf)を1回または複数回、任意に繰り返すステップ、
h)生体高分子複合体の水溶性ポリマーをベースとする沈殿、例えば、ポリアルキレングリコールをベースとする沈殿による、濃縮のステップ
を含む、生体高分子複合体の精製のための方法に関する。
留意すべきは、上記ステップのいくつかは、異なる順番であってもよいことである。例えば、ステップc)は、ステップb)の前などに行われてよい。
本明細書で使用するとき、用語「高分子複合体」および特に用語「生体高分子複合体」は、本発明にしたがってサブユニットから作られた、任意の集合体を意味する。サブユニットは通常、高分子複合体の最小単位であり、高分子複合体の特徴的構造または特性の原因となる。サブユニットは、例えば、タンパク質モノマー、DNA−またはRNA−高分子である。述べた通り、高分子複合体は、異なるまたは同一の部分またはサブユニットの超分子集合体である。複合体は、少なくとも500kDa以上の大きさの高分子複合体を形成する、少なくとも2つの同一のまたは異なるサブユニットから、通常なる。多くの同一のサブユニットが結合して、高分子複合体を形成する場合、ホモオリゴマー高分子複合体と称される。ホモオリゴマー複合体のための一般的な例は、未変性分子量850kDaを有するシャペロニンGroELである。高分子複合体が複数の非同一のサブユニットによって形成される場合、ヘテロオリゴマー高分子複合体と称される。ヘテロオリゴマー複合体のための一般的な例は、未変性分子量750kDaを有する、真核生物の20Sプロテアソームである。かかる高分子複合体の構造的複雑さは、球状から細長い繊維状構造体までにわたり得る。高分子複合体のための大きさの上限は、現在、未知であり、核膜孔複合体およびいつくかのウイルスなどの構造体は、大きさが100MDaを超えることが知られている。
本明細書で使用するとき、用語「オスモライト」は、浸透に影響を与える化合物を指す。例としては、これらに限定されるわけではないが、グリセロール、スクロース、糖全般、トリメチルアミン−N−オキシド(TMAO)およびエチレングリコールが挙げられる。
用語「正味電荷ゼロのポリマー」は、数百ダルトンのサイズ範囲内の反復する化学単位の連続した共有結合によって集積される、ポリマーを指す。正味電荷ゼロの定義は、理想的には電子電荷を含有しない(正、負のいずれもない)反復単位の特性によって満たされる。電子電荷は、存在する場合、均衡がとれた様式で表れるはずである、つまり、2の値の正電荷は、2の値の負電荷によって相殺されるはずである。相殺された電子電荷を有するかかる分子は、双性イオンの、種または化学物質と称される。
用語「結晶」は、空間で反復する様式の、任意の所与の単一の分子または分子種の超分子集合体を指す。これによって、分子または分子種は、原子が共有結合および/または非共有結合によって連結される、任意の化学的部分と定義できる。非共有結合の例としては、これらに限定されるわけではないが、水素結合、静電気相互作用およびファンデルワールス接触が挙げられる。結晶中の1つの分子と別の分子の関係は、ブラベー格子に基づく、厳密な対称の法則によって説明できる。
用語「含む(comprise)」もしくは「含む(comprising)」または用語「含有する(contain)」もしくは「含有する(containing)」は、互換的に、本明細書において使用され、前記用語は、態様「なる(consist)」または「からなる(consisting of)」を含む。
用語「非イオン性ポリマー」は、数百ダルトンのサイズ範囲内の反復する化学単位の連続した共有結合によって集積される分子を指す。化学単位が電子電荷を含有しない場合、結果として生じるポリマーは、非イオン性ポリマーと称される。
本発明による方法は、生体高分子複合体の精製を可能にする、単純で迅速な手順を提供することを目的とする。複合体は、高均一性を有して提供され、したがって、再現性のある結晶化を可能にする。さらに、スクリーニングのために、再現性のある様式で、十分豊富に、生体高分子複合体の迅速な結晶化を可能にする化学条件が提供される。
方法は、化合物ライブラリーで浸漬実験させるのに十分な大きさである結晶を提供することを目的とし、したがって、前記生体高分子複合体の適切なリガンドの同定をする。これは、個別化された薬物が前記個体を治療するために決定される、個人的医療における適用にとって、特に適切である。さらに、これは、第一選択の薬物が、個体に有効ではない場合、特に適切である。
これらのリガンドまたは相互作用物質は、活性化剤、阻害剤およびアロステリックエフェクターを含む、生体高分子複合体と相互作用する、特に、生体高分子複合体の機能性を変化させる化合物を含む。
その上、本発明による精製のための方法は、その後の結晶化にとって適切な、精製された生体高分子化合物を提供し、したがって、結晶に高い安定化および凍結保護をもたらすことが可能であり、それ故に、2.2Å未満の分解能範囲、例えば、1.8から2.2Åの範囲内の回折データ収集を可能にする。
本発明による方法は、本発明の実施形態において、前記方法が生体高分子複合体のクロマトグラフィーのない精製を許容する、様々なステップを含む。
典型的に、生体高分子複合体は、粗試料、例えば、細胞培養から得られた細胞または生体高分子複合体を発現する細胞の培養から得られた上清の中に存在する。
粗試料は、例えば、哺乳動物の組織/細胞の場合、低張性溶解によって、または酵母および真菌の場合、凍結粉砕、機械的破砕および/もしくは高圧破断によって得られた細胞からのサイトゾル抽出物、ならびに原核生物発現系から、典型的になる。
実施形態において、細胞培養は、予め決定された成分、例えばサイトカインの存在下で、実施される。例えば、生体高分子複合体が免疫プロテアソームである場合、細胞の培養は、免疫プロテアソームの発現を誘導するのに十分な時間、サイトカイン、特に、インターフェロンガンマで行われる。例えば、細胞培養は、48から96時間の範囲の時間である。当業者は、所望の生体高分子複合体の発現を誘導するための適切な培養条件を熟知している。
粗試料は、細胞残屑の分離のための第一の遠心分離ステップに供する。細胞残屑をペレット状にするための前記分離ステップは、したがって、25,000から35,000×gで行われ、抽出物および上清を得る。例えば、30,000×gでの遠心分離の場合、S30抽出物が得られる。当業者は、したがって、用語S30を熟知している。
次のステップとして、第一の遠心分離ステップの後に得られた上清は、システインをチオール−アルキル化および/または還元させる化合物で処理される。つまり、本発明者らは、この時点でのシステインのチオール−アルキル化および/または還元が、生体高分子複合体を精製する精製方法を改良させることを認識した。つまり、この時点でシステインのチオール−アルキル化および/または還元をもたらすことが、得られた生体高分子複合体の安定性および純度にとって有益である。
留意すべきは、システインをチオール−アルキル化および/または還元させる化合物が、この特定のステップの前または後で、本発明において使用されるバッファー系中に存在してよいことである。
システインのチオール−アルキル化(S−アルキル化)を可能にする化合物の好ましい実施形態としては、ヨードアセトアミド、ヨードアセテート、およびN−エチルマレイミド、ならびにジチオトレイトール(DTT)、ジチオエリトリトール(DTE)、β−メルカプトエタノール(β−ME)またはトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)などの化合物が挙げられる。
S−アルキル化および/またはチオールシステイン還元化合物は、最終溶液中に、1から100mM、例えば、2から50mM、例えば、5から30mMの量で、存在する。例えば、2つの異なるS−アルキル化化合物が、存在してよい。実施形態において、ヨードアセトアミドを、最終濃度10mMでN−エチルマレイミドと組み合わせて、最終濃度合計10mMで加える。
さらに、オスモライトを、第1の遠心分離ステップから得られた前記サイトゾル抽出物に加えてよい。前記オスモライトは、存在しなくてよい、または0.5から25%(w/v)の量で存在してよい。実施形態において、10から25%(w/v)、例えば、15から20%(w/v)のオスモライトを加える。例えば、オスモライトは、糖、例えば二糖である。好ましいオスモライトとしては、スクロース、グリセロール、TMAO、エチレングリコール、プロピレングリコール、グルコース、ガラクトース、マルトース、フルクトースが挙げられる。実施形態において、スクロース粉末を、15から25%(w/v)の量で、上清および精製バッファーの溶液に加える。
さらに、プロテアーゼ阻害剤を加えてよい。例えば、公知のプロテアーゼ阻害剤、すなわちトリプシン阻害剤である、ベンズアミジンクロリド(benzamidine chloride)を、1mMから100mM、例えば、5mMから20mM、特に10mMの量で加えてよい。
その上、オスモライトならびにプロテアーゼ阻害剤、S−アルキル化および/またはシステイン還元化合物は、したがって、先行のステップまたは後続のステップにおいて存在するバッファー系中に存在してよい。当業者は、これらの成分がどこで必要とされるかを、容易に決定できる。
その上、前記バッファーは、非イオン性洗浄剤、例えば、オクチルグルコースネオペンチルグリコール(OGNG)、またはネオペンチルグリコール群のその他のメンバーを含むその他の適切な洗浄剤を、さらに含有してよい。
本発明の実施形態において、オスモライトが存在し、オスモライトはスクロースである。
本発明のステップc)による、言及された化合物での上清の処理は、好ましくは室温で行われるが、10分から1時間、例えば30分などの十分な時間、最初のステップにおいて、4℃から25℃の間の範囲内で実行してよい。いくつかの実施形態において、インキュベーションを、十分な時間、例えば、50分から2時間、振とうさせながら、最初の温度より高い温度、例えば、25℃から37℃の間で、継続する。
その後、第2の遠心分離ステップが、行われる。前記第2の遠心分離ステップは、50,000から150,000×gでの遠心分離によって行われる。例えば、遠心分離は、80,000から120,000×gの範囲で、実行される。実施形態において、遠心分離ステップは、S100抽出物をもたらす。
第2の遠心分離ステップは、十分な時間行われ、抽出物を得る。例えば、遠心分離は、4℃で、少なくとも1時間、例えば2時間、行われる。当業者は、前記遠心分離ステップを行うための適切な条件を熟知している。
遠心分離の後で、さらに濾過ステップを含んで、得られた細胞質抽出物を清澄化してよい。濾過ステップは、粗試料および生体高分子複合体に応じて、先行または後続のステップにおいてもまた、行われてよい。
次に、第2の遠心分離ステップから得られた上清は、水溶性ポリマーで処理される。適切な水溶性ポリマーとしては、非イオン性ポリマーまたは正味電荷ゼロのポリマーが挙げられる。実施形態において、好ましいポリマーとしては、ポリアルキレングリコール、ポリアミンまたはポリカルボキシレートが挙げられる。沈殿にとって適切なポリマーとなるその他の構造体としては、様々なポリマーの沈殿剤が挙げられる。(a)M型Jeffamine。R1=EOについて−HまたはPOについて−CH3。PO/EOモル比は、Jeffamine M2005について29/6、Jeffamine M2070について10/31およびJeffamine M600について9/1である。(b)ペンタエリトリトールエトキシレート。(c)ペンタエリトリトールプロポキシレート。(d)ポリビニルピロリドン。(e)ポリプロピレングリコール。(f)ポリビニルアルコール。(g)ポリアクリレート。(h)セルロースをベースとするポリマー。R1=−H、−CH3または−CH2CHOHCH3(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、−Hまたは−CH2CO2H(カルボキシメチルセルロース)。(i)ポリ(エチレンイミン)。(j)ジ[ポリ(エチレングリコール)]アジペート。(k)Jeffamine ED2003。(l)Jeffamine D2000。(m)Jeffamine SD2001。(n)T型Jeffamine。(o)ポリアクリルアミド。(p)グリセロールエトキシレート。(q)アクリル酸/マレイン酸コポリマー。(r)ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールコポリマー。これらの様々なポリマー沈殿剤を、下記のスキーム1にもまた示す。
Figure 0006898357
スキーム1
添え字x、y、zおよびwのそれぞれは、整数0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から、独立して選択される。
実施形態において、上清は、ポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコールで、処理される。適切なポリアルキレングリコールポリマーとしては、ポリエチレングリコール、特に、ポリエチレングリコール400から20,000、例えば、400から6000が挙げられる。PEGポリマーに関して、数字は、したがって、PEGポリマーの平均分子量を示す。
上清を、前記ポリマーで、例えば、4℃での撹拌下、20%(w/v)の濃度でPEG400を使用して、沈殿させ、その後インキュベートする。インキュベーション時間は、約10から30分であってよい。つまり、ポリマーを、適切な濃度、典型的に、5%から30%(w/v)、例えば、15%から25%(w/v)の範囲内で、抽出物へ加える。加えるポリマーの量は、使用するポリマー次第である。当業者は、したがって、適切な濃度を選択することを熟知している。ポリマーの添加および撹拌は、十分な時間、例えば、10から30分、例えば20分間、15℃未満、例えば10℃未満、例えば、0℃から10℃の範囲内の温度で行われる。
沈殿の後で、沈殿物が、さらなる遠心分離ステップによって得られてよい。沈殿物を、沈殿のために使用されたポリマーを含有しないバッファー、例えば、ポリアルキレングリコールを含有しないバッファー中で、再懸濁する。次に、前記再懸濁された材料は、密度勾配遠心分離に供する。例えば、4℃で、30分間、30,0000×gでの遠心分離の後の沈殿物の再懸濁が、サッカライド、例えば、スクロース、非イオン性ポリマー、例えば、ラウリルマルトースネオペンチルグリコール(LMNG)、還元剤、したがってタンパク質のジスルフィド結合を還元する、例えばジチオトレイトールを含有するが、PEGを含有しない、精製バッファー中で実行される。
沈殿の後で再懸濁された材料での、第1の密度勾配遠心分離ともまた名付けられる、密度勾配遠心分離が、オスモライトをベースとする勾配に再懸濁された材料を負荷することによって実施され、オスモライトをベースとする勾配は、例えば、糖勾配、例えば、スクロースをベースとする勾配である。勾配は、10から40%(w/v)の勾配であり得る。例えば、オスモライト勾配は、10から40%(w/v)スクロースのスクロースをベースとする勾配である。当業者は、したがって、適切な勾配を選択して、所望の生体高分子複合体を分離させることになる。典型的に、勾配は、所望の生体高分子複合体が勾配の中央でまたは3分割の2つ目で存在するように選択される。勾配は、適切な条件下、つまり、例えば270,000×gで、例えば4℃で、十分な時間行われる。典型的に、勾配は、線形勾配であるが、指数関数的凸または指数関数的凹の勾配が可能である。
勾配は、公知の方法によって集められ、生体高分子複合体を含有する画分を、水溶性ポリマー、典型的に、前に使用したのと同じ水溶性ポリマーによって沈殿させる。
必要な場合、したがって、沈殿再懸濁および密度勾配遠心分離を、繰り返して、精製された生体高分子複合体に到達する。最後の密度勾配遠心分離の後で、生体高分子複合体は、精製された生体高分子複合体を得るために、水溶性ポリマーをベースとする沈殿によって濃縮される。
実施形態において、第1の遠心分離ステップは、S30画分を得るための遠心分離である、および/または第2の遠心分離ステップは、S100画分を得る遠心分離である。
さらに、任意に濾過をうけてもよい、第2の遠心分離ステップの後で得られた上清は、水溶性ポリマー、特に、非イオン性ポリマーまたは正味電荷ゼロのポリマー、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリアミン、もしくはポリカルボキシレート、特に、ポリエチレングリコールでの示差沈殿に供し、この示差沈殿は、生体高分子複合体が上清中に維持される、より低い濃度の水溶性ポリマー、特に、非イオン性ポリマーまたは正味電荷ゼロのポリマー、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリアミン、もしくはポリカルボキシレートでの第1の沈殿ステップを含み、生体高分子複合体を沈殿させるための、より高い濃度の水溶性ポリマー、特に、非イオン性ポリマーまたは正味電荷ゼロのポリマー、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリアミン、もしくはポリカルボキシレートでのさらなる沈殿ステップを有する。
示差沈殿は、より少ない密度勾配遠心分離および沈殿ステップで、所望の生体高分子複合体を分離させる。
精製ならびに密度勾配の画分は、SDS−page分析によって制御されてよい。当業者は、したがって、精製を制御する適切な方法を熟知している。
実施形態において、精製される生体高分子複合体は、それぞれの免疫プロテアソームを含むプロテアソーム、例えば、20Sプロテアソームまたは26Sプロテアソームである。20Sプロテアソームまたは26Sプロテアソームの精製の場合、PEG400が最適なポリマーとして使用され、密度勾配がスクロース10から30%(w/v)のスクロースをベースとする線形密度勾配である、沈殿および密度勾配遠心分離のステップが、少なくとも1回繰り返される。
別の実施形態において、生体高分子複合体は、脂肪酸シンターゼ、例えば、酵母脂肪酸シンターゼである。ここで、沈殿および密度勾配のステップは、少なくとも2回、例えば3回、繰り返される。その上、密度勾配は、スクロース10から45%(w/v)のスクロースをベースとする線形密度勾配である。その上、S−アルキル化および/またはシステイン還元剤は、DTTである。第2の遠心分離ステップの後で得られた上清は、したがって、沈殿物またはペレットを得るために、例えば、第1の沈殿ステップにおける20%(w/v)のPEG400を有するPEG400を使用し、その後、30%(w/v)のPEG400で得られた上清を沈殿させる、示差沈殿に供する。
実施例において実証された通り、これらの複合体が、複合体のさらなる結晶化を可能にする高純度を有する、本発明による方法によって精製された生体高分子複合体を得ることが可能である。
さらなる態様において、本発明は、生体高分子複合体の結晶化のための方法に関する。本発明による結晶化のための方法は、本明細書に記載された通り、生体高分子複合体の精製のための方法を含む。精製の後で、精製された複合体を、水溶性ポリマー、特に、非イオン性ポリマーまたは正味電荷ゼロのポリマー、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリアミン、もしくはポリカルボキシレート、特に、ポリエチレングリコールを含有するリザーバー溶液中に、再懸濁する。結晶化バッファーとしてもまた知られるリザーバーバッファーは典型的に、0.1Mの量でトリス、HEPESまたはBisTrisバッファー系を含有するバッファーである。その上、20Sプロテアソームの場合、水溶性ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール、例えば、PEG3350は、5から30%(w/v)の範囲内、例えば、10から20%(w/v)、例えば10%(w/v)である。FASの場合、ポリエチレングリコール、例えばPEG3350は、5から20%(w/v)の範囲内、例えば、14%(w/v)である。
適切な条件は、例えば、Chari A.ら、Nat.Methods、2015、12、859〜865またはWO2013/034160に記載された、ProteoPlex法を使用して決定されてよい。結晶化は、2Å未満の前記結晶の再現性のある分解能をさらに許容して、結晶を安定化および脱水することによって、継続されてよい。結晶化方法は、少なくとも5mg/mlのタンパク質濃度を有する生体高分子複合体で行われてよい。その上、結晶化のステップは、最初は、15℃を超える温度で、その後は、8℃以下の温度で行われてよい。つまり、最初のステップにおいて、制御された安定化が、適切な結晶安定化バッファー、例えば、より多量のポリマーを有する、上に記載されたBisTrisバッファーを使用して行われる一方で、結晶のより低い温度での脱水は、結晶安定化バッファーと同様であるが、より多量のポリマーおよび、その上、アルコール、例えば、MPD、2−メチル−2,4−ペンタンジオールまたはグリセロールを含有してよい、結晶脱水バッファーで行われる。
上述のバッファー、すなわち、結晶化バッファー、結晶安定化バッファーおよび結晶脱水バッファーは、さらに、塩化マグネシウム、MgClを含有してよい。したがって、例えば、20Sプロテアソームの場合、塩化マグネシウムは、バッファー中に0.2Mの量で存在する。FASの場合、結晶脱水バッファーは、0.2〜5Mの範囲内で塩化マグネシウム、ヨウ化カリウム、塩化ナトリウム、酢酸カリウムまたは塩化カリウムのいずれかを含有する。
塩化マグネシウムまたはその他の塩の存在または非存在は、生体高分子複合体次第であり得る。述べた通り、したがって、WO2013/034160に記載された方法を使用することにより、適切な条件の同定が可能になり得る。本発明による結晶化方法の実施形態において、結晶は、さらに、生体高分子複合体と相互作用する、またはこれらの複合体と相互作用すると考えられる化合物で浸漬される。したがって、例えば、結晶は、活性化剤、阻害剤、または相互作用する、例えば生体高分子複合体に結合する、その他の種類のリガンドで、浸漬される。例えば、プロテアソーム結晶中へ包含されるプロテアソーム阻害剤の場合、プロテアソーム結晶は、前記阻害剤を含有するバッファー系、例えば、上述の結晶脱水バッファー系で、インキュベートされ、十分な量、例えば、1から10mMの量で、上述のプロテアソーム阻害剤をさらに含有する。
十分な時間、例えば少なくとも5時間、例えば少なくとも10時間のインキュベーションの後で、結晶は、その後、集められてよく、分析の準備ができる。
つまり、本発明による生体高分子複合体の結晶化のための方法は、任意に、相互作用する化合物で浸漬された多数の結晶を提供させる。したがって、化合物ライブラリーでの浸漬実験および、最終的に、最も適切な相互作用物質、例えば、活性化剤または阻害剤または化合物に影響を与えるその他の生体高分子複合体の決定を可能にする。例えば、免疫プロテアソームを含む、20Sプロテアソームまたは26Sプロテアソームの場合、化合物ライブラリーは、プロテアソーム複合体を阻害するための候補化合物から構成されてよい。個別化医療の場合、免疫プロテアソームを含む20Sプロテアソームまたは任意のその他の生体高分子複合体は、本発明による方法によって結晶化されてよく、その後、候補化合物は、結晶と共にインキュベートされ、したがって、結晶と相互作用させ、それによって前記複合体の相互作用物質として前記候補化合物の適合性を判定する。例えば、20Sプロテアソームの阻害剤の場合、個体を治療するための最も適切な阻害剤が、決定される。さらに、この方法は、個体が第一選択の阻害剤、例えば、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、ジヒドロエポノマイシン(Dihydroeponomicin)、エポノマイシン(Eponomicin)、マリゾミブ、イキサゾミブ、デランゾミブ、ONX−912(オプロゾミブ)またはONX−0914に耐性がある場合、20Sプロテアソームの阻害剤として活性のある化合物を同定するのに適切である。
つまり、本発明の別の実施形態において、個体の免疫プロテアソームを含む20Sプロテアソームを阻害するための候補化合物の適合性を判定するための方法が提供される。前記方法は、本発明による候補化合物を含有する、前記個体の20Sプロテアソームの結晶化のための方法に記載されたステップ、または代替として、本発明による候補化合物を含有する、結晶化された20Sプロテアソームを用意するステップを含む。典型的に、候補化合物は、上述の通り、結晶中に浸漬することによって、結晶中に導入される。
例えば浸漬によって、20Sプロテアソームにより例証された、結晶化された生体高分子複合体中への候補化合物の組み込みの後で、20Sプロテアソームの結晶構造が決定される。例えば、結晶構造は、2.2Å以下の分解能での回折分析によって決定される。候補化合物を有する生体高分子複合体の結晶構造に基づいて、前記候補化合物の適合性が判定される。例えば、候補化合物が、2.2Å以下での回折分析に基づいて、個体の20Sプロテアソームのための阻害剤として適切であるかどうかが判定される。
本発明による方法は、前記個体を治療するための活性薬物としての適切な化合物を決定するため、つまり、個別化医療を適用するために、特に有用である。例えば、個体が、20Sプロテアソームの第1の阻害剤、例えば、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、ジヒドロエポノマイシン、エポノマイシンまたはONX−0914に応答しない個体の場合。
例えば、免疫プロテアソームを含む20Sプロテアソームの阻害剤の形態での候補化合物は、癌、自己免疫疾患、筋ジストロフィー、肺気腫、または癌もしくはAIDSに伴うカヘキシーを治療、改善または予防する方法に使用されてよい。癌は、リンパ系腫瘍から選択される、好ましくは、再発性および軟治性MMを含む多発性骨髄腫(MM)、非ホジキンリンパ腫、例えば、マントル細胞リンパ腫(MCL)およびびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を含むB細胞リンパ腫、ならびにワンデンストレームマクログロブリン血症から選択される癌、または関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群もしくは強皮症から選択される自己免疫疾患であってよい。
さらなる実施形態において、本発明は、本発明による方法によって得られる、精製された生体高分子複合体に関する。本発明による方法で取得可能な、これらの精製された生体高分子複合体は、高い均一性を有する特徴があり、したがって、さらなる結晶化にとって特に適切である。その上、精製方法は、したがって、これらの生体高分子複合体の再現性がある十分な精製をさせる方法となる。得られた複合体は、高純度で豊富に得られる。
実証された通り、精製によって、前に記載されなかった高分解能、つまり、2.2Å以下の分解能、例えば、1.8から2.2Åの分解能範囲内での回折分析をさせて、生体高分子複合体の結晶を提供させる。
実施形態において、精製された生体高分子複合体は、少なくとも2つの異種または相同タンパク質サブユニットから構成される、または核酸分子とタンパク質との組合せである。精製された生体高分子複合体としては、免疫プロテアソームを含むプロテアソーム、例えば、20Sプロテアソームまたは26Sプロテアソーム、ならびにシャペロニン複合体、例えば、GroEL、GroEL−ES、Hsp60、Hsp60−10、ならびに40S−、60S−および80S−リボソーム、真核生物の脂肪酸シンターゼ、オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼおよびピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体を含む。
さらに、本発明は、本明細書に記載された結晶化方法によって取得可能な、結晶化された生体高分子複合体に関する。これらの結晶化された生体高分子複合体は、2.2Å以下の分解能での回折分析を許容する。例えば、免疫プロテアソームを含む20Sプロテアソームの場合、1.8から2.2Åの範囲内での分解能を許容することが、初めて可能になった。
この分解能に基づいて、前記化合物を結晶中に浸漬し、その後、2.2Å以下の高分解能での回折分析により分析することによって、生体高分子複合体、例えば、20Sプロテアソームの適切な相互作用物質を同定することが可能である。つまり、したがって、これらの化合物が、生体高分子複合体の活性部位に存在するかどうか、または化合物が、これらの複合体の活性に影響を与えるその他の部位と共に存在するかどうかを、同定することが可能である。方法および精製された生体高分子複合体、ならびに結晶化された生体高分子複合体の適合性は、20Sプロテアソームによって例証される。しかし、さらなるデータが、シャペロニン複合体、例えば、GroEL、GroEL−ES、真核生物のHsp60、真核生物のHsp60−10、40S−、60S−および80S−リボソーム、ならびに真核生物の脂肪酸シンターゼについて得られる。
図1は、上述の通り、生体高分子複合体の精製のための方法によるステップのフローチャートである。
下に示された実施例は、本発明を、さらに限定することなく、説明する。
材料および方法:
材料
標準化学物質を、Sigma Aldrich(Taufkirchen、ドイツ)から得た。プロテアソーム阻害剤であるオプロゾミブ、エポキソマイシンおよびジヒドロエポネマイシンを、ApexBio(Houston、USA)から購入し、MLN9708およびボルテゾミブを、Selleck Chemicals(Munich、ドイツ)から、Z−LLY−ケトアルデヒドを、Bachem(Bubendorf、スイス)から得、100mM濃度で、DMSO中で再懸濁した。洗浄剤を、Anatrace(Maumee、USA)から、結晶化プレートを、Hampton Research(Aliso Viejo、USA)から、Litholoopsを、Molecular Dimensions(Suffolk、UK)およびJena Bioscience(Jena、ドイツ)から得た。
表S1:タンパク質精製、結晶化、結晶安定化、結晶脱水のためのバッファーおよび酵素アッセイ
精製バッファー:BisTris0.05M pH6.5、KCl 0.05M、MgCl2 0.01M、βグリセロリン酸0.01M
結晶化バッファー:BisTris0.1M pH6.5、MgCl2 0.2M、PEG3350 10%(w/v)
結晶安定化バッファー:BisTris0.1M pH6.5、MgCl2 0.2M、PEG3350 20%(w/v)
結晶脱水バッファー:BisTris0.1M pH6.5、MgCl2 0.2M、PEG3350 25%(w/v)、MPD20%(v/v)
方法
図2で表されたヒト20Sプロテアソームの精製
S30HeLa細胞質抽出物を、わずかに変更を加えたDignamら、(20)にしたがって、低張性溶解により調製した。低張性溶解および遠心分離により核を収集した後で、上清(粗細胞質抽出物)を、4℃で30分間30,000×gで遠心分離し、液体窒素中、40mlアリコートで急速冷凍し、さらに使用するまで、−80℃で貯蔵した。S30HeLa細胞質抽出物を、37℃での水浴で解凍し、10×ストックから1×濃度まで精製バッファーを補って、続いて、スクロース粉末を20%(w/v)まで、オクチルグルコースネオペンチルグリコール(OGNG、水中10%(w/v)のストック溶液から)0.1%(w/v)まで、ヨードアセトアミドを10mMまで、N−エチルマレイミドを10mMまで、およびベンズアミジンクロリドを10mMまで加えた。抽出物を、30分間マグネチックスターラーで室温にてインキュベートし、続いて、1時間140rpmで振とうさせて、30℃でインキュベートした。処理された抽出物を、4℃で2時間100,000×gで遠心分離した。遠心分離の後で、上清を、チーズクロスおよびミラクロスのそれぞれ3層を通し濾過して、S100HeLa細胞質抽出物を得た。
清澄化された抽出物は、ポリエチレングリコール400(PEG、数字は、PEGポリマーの平均分子量を示す)で示差沈殿に供する。PEG400を、4℃で撹拌下、20%(v/v)の濃度までS100HeLa細胞質抽出物に加え、20分間インキュベートする。沈殿させたタンパク質を、4℃で30分間30,000×gで遠心分離することによって除去する。次に、上清を、上述の通り、PEG400の濃度を30%(v/v)まで上昇させることによって、沈殿させる。このステップの沈殿物は、ヒト20Sプロテアソームを含有し、4℃で30分間30,000×gでの遠心分離によって回収され、18℃で、オービタルシェーカー中、スクロース2%(w/v)、DTT10mMおよびラウリルマルトースネオペンチルグリコール(LMNG)0.01%(w/v)を含有する精製バッファー中で再懸濁される。再懸濁された材料を、DTT5mMを含有する精製バッファー中の10〜30%(w/v)のスクロース勾配に負荷し、4℃で16時間270,000×gで遠心分離する。勾配を、Akta Prime(G E Healthcare)によって400μlの画分中で集めた。SDS−PAGEを使用して、20Sプロテアソームを含有する画分を同定した。選択された画分を、プールし、PEG400を40%(v/v)加えることにより沈殿させた。遠心分離(30,000×g、20分)の後で、上清を除去し、沈殿物を、スクロース5%(w/v)、DTT10mMおよびLMNG0.01%(w/v)を含有する精製バッファー中で再懸濁した。再懸濁された材料を、DTT5mMを含有する精製バッファー中の10〜40%(w/v)の線形スクロース勾配に負荷し、4℃で20時間284,000×gで遠心分離する。20Sプロテアソームを含有する画分を、SDS−PAGEによって、さらにもう一度、同定し、沈殿させ、40%のPEG400を加えることによって濃縮し、スクロース5%(w/v)、DTT5mMおよびLMNG0.01%を含有する精製バッファー中で再懸濁し、最終的に精製されたタンパク質調製物を13mg/mlで産生する。タンパク質濃度を、標準としてBSAを使用するBradfordアッセイ(BioRad、Munich、ドイツ)によって決定した。この手順は、10mg/mlの濃度でのS100HeLa細胞質抽出物300mlから始まって、精製されたヒト20Sプロテアソーム20mgを、再現性よく産生する。精製手順の全体を、結晶グレードのタンパク質を産生する48時間以内に終了させる。精製は、様々な精製ステップからの画分のSDSpageを示す図3に明示される。
ヒト20Sプロテアソームの結晶化
ヒト20Sプロテアソームを、結晶化バッファーの500μlリザーバーの上のChryschemシッティングドロップ蒸気拡散プレート(Hampton Research、Aliso Viejo、USA)において、タンパク質0.5μl+結晶化バッファー0.5μlを混合することによって、タンパク質濃度7.5mg/mlで結晶化する。これらの条件下、ヒト20Sプロテアソームは、単位細胞定数、a=114Å、b=202Å、c=302Å、α=β=γ=90°を有する空間群P212121において結晶化する。上記の精製手順は、したがって、5000超の結晶化装置において典型的に実施するのに適切である。現在同定された結晶化条件のさらなる利点としては、それぞれの結晶化装置が典型的に、10〜15の結晶を産生することが挙げられ、結晶は、150×150×200μm3の大きさである。結晶のフルサイズまでの結晶化は、インキュベーション20時間以内で達成される(図1参照)。それ故に、約50000個の結晶を、抽出物調製72時間以内に作製でき、その結晶の全ては、分解能2Å未満まで典型的に回折する。
結晶安定化および脱水
上記の手順によって得られたヒト20Sプロテアソーム結晶は、制御された様式で安定化および脱水される必要があり、分解能2Å未満まで再現性よく回折する。本発明者らは、再現性のある手順を確立するために多大な努力を払って、これを達成した。3つのステップが関与する。1)最初に18℃で成長させたヒト20S結晶を含有する結晶化トレイを、スタイロフォームの箱の中へ入れ、4℃まで移行させる。典型的に、トレイを、8時間インキュベートする。2)結晶を、4℃で、安定化し、脱水する。最初に、シールを除去し、リザーバー溶液1μlを加える。次に、結晶安定化バッファー2μlを、結晶化ドロップに加える。同時に、リザーバー溶液を、結晶脱水バッファーに交換する。次に、ドロップを、再密封し、4℃で8時間超の蒸気拡散によって、新しいリザーバー溶液に対して平衡化させる。3)プロテアソーム阻害剤を、ドロップに結晶脱水バッファー4μlを加えることにより、結晶中へ浸漬し、バッファーは、5mMの最適なプロテアソーム阻害剤をさらに含有する(最終濃度、2.5mM)。次に、ドロップを、再密封し、12時間超で平衡化させる。結晶安定化、脱水およびリガンド浸漬の手順の全体は、したがって、30時間以内で終了する。
ヒト20S免疫プロテアソームの精製
ヒト20Sプロテアソームの精製に関する上記の方法と同様に、免疫プロテアソームは、当技術分野で記載されている通り、提供された粗試料を、72時間、200U/μlインターフェロンガンマで培養された細胞培養から得る、同じアプローチにしたがって精製する。
免疫プロテアソームの結晶化を、上記の通り実行した。2.2Å未満の分解能を得ることが可能であった。
酵母脂肪酸シンターゼ(FAS)の精製
手短に言えば、酵母Fasの精製は、以下の通り行われる。
1)粉砕された酵母細胞(S.セレビシエ(S.cerevisiae)またはC.テルモフィルム(C.thermophilum))770gを、30分37℃で、スターラーにより解凍した。
2)以下を加える。
・1×標準バッファー(SB)(アセテート)(168ml×2)
・PMSF(溶液)5mM
・ベンズアミジン10mM
・ベータグリセロリン酸10mM
・DTT20mM
・スクロース20%(w/v)
3)RTで30分間、インキュベートする。
4)30分間30000gで、遠心分離し、ミラクロスおよびチーズクロス(それぞれ3層)を使用して、上清を濾過する。
5)上清にOGNG(溶液)0.2%を加え、1時間30℃で、インキュベートする。
6)37krpm、1時間、遠心分離する(Ti45Beckmann−Coulter)。
7)ミラクロスおよびチーズクロスの3層を使用して、上清を濾過する。
8)18℃で30分間、1×SB(アセテート)中に、20%のPEG400で沈殿させ、25分間27,500gで、遠心分離する。
9)ペレットを廃棄し、18℃で30分間、1×SB(アセテート)中に、30%のPEG400で、上清を沈殿させ、25分間27,500gで、遠心分離する。
10)ペレットを保持し、上清を廃棄する。
11)再懸濁バッファー(スクロース2%、1×SBアセテートバッファー、DTT10mM、ベータ−ガラクトシダーゼ10mM、LMNG(ラウロイルマルトシドネオペンチルグリコール(Lauroylmaltosideneopentylglycol))0.01%)中で、ペレットを再懸濁する。
12)SW30、10〜45%の勾配を有する6バイアルに再懸濁されたペレットを負荷し、16時間30,000rpmで稼働させる(勾配は、スクロース、1×SBアセテートバッファー、DTT10mMおよびベータグリセロリン酸10mMを含有する)。
13)FAS画分)を、プールし、濾過し、18℃、1時間でSBアセテートバッファー中に40%のPEG400を使用して、沈殿させた。FAS画分を、1時間27,500gで遠心分離した。
14)ペレットを、再懸濁バッファー(スクロース2%、1×SBアセテートバッファー、DTT10mM、ベータ−ガラクトシダーゼ10mM、LMNG0.01%)中で再懸濁した。
15)再懸濁されたペレットを、12バイアルのSw40、10〜45%の勾配に負荷した、そして16時間25000rpmで稼働させる。
16)FAS画分を、プールし、濾過し、18℃、1時間で、SBアセテートバッファー中に40%のPEG400を使用して、沈殿させた。FAS画分を、25分間27,500gで、遠心分離した。
17)ペレットを、約4.2mlの体積の再懸濁バッファー(スクロース2%、1×SBアセテートバッファー、DTT10mM、LMNG0.01%)中で再懸濁した。
18)再懸濁されたペレットを、12×Sw40、10〜45%の勾配に負荷した、そして16時間22000rpmで稼働させる。
19)FAS画分を、プールし、18℃、1時間で、SBアセテートバッファー中に40%のPEG400を使用して、沈殿させた。FAS画分を、25分間27,500gで、遠心分離した。
20)ペレットを、再懸濁バッファー(スクロース20%、1×SBアセテートバッファー、DTT10mM、LMNG0.01%)中で再懸濁した。最終濃度は、1.1mlに対して15mg/mlであった。
細胞260gから出発して、収量は、酵母脂肪酸シンターゼ約16mgである。FASを、本明細書に記載された方法にしたがって結晶化し、屈折は、4Å未満の範囲、特に2.8Åで可能である。その上、電子顕微鏡観察を、分解能3Å未満で行った。
本発明は、下記の態様も包含する。
態様1
精製された生体高分子複合体を得るための、
a)生体高分子複合体を含有する粗試料を用意するステップ、
b)25,000から35,000×gでの細胞残屑の分離のための第1の遠心分離ステップを行うステップ、
c)0%から25%(w/v)の量のオスモライト、およびシステインのチオール−アルキル化を可能にする化合物を、第1の遠心分離ステップから得られた上清に補うステップ、
d)50,000から150,000×g、例えば、80,000から120,000×gでの遠心分離による、第2の遠心分離ステップを行うステップ、
e)沈殿のために、第2の遠心分離ステップから得られた上清を、水溶性ポリマー、特に、非イオン性ポリマーまたは正味電荷ゼロのポリマー、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリアミン、もしくはポリカルボキシレートで処理するステップ、
f)前記ポリマー、例えば、ポリアルキレングリコールを含有しないバッファー中での再懸濁後に、ポリマーをベースとする沈殿物、例えば、ポリアルキレングリコールをベースとする沈殿物を有するオスモライトを使用して、密度勾配遠心分離を行うステップ、
g)ステップe)およびf)を1回または複数回、任意に繰り返すステップ、
h)生体高分子複合体の水溶性ポリマーをベースとする沈殿、例えば、ポリアルキレングリコールをベースとする沈殿による、濃縮のステップ
を含む、生体高分子複合体の精製のための方法。
態様2
ポリアルキレングリコールが、ポリエチレングリコール、特に、ポリエチレングリコール400から20,000、例えば、400から6000である、態様1に記載の方法。
態様3
第1の遠心分離ステップが、S30画分を得る遠心分離である、および/または第2の遠心分離ステップが、S100画分を得る遠心分離である、態様1または2に記載の方法。
態様4
オスモライト勾配が、10から40%(w/v)スクロースのスクロースをベースとする勾配である、態様1から3のいずれか一項に記載の方法。
態様5
第2の遠心分離ステップの後で、上清が、水溶性ポリマー、特に、非イオン性ポリマーまたは正味電荷ゼロのポリマー、例えば、ポリアルキレングリコールアミン、もしくはポリカルボキシレート、特に、ポリエチレングリコールでの示差沈殿をうけ、前記示差沈殿が、より低い濃度の水溶性ポリマー、特に、非イオン性ポリマーまたは正味電荷ゼロのポリマー、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリアミン、もしくはポリカルボキシレートでの第1の沈殿ステップを含み、それにより生体高分子複合体が上清中に維持され、生体高分子複合体を沈殿させるための、より高い濃度の水溶性ポリマー、特に、非イオン性ポリマーまたは正味電荷ゼロのポリマー、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリアミン、もしくはポリカルボキシレートでのさらなる沈殿ステップを有する、態様1から4のいずれか一項に記載の方法。
態様6
生体高分子複合体が、プロテアソーム、例えば、20Sプロテアソームまたは26Sプロテアソーム、脂肪酸シンターゼ、例えば、酵母脂肪酸シンターゼである、態様1から5のいずれか一項に記載の方法。
態様7
粗試料が、細胞の低張性溶解によって得られる、または凍結粉砕によって得られるサイトゾル抽出物である、態様1から6のいずれか一項に記載の方法。
態様8
生体高分子複合体が、免疫プロテアソームであり、方法が、免疫プロテアソームの発現を誘導するのに十分な時間、サイトカイン、特にIFNγを有する細胞を培養するステップを含む、態様6または7に記載の方法。
態様9
水溶性ポリマー、特に、非イオン性ポリマーまたは正味電荷ゼロのポリマー、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリアミン、もしくはポリカルボキシレート、特にポリエチレングリコールを含有する、リザーバー溶液中での結晶化のステップをさらに含む、態様1から8のいずれか一項に記載の生体高分子複合体の精製のための方法を含む、生体高分子複合体の結晶化のための方法。
態様10
タンパク質濃度が、結晶化のために少なくとも5mg/mlである、態様9に記載の方法。
態様11
結晶化のステップが、最初は、15℃を超える温度で、その後は、8℃以下の温度である、態様9または10に記載の方法。
態様12
結晶の安定化および脱水が、8℃以下の温度で実行される、態様9から11のいずれか一項に記載の方法。
態様13
態様1から8のいずれか一項に記載の方法によって取得可能な、精製された生体高分子複合体。
態様14
少なくとも2つの異種または相同タンパク質サブユニットから構成される、または核酸分子とタンパク質との組合せである、態様13に記載の精製された生体高分子複合体。
態様15
回折分析によって決定して、3Å以下、例えば、2.2Å以下の分解能を有する、態様9から12のいずれか一項に記載の方法によって取得可能な、結晶化された生体高分子複合体。
態様16
個体の20Sプロテアソームを阻害するための候補化合物の適合性を判定するための方法であって、
態様9から12のいずれか一項に記載の候補化合物を含有する、前記個体の20Sプロテアソームの結晶化のための方法のステップ、または態様15に記載の候補化合物を含有する、結晶化された20Sプロテアソームを用意するステップ、
− 2.2Å以下の分解能での回折分析によって、20Sプロテアソームの結晶構造を決定するステップ、
− 前記分析に基づいて、個体の20Sプロテアソームの阻害剤としての候補化合物の適合性を判定するステップ
を含む、方法。
態様17
個体が、20Sプロテアソームの第1の阻害剤、例えば、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、ジヒドロエポネマイシン(Dihydroeponomycin)、エポノマイシン(Eponomycin)、マリゾミブ、イキサゾミブ、デランゾミブ、ONX−912またはONX−0914に応答しない個体である、態様16に記載の方法。

Claims (27)

  1. 精製された生体高分子複合体を得るための、
    a)生体高分子複合体を含有する粗試料を用意するステップ、
    b)25,000から35,000×gでの細胞残屑の分離のための第1の遠心分離ステップを行うステップ、
    c)オスモライトの不存在下で、または0.5%から25%(w/v)の量のオスモライトと共に、システインのチオール−アルキル化を可能にする化合物を、第1の遠心分離ステップから得られた上清に補うステップ、
    d)50,000から150,000×gでの遠心分離による、第2の遠心分離ステップを行うステップ、
    e)沈殿のために、第2の遠心分離ステップから得られた上清を、水溶性ポリマーで処理するステップ、
    f)前記ポリマーを含有しないバッファー中での再懸濁後に、前記ポリマーをベースとする沈殿物を有するオスモライトを使用して、密度勾配遠心分離を行うステップ、
    g)ステップe)およびf)を1回または複数回、任意に繰り返すステップ、
    h)生体高分子複合体の水溶性ポリマーをベースとする沈殿による、濃縮のステップ
    を含む、生体高分子複合体の精製のための方法。
  2. 遠心分離による第2の遠心分離ステップが、80,000から120,000×gで行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記水溶性ポリマーが、非イオン性ポリマーまたは正味電荷ゼロのポリマーである、請求項1または2に記載の方法
  4. 前記水溶性ポリマーが、ポリアルキレングリコール、ポリアミン、もしくはポリカルボキシレートである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法
  5. 前記水溶性ポリマーが、ポリエチレングリコールである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法
  6. 前記水溶性ポリマーが、ポリエチレングリコール400から20,000である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法
  7. 前記水溶性ポリマーが、ポリエチレングリコール400から6000である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法
  8. 第1の遠心分離ステップが、S30画分を得る遠心分離である、および/または第2の遠心分離ステップが、S100画分を得る遠心分離である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. オスモライト勾配が、10から40%(w/v)スクロースのスクロースをベースとする勾配である、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  10. 第2の遠心分離ステップの後で、前記上清が、水溶性ポリマーでの示差沈殿をうけ、前記示差沈殿が、より低い濃度の水溶性ポリマーでの第1の沈殿ステップを含み、それにより生体高分子複合体が上清中に維持され、生体高分子複合体を沈殿させるための、より高い濃度の水溶性ポリマーでのさらなる沈殿ステップを有する、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  11. 生体高分子複合体が、プロテアソームまたは脂肪酸シンターゼである、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. プロテアソームが、20Sプロテアソームまたは26Sプロテアソームである、請求項11に記載の方法。
  13. 脂肪酸シンターゼが、酵母脂肪酸シンターゼである、請求項11に記載の方法。
  14. 粗試料が、細胞の低張性溶解によって得られる、または凍結粉砕によって得られるサイトゾル抽出物である、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 生体高分子複合体が、免疫プロテアソームであり、方法が、免疫プロテアソームの発現を誘導するのに十分な時間、サイトカインを有する細胞を培養するステップを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. サイトカインが、IFNγである、請求項15に記載の方法
  17. 水溶性ポリマーを含有する、リザーバー溶液中での結晶化のステップをさらに含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の生体高分子複合体の精製のための方法を含む、生体高分子複合体の結晶化のための方法
  18. タンパク質濃度が、結晶化のために少なくとも5mg/mlである、請求項17に記載の方法。
  19. 結晶化のステップが、最初は、15℃を超える温度で、その後は、8℃以下の温度である、請求項17または18に記載の方法。
  20. 結晶の安定化および脱水が、8℃以下の温度で実行される、請求項17から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 請求項1から16のいずれか一項に記載の方法によって取得可能な、精製された生体高分子複合体。
  22. 少なくとも2つの異種または相同タンパク質サブユニットから構成される、または核酸分子とタンパク質との組合せである、請求項21に記載の精製された生体高分子複合体。
  23. 回折分析によって決定して、3Å以下の分解能を有する、請求項17から20のいずれか一項に記載の方法によって取得可能な、結晶化された生体高分子複合体。
  24. 分解能が2.2Å以下である、請求項23に記載の結晶化された生体高分子複合体
  25. 個体の20Sプロテアソームを阻害するための候補化合物の適合性を判定するための方法であって、
    請求項17から20のいずれか一項に記載の候補化合物を含有する、前記個体の20Sプロテアソームの結晶化のための方法のステップ、または請求項23または24に記載の候補化合物を含有する、結晶化された20Sプロテアソームを用意するステップ、
    − 2.2Å以下の分解能での回折分析によって、20Sプロテアソームの結晶構造を決定するステップ、
    − 前記分析に基づいて、個体の20Sプロテアソームの阻害剤としての候補化合物の適合性を判定するステップ
    を含む、方法。
  26. 個体が、20Sプロテアソームの第1の阻害剤に応答しない個体である、請求項25に記載の方法
  27. 20Sプロテアソームの第1の阻害剤が、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、ジヒドロエポネマイシン(Dihydroeponomycin)、エポノマイシン(Eponomycin)、マリゾミブ、イキサゾミブ、デランゾミブ、ONX−912またはONX−0914である、請求項26に記載の方法
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