JP2001269168A - インターフェロン−γによるハイブリッドプロテアソームの誘導方法 - Google Patents

インターフェロン−γによるハイブリッドプロテアソームの誘導方法

Info

Publication number
JP2001269168A
JP2001269168A JP2000086405A JP2000086405A JP2001269168A JP 2001269168 A JP2001269168 A JP 2001269168A JP 2000086405 A JP2000086405 A JP 2000086405A JP 2000086405 A JP2000086405 A JP 2000086405A JP 2001269168 A JP2001269168 A JP 2001269168A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
proteasome
hybrid
atp
cells
activity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000086405A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Niihara
直樹 新原
Shinichiro Niwa
真一郎 丹羽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
UP SCIENCE Inc
Original Assignee
UP SCIENCE Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by UP SCIENCE Inc filed Critical UP SCIENCE Inc
Priority to JP2000086405A priority Critical patent/JP2001269168A/ja
Publication of JP2001269168A publication Critical patent/JP2001269168A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 PA28がATP依存性プロテアソームによるタン
パク質分解に機能的に関連されるか否かを明らかにし、
またインターフェロン-γがPA28およびPA700の両方を含
むプロテアソーム(PA700-20S-PA28複合体)の活性に及
ぼす影響を解明すること。 【解決手段】 20Sプロテアソームを発現する細胞にイ
ンターフェロン−γを投与することを特徴とする、ハイ
ブリッドプロテアソーム(PA700-20S-PA28複合体)を誘
導する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インターフェロン
−γによってハイブリッドプロテアソームを誘導する方
法に関する。より詳細には、本発明は、20Sプロテアソ
ームを発現する細胞にインターフェロン−γを投与する
ことによるハイブリッドプロテアソームを誘導する方
法、該方法を用いたハイブリッドプロテアソーム阻害剤
(特には、医薬として有用なハイブリッドプロテアソー
ム阻害剤)のスクリーニング方法、該スクリーニング方
法により得られるハイブリッドプロテアソーム阻害剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】プロテアソームは、細胞周期進行、シグ
ナル伝達、タンパク質の質制御および免疫応答などの多
様な細胞プロセスの調節に関与する様々なタンパク質を
分解することができる複合体である(Coux, O., 他、(1
996) Annu. Rev. Biochem. 65,801-847;Rechsteiner.
M.(1998) The 26S proteasome. In "Ubiquitin and the
Biology of the Cell" (Eds by Peters, J.-M., Harri
s, J. R. & Finley, D.) pp147-189, Plenum Press, Ne
w York;Voges, D.他、(1999) Annu. Rev. Biochem. 6
8, 1015-1068;及びBochtler, M.他、(1999)Annu. Re
v. Biophysc. Biomol.Struct. 28, 295-317に概説)。
プロテアソームはエネルギー依存性タンパク質分解系を
構成する主要な酵素であり、酵母からヒトに至る真核生
物に広く存在し、また全ての組織に存在し、特に肝臓で
は全可溶性蛋白質の1%程度を占める。
【0003】プロテアソームは20Sの沈降係数を有する
プロテアーゼ複合体として最初に発見され、これは20S
プロテアソームと称されている(本明細書では単に20S
またはプロテアソームとも称する)。この20Sプロテア
ソームは、大きなマルチサブユニットのタンパク質分解
性複合体の触媒コアとして作用することが実証されてい
る。約750kDaの分子量を有する20Sプロテアソームは、
外側の2つのαリングと内側の2つのβリングから構成
される4つのリングのスタックとして出現するバレル様
粒子である。αリングおよびβリングは各々7つの構造
的に類似するαサブユニットおよびβサブユニットから
構成される。プロテアソームの潜在性は、αリングの中
央が閉鎖され、タンパク質分解活性部位が位置するβリ
ングの内部局面へのタンパク質の侵入が防がれるという
3次構造によって説明することができる(Voges, D.
他、(1999) Annu. Rev. Biochem. 68, 1015-1068;及び
Bochtler, M.他、(1999) Annu. Rev. Biophysc. Biomo
l.Struct. 28, 295-317)。20Sプロテアソームは様々な
触媒中心を保有し、これらの触媒中心が、調和された機
構により単一のポリぺプチド基質中の加水分解に関与し
ている(Coux, O.他、(1996) Annu. Rev. Biochem. 65,
801-847)。
【0004】現在、20Sプロテアソーム活性を刺激する
2つのタンパク質因子が報告されている(DeMartino,
G.N.他、(1999) J. Biol. Chem. 274, 22123-22126に概
説)。第一の因子はPA700(19S複合体としても知られ
る)(Chu-Ping, M.他、(1994)J. Biol. Chem. 269, 35
39-3547;及びDeMartino, G.N.他、(1994) J. Biol. Ch
em. 269, 20878-20884)であり、第2の因子はPA28(11
S調節因子に等しい)(Ma, C.P.他、(1992) J. Biol. C
hem. 267, 10515-10523;及びDubiel, W.他、(1992) J.
Biol. Chem. 267, 22369-22377)である。PA700及びPA
28は20Sプロテアソームの両末端に結合して、酵素学的
に活性なプロテアソームを形成する。PA700はATP依存性
の様式で20Sと会合することができ、約2500kDaの分子量
を有する26Sプロテアソーム(真核生物のATP依存性プロ
テアーゼであり、分解シグナルとして機能するポリユビ
キチン(Ub)で標識されるタンパク質を主に分解するこ
とができる)を形成する(Rechsteiner. M. (1998) The
26S proteasome. In "Ubiquitin and the Biology of
the Cell" (Eds by Peters, J.-M.他) pp147-189, Plen
um Press, New York.;及びVoges, D.他、(1999) Annu.
Rev. Biochem. 68, 1015-1068)。さらに最近の分析に
よれば、20SプロテアソームとPA700とのATP依存性の会
合を促進して26Sプロテアソームを形成する300kDaの調
節因子複合体の存在が示されている(Adams, G.M.他、
(1997) J. Mol. Biol. 273, 646-657)。
【0005】PA28は20Sプロテアソームの新規な活性化
因子として同定され、20Sプロテアソームの複数のペプ
チダーゼ活性を非常に促進する(Ma, C.P. 他、(1992)
J. Biol. Chem. 267, 10515-10523;及びDubiel, W.
他、(1992) J. Biol. Chem. 267,22369-22377)。しか
し、PA28は、標的タンパク質にユビキチンが既に結合し
ている場合であっても、天然構造または変性構造を有す
る大きなタンパク質基質の加水分解を増強することはで
きない。従って、PA28は基質タンパク質の最初の切断で
は中心的役割は担わないと考えられる。PA28は26Sプロ
テアソームによって生成される中間のサイズのポリぺプ
チドの分解に対する刺激効果を有している可能性があ
り、26SプロテアソームおよびPA28プロテアソーム複合
体が同じ基質分子に対して連続的に機能している可能性
が示唆される。PA28は、全体で約50%の相同性を有する
2つの関連のタンパク質(PA28αおよびPA28βと命名さ
れる)から構成される(Ahn. J.Y., 他、(1995) FABS L
ett. 366, 37-42)。これらは、αおよびβサブユニッ
トを選択的に使用してヘテロ六量体(α3β3)に会合す
るか(Song, X.他 (1996) J. Biol. Chem. 271, 2610-2
6417;及びTanahashi, N.他、(1997). Genes to Cells
2, 195-211)、またはヘテロ七量体(α3β4、もしくは
α3β4とα4β3との混合物)に会合する(Zhang, Z.
他、(1999) Biochemistry 38, 5651-5658)。PA28αお
よびPA28βは主要な免疫調節サイトカインであるインタ
ーフェロン−γ(IFN-γ)によって高度に誘導されるこ
とが判明しているので、PA28は免疫応答へ関与すること
が示唆されている(Tanaka, K.他、(1998) Immunol. Re
v. 163, 161-176;Fruh, K.,他 (1999) Curr. Opin. Im
munol. 11, 76-81;Rock, K.L. 他、(1999) Annu. Rev.
Immunol. 17, 739-779;及びRechsteiner, M.他、(200
0) Biochem. J. 345, 1-15)。実際、PA28はインビボお
よびインビトロで、抗原性ペプチドの産生を増進するこ
とが知られる(Dick, T.P.他、(1996) Cell 86, 253-26
2;Groettrup, M.他、(1996) Nature 381, 166-168;S
himbara, N.他、(1997) Genes to Cells 2, 785-800;
及びPreckel, T.他、(1999) Science 286, 2162-216
5)。
【0006】最近、p45 ATPase(PA700複合体のサブユ
ニット)に対する抗体が、26Sプロテアソーム成分だけ
でなくPA28αおよびPA28βをも免疫沈降することが実証
され、これはPA28およびPA700活性化因子が20Sプロテア
ソームに同時に結合してPA700-20S-PA28複合体を形成し
ていることが報告された(Hendil, K.B.他、(1998) Bio
chem. J. 332, 749-754)。しかし、細胞内におけるATP
依存性タンパク質分解経路にPA28がいかに関与するかは
明らかではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、PA28がATP依存性プロテアソームによるタンパク質
分解に機能的に関連されるか否かを明らかにすることで
ある。本発明の第2の目的は、インターフェロン-γがP
A28およびPA700の両方を含むプロテアソーム(PA700-20
S-PA28複合体)の活性に及ぼす影響を解明することであ
る。本発明の第3の目的は、インターフェロン-γによ
りPA28およびPA700の両方を含むプロテアソーム(PA700
-20S-PA28複合体)を誘導した細胞を使用して該プロテ
アソーム阻害剤をスクリーニングする方法を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】ユビキチン結合化には、
E1(Ub活性化酵素)、E2(Ub結合酵素)及びE3(Ubリガ
ーゼ)の3種の酵素が必要であるが、これらの酵素はイ
ンビトロで再構築したタンパク質分解系で使用できる程
度には精製されていない。従って、26Sプロテアソーム
の基質として使用することを目的として、ユビキチンが
結合したタンパク質を大量に調製することは困難である
(Hershiko, A. 他、(1998) Annu. Rev.Biochem. 67, 4
25-479)。そこで、インビトロにおけるATP依存性のタ
ンパク質分解活性の定量的かつ高感度の測定のために、
本発明者らは基質としてオルニチンデカルボキシラーゼ
(ODC)を使用した。ODCは、ユビキチン結合化を必要と
はしない26Sプロテアソームの唯一の既知の天然基質で
ある。アンチザイム(AZ)(ODC阻害タンパク質)は、U
bの代わりに本プロセスに必要であるが(Murakami,Y.
他、(1992) Nature 360, 597-599)、このインビトロ分
解アッセイに必要とされるODCおよびAZは共に、組換え
タンパク質として利用可能である(Murakami,Y.他、(19
99) Mol. Cell. Biol. 19, 7216-7227)。この簡便なア
ッセイ系を使用して、本発明者らは、PA28が、PA28およ
びPA700の両方を有するプロテアソームのヘテロ複合体
を形成することによって、ATP依存性タンパク質分解経
路に実際に関与することを先ず実証し、このヘテロ複合
体のプロテアソームをハイブリッドプロテアソームと命
名した。本発明者はさらに、上記ハイブリッドプロテア
ソームが、IFN-γに応答して哺乳動物細胞中で誘導され
ることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完
成したものである。
【0009】即ち、本発明によれば、20Sプロテアソー
ムを発現する細胞にインターフェロン−γを投与するこ
とを特徴とする、ハイブリッドプロテアソーム(PA700-
20S-PA28複合体)を誘導する方法が提供される。20Sプ
ロテアソームを発現する細胞は、好ましくは真核細胞、
より好ましくは哺乳動物細胞である。ハイブリッドプロ
テアソームは、好ましくはATP依存性タンパク質分解経
路に関与するプロテアソームである。
【0010】本発明の別の側面によれば、(1)20Sプ
ロテアソームを発現する細胞にインターフェロン−γを
投与してハイブリッドプロテアソーム(PA700-20S-PA28
複合体)を誘導する工程;及び(2)被験物質を該細胞
に投与して、ハイブリッドプロテアソーム活性の阻害を
検出及び/又は測定する工程:を含む、ハイブリッドプ
ロテアソーム阻害剤のスクリーニング方法が提供され
る。ハイブリッドプロテアソーム活性の阻害は、好まし
くは20SプロテアソームとPA28との会合の阻害によるも
のである。好ましくは、ハイブリッドプロテアソームの
基質タンパク質の分解を検出および/または測定するこ
とによってハイブリッドプロテアソーム活性の阻害が検
出及び/又は測定される。好ましくは、蛍光基質を使用
することにより、基質タンパク質の分解を蛍光により測
定及び/または検出する。好ましくは、ハイブリッドプ
ロテアソームの基質としてサクシニル-Leu-Leu-Val-Tyr
-7-アミノ-4-メチルクマリン(Suc-LLVY-AMC)又は標識
したオルニチンデカルボキシラーゼ(ODC)を使用す
る。
【0011】本発明のさらに別の側面によれば、上記し
た本発明の方法により得られるハイブリッドプロテアソ
ーム(PA700-20S-PA28複合体)阻害剤が提供される。本
発明のさらに別の側面によれば、インターフェロン−γ
の投与によってハイブリッドプロテアソーム(PA700-20
S-PA28複合体)が誘導されていることを特徴とする、20
Sプロテアソームを発現する細胞が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施方法及び実施
態様について説明する。なお、本明細書で使用する略語
は以下の通りである:Ub、ユビキチン;ODC、オルニチ
ンデカルボキシラーゼ;AZ、アンチザイム;IFN-γ、イ
ンターフェロン−γ;Suc-LLVY-AMC、サクシニル-Leu-L
eu-Val-Tyr-7-アミノ-4-メチルクマリン;PAGE、ポリア
クリルアミドゲル電気泳動;IP、免疫沈降
【0013】本発明の方法は、20Sプロテアソームを発
現する細胞にインターフェロン−γを投与することを特
徴とするハイブリッドプロテアソームを誘導する方法で
ある。本明細書で言うハイブリッドプロテアソームと
は、PA28およびPA700の両方を含むプロテアソームのヘ
テロ複合体であり、具体的には、PA28およびPA700活性
化因子が20Sプロテアソームに会合したPA700-20S-PA28
複合体である。このハイブリッドプロテアソームは通
常、ATP依存性タンパク質分解経路に関与するプロテア
ソームである。本発明で用いる細胞の種類は、20Sプロ
テアソームを発現する細胞であれば特に限定されない。
細胞は、好ましくは真核細胞であり、より好ましくは哺
乳動物細胞、酵母細胞などである。哺乳動物細胞の種類
は特に限定されないが、ラット、マウス、ハムスター等
の齧歯類動物から樹立した培養細胞や、ヒト由来の培養
細胞などが挙げられ、好ましくはヒト由来の細胞であ
り、例えば、HeLa細胞、ヒト腎ガン腫細胞株(SW620
等)などが挙げられる。
【0014】本発明で用いるインターフェロン−γは天
然由来のタンパク質でも遺伝子組換え技術により産生し
た組換えタンパク質でもよい。本発明で用いるインター
フェロン−γは、天然のインターフェロン−γと同様の
生理学的活性を有するものであれば、そのアミノ酸配列
は特に限定されず、天然のインターフェロン−γのアミ
ノ酸配列に1以上のアミノ酸の変異(置換、欠失及び/
又は付加など)が存在するインターフェロン−γを使用
してもよい。
【0015】本発明はさらに、インターフェロン−γを
投与してハイブリッドプロテアソームを誘導した細胞
に、被験物質を投与してハイブリッドプロテアソーム活
性の阻害を検出及び/又は測定することを含む、ハイブ
リッドプロテアソーム阻害剤のスクリーニング方法に関
する。細胞にインターフェロン−γを投与してハイブリ
ッドプロテアソームを誘導する操作と、細胞に被験物質
を投与する操作の順番は特に限定されず、何れを先に行
ってもよいし、あるいは上記操作を同時に行ってもよ
い。好ましくは、細胞にインターフェロン−γを投与し
てハイブリッドプロテアソームを誘導した後に、被験物
質を細胞に投与してハイブリッドプロテアソーム活性を
評価する。
【0016】スクリーニングにかける被験物質として
は、例えばペプチド、ポリペプチド、合成化合物、微生
物発酵物、生物体(植物又は動物の組織、微生物、又は
細胞などを含む)からの抽出物、あるいはそれらのライ
ブラリーが挙げられる。ライブラリーとしては、合成化
合物ライブラリー(コンビナトリアルライブラリーな
ど)、ペプチドライブラリー(コンビナトリアルライブ
ラリーなど)などが挙げられる。スクリーニングの被験
物質は、天然物でも合成物でもよく、また候補となる単
一の被験物質を独立に試験しても、いくつかの候補とな
る被験物質の混合物(ライブラリーなどを含む)につい
て試験をしてもよい。また、細胞抽出物のような混合物
を分画したものについてスクリーニングを行い、分画を
重ねて、最終的にハイブリッドプロテアソームの活性に
影響を与える物質を単離することも可能である。
【0017】これらの被験物質に含まれる物質はハイブ
リッドプロテアソーム活性を阻害することが予想される
物質であり、さらに好ましくは、20SプロテアソームとP
A28との会合を阻害することによってハイブリッドプロ
テアソームの活性を阻害することが予想される物質であ
る。
【0018】被験物質がハイブリッドプロテアソーム阻
害活性を示すかどうかは、例えば、ハイブリッドプロテ
アソームの基質をアッセイ系に存在させておき、当該基
質の分解の程度を適当な手段で検出または測定すること
により評価することができる。基質の種類はハイブリッ
ドプロテアソームが認識して分解するものであれば特に
限定されず、例えば、ユビキチン化されたタンパク質、
合成ペプチド(サクシニル-Leu-Leu-Val-Tyr-7-アミノ-
4-メチルクマリン(Suc-LLVY-AMC)など)、又はオルニ
チンデカルボキシラーゼ(ODC)などが挙げられる。サ
クシニル-Leu-Leu-Val-Tyr-7-アミノ-4-メチルクマリン
(Suc-LLVY-AMC)は蛍光発生基質の1種であり、プロテ
アソームで分解されると蛍光を発生するので、ハイブリ
ッドプロテアソーム活性を容易に評価することができ
る。
【0019】本発明のスクリーニング方法においては、
インターフェロン−γでハイブリッドプロテアソームを
誘導した細胞に被験物質を投与して該ハイブリッドプロ
テアソーム活性の変化を評価するが、それに加えてコン
トロールアッセイ系を設置してもよい。コントロールア
ッセイ系としては、被験物質を含まない陰性コントロー
ル系、又はハイブリッドプロテアソーム阻害活性を有す
ることが公知の物質を投与する陽性コントロール系が挙
げられる。
【0020】次に、プロテアソーム阻害剤が医薬として
有用であることを具体的に説明する。 (1)ユビキチン−プロテアソーム系は、炎症性の転写
因子NF−κBの活性化に関与している。すなわち、N
F−κBは細胞質内においてその阻害因子のI−κBと
結合して不活性型として存在しているが、TNF−αな
どのサイトカイン刺激によって、I−κBが分解され、
NF−κBは核内に移行し、各種遺伝子の転写を促進す
る。ここで、I−κBの分解はプロテアソームによるこ
とが知られている(国際公開WO95/25533)。
また、プロテアソームは、NF−κBの形成にも関与し
ている。すなわち、NF−κBはp65とp50の2つ
のサブユニットから構成されているが、p50はp10
5からプロセッシングされることによって形成される。
このプロセッシングにプロテアソームが関与しているこ
とが知られている(国際公開WO95/25533)。
従って、プロテアソーム阻害剤は、NF−κBが病態形
成に関与している関節リウマチなどの炎症・免疫疾患の
治療薬として有望である。
【0021】(2)ユビキチン−プロテアソーム系は、
MHC−I抗原提示に関与している(国際公開WO94
/17816)。すなわち、抗原提示細胞において、プ
ロテアソームは抗原蛋白質をMHC−Iに結合する抗原
ペプチドに分解する。従って、プロテアソーム阻害剤
は、自己免疫疾患や組織移植における拒絶反応に有効な
治療薬となる可能性がある。
【0022】(3)ユビキチン−プロテアソーム系は、
細胞周期の制御に重要な役割を果たしているサイクリン
の分解にも関与している(Nature、Vol.349, p132-138,
1991)。従って、プロテアソーム阻害剤は、細胞周期
を停止させる機能を有し、ガン、乾癬又は再狭窄など細
胞増殖を伴う疾患の治療に有用であることが期待され
る。
【0023】(4)ユビキチン−プロテアソーム系は、
癌抑制蛋白質のp53の分解に関与する(Cell, Vol.7
5, p.495-505, 1993)。DNAに損傷を与える薬剤や放
射線で細胞を処理すると、p53が誘導されG1期で細
胞周期は停止する。ガン細胞の多くは、変異型p53を
発現しており、上記のような処理をしても細胞周期の停
止が起こらず、ガン細胞は損傷を受けやすい。プロテア
ソーム阻害剤を全身に投与し、正常細胞のp53含量を
高めれば、正常細胞の増殖を停止させることができ、抗
ガン剤による副作用を軽減できることが期待される。
【0024】(5)絶食、神経除去、ステロイド療法や
発熱性感染症にともなう、蛋白質分解の亢進は非リソゾ
ーム性のATP依存性の蛋白質分解、すなわちプロテア
ソームによる分解活性によることが知られている(米国
特許第5,693,617号)。従って、プロテアソーム阻害剤
は、これら蛋白質分解亢進に基づく症状の軽減に有用で
あることが期待される。
【0025】上記(1)から(5)に説明したように、
プロテアソーム阻害剤は、多種多様な医薬として有望で
ある。即ち、本発明のスクリーニング方法で得られるプ
ロテアソーム阻害剤は、プロテアソームの作用亢進に起
因すると考えられている種々の疾患の治療剤及び/又は
予防剤として有用であり、例えば、自己免疫疾患、炎
症、神経細胞変性疾患、特には慢性関節リウマチ等の自
己免疫疾患、炎症性腸炎疾患、喘息、アルツハイマー病
等の治療剤及び/又は予防剤として有用である。以下の
実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実
施例によって限定されることはない。
【0026】
【実施例】
(A)実験手順 (1)20S及び26Sプロテアソーム、PA28、及びPA700 20S及び26Sプロテアソーム、PA28、及びPA700は、既報
の通り(Tanaka, K.他、(1997) Preparation of ptotea
somes. in "Cell Biology: A Laboratory Handbook" (E
d. J.E. Celis) 2nd edition. pp.129-134, Academic P
ress, New York)、ラット肝臓から精製した。
【0027】(2)Suc-LLVY-AMC分解活性のアッセイ 合成ペプチドのサクシニル-Leu-Leu-Val-Tyr-7-アミノ-
4-メチルクマリン(Suc-LLVY-AMC)を、既報の方法(Ta
naka, K.他、(1988) J. Biol. Chem. 263, 16209-1621
7)に準じて測定した。電気泳動で分離した後、Suc-LLV
Y-AMC分解酵素の検出を、既報の通り(Ugai, S., Tamur
a, T., Tanahashi, N., Takai, S., Komi, N., Chung,
C.H., Tanaka, K., and Ichihara, A. (1993) J. Bioch
em. 113,754-768)行った。簡単に述べると、試料を4
℃で非変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)に
供した後、ゲルを10分間室温で、0.1mM Suc-LLVY-AMCで
重層した。次いで、蛍光を紫外線下で検出した。
【0028】(3)35S-ODC分解活性のアッセイ 組換え35S-標識化-ODC(2000〜3000cpm)の分解を、AT
P、ATP再生系、およびAZの存在下でアッセイした(Mura
kami, Y.他、(1992) Nature 360, 597-599;及びMuraka
mi, Y.他、(1999) Mol. Cell. Biol. 19, 7216-7227. 2
5、26)。37℃で60分間インキュベーションした後、反
応混合物のトリクロロ酢酸可溶性放射活性の量を測定
し、活性を、添加した全ODCの%として表した。35S-ODC
は、ラットODC mRNA、35S-標識化メチオニン、および35
S-標識化システイン(Du Pont NEM)を含有するウサギ
網状赤血球溶解物(Wako)を使用するインビトロ翻訳系
によって生成した。これを、イムノアフィニティークロ
マトグラフィーによって精製した(Murakami, Y.他、(1
999) Mol. Cell. Biol. 19, 7216-7227)。
【0029】(4)沈澱速度分析 HeLa細胞を80〜100%コンフルエントまで増殖した。各1
5cm皿を、冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄
し、そして細胞を2mM ATPの存在下又は非存在下で1mM
ジチオスレイトール(DTT)を含有する0.5mlの25mM Tr
is-HCl(pH 7.5)緩衝液中で超音波処理することによっ
て溶解した。ホモジネートを、15,000×gで30分間遠心
分離した。上清を、1mM DTTおよび2mM ATPを含有する
25mM Tris-HCl緩衝液(pH7.5)中の10〜40%グリセロー
ルを用いるグリセロール密度勾配遠心分離に供した。Hi
tachi SRP28SA1ローターを使用して83,000×gで22時間
遠心分離した後、勾配を1mlの30画分に分離した(Uga
i, S.他、(1993) J. Biochem. 113, 754-768)。
【0030】(5)免疫学的分析 ヒト20Sプロテアソーム、並びに大腸菌で発現した組換
えヒトPA28α、TBP1、p27およびp42に対するポリクロー
ナル抗体を、ウサギにおいて作製した。ヒトプロテアソ
ームC2およびp45 ATPaseに対するモノクローナル抗体は
既報の方法に準じて(Hendil, K.B.他、(1998) Bioche
m. J. 332, 749-754;及びKumatori, A.他、(1990) Pro
c. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 87, 7071-7075)、生成し
た。抗ペプチド抗体を、PA28α、PA28β(共にTanahash
i, N., 他、(1997) Genes to Cells 2, 195-211)、お
よびS5a(37CHSKTRNPENNVGLITLAN56)(キーホールリン
ペットヘモシアニンに結合した)のペプチドによる免疫
によって、ウサギにおいて作製した。
【0031】免疫沈降細胞抽出物(100μgのタンパク
質)を、1mM DTTおよび2mM ATPを含有する全容量150
μlの25mM Tris-HCl緩衝液(pH7.5)中で、4℃で2時
間、抗C2抗体、抗PA28α抗体、抗p45抗体、またはコン
トロールIgGとともに、インキュベートした。20μlの50
%プロテインA-セファロースビーズ(Amersham Pharmac
iaBiotech)を添加し、そして懸濁液を、4℃で1時間
穏やかに攪拌した。遠心分離後、上清をタンパク質分解
アッセイおよびウエスタンブロット解析のために使用し
た。0.1% Tween 20および40μg/ml ウシ血清アルブミ
ン(BSA)を含有する100μlおよび20μlのTBS緩衝液[2
0mM Tris-HCl(pH7.5)、20mM NaCl、および1mM EDT
A]を、ペレットに添加した。懸濁液を4℃で1時間攪
拌した後、ペレットを遠心分離によって回収した。上清
を除去し、そしてペレットを0.1% Tween 20を含有する
TBSで、5回洗浄した。ペレットを、SDS-PAGEおよびウ
ェスタンブロッティングによって分析した。バンドの強
度を、Image Master 1D(Amersham Pharmacia Biotec
h)で、定量的に決定した。
【0032】(6)他の生化学的な分析 SDS-PAGEは、12.5%または10〜20%勾配のスラブゲルを
使用して行った(Laemmli, U.K. (1970) Nature 227, 6
80-685)。タンパク質濃度は、BSAを標準として用いるB
radfordの方法(Bradford, K.D. (1976) Anal. Bioche
m. 72, 248-254)によって測定した。
【0033】(B)結果 (1)20Sプロテアソームに対するPA28及びPA700のATP
依存性の可逆的会合 ATPを用いて調製したHeLa細胞からの細胞質抽出物を、
グリセロール密度勾配遠心分離によって分画した場合、
蛍光基質Suc-LLVY-AMCの分解を触媒する活性酵素が、約
26Sの沈降係数とともに沈降したが、精製20Sプロテアソ
ームの沈降位置に対応する遅く沈降する画分では活性が
低かった(図1A)。20Sプロテアソームの強力な人工
活性化因子である0.05% SDSを添加することにより、既
報の通り(Orino, E.他、(1991) FEBS Lett. 284, 206-
210)、20Sプロテアソームと同様に沈降する酵素の顕著
な活性化が生じた。しかし、抽出物中のATPレベルがATP
除去系を用いたインキュベーションによって減少した場
合、26SプロテアソームのSDS-非感受性のSuc-LLVY-AMC
分解活性は、ほぼ完全に喪失し、20Sプロテアソームに
おけるSDS増強活性は、非常に増加した(図1B)。AZ
の存在下における35S-ODCのATP依存性の分解は、ATPを
含有する抽出物から調製された26S画分においてのみ検
出されたが、35S-ODC分解の評価可能な活性は、ATPを除
去した抽出物からの画分において観察されなかった(図
1)。ウエスタンブロット解析は、20Sプロテアソーム
およびPA700(各々、抗C2プロテアソームαサブユニッ
トおよび抗p45ATPaseに対する抗体によって検出され
る)が、ATPを除去した後、26Sプロテアソームを含有す
る速く沈降する画分から、遅く沈降する画分に、シフト
したことが示された(図1の下部のパネル)。従って、
以前の報告と同様に(Orino, E.他、(1991) FEBS Lett.
284, 206-210)、ATPの除去により、26Sプロテアソー
ム複合体はその構成要素である20SプロテアソームとPA7
00とに完全に解離すると考えられる。
【0034】興味深いことに、ATPを含有する抽出物に
おいては、大部分のS5a(ポリぺプチド-Ub-結合サブユ
ニット)(Deveraux, Q. 他、(1995) J. Biol. Chem. 2
70, 29660-29663)は26SプロテアソームおよびPA700と
会合することが見出され、その遊離の形態のものは検出
されなかった。これは、酵母の相同体であるRpn10/Mcb1
/Sun1が、PA700または26Sプロテアソームと会合した状
態で存在するのみでなく、遊離の形態においても存在す
るという知見(van Nocker, S.他、 (1996) Mol.Cell.
Biol. 16, 6020-6028;及びKominami, K.他、(1997) Mo
l. Biol. Cell 8, 171-187)とは対照的である。しか
し、ATPの除去により、PA700および/または26Sプロテ
アソームからのS5aの部分的な解離が生じた(図1の下
部のパネル)。これは、S5aサブユニットが、ATPの存在
下で機能的な26Sプロテアソームの組み立てを担い得る
ことを意味する。
【0035】他方、p27、TBP1、およびp42からなり(Ad
ams, G.M.他、(1997) J. Mol. Biol. 273, 646-657)、
画分4〜8において出現する300kDa調節因子複合体は、
抽出物中のATPの存在の有無に関係なく未変化のままで
あった。ATPの除去後、後者の2つのATPase(これはPA7
00のサブユニットである)も、迅速に沈降する画分中に
p45とともに共分画した(図1の下部のパネル)。しか
し、調節因子p27の第3の成分が、ATPレベルの変化に関
係なく、調節因子複合体中に単独で存在した。これらの
結果は、これらの2つのATPaseサブユニットが、2つの
異なる複合体のPA700および調節因子において共有さ
れ、調節因子は26Sプロテアソーム複合体に会合しない
以前に提唱されたモデル(Adams, G.M.他、(1997) J. M
ol. Biol. 273, 646-657)と一致する。
【0036】図1(下部のパネル)に示すように、PA28
αおよびPA28βは共に、ATPの存在下で迅速に沈降する
画分および遅く沈降する画分の両方に分布した。前者の
画分中のPA28は、20Sプロテアソームと会合すると考え
られるが、後者は、画分2〜10において出現する遊離の
PA28がほぼ全てであるらしい。ATPの除去により迅速に
沈降するPA28のほぼ完全な喪失が生じた。20Sプロテア
ソームと精製PA28αまたは組換えPA28αとの間のインビ
ボ相互作用にATPは必要とはされないことから、上記結
果は予想に反するものであった(Ma, C.P.他、(1992)
J. Biol. Chem. 267, 10515-10523;Dubiel, W.他、(19
92) J. Biol. Chem. 267, 22369-22377;及びSong, X.,
他、(1996) J. Biol. Chem. 271, 2610-26417)。
【0037】次に、PA28プロテアソーム複合体の生成に
ATPが必要であるか否かを試験した。ATPの必要性を確認
するために、2,4-ジチオスレイトールとグルコースの代
わりの2-デオキシグルコースで生存中のHeLa細胞を処理
した後にATPを除去した抽出物を調製したが、26Sプロテ
アソームはほぼ完全に消失していた(図2A)。ATPおよ
びATP再生系の添加により、26Sプロテアソームは組み立
てられ、ATP-およびAZ-依存性の35S-ODC分解活性がほぼ
完全に回復した(図2B)。活性プロテアソームの生成
についても複合体におけるSuc-LLVY-AMCの分解によって
確認し、非変性PAGEによって分離した(図2;AとBの
間に挿入;観察された2つの活性なバンドについて、次
節を参照のこと)。活性のこれらの変化も、ATP再生に
応答する遅く沈降する画分から速く沈降する画分への20
SプロテアソームC2サブユニットおよびp45 ATPasePA700
サブユニットの移動と一致した(図2の下部のパネ
ル)。興味深いことに、ウェスタンブロット解析によ
り、PA28αおよびPA28βは共にATPの再生に依存してよ
り重い画分にシフトすることが判明した(図2の下部の
パネル)。これらの知見から、26Sプロテアソーム複合
体の形成と同様に、PA28がATP依存的に20Sプロテアソー
ムと可逆的に会合し始めることが強く示唆される。
【0038】(2)オルニチンデカルボキシラーゼの分
解に対する2種のATP依存性プロテアーゼ(即ち、26Sプ
ロテアソーム及びハイブリッドプロテアソーム)の作用 PA28がプロテアソームにATP依存的に可逆的に会合する
という予期せぬ知見を明らかにするために、PA28とのプ
ロテアソーム複合体の特性をさらに注意深く調べた。DE
AE-セルロースまたはハイドロキシアパタイト上のよう
な吸着性クロマトグラフィー工程は、プロテアソーム複
合体から大部分のPA28および一部のPA700を解離させる
ことが知られている。調節粒子のこのような脱着を回避
するために、酵素を2mM ATPの存在下で非常に穏やかな
条件下で単離して、ATP依存性のプロテアーゼを安定化
した。無傷のプロテアソーム複合体を単離するために、
70,000×gで5時間超遠心分離することによって富化し
たラット肝臓細胞質ゾルを、既報の通り(Ugai, S.他、
(1993) J. Biochem. 113, 754-768)、Biogel A-1.5m分
子ふるいクロマトグラフィーによって分画した。続い
て、35S-ODC分解活性を有するピーク画分をプールし、
そして5mM ATPを含有するリン酸緩衝液(pH6.8)で平
衡化したハイドロキシアパタイトカラムに適用した。こ
れらの条件下、大部分の20Sプロテアソームはハイドロ
キシアパタイトに吸着されたが、26Sプロテアソームは
吸着されなかった(Ugai, S.他、(1993) J. Biochem. 1
13, 754-768)。フロースルーにおいて回収されたプロ
テアソーム複合体を、グリセロール密度勾配遠心分離に
よって分画した。
【0039】図3Aに示すように、非常に速いATP依存
性の35S-ODC分解から判断して、26Sプロテアソームがか
なり富化されている点を除いては、Suc-LLVY-AMCまたは
35S-ODCを分解する活性についての沈降プロフィールは
本質的に図1Aと同じであった。遅く沈降する画分にお
いては、SDSで活性化される20Sプロテアソームおよび遊
離のPA28も検出された。後者は、画分に添加した精製20
Sプロテアソームの酵素活性の増加として、検出され
た。電気泳動分析により、活性な画分が20kDa〜110kDa
の範囲の複数のサブユニットを含み、精製26Sプロテア
ソームで得られるパターン(Rechsteiner. M. (1998) T
he 26S proteasome. In "Ubiquitin and theBiology of
the Cell" (Eds by Peters, J.-M.他) pp147-189, Ple
num Press,New York;及びUgai, S.他、(1993) J. Bioc
hem. 113, 754-768)に類似することが示された(図3
B)。35S-ODCを分解する画分は、ウェスタンブロット
によって示されるように、p45 ATPaseおよびPA28αの両
方を含んでいた図3Bの下部のパネル)。
【0040】これらの画分のサンプルを非変性PAGEに供
し、Suc-LLVY-AMC分解活性を、蛍光発生性基質を含有す
る溶液でゲルを浸漬することによって検出した。図3C
(上部のパネル)に示すように、Suc-LLVY-AMCの加水分
解が画分16〜26からの2つのバンドにおいて見られた。
上方のバンドにおける活性が、下方のバンドにおける活
性よりもいくらか速く沈降した。さらにそれより弱い活
性が、画分14〜20におけるより遅く沈降する複合体中で
出現し、そしてこれらは各々、精製26Sおよび20Sプロテ
アソームよりも速いか、遅い電気泳動移動度を有した。
【0041】これらの活性酵素を同定するために、非変
性PAGEによって分離したサンプルを、ウエスタンブロッ
トによって解析した。抗p45 ATPase抗体は、2つの遅く
移動するバンドと反応した(図3Cの中央のパネル、26S
およびハイブリッド)。一方、抗PA28α抗体は、速い電
気泳動移動度を有するバンドを強力に染色し(図3Cの
下部のパネル)、これは遊離PA28の位置に対応する(図
3A、画分10〜12)。さらに、抗PA28α抗体はまた酵素
活性を有する2つのより低いバンドを染色した(画分16
〜22)(図3Cの上部および下部パネル)。これらの結
果は、以下の3タイプのプロテアソームの存在を示すも
のである: (1)p45を含有するが、PA28αを含有しないホモ-PA70
0プロテアソーム(PA700-20S-PA700複合体または26Sプ
ロテアソーム); (2)PA28およびPA700の両方を同時に含むPA700-20S-P
A28(「ハイブリッドプロテアソーム」、図3Cにおい
て、ハイブリッドと示す);並びに (3)PA28αを含有するが、p45を含有しないホモ-PA28
プロテアソーム(PA28-20S-PA28複合体)(図3Cにお
いて、ホモ-PA28と示す)
【0042】これらの複数の形態のプロテアソームの存
在を確認するために、画分20をさらに分析した。図3D
に示すように、Suc-LLVY-AMCの加水分解が、26Sプロテ
アソームおよびハイブリッドプロテアソームに対応する
2つの強力に染色されるバンドにおいて、そして速い電
気泳動移動度を有するより弱く染色されるバンドにおい
て、再度検出された(図3Dの左側のレーン)。抗20S
プロテアソームポリクローナル抗体はこれらの3つのバ
ンドを染色したことから、3つのSuc-LLVY-AMC分解活性
は全てプロテアソームに起因していることが示された
(右側のレーン)。これは、可溶性抽出物におけるSuc-
LLVY-AMC分解活性が、抗プロテアソーム抗体での免疫沈
降によって完全に消失したという観察(以下を参照)に
よって実証される。さらに、3つのPA700サブユニット
のS5a、p45、およびTBP-1に対する抗体は、26Sプロテア
ソームおよびハイブリッドプロテアソームに対応する2
つの酵素学的に活性なバンドを特異的に染色した(図3
D)。また、抗PA28α抗体は、ハイブリッドプロテアソ
ームおよびホモ-PA28プロテアソーム複合体に対応する
2つのバンドを染色した(図3Dにおいて各々、「ハイ
ブリッド」および「ホモ-PA28」と示す)。
【0043】ウェスタンブロット解析を確認するために
免疫沈降分析を行った。図3Eに示すように、抗C2プロ
テアソーム抗体は、35S-ODC分解活性をほぼ完全に免疫
沈降した。活性の部分的な減少が、抗-PA28α抗体での
免疫沈降後に観察された。ホモ-PA28プロテアソーム複
合体は35S-ODCを完全には分解できないので(以下を参
照)、活性の部分的な減少はハイブリッドプロテアソー
ムの沈降に起因すると考えられる。抗-PA28抗体によっ
て沈降しない活性は、26Sプロテアソームに起因すると
考えられる。これらの結果はハイブリッドプロテアソー
ムが35S-ODC分解を触媒するATP依存性プロテアーゼとし
て作用することを示す。
【0044】次に、プロテアソーム活性に対する精製PA
28の直接的な効果を実験した。精製したPA28を、ATPの
存在下又は非存在下で20Sプロテアソームとともにプレ
インキュベートした場合、Suc-LLVY-AMC加水分解の強力
な活性化が検出された。しかし、35S-ODCの検出可能な
分解はAZの存在下でも観察されず、ホモ-PA28プロテア
ソーム複合体はODC-AZ複合体を分解できないことが示唆
された(データは示さず)。他方、ATPの存在下におけ
るPA700と20Sプロテアソームとのプレインキュベーショ
ンは、26Sプロテアソームを形成し、既報の通り(Murak
ami, Y.他、(1999)Mol. Cell. Biol. 19, 7216-722
7)、Suc-LLVY-AMCの分解についてのみでなく35S-ODCの
分解についても顕著な活性を生じた(データ示さず)。
【0045】しかし、PA28がHeLa細胞においてプロテア
ソームによって媒介されるATP依存性のタンパク質分解
経路にどのように作用するのかは不明である。PA28の作
用を調べるために、35S-ODCの分解に対する、HeLa細胞
抽出物からのPA28の免疫沈降の効果を試験した。図4A
に示すように、HeLa細胞抽出物からのPA28の免疫沈降に
より、35S-ODCの分解は約30%減少し、これは多分ハイ
ブリッドプロテアソームに起因する。抗p45抗体または
抗C2抗体は、このATP依存性の活性をほぼ完全に沈降し
た。対照的に、抗PA28α抗体での沈降は、抗PA28α抗体
がハイブリッドプロテアソームとのみだけでなく、ホモ
-PA28プロテアソーム複合体(これは、35S-ODCを分解で
きない)とも反応するので、Suc-LLVY-AMC分解活性は約
50%減少した(図4B)。さらに、抗C2抗体は、Suc-LL
VY-AMC加水分解をほぼ完全に喪失させたが、抗45抗体は
加水分解を約80%まで減少したのみであった。この差異
は、おそらく、ホモ-PA28プロテアソーム複合体または
遊離プロテアソーム(これは、抗p45抗体で沈降されな
い)に起因する。コントロールIgGは効果を有しなかっ
た。これらの結果は、26SプロテアソームおよびPA28含
有ハイブリッドプロテアソームの両方が、HeLa細胞にお
いて35S-ODCのATP依存性の分解に寄与していることを示
す。
【0046】HeLa細胞におけるハイブリッドプロテアソ
ームの存在を確認するために、免疫沈降/免疫ブロット
分析を行った。予想通り、抗C2活性は、p45 ATPaseおよ
びPA28αの両方を免疫沈降した。さらに、抗PA28α抗体
を使用するウェスタンブロッティングでは、抗p45抗体
を使用した場合、PA28の用量依存性の免疫沈降を示し、
反対に、p45は抗PA28α抗体と一緒に免疫共沈降した
(図4C)。従って、PA28αおよびp45は、既報の通り
(Hendil, K.B.他、(1998) Biochem. J. 332, 749-7542
3)、20Sプロテアソームに同時に結合することが明らか
になり、HeLa細胞に機能的に活性なハイブリッドプロテ
アソームが存在することが実証された。
【0047】(3)HeLa細胞におけるPA28、PA700及び2
0Sプロテアソームの相対的分布 HeLa細胞の細胞質画分におけるPA28、PA700及び20Sプロ
テアソームの相対的含量を決定した。この分析は、実験
中により大きな複合体の解離がないという想定の下での
分析である。従って、分析はできるだけ迅速に行い、緩
衝液にはプロテアソーム複合体を安定化するためにATP
を含めた。図5(左側のパネル)に示すように、抗C2抗
体、抗p45抗体、及び抗PA28α抗体は各々の抗原をほぼ
完全に免疫沈降した。その後、免疫沈降後に上清中に残
存するタンパク質を種々の抗体を使用するウェスタンブ
ロット解析によってモニターした。バンドの強度を測定
した(図5の右側のパネル)。
【0048】免疫沈降およびウェスタンブロット解析の
組み合わせに基づいて、20Sプロテアソーム、PA28、及
びPA700の相対的な含量を算定した。電気泳動分析から
判断して(図3C)、20Sプロテアソームと一分子のPA70
0又は一分子のPA28との複合体は、HaLa細胞には存在し
ないようである。従って、プロテアソームおよびそれら
の遊離成分を、表1及び表2に記載の通り大文字A〜F
で示す6つのタイプに分類した。表1におけるa〜mの
小文字は、ウェスタン分析によって測定される実験値を
示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1の説明:プロテアソームおよびそれら
の調節因子のタイプの模式的な表示 大文字A〜Fはプロテアソームまたはそれらの調節因子
のタイプを示す。小文字a〜mは、免疫沈降物(囲まれ
る)または免疫沈降後の上清(囲まれない)のいずれか
のウェスタンブロット分析によって測定される量を示
す。 タイプA;20Sプロテアソーム タイプB:遊離PA700 タイプC:遊離PA28 タイプD:PA28-20Sプロテアソームを含み得るPA28-20S
-PA28プロテアソーム(ホモ-PA28プロテアソームと命名
される) タイプE:PA700-20S-PA28プロテアソーム(ハイブリッ
ドプロテアソームと命名される) タイプF:PA700-20Sプロテアソームを含み得るPA700-2
0S-PA700プロテアソーム(26Sプロテアソームと命名さ
れる)。
【0051】
【表2】
【0052】表2の説明:HeLa細胞におけるプロテアソ
ーム、並びにそれらの調節因子PA28およびPA700の相対
的な分布 図5および表1に示す免疫沈降およびウェスタンブロッ
ティングによる組み合わせの分析に基づいて、HeLa細胞
細胞質ゾルにおける分布を、以下の通り算定した。結果
は、平均±SD(N=5回の実験)として示す。
【0053】k1を、ブロットにおけるp45の量と、対応
する抗体を用いて得られるシグナルとの間の比例定数と
する。同様に、k2およびk3を、それぞれ、抗PA28α抗体
および抗C2抗体を用いるブロッティングについての比例
定数とする。以下の関係を記載することができる。 a=k1 B;b=k1(E+2F);c=k2C;d=k2(2D+E);e=k
3(A+F);f=k3(D+E);g=k1(B+2F);h=k1 E;i
=k3(A+D);j=k3(E+F);k=k2(C+2D)、およびm
= k2E
【0054】これらから、以下の式を作成することがで
きる。 a:b=B(E+2F)、c:d=C:(2D+E)、e:f
=(A+F):(D+E)、g:h=(B+2F):E、i:j
=(A+D):(E+F)、k:m=(C+2D):E。式お
よびから、B=E/h((ah+ag)/(a+b))およびF=
E/2h((bg−ah)/(a+b))が得られる。
【0055】およびの式から、D=E/2m((kd−c
m)/(c+d))およびC=Ec/m((k+m)/(c+d))が
得られる。の式およびD+Fから、A=Ee/f[1/2m((kd
−cm)/(c+d))+1]−E/2h((bg−ah)/(a+
b))が得られる。最後に、式A+B+C+D+E+F(=100
%)=Ee/f[1/2m((kd−cm)/(c+d))+1]−E/2m
((cm+2ck+kd)/(c+d))+E/h((ah+ag)/(a
+b))+E、Eの値が算定される。Eの値に基づいて、
A、B、C、D、およびFを、上述の式に従って算定するこ
とができる。これらの算定から、表2に示す通り複合体
の6つのタイプのモル比を決定した。
【0056】表2に示すように、遊離の20Sプロテアソ
ームは、HeLa細胞において豊富であり、これは沈降速度
分析後の20Sプロテアソーム含有画分における、SDSによ
るSuc-LLVY-AMC加水分解の活性化の観察と一致する(図
1)。意外なことに、ハイブリッドプロテアソームの含
量は、26Sプロテアソームの含量に匹敵するものであっ
た。26Sプロテアソームおよびハイブリッドプロテアソ
ームの和は、遊離20Sプロテアソームの含量にほぼ等し
かった。このことはまた、SDSの存在下で測定されたSuc
-LLVY-AMC分解活性が、20Sおよび26Sプロテアソームを
含有する画分にほぼ類似した(後者は、ハイブリッドプ
ロテアソームを含有する画分とオーバーラップする可能
性がある)という知見と一致する。ホモ-PA28プロテア
ソーム(PA28-20S-PA28複合体)のレベルが遊離PA28の
レベルに匹敵することも明らかである。
【0057】(4)インターフェロン-γによるハイブ
リッドプロテアソームの誘導 PA28はIFN-γによって誘導され、免疫応答に関与するこ
とが知られている(Ahn. J.Y.他、(1995) FABS Lett. 3
66, 37-42;及びTanahashi, N., 他 (1997). Genes to
Cells 2, 195-211)。そこで、35S-ODCの分解速度に対
するIFN-γの影響を調べた。図6Aに示すように、HeLa
細胞の可溶性画分における35S-ODC分解活性はIFN-γで
刺激した場合に40〜50%増加した。この分解反応活性に
ハイブリッドプロテアソームが関与している可能性を確
認するために、IFN-γで処理したHeLa細胞の抽出物か
ら、免疫沈降後のタンパク質分解活性の変化を測定し
た。図6Bに示すように、抗p45抗体および抗C2抗体
は、類似した免疫滴定曲線を生じ、AZ依存性の35S-ODC
分解のほぼ完全な消失を導き、IFN-γの刺激とは独立し
ていた(図6C)。興味深いことに、35S-ODCのPA28依
存性の分解活性は、IFN-γの処理後、未処理の細胞から
の抽出物における活性の約2倍の大きさであった。ハイ
ブリッドプロテアソームの35S-ODC分解活性は、26Sプロ
テアソームによって引き起こされる活性にほぼ等しい
か、または少しだけ高かった。次に、IFN-γで処理した
場合としない場合で、細胞のPA28レベルを測定した。図
6Dに示すように、HeLa細胞におけるPA28含量は未刺激
の細胞で高く、IFN-γはPA28含量を1.5〜2倍まで増大
し、35S-ODC分解活性の増加と一致するようであった。
一方、構成的なサブユニットのC2のレベルは明らかに変
化しなかったが、免疫プロテアソームサブユニットのLM
P2およびLMP7は、IFN-γ処理に応答して、大きく増加し
た。
【0058】次に、ヒト腎ガン腫細胞株のSW620を使用
して類似の分析を行った。ヒト腎ガン腫細胞株のSW620
を選択した理由は、IFN-γがこれらの細胞においてPA28
レベルを大きく誘導することが以前に報告されているか
らである(Aki, M.他、(1994) J. Biochem. 115, 257-2
69)。実際、ウエスタンブロッティングでは、PA28は約
3〜4倍に増加するが、免疫プロテアソームサブユニッ
トのLMP2およびLMP7以外の他のプロテアソームサブユニ
ットのレベルは増加しないことが示された(図7D)。
IFN-γで処理した細胞抽出物からの抽出物における35S-
ODC分解活性は、未処理の細胞で得られる活性に比較し
て約50%増加した(図7A)。さらに、免疫沈降分析
は、ATP依存性の35S-ODC分解活性に対する比較的低いPA
28の寄与を示した。抗PA28α抗体での免疫沈降は、未処
理の細胞からの抽出物において活性をわずかに減少した
のみであるからである(図7B)。しかし、抗PA28α抗
体は、IFN-γで処理した細胞からの抽出物において、OD
C分解活性の顕著な減少を引き起こした(図7C)。図
7Aにおける分解速度に対する26Sプロテアソーム(PA7
00-20S-PA700)の寄与は、PA28を除去した上清と、C2ま
たはp45を除去した上清との間の分解速度における差異
として算定することができる(図7BおよびC)。IFN-
γで処理した細胞および未処理の細胞の両方からの抽出
物において、26Sプロテアソームは、約10%/h、即ち、
各々14%/hの74%および22%/hの43%を分解した。それ
ゆえ、インターフェロン処理後に見られるODCの分解速
度の増加はハイブリッドプロテアソームによってほぼ完
全に説明することができる。
【0059】(C)考察 最近、PA700複合体のサブユニットであるp45ATPaseに対
する抗体が、一連の26Sプロテアソーム成分のみでな
く、PA28αおよびPA28βをもまた免疫沈降し、これは20
SプロテアソームにPA28およびPA700活性化因子が同時に
結合して、PA700-20S-PA28複合体を形成することを示す
ことが報告された(Hendil, K.B., 他、(1998) Bioche
m. J. 332, 749-754)。26Sプロテアソームはユビキチ
ンが結合するタンパク質とユビキチンが結合しない多く
のタンパク質を分解することができるが、PA28の役割に
ついてほとんど解明されていない。本発明者らは、PA70
0およびPA28が連結したプロテアソームを分析し、これ
を「ハイブリッドプロテアソーム」と命名した。本発明
者らはまた、ハイブリッドプロテアソームが、AZの存在
下で35S-ODCの分解についてATP依存性プロテアーゼとし
て作用するという直接的な証拠を提供した。ハイブリッ
ドプロテアソームは、いくつかの基質のより効果的なタ
ンパク質分解に寄与している可能性があり、おそらく、
無傷の基質タンパク質は、先ずPA700によって認識さ
れ、そして20Sプロテアソーム(この切断能力は、以前
に示唆されるように(Hendil, K.B.他、(1998) Bioche
m. J. 332, 749-754)、PA28複合体によって改変され
る)の内腔に供給される。26Sプロテアソームからハイ
ブリッド複合体を分離することは困難であることが証明
された。これはおそらく、PA28がクロマトグラフィー操
作の間に複合体から容易に脱着するからである。従っ
て、今回は、プロテアソームがクロマトグラフィー媒体
(例えば、DEAEセルロースおよびハイドロキシアパタイ
ト)への吸着を伴わずに溶液中に残存する手順を用いる
ことによってこれらの因子を分析した。
【0060】これらの研究の間、ATPが、20Sプロテアソ
ームとPA700とが会合して26Sプロテアソームを形成する
のに必要とされるだけでなく、HaLa細胞抽出物におい
て、PA28が20Sプロテアソームへ結合するのにも必要で
あることが判明した(図2および3)。これらの結果
は、精製したPA28および20Sプロテアソームとのインビ
トロでの再構成にはATPは不要であるという以前の知見
(Ma, C.P.他、(1992) J. Biol. Chem. 267, 10515-105
23;Dubiel, W.他、 (1992) J. Biol. Chem. 267, 2236
9-22377;Tanahashi, N.他、(1997). Genes to Cells
2, 195-211;及びShimbara, N., 他、(1997) Genes to
Cells 2, 785-800)とは一致しない。ATPの存在下で、P
A700は、20Sプロテアソームと会合して、26Sプロテアソ
ームを形成するが(Chu-Ping, M.他、(1994) J. Biol.
Chem. 269, 3539-3547;DeMartino, G.N.他、(1994) J.
Biol. Chem. 269, 20878-20884;及びHendil, K.B.
他、(1998) Biochem. J. 332, 749-754)、エネルギー
がこの反応で消費される理由は不明である。電子顕微鏡
から判断さるように、PA28は、PA700と同様に20Sコア粒
子中の複数の部位を占有するので(Voges, D.他、(199
9) Annu. Rev. Biochem. 68,1015-1068;及びGray, C.
W.他、(1994) J. Mol. Biol. 236, 7-15)、両方の活性
化因子が同じ20Sプロテアソームに同時に会合し得るこ
とは意外ではない。細胞抽出物におけるPA28と20Sプロ
テアソームとの会合がATP依存性であることは、20Sプロ
テアソームのある側へのPA700のATP依存性の会合が、プ
ロテアソームの反対側へのPA28の結合に影響するなら
ば、説明することができる。しかし、再構成におけるシ
ャペロンの関与または他の説明もまた可能である。
【0061】26Sプロテアソームおよびハイブリッドプ
ロテアソームの細胞含量が類似していることは興味深い
が(表2)、26SプロテアソームによるATP依存性のODC
分解は、ハイブリッドプロテアソームによる分解よりも
かなり高かった(図4Cおよび図6B)。従って、26S
プロテアソームの方がハイブリッドプロテアソームより
も活性が高い可能性がある。26Sプロテアソームは、ユ
ビキチンと結合したタンパク質またはユビキチンが結合
していないタンパク質を認識することができる2つのPA
700を有するからである。特に、プロテアソームは複数
のプロテアーゼ機能を有し、標的タンパク質の迅速な分
解のみならず選択的な切断についても有利であり、特に
抗原プロセシング酵素のような場合にはその機能に重要
である(Tanaka, K. 他(1998) Immunol. Rev. 163, 161
-176;及びRock, K.L.他(1999) Annu. Rev. Immunol. 1
7, 739-779)。実際、インビボおよびインビトロでの抗
原プロセシングにおけるPA28の重要性に関する証拠は存
在する(Tanaka, K.他 (1998) Immunol. Rev. 163, 161
-176)。特に、PA28は、調和した二重切断様式による効
率的なエピトープ生成に寄与することが知られおり(Di
ck, T.P.他、(1996)Cell 86, 253-262;及びShimbara,
N.他、(1997) Genes to Cells 2, 785-800)、ハイブリ
ッドプロテアソームが免疫におけるエピトープ生成につ
いて特異的な機能を有することが示唆される。
【0062】興味深いことに今回、IFN-γがハイブリッ
ドプロテアソームを誘導することが判明した(図6およ
び7)。IFN-γは、多様な細胞においてPA28αおよびPA
28βの発現を誘導することが知られる(Ahn. J.Y. 他、
(1995) FABS Lett. 366, 37-42;Tanahashi, N.他、(19
97). Genes to Cells 2, 195-211;及びFruh, K. 他、
(1999) Curr. Opin. Immunol. 11, 76-81)。PA28は出
芽酵母に存在せず、IFN-γ誘導性のPA28遺伝子は、適応
免疫を担う他の遺伝子とともに共進化した可能性がある
(Tanaka, K.他、(1998) Immunol. Rev. 163, 161-17
6)。実際、インビボ(Groettrup, M.他、(1996)Nature
381, 166-168)およびインビトロ(Dick, T.P.他、(19
96) Cell 86, 253-262;Shimbara, N.他、(1997) Genes
to Cells2, 785-800;及びTanahashi, N.他、(1998)
J. Biol. Chem. 273, 23062-23071)で、合成ペプチド
エピトープからの優勢MHCクラスI−リガンド(CTLエピ
トープ)の生成について、PA28が20Sプロテアソームに
作用することが報告されている。IFN-γはまた、置換す
るサブユニットに高いアミノ酸配列類似性を有するIFN-
γ誘導性のサブユニット(各々、LMP7、LMP2、およびME
CL-1)において3つの構成的に発現するβ型サブユニッ
ト(X/MB1、Y/δ、およびZ)の置換を誘導する。得られ
る「免疫プロテアソーム」はまた、細胞内抗原の効率的
な免疫学的プロセシングを担うと考えられる(Tanaka,
K. 他、(1998) Immunol. Rev. 163, 161-176;Fruh,
K.他、(1999) Curr. Opin. Immunol. 11, 76-81;及びR
ock, K.L.他、(1999) Annu. Rev. Immunol. 17, 739-77
9)。さらに、Preckelら(Preckel, T.他、(1999) Scie
nce 286, 2162-2165)は最近、PA28β遺伝子が破壊され
たマウスの分析から、PA28が免疫プロテアソームの再構
成に必要であり、インビボでの効率的な抗原プロセシン
グに必要であることを報告した。従って、免疫プロテア
ソームおよびハイブリッドプロテアソーム(これらは共
にIFN-γによって誘導される)は、細胞媒介性の適応免
疫に応答して、細胞の可溶性画分におけるMHCクラスIペ
プチドの効率的な生成を協力している可能性がある。
【0063】
【発明の効果】本発明により、細胞中でハイブリッドプ
ロテアソームを誘導する方法を提供できるようになっ
た。インターフェロン−γで細胞を処理してハイブリッ
ドプロテアソームを誘導する方法は、プロテアソーム阻
害剤のスクリーニング系などにおいて利用可能であり、
新規な薬剤のスクリーニングに有用である。
【0064】
【配列表】 Sequence Listing <110> Upscience, Co., Ltd. <120> A method for inducing hybrid proteasomes by interferon-γ <130> A01159MA <160> 1 <210> 1 <211> 19 <212> PRT <213> peptide <400> 1 Cys His Ser Lys Thr Arg Asn Pro Glu Asn Asn Val Gly Leu Ile Thr 5 10 15 Leu Ala Asn
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ATP再生系(A)またはATP除去系(B)
で処理したHeLa細胞抽出物の沈降速度分析の結果を示
す。HeLa細胞抽出物のサンプル(1.0mgタンパク質)
を、37℃で30分間ATP再生系(10mM クレアチンリン酸、
5mM MgCl2、および10μg/mlのクレアチンキナーゼ)
(A)またはATP除去系(10mM グルコースおよび1μg/m
lのヘキソキナーゼ)(B)と一緒にプレインキュベーシ
ョンし、「実験手順」に記載の通り、グリセロール密度
勾配遠心分離(画分1〜画分30までの10〜40%グリセロ
ール)によって分画した。分画後、個々の画分のアリコ
ート(20μl)を、0.05% SDSを使用する場合(●)と
使用しない場合(○)で、Suc-LLVY-AMC加水分解のアッ
セイのために使用した。35S-ODCのATPおよびAZ依存性の
分解(△)もアッセイした。精製した20Sプロテアソー
ムおよび26Sプロテアソームの溶出位置を示す。下部パ
ネルはウェスタンブロット解析を示す。200μlの各画分
におけるタンパク質を、アセトンで沈降し、SDS-PAGEに
供し、そしてC2、p45、S5a、TBP-1、p42、p27、PA28
α、およびPA28βに対する抗体を使用するウェスタンブ
ロット解析によって染色した。番号は、AおよびBにお
ける画分の番号に対応する。免疫反応性タンパク質の大
きさを右側に示す。星印は、抗PA28α抗体、抗PA28β抗
体、および抗TBP1抗体によって生成される人工産物のバ
ンドを示す。
【図2】図2は、ATPを除去したHeLa細胞溶解物におけ
る20Sプロテアソームからの26S複合体のATP依存性形成
を示す。HeLa細胞を、0.2mMの 2,4-ジチオスレイトール
および20mMの2-デオキシグルコースを含有するPBS緩衝
液(pH7.2)で洗浄し、そして同じ緩衝液中で37℃で1
時間インキュベートして、細胞内ATPを除去した。次い
で、細胞を洗浄し、ATPを含有しない緩衝液中に再懸濁
し、超音波処理によって溶解した。溶解物(2.5mgタン
パク質)を、2mM ATPおよび5mM MgCl2の存在下で37℃
で60分間、ATP再生系とともにインキュベートし、図1
と同様に沈降速度分析によって分析した。SDSを使用
(●)または不使用(○)の場合のSuc-LLVY-AMC加水分
解のアッセイ、35S-ODCの分解(△)、およびウェスタ
ンブロット解析についての手順は、図1と同様である。
AとBとの間の挿入写真は、ATPを除去した細胞抽出物
(1)またはATP補充された細胞抽出物(2)を用いる
非変性PAGEゲルにおけるSuc-LLVY-AMC加水分解を示す。
【図3】図3は、ラット肝臓から調製したATP依存性の
プロテアソームのグリセロール密度勾配分析を示す。ラ
ット肝臓細胞質ゾルの超遠心分離によって得た沈降物の
サンプル(500mgタンパク質)を、Biogel A-1.5mカラム
(5cm×100cm)に対するクロマトグラフィーによって
分析した。得られた26Sプロテアソームのピーク画分を
プールし、5mM ATPを含有するリン酸緩衝液(pH6.8)
で平衡化したハイドロキシアパタイトカラムに適用し
た。26Sプロテアソーム(2mgタンパク質)を含有する
フロースルー画分を、沈降速度分析によって分析した。
画分を以下のように分析した: A:Suc-LLVY-AMCおよび35S-ODCの分解。遊離のPA28活
性(◇)を、実験手順に記載される通り測定した。 B:SDS-PAGE分析。Aからの画分(200μl)を、SDS-PA
FGEに供した後、クマシーブルー染色R-250で染色した。
ゲルの上部における番号は、画分の番号を示す。下部パ
ネル:ウェスタンブロット解析。p45およびPA28αに対
する抗体を使用する。 C:非変性PAGEゲルにおいて検出されたSuc-LLVY-AMC分
解酵素(上部)。抗p45抗体および抗PA28α抗体を使用
する平行なゲルのウェスタンブロット解析(それぞれ、
中央および下部)ゲルの上部における番号は、Aからの
画分の番号を示す。20Sおよび26Sは、それぞれ、20Sお
よび26Sプロテアソームを示す。「hybrid」および「hom
o-PA28」は、それぞれ、PA700-20S-PA28複合体およびPA
28-20S-PA28複合体に対応するプロテアソーム複合体の
位置を示す。 D:Aからのピーク画分番号20のサンプルを、非変性PA
GEによって分析した後、Suc-LLVY-AMC加水分解を検出
し、そして示されるような抗体で免疫ブロッティングし
た。「26S」、「hybrid」、および「homo−PA28」と記
された矢印は、パネルCと同様である。 E:ラット肝臓からのATP依存性プロテアーゼ画分にお
ける、35S-ODCの分解に対するPA28および20Sプロテアソ
ームの免疫沈降の効果。高い35S-ODC分解活性を有する
ピーク画分(A)を、抗PA28α抗体および抗C2抗体、ま
たは免疫前のIgG」での免疫沈降のために使用した。免
疫複合体を遠心分離によって除去した後、得られる可溶
性画分における35S-ODC ODC分解活性を測定した。値
は、沈降を伴わずに得られた活性のパーセントとして表
す。
【図4】図4は、HeLa抽出物におけるSuc-LLVY-AMCおよ
35S-ODCの分解に対する、PA28、PA700および20Sプロ
テアソームの免疫沈降物の効果を示す。HeLa細胞の細胞
質抽出物を、非免疫の、抗PA28α、抗p45、および抗C2
プロテアソームIgGで示される濃度にて処理した後、得
られる可溶性画分を、Suc-LLVY-AMCおよび35S-ODCの分
解活性のアッセイのために使用した(AおよびB)。平
均±SD(5回の実験)。C:抗C2抗体、抗p45抗体、ま
たは抗PA28α抗体での免疫沈降(IP)後、得られる免疫
沈降物を、右側に示される種々の抗体を用いるウェスタ
ンブロット解析によって解析した。ウェスタンブロット
解析は、5回の独立した実験の典型的な結果を示す。
【図5】図5は、HeLa細胞抽出物におけるPA28、PA70
0、および20Sプロテアソームの会合の免疫沈降分析を示
す。抗C2抗体(A)、抗PA28α抗体(B)、および抗p4
5抗体(C)での免疫沈降後の細胞抽出物からの上清
を、SDS-PAGE、ならびに抗PA28α抗体、抗p45抗体、お
よび抗C2抗体を用いるウエスタンブロッティングによっ
て分析した。左側パネルはウエスタンブロット解析によ
って得られるバンドを示す。染色強度は、Image Master
1D(Amersham Pharmacia Biotech)で定量的に決定
し、そしてそれらの相対的な値を免疫沈降を行わないで
得られた染色強度(右側パネル)のパーセントとして表
した。平均±SD(5回の実験)。
【図6】図6は、IFN-γで処理したHeLa細胞の抽出物に
おける、35S-ODCの分解に対する、PA28、PA700、および
20Sプロテアソームの免疫沈降の効果を示す。細胞を、I
FN-γ(Boehirnger Mannheim、500U/ml)の存在下又は
非存在下で3日間インキュベートした。 A:35S-ODCの分解に対するIFN-γの効果; BおよびC:免疫沈降を、IFN-γで予め処理した細胞
(C)または未処理のコントロール(B)の抽出物を使用
した以外は、図4で記載した通り行った。値を、未処理
のコントロールのパーセントとして表した。平均±SD
(3回の実験)。 D:IFN-γで予め処理したHeLa細胞および未処理のコン
トロール細胞の抽出物のSDS-PAGEおよびウエスタンブロ
ット解析。星印は、抗PA28α抗体によって与えられた人
工産物のバンドを示す。
【図7】図7は.IFN-γで処理したSW620細胞の抽出物
における、35S-ODCの分解に対するPA28、PA700、および
20Sプロテアソームの免疫沈降の効果を示す。ヒト腎ガ
ン腫SW620細胞を使用した以外は、実験および記号は図
6と同様である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/15 G01N 33/50 Z 33/50 C12N 5/00 ZNAE Fターム(参考) 2G045 AA40 BB60 CB01 FB01 FB03 FB07 GC15 4B050 CC10 DD11 LL03 4B063 QA05 QQ61 QR51 QR57 QR77 QS16 QX01 QX07 4B065 AA93X AB10 AC20 BA30 CA33 CA46 CA60

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 20Sプロテアソームを発現する細胞にイ
    ンターフェロン−γを投与することを特徴とする、ハイ
    ブリッドプロテアソーム(PA700-20S-PA28複合体)を誘
    導する方法。
  2. 【請求項2】 ハイブリッドプロテアソームがATP依存
    性タンパク質分解経路に関与するプロテアソームであ
    る、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 (1)20Sプロテアソームを発現する細
    胞にインターフェロン−γを投与してハイブリッドプロ
    テアソーム(PA700-20S-PA28複合体)を誘導する工程;
    及び(2)被験物質を該細胞に投与して、ハイブリッド
    プロテアソーム活性の阻害を検出及び/又は測定する工
    程:を含む、ハイブリッドプロテアソーム阻害剤のスク
    リーニング方法。
  4. 【請求項4】 ハイブリッドプロテアソーム活性の阻害
    が、20SプロテアソームとPA28との会合の阻害によるも
    のである、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 ハイブリッドプロテアソームがATP依存
    性タンパク質分解経路に関与するプロテアソームであ
    る、請求項3又は4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 ハイブリッドプロテアソームの基質タン
    パク質の分解を検出および/または測定することによっ
    てハイブリッドプロテアソーム活性の阻害を検出及び/
    又は測定する、請求項3から5の何れかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 蛍光基質を使用することにより、基質タ
    ンパク質の分解を蛍光により測定及び/または検出す
    る、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 ハイブリッドプロテアソームの基質とし
    てサクシニル-Leu-Leu-Val-Tyr-7-アミノ-4-メチルクマ
    リン(Suc-LLVY-AMC)又は標識したオルニチンデカルボ
    キシラーゼ(ODC)を使用する、請求項7に記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項3から8の何れかに記載の方法に
    より得られるハイブリッドプロテアソーム(PA700-20S-
    PA28複合体)阻害剤。
  10. 【請求項10】 インターフェロン−γの投与によって
    ハイブリッドプロテアソーム(PA700-20S-PA28複合体)
    が誘導されていることを特徴とする、20Sプロテアソー
    ムを発現する細胞。
JP2000086405A 2000-03-27 2000-03-27 インターフェロン−γによるハイブリッドプロテアソームの誘導方法 Pending JP2001269168A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000086405A JP2001269168A (ja) 2000-03-27 2000-03-27 インターフェロン−γによるハイブリッドプロテアソームの誘導方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000086405A JP2001269168A (ja) 2000-03-27 2000-03-27 インターフェロン−γによるハイブリッドプロテアソームの誘導方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001269168A true JP2001269168A (ja) 2001-10-02

Family

ID=18602579

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000086405A Pending JP2001269168A (ja) 2000-03-27 2000-03-27 インターフェロン−γによるハイブリッドプロテアソームの誘導方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001269168A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019527815A (ja) * 2016-06-06 2019-10-03 マックス−プランク−ゲゼルシャフト・ツア・フェルデルング・デア・ヴィッセンシャフテン・エー・ファオ 生体高分子複合体の精製のための方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019527815A (ja) * 2016-06-06 2019-10-03 マックス−プランク−ゲゼルシャフト・ツア・フェルデルング・デア・ヴィッセンシャフテン・エー・ファオ 生体高分子複合体の精製のための方法
US11401301B2 (en) 2016-06-06 2022-08-02 Max-Planck-Gesellschaft Zur Foerderung Der Wissenschaften E.V. Method for the purification of biological macromolecular complexes

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Taunton et al. A mammalian histone deacetylase related to the yeast transcriptional regulator Rpd3p
Cascio et al. Properties of the hybrid form of the 26S proteasome containing both 19S and PA28 complexes
Starcevic et al. Identification of snapin and three novel proteins (BLOS1, BLOS2, and BLOS3/reduced pigmentation) as subunits of biogenesis of lysosome-related organelles complex-1 (BLOC-1)
Fischer Peptidyl‐prolyl cis/trans isomerases and their effectors
Xie et al. The yeast Hex3· Slx8 heterodimer is a ubiquitin ligase stimulated by substrate sumoylation
Borodovsky et al. A novel active site‐directed probe specific for deubiquitylating enzymes reveals proteasome association of USP14
Osaka et al. Covalent modifier NEDD8 is essential for SCF ubiquitin-ligase in fission yeast
Papa et al. Interaction of the Doa4 deubiquitinating enzyme with the yeast 26S proteasome
Oshikawa et al. Preferential interaction of TIP120A with Cul1 that is not modified by NEDD8 and not associated with Skp1
Hanada et al. Structure-function relationship of Atg12, a ubiquitin-like modifier essential for autophagy
Isono et al. Functional analysis of Rpn6p, a lid component of the 26 S proteasome, using temperature-sensitive rpn6 mutants of the yeast Saccharomyces cerevisiae
Cucinotta et al. The nucleosome acidic patch directly interacts with subunits of the Paf1 and FACT complexes and controls chromatin architecture in vivo
Im et al. Precise assembly and regulation of 26S proteasome and correlation between proteasome dysfunction and neurodegenerative diseases
Iversen et al. Pso p27, a SERPINB3/B4-derived protein, is most likely a common autoantigen in chronic inflammatory diseases
Li et al. Identification and characterization of CPAMD8, a novel member of the complement 3/α2-macroglobulin family with a C-terminal Kazal domain
JP2012167092A (ja) Rpn11酵素活性のための新規な基質
Scoulica et al. Disassembly and domain structure of the proteins in the proteins in the signal‐recognition particle
Henzl et al. The cochlear F-box protein OCP1 associates with OCP2 and connexin 26
Hsi et al. Human DNA polymerase α catalytic polypeptide binds ConA and RCA and contains a specific labile site in the N-terminus
JP2001269168A (ja) インターフェロン−γによるハイブリッドプロテアソームの誘導方法
Thalhammer et al. Isolation and partial characterization of membrane‐associated cyclophilin and a related 22‐kDa glycoprotein
Lee et al. Human serum proteins recognized by CA215 and cancerous immunoglobulins and implications in cancer immunology
Rich et al. Purification, Microsequencing, and Immunolocalization of p36, a New Interferon-α-induced Protein That Is Associated with Human Lupus Inclusions (∗)
AU732547B2 (en) Novel cyclin-selective ubiquitin carrier polypeptides
Hirano et al. Large‐and small‐scale purification of mammalian 26S proteasomes