JP6898114B2 - 注出機構及び注出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ビールテイスト飲料が充填された缶に設けられる飲料の注出機構及び注出方法に関する。
従来から、ビールテイスト飲料の注出においては様々な試みがなされており、飲食店等で飲料を提供するときには、飲料サーバーで飲料を注出することによってきめ細かい泡を注出することが可能である。しかしながら、家庭等でビールテイスト飲料を注出するときには、飲料サーバーが大きく、置き場所に困ったり、メンテナンスが難しく費用と時間がかかることが多い。そのため家庭等で飲料サーバーを使うことは少なく、ビールテイスト飲料を缶からグラスに注出して飲むことが多い。このため、家庭等では、手軽にきめ細かい泡を注出できていないという現状がある。
特開2004−168417号公報には、飲料用缶を開けるためのプルタブを備えた飲料の注出構造が記載されている。プルタブは、飲料用缶の天面に位置する鋲軸に回転可能に支持されている。このプルタブは、鋲軸から離れた箇所に位置する取っ手部に、格子状又は網目状の貫通孔を有する。このプルタブには、互いに仕切られた複数の直線状の貫通孔が形成されている。上記の注出構造では、プルタブを回転させて取っ手部で飲料用缶の開口の一部を塞ぎ、この状態でビールテイスト飲料を貫通孔に通過させることにより、泡の形状の変化を図っている。
特開2004−168417号公報
一般的に、プルタブの大きさは数cm程度であり非常に小さい。前述した注出構造では、プルタブに、互いに仕切られた複数の直線状の貫通孔が形成されているため、一つ一つの貫通孔の大きさは非常に小さい。また、プルタブは、金属板を切削加工して製造されるため、上記のような非常に小さい貫通孔を形成するのは困難である。すなわち、上記の貫通孔を形成するには、非常に小さい切削加工用の刃を複数用意しなければならない。よって、プルタブの製造の加工性がよくないという問題がある。
本発明は、きめ細かい泡を注出することができると共に、加工性を向上させることができる注出機構及び注出方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る注出機構は、ビールテイスト飲料が充填された缶の天面に取り付けられると共に指が引っ掛けられる引掛部を有するプルタブと、引掛部が引き上げられることにより天面に形成された切断線で切断されて缶の内側に入り込み天面に開口を形成する開口形成部と、を備えた飲料の注出機構であって、天面においてプルタブを回転可能に取り付ける回転軸部を更に備え、引掛部は、引掛部を貫通する貫通孔を有しておらず、引掛部は、プルタブが回転したときに開口の一部を塞ぐ。
この注出機構では、プルタブの引掛部に指を引っ掛けて引掛部を引き上げることにより、開口形成部が缶の内側に入り込んで飲料を注出するための開口が天面に形成される。引掛部を引き上げた状態でプルタブを回転軸部を中心として回転させることにより、引掛部で開口の一部を塞ぐことができる。よって、ビールテイスト飲料をグラス等に注出するときには、一部が塞がれた開口にビールテイスト飲料を通すことによってきめ細かい泡を注出することができる。従って、飲料サーバーを有しない家庭等でも、ビールテイスト飲料のきめ細かい泡を缶から手軽に注出することができる。また、この注出機構では、引掛部が貫通孔を有しない。よって、プルタブの製造時に、貫通孔を形成するための非常に小さい刃を複数用意する必要がないので、プルタブの製造の加工性を向上させることができる。
本発明の他の側面に係る注出機構は、ビールテイスト飲料が充填された缶の天面に取り付けられると共に指が引っ掛けられる引掛部を有するプルタブと、引掛部が引き上げられることにより天面に形成された切断線で切断されて缶の内側に入り込み天面に開口を形成する開口形成部と、を備えた飲料の注出機構であって、天面においてプルタブを回転可能に取り付ける回転軸部を更に備え、引掛部は、引掛部を貫通する1つの貫通孔を有し、貫通孔には、貫通孔の内側に向かって突出する突出部が形成されており、引掛部は、プルタブが回転したときに開口の一部を塞ぐ。
この注出機構では、前述した一側面に係る注出機構と同様、引掛部で開口の一部を塞ぐことができるので、飲料サーバーを有しない家庭等でもビールテイスト飲料のきめ細かい泡を注出することができる。また、この注出機構では、引掛部が1つの貫通孔を有し、貫通孔には、その内側に突出する突出部が形成されている。このように、1つの貫通孔に突出部が形成されているので、貫通孔にビールテイスト飲料を通すことにより、注出される泡の形状を変化させることができ、よりきめ細やかな泡を注出することができる。また、この注出機構では、1つの貫通孔を形成する切削加工用の刃を1つ用意すればよいので、プルタブの製造の加工性を向上させることができる。
また、プルタブが回転したときに、引掛部は、開口の外縁を塞いでもよい。この場合、引掛部によって開口の外縁が塞がれているので、ビールテイスト飲料は貫通孔を通って注出される。このため、貫通孔の形状に応じて注出される泡の形状を変化させることができる。また、貫通孔からビールテイスト飲料が注出されるため、貫通孔からきめ細かい泡をスムーズに注出することができる。
また、突出部は、1本設けられており、貫通孔の中央に向かって線状に延びていてもよい。この場合、貫通孔の中央に向かって延びる突出部の両側及び先端側を通ってビールテイスト飲料が注出されるため、泡の形状を変化させて一層きめ細かい泡を注出することができる。
本発明に係る注出方法は、前述の注出機構を備えると共に、ビールテイスト飲料が充填された缶から飲料を注出する注出方法であって、引掛部を引き上げて開口形成部を缶の内側に入り込ませることにより、天面に開口を形成する工程と、回転軸部を中心としてプルタブを回転させる工程と、プルタブの回転により、引掛部で開口の一部を塞ぐ工程と、を備える。
この注出方法では、引掛部を引き上げて開口形成部を缶の内側に入り込ませることにより、天面に開口を形成することができる。そして、引掛部を引き上げた状態でプルタブを回転させることにより、引掛部で開口の一部を塞ぐことができる。よって、一部が塞がれた開口にビールテイスト飲料を通すことにより、飲料サーバーを有しない家庭等でもビールテイスト飲料のきめ細かい泡を手軽に注出することができる。
本発明によれば、きめ細かい泡を注出することができると共に、加工性を向上させることができる。
第1実施形態に係る注出機構を備えた缶を示す斜視図である。 図1の注出機構を示す平面図である。 第2実施形態に係る注出機構を示す平面図である。 図3の注出機構を拡大した平面図である。 第3実施形態に係る注出機構を示す平面図である。 (a)は、第4実施形態に係る注出機構を示す平面図である。(b)は、(a)の注出機構を拡大した平面図である。 (a)は、第5実施形態に係る注出機構を示す平面図である。(b)は、(a)の注出機構及び天面を切断した縦断面図である。 (a)は、注出機構を用いた実験を説明するための図である。(b)は、実験において泡の径を測定する方法を説明するための図である。 (a),(b),(c)及び(d)は、図7の実験の結果を示す写真である。
以下では、図面を参照しながら本発明に係る注出機構及び注出方法の実施形態について詳細に説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る注出機構10を備えた缶1を示す斜視図である。図1に示されるように、例えば、缶1は、その外観が円筒状とされている。缶1は、円形状とされた底部と、底部の外縁から直立する円筒状の胴部2と、胴部2の上端に位置する円形状の蓋部3とを備えている。胴部2は、その上端部に、上方に向かうに従って徐々に縮径する縮径部2aを有する。
缶1には、ビールテイスト飲料が充填されている。ここで、ビールテイスト飲料とは、ビールのような味わいを奏する飲料、及び、ビールを飲用したような感覚を飲用者に与える飲料を含む。また、ビールテイスト飲料は、アルコール度数が1%(「容量/容量(%)」又は「v/v(%)」等とも表される)未満の飲料、及び、アルコール度数が1%以上の飲料も含む。なお、アルコール度数が1%以上の飲料は、ビールテイストアルコール飲料とも称される。
更に、ビールテイスト飲料は、原料として麦芽を使用するビール、発泡酒、リキュール(例えば、酒税法上、「リキュール(発泡性)(1)」に分類される飲料)等の麦芽発酵飲料、及び、原料として麦又は麦芽を使用しないビールテイスト発酵飲料(例えば、酒税法上「その他の醸造酒(発泡性)(1)」に分類される飲料)も含んでいる。
本実施形態において、例えば、缶1にはビールが充填されていてもよい。ビールは、アルコール度数が20%未満の酒類であって、麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもの、又は、麦芽、ホップ、水、麦、及びその他の酒税法施行令で定める物品を原料として発酵させたもの(その原料中当該酒税法施行令で定める物品の重量の合計が麦芽の重量の百分の五十を超えないもの)、並びに、発酵原料の麦芽比率(麦芽使用比率)が67質量%以上のものを含む。
缶1の蓋部3は、鉛直上方に向けられる円形状の天面4と、天面4の外縁から立ち上がる円形状の立ち上がり部5と、ビールテイスト飲料を注出する注出機構10とを有する。立ち上がり部5を有することにより、天面4は、缶1の上端より窪んでいる。立ち上がり部5は、金属板が逆U字状に湾曲した形状を有するため、飲用者が立ち上がり部5を触っても怪我等は抑制される。
図2は、缶1を開けた状態の蓋部3を示しており、注出機構10のプルタブ12を回転させた状態を示す平面図である。図2に示されるように、注出機構10は、天面4に形成された凹部6の内側に設けられる。凹部6は、天面4の径方向の一方側(図2の上側)から他方側(図2の下側)に長く延びる形状を有し、凹部6の幅は、天面4の径方向の一方側から他方側に向かうに従って徐々に広がっている。天面4の中央付近且つ凹部6の内側部分には、一対の円形状の凸部7が形成されている。また、凹部6の外縁には、凹部6から天面4の径方向外側に向かうに従って徐々に高くなる傾斜面8が形成されている。
注出機構10は、缶1に充填されたビールテイスト飲料を、缶1の外部に位置する容器(グラス等)に注ぐための機構である。注出機構10は、凹部6に取り付けられた回転軸部11と、回転軸部11に回転可能に取り付けられたプルタブ12と、回転軸部11の径方向外側でU字状に拡大して湾曲する開口13を形成する開口形成部14と、を備える。回転軸部11は、例えば、円形状とされており、天面4の中央に取り付けられている。回転軸部11はプルタブ12を回転自在に支持している。すなわち、プルタブ12は、天面4の上方で天面4に沿う平面に沿って回転自在とされた回転式のプルタブである。
プルタブ12は、回転軸部11から天面4の径方向外側に長く延びる第1部分12aと、回転軸部11から天面4の径方向外側に短く延びる第2部分12bと、を有する。プルタブ12は、第1部分12aから第2部分12bに向かって長く延びる長円状とされている。プルタブ12は、その外周全体にR加工がなされているので、プルタブ12を触って指を切る事態を回避することができる。
プルタブ12は、第2部分12b側に、回転軸部11を囲むU字状とされた開口部12cと、下方に窪んだ凹部12hとを有する。凹部12hは、開口部12cよりもプルタブ12の長手方向(図2の上下方向)の端部側に形成されている。凹部12hはプルタブ12の外縁よりも下方に突出している。この凹部12hは、プルタブ12の引掛部12fが引っ張り上げられたときに開口形成部14を押し下げる部位に相当する。凹部12hは、プルタブ12の幅方向(図2の左右方向)に延びると共にプルタブ12の外縁に沿った形状を成している。
図1において、プルタブ12は、回転軸部11から離間した第1部分12a側の位置に引掛部12fを有する。引掛部12fの下側に指が入れられて指で引掛部12fが引き上げられることにより、開口形成部14が缶1の内側に入り込んで開口13が形成される。引掛部12fは、引掛部12fを貫通する貫通孔を有していない。すなわち、プルタブ12は、第2部分12b側に位置する開口部12cのみを貫通孔として有しており、第1部分12a側に位置する引掛部12fにはプルタブ12を貫通する部分を有しない。
引掛部12fには、下方に窪んだ凹部12gが形成されている。凹部12gはプルタブ12の外縁よりも下方に突出している。凹部12gは、プルタブ12の幅方向に延びると共にプルタブ12の外周に沿って延びる長円状とされている。この凹部12gの外側に下から指を入れることにより、容易に指を入れることが可能となっている。
開口形成部14は、缶1を開ける前には天面4(凹部6)と切断線15を介して一体とされている。プルタブ12の引掛部12fが引き上げられてプルタブ12の凹部12hが開口形成部14を押し下げることにより、開口形成部14が切断線15に沿って切断されて開口13が形成される。
開口形成部14は、回転軸部11付近で直線状に延びる折り曲げ部14aを有し、この折り曲げ部14aを軸として缶1の内側に入り込む。切断線15は、缶1の開封前は開口形成部14の外周に沿って形成されている。切断線15は、折り曲げ部14aの一端から凹部6の外周に沿って延び、折り曲げ部14aの他端にまで延在している。よって、切断線15は、回転軸部11から離れるに従って広がるU字状とされており、この切断線15と折り曲げ部14aとによって開口13が形成される。
次に、注出機構10を用いて行う飲料の注出方法について説明する。初期状態では、図1に示されるように、プルタブ12の引掛部12fが開口形成部14の反対側に位置している。この状態で引掛部12fの下(天面4と引掛部12fの間)に指を入れて引掛部12fを引き上げる。引掛部12fを引き上げることにより、凹部12hで開口形成部14を押し下げて切断線15に沿った切断を行う。
切断線15に沿った切断を行うことにより、図1及び図2に示されるように、折り曲げ部14aを介して開口形成部14を缶1の内側に折り曲げる。このように開口形成部14を缶1の内側に折り曲げることにより、天面4に開口13を形成する(開口を形成する工程)。開口13を形成した後には、プルタブ12を回転軸部11を中心として回転する(プルタブを回転させる工程)。
プルタブ12を回転させることにより、引掛部12fで開口13の一部を覆った状態とする(引掛部で開口の一部を塞ぐ工程)。そして、開口13の一部を引掛部12fによって塞いだ状態で缶1からビールテイスト飲料を注ぐことにより、缶1の外部に位置するグラス等にきめ細かい泡を備えたビールテイスト飲料が注出される。
次に、本実施形態に係る注出機構10及び注出方法から得られる作用効果について詳細に説明する。
本実施形態に係る注出機構10及び注出方法では、プルタブ12の引掛部12fに指を引っ掛けて引掛部12fを引き上げることにより、開口形成部14が缶1の内側に入り込んでビールテイスト飲料を注出するための開口13が天面4に形成される。引掛部12fを引き上げた状態でプルタブ12を回転軸部11を中心として例えば180度回転させることにより、引掛部12fで開口13の一部を塞ぐことができる。
よって、ビールテイスト飲料をグラス等に注出するときには、一部が塞がれた開口13にビールを通すことによってきめ細かい泡を注出することができる。従って、飲料サーバーを有しない家庭等でも、ビールテイスト飲料のきめ細かい泡を缶1から手軽に注出することができる。また、注出機構10では、引掛部12fが貫通孔を有しない。よって、プルタブ12の製造時に、貫通孔を形成するための非常に小さい刃を複数用意する必要がないので、プルタブ12の製造の加工性を向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る注出機構20及び注出方法について図3及び図4を参照しながら説明する。以降の説明では、第1実施形態と重複する説明を適宜省略する。図3に示されるように、注出機構20は、プルタブ22の形状が第1実施形態と異なっている。プルタブ22は、回転軸部11から離間した第1部分12a側の位置に引掛部22fを有する。引掛部22fは、引掛部22fを貫通する1つの貫通孔22gを有する。よって、プルタブ22は、第2部分12b側に位置する開口部12cと、第1部分12a側に位置する貫通孔22gと、をプルタブ22を貫通する部分として備える。
図3及び図4に示されるように、引掛部22fは、プルタブ22の幅方向に延びると共にプルタブ22の外周に沿って延びる長円状とされている。貫通孔22gは、引掛部22fの内側に位置しており、引掛部22fと同様に長円状とされている。貫通孔22gに下から指を入れることにより、容易に指を入れることが可能である。貫通孔22gには、貫通孔22gの内側に向かって突出する突出部22hが形成されている。
貫通孔22gは、互いに平行に直線状に延びる第1直線部22j及び第2直線部22mと、第1直線部22j及び第2直線部22mの間で半円状に湾曲する一対の湾曲部22nと、によって形成されている。第1直線部22jは、第2直線部22mよりも回転軸部11側に位置する。
突出部22hは、貫通孔22gの回転軸部11側においてプルタブ22の幅方向に延びる第1直線部22jから貫通孔22gの内側に線状に延びている。突出部22hは、第1直線部22jの中央から貫通孔22gの内側に延びている。突出部22hの外観は、例えば、矩形状とされている。
突出部22hは、第1直線部22jから互いに平行に延びる一対の側辺部22kと、一対の側辺部22kの先端同士の間で直線状に延びる先端部22pとを有する。例えば、側辺部22kの長さL1は、第1直線部22jから第2直線部22mまでの距離D1の50%以上且つ90%以下とされている。また、突出部22hの幅B1は、貫通孔22gの長さL2の30%以上且つ40%以下とされている。幅B1と長さL2との関係が上記であることにより、表面張力が上がるのを抑えて流量を確保することが可能となる。
突出部22hは、第1直線部22jの対岸に位置する第2直線部22mまでは到達していない。すなわち、貫通孔22gは、突出部22hによって仕切られていない。突出部22hの先端部22pと第2直線部22mとの間には空間が形成されている。従って、ビールテイスト飲料は、先端部22p、一対の側辺部22k、第1直線部22j、湾曲部22n及び第2直線部22mによって形成された、貫通孔22gの内側の空間を通って注出される。
第2実施形態に係る注出機構20を用いて行う飲料の注出方法は、第1実施形態と同様である。すなわち、プルタブ22の引掛部22fの下に指を入れて引掛部22fを引き上げて開口形成部14を缶1の内側に折り曲げて開口13を形成する。そして、プルタブ22を回転軸部11を中心として回転させ、引掛部22fで開口13の一部を覆う。このように引掛部22fで開口13の一部を塞いだ状態で缶1からビールテイスト飲料を注ぐことにより、グラス等にきめ細かい泡を備えたビールテイスト飲料が注出される。
以上、注出機構20では、第1実施形態の注出機構10と同様、引掛部22fで開口13の一部を塞ぐことができるので、飲料サーバーを有しない家庭等でもビールテイスト飲料のきめ細かい泡を注出することができる。また、注出機構20では、引掛部22fが1つの貫通孔22gを有し、貫通孔22gには、その内側に突出する突出部22hが形成されている。
このように、1つの貫通孔22gに突出部22hが形成されているので、貫通孔22gにビールテイスト飲料を通すことにより、注出される泡の形状を変化させることができ、よりきめ細やかな泡を注出することができる。また、注出機構20では、1つの貫通孔22gを形成する切削加工用の刃を1つ用意すればよいので、プルタブ22の製造の加工性を向上させることができる。
また、突出部22hは、1本設けられており、貫通孔22gの中央に向かって線状に延びている。従って、貫通孔22gの中央に向かって延びる突出部22hの両側及び先端側を通ってビールテイスト飲料が注出されるため、泡の形状を変化させて一層きめ細かい泡を注出することができる。
(第3実施形態)
続いて、第3実施形態に係る注出機構30について図5を参照しながら説明する。注出機構30は、第1及び第2実施形態とは形状が異なるプルタブ32を備える。プルタブ32は、第2実施形態の引掛部22fよりも拡張された引掛部32fを備える。第3実施形態では、プルタブ32を回転させたときに、引掛部32fが開口13の外縁を塞ぐ。よって、プルタブ32を回転させた状態では、プルタブ32の引掛部32fによって開口13の外縁、すなわち、切断線15が塞がれている。なお、プルタブ32は、開口部12cを有していてもよいし、開口部12cを有していなくてもよい。
以上、第3実施形態に係る注出機構30では、プルタブ32が回転したときに、引掛部32fは、開口13の外縁を塞いでいる。よって、引掛部32fによって開口13の外縁が塞がれているので、ビールテイスト飲料は貫通孔22gを通って注出される。このため、貫通孔22gの形状に応じて注出される泡の形状を変化させることができる。また、貫通孔22gからビールテイスト飲料が注出されるため、貫通孔22gからきめ細かい泡をスムーズに注出することができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る注出機構40について図6(a)及び図6(b)を参照しながら説明する。注出機構40は、第2実施形態の突出部22hとは異なる形状の突出部42hを2つ備えたプルタブ42を有する。突出部42hは、貫通孔22gの内側に向かって矩形状に突出している。2つの突出部42hは、貫通孔22gの長手方向に並んでおり、貫通孔22gにおいて例えば左右対称に配置されている。例えば、各突出部42hの長さL3(最大値)は突出部22hの長さと同程度であり、各突出部42hの幅B2は突出部22hの幅B1よりも広い。一例として、各突出部42hの幅は、貫通孔22gの長さL2の20%以上且つ45%以下とされている。以上、注出機構40では、1つの貫通孔22gに突出部42hが形成されているので、第2実施形態と同様の作用効果が得られる。
(第5実施形態)
続いて、第5実施形態に係る注出機構50について図7を参照しながら説明する。注出機構50は、貫通孔22gを有しない点において、第3実施形態の注出機構30と異なっている。すなわち、注出機構50のプルタブ52の引掛部52fは、孔部を有しない平板状とされている。また、引掛部52fは、天面4に対して斜め上方に傾斜しているため、引掛部52fと天面4との間には隙間が形成されている。この注出機構50では、ビールテイスト飲料を注出するときに、ビールテイスト飲料は天面4と引掛部52fとの間の隙間を通って注出される。よって、注出される泡の形状を変化させることができ、前述した各実施形態と同様の効果が得られる。なお、引掛部52fは、天面4に対して斜め下方に傾斜していてもよい。
以上、本発明に係る注出機構及び注出方法の実施形態について説明したが、本発明は、前述した各実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。すなわち、本発明は、特許請求の範囲に記載した要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能であり、注出機構を構成する各部品の構成、及び注出方法を構成する各工程は、上記の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、前述の第2実施形態において、貫通孔22gに形成する突出部の個数、形状、大きさ及び配置態様は適宜変更可能である。例えば、回転軸部11側の第1直線部22jから突出する突出部22hに代えて、回転軸部11の反対側の第2直線部22mから突出する突出部を備えていてもよい。但し、第1直線部22jから突出する突出部22hは、第2直線部22mから突出する突出部よりもプルタブ22を開口するときに指を一層引っ掛かりにくくすることができる。
以上のように貫通孔22gに形成する突出部の個数、形状、大きさ又は配置態様を変更しても、貫通孔22gにビールテイスト飲料を通したときに注出される泡の形状を変化させることができ、よりきめ細やかな泡を手軽に家庭等で楽しむことができる。また、注出機構が設けられる缶の形状、大きさ、及び、各部品の構成についても適宜変更可能である。
(実施例)
続いて、図8及び図9を参照しながら、前述の実施形態の注出機構を備えた缶の実施例について説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。この実施例の実験では、実施例1〜4に係る缶と、比較例に係る缶を用いている。実施例1の缶1は注出機構10を備えた缶1であり、実施例2の缶は注出機構20を備えた缶1であり、実施例3の缶は注出機構40を備えた缶1であり、実施例4の缶は注出機構50を備えた缶1であり、比較例の缶は突出部22hを有しない(貫通孔22gのみが形成された)缶である。
図8(a)に示されるように、実施例1〜4の缶1及び比較例の缶のそれぞれを高さがH(mm)の台Aの上に置き、実施例1〜4の缶1及び比較例の缶のそれぞれから台Aの側面A1に対向するグラスGにビールテイスト飲料を注出した。グラスGの高さは92mmであり、Hの値は130mmである。この条件でビールテイスト飲料をグラスGに注ぐと、グラスGの高さの中央G1付近に泡の下端が位置することになる。
ビールテイスト飲料をグラスGに注いだ後には、カメラでグラスGの高さの中央G1を撮影した。そして、図8(b)に示されるように、撮影画像を均等に12分割し、複数の分割線Xの各交点P1,P2,P3,P4,P5,P6を定め、各交点P1,P2,P3,P4,P5,P6に位置する泡の大きさを測定し、6点の泡の直径の平均値を算出した。この測定では、実際の1cmの長さと撮影画像上の長さとの関係を縮尺として用いた。
以上のように、台Aの上からグラスGへのビールテイスト飲料の注出、泡の撮影、撮影画像からの泡の大きさの測定を5回繰り返し行って、実施例1〜4の缶1及び比較例の缶それぞれから注出された泡の直径を算出した。その結果、比較例の注出機構では泡の直径の平均値が0.481(mm)であったのに対し、実施例1では泡の直径の平均値が0.372(mm)、実施例2では泡の直径の平均値が0.368(mm)、実施例3では泡の直径の平均値が0.379(mm)、実施例4では泡の直径の平均値が0.386(mm)であった。この結果より、注出機構10,20,40,50のそれぞれを備えた実施例1〜4では、比較例よりも泡の大きさがきめ細かくなっていることが分かる。
また、図9は、カメラでグラスGの中央G1を撮影したときの撮影画像を示している。図9(a)は実施例1、図9(b)は実施例2、図9(c)は実施例3、図9(d)は比較例、をそれぞれ示している。図9(a)〜図9(d)に示されるように、図9(a)〜図9(c)の実施例1〜3では、図9(d)の比較例よりも、明らかに注出した泡が細かくなっていることが分かる。以上のように、注出機構10,20,40を備えた缶1では、注出される泡をきめ細かくできることが分かった。
1…缶、2…胴部、2a…縮径部、3…蓋部、4…天面、5…立ち上がり部、6…凹部、7…凸部、8…傾斜面、10,20,30,40,50…注出機構、11…回転軸部、12,22,32,42,52…プルタブ、12a…第1部分、12b…第2部分、12c…開口部、12f,22f,32f,52f…引掛部、12g,12h…凹部、13…開口、14…開口形成部、14a…折り曲げ部、15…切断線、22g…貫通孔、22h,42h…突出部、22j…第1直線部、22k…側辺部、22m…第2直線部、22n…湾曲部、22p…先端部、A…台、A1…側面、B1,B2…幅、D1…距離、G…グラス、G1…中央、P1,P2,P3,P4,P5,P6…交点、X…分割線。

Claims (5)

  1. ビールテイスト飲料が充填された缶の天面に取り付けられると共に指が引っ掛けられる引掛部を有するプルタブと、前記引掛部が引き上げられることにより前記天面に形成された切断線で切断されて前記缶の内側に入り込み前記天面に開口を形成する開口形成部と、を備えた飲料の注出機構であって、
    前記天面において前記プルタブを回転可能に取り付ける回転軸部を更に備え、
    前記引掛部は、前記引掛部を貫通する貫通孔を有しておらず、
    前記引掛部は、前記開口が形成された状態で前記プルタブが回転したときに前記開口の一部を塞ぐ、
    注出機構。
  2. ビールテイスト飲料が充填された缶の天面に取り付けられると共に指が引っ掛けられる引掛部を有するプルタブと、前記引掛部が引き上げられることにより前記天面に形成された切断線で切断されて前記缶の内側に入り込み前記天面に開口を形成する開口形成部と、を備えた飲料の注出機構であって、
    前記天面において前記プルタブを回転可能に取り付ける回転軸部を更に備え、
    前記引掛部は、前記引掛部を貫通する1つの貫通孔を有し、
    前記貫通孔には、前記貫通孔の内側に向かって突出する突出部が形成されており、
    前記引掛部は、前記プルタブが回転したときに前記開口の一部を塞ぐ、
    注出機構。
  3. 前記プルタブが回転したときに、前記引掛部は、前記開口の外縁を塞ぐ、
    請求項2に記載の注出機構。
  4. 前記突出部は、1本設けられており、前記貫通孔の中央に向かって線状に延びている、
    請求項2又は3に記載の注出機構。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の注出機構を備えると共に、ビールテイスト飲料が充填された缶から飲料を注出する注出方法であって、
    前記引掛部を引き上げて前記開口形成部を前記缶の内側に入り込ませることにより、前記天面に開口を形成する工程と、
    前記回転軸部を中心として前記プルタブを回転させる工程と、
    前記プルタブの回転により、前記引掛部で前記開口の一部を塞ぐ工程と、
    を備えた注出方法。
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