JP6898112B2 - 粉体含有水系化粧料 - Google Patents
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Description
しかしながら、これらの技術では、夏場の高温下における再分散性や、メークアップ化粧料で求められる粉体、特にメークアップ効果を高めるための真珠光沢顔料等の粉体を含有する化粧料での化粧持続性に十分満足するものではなかった。
本発明に用いられるデキストリン脂肪酸エステル被覆粉体は、特定のデキストリン脂肪酸エステルを含む処理剤により表面処理を施し、粉体の全体又は一部が被覆された粉体(以下「表面被覆粉体」と称す)である。
(1)「特定のデキストリン脂肪酸エステル」を液状油に混合したときに液状油がゲル化しない。
「液状油がゲル化しない」とは、ASTM D445測定方法による40℃における粘度が8mm2/sである流動パラフィンを液状油とする場合、デキストリン脂肪酸エステルを5質量%(以下単に「%」で示す。)含有する該流動パラフィンを100℃で溶解し、24時間後25℃で粘度を測定したとき、粘度が、Yamco DIGITAL VISCOMATE粘度計VM-100A(振動式)(山一電機社製)の検出限界以下であることを意味する。なお、ゲル化する場合には、粘度が検出されることで確認できる。
「タック性」を、支持体に該デキストリン脂肪酸エステルを塗布し、もうひとつの支持体を相互に離れた状態から面接触させた後に、後退させて別離させ、後退を開始してから完全に別離するまでの接触点にかかる荷重変化(最大応力値)で表す場合、該デキストリン脂肪酸エステルを40%含有する軽質流動イソパラフィン溶液をガラス板に400μm厚のアプリケーターで成膜し、乾燥させた皮膜に、テクスチャーアナライザー、たとえば、テクスチャーアナライザーTA.XTplus(Stable Micro Systems社製)を用いて、プローブとして直径12.5mm円柱状のポリアセタール樹脂(Delrin(登録商標)デュポン社製)製プローブを使用し、100gの荷重をかけ10秒保持後に0.5mm/秒で離したときの荷重変化、すなわちタック性が30〜1,000gである。
該炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸としては、例えば、イソ酪酸、イソ吉草酸、2−エチル酪酸、エチルメチル酢酸、イソヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、イソトリデカン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、イソアラキン酸、イソヘキサコサン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜選択又は組み合わせて使用することができる。これらのうち、炭素数10〜24のものが好ましく、炭素数12〜22のものがより好ましく、特にイソステアリン酸が好ましく、構造の違い等の限定は特にない。
本発明において、イソステアリン酸とは、分岐したステアリン酸の1種、又は2種以上の混合物を意味する。例えば5,7,7−トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)−オクタン酸は、イソブチレン2量体のオキソ反応により炭素数9の分岐アルデヒドとし、次いでこのアルデヒドのアルドール縮合により炭素数18の分岐不飽和アルデヒドとし、次いで水素添加、酸化することにより製造することができ(以下、「アルドール縮合型」と略す)、これは例えば日産化学工業社より市販されている。2−ヘプチルウンデカン酸はノニルアルコールをガーベット反応(Guerbet反応、ゲルベ反応ともいう)により二量化し、次いで酸化することにより製造することができ、これは例えば三菱化学社より市販されており、分岐位置の若干異なる類似混合物として、日産化学工業社より市販され、さらに出発アルコールが直鎖飽和ではない2箇所メチル分岐したタイプも同様に日産化学工業社より市販されている(以下総じて「ガーベット反応型」と略す)。また、メチル分岐イソステアリン酸は、例えばオレイン酸のダイマー製造時の副産物として得られるもので〔例えばJ.Amer.Oil Chem.Soc.,51,522(1974)に記載〕、例えば米国エメリー社などから市販されていたものがあげられる(以下「エメリー型」と略す)。エメリー型イソステアリン酸の出発物質であるダイマー酸のさらに出発物質は、オレイン酸だけでなく、リノール酸、リノレン酸等も含まれる場合がある。本発明においては特にこのエメリー型がより好ましい。
デキストリンイソ酪酸エステル
デキストリンエチルメチル酢酸エステル
デキストリンイソヘプタン酸エステル
デキストリン2−エチルヘキサン酸エステル
デキストリンイソノナン酸エステル
デキストリンイソデカン酸エステル
デキストリンイソパルミチン酸エステル
デキストリンイソステアリン酸エステル
デキストリンイソアラキン酸エステル
デキストリンイソヘキサコサン酸エステル
デキストリン(イソ吉草酸/イソステアリン酸)エステル
デキストリン(イソ酪酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(イソアラキン酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(エチルメチル酢酸/ラウリン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/ラウリン酸)エステル
デキストリン(イソヘプタン酸/ラウリン酸/ベヘン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/ミリスチン酸)エステル
デキストリン(イソヘキサコサン酸/ミリスチン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/イソ吉草酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソノナン酸/パルミチン酸/カプロン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/パルミチン酸/ステアリン酸)エステル
デキストリン(イソデカン酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/ステアリン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/アラキン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/アラキン酸)エステル
デキストリン(2−エチル酪酸/ベヘン酸)エステル
デキストリン(イソノナン酸/リノール酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/アラキドン酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/カプリル酸/リノール酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/ステアリン酸/オレイン酸)エステル
デキストリン(イソアラキン酸/パルミチン酸/ショールムーグリン酸)エステル
次に、本発明に用いられる「特定のデキストリン脂肪酸エステル」の製造方法について説明する。
製造方法としては、特に限定されず、公知の製法を採用することができるが、たとえば以下のようにして製造することができる。
その場合、全脂肪酸誘導体に対して炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上を50mol%より多く100mol%以下、及び、その他の脂肪酸誘導体を全脂肪酸誘導体に対して0mol%以上50mol%未満使用する。
(1)及び(2)のいずれの場合も、まず、デキストリンを反応溶媒に分散し、必要に応じて触媒を添加する。これに、上記脂肪酸のハロゲン化物、酸無水物等を添加して反応させる。(1)の製造法の場合は、これらの酸を混合して同時に添加反応させ、(2)の製造法の場合は、まず反応性の低い分岐飽和脂肪酸誘導体を反応させた後、次いでその他の脂肪酸誘導体を添加反応させる。
本発明において、表面処理されうる粉体としては無機粉体、有機粉体、金属石鹸粉末、有色顔料、パール顔料、金属粉末、タール色素、天然色素等が挙げられ、その粒子形状(球状、針状、板状等)、粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)等を問わず、何れのものも使用することができる。
「表面被覆粉体」の被覆方法は、特に限定されるものではなく、通常公知の処理方法が用いられる。具体的には、直接粉体と混合する方法(乾式処理法)、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ヘキサン、イソパラフィン、ベンゼン、トルエン等の溶媒を用いる方法(湿式法)、気相法(空気、窒素ガスなどの気体中で表面処理を行う方法)、メカノケミカル法(ボールミル、オングミル(ホソカワミクロン社製)、ハイブリタイザー(奈良機械製作所製)などの機器を用いてメカノケミカル的に表面処理を行う方法)等が例として挙げられる。好ましくは、デキストリン脂肪酸エステルをヘキサンまたはイソパラフィン等の揮発性炭化水素油に溶解し、粉体基材と混合し、乾燥して前記溶媒を除去後、粉砕することにより、より均質で使用感に優れる粉体化粧料を製造することができる。粉砕方法も特に限定されるものではない。
以下に本発明に用いる新規なデキストリン脂肪酸エステルの参考製造例を示す。また、下記方法で置換度、構成脂肪酸のmol%、粘度、タック性を測定した。
参考製造例のデキストリン脂肪酸エステルのIRスペクトルを測定し、アルカリ分解後の脂肪酸量とガスクロマトグラフィーから、置換度と、構成脂肪酸のmol%を求めた。
各試料(参考製造例のデキストリン脂肪酸エステル)を5%含有する流動パラフィンを100℃で溶解し、室温(25℃)まで冷却する。25℃の恒温槽で24時間保温し、以下の測定機器を用いて粘度を測定した。
尚、流動パラフィンはASTM D445測定方法による40℃の動粘度が8mm2/sのものを使用した。
[測定機器]Yamco DIGITAL VISCOMATE MODEL VM-100A(山一電機社製)
各試料(参考製造例のデキストリン脂肪酸エステル)をIPクリーンLX(軽質流動イソパラフィン)に40%溶解した溶液を、ガラス板に400μm厚のアプリケーターで塗布し、その皮膜を室温24時間乾燥後、70℃で12時間保存後、室温25℃において、乾燥したもののタック性を、以下に示す機器及び条件で評価した。
[測定機器]テクスチャーアナライザーTA.XTPlus(Stable Micro Systems社製)
[プローブ]1/2 Cyl.Delrin(ポリアセタール樹脂(POM)P/0.5)、直径12.5mm円柱状
[測定条件]
Test Speed:0.5mm/sec,
Applied Force:100g,
Contact Time:10sec
平均グルコース重合度30のデキストリン21.41g(0.132mol)をジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン62g(0.666mol)とからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)120g(0.396mol)を30分かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質107gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
尚、エメリー型の出発原料はコグニス社製のEMARSOL873を用いた。本原料の脂肪酸組成は分岐飽和脂肪酸が60mol%、その他の脂肪酸が40mol%(パルミチン酸10mol%を含む)のものを用いた。(以下同様)
置換度は2.2、分岐飽和脂肪酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は161gであった。
参考製造例1記載の原料・方法に準じ、
参考製造例2は、平均グルコース重合度30のデキストリン0.132molに対し、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)を0.172mol用い、デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステルを得た。(仕込み時、分岐飽和脂肪酸60mol%)
置換度1.0、分岐飽和脂肪酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は35gであった。
参考製造例3は、平均グルコース重合度30のデキストリン0.132molに対し、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)を0.224mol用い、デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステルを得た。(仕込み時、分岐飽和脂肪酸60mol%)
置換度1.4、分岐飽和脂肪酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は45gであった。
参考製造例4は平均グルコース重合度30のデキストリン0.132molに対し、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)を0.502mol用い、デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステルを得た。(仕込み時、分岐飽和脂肪酸60mol%)
置換度2.6、分岐飽和脂肪酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は750gであった。
イソステアリン酸クロライド(エメリー型)の代わりにイソステアリン酸クロライド(ガーベット反応型)を用いた以外は参考製造例1と同様に作成し、淡黄色の樹脂状物質80gを得た。(仕込み時、分岐飽和脂肪酸100mol%)
尚、ガーベット反応型の出発原料は日産化学工業社製のファインオキソコール イソステアリン酸−Nを用いた。
置換度は1.8、イソステアリン酸100mol%、粘度は0mPa・s、タック性は173gであった。
イソステアリン酸クロライド(エメリー型)の代わりにイソステアリン酸クロライド(アルドール縮合型)を用いた以外は参考製造例1と同様に作成し、淡黄色の樹脂状物質60gを得た。(仕込み時、分岐飽和脂肪酸100mol%)
尚、アルドール縮合型の出発原料は日産化学工業社製のファインオキソコール イソステアリン酸を用いた。
置換度は1.2、イソステアリン酸100mol%、粘度は0mPa・s、タック性は61gであった。
平均グルコース重合度150のデキストリン51.28gをジメチルホルムアミド150g、ピリジン60gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソアラキン酸クロライド132gとパルミチン酸クロライド12gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質145gを得た。(仕込み時、分岐飽和脂肪酸90mol%)
置換度は1.1、イソアラキン酸85mol%、パルミチン酸15mol%、粘度は0mPa・s、タック性は45gであった。
平均グルコース重合度5のデキストリン34.19gを3−メチルピリジン215gに70℃で分散させ、イソ酪酸クロライド50g及びカプリン酸クロライド60gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をエタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質98gを得た。(仕込み時、分岐飽和脂肪酸60mol%)
置換度は2.9、イソ酪酸63mol%、カプリン酸37mol%、粘度は0mPa・s、タック性は255gであった。
平均グルコース重合度100のデキストリン23.62gをジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン62gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソパルミチン酸クロライド100gを30分間滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質90gを得た。(仕込み時、分岐飽和脂肪酸100mol%)
置換度は2.0、イソパルミチン酸100mol%、粘度は0mPa・s、タック性は204gであった。
平均グルコース重合度20のデキストリン36.34gをジメチルホルムアミド120g、3−メチルピリジン62gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソノナン酸クロライド41g及びステアリン酸クロライド58gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質95gを得た。(仕込み時、分岐飽和脂肪酸55mol%)
置換度は1.6、イソノナン酸51mol%、ステアリン酸49mol%、粘度は0mPa・s、タック性は64gであった。
平均グルコース重合度20のデキストリン54.56gをジメチルホルムアミド150g、3−メチルピリジン130gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、2−エチルヘキサン酸クロライド147g、次いでベヘン酸クロライド36gを計30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質95gを得た。(仕込み時、分岐飽和脂肪酸90mol%)
置換度は2.3、2−エチルヘキサン酸95mol%、ベヘン酸5mol%、粘度は0mPa・s、タック性は138gであった。
平均グルコース重合度20のデキストリン22.56gをジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン70gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソパルミチン酸クロライド110g及び無水酢酸10gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質96gを得た。(仕込み時、分岐飽和脂肪酸80mol%)
置換度は2.8、イソパルミチン酸79mol%、酢酸21mol%、粘度は0mPa・s、タック性は430gであった。
平均グルコース重合度40のデキストリン19.99gをジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン62gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)108gとオレイン酸クロライド12gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質88gを得た。(仕込み時、分岐飽和脂肪酸54mol%)
置換度は2.2、分岐飽和脂肪酸54mol%、その他の脂肪酸46mol%(内オレイン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は350gであった。
以下に本発明に用いる「表面被覆粉体」の参考製造例を示す。また、下記方法で置換度、構成脂肪酸のmol%、粘度、タック性を測定した。
[表面被覆粉体1]2%表面被覆酸化チタン酸化鉄被覆ホウケイ酸
ヘキサン15質量部に参考製造例1のデキストリン脂肪酸エステル2質量部を溶解し、ヘンシェルミキサーにて酸化チタン酸化鉄被覆ホウケイ酸(「日本板硝子」社製「マイクログラスメタシャインMT1080TA」、粒径:80μm)98質量部と撹拌混合した後、ヘキサンを除去して乾燥させ、パルペライザーにて粉砕処理した。
参考製造例1ののデキストリン脂肪酸エステルを0.2質量部。酸化チタン酸化鉄被覆ホウケイ酸を99.8質量部とした以外は表面被覆粉体1と同様の方法にて製造した。
参考製造例5のデキストリン脂肪酸エステルを5質量部、処理される粉体をタルク(浅田製粉株式会社製「タルクJA−46R」、粒径:7〜11μm)95質量部にした以外は表面被覆粉体1と同様の方法にて製造した。
参考製造例6のデキストリン脂肪酸エステルを2質量部、処理される粉体を合成金雲母(トピー工業株式会社製「PDM−20L」、粒径18〜21μm)98質量部に変えた以外は表面被覆粉体1と同様の方法にて製造した。
参考製造例8のデキストリン脂肪酸エステルを2質量部、処理される粉体を黄酸化鉄(チタン工業株式会社製「TAROX IRON OXIDE YP1200P」)98質量部に変えた以外は表面被覆粉体1と同様の方法にて製造した。
処理される粉体を赤酸化鉄(チタン工業株式会社製「タロックスR−516P」)に代えた以外は表面被覆粉体1と同様の方法にて製造した。
処理される粉体を黒酸化鉄(チタン工業株式会社製「タロックスブラック BL−100P」)に代えた以外は表面被覆粉体1と同様の方法にて製造した。
参考製造例1のデキストリン脂肪酸エステルをシリコーン(信越化学工業株式会社製「シリコーンKF−96(20CS)」)に代えた以外は表面被覆粉体1と同様の方法にて製造した。
参考製造例1のデキストリン脂肪酸エステルをパーフルオロオクチルトリエトキシシラン(デグサジャパン社製「Dynasylan F826」)に代えた以外は表面被覆粉体1と同様の方法にて製造した。
下記表1に示す各成分を用いて、下記の製造方法により実施例1〜10及び比較例1〜4のアイシャドウを調製し、下記評価方法により化粧持続効果、肌負担感のなさ、再分散性、高温時の再分散性についてそれぞれ評価した。
(製造方法]
A:成分(1)〜(9)を均一に混合する。
B:成分(10)〜(13)を均一に混合溶解する。
C:AをBに加え、ディスパーにて均一分散し、粉体含有水系アイシャドウを得た。
実施例1〜10、及び比較例1〜4の粉体含有水系アイシャドウに対して、化粧品評価専門パネル20名に、「化粧持続効果」、「肌負担感のなさ」、「清涼感」のそれぞれの項目について、各自が以下の評価基準に従って7段階評価し、さらに全パネルの評点の平均点を用いて、以下の判定基準に従って判定した。
・化粧持続性:化粧料塗布後、5時間を経過しても化粧膜が崩れることがなく、初期の印象との差が少ないことを表わす。
・肌負担感のなさ:使用時のきしみ感、つっぱり感がないことを表わす
・清涼感 :使用時に、みずみずしさを感じることを表わす。
非常に良好 : 6点
良好 : 5点
やや良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
非常に不良 : 0点
[判定基準]
(評点の平均点) :(判定)
5.0以上 : ◎ 非常に良好
3.5以上〜5.0未満 : ○ 良好
1.5以上〜3.5未満 : △ 不良
1.5未満 : × 非常に不良
再分散性及び高温時の再分散性については、実施例1〜10及び比較例1〜4のアイシャドウをそれぞれ高さ10cmのガラス規格ビンに6cm程度サンプルを入れ、25℃及び50℃にそれぞれ1週間静置後、ガラス規格ビンを振とうし、粉体分散層の凝集物の有無(混ざり易さ)を目視にて確認し、下記判定基準に従って判定した。
[判定基準]
◎ :浸とう後、凝集物が観察されない。
○ :浸とう後、小さな凝集物がわずかに観察される。
△ :浸とうしても、凝集物が分散せず、観察される。
× :浸とうしても、大きな凝集物が分散せず、下層に沈降している。
また、実施例1〜10のアイシャドウは、化粧持続性、肌負担感のなさに優れ、振とう後に凝集物が確認されず、優れた再分散性を示した。また高温時の安定性も同様に凝集物が観察されず、優れた結果が得られた。また実施例4の粉体含有水系アイシャドウに関しては、振とう後に小さな凝集物がわずかに確認されたに過ぎず、良好な再分散性と高温の安定性を示した。
一方比較例1〜4の粉体含有水系アイシャドウは、化粧持続性、肌負担感のなさに劣るものであった。本発明の「表面被覆粉体」を含有せず、シリコーン「表面被覆粉体」を用いた比較例1、フッ素「表面被覆粉体」を用いた比較例2はいずれも化粧持続効果、肌負担感のなさ、高温における再分散性で満足のいくものではなかった。本発明の「表面被覆粉体」を含有せず、未処理の粉体を用いた比較例3は、化粧持続効果、肌負担感のなさ、特に25℃における再分散性において満足いくものではなかった。また、未処理の粉体を用い、界面活性剤を含有した比較例4も肌負担感のなさ、高温時の再分散性で特に満足のいくものではなかった。
1.[表面被覆粉体3]5%表面被覆タルク 6.5
2.[表面被覆粉体6]2%表面被覆赤酸化鉄 0.1
3.[表面被覆粉体5]2%表面被覆黄酸化鉄 0.1
4.1,3−ブチレングリコール 10.0
5.ナイロン末※3 4.0
6.Nεーラウロイルリジン※4 0.5
7.グリセリン 4.0
8.エタノール 8.0
9.フェニルベンズイミダゾールスルホン酸 2.5
10.トリエタノールアミン 1.5
11.フェノキシエタノール 0.2
12.香料 0.1
13.精製水 残量
※3:アトフィナ・ジャパン株式会社製「オルガソール2002」
※4:味の素株式会社製「アミホープLL」
(製造方法)
A:成分(1)〜(6)をローラーにて処理する。
B:成分(7)〜(13)を均一に混合溶解する。
C:AをBに加え、ディスパーにて均一分散し、水性多層型の化粧下地を得た。
実施例11の化粧下地は、液相の下に粉体相がある、清涼感を有し、化粧持続性、肌負担感のなさ及び再分散性、高温時の再分散性に優れた化粧下地であった。
1.ナイロン末※3 0.5
2.[表面被覆粉体4]2%表面被覆合成金雲母 5.0
3.塩化ナトリウム 0.1
4.1,3−ブチレングリコール 2.0
5.エタノール 40.0
6.酸化亜鉛 2.0
7.架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体※5 2.0
8.モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.2
9.フェノキシエタノール 0.2
10.香料 1.0
11.精製水 残量
※5:信越化学工業株式会社製「KSP−100」
(製造方法)
A:成分(1)〜(11)をディスパーにて均一分散させる。
B:Aをディスペンサー容器に充填し、製汗剤を得た。
実施例12の製汗剤は清涼感を有し、化粧持続性、肌負担感のなさ及び再分散性、高温時の再分散性に優れた制汗剤であった。
1.[表面被覆粉体3]5%表面被覆タルク 5.5
2.[表面被覆粉体6]2%表面被覆赤酸化鉄 0.1
3.[表面被覆粉体7]2%表面被覆黒酸化鉄 0.14
4.オキシ塩化ビスマス 0.5
5.1,3−ブチレングリコール 10.0
6.ポリメタクリル酸メチル末 ※5 4.0
7.Nεーラウロイルリジン ※4 0.5
8.グリセリン 4.0
9.エタノール 8.0
10.フェニルベンズイミダゾールスルホン酸 2.5
11.トリエタノールアミン 1.5
12.フェノキシエタノール 0.2
13.香料 0.1
14.精製水 残量
※5:松本油脂社製薬社製「マツモトマイクロスフェアM101」
(製造方法)
A:成分(1)〜(6)をローラーにて処理する。
B:成分(7)〜(14)を均一に混合溶解する。
C:AをBに加え、ディスパーにて均一分散し、水性多層型のアイシャドウを得た。
実施例13のアイシャドウは、液相の下に粉体相がある、清涼感を有し、化粧持続性、肌負担感のなさ及び再分散性、高温時の再分散性に優れたアイシャドウであった。
Claims (5)
- デキストリン脂肪酸エステル被覆粉体、及び水を含有し、静置時には液相と粉体相が分離する粉体含有水系化粧料であって、前記デキストリン脂肪酸エステルが、デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を全脂肪酸に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0mol%以上50mol%未満を含有し、グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0である粉体含有水系化粧料。
- 前記デキストリン脂肪酸エステルのうち脂肪酸が、さらに炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸、炭素数6〜30の環状の飽和または不飽和脂肪酸及び炭素数4〜11の分岐飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0mol%〜80mol%を含有することを特徴とする請求項1に記載の粉体含有水系化粧料。
- デキストリン脂肪酸エステル被覆粉体を0.1〜60質量%含有する請求項1または2に記載の粉体含有水系化粧料。
- さらにアルコールを含有する請求項1〜3のいずれかに記載の粉体含有水系化粧料。
- デキストリン脂肪酸エステル被覆粉体とアルコールの含有量が質量比が85:15〜5:95である請求項1〜4のいずれかに記載の粉体含有水系化粧料。
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