JP6897697B2 - 移植機の並走作業システム - Google Patents

移植機の並走作業システム Download PDF

Info

Publication number
JP6897697B2
JP6897697B2 JP2019031654A JP2019031654A JP6897697B2 JP 6897697 B2 JP6897697 B2 JP 6897697B2 JP 2019031654 A JP2019031654 A JP 2019031654A JP 2019031654 A JP2019031654 A JP 2019031654A JP 6897697 B2 JP6897697 B2 JP 6897697B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
machine
planting
transplant
information
seedling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019031654A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020130130A (ja
Inventor
奨 細沼
奨 細沼
村並 昌実
村並  昌実
大久保 嘉彦
大久保  嘉彦
暢宏 山根
暢宏 山根
幸太 東
幸太 東
昭雄 田▲崎▼
昭雄 田▲崎▼
浩一 八塚
浩一 八塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Iseki and Co Ltd
Original Assignee
Iseki and Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Iseki and Co Ltd filed Critical Iseki and Co Ltd
Priority to JP2019031654A priority Critical patent/JP6897697B2/ja
Publication of JP2020130130A publication Critical patent/JP2020130130A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6897697B2 publication Critical patent/JP6897697B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Guiding Agricultural Machines (AREA)
  • Transplanting Machines (AREA)

Description

本発明は、作業者によって手動で操縦され、圃場に苗を植え付ける移植機と、自律走行する移植機を備えた移植機の並走作業システムに関するものである。
圃場に任意の間隔で野菜等の移植物の苗を植え付け可能な移植機として、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。また、特許文献2には、自律走行可能な移植機を主たる機体とし、作業者によって手動で操縦される自律走行可能な移植機を従たる機体として移植機の併走作業システムを構成し、作業者によって手動で操縦される移植機と、自律走行する移植機を並走させ、各機体の状態を相互の通信によって把握し、走行や作業の制御を同期することができる移植機の並走作業システムが記載されている。
特開2017−60516号公報 特開2016−13065号公報
しかし、特許文献2に記載されている併走作業システムは、自律走行可能な移植機と、作業者によって手動で操縦され、自律走行可能な移植機とともに並走する移植機の役割が固定されているため、一方の機体が重点的に使用されることがあり、そのため、一方の構成部品の消耗が早まったり、故障しやすくなったりするおそれがあった。とりわけ、作業者によって手動で操縦される移植機に問題が生じると、自律走行が可能な移植機によって代替することができないため、新たに、作業者によって手動で操縦される移植機を用意する必要があり、コストの高騰を招いていた。
また、自律走行が可能な移植機に、作業に支障をきたすような問題が発生しても、作業員によって手動で操縦される移植機側に情報が伝わらないことがあり、問題の発生に気付くことができず、作業が行われなかったり、無駄になったりするおそれもあった。
したがって、本発明は、作業者によって手動で操縦される移植機と、自律走行が可能な移植機の割り当てを自由に変更することができ、自律走行が可能な移植機側で検知された異常を作業者によって手動で操縦される移植機でも把握することができる移植機の並走作業システムを提供することを目的とするものである。
本発明のかかる目的は、圃場に苗を植え付ける複数の移植機であって、前記移植機は、それぞれ、圃場を走行する走行車体と、苗を搬送する苗供給装置と、前記苗供給装置から苗を取り出す苗取出装置と、前記苗取出装置から取り出された苗を受け取って圃場に植え付ける苗植付ホッパと、前記移植機の異常を検知する異常検知センサと、前記複数の移植機を、ネットワークを介して相互に通信可能とする通信装置と、前記通信装置から受け取った情報を処理し、前記移植機の走行及び植付を制御する制御部とを備え、前記複数の移植機は、前記ネットワークに接続された前記移植機の少なくとも一の機体を主機とし、他の機体を主機に随伴走行する従機として設定可能に構成されるとともに、作業者の操作を受け付けて従機に設定された前記移植機を主機に設定し直し、かつ、先に主機に設定されていた前記移植機を従機に設定し直す主従切替手段を備え、主機に設定された前記移植機の作業設定が変更されると、主機に設定された前記移植機は、変更された前記作業設定の情報を、前記通信装置を介して、従機に設定された前記移植機に送信し、従機に設定された前記移植機は、前記作業設定の情報を取得して主機と同じ作業設定に変更するように構成されており、従機に設定された前記移植機は、前記異常検知センサが自機の異常を検知すると、前記通信装置を介して前記異常検知情報を主機に設定された前記移植機に送信するように構成され、主機に設定された前記移植機は、前記異常検知情報を従機に設定された前記移植機から取得すると、作業者に異常を報知するよう構成されていることを特徴とする移植機の並走作業システムによって達成される。
本発明によれば、従機に設定された移植機は、主機に設定された移植機と、ネットワークを介して相互に通信し、作業設定を同調させることができるので、同時に作業する移植機の作業設定を簡易に揃えることができ、複数の移植機の設定を同じにするための時間と労力を削減できるとともに、確実に設定を同じにすることができ、作業に設定の異なる機体が混じることを防止することができる。
また、従機が異常検知センサにより検知した自機の異常を、ネットワークを介して主機に送信するので、従機に、作業に支障をきたすような問題が発生しても、主機を操作している作業者に問題が発生した旨の情報を警告音により伝達することができるので、従機の作業が行われなかったり、無駄になったりすることを防ぐことができる。
さらに、主従切替手段によって、主機としての設定と従機としての設定とを簡易に切り替えられるので、作業時に特定の機体が重点的に使用されることになって消耗が早まったり、故障しやすくなったりすることを避けることができる。また、主機に問題が生じても、予備の従機を主機に設定しなおせば、移植機を新規に用意する必要がなく、コストを抑えることができる。
本発明の好ましい実施態様においては、前記移植機に関する情報を表示する表示部を備え、前記移植機に関する情報は、少なくとも、前記ネットワークに接続されている前記移植機を一意的に識別するための機体識別情報と、前記機体識別情報と紐づけられた前記作業設定の情報及び前記異常検知情報と、前記機体識別情報に対応する前記移植機が主機に設定されているか従機に設定されているかを判別可能とする主従設定情報とを含み、主機に設定された前記移植機は、従機に設定された前記移植機から前記移植機に関する情報を、前記通信装置を介して取得し、主機に設定された前記移植機の前記表示部に、前記ネットワークに接続されている前記移植機の前記機体識別情報と、前記機体識別情報に対応する前記移植機が主機に設定されているか従機に設定されているかを表示するように構成されている。
本発明のこの好ましい実施態様によれば、表示部を目視することで、自機が前記主機に設定されているか前記従機に設定されているかが判別可能に表示されるので、ネットワークに接続している移植機のうち、どれが主機でどれが従機なのかが、表示部から判別することができ、作業者がどの機体を操作すればよいのか容易に把握することができる。
また、主機と従機に関する情報が、表示部にまとめて表示されるので、作業者は主機および従機の状態を速やかに把握することができる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記移植機は、作業者の操作を受け付けて前記移植機の走行系統及び植付系統における駆動力の入切を切替え可能な入切操作部材を有する操作部を備え、主機に設定された前記移植機は、従機に設定された前記移植機から異常検知情報を取得すると、前記異常検知情報を送信した前記移植機の前記機体識別情報を前記主機の前記表示部に表示するとともに、前記異常検知情報を送信した前記従機の走行系統及び植付系統の駆動を、前記主機の前記操作部の操作によって、停止可能に構成されている。
本発明のこのさらに好ましい実施態様によれば、異常検知による警告に応じて走行停止ボタンを押したり、植付停止ボタンを押したりすることで、移植機の走行や植付を停止することができ、機体の異常による苗の植付不良の発生を防ぐことができる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記移植機は、異常を警告音により周囲に報知する報知装置を備えており、従機に設定された前記移植機は、それぞれ、所定の時間間隔で、前記通信装置を介して主機に設定された前記移植機と通信を行うように構成され、かつ、主機に設定された前記移植機との通信に失敗すると、自機の走行系統及び植付系統の駆動を停止し、前記報知装置を作動するように構成されている。
本発明のこのさらに好ましい実施態様によれば、従機が主機に対して所定の時間間隔で通信するので、主機との通信が正常に行なわれているかを定期的に確認することができ、通信不良が発生すると、走行及び植付動作を停止させることができるので、従機が、異常を主機に伝達できない状態で動作し続けることを防止することができる。
また、通信に失敗すると、報知装置により警告音を鳴らすので、作業者に対し、通信不良により従機が停止したことを報知でき、従機が停止状態で放置されることを防止することができる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記移植機は、前記苗植付ホッパの駆動を入切する植付クラッチと、植付間隔の設定に合わせて前記植付クラッチの入切のタイミングを調節するソレノイドとを備えて苗の植付間隔を変更可能に構成されており、かつ、前記苗の植付間隔を設定可能な植付間隔設定手段を前記操作部に備え、前記作業設定は、前記植付間隔設定手段により設定された植付間隔の設定を含むように構成されている。
本発明のこのさらに好ましい実施態様によれば、主機で植付間隔が設定されると、ネットワークに接続されている従機の植付間隔の設定が主機の設定に同期されるので、同時に作業する移植機の、植付間隔の設定値などの作業設定を簡易に揃えることができるので、複数の移植機の設定を同じにするための時間と労力を削減できるとともに、確実に設定を同じにすることができ、作業に設定の異なる機体が混じることを防止することができる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記移植機は、前記ネットワークに接続された情報端末から送られた機体制御信号を、前記通信装置を介して取得すると、前記機体制御信号に応じて、主機または従機の設定の変更と、前記作業設定の変更と、前記移植機の走行系統及び植付系統における駆動の入切を切替えとをするように構成されており、さらに、前記情報端末に、前記異常検知情報と、前記移植機の走行および植付に関する情報を送信するように構成されている。
本発明のこのさらに好ましい実施態様によれば、情報端末からも主機および従機の作業状況を監視することができるので、主機および従機のいずれに異常が発生しても迅速な対応が可能になる。
また、情報端末を所持することにより、主機および従機による作業を遠隔的に実施できるので、作業者が作業中に主機を手動で操縦する必要がなく、作業者の労力が軽減される。
本発明によれば、作業者によって手動で操縦される主機と、主機に随伴して自律走行する従機の割り当てを自由に変更することができ、従機側で検知された異常を主機側でも把握することができる移植機を提供することが可能になる。
図1は、本発明の実施態様に係る移植機の略側面図である。 図2は、図1の移植機の略平面図である。 図3は、図1および図2の移植機の後部に設けられた操縦ハンドル及び操作部を示す略平面図である。 図4は、図1の移植機の電気系統を示すブロック図である。 図5は、主機に設定された移植機と、従機に設定された複数の移植機とが構築するネットワークによって構成される移植機の併走作業システムを示す説明図である。 図6は、主機または従機に設定された移植機の操作部にある表示部を示した概略図である。 図7は、従機の通信確認処理の流れを示すフローチャートである。 図8は、図5のネットワークに接続可能な情報端末の構成を示した模式図である。 図9は、他の実施例に係る移植機を示す略側面図である。 図10は、図9の左右一対の後輪のそれぞれに取り付けられた電動モータを示す要部断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照しつつ、詳細に説明を加える。なお、以下の説明において、自律走行可能な移植機のうち、作業者によって手動で操縦される機体を主機と呼び、他の、主機に随伴走行する機体を従機と呼ぶ。
図1は、本発明の好ましい実施態様に係る移植機1の概略側面図であり、図2は、図1の移植機1の概略平面図である。本明細書においては、図2に示されるように、作業車両1の車両の進行方向となる側を前方(F)といい、その反対側を後方(B)といい、進行方向の左手側を左方(L)といい、進行方向の右手側を右方(R)という。
図1および図2に示されるように、移植機1は、野菜などの苗の移植を行う作業車両の一種であり、左右一対の走行車輪である前輪2および後輪3が取り付けられた走行車体15を備えている。走行車体15の後部には、苗供給装置である苗トレイ供給装置100と、供給された苗トレイ20から取出部材260により苗22を取り出す苗取出装置200と、取り出された苗22を苗植付ホッパ11により受け取って、苗植付ホッパ11を圃場の畝Uに挿し込んで苗22の植え付けを行う苗植付装置300と、苗植付装置300を駆動する苗植付装置駆動機構400とが配置されている。
以下、このように苗トレイ供給装置100と、苗取出装置200と、苗植付装置300と、苗植付装置駆動機構400とを連携するように駆動させて畝Uに苗22を植え付ける動作を植付動作と呼ぶ。
走行車体15の下方には、走行車体15と畝Uの上面との距離をセンサ板710により検出して、検出された距離があらかじめ設定された植付深さになると、植付動作を可能にする植付深さ調整機構700と、苗22が植え付けられた畝Uの土面を鎮圧する鎮圧輪13とが設けられている。
走行車体15の前部には、エンジン12およびミッションケース4が配置され、エンジン12から出力される駆動力が、ミッションケース4により分岐され、左右一対の走行伝動ケース9を介して左右一対の後輪3に伝動されるとともに、ミッションケース4の後側に設けられた植付伝動装置18にも伝動されるように構成されている。
ミッションケース4から植付伝動装置18に伝達された駆動力は、チェーンベルト202を介して苗取出装置200に伝達されるとともに、植付伝動装置18に取り付けられた苗植付装置駆動機構400および苗植付装置300を介して苗植付ホッパ11に伝達される。また、苗トレイ供給装置100は苗取出装置200に連動して苗トレイ20を下方に送るように構成されている。伝達された駆動力により、苗植付ホッパ11は、苗植付装置300によって周回軌道T1を描くように昇降し、周回軌道T1の上死点で、苗取出装置200が苗トレイ20の育苗ポット21から取り出した苗22を受け取って、周回軌道T1の下死点で圃場の畝部に苗22を植付けるように構成されている。
苗植付装置駆動機構400は、苗植付装置300への駆動力の伝達を入切する植付クラッチ420と、植付クラッチ420の入切のタイミングを調節するソレノイド470とを備えており、ソレノイド470が設定された植付間隔に合わせて植付クラッチ420を入切させることで植付動作を間欠的に行えるように構成されている。
したがって、移植機1は、左右一対の前輪2及び後輪3で圃場の畝Uを跨いだ状態で、走行車体15を一定の速度で進行させながら植付動作をすることで、苗トレイ20に収容されている苗22を畝Uの上面に所定の間隔で植え付けることができる。
また、ミッションケース4の後端には、左右方向に配置された左右フレーム16が設けられており、左右フレーム16の後部には、主フレーム17が設けられている。主フレーム17の後端部には、苗トレイ供給装置100の後方に位置するように、左右端側から後方に延びた操縦ハンドル8が設けられており、作業者が、走行車体15の後方を歩きながら操縦ハンドル8によって走行車体15の操向操作を行えるように構成されている。また、操縦ハンドル8の中央部には操作部600が設けられており、操作部600の下方には、移植機1の走行および植付動作を制御する電子演算機器である制御部800が設けられている。
このように、移植機1には、操縦ハンドル8および操作部600が設けられているから、移植機1は作業者によって、操作可能である。
また、走行車体15の中ほどには、走行車体15に対し左右の後輪3を一体的に、又は個別的に上下動させて、走行車体15の姿勢及び車高を制御する機体制御機構500が設けられている。機体制御機構500には、後輪3の走行伝動ケース9と走行車体15との間に取り付けられた、後輪3の上げ下げによって走行車体15を昇降する油圧昇降シリンダ10と、走行車体15を左右傾斜させる水平用油圧シリンダ14とが設けられている。
油圧昇降シリンダ10は、ミッションケース4の上部に取り付けられた、油圧ポンプからの油圧を切り替える油圧切替バルブ部40に固着するように設けられており、油圧切替バルブ部40に設けられた昇降操作バルブ(図示せず)を操作することにより作動するように構成されている。すなわち、機体制御機構500は、油圧昇降シリンダ10のシリンダ部分を伸縮させ、走行伝動ケース9を介して左右の後輪3を上下動させることで、相対的に走行車体15を圃場に対し昇降させるように構成されている。
また、水平用油圧シリンダ14は、ミッションケース4の右側に設けられた振り子式の左右傾斜センサ41が検出した走行車体15の左右の傾きに応じて、左側の後輪3のみを上下動させて、畝U間の谷部に凹凸があっても走行車体15の姿勢を左右方向に対して水平を保つように構成されている。
苗トレイ20は、苗22を収容する育苗ポット21を縦横に配列させたものであり、プラスチックにより形成され、可撓性を有するように構成されている。各育苗ポット21はポットの開口部側で互いに連結し、ポットの底面側は独立するように形成されている。
苗トレイ供給装置100は、苗トレイ20を支持する、前下がりに傾斜したトレイ搬送路111を有する苗置台110と、苗トレイ20をトレイ搬送路111に沿って縦方向に間欠的に送るトレイ縦送り装置120と、トレイ搬送路111を有する苗置台110を左右方向に移動させるトレイ搬送路移動装置170とを備えている。
苗トレイ供給装置100は、苗トレイ20を苗取出装置200に供給するにあたり、所定回数の横送り動作と、1回の縦送り動作とを交互に行うように構成されている。横送り動作は、苗置台110を左右いずれかの一方向に間欠的に送ることで、苗トレイ20の左右方向に並んだ一列の育苗ポット21が順次、苗取出装置200の取出部材260の正面に来るようにする動作であり、縦送り動作は、左右方向一列分の育苗ポット21について横送り動作が完了した後、苗置台110上の苗トレイ20を、トレイ送りロッド121により育苗ポット21一つ分、下方向に送る動作である。
また、横送り動作は、取出部材260が育苗ポット21から苗22を取り出している間と、苗植付ホッパ11の動作が停止している間は停止するように構成されている。
移植機1には機体の異常を検知するセンサが複数搭載されている。図1に示されるように、走行車体15の前端部には、走行車体15の前方の畝Uの状態を監視して畝Uの端部を検知する畝端検知センサ863が設けられており、走行車体15の後端部には、走行車体15後方の畝Uを監視して苗22の植付不良を検知する植付不良検知センサ865が設けられている。エンジン12には、移植機1の走行の異常停止を検知する異常停止検知センサ864が設けられている。
また、苗取出装置200には、苗トレイ供給装置100が供給する苗トレイ20を監視して、植付直前の育苗ポット21に不良苗や欠株(育苗ポット21に苗22がないこと)、苗切れ(苗トレイ20の供給がないこと)を検知する異常苗検知センサ862が設けられている。制御部800には、通信装置833およびGNSSアンテナ834における通信不良を検知する通信異常検知センサ861が設けられている。
図3は、図1および図2の移植機1の後部に設けられた操縦ハンドル8及び操作部600を示す略平面図である。
図3に示されるように、操縦ハンドル8の左側のハンドルグリップ8Lの近傍には、主クラッチレバー80が設けられており、右側のハンドルグリップ8Rの近傍には、油圧昇降シリンダ10を作動させる昇降操作レバー81が設けられている。
昇降操作レバー81は、手動により、走行車体15の車高を「下げ」、「中立」、「上げ」の3段階に切り替えることができるように構成されている。昇降操作レバー81を「下げ」位置に切り替えると、図1の油圧昇降シリンダ10により走行車体15が、図1のセンサ板710が畝面に接触するまで下降し、昇降操作レバー81を「中立」位置に切り替えると、植付作業が停止し、昇降操作レバー81を「上げ」位置に切り替えると、油圧昇降シリンダ10により走行車体15が上昇するように構成されている。
操縦ハンドル8の中央部にある操作部600は、作業者の操作を受け付けるように構成されており、図1の移植機1の作業設定を変更可能な操作パネル601が設けられている。ここで、作業設定とは、移植機1の植付作業に関する設定のことであり、植付間隔の設定を含むものである。
操作パネル601には、移植機1の走行系統および植付系統の駆動力を入切可能な入切操作部材として、空植操作ボタン610と、エンジン操作レバー602と、植付入切ボタン620とが設けられている。
空植操作ボタン610は、「入」にすると、植付動作の際に、苗供給のない空植動作が行われるように構成されている。
エンジン操作レバー602は、移植機1のエンジン12を始動または停止させるレバーであり、レバーを右に回すとエンジン12を始動させ、レバーを左に回すとエンジン12を停止させるように構成されている。
植付入切ボタン620は、「入」にすると、昇降操作レバー81が「下げ」切り替えられたときに、苗植付ホッパ11を、走行車体15の下降と連動して作動させ、「切」にすると、苗植付ホッパ11を連動させないように構成されている。
したがって、植付入切ボタン620が「入」状態であれば、昇降操作レバー81を「下げ」位置に切り替えたとき、図1の苗植付装置駆動機構400の植付クラッチ420が「入り」状態となり、植付作業が開始される。
また、操作パネル601には、タッチ操作可能な液晶パネルである表示部630と、植付間隔設定手段である植付間隔調節ボタン640とが配置されている。表示部630には、通信ネットワークNWにつながっている複数の移植機1が記号により表示され、また、各移植機1について、作業設定を示す作業設定情報と、主機に設定されているか従機に設定されているかを示す主従設定情報と、異常検知センサが検知した異常を示す異常検知情報とが、それぞれ表示されるように構成されている。
植付間隔調節ボタン640は、作業者の操作に応じて図1のソレノイド470による図1の植付クラッチ420の入切のタイミングを変更することができるように構成されており、「上げ」プッシュスイッチ640aを押すと、植付クラッチ420の入切のタイミングが長くなって、植付間隔が広がり、「下げ」プッシュスイッチ640bを押すと、植付クラッチ420の入切のタイミングが短くなって、植付間隔が狭まるように構成されている。したがって、作業者は、植付間隔調節ボタン640を操作することで、移植機1の植付間隔を所望の値に設定することができる。
また、操作部600には、ブザーを鳴らして警告を報知する報知装置660が設けられている。
図4は、図1の移植機1の電気系統を示すブロック図である。
図4に示されるように、制御部800は、情報を記録する記録部800mを備えている。記録部800mには、移植機1の動作を制御可能なプログラムやデータ等が記録されている。
また、制御部800には、姿勢・方位算定部810が設けられており、姿勢・方位算定部810には、機体の姿勢変化を検知するジャイロセンサ831と、進行方向を検知する方位センサ832とが電気的に接続されている。制御部800は、ジャイロセンサ831および方位センサ832から取得した信号に基づいて、姿勢・方位算定部により、移植機1の姿勢、すなわち、移植機1の機体の向きと、機体の前後方向及び左右方向の傾斜と、機体の旋回方向とを算定するように構成されている。
また、制御部800には、外部の機器と無線通信が可能な通信装置833、衛星測位システム(GNSS)の電波を受信するGNSSアンテナ834とが取り付けられており、通信装置833およびGNSSアンテナ834から受け取った情報を処理できるように構成されている。したがって、移植機1は、通信装置833により他の移植機1と相互に通信することができ、GNSSアンテナ834により位置情報を取得して現在位置を把握することができる。さらに、制御部800は、取得した位置情報を記録部800mに連続して記録することで自機の走行した経路を走行経路情報として記録部800mに記録できるように構成されている。
制御部800は、ソレノイド470を制御することにより、植付クラッチ420が「入り」状態になった後、苗植付機構300によい苗の植付動作を1回分し終わると「切り」状態に戻すという一連の動作を、所定の周期で繰り返すように構成されている。すなわち、移植機1は、植付動作が所定の周期で繰り返されるように制御される。
したがって、所定の走行速度に対して植付クラッチ420の入切動作の周期を調節することにより、所望の植付間隔が実現される。
制御部800は、移植機1を自律走行させる自律走行制御部850と、自律走行に合わせて苗の植え付けを行う植付制御部851とを備えている。制御部800は、操作パネル601と、ジャイロセンサ831と、方位センサ832と、通信装置833と、GNSSアンテナ834と、異常検知センサ860とから情報を受け取り、自律走行制御部850を介してエンジン12に指令を送るとともに、植付制御部851を介して苗トレイ供給装置100と、取出装置200と、苗植付装置300と、苗植付装置駆動機構400とに指令を送ることができ、また、機体制御機構500と、植付深さ調整機構700と、表示部630と、報知装置660とにも指令を送ることができるように構成されている。
自律走行制御部850は、GNSSアンテナ834を介して人工衛星から送信される電波を所定の時間間隔で受信して自機の位置情報を取得するとともに、ジャイロセンサ831および方位センサ832から機体の変位情報及び方位情報を取得し、これら位置情報と変位情報と方位情報とに基づいて移植機1が予め設定された経路に沿って走行するように構成されている。
植付制御部851は、苗トレイ供給装置100と、取出装置200と、苗植付装置300と、苗植付装置駆動機構400とを連動させ、植付動作を行うように構成されている。
機体制御機構500と、植付深さ調整機構700と移植機1の植付動作を制御するように構成されている。
また、制御部800には、機体の異常を検知する異常検知センサ860として、通信異常検知センサ861と、異常苗検知センサ862と、畝端検知センサ863と、異常停止検知センサ864と、植付不良検知センサ865とが電気的に接続され、各センサから情報を受け取るように構成されている。通信異常検知センサ861と、異常苗検知センサ862と、畝端検知センサ863と、異常停止検知センサ864と、植付不良検知センサ865の検知情報は制御部800の記録部800mに記録されるように構成されている。
制御部800は、異常苗検知センサ862が植付直前の図1の育苗ポット21に不良苗や欠株があることを検知すると、植付制御部851に指令を送り、次の苗ポッド21の植付を飛ばすように構成されている。したがって、移植機1は、不良苗の植え付けや意図しない空植えを防ぎ、苗を植え直す補植作業を少なくすることができる。また、記録部800mに不良苗や欠株の検知情報が記録されるので、図1の苗トレイ20の品質に関する情報を把握することができる。
また、制御部800は、植付不良検知センサ865が苗の植付不良を検知すると、GNSSアンテナ834から取得した位置情報をと植付不良の情報とを紐付けて記録部800mに記録するように構成されている。したがって、移植機1が植付を行った圃場では、植付不良が生じた箇所を的確に把握することができるので、補植作業を能率的に行なうことができる。
さらに、移植機1は、操作パネル601から作業者によって主機または従機として設定することがで、このように設定された主従関係は、各移植機1の記録部800mに記録されるように構成されている。移植機1の制御部800は、主機に設定されると、自律走行制御部850の走行制御を停止させて作業者の操作を受け付けるようにし、従機に設定されると、主機に設定された移植機1に対して随伴走行するように自律走行制御部850に指令を出すように構成されている。
ここで、従機に設定された移植機1の随伴走行は、制御部800が、通信装置833を介して主機に設定された移植機1の記録部800mから走行経路情報を取得するとともに、自機の位置情報から主機に設定された移植機1との相対位置を算定し、自律走行制御部850に主機に設定された移植機1との相対位置を一定に保って走行するように指令を出すことで実現される。
したがって、作業者は、移植機1を複数台用意して、任意の機体を1つ主機に設定し、残りの機体を従機に設定することにより、主機に設定された移植機1に対して、従機に設定された移植機1が随伴走行をするようになるので、主機に設定された移植機1を操作することで、複数の移植機1を同時に走行させることができる。
図5は、主機1aに設定された移植機1と、従機1bに設定された複数の移植機1とが構築するネットワークNWによって構成される移植機の並走作業システムSを示す説明図である。
図5に示されるように、移植機の並走作業システムSにおいては、圃場の畝Uで作業をする複数の移植機1は、1つの機体が主機1aに設定されており、他の機体が従機1bに設定されており、それぞれが通信装置833を介してネットワークNWに接続されている。
また、移植機の併走作業システムSでは、各移植機1の走行状態や植付動作の状態、植付設定に関する情報、図4の異常検知センサ860から検知された異常情報が、制御部800によって、ネットワークNWを介して他の移植機1に送信されるように構成されている。
例えば、図3の植付間隔調節ボタン640によって、主機1aの植付間隔の設定値が変更されると、ネットワークNWに接続されている全ての従機1bについて、植付間隔の設定値が主機1aと同じ値になるように変更される。
このように、移植機の併走作業システムSでは、同時に作業する移植機1の、植付間隔の設定値などの作業設定を簡易に揃えることができるので、複数の移植機1の設定を同じにするための時間と労力を削減できるとともに、確実に設定を同じにすることができ、作業に設定の異なる機体が混じることを防止することができる。
さらに、従機1bは、ネットワークNWから主機1aの走行状態と、植付動作の状態とを同調させるように構成されている。
したがって、移植機の併走作業システムSでは、主機1aと複数の従機1bとを、圃場の複数条の畝Uに並ばせた状態で、作業者が主機1aを畝に沿って植付させながら走行させることで、従機1bも隣の畝Uで植付しながら走行するので、主機1aを操作するだけで複数条の畝Uについて一度に植付を行うことができ、植付作業に必要な労力と時間とを大幅に削減することができる。
また、従機1bは、従機1bの異常検知センサ860が異常を検知した場合、例えば、図1の異常苗検知センサ862が苗切れを検知した場合、自機の報知装置660により警告音を鳴らすように構成されている。
したがって、移植機の併走作業システムSでは、従機1bに、作業に支障をきたすような問題が発生しても、主機1aを操作している作業者に問題が発生した旨の情報を警告音により伝達することができるので、従機1bの作業が行われなかったり、無駄になったりすることを防ぐことができる。
図6は、主機1aまたは従機1bに設定された移植機1の操作部600の表示部630を示した概略図である。
図6に示されるように、操作部600の表示部630には、図5のネットワークNWに接続している移植機1を一意的に識別するための機体識別情報として、それぞれ記号「N1、N2、N3、N4……」が表示されており、自機に対応するものは、記号が「[ ]」で囲まれるように表示されている。主機1aには「M」、従機1bは「S−01、S−02、S−03、・・・」の記号が割り当てられている。
したがって、ネットワークNWに接続している移植機1のうち、どれが主機1aでどれが従機1bに設定されているのかが、表示部630から判別することができ、作業者がどの機体を操作すればよいのか容易に把握することができる。
表示部630に表示されている主機1aの記号「M」と、従機1bの記号「S−01」、「S−02」、「S−03」、・・・とのそれぞれの下方には、各機体に設定された植付間隔と、各機体の異常検知センサ860から検知された異常情報が警告マーク633とともに表示されるように構成されている。表示される情報には、図1の通信異常検知センサ861により検知された通信不良の発生と、図1の異常苗検知センサ862により検知された不良苗や欠株の存在または苗切れの発生と、図1の畝端検知センサ863により検知された畝Uの端部への到達と、図1の異常停止検知センサ864により検知された移植機1の異常停止と、図1の植付不良検知センサ865により検知された苗22の植付不良とが含まれている。
このように、主機1aと従機1bに関する情報が、記号によって表示部630の一画面にまとめて表示されるので、主機1aおよび従機1bの状態を速やかに把握することができる。
また、表示部630には、従機1bに設定された移植機1を主機1aに設定し直し、かつ、先に主機1aに設定されていた移植機1を従機1bに設定し直す主従切替手段である主従切替ボタン631が設けられており、主従切替ボタン631を押すことで、ネットワークNWに接続している順(N2、N3、N4……)に、従機1bに設定された移植機1を主機1aに再設定し、先に主機1aに設定されていた移植機1を従機1bに再設定することができるように構成されている。
このように、主機1aとしての設定と従機1bとしての設定とを簡易に切り替えられることにより、作業時に特定の機体が重点的に使用されることになって消耗が早まったり、故障しやすくなったりすることを避けることができる。また、主機1aに問題が生じても、予備の従機1bを主機1aに設定しなおせば、移植機1を新規に用意する必要がなく、コストを抑えることができる。
また、主機1aに設定されている移植機1では、表示部630に、従機制御手段として、走行、植付および空植えについての開始・停止ボタンを備えた従機制御メニュー632が設けられており、各従機1b「S−01」、「S−02」、「S−03」、・・・に対して走行、植付および空植えの開始または停止を一括してできるように構成されている。主機1aでされた従機1bの設定は、従機設定情報としてネットワークNWを介して従機1bに伝達され、従機設定情報を受け取った従機1bは、受け取った従機設定情報に従って、自律走行及び植付動作を行うように構成されている。
また、1つ以上の従機1bについて、異常検知センサ860により異常が検知され、表示部630に警告が表示されている状態では、従機制御メニュー632の走行停止ボタンを押すと、苗切れが検知された従機1bのみが走行を停止し、植付停止ボタンを押すと、異常が検知された従機1bのみが植付を停止するように構成されている。
したがって、移植機1は、異常検知による警告に応じて走行停止ボタンを押したり、空植開始ボタンを押したりすることで、移植機1の走行や植付を停止することができ、機体の異常による苗の植付不良の発生を防ぐことができる。
また、異常苗検知センサ862により苗切れが検知され、表示部630に苗切れに関する警告が表示されている状態では、空植開始ボタンを押すと、苗切れが検知された従機1bのみが空植を開始するように構成されており、苗切れの警告に応じて空植開始ボタンを押すことで、植付動作を空植えの動作に切り替えて、苗の補給時に勝手に苗が植え付けられること防ぐことができる。
図7は、従機1bの通信確認処理の流れを示すフローチャートである。
図7に示されるように、従機1bの制御部800は、通信装置833を介して所定の時間間隔で主機1aに対し通信確認の信号を送り(ステップS1)、主機1aの制御部800は、通信装置833を介して従機1bから通信確認の信号を受け取ると、その信号を送った従機1bに対し、通信装置833を介して応答の信号を送り返す(ステップS2)。
従機1bの制御部800は、主機1aに通信確認の信号を送った後、所定の時間内に主機1aから応答の信号がないと、主機1aとの間に通信に異常が発生したと判断して、自機の自律走行制御部850に走行を停止するように指令を送るとともに、自機の植付制御部851に植付動作を停止するように指令を送り(ステップS3)、さらに、異常を報知すべく、自機の報知装置660に警告音を鳴らすように指令を送る(ステップS4)。
このように、従機1bの制御部800が主機1aに対して通信確認することによって、主機1aとの通信が正常に行なわれているかを定期的に確認することができ、通信障害の発生や、主機1aとの通信範囲から外れるなど、通信不良が発生すると、走行及び植付動作を停止させることができるので、従機1bが、異常を主機1a側に伝達できない状態で動作し続けることを防止することができる。
また、主機1aから応答の信号がなければ、報知装置660により警告音(ブザー)を鳴らすことによって、作業者に対し、通信不良により従機1bが停止したことを報知できるので、従機1bが停止状態で放置されることを防止することができる。
図8は、図5のネットワークNWに接続可能な情報端末880の構成を示した模式図である。
図8に示されるように、情報端末880は、携帯可能なタブレット型のコンピュータであり、タッチパネル式のディスプレイ882と、ネットワークNWと接続可能な通信機881と、音声を発することができるスピーカ883とを備えている。通信機881は、例えばWiFi等の無線LANにより、ネットワークNWに接続しており、主機1aまたは従機1bに設定された移植機1と相互に通信可能に構成されている。
また、情報端末880には、移植機1の作業設定の変更と、走行駆動力および植付駆動力の入切とが可能な制御手段である制御アプリケーション884がインストールされている。制御アプリケーション884は、ネットワークNWを介して、主機1aまたは従機1bに設定されている全ての移植機1の制御部800にアクセスして、アクセスした移植機1から走行状態や植付作業に関する情報や図4の異常検知センサが検知した異常検知情報を取得することができ、さらに、取得した情報をディスプレイ882に表示できるように構成されている。
このように、情報端末880からも主機1aおよび従機1bの作業状況を監視することができるので、主機1aおよび従機1bのいずれに異常が発生しても迅速な対応が可能になる。
また、制御アプリケーション884は、ネットワークNWに接続していて主機1aまたは従機1bに設定されている全ての移植機1の制御部800に対し、通信機881を介して機体制御信号、すなわち、移植機1の主機1aまたは従機1bの設定の変更、移植機1の発進・停止、植付動作の開始・停止、植付動作の設定変更、および植付間隔の調節といった移植機1の制御を行う旨の信号を送ることができるように構成されている。
さらに、制御アプリケーション884は、情報端末880のディスプレイ882に、各機体制御信号に対応する項目を表示させて、作業者がタッチ操作により項目を選択すると、選択された項目に対応する機体制御信号を各移植機1に発信するように構成されている。
そして、移植機1の制御部800は、情報端末880から発信された機体制御信号を受け取ると、受け取った機体制御信号に基づいて、移植機1の主機1aもしくは従機1bの設定の変更、移植機1の発進・停止、植付動作の開始・停止、植付動作の設定変更、または、植付間隔の調節を行うように構成されている。
このように、移植機1は、情報端末880からの操作を受け付けることにより、主機1aおよび従機1bによる作業が遠隔的に実施可能になるので、作業のために主機1aを手動で操縦する必要がなく、作業者の労力が軽減される。
図9は、他の実施例に係る移植機901を示す略側面図であり、図10は、図9の左右一対の後輪903のそれぞれに取り付けられた電動モータ912を示す要部断面図である。
図1の移植機1は、エンジン12によって左右一対の後輪3を駆動するように構成されているが、図9および図10に示されるように、移植機901は、左右一対の後輪903のそれぞれがインホイール式の電動モータ912によって独立して駆動するように構成されている。
移植機901は、後輪903をインホイール式の電動モータ912によって駆動することにより、移植機901の走行動力を伝達するための部品を省略することができる。また、左右の電動モータ912が独立して駆動するので、後輪903の回転数を左右で変化させることで旋回が可能になり、エンジン式の駆動機構では旋回に必要であったサイドクラッチが不要になるので、部品数の削減を図ることができる。さらに、左右の後輪903の駆動力が均等になるようにも調節することができるので、移植機903の直進走行を安定させることができる。
また、図10に示されるように、左右の電動モータ912には、それぞれモータカバー915が取り外し可能に取り付けられている。モータカバー915があることで電動モータ912が土や砂に触れて故障することを防ぐことができ、モータカバー915が取り外せることで電動モータ912のメンテナンスがしやすい。
図9に示されるように、移植機901の苗送り伝動モータ913は、苗トレイ供給装置100を駆動させ、植付伝動モータ914は、苗取出装置200と、苗植付装置300と、苗植付装置駆動機構400とを駆動させ、苗送り伝動モータ913と植付伝動モータ914との駆動タイミングを調節することで苗の植付動作ができるように構成されている。
このように、植付動作の駆動力を苗送り伝動モータ913と植付伝動モータ914とに分けることにより、植付動作で生じる伝動負荷を分散することができ、また、植付動作において苗の供給タイミングを独立してずらすことができるので、苗トレイ20に苗22の欠落や不良苗がある育苗ポット21があっても、その育苗ポット21を避けることで植付不良が生じることを防ぐことができる。
以上、本発明の好ましい実施態様につき説明を加えたが、本発明は、かかる実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、図9に示される移植機901は、植付動作に必要な駆動力の供給源を苗送り伝動モータ913と植付伝動モータ914とに分けるように構成されているが、植付動作に必要な駆動力の供給源としては、必ずしも複数のモータを用意する必要はなく、植付動作の駆動力を単一の伝動モータで供給するようにしてもよい。
1 移植機
1a 主機
1b 従機
2 前輪
3 後輪
4 ミッションケース
8 操縦ハンドル
8L ハンドルグリップ
8R ハンドルグリップ
9 走行伝動ケース
10 油圧昇降シリンダ
11 苗植付ホッパ
12 エンジン
13 鎮圧輪
14 水平用油圧シリンダ
15 走行車体
16 左右フレーム
17 主フレーム
18 植付伝動装置
20 苗トレイ
21 育苗ポット
22 苗
40 油圧切替バルブ部
80 主クラッチレバー
81 昇降操作レバー
100 苗トレイ供給装置
110 苗置台
111 トレイ搬送路
120 トレイ縦送り装置
121 トレイ送りロッド
170 トレイ搬送路移動装置
200 苗取出装置
202 チェーンベルト
260 取出部材
300 苗植付装置
400 苗植付装置駆動機構
420 植付クラッチ
470 ソレノイド
500 機体制御機構
600 操作部
601 操作パネル
602 エンジン操作レバー
610 空植操作ボタン
620 植付入切ボタン
630 表示部
631 主従切替ボタン
632 従機制御メニュー
633 警告マーク
640 植付間隔調節ボタン
640a 「上げ」プッシュスイッチ
640b 「下げ」プッシュスイッチ
660 報知装置
700 植付深さ調整機構
800 制御部
800m 記録部
810 姿勢・方位算定部
831 ジャイロセンサ
832 方位センサ
833 通信装置
834 GNSSアンテナ
850 自律走行制御部
851 植付制御部
860 異常検知センサ
861 通信異常検知センサ
862 異常苗検知センサ
863 畝端検知センサ
864 異常停止検知センサ
865 植付不良検知センサ
880 情報端末
881 送受信機
882 ディスプレイ
883 スピーカ
884 制御アプリケーション
901 移植機
903 後輪
912 電動モータ
913 苗送り伝動モータ
914 植付伝動モータ
915 モータカバー
NW ネットワーク
S 移植機の併走作業システム
U 畝

Claims (6)

  1. 圃場に苗を植え付ける複数の移植機を備え、
    前記移植機は、それぞれ、圃場を走行する走行車体と、苗を搬送する苗供給装置と、前記苗供給装置から苗を取り出す苗取出装置と、前記苗取出装置から取り出された苗を受け取って圃場に植え付ける苗植付ホッパと、前記移植機の異常を検知する異常検知センサと、前記移植機に関する情報を表示する表示部と、自機の位置情報を取得する測位装置と、前記複数の移植機を、ネットワークを介して相互に通信可能とする通信装置と、前記通信装置から受け取った情報を処理し、前記移植機の走行及び植付を制御する制御部とを備え、
    前記複数の移植機は、前記ネットワークに接続された前記移植機の少なくとも一の機体を主機とし、他の機体を主機に随伴走行する従機として設定可能に構成されるとともに、作業者の操作を受け付けて従機に設定された前記移植機を主機に設定し直し、かつ、先に主機に設定されていた前記移植機を従機に設定し直す主従切替手段を備え、主機に設定された前記移植機の作業設定が変更されると、主機に設定された前記移植機は、変更された前記作業設定の情報を、前記通信装置を介して、従機に設定された前記移植機に送信し、従機に設定された前記移植機は、前記作業設定の情報を取得して主機と同じ作業設定に変更するように構成されており、
    前記移植機に関する情報は、少なくとも、前記ネットワークに接続されている前記移植機を一意的に識別するための機体識別情報と、前記機体識別情報と紐づけられた前記作業設定の情報及び前記異常検知情報と、前記機体識別情報に対応する前記移植機が主機に設定されているか従機に設定されているかを判別可能とする主従設定情報とを含み、
    主機に設定された前記移植機は、従機に設定された前記移植機から前記移植機に関する情報を、前記通信装置を介して取得し、主機に設定された前記移植機の前記表示部に、前記ネットワークに接続されている前記移植機の前記機体識別情報と、前記機体識別情報に対応する前記移植機が主機に設定されているか従機に設定されているかを表示することを特徴とし、また、
    前記異常検知センサは、苗の植付不良を検知する植付不良検知センサを備え、
    前記制御部は、前記植付不良検知センサによって苗の植付不良が検知されると、前記測位装置によって位置情報を取得し、自機の位置を植付不良の発生した位置として記録部に記録し、さらに、前記記録部に記録された植付不良の発生した位置に関する情報を、前記ネットワークを介して送信することで前記複数の移植機間で共有し、植付不良の発生した機体の前記機体識別情報とともに前記表示部に表示するよう構成されていることを特徴とする移植機の併走作業システム。
  2. 前記移植機は、作業者の操作を受け付けて前記移植機の走行系統及び植付系統における駆動力の入切を切替え可能な入切操作部材を有する操作部を備え、
    主機に設定された前記移植機は、従機に設定された前記移植機から異常検知情報を取得すると、前記異常検知情報を送信した前記移植機の前記機体識別情報を前記主機の前記表示部に表示するとともに、前記異常検知情報を送信した前記従機の走行系統及び植付系統の駆動を、前記主機の前記操作部の操作によって、停止可能に構成されていることを特徴とする請求項に記載の移植機の併走作業システム。
  3. 前記異常検知センサは、異常苗を検知する異常苗検知センサを備え、
    前記制御部は、前記異常苗検知センサによって異常苗が検知されると、前記記録部に異常苗の検知を記録するよう構成され、また、
    前記移植機は、異常を警告音により周囲に報知する報知装置を備えており、
    従機に設定された前記移植機は、それぞれ、所定の時間間隔で、前記通信装置を介して主機に設定された前記移植機と通信を行うように構成され、かつ、主機に設定された前記移植機との通信に失敗すると、自機の走行系統及び植付系統の駆動を停止し、前記報知装置を作動するよう構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の移植機の併走作業システム。
  4. 前記移植機は、前記苗植付ホッパの駆動を入切する植付クラッチと、植付間隔の設定に合わせて前記植付クラッチの入切のタイミングを調節するソレノイドとを備えて苗の植付間隔を変更可能に構成されており、かつ、前記苗の植付間隔を設定可能な植付間隔設定手段を前記操作部に備え、
    前記作業設定は、前記植付間隔設定手段により設定された植付間隔の設定を含むことを特徴とする特徴とする請求項2に記載の移植機の併走作業システム。
  5. 前記移植機は、前記ネットワークに接続された情報端末から送られた機体制御信号を、前記通信装置を介して取得すると、前記機体制御信号に応じて、主機または従機の設定の変更と、前記作業設定の変更と、前記移植機の走行系統及び植付系統における駆動の入切を切替えとをするように構成されており、さらに、前記情報端末に、前記異常検知情報と、前記移植機の走行および植付に関する情報を送信するように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の移植機の併走作業システム。
  6. 前記移植機は、前記苗供給装置を駆動する苗送り電動モータと、
    前記苗植付ホッパを駆動する植付伝動モータとを備え、
    前記走行車体は、インホイール式の電動モータによって駆動する左右一対の後輪と、前記電動モータの軸心を覆う着脱自在のモータカバーとを備えていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の移植機の併走作業システム。
JP2019031654A 2019-02-25 2019-02-25 移植機の並走作業システム Active JP6897697B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019031654A JP6897697B2 (ja) 2019-02-25 2019-02-25 移植機の並走作業システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019031654A JP6897697B2 (ja) 2019-02-25 2019-02-25 移植機の並走作業システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020130130A JP2020130130A (ja) 2020-08-31
JP6897697B2 true JP6897697B2 (ja) 2021-07-07

Family

ID=72261526

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019031654A Active JP6897697B2 (ja) 2019-02-25 2019-02-25 移植機の並走作業システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6897697B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2022131050A1 (ja) * 2020-12-18 2022-06-23

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6732024B2 (en) * 2001-05-07 2004-05-04 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Method and apparatus for vehicle control, navigation and positioning
JP6197693B2 (ja) * 2014-02-27 2017-09-20 井関農機株式会社 移植機
WO2015178448A1 (ja) * 2014-05-22 2015-11-26 ヤンマー株式会社 作業車両の走行システム
JP6297436B2 (ja) * 2014-07-09 2018-03-20 ヤンマー株式会社 併走作業システム
AU2015347784A1 (en) * 2014-11-13 2017-06-22 Yanmar Co., Ltd. Operation terminal
JP6807794B2 (ja) * 2017-03-31 2021-01-06 ヤンマーパワーテクノロジー株式会社 農作業車両の自律走行システム
JP6832793B2 (ja) * 2017-05-29 2021-02-24 株式会社クボタ 子作業車と協調して作業を行う親作業車
JP6645478B2 (ja) * 2017-05-30 2020-02-14 井関農機株式会社 農作業支援システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020130130A (ja) 2020-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102140854B1 (ko) 자율 주행 작업 차량의 주행 경로 설정 방법
KR102107556B1 (ko) 병주 작업 시스템
JP2016011024A (ja) 植播系圃場作業機
KR20200092428A (ko) 병주 작업 시스템
JP2016071726A (ja) 作業情報記憶装置
JP6897697B2 (ja) 移植機の並走作業システム
JP2017112942A (ja) 苗移植機
KR102471050B1 (ko) 다수개의 육묘상자공급기가 구비되는 육묘상자 공급용 컨베이어
JP7046861B2 (ja) 作業車両用の表示システム
JP6578713B2 (ja) 施肥装置
KR102471053B1 (ko) 다수의 육묘상자공급기를 갖는 육묘상자 공급용 컨베이어의 육묘상자 공급 공정
JP2016198004A (ja) 施肥装置
KR20190070276A (ko) 포장 작업기 및 포장 작업 지원 단말기
JP2023115391A (ja) 作業車両
JP2005130800A (ja) 農作業機
JP2022176194A (ja) 作業車両
JP7158342B2 (ja) 田植機
JP2013110977A (ja) 苗移植機
JP6999471B2 (ja) 圃場作業機
JP2009201377A (ja) 苗移植機
EP4335269A1 (en) Travel control method, travel control system, and travel control program
EP4335268A1 (en) Route generation method, route generation system, and route generation program
JP2023071074A (ja) 圃場作業機
JP7063361B2 (ja) 作業車両
WO2023112610A1 (ja) 圃場作業車

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201027

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20201127

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20210216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210224

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210414

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210511

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210524

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6897697

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150