JP6897344B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、用紙等の媒体上に転写されたトナー像を定着させる定着装置を備えている。
例えば、特許文献1に記載の定着装置は、定着ベルトと、これに接触する加圧ローラーと、定着ベルトの内側に配置されたニップ形成部材と、を備えている。ニップ形成部材は、本体とこれに巻きつけられる膜部材とからなり、定着ベルトを介して加圧ローラーと圧接してニップ部を形成する。膜部材は、PTFE(Polytetrafluoroethylene)繊維の織物であって、本体のニップ部側を覆い、且つ本体のニップ部とは反対面の端部を覆っている。
特開2012−128219号公報
膜部材には、定着ベルトとの摩擦低減のために潤滑油が塗布されることがある。しかしながら、上記の定着装置では、膜部材が本体に一巻されているのみであるため、膜部材に十分に潤滑油を吸収させることができなかった。このため、定着ベルト内の高温環境下で、膜部材に吸収された潤滑油が短期間で枯渇してしまい、膜部材と定着ベルトとの摩擦が増加することがあった。このように定着ベルトの摩擦力が増加すると、膜部材は、本体との接続部分に大きな荷重が作用して破損することになる。
本発明は、上記課題を解決するために、摺動シートによる潤滑油の吸収量を増加させることができる定着装置および画像形成装置を提供する。
上記した目的を達成するため、本発明の定着装置は、回転しながら媒体上のトナーを加熱する定着部材と、回転しながら前記定着部材との間に加圧領域を形成し、前記加圧領域を通過する前記媒体上のトナーを加圧する加圧部材と、前記定着部材の内側に設けられ、前記加圧部材に押し付けられた前記定着部材を受け止める押圧部材と、を備え、前記押圧部材は、前記定着部材を挟んで前記加圧領域に対向して設けられているベース部材と、潤滑油を吸収させられ、前記ベース部材に巻き付けられ、前記加圧領域に対向した前記定着部材の内周面に接触すると共に前記ベース部材の前記加圧領域とは反対側となる保持面に3層以上積層されている摺動シートと、を含んでいる。
この場合、前記定着部材の内側に設けられ、前記加圧領域とは反対側から前記ベース部材を支持する支持部材と、前記支持部材を挟んで前記加圧領域とは反対側に設けられ、前記定着部材を内側から加熱する熱源と、を更に備え、前記ベース部材は、前記保持面に形成された複数の突起部を有し、前記摺動シートは、前記保持面に積層された部分に前記複数の突起部を貫通させる複数の貫通穴を有し、前記摺動シートは、前記保持面において前記媒体の通過方向下流側を始点として前記定着部材の回転方向と同じ向きで前記ベース部材に1周以上巻き付けられた状態で、前記保持面上において1回以上折り返されて前記保持面に3層以上積層された状態に形成されていることが好ましい。
この場合、潤滑油を吸収させられ、前記支持部材と前記押圧部材との間に設けられ、前記保持面に積層された最表層の前記摺動シートに接触し、吸収した前記潤滑油を前記摺動シートに供給する多孔質部材を更に備えていることが好ましい。
この場合、前記多孔質部材は、前記支持部材を介して前記熱源から前記摺動シートに向かう熱の伝達を抑制することが好ましい。
上記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、上記のいずれかに記載の定着装置を備えている。
本発明によれば、摺動シートによる潤滑油の吸収量を増加させることができる。
本発明の第1実施形態に係るプリンターを示す概略図(正面図)である。 本発明の第1実施形態に係る定着装置を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る定着装置の定着ベルト等を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る定着装置のハロゲンヒーターおよび押圧構造を示す分解斜視図である。 図3のV−V断面図である。 本発明の第2実施形態に係る定着装置を示す断面図である。 本発明の第1実施形態の変形例に係る定着装置を示す断面図である。
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、各図に示す「L」は「左」を示し、「R」は「右」を示し、「U」は「上」を示し、「D」は「下」を示している。
[プリンターの全体構成]
図1を参照して、画像形成装置の一例としてのプリンター1について説明する。図1はプリンター1を示す概略図(正面図)である。なお、以下の説明において、「搬送方向」とは、シートSが搬送される方向を指す。また、「上流」および「下流」並びにこれらに類する用語は、シートSの搬送方向における「上流」および「下流」並びにこれらに類する概念を指す。
プリンター1は、略直方体状の外観を構成する装置本体2を備えている。装置本体2の下部には、紙製のシートS(媒体)を収容する給紙カセット3が設けられている。装置本体2の上面には、排紙トレイ4が設けられている。なお、シートSは、紙製に限らず、樹脂製等であってもよい。
また、プリンター1は、給紙装置5と、作像装置6と、定着装置7と、を備えている。給紙装置5は、給紙カセット3から排紙トレイ4まで延びた搬送路8の上流端部に設けられている。作像装置6は搬送路8の中間部に設けられ、定着装置7は搬送路8の下流側に設けられている。
作像装置6は、トナーコンテナ10と、ドラムユニット11と、光走査装置12と、を含んでいる。トナーコンテナ10は、例えば、黒色のトナー(現像剤)を収容している。ドラムユニット11は、感光体ドラム13と、帯電装置14と、現像装置15と、転写ローラー16と、を含んでいる。転写ローラー16は、下側から感光体ドラム13に接触して転写ニップを形成している。なお、トナーは、トナーとキャリアとを混合した二成分現像剤であってもよいし、磁性トナーから成る一成分現像剤であってもよい。
プリンター1の制御装置(図示せず)は各装置を適宜制御し、以下のように画像形成処理を実行する。帯電装置14は、感光体ドラム13の表面を帯電させる。感光体ドラム13は、光走査装置12から出射された走査光を受け、静電潜像を担持する。現像装置15は、トナーコンテナ10から供給されたトナーを用いて感光体ドラム13上の静電潜像をトナー像に現像する。シートSは給紙装置5によって給紙カセット3から搬送路8に送り出され、感光体ドラム13上のトナー像は転写ニップを通過するシートSに転写される。定着装置7は、トナー像をシートSに定着させる。その後、シートSは、排紙トレイ4に排出される。
[第1実施形態:定着装置]
次に、図2ないし図5を参照して、第1実施形態に係る定着装置7について説明する。図2は定着装置7を示す断面図である。図3は定着装置7の定着ベルト等を示す斜視図である。図4は定着装置7のハロゲンヒーター23および押圧構造24を示す分解斜視図である。図5は、図3のV−V断面図である。
図2に示すように、定着装置7は、筐体20と、定着ベルト21と、加圧ローラー22と、ハロゲンヒーター23と、を含んでいる。定着ベルト21および加圧ローラー22は、筐体20の内部に設けられている。ハロゲンヒーター23は、光を放射して定着ベルト21を加熱するための熱源である。定着装置7は、短時間で設定温度に達するように、熱容量の小さな定着ベルト21を用いたベルト定着方式を採用している。
<筐体>
筐体20は、前後方向に長い略直方体に形成されている。筐体20の左右両面には、シートSを挿通させるための開口が形成されている。筐体20の右面開口には、定着ベルト21と加圧ローラー22との接触部分(加圧領域N)にシートSを導くための進入ガイド26が設けられている。筐体20の左面開口には、シートSを下流側に送り出すための搬送ローラー対27が設けられている。
<定着ベルト>
図2および図3に示すように、定着部材の一例としての定着ベルト21は、無端状のベルトであって、前後方向に長い略円筒状に形成されている。定着ベルト21は、例えば、ポリイミド樹脂等の耐熱性および弾性を有する合成樹脂材料等で構成されている。定着ベルト21の前後両端部は、軸周りに回転するように筐体20に支持されている。なお、定着ベルト21の前後両端部には、端面開口を閉塞すると共に定着ベルト21を略円筒形状に保持する一対の端部ホルダー(図示せず)が取り付けられている。また、詳細は後述するが、定着ベルト21の内部(内側)には、加圧ローラー22からの圧力を受ける押圧構造24が設けられている。
<加圧ローラー>
加圧部材の一例としての加圧ローラー22は、前後方向に長い略円筒状に形成されている。加圧ローラー22は、金属製の芯金22Aと、その外周面に積層されたシリコーンスポンジ等の弾性層22Bと、を含んでいる。加圧ローラー22(芯金22A)の前後両端部は、軸周りに回転するように筐体20に支持されている。芯金22Aにはギア列等を介して駆動モーター(図示せず)が接続され、加圧ローラー22は駆動モーターによって回転駆動される。
筐体20には、定着ベルト21を加圧ローラー22に押し付ける力(圧力)を調整する加圧機構(図示せず)が設けられている。加圧ローラー22は、相対的に定着ベルト21の下面に押し付けられ、定着ベルト21との間に加圧領域Nを形成している。なお、加圧領域Nとは、圧力が0Paである上流側の位置から最大圧力となる位置を経由して再び圧力が0Paとなる下流側の位置までの領域を指している。なお、加圧ローラー22が定着ベルト21に押し付けられるように、加圧機構が構成されていてもよい。
<ハロゲンヒーター>
図2ないし図4に示すように、熱源の一例としてのハロゲンヒーター23は、前後方向に長い略棒状に形成されている。ハロゲンヒーター23は、定着ベルト21の内側に配置され、定着ベルト21を軸方向に貫通している。ハロゲンヒーター23の前後両端部は、一対の端部ホルダーを介して筐体20に支持されている。ハロゲンヒーター23は、赤外域の光を放射して定着ベルト21を内側から加熱する。なお、以上の説明では、熱源としてハロゲンヒーター23が採用されていたが、これに代えて、カーボンヒーター等の熱源が採用されてもよい。
なお、筐体20の内部には、定着ベルト21の表面の温度を検出するサーモパイルやサーミスター等の温度センサー(図示せず)が設けられている。プリンター1の制御装置には、駆動モーター、ハロゲンヒーター23および温度センサー等が電気的に接続されている。制御装置は、各種の駆動回路を介して駆動モーター、ハロゲンヒーター23および温度センサー等を制御する。また、シートSを下流側に搬送する定着ベルト21等の回転を「正回転」と呼ぶ(図5の実線矢印参照)。
[定着装置の作用]
ここで、定着装置7の作用(定着処理)について説明する。まず、制御装置は、駆動モーターやハロゲンヒーター23を駆動制御する。加圧ローラー22は駆動モーターの駆動力を受けて回転し、定着ベルト21は加圧ローラー22に従動して正回転する(図5の実線矢印参照)。ハロゲンヒーター23は、定着ベルト21をその内側から加熱する。温度センサーは、定着ベルト21の温度を検出し、入力回路を介して検出信号を制御装置に送信する。制御装置は、温度センサーから設定温度(例えば150〜200℃)に達したことを示す検出信号を受信すると、既に説明した画像形成処理の実行を開始する。トナー像が転写されたシートSは筐体20内に進入し、定着ベルト21は、軸周りに正回転しながら加圧領域Nを通過するシートS上のトナー(トナー像)を加熱する。加圧ローラー22は、軸周りに回転しながら加圧領域Nを通過するシートS上のトナーを加圧する。すると、トナー像がシートSに定着する。そして、トナー像が定着したシートSは、筐体20の外部に送り出されて排紙トレイ4に排出される。
なお、定着装置7の筐体20内(加圧領域N)で、シートSの搬送不良(ジャム)が発生した場合、ユーザーは、装置本体2の左側面に設けられた開閉扉(図示せず)を開き、詰まったシートSを除去する(ジャム処理の実行)。この際、ユーザーがシートSを搬送方向(通過方向)上流側に引っ張ると、定着ベルト21等はシートSに引き摺られて逆回転(正回転とは逆方向の回転)することがある(図5の破線矢印参照)。
<押圧構造>
次に、図4および図5を参照して、定着ベルト21の内側に設けられた押圧構造24について説明する。
押圧構造24は、支持部材30と、反射部材31と、押圧部材32と、を含んでいる。支持部材30は、定着ベルト21の内側で回転不能に設けられている。反射部材31および押圧部材32は、支持部材30に支持されている。
支持部材30は、例えば、鉄やアルミ合金等の金属材料によって前後方向に長い略角筒状に形成されている。支持部材30は、定着ベルト21の内側でハロゲンヒーター23よりも下方に設けられ、定着ベルト21を軸方向に貫通している(図3参照)。支持部材30の前後両端部は、上方を開放した略U字状に形成され、一対の端部ホルダーを介して筐体20に支持されている。
反射部材31は、例えば、アルミ合金等の金属材料によって前後方向に長い略板状に形成されている。詳細には、反射部材31は、下方を開放した略U字状の断面を有する略板状に形成されている。反射部材31は、定着ベルト21の内側でハロゲンヒーター23よりも下方に設けられ、支持部材30の上側を覆っている。反射部材31は、支持部材30の上面に固定されている。
押圧部材32は、定着ベルト21の内側で支持部材30の下方に設けられている。押圧部材32は、加圧ローラー22に押し付けられた定着ベルト21を受け止める機能を有している。押圧部材32は、ベース部材33と、摺動シート34と、を含んでいる。
ベース部材33は、例えば、ポリイミド樹脂等の耐熱性を有する合成樹脂材料によって前後方向に長い略板状に形成されている。ベース部材33の上面(加圧領域Nとは反対側となる「保持面F」ともいう。)には、複数の固定突起部33Aと、複数の当接突起部33Bと、複数の保持突起部33Cとが形成されている。各突起部33A,33B,33Cは、保持面Fから上方に突き出している。
複数(例えば3つ)の固定突起部33Aは、それぞれ、略円柱状に形成されている。複数の固定突起部33Aは、保持面Fの左右方向略中央で、前後方向に所定の間隔で配置されている。複数の固定突起部33Aは、支持部材30の下面に開口した固定穴(図示せず)に嵌合するようになっている。複数の固定突起部33Aが複数の固定穴に嵌合することで、ベース部材33が支持部材30に位置決めされた状態で支持されることになる。
複数(例えば7つ)の当接突起部33Bは、固定突起部33Aよりも小径且つ低い(突出寸法が小さい)略円柱状に形成されている。複数の当接突起部33Bは、保持面Fの左右方向略中央で、前後方向に所定の間隔で配置されている。当接突起部33Bの先端面は、支持部材30の下面に当接するようになっている。なお、複数の固定突起部33Aおよび複数の当接突起部33Bは、前後方向に略等間隔で一列に並べられている(図4参照)。
複数(18個)の保持突起部33Cは、それぞれ、前後方向に長い略楕円形断面を有する略円柱状に形成されている。各保持突起部33Cは固定突起部33Aと略同一の突出寸法に形成され、その先端面は支持部材30の下面に当接するようになっている(図5参照)。複数の保持突起部33Cは、保持面Fの左右両側で、前後方向に略等間隔で一列に並べられている(図4参照)。すなわち、9つの保持突起部33Cが保持面Fの前側で一列に並べられ、残りの9つの保持突起部33Cが保持面Fの後側に一列に並べられている。保持突起部33Cの列は、固定突起部33Aおよび当接突起部33Bの列に対して前後方向に半ピッチずれている(図4参照)。つまり、各突起部33A,33B,33Cは、千鳥状に配置されている。
図5に示すように、摺動シート34は、ベース部材33に巻き付けられ、加圧領域Nに対向した定着ベルト21の内周面に接触している。摺動シート34は、定着ベルト21の内周面との摩擦抵抗を低減する機能を有している。
摺動シート34は、例えば、PTFE(Polytetrafluoroethylene)繊維を経糸(または緯糸)とし、PPS(Polyphenylenesulfide)繊維を緯糸(または経糸)として織った織物である。PTFE繊維は、定着ベルト21の内周面との摩擦抵抗の低減する役割を担っている。PPS繊維は、摺動シート34の強度を向上させる役割を担っている。なお、摺動シート34は、PTFE繊維を緯糸とし、PPS繊維を経糸として織られていてもよい。
摺動シート34は、シリコーンオイル等の潤滑油を吸収させられ、ベース部材33に巻き付けられている。摺動シート34は織物であるため、摺動シート34に塗布された潤滑油は毛細管現象によって摺動シート34全体に広がる。摺動シート34に吸収(保持)された潤滑油は、徐々に染み出すことで摺動シート34と定着ベルト21の内周面との摩擦抵抗を更に低減する。
また、図5に示すように、摺動シート34は、加圧領域Nに対向した定着ベルト21の内周面に接触すると共にベース部材33の保持面Fに3層積層されている。詳細には、摺動シート34は、保持面Fにおいて左端部(シートSの通過方向下流側)を始点として定着ベルト21の正回転方向(図5で時計回り)と同じ向きでベース部材33に1周以上巻き付けられた状態になっている。摺動シート34は、ベース部材33に1周した後、保持面Fの右端部まで巻き付けられている。この状態で、2層の摺動シート34が保持面Fに積層されている。この状態から、摺動シート34は、保持面F上において1回折り返されて保持面Fに3層積層された状態に形成されている。すなわち、摺動シート34は、保持面Fの右端付近を中心として反時計回りに180度折り曲げられている。そして、摺動シート34の末端は、保持面Fの左端付近(始点付近)に配置されている。これにより、3層の摺動シート34が保持面Fに積層されている。
また、図4および図5に示すように、摺動シート34は、保持面Fに積層された部分に、複数の固定貫通穴34Aと、複数の当接貫通穴34Bと、複数の保持貫通穴34Cと、を有している。摺動シート34が保持面Fに3層積層された状態で、固定貫通穴34Aには固定突起部33Aが貫通し、当接貫通穴34Bには当接突起部33Bが貫通し、保持貫通穴34Cには保持突起部33Cが貫通する。各貫通穴34A,34B,34Cは、それぞれ、貫通させる各突起部33A,33B,33Cに対応した形状(大きさ)に形成されている。なお、保持面Fにおける最上層(最表層)の摺動シート34は、支持部材30の下面から下方に離間している(図5参照)。つまり、支持部材30の下面と最上層の摺動シート34との間には、隙間が形成されている。
ところで、定着ベルト21が正回転した場合、摺動シート34は定着ベルト21に引き摺られて正回転する方向に引張荷重(負荷)を受ける。詳細には、保持面Fにおける最下層の摺動シート34が上流側(図5で右側)に引っ張られ、その摺動シート34に形成された各貫通穴34A,34B,34Cの周縁部下流側(左側)が各突起部33A,33B,33Cの下流側(左側面)に押し付けられる。つまり、最下層の摺動シート34と各突起部33A,33B,33Cとの嵌合部分が、定着ベルト21の正回転による引張荷重を受ける。一方で、定着ベルト21が逆回転した場合、摺動シート34は定着ベルト21に引き摺られて逆回転する方向に引張荷重(負荷)を受ける。詳細には、保持面Fにおける2層目の摺動シート34が下流側(図5で左側)に引っ張られ、その摺動シート34に形成された各貫通穴34A,34B,34Cの周縁部上流側(右側)が各突起部33A,33B,33Cの上流側(右側面)に押し付けられる。つまり、2層目の摺動シート34と各突起部33A,33B,33Cとの嵌合部分が、定着ベルト21の逆回転による引張荷重を受ける。なお、保持面Fにおける最上層の摺動シート34は、定着ベルト21の正・逆回転に伴う引張荷重を受けることがない。
図5に示すように、この定着装置7では、支持部材30は、上方(加圧領域Nとは反対側)からベース部材33を支持していた。ハロゲンヒーター23は、支持部材30(反射部材31)を挟んで加圧領域Nとは反対側に設けられていた。支持部材30および反射部材31は、定着ベルト21の内側、且つハロゲンヒーター23の直下に配置されているため、非常に高温になる。例えば、定着ベルト21の表面温度を150〜200℃に制御した場合、支持部材30および反射部材31は約300℃まで昇温される。このため、支持部材30の直下に配置された摺動シート34は、高温環境に曝されるため、熱収縮や熱劣化(酸素と反応して分解)等の熱による悪影響を受けやすい。また、摺動シート34に吸収された潤滑油が蒸発し易い。
以上説明した第1実施形態に係る定着装置7によれば、摺動シート34がベース部材33の保持面Fに3層に積み重ねられているため、2層以下の摺動シート34に比べて、より多くの潤滑油を吸収し、保持することができる。これにより、高温環境下であっても、潤滑油が蒸発して枯渇することを抑制することができ、定着ベルト21と摺動シート34との摩擦抵抗を低減する効果を長期間に亘って維持することができる。その結果、ベース部材33(各突起部33A,33B,33C)と摺動シート34(各貫通穴34A,34B,34C)との嵌合部分に作用する引張荷重(応力)が減少するため、摺動シート34の破損を抑制することができる。
また、第1実施形態に係る定着装置7では、保持面F上の3層の摺動シート34が各貫通穴34A,34B,34Cを各突起部33A,33B,33Cに嵌め込んだ状態でベース部材33に巻き付く構成とした。最下層および2層目の摺動シート34は、最上層の摺動シート34に覆われているため、最上層の摺動シート34に比べて、熱による悪影響(熱収縮や劣化)が小さくなるものと考えられる。これにより、最下層および2層目の摺動シート34が定着ベルト21の正・逆回転に伴う引張荷重を受けて破損するリスクを低減することができる。一方で、最上層の摺動シート34は、高温になる支持部材30に近いため、熱による悪影響が大きくなるが、定着ベルト21の正・逆回転によって引き摺られることがない。これにより、最上層の摺動シート34に形成された各貫通穴34A,34B,34Cの周縁部が定着ベルト21の正・逆回転による引張荷重(負荷)を受けて破損するリスクを低減することができる。
[第2実施形態:定着装置]
次に、図6を参照して、第2実施形態に係る定着装置40について説明する。図6は定着装置40を示す断面図である。なお、以下の説明では、第1実施形態に係る定着装置7と同様の構成については同一の符号を付し、定着装置7と同様の構成または対応する構成の説明は省略する。
定着装置40の押圧構造41は、例えば、耐熱性を有するシリコーンスポンジ等で構成された多孔質部材42を含んでいる。多孔質部材42は、前後方向に長い略板状に形成されている。多孔質部材42は、潤滑油を吸収させられ、支持部材30と押圧部材32との間に設けられている。多孔質部材42(の下面)は、保持面Fに積層された最上層(最表層)の摺動シート34に接触している。なお、多孔質部材42には、各突起部33A,33B,33Cを貫通させるための貫通穴(図示せず)が形成されている。また、多孔質部材42は、摺動シート34よりも多くの潤滑油を吸収し保持することができることが好ましい。つまり、多孔質部材42の体積は、摺動シート34の体積よりも大きいことが好ましい。
定着処理が繰り返し行われると、摺動シート34に吸収された潤滑油は、定着ベルト21の内面に付着したり、蒸発したりして徐々に減少する。すると、多孔質部材42に吸収(保持)された潤滑油は、多孔質部材42から徐々に染み出して、摺動シート34に移って行く。つまり、多孔質部材42は、吸収した潤滑油を摺動シート34に徐々に供給する機能を有している。以上説明した第2実施形態に係る定着装置40によれば、摺動シート34に吸収された潤滑油が少なくなったとしても、多孔質部材42から摺動シート34に潤滑油を供給することができる。これにより、摺動シート34の潤滑油の枯渇を有効に抑制することができ、摺動シート34と定着ベルト21との摩擦を低減する効果を更に長期間に亘って維持することができる。
また、低密度の多孔質部材42を支持部材30と押圧部材32との間に挟むことによって、支持部材30から摺動シート34への熱伝導を抑えることができる。すなわち、多孔質部材42は、支持部材30を介してハロゲンヒーター23から摺動シート34に向かう熱の伝達(伝導)を抑制する機能を有している。この構成によれば、多孔質部材42が断熱材として機能して、摺動シート34に伝達する熱の一部を遮断することができる。これにより、摺動シート34(最上層の摺動シート34)が熱劣化する等の熱による悪影響を有効に抑制することができる。
なお、第1および第2実施形態に係る定着装置7,40では、摺動シート34が、保持面F上において1回折り返されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、摺動シート34は、保持面Fに3層積層された後、更に折り返して4層以上積層されていてもよい。
また、第1および第2実施形態に係る定着装置7,40では、1枚の摺動シート34が折り畳まれることで、保持面Fに複数積層されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図7に示すように、第1実施形態の変形例に係る定着装置7として、ベース部材33に巻き付ける摺動シート341と、保持面Fに積層するための摺動シート342とを個別に用意してもよい。この場合、ベース部材33に摺動シート341を巻き付けた後、接着剤等を介して積層用の摺動シート342を保持面F上に積層してもよい。また、この摺動シート341,342を第2実施形態に係る定着装置40に適用してもよい。
また、第1および第2実施形態の説明では、一例として、本発明をモノクロのプリンター1に適用した場合を示したが、これに限らず、例えば、カラープリンター、複写機、ファクシミリまたは複合機等に本発明を適用してもよい。
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る定着装置および画像形成装置における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。
1 プリンター(画像形成装置)
7,40 定着装置
21 定着ベルト(定着部材)
22 加圧ローラー(加圧部材)
23 ハロゲンヒーター(熱源)
30 支持部材
32 押圧部材
33 ベース部材
33A 固定突起部
33B 当接突起部
33C 保持突起部
34 摺動シート
34A 固定貫通穴
34B 当接貫通穴
34C 保持貫通穴
42 多孔質部材
F 保持面
N 加圧領域
S シート(媒体)

Claims (4)

  1. 回転しながら媒体上のトナーを加熱する定着部材と、
    回転しながら前記定着部材との間に加圧領域を形成し、前記加圧領域を通過する前記媒体上のトナーを加圧する加圧部材と、
    前記定着部材の内側に設けられている支持部材と、
    前記定着部材を内側から加熱する熱源と、
    前記定着部材の内側に設けられ、前記加圧部材に押し付けられた前記定着部材を受け止める押圧部材と、を備え、
    前記押圧部材は、
    前記定着部材を挟んで前記加圧領域に対向して設けられているベース部材と、
    潤滑油を吸収させられ、前記ベース部材に巻き付けられ、前記加圧領域に対向した前記定着部材の内周面に接触すると共に前記ベース部材の前記加圧領域とは反対側となる保持面に3層以上積層されている摺動シートと、を含み、
    前記支持部材は、前記加圧領域とは反対側から前記ベース部材を支持し、
    前記熱源は、前記支持部材を挟んで前記加圧領域とは反対側に設けられ、
    前記ベース部材の前記保持面には、複数の固定突起部と、複数の当接突起部と、複数の保持突起部とが形成され、
    前記複数の固定突起部および前記複数の当接突起部は、前記保持面において前記媒体の通過方向の中央で、前記定着部材の回転軸に沿った軸方向に等間隔で一列に並べられ、
    前記複数の保持突起部は、前記保持面の前記媒体の通過方向の両側で、軸方向に等間隔で一列に並べられ、
    前記保持突起部の列は、前記固定突起部および前記当接突起部の列に対して軸方向に半ピッチずれており、
    前記複数の固定突起部が前記支持部材に開口した複数の固定穴に嵌合することで、前記ベース部材が前記支持部材に位置決めされた状態で支持され、
    前記ベース部材が前記支持部材に支持された状態で、前記複数の当接突起部と前記複数の保持突起部の先端面は前記支持部材に当接し、
    前記摺動シートは、前記保持面に積層された部分に、複数の固定貫通穴と、複数の当接貫通穴と、複数の保持貫通穴と、を有し、
    前記摺動シートが前記保持面に積層された状態で、前記複数の固定貫通穴には前記複数の固定突起部が貫通し、前記複数の当接貫通穴には前記複数の当接突起部が貫通し、前記複数の保持貫通穴には前記複数の保持突起部が貫通し、
    前記摺動シートは、前記保持面において前記媒体の通過方向下流側を始点として前記定着部材の回転方向と同じ向きで前記ベース部材に1周以上巻き付けられた状態で、前記保持面上において1回以上折り返されて前記保持面に3層以上積層された状態に形成されていることを特徴とする定着装置。
  2. 潤滑油を吸収させられ、前記支持部材と前記押圧部材との間に設けられ、前記保持面に積層された最表層の前記摺動シートに接触し、吸収した前記潤滑油を前記摺動シートに供給する多孔質部材を更に備え、
    前記多孔質部材には、前記複数の固定突起部と、前記複数の当接突起部と、前記複数の保持突起部と、を貫通させるための複数の貫通穴が形成されていることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  3. 前記多孔質部材は、前記支持部材を介して前記熱源から前記摺動シートに向かう熱の伝達を抑制することを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  4. 請求項1ないしのいずれかに記載の定着装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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