JP6897279B2 - 3次元造形用ステージ - Google Patents
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該ステージの少なくとも上面に複数の細孔を有し、該細孔にはステージの上面より下方に、該上面における細孔の孔径以上の孔径を有するアンカー部が形成されており、該アンカー部の輪郭とステージの上面における細孔の輪郭とがステージの上面視で位置ずれしている3次元造形用ステージを提供する。
図1は、熱溶解積層法で3次元造形物を製造する本発明の一実施例の3次元造形装置1の模式図である。この3次元造形装置1では、平板状のプラットフォーム2に本発明のステージ10を載置し、ステージ10の上面が水平になるようにステージ10をクリップ3で固定する。一方、ヘッド4にフィラメント状の樹脂5を装着し、目的とする3次元造形物のCADによる設計データに基づき、フィラメント状の樹脂5をヘッド4で熱溶融させてヘッド4からステージ10上に薄く吐出し、冷却により硬化させて樹脂の薄層成形物である第1層20aを形成する。この樹脂の吐出と硬化を繰り返すことによりステージ10上で薄層成形物を鉛直方向に積層して3次元造形物20を製造する。
図2Aは、本発明の一実施例のステージ10Aの上面図であり、図2BはそのX−X断面図である。
本発明においてステージの上面aにおける細孔11の開口形状は特に限定がなく、図2Aに示した円形の他に楕円形、矩形などとすることができる。加工の容易性の点からは円形が好ましい。
本発明においてステージの上面aにおける細孔11の孔径Laは、細孔内で硬化した樹脂のアンカー効果により3次元造形物の反りを十分に防止し、寸法精度を向上させる点、及び細孔11の形成を容易にする点から、0.1〜1.5mmとすることが好ましく、アンカー部cの最大孔径Lc(図2A、図2Bに示した態様ではステージ10Aの下面bにおける孔径Lb)は、ステージの上面aにおける孔径Laの1.1〜3倍とすることが好ましく、1.1〜2倍がより好ましい。
細孔11のピッチLpは特に限定されないが、アンカー効果により3次元造形物の反りを十分に防止し、寸法精度を向上させる点、及び3次元造形物の製造後に細孔由来の凸部が3次元造形物の美観や手触りに与える影響や、3次元造形物の製造後に必要により細孔由来の凸部を除去する場合の手間を軽減する点から、1.5〜6mmが好ましい。
本発明において細孔11は、その内部にアンカー部cがあれば必ずしもステージ10Aの上面aから下面bまで貫通していなくてもよい。例えば、図4に示したステージ10Bのように、細孔11がステージ10Bの下面bに達していない有底状の孔でもよい。このステージ10Bは、貫通孔を有するプレート12と、該プレート12に着脱自在に装着できる底プレート13を組み合わせて有底状の細孔11を形成したものである。この場合、底プレート13の下面bは孔のない平坦面とすることができる。有底状の細孔11においても、細孔11内の最大孔径Lcは上面aにおける孔径Laの1.1〜3倍とすることが好ましく、1.1〜2倍とすることがより好ましい。
本発明においてステージの上面aにおける細孔11の配置は特に限定されないが、ステージ上の3次元造形物の固定状態が部分的に低下しないように、上面aにおける細孔11の分布が均一であることが好ましい。そのため、細孔11の平面配置は、図2Aに示した60°千鳥(6方格子配列)の他、図9に示したように45°千鳥(正方向格子配列で配列軸を矩形のステージ10の辺に対して45°傾けたもの)としてもよく、図10に示したように並列(正方格子配列の配列軸を矩形のステージ10の辺に対して平行にしたもの)としてもよい。これらの場合においてもステージの細孔11の上面の孔径La、下面の孔径Lb、アンカー部の最大孔径Lcは上述の60°千鳥と同様とすることができる。また、45°千鳥や並列のピッチでは、隣り合う細孔のうち最も近接した細孔同士の中心間距離となる細孔ピッチ(最短)Lp1や、その次に近接した細孔同士の中心間距離となる細孔ピッチ(最長)Lp2を1.5〜6mmとすることが好ましい。
本発明のステージの製造方法は、細孔の形状に応じて適宜選択することができる。例えば、樹脂板又は金属板の片面又は両面からドリルにより細孔を開けてもよく、3次元造形法により所定形状の細孔を有するステージを製造してもよい。図5、図6に示したステージ10C、10Dでは、2枚又は3枚の平板に異なる孔径の細孔を開け、それらを貼り合わせることにより製造してもよい。
市販の3Dプリンタ(Delta Micro Factory社、UP! Plus2)において、上面視で円錐台形状の細孔を45°千鳥に配置したアルミニウム製のステージ10Aを使用し、直方体形状の3次元造形物(160×60×5mm)を熱溶解積層法で製造した。
3次元造形物の内部の密度は40%であった。表面部の密度は100%である。高密度な表面の厚みは、通常0.5〜2.0mm程度とされ、本実施では1.2mmとした。
実施例1において、ステージの細孔の形状を円錐台から直径1.0mmの円筒状でその軸をステージの上面に垂直にした以外は実施例1と同様にして3次元造形物を製造した。
3次元造形終了後の3次元造形物には、反りによりステージの表面から離れている部分が存在し、その部分のステージの表面との距離は3〜4mmであった。
2 プラットフォーム
3 クリップ
4 ヘッド
5 フィラメント状の樹脂
10、10A、10B、10C、10D、10E、10F ステージ
10X 従来のステージ
11 細孔
11a ステージの上面における細孔の輪郭
11b ステージの下面における細孔の輪郭
12 貫通孔を有するプレート
13 底プレート
20a 第1層(薄層成形物)
20 3次元造形物
a ステージの上面
b ステージの下面
c アンカー部
La ステージの上面の孔径
Lb ステージの下面の孔径
Lc アンカー部の最大孔径
Lp ピッチ
Claims (8)
- 3次元造形用ステージ上で熱溶融した熱可塑性樹脂の吐出と硬化を行い、以降熱溶融した熱可塑性樹脂の吐出と硬化を繰り返すことにより熱可塑性樹脂の薄層成形物を積層して3次元造形物を製造する、熱溶解積層法による3次元造形用ステージであって、
該ステージの少なくとも上面に複数の細孔を有し、該細孔にはステージの上面より下方に、該上面における細孔の孔径以上の孔径を有するアンカー部が形成されており、該アンカー部の輪郭とステージの上面における細孔の輪郭とがステージの上面視で位置ずれしている3次元造形用ステージ。 - 細孔がステージを貫通している請求項1記載の3次元造形用ステージ。
- ステージの上面における孔径が0.1〜1.5mm、アンカー部の最大孔径がステージの上面における孔径の1.1〜2倍である請求項1又は2記載の3次元造形用ステージ。
- ステージの上面及び下面における細孔の孔径よりもステージ内部における細孔の孔径が大きい請求項2又は3に記載の3次元造形用ステージ。
- 細孔が円錐台形状である請求項1〜3のいずれかに記載の3次元造形用ステージ。
- ステージの厚さ方向の断面において、細孔がステージ上面に対して斜行している請求項1〜3のいずれかに記載の3次元造形用ステージ。
- 3次元造形用ステージ上で熱溶融した熱可塑性樹脂の吐出と硬化を行い、以降熱溶融した熱可塑性樹脂の吐出と硬化を繰り返すことにより熱可塑性樹脂の薄層成形物を積層して3次元造形物を製造する、熱溶解積層法による3次元造形方法であって、3次元造形用ステージとして請求項1〜6のいずれかに記載のステージを使用する3次元造形方法。
- 3次元造形用ステージ上で熱溶融した熱可塑性樹脂の吐出と硬化を行い、以降熱溶融した熱可塑性樹脂の吐出と硬化を繰り返すことにより熱可塑性樹脂の薄層成形物を積層して3次元造形物を製造する、熱溶解積層法による3次元造形装置であって、3次元造形用ステージとして請求項1〜6のいずれかに記載のステージを備えた3次元造形装置。
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