JP2017170742A - 積層造形法を用いた立体物の製造方法 - Google Patents

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享 杉山
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祐彦 ▲高▼橋
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Abstract

【課題】 造形中の造形物を安定して固定すると共に、造形完了後には、造形物に負荷をかけることなく造形物と造形面とを短時間で分離する。
【解決手段】 造形ステージの上に積層造形法を用いて造形材料を積層して立体物を製造する、立体物の製造方法であって、前記造形ステージの上の造形面に水溶性炭水化物を含む下地部を形成する工程と、前記下地部の上に、前記立体物の断面形状に応じて造形材料を積層する工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、積層造形法を用いて立体物を製造する方法に関する。
近年、造形目的物である立体物(造形対象物)の断面データに基づいて、造形材料を積層する積層造形法が着目されている。
積層造形法によって精度よく構造物を作製するためには、積層中には造形物が造形面に固定されている必要があり、造形終了後には造形物に極力負荷をかけることなく造形面から取り外す必要がある。
特許文献1には、紫外線硬化インクをステージに向けて吐出して造形を行う造形法において、形成完了後の造形対象物を作業面から取り外ししやすくするため、最下面の造形材料を積層する前に造形面の上に離型層を形成することが開示されている。離型層を形成する離型剤には、着滴した造形材料と混ざらない高濃度の液体を用いることが記載されている。離型剤は、硬化しないものであっても硬化型のものであっても良いとしている。
また特許文献2には、光造形法において、成形台に造形物を安定して支持するため、貫通孔を有する成形台の上に貫通孔に一部を埋め込むように支持部材を形成した後、支持部材の上に余盛り部を形成してから、造形を行うことが開示されている。余盛り部は、造形物の底面形状と同じ形状の面状をなすものとすることで、造形物の底面と余盛り部の上面が全面で接合され強固に固定できると記載されている。造形物を取り外す際には、造形物の底面と余盛り部との境界面とを切り離している。
特開2015−071282号公報 特開平6−155587号公報
しかしながら、特許文献1において、離型層と造形物とは容易に取り外せるものである必要があるため、造形中に造形物が離型層に対して位置ずれを起こし、造形精度が低下する恐れがある。さらに、硬化しない離型剤を用いた場合は、造形物の重量で離型層が変形してしまい、精度の高い造形ができなくなってしまう。また、特許文献2では、造形物の底面と余盛り部との境界面とを切り離す際に、造形物に物理的な負荷がかかり、造形物が変形あるいは破壊される恐れがある。
本発明は、上記課題を解決するため、積層造形法を用いた立体物の製造方法であって、
造形面上に水溶性炭水化物を含む下地部材を形成する工程と、前記下地部材の上に、前記立体物の断面形状に応じて造形材料を積層する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、造形中の造形物を安定して固定すると共に、造形完了後には、造形物に負荷をかけることなく造形物と造形面とを短時間で分離することが可能となる。
本発明を適用できる造形システム例を示す概略図である。 本発明を用いるのに好適な造形プレートの構成例を示す図である。 造形プレート上に下地部と造形物とを形成した状態を示す図である。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。各図面において、同一部材あるいは対応する部材を示す箇所には、同一の符号を付与している。特に図示あるいは記述をしない構成や工程には、当該技術分野の周知技術または公知技術を適用することが可能である。また、重複する説明は省略する場合がある。
(積層造形法の概略)
まず、積層造形法およびそれに用いる造形システムについて簡単に説明しておく。
積層造形法とは、造形目的である三次元モデルの形状を表す三次元形状データに基づいて三次元モデルを構成する構造材料を積層し、三次元モデルを実体化した立体物(造形対象物)を製造する方法である。具体的には、三次元モデルの三次元形状データを積層方向に沿って複数層にスライスして三次元モデルの断面形状データを作成し、この断面形状データに従って層毎に構造材料を配置して積層する。
三次元モデルが中空構造やオーバーハング形状を有する場合、三次元モデルの断面形状データに従って構造材料を積層しようとすると、何もない空間の上に構造材料を積層しなければならない状況が出てくる。このような状況での積層が困難な場合は、必要に応じて構造材料の積層を補助するためのサポート体が設けられる。
従って、実際に造形を行う際には、三次元モデルの断面形状データに、各断面におけるサポート体の断面形状データなど、実際の造形に必要なデータを付加した合成データが用いられる。以下、この合成データをスライスデータと称する。
サポート体は、造形が完了した後には不要となる部分であるため、構造材料からなる部分から容易に除去できる構造あるいは材料で形成される必要がある。サポート体を構成する材料が構造材料と異なる場合、サポート体を構成する材料をサポート材料と称する。構造材料とサポート材料とを特に区別する必要のない場合や、これらを一括して指す場合には、造形材料と称する。また、サポート体と区別するため、三次元モデルを実体化した立体物に相当する部分を構造体と称する。従って、積層造形法によって造形される造形物は、構造体と、必要に応じてサポート体とを含んでいる。
構造材料としては、造形法や作成する造形物の用途・機能・目的などに応じてさまざまな材料を選択することができる。積層時に層間を熱で溶着する造形法では、例えば、ABS、PC(ポリカーボネート)など、熱可塑性の樹脂を用いることができる。
サポート材料には、構造体からの除去を簡単にするため、構造材料が溶解しない溶媒に対する溶解度が高い材料や、構造材料より溶融温度が低い材料を用いるのが好ましい。特に、一般的に用いられる構造材料は、前述したように非水溶性であるため、サポート材料として、熱可塑性と水溶性とを有する材料を好ましく用いることができる。このような材料としては、糖質、ポリ乳酸(PLA)、PVA(ポリビニルアルコール)、PEG(ポリエチレングリコール)などが挙げられる。
サポート材料として水溶性の材料を用いると、造形完了後の造形物を水に接触させることにより、構造体からサポート体を除去することができる。サポート体の除去材料として水を用いることができると、環境への負荷が小さく抑えることができる。さらに、サポート体の除去時に構造体に物理的負荷を加える必要がないため、微細構造を有する立体物の造形にも好適である。
(造形システム)
図1に、スライスデータに応じて造形材料を配置した材料層を形成した後、材料層の単位で積層を行う造形システムの構成例を示す。
造形システム100は、コンピュータ101と、コントローラ102と、材料層形成部110と、造形部120と、材料層形成部110で形成された材料層を造形部120へと搬送する搬送部130とを備えている。
材料層形成部110は、造形材料を配置する第1像形成部112と第2像形成部113と第3像形成部114、第1から第3像形成部112〜114を駆動する駆動部111と、を備えている。
ここでは、第1像形成部、第2像形成部、第3像形成部が種類の異なる材料を配置する形態で説明するが、同じ種類の材料を配置する像形成部が複数ある形態であってもよい。また、材料層形成部110が3つの像形成部を備えている例を示しているが、4つ以上の像形成部を備えていても良いし、像形成部を2つだけ備える構成であってもよい。また、図1には、それぞれの像形成部(112、113、114)が、材料供給部と、感光体と、光源とを備え、電子写真方式を用いて造形材料を形成する例を示しているが、これに限定されるものではない。インクジェット方式を用いて材料層を形成する構成も好ましい。
搬送部130は、材料形成部110で形成された材料層を担持する搬送体131と、搬送体131を駆動する駆動部(駆動ローラ)132と、材料層を加熱する加熱手段133と、を備えている。加熱手段133は、材料層が積層位置到達した時点に、材料層が溶融した状態となっているように加熱するものである。ただし、加熱手段133は必ずしも搬送部に備えてられている必要はなく、材料層を造形プレート123の上に積層可能な状態を作り出せるものであれば、どのように配置されていても構わない。
造形部120は、造形ステージ121、造形ステージ121に対向する対向部材322と、造形ステージ321および対向部材122を駆動する駆動部123を備えている。造形ステージ121と対向部材122とで挟まれる位置が、材料層の積層を行う積層位置になる。搬送部130が加熱手段を備えている場合、対向部材122は冷却手段を備えているとよい、搬送部130が加熱手段を備えていない場合、造形部120が加熱手段を備えていればよく、例えば、対向部材122が冷却機能と加熱機能の両方を備えていてもよい。
コンピュータは、三次元モデルの三次元形状データを取得し、三次元モデルの形状に応じてサポート体を付加したスライスデータを生成する。生成したスライスデータをコントローラ102に送信する。コントローラ102が、受信したスライスデータに基づいて生成された信号を駆動部111、122、132に送信し、造形部120、材料層形成部110、搬送部130の駆動制御を行い、ステージ121上に造形物が形成される。
造形物を直接造形ステージ121上に形成して、造形完了後に造形物を造形ステージ121から取り外すのが困難となるのを避けるため、造形ステージ121の上に造形プレート140が設置されている。そのため、造形ステージ121の造形面側に、造形プレート123を取り付けるための取付け部が設けられており、造形プレート123が取り外し可能に設置される。造形プレート123は、嵌合する溝やネジなどを用いて造形ステージ121に設置するとよい。造形プレート123は、造形プロセスで加えられる熱によって溶解しない材料で、かつ、熱によるひずみが小さい材料で形成されている。具体的には、PEEK、ポリイミド、ABSなどの高分子材料やSUSなどの金属材料、アルミナなどのセラミックス材料などが挙げられる。
(立体物の製造方法)
続いて、本発明に係る立体物の製造方法について詳細に説明する。
本実施形態にかかる立体物の製造方法は、下記の(i)〜(iv)の工程を含んでいる。
(i)下地部の断面データを含むスライスデータを生成する工程
(ii)下地部を形成する工程
(iii)下地部の上に構造体を形成する工程
(iv)下地部を除去する工程
以下、図1に示した造形システムを用いる例について、順を追って説明する。
(i)下地部の断面データを含むスライスデータを生成する工程
コンピュータ301では、三次元モデルの三次元形状データを取得され、三次元モデルの三次元形状データを積層方向に沿って複数層にスライスして三次元モデルの断面形状データが作成される。三次元モデルの断面形状データに、造形システムの造形特性に応じて必要となるサポート体の断面データと、下地部の断面データとが付加され、スライスデータが生成される。
下地部は、三次元モデルの断面形状データに基づく造形の第1層が配置される領域を含み、第1層と同等かそれよりも広い領域に下地部を形成するように生成される。このとき、水を含む溶媒との接触面積を広く確保できる構造としてもよい。具体的には、下地部を三次元的な網目構造とするのが好ましい。このとき、下地部の造形面と下地部の上に形成される構造体とは、構造体の底面積の30%以上の面積で接触していることが好ましく、50%以上であればより好ましい。このような接触面積を有することで、下地部が造形物を安定的に固定することができ、精度の高い像を行うことが可能となる。
造形面の形状が不均一であると造形精度に影響を与えるため、下地部を三次元的な網目構造に形成する場合は、空孔部が下地部の造形面に均一に分布しているのが好ましい。具体的には、下地部の造形面における任意の5mm角の領域を複数比較して、空孔部の割合の差が±20%の範囲に収まっているのが好ましく、±10%の範囲に収まっているのがより好ましい。
下地部は、造形物が造形面から除去できれば、特に厚さは限定されないが、水を含む溶媒との接触による溶解が下地部の露出面から進行することを考慮すると、0.1mm以上の厚さが好ましく、1mm以上がより好ましい。下地部の厚さが0.1mm以上あると、下地部と溶媒との接触部からの溶解によって造形物と造形プレートとの間に、溶媒ができる可能な空間が存在するため、除去した層を速やかに空間から排出することができる。その結果、下地層を迅速に除去することが可能となる。ただし、下地部の厚さが厚すぎると、下地部の造形に長時間かかってしまう。従って、用いる造形システムの造形速度に応じて、0.1mm以上の範囲で厚さ、即ち、層数を適宜決めるとよい。
(ii)下地部を形成する工程
生成されたスライスデータはコントローラ102に送信される。コントローラ102は、受信したスライスデータに基づいて造形ステージ121、材料層形成部110、および搬送部130を制御する信号を生成する。コントローラ102で生成された信号は、駆動部111、122、132に送信され、造形ステージ121、第1像形成部112、第2像形成部113、第3像形成部114、駆動ローラ132の制御が行われる。ここで、図1の造形システムでは、第1像形成部112に造形材料、第2像形成部113にサポート材料、第3像形成部114に下地部を形成する材料が収容されているとする。
本発明では、まずスライスデータに基づいて下地部の造形が行われる。駆動部111によって第3像形成部114が駆動され、光源によりスライスデータに応じた潜像が感光体に形成された後、感光体表面には材料収容部から下地部を形成する材料が供給され、材料層が形成される。このとき、下地部を造形するスライスデータには、構造材料やサポート材料の配置データが含まれていないため、第1像形成部112と第2像形成部113は待機している。
第3像形成部114で形成された材料層は、搬送体131の上に載置され、積層位置へと矢印の方向に搬送される。材料層は、積層位置に至る途中で加熱手段133によって溶融される。溶融された材料層は、積層位置で造形ステージ121と対向部材123とに挟まれた後、対向部材122によって冷却固化され、造形プレート123上に積層される。
なお、材料層を造形面に固定する際には、化学反応による接着など熱エネルギー以外の手法を利用することができる。
この工程を複数回繰り返すことにより、造形プレート123の上には、下地部150が形成される。
なお、下地部150の形成には、必ずしも造形システムを用いる必要はなく、作業者が手作業で造形プレート121の上に下地部150を形成しても良い。具体的には、下地部を形成する材料を溶かして型に入れ、その中に造形プレート121を入れて硬化させるなどすればよい。あるいは、スピンコーティングを用いて、造形プレート121の造形面に下地部150を形成しても良い。
下地部は、造形プレート18の造形面の上に、直接三次元モデルの断面形状データに基づく造形が行われないように介在するもので、造形完了後に水を含む溶媒との接触により溶解される。そのため、下地部は、短時間での溶解が可能な材料で形成しておくのが好ましい。
そこで、本発明に係る下地部は、水溶性炭水化物を含む材料で形成され、水溶性炭水化物を含んでいる。ここで、水溶性とは、水に対する溶解度が0.1以上の性質を言い、非水溶性とは、水に対する溶解度が0.1未満の性質を言う。水に対する溶解度とは、1気圧において、水温20℃の純水100gに溶ける質量をグラム単位で表した数値とする。
一般に、水溶性材料としては、水溶性の無機材料、水溶性食物繊維や糖質などの水溶性炭水化物、ポリアルキレンオキシド、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)質、ポリ乳酸(PLA)などが知られている。しかし、ポリアルキレンオキシド、PVA、PEG、PLAなどは水を含む溶媒への溶解時の粘度上昇が著しいため、これらの材料が溶解した溶媒は高粘度水溶液となる。
もし、下地部をポリアルキレンオキシド、PVA、PEG、PLAなどの水溶性材料で形成すると、下地部と水を含む溶媒とを接触させた初期の段階で、下地部の表面が高粘度水溶液で覆われることになる。そして、表面に滞留する高粘度水溶液が、下地部と新しい溶媒とが接触するのを妨げ、下地部表面における溶媒が飽和水溶液に近づく。そのため、下地部の溶解が進行せず、造形物と造形面との分離を短時間で行えなくなる。
さらに、水溶性材料の溶解度は、溶媒の温度を上げると増加する傾向にあるが、加熱温度が造形物の変形温度以上に達すると、造形物の変形が生じるなど精度が悪化するなどの課題があるため、常温(室温)程度で迅速に溶解できることが好ましい。
従って、本発明では、常温で固体であり、溶媒に溶解しても粘度上昇が小さく、常温でも水に対して高い溶解度を有する水溶性炭水化物を含む下地部を形成している。これにより、造形時には造形物を安定的に固定するとともに、造形完了後には短時間で造形物を造形面から分離することが可能となる。
水溶性炭水化物としては水溶性食物繊維、糖質などが挙げられる。水溶性食物繊維の具体例としては、ポリデキストロース、イヌリンが挙げられ、糖質の具体例としてはスクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、メレジトース、スタキオース、マルトテトラオースが挙げられる。
下地部に含まれる水溶性炭水化物は、1種類であってもよいし、複数種類であっても良い。ここでいう水溶性炭水化物の「種類」とは、化学構造によって決まるものとし、化学構造が異なっている場合に種類が異なっていると表現する。
下地部に含まれる水溶性炭水化物は、水溶性を有していれば特に限定されないが、水に対する溶解度が1より大きい材料が好ましく、5より大きい材料がより好ましく、10以上であればさらに好ましい。下地部に含まれる水溶性炭水化物の溶解度は、下地部が水溶性炭水化物のみから構成されている場合は、下地部から一部を分離して、溶解度を測定すればよい。下地部が水溶性炭水化物以外の材料を含んでいる場合は、下地部に含まれる水溶性炭水化物を特定し、その材料の溶解度を測定すればよい。
下地部の水を含む溶媒への溶解性を確保するため、下地部に含まれる水溶性炭水化物の質量比率は、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。複数種類の水溶性炭水化物が含まれている場合は、これら複数種類の水溶性炭水化物の合計量を、下地部に含有される水溶性炭水化物と考えればよい。
下地部は、水溶性炭水化物以外の水溶材料を含んでいても良いが、水溶液の粘度上昇が著しい水溶性材料は、下地部の溶解の妨げになるため、10%未満に抑えるのが好ましく、5%以下がより好ましい。
また、下地部は、下地部全体に対する質量比率が50%未満の範囲で、非水溶性材料を含んでいても良い。非水溶性材料としては、造形法に応じて、造形面における表面特性を調整する材料が好ましいが、これに限定されるものではない。
例えば、造形面にひび割れが発生するのを抑制するために、下地部の弾性を高める弾性調整材を添加するのも好ましい。弾性調整材としては、非水溶性の繊維状材料(以下、ファイバー)が好ましい。水溶性材料の中にファイバーを含有させる事で、水溶性材料の内部にファイバーからなるマトリクスが形成され、水溶性材料部の弾性を高めることができる。ファイバーとしては、セルロースファイバー、アラミドファイバーなど用いることができる。
下地部に含まれる非水溶性の繊維状材料の含有量は、下地部全体の質量の10%以上50%未満含有することが好ましく、より好ましくは30%以下である。10%以上あることで下地部の割れの防止に効果がみられる傾向にある。ただそ。50%以上であると、水を含む溶媒による溶解が困難になる傾向にある。
他の非水溶性材料の例として、有機化合物および高分子化合物に代表される有機物、金属、セラミックスなどに代表される無機物、及び有機物と無機物とを含む有機・無機複合材料などが挙げられるが、これらの材料に限定されるものではない。
有機物であれば、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂物質、グリセリン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類などのエステル化合物などを好適に用いることができる。無機物であれば、酸化ケイ素、酸化チタン、及びアルミナなどの無機酸化物を好適に使用することができる。有機・無機複合材料としては、シロキサン結合を主骨格とし、有機基からなる側鎖を少なくとも一つ以上有する化合物を使用することができる。
本発明にかかる立体物の製造方法は、造形完了後の造形物(構造体)と造形プレート123との分離に水を用いるため、入手が容易でコストを低く抑えることができる点、安全性が高く環境への負荷が低いという点でも、非常に優位である。
なお、造形面には、水溶性炭水化物を含まない領域が存在しても良い。例えば、下地部の造形面側に、水溶性炭水化物を含まない領域が、構造材料など非水溶性材料が配置されるものであっても良いし、水溶性炭水化物を含まない水溶性材料が配置されるものであっても良い。水溶性炭水化物を含まない領域の面積比率は、下地部の上に積層する構造材料の面積の40%未満が好ましく、より好ましくは30%未満である。下地部の造形面において、水溶性炭水化物を含む領域と構造体との接触面積が60%以上であると、構造体の一部が造形プレートと分離しなかったとしても、わずかな力で構造体と造形プレートとを分離することが可能である。
ただし、水溶性炭水化物を含まない領域の大きさは、わずかな力で構造体と造形プレートとを分離することのできる範囲に抑えておくことが好ましい。
(iii)下地部の上に構造部を形成する工程
下地部の形成後、下地部の上に構造体が形成される。このとき、必要に応じてサポート体も形成される。ここではサポート体を含む造形について説明する。
コントローラ102は、スライスデータのうち構造材料およびサポート材料の配置(像)を解析し、駆動部111を介して、第1像形成部112と第2像形成部113を駆動させる。すでに下地部の造形は完了しているためスライスデータには下地部のデータが含まれず、第3像形成部114は待機している。なお、形成する1層分のスライスデータに造形材料またはサポート材料の配置データが含まれていない場合は、配置データが含まれていない材料からなる層を形成する像形成部も待機することになる。
第1像形成部112では、光源によって構造材料の配置に応じた潜像が感光体に形成された後、材料収容部から感光体表面に構造材料が供給され、構造材料から成る層が形成される。同様に、第2像形成部113では、光源によってサポート材料の配置に応じた潜像が感光体に形成された後、材料収容部から感光体表面にサポート材料が供給され、サポート材料から成る層が形成される。
続いて、まず造形材料からなる層が、第1像形成部112から搬送体131の上に転写され、搬送体131が矢印の方向に移動することによって、第2像形成部の方へと搬送される。
コントローラ302によって、スライスデータに従って造形材料およびサポート材料が配置された、1スライス分の材料層が搬送体131の上に形成されるよう、搬送体331の上にサポート材料からなる層を配置するタイミングが制御される。構造材料からなる層が所定の位置に到達したタイミングで、サポート材料からなる層が搬送体131の上に配置され、1スライス分の材料層が形成される。材料層は、搬送体131によって積層位置へと搬送され、途中加熱手段133によって加熱され、溶融される。
溶融された材料層は、造形ステージ121上の下地部150の上に積層される。積層の際には、ステージ121と対向部材122とで、下地部150と溶融された材料層とを挟んだ後、対向部材122によって溶融された材料層を冷却し、固化することで下地部150と材料層とを固着させる。その後、ステージ121と対向部材122とを離し1層分の材料層の積層が完了する。このとき、材料層だけでなく、下地部150の積層面を加熱しておいてもよい。また、積層時に、材料層と下地部150とに、対向部材122とステージ121とで圧力を加えることもできる。
この後も同様に、スライスデータに基づいて材料層形成部110で材料層が形成され、積層が行われる。スライスデータに基づく回数の積層が終了すると、構造体とサポート体の造形が完了する。
(iv)下地部を除去する工程
造形が完了すると、造形プレート123は、その上に形成された造形物ごと造形ステージ121から取り外される。造形プレート123と造形ステージ121とは取り外し可能に設置してあるため、造形物に物理的な負荷がかかるのが抑制される。造形物が形成された造形プレート123を取り外した後、別の造形プレートを設置すれば、すぐに造形を始めることができる。
造形ステージ121から取り外した造形プレート123に水を含む溶媒をシャワー状に浴びせたり、造形プレート123ごと水を含む溶媒の中に浸漬させたりすることにより、下地部150と水を含む溶媒とが接触させられる。これにより、下地部150に含まれる水溶性炭水化物が水を含む溶媒に溶け出して造形プレート123から除去され、下地部150の上に形成された造形物と造形プレート123とが分離される。
造形物全体を溶媒に浸漬して下地部150を除去する場合は、造形物の構造に応じて溶媒に水流を加えたり超音波振動を加えたりすると、の水溶性炭水化物の溶解あるいは崩壊が促進されるため好ましい。なお、造形物が熱変形しない温度であれば、適宜溶媒加温するのも好ましい。
造形物が除去された後の造形プレート123は、再利用することも可能である。また、サポート材料として、下地部105を形成する材料と同様の水溶性炭水化物を含む材料を用いると、下地部105とサポート体とを同時に除去することができ、造形にかかる時間をより短縮することができる。
(造形プレートの変形例)
次に、造形プレートの変形例について説明する。
造形プレート上の下地部の除去に必要な時間は、水を含む溶媒と接触可能な面積にも依存する。そこで、下地部の上に造形物が形成された状態で、下地部が水を含む溶媒に接触する面積をできるだけ広く確保するのが好ましい。
下地部の外周長をA、下地部の厚さをBとする。下地部の外周に沿って、造形面と垂直に切り出した造形プレートにおいて、表面に露出する下地部の表面積Sとする。このとき、A、B、Sが式(1)を満たすことが好ましい。
A×B<S (1)
下地部が式(1)を満たす構成を有していることにより、下地部と水を含む溶媒との接触面を増大させ、下地部の除去時間をより短縮することができる。
図2(a)〜(e)に、造形面に形成した下地部が式(1)を満たす構成の造形プレート123と、その上に形成された下地部150の例を示す。図2では、造形プレート123に設けられている造形ステージへの取付け部を省略している。
図2(a)〜(d)の造形プレート123は、いずれも造形面と交差する方向に伸びる貫通孔を複数有している。このような構成によれば、水を含む溶媒が造形プレート123の貫通孔を侵入するため、下地部150と水を含む溶媒と接触可能な面積が増加する。そのため、造形完了後に、水を含む溶媒と造形物が形成された造形プレートとを接触させると、造形面とは反対側の面からも下地部150を溶解させることができ、分離にかかる時間を短縮することができる。
貫通孔の孔径は1mm以上であることが好ましく、より好ましくは5mm以上である。孔径が5mm以上であることで、貫通孔の内側と外側との間で水を含む溶媒を循環させることができる。ただし、造形時の変形を抑制するためには、造形面と平行に切断した時の貫通孔の断面積が造形面積の50%以下であることが好ましい。貫通孔の密度も、造形プレート123を構成する材質を考慮して、造形時に変形しない程度に設けておくとよい。
図2(a)と図2(b)とは、下地部150が造形プレート123の貫通穴の内部に侵入している点で異なっている。図2(b)では、造形面側から平面視したときの下地部150の面積Cと、造形プレート123と下地部150との接触面積Dとすると、
C<D (2)
の関係を満たしている。式(2)関係を満たせば、造形プレート123と下地部150との接触面積を増やすことができ、造形時に多少の物理的負荷を受けたとしても、下地部150が造形プレート123から剥がれるのを抑制できるため好ましい。図2(b)〜(d)のように下地部150を形成するには、少なくとも下地部150形成の初期に圧力を加えながら積層するとよい。
図2(c)のように、貫通孔が造形面に対して傾斜している構成の造形プレート123を用いることも好ましい。このような構造の場合、図2(b)と同様の効果が得られると共に、特に造形面に垂直な方向の力による造形プレート123と下地部150とのずれをより抑制することができる。
また、図2(d)のように、貫通孔の孔径が、造形面に近い側から遠い側に向かって大きくなっている構成も好ましい。このような構造では、図2(c)と同様の効果が得られるのに加え、図2(a)〜(c)よりも、水を含む溶媒が貫通孔内を循環しやすくなり、より短時間で下地部150を溶解することが可能となる。この構成の場合、貫通孔の最小孔径が1mm以上であることが好ましい。
図2(b)〜(d)の構造は、下地部150を造形プレート123に安定的に固定することができるため、下地部150の上に造形中の造形物が、造形プレート123上で位置ずれを起こすことなく、精度の高い造形を実現することができる。
(実験例)
造形プレート上に、種々の水溶性材料を用いて下地部を形成し、立体物の製造方法に好適に用いることができるかどうかの評価を行った。
<基板A>
70mm×70mm×10mmのABS基板を基板Aとした。基板Aは造形プレートに相当する。
<基板1>
マルトテトラオースの粉体(日食フジオリゴ#450 日本食品化工株式会社製)70gとラクチトール(ラクチトールLC−0 物産フードサイエンス株式会社製)30gを水400gに溶解させた後に、乾燥、固化したものを粉砕し粉体1を得た。なお、粉体1は水溶性であった。
70mm×70mmの厚さ5mmのSUS板を削り、50mm×50mm×1mmの凹部を有する型を作製した。SUSの型内に厚さ100μmのポリテトラフルオロエチレンシートを敷き、粉体1を3.6g秤量した後に、基板Aを載せ120℃にて12.4MPaの圧力で10min加熱した。その後、冷却し、基板A上にマルトテトラオースとラクチトールとを含む層を有する基板1を得た。
<基板2>
マルトテトラオースの粉体(日食フジオリゴ#450 日本食品化工株式会社製)63gとラクチトール(ラクチトールLC−0 物産フードサイエンス株式会社製)27gを水360gに溶解させた。得られた水溶液の中に、セルロースファイバーであるセリッシュ(セリッシュFD200L ダイセルファインケム株式会社)を10g添加して撹拌した後、乾燥させて固化したものを粉砕して粉体2を得た。なお、粉体2は水溶性であった。
基板1の作製と同様に、ポリテトラフルオロエチレンシートを敷いたSUSの型内に、粉体2を3.6g秤量した後に、基板Aを載せ120℃にて12.4MPaの圧力で10min加熱した。その後、冷却し、基板A上に、マルトテトラオースとラクチトールとセルロースファイバーを含む層を有する基板2を得た。
<基板3>
マルトテトラオースの粉体(日食フジオリゴ#450 日本食品化工株式会社製)60gとラクチトール(ラクチトールLC−0 物産フードサイエンス株式会社製)26gを水340gに溶解させた。得られた水溶液の中に、セリッシュ(セリッシュFD200L ダイセルファインケム株式会社)を15g添加して撹拌した後、乾燥させて固化したものを粉砕して粉体3を得た。なお、粉体3は水溶性であった。
基板1の作製と同様に、ポリテトラフルオロエチレンシートを敷いたSUSの型内に、粉体3を3.6g秤量した後に、基板Aを載せ120℃にて12.4MPaの圧力で10min加熱した。その後、冷却し、基板A上にマルトテトラオースとラクチトールとセルロースファイバーを含む層を有する基板3を得た。
<基板4>
マルトテトラオースの粉体(日食フジオリゴ#450 日本食品化工株式会社製)49gとラクチトール(ラクチトールLC−0 物産フードサイエンス株式会社製)21gを水280gに溶解させた。得られた水溶液に、セリッシュ(セリッシュFD200L ダイセルファインケム株式会社)を30g添加して撹拌した後、乾燥させて固化したものを粉砕して粉体4を得た。なお、粉体4は水溶性であった。
基板1の作製と同様に、ポリテトラフルオロエチレンシートを敷いたSUSの型内に、粉体4を3.6g秤量した後に、基板Aを載せ120℃にて12.4MPaの圧力で10min加熱した。その後、冷却し、基板A上にマルトテトラオースとラクチトールとセルロースファイバーを含む層を有する基板4を得た。
<基板5>
70mm×70mm×10mmのABS基板に5mmφの孔を5mm間隔で中央から20箇所あけたものを基板Bとした。基板Aの代わりに基板Bに変更する以外は基板3と同様の作製方法を用いて、基板B上にマルトテトラオースとラクチトールとセルロースファイバーを含む層を有する基板5を2枚作製した。1枚の基板5を厚み方向に沿って切断して断面観察をしたところ、図2(b)と同様の構造が確認された。
<基板6>
基板1の作製と同様にして、ポリテトラフルオロエチレンシートを敷いたSUSの型内に、ポリビニルアルコールの粉体(PVA−505 クラレ社製)を2.4g秤量した後に、基板Aを載せ115℃にて12.4MPaの圧力で10min加熱した。その後、冷却し、基板A上にPVAを含む層を有する基板6を得た。なお、前記ポリビニルアルコールの粉体は水溶性であった。
<基板7>
基板Aを基板7とした。
<各基板の評価>
得られた基板1〜7それぞれについて下記の評価を行った。
基板1〜6の各水溶性材料からなる層が形成された面(造形面)上に、25μm厚みの20mm角のABSシートを120℃の温度下で、0.01kgf/cm2以上の圧力を加え、100シート加熱加圧積層し、造形物を得た。基板7については、基板1から6と同様の方法を用いて、任意の片面(造形面)上に造形物を作製した。
基板1〜5の上に形成された造形物を、基板ごと20℃の流水に当てることで、容易に基板と造形物とを分離することができた。ただし、基板1ではシートの積層を繰り返すことで、造形面の一部に割れが確認されたが、基板2〜4の各基板では確認されなかった。
また、基板4の上に作製した造形物は、基板1〜3と比較して造形物を取り外すまでの時間を長く要した。それに対して、基板5の上に作製した造形物は、基板3と比較して短時間で造形物を取り外すことができた。
基板6では、20℃の流水では水溶性材料からなる層の溶解がほとんど進まず分離できなかったが、水温を100℃に上げると、溶解が進み分離することができた。しかし、分離して得られた造形物に変形が確認された。
基板7は、造形物と基板7とが強固に接着してしまい、造形物を造形面から分離することができなかった。
以上の評価から、造形面に水溶性炭水化物を含む層を有する基板1〜5は、造形完了後に造形物ごと基板を水に接触させることによって、造形物と基板とを簡便に分離することができる。基板6のように、水温を上昇させるための設備もエネルギーも不要である。
(実施例)
実験で作製した粉体3を、下地部を形成する材料およびサポート材料とし、ABS(テクノABS130 テクノポリマー社製)を粉砕して得られた粉体を構造材料として、図1の造形システムを用いて立体物を製造した。図3に示す概略図の通り、造形プレート123の上には、下地部150と、構造体151Mとサポート体151Sを含む造形物151とを形成した。
造形を開始する前に、第1像形成部の材料収容部にABSの粉体、第3像形成部の材料収容部にマルトテトラオースとラクチトールとセルロースファイバーを含む粉体3を収容しておいた。
まず、ABSからなる造形プレート123をステージ121に設置した。続いて、第3像形成部にて、構造体151Mの最上層よりも面積の大きな材料層を形成し、材料層を搬送体131に配置して造形部120へ搬送した。造形物151を造形プレート123に投影して得られる領域を含むように、材料層を造形プレート123の上に積層した。同様の材料層を100層積層し、粉体3からなる厚さ1mmの下地部150を形成した。
次いで、造形物151を作製するためのスライスデータに応じて、第1像形成部にて構造材料からなる層、第3像形成部にて粉体3からなる層を形成した。そして、構造材料からなる層を搬送体131に配置した後、搬送体131上の構造材料からなる層と位置を合わせて粉体3からなる層を搬送体131上に配置した。これにより、搬送体131の上に、造形物の1スライス分の材料層が形成された。
搬送体131により材料層を造形部120の積層位置へと搬送する途中で加熱手段133にて加熱し、下地部150が形成された造形プレート123と材料層とを、ステージ121と対向部材122とで挟みこんだ。その後、対向部材を冷却して材料層を固化させ、下地部150の上に材料層を積層した。
同様にして、スライスデータに応じて構造材料とサポート材料(粉体3)をと配置した材料層を順次積層し、造形物151を完成させた。
構造材料と粉体3のサポート材料の二種類の材料からなるパターンが存在する粒子層を形成し、積層することで構造材部分とサポート材部分が存在する造形物を作製した。
造形が完了すると、下地部150と造形物151とが形成された造形プレート123を、水を張った槽に浸漬させた。このとき、槽内の水に水流をつけた。すると、下地部150とサポート体151Sが共に水に溶解し、造形プレート123から分離された構造体151Mを得ることができた。
本実施例では、下地部150およびサポート体151Mを、同じ水溶性材料を用いて形成したため、造形物(構造体)を造形プレート123から分離する際に、同時に除去することができ、造形対象物である立体物の製造時間を短縮することができた。
また、下地部150およびサポート体151Mが水溶性炭水化物を含んでいたため、
水に溶解しても粘度が著しく上昇することもなく、また、槽内の水の温度を高める必要もなく、短時間で溶解することができた。
以上、本発明について具体的な形態を挙げて説明してきたが、本発明は上記形態に制限されるものではなく、本発明の技術思想から離脱しない範囲で、様々の変更を行ってもよい。
100 造形システム
101 コンピュータ
102 コントローラ
110 材料層形成部
120 造形部
130 搬送部
121 造形ステージ
123 造形プレート
122 対向部材
150 下地部
151 造形物

Claims (17)

  1. 造形ステージの上に積層造形法を用いて造形材料を積層して立体物を製造する、立体物の製造方法であって、
    前記造形ステージの上の造形面に水溶性炭水化物を含む下地部を形成する工程と、
    前記下地部の上に、前記立体物の断面形状に応じて造形材料を積層する工程と、
    を有することを特徴とする立体物の製造方法。
  2. 前記下地部が複数種類の水溶性炭水化物を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の立体物の製造方法。
  3. 前記水溶性炭水化物が、水溶性食物繊維または糖質であることを特徴とする請求項1または2に記載の立体物の製造方法。
  4. 前記糖質が、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、メレジトース、スタキオース、マルトテトラオースの中から選択されることを特徴とする請求項3に記載の立体物の製造方法。
  5. 前記下地部が、さらに非水溶性材料を含んでいることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の立体物の製造方法。
  6. 前記非水溶性材料が、ファイバーであることを特徴とする請求項5に記載の立体物の製造方法。
  7. 前記ファイバーがセルロースファイバーまたはアラミドファイバーであることを特徴とする請求項6に記載の立体物の製造方法。
  8. 前記下地部が下地部全体の質量の10%以上50%未満の範囲で前記ファイバーを含有することを特徴とする請求項6または7に記載の立体物の製造方法。
  9. 前記造形面が、前記造形ステージの上に設置された造形プレートの表面であって、
    前記下地部の外周長をA、厚さをBとし、前記下地部の外周に沿って前記造形面と垂直に切り出した前記造形プレートにおいて、表面に露出する前記下地部の表面積Sとしたとき、A×B<Sの関係を満たすように前記下地層を形成することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の立体物の製造方法。
  10. 前記造形プレートが造形面と交差する方向に伸びる貫通孔を有することを特徴とする請求項9に記載の立体物の製造方法。
  11. 造形面側から平面視したときの前記下地部の面積をC、前記造形プレートと前記下地部との接触面積をDとしたとき、C<Dの関係を満たすことを特徴とする請求項10に記載の立体物の製造方法。
  12. 前記下地部を形成する工程の初期において、圧力を加えながら前記造形プレートの上に前記下地部を形成する材料を積層することを特徴とする請求項11に記載の立体物の製造方法。
  13. さらに、前記下地部を水を含む溶媒に接触させる工程を有することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の立体物の製造方法。
  14. 前記下地部を水を含む溶媒に接触させる工程が、前記水を含む溶媒をシャワー状に浴びせかけることを特徴とする請求項13に記載の立体物の製造方法。
  15. さらに、前記立体物の断面形状に応じて前記造形材料が配置された材料層を形成する工程を有することを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の立体物の製造方法。
  16. 前記材料層を形成する工程が、電子写真方式を用いて前記造形材料を配置することを特徴とする請求項15に記載の立体物の製造方法。
  17. 前記造形材料が、前記立体物を構成する構造材料と前記構造材料の積層をサポートするサポート材料とを含んでおり、
    前記下地部が前記サポート材料で形成されることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の立体物の製造方法。
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