JP6897039B2 - 電池用外装材 - Google Patents
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Description
特に、2軸延伸ナイロンフィルムは、耐突き刺し性、成形性に優れた無色透明材料であるため、電池用外装材の基材層として用いられることが多かった。
しかしながら、2軸延伸ナイロンフィルムを基材層に用いた電池用外装材では、湿気などにより局所的にバリア層として用いるアルミニウム箔の光沢面上に黄変部ができ、外観が悪くなる問題があった。近年では特に電池メーカーから電池外観の良さも求められるため、このような局所的な黄変による外観の悪化を防ぐ必要があった。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において、数値範囲について「以上」、「以下」と明記している箇所を除き、「〜」で示される数値範囲は「以上」、「以下」を意味する。例えば、2〜15mmは、2mm以上15mm以下を意味する。
本発明の電池用外装材10において、基材層12の接着剤層13と反対側面には、基材保護層11を有することが好ましく、この場合、基材保護層11が最外層になり、熱融着性樹脂層15は最内層になる。すなわち、電池の組み立て時に、電池素子の周縁に位置する熱融着性樹脂層15同士を熱シールさせて電池素子を密封することにより、電池素子が封止される。
上記L*のより好ましい下限は+72.0、より好ましい上限は+78.0であり、上記a*のより好ましい下限は−5.0、より好ましい上限は+5.0である。
なお、本明細書において、上記L*a*b*色空間(CIE1976)で定義されるL*、a*及びb*は、コニカミノルタ社製の分光測色計(CM2500CB2)、観察条件2°、観察光源D65により測定された値である。
なお、上記色差変化ΔEは、下記式により求められる値である。
ΔE=(ΔL2+Δa2+Δb2)0.5
上記式中ΔL、Δa及びΔbは、いずれも上記耐久試験の前後における上述したL*、a*及びb*の差である。具体的には、上記耐久試験の前のL*、a*及びb*をそれぞれ、L*1、a*1及びb*1とし、上記耐久試験の後のL*、a*及びb*をそれぞれ、L*2、a*2及びb*2としたとき、ΔL=L*1−L*2であり、Δa=a*1−a*2であり、Δb=b*1−b*2である。
上記耐久試験をした際に上記基材層に黄変部が局所的に生じることで耐久試験の前後で色差変化ΔEが生じるが、上記方法により予め所定の黄色に着色させておくことで、上記黄変部とそれ以外の部分との色差を小さくでき、その結果、上記色差変化ΔEを1.5以下に抑制できる。
上記外側層としては、例えば、上記基材層、接着剤層及び基材保護層等が挙げられる。更に、後で詳述するが上記基材層と上記接着剤層との間に着色層を含む場合、該着色層も上記外側層に含まれる。
上記外側層の少なくとも1層に黄色顔料等を含むことで、電池としたときに上記局所的な黄変部が生じる場所より外側に黄色顔料等が含まれることとなり、該黄変部よりも外側に上述したb*の値を満たすように黄色に着色された部分が存在することとなる。その結果、電池を観察したときに上記黄変部の存在が視認し難くなり、外観不一致による不良を好適に低減させることができる。
また、上記黄色染料としては特に限定されないが、例えば、アゾ染料やピラゾロン染料等が好適に挙げられる。
なかでも、上記黄色顔料が好ましい。上記黄色顔料を含むことで、本発明の電池用外装材を耐熱性や耐候性に優れる環境衛生性の高いコーティング層とすることができる。
例えば、上記黄色顔料としてベンズイミダゾロン系顔料を含む場合、上記基材保護層及び基材層における含有量としては、例えば、2.7〜8.5質量%であることが好ましい。2.7質量%未満であると、上記b*の値が下限未満となることがあり、8.5質量%を超えると、上記b*の値が上限を超えることがある。なお、上記黄色顔料の含有量は、本発明の電池用外装材の全体を100質量%としたときの範囲であり、上記基材保護層及び基材層に黄色顔料を含有する場合、又は、上記基材保護層又は基材層に上記黄色顔料を含有する場合のいずれにおいても、上記範囲内の含有量であることが好ましい。
また、上記黄色顔料の平均粒径については特に限定されないが、例えば、好ましくは0.01〜3μm、より好ましくは0.05〜1μmが挙げられる。
なお、上記黄色顔料の平均粒径は、島津レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−2100−WJA1を使用し、圧縮空気を利用してノズルから測定対象となる粉体を噴射し、空気中に分散させて測定する噴射型乾式測定方式により測定される値である。
具体的には、上記黄色顔料としてベンズイミダゾロン系顔料を含む場合、上記接着剤層等における含有量としては、例えば、5.0〜18.4質量%であることが好ましく、上記黄色染料としてベンズイミダゾロン系顔料を含む場合、上記接着剤層等における含有量としては7.0〜25.0質量%であることが好ましい。上記黄色顔料又は上記黄色染料が上記範囲内で含有されていることで、上記基材層に局所的な黄変部が生じた場合であっても、該黄変部と他の部分との色差を低減させることができ、外観不一致による不良を低減させることができる。なお、上記接着剤層等における黄色顔料等の含有量は、上記基材層よりも内側となる層に含まれる黄色顔料等の全含有量が上記範囲内にあることが好ましい。
上記基材保護層は、本発明の電池用外装材を電池としたときに最外層となり、後述する基材層を保護する役割を果たす層である。
なお、上記基材保護層には上述した黄色顔料又は黄色染料が含まれていてもよい。
上記フィラーを含有することで上記基材保護層の表面に凹凸形状を形成でき、本発明の電池用外装材にマット感を付与することができる。
上記フィラーとしては特に限定されないが、酸化チタン、シリカ、タルク、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸塩、水酸化アルミニウム、及び、ケイ酸微粉末からなる群より選択される少なくとも1種を材料とする無機フィラーであることが好ましい。
なお、上記沈降性硫酸バリウムとは、化学反応を利用して製造した硫酸バリウムのことを指し、粒子径を制御できることを特徴としたものである。
なお、上記フィラーの含有量とは、上記基材保護層におけるフィラーの含有量であり、該基材保護層を形成するための後述する樹脂組成物から溶剤が揮発した後の含有量である。
上記樹脂成分としては、熱硬化性樹脂を含むことが好ましく、該熱硬化性樹脂としては、加熱すると重合を起こして高分子の網目構造を形成して硬化するものであればよい。
上記熱硬化性樹脂としては、具体的には、エポキシ樹脂、アミノ樹脂(メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等)、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等が挙げられる。
また、上記2液硬化性ウレタン樹脂としては、活性水素を有する多官能(メタ)アクリレート(主剤)とポリイソシアネート(硬化剤)との組み合わせからなる、多官能ウレタン(メタ)アクリレートも好ましい。
上記ポリイソシアネートとしては、具体的には、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリフェニルメタンジイソシアネート(ポリメリックMDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン(H12MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(1,5−NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニレンジイソシアネート(TODI)、キシレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族ジイソシアネート;トラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート;1,5−ナフタレンジイソシアネート(1,5−NDI)等の多環芳香族ジイソシアネート等が挙げられる。
上記アダクト体としては、具体的には、上記ポリイソシアネートに、トリメチロールプロパン、グリコール等を付加したものが挙げられる。
これらのイソシアネート系化合物は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記架橋性エラストマーは、上記基材保護層を構成する層に所望の硬さを備えさせるために、該基材保護層を構成する層の形成に使用される熱硬化性樹脂の一部として使用することができる。
また、基材保護層は、複数の層により形成されていてもよい。上記基材保護層が複数の層により形成されている場合、各層において使用される熱硬化性樹脂は、同一であっても異なってもよく、熱硬化性樹脂の種類は、各層に備えさせるべき機能や物性等に応じて適宜選択すればよい。例えば、上記基材保護層を構成する層の内、最表層を形成する層(基材層とは反対側に位置する最表層)には、優れた耐薬品性を備えるという観点から、多環芳香族骨格及び/又は複素環骨格を有している熱硬化性樹脂が好適に使用される。
上記多環芳香族骨格を有する熱硬化性樹脂として、具体的には、多環芳香族骨格を有するエポキシ樹脂、多環芳香族骨格を有するウレタン樹脂が挙げられる。
また、上記複素環骨格を有する熱硬化性樹脂として、具体的には、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のアミノ樹脂が挙げられる。
これらの多環芳香族骨格及び/又は複素環骨格を有する熱硬化性樹脂は、1液硬化型又は2液型硬化型のいずれであってもよい。
上記基材保護層は、必要に応じて、上述した黄色顔料又は黄色染料以外の顔料及び染料の少なくとも一方が含まれてもよい。
上記基材保護層が、上記顔料及び染料の少なくとも一方を含む場合、成形時の白化をより効果的に抑制することができ、さらに、耐摩耗性を向上させることもできる。また、基材保護層が、顔料及び染料の少なくとも一方を含むことにより、本発明の電池用外装材に識別性を付与(顔料及び染料の少なくとも一方によって呈色)でき、本発明の電池用外装材の表面にマットな意匠を付与したり、さらに本発明の電池用外装材の熱伝導率を高めて放熱性を向上させたりすることが可能になる。
ただし、上記顔料又は染料は、上述したL*a*b*色空間(CIE1976)で定義されるb*の範囲を外れない範囲で適宜添加され得る。
上記基材保護層の形成に使用される樹脂組成物には、該基材保護層に備えさせるべき機能性等に応じて、前述する成分の他に、必要に応じて、有機フィラー、スリップ剤、溶剤、エラストマー樹脂等の他の添加剤が含まれてもよい。
また、上記有機フィラーの形状についても、特に限定されないが、例えば、球状、繊維状、板状、不定形、バルーン状等が挙げられる。
上記基材保護層の厚みとしては、例えば、0.5〜10μm程度、好ましくは1〜9μm程度が挙げられる。
上記基材保護層は、接着層を介して基材層上に積層されていてもよい。
上記接着層を構成する接着剤又は接着性樹脂の種類や量等については、後述する接着剤層の場合と同様である。
なお、上述した黄色顔料又は黄色染料は、上記接着層に含まれていてもよい。
本発明の電池用外装材において、基材層は基材保護層の内側に設けられる層である。
上記基材層を形成する素材については、絶縁性を備えるものであることを限度として特に限定されるものではない。
上記基材層を形成する素材としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、珪素樹脂、フェノール樹脂、及びこれらの混合物や共重合物等の樹脂フィルムが挙げられる。これらの中でも、好ましくはポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂が挙げられ、より好ましくは2軸延伸ポリエステル樹脂、2軸延伸ポリアミド樹脂が挙げられる。
上記ポリエステル樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、共重合ポリエステル、ポリカーボネート等が挙げられる。
また、上記ポリアミド樹脂としては、具体的には、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体、ナイロン6,10、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等が挙げられる。
なお、上記基材層には上述した黄色顔料又は黄色染料が含まれていてもよい。
上記基材層を多層の樹脂フィルムで形成する場合、2以上の樹脂フィルムは、接着剤又は接着性樹脂などの接着成分とした接着層を介して積層させればよく、使用される接着成分の種類や量等については、後述する接着剤層の場合と同様である。なお、2層以上の樹脂フィルムを積層させる方法としては特に限定されず、公知方法が採用でき、例えば、ドライラミネート法、サンドイッチラミネート法などが挙げられ、好ましくはドライラミネート法が挙げられる。
上記ドライラミネート法により積層させる場合には、上記接着層としてウレタン系接着剤を用いることが好ましい。このとき、接着層の厚みとしては、例えば2〜5μm程度が挙げられる。
本発明の電池用外装材において、上記接着剤層は、上記基材層とバリア層とを強固に接着させるために、これらの間に必要に応じて設けられる層である。
本発明の電池用外装材において、上記バリア層は、電池用外装材の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光などが侵入することを防止するためのバリア層として機能する層である。上記バリア層は金属で構成されていることが好ましく、上記金属としては、具体的には、アルミニウム、ステンレス、チタンなどが挙げられ、好ましくはアルミニウムが挙げられる。
上記バリア層は、例えば、金属箔や、金属蒸着膜、無機酸化物蒸着膜、これらの蒸着膜を設けたフィルムなどにより形成することができ、金属箔により形成することが好ましく、アルミニウム箔により形成することがより好ましい。本発明の電池用外装材の製造時に、バリア層にしわやピンホールが発生することを防止する観点からは、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS H4160:1994 A8021H−O、JIS H4160:1994 A8079H−O、JIS H4000:2014 A8021P−O、JIS H4000:2014 A8079P−O)など軟質アルミニウム箔により形成することがさらに好ましい。
一般式(1)〜(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。また、X、R1及びR2で示されるヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基などのヒドロキシ基が1個置換された炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。上記一般式(1)〜(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基及びヒドロキシアルキル基は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記一般式(1)〜(4)において、Xは、水素原子、ヒドロキシル基又はヒドロキシアルキル基であることが好ましい。
上記一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体の数平均分子量は、例えば、500〜100万であることが好ましく、1000〜2万程度であることがより好ましい。
本発明の電池用外装材において、上記熱融着性樹脂層は、最内層に該当し、電池の組み立て時に上記熱融着性樹脂層同士が熱溶着して電池素子を密封する層である。
また、上記環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネン等の環状アルケン;具体的には、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくは環状アルケン、更に好ましくはノルボルネンが挙げられる。
上記カルボン酸変性される環状ポリオレフィンについては、上記と同様である。また、変性に使用されるカルボン酸としては、上記ポリオレフィンの変性に使用されるものと同様である。
本発明の電池用外装材において、上述したバリア層と熱融着性樹脂層とを強固に接着させるために、これらの間に必要に応じて接着層が設けられていてもよい。
本発明の電池用外装材の製造方法については、所定の組成の各層を積層させた積層体が得られる限り特に限定されないが、例えば、以下の方法が例示される。
基材保護層11は、例えば、基材保護層11を形成する上述した樹脂組成物を基材層12の表面に塗布し、加熱硬化させることに形成することができる。なお、基材層12の表面にバリア層14を積層する工程と、基材層2の表面に基材保護層11を積層する工程の順番は特に限定されない。例えば、基材層2の表面に基材保護層11を形成した後、基材層2の基材保護層11とは反対側の表面にバリア層14を形成してもよい。
本発明の電池用外装材は、正極、負極、電解質等の電池素子を密封して収容するための包装材料として使用される。
具体的には、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子を、本発明の電池用外装材で、上記正極及び負極の各々に接続された金属端子が外側に突出させた状態で、電池素子の周縁にフランジ部(熱融着性樹脂層同士が接触する領域)が形成できるようにして被覆し、上記フランジ部の熱融着性樹脂層同士をヒートシールして密封させることによって、電池用外装材を使用した電池が提供される。なお、本発明の電池用外装材を用いて電池素子を収容する場合、本発明の電池用包該装材の熱融着性樹脂層部分が内側(電池素子と接する面)になるようにして用いられる。
なお、文中、「部」又は「%」とあるのは特に断りのない限り、質量基準である。
バリア層としてのアルミニウム箔(厚さ35μm)の両面に化成処理を施し、一方の化成処理面にポリエステル系接着剤を用いて乾燥後の厚さが約3μmとなるようにして形成した接着剤層を設け、該接着剤層を介して、基材層としての2軸延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)をドライラミネート法により貼り合わせた。
次いで、バリア層としてのアルミニウム箔の他方の化成処理面に、主剤として変性ポリプロピレン系樹脂(無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合体)を、硬化剤としてエポキシ化合物を含む樹脂組成物を厚さ5μmとなるように塗布し乾燥させ、次に乾燥させた樹脂組成物の上からプロピレンとエチレンのランダムコポリマーからなるランダム層、プロピレンとエチレンのブロックコポリマーからなるブロック層、及び、プロピレンとエチレンのランダムコポリマーからなるランダム層が順次積層されている熱融着性樹脂層としてのポリプロピレンフィルム(厚さ30μm)を積層しドライラミネート法により貼り合わせて積層体を作製した。
得られた積層体の基材層側にグラビアコートで、黄色顔料としてベンズイミダゾロン系顔料(v)(乾燥後の基材保護層中の黄色顔料濃度5.5質量%)、エルカ酸アミドと、ウレタン樹脂とを含む樹脂組成物を、塗布量が1.0〜1.5g/m2となるようコーティングして基材保護層とし、基材保護層/2軸延伸ナイロンフィルム(基材層)/ポリエステル系接着剤(接着剤層)/両面化成処理が施されたアルミニウム(バリア層)/変性ポリプロピレン系接着剤(接着層)/ポリプロピレンフィルム(熱融着性樹脂層)から構成される実施例1Aに係る電池用外装材を得た。
また、基材層としての2軸延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)表面にグラビアコートで、黄色顔料としてベンズイミダゾロン系顔料(v)(乾燥後の着色層中の黄色顔料濃度5.5質量%)、エルカ酸アミドとウレタン樹脂とを含む樹脂組成物を、塗布量が1.0〜1.5g/m2となるようコーティングし着色層を形成したものを用いた以外は実施例1Aと同様に、2軸延伸ナイロンフィルム(基材層)/着色層/ポリエステル系接着剤(接着剤層)/両面化成処理が施されたアルミニウム(バリア層)/変性ポリプロピレン系接着剤(接着層)/ポリプロピレンフィルム(熱融着性樹脂層)から構成される実施例1Bに係る電池用外装材を得た。
なお、化成処理は、処理液として、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、リン酸からなる水溶液を用い、ロールコート法により塗布し、皮膜温度が180℃以上となる条件で焼付けた。また、クロムの塗布量は10mg/m2(乾燥質量)とした。
乾燥後の黄色顔料濃度を2.7質量%(実施例2A、2B)、3.8質量%(実施例3A、3B)、8.3質量%(実施例4A、4B)、0.5質量%(比較例1A、1B)とした以外は、実施例1A、1Bと同様にして電池用外装材を得た。実施例番号のあとにAをつけたものは接着剤層と反対側の基材表面上に基材保護層を設けた電池用外装材であり、実施例番号のあとにBをつけたものは基材層と接着剤層の間に着色層を設けた電池用外装材となる。
[L*a*b*色空間(CIE1976)で定義されるL*、a*及びb*]
コニカミノルタ社製分光測色計(CM2500CB2)の観察条件を2°、観察光源をD65に設定し、コーティングした基材層側表面のL*、a*、b*の測定を行った。測定は各サンプル3点測定し、その平均値を評価結果として表1に記載した。
実施例及び比較例で得られた電池用外装材を、120℃、湿度100%、圧力0.11MPa下に48時間保管した際の色差変化ΔEを以下の式に従い算出した。
ΔE=(ΔL2+Δa2+Δb2)0.5
上記式中ΔL、Δa及びΔbは、いずれも上記耐久試験の前後における上述したL*、a*及びb*の差である。具体的には、上記耐久試験の前のL*、a*及びb*をそれぞれ、L*1、a*1及びb*1とし、上記耐久試験の後のL*、a*及びb*をそれぞれ、L*2、a*2及びb*2としたとき、ΔL=L*1−L*2であり、Δa=a*1−a*2であり、Δb=b*1−b*2である。
一方、比較例1A、1Bに係る電池用外装材は、L*a*b*色空間(CIE1976)で定義されるb*(表中b*2)が小さく、耐久試験後前後の色差変化ΔEが大きく、外観不良が生じていた。
11 基材保護層
12 基材層
13 接着剤層
14 バリア層
15 熱融着性樹脂層
Claims (4)
- 基材層、接着剤層、バリア層及び熱融着性樹脂層が順次積層された電池用外装材であって、
前記基材層側より測定したL*a*b*色空間(CIE1976)で定義されるb*が、+10.0以上+45.0以下であり、
前記バリア層は、アルミニウム箔であり、
120℃、湿度100%、圧力0.11MPa下に48時間保管した際の色差変化ΔEが1.5以下であり、120℃、湿度100%、圧力0.11MPa下に48時間保管した際の色度b*の変化量Δbが1.5以下である電池用外装材。 - 前記バリア層の前記熱融着性樹脂層側と反対側面上に積層された層の少なくとも1層に黄色顔料又は黄色染料を含む請求項1記載の電池用外装材。
- 前記基材層の前記接着剤層側と反対側面上に基材保護層を有する請求項1又は2記載の電池用外装材。
- 少なくとも正極、負極、及び、電解質を備えた電池素子が電池用外装材により形成された熱シール部を備える包装体中に収容されている電池であって、
前記電池用外装材のL*a*b*色空間(CIE1976)で定義されるb*が、+10.0以上+45.0以下であり、
前記電池用外装材が、基材層、接着剤層、バリア層及び熱融着性樹脂層が順次積層されたものであり、
前記バリア層は、アルミニウム箔であり、
120℃、湿度100%、圧力0.11MPa下に48時間保管した際の色差変化ΔEが1.5以下であり、120℃、湿度100%、圧力0.11MPa下に48時間保管した際の色度b*の変化量Δbが1.5以下である電池。
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