JP6298692B2 - クリヤ塗装ステンレス鋼板 - Google Patents

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Description

本発明は、クリヤ塗装ステンレス鋼板に関する。
ステンレス鋼板は、ステンレス特有の美麗な金属光沢を活かした高級感のある外観が得られることから、家庭用や業務用の電化製品の筐体や内装材、表装材に広く使われている。特に、業務用の電化製品は家庭用の電化製品に比べて耐久性が重視される傾向にあり、耐食性に優れるステンレスが多く使われる傾向にある。
業務用の電化製品が家庭用の電化製品よりも耐久性を重視する理由としては、以下の(1)〜(4)などが挙げられる。
(1)業務用の電化製品の多くが高価であるため、頻繁に買い替えない。また、故障等が起きやすいと店舗営業に支障が出る場合があり、ユーザーに敬遠されることがある。
(2)業務用の電化製品の場合、通常、厨房等の作業場に直接設置されるため、家庭用の電化製品(例えば冷蔵庫など)と比べて水や食品の汁が直接かかる頻度が高い。このように、業務用の電化製品は腐食しやすい環境下で使用されることが多い。
(3)業務用の電化製品は汚れが付着しやすいため、頻繁に水洗や拭き掃除をされる。そのため、業務用の電化製品は清掃による表面の傷付きや磨耗が起きやすい。
(4)小規模店舗等の店舗スペースが限定される場合、業務用の電化製品は店舗外部の軒下等に設置される場合があり、直射日光を浴びることもある。
電化製品に使用されるステンレス鋼板は、非塗装で使用されるものと、表面に塗装を施して使用されるもの(以下、ステンレス鋼板の表面に塗装が施されたものを「クリヤ塗装ステンレス鋼板」という。)とに大別される。電化製品の外装材として使用されるステンレス鋼板は意匠性を付与したり、耐食性や耐汚染性等を高めたりする目的から表面を塗装して使用される場合が多い。
上述したように、特に業務用の電化製品には高い耐久性が求められるため、クリヤ塗装ステンレス鋼板にも高い耐久性が求められる。
耐磨耗性等に優れるクリヤ塗装ステンレス鋼板としては、ステンレス鋼板の表面にフッ素樹脂を含む塗料を塗装したものが提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
耐傷付き性等に優れるクリヤ塗装ステンレス鋼板としては、ステンレス鋼板の表面にアクリル樹脂を含む塗料を塗装したものが提案されている(例えば特許文献3参照)。
特許第3856183号公報 特許第4067222号公報 特開平8−183926号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載のようなフッ素樹脂を含む塗料は高価であり、製造コストが増大するため、適用範囲が限定されてしまう傾向にあった。
一方、特許文献3に記載のようなアクリル樹脂はフッ素樹脂に比べて安価であり、透明性にも優れるため、クリヤ塗装ステンレス鋼板の製造に適している。しかも、アクリル樹脂を含む塗料より形成される塗膜(クリヤ樹脂層)は、表面硬度が硬く、耐傷付き性に優れる。しかし、アクリル樹脂を含む塗料より形成される塗膜は、耐磨耗性に劣るものであった。特に、塗膜に潤滑剤が含まれている場合、塗膜が磨耗していく過程で潤滑剤が脱落しやすく、その結果、塗膜の磨耗が進行しやすい傾向にあった。
本発明の課題は、耐磨耗性に優れたクリヤ塗装ステンレス鋼板を安価に提供することにある。
ポリエステル樹脂は柔軟性に富み、加工性に優れ、しかも安価であるため、塗料用の樹脂として一般的に用いられる樹脂である。しかし、ポリエステル樹脂からなる塗膜は、その柔らかさゆえに表面硬度が低く、耐磨耗性に劣る傾向にある。そのため、耐磨耗性が要求される用途において、ポリエステル樹脂は不向きであった。
そこで、本発明者らは検討を重ねた結果、ポリエステル樹脂と潤滑剤とを併用すれば、耐磨耗性が向上することを見出した。
しかし、ポリエステル樹脂と潤滑剤とを単に併用するだけでは、ポリエステル樹脂が潤滑剤を保持しにくく、耐磨耗性の向上効果が十分に発揮されないことが分かった。
そこで、さらに検討を重ねた結果、高分子量のポリエステル樹脂と潤滑剤との組み合わせであれば、耐磨耗性の向上効果が十分に発揮されることを突き止めた。
ところが、ポリエステル樹脂はステンレス鋼板に対する密着性に劣る傾向にある。そこで、ステンレス鋼板に対する密着性に優れたアクリル樹脂を用いた塗膜を最下層(ステンレス鋼板と接する層)とし、高分子量のポリエステル樹脂と潤滑剤とを含む塗膜を最上層とする多層構造とすることで、耐磨耗性に優れたクリヤ塗装ステンレス鋼板を安価に提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
さらに、本発明者らは鋭意検討した結果、少なくとも最上層に紫外線吸収剤や光安定剤等の耐光性付与剤を含有させれば、フッ素樹脂を用いた塗膜と同等の耐光性を発現できること、最下層および最上層とを備えたクリヤ樹脂層に樹脂ビーズを存在させれば、鋼板の巻取り時の圧力により発生するプレッシャーマークを改善できることも見出した。
すなわち、本発明は以下の態様を有する。
[1] ステンレス鋼板と、該ステンレス鋼板上に形成されたクリヤ樹脂層とを具備し、前記クリヤ樹脂層は、架橋性官能基を有するアクリル樹脂(a1)およびイソシアネート樹脂(a2)を含有する熱硬化性樹脂組成物(A)を含む最下層と、数平均分子量が5000〜30000であるポリエステル樹脂(b1)を含有する熱硬化性樹脂組成物(B)およびフッ素樹脂系潤滑剤(C)を含む最上層とを備える、クリヤ塗装ステンレス鋼板。
[2] 前記最上層は、熱硬化性樹脂組成物(B)100質量部に対して、フッ素樹脂系潤滑剤(C)を1.0〜10.0質量部含む、[1]に記載のクリヤ塗装ステンレス鋼板。
[3] 前記フッ素樹脂系潤滑剤(C)の平均粒子径が、最上層の膜厚に対して0.2〜1.0倍である、[1]または[2]に記載のクリヤ塗装ステンレス鋼板。
[4] 前記クリヤ樹脂層は、平均粒子径がクリヤ樹脂層の膜厚に対して0.7〜1.5倍である樹脂ビーズ(D)を含有する、[1]〜[3]のいずれか1つに記載のクリヤ塗装ステンレス鋼板。
[5] 前記最上層は、または前記最上層および最下層は、紫外線吸収剤(e1)および光安定剤(e2)の少なくとも一方をさらに含む、[1]〜[4]のいずれか1つに記載のクリヤ塗装ステンレス鋼板
[6] 前記熱硬化性樹脂組成物(B)は、アミノ樹脂(b2)をさらに含有する、[1]〜[]のいずれか1つに記載のクリヤ塗装ステンレス鋼板。
本発明によれば、耐磨耗性に優れたクリヤ塗装ステンレス鋼板を安価に提供できる。
本発明のクリヤ塗装ステンレス鋼板の一実施形態例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明のクリヤ塗装ステンレス鋼板の一実施形態例を模式的に示す断面図である。本実施形態例のクリヤ塗装ステンレス鋼板10は、ステンレス鋼板11と、該ステンレス鋼板11上に形成されたクリヤ樹脂層12とを具備して構成されている。
なお、図1においては、説明の便宜上、寸法比は実際のものと異なったものである。
「ステンレス鋼板」
ステンレス鋼板11としては公知のものが使用される。
ステンレス鋼板11の表面(クリヤ樹脂層12と接する側の面)には、クリヤ樹脂層12との密着性を向上させる観点から、化成処理が施されて化成処理膜(図示略)が形成されていてもよい。
「クリヤ樹脂層」
本実施形態例のクリヤ樹脂層12は、最下層13と最上層14とからなる2層構造である。また、クリヤ樹脂層12は、図示略の樹脂ビーズ(D)を含有することが好ましい。
なお、本発明において、「クリヤ」とは、可視光領域の光線透過率が30%以上のことである。可視光領域の光線透過率は、分光光度計を用いて、380nm〜750nmの波長範囲で測定した光線透過率である。
クリヤ樹脂層12の可視光領域の光線透過率が30%未満であると、可視光は僅かに透過しているものの、目視ではステンレス鋼板11を殆ど見ることはできない。そのため、ステンレスの持つ美麗な外観を活かした意匠は得られない。
クリヤ樹脂層12の可視光透過率は40%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。
<最下層>
最下層13は、ステンレス鋼板11と接する層であり、架橋性官能基を有するアクリル樹脂(a1)を含有する熱硬化性樹脂組成物(A)13aを含む。最下層13は、図示略の耐光性付与剤(E)をさらに含むことが好ましい。
(熱硬化性樹脂組成物(A))
熱硬化性樹脂組成物(A)13aは、架橋性官能基を有するアクリル樹脂(a1)を含有する。
架橋性官能基を有するアクリル樹脂(a1)はステンレス鋼板11に対する密着性に優れるので、最下層13が熱硬化性樹脂組成物(A)13aを含むことで、ステンレス鋼板11と最下層13とが良好に密着する。
架橋性官能基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシシラン基などが挙げられる。
アクリル樹脂(a1)は、非官能性単量体と架橋性官能基を有する重合性単量体とを反応させることで得られる。
非官能性単量体としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸イソプロピル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロへキシル、メタクリル酸ラウリル等の脂肪族又は環式アクリート;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミドなどが挙げられる。
これら非官能性単量体は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋性官能基を有する重合性単量体としては、ヒドロキシ基含有重合性単量体、カルボキシ基含有重合体単量体、アルコキシシラン基含有重合体単量体などが挙げられる。
ヒドロキシ基含有重合性単量体は、1分子中にヒドロキシ基と重合性不飽和二重結合をそれぞれ1つ以上含有する単量体である。このような単量体としては、具体的に、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等のヒドロキシアルキルエステル;ラクトン変性水酸基含有ビニル重合モノマー(例えば、プラクセルFM1、2、3、4、5、FA−1、2、3、4、5(以上、株式会社ダイセル製)等)などが挙げられる。
カルボキシ基含有重合体単量体は、1分子中にカルボキシ基と重合性不飽和二重結合をそれぞれ1つ以上含有する単量体である。このような単量体としては、具体的に、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。
アルコキシシラン基含有重合体単量体は、1分子中にアルコキシシラン基と重合性不飽和二重結合をそれぞれ1つ以上含有する単量体である。このような単量体としては、具体的に、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタアクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
これら架橋性官能基を有する重合性単量体は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
熱硬化性樹脂組成物(A)13aは、イソシアネート樹脂(a2)をさらに含有することが好ましい。
イソシアネート樹脂(a2)は、アクリル樹脂(a1)を硬化させる架橋樹脂である。熱硬化性樹脂組成物(A)13aがイソシアネート樹脂(a2)を含有することで、アクリル樹脂(a1)が架橋構造となり、最下層13の強度が高まるとともに、ステンレス鋼板11に対する最下層13の密着性がより向上する。
イソシアネート樹脂(a2)には、常温下でも硬化反応が進行するノンブロックタイプと、イソシアネート基をフェノール類、オキシム類、活性メチレン類、ε−カプロラクタム類、トリアゾール類、ピラゾール類等のブロック剤によって封鎖することで、常温下では反応が進まないが、加熱することによって硬化反応が進行するブロックタイプとがある。
イソシアネート樹脂(a2)としては、ノンブロックタイプおよびブロックタイプのいずれも使用可能であるが、プレコート型塗装による生産を行う場合は、連続生産時の作業性に優れる点で、ブロックタイプが好ましい。
ブロックタイプのイソシアネート樹脂(a2)は、分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物である。このような化合物としては、具体的に、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート;これらイソシアネートのビューレットタイプの付加物やイソシアヌル環タイプの付加物などが挙げられる。
アクリル樹脂(a1)の架橋性官能基(例えば、OH基やCOOH基等)とイソシアネート樹脂(a2)のイソシアネート基(NCO基)との比は、当量比で架橋性官能基/NCO基=1.0/0.2〜1.0/2.0となる範囲が好ましく、1.0/0.2〜1.0/1.5となる範囲がより好ましく、1.0/0.5〜1.0/1.2となる範囲がさらに好ましい。当量比が1.0/0.2以上であれば、熱硬化性樹脂組成物(A)の架橋が十分となるため、ステンレス鋼板11に対する最下層13の密着性が向上するとともに、耐水性や耐薬品性も良好となる。一方、当量比が1.0/2.0以下であれば、イソシアネート基が適量となるため未反応のイソシアネート樹脂(a2)が残りにくくなり、熱硬化性樹脂組成物(A)の硬化性を良好に維持できる。熱硬化性樹脂組成物(A)の硬化性が良好であれば、熱硬化性樹脂組成物(A)の硬度が低下するのを抑制できるので、クリヤ樹脂層に加圧による圧痕が発生するのをより抑制できる。
熱硬化性樹脂組成物(A)13aがイソシアネート樹脂(a2)を含有する場合、熱硬化性樹脂組成物(A)13aにはアクリル樹脂(a1)とイソシアネート樹脂(a2)との架橋反応を促進させるための硬化触媒がさらに含まれていてもよい。特に、イソシアネート樹脂(a2)としてブロックタイプを用いる場合、硬化触媒はブロック剤の解離促進剤として作用するため、熱硬化性樹脂組成物(A)13aは硬化触媒を含有することが好ましい。
硬化触媒としては有機錫触媒が好ましく、具体的には、ジ−n−ブチルチンオキサイド、n−ジブチルチンクロライド、ジ−n−ブチルチンジラウリレート、ジ−n−ブチルチンジアセテート、ジ−n−オクチルチンオキサイド、ジ−n−オクチルチンジラウリレート、テトラ−n−ブチルチンなどが挙げられる。
これら硬化触媒は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
硬化触媒の含有量は、アクリル樹脂(a1)とイソシアネート樹脂(a2)の固形分の合計100質量部に対して、0.005〜0.08質量部が好ましく、0.01〜0.06質量部がより好ましい。硬化触媒の含有量が0.005質量部以上であれば、硬化触媒の効果が十分に得られる。一方、硬化触媒の含有量が0.08質量部を超えると、単に硬化触媒の効果が頭打ちするだけでなく、反応性が過剰に高くなることによってイソシネート基(NCO基)が空気中の水分等と反応するなど、アクリル樹脂(a1)の架橋性官能基(例えば、OH基やCOOH基等)との1:1反応をかえって阻害する場合がある。その結果、耐侯性が低下するなど本来の性能を発揮できなくなる恐れがある。また、イソシアネート樹脂(a2)としてノンブロックタイプを用いた場合、塗料の反応性が極端に速くなるために、アクリル樹脂(a1)とイソシアネート樹脂(a2)とを混合した後、直ちに塗装する必要性が生じ、塗装作業性が著しく低下する。
(耐光性付与剤(E))
耐光性付与剤(E)は、クリヤ塗装ステンレス鋼板10に耐光性を付与する成分である。
クリヤ塗装ステンレス鋼板10において、太陽光線などの光の影響を最も受けるのは、後述する最上層14である。そのため、クリヤ塗装ステンレス鋼板10に耐光性を付与する場合、耐光性付与剤(E)は少なくとも後述する最上層14に含まれていることが好ましい。最上層14が耐光性付与剤(E)を含んでいれば、フッ素樹脂を用いた塗膜と同等の耐光性を発現できる。
しかし、クリヤ樹脂層12においては、太陽光線などが最上層14を透過して最下層13に到達したり、さらには最下層13までも透過してステンレス鋼板11に反射したりする場合がある。そのため、より高い耐光性を発現させるためには、最下層13にも耐光性付与剤(E)が含まれていることがより好ましい。
耐光性付与剤(E)としては、紫外線吸収剤(e1)と光安定剤(e2)が挙げられ、これらのいずれか一方を用いてもよいし、両方を併用してもよい。
紫外線吸収剤(e1)としては、例えばベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、フェニルサリシレート系、シアノアクリレート系、ニッケル錯塩系、ベンゾエート系、トリアジン系などが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤の市販品としては、例えばTINUVIN PS、99−2、109、384−2、900、928、1130(以上、BASFジャパン株式会社製);SEESORB701、703、704、706、707、709(以上、シプロ化成株式会社製);JF−77、79、80、83、832、JAST−500(以上、城北化学工業株式会社製);サイアソーブUV−5411(以上、日本サイテックインダストリーズ株式会社製)などが挙げられる。
ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤の市販品としては、例えばSEESORB100、101、101S、102、103、105、106、107、151(以上、シプロ化成株式会社製);サイアソーブUV−24、UV−531(以上、日本サイテックインダストリーズ株式会社製)などが挙げられる。
フェニルサリシレート系の紫外線吸収剤の市販品としては、例えばSEESORB201、202(以上、シプロ化成株式会社製)などが挙げられる。
シアノアクリレート系の紫外線吸収剤の市販品としては、例えばSEESORB501、502(以上、シプロ化成株式会社製)などが挙げられる。
ニッケル錯塩系の紫外線吸収剤の市販品としては、例えばSEESORB612NHU(以上、シプロ化成株式会社製)などが挙げられる。
ベンゾエート系の紫外線吸収剤の市販品としては、例えばSEESORB712(以上、シプロ化成株式会社製);サイアソーブUV−2908(以上、日本サイテックインダストリーズ株式会社製)などが挙げられる。
トリアジン系の紫外線吸収剤の市販品としては、例えばTINUVIN400、405、460、477DW、479(以上、BASFジャパン株式会社製);サイアソーブUV−1164(以上、日本サイテックインダストリーズ株式会社製)などが挙げられる。
一方、光安定剤(e2)としては、例えばヒンダードアミン系などが挙げられる。
ヒンダードアミン系の光安定剤の市販品としては、例えばTINUVIN111FDL、123、144、152、292、5100(以上、BASFジャパン株式会社製);JF−90、JF−95(以上、城北化学工業株式会社製);サイアソーブUV−3853、UV−3346、UV−3529(以上、日本サイテックインダストリーズ株式会社製)などが挙げられる。
紫外線吸収剤(e1)の含有量は、熱硬化性樹脂組成物(A)13aの固形分100質量部に対して、2.0〜18.0質量部が好ましく、4.0〜16.0質量部がより好ましい。紫外線吸収剤(e1)の含有量が2.0質量部以上であれば、耐光性の効果が十分に得られる。耐光性の効果は、紫外線吸収剤(e1)の含有量が増える程得られやすくなる傾向にある。ただし、含有量が増えすぎると製造コストが増大したり、紫外線吸収剤(e1)の種類によっては最下層13が黄色や茶色に着色したりする場合がある。よって、コストや着色を考慮した場合、紫外線吸収剤(e1)の含有量は18.0質量部以下が好ましい。
光安定剤(e2)の含有量は、熱硬化性樹脂組成物(A)13aの固形分100質量部に対して、1.0〜10.0質量部が好ましく、1.5〜6.0質量部がより好ましい。光安定剤(e2)の含有量が1.0質量部以上であれば、耐光性の効果が十分に得られる。耐光性の含有量が10.0質量部以下であれば、最下層13が光安定剤(e2)により白濁するのを抑制できる。この光安定剤(e2)による最下層13の白濁は、最下層13が着色顔料を含まない場合に顕著となる傾向にある。
(他の成分)
最下層13は、透明性を有する有機顔料や無機顔料、各種パール顔料やアルミペースト等の光輝材、分散剤、消泡剤、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、湿潤剤、潤滑剤(ただし、フッ素樹脂系潤滑剤(C)を除く)などの添加剤をさらに含んでいてもよい。また、後述するフッ素樹脂系潤滑剤(C)をさらに含んでいてもよい。
(膜厚)
最下層13の膜厚は、2〜15μmが好ましく、3〜10μmがより好ましい。最下層13の膜厚が2μm以上であれば、安定的な生産が容易となる。また、耐磨耗性がより向上する。一方、最下層13の膜厚が15μm以下であれば、透明性を良好に維持できるので、意匠性により優れる。
<最上層>
最上層14は、クリヤ樹脂層12の最上に位置する層であり、数平均分子量が5000〜30000であるポリエステル樹脂(b1)を含有する熱硬化性樹脂組成物(B)14bおよびフッ素樹脂系潤滑剤(C)14cを含む。最上層14は、図示略の耐光性付与剤(E)をさらに含むことが好ましい。
(熱硬化性樹脂組成物(B))
熱硬化性樹脂組成物(B)14bは、数平均分子量が5000〜30000であるポリエステル樹脂(b1)を含有する。
数平均分子量が5000〜30000であるポリエステル樹脂(b1)は、高分子量のポリエステル樹脂に分類され、弾性に優れる。よって、ポリエステル樹脂(b1)は後述するフッ素樹脂系潤滑剤(C)14cに対する保持力に優れ、フッ素樹脂系潤滑剤(C)14cによる高い耐磨耗性を長期にわたって発現することができる。
ポリエステル樹脂(b1)の数平均分子量が5000未満であると、柔軟性が損なわれ、フッ素樹脂系潤滑剤(C)14cが脱落して耐磨耗性が低下する。一方、ポリエステル樹脂(b1)の数平均分子量が30000を超えると、後述するアミノ樹脂(b2)との架橋反応性が低下したり、最上層14を形成する際に良好な流動性が得られにくくなったりするため、期待される性能を有した塗膜の形成が困難となる。
ポリエステル樹脂(b1)の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定し、標準ポリスチレンで換算した値である。
ポリエステル樹脂(b1)の数平均分子量は、ポリエステル樹脂(b1)を製造する際の条件(例えば、重合温度、重合開始剤の種類や量等)によって調整することができる。
ポリエステル樹脂(b1)としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の架橋性官能基を有する樹脂が挙げられ、多価アルコールと多価カルボン酸とを反応させることで得られる。
多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,8−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,3−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)ジメチルヒダントイン、ポリエトフメチレンエーテルグリコール、ポリカプロラクトンポリオール、グリセリン、ソルビトール、アンニトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−(ヒドロキシエチル)イソシアナートなどが挙げられる。
これら多価アルコールは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価カルボン酸としては、例えばフタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、無水コハク酸、乳酸、ドデセニルコハク酸、ドデセニル無水コハク酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、無水エンド酸などが挙げられる。
これら多価カルボン酸は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
熱硬化性樹脂組成物(B)14bは、アミノ樹脂(b2)をさらに含有することが好ましい。
アミノ樹脂(b2)は、ポリエステル樹脂(b1)を硬化させる架橋樹脂である。熱硬化性樹脂組成物(B)14bがアミノ樹脂(b2)を含有することで、ポリエステル樹脂(b1)が架橋構造となり、最上層14の強度が高まるとともに、最下層13に対する最上層14の密着性が向上する。
アミノ樹脂(b2)は、アミノ化合物(例えばメラミン、グアナミン、尿素など)とホルムアルデヒド(ホルマリン)とを付加反応させ、アルコールで変性した樹脂の総称であり、具体的には、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、ブチル化尿素樹脂、ブチル化尿素メラミン樹脂、グリコールウリル樹脂、アセトグアナミン樹脂、シクロヘキシルグアナミン樹脂などがある。これらの中でも、反応速度と加工性の両面を考慮して、メラミン樹脂が好ましい。
また、メラミン樹脂は、変性するアルコールの種類によってメチル化メラミン樹脂、n−ブチル化メラミン樹脂、イソブチル化メラミン樹脂、混合アルキル化メラミン樹脂などに分類される。これらの中でも、反応性に優れ、かつ可とう性とのバランスに優れる点で、メチル化メラミン樹脂が特に好ましい。
アミノ樹脂(b2)の含有量は固形分換算で、ポリエステル樹脂(b1)の固形分100質量部に対して、15〜50質量部が好ましく、25〜40質量部がより好ましい。アミノ樹脂(b2)の含有量が15質量部以上であれば、最上層14の架橋密度が上がるので、最下層13に対する密着性がより向上する。また、最上層14の表面硬度が十分なものとなるので、耐傷付き性が高まる。一方、アミノ樹脂(b2)の含有量が50質量部以下であれば、最上層14の柔軟性が上がるので、後述するフッ素樹脂系潤滑剤(C)14cをより保持しやすくなり、耐磨耗性がより高まる。また、加工による割れを抑制できる。
熱硬化性樹脂組成物(B)14bがアミノ樹脂(b2)を含有する場合、熱硬化性樹脂組成物(B)14bにはポリエステル樹脂(b1)とアミノ樹脂(b2)との架橋反応を促進させるための硬化触媒がさらに含まれていてもよい。
硬化触媒としてはスルホン酸系やアミン系の硬化触媒が使用されるが、最上層14の表面硬度をより高める目的で、より反応性の高いスルホン酸系の硬化触媒である、p−トルエンスルホン酸やドデシルベンゼンスルホン酸を用いることが好ましい。
また、詳しくは後述するが、最上層14等を形成する際には、通常、熱硬化性樹脂組成物(B)14b等を含む塗料を調製し、この塗料を用いて最上層14を形成する。塗料の貯蔵安定性を向上させる観点から、硬化触媒としては、アミン等によって反応基が封鎖して常温下での反応を抑制されたブロック型酸触媒を用いることもできる。これらブロック型酸触媒としては、上述したスルホン酸系の硬化触媒のアミンブロックタイプなどが挙げられる。
これら硬化触媒は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
硬化触媒の含有量は、ポリエステル樹脂(b1)とアミノ樹脂(b2)の固形分の合計100質量部に対して、0.1〜4.0質量部が好ましい。硬化触媒の含有量が0.1質量部以上であれば、硬化触媒の効果が十分に得られる。硬化触媒の含有量が4.0質量部を超えても、硬化触媒の効果が頭打ちとなるだけでなく、塗料の貯蔵安定性が低下する場合がある。
(フッ素樹脂系潤滑剤(C))
フッ素樹脂系潤滑剤(C)14cは、最上層14に耐磨耗性を付与する成分である。
ところで、通常、塗料に配合される潤滑剤としては、固形のワックス類(ワックス系潤滑剤)が用いられる。ワックス系潤滑剤は、塗膜の乾燥硬化過程において塗膜の表層部分に配向・偏在することで、塗膜に潤滑性を付与するものである。しかし、塗膜の表面が摩擦により削られると、ワックス系潤滑剤も一緒に除去されてしまうため、残りの塗膜に存在するワックス系潤滑剤の量が減り、その結果、耐磨耗性の急激な低下を招く。ワックス系潤滑剤を多量に配合した場合においても、これらは塗膜の表層部分に偏在するため、表層部分に存在するワックス系潤滑剤の量が一定以上に到達すると、それ以上の潤滑性の向上は望めない。そのため、上述したように塗膜の表面が摩擦により削られると、残りの塗膜に存在するワックス系潤滑剤の量が減るため、耐磨耗性が低下する。
対して、フッ素樹脂系潤滑剤(C)14cは、ワックス系潤滑剤と比べて塗膜(最上層14)の表層部分に偏在する程度が低く、最上層14の膜厚方向にも均一に存在しやすい。そのため、仮に最上層14の表面が摩擦によって削られたとしても、残りの最上層14にも十分な量のフッ素樹脂系潤滑剤(C)14cが存在するため、耐磨耗性が急激に減少するおそれがない。
フッ素樹脂系潤滑剤(C)14cは、一般にフッ素樹脂を主体とした粉末で、それ自体が低い摩擦係数を有しており、潤滑性、耐磨耗性に優れた性能を発揮する。
フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体などが挙げられる。
フッ素樹脂系潤滑剤(C)14cの市販品としては、例えばFLUON PTFE L150J、L169J、L170J、L172J、L−173J(以上、旭硝子株式会社製);DYNEON PTFE マイクロパウダー TF9201Z、TF9205、TF9207Z(以上、住友スリーエム株式会社製);ルブロンL−2、L−5、L−5F(以上、ダイキン工業株式会社製);KTL−1N、2N、4N、8N、8HM、8F、10N、20N、500F(以上、株式会社喜多村製)などが挙げられる。
フッ素樹脂系潤滑剤(C)14cの平均粒子径は、最上層14の膜厚に対して0.2〜1.0倍が好ましく、0.5〜1.0倍がより好ましく、0.7〜1.0倍が特に好ましい。フッ素樹脂系潤滑剤(C)14cの平均粒子径が最上層14の膜厚に対して0.2倍以上であれば、耐磨耗性の付与効果が十分に得られる。一方、フッ素樹脂系潤滑剤(C)14cの平均粒子径が最上層14の膜厚に対して1.0倍以下であれば、摩擦により最上層14の表面が削られたとしても、フッ素樹脂系潤滑剤(C)14cが脱落しにくく、耐磨耗性を良好に維持できる。また、詳しくは後述するが、最上層14の形成に用いる塗料中でフッ素樹脂系潤滑剤(C)14cが沈降しにくく、分散しやすいため、塗装作業性にも優れる。
フッ素樹脂系潤滑剤(C)14cの平均粒子径は、レーザー回折散乱法によって測定された値である。
フッ素樹脂系潤滑剤(C)14cの含有量は、熱硬化性樹脂組成物(B)14bの固形分100質量部に対して、1.0〜10.0質量部が好ましく、2〜8質量部がより好ましい。フッ素樹脂系潤滑剤(C)14cの含有量が1.0質量部以上であれば、耐磨耗性の付与効果が十分に得られる。耐磨耗性の付与効果は、フッ素樹脂系潤滑剤(C)14cの含有量が増える程得られやすくなる傾向にある。ただし、含有量が増えすぎても効果が頭打ちとなるだけでなく、塗料中でフッ素樹脂系潤滑剤(C)14cが沈降したり、塗料が発泡したりしやすくなり、塗装作業性が低下する場合がある。よって、フッ素樹脂系潤滑剤(C)14cの含有量は10.0質量部以下が好ましい。
(耐光性付与剤(E))
上述したように、最上層14が耐光性付与剤(E)をさらに含んでいれば、フッ素樹脂を用いた塗膜と同等の耐光性を発現できる。
耐光性付与剤(E)としては、紫外線吸収剤(e1)と光安定剤(e2)が挙げられ、これらのいずれか一方を用いてもよいし、両方を併用してもよい。
紫外線吸収剤(e1)および光安定剤(e2)としては、最下層13の説明において先に例示した紫外線吸収剤(e1)および光安定剤(e2)が挙げられる。
紫外線吸収剤(e1)の含有量は、熱硬化性樹脂組成物(B)14bの固形分100質量部に対して、2.0〜18.0質量部が好ましく、4.0〜16.0質量部がより好ましい。紫外線吸収剤(e1)の含有量が2.0質量部以上であれば、耐光性の効果が十分に得られる。耐光性の効果は、紫外線吸収剤(e1)の含有量が増える程得られやすくなる傾向にある。ただし、含有量が増えすぎると製造コストが増大したり、紫外線吸収剤(e1)の種類によっては最上層14が黄色や茶色に着色したりする場合がある。よって、コストや着色を考慮した場合、紫外線吸収剤(e1)の含有量は18.0質量部以下が好ましい。
光安定剤(e2)の含有量は、熱硬化性樹脂組成物(B)14bの固形分100質量部に対して、1.0〜10.0質量部が好ましく、1.5〜6.0質量部がより好ましい。光安定剤(e2)の含有量が1.0質量部以上であれば、耐光性の効果が十分に得られる。耐光性の含有量が10.0質量部以下であれば、最上層14が光安定剤(e2)により白濁するのを抑制できる。この光安定剤(e2)による最上層14の白濁は、最上層14が着色顔料を含まない場合に顕著となる傾向にある。
(他の成分)
最上層14は、透明性を有する有機顔料や無機顔料、各種パール顔料やアルミペースト等の光輝材、分散剤、消泡剤、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、湿潤剤、潤滑剤(ただし、フッ素樹脂系潤滑剤(C)を除く)などの添加剤をさらに含んでいてもよい。
(膜厚)
最上層14の膜厚は、5〜30μmが好ましく、10〜20μmがより好ましい。最上層14の膜厚が5μm以上であれば、摩擦による最上層14からのフッ素樹脂系潤滑剤(C)14cの脱落が遅くなるため、長期にわたって高い耐磨耗性を発現できる。一方、最上層14の膜厚が30μm以下であれば、透明性を良好に維持できるので、意匠性により優れる。
最上層14の膜厚は、最下層13の膜厚以上であることが好ましく、最下層13の膜厚よりも厚いことがより好ましく、具体的には、最下層13の膜厚に対して1〜10倍が好ましく、2〜5倍がより好ましい。
<樹脂ビーズ(D)>
樹脂ビーズ(D)は、クリヤ樹脂層12に耐プレッシャーマーク性を付与する成分である。
ここで、「プレッシャーマーク」とは、塗装された平板を重ねて積み上げた場合や、コイル巻き状態で保管する際に、塗膜表面が圧力によって押し潰される形となって生じる圧痕のことである。通常、この圧痕は、塗膜表面の全面的もしくは部分的な光沢の低下、または光沢の上昇として観察される。プレッシャーマークが発生すると、これらの光沢の変化がムラ状に発生してしまうことから、意匠性が低下し、商品価値を損ねることとなる。
プレッシャーマークの発生を抑制するためには、クリヤ塗装ステンレス鋼板10を複数重ねたり、長尺なクリヤ塗装ステンレス鋼板10をコイル巻き状態にしたりして保管する際(以下、これらを総称して「クリヤ塗装ステンレス鋼板の保管時」ということもある。)に、下側のクリヤ塗装ステンレス鋼板10のクリヤ樹脂層12と、上側のクリヤ塗装ステンレス鋼板10のステンレス鋼板11との接触面積を小さくすることで達成できる。この接触面積を小さくするには、クリヤ樹脂層12の表面の粗度を上げればよく、クリヤ樹脂層12が樹脂ビーズ(D)を含有していれば、クリヤ樹脂層12の表面の粗度を上げることができる。
樹脂ビーズ(D)の材料となる樹脂としては特に限定されないが、例えばアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、スチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ビーズ自体の硬度が高く、また透明性を有しており、さらに上述したアクリル樹脂(a1)との相溶性に優れる点で、アクリル樹脂系のビーズ(アクリル樹脂ビーズ)が好ましい。また、詳しくは後述するが、樹脂ビーズ(D)はクリヤ樹脂層12の形成に用いる塗料に配合して用いるが、この塗料が溶剤系である場合、樹脂ビーズ(D)には耐溶剤性が求められる点から、樹脂ビーズ(D)としては架橋型の樹脂ビーズがより好ましい。
架橋型のアクリル樹脂ビーズの市販品としては、例えばアートパールA−400、G−200、G−400、G−600、G−800、GR−200、GR−300、GR−400、GR−600、GR−800、J−4P、J−5P、J−7P、S−5P(以上、根上工業株式会社製);テクポリマーMBX−8、MBX−12、MBX−15、MBX−30、MBX−40、MBX−50、MB20X−5、MB20X−30、MB30X−5、MB30X−8、MB30X−20、BM30X−5、BM30X−8、BM30X−12、ARX−15、ARX−30、MBP−8、ACP−8(以上、積水化成品工業株式会社製);ケミスノーMX−150、MX−180TA、MX−300、MX−500、MX−500H、MX−1000、MX−1500H、MX−2000、MX−3000、MR−2HG、MR−7HG、MR−10HG、MR−3GSN、MR−2G、MR−7G、MR−10G、MR−20G、MR−30G、MR−60G、MR−90G、MZ−10HN、MZ−12H、MZ−16H、MZ−20HN(綜研化学株式会社製);スタフィロイドAC−3355、AC−3816、AC−3832、AC−4030、AC−3364、GM−0401S、GM−0801、GM−1001、GM−2001、GM−2801、GM−4003、GM−5003、GM−9005、GM−6292(以上、ガンツ化成株式会社製)などが挙げられる。
架橋型のウレタン樹脂ビーズの市販品としては、例えばアートパールC−100、C−200、C−300、C−400、C−800、CZ−400、P−400T、P−800T、HT−400BK、U−600T、CF−600T、MT−400BR、MT−400YO(以上、根上工業株式会社製)などが挙げられる。
樹脂ビーズ(D)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂ビーズ(D)の平均粒子径は、クリヤ樹脂層12の膜厚に対して0.7〜1.5倍が好ましく、0.8〜1.2倍がより好ましい。樹脂ビーズ(D)の平均粒子径が上記範囲内であれば、樹脂ビーズ(D)の一部がクリヤ樹脂層12の表面(最上層14側の表面)に露出しやすくなり、クリヤ塗装ステンレス鋼板10の保管時に、下側のクリヤ塗装ステンレス鋼板10のクリヤ樹脂層12と、上側のクリヤ塗装ステンレス鋼板10のステンレス鋼板11との接触面積を小さくできる。しかも、露出した樹脂ビーズ(D)が、下側のクリヤ塗装ステンレス鋼板10と上側のクリヤ塗装ステンレス鋼板10との間で、支え(つっかえ棒)の役割を果たす。その結果、下側のクリヤ塗装ステンレス鋼板10のクリヤ樹脂層12に圧力が加わっても、支えとなっている樹脂ビーズ(D)によりクリヤ樹脂層12が変形するのを抑制できる。すなわち、クリヤ樹脂層12に圧痕が残りにくく、耐プレッシャーマーク性が向上する。特に、樹脂ビーズ(D)の平均粒子径がクリヤ樹脂層12の膜厚に対して0.7倍以上であれば、樹脂ビーズ(D)の一部がクリヤ樹脂層12の表面に露出しやすくなり、上記接触面積を小さくできる。一方、樹脂ビーズ(D)の平均粒子径がクリヤ樹脂層12の膜厚に対して1.5倍以下であれば、樹脂ビーズ(D)がクリヤ樹脂層12の表面に過剰に露出するのを抑制でき、クリヤ樹脂層12の表面のザラツキが抑えられる。また、クリヤ樹脂層12の外観も良好に維持できる。
樹脂ビーズ(D)の平均粒子径は、レーザー回折散乱法によって測定された値である。
樹脂ビーズ(D)は、平均粒子径が上記範囲内を維持しつつ、クリヤ樹脂層12中に存在していれば、最下層13、最上層14のいずれに含まれていてもよい。上述したように、樹脂ビーズ(D)はクリヤ塗装ステンレス鋼板10の保管時の上記接触面積を小さくする他、クリヤ樹脂層12に圧力が加わったときにクリヤ樹脂層12が変形するのを抑制する役割も果たす。このクリヤ樹脂層12の変形を抑制する効果(変形抑制効果)を十分に発現させるには、樹脂ビーズ(D)は少なくとも最下層13に含まれていることが好ましく、最下層13と最上層14の両方に含まれていることがより好ましい。これにより、クリヤ樹脂層12に加わる圧力による樹脂ビーズ(D)の沈み込みが抑制され、樹脂ビーズ(D)が支えとしての役割を十分に発揮できる。
クリヤ樹脂層12中の樹脂ビーズ(D)の含有量は、熱硬化性樹脂組成物(A)13aの固形分100質量部に対して、0.2〜5.0質量部が好ましく、0.5〜3.0質量部がより好ましい。樹脂ビーズ(D)の含有量が0.2質量部以上であれば、耐プレッシャーマーク性がより向上する。一方、樹脂ビーズ(D)の含有量が5.0質量部以下であれば、クリヤ塗装ステンレス鋼板10の光沢が低下するのを抑制でき、意匠性を良好に維持できる。また、上述したように、樹脂ビーズ(D)は最下層13と最上層14の両方に存在していることが好ましいが、樹脂ビーズ(D)の含有量が5.0質量部以下であれば、樹脂ビーズ(D)が最上層14に存在していても最上層14の弾性に影響を与えにくい。すなわち、ポリエステル樹脂(b1)によるフッ素樹脂系潤滑剤(C)14cの保持力は樹脂ビーズ(D)によって影響されにくく、耐磨耗性を良好に維持できる。
<クリヤ塗装ステンレス鋼板の製造方法>
本実施形態のクリヤ塗装ステンレス鋼板10は、ステンレス鋼板11上に最下層13を形成した後、該最下層13上に最上層14を形成すること(クリヤ樹脂層形成工程)で得られる。
なお、ステンレス鋼板11上に最下層13を形成するに先立ち、上述したようにステンレス鋼板11を化成処理することが好ましい(化成処理膜形成工程)。
(化成処理膜形成工程)
化成処理膜形成工程は、ステンレス鋼板11の少なくとも一方の面(最下層13が形成される側の面)に化成処理液を塗装し、乾燥させて化成処理膜を形成する工程である。
化成処理液には、クロメートタイプとノンクロメートタイプがあるが、環境に対する配慮の観点からノンクロメートタイプが好ましい。
ノンクロメートタイプの化成処理液は、カップリング剤と、水または溶剤等の溶媒と、必要に応じて架橋剤や液状防錆剤とを含むものである。
化成処理液に用いられるカップリング剤としては、環境問題を考慮してノンクロメートが好ましく、具体的にはN−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン系カップリング剤;2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシラン系カップリング剤などが挙げられる。
これらカップリング剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
化成処理液に用いられる溶剤としては特に限定されず、例えばトルエン、キシレン、ベンゼン、シクロヘキサン、ヘキサン等の炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル化合物;ジエチルエーテル等のエーテル化合物;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒などが挙げられる。
これら溶剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
化成処理は、化成処理液を付着量が2〜50mg/m(蛍光X線にてSiO量を測定)になるようにステンレス鋼板11の表面に塗装し、乾燥することで行われる。
化成処理液の塗装方法としては、スプレー、ロールコート、バーコート、カーテンフローコート、静電塗布等の方法を用いることができる。
化成処理液の乾燥は、ステンレス鋼板11に塗装された化成処理液中の溶媒を蒸発させればよく、その温度はステンレス鋼板11の素材最高到達温度(PMT)が60〜140℃程度が適当である。
なお、化成処理を行うに際し、必要に応じてアルカリ脱脂や酸、アルカリによるエッチング等の公知の前処理をステンレス鋼板11の表面に施してもよい。
(クリヤ樹脂層形成工程)
クリヤ樹脂層形成工程は、最下層形成工程と、最上層形成工程とを有する。
最下層形成工程は、ステンレス鋼板11またはステンレス鋼板11の表面に形成された化成処理膜上に、最下層形成用塗料(以下、「塗料(A)」ともいう。)を塗装し、硬化させて最下層13を形成する工程である。
塗料(A)は、熱硬化性樹脂組成物(A)と、溶剤と、必要に応じて耐光性付与剤(E)やフッ素樹脂系潤滑剤(C)等とを含むものである。また、樹脂ビーズ(D)を含有するクリヤ樹脂層12を形成するには、塗料(A)に樹脂ビーズ(D)を配合することが好ましい。
塗料(A)に用いられる溶剤としては、化成処理液の説明において先に例示した溶剤が挙げられる。
塗料(A)の塗装方法としては、化成処理液の塗装方法と同様の方法が挙げられる。
塗料(A)を塗装した後の硬化条件は、素材最高到達温度が190〜250℃となるように加熱することが好ましい。素材最高到達温度が190℃未満であると、硬化反応が十分に進まず、最下層13の表面硬度が低下するだけでなく、ステンレス鋼板11と最下層13との密着性が低下することがある。一方、素材最高到達温度が250℃を超えると、硬化反応が飽和するだけでなく、クリヤ塗装ステンレス鋼板10が黄変して意匠性を低下させることがある。
最上層形成工程は、最下層13上に、最上層形成用塗料(以下、「塗料(B)」ともいう。)を塗装し、硬化させて最上層14を形成する工程である。
塗料(B)は、熱硬化性樹脂組成物(B)と、フッ素樹脂系潤滑剤(C)と、溶剤と、必要に応じて耐光性付与剤(E)や樹脂ビーズ(D)等とを含むものである。
塗料(B)に用いられる溶剤としては、化成処理液の説明において先に例示した溶剤が挙げられる。
塗料(B)の塗装方法、および塗料(B)の塗装した後の硬化条件は、塗料(A)と同様である。
<作用効果>
以上説明した本発明のクリヤ塗装ステンレス鋼板によれば、クリヤ樹脂層が多層構造であり、クリヤ樹脂層の最下層が上述した熱硬化性樹脂組成物(A)を含むので、ステンレス鋼板との密着性に優れる。また、クリヤ樹脂層の最上層が上述した熱硬化性樹脂組成物(B)とフッ素樹脂系潤滑剤(C)とを含むので、耐磨耗性に優れる。耐磨耗性に優れる理由は以下の通りである。
熱硬化性樹脂組成物(B)に含まれるポリエステル樹脂(b1)は高分子量であるため弾性に優れる。よって、フッ素樹脂系潤滑剤(C)を強固に保持できるので、フッ素樹脂系潤滑剤(C)の効果が十分に発揮され、耐磨耗性が向上するものと考えられる。
また、熱硬化性樹脂組成物(A)および熱硬化性樹脂組成物(B)に含まれる各樹脂はフッ素樹脂に比べて安価である。
よって、本発明であれば、耐磨耗性に優れたクリヤ塗装ステンレス鋼板を安価に提供できる。
さらに、少なくとも最上層が紫外線吸収剤や光安定剤等の耐光性付与剤(E)を含有していれば、フッ素樹脂を用いた塗膜と同等の耐光性を発現できる。また、クリヤ樹脂層が樹脂ビーズを含有していれば、プレッシャーマークも改善できる。
<用途>
本発明のクリヤ塗装ステンレス鋼板は、家庭用や業務用の電化製品、電子機器製品の筐体や内装材、表装材として好適に使用される。特に、耐久性が重視される業務用の電化製品の筐体や内装材、表装材に適している。
<他の実施形態>
本発明のクリヤ塗装ステンレス鋼板は、上述したものに限定されない。図1に示すクリヤ塗装ステンレス鋼板10は、2層構造のクリヤ樹脂層12を備えているが、最下層13と最上層14との間に1層以上の他の層(中間層)が積層された3層以上のクリヤ樹脂層を備えたものでもよい。
また、図1に示すクリヤ塗装ステンレス鋼板10は、ステンレス鋼板11の一方の面にクリヤ樹脂層12が形成されているが、ステンレス鋼板11の他方の面にもクリヤ樹脂層が形成されていてもよい。以下、ステンレス鋼板11の一方の面に形成されたクリヤ樹脂層12を「第一のクリヤ樹脂層」といい、ステンレス鋼板11の他方の面に形成されたクリヤ樹脂層を「第二のクリヤ樹脂層」という。また、第一のクリヤ樹脂層が形成されている側のステンレス鋼板の面を「ステンレス鋼板の表面」といい、第二のクリヤ樹脂層が形成されている側のステンレス鋼板の面を「ステンレス鋼板の裏面」という。
上述したように、プレッシャーマークは鋼板の巻取り時等の圧力により発生するものであるが、クリヤ塗装ステンレス鋼板が第二のクリヤ樹脂層をさらに備えていれば、プレッシャーマークをより効果的に改善できる。かかる理由は以下のように考えられる。
ステンレス鋼板の裏面に第二のクリヤ樹脂層が形成されていない場合、クリヤ塗装ステンレス鋼板の保管時に、下側のクリヤ塗装ステンレス鋼板の第一のクリヤ樹脂層が上側のクリヤ塗装ステンレス鋼板のステンレス鋼板に直接接することになる。一方、ステンレス鋼板の裏面に第二のクリヤ樹脂層が形成されていれば、下側のクリヤ塗装ステンレス鋼板の第一のクリヤ樹脂層は、上側のクリヤ塗装ステンレス鋼板の第二のクリヤ樹脂層と接することになる。第二のクリヤ樹脂層はステンレス鋼板よりも柔らかく、下側のクリヤ塗装ステンレス鋼板の第一のクリヤ樹脂層と、上側のクリヤ塗装ステンレス鋼板の第二のクリヤ樹脂層との硬度差が小さくなる。よって、下側のクリヤ塗装ステンレス鋼板の第一のクリヤ樹脂層に加わる圧力をより緩和することができ、プレッシャーマークの発生をより抑制できる。
第二のクリヤ樹脂層は、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。ここでは、単層構造の第二のクリヤ樹脂層について説明する。
第二のクリヤ樹脂層は、熱硬化性樹脂組成物(F)を含む層である。熱硬化性樹脂組成物(F)に含まれる樹脂としては、ステンレス鋼板に対して密着性を有する樹脂であれば特に限定されないが、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、アミノ樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。
第二のクリヤ樹脂層には、樹脂ビーズ(D)が含まれていることが好ましい。第二のクリヤ樹脂層が樹脂ビーズ(D)を含んでいれば、耐プレッシャーマーク性がより向上する。
第二のクリヤ樹脂層に含まれる樹脂ビーズ(D)の平均粒子径は、第二のクリヤ樹脂層の膜厚に対して0.7〜5.0倍が好ましく、1.0〜3.0倍がより好ましい。樹脂ビーズ(D)の平均粒子径が第二のクリヤ樹脂層の膜厚に対して0.7倍以上であれば、樹脂ビーズ(D)の一部が第二のクリヤ樹脂層の表面に露出しやすくなる。よって、クリヤ塗装ステンレス鋼板の保管時に、下側のクリヤ塗装ステンレス鋼板の第一のクリヤ樹脂層と、上側のクリヤ塗装ステンレス鋼板の第二のクリヤ樹脂層との接触面積を小さくできる。一方、樹脂ビーズ(D)の平均粒子径が第二のクリヤ樹脂層の膜厚に対して5.0倍以下であれば、樹脂ビーズ(D)が第二のクリヤ樹脂層の表面に過剰に露出するのを抑制できる。よって、クリヤ塗装ステンレス鋼板の保管時に、下側のクリヤ塗装ステンレス鋼板の第一のクリヤ樹脂層に、上側のクリヤ塗装ステンレス鋼板の第二のクリヤ樹脂層に含まれる樹脂ビーズ(D)による凹凸痕が残りにくくなる。
第二のクリヤ樹脂層に含まれる樹脂ビーズ(D)としては、第一のクリヤ樹脂層の説明において先に例示した樹脂ビーズ(D)が挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
「熱硬化性樹脂組成物(A)の調製」
<熱硬化性樹脂組成物(A−1)の調製>
温度計、還流冷却器、攪拌器、滴下ロート、窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコにトルエン25質量部と、酢酸ブチル24質量部とを投入し、110℃まで昇温し窒素ガスを吹き込みながら攪拌し、メタアクリル酸メチル16質量部、スチレン5質量部、メタアクリル酸n−ブチル19.5質量部、メタアクリル酸2−ヒドロキシエチル9質量部、アクリル酸メチル0.5質量部、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1質量部からなる原料の混合物を3時間かけて滴下し、滴下終了後さらにAIBNを追加して同温度でさらに3時間反応させることにより、不揮発分50質量%のアクリル系共重合体(アクリル樹脂(a1−1))を得た。このアクリル樹脂(a1−1)100質量部をキシレン60質量部に溶解させ、アクリル樹脂溶液(a1−2)を得た。
得られたアクリル樹脂溶液(a1−2)と、イソシアネート樹脂溶液(a2)としてブロックタイプのイシシアネート樹脂溶液(住化バイエルウレタン株式会社製、「デスモジュールVPLS2253」、NCO基含有率10.5%)とを、アクリル樹脂溶液(a1−2)のヒドロキシ基(OH基)と、イソシアネート樹脂溶液(a2)のイソシアネート基(NCO基)との比が、当量比でOH基/NCO基=1/1となるように混合し、熱硬化性樹脂組成物(A−1)を得た。
<熱硬化性樹脂組成物(A−2)の調製>
OH基/NCO基=1/0.9となるようにアクリル樹脂溶液(a1−2)とイソシアネート樹脂溶液(a2)とを混合した以外は、熱硬化性樹脂組成物(A−1)の調製と同様にして、熱硬化性樹脂組成物(A−2)を得た。
<熱硬化性樹脂組成物(A−3)の調製>
OH基/NCO基=1/1.1となるようにアクリル樹脂溶液(a1−2)とイソシアネート樹脂溶液(a2)とを混合した以外は、熱硬化性樹脂組成物(A−1)の調製と同様にして、熱硬化性樹脂組成物(A−3)を得た。
「熱硬化性樹脂組成物(B)の調製」
<熱硬化性樹脂組成物(B−1)〜(B−10)の調製>
表1に示す配合組成(固形分量)に従って、ポリエステル樹脂(b1)とアミノ樹脂(b2)とを混合し、熱硬化性樹脂組成物(B−1)〜(B−10)を得た。
Figure 0006298692
なお、表1中の略号は以下の通りである。
・b1−1:高分子ポリエステル樹脂(東洋紡株式会社製、「バイロンGK130」、数平均分子量:7000)
・b1−2:高分子ポリエステル樹脂(東洋紡株式会社製、「バイロンGK250」、数平均分子量:10000)
・b1−3:高分子ポリエステル樹脂(東洋紡株式会社製、「バイロンGK570」、数平均分子量:20000)
・b1−4:高分子ポリエステル樹脂(東洋紡株式会社製、「バイロン822」、数平均分子量:15000)
・b1−5:高分子ポリエステル樹脂(東洋紡株式会社製、「バイロン802」、数平均分子量:3000)
・b2−1:メチル化メラミン樹脂溶液(三井サイテック株式会社製、「サイメル701」)
・b2−2:n−ブチル化メラミン樹脂溶液(三井化学株式会社製、「ユーバン20SE60」)
「熱硬化性樹脂組成物(F)の調製」
<熱硬化性樹脂組成物(F−1)の調製>
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂溶液(三井化学株式会社製、「エポキー803」)100質量部と、メチル化メラミン樹脂溶液(三井サイテック株式会社製、「サイメル703」)20質量部とを混合し、熱硬化性樹脂組成物(F−1)を得た。
「フッ素樹脂系潤滑剤(C)」
フッ素樹脂系潤滑剤(C)として、以下に示す化合物を用いた。
・C−1:ポリテトラフルオロエチレン(株式会社喜多村製、「KTL−8N」、平均粒子径4μm)
・C−2:ポリテトラフルオロエチレン(住友スリーエム株式会社製、「ダイニオン TF9205」、平均粒子径8μm)
・C−3:ポリテトラフルオロエチレン(株式会社喜多村製、「KTL−610」、平均粒子径12μm)
・C−4:ポリテトラフルオロエチレン(株式会社喜多村製、「KTL−500F」、平均粒子径2μm)
「樹脂ビーズ(D)」
樹脂ビーズ(D)として、以下に示す化合物を用いた。
・D−1:架橋型のアクリル樹脂ビーズ(綜研化学株式会社製、「ケミスノーMX−2000」、平均粒子径20μm)
・D−2:架橋型のアクリル樹脂ビーズ(積水化成品工業株式会社製、「テクポリマーMBX−15」、平均粒子径15μm)
・D−3:架橋型のアクリル樹脂ビーズ(根上工業株式会社製、「アートパールGR−200透明」、平均粒子径25μm)
・D−4:架橋型のアクリル樹脂ビーズ(綜研化学株式会社製、「ケミスノーMX−500」、平均粒子径5μm)
・D−5:架橋型のアクリル樹脂ビーズ(株式会社日本触媒製、「エポスターMA1010」、平均粒子径10μm)
<耐光性付与剤(E)>
耐光性付与剤(E)として、以下に示す紫外線吸収剤(e1)および光安定剤(e2)を用いた。
・e1−1:トリアジン系の紫外線吸収剤(BASFジャパン株式会社製、「Tinuvin400」)
・e1−2:ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤(BASFジャパン株式会社製、「Tinuvin384−2」)
・e2−1:ヒンダードアミン系の光安定剤(BASFジャパン株式会社製、「Tinuvin123」)
「実施例1」
<塗料の調製>
熱硬化性樹脂組成物(A−1)を固形分換算で100質量部と、樹脂ビーズ(D−1)を固形分換算で1質量部と、紫外線吸収剤(e1−1)を固形分換算で8質量部と、光安定剤(e2−1)を固形分換算で1.5質量部とを混合し、最下層形成用塗料(塗料(A))を調製した。
別途、熱硬化性樹脂組成物(B−1)を固形分換算で100質量部と、フッ素樹脂系潤滑剤(C−1)を固形分換算で3質量部と、紫外線吸収剤(e1−1)を固形分換算で11質量部と、光安定剤(e2−1)を固形分換算で2質量部とを混合し、最上層形成用塗料(塗料(B))を調製した。
<クリヤ塗装ステンレス鋼板の製造>
(化成処理膜形成工程)
ステンレス鋼板としては、SUS430/No.4研磨仕上げ材を用いた。
このステンレス鋼板上にノンクロメートの化成処理液をロールコーターにて蛍光X線にてSiOが2〜10mg/mになるように塗装し、素材最高到達温度(PMT)が100℃になるよう乾燥させ、化成処理膜を形成した。
(クリヤ樹脂層形成工程)
ステンレス鋼板の化成処理膜上に、塗料(A)を乾燥後の膜厚が5μmとなるようにバーコーターにて塗装し、素材最高到達温度(PMT)が210℃になるように乾燥させて、最下層を形成した。
ついで、最下層上に、塗料(B)を乾燥後の膜厚が15μmとなるようにバーコーターにて塗装し、素材最高到達温度が232℃になるように乾燥させて、最上層を形成し、ステンレス鋼板の一方の面(表面)に、最下層および最上層からなるクリヤ樹脂層が形成されたクリヤス塗装テンレス鋼板を得た。
得られたクリヤ塗装ステンレス鋼板について、以下の評価方法に基づき、密着性、表面硬度、耐磨耗性、耐光性、耐プレッシャーマーク性、および外観を調べた。結果を表2に示す。
<測定・評価>
(1)密着性の評価
JIS K 5600−5−6/付着性(クロスカット法)に従って、ステンレス鋼板に対するクリヤ樹脂層の密着性を以下の評価基準にて評価した。
5:カットの交差点を含めて、剥離は全く見られない。
4:カットの交差点や縁にごく僅かな剥離が見られる。
3:カットの交差点や縁から、マス目の2割近くが剥離する。
2:カットの縁に沿って大きく欠け、マス目の5割近くが剥離する。
1:カットした部分が全面的に剥離する。
(2)表面硬度(鉛筆硬度)の測定
鉛筆硬度用鉛筆(三菱鉛筆株式会社製)を用い、JIS K 5600−5−4/引っかき硬度(鉛筆法)に従って、クリヤ樹脂層の表面(最上層側の面)に傷が付かない限界の鉛筆の芯の硬度を求め、以下の評価基準にて表面硬度を評価した。
5:2H以上
4:H
3:F
2:HB
1:B以下
(3)耐磨耗性の評価
直径40mm、長さ100mm、重さ1kgのSUS304製ステンレス鋼棒の平滑な片側端面に、直径30mmの円形に切り出した耐水性サンドペーパー(研磨砂粗さ#400)を貼り付け、これを摩擦子とした。
クリヤ樹脂層の表面(最上層側の面)に摩擦子を、耐水性サンドペーパー貼り付け面が下になるよう垂直に立てた状態で、往復幅140mmにて1往復当り1〜2秒のスピードでこすりつけ、ステンレス鋼板が見えるまでクリヤ樹脂層が減耗したときの往復回数を計測し、以下の評価基準にて耐磨耗性を評価した。
5:40000往復以上
4:30000往復以上40000往復未満
3:20000往復以上30000往復未満
2:10000往復以上20000往復未満
1:10000往復未満
(4)耐光性の評価
デューパネル光コントロールウェザーメーター試験機(スガ試験機株式会社製)を使用し、ブラックパネル温度63℃、照射強度28W、連続照射時間400時間の条件で、照射試験を行った。照射前後のクリヤ樹脂層の色差を色差計(コニカミノルタ株式会社製)にて測定し、以下の評価基準にて耐光性を評価した。
5:ΔE≦1.0
4:1.0<ΔE≦1.5
3:1.5<ΔE≦3.0
2:3.0<ΔE≦5.0
1:5.0<ΔE
(5)耐プレッシャーマーク性の評価
クリヤ塗装ステンレス鋼板を単重2tのステンレスコイルに巻き付けて1週間放置した。放置後のクリヤ塗装ステンレス鋼板を目視にて観察し、以下の評価基準にて耐プレッシャーマーク性を評価した。
5:プレッシャーマークの発生は見られない。
4:僅かなプレッシャーマークが確認できるが、1日以内で消失する。
3:僅かなプレッシャーマークが確認でき、消失しない。
2:強いプレッシャーマークが確認できる。
1:極めて著しいプレッシャーマークが発生し、ブロッキングも発生している。
(6)外観の評価
(6−1)クリヤ樹脂層の黄変性
クリヤ樹脂層の外観を目視にて観察し、以下の評価基準にて外観を評価した。
5:クリヤ樹脂層を形成していないステンレス鋼板(非塗装のステンレス鋼板)と比較しても黄変は全く見られない。
4:非塗装のステンレス鋼板と比較してようやく黄変が確認できる。
3:非塗装のステンレス鋼板との比較により、黄変していることがやや感じ取れる。
2:非塗装のステンレス鋼板との比較を行わなくとも、強い黄変が見られ、黄変した物単独でもハッキリと認識できる。
1:意図的に黄色く着色したものと同等の著しい黄変が見られる。
(6−2)クリヤ樹脂層の白濁性
クリヤ樹脂層の外観を目視にて観察し、以下の評価基準にて外観を評価した。
5:照度条件に関係なく、全く白濁感はない。
4:1500lx超の照度下で観察したときのみ、白濁が確認できる。
3:300〜1500lxの照度下で白濁が確認できる。
2:300lx未満の照度下でも白濁が確認できる。
1:照度条件に関係なく、極めて強い白濁が確認できる。
「実施例2〜17、21〜26、比較例1〜10」
表2〜5に示す構成の最下層および最上層となるように、塗料(A)および塗料(B)を調製し、得られた塗料(A)および塗料(B)を用いた以外は、実施例1と同様にしてクリヤ塗装ステンレス鋼板を製造し、各種測定・評価を行った。結果を表2〜5に示す。
「実施例18」
表3に示す構成の最下層および最上層となるように、塗料(A)および塗料(B)を調製し、得られた塗料(A)および塗料(B)を用いた以外は、実施例1と同様にしてステンレス鋼板の一方の面(表面)に、最下層および最上層からなるクリヤ樹脂層(第一のクリヤ樹脂層)を形成した。
ついで、熱硬化性樹脂組成物(F−1)を乾燥後の膜厚が3μmとなるようにステンレス鋼板の裏面にバーコーターにて塗装し、素材最高到達温度が232℃になるように乾燥させて、第二のクリヤ樹脂層を形成し、ステンレス鋼板の両面にクリヤ樹脂層が形成されたクリヤ塗装ステンレス鋼板を得た。
得られたクリヤ塗装ステンレス鋼板について、実施例1と同様にして各種測定・評価を行った。結果を表3に示す。
「実施例19」
熱硬化性樹脂組成物(F−1)を固形分換算で100質量部と、樹脂ビーズ(D−4)を固形分換算で2質量部とを混合したものをステンレス鋼板の裏面に塗装した以外は、実施例18と同様にしてステンレス鋼板の両面にクリヤ樹脂層が形成されたクリヤ塗装ステンレス鋼板を得た。
得られたクリヤ塗装ステンレス鋼板について、実施例1と同様にして各種測定・評価を行った。結果を表3に示す。
「実施例20」
熱硬化性樹脂組成物(F−1)を固形分換算で100質量部と、樹脂ビーズ(D−5)を固形分換算で2質量部とを混合したものをステンレス鋼板の裏面に塗装した以外は、実施例18と同様にしてステンレス鋼板の両面にクリヤ樹脂層が形成されたクリヤ塗装ステンレス鋼板を得た。
得られたクリヤ塗装ステンレス鋼板について、実施例1と同様にして各種測定・評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0006298692
Figure 0006298692
Figure 0006298692
Figure 0006298692
なお、表2〜5中の熱硬化性樹脂組成物(A)、(B)、(F)、およびフッ素樹脂系潤滑剤(C)、樹脂ビーズ(D)、紫外線吸収剤(e1)、光安定剤(e2)の量は、固形分量(質量部)である。
また、「フッ素樹脂系潤滑剤(C)の平均粒子径[倍]」とは、フッ素樹脂系潤滑剤(C)の平均粒子径を最上層の膜厚に対する倍率で求めたものである。また、「樹脂ビーズ(D)の平均粒子径[倍]」とは、樹脂ビーズ(D)の平均粒子径をクリヤ樹脂層の膜厚に対する倍率で求めたものである。
表2〜5の結果より、各実施例で得られたクリヤ塗装ステンレス鋼板は、耐磨耗性に優れていた。また、ステンレス鋼板に対するクリヤ樹脂層の密着性、耐光性、および耐プレッシャーマーク性にも優れ、表面硬度が高く、クリヤ樹脂層の黄変や白濁が概ね認められず外観も良好であった。
一方、数平均分子量が3000であるポリエステル樹脂を用いて最上層を形成した各比較例のクリヤ塗装ステンレス鋼板は、耐磨耗性に劣っていた。特に、クリヤ樹脂層が樹脂ビーズ(D)を含んでいない比較例8のクリヤ塗装ステンレス鋼板は、耐プレッシャーマーク性にも劣っていた。最上層が耐光性付与剤を含んでいない比較例10のクリヤ塗装ステンレス鋼板は、耐光性にも劣っていた。
10 クリヤ塗装ステンレス鋼板
11 ステンレス鋼板
12 クリヤ樹脂層
13 最下層
13a 熱硬化性樹脂組成物(A)
14 最上層
14b 熱硬化性樹脂組成物(B)
14c フッ素樹脂系潤滑剤(C)

Claims (6)

  1. ステンレス鋼板と、該ステンレス鋼板上に形成されたクリヤ樹脂層とを具備し、
    前記クリヤ樹脂層は、架橋性官能基を有するアクリル樹脂(a1)およびイソシアネート樹脂(a2)を含有する熱硬化性樹脂組成物(A)を含む最下層と、数平均分子量が5000〜30000であるポリエステル樹脂(b1)を含有する熱硬化性樹脂組成物(B)およびフッ素樹脂系潤滑剤(C)を含む最上層とを備える、クリヤ塗装ステンレス鋼板。
  2. 前記最上層は、熱硬化性樹脂組成物(B)100質量部に対して、フッ素樹脂系潤滑剤(C)を1.0〜10.0質量部含む、請求項1に記載のクリヤ塗装ステンレス鋼板。
  3. 前記フッ素樹脂系潤滑剤(C)の平均粒子径が、最上層の膜厚に対して0.2〜1.0倍である、請求項1または2に記載のクリヤ塗装ステンレス鋼板。
  4. 前記クリヤ樹脂層は、平均粒子径がクリヤ樹脂層の膜厚に対して0.7〜1.5倍である樹脂ビーズ(D)を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のクリヤ塗装ステンレス鋼板。
  5. 前記最上層は、または前記最上層および最下層は、紫外線吸収剤(e1)および光安定剤(e2)の少なくとも一方をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のクリヤ塗装ステンレス鋼板。
  6. 前記熱硬化性樹脂組成物(B)は、アミノ樹脂(b2)をさらに含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載のクリヤ塗装ステンレス鋼板。
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