JP6849162B1 - 蓄電デバイス用外装材の成形工程における品質管理方法、蓄電デバイスの製造方法、蓄電デバイス用外装材、及び蓄電デバイス - Google Patents

蓄電デバイス用外装材の成形工程における品質管理方法、蓄電デバイスの製造方法、蓄電デバイス用外装材、及び蓄電デバイス Download PDF

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Abstract

蓄電デバイス用外装材の成形工程における品質管理方法であって、前記品質管理方法は、少なくとも、外側から順に、基材層と、バリア層と、熱融着性樹脂層とを備える積層体から構成された蓄電デバイス用外装材が、前記熱融着性樹脂層側から前記基材層側に突出するようにして成形され、前記熱融着性樹脂層側に蓄電デバイス素子が収容される凹部が形成された蓄電デバイス用外装材を品質管理の対象としており、前記凹部が形成された蓄電デバイス用外装材の中から、被験対象蓄電デバイス用外装材を抽出し、前記被験対象蓄電デバイス用外装材の前記凹部を形作る外側表面の曲面部と非曲面部について、それぞれ、SCI方式、視野10°及び光源F2の測定条件で、反射光のL*a*b*色空間におけるL*値を測定して、L*値の差の大きさに基づいて、凹部が形成された蓄電デバイス用外装材が良品であるか否かを判定する判定工程を備える、蓄電デバイス用外装材の成形工程における品質管理方法。

Description

本開示は、蓄電デバイス用外装材の成形工程における品質管理方法、蓄電デバイスの製造方法、蓄電デバイス用外装材、及び蓄電デバイスに関する。
従来、様々なタイプの蓄電デバイスが開発されているが、あらゆる蓄電デバイスにおいて、電極や電解質などの蓄電デバイス素子を封止するために外装材が不可欠な部材になっている。従来、蓄電デバイス用外装材として金属製の外装材が多用されていた。
一方、近年、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、パソコン、カメラ、携帯電話などの高性能化に伴い、蓄電デバイスには、多様な形状が要求されると共に、薄型化や軽量化が求められている。しかしながら、従来多用されていた金属製の蓄電デバイス用外装材では、形状の多様化に追従することが困難であり、しかも軽量化にも限界があるという欠点がある。
そこで、近年、多様な形状に加工が容易で、薄型化や軽量化を実現し得る蓄電デバイス用外装材として、基材層/バリア層/熱融着性樹脂層が順次積層されたフィルム状の積層体が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
このような蓄電デバイス用外装材においては、一般的に、冷間成形により凹部が形成され、当該凹部によって形成された空間に電極や電解液などの蓄電デバイス素子を配し、熱融着性樹脂層を熱融着させることにより、蓄電デバイス用外装材の内部に蓄電デバイス素子が収容された蓄電デバイスが得られる。
特開2008−287971号公報
前記のようなフィルム状の積層体により形成された蓄電デバイス用外装材において、蓄電デバイス素子を収容する凹部の形成により、蓄電デバイス用外装材に屈曲部が形成される。この屈曲部においては、蓄電デバイス用外装材が延伸されているため、表面部分に白化が生じる場合がある。蓄電デバイス用外装材の成形による白化は、蓄電デバイスの外観不良に繋がることから、蓄電デバイス用外装材の成形における品質管理の対象となっている。当該品質管理において、例えば蓄電デバイス用外装材が着色されている場合や、白化の程度が大きい場合には、白化の有無を目視で確認することができる。
ところが、本発明者等が検討したところ、蓄電デバイス用外装材の凹部を形成する屈曲部において、目視では白化が確認されにくいものの、走査型電子顕微鏡などで屈曲部(蓄電デバイス用外装材の外表面の曲面部)を観察すると、非常に微細なクラックが形成されている場合があることを知得した。したがって、蓄電デバイス用外装材の成形工程における、新規な品質管理方法が求められることが明らかとなった。
このような状況下、本開示は、蓄電デバイス用外装材の成形工程における新規な品質管理方法を提供することを主な目的とする。
本開示の発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、蓄電デバイス用外装材の成形工程において、凹部が形成された蓄電デバイス用外装材の中から、被験対象蓄電デバイス用外装材を抽出し、被験対象蓄電デバイス用外装材の凹部を形作る外側表面の曲面部と非曲面部について、それぞれ、SCI方式、視野10°及び光源F2の測定条件で、反射光のL***色空間におけるL*値を測定して、L*値の差の大きさ(すなわちL*値の差の絶対値)に基づいて、凹部が形成された蓄電デバイス用外装材が良品であるか否かを判定することにより、従来の目視による判定と比較して、高精度で品質管理を行うことができることを見出した。
本開示は、これらの知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。即ち、本開示は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
蓄電デバイス用外装材の成形工程における品質管理方法であって、
品質管理方法は、少なくとも、外側から順に、基材層と、バリア層と、熱融着性樹脂層とを備える積層体から構成された蓄電デバイス用外装材が、熱融着性樹脂層側から基材層側に突出するようにして成形され、熱融着性樹脂層側に蓄電デバイス素子が収容される凹部が形成された蓄電デバイス用外装材を品質管理の対象としており、
凹部が形成された蓄電デバイス用外装材の中から、被験対象蓄電デバイス用外装材を抽出し、被験対象蓄電デバイス用外装材の凹部を形作る外側表面の曲面部と非曲面部について、それぞれ、SCI方式、視野10°及び光源F2の測定条件で、反射光のL***色空間におけるL*値を測定して、L*値の差の大きさに基づいて、凹部が形成された蓄電デバイス用外装材が良品であるか否かを判定する判定工程を備える、
蓄電デバイス用外装材の成形工程における品質管理方法。
本開示によれば、蓄電デバイス用外装材の成形工程における新規な品質管理方法を提供することができる。また、本開示によれば、当該品質管理方法を利用した蓄電デバイス用外装材の製造方法を提供することもできる。また、本開示によれば、当該品質管理方法によって良品と判定される蓄電デバイス用外装材、さらには当該蓄電デバイス用外装材を利用した蓄電デバイスを提供することができる。
本開示の蓄電デバイス用外装材の積層構成の一例を示す模式的断面図である。 本開示の蓄電デバイス用外装材の積層構成の一例を示す模式的断面図である。 本開示の蓄電デバイス用外装材の積層構成の一例を示す模式的断面図である。 本開示の蓄電デバイス用外装材の積層構成の一例を示す模式的断面図である。 本開示の蓄電デバイス用外装材を平明視した模式図である。 図5の線A−A’における模式的断面図(積層構成は省略)である。 実施例1で得られた成形後の蓄電デバイス用外装材の曲面部を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して取得された画像である。 実施例2で得られた成形後の蓄電デバイス用外装材の曲面部を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して取得された画像である。 実施例3で得られた成形後の蓄電デバイス用外装材の曲面部を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して取得された画像である。 実施例6で得られた成形後の蓄電デバイス用外装材の曲面部を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して取得された画像である。 本開示の蓄電デバイス用外装材により形成された包装体中に蓄電デバイス素子を収容する方法を説明するための模式図である。
本開示の品質管理は、蓄電デバイス用外装材の成形工程における品質管理方法であって、品質管理方法は、少なくとも、外側から順に、基材層と、バリア層と、熱融着性樹脂層とを備える積層体から構成された蓄電デバイス用外装材が、熱融着性樹脂層側から基材層側に突出するようにして成形され、熱融着性樹脂層側に蓄電デバイス素子が収容される凹部が形成された蓄電デバイス用外装材を品質管理の対象としており、凹部が形成された蓄電デバイス用外装材の中から、被験対象蓄電デバイス用外装材を抽出し、被験対象蓄電デバイス用外装材の凹部を形作る外側表面の曲面部と非曲面部について、それぞれ、SCI方式、視野10°及び光源F2の測定条件で、反射光のL***色空間におけるL*値を測定して、L*値の差の大きさに基づいて、凹部が形成された蓄電デバイス用外装材が良品であるか否かを判定する判定工程を備えることを特徴とする。本開示の品質管理方法により、L*値の差の大きさに基づいて、凹部が形成された蓄電デバイス用外装材が良品であるか否かを判定することができる。
以下、本開示の蓄電デバイス用外装材の成形工程における品質管理方法、蓄電デバイスの製造方法、蓄電デバイス用外装材、及び蓄電デバイスについて詳述する。なお、本明細書において、「〜」で示される数値範囲は「以上」、「以下」を意味する。例えば、2〜15mmとの表記は、2mm以上15mm以下を意味する。
1.品質管理方法
本開示の品質管理方法は、蓄電デバイス用外装材の成形工程における品質管理方法である。本開示の品質管理方法において、品質管理の対象となる蓄電デバイス用外装材は、少なくとも、外側から順に、基材層と、バリア層と、熱融着性樹脂層とを備える積層体から構成されている。蓄電デバイス用外装材の積層構成及び各層の詳細については、後述する。
また、本開示の品質管理方法において、品質管理の対象となる蓄電デバイス用外装材は、熱融着性樹脂層側から基材層側に突出するようにして成形されており、熱融着性樹脂層側に蓄電デバイス素子が収容される凹部が形成されている。すなわち、蓄電デバイス用外装材は、成形によって形成された凹部を有している。後述の通り、当該成形は、金型などを用いて行うことができる。
蓄電デバイス用外装材に形成されている凹部の形状としては、蓄電デバイス素子を収容できる空間が形成されていれば、特に制限されない。凹部の形状の具体例としては、基材層1側から観察した際、平面視略矩形状、平面視略円形状などが挙げられる。図5,6には、平面視矩形状の凹部100が蓄電デバイス用外装材10に設けられている模式図を示している。なお、平面視矩形状には、矩形の角部が直角である場合だけでなく、図5,6に示すように、丸みを帯びた形状も含まれる。例えば図5,6の模式図に示されたような平面視矩形状の凹部は、曲面部11は、基材層1側に突出している角部11a及び稜線部11bを含んでおり、角部11a及び稜線部11bは、それぞれ、基材層1側の表面は所定の曲率半径Rを有している。平面視矩形状の凹部100は、直方体状の空間を形作っており、当該空間に蓄電デバイス素子が収容される。凹部の形状が、平面視円形状であれば、凹部は円柱状の空間を形作り、当該空間に蓄電デバイス素子が収容される。
また、凹部100のサイズとしては、特に制限されず、蓄電デバイスの大きさ(すなわち、収容される蓄電デバイス素子の大きさ)などに応じて適宜設計される。例えば、凹部の形状が平面視矩形状である場合、蓄電デバイス用外装材10を基材層1側から観察した際、凹部100の長辺の長さは、例えば約20mm以上、好ましくは約30mm以上、より好ましくは約50mm以上である。また、凹部100の長辺の長さは、例えば約600mm以下、好ましくは約400mm以下、より好ましくは約200mm以下である。凹部100の長辺の長さの好ましい範囲としては、20〜600μm程度、20〜400μm程度、20〜200μm程度、30〜600μm程度、30〜400μm程度、30〜200μm程度、50〜600μm程度、50〜400μm程度、50〜200mm程度が挙げられる。また、蓄電デバイス用外装材10を基材層1側から観察した際、凹部100の短辺の長さは、例えば約10mm以上、好ましくは約20mm以上、より好ましくは約30mm以上である。また、凹部100の短辺の長さは、例えば約300mm以下、好ましくは約200mm以下、より好ましくは約100mm以下である。凹部100の短辺の長さの好ましい範囲としては、10〜300μm程度、10〜200μm程度、10〜100μm程度、20〜300μm程度、20〜200μm程度、20〜100μm程度、30〜300μm程度、30〜200μm程度、30〜100mm程度が挙げられる。凹部100の長辺の長さと、短辺の長さとは同じ(すなわち、凹部100の形状が平面視正方形状)であってもよい。
また、凹部100の深さD(図6を参照)は、特に制限されず、蓄電デバイスの大きさ(すなわち、収容される蓄電デバイス素子の大きさ)などに応じて適宜設計される。例えば、後述する総厚みを有する蓄電デバイス用外装材10であれば、4〜10mm程度が挙げられる。
蓄電デバイス用外装材10が備える凹部100は、フィルム状の蓄電デバイス用外装材が成形されることで形成されるものである。具体的には、蓄電デバイス用外装材を構成する積層体の基材層1側に配置された金型(雌型)と、熱融着性樹脂層4側に配置された金型(雄型)とを用い、熱融着性樹脂層4側から基材層1側に突出するようにして、積層体を成形(一般には冷間成形)することで、熱融着性樹脂層4側に蓄電デバイス素子が収容される凹部100を形成することができる。
本開示の品質管理方法は、凹部が形成された蓄電デバイス用外装材が良品であるか否かを判定する判定工程を備えることを特徴としている。判定工程においては、凹部100が形成された蓄電デバイス用外装材10の中から、被験対象蓄電デバイス用外装材を抽出し、被験対象蓄電デバイス用外装材の凹部を形作る外側表面の曲面部11と非曲面部12について、それぞれ、SCI方式、視野10°及び光源F2の測定条件で、反射光のL***色空間におけるL*値を測定して、L*値の差の大きさに基づいて、凹部が形成された蓄電デバイス用外装材が良品であるか否かを判定する。なお、本開示の品質管理方法を蓄電デバイスの製造工程の一部として利用する場合、被験対象蓄電デバイス用外装材の抽出は、無作為に行ってもよいし、所定の割合(例えば、凹部が形成された蓄電デバイス用外装材1,000〜10,000個に1個の割合で被験対象蓄電デバイス用外装材として抽出する)で行っても良いし、凹部が形成された蓄電デバイス用外装材の全てを被験対象蓄電デバイス用外装材として抽出してもよい。なお、凹部が形成された蓄電デバイス用外装材の全てを被験対象蓄電デバイス用外装材として抽出する場合、蓄電デバイスの生産効率を踏まえると、L*値などの測定を自動化し、生産ラインに組み込むことが望ましい。
前記の通り、蓄電デバイス素子を収容する凹部の形成により、蓄電デバイス用外装材に屈曲部(図6の曲面部11、13を参照)が形成される。この屈曲部においては、蓄電デバイス用外装材が成形によって延伸されているため、表面部分に白化が生じる場合がある。蓄電デバイス用外装材の成形による白化は、蓄電デバイスの外観不良に繋がることから、蓄電デバイス用外装材の成形における品質管理の対象となっている。当該品質管理において、例えば蓄電デバイス用外装材が着色されている場合や、白化の程度が大きい場合には、白化の有無を目視で確認することができる。しかしながら、本発明者等が検討したところ、蓄電デバイス用外装材の凹部を形成する屈曲部において、目視では白化が確認されないものの、走査型電子顕微鏡などで屈曲部(蓄電デバイス用外装材の外表面の曲面部)を観察すると、非常に微細なクラックが形成されている場合がある。したがって、蓄電デバイス用外装材の成形工程における、品質管理方法の精度をさらに高めることが望まれる。
本開示の品質管理方法においては、成形によって形成された凹部の曲面部について、L*値の差の大きさ(すなわちL*値の差の絶対値)に基づいて、曲面部に微細なクラックが形成されているか否かなどの品質を好適に検出することが可能となっている。従って、本開示の品質管理方法を蓄電デバイスの製造に利用すれば、蓄電デバイスに求められる品質に応じて、L*値の差の大きさの評価基準を適宜設定して、蓄電デバイス用外装材の成形工程において不良品が製造されることを好適に抑制することができる。
*値の差の評価基準については、蓄電デバイスに求められる品質に応じて、適宜設定することができ、例えば、曲面部11における白化を管理する観点からは、曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*との差の絶対値(良品であると判定される差の絶対値)は、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.8以下、さらに好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.0以下、さらに好ましくは0.5以下、特に好ましくは0.3以下である。また、当該観点から、曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*値との差の絶対値の好ましい範囲としては、0.0〜2.0程度、0.0〜1.8程度、0.0〜1.5程度、0.0〜1.0程度、0.0〜0.5程度、0.0〜0.3程度が挙げられる。
蓄電デバイス用外装材に凹部を形成する成形においては、屈曲部に最も大きなひずみがかかり、微小なクラックが生じやすい。例えば表面被覆層などの蓄電デバイス用外装材を構成する層にクラックが生じることにより隙間が生じ、下地の光沢が露出して、非曲面部と比較して曲面部のL*値が高くなる。例えば耐電解液性に優れた蓄電デバイス用外装材であっても、成形によって形成された曲面部に微小なクラックが生じていると、微小なクラックから電解液が浸透し、外装材の剥がれにつながってしまう。L*値の差が小さくなる蓄電デバイス用外装材の設計としては、硬い蓄電デバイス用外装材では、成形に追従することができず、クラックが生じてしまうため、硬くても柔軟性を持つしなやかな特性にすることで調整することができる。また、蓄電デバイス用外装材が硬くてしなやかであっても、ワックスや粒子などの添加剤が多く存在すると、樹脂と粒子、または樹脂とワックスの境界の密着が弱く、境界からクラックが生じやすくなるため、添加剤の含有量は必要最低限に調整することが好ましい。
また、蓄電デバイスにおいて、例えば、蓄電デバイス用外装材10の曲面部11に微細なクラックが形成されていると、そのクラックの程度によっては、蓄電デバイスの製造工程において、電解液が蓄電デバイス用外装材の表面に付着した際、電解液がクラックに浸透して、蓄電デバイス用外装材を構成している層間が剥離する可能性がある。耐電解液性に優れた蓄電デバイスが製造されるように品質管理を行う観点からは、判定工程において、曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*値との差の絶対値(良品であると判定される差の絶対値)は、前記の白化よりも厳しい条件で管理することが望ましく、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下、さらに好ましくは0.5以下、特に好ましくは0.3以下である。なお、曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*値との差の絶対値は、0.0以上である。曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*値との差の絶対値の好ましい範囲としては、0.0〜1.5程度、0.0〜1.0程度、0.0〜0.5程度、0.0〜0.3程度が挙げられる。また、同様の観点から、曲面部11のa*値と、非曲面部12のa*値との差の絶対値(すなわち、絶対値であり、良品であると判定される差の絶対値)の好ましい範囲としては、0.00〜0.12程度が挙げられる。同様の観点から、曲面部のb*値と、非曲面部のb*値との差の絶対値(すなわち、絶対値であり、良品であると判定される差の絶対値)の好ましい範囲としては、0.00〜0.60程度が挙げられる。また、同様の観点から、ΔE*abの値は、好ましくは約1.8以下、より好ましくは約1.0以下である。また、ΔE*abの値の好ましい範囲としては、0.0〜1.8程度、0.0〜1.0程度が挙げられる。なお、ΔE*abの値は、ΔE*ab=[(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)21/2の式に基づき算出することができる。
本開示において、判定工程は、具体的には以下のようにして実施することができる。蓄電デバイス用外装材の凹部100を形作っている基材層1側の外表面の曲面部11であって、蓄電デバイス用外装材10の基材層1側に突出している曲面部11と、凹部100を形作っている基材層1側の外表面の非曲面部12(図5,6の模式図に示される非曲面部12)の各々について、以下の条件にて、L***色空間におけるL*値を測定する。白色校正キャップ(例えば、CM−A177:コニカミノルタ製)で校正した分光測色計(例えば、コニカミノルタ社製分光測色計(CM−700d))の観察条件を10°、観察光源をF2、SCIモードに設定(JIS Z8722−2009)する。次に、測定対象とする曲面部11及び非曲面部12について、それぞれ、外側表面(基材層1側表面)のL*値の測定を常温常湿下にて行う。曲面部11については測定径を8mmφに設定し、非曲面部12については測定径を3mmφに設定して測定を行う。なお、曲面部11及び非曲面部12のa*値、及びb*値についても、それぞれ、L*値の測定と共に、この測定条件で測定することができる。
*値の測定対象となる曲面部11は、凹部100を形成している曲面部11のうち、成形(凹部100の形成における成形)によって最も延伸された部分(すなわち、微細なクラックが最も発生し易い部分)とする。最も延伸された部分は、前記のL*値の差が最も大きくなる部分であり、また、曲面部11のL*値が最も大きくなる部分である。例えば図5,6の模式図に示されたような平面視矩形状の凹部100であれば、曲面部11(平面視矩形状)の中でも角部11aが最も延伸される部分となるため、角部11aをL*値の測定対象とすることが好適である。なお、角部11aは、成形の金型の形状に4箇所存在しているが、角部11aを形成する金型の4つの角部の形状が同一であれば、角部11aのL*値も実質的に同一となるため、1箇所の角部11aについてL*値を測定すれば、他の3箇所の角部11aについてのL*値の測定は省略することができる。a*値及びb*値を測定する曲面部11は、L*値を測定する曲面部11と同じである。
また、金型の形状等によっては、例えば図5,6の模式図に示されたような平面視矩形状の凹部であっても、曲面部11のうち、基材層1側に突出している稜線部11bが最も延伸される部分となることもある。例えば、前述した基材層1側の表面において、稜線部11bの曲率半径Rが、角部11aの曲率半径Rよりも小さい場合には、曲面部11のうち、基材層1側に突出している稜線部11bが最も延伸される部分となり得る。このような場合は、稜線部11bをL*値の測定対象とすることが好適である。また、例えば平面視円形状の凹部であれば、角部が存在しないため、稜線部をL*値の測定対象とする。なお、図6の曲面部13は、基材層1側に突出していない曲面部であり、基材層1側に突出している側である曲面部11と比較すると、通常、一般に成形による延伸が小さく、L*値の測定対象とする曲面部11として採用してもよいし、採用しなくてもよい。
また、非曲面部のL*値は、成形によって実質的に延伸されていない部分を非曲面部12として測定することが好ましい。非曲面部のL*値は、通常はどの位置でも同じであるが、例えば、凹部100を基材層1側から観察した場合に、凹部100の中心部分を非曲面部12として、L*値を測定することが好ましい。
本開示の品質管理方法において、品質管理の対象とされる蓄電デバイス用外装材10の曲面部11のL*値及び非曲面部12のL*値については、それぞれ、特に制限されず、前記のように白化や耐電解液性などの観点から、これらのL*値の差を適宜管理すれば良い。例えば、蓄電デバイス用外装材10が着色されている場合(具体的には、蓄電デバイス用外装材10のバリア層3よりも基材層1側に位置する層のうち、少なくとも1層(例えば、後述する、基材層1,接着剤層2、着色層、表面被覆層6など)が着色されることで、蓄電デバイス用外装材10を基材層1側から観察した場合に、バリア層3とは異なる色が視認される場合)に、曲面部11における白化などが不良品と判定されやすく、特に、蓄電デバイス用外装材10の外観が黒色等の濃色である場合に、本開示の品質管理方法が好ましく用いられる。
このような観点から、品質管理の対象とされる蓄電デバイス用外装材10の非曲面部12のL*値は、例えば約60.0以下が好適であり、約50.0以下がより好適であり、約40.0がさらに好適であり、約30.0以下がさらに好適である。なお、非曲面部12のL*値は、例えば約0.0以上、約10.0以上、約20.0以上などである。非曲面部12のL*値の好ましい範囲としては、0.0〜60.0程度、0.0〜50.0程度、0.0〜40.0程度、0.0〜30.0程度、10.0〜60.0程度、10.0〜50.0程度、10.0〜40.0程度、10.0〜30.0程度、20.0〜60.0程度、20.0〜50.0程度、20.0〜40.0程度、20.0〜30.0程度が挙げられる。同様に、非曲面部12のa*値は、例えば約+2.00以下、好ましくは約+1.00以下である。また、非曲面部12のa*値は、例えば約−2.00以上、好ましくは約−1.00以上である。非曲面部12のa*値の好ましい範囲としては、−2.00〜+2.00程度、−2.00〜+1.00程度、−1.00〜+2.00程度、−1.00〜+1.00程度などが挙げられる。同様に、非曲面部12のb*値は、例えば約+1.00以下、好ましくは約+0.00以下である。また、非曲面部12のb*値は、例えば約−3.00以上、好ましくは約−2.00以上である。非曲面部12のb*値の好ましい範囲としては、−3.00〜+1.00程度、−3.00〜+0.00程度、−2.00〜+1.00程度、−2.00〜+0.00程度などが挙げられる。
曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*値との差については、例えば、蓄電デバイス用外装材10の最外層に位置する層(例えば、後述する基材層1、表面被覆層6など)の組成、厚みなどや、金型の形状、サイズ、表面粗さなど、さらには金型の押さえ圧などを調整することによって、所定の値となるように調整する。また、後述するように、蓄電デバイス用外装材10の積層工程における各層の積層条件等を調整することで、曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*値との差を調整してもよい。
また、例えば、蓄電デバイス用外装材が艶消し調である場合に、曲面部11における白化などが不良品と判定されやすいことから、本開示の品質管理方法が好ましく用いられる。このような観点から、品質管理の対象とされる蓄電デバイス用外装材10の非曲面部12の鏡面光沢度としては、例えば約5.0以下が好適であり、約3.6以下がさらに好適である。なお、当該鏡面光沢度は、例えば約1.0以上である。当該鏡面光沢度の好ましい範囲としては、1.0〜5.0程度、1.0〜3.6程度が挙げられる。蓄電デバイス用外装材10の非曲面部12の鏡面光沢度は、以下のようにして特定される。なお、凹部が形成された蓄電デバイス用外装材の非曲面部の鏡面光沢度は、成形前の蓄電デバイス用外装材の外表面(成形後に非曲面部になる位置)の鏡面光沢度と実質的に同じ(すなわち、非曲面部では成形によって鏡面光沢度が実質的に変化しないが、例えば、凹部100を基材層1側から観察した場合に、凹部100の中心部分を非曲面部12として、鏡面光沢度を測定することが好ましい。)であるため、成形前の蓄電デバイス用外装材が入手可能な場合には、成形前の蓄電デバイス用外装材の外側表面の鏡面光沢度を以下の測定方法により測定してもよい。
<鏡面光沢度の測定>
蓄電デバイス用外装材の非曲面部の外側表面の鏡面光沢度を以下の測定方法により測定する。JIS Z 8741(1997年)に規定された方法に準拠し、グロス測定器(例えば、東洋精機製作所製のグロス測定器マイクロ−トリ−グロス(測定面積9mm×15mm))を用いて入射角60度における表面被覆層の鏡面光沢度を測定する。
以上の通り、本開示の品質管理方法は、蓄電デバイス用外装材の成形工程において、凹部を形成する曲面部と非曲面部のL*値の大きさに基づいて、凹部が形成された蓄電デバイス用外装材が良品であるか否かを判定する判定工程を備える、新規な品質管理方法であり、従来の目視やカメラを用いた品質管理と比較して、より高精度な品質管理を行うことも可能である。よって、本開示の品質管理方法を蓄電デバイスの製造に利用することにより、蓄電デバイスの良品をより効率的に製造することが可能となる。判定工程は、例えば、凹部を形成する際の成形により、蓄電デバイス用外装材を構成する層に微細なクラックが形成される蓄電デバイス用外装材であるか否かに基づき、蓄電デバイス用外装材の特性(成形特性)を評価するための判定方法として使用することができ、当該判定方法を用いることにより、走査型電子顕微鏡などを用いることなく、蓄電デバイス用外装材の特性を簡便に評価することができる。
2.蓄電デバイスの製造方法
本開示の蓄電デバイスの製造方法は、外側から順に、少なくとも、基材層1と、バリア層3と、熱融着性樹脂層4とをこの順に備える積層体から構成された蓄電デバイス用外装材10の周縁(例えば図5,6の周縁部14)において、熱融着性樹脂層4が熱融着されることにより形成された包装体によって、蓄電デバイス素子が封止された蓄電デバイスの製造方法である。本開示の蓄電デバイスの製造方法は、前記「1.品質管理方法」の欄で説明した品質管理方法を蓄電デバイスの製造に利用したものあり、重複する事項についての説明は適宜省略する。また、前記の通り、蓄電デバイス用外装材の積層構成及び各層の詳細については、後述する。
本開示の蓄電デバイスの製造方法においては、蓄電デバイス用外装材の熱融着性樹脂層側から基材層側に突出するように蓄電デバイス素子が収容される凹部が形成された蓄電デバイス用外装材を用意する工程を備えている。このような凹部が形成された蓄電デバイス用外装材については、前記「1.品質管理方法」の欄で説明した通りであり、説明を省略する。
また、本開示の蓄電デバイスの製造方法においては、凹部が形成された蓄電デバイス用外装材の中から、被験対象蓄電デバイス用外装材を抽出し、被験対象蓄電デバイス用外装材の凹部を形作る外側表面の曲面部と非曲面部について、それぞれ、SCI方式、視野10°及び光源F2の測定条件で、反射光のL***色空間におけるL*値を測定して、L*値の差の大きさに基づいて、凹部が形成された蓄電デバイス用外装材が良品であるか否かを判定する判定工程を備えている。判定工程についても、前記「1.品質管理方法」の欄で説明した通りであり、説明を省略する。なお、本開示の蓄電デバイスの製造方法の判定工程において、凹部が形成された蓄電デバイス用外装材が不良品と判定された場合には、蓄電デバイス用外装材の積層工程や、蓄電デバイス用外装材の成形工程に戻り、判定工程で良品と判定されるまで、蓄電デバイス用外装材の構成、積層方法、成形条件などを調整する。
本開示の蓄電デバイスの製造方法は、蓄電デバイス用外装材の凹部に蓄電デバイス素子を収容して、蓄電デバイスを製造する工程を備えている。本開示の蓄電デバイスの製造方法においては、判定工程の結果、凹部が形成された蓄電デバイス用外装材が良品であると判定された場合に、凹部の形成が適切であると判定して、凹部に蓄電デバイス素子を収容して、蓄電デバイスを製造する。
前記の通り、L*値の差の評価基準については、蓄電デバイスに求められる品質に応じて、適宜設定することができ、例えば、曲面部11における白化を管理する観点からは、曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*値との差の絶対値(良品であると判定される差の絶対値)は、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.8以下、さらに好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.0以下、さらに好ましくは0.5以下、特に好ましくは0.3以下である。また、当該観点から、曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*値との差の絶対値の好ましい範囲としては、0.0〜2.0程度、0.0〜1.8程度、0.0〜1.5程度、0.0〜1.0程度、0.0〜0.5程度、0.0〜0.3程度が挙げられる。
また、前記の通り、耐電解液性に優れた蓄電デバイスが製造されるように品質管理を行う観点からは、判定工程において、曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*値との差の絶対値(良品であると判定される差の絶対値)は、前記の白化よりも厳しい条件で管理することが望ましく、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下、さらに好ましくは0.5以下、特に好ましくは0.3以下である。なお、曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*値との差の絶対値は、0.0以上である。曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*値との差の絶対値の好ましい範囲としては、0.0〜1.5程度、0.0〜1.0程度、0.0〜0.5程度、0.0〜0.3程度が挙げられる。また、同様の観点から、曲面部11のa*値と、非曲面部12のa*値との差の絶対値(すなわち、絶対値であり、良品であると判定される差の絶対値)の好ましい範囲としては、0.00〜0.12程度が挙げられる。同様の観点から、曲面部のb*値と、非曲面部のb*値との差の絶対値(すなわち、絶対値であり、良品であると判定される差の絶対値)の好ましい範囲としては、0.00〜0.60程度が挙げられる。
凹部100に蓄電デバイス素子を収容して、蓄電デバイスを製造する方法は、公知の方法を適用することができる。具体的には、蓄電デバイス素子を構成する電極、電解液などを凹部100に収容し、蓄電デバイス用外装材10の熱融着性樹脂層4同士を熱融着させることで、蓄電デバイス素子を密封して、蓄電デバイスを得る。
3.検査方法
本開示の検査方法は、凹部が形成された蓄電デバイス用外装材の検査方法である。本開示の検査方法は、少なくとも、外側から順に、基材層と、バリア層と、熱融着性樹脂層とを備える積層体から構成された蓄電デバイス用外装材が、前記熱融着性樹脂層側から前記基材層側に突出するようにして成形され、前記熱融着性樹脂層側に蓄電デバイス素子が収容される凹部が形成された蓄電デバイス用外装材を検査対象としている。前述した本開示の品質管理方法は、本開示の検査方法を利用した品質管理方法といえ、前記「1.品質管理方法」の欄で説明した事項と重複する事項についての説明は適宜省略する。また、前記の通り、蓄電デバイス用外装材の積層構成及び各層の詳細については、後述する。
本開示の検査方法において、検査対象となる凹部が形成された蓄電デバイス用外装材については、前記「1.品質管理方法」の欄で説明した通りであり、説明を省略する。
また、本開示の検査方法においては、凹部が形成された蓄電デバイス用外装材の凹部を形作る外側表面の曲面部と非曲面部について、それぞれ、SCI方式、視野10°及び光源F2の測定条件で、反射光のL***色空間におけるL*値を測定して、L*値の差の大きさに基づいて、凹部が形成された蓄電デバイス用外装材が良品であるか否かを判定する判定工程を備えている。判定工程についても、前記「1.品質管理方法」の欄で説明した通りであり、説明を省略する。
前記の通り、L*値の差の評価基準については、蓄電デバイスに求められる品質に応じて、適宜設定することができ、例えば、曲面部11における白化を管理する観点からは、曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*値との差の絶対値(良品であると判定される差の絶対値)は、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.8以下、さらに好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.0以下、さらに好ましくは0.5以下、特に好ましくは0.3以下である。また、当該観点から、曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*値との差の絶対値の好ましい範囲としては、0.0〜2.0程度、0.0〜1.8程度、0.0〜1.5程度、0.0〜1.0程度、0.0〜0.5程度、0.0〜0.3程度が挙げられる。
また、前記の通り、耐電解液性に優れた蓄電デバイスが製造されるように品質管理を行う観点からは、判定工程において、曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*値との差の絶対値(良品であると判定される差の絶対値)は、前記の白化よりも厳しい条件で管理することが望ましく、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下、さらに好ましくは0.5以下、特に好ましくは0.3以下である。なお、曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*値との差の絶対値は、0.0以上である。曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*値との差の絶対値の好ましい範囲としては、0.0〜1.5程度、0.0〜1.0程度、0.0〜0.5程度、0.0〜0.3程度が挙げられる。また、同様の観点から、曲面部11のa*値と、非曲面部12のa*値との差の絶対値(すなわち、絶対値であり、良品であると判定される差の絶対値)の好ましい範囲としては、0.00〜0.12程度が挙げられる。同様の観点から、曲面部のb*値と、非曲面部のb*値との差の絶対値(すなわち、絶対値であり、良品であると判定される差の絶対値)の好ましい範囲としては、0.00〜0.60程度が挙げられる。
4.蓄電デバイス用外装材
本開示の蓄電デバイス用外装材10は、少なくとも、外側から順に、基材層1と、バリア層3と、熱融着性樹脂層4とを備える積層体から構成された蓄電デバイス用外装材である。当該蓄電デバイス用外装材10は、熱融着性樹脂層4側から基材層1側に突出するようにして成形され、熱融着性樹脂層4側に蓄電デバイス素子が収容される凹部100を備えている。さらに、蓄電デバイス用外装材10の凹部を形作る外側表面の曲面部11と非曲面部12について、それぞれ、SCI方式、視野10°及び光源F2の測定条件で、反射光のL***色空間におけるL*値を測定した場合に、曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*との差の絶対値が、1.5以下であることを特徴としている。すなわち、本開示の蓄電デバイス用外装材10は、前記「1.品質管理方法」で説明した蓄電デバイス用外装材10のうち、曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*との差の絶対値が、1.5以下のものである。従って、蓄電デバイス用外装材10の形状等についての説明は省略する。
前記の通り、蓄電デバイスにおいて、蓄電デバイス用外装材の曲面部に微細なクラックが形成されていると、そのクラックの程度によっては、蓄電デバイスの製造工程において、電解液が蓄電デバイス用外装材の表面に付着した際、電解液がクラックに浸透して、蓄電デバイス用外装材を構成している層間が剥離する可能性がある。よって、凹部が形成された蓄電デバイス用外装材10の曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*値との差の絶対値は、前記の白化よりも厳しい条件で管理することが望ましい。このような観点から、本開示の蓄電デバイス用外装材10においては、曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*値との差の絶対値が、1.5以下という特に低い値に設定されている。本開示の蓄電デバイス用外装材10において、曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*値との差の絶対値は、好ましくは1.0以下、さらに好ましくは0.5以下、特に好ましくは0.3以下である。なお、前記の通り、曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*値との差の絶対値は、0.0以上である。曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*値との差の絶対値の好ましい範囲としては、0.0〜1.5程度、0.0〜1.0程度、0.0〜0.5程度、0.0〜0.3程度が挙げられる。また、同様の観点から、曲面部11のa*値と、非曲面部12のa*値との差の絶対値の好ましい範囲としては、0.00〜0.12程度が挙げられる。同様の観点から、曲面部のb*値と、非曲面部のb*値との差の絶対値の好ましい範囲としては、0.00〜0.60程度が挙げられる。曲面部11及び非曲面部12の好ましいL*値、a*値、及びb*値、これらの測定方法、測定箇所の詳細については、前記「1.品質管理方法」で説明した通りである。
また、本開示において、凹部100を形成する前の蓄電デバイス用外装材10は、蓄電デバイス用外装材を、熱融着性樹脂層4側から基材層1側に突出するようにして以下の成形条件で成形して、熱融着性樹脂層4側に蓄電デバイス素子が収容される凹部を形成し、蓄電デバイス用外装材10の凹部を形作る外側表面の曲面部11と非曲面部12について、それぞれ、SCI方式、視野10°及び光源F2の測定条件で、反射光のL***色空間におけるL*値を測定した場合に、曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*との差の絶対値が、1.5以下となるものであることが好ましい。当該蓄電デバイス用外装材10は、前述した凹部が形成されておらず、所定の成形条件で凹部を形成すると、曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*との差の絶対値が、1.5以下となるものである。
(成形条件)
54.5mm(TD)×31.6mm(MD)の口径を有する成形金型(雌型)と、これに対応する成形金型(雄型)の間に蓄電デバイス用外装材を、雌型側が基材層側となるように配置し、押さえ圧(面圧)0.25MPaとし、成形深さ3.0mmで冷間成型を行い、平面視矩形状の凹部を形成する。雌型と雄型とのクリアランスは0.5mmとする。雌型の表面は、JIS B 0659−1:2002附属書1(参考) 比較用表面粗さ標準片の表2に規定される、最大高さ粗さ(Rzの呼び値)が0.8μmである。雌型のコーナーRは2.0mm、稜線Rは2.5mmである。雄型の表面は、JIS B 0659−1:2002附属書1(参考) 比較用表面粗さ標準片の表2に規定される、最大高さ粗さ(Rzの呼び値)が3.2μmである。雄型のコーナーRは2.0mm、稜線Rは2.0mmである。雄型のコーナーRと稜線Rは、JIS B 0659−1:2002附属書1(参考) 比較用表面粗さ標準片の表2に規定される、最大高さ粗さ(Rzの呼び値)が1.6μmである。
このような成形前の蓄電デバイス用外装材10においても、前記の成形条件によって凹部を形成した後において、曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*値との差の絶対値は、好ましくは1.0以下、さらに好ましくは0.5以下、特に好ましくは0.3以下である。なお、前記の通り、曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*値との差の絶対値は、0.0以上である。曲面部11のL*値と、非曲面部12のL*値との差の絶対値の好ましい範囲としては、0.0〜1.5程度、0.0〜1.0程度、0.0〜0.5程度、0.0〜0.3程度が挙げられる。また、同様の観点から、曲面部11のa*値と、非曲面部12のa*値との差の絶対値の好ましい範囲としては、0.00〜0.12程度が挙げられる。同様の観点から、曲面部のb*値と、非曲面部のb*値との差の絶対値の好ましい範囲としては、0.00〜0.60程度が挙げられる。また、曲面部11及び非曲面部12の好ましいL*値、a*値、及びb*値、これらの測定方法、測定箇所の詳細については、前記「1.品質管理方法」で説明した通りである。
蓄電デバイス用外装材の積層構造
蓄電デバイス用外装材10は、例えば図1に示すように、少なくとも、基材層1、バリア層3、及び熱融着性樹脂層4をこの順に備える積層体から構成されている。蓄電デバイス用外装材10において、基材層1が最外層側になり、熱融着性樹脂層4は最内層になる。蓄電デバイス用外装材10と蓄電デバイス素子を用いて蓄電デバイスを組み立てる際に、蓄電デバイス用外装材10の熱融着性樹脂層4同士を対向させた状態で、周縁部14を熱融着させることによって形成された空間に、蓄電デバイス素子が収容される。本開示の蓄電デバイス用外装材10を構成する積層体において、バリア層3を基準とし、バリア層3よりも熱融着性樹脂層4側が内側であり、バリア層3よりも基材層1側が外側である。
蓄電デバイス用外装材10は、例えば図2から図4に示すように、基材層1とバリア層3との間に、これらの層間の接着性を高めることなどを目的として、必要に応じて接着剤層2を有していてもよい。また、例えば図3及び図4に示すように、バリア層3と熱融着性樹脂層4との間に、これらの層間の接着性を高めることなどを目的として、必要に応じて接着層5を有していてもよい。また、図4に示すように、基材層1の外側(熱融着性樹脂層4側とは反対側)には、必要に応じて表面被覆層6などが設けられていてもよい。
蓄電デバイス用外装材10を構成する積層体の厚みとしては、特に制限されないが、コスト削減、エネルギー密度向上等の観点からは、好ましくは約180μm以下、約155μm以下、約120μm以下が挙げられる。また、蓄電デバイス用外装材10を構成する積層体の厚みとしては、蓄電デバイス素子を保護するという蓄電デバイス用外装材の機能を維持する観点からは、好ましくは約35μm以上、約45μm以上、約60μm以上が挙げられる。また、蓄電デバイス用外装材10を構成する積層体の好ましい範囲については、例えば、35〜180μm程度、35〜155μm程度、35〜120μm程度、45〜180μm程度、45〜155μm程度、45〜120μm程度、60〜180μm程度、60〜155μm程度、60〜120μm程度が挙げられ、特に60〜155μm程度が好ましい。
蓄電デバイス用外装材10において、蓄電デバイス用外装材10を構成する積層体の厚み(総厚み)に対する、基材層1、必要に応じて設けられる接着剤層2、バリア層3、必要に応じて設けられる接着層5、熱融着性樹脂層4、及び必要に応じて設けられる表面被覆層6の合計厚みの割合は、好ましくは90%以上であり、より好ましくは95%以上であり、さらに好ましくは98%以上である。具体例としては、本開示の蓄電デバイス用外装材10が、基材層1、接着剤層2、バリア層3、接着層5、及び熱融着性樹脂層4を含む場合、蓄電デバイス用外装材10を構成する積層体の厚み(総厚み)に対する、これら各層の合計厚みの割合は、好ましくは90%以上であり、より好ましくは95%以上であり、さらに好ましくは98%以上である。また、本開示の蓄電デバイス用外装材10が、基材層1、接着剤層2、バリア層3、及び熱融着性樹脂層4を含む積層体である場合にも、蓄電デバイス用外装材10を構成する積層体の厚み(総厚み)に対する、これら各層の合計厚みの割合は、例えば80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上とすることができる。
[基材層1]
本開示において、基材層1は、蓄電デバイス用外装材の基材としての機能を発揮させることなどを目的として設けられる層である。基材層1は、蓄電デバイス用外装材の外層側に位置する。
基材層1を形成する素材については、基材としての機能、すなわち少なくとも絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されない。基材層1は、例えば樹脂を用いて形成することができ、樹脂には後述の添加剤が含まれていてもよい。
基材層1が樹脂により形成されている場合、基材層1は、例えば、樹脂により形成された樹脂フィルムであってもよいし、樹脂を塗布して形成したものであってもよい。樹脂フィルムは、未延伸フィルムであってもよいし、延伸フィルムであってもよい。延伸フィルムとしては、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムが挙げられ、二軸延伸フィルムが好ましい。二軸延伸フィルムを形成する延伸方法としては、例えば、逐次二軸延伸法、インフレーション法、同時二軸延伸法等が挙げられる。樹脂を塗布する方法としては、ロールコーティング法、グラビアコーティング法、押出コーティング法などが挙げられる。
基材層1を形成する樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール樹脂などの樹脂や、これらの樹脂の変性物が挙げられる。また、基材層1を形成する樹脂は、これらの樹脂の共重合物であってもよいし、共重合物の変性物であってもよい。さらに、これらの樹脂の混合物であってもよい。
基材層1を形成する樹脂としては、これらの中でも、好ましくはポリエステル、ポリアミドが挙げられる。
ポリエステルとしては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、共重合ポリエステル等が挙げられる。また、共重合ポリエステルとしては、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル等が挙げられる。具体的には、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてエチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/フェニル−ジカルボキシレート)、ポリエチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)等が挙げられる。これらのポリエステルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、ポリアミドとしては、具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6とナイロン66との共重合体等の脂肪族ポリアミド;テレフタル酸及び/又はイソフタル酸に由来する構成単位を含むナイロン6I、ナイロン6T、ナイロン6IT、ナイロン6I6T(Iはイソフタル酸、Tはテレフタル酸を表す)等のヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸−テレフタル酸共重合ポリアミド、ポリアミドMXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)等の芳香族を含むポリアミド;ポリアミドPACM6(ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンアジパミド)等の脂環式ポリアミド;さらにラクタム成分や、4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネート等のイソシアネート成分を共重合させたポリアミド、共重合ポリアミドとポリエステルやポリアルキレンエーテルグリコールとの共重合体であるポリエステルアミド共重合体やポリエーテルエステルアミド共重合体;これらの共重合体等のポリアミドが挙げられる。これらのポリアミドは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
基材層1は、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、及びポリオレフィンフィルムのうち少なくとも1つを含むことが好ましく、延伸ポリエステルフィルム、及び延伸ポリアミドフィルム、及び延伸ポリオレフィンフィルムのうち少なくとも1つを含むことが好ましく、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ポリブチレンテレフタレートフィルム、延伸ナイロンフィルム、延伸ポリプロピレンフィルムのうち少なくとも1つを含むことがさらに好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリブチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムのうち少なくとも1つを含むことがさらに好ましい。
基材層1は、単層であってもよいし、2層以上により構成されていてもよい。基材層1が2層以上により構成されている場合、基材層1は、樹脂フィルムを接着剤などで積層させた積層体であってもよいし、樹脂を共押出しして2層以上とした樹脂フィルムの積層体であってもよい。また、樹脂を共押出しして2層以上とした樹脂フィルムの積層体を、未延伸のまま基材層1としてもよいし、一軸延伸または二軸延伸して基材層1としてもよい。
基材層1において、2層以上の樹脂フィルムの積層体の具体例としては、ポリエステルフィルムとナイロンフィルムとの積層体、2層以上のナイロンフィルムの積層体、2層以上のポリエステルフィルムの積層体などが挙げられ、好ましくは、延伸ナイロンフィルムと延伸ポリエステルフィルムとの積層体、2層以上の延伸ナイロンフィルムの積層体、2層以上の延伸ポリエステルフィルムの積層体が好ましい。例えば、基材層1が2層の樹脂フィルムの積層体である場合、ポリエステル樹脂フィルムとポリエステル樹脂フィルムの積層体、ポリアミド樹脂フィルムとポリアミド樹脂フィルムの積層体、またはポリエステル樹脂フィルムとポリアミド樹脂フィルムの積層体が好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムとポリエチレンテレフタレートフィルムの積層体、ナイロンフィルムとナイロンフィルムの積層体、またはポリエチレンテレフタレートフィルムとナイロンフィルムの積層体がより好ましい。また、ポリエステル樹脂は、例えば電解液が表面に付着した際に変色し難いことなどから、基材層1が2層以上の樹脂フィルムの積層体である場合、ポリエステル樹脂フィルムが基材層1の最外層に位置することが好ましい。
基材層1が、2層以上の樹脂フィルムの積層体である場合、2層以上の樹脂フィルムは、接着剤を介して積層させてもよい。好ましい接着剤については、後述の接着剤層2で例示する接着剤と同様のものが挙げられる。なお、2層以上の樹脂フィルムを積層させる方法としては、特に制限されず、公知方法が採用でき、例えばドライラミネート法、サンドイッチラミネート法、押出ラミネート法、サーマルラミネート法などが挙げられ、好ましくはドライラミネート法が挙げられる。ドライラミネート法により積層させる場合には、接着剤としてポリウレタン接着剤を用いることが好ましい。このとき、接着剤の厚みとしては、例えば2〜5μm程度が挙げられる。また、樹脂フィルムにアンカーコート層を形成し積層させても良い。アンカーコート層は、後述の接着剤層2で例示する接着剤と同様のものが挙げられる。このとき、アンカーコート層の厚みとしては、例えば0.01から1.0μm程度が挙げられる。
また、基材層1の表面及び内部の少なくとも一方には、滑剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着付与剤、耐電防止剤等の添加剤が存在していてもよい。添加剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本開示において、蓄電デバイス用外装材の成形性を高める観点からは、基材層1の表面には、滑剤が存在していることが好ましい。滑剤としては、特に制限されないが、好ましくはアミド系滑剤が挙げられる。アミド系滑剤の具体例としては、例えば、飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、置換アミド、メチロールアミド、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスアミド、脂肪酸エステルアミド、芳香族ビスアミドなどが挙げられる。飽和脂肪酸アミドの具体例としては、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミドなどが挙げられる。不飽和脂肪酸アミドの具体例としては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどが挙げられる。置換アミドの具体例としては、N−オレイルパルミチン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミドなどが挙げられる。また、メチロールアミドの具体例としては、メチロールステアリン酸アミドなどが挙げられる。飽和脂肪酸ビスアミドの具体例としては、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミドなどが挙げられる。不飽和脂肪酸ビスアミドの具体例としては、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどが挙げられる。脂肪酸エステルアミドの具体例としては、ステアロアミドエチルステアレートなどが挙げられる。また、芳香族ビスアミドの具体例としては、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、m−キシリレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどが挙げられる。滑剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
基材層1の表面に滑剤が存在する場合、その存在量としては、特に制限されないが、好ましくは約3mg/m2以上、より好ましくは4〜15mg/m2程度、さらに好ましくは5〜14mg/m2程度が挙げられる。
基材層1の表面に存在する滑剤は、基材層1を構成する樹脂に含まれる滑剤を滲出させたものであってもよいし、基材層1の表面に滑剤を塗布したものであってもよい。
基材層1の厚みについては、基材としての機能を発揮すれば特に制限されないが、例えば、3〜50μm程度、好ましくは10〜35μm程度が挙げられる。基材層1が、2層以上の樹脂フィルムの積層体である場合、各層を構成している樹脂フィルムの厚みとしては、それぞれ、好ましくは2〜25μm程度が挙げられる。
[接着剤層2]
本開示の蓄電デバイス用外装材において、接着剤層2は、基材層1とバリア層3との接着性を高めることを目的として、必要に応じて、これらの間に設けられる層である。
接着剤層2は、基材層1とバリア層3とを接着可能である接着剤によって形成される。接着剤層2の形成に使用される接着剤は限定されないが、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれであってもよい。また、2液硬化型接着剤(2液性接着剤)であってもよく、1液硬化型接着剤(1液性接着剤)であってもよく、硬化反応を伴わない樹脂でもよい。また、接着剤層2は単層であってもよいし、多層であってもよい。
接着剤に含まれる接着成分としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、共重合ポリエステル等のポリエステル;ポリエーテル;ポリウレタン;エポキシ樹脂;フェノール樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミド等のポリアミド;ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン、酸変性環状ポリオレフィンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリ酢酸ビニル;セルロース;(メタ)アクリル樹脂;ポリイミド;ポリカーボネート;尿素樹脂、メラミン樹脂等のアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等のゴム;シリコーン樹脂等が挙げられる。これらの接着成分は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの接着成分の中でも、好ましくはポリウレタン接着剤が挙げられる。また、これらの接着成分となる樹脂は適切な硬化剤を併用して接着強度を高めることができる。前記硬化剤は、接着成分の持つ官能基に応じて、ポリイソシアネート、多官能エポキシ樹脂、オキサゾリン基含有ポリマー、ポリアミン樹脂、酸無水物などから適切なものを選択する。
ポリウレタン接着剤としては、例えば、ポリオール化合物を含有する主剤と、イソシアネート化合物を含有する硬化剤とを含むポリウレタン接着剤が挙げられる。好ましくはポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびアクリルポリオール等のポリオールを主剤として、芳香族系又は脂肪族系のポリイソシアネートを硬化剤とした二液硬化型のポリウレタン接着剤が挙げられる。また、ポリオール化合物としては、繰り返し単位の末端の水酸基に加えて、側鎖にも水酸基を有するポリエステルポリオールを用いることが好ましい。硬化剤としては、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族のイソシアネート系化合物が挙げられる。イソシアネート系化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素化XDI(H6XDI)、水素化MDI(H12MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)等が挙げられる。また、これらのジイソシアネートの1種類又は2種類以上からの多官能イソシアネート変性体等が挙げられる。また、ポリイソシアネート化合物として多量体(例えば三量体)を使用することもできる。このような多量体には、アダクト体、ビウレット体、ヌレート体等が挙げられる。接着剤層2がポリウレタン接着剤により形成されていることで蓄電デバイス用外装材に優れた電解液耐性が付与され、側面に電解液が付着しても基材層1が剥がれることが抑制される。
また、接着剤層2は、接着性を阻害しない限り他成分の添加が許容され、着色剤や熱可塑性エラストマー、粘着付与剤、フィラー(粒子を含む)などを含有してもよい。接着剤層2が着色剤を含んでいることにより、蓄電デバイス用外装材を着色することができる。着色剤としては、顔料、染料などの公知のものが使用できる。また、着色剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
前記の通り、例えば、蓄電デバイス用外装材10が着色されている場合(具体的には、蓄電デバイス用外装材10のバリア層3よりも基材層1側に位置する層のうち、少なくとも1層(例えば、後述する、基材層1,接着剤層2、着色層、表面被覆層6など)が着色されることで、蓄電デバイス用外装材10を基材層1側から観察した場合に、バリア層3とは異なる色が視認される場合)に、曲面部11における白化などが不良品と判定されやすく、特に、蓄電デバイス用外装材10の外観が黒色等の濃色である場合に、本開示の品質管理方法が有効となる。よって、蓄電デバイス用外装材10は、接着剤層2が着色されていることが好適である。
顔料の種類は、接着剤層2の接着性を損なわない範囲であれば、特に限定されない。有機顔料としては、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アンスラキノン系、ジオキサジン系、インジゴチオインジゴ系、ペリノン−ペリレン系、イソインドレニン系、ベンズイミダゾロン系等の顔料が挙げられ、無機顔料としては、カーボンブラック系、酸化チタン系、カドミウム系、鉛系、酸化クロム系、鉄系等の顔料が挙げられ、その他に、マイカ(雲母)の微粉末、魚鱗箔等が挙げられる。
着色剤の中でも、例えば蓄電デバイス用外装材の外観を黒色とするためには、カーボンブラックが好ましい。
顔料の平均粒子径としては、特に制限されず、例えば、0.05〜5μm程度、好ましくは0.08〜2μm程度が挙げられる。なお、顔料の平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置で測定されたメジアン径とする。
接着剤層2における顔料の含有量としては、蓄電デバイス用外装材が着色されれば特に制限されず、例えば5〜60質量%程度、好ましくは10〜40質量%が挙げられる。
接着剤層2の厚みは、基材層1とバリア層3とを接着できれば、特に制限されないが、例えば、約1μm以上、約2μm以上である。また、接着剤層2の厚みは、例えば、約10μm以下、約5μm以下である。また、接着剤層2の厚みの好ましい範囲については、1〜10μm程度、1〜5μm程度、2〜10μm程度、2〜5μm程度が挙げられる。
[着色層]
着色層は、基材層1とバリア層3との間に必要に応じて設けられる層である(図示を省略する)。接着剤層2を有する場合には、基材層1と接着剤層2との間、接着剤層2とバリア層3との間に着色層を設けてもよい。また、基材層1の外側に着色層を設けてもよい。着色層を設けることにより、蓄電デバイス用外装材を着色することができる。基材層1とバリア層3との間に、着色された接着剤層2と着色層を設けてもよい。
着色層は、例えば、着色剤を含むインキを基材層1の表面、またはバリア層3の表面に塗布することにより形成することができる。着色剤としては、顔料、染料などの公知のものが使用できる。また、着色剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
着色層に含まれる着色剤の具体例としては、[接着剤層2]の欄で例示したものと同じものが例示される。
[バリア層3]
蓄電デバイス用外装材において、バリア層3は、少なくとも水分の浸入を抑止する層である。
バリア層3としては、例えば、バリア性を有する金属箔、蒸着膜、樹脂層などが挙げられる。蒸着膜としては金属蒸着膜、無機酸化物蒸着膜、炭素含有無機酸化物蒸着膜などが挙げられ、樹脂層としてはポリ塩化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)を主成分としたポリマー類やテトラフルオロエチレン(TFE)を主成分としたポリマー類やフルオロアルキル基を有するポリマー、およびフルオロアルキル単位を主成分としたポリマー類などのフッ素含有樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体などが挙げられる。また、バリア層3としては、これらの蒸着膜及び樹脂層の少なくとも1層を設けた樹脂フィルムなども挙げられる。バリア層3は、複数層設けてもよい。バリア層3は、金属材料により構成された層を含むことが好ましい。バリア層3を構成する金属材料としては、具体的には、アルミニウム合金、ステンレス鋼、チタン鋼、鋼板などが挙げられ、金属箔として用いる場合は、アルミニウム合金箔及びステンレス鋼箔の少なくとも一方を含むことが好ましい。
アルミニウム合金箔は、蓄電デバイス用外装材の成形性を向上させる観点から、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム合金などにより構成された軟質アルミニウム合金箔であることがより好ましく、より成形性を向上させる観点から、鉄を含むアルミニウム合金箔であることが好ましい。鉄を含むアルミニウム合金箔(100質量%)において、鉄の含有量は、0.1〜9.0質量%であることが好ましく、0.5〜2.0質量%であることがより好ましい。鉄の含有量が0.1質量%以上であることにより、より優れた成形性を有する蓄電デバイス用外装材を得ることができる。鉄の含有量が9.0質量%以下であることにより、より柔軟性に優れた蓄電デバイス用外装材を得ることができる。軟質アルミニウム合金箔としては、例えば、JIS H4160:1994 A8021H−O、JIS H4160:1994 A8079H−O、JIS H4000:2014 A8021P−O、又はJIS H4000:2014 A8079P−Oで規定される組成を備えるアルミニウム合金箔が挙げられる。また必要に応じて、ケイ素、マグネシウム、銅、マンガンなどが添加されていてもよい。また軟質化は焼鈍処理などで行うことができる。
また、ステンレス鋼箔としては、オーステナイト系、フェライト系、オーステナイト・フェライト系、マルテンサイト系、析出硬化系のステンレス鋼箔などが挙げられる。さらに成形性に優れた蓄電デバイス用外装材を提供する観点から、ステンレス鋼箔は、オーステナイト系のステンレス鋼により構成されていることが好ましい。
ステンレス鋼箔を構成するオーステナイト系のステンレス鋼の具体例としては、SUS304、SUS301、SUS316Lなどが挙げられ、これら中でも、SUS301又はSUS304が特に好ましい。
バリア層3の厚みは、金属箔の場合、少なくとも水分の浸入を抑止するバリア層としての機能を発揮すればよく、例えば9〜200μm程度が挙げられる。バリア層3の厚みは、好ましくは約85μm以下、より好ましくは約50μm以下、さらに好ましくは約40μm以下、特に好ましくは約35μm以下である。また、バリア層3の厚みは、好ましくは約10μm以上、さらに好ましくは約20μm以上、より好ましくは約25μm以上である。また、バリア層3の厚みの好ましい範囲としては、10〜85μm程度、10〜50μm程度、10〜40μm程度、10〜35μm程度、20〜85μm程度、20〜50μm程度、20〜40μm程度、20〜35μm程度、25〜85μm程度、25〜50μm程度、25〜40μm程度、25〜35μm程度が挙げられる。バリア層3がアルミニウム合金箔により構成されている場合、上述した範囲が特に好ましい。また、特に、バリア層3がステンレス鋼箔により構成されている場合、ステンレス鋼箔の厚みは、好ましくは約60μm以下、より好ましくは約50μm以下、さらに好ましくは約40μm以下、さらに好ましくは約30μm以下、特に好ましくは約25μm以下である。また、ステンレス鋼箔の厚みは、好ましくは約10μm以上、より好ましくは約15μm以上である。また、ステンレス鋼箔の厚みの好ましい範囲としては、10〜60μm程度、10〜50μm程度、10〜40μm程度、10〜30μm程度、10〜25μm程度、15〜60μm程度、15〜50μm程度、15〜40μm程度、15〜30μm程度、15〜25μm程度が挙げられる。
また、バリア層3が金属箔の場合は、溶解や腐食の防止などのために、少なくとも基材層と反対側の面に耐腐食性皮膜を備えていることが好ましい。バリア層3は、耐腐食性皮膜を両面に備えていてもよい。ここで、耐腐食性皮膜とは、例えば、ベーマイト処理などの熱水変成処理、化成処理、陽極酸化処理、ニッケルやクロムなどのメッキ処理、コーティング剤を塗工する腐食防止処理をバリア層の表面に行い、バリア層に耐腐食性を備えさせる薄膜をいう。耐腐食性皮膜を形成する処理としては、1種類を行ってもよいし、2種類以上を組み合わせて行ってもよい。また、1層だけではなく多層化することもできる。さらに、これらの処理のうち、熱水変成処理及び陽極酸化処理は、処理剤によって金属箔表面を溶解させ、耐腐食性に優れる金属化合物を形成させる処理である。なお、これらの処理は、化成処理の定義に包含される場合もある。また、バリア層3が耐腐食性皮膜を備えている場合、耐腐食性皮膜を含めてバリア層3とする。
耐腐食性皮膜は、蓄電デバイス用外装材の成形時において、バリア層(例えば、アルミニウム合金箔)と基材層との間のデラミネーション防止、電解質と水分とによる反応で生成するフッ化水素により、バリア層表面の溶解、腐食、特にバリア層がアルミニウム合金箔である場合にバリア層表面に存在する酸化アルミニウムが溶解、腐食することを防止し、かつ、バリア層表面の接着性(濡れ性)を向上させ、ヒートシール時の基材層とバリア層とのデラミネーション防止、成形時の基材層とバリア層とのデラミネーション防止の効果を示す。
化成処理によって形成される耐腐食性皮膜としては、種々のものが知られており、主には、リン酸塩、クロム酸塩、フッ化物、トリアジンチオール化合物、及び希土類酸化物のうち少なくとも1種を含む耐腐食性皮膜などが挙げられる。リン酸塩、クロム酸塩を用いた化成処理としては、例えば、クロム酸クロメート処理、リン酸クロメート処理、リン酸−クロム酸塩処理、クロム酸塩処理などが挙げられ、これらの処理に用いるクロム化合物としては、例えば、硝酸クロム、フッ化クロム、硫酸クロム、酢酸クロム、蓚酸クロム、重リン酸クロム、クロム酸アセチルアセテート、塩化クロム、硫酸カリウムクロムなどが挙げられる。また、これらの処理に用いるリン化合物としては、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、ポリリン酸などが挙げられる。また、クロメート処理としてはエッチングクロメート処理、電解クロメート処理、塗布型クロメート処理などが挙げられ、塗布型クロメート処理が好ましい。この塗布型クロメート処理は、バリア層(例えばアルミニウム合金箔)の少なくとも内層側の面を、まず、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法、酸活性化法等の周知の処理方法で脱脂処理を行い、その後、脱脂処理面にリン酸Cr(クロム)塩、リン酸Ti(チタン)塩、リン酸Zr(ジルコニウム)塩、リン酸Zn(亜鉛)塩などのリン酸金属塩及びこれらの金属塩の混合体を主成分とする処理液、または、リン酸非金属塩及びこれらの非金属塩の混合体を主成分とする処理液、あるいは、これらと合成樹脂などとの混合物からなる処理液をロールコート法、グラビア印刷法、浸漬法等の周知の塗工法で塗工し、乾燥する処理である。処理液は例えば、水、アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤など各種溶媒を用いることができ、水が好ましい。また、このとき用いる樹脂成分としては、フェノール系樹脂やアクリル系樹脂などの高分子などが挙げられ、下記一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体を用いたクロメート処理などが挙げられる。なお、当該アミノ化フェノール重合体において、下記一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位は、1種類単独で含まれていてもよいし、2種類以上の任意の組み合わせであってもよい。アクリル系樹脂は、ポリアクリル酸、アクリル酸メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸マレイン酸共重合体、アクリル酸スチレン共重合体、またはこれらのナトリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩等の誘導体であることが好ましい。特にポリアクリル酸のアンモニウム塩、ナトリウム塩、又はアミン塩等のポリアクリル酸の誘導体が好ましい。本開示において、ポリアクリル酸とは、アクリル酸の重合体を意味している。また、アクリル系樹脂は、アクリル酸とジカルボン酸又はジカルボン酸無水物との共重合体であることも好ましく、アクリル酸とジカルボン酸又はジカルボン酸無水物との共重合体のアンモニウム塩、ナトリウム塩、又はアミン塩であることも好ましい。アクリル系樹脂は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
Figure 0006849162
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一般式(1)〜(4)中、Xは、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アリル基またはベンジル基を示す。また、R1及びR2は、それぞれ同一または異なって、ヒドロキシ基、アルキル基、またはヒドロキシアルキル基を示す。一般式(1)〜(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。また、X、R1及びR2で示されるヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基などのヒドロキシ基が1個置換された炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。一般式(1)〜(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基及びヒドロキシアルキル基は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。一般式(1)〜(4)において、Xは、水素原子、ヒドロキシ基またはヒドロキシアルキル基であることが好ましい。一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体の数平均分子量は、例えば、500〜100万程度であることが好ましく、1000〜2万程度であることがより好ましい。アミノ化フェノール重合体は、例えば、フェノール化合物又はナフトール化合物とホルムアルデヒドとを重縮合して上記一般式(1)又は一般式(3)で表される繰返し単位からなる重合体を製造し、次いでホルムアルデヒド及びアミン(R12NH)を用いて官能基(−CH2NR12)を上記で得られた重合体に導入することにより、製造される。アミノ化フェノール重合体は、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
耐腐食性皮膜の他の例としては、希土類元素酸化物ゾル、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するコーティング剤を塗工するコーティングタイプの腐食防止処理によって形成される薄膜が挙げられる。コーティング剤には、さらにリン酸またはリン酸塩、ポリマーを架橋させる架橋剤を含んでもよい。希土類元素酸化物ゾルには、液体分散媒中に希土類元素酸化物の微粒子(例えば、平均粒径100nm以下の粒子)が分散されている。希土類元素酸化物としては、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ネオジウム、酸化ランタン等が挙げられ、密着性をより向上させる観点から酸化セリウムが好ましい。耐腐食性皮膜に含まれる希土類元素酸化物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。希土類元素酸化物ゾルの液体分散媒としては、例えば、水、アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤など各種溶媒を用いることができ、水が好ましい。カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフト重合させた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンまたはその誘導体、アミノ化フェノールなどが好ましい。また、アニオン性ポリマーとしては、ポリ(メタ)アクリル酸またはその塩、あるいは(メタ)アクリル酸またはその塩を主成分とする共重合体であることが好ましい。また、架橋剤が、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、オキサゾリン基のいずれかの官能基を有する化合物とシランカップリング剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、前記リン酸またはリン酸塩が、縮合リン酸または縮合リン酸塩であることが好ましい。
耐腐食性皮膜の一例としては、リン酸中に、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化スズなどの金属酸化物や硫酸バリウムの微粒子を分散させたものをバリア層の表面に塗布し、150℃以上で焼付け処理を行うことにより形成したものが挙げられる。
耐腐食性皮膜は、必要に応じて、さらにカチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーの少なくとも一方を積層した積層構造としてもよい。カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマーとしては、上述したものが挙げられる。
なお、耐腐食性皮膜の組成の分析は、例えば、飛行時間型2次イオン質量分析法を用いて行うことができる。
化成処理においてバリア層3の表面に形成させる耐腐食性皮膜の量については、特に制限されないが、例えば、塗布型クロメート処理を行う場合であれば、バリア層3の表面1m2当たり、クロム酸化合物がクロム換算で例えば0.5〜50mg程度、好ましくは1.0〜40mg程度、リン化合物がリン換算で例えば0.5〜50mg程度、好ましくは1.0〜40mg程度、及びアミノ化フェノール重合体が例えば1.0〜200mg程度、好ましくは5.0〜150mg程度の割合で含有されていることが望ましい。
耐腐食性皮膜の厚みとしては、特に制限されないが、皮膜の凝集力や、バリア層や熱融着性樹脂層との密着力の観点から、好ましくは1nm〜20μm程度、より好ましくは1nm〜100nm程度、さらに好ましくは1nm〜50nm程度が挙げられる。なお、耐腐食性皮膜の厚みは、透過電子顕微鏡による観察、または、透過電子顕微鏡による観察と、エネルギー分散型X線分光法もしくは電子線エネルギー損失分光法との組み合わせによって測定することができる。飛行時間型2次イオン質量分析法を用いた耐腐食性皮膜の組成の分析により、例えば、CeとPとOからなる2次イオン(例えば、Ce2PO4 +、CePO4 -などの少なくとも1種)や、例えば、CrとPとOからなる2次イオン(例えば、CrPO2 +、CrPO4 -などの少なくとも1種)に由来するピークが検出される。
化成処理は、耐腐食性皮膜の形成に使用される化合物を含む溶液を、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法などによって、バリア層の表面に塗布した後に、バリア層の温度が70〜200℃程度になるように加熱することにより行われる。また、バリア層に化成処理を施す前に、予めバリア層を、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法などによる脱脂処理に供してもよい。このように脱脂処理を行うことにより、バリア層の表面の化成処理をより効率的に行うことが可能となる。また、脱脂処理にフッ素含有化合物を無機酸で溶解させた酸脱脂剤を用いることで、金属箔の脱脂効果だけでなく不動態である金属のフッ化物を形成させることが可能であり、このような場合には脱脂処理だけを行ってもよい。
[熱融着性樹脂層4]
本開示の蓄電デバイス用外装材において、熱融着性樹脂層4は、最内層に該当し、蓄電デバイスの組み立て時に熱融着性樹脂層同士が熱融着して蓄電デバイス素子を密封する機能を発揮する層(シーラント層)である。
熱融着性樹脂層4を構成している樹脂については、熱融着可能であることを限度として特に制限されないが、ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィンなどのポリオレフィン骨格を含む樹脂が好ましい。熱融着性樹脂層4を構成している樹脂がポリオレフィン骨格を含むことは、例えば、赤外分光法、ガスクロマトグラフィー質量分析法などにより分析可能である。また、熱融着性樹脂層4を構成している樹脂を赤外分光法で分析すると、無水マレイン酸に由来するピークが検出されることが好ましい。例えば、赤外分光法にて無水マレイン酸変性ポリオレフィンを測定すると、波数1760cm-1付近と波数1780cm-1付近に無水マレイン酸由来のピークが検出される。熱融着性樹脂層4が無水マレイン酸変性ポリオレフィンより構成された層である場合、赤外分光法にて測定すると、無水マレイン酸由来のピークが検出される。ただし、酸変性度が低いとピークが小さくなり検出されない場合がある。その場合は核磁気共鳴分光法にて分析可能である。
ポリオレフィンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン;エチレン−αオレフィン共重合体;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)等のポリプロピレン;プロピレン−αオレフィン共重合体;エチレン−ブテン−プロピレンのターポリマー等が挙げられる。これらの中でも、ポリプロピレンが好ましい。共重合体である場合のポリオレフィン樹脂は、ブロック共重合体であってもよく、ランダム共重合体であってもよい。これらポリオレフィン系樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ポリオレフィンは、環状ポリオレフィンであってもよい。環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体であり、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーであるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。また、環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネン等の環状アルケン;シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは環状アルケン、さらに好ましくはノルボルネンが挙げられる。
酸変性ポリオレフィンとは、ポリオレフィンを酸成分でブロック重合又はグラフト重合することにより変性したポリマーである。酸変性されるポリオレフィンとしては、前記のポリオレフィンや、前記のポリオレフィンにアクリル酸若しくはメタクリル酸等の極性分子を共重合させた共重合体、又は、架橋ポリオレフィン等の重合体等も使用できる。また、酸変性に使用される酸成分としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボン酸またはその無水物が挙げられる。
酸変性ポリオレフィンは、酸変性環状ポリオレフィンであってもよい。酸変性環状ポリオレフィンとは、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、酸成分に代えて共重合することにより、または環状ポリオレフィンに対して酸成分をブロック重合又はグラフト重合することにより得られるポリマーである。酸変性される環状ポリオレフィンについては、前記と同様である。また、酸変性に使用される酸成分としては、前記のポリオレフィンの変性に使用される酸成分と同様である。
好ましい酸変性ポリオレフィンとしては、カルボン酸またはその無水物で変性されたポリオレフィン、カルボン酸またはその無水物で変性されたポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリオレフィン、無水マレイン酸変性ポリプロピレンが挙げられる。
熱融着性樹脂層4は、1種の樹脂単独で形成してもよく、また2種以上の樹脂を組み合わせたブレンドポリマーにより形成してもよい。さらに、熱融着性樹脂層4は、1層のみで形成されていてもよいが、同一又は異なる樹脂によって2層以上で形成されていてもよい。
また、熱融着性樹脂層4は、必要に応じて滑剤などを含んでいてもよい。熱融着性樹脂層4が滑剤を含む場合、蓄電デバイス用外装材の成形性を高め得る。滑剤としては、特に制限されず、公知の滑剤を用いることができる。滑剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
滑剤としては、特に制限されないが、好ましくはアミド系滑剤が挙げられる。滑剤の具体例としては、基材層1で例示したものが挙げられる。滑剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
熱融着性樹脂層4の表面に滑剤が存在する場合、その存在量としては、特に制限されないが、蓄電デバイス用外装材の成形性を高める観点からは、好ましくは10〜50mg/m2程度、さらに好ましくは15〜40mg/m2程度が挙げられる。
熱融着性樹脂層4の表面に存在する滑剤は、熱融着性樹脂層4を構成する樹脂に含まれる滑剤を滲出させたものであってもよいし、熱融着性樹脂層4の表面に滑剤を塗布したものであってもよい。
また、熱融着性樹脂層4の厚みとしては、熱融着性樹脂層同士が熱融着して蓄電デバイス素子を密封する機能を発揮すれば特に制限されないが、例えば約100μm以下、好ましくは約85μm以下、より好ましくは15〜85μm程度が挙げられる。なお、例えば、後述の接着層5の厚みが10μm以上である場合には、熱融着性樹脂層4の厚みとしては、好ましくは約85μm以下、より好ましくは15〜45μm程度が挙げられ、例えば後述の接着層5の厚みが10μm未満である場合や接着層5が設けられていない場合には、熱融着性樹脂層4の厚みとしては、好ましくは約20μm以上、より好ましくは35〜85μm程度が挙げられる。
[接着層5]
本開示の蓄電デバイス用外装材において、接着層5は、バリア層3(又は耐腐食性皮膜)と熱融着性樹脂層4を強固に接着させるために、これらの間に必要に応じて設けられる層である。
接着層5は、バリア層3と熱融着性樹脂層4とを接着可能である樹脂によって形成される。接着層5の形成に使用される樹脂としては、例えば接着剤層2で例示した接着剤と同様のものが使用できる。また、接着層5と熱融着性樹脂層4とを強固に接着する観点から、接着層5の形成に使用される樹脂としてはポリオレフィン骨格を含んでいることが好ましく、前述の熱融着性樹脂層4で例示したポリオレフィン、酸変性ポリオレフィンが挙げられる。一方、バリア層3と接着層5とを強固に接着する観点から、接着層5は酸変性ポリオレフィンを含むことが好ましい。酸変性成分としては、マレイン酸、イタコン酸、コハク酸、アジピン酸などのジカルボン酸やこれらの無水物、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられるが、変性のし易さや汎用性などの点から無水マレイン酸が最も好ましい。また、蓄電デバイス用外装材の耐熱性の観点からは、オレフィン成分はポリプロピレン系樹脂であることが好ましく、接着層5は無水マレイン酸変性ポリプロピレンを含むことが最も好ましい。
接着層5を構成している樹脂がポリオレフィン骨格を含むことは、例えば、赤外分光法、ガスクロマトグラフィー質量分析法などにより分析可能であり、分析方法は特に問わない。また、接着層5を構成している樹脂が酸変性ポリオレフィンを含むことは、例えば、赤外分光法にて無水マレイン酸変性ポリオレフィンを測定すると、波数1760cm-1付近と波数1780cm-1付近に無水マレイン酸由来のピークが検出される。ただし、酸変性度が低いとピークが小さくなり検出されない場合がある。その場合は核磁気共鳴分光法にて分析可能である。
さらに、蓄電デバイス用外装材の耐熱性や耐内容物性などの耐久性や、厚みを薄くしつつ成形性を担保する観点からは、接着層5は酸変性ポリオレフィンと硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物であることがより好ましい。酸変性ポリオレフィンとしては、好ましくは、前記のものが例示できる。
また、接着層5は、酸変性ポリオレフィンと、イソシアネート基を有する化合物、オキサゾリン基を有する化合物、及びエポキシ基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを含む樹脂組成物の硬化物であることが好ましく、酸変性ポリオレフィンと、イソシアネート基を有する化合物及びエポキシ基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを含む樹脂組成物の硬化物であることが特に好ましい。また、接着層5は、ポリウレタン、ポリエステル、及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、ポリウレタン及びエポキシ樹脂を含むことがより好ましい。ポリエステルとしては、例えばエポキシ基と無水マレイン酸基の反応により生成するエステル樹脂、オキサゾリン基と無水マレイン酸基の反応で生成するアミドエステル樹脂が好ましい。なお、接着層5に、イソシアネート基を有する化合物、オキサゾリン基を有する化合物、エポキシ樹脂などの硬化剤の未反応物が残存している場合、未反応物の存在は、例えば、赤外分光法、ラマン分光法、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)などから選択される方法で確認することが可能である。
また、バリア層3と接着層5との密着性をより高める観点から、接着層5は、酸素原子、複素環、C=N結合、及びC−O−C結合からなる群より選択される少なくとも1種を有する硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物であることが好ましい。複素環を有する硬化剤としては、例えば、オキサゾリン基を有する硬化剤、エポキシ基を有する硬化剤などが挙げられる。また、C=N結合を有する硬化剤としては、オキサゾリン基を有する硬化剤、イソシアネート基を有する硬化剤などが挙げられる。また、C−O−C結合を有する硬化剤としては、オキサゾリン基を有する硬化剤、エポキシ基を有する硬化剤などが挙げられる。接着層5がこれらの硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物であることは、例えば、ガスクロマトグラフ質量分析(GCMS)、赤外分光法(IR)、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、X線光電子分光法(XPS)などの方法で確認することができる。
イソシアネート基を有する化合物としては、特に制限されないが、バリア層3と接着層5との密着性を効果的に高める観点からは、好ましくは多官能イソシアネート化合物が挙げられる。多官能イソシアネート化合物は、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物であれば、特に限定されない。多官能イソシアネート系硬化剤の具体例としては、ペンタンジイソシアネート(PDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、これらをポリマー化やヌレート化したもの、これらの混合物や他ポリマーとの共重合物などが挙げられる。また、アダクト体、ビュレット体、イソシアヌレート体などが挙げられる。
接着層5における、イソシアネート基を有する化合物の含有量としては、接着層5を構成する樹脂組成物中、0.1〜50質量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜40質量%の範囲にあることがより好ましい。これにより、バリア層3と接着層5との密着性を効果的に高めることができる。
オキサゾリン基を有する化合物は、オキサゾリン骨格を備える化合物であれば、特に限定されない。オキサゾリン基を有する化合物の具体例としては、ポリスチレン主鎖を有するもの、アクリル主鎖を有するものなどが挙げられる。また、市販品としては、例えば、日本触媒社製のエポクロスシリーズなどが挙げられる。
接着層5における、オキサゾリン基を有する化合物の割合としては、接着層5を構成する樹脂組成物中、0.1〜50質量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜40質量%の範囲にあることがより好ましい。これにより、バリア層3と接着層5との密着性を効果的に高めることができる。
エポキシ基を有する化合物としては、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、分子内に存在するエポキシ基によって架橋構造を形成することが可能な樹脂であれば、特に制限されず、公知のエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂の重量平均分子量としては、好ましくは50〜2000程度、より好ましくは100〜1000程度、さらに好ましくは200〜800程度が挙げられる。なお、第1の開示において、エポキシ樹脂の重量平均分子量は、標準サンプルとしてポリスチレンを用いた条件で測定された、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定された値である。
エポキシ樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパンのグリシジルエーテル誘導体、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、変性ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールF型グリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。エポキシ樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
接着層5における、エポキシ樹脂の割合としては、接着層5を構成する樹脂組成物中、0.1〜50質量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜40質量%の範囲にあることがより好ましい。これにより、バリア層3と接着層5との密着性を効果的に高めることができる。
ポリウレタンとしては、特に制限されず、公知のポリウレタンを使用することができる。接着層5は、例えば、2液硬化型ポリウレタンの硬化物であってもよい。
接着層5における、ポリウレタンの割合としては、接着層5を構成する樹脂組成物中、0.1〜50質量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜40質量%の範囲にあることがより好ましい。これにより、電解液などのバリア層の腐食を誘発する成分が存在する雰囲気における、バリア層3と接着層5との密着性を効果的に高めることができる。
なお、接着層5が、イソシアネート基を有する化合物、オキサゾリン基を有する化合物、及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種と、前記酸変性ポリオレフィンとを含む樹脂組成物の硬化物である場合、酸変性ポリオレフィンが主剤として機能し、イソシアネート基を有する化合物、オキサゾリン基を有する化合物、及びエポキシ基を有する化合物は、それぞれ、硬化剤として機能する。
接着層5には、カルボジイミド基を有する改質剤が含まれていてもよい。
接着層5の厚さは、好ましくは、約50μm以下、約40μm以下、約30μm以下、約20μm以下、約5μm以下である。また、接着層5の厚さは、好ましくは、約0.1μm以上、約0.5μm以上である。また、接着層5の厚さの範囲としては、好ましくは、0.1〜50μm程度、0.1〜40μm程度、0.1〜30μm程度、0.1〜20μm程度、0.1〜5μm程度、0.5〜50μm程度、0.5〜40μm程度、0.5〜30μm程度、0.5〜20μm程度、0.5〜5μm程度が挙げられる。より具体的には、接着剤層2で例示した接着剤や、酸変性ポリオレフィンと硬化剤との硬化物である場合は、好ましくは1〜10μm程度、より好ましくは1〜5μm程度が挙げられる。また、熱融着性樹脂層4で例示した樹脂を用いる場合であれば、好ましくは2〜50μm程度、より好ましくは10〜40μm程度が挙げられる。なお、接着層5が接着剤層2で例示した接着剤や、酸変性ポリオレフィンと硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物である場合、例えば、当該樹脂組成物を塗布し、加熱等により硬化させることにより、接着層5を形成することができる。また、熱融着性樹脂層4で例示した樹脂を用いる場合、例えば、熱融着性樹脂層4と接着層5との押出成形により形成することができる。
[表面被覆層6]
本開示の蓄電デバイス用外装材は、意匠性、耐電解液性、耐傷性、成形性などの向上の少なくとも一つを目的として、必要に応じて、基材層1の上(基材層1のバリア層3とは反対側)に、表面被覆層6を備えていてもよい。表面被覆層6は、蓄電デバイス用外装材を用いて蓄電デバイスを組み立てた時に、蓄電デバイス用外装材の最外層側に位置する層である。
表面被覆層6は、例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、フッ素樹脂、珪素樹脂、フェノール樹脂などの樹脂、これらの樹脂の混合物、これらの樹脂の変性物、これらの樹脂を含む共重合物、これらの樹脂の変性物を含む共重合物などのうち、少なくとも1種により形成することができる。樹脂は、好ましくは硬化性樹脂である。
表面被覆層6を形成する樹脂が硬化型の樹脂である場合、当該樹脂は、1液硬化型及び2液硬化型のいずれであってもよいが、好ましくは2液硬化型である。2液硬化型樹脂としては、例えば、2液硬化型ポリウレタン、2液硬化型ポリエステル、2液硬化型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも2液硬化型ポリウレタンが好ましい。
2液硬化型ポリウレタンとしては、例えば、ポリオール化合物を含有する主剤と、イソシアネート化合物を含有する硬化剤とを含むポリウレタンが挙げられる。好ましくはポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびアクリルポリオール等のポリオールを主剤として、芳香族系又は脂肪族系のポリイソシアネートを硬化剤とした二液硬化型のポリウレタンが挙げられる。特に、ポリオールとして、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびアクリルポリオール等のうち、2種以上を含むことが好ましく、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびアクリルポリオールの3種のうち2種以上を含むことがさらに好ましい。また、ポリオールは、アクリルポリオールを含むことが好ましい。硬化剤は、芳香族系イソシアネート系化合物を含むことが好ましい。また、ポリオール化合物としては、繰り返し単位の末端の水酸基に加えて、側鎖にも水酸基を有するポリエステルポリオールを用いることが好ましい。硬化剤としては、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族のイソシアネート系化合物が挙げられる。イソシアネート系化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素化XDI(H6XDI)、水素化MDI(H12MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)等が挙げられる。また、これらのジイソシアネートの1種類又は2種類以上からの多官能イソシアネート変性体等が挙げられる。また、ポリイソシアネート化合物として多量体(例えば三量体)を使用することもできる。このような多量体には、アダクト体、ビウレット体、ヌレート体等が挙げられる。なお、脂肪族イソシアネート系化合物とは脂肪族基を有し芳香環を有さないイソシアネートを指し、脂環式イソシアネート系化合物とは脂環式炭化水素基を有するイソシアネートを指し、芳香族イソシアネート系化合物とは芳香環を有するイソシアネートを指す。表面被覆層6がポリウレタンにより形成されていることで蓄電デバイス用外装材に優れた電解液耐性が付与される。
表面被覆層6は、表面被覆層6の表面及び内部の少なくとも一方には、該表面被覆層6やその表面に備えさせるべき機能性等に応じて、必要に応じて、前述した滑剤や、アンチブロッキング剤、艶消し剤(フィラーなど(粒子など))、難燃剤、酸化防止剤、粘着付与剤、耐電防止剤等の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、平均粒子径が0.5nm〜5μm程度の微粒子が挙げられる。添加剤の平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置で測定されたメジアン径とする。
添加剤は、無機物及び有機物のいずれであってもよい。また、添加剤の形状についても、特に制限されず、例えば、球状、繊維状、板状、不定形、鱗片状などが挙げられる。
添加剤の具体例としては、タルク、シリカ、グラファイト、カオリン、モンモリロナイト、マイカ、ハイドロタルサイト、シリカゲル、ゼオライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化セリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸リチウム、安息香酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、アルミナ、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、高融点ナイロン、アクリレート樹脂、架橋アクリル、架橋スチレン、架橋ポリエチレン、ベンゾグアナミン、金、アルミニウム、銅、ニッケルなどが挙げられる。添加剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの添加剤の中でも、分散安定性やコストなどの観点から、好ましくはシリカ、硫酸バリウム、酸化チタンが挙げられる。また、添加剤には、表面に絶縁処理、高分散性処理などの各種表面処理を施してもよい。
前記の通り、例えば、蓄電デバイス用外装材10が着色されている場合(具体的には、蓄電デバイス用外装材10のバリア層3よりも基材層1側に位置する層のうち、少なくとも1層(例えば、後述する、基材層1,接着剤層2、着色層、表面被覆層6など)が着色されることで、蓄電デバイス用外装材10を基材層1側から観察した場合に、バリア層3とは異なる色が視認される場合)に、曲面部11における白化などが不良品と判定されやすく、特に、蓄電デバイス用外装材10の外観が黒色等の濃色である場合に、本開示の品質管理方法が有効となる。また、例えば、蓄電デバイス用外装材が艶消し調である場合に、曲面部11における白化などが不良品と判定されやすいことから、本開示の品質管理方法が有効となる。よって、蓄電デバイス用外装材10においては、表面被覆層6が着色されていてもよいし、表面被覆層6が艶消し剤を含むことが好適である。具体的には、表面被覆層6が、樹脂(例えば、ポリオール化合物と芳香族系イソシアネート系化合物の混合物から形成されるポリウレタン)と、無機粒子(例えばシリカ粒子など)と、有機粒子とを含む樹脂組成物により構成されており、表面被覆層6側から蓄電デバイス用外装材10を観察した場合に、外観が黒色の濃色である場合に、本開示の品質管理方法が有効となる。
表面被覆層6を形成する方法としては、特に制限されず、例えば、表面被覆層6を形成する樹脂を塗布する方法が挙げられる。表面被覆層6に添加剤を配合する場合には、添加剤を混合した樹脂を塗布すればよい。
表面被覆層6の厚みとしては、表面被覆層6としての上記の機能を発揮すれば特に制限されず、例えば0.5〜10μm程度、好ましくは1〜5μm程度が挙げられる。
蓄電デバイス用外装材の製造方法
蓄電デバイス用外装材の製造方法については、本発明の蓄電デバイス用外装材が備える各層を積層させた積層体が得られる限り、特に制限されず、少なくとも、基材層1、バリア層3、及び熱融着性樹脂層4がこの順となるように積層する工程を備える方法が挙げられる。
本発明の蓄電デバイス用外装材の製造方法の一例としては、以下の通りである。まず、基材層1、接着剤層2、バリア層3が順に積層された積層体(以下、「積層体A」と表記することもある)を形成する。積層体Aの形成は、具体的には、基材層1上又は必要に応じて表面が化成処理されたバリア層3に接着剤層2の形成に使用される接着剤を、グラビアコート法、ロールコート法などの塗布方法で塗布、乾燥した後に、当該バリア層3又は基材層1を積層させて接着剤層2を硬化させるドライラミネート法によって行うことができる。
次いで、積層体Aのバリア層3上に、熱融着性樹脂層4を積層させる。バリア層3上に熱融着性樹脂層4を直接積層させる場合には、積層体Aのバリア層3上に、熱融着性樹脂層4をサーマルラミネート法、押出ラミネート法などの方法により積層すればよい。また、バリア層3と熱融着性樹脂層4の間に接着層5を設ける場合には、例えば、(1)積層体Aのバリア層3上に、接着層5及び熱融着性樹脂層4を押出しすることにより積層する方法(共押出しラミネート法、タンデムラミネート法)、(2)別途、接着層5と熱融着性樹脂層4が積層した積層体を形成し、これを積層体Aのバリア層3上にサーマルラミネート法により積層する方法や、積層体Aのバリア層3上に接着層5が積層した積層体を形成し、これを熱融着性樹脂層4とサーマルラミネート法により積層する方法、(3)積層体Aのバリア層3と、予めシート状に製膜した熱融着性樹脂層4との間に、溶融させた接着層5を流し込みながら、接着層5を介して積層体Aと熱融着性樹脂層4を貼り合せる方法(サンドイッチラミネート法)、(4)積層体Aのバリア層3上に、接着層5を形成させるための接着剤を溶液コーティングし、乾燥させる方法や、さらには焼き付ける方法などにより積層させ、この接着層5上に予めシート状に製膜した熱融着性樹脂層4を積層する方法などが挙げられる。
表面被覆層6を設ける場合には、基材層1のバリア層3とは反対側の表面に、表面被覆層6を積層する。表面被覆層6は、例えば表面被覆層6を形成する上記の樹脂を基材層1の表面に塗布することにより形成することができる。なお、基材層1の表面にバリア層3を積層する工程と、基材層1の表面に表面被覆層6を積層する工程の順番は、特に制限されない。例えば、基材層1の表面に表面被覆層6を形成した後、基材層1の表面被覆層6とは反対側の表面にバリア層3を形成してもよい。
上記のようにして、必要に応じて設けられる表面被覆層6/基材層1/必要に応じて設けられる接着剤層2/バリア層3/必要に応じて設けられる接着層5/熱融着性樹脂層4をこの順に備える積層体が形成されるが、必要に応じて設けられる接着剤層2及び接着層5の接着性を強固にするために、さらに、加熱処理に供してもよい。
蓄電デバイス用外装材において、積層体を構成する各層には、必要に応じて、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理などの表面活性化処理を施すことにより加工適性を向上させてもよい。例えば、基材層1のバリア層3とは反対側の表面にコロナ処理を施すことにより、基材層1表面へのインクの印刷適性を向上させることができる。
蓄電デバイス用外装材の用途
本開示の蓄電デバイス用外装材は、正極、負極、電解質等の蓄電デバイス素子を密封して収容するための包装体に使用される。すなわち、本開示の蓄電デバイス用外装材によって形成された包装体中に、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子を収容して、蓄電デバイスとすることができる。
具体的には、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子を、本開示の蓄電デバイス用外装材で、前記正極及び負極の各々に接続された金属端子を外側に突出させた状態で、蓄電デバイス素子の周縁にフランジ部(熱融着性樹脂層同士が接触する領域)が形成できるようにして被覆し、前記フランジ部の熱融着性樹脂層同士をヒートシールして密封させることによって、蓄電デバイス用外装材を使用した蓄電デバイスが提供される。なお、本開示の蓄電デバイス用外装材により形成された包装体中に蓄電デバイス素子を収容する場合、本開示の蓄電デバイス用外装材の熱融着性樹脂部分が内側(蓄電デバイス素子と接する面)になるようにして、包装体を形成する。2つの蓄電デバイス用外装材の熱融着性樹脂層同士を対向させて重ね合わせ、重ねられた蓄電デバイス用外装材の周縁部を熱融着して包装体を形成してもよく、また、図11に示す例のように、1つの蓄電デバイス用外装材を折り返して重ね合わせ、周縁部を熱融着して包装体を形成してもよい。折り返して重ね合わせる場合は、図11に示す例のように、折り返した辺以外の辺を熱融着して三方シールにより包装体を形成してもよいし、フランジ部が形成できるように折り返して四方シールしてもよい。また、蓄電デバイス用外装材には、蓄電デバイス素子を収容するための凹部が、深絞り成形または張出成形によって形成されてもよい。図11に示す例のように、一方の蓄電デバイス用外装材には凹部を設けて他方の蓄電デバイス用外装材には凹部を設けなくてもよいし、他方の蓄電デバイス用外装材にも凹部を設けてもよい。
本開示の蓄電デバイス用外装材は、電池(コンデンサー、キャパシター等を含む)などの蓄電デバイスに好適に使用することができる。また、本開示の蓄電デバイス用外装材は、一次電池、二次電池のいずれに使用してもよいが、好ましくは二次電池に使用される。本開示の蓄電デバイス用外装材が適用される二次電池の種類については、特に制限されず、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、全固体電池、鉛蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・鉄蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電池、酸化銀・亜鉛蓄電池、金属空気電池、多価カチオン電池、コンデンサー、キャパシター等が挙げられる。これらの二次電池の中でも、本開示の蓄電デバイス用外装材の好適な適用対象として、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池が挙げられる。
以下に実施例を示して本開示を詳細に説明する。但し本開示は実施例に限定されるものではない。
<蓄電デバイス用外装材の製造>
実施例1−6
基材層として、延伸ナイロン(ONy)フィルム(厚さ15μm)を準備した。また、バリア層として、アルミニウム箔(JIS H4160:1994 A8021H−O(厚さ35μm))を用意した。次に、バリア層と基材層とを接着剤(着色剤としてカーボンブラックを含有する2液型ウレタン接着剤)を用いてドライラミネート法で積層した後、エージング処理を実施することにより、基材層/接着剤層(黒色)/バリア層の積層体を作製した。アルミニウム箔の両面には、化成処理が施してある。アルミニウム箔の化成処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をクロムの塗布量が10mg/m2(乾燥質量)となるように、ロールコート法によりアルミニウム箔の両面に塗布し、焼付けすることにより行った。
次に、上記で得られた各積層体のバリア層の上に、接着層(厚さ20μm)としての無水マレイン酸変性ポリプロピレンと、熱融着性樹脂層(厚さ15μm)としてのランダムポリプロピレンとを共押出しすることにより、バリア層の上に接着層/熱融着性樹脂層とを積層させた。さらに、得られた積層体の基材層の表面に、それぞれ後述の組成を有する樹脂組成物(樹脂は、ポリオール化合物とイソシアネート系化合物の混合物から形成されるポリウレタン樹脂)を厚さ3μmとなるように塗工することにより、つや消し調の表面被覆層を形成して、外側から順に、表面被覆層(3μm)/基材層(厚さ15μm)/接着剤層(3μm)/バリア層(35μm)/接着層(20μm)/熱融着性樹脂層(15μm)が積層された積層体(総厚み91μm)を得た。
次に、得られた各積層体を裁断して、150mm(TD;Transverse Direction)×90mm(MD:Machine Direction)の短冊片とした。なお、積層体のMDが、アルミニウム合金箔の圧延方向(RD)に対応し、積層体のTDが、アルミニウム合金箔のTDに対応する。次に、54.5mm(TD)×31.6mm(MD)の口径を有する成形金型(雌型)と、これに対応する成形金型(雄型)の間に短冊片を配置(雌型側が基材層側)し、4つのシリンダー(シリンダー径φ80mm)を使用し、シリンダーの押さえ圧を0.25MPaに設定して、成形深さD=3.0mmで冷間成型を行い、図5,6の模式図に示すような平面視矩形状の凹部100を有する外観が黒色の蓄電デバイス用外装材を得た。
雌型と雄型とのクリアランスは0.5mmとした。雌型の表面は、JIS B 0659−1:2002附属書1(参考) 比較用表面粗さ標準片の表2に規定される、最大高さ粗さ(Rzの呼び値)が0.8μmである。雌型のコーナーRは2.0mm、稜線Rは2.5mmである。雄型の表面は、JIS B 0659−1:2002附属書1(参考) 比較用表面粗さ標準片の表2に規定される、最大高さ粗さ(Rzの呼び値)が3.2μmである。雄型のコーナーRは2.0mm、稜線Rは2.0mmである。雄型のコーナーRと稜線Rは、JIS B 0659−1:2002附属書1(参考) 比較用表面粗さ標準片の表2に規定される、最大高さ粗さ(Rzの呼び値)が1.6μmである。
実施例7
基材層として、延伸ナイロン(ONy)フィルム(厚さ12μm)を準備した。また、バリア層として、ステンレス鋼箔(SUS304(厚さ20μm))を用意した。次に、バリア層と基材層とを接着剤(着色剤としてカーボンブラックを含有する2液型ウレタン接着剤)を用いてドライラミネート法で積層した後、エージング処理を実施することにより、基材層/接着剤層(黒色)/バリア層の積層体を作製した。ステンレス鋼箔の両面には、化成処理が施してある。ステンレス鋼箔の化成処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をクロムの塗布量が10mg/m2(乾燥質量)となるように、ロールコート法によりステンレス鋼箔の両面に塗布し、焼付けすることにより行った。
次に、上記で得られた積層体のバリア層と熱融着性樹脂層とを、変性オレフィン系接着剤(硬化後の接着層の厚みは3μm)を用いてドライラミネート法で接着し、バリア層の上に接着層と熱融着性樹脂層とを積層した。熱融着性樹脂層としては、未延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ23μm)を用いた。さらに、得られた積層体の基材層の表面に、後述の組成を有する樹脂組成物2(樹脂は、ポリオール化合物とイソシアネート系化合物の混合物から形成されるポリウレタン樹脂)を厚さ3μmとなるように塗工することにより、つや消し調の表面被覆層を形成して、外側から順に表面被覆層(3μm)/基材層(厚さ12μm)/接着剤層(3μm)/バリア層(20μm)/接着層(3μm)/熱融着性樹脂層(23μm)が積層された積層体(総厚み64μm)を得た。得られた積層体を、実施例1〜6と同様にして成形し、図5,6の模式図に示すような平面視矩形状の凹部100を有する外観が黒色の蓄電デバイス用外装材を得た。
実施例8
表面被覆層の形成において、樹脂組成物2の代わりに、下記の樹脂組成物3を用い、表面被覆層を形成したこと以外は、実施例7と同様にして、図5,6の模式図に示すような平面視矩形状の凹部100を有する外観が黒色の蓄電デバイス用外装材を得た。
[表面被覆層の樹脂組成物]
実施例において、表面被覆層の形成には、それぞれ、以下の組成を有する樹脂組成物を用いた。
(樹脂組成物1(実施例1で使用))
樹脂(1種のポリオール化合物と脂肪族系イソシアネート系化合物の混合物から形成されるポリウレタン)と、無機粒子(硫酸バリウム粒子 平均粒子径1μm)と、有機粒子(平均粒子径2μm)と、オレフィン系ワックスを含む樹脂組成物。
(樹脂組成物2(実施例2,7で使用))
樹脂(2種のポリオール化合物と脂肪族系イソシアネート系化合物の混合物から形成されるポリウレタン)と、無機粒子(シリカ粒子 平均粒子径1μm)と、有機粒子(平均粒子径2μm)と、オレフィン系ワックスを含む樹脂組成物。
(樹脂組成物3(実施例3,8で使用))
樹脂(2種のポリオール化合物と芳香族系イソシアネート系化合物の混合物から形成されるポリウレタン(2種のポリオール化合物の配合比を樹脂組成物2から変更))と、無機粒子(シリカ粒子 平均粒子径1μm)と、有機粒子(平均粒子径2μm)を含む樹脂組成物。
(樹脂組成物4(実施例4で使用))
実施例2の樹脂組成物の無機粒子の含有量を減らしたもの。
(樹脂組成物5(実施例5で使用))
実施例3の樹脂組成物の無機粒子の含有量を減らしたもの。
(樹脂組成物6(実施例6で使用))
樹脂(2種のポリオール化合物と芳香族系イソシアネート系化合物の混合物から形成されるポリウレタン(2種のポリオール化合物の配合比を実施例3の樹脂組成物から変更))と、無機粒子(シリカ粒子 平均粒子径1μm)と、有機粒子(平均粒子径2μm)と、オレフィン系ワックスを含む樹脂組成物。
<判定工程>
以下の方法により、実施例で得られた各蓄電デバイス用外装材の凹部を形作っている基材層側の外表面の曲面部であって、蓄電デバイス用外装材の基材層側に突出している曲面部の角部(図5,6の模式図に示される曲面部11)と、当該凹部を形作っている基材層側の外表面の非曲面部(図5,6の模式図に示される非曲面部12(凹部100の中心部分))の各々について、以下の条件にて、L***色空間におけるL*値、a*値、及びb*値を測定した。白色校正キャップ(CM−A177:コニカミノルタ製)で校正したコニカミノルタ社製分光測色計(CM−700d)の観察条件を10°、観察光源をF2、SCIモードに設定(JIS Z8722−2009)した。次に、前記の曲面部及び非曲面部について、それぞれ、外側(基材層側)表面のL*値、a*値、b*値の測定を常温常湿下にて行った。曲面部については測定径を8mmφに設定し、非曲面部については測定径を3mmφに設定して測定を行った。また、ΔE*abの値を、ΔE*ab=[(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)21/2の式に基づき算出した。結果を表1に示す。なお、表1において、L*値は測定値の小数点第2位を四捨五入した値、a*値及びb*値は、それぞれ測定値の小数点第3位を四捨五入した値を示した。判定工程を行うことにより、実施例1〜5,7,8では、曲面部及び非曲面部のL*値の差の絶対値が1.5以下であること、実施例6では当該差の絶対値が1.5を超えていることが確認された。
<走査型電子顕微鏡による観察>
次に、前記の<判定工程>において、L*値、a*値、及びb*値を測定した曲面部について、走査型電子顕微鏡(倍率1,000倍)で観察した。得られた画像をそれぞれ図7(実施例1)、図8(実施例2)、図9(実施例3)、図10(実施例6)に示す。その結果、L*値の差の絶対値が1.5以下である実施例1〜5の蓄電デバイス用外装材においては、曲面部にクラックが生じておらず、良品との判定を行うことができた。実施例7,8の蓄電デバイス用外装材においても、曲面部にクラックが生じておらず、良品との判定を行うことができた。一方、L*値の差の絶対値が1.5を上回っていた実施例6の蓄電デバイス用外装材においては、曲面部に非常に微細なクラックが生じており、上記の判定工程において、不良品との判定を行うことができた。なお、前述の通り、L*値の差の絶対値が1.5以下であることは、判定基準の一例であり、本開示の品質管理方法、及び蓄電デバイスの製造方法において、当該判定基準を採用しなくてもよい。走査型電子顕微鏡で観察したクラックについて、以下の基準で評価した結果を表1に示す。
A:クラックが生じていない。
B:クラックは生じているが、各クラックは小さく、クラックの数が少ない。
C:クラックが生じており、各クラックが大きく、クラックの数が非常に多い。
<外観評価>
前記の<判定工程>において、L*値、a*値、及びb*値を測定した曲面部と、非曲面部について、蓄電デバイス用外装材の成形による白化評価の熟練者が、外観を目視で観察し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
A:曲面部と非曲面部の外観は同様である。
B:非曲面部と比較すると、曲面部は僅かに白化していると判断されるが、熟練者であっても判断が難しい程度の白化である。
C:非曲面部と比較すると、曲面部は僅かに白化していると判断されるが、熟練者でなければ判断はやや難しい程度の白化である。
<鏡面光沢度の測定>
各蓄電デバイス用外装材の成形前の表面被覆層の外側表面の鏡面光沢度を以下の測定方法により測定した。JIS Z 8741(1997年)に規定された方法に準拠し、東洋精機製作所製のグロス測定器マイクロ−トリ−グロス(測定面積9mm×15mm)を用いて入射角60度における表面被覆層の鏡面光沢度を測定した。結果を表1に示す。なお、表1に記載の鏡面光沢度は、測定値の小数点第2位を四捨五入した値である。
Figure 0006849162
実施例1〜8の結果から、本開示の品質管理方法を蓄電デバイス用外装材の成形工程に適用することにより、凹部を形成する曲面部と非曲面部のL*値の大きさに基づいて、凹部が形成された蓄電デバイス用外装材が良品であるか否かを判定できることが分かる。このような品質管理方法は、新規な品質管理方法であり、従来の目視やカメラを用いた品質管理と比較して、より高精度な品質管理を行い得る。よって、本開示の品質管理方法を蓄電デバイスの製造に利用することにより、蓄電デバイスの良品をより効率的に製造することが可能となる。なお、走査型電子顕微鏡による観察において、クラック評価がBであるものは、曲面部のクラックが小さく数もすくないため、クラックが連続しておらず、表面被覆層が膜として存在していた。一方、クラックの評価がCであるものはクラックが大きく数も多いため、曲面部のクラックが連続しており、表面被覆層が島状に存在しており、はがれやすい状態になっていた。
<耐電解液性の評価>
常温(23℃)環境において、実施例3,5,6,7,8で得られた成形後の各蓄電デバイス用外装材の外表面(表面被覆層の外側表面)について、L*値、a*値、及びb*値を測定した非屈曲部、曲面部に電解液(1モル/リットルの6フッ化リン酸リチウム溶液、溶媒はエチレンカーボネート:ジエチルカーボネート:ジメチルカーボネート=1:1:1(容積比))を非屈曲部、及び屈曲部それぞれに3滴を滴下し、20分間経過後、イソプロピルアルコール(IPA)を染み込ませたワイプで滴下した電解液をふき取った。次に、曲面部を目視で観察し、下記の基準にて耐電解液性を評価した。結果を表2に示す。
A:表面被覆層の剥がれが観察されない。
C:表面被覆層の剥がれが観察される。
Figure 0006849162
実施例1〜8で作製した蓄電デバイス用外装材は、表面被覆層に無機粒子を含む艶消し調であることから、成形による微細なクラックが発生しやすい蓄電デバイス用外装材であるといえる。このような蓄電デバイス用外装材であるにも拘わらず、実施例3,5,7,8と実施例6の耐電解液性に関する評価の対比から、曲面部のL*値と非曲面部12のL*値との差の絶対値が、1.5以下に管理されている実施例3,5,7,8では、耐電解液性に特に優れていることが分かる。
以上の通り、本開示は、以下に示す態様の発明を提供する。
項1. 蓄電デバイス用外装材の成形工程における品質管理方法であって、
前記品質管理方法は、少なくとも、外側から順に、基材層と、バリア層と、熱融着性樹脂層とを備える積層体から構成された蓄電デバイス用外装材が、前記熱融着性樹脂層側から前記基材層側に突出するようにして成形され、前記熱融着性樹脂層側に蓄電デバイス素子が収容される凹部が形成された蓄電デバイス用外装材を品質管理の対象としており、
前記凹部が形成された蓄電デバイス用外装材の中から、被験対象蓄電デバイス用外装材を抽出し、前記被験対象蓄電デバイス用外装材の前記凹部を形作る外側表面の曲面部と非曲面部について、それぞれ、SCI方式、視野10°及び光源F2の測定条件で、反射光のL***色空間におけるL*値を測定して、L*値の差の大きさに基づいて、前記凹部が形成された蓄電デバイス用外装材が良品であるか否かを判定する判定工程を備える、
蓄電デバイス用外装材の成形工程における品質管理方法。
項2. 前記判定工程において、前記曲面部のL*値と、前記非曲面部のL*値との差の絶対値が、1.5以下であるものを良品であると判定する、項1に記載の品質管理方法。
項3. 前記蓄電デバイス用外装材は、前記基材層の外側に、表面被覆層を備えている、項1又は2に記載の品質管理方法。
項4. 前記蓄電デバイス用外装材は、前記基材層と前記バリア層との間に接着剤層を備えており、
前記接着剤層は着色されている、項1〜3のいずれか1項に記載の品質管理方法。
項5. 外側から順に、少なくとも、基材層と、バリア層と、熱融着性樹脂層とをこの順に備える積層体から構成された蓄電デバイス用外装材の周縁において、前記熱融着性樹脂層が熱融着されることにより形成された包装体によって、蓄電デバイス素子が封止された蓄電デバイスの製造方法であって、
前記蓄電デバイスの製造方法は、前記蓄電デバイス用外装材の前記熱融着性樹脂層側から前記基材層側に突出するように蓄電デバイス素子が収容される凹部が形成された蓄電デバイス用外装材を用意する工程と、
前記凹部が形成された蓄電デバイス用外装材の中から、被験対象蓄電デバイス用外装材を抽出し、前記被験対象蓄電デバイス用外装材の前記凹部を形作る外側表面の曲面部と非曲面部について、それぞれ、SCI方式、視野10°及び光源F2の測定条件で、反射光のL***色空間におけるL*値を測定して、L*値の差の大きさに基づいて、前記凹部が形成された蓄電デバイス用外装材が良品であるか否かを判定する判定工程と、
前記蓄電デバイス用外装材の前記凹部に蓄電デバイス素子を収容して、蓄電デバイスを製造する工程と、
を備えており、
前記判定工程の結果、前記成形された蓄電デバイス用外装材が良品であると判定された場合に、前記凹部の形成が適切であると判定して、前記凹部に蓄電デバイス素子を収容して、蓄電デバイスを製造する、蓄電デバイスの製造方法。
項6. 前記判定工程において、前記曲面部のL*値と、前記非曲面部のL*値との差の絶対値が、1.5以下であるものを良品であると判定する、項5に記載の蓄電デバイスの製造方法。
項7. 前記蓄電デバイス用外装材は、前記基材層の外側に、表面被覆層を備えている、項5又は6に記載の蓄電デバイスの製造方法。
項8. 前記蓄電デバイス用外装材は、前記基材層と前記バリア層との間に接着剤層を備えており、
前記接着剤層は着色されている、項5〜7のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの製造方法。
項9. 凹部が形成された蓄電デバイス用外装材の検査方法であって、
前記検査方法は、少なくとも、外側から順に、基材層と、バリア層と、熱融着性樹脂層とを備える積層体から構成された蓄電デバイス用外装材が、前記熱融着性樹脂層側から前記基材層側に突出するようにして成形され、前記熱融着性樹脂層側に蓄電デバイス素子が収容される凹部が形成された蓄電デバイス用外装材を検査対象としており、
前記凹部が形成された蓄電デバイス用外装材の前記凹部を形作る外側表面の曲面部と非曲面部について、それぞれ、SCI方式、視野10°及び光源F2の測定条件で、反射光のL***色空間におけるL*値を測定して、L*値の差の大きさに基づいて、前記凹部が形成された蓄電デバイス用外装材が良品であるか否かを判定する判定工程を備える、
凹部が形成された蓄電デバイス用外装材の検査方法。
項10. 前記判定工程において、前記曲面部のL*値と、前記非曲面部のL*値との差の絶対値が、1.5以下であるものを良品であると判定する、項9に記載の検査方法。
項11. 前記蓄電デバイス用外装材は、前記基材層の外側に、表面被覆層を備えている、項9又は10に記載の検査方法。
項12. 少なくとも、外側から順に、基材層と、バリア層と、熱融着性樹脂層とを備える積層体から構成された蓄電デバイス用外装材であって、
前記蓄電デバイス用外装材は、前記熱融着性樹脂層側から前記基材層側に突出するようにして成形され、前記熱融着性樹脂層側に蓄電デバイス素子が収容される凹部を備えており、
前記蓄電デバイス用外装材の前記凹部を形作る外側表面の曲面部と非曲面部について、それぞれ、SCI方式、視野10°及び光源F2の測定条件で、反射光のL***色空間におけるL*値を測定した場合に、前記曲面部のL*値と、前記非曲面部のL*との差の絶対値が、1.5以下である、蓄電デバイス用外装材。
項13. 前記蓄電デバイス用外装材は、前記基材層の外側に、表面被覆層を備えている、項12に記載の蓄電デバイス用外装材。
項14. 前記蓄電デバイス用外装材は、前記基材層と前記バリア層との間に接着剤層を備えており、
前記接着剤層は着色されている、項12又は13に記載の蓄電デバイス用外装材。
項15. 少なくとも、外側から順に、基材層と、バリア層と、熱融着性樹脂層とを備える積層体から構成された蓄電デバイス用外装材であって、
前記蓄電デバイス用外装材を、前記熱融着性樹脂層側から前記基材層側に突出するようにして以下の成形条件で成形して、前記熱融着性樹脂層側に蓄電デバイス素子が収容される凹部を形成し、前記蓄電デバイス用外装材の前記凹部を形作る外側表面の曲面部と非曲面部について、それぞれ、SCI方式、視野10°及び光源F2の測定条件で、反射光のL***色空間におけるL*値を測定した場合に、前記曲面部のL*値と、前記非曲面部のL*との差の絶対値が、1.5以下となる、蓄電デバイス用外装材。
(成形条件)
54.5mm(TD)×31.6mm(MD)の口径を有する成形金型(雌型)と、これに対応する成形金型(雄型)の間に蓄電デバイス用外装材を、雌型側が基材層側となるように配置し、押さえ圧(面圧)0.25MPaとし、成形深さ3.0mmで冷間成型を行い、平面視矩形状の凹部を形成する。雌型と雄型とのクリアランスは0.5mmとする。雌型の表面は、JIS B 0659−1:2002附属書1(参考) 比較用表面粗さ標準片の表2に規定される、最大高さ粗さ(Rzの呼び値)が0.8μmである。雌型のコーナーRは2.0mm、稜線Rは2.5mmである。雄型の表面は、JIS B 0659−1:2002附属書1(参考) 比較用表面粗さ標準片の表2に規定される、最大高さ粗さ(Rzの呼び値)が3.2μmである。雄型のコーナーRは2.0mm、稜線Rは2.0mmである。雄型のコーナーRと稜線Rは、JIS B 0659−1:2002附属書1(参考) 比較用表面粗さ標準片の表2に規定される、最大高さ粗さ(Rzの呼び値)が1.6μmである。
項16. 前記蓄電デバイス用外装材は、前記基材層の外側に、表面被覆層を備えている、項15に記載の蓄電デバイス用外装材。
項17. 前記蓄電デバイス用外装材は、前記基材層と前記バリア層との間に接着剤層を備えており、
前記接着剤層は着色されている、項15又は16に記載の蓄電デバイス用外装材。
項18. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子が、項12〜14のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材により形成された包装体中に収容されている、蓄電デバイス。
1 基材層
2 接着剤層
3 バリア層
4 熱融着性樹脂層
5 接着層
6 表面被覆層
10 蓄電デバイス用外装材
11 曲面部
11a 角部
11b 稜線部
12 非曲面部
13 曲面部
14 周縁部
100 凹部

Claims (11)

  1. 蓄電デバイス用外装材の成形工程における品質管理方法であって、
    前記品質管理方法は、少なくとも、外側から順に、基材層と、バリア層と、熱融着性樹脂層とを備える積層体から構成された蓄電デバイス用外装材が、前記熱融着性樹脂層側から前記基材層側に突出するようにして成形され、前記熱融着性樹脂層側に蓄電デバイス素子が収容される凹部が形成された蓄電デバイス用外装材を品質管理の対象としており、
    前記凹部が形成された蓄電デバイス用外装材の中から、被験対象蓄電デバイス用外装材を抽出し、前記被験対象蓄電デバイス用外装材の前記凹部を形作る外側表面の曲面部と非曲面部について、それぞれ、SCI方式、視野10°及び光源F2の測定条件で、反射光のL***色空間におけるL*値を測定して、L*値の差の大きさに基づいて、前記凹部が形成された蓄電デバイス用外装材が良品であるか否かを判定する判定工程を備える、
    蓄電デバイス用外装材の成形工程における品質管理方法。
  2. 前記判定工程において、前記曲面部のL*値と、前記非曲面部のL*値との差の絶対値が、1.5以下であるものを良品であると判定する、請求項1に記載の品質管理方法。
  3. 前記蓄電デバイス用外装材は、前記基材層の外側に、表面被覆層を備えている、請求項1又は2に記載の品質管理方法。
  4. 前記蓄電デバイス用外装材は、前記基材層と前記バリア層との間に接着剤層を備えており、
    前記接着剤層は着色されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の品質管理方法。
  5. 外側から順に、少なくとも、基材層と、バリア層と、熱融着性樹脂層とをこの順に備える積層体から構成された蓄電デバイス用外装材の周縁において、前記熱融着性樹脂層が熱融着されることにより形成された包装体によって、蓄電デバイス素子が封止された蓄電デバイスの製造方法であって、
    前記蓄電デバイスの製造方法は、前記蓄電デバイス用外装材の前記熱融着性樹脂層側から前記基材層側に突出するように蓄電デバイス素子が収容される凹部が形成された蓄電デバイス用外装材を用意する工程と、
    前記凹部が形成された蓄電デバイス用外装材の中から、被験対象蓄電デバイス用外装材を抽出し、前記被験対象蓄電デバイス用外装材の前記凹部を形作る外側表面の曲面部と非曲面部について、それぞれ、SCI方式、視野10°及び光源F2の測定条件で、反射光のL***色空間におけるL*値を測定して、L*値の差の大きさに基づいて、前記凹部が形成された蓄電デバイス用外装材が良品であるか否かを判定する判定工程と、
    前記蓄電デバイス用外装材の前記凹部に蓄電デバイス素子を収容して、蓄電デバイスを製造する工程と、
    を備えており、
    前記判定工程の結果、前記成形された蓄電デバイス用外装材が良品であると判定された場合に、前記凹部の形成が適切であると判定して、前記凹部に蓄電デバイス素子を収容して、蓄電デバイスを製造する、蓄電デバイスの製造方法。
  6. 前記判定工程において、前記曲面部のL*値と、前記非曲面部のL*値との差の絶対値が、1.5以下であるものを良品であると判定する、請求項5に記載の蓄電デバイスの製造方法。
  7. 前記蓄電デバイス用外装材は、前記基材層の外側に、表面被覆層を備えている、請求項5又は6に記載の蓄電デバイスの製造方法。
  8. 前記蓄電デバイス用外装材は、前記基材層と前記バリア層との間に接着剤層を備えており、
    前記接着剤層は着色されている、請求項5〜7のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの製造方法。
  9. 凹部が形成された蓄電デバイス用外装材の検査方法であって、
    前記検査方法は、少なくとも、外側から順に、基材層と、バリア層と、熱融着性樹脂層とを備える積層体から構成された蓄電デバイス用外装材が、前記熱融着性樹脂層側から前記基材層側に突出するようにして成形され、前記熱融着性樹脂層側に蓄電デバイス素子が収容される凹部が形成された蓄電デバイス用外装材を検査対象としており、
    前記凹部が形成された蓄電デバイス用外装材の前記凹部を形作る外側表面の曲面部と非曲面部について、それぞれ、SCI方式、視野10°及び光源F2の測定条件で、反射光のL***色空間におけるL*値を測定して、L*値の差の大きさに基づいて、前記凹部が形成された蓄電デバイス用外装材が良品であるか否かを判定する判定工程を備える、
    凹部が形成された蓄電デバイス用外装材の検査方法。
  10. 前記判定工程において、前記曲面部のL*値と、前記非曲面部のL*値との差の絶対値が、1.5以下であるものを良品であると判定する、請求項9に記載の検査方法。
  11. 前記蓄電デバイス用外装材は、前記基材層の外側に、表面被覆層を備えている、請求項9又は10に記載の検査方法。
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