以下、添付図面に従って本開示の技術に係る撮像装置の実施形態の一例について説明する。
[第1実施形態]
一例として図1に示すように、撮像装置10は、レンズ交換式カメラである。撮像装置10は、撮像装置本体12と、撮像装置本体12に交換可能に装着される交換レンズ14と、を含み、レフレックスミラーが省略されたデジタルカメラである。交換レンズ14は、手動操作により光軸方向に移動可能なフォーカスレンズ16を有する撮像レンズ18を含む。
また、撮像装置本体12には、ハイブリッドファインダー(登録商標)21が設けられている。ここで言うハイブリッドファインダー21とは、例えば光学ビューファインダー(以下、「OVF」という)及び電子ビューファインダー(以下、「EVF」という)が選択的に使用されるファインダーを指す。なお、OVFとは、“optical viewfinder”の略称を指す。また、EVFとは、“electronic viewfinder” の略称を指す。
交換レンズ14は、撮像装置本体12に対して交換可能に装着される。また、交換レンズ14の鏡筒には、マニュアルフォーカスモード時に使用されるフォーカスリング22が設けられている。フォーカスリング22の手動による回転操作に伴ってフォーカスレンズ16は、光軸方向に移動し、被写体距離に応じた合焦位置で後述の撮像素子20(図3参照)に被写体光が結像される。
撮像装置本体12の前面には、ハイブリッドファインダー21に含まれるOVFのファインダー窓24が設けられている。また、撮像装置本体12の前面には、ファインダー切替レバー(ファインダー切替え部)23が設けられている。ファインダー切替レバー23を矢印SW方向に回動させると、OVFで視認可能な光学像とEVFで視認可能な電子像(ライブビュー画像)との間で切り換わるようになっている。
なお、OVFの光軸L2は、交換レンズ14の光軸L1とは異なる光軸である。また、撮像装置本体12の上面には、レリーズボタン25、撮像系のモード、及び再生系のモード等の設定用のダイヤル28が設けられている。
レリーズボタン25は、撮像準備指示部及び撮像指示部として機能し、撮像準備指示状態と撮像指示状態との2段階の押圧操作が検出可能である。撮像準備指示状態とは、例えば待機位置から中間位置(半押し位置)まで押下される状態を指し、撮像指示状態とは、中間位置を超えた最終押下位置(全押し位置)まで押下される状態を指す。なお、以下では、「待機位置から半押し位置まで押下される状態」を「半押し状態」といい、「待機位置から全押し位置まで押下される状態」を「全押し状態」という。
本第1実施形態に係る撮像装置10では、動作モードとして撮像モードと再生モードとがユーザの指示に応じて選択的に設定される。撮像モードでは、マニュアルフォーカスモードとオートフォーカスモードとがユーザの指示に応じて選択的に設定される。オートフォーカスモードでは、レリーズボタン25が半押し状態にされることにより撮像条件の調整が行われ、その後、引き続き全押し状態にすると露光が行われる。つまり、レリーズボタン25が半押し状態にされることによりAE(Automatic Exposure)機能が働いて露出状態が設定された後、AF(Auto−Focus)機能が働いて合焦制御され、レリーズボタン25を全押し状態にすると撮像が行われる。
一例として図2に示すように、撮像装置本体12の背面には、タッチパネル・ディスプレイ30、十字キー32、メニューキー34、指示ボタン36、及びファインダー接眼部38が設けられている。
タッチパネル・ディスプレイ30は、液晶ディスプレイ(以下、「第1ディスプレイ」という)40及びタッチパネル42(図3参照)を備えている。
第1ディスプレイ40は、画像及び文字情報等を表示する。第1ディスプレイ40は、撮像モード時に連続フレームで撮像されて得られた連続フレーム画像の一例であるライブビュー画像(スルー画像)の表示に用いられる。また、第1ディスプレイ40は、静止画撮像の指示が与えられた場合に単一フレームで撮像されて得られた単一フレーム画像の一例である静止画像の表示にも用いられる。更に、第1ディスプレイ40は、再生モード時の再生画像の表示及び/又はメニュー画面等の表示にも用いられる。
タッチパネル42は、透過型のタッチパネルであり、第1ディスプレイ40の表示領域の表面に重ねられている。タッチパネル42は、例えば、指又はスタイラスペン等の指示体による接触を検知する。タッチパネル42は、検知結果(タッチパネル42に対する指示体による接触の有無)を示す検知結果情報を所定周期(例えば100ミリ秒)で既定の出力先(例えば、後述のCPU52(図3参照))に出力する。検知結果情報は、タッチパネル42が指示体による接触を検知した場合、タッチパネル42上の指示体による接触位置を特定可能な二次元座標(以下、「座標」という)を含み、タッチパネル42が指示体による接触を検知していない場合、座標を含まない。
十字キー32は、1つ又は複数のメニューの選択、ズーム及び/又はコマ送り等の各種の指令信号を出力するマルチファンクションのキーとして機能する。メニューキー34は、第1ディスプレイ40の画面上に1つ又は複数のメニューを表示させる指令を行うためのメニューボタンとしての機能と、選択内容の確定及び実行などを指令する指令ボタンとしての機能とを兼備した操作キーである。指示ボタン36は、選択項目など所望の対象の消去、指定内容の取消し、及び1つ前の操作状態に戻す場合に等に操作される。
撮像装置10は、撮像系の動作モードとして、静止画撮像モードと動画撮像モードとを有する。静止画撮像モードは、撮像装置10により被写体が撮像されて得られ静止画像を記録する動作モードであり、動画撮像モードは、撮像装置10により被写体が撮像されて得られた動画像を記録する動作モードである。
一例として図3に示すように、撮像装置10は、撮像装置本体12に備えられたマウント46(図1も参照)と、マウント46に対応する交換レンズ14側のマウント44と、を含む。交換レンズ14は、マウント46にマウント44が結合されることにより撮像装置本体12に交換可能に装着される。
撮像レンズ18は、スライド機構48及びモータ50を含む。スライド機構48は、フォーカスリング22の操作が行われることでフォーカスレンズ16を光軸L1に沿って移動させる。スライド機構48には光軸L1に沿ってスライド可能にフォーカスレンズ16が取り付けられている。また、スライド機構48にはモータ50が接続されており、スライド機構48は、モータ50の動力を受けてフォーカスレンズ16を光軸L1に沿ってスライドさせる。
モータ50は、マウント44,46を介して撮像装置本体12に接続されており、撮像装置本体12からの命令に従って駆動が制御される。なお、本第1実施形態では、モータ50の一例として、ステッピングモータを適用している。従って、モータ50は、撮像装置本体12からの命令によりパルス電力に同期して動作する。また、図3に示す例では、モータ50が撮像レンズ18に設けられている例が示されているが、これに限らず、モータ50は撮像装置本体12に設けられていてもよい。
撮像装置10は、被写体を撮像することで得た静止画像及び動画像を記録するデジタルカメラである。撮像装置本体12は、操作部54、外部インタフェース(I/F)63、及び後段回路90を備えている。後段回路90は、撮像素子20から送り出されるデータを受け取る側の回路である。本第1実施形態では、後段回路90としてIC(Integrated Circuit)が採用されている。ICの一例としては、LSI(Large−Scale Integration)が挙げられる。
後段回路90は、CPU(Central Processing Unit)52、I/F56、一次記憶部58、二次記憶部60、画像処理部62、第1表示制御部64、第2表示制御部66、位置検出部70、及びデバイス制御部74を含む。本第1実施形態では、CPU52として、単数のCPUを例示しているが、本開示の技術はこれに限定されず、CPU52に代えて複数のCPUを採用してもよい。つまり、CPU52によって実行される各種処理は、1つのプロセッサ、又は、物理的に離れている複数のプロセッサによって実行されるようにしてもよい。
なお、本第1実施形態では、画像処理部62、第1表示制御部64、第2表示制御部66、位置検出部70、及びデバイス制御部74の各々がASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって実現されているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、ASICに代えてPLD(Programmable Logic Device)及びFPGA(Field−Programmable Gate Array)のうちの少なくとも1つが採用されてもよい。また、ASIC、PLD、及びFPGAのうちの少なくとも1つが採用されてもよい。また、CPU、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を含むコンピュータが採用されてもよい。CPUは、単数であってもよいし、複数であってもよい。また、画像処理部62、第1表示制御部64、第2表示制御部66、位置検出部70、及びデバイス制御部74のうちの少なくとも1つが、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせによって実現されてもよい。
CPU52、I/F56、一次記憶部58、二次記憶部60、画像処理部62、第1表示制御部64、第2表示制御部66、操作部54、外部I/F63、及びタッチパネル42は、バス68を介して相互に接続されている。
CPU52は、撮像装置10の全体を制御する。本第1実施形態に係る撮像装置10では、オートフォーカスモード時に、CPU52が、撮像によって得られた画像のコントラスト値が最大となるようにモータ50を駆動制御することによって合焦制御を行う。また、オートフォーカスモード時に、CPU52は、撮像によって得られた画像の明るさを示す物理量であるAE情報を算出する。CPU52は、レリーズボタン25が半押し状態とされたときには、AE情報により示される画像の明るさに応じたシャッタスピード及びF値を導出する。そして、導出したシャッタスピード及びF値となるように関係各部を制御することによって露出状態の設定を行う。
一次記憶部58とは、揮発性のメモリを意味し、例えばRAMを指す。二次記憶部60とは、不揮発性のメモリを意味し、例えばフラッシュメモリ又はHDD(Hard Disk Drive)を指す。
操作部54は、後段回路90に対して各種指示を与える際にユーザによって操作されるユーザインタフェースである。操作部54は、レリーズボタン25、ダイヤル28、ファインダー切替レバー23、十字キー32、メニューキー34、及び指示ボタン36を含む。操作部54によって受け付けられた各種指示は操作信号としてCPU52に出力され、CPU52は、操作部54から入力された操作信号に応じた処理を実行する。
位置検出部70は、CPU52に接続されている。位置検出部70は、マウント44,46を介してフォーカスリング22に接続されており、フォーカスリング22の回転角度を検出し、検出結果である回転角度を示す回転角度情報をCPU52に出力する。CPU52は、位置検出部70から入力された回転角度情報に応じた処理を実行する。
撮像モードが設定されると、被写体を示す画像光は、手動操作により移動可能なフォーカスレンズ16を含む撮像レンズ18及びメカニカルシャッタ72を介してカラーの撮像素子20の受光面に結像される。
デバイス制御部74は、CPU52に接続されている。また、デバイス制御部74は、撮像素子20及びメカニカルシャッタ72に接続されている。更に、デバイス制御部74は、マウント44,46を介して撮像レンズ18のモータ50に接続されている。
デバイス制御部74は、CPU52の制御下で、撮像素子20、メカニカルシャッタ72、及びモータ50を制御する。
一例として図4に示すように、ハイブリッドファインダー21は、OVF76及びEVF78を含む。OVF76は、対物レンズ81と接眼レンズ86とを有する逆ガリレオ式ファインダーであり、EVF78は、第2ディスプレイ80、プリズム84、及び接眼レンズ86を有する。
また、対物レンズ81の前方には、液晶シャッタ88が配設されており、液晶シャッタ88は、EVF78を使用する際に、対物レンズ81に光学像が入射しないように遮光する。
プリズム84は、第2ディスプレイ80に表示される電子像又は各種の情報を反射させて接眼レンズ86に導き、且つ、光学像と第2ディスプレイ80に表示される(電子像及び/又は各種情報とを合成する。
ここで、ファインダー切替レバー23を図1に示す矢印SW方向に回動させると、回動させる毎にOVF76により光学像を視認することができるOVFモードと、EVF78により電子像を視認することができるEVFモードとが交互に切り替えられる。
第2表示制御部66は、OVFモードの場合、液晶シャッタ88が非遮光状態になるように制御し、接眼部から光学像が視認できるようにする。また、第2表示制御部66は、EVFモードの場合、液晶シャッタ88が遮光状態になるように制御し、接眼部から第2ディスプレイ80に表示される電子像のみが視認できるようにする。
撮像素子20は、本開示の技術に係る「積層型撮像素子」の一例である。撮像素子20は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサである。一例として図5に示すように、撮像素子20には、光電変換素子92、処理回路94、及びメモリ96が内蔵されている。撮像素子20では、光電変換素子92に対して処理回路94及びメモリ96が積層されている。メモリ96は、本開示の技術に係る記憶部の一例である。
処理回路94は、例えば、LSIであり、メモリ96は、例えば、RAMである。本第1実施形態では、メモリ96の一例として、DRAM(Dynamic Random Access Memory)が採用されているが、本開示の技術はこれに限らず、SRAM(Static Random Access Memory)であってもよい。
本第1実施形態では、処理回路94は、ASICによって実現されているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、ASICに代えてPLD及びFPGAのうちの少なくとも1つが採用されてもよい。また、ASIC、PLD、及びFPGAのうちの少なくとも1つが採用されてもよい。CPUは、単数であってもよいし、複数であってもよい。また、CPU、ROM、及びRAMを含むコンピュータが採用されてもよい。また、処理回路94は、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせによって実現されてもよい。
光電変換素子92は、マトリクス状に配置された複数のフォトセンサを有している。本第1実施形態では、フォトセンサの一例として、フォトダイオードが採用されている。また、複数のフォトセンサの一例としては、“4896×3265”画素分のフォトダイオードが挙げられる。
光電変換素子92は、カラーフィルタを備えており、カラーフィルタは、輝度信号を得るために最も寄与するG(緑)に対応するGフィルタ、R(赤)に対応するRフィルタ、及びB(青)に対応するBフィルタを含む。本第1実施形態では、光電変換素子92の複数のフォトダイオードに対してGフィルタ、Rフィルタ、及びBフィルタが行方向(水平方向)及び列方向(垂直方向)の各々に既定の周期性で配置されている。そのため、撮像装置10は、R,G,B信号の同時化処理等を行う際に、繰り返しパターンに従って処理を行うことが可能となる。なお、同時化処理とは、単板式のカラー撮像素子のカラーフィルタ配列に対応したモザイク画像から画素毎に全ての色情報を算出する処理を指す。例えば、RGB3色のカラーフィルタからなる撮像素子の場合、同時化処理とは、RGBからなるモザイク画像から画素毎にRGB全ての色情報を算出する処理を意味する。
なお、ここでは、撮像素子20としてCMOSイメージセンサを例示しているが、本開示の技術はこれに限定されず、例えば、光電変換素子92がCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサであっても本開示の技術は成立する。
撮像素子20は、いわゆる電子シャッタ機能を有しており、デバイス制御部74の制御下で電子シャッタ機能を働かせることで、光電変換素子92内の各フォトダイオードの電荷蓄積時間を制御する。電荷蓄積時間とは、いわゆるシャッタスピードを指す。
処理回路94は、デバイス制御部74によって制御される。処理回路94は、被写体が光電変換素子92により撮像されることで得られた撮像画像データを読み出す。ここで言う「撮像画像データ」とは、被写体を示す画像データを指す。撮像画像データは、光電変換素子92に蓄積された信号電荷である。処理回路94は、光電変換素子92から読み出した撮像画像データに対してA/D(Analog/Digital)変換を行う。処理回路94は、撮像画像データに対してA/D変換を行うことで得た撮像画像データをメモリ96に記憶する。処理回路94は、メモリ96から撮像画像データを取得し、取得した撮像画像データに基づく画像データである出力用画像データを後段回路90のI/F56に出力する。なお、以下では、説明の便宜上、「撮像画像データに基づく画像データである出力用画像データ」を単に「出力用画像データ」と称する。
処理回路94は、撮像画像データに対して第1処理と第2処理とを行う。第1処理とは、光電変換素子92から撮像画像データを読み出し、読み出した撮像画像データをメモリ96に記憶する処理を指す。第2処理とは、出力用画像データを撮像素子20の外部に出力する処理を指す。ここで言う「撮像素子20の外部」とは、例えば、後段回路90のI/F56を指す。
また、第1処理は、切出処理も含む。切出処理とは、メモリ96に撮像画像データが記憶された状態で、メモリ96のうちの指定されたアドレスから撮像画像データのうちの被写体の一部の画像を示す部分画像データを切り出す処理を指す。部分画像データは、被写体の一部が分割されて得られた複数の分割領域に対応する複数の分割領域画像データのうちの少なくとも1つである。
また、ここで言う「複数の分割領域画像データ」は、互いに異なる画素がライン単位で間引かれた関係性を有する。本第1実施形態では、垂直方向に水平ラインが2ライン飛ばしで間引かれているが、本開示の技術はこれに限定されず、例えば、垂直方向に水平ラインが1ライン飛ばしで間引かれていてもよいし、垂直方向に水平ラインが3ライン以上で間引かれていてもよい。また、水平方向に垂直ラインが1ライン以上の既定ライン数で間引かれていてもよい。また、1画素又は数画素の画素群単位で予め定められた規則に応じて間引かれていてもよい。
なお、詳しくは後述するが、ここで言う「複数の分割領域画像データ」としては、例えば、図10、図15、又は図16に示す1フレーム目〜3フレーム目までの撮像画像データの各々から得られる部分画像データ200(図11及び図12参照)が挙げられる。
処理回路94から出力される出力用画像データは、部分画像データ、広範囲画像データ、及び合焦制御用画像データに大別される。広範囲画像データとは、被写体のうちの部分画像データに係る被写体の一部よりも広い範囲の画像を示す画像データを指す。広範囲画像データの一例としては、光電変換素子92の一部領域92A(図11参照)内の全てのフォトダイオードにより撮像可能な画角に収まる範囲内の被写体の全体の画像を示す全体画像データを指す。合焦制御用画像データとは、被写体のうちの部分画像データに係る被写体の一部よりも広い範囲であって、撮像装置10の合焦制御に要する範囲として予め定められた範囲の画像を示す画像データを指す。ここで言う「予め定められた範囲」とは、例えば、CPU52が、いわゆるコントラストAF又は位相差AFにより合焦状態を特定可能な範囲として、実機による試験及び/又はコンピュータ・シミュレーション等によって予め得られた範囲を指す。なお、本第1実施形態において、「全てのフォトダイオード」とは、不具合が生じていない使用可能なフォトダイオードを指す。
撮像素子20では、第1フレームレートで被写体が撮像される。処理回路94は、第1フレームレートで第1処理を行い、第2フレームレートで第2処理を行う。第1フレームレートは、第2フレームレートよりも高いフレームレートである。また、本第1実施形態では、第2フレームレートが60fps(frames per second)であり、第1フレームレートが240fpsであるが、本開示の技術はこれに限定されず、“第2フレームレート<第1フレームレート”の関係性を満たしていればよい。また、第1フレームレートは、第2フレームレート以下にならない範囲内で可変なフレームレートとされている。
一例として図6に示すように、処理回路94は、光電変換素子駆動回路94A、AD(Analog−to−Digital)変換回路94B、画像処理回路94C、及び出力回路94Dを含み、CPU52の制御下で動作する。光電変換素子駆動回路94Aは、光電変換素子92及びAD変換回路94Bに接続されている。メモリ96は、AD変換回路94B及び画像処理回路94Cに接続されている。画像処理回路94Cは出力回路94Dに接続されている。出力回路94Dは、後段回路90のI/F56に接続されている。
光電変換素子駆動回路94Aは、デバイス制御部74の制御下で、光電変換素子92を制御し、光電変換素子92からアナログの撮像画像データを読み出す。AD変換回路94Bは、光電変換素子駆動回路94Aにより読み出された撮像画像データをデジタル化し、デジタル化した撮像画像データをメモリ96に記憶する。
メモリ96は、複数フレームの撮像画像データを記憶可能なメモリである。画像処理回路94Cは、本開示の技術に係る処理部の一例であり、撮像画像データに対して処理を施す。すなわち、画像処理回路94Cは、メモリ96に記憶された撮像画像データからメモリ96に対するランダムアクセスにより出力用画像データを切り出す。画像処理回路94Cは、切り出した出力用画像データに対して必要に応じた信号処理を施す。なお、ここで言う「ランダムアクセス」とは、メモリ96内のうちの目的のデータが格納されている箇所に対して直接アクセスすることが可能なアクセス方式を指す。
上述した第1処理は、光電変換素子駆動回路94A、AD変換回路94B、メモリ96、及び画像処理回路94Cによって行われる。すなわち、光電変換素子駆動回路94A、AD変換回路94B、メモリ96、及び画像処理回路94Cでの処理は、第1フレームレートで行われる。
ここでは、一例として、光電変換素子駆動回路94A、AD変換回路94B、メモリ96、及び画像処理回路94Cでの処理が、第1フレームレートで行われる形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、光電変換素子駆動回路94Aによる読み出し、AD変換回路94Bによるメモリ96への撮像画像データの記憶、及び画像処理回路94Cによる処理のうち、少なくともAD変換回路94Bによるメモリ96への撮像画像データの記憶が第1フレームレートで行われるようにしてもよい。
出力回路94Dは、上述した第2処理を行う。すなわち、出力回路94Dは、画像処理回路94Cにより信号処理が施された出力用画像データを第2フレームレートで後段回路90のI/F56に出力する。なお、出力回路94Dは、本開示の技術に係る「出力部」の一例である。
次に、撮像装置10の本開示の技術に係る部分の作用について説明する。
なお、以下では、説明の便宜上、第1ディスプレイ40及び第2ディスプレイ80を区別して説明する必要がない場合は、符号を付さずに「表示装置」と称する。表示装置は、本開示の技術に係る「表示部」の一例である。また、以下では、説明の便宜上、第1表示制御部64及び第2表示制御部66を区別して説明する必要がない場合は、符号を付さずに「表示制御部」と称する。表示制御部は、本開示の技術に係る「制御部」の一例である。また、以下では、説明の便宜上、表示装置に対してライブビュー画像を表示させる場合について説明する。
先ず、処理回路94によって実行される画像データ生成処理について図7を参照して説明する。なお、図7に示す画像データ生成処理は、処理回路94によって第1フレームレートで行われる。また、以下では、説明の便宜上、メモリ96が3フレーム分の撮像画像データをFIFO方式で記憶可能なメモリであることを前提として説明する。
図7に示す画像データ生成処理では、先ず、ステップ100で、光電変換素子駆動回路94Aは、一例として図11に示す光電変換素子92の一部領域92Aから撮像画像データを読み出し、その後、画像データ生成処理はステップ102へ移行する。
本ステップ100の処理が実行されることで光電変換素子92の一部領域92Aから得られる撮像画像データは、一例として図11に示すように、光電変換素子92のうちの一部領域92Aにより被写体が撮像されることで得られる撮像画像データである。なお、ここでは、説明の便宜上、一部領域92Aにより撮像されて得られた撮像画像データを例示しているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、光電変換素子92の全体のフォトダイオードにより被写体が撮像されることで得られる撮像画像データであってもよいし、光電変換素子92内の複数の箇所の各々により被写体が撮像されることで得られる撮像画像であってもよい。
本ステップ100の処理が実行されることで光電変換素子92の一部領域92Aから読み出される1フレーム分の撮像画像データは、一例として図10に示すように、垂直方向に水平ラインを2ライン飛ばしで間引きした画像データである。また、一例として図10に示すように、光電変換素子92の一部領域92Aから読み出される撮像画像データは、3フレームの撮像画像データを読み出す周期を1周期とした場合、1周期内で1フレーム毎に垂直方向に水平ラインを1ラインずつずらして間引きされる。
なお、図10に示す例では、1フレーム目〜3フレーム目までの撮像画像データの態様例が模式的に示されているが、4フレーム目以降も1フレーム目〜3フレーム目と同様の方法で画素が間引きされる。また、図10に示す例では、説明の便宜上、1周期が3フレームの場合の間引き例を挙げているが、本開示の技術はこれに限定されず、1周期が4フレーム以上の場合であっても同様の方法で間引きすれば良い。
また、撮像画像データに対する間引き方法は、垂直方向に水平ラインを1ラインずつずらして間引する方法に限定する必要はない。例えば、水平方向に垂直ラインを1ラインずつずらして間引する方法であってもよいし、1画素以上の既定数画素単位で予め定められた規則に従って間引きする方法等であってもよい。
ステップ102で、AD変換回路94Bは、光電変換素子駆動回路94Aによって読み出された撮像画像データをデジタル化してメモリ96に記憶し、その後、画像データ生成処理はステップ104へ移行する。
ステップ104で、画像処理回路94Cは、タッチパネル42及び/又は操作部54によって切出指示が受け付けられたか否かを判定する。切出指示とは、撮像画像データから部分画像データを切り出す指示を指す。切出指示には、撮像画像データが記憶されたメモリ96内のアドレスであって、撮像画像データのうちの切り出す対象を指定可能な指定アドレスが含まれる。
撮像画像データに基づくライブビュー形式の全体画像が表示装置に表示されている場合、全体画像内の何れかの箇所がユーザによってタッチパネル42及び/又は操作部54を介して指示され、指示された箇所の座標がメモリ96のアドレスに変換される。そして、変換されて得られたアドレスが指定アドレスとなる。図11に示す例では、メモリ96に記憶されている撮像画像データから部分画像データ200が特定された状態が示されている。部分画像データ200は、切出指示に含まれる指定アドレスによって特定される。
また、切出指示の一例として、顔検出指示が挙げられる。顔検出指示とは、顔検出機能を働かせる指示を指す。顔検出機能は、撮像画像データから、被写体である人物の顔を検出する機能であり、画像処理回路94Cによって実現される。例えば、図12に示すように、撮像画像データのうちの被写体である人物202の顔202Fを含む矩形領域のアドレスが、切り出す対象となるアドレスとして特定され、特定されたアドレスに従って、部分画像データ200が特定される。
なお、ここでは、顔検出を例示しているが、被写体である人物の瞳を検出する瞳検出機能を働かせるようにしてもよい。このように、顔検出機能及び/又は瞳検出機能を働かせることで、顔検出結果及び/又は瞳検出結果に基づいて被写体である人物の顔の中心から切り出す対象として指定された大きさの領域が定まる。よって、CPU52は、被写体である人物が動いたとしても、人物の動きに対して追従してAFを行うことが可能となる。また、メモリ96上で顔検出と人物の顔の中心座標の算出とが行われることで、後述の表示制御処理において、表示装置は、顔検出及び/又は瞳検出を行わない場合に比べ、画角調整のタイムラグの少ない表示を行うことが可能となる。更に、顔検出結果及び/又は瞳検出結果に基づいて、部分画像データ200の拡大倍率が変更されるようにしてもよい。
ステップ104において、タッチパネル42及び/又は操作部54によって切出指示が受け付けられた場合は、判定が肯定されて、画像データ生成処理はステップ110へ移行する。ステップ104において、タッチパネル42及び/又は操作部54によって切出指示が受け付けられていない場合は、判定が否定されて、画像データ生成処理はステップ106へ移行する。
ステップ106で、画像処理回路94Cは、メモリ96から撮像画像データを取得し、その後、画像データ生成処理はステップ108へ移行する。
ステップ108で、画像処理回路94Cは、ステップ106で取得した撮像画像データに基づいて全体画像データを生成し、生成した全体画像データを出力回路94Dに出力し、その後、画像データ生成処理はステップ130へ移行する。なお、本ステップ108の処理が実行されることによって生成される全体画像データは、上述した出力用画像データに含まれる画像データの一種である。
ところで、ステップ104でタッチパネル42及び/又は操作部54によって受け付けられた切出指示は、低画質切出指示と高画質切出指示とに大別される。低画質切出指示とは、低画質切出画像を切り出す指示を指し、高画質切出指示とは、高画質切出画像を切り出す指示を指す。高画質切出画像は、低画質切出画像よりも画質が高い。ここで、低画質切出画像とは、例えば、図10に示すように、垂直方向に水平ラインを2ライン飛ばしで間引かれた画像データを指す。これに対し、高画質切出画像とは、例えば、図10に示すように、3フレーム分の撮像画像データが合成されて得られた合成データ、すなわち、間引き無しの画像データを指す。
ステップ110で、画像処理回路94Cは、ステップ104でタッチパネル42及び/又は操作部54によって受け付けられた切出指示が高画質切出指示か否かを判定する。ステップ110において、ステップ104でタッチパネル42及び/又は操作部54によって受け付けられた切出指示が高画質切出指示でない場合、すなわち、切出指示が低画質切出指示の場合は、判定が否定されて、ステップ112へ移行する。ステップ110において、ステップ104でタッチパネル42及び/又は操作部54によって受け付けられた切出指示が高画質切出指示の場合は、判定が肯定されて、ステップ118へ移行する。
ステップ112で、画像処理回路94Cは、ステップ104で受け付けられた切出指示から指定アドレスを取得し、その後、画像データ生成処理はステップ114へ移行する。
ステップ114で、画像処理回路94Cは、メモリ96内の撮像画像データのうちの単一フレームの撮像画像データから、ステップ112で取得した指定アドレスに従って部分画像データを切り出し、その後、画像データ生成処理はステップ116へ移行する。部分画像データの切り出し対象となる単一フレームの撮像画像データは、例えば、メモリ96内に最も過去に記憶された撮像画像データであるが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、メモリ96に複数フレームの撮像画像データが記憶されている場合、部分画像データの切り出し対象となる単一フレームの撮像画像データは、メモリ96に記憶されている複数フレームの撮像画像データのうちのどの撮像画像データであってもよい。
なお、ここでは、単一フレームの撮像画像データを切り出し対象の撮像画像データとしたが、例えば、図10に示す1〜3フレーム目の撮像画像データのうちの2フレーム分の撮像画像データを合成して得た合成データを切り出し対象としてもよい。つまり、3フレーム分の撮像画像データを合成して得た合成データが高画質切出画像データであると規定するのであれば、1フレーム分の撮像画像データを切り出し対象の撮像画像データとしてもよいし、2フレーム分の撮像画像データを合成して得た合成データを切り出し対象としてもよい。
ステップ116で、画像処理回路94Cは、低画質切出画像データを生成して出力回路94Dに出力し、その後、画像データ生成処理はステップ130へ移行する。ここでは、低画質切出画像データとして、ステップ114で切り出した部分画像データをそのまま採用しているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、低画質切出画像データは、ステップ114で切り出した部分画像データに対して各種画像処理を施して得た画像データであってもよい。なお、本ステップ116の処理が実行されることによって生成される低画質切出画像データは、上述した出力用画像データに含まれる画像データの一種である。
ステップ118で、画像処理回路94Cは、メモリ96に複数フレームの撮像画像データが記憶されているか否かを判定する。なお、本ステップ118では、複数フレームの一例として、3フレームが採用されている。ステップ118において、メモリ96に複数フレームの撮像画像データが記憶されていない場合は、判定が否定されて、ステップ120へ移行する。ステップ118において、メモリ96に複数フレームの撮像画像データが記憶されている場合は、判定が肯定されて、ステップ124へ移行する。
ステップ120で、画像処理回路94Cは、メモリ96から撮像画像データを取得し、その後、画像データ生成処理はステップ122へ移行する。
ステップ122で、画像処理回路94Cは、ステップ120で取得した撮像画像データに基づいて全体画像データを生成し、生成した全体画像データを出力回路94Dに出力し、その後、画像データ生成処理はステップ118へ移行する。なお、本ステップ122の処理が実行されることによって生成される全体画像データは、上述した出力用画像データに含まれる画像データの一種である。
ステップ124で、画像処理回路94Cは、ステップ104で受け付けられた切出指示から指定アドレスを取得し、その後、画像データ生成処理はステップ126へ移行する。
ステップ126で、画像処理回路94Cは、メモリ96内の撮像画像データのうちの複数フレームの撮像画像データの各々から、ステップ124で取得した指定アドレスに従って部分画像データを切り出し、その後、画像データ生成処理はステップ128へ移行する。
部分画像データの切り出し対象となる複数フレームの撮像画像データは、例えば、メモリ96に現時点で記憶されている全フレームの撮像画像データ、すなわち、3フレーム分の撮像画像データであるが、本開示の技術はこれに限定されない。1フレーム分の撮像画像データが低画質切出画像データであると規定するのであれば、2フレーム分の撮像画像データを合成して得た合成データを切り出し対象としてもよい。
ステップ128で、画像処理回路94Cは、高画質切出画像データを生成して出力回路94Dに出力し、その後、画像データ生成処理はステップ130へ移行する。ここでは、高画質切出画像データとして、ステップ126で切り出した3フレーム分の部分画像データを、一例として図10に示すように合成して得た合成データをそのまま採用しているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、高画質切出画像データは、ステップ126で切り出した3フレーム分の部分画像データを合成して得た合成データに対して各種画像処理を施して得た画像データであってもよい。なお、本ステップ128の処理が実行されることによって生成される高画質切出画像データは、上述した出力用画像データに含まれる画像データの一種である。
ステップ130で、画像処理回路94Cは、画像データ生成処理を終了する条件である画像データ生成処理終了条件を満足したか否かを判定する。画像データ生成処理終了条件としては、例えば、画像データ生成処理を終了させる指示がタッチパネル42及び/又は操作部54によって受け付けられたとの条件が挙げられる。また、画像データ生成処理終了条件としては、例えば、画像データ生成処理が開始されてからステップ104において判定が肯定されない時間が予め定められた時間を超えたとの条件が挙げられる。ここで言う「予め定められた時間」とは、例えば、5分を指す。予め定められた時間は、固定値であってもよいし、ユーザから与えられた指示に応じて変更可能な可変値であってもよい。
ステップ130において、画像データ生成処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、画像データ生成処理はステップ100へ移行する。ステップ130において、画像データ生成処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、処理回路94は画像データ生成処理を終了する。
次に、処理回路94の出力回路94Dによって実行される画像データ出力処理について図8を参照して説明する。なお、図8に示す画像データ出力処理は、出力回路94Dによって第2フレームレートで行われる。
図8に示す画像データ出力処理では、先ず、ステップ150で、出力回路94Dは、画像処理回路94Cから出力用画像データが入力されたか否かを判定する。画像処理回路94Cから出力回路94Dに入力される出力用画像データの一例としては、図7に示す画像データ生成処理により出力された全体画像データ、高画質切出画像データ、及び低画質切出画像データのうちの少なくとも1つを含む画像データが挙げられる。
ステップ150において、画像処理回路94Cから出力用画像データが入力されていない場合は、判定が否定されて、ステップ154へ移行する。ステップ150において、画像処理回路94Cから出力用画像データが入力された場合は、判定が肯定されて、ステップ152へ移行する。
ステップ152で、出力回路94Dは、出力用画像データを後段回路90のI/F56に出力し、その後、ステップ154へ移行する。I/F56は、出力回路94Dから入力された出力用画像データを、例えば、バス68を介してCPU52及び画像処理部62に出力する。
ステップ154で、出力回路94Dは、画像データ出力処理を終了する条件である画像データ出力処理終了条件を満足したか否かを判定する。画像データ出力処理終了条件は、例えば、上述した画像データ生成処理終了条件と同じ条件である。
ステップ154において、画像データ出力処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、画像データ出力処理はステップ150へ移行する。ステップ154において、画像データ出力処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、出力回路94Dは画像データ出力処理を終了する。
次に、後段回路90の表示制御部によって実行される表示制御処理について図9を参照して説明する。なお、ここでは、説明の便宜上、図8に示す画像データ出力処理が実行されることで出力回路94Dから出力用画像データが後段回路90に出力され、出力用画像データがCPU52及び画像処理部62に入力されたことを前提として説明する。また、以下では、説明の便宜上、高画質切出画像データ及び低画質切出画像データを区別して説明する必要がない場合、「切出画像データ」と称する。また、高画質切出画像データにより示される高画質切出画像と低画質切出画像データにより示される低画質切出画像とを区別して説明する必要がない場合、「切出画像」と称する。
図9に示す表示制御処理では、ステップ160で、表示制御部は、画像処理部62から出力用画像データが入力されたか否かを判定する。ステップ160において、画像処理部62から出力用画像データが入力されていない場合は、判定が否定されて、表示制御処理はステップ164へ移行する。ステップ160において、画像処理部62から出力用画像データが入力された場合は、判定が肯定されて、表示制御処理はステップ162へ移行する。
ステップ162で、表示制御部は、出力用画像データをグラフィックデータとして表示装置に出力し、その後、表示制御処理はステップ164へ移行する。本ステップ162の処理が実行されることで出力用画像データが表示装置に出力されると、表示装置は、出力用画像データにより示される画像を表示する。例えば、出力用画像データに全体画像データが含まれている場合、表示装置は、全体画像データにより示される全体画像を表示する。ここで言う「全体画像」とは、光電変換素子92の一部領域92A内の全てのフォトダイオードにより撮像可能な画角に収まる範囲内の被写体の全体を示す画像を指す。
また、例えば、出力用画像データに切出画像データが含まれている場合、表示装置は、一例として図11及び図12に示すように、切出画像データにより示される切出画像を表示する。
また、タッチパネル42及び/操作部54によって拡大表示の指示が受け付けられた場合、表示装置は、一例として図14に示すように、切出画像を拡大して表示する。
切出画像は、高画質切出画像及び低画質切出画像の何れかである。高画質切出画像は、一例として図10に示すように、3フレーム分の撮像画像データを合成して得た合成データに基づく画像である。これに対し、低画質切出画像は、1フレーム分の撮像画像データに基づく間引き画像である。また、全体画像も、1フレーム分の撮像画像データに基づく間引き画像である。よって、表示装置に表示される画像の画質は、低画質切出画像及び全体画像よりも高画質切出画像の方が高い。
また、第1ディスプレイ40及び第2ディスプレイ80の双方に同じ画像を表示させる必要はない。例えば、第1ディスプレイ40及び第2ディスプレイ80の一方に対して全体画像を表示させ、他方に対して全体画像と共に、切出画像を表示させるようにしてもよいし、全体画像を表示させずに、切出画像を表示させるようにしてもよい。なお、表示装置に対して全体画像と共に切出画像を表示させる場合、第1〜第3表示方式が考えられる。第1表示方式とは、全体画像と切出画像とを並べて表示させる表示方式を指す。第2表示方式とは、全体画像と切出画像との一方に対して他方を重畳表示させる表示方式を指す。第3表示方式とは、全体画像と切出画像との一方の表示領域内に他方を埋め込んで表示させる表示方式を指す。
ステップ164で、表示制御部は、表示制御処理を終了する条件である表示制御処理終了条件を満足したか否かを判定する。表示制御処理終了条件は、例えば、上述した画像データ生成処理終了条件と同じ条件である。
ステップ164において、表示制御処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、表示制御処理はステップ160へ移行する。ステップ164において、表示制御処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、表示制御部は表示制御処理を終了する。
このように、一例として、図7に示す画像データ生成処理、図8に示す画像データ出力処理、及び図9に示す表示制御処理が実行されることで、表示制御部の制御下で、表示装置によりライブビュー画像が表示される。ここで言う「ライブビュー画像」とは、切出画像データ及び全体画像データの少なくとも1つを含む出力用画像データに基づくライブビュー形式の画像、すなわち、スルー画像を指す。なお、本第1実施形態に係る撮像装置10では、ライブビュー画像が第2フレームレートで表示される。
本第1実施形態に係る撮像装置10は、従来技術に係る撮像装置に比べ、撮像素子20として積層型CMOSイメージセンサを採用している点が異なる。つまり、従来技術に係る撮像素子では、積層型CMOSイメージセンサが採用されていない。そのため、従来技術に係る撮像装置では、一例として図11Aに示すように、撮像素子により被写体が撮像されることで得られた撮像画像データが後段回路90に出力され、後段回路90により撮像画像データから部分画像データ200が切り出される。そして、切り出された部分画像データ200に基づく画像が表示装置に表示される。
これに対し、本第1実施形態に係る撮像装置10では、撮像素子20として、積層型CMOSイメージセンサが採用されている。そのため、一例として図11Bに示すように、撮像素子20に内蔵されているメモリ96に撮像画像データが一旦格納され、メモリ96に対してランダムアクセスをすることにより部分画像データ200が切り出される。そして、切り出された部分画像データ200に基づく画像データが後段回路90に出力される。つまり、本第1実施形態に係る撮像素子20から後段回路90に出力されるデータ量は、従来技術に係る撮像装置の撮像素子から後段回路90に出力されるデータ量に比べ、少ない。よって、本第1実施形態に係る撮像装置10は、従来技術に係る撮像装置に比べ、画像データの出力に伴う消費電力を低減することができる。
また、後段回路90で部分画像データ200の切り出しが行われるため、一例として図13Aに示すように、1フレーム目の撮像画像データを得るための1回目の露光が終了してから、1フレーム目の撮像画像データを後段回路90に移動させる必要がある。撮像素子から後段回路90への撮像画像データの移動は、第2フレームレートで行われる。
これに対して、一例として図13Bに示すように、撮像装置10では、撮像素子20内で、第1フレームレートで、撮像画像データの読み出し、撮像画像データのメモリ96への記憶、及び部分画像データ200の切り出し等の画像処理が行われる。そして、撮像装置10でも、撮像素子20から後段回路90への撮像画像データの移動は、第2フレームレートで行われる。
しかし、撮像装置10では、少なくとも撮像画像データの読み出しから切り出し等の画像処理までは第1フレームレートで行われる。よって、撮像装置10は、一例として図13Bに示すように、従来技術に係る撮像装置に比べ、出力用画像データが後段回路90に移動している間にも撮像素子20内で多くの処理を行うことができる。図13Bに示す例では、撮像素子20から後段回路90へ1フレーム目の出力用画像データが移動している間に2回目の露光と、2回目の露光により得られた2フレーム目の撮像画像データの読み出しから切り出し等の画像処理までが行われている。
また、撮像装置10では、一例として図10に示すように、撮像素子20内において、メモリ96に複数フレームの撮像画像データが記憶されるので、処理回路94は、複数フレームの撮像画像データを合成して得た合成データを後段回路90に出力することができる。
図10に示す例では、連続する3フレームの撮像画像データの各々は、水平ラインを垂直方向に1ラインずつずらして間引きして得た画像データであるが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、図15に示すように、連続する3フレームの撮像画像データの各々が間引き無しで得た画像データであってもよい。この場合、光電変換素子92において露光に使用される水平ラインの1ライン当たりの電荷量を、例えば図10に示す各フレームの撮像画像データを得るための露光に使用される水平ラインの1ライン当たりの電荷量の1/3にする。これにより、図15に示す例の場合であっても、1フレーム目〜3フレーム目の撮像画像データが合成されることで、図10に示す例の場合と同様の画質を実現可能な出力用画像データが得られる。
ここで、「各フレームの撮像画像データを得るための露光に使用される水平ラインの1ライン当たりの電荷量の1/3」とは、後述の第1露光方式による露光で得られる電荷量に対する後述の第2露光方式による露光によって得られる電荷量の割合に相当する。
本第1実施形態に係る撮像装置10では、例えば、図18A及び図18Bに示すように、タッチパネル42及び/又は操作部54によって受け付けられた指示に応じて、第1露光方式と第2露光方式とが選択的に用いられる。以下では、説明の便宜上、第1露光方式で行われる露光に要する時間を第1露光時間と称し、第2露光方式で行われる露光に要する時間を第2露光時間と称する。
一例として図18Aに示す第1露光方式では、一例として図11Bに示す光電変換素子92の一部領域92A内の全てのフォトダイオードにより第1露光時間で被写体が撮像される。これにより、一例として図15に示す1フレーム目〜3フレーム目が合成されて得られた出力用画像データが有する輝度に相当する輝度を有する画像データが得られる。
一方、一例として図18Bに示す第2露光方式では、光電変換素子92の一部領域92A内の全てのフォトダイオードにより第2露光時間で被写体が撮像されるが、第2露光時間は第1露光時間の1/3である。そのため、一例として図15に示すように、1フレーム分の撮像画像データの電荷量は、第1露光方式による1フレーム分の撮像画像データの電荷量の1/3になる。
また、第1露光方式では、光電変換素子92からの撮像画像データの読み出し、撮像画像データのメモリ96への記憶、及び部分画像データの切り出し等の画像処理の一連の処理の回数は、3回である。つまり、第2露光方式は、上述した第1処理の回数が第1露光方式よりも2回多い。第2露光方式での第1処理の回数は第1フレームレートで実現可能な回数である。そのため、第1フレームレートを低くして露光時間を延ばして第2露光時間から第1露光時間に変更しなくても、第1露光時間で得られる1フレーム分の出力用画像データの輝度に相当する輝度を有する出力先画像データを生成することができる。つまり、第2露光方式であっても、連続する3フレーム分の撮像画像データの各々から切出画像を得て合成することで、第1露光方式で得られる1フレーム分の出力用画像データの輝度に相当する輝度を有する出力先画像データを生成することができる。
また、一例として図16に示す1フレーム目〜3フレーム目の撮像画像データの各々において水平ラインを垂直方向に2ラインずつ飛ばして間引きされた撮像画像データが採用されるようにしてもよい。図16に示す例では、1フレーム目〜3フレーム目の撮像画像データの各々において水平ラインを垂直方向に2ラインずつ飛ばして間引きされた撮像画像データが示されている。図16に示す例では、1フレーム目〜3フレーム目の撮像画像データが合成されることで、水平ラインを垂直方向に2ラインずつ飛ばして間引きされた出力用画像データが得られる。
また、本第1実施形態に係る撮像装置10では、撮像素子20として積層型CMOSセンサが採用されているので、メモリ96の撮像画像データから出力用画像データを読み出す方式を変えることで、総データ量が同じでも画質を変えることが可能となる。
一例として図17に示すように、画像処理回路94Cによってメモリ96から取得される出力用画像データのデータ量は、間引き有りの場合と間引き無しの場合とで同じにすることができる。一例として図17に示すように、間引き無しの撮像画像データは、間引き有りの撮像画像データに比べ、読み出し対象が狭い分だけ間引きをしないで済むので、間引き有りの撮像画像データよりも高画質を実現することができる。撮像装置10では、一例として図17に示すように、間引きがあるか無いかに拘わらず、全画素についての撮像画像データを後段回路90に出力する場合に比べ、処理回路94から出力されるデータ量が少ない。よって、撮像装置10では、従来技術に係る撮像装置のように後段回路90で間引き処理をしたり、切り出し処理を行ったりする場合に比べ、出力回路94Dから後段回路90の出力に要する消費電力を低減することができる。
以上説明したように、撮像装置10では、撮像素子20にメモリ96及び処理回路94が内蔵されている。また、処理回路94により、上述した第1処理が第1フレームレートで実行され、上述した第2処理が第2フレームレートで実行される。第1処理には、上述した切出処理が含まれる。また、処理回路94により、一例として図7に示すステップ114,116のように切出処理が行われることで撮像画像データから部分画像データが切り出される。そして、出力用画像データには、切り出された部分画像データに基づく画像データが含まれる。
従って、撮像装置10は、記憶部を介さずに撮像素子の外部に出力された画像データから部分画像データを切り出して出力する場合に比べ、消費電力を低減することができる。
また、撮像装置10では、画像処理回路94Cにより、メモリ96に記憶された撮像画像データからメモリ96に対するランダムアクセスにより部分画像データが切り出される。
従って、撮像装置10は、メモリ96に対するランダムアクセスが不可能な場合に比べ、指定されたアドレスから部分画像データを迅速に切り出すことができる。
また、撮像装置10では、メモリ96が撮像画像データを複数フレームで記憶可能であり、上述した切出処理は、メモリ96に記憶された撮像画像データから、複数フレームの部分画像データを切り出す処理を含む。また、上述した第2処理は、一例として図7に示すステップ126,128の処理のように、画像処理回路94Cにより切出処理が行われることで切り出された複数フレーム分の部分画像データが合成される処理を含む。そして、複数フレーム分の部分画像データが合成されて得られた合成データが出力用画像データとして出力回路94Dにより後段回路90に出力される。
従って、撮像装置10は、撮像画像データが後段回路90に出力され、後段回路90で撮像画像データから複数フレーム分の部分画像データが切り出され、複数フレーム分の部分画像データが合成される場合に比べ、消費電力を低減することができる。
また、撮像装置10では、単一フレームの撮像画像データから部分画像データが切り出され、切り出された部分画像データが一例として図7のステップ116に示す低画質切出画像データとして採用されている。
従って、撮像装置10では、複数フレームの撮像画像データの各々から部分画像データが切り出され、切り出された複数フレーム分の部分画像データが合成される場合に比べ、消費電力を低減することができる。
また、撮像装置10では、複数フレーム分の部分画像データが、互いに異なる画素がライン単位で間引かれた関係性を有する。
従って、撮像装置10は、同じ位置の画素がライン単位で間引かれる場合に比べ、再現性の高い被写体画像を得ることができる。
なお、間引きの度合いは、切出画像の拡大の度合いに応じて定められるようにしてもよい。例えば、拡大の度合いが大きくなるほど、間引きの度合いを小さくようにする。また、出力用画像データに対して特殊な加工を施す場合には、加工の種類に応じて間引きの度合いが定められるようにしてもよい。
また、撮像装置10では、出力回路94Dから出力される出力用画像データが、間引き箇所が異なる複数フレーム分の部分画像データが合成されて得られた合成データである。
従って、撮像装置10は、単一フレーム分の部分画像データが出力される場合に比べ、高画質な画像を表示することができる。
また、撮像装置10では、出力回路94Dにより出力された出力用画像データに基づく画像を、一例として図11、図12、及び図14に示すように、表示装置に対して拡大表示させる制御が表示制御部により行われる。
従って、撮像装置10は、出力回路94Dにより出力された出力用画像データに基づく画像をユーザに対して視覚的に認識させることができる。
また、撮像装置10では、撮像素子20として積層型CMOSイメージセンサを採用している。従って、撮像装置10は、撮像素子20内で画像処理が施された画像データを後段回路90に出力することができる。
なお、上記第1実施形態では、光電変換素子92の一部領域92Aにより被写体が撮像されて得られた撮像画像データがメモリ96に記憶される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、図19に示すように、光電変換素子92内の全てのフォトダイオードにより被写体が撮像されて得られた撮像画像データである全体画像データがメモリ96に記憶されるようにしてもよい。この場合も、上記第1実施形態と同様に、画像処理回路94Cがメモリ96に対してランダムアクセスすることで全体画像データから部分画像データ200を切り出し、切出画像データを生成する。切出画像データに基づく画像は、表示装置によって表示される。
また、例えば、図20に示すように、本開示の技術に係る「広範囲画像データ」の一例である全体画像データと、部分画像データ200に基づく切出画像データとが撮像素子20の出力回路94Dから後段回路90に出力されるようにしてもよい。この場合、全体画像データの解像度を部分画像データの解像度よりも低くするのが好ましい。これにより、消費電力が低減される。
また、一例として図20に示すように、表示装置は、表示制御部の制御下で、上述した第1表示方式に準ずる表示方式で、切出画像データにより示される切出画像を拡大して表示し、全体画像データにより示される全体画像を表示するようにしてもよい。
また、表示装置は、表示制御部の制御下で、上述した第2又は第3表示方式に準ずる表示方式で、切出画像と全体画像とを表示してもよい。また、表示装置は、表示制御部の制御下で、切出画像又は全体画像を表示してもよい。切出画像及び全体画像のうちの何れかの画像が表示装置によって表示されるかは、例えば、タッチパネル42及び/操作部54によって受け付けられた指示に従って定められるようにすればよい。
また、処理回路94は、3フレーム分の部分画像データのうちの一部の部分画像と、3フレーム分の部分画像データが合成されて得られた合成データとを、与えられた条件に応じて選択的に部分画像データとして後段回路90に出力するようにしてもよい。これにより、常に合成データが後段回路90に出力される場合に比べ、消費電力が低減される。なお、ここで、「3フレーム分の部分画像データのうちの一部の部分画像」とは、例えば、3フレーム未満の個数の部分画像を指す。また、「与えられた条件」としては、例えば、タッチパネル42及び/操作部54によって特定の指示が受け付けられたとの条件、又は、撮像装置10の残電力が閾値を下回ったとの条件が挙げられる。ここで言う「特定の指示が受け付けられたとの条件」としては、例えば、省電力モードの指示が受け付けられたとの条件、又は、タッチパネル42及び/操作部54によって特殊な加工を要する画像処理の指示が受け付けられたとの条件が挙げられる。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、被写体の一部の画像を示す部分画像データを切り出す場合について説明したが、本第2実施形態では、被写体の一部が被写体の複数の領域に跨っている場合について説明する。なお、本第2実施形態では、上記第1実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本第2実施形態に係る撮像装置10は、上記第1実施形態に係る撮像装置10に比べ、一例として図24に示すように、光電変換素子92の一部領域92Aに代えて一部領域92Bを有する点が異なる。一部領域92Bは、一部領域92Aに比べ、光電変換素子92の垂直方向に幅広の領域である。
次に、処理回路94によって実行される本第2実施形態に係る画像データ生成処理について図21を参照して説明する。
図21に示す画像データ生成処理では、先ず、ステップ250で、光電変換素子駆動回路94Aは、光電変換素子92の一部領域92Bから撮像画像データを読み出し、その後、画像データ生成処理はステップ252へ移行する。
本ステップ250の処理が実行されることで光電変換素子92の一部領域92Bから読み出される1フレーム分の撮像画像データは、一例として図10に示すように、垂直方向に水平ラインを2ライン飛ばしで間引きした画像データである。
本ステップ250の処理が実行されることで光電変換素子92の一部領域92Bから得られる撮像画像データは、図11に示す例と同様に、光電変換素子92のうちの一部領域92Bにより被写体が撮像されることで得られる撮像画像データである。
ステップ252で、AD変換回路94Bは、光電変換素子駆動回路94Aの一部領域92Bによって読み出された撮像画像データをデジタル化してメモリ96に記憶し、その後、画像データ生成処理はステップ254へ移行する。
ステップ254で、画像処理回路94Cは、タッチパネル42及び/又は操作部54によって切出指示が受け付けられたか否かを判定する。本ステップ254において、「切出指示」は、単一領域切出指示と複数領域切出指示とに大別される。単一領域切出指示とは、画像処理回路94Cに対して、撮像画像データにより示される画像から単一の領域を切り出させる指示を指す。複数領域切出指示とは、画像処理回路94Cに対して、撮像画像データにより示される画像から複数の領域を切り出させる指示を指す。
単一領域切出指示は、単一低画質画像切出指示と単一高画質画像切出指示とに大別される。単一低画質画像切出指示とは、撮像画像データにより示される画像から切り出される領域の画像として単一低画質画像を切り出させる指示を指す。単一高画質画像切出指示とは、撮像画像データにより示される画像から切り出される領域の画像として単一高画質画像を切り出させる指示を指す。単一高画質画像は、単一低画質画像よりも画質が高い。ここで、単一低画質画像とは、図10に示す例と同様に、垂直方向に水平ラインを2ライン飛ばしで間引かれた画像データを指す。これに対し、単一高画質画像とは、図10に示す例と同様に、3フレーム分の撮像画像データが合成されて得られた合成データ、すなわち、間引き無しの画像データを指す。
複数領域切出指示は、複数低画質切出指示と複数高画質画像切出指示とに大別される。複数低画質切出指示とは、撮像画像データにより示される画像から切り出される複数の領域の各々から低画質画像を切り出す指示を指す。なお、以下では、説明の便宜上、複数の領域の各々から切り出された低画質画像を、「低画質切出画像」とも称する。
複数高画質画像切出指示とは、撮像画像データにより示される画像から切り出される複数の領域の各々から高画質画像を切り出す指示を指す。なお、以下では、説明の便宜上、複数の領域の各々から切り出された高画質画像を、「高画質切出画像」とも称する。
高画質切出画像は、低画質切出画像よりも画質が高い。ここで、低画質切出画像とは、図10に示す例と同様に、各々垂直方向に水平ラインを2ライン飛ばしで間引かれた複数の画像データを指す。これに対し、複数の高画質切出画像とは、図10に示す例と同様に、各々3フレーム分の撮像画像データが合成されて得られた複数の合成データ、すなわち、各々間引き無しの複数の画像データを指す。
ステップ254において、タッチパネル42及び/又は操作部54によって切出指示が受け付けられた場合は、判定が肯定されて、画像データ生成処理はステップ260へ移行する。ステップ254において、タッチパネル42及び/又は操作部54によって切出指示が受け付けられていない場合は、判定が否定されて、画像データ生成処理はステップ256へ移行する。
ステップ256で、画像処理回路94Cは、メモリ96から撮像画像データを取得し、その後、画像データ生成処理はステップ258へ移行する。
ステップ258で、画像処理回路94Cは、ステップ256で取得した撮像画像データに基づいて主要被写体画像データを生成し、生成した主要被写体画像データを出力回路94Dに出力し、その後、画像データ生成処理はステップ266へ移行する。なお、本ステップ258の処理が実行されることによって生成される主要被写体画像データとは、例えば、複数の人物の顔が含まれる矩形領域内に含まれる被写体を指す。人物の顔は、撮像装置10に搭載されている顔検出機能を働かせることで特定される。また、主要被写体画像データは、撮像画像データの一部であり、上述した出力用画像データに含まれる画像データの一種である。
ステップ260で、画像処理回路94Cは、ステップ254で受け付けられた切出指示が複数領域切出指示か否かを判定する。ステップ260において、ステップ254で受け付けられた切出指示が複数領域切出指示でない場合、すなわち、ステップ254で受け付けられた切出指示が単一領域切出指示の場合は、判定が否定されて、画像データ生成処理はステップ262へ移行する。ステップ260において、ステップ254で受け付けられた切出指示が複数領域切出指示の場合は、判定が肯定されて、画像データ生成処理はステップ264へ移行する。
ステップ262で、画像処理回路94Cは、一例として図22に示す単一領域切出処理を実行し、その後、画像データ生成処理はステップ266へ移行する。
ステップ264で、画像処理回路94Cは、一例として図23に示す複数領域切出処理を実行し、その後、画像データ生成処理はステップ266へ移行する。
図22に示す単一領域切出処理では、ステップ262Aで、ステップ254で受け付けられた単一領域切出指示が単一高画質画像切出指示か否かを判定する。ステップ262Aにおいて、ステップ254で受け付けられた単一領域切出指示が単一低画質画像切出指示の場合は、判定が否定されて、単一領域切出処理はステップ262Bへ移行する。ステップ262Aにおいて、ステップ254で受け付けられた単一領域切出指示が単一高画質画像切出指示の場合は、判定が肯定されて、単一領域切出処理はステップ262Eへ移行する。
ステップ262Bで、画像処理回路94Cは、ステップ254で受け付けられた切出指示から指定アドレスを取得し、その後、単一領域切出処理はステップ262Cへ移行する。
ステップ262Cで、画像処理回路94Cは、メモリ96内の撮像画像データのうちの1フレーム分の撮像画像データから、ステップ262Bで取得した指定アドレスに従って、領域画像データを切り出し、その後、単一領域切出処理はステップ262Dへ移行する。領域画像データとは、撮像画像データのうち、撮像画像データにより示される画像内のうちの、指定アドレスに従って特定された領域を示す画像データを指す。領域画像データの切り出し対象となる単一フレームの撮像画像データは、例えば、メモリ96内に最も過去に記憶された撮像画像データであるが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、領域画像データの切り出し対象となる単一フレームの撮像画像データは、メモリ96内に複数フレームの撮像画像データが記憶されている場合、どの撮像画像データであってもよい。
ステップ262Dで、画像処理回路94Cは、単一低画質切出画像データを生成して出力回路94Dに出力し、その後、画像処理回路94Cは単一領域切出処理を終了する。ここでは、単一低画質切出画像データとして、ステップ262Cで切り出した部分画像データをそのまま採用しているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、単一低画質切出画像データは、ステップ262Cで切り出した領域画像データに対して各種画像処理を施して得た画像データであってもよい。なお、本ステップ262Dの処理が実行されることによって生成される単一低画質切出画像データは、上述した出力用画像データに含まれる画像データの一種であり、本開示の技術に係る「部分画像データに基づく画像データ」の一例である。
ステップ262Eで、画像処理回路94Cは、メモリ96に複数フレームの撮像画像データが記憶されているか否かを判定する。なお、本ステップ262Eでは、複数フレームの一例として、3フレームが採用されている。ステップ262Eにおいて、メモリ96に複数フレームの撮像画像データが記憶されていない場合は、判定が否定されて、ステップ262Fへ移行する。ステップ262Eにおいて、メモリ96に複数フレームの撮像画像データが記憶されている場合は、判定が肯定されて、ステップ262Hへ移行する。
ステップ262F,262Gで、画像処理回路94Cは、図21に示すステップ256,258の処理に相当する処理を実行し、単一領域切出処理はステップ262Eへ移行する。
ステップ262Hで、画像処理回路94Cは、ステップ254で受け付けられた切出指示から指定アドレスを取得し、その後、単一領域切出処理はステップ262Iへ移行する。
ステップ262Iで、画像処理回路94Cは、メモリ96内の撮像画像データのうちの複数フレームの撮像画像データの各々から、ステップ262Hで取得した指定アドレスに従って領域画像データを切り出し、その後、単一領域切出処理はステップ262Jへ移行する。
領域画像データの切り出し対象となる複数フレームの撮像画像データは、例えば、メモリ96に現時点で記憶されている全フレームの撮像画像データ、すなわち、3フレーム分の撮像画像データであるが、本開示の技術はこれに限定されない。1フレーム分の撮像画像データが単一低画質切出画像データであると規定するのであれば、2フレーム分の撮像画像データを合成して得た合成データを切り出し対象としてもよい。
なお、ステップ262C,262Iの各々で切り出された領域画像データは、本開示の技術に係る「部分画像データ」の一例である。
ステップ262Jで、画像処理回路94Cは、単一高画質切出画像データを生成して出力回路94Dに出力し、その後、画像処理回路94Cは単一領域切出処理を終了する。ここでは、単一高画質切出画像データとして、図10に示す例と同様に、ステップ262Iで切り出した3フレーム分の領域画像データを合成して得た合成データをそのまま採用しているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、単一高画質切出画像データは、ステップ262Iで切り出した3フレーム分の領域画像データを合成して得た合成データに対して各種画像処理を施して得た画像データであってもよい。なお、本ステップ262Jの処理が実行されることによって生成される単一高画質切出画像データは、上述した出力用画像データに含まれる画像データの一種であり、本開示の技術に係る「部分画像データに基づく画像データ」の一例である。
図23に示す複数領域切出処理では、ステップ264Aで、画像処理回路94Cは、ステップ254で受け付けられた複数領域切出指示が複数高画質画像切出指示か否かを判定する。ステップ264Aにおいて、ステップ254で受け付けられた複数領域切出指示が複数低画質画像切出指示の場合は、判定が否定されて、複数領域切出処理はステップ264Bへ移行する。ステップ264Aにおいて、ステップ254で受け付けられた複数領域切出指示が複数高画質画像切出指示の場合は、判定が肯定されて、複数領域切出処理はステップ264Fへ移行する。
ステップ264Bで、画像処理回路94Cは、ステップ254で受け付けられた切出指示から未処理の指定アドレスを取得し、その後、複数領域切出処理はステップ264Cへ移行する。本ステップ264Bにおいて、「未処理の指定アドレス」とは、後述のステップ264Cの処理で未だに使用されていない指定アドレスを指す。
ステップ264Cで、画像処理回路94Cは、メモリ96内の撮像画像データのうちの1フレーム分の撮像画像データから、ステップ264Bで取得した指定アドレスに従って領域画像データを切り出し、その後、複数領域切出処理はステップ264Dへ移行する。領域画像データの切り出し対象となる単一フレームの撮像画像データは、例えば、メモリ96内に最も過去に記憶された撮像画像データであるが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、領域画像データの切り出し対象となる単一フレームの撮像画像データは、メモリ96内に複数フレームの撮像画像データが記憶されている場合、どの撮像画像データであってもよい。
ステップ264Dで、画像処理回路94Cは、未処理の指定アドレスがないか否かを判定する。ステップ264Dにおいて、未処理の指定アドレスがある場合は、判定が否定されて、複数領域切出処理はステップ264Bへ移行する。ステップ264Dにおいて、未処理の指定アドレスがない場合は、判定が肯定されて、複数領域切出処理はステップ264Eへ移行する。
なお、上記ステップ264B〜ステップ264Dの処理が実行されることで切り出された複数の領域画像データは、本開示の技術に係る「撮像画像データのうちの複数の領域を示す複数の領域画像データ」の一例である。
ステップ264Eで、画像処理回路94Cは、複数低画質切出画像データを生成して出力回路94Dに出力し、その後、画像処理回路94Cは複数領域切出処理を終了する。ここでは、複数低画質切出画像データとして、ステップ264Cで切り出した複数の領域画像データをそのまま採用しているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、複数低画質切出画像データは、ステップ264Cで切り出した複数の領域画像データに対して各種画像処理を施して得た画像データであってもよい。なお、本ステップ264Eの処理が実行されることによって生成される複数低画質切出画像データは、上述した出力用画像データに含まれる画像データの一種であり、本開示の技術に係る「部分画像データに基づく画像データ」の一例である。
ステップ264Fで、画像処理回路94Cは、メモリ96に複数フレームの撮像画像データが記憶されているか否かを判定する。なお、本ステップ264Fでは、複数フレームの一例として、3フレームが採用されている。ステップ264Fにおいて、メモリ96に複数フレームの撮像画像データが記憶されていない場合は、判定が否定されて、ステップ264Gへ移行する。ステップ264Fにおいて、メモリ96に複数フレームの撮像画像データが記憶されている場合は、判定が肯定されて、ステップ262Iへ移行する。
ステップ264G,264Hで、画像処理回路94Cは、図21に示すステップ256,258の処理に相当する処理を実行し、複数領域切出処理はステップ264Fへ移行する。
ステップ264Iで、画像処理回路94Cは、ステップ254で受け付けられた切出指示から未処理の指定アドレスを取得し、その後、複数領域切出処理はステップ264Jへ移行する。本ステップ264Iにおいて、「未処理の指定アドレス」とは、後述のステップ264Jの処理で未だに使用されていない指定アドレスを指す。
ステップ264Jで、画像処理回路94Cは、メモリ96内の撮像画像データのうちの複数フレームの撮像画像データの各々から、ステップ264Iで取得した指定アドレスに従って領域画像データを切り出し、その後、複数領域切出処理はステップ264Kへ移行する。
領域画像データの切り出し対象となる複数フレームの撮像画像データは、例えば、メモリ96に現時点で記憶されている全フレームの撮像画像データ、すなわち、3フレーム分の撮像画像データであるが、本開示の技術はこれに限定されない。1フレーム分の撮像画像データが複数低画質切出画像データであると規定するのであれば、2フレーム分の撮像画像データを合成して得た合成データを切り出し対象としてもよい。
ステップ264Kで、画像処理回路94Cは、未処理の指定アドレスがないか否かを判定する。ステップ264Kにおいて、未処理の指定アドレスがある場合は、判定が否定されて、複数領域切出処理はステップ264Iへ移行する。ステップ264Kにおいて、未処理の指定アドレスがない場合は、判定が肯定されて、複数領域切出処理はステップ264Lへ移行する。
なお、ステップ264I〜ステップ264Kの処理が実行されることで切り出された複数の領域画像データは、本開示の技術に係る「撮像画像データのうちの複数の領域を示す複数の箇所画像データ」の一例である。
また、上記ステップ264Jの処理が実行されることで切り出された複数の領域画像データは、本開示の技術に係る「撮像画像データのうちの複数の領域を示す複数の領域画像データ」の一例である。
ステップ264Lで、画像処理回路94Cは、複数高画質切出画像データを生成して出力回路94Dに出力し、その後、画像処理回路94Cは複数領域切出処理を終了する。ここでは、複数高画質切出画像データとして、切り出し対象とされた複数の箇所の各々について、図10に示す例と同様に、ステップ264Jで切り出した3フレーム分の領域画像データを合成して得た合成データをそのまま採用しているが、本開示の技術はこれに限定されない。
例えば、複数高画質切出画像データは、切り出し対象とされた複数の領域の各々について、ステップ264Jで切り出した3フレーム分の領域画像データを合成して得た合成データに対して各種画像処理を施して得た画像データであってもよい。なお、本ステップ264Lの処理が実行されることによって生成される複数高画質切出画像データは、上述した出力用画像データに含まれる画像データの一種であり、本開示の技術に係る「部分画像データに基づく画像データ」の一例である。
図21に示す画像データ生成処理では、ステップ266で、上記第1実施形態で説明した画像データ生成処理終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ266において、画像データ生成処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、画像データ生成処理はステップ250へ移行する。ステップ266において、画像データ生成処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、画像処理回路94Cは画像データ生成処理を終了する。
次に、処理回路94の出力回路94Dによって実行される本第2実施形態に係る画像データ出力処理について図8を参照して説明する。なお、図8に示す画像データ出力処理は、出力回路94Dによって第2フレームレートで行われる。
図8に示す画像データ出力処理では、先ず、ステップ280で、出力回路94Dは、画像処理回路94Cから出力用画像データが入力されたか否かを判定する。画像処理回路94Cから出力回路94Dに入力される出力用画像データの一例としては、図21に示す画像データ生成処理により出力された主要被写体画像データ、単一低画質切出画像データ、単一高画質切出画像データ、複数低画質切出画像データ、及び複数高画質切出画像データのうちの少なくとも1つを含む画像データが挙げられる。
ステップ280において、画像処理回路94Cから出力用画像データが入力されていない場合は、判定が否定されて、ステップ284へ移行する。ステップ280において、画像処理回路94Cから出力用画像データが入力された場合は、判定が肯定されて、ステップ282へ移行する。
ステップ282で、出力回路94Dは、出力用画像データを後段回路90のI/F56に出力し、その後、ステップ284へ移行する。I/F56は、出力回路94Dから入力された出力用画像データを、例えば、バス68を介してCPU52及び画像処理部62に出力する。
ステップ284で、出力回路94Dは、上記第1実施形態で説明した画像データ出力処理終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ284において、画像データ出力処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、画像データ出力処理はステップ280へ移行する。ステップ284において、画像データ出力処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、出力回路94Dは画像データ出力処理を終了する。
次に、後段回路90の表示制御部によって実行される表示制御処理について図9を参照して説明する。なお、ここでは、説明の便宜上、図8に示す画像データ出力処理が実行されることで出力回路94Dから出力用画像データが後段回路90に出力され、出力用画像データがCPU52及び画像処理部62に入力されたことを前提として説明する。
図9に示す表示制御処理では、ステップ290で、表示制御部は、画像処理部62から出力用画像データが入力されたか否かを判定する。ステップ290において、画像処理部62から出力用画像データが入力されていない場合は、判定が否定されて、表示制御処理はステップ294へ移行する。ステップ290において、画像処理部62から出力用画像データが入力された場合は、判定が肯定されて、表示制御処理はステップ292へ移行する。
ステップ292で、表示制御部は、出力用画像データをグラフィックデータとして表示装置に出力し、その後、表示制御処理はステップ294へ移行する。本ステップ292の処理が実行されることで出力用画像データが表示装置に出力されると、表示装置は、出力用画像データにより示される画像を表示する。例えば、出力用画像データに主要被写体画像データが含まれている場合、表示装置は、主要被写体画像データにより示される主要被写体画像を表示する。
なお、ここでは、主要被写体画像を例示しているが、上記第1実施形態と同様に、全体画像が表示されるようにしてもよいし、主要被写体画像と全体画像との双方を並べて表示されるようにしてもよい。本第2実施形態に係る「全体画像」とは、例えば、図24に示す光電変換素子92の一部領域92B内の全てのフォトダイオードにより撮像可能な画角に収まる範囲内の被写体の全体を示す画像を指す。
また、例えば、出力用画像データに単一高画質切出画像データが含まれている場合、表示装置は、一例として図24に示すように、単一高画質切出画像データにより示される単一高画質切出画像と、主要被写体画像とを並べて表示する。
また、タッチパネル42及び/操作部54によって拡大表示の指示が受け付けられた場合、表示装置は、一例として図24に示すように、単一高画質切出画像を拡大して表示する。
なお、図24に示す例では、単一高画質切出画像の表示例が示されているが、出力用画像データに単一低画質切出画像データが含まれている場合、表示装置は、単一高画質切出画像に代えて単一低画質切出画像を表示する。
また、表示装置に表示される画像の画質は、単一低画質切出画像及び主要被写体画像よりも単一高画質切出画像の方が高い。
また、第1ディスプレイ40及び第2ディスプレイ80の双方に同じ画像を表示させる必要はない。例えば、第1ディスプレイ40及び第2ディスプレイ80の一方に対して主要被写体画像を表示させ、他方に対して、主要被写体画像と共に、単一高画質切出画像又は単一低画質切出画像を表示させるようにしてもよいし、主要被写体画像を表示させずに、単一高画質切出画像又は単一低画質切出画像を表示させるようにしてもよい。
一方、例えば、出力用画像データに複数高画質切出画像データが含まれている場合、表示装置は、一例として図25に示すように、複数高画質切出画像データにより示される複数の高画質切出画像と、主要被写体画像とを並べて表示する。図25に示す例では、表示装置に対して、2つの高画質切出画像と主要被写体画像とを並べて表示させた状態が示されている。
また、タッチパネル42及び/操作部54によって拡大表示の指示が受け付けられた場合、表示装置は、複数の高画質切出画像のうちの少なくとも1つを拡大して表示する。
また、表示装置に表示される画像の画質は、複数の低画質切出画像及び主要被写体画像よりも複数の高画質切出画像の方が高い。
また、第1ディスプレイ40及び第2ディスプレイ80の双方に同じ画像を表示させる必要はない。例えば、第1ディスプレイ40及び第2ディスプレイ80の一方に対して主要被写体画像を表示させ、他方に対して、主要被写体画像と共に、複数の高画質切出画像又は複数の低画質切出画像を表示させるようにしてもよいし、主要被写体画像を表示させずに、複数の高画質切出画像又は複数の低画質切出画像を表示させるようにしてもよい。
ステップ294で、表示制御部は、上記第1実施形態で説明した表示制御処理終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ294において、表示制御処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、表示制御処理はステップ290へ移行する。ステップ294において、表示制御処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、表示制御部は表示制御処理を終了する。
以上説明したように、本第2実施形態に係る撮像装置10では、切り出し対象に相当する被写体の一部が被写体の複数の領域に跨っており、撮像画像データから複数の領域画像データが切り出される。そして、切り出された複数の領域画像データに基づいて複数低画質画像データ及び複数高画質切出画像データが生成される。
従って、本第2実施形態に係る撮像装置10は、切り出し対象が被写体の複数の領域に跨っていた場合であっても、消費電力を低減することができる。
ところで、図25に示す例では、主要被写体画像データに係る指定アドレスにより特定される範囲と複数高画質切出画像データに係る指定アドレスにより特定される範囲とがオーバーラップしている。
しかし、指定アドレスにより特定される範囲がオーバーラップしている状態であっても、メモリ96に撮像画像データが保持されているので、画像処理回路94Cは、主要被写体画像データと複数高画質切出画像データとを個別に取得することができる。
なお、画像処理回路94Cは、複数高画質切出画像データに限らず、主要被写体画像データと複数低画質切出画像データとを個別に取得することも可能である。また、複数高画質切出画像データ及び複数低画質切出画像データに限らず、主要被写体画像データと単一高画質切出画像データ又は単一低画質切出画像データとが個別に取得されるようにしてもよい。また、主要被写体画像データに代えて全体画像データを適用することも可能である。
なお、上記第2実施形態では、撮像画像データから2つの部分画像データが切り出される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、撮像画像データから3つ以上の部分画像データが切り出されるようにしてもよい。この場合、表示制御部は、全体画像と、3つ以上の部分画像データに基づく3つ以上の画像とを並べて表示させるようにしてもよい。3つ以上の部分画像データに基づく3つ以上の画像のうち、指定された画像のみを拡大表示又は縮小表示させるようにしてもよい。
[第3実施形態]
上記第1実施形態では、部分画像データ及び合焦制御用画像データのうち、部分画像データの活用方法を例示したが、本第2実施形態では、部分画像データ及び合焦制御用画像データの併用方法について説明する。なお、本第3実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本第2実施形態に係る撮像装置10は、上記第1実施形態に係る撮像装置10に比べ、処理回路94により、図8に示す画像データ生成処理に代えて図26に示す画像データ生成処理が実行される点が異なる。
図26に示す画像データ生成処理では、先ず、ステップ300で、光電変換素子駆動回路94Aは、光電変換素子92の一部領域92Aから撮像画像データを読み出し、その後、画像データ生成処理はステップ302へ移行する。
本ステップ300の処理が実行されることで光電変換素子92の一部領域92Aから読み出される1フレーム分の撮像画像データは、一例として図10に示すように、垂直方向に水平ラインを2ライン飛ばしで間引きした画像データである。
ステップ302で、AD変換回路94Bは、光電変換素子駆動回路94Aの一部領域92Aによって読み出された撮像画像データをデジタル化してメモリ96に記憶し、その後、画像データ生成処理はステップ304へ移行する。
ステップ304で、画像処理回路94Cは、タッチパネル42及び/又は操作部54によって拡大表示指示が受け付けられたか否かを判定する。拡大表示指示には、上記第1実施形態で説明した指定アドレスが含まれている。
ステップ304において、タッチパネル42及び/又は操作部54によって拡大表示指示が受け付けられていない場合は、判定が否定されて、画像データ生成処理はステップ306へ移行する。ステップ304において、タッチパネル42及び/又は操作部54によって拡大表示指示が受け付けられた場合は、判定が肯定されて、画像データ生成処理はステップ310へ移行する。
ステップ306,308で、画像処理回路94Cは、図7に示すステップ106,108に相当する処理を実行し、その後、ステップ334へ移行する。
ステップ310で、画像処理回路94Cは、ステップ304で受け付けられた拡大表示指示が合焦制御拡大表示指示か否かを判定する。合焦制御拡大表示指示とは、表示装置に対して、指定アドレスに従って指定された箇所の画像を拡大して表示させることに加え、処理回路94に対して、合焦制御用画像データを生成させて出力させる指示を指す。
ステップ310において、ステップ304で受け付けられた拡大表示指示が合焦制御拡大表示指示でない場合は、判定が否定されて、画像データ生成処理はステップ312へ移行する。ステップ310において、ステップ304で受け付けられた拡大表示指示が合焦制御拡大表示指示の場合は、判定が肯定されて、画像データ生成処理はステップ318へ移行する。
ステップ312,314で、画像処理回路94Cは、図7に示すステップ112,114の処理に相当する処理を実行し、その後、画像データ生成処理はステップ316へ移行する。
ステップ316で、画像処理回路94Cは、拡大表示用画像データを生成して出力回路94Dに出力し、その後、画像処理回路94Cはステップ334へ移行する。ここでは、拡大表示用画像データとして、ステップ314で切り出した部分画像データをそのまま採用しているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、拡大表示用画像データは、ステップ314で切り出した部分画像データに対して各種画像処理を施して得た画像データであってもよい。なお、本ステップ316の処理が実行されることによって生成される拡大表示用画像データは、上述した出力用画像データに含まれる画像データの一種である。
ステップ318,320,322,324,326で、画像処理回路94Cは、図7に示すステップ118,120,122,124,126の処理に相当する処理を実行する。ステップ326の処理が実行された後、画像データ生成処理はステップ328へ移行する。
ステップ328で、画像処理回路94Cは、ステップ324で取得した指定アドレスに基づいて合焦制御用アドレスを導出し、その後、画像データ生成処理はステップ330へ移行する。合焦制御用アドレスは、撮像画像データが記憶されたメモリ96からCPU52による合焦制御に要する撮像画像データの一部を特定可能なアドレスである。本ステップ328では、既定の導出テーブルに従って指定アドレスから合焦制御用アドレスが導出されるが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、上記の導出テーブルと同様の結果を導出可能な演算式により合焦制御用アドレスが導出されるようにしてもよい。
ステップ330は、画像処理回路94Cは、メモリ96内の撮像画像データのうちの複数フレームの撮像画像データの各々から、ステップ328で取得した合焦制御用アドレスに従って部分画像データを切り出し、その後、画像データ生成処理はステップ332へ移行する。なお、以下では、ステップ326で切り出された部分画像データを「拡大表示用部分画像データ」と称し、ステップ330で切り出された部分画像データを「合焦制御用部分画像データ」と称する。
合焦制御用部分画像データの切り出し対象となる複数フレームの撮像画像データは、例えば、メモリ96に現時点で記憶されている全フレームの撮像画像データ、すなわち、3フレーム分の撮像画像データであるが、本開示の技術はこれに限定されない。1フレーム又は2フレーム分の撮像画像データを合成して得た合成データを切り出し対象としてもよい。
ステップ332で、画像処理回路94Cは、図7に示すステップ128の高画質切出画像データに相当する画像データを拡大表示用画像データとして生成し、合焦制御用部分画像データに基づいて合焦制御用部分画像データを生成する。そして、画像処理回路94Cは、生成した拡大表示用画像データ及び合焦制御用部分画像データを出力回路94Dに出力し、その後、画像データ生成処理はステップ334へ移行する。
ここでは、合焦制御用画像データとして、図10に示す例と同様に、ステップ330で切り出した3フレーム分の合焦制御用部分画像データを合成して得た合成データをそのまま採用しているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、合焦制御用画像データは、ステップ330で切り出した3フレーム分の合焦制御用部分画像データを合成して得た合成データに対して各種画像処理を施して得た画像データであってもよい。なお、本ステップ332の処理が実行されることによって生成される合焦制御用画像データは、上述した出力用画像データに含まれる画像データの一種である。
図27に示す例では、拡大表示用画像データ200Aと合焦制御用画像データ352との画像間の広さの関係性が示されている。一例として図27に示すように、合焦制御用画像データ352により示される画像は、拡大表示用画像データ200Aにより示される画像よりも広い範囲の画像である。ここで言う「広い範囲」とは、上記第1実施形態で説明した「予め定められた範囲」を意味する。
なお、撮像装置10において表示装置によりライブビュー画像が表示されている状態で、例えば、CPU52によって、いわゆるコントラストAF又は位相差AFが行われる場合、ボケ量に応じて合焦制御用画像データ352により示される画像の領域を拡縮してもよい。例えば、画像処理回路94Cは、CPU52の制御下で、ボケ量が少なくなるほど合焦制御用画像データ352により示される画像の領域を狭くするように合焦制御用画像データ352を調節する。これにより、撮像装置10は、合焦制御用画像データ352がボケ量に拘らず一定である場合に比べ、電力消費を低減することができる。
ステップ334で、画像処理回路94Cは、上記第1実施形態で説明した画像データ生成処理終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ334において、上記第1実施形態で説明した画像データ生成処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、画像データ生成処理はステップ300へ移行する。ステップ334において、上記第1実施形態で説明した画像データ生成処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、画像処理回路94Cは画像データ生成処理を終了する。
次に、処理回路94の出力回路94Dによって実行される本第3実施形態に係る画像データ出力処理について図8を参照して説明する。なお、図8に示す画像データ出力処理は、出力回路94Dによって第2フレームレートで行われる。
図8に示す画像データ出力処理では、先ず、ステップ350で、出力回路94Dは、画像処理回路94Cから出力用画像データが入力されたか否かを判定する。画像処理回路94Cから出力回路94Dに入力される出力用画像データの一例としては、全体画像データ、拡大表示用画像データ、及び合焦制御用画像データのうちの少なくとも1つを含む画像データが挙げられる。
ステップ350において、画像処理回路94Cから出力用画像データが入力されていない場合は、判定が否定されて、ステップ354へ移行する。ステップ350において、画像処理回路94Cから出力用画像データが入力された場合は、判定が肯定されて、ステップ351へ移行する。
ステップ351で、出力回路94Dは、出力用画像データを後段回路90のI/F56に出力し、その後、ステップ354へ移行する。I/F56は、出力回路94Dから入力された出力用画像データを、例えば、バス68を介してCPU52及び画像処理部62に出力する。
ステップ354で、出力回路94Dは、上記第1実施形態で説明した画像データ出力処理終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ354において、画像データ出力処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、画像データ出力処理はステップ2350へ移行する。ステップ354において、画像データ出力処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、出力回路94Dは画像データ出力処理を終了する。
次に、CPU52によって実行される出力用画像データ処理について図28を参照して説明する。
なお、本第3実施形態に係る撮像装置10では、出力用画像データ処理プログラムが二次記憶部60に記憶されており、CPU52は、出力用画像データ処理プログラムを二次記憶部60から読み出し、一次記憶部58に展開する。CPU52は、一次記憶部58に展開した出力用画像データ処理プログラムに従って出力用画像データ処理を実行する。
図28に示す出力用画像データ処理では、ステップ360で、CPU52は、処理回路94から出力用画像データがI/F56に入力されたか否かを判定する。ステップ360において、処理回路94から出力用画像データがI/F56に入力されていない場合は、判定が否定されて、出力用画像データ処理はステップ370へ移行する。ステップ360において、処理回路94から出力用画像データがI/F56に入力された場合は、判定が肯定されて、出力用画像データ処理はステップ362へ移行する。
ステップ362で、出力用画像データに拡大表示用画像データのみが含まれているか否かを判定する。ステップ362において、出力用画像データに拡大表示用画像データのみが含まれている場合は、判定が肯定されて、出力用画像データ処理はステップ364へ移行する。ステップ362において、出力用画像データに拡大表示用画像データ及び合焦制御用画像データが含まれている場合は、判定が否定されて、出力用画像データ処理はステップ366へ移行する。
ステップ364で、CPU52は、拡大表示用データを表示制御部に出力し、その後、出力用画像データ処理はステップ370へ移行する。拡大表示用データが表示制御部に出力されると、一例として図27に示すように、表示制御部は、表示装置に対して、拡大表示用画像データに基づく画像を表示させる。表示装置には、拡大表示用画像データに基づく画像が第2フレームレートで表示される。
ステップ366で、CPU52は、ステップ364の処理に相当する処理を実行し、その後、出力用画像データ処理はステップ368へ移行する。
ステップ368で、CPU52は、合焦制御用画像データに基づいて合焦制御を行い、その後、出力用画像データ処理はステップ370へ移行する。
ステップ370で、CPU52は、出力用画像データ処理を終了する条件である出力用画像データ処理終了条件を満足したか否かを判定する。出力用画像データ処理終了条件の一例としては、上記第1実施形態で説明した表示制御処理終了条件と同じ条件が挙げられる。
ステップ370において、出力用画像データ処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、出力用画像データ処理はステップ360へ移行する。ステップ370において、出力用画像データ処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、CPU52は出力用画像データ処理を終了する。
以上説明したように、本第3実施形態に係る撮像装置10では、合焦制御用画像データが生成され、出力用画像データには、生成された合焦用画像データが含まれている。従って、本第3実施形態に係る撮像装置10は、合焦制御用画像データが後段回路90で生成される場合に比べ、合焦制御用画像データを用いて合焦制御が行われる場合であっても、消費電力を低減することができる。
[第4実施形態]
上記第1実施形態では、画像データ生成処理及び画像データ出力処理を例示したが、本第4実施形態では、処理回路94が撮像制御処理を更に実行する形態例について説明する。なお、本第4実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本第4実施形態に係る撮像装置10は、上記第1実施形態に係る撮像装置10に比べ、処理回路94が図29に示す撮像制御処理を更に実行可能である点が異なる。また、本第4実施形態に係る撮像装置10は、上記第1実施形態に係る撮像装置10に比べ、図30に示す画像データ生成処理を更に実行可能である点が異なる。なお、図29に示す撮像制御処理及び図30に示す画像データ生成処理は、処理回路94によって第1フレームレートで実行される。
図29に示す撮像制御処理では、先ず、ステップ400で、処理回路94は、タッチパネル42及び/又は操作部54によって撮像箇所指定情報が受け付けられたか否かを判定する。撮像箇所指定情報とは、光電変換素子92内の全てのフォトダイオードのうち、部分画像データを得るために使用するフォトダイオードを指定する情報を指す。撮像箇所指定情報は、光電変換素子92内の指定された位置を特定可能な撮像箇所指定アドレスが含まれている。
ステップ400において、タッチパネル42及び/又は操作部54によって撮像箇所指定情報が受け付けられていない場合は、判定が否定されて、撮像制御処理はステップ402へ移行する。ステップ400において、タッチパネル42及び/又は操作部54によって撮像箇所指定情報が受け付けられた場合は、判定が肯定されて、撮像制御処理はステップ404へ移行する。なお、本ステップ400において判定が肯定された場合は、本開示の技術に係る「被写体の一部が指定されることで光電変換素子のうちの被写体の一部に対応する箇所が指定された場合」の一例である。
ステップ402で、光電変換素子駆動回路94Aは、光電変換素子92内の全てのフォトダイオードを使用して被写体を撮像することで撮像画像データを取得し、その後、撮像制御処理はステップ414へ移行する。
ステップ404で、光電変換素子駆動回路94Aは、撮像箇所指定情報から撮像箇所指定アドレスを取得し、その後、撮像制御処理はステップ406へ移行する。
ステップ406で、光電変換素子駆動回路94Aは、光電変換素子92に対して、撮像箇所指定アドレスに従って指定された撮像箇所で撮像を開始させ、その後、撮像制御処理はステップ408へ移行する。本ステップ406の処理が実行されることで撮像されて得られた撮像画像データは、部分画像相当データである。部分画像相当データとは、上記第1実施形態で説明した部分画像データに相当する画像データを指す。部分画像相当データは、部分画像データと同様に、メモリ96に記憶される。
ステップ408で、処理回路94は、メモリ96から部分画像相当データを取得し、その後、撮像制御処理はステップ410へ移行する。
ステップ410で、処理回路94は、光電変換素子92に対する撮像箇所の指定状態を解除する解除条件を満足したか否かを判定する。ステップ410において、解除条件を満足していない場合は、判定が否定されて、撮像制御処理はステップ400へ移行する。ステップ410において、解除条件を満足した場合は、判定が肯定されて、撮像制御処理はステップ412へ移行する。
ステップ412で、光電変換素子駆動回路94Aは、光電変換素子92に対する撮像箇所の指定状態を解除し、その後、撮像制御処理はステップ414へ移行する。
ステップ414で、処理回路94は、撮像制御処理を終了する条件である撮像制御処理終了条件を満足したか否かを判定する。撮像制御処理終了条件としては、例えば、撮像制御処理を終了させる指示がタッチパネル42及び/又は操作部54によって受け付けられたとの条件が挙げられる。
ステップ414において、撮像制御処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、撮像制御処理はステップ400へ移行する。ステップ414において、撮像制御処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、処理回路94は撮像制御処理を終了する。
次に、本第4実施形態に係る画像データ生成処理が処理回路94によって実行される場合について図30を参照して説明する。
図30に示す画像データ生成処理では、ステップ450で、処理回路94は、光電変換素子駆動回路94Aにより光電変換素子92から画像データが取得されたか否かを判定する。なお、ここでは、説明の便宜上、光電変換素子92から取得される画像データは、撮像制御処理のステップ408で取得された部分画像相当データ、又は、撮像制御処理のステップ402で取得された撮像画像データである。
ステップ450において、光電変換素子駆動回路94Aにより光電変換素子92から画像データが取得されていない場合は、判定が否定されて、画像データ生成処理はステップ468へ移行する。ステップ450において、光電変換素子駆動回路94Aにより光電変換素子92から画像データが取得された場合は、判定が肯定されて、画像データ生成処理はステップ452へ移行する。
ステップ452で、処理回路94は、光電変換素子92から取得された画像データが部分画像相当データであるか否かを判定する。ステップ452において、光電変換素子92から取得された画像データが部分画像相当データでない場合、すなわち、光電変換素子92から取得された画像データが撮像画像データの場合は、判定が否定されて、ステップ454へ移行する。ステップ452において、光電変換素子92から取得された画像データが部分画像相当データの場合は、判定が肯定されて、画像データ生成処理はステップ456へ移行する。なお、光電変換素子92から取得された画像データが撮像画像データの場合、撮像画像データは、メモリ96に記憶される。
ステップ454で、画像処理回路94Cは、メモリ96から撮像画像データを取得し、取得した撮像画像データに基づいて、上記第1実施形態で説明した全体画像データを生成して出力回路94Dに出力し、その後、画像データ生成処理はステップ468へ移行する。
ステップ456で、AD変換回路94Bは、部分画像相当データをメモリ96に記憶し、その後、画像データ生成処理はステップ458へ移行する。
ステップ458で、画像処理回路94Cは、上記第1実施形態で説明した高画質切出指示がタッチパネル42及び/又は操作部54によって受け付けられたか否かを判定する。ステップ458において、高画質切出指示がタッチパネル42及び/又は操作部54によって受け付けられていない場合は、判定が否定されて、画像データ生成処理はステップ460へ移行する。ステップ458において、高画質切出指示がタッチパネル42及び/又は操作部54によって受け付けられた場合は、判定が肯定されて、画像データ生成処理はステップ462へ移行する。
ステップ460で、画像処理回路94Cは、メモリ96から単一フレームの部分画像相当データを取得する。そして、画像処理回路94Cは、取得した単一フレームの部分画像相当データに基づいて低画質切出画像相当データを生成して出力回路94Dに出力し、その後、画像データ生成処理はステップ468へ移行する。
なお、単一フレームの部分画像相当データとは、例えば、メモリ96内に最も過去に記憶された部分画像相当データを指すが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、単一フレームの部分画像相当データは、メモリ96内に複数フレームの部分画像相当データが記憶されている場合、どの部分画像相当データであってもよい。
また、低画質切出画像相当データとは、上記第1実施形態で説明した低画質切出画像データに相当する画像データを指す。
ステップ462で、画像処理回路94Cは、メモリ96に複数フレームの撮像画像データが記憶されているか否かを判定する。なお、本ステップ462では、複数フレームの一例として、3フレームが採用されている。ステップ462において、メモリ96に複数フレームの撮像画像データが記憶されていない場合は、判定が否定されて、画像データ生成処理はステップ464へ移行する。ステップ462において、メモリ96に複数フレームの撮像画像データが記憶されている場合は、判定が肯定されて、画像データ生成処理はステップ466へ移行する。
ステップ464で、画像処理回路94Cは、ステップ454の処理に相当する処理を実行し、その後、画像データ生成処理はステップ462へ移行する。
ステップ466で、画像処理回路94Cは、メモリ96から複数フレームの部分画像相当データを取得する。そして、画像処理回路94Cは、取得した複数フレームの部分画像相当データに基づいて高画質切出画像相当データを生成して出力回路94Dに出力し、その後、画像データ生成処理はステップ468へ移行する。
なお、高画質切出画像相当データとは、上記第1実施形態で説明した高画質切出画像データに相当する画像データを指す。また、ここでは、高画質切出画像相当データとして、図10に示す例と同様に、3フレーム分の部分画像相当データを合成して得た合成データをそのまま採用しているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、高画質切出画像相当データは、3フレーム分の部分画像データを合成して得た合成データに対して各種画像処理を施して得た画像データであってもよい。
また、上記ステップ460の処理が実行されることで生成される低画質切出画像データ、及び上記ステップ466の処理が実行されることで生成される高画質切出画像データは、本開示の技術に係る「部分画像相当データに基づく画像データ」の一例である。
ステップ468で、画像処理回路94Cは、上記第1実施形態で説明した画像データ生成処理終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ468において、画像データ生成処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、画像データ生成処理はステップ450へ移行する。ステップ468において、画像データ生成処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、画像処理回路94Cは画像データ生成処理を終了する。
なお、以下では、説明の便宜上、低画質切出画像相当データと高画質切出画像相当データとを区別して説明する必要がない場合は、「切出画像相当データ」と称する。
次に、処理回路94の出力回路94Dによって実行される本第4実施形態に係る画像データ出力処理について図8を参照して説明する。なお、図8に示す本第4実施形態に係る画像データ出力処理は、出力回路94Dによって第2フレームレートで行われる。
図8に示す本第4実施形態に係る画像データ出力処理では、先ず、ステップ490で、出力回路94Dは、画像処理回路94Cから切出画像相当データが入力されたか否かを判定する。ステップ490において、画像処理回路94Cから切出画像相当データが入力されていない場合は、判定が否定されて、ステップ494へ移行する。ステップ490において、画像処理回路94Cから切出画像相当データが入力された場合は、判定が肯定されて、ステップ492へ移行する。
ステップ492で、出力回路94Dは、切出画像相当データを後段回路90のI/F56に出力し、その後、ステップ494へ移行する。I/F56は、出力回路94Dから入力された切出画像相当データを、例えば、バス68を介してCPU52及び画像処理部62に出力する。
ステップ494で、出力回路94Dは、画像データ出力処理終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ494において、画像データ出力処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、画像データ出力処理はステップ490へ移行する。ステップ494において、画像データ出力処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、出力回路94Dは画像データ出力処理を終了する。
次に、後段回路90の表示制御部によって実行される本第4実施形態に係る表示制御処理について図9を参照して説明する。なお、ここでは、説明の便宜上、図8に示す画像データ出力処理が実行されることで出力回路94Dから切出画像相当データが後段回路90に出力され、切出画像相当データがCPU52及び画像処理部62に入力されたことを前提として説明する。また、高画質切出画像相当データにより示される画像と低画質切出画像相当データにより示される画像とを区別して説明する必要がない場合、「切出相当画像」と称する。
図9に示す表示制御処理では、ステップ500で、表示制御部は、画像処理部62から切出画像相当データが入力されたか否かを判定する。ステップ500において、画像処理部62から切出画像相当データが入力されていない場合は、判定が否定されて、表示制御処理はステップ504へ移行する。ステップ500において、画像処理部62から切出画像相当データが入力された場合は、判定が肯定されて、表示制御処理はステップ502へ移行する。
ステップ502で、表示制御部は、切出画像相当データをグラフィックデータとして表示装置に出力し、その後、表示制御処理はステップ504へ移行する。本ステップ502の処理が実行されることで切出画像相当データが表示装置に出力されると、表示装置は、切出画像相当データにより示される切出相当画像を表示する。
切出画像は、高画質切出相当画像及び低画質切出相当画像の何れかである。高画質切出相当画像は、図10に示す例と同様に、3フレーム分の撮像画像データを合成して得た合成データに基づく画像に相当する画像である。これに対し、低画質切出相当画像は、1フレーム分の撮像画像データに基づく間引き画像である。よって、表示装置に表示される画像の画質は、低画質切出相当画像よりも高画質切出相当画像の方が高い。
ステップ504で、表示制御部は、表示制御処理終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ504において、表示制御処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、表示制御処理はステップ500へ移行する。ステップ504において、表示制御処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、表示制御部は表示制御処理を終了する。
このように、一例として、図29に示す撮像制御処理、図30に示す画像データ生成処理、図8に示す画像データ出力処理、及び図9に示す表示制御処理が実行されることで、表示制御部の制御下で、表示装置によりライブビュー画像が表示される。この場合の「ライブビュー画像」とは、切出画像相当データに基づくライブビュー形式の画像を指す。なお、本第4実施形態に係る撮像装置10では、ライブビュー画像が第2フレームレートで表示される。
以上説明したように本第4実施形態に係る撮像装置10では、処理回路94は、光電変換素子92に対して、撮像箇所指定アドレスに従って指定された撮像箇所で撮像を行わせることで部分画像相当データを生成し、メモリ96に記憶する。処理回路94は、メモリ96から部分画像相当データを取得する。そして、出力回路94Dは、切出画像相当データが後段回路90に出力する。
従って、本第4実施形態に係る撮像装置10は、常に光電変換素子92の全領域を使用して被写体が撮像される場合に比べ、消費電力を低減することができる。
なお、上記各実施形態では、圧縮画像データがライブビュー画像の表示に供される場合について説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、圧縮画像データは、後段回路90において、CPU52により、二次記憶部60に記憶されるようにしてもよいし、外部I/F63を介して撮像装置10の外部に出力されるようにしてもよい。
上記各実施形態では、ASICが実現される処理回路94を例示したが、上述した画像データ生成処理、画像データ出力処理、及び撮像制御処理は、コンピュータによるソフトウェア構成により実現されるようにしてもよい。
この場合、例えば、図31に示すように、上述した画像データ生成処理、画像データ出力処理、及び撮像制御処理を撮像素子20に内蔵されたコンピュータ20Aに実行させるためのプログラム600を記憶媒体700に記憶させておく。コンピュータ20Aは、CPU20A1、ROM20A2、及びRAM20A3を備えている。そして、記憶媒体700のプログラム600がコンピュータ20Aにインストールされ、コンピュータ20AのCPU20A1は、プログラム600に従って、上述した画像データ生成処理、画像データ出力処理、及び撮像制御処理を実行する。ここでは、CPU20A1として、単数のCPUを例示しているが、本開示の技術はこれに限定されず、CPU20A1に代えて複数のCPUを採用してもよい。つまり、1つのプロセッサ、又は、物理的に離れている複数のプロセッサによって、上述した画像データ生成処理、画像データ出力処理、及び/又は撮像制御処理が実行されるようにしてもよい。
なお、記憶媒体700の一例としては、SSD(Solid State Drive)又はUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの任意の可搬型の記憶媒体が挙げられる。
また、通信網(図示省略)を介してコンピュータ20Aに接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等の記憶部にプログラム600を記憶させておき、プログラム600が撮像装置10等の要求に応じてダウンロードされるようにしてもよい。この場合、ダウンロードされたプログラム600がコンピュータ20Aによって実行される。
また、コンピュータ20Aは、撮像素子20の外部に設けられるようにしてもよい。この場合、コンピュータ20Aがプログラム600に従って処理回路94を制御するようにすればよい。
上記各実施形態で説明した各種処理を実行するハードウェア資源としては、次に示す各種のプロセッサを用いることができる。ここで、上記各実施形態で説明した各種処理とは、画像データ生成処理、画像データ出力処理、表示制御処理、単一領域切出処理、複数領域切出処理、出力用画像データ処理、及び撮像制御処理が挙げられる。プロセッサとしては、例えば、上述したように、ソフトウェア、すなわち、プログラムを実行することで、本開示の技術に係る各種処理を実行するハードウェア資源として機能する汎用的なプロセッサであるCPUが挙げられる。また、プロセッサとしては、例えば、FPGA、PLD、又はASICなどの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路が挙げられる。何れのプロセッサにもメモリが内蔵又は接続されており、何れのプロセッサもメモリを使用することで各種処理を実行する。
本開示の技術に係る各種処理を実行するハードウェア資源は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、又はCPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、本開示の技術に係る各種処理を実行するハードウェア資源は1つのプロセッサであってもよい。
1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが、本開示の技術に係る各種処理を実行するハードウェア資源として機能する形態がある。第2に、SoC(System−on−a−chip)などに代表されるように、本開示の技術に係る各種処理を実行する複数のハードウェア資源を含むシステム全体の機能を1つのICチップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、本開示の技術に係る各種処理は、ハードウェア資源として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて実現される。
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路を用いることができる。
また、上記各実施形態では、撮像装置10としてレンズ交換式カメラを例示したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、図32に示すスマートデバイス900に対して本開示の技術を適用するようにしてもよい。一例として図32に示すスマートデバイス900は、本開示の技術に係る撮像装置の一例である。スマートデバイス900には、上記実施形態で説明した撮像素子20が搭載されている。このように構成されたスマートデバイス900であっても、上記各実施形態で説明した撮像装置10と同様の作用及び効果が得られる。なお、スマートデバイス900に限らず、パーソナル・コンピュータ又はウェアラブル端末装置に対しても本開示の技術は適用可能である。
また、上記各実施形態では、表示装置として第1ディスプレイ40及び第2ディスプレイ80を例示したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、撮像装置本体12に対して後付けされた別体のディスプレイを、本開示の技術に係る「表示部」として用いるようにしてもよい。
また、上記実施形態で説明した画像データ生成処理、画像データ出力処理、表示制御処理、出力用画像データ処理、及び撮像制御処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
以上に示した記載内容及び図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、及び効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、及び効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容及び図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことは言うまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容及び図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
本明細書において、「A及び/又はB」は、「A及びBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「A及び/又はB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、A及びBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「及び/又は」で結び付けて表現する場合も、「A及び/又はB」と同様の考え方が適用される。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。