JP6896114B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
最適化パルスパターン制御は、電流高調波成分の低減やスイッチング回数の抑制が可能であるが、速度指令の急変、外乱負荷の急増などの過渡状態での応答性が劣化するものである。
また、特許文献2には、回転電機の速度領域に基づいて最適化パルスパターン制御とパルス幅変調方式を切り換える制御が記載される。
また、特許文献2に記載の制御では、回転電機の速度領域により判断してパルスパターンを生成するため、応答性が低下するという問題点があった。
また、この発明に係る第2の電力変換装置は、複数のスイッチング素子を有して回転電機に交流電力を供給する電力変換器と、上記複数のスイッチング素子をスイッチング制御して上記電力変換器を出力制御する制御装置とを備える。上記制御装置は、上記回転電機の速度指令に基づいて、上記電力変換器の電圧指令を演算する電圧指令演算部と、上記電圧指令に基づいて、予め設定された複数のスイッチングパターンから1つを抽出して第1スイッチングパターンとする第1スイッチングパターン生成部と、上記速度指令に基づいて、制御量指令を演算する制御量指令演算部と、上記回転電機の制御状態を示す制御量を取得し、該制御量が上記制御量指令を含む指令幅に入るように第2スイッチングパターンを生成する第2スイッチングパターン生成部と、上記第1、第2スイッチングパターンによる各スイッチング状態から1つのスイッチング状態を選択して、上記複数のスイッチング素子へのスイッチング指令を生成する選択部とを備え、上記選択部は、上記第2スイッチングパターン生成部を含んで構成され、上記第1スイッチングパターンによるスイッチング状態を基準として、スイッチング状態の差分が小さい順に仮スイッチング状態を生成して、該仮スイッチング状態による推定制御量を取得し、上記推定制御量が上記指令幅に入ると、当該仮スイッチング状態を上記1つのスイッチング状態として選択して、上記複数のスイッチング素子へのスイッチング指令を生成する。
以下、この発明の実施の形態1による電力変換装置を図に基づいて以下に説明する。
図1は、この発明の実施の形態1による電力変換装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、電力変換装置1は、直流電源2と回転電機3との間に接続され、直流電源2からの直流電力を交流電力に変換して回転電機3に供給して回転電機3を制御する。回転電機3は、供給された交流電力を動力に変換する。
なお、ここで使用される回転電機3は、電動機として説明するが、他の種類の回転電機を用いてもよい。また、回転電機3には回転速度Wreを検出する速度検出部4が設けられる。
電流検出部12は電力変換器10の出力電流Iuvwを検出し、電圧指令演算部13は電力変換器10の電圧指令Vrefを演算する。第1スイッチングパターン生成部14は電圧指令Vrefに基づいて第1スイッチングパターンを生成する。制御量指令演算部15は、速度指令Wrefに基づいて制御量指令を演算する。第2スイッチングパターン生成部16は、制御量指令演算部15からの制御量指令に基づいて第2スイッチングパターンを生成する。そして選択部17は、第1、第2スイッチングパターンによる第1、第2スイッチング状態Suvw1、Suvw2から1つのスイッチング状態Suvwを選択して、電力変換器10へのスイッチング指令を生成する。
図2に示すように、電力変換器10は、それぞれダイオードが逆並列接続された複数の半導体スイッチング素子SW(Su0、Su1、Sv0、Sv1、Sw0、Sw1)を備えて構成され、直流電源2の直流電力を三相交流電力に変換して、負荷である電動機などの回転電機3を駆動する。
制御装置11は、例えばCT(current transformer)検出器から成る電流検出部12と、プロセッサ50と、記憶装置51とを備えて構成される。
このようにプロセッサ50および記憶装置51の動作により、図1で示す電圧指令演算部13、第1スイッチングパターン生成部14、制御量指令演算部15、第2スイッチングパターン生成部16および選択部17での機能を実現する。
電力変換器10は、選択部17で選択されたスイッチング状態Suvwに基づくスイッチング指令により、各相の半導体スイッチング素子SWがスイッチング制御され、回転電機3に交流電力を供給する。
電流検出部12は、電力変換器10と回転電機3の間の三相交流電流である電力変換器10の出力電流Iuvwを検出し、この検出電流(出力電流Iuvw)を第2スイッチングパターン生成部16に入力する。
電流検出部12には、CT検出器以外に、シャント抵抗等、いずれの電流検出器を用いてもよい。また、電流検出部12は、二相分の電流を検出し、残りの一相分を算出して取得しても良く、さらにまた、1つの検出器にて三相交流電流を復元する1シャント電流検出方式を用いてもよい。
また、制御装置11には、速度指令Wrefが与えられ、この速度指令Wrefは、電圧指令演算部13と制御量指令演算部15と選択部17とに入力される。
第1スイッチングパターン生成部14は、電圧指令Vrefの振幅成分に対応して予め設定された複数のスイッチングパターンを格納したテーブル14Tを有する。このスイッチングパターンは、出力電圧高調波を低減するためのスイッチング位相のパターン、即ち、半導体スイッチング素子SWをオン/オフ駆動する位相の組合せであり、電圧指令Vrefの振幅成分に対応して予め演算されて設定される。この場合、出力電圧高調波が最小となるスイッチング位相のパターンが設定される。そして、電圧指令Vrefの振幅成分とそれに対応するスイッチングパターンとがテーブル14Tに保持される。
ここで、A〜Eは電圧指令の振幅成分の領域を示す。例えば、振幅成分がC領域にあるとき、スイッチング位相はθ1c、θ2c、θ3cとなる。
例えば、3個のスイッチング位相を有する第1スイッチングパターン(θ1、θ2、θ3)が決定されると、交流電圧の1周期2πに対して、図4に示すスイッチングパルスのパターン14uが生成される。この場合、U相のパターン14uのみ図示しているが、2π/3ずつずれた位相で各相(U相、V相、W相)のパターンが生成される。なお、パターン14uにおいて、縦軸はU相電圧レベルを示し、1のとき上アームの半導体スイッチング素子Su0がオンし、0のとき下アームの半導体スイッチング素子Su1がオンすることを示す。
電力変換器10のスイッチング状態は、V0(000)〜V7(111)の8通りである。例えばV1(100)は、U相では上アームの半導体スイッチング素子Su0がオン、V相、W相では下アームの半導体スイッチング素子Sv0、Sw0がオン、である状態を示す。
図5に示す例では、まずスイッチング状態V1が選択されている。スイッチング状態V1を続けると、磁束Ψeが指令幅の上限(Ψref+ΔΨref)を超えるタイミングt1がある。そして、第2スイッチングパターン生成部16は、次に出力すべきスイッチング状態であるV2を生成して、タイミングt1で第2スイッチングパターン(第2スイッチング状態Suvw2)としてV2を出力する。
このように、第2スイッチングパターン生成部16は、モデル予測を用いてトルクTeと磁束Ψeとを直接制御するもので、回転電機3と電力変換器10との状態に応じてスイッチング状態を更新する周期が短くなり、より高い制御応答性が得られる。さらに、次のスイッチング周期の制御対象の推定値をモデル予測するため、スイッチング状態を選択する際の精度が向上する。
なお、指令幅を生成するための各制限幅ΔTref、ΔΨrefは、電流高調波成分とスイッチング周波数の所望値とから設定され、トルク指令Tref、磁束指令Ψrefに対する例えば5%等で設定される。あるいは、制御量指令(トルク指令Tref、磁束指令Ψref)に依存せずにそれぞれ一定値としても良い。
図6では、トルク指令Trefが急変した場合を示す。図6に示すように、スイッチング状態V7が選択されている間のタイミングt3においてトルク指令Trefが急変する。これによりトルクTeが指令幅から外れるため、指令幅内に戻すように第2スイッチング状態Suvw2(V2)が生成されて出力される。
またこの場合、次に出力すべきスイッチング状態を生成して、トルクTeまたは磁束Ψeが指令幅を超えるタイミングで、生成されたスイッチング状態(第2スイッチング状態Suvw2)を出力して、トルクTeおよび磁束Ψeを指令幅内に保つようにするため、高速高精度で信頼性の高い制御となる。
図7に示すように、選択部17は、減算器21と、abs部22と、速度コンパレータ23と、スイッチング状態選択部24とを備える。
速度指令Wrefと回転速度Wreとの速度誤差ΔWreが減算器21にて演算され、abs部22に入力される。abs部22では、速度誤差ΔWreの絶対値|ΔWre|が演算され、絶対値|ΔWre|は速度コンパレータ23に入力される。速度コンパレータ23は、速度誤差の絶対値|ΔWre|と、設定された基準(設定差分量)とに基づいて、0、1いずれかの出力Wを生成して、スイッチング状態選択部24に出力する。|ΔWre|が小さい領域ではW=0が出力され、|ΔWre|が大きくなるとW=1が出力される。
スイッチング状態選択部24には、第1スイッチング状態Suvw1と第2スイッチング状態Suvw2と、速度コンパレータ23の出力Wとが入力され、W=0のときは第1スイッチング状態Suvw1を、W=1のときは第2スイッチング状態Suvw2を選択し、スイッチング状態Suvwとして出力する。
そして、回転速度Wreが速度指令Wrefから離れた過渡状態運転時には、第2スイッチング状態Suvw2が選択され、即ち、回転速度Wreが速度指令Wrefに追従するように高い制御応答性を有する回転電機3の制御が可能となる。
このように、定常状態運転時と過渡状態運転時のそれぞれに最適なスイッチング状態を用いることができ、損失低減および高調波成分の抑制が可能で、かつ安定して高い制御応答性を得ることができる。
定常状態運転時において第1スイッチング状態Suvw1が選択されると、スイッチング回数を抑制でき、電流高調波成分も小さいものとなる。このため、電力変換装置1の損失低減化、半導体スイッチング素子SWの長寿命化、さらに低騒音化が図れる。そして、過渡状態運転時に第2スイッチング状態Suvw2が選択されると、高い制御応答性が得られる。このため、損失低減および高調波成分の抑制が可能で、かつ安定して高い制御応答性を得ることができる。
また選択部17は、速度誤差ΔWreの絶対値が設定差分量より大きいときに第2スイッチング状態Suvw2を選択するため、定常状態運転時において第1スイッチング状態Suvw1が、過渡状態運転時のみに第2スイッチング状態Suvw2が、それぞれ確実に選択され、損失低減および高調波成分の抑制、かつ安定して高い制御応答性を得ることの双方の効果が確実に得られる。
この場合も、トルク指令Tref、磁束指令Ψrefの生成のために回転速度Wreがフィードバックされているため、回転速度Wreおよび出力電流Iuvwがフィードバックされて第2スイッチング状態Suvw2が生成され、上記実施の形態1と同様に、高い制御応答性が得られる。
次に、この発明の実施の形態2による電力変換装置について説明する。
図9は、この発明の実施の形態2による電力変換装置1Aの構成を示すブロック図である。
図9に示すように、電力変換装置1Aは、主回路である電力変換器10と、電力変換器10を出力制御する制御装置11Aとを備える。制御装置11Aは、電流検出部12と、電圧指令演算部13aと、電流指令演算部18と、第1スイッチングパターン生成部14と、制御量指令演算部15と、第2スイッチングパターン生成部16と、選択部17aとを備える。
その他の構成は、上記実施の形態1と同様であり、実施の形態1と同一あるいは相当部分は、同一の符号を付している。
なお、第2スイッチングパターン生成部16は、図8で説明したものを用いたが、図1で説明したものでも良い。
電流指令演算部18には、速度指令Wrefと速度検出部4で検出された回転速度Wreとが入力される。そして、電流指令演算部18は、回転速度Wreが速度指令Wrefに追従するように電流指令Irefを生成する。
電圧指令演算部13aは、電流指令演算部18からの電流指令Irefと、電流検出部12で検出した出力電流Iuvwとが入力され、出力電流Iuvwが電流指令Irefに追従するように電圧指令Vrefを生成する。
電圧指令Vrefは、電力変換器10で出力したい交流電圧の振幅成分と周波数成分をもち、第1スイッチングパターン生成部14に入力される。
図10は、この実施の形態による第1スイッチングパターンの生成を説明する図である。図10は、電流指令Iref(Iref、Iref1)の更新を基本波周期Tで実施し、電圧指令Vref(Vrefa、Vrefb、Vrefc、Vrefd、Vref1)の更新を1/4周期で実施する例を示している。
図10に示すように、第1スイッチングパターン生成部14は、各電圧指令Vref(Vrefa、Vrefb、Vrefc、Vrefd)に応じて基本波周期Tの1/4周期のスイッチング位相(θ1a〜θ3a、θ1b〜θ3b、θ1c〜θ3c、θ1d〜θ3d)を決定して第1スイッチングパターンを生成する。このように、交流電圧の1周期2πに対して、例えばU相のスイッチングパルスのパターン14uが生成される。そして、上記実施の形態1と同様に第1スイッチング状態Suvw1が生成される。
図11に示すように、選択部17aは、減算器31、31a、31bと、座標変換を行うuvw/dq部35a、35bと、abs部32、32a、32bと、加算器36と、乗算器37と、評価値コンパレータ33と、スイッチング状態選択部34とを備える。
速度指令Wrefと回転速度Wreとの速度誤差ΔWreが減算器31にて演算され、abs部32に入力される。abs部32では、速度誤差ΔWreの絶対値|ΔWre|が演算される。
そして、|ΔId|と|ΔIq|との合計である電流誤差の絶対値|ΔI|が加算器36にて算出され、乗算器37にて、速度誤差絶対値|ΔWre|と電流誤差絶対値|ΔI|が乗算された評価値Cが出力される。
スイッチング状態選択部34には、第1スイッチング状態Suvw1と第2スイッチング状態Suvw2と、評価値コンパレータ33の出力Ccとが入力され、Cc=0のときは第1スイッチング状態Suvw1を、Cc=1のときは第2スイッチング状態Suvw2を選択し、スイッチング状態Suvwとして出力する。
さらに、スイッチング状態Suvwを選択する選択部17aは、選択の基準として、速度誤差ΔWreに加えて電流誤差ΔIを用いるため、より正確に第1スイッチング状態Suvw1と第2スイッチング状態Suvw2との切換え判断を実施することができ、スイッチング状態Suvwの切換え精度が向上できる。これにより、電力変換装置1の損失低減化、半導体スイッチング素子SWの長寿命化、さらに低騒音化に優れる第1スイッチングパターンをより多くの状況で出力することが可能となる。
また、制御装置11Aが電流指令演算部18を備えているため、選択部17aが用いる電流指令Irefは容易に取得できる。
次に、この発明の実施の形態3による電力変換装置について説明する。
図12は、この発明の実施の形態3による電力変換装置1Bの構成を示すブロック図である。
図12に示すように、電力変換装置1Bは、主回路である電力変換器10と、電力変換器10を出力制御する制御装置11Bとを備える。制御装置11Bは、電流検出部12と、電圧指令演算部13と、第1スイッチングパターン生成部14と、制御量指令演算部15と、選択部19とを備える。
その他の構成は、上記実施の形態1と同様であり、実施の形態1と同一あるいは相当部分は、同一の符号を付している。
選択部19には、第1スイッチングパターン生成部14で生成した第1スイッチングパターンによる第1スイッチング状態Suvw1と、制御量指令演算部15からのトルク指令Trefおよび磁束指令Ψrefとが入力され、さらに、検出された出力電流Iuvwと、選択部19で選択された現在のスイッチング状態Suvwと、回転速度Wreとが入力される。
選択部19は、トルク指令Tref、磁束指令Ψrefに基づく指令幅内に、トルクTeと磁束Ψeとが収まるようにスイッチング状態Suvwを選択する。この選択は、第1スイッチング状態Suvw1を初めとして、第1スイッチング状態Suvw1を基準にしたスイッチング状態を、第1スイッチング状態Suvw1との差分が小さいものから順次生成して、各スイッチング状態によるトルクTeおよび磁束Ψeを予測して行う。
まず、選択部19は、第1スイッチングパターン生成部14で生成した第1スイッチングパターンによる第1スイッチング状態Suvw1を出力した場合のトルク予測値Tpre、磁束予測値Ψpreを算出する。このように、選択部19は、スイッチング状態を出力したと仮定してトルク予測値Tpre、磁束予測値Ψpreを算出する際、選択部19が、仮スイッチング状態を仮選択すると称す。このステップでは、第1スイッチング状態Suvw1との差分が0である仮スイッチング状態が仮選択される(ステップST1)。
次に、選択部19は、算出されたトルク予測値Tpreとトルク指令Trefとのトルク誤差ΔT、および、算出された磁束予測値Ψpreと磁束指令Ψrefとの磁束誤差ΔΨが、それぞれ設定値(ΔTref、ΔΨref)内に収まるか判定し(ステップST2)、設定値内に収まる場合は、仮選択された仮スイッチング状態である第1スイッチング状態Suvw1をスイッチング状態Suvwとして選択される。
次に、選択部19は、3組のトルク予測値Tpre、磁束予測値Ψpreについて、トルク予測値Tpreとトルク指令Trefとのトルク誤差ΔT、および、磁束予測値Ψpreと磁束指令Ψrefとの磁束誤差ΔΨが、それぞれ設定値(ΔTref、ΔΨref)内に収まるか判定する(ステップST4)。
次に、選択部19は、ステップST4と同様に、3組のトルク予測値Tpre、磁束予測値Ψpreについて、トルク予測値Tpreとトルク指令Trefとのトルク誤差ΔT、および、磁束予測値Ψpreと磁束指令Ψrefとの磁束誤差ΔΨが、それぞれ設定値(ΔTref、ΔΨref)内に収まるか判定する(ステップST7)。
次に、選択部19は、トルク予測値Tpreとトルク指令Trefとのトルク誤差ΔT、および、磁束予測値Ψpreと磁束指令Ψrefとの磁束誤差ΔΨを算出し、それまで仮選択された全ての仮スイッチング状態(Suvw1、Suvw2a〜Suvw2g)におけるトルク誤差ΔT、磁束誤差ΔΨが最小となる仮スイッチング状態をスイッチング状態Suvwとして選択して出力する(ステップST10)。
そして、過渡状態運転時にスイッチング状態を切り換える際に、第1スイッチング状態Suvw1と差分の小さいスイッチング状態を優先的に選択される。このため、高い制御応答性が得られるだけでなく、過渡状態運転時にもスイッチング回数を抑制できる。
Claims (12)
- 複数のスイッチング素子を有して回転電機に交流電力を供給する電力変換器と、上記複数のスイッチング素子をスイッチング制御して上記電力変換器を出力制御する制御装置とを備える電力変換装置において、
上記制御装置は、
上記回転電機の速度指令に基づいて、上記電力変換器の電圧指令を演算する電圧指令演算部と、
上記電圧指令に基づいて、予め設定された複数のスイッチングパターンから1つを抽出して第1スイッチングパターンとする第1スイッチングパターン生成部と、
上記速度指令に基づいて、制御量指令を演算する制御量指令演算部と、
上記回転電機の制御状態を示す制御量を取得し、該制御量が上記制御量指令を含む指令幅に入るように第2スイッチングパターンを生成する第2スイッチングパターン生成部と、
上記第1、第2スイッチングパターンによる各スイッチング状態から1つのスイッチング状態を選択して、上記複数のスイッチング素子へのスイッチング指令を生成する選択部とを備え、
上記選択部は、上記速度指令および上記制御量指令演算部が演算する上記制御量指令を含む上記回転電機の制御状態の指令の内、少なくとも1つの指令と、該指令に対応する制御状態情報との差分情報に基づいて、上記1つのスイッチング状態を選択して上記スイッチング指令を生成する、
電力変換装置。 - 上記選択部は、上記差分情報が設定差分量より大きいとき、上記第2スイッチングパターンによるスイッチング状態を選択して上記スイッチング指令を生成する、
請求項1に記載の電力変換装置。 - 上記選択部は、上記第1スイッチングパターンによるスイッチング状態と第2スイッチングパターンによるスイッチング状態との誤差に基づいて、上記設定差分量を変更する、
請求項2に記載の電力変換装置。 - 上記複数のスイッチングパターンは、上記電力変換器の出力電圧歪みを低減するように設定されて、上記第1スイッチングパターン生成部が有するテーブルに保持される、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電力変換装置。 - 上記電圧指令演算部は、
上記速度指令に基づいて電流指令を算出し、上記電力変換器の出力電流を取得して該出力電流が上記電流指令に追従するように上記電圧指令を演算する、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。 - 上記制御量指令演算部は、上記回転電機の回転速度を取得して該回転速度が上記速度指令に追従するように上記制御量指令を演算し、
上記第2スイッチングパターン生成部は、現在のスイッチング指令と、上記制御量指令と、取得された上記制御量とに基づき、該制御量が上記制御量指令を含む指令幅に入るように第2スイッチングパターンを生成する、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電力変換装置。 - 上記制御量は上記回転電機のトルクおよび磁束であり、上記制御量指令はトルク指令および磁束指令である、
請求項6に記載の電力変換装置。 - 上記制御量は上記電力変換器の出力電流であり、上記制御量指令は電流指令である、
請求項6に記載の電力変換装置。 - 上記選択部は、上記回転電機の上記速度指令、上記回転電機のトルク指令、上記回転電機の磁束指令、および上記電力変換器の出力電流に対する電流指令の内、少なくとも1つを上記指令として用いる、
請求項1に記載の電力変換装置。 - 複数のスイッチング素子を有して回転電機に交流電力を供給する電力変換器と、上記複数のスイッチング素子をスイッチング制御して上記電力変換器を出力制御する制御装置とを備える電力変換装置において、
上記制御装置は、
上記回転電機の速度指令に基づいて、上記電力変換器の電圧指令を演算する電圧指令演算部と、
上記電圧指令に基づいて、予め設定された複数のスイッチングパターンから1つを抽出して第1スイッチングパターンとする第1スイッチングパターン生成部と、
上記速度指令に基づいて、制御量指令を演算する制御量指令演算部と、
上記回転電機の制御状態を示す制御量を取得し、該制御量が上記制御量指令を含む指令幅に入るように第2スイッチングパターンを生成する第2スイッチングパターン生成部と、
上記第1、第2スイッチングパターンによる各スイッチング状態から1つのスイッチング状態を選択して、上記複数のスイッチング素子へのスイッチング指令を生成する選択部とを備え、
上記選択部は、上記第2スイッチングパターン生成部を含んで構成され、
上記第1スイッチングパターンによるスイッチング状態を基準として、スイッチング状態の差分が小さい順に仮スイッチング状態を生成して、該仮スイッチング状態による推定制御量を取得し、上記推定制御量が上記指令幅に入ると、当該仮スイッチング状態を上記1つのスイッチング状態として選択して、上記複数のスイッチング素子へのスイッチング指令を生成する、
電力変換装置。 - 複数のスイッチング素子を有して回転電機に交流電力を供給する電力変換器と、上記複数のスイッチング素子をスイッチング制御して上記電力変換器を出力制御する制御装置とを備える電力変換装置において、
上記制御装置は、
上記回転電機の速度指令に基づいて、上記電力変換器の電圧指令を演算する電圧指令演算部と、
上記電圧指令に基づいて、予め設定された複数のスイッチングパターンから1つを抽出して第1スイッチングパターンとする第1スイッチングパターン生成部と、
上記速度指令に基づいて、制御量指令を演算する制御量指令演算部と、
上記第1スイッチングパターンによるスイッチング状態を基準として、スイッチング状態の差分が小さい順に仮スイッチング状態を生成して、該仮スイッチング状態による推定制御量を取得し、上記推定制御量が上記制御量指令を含む指令幅に入ると、当該仮スイッチング状態である1つのスイッチング状態を選択して、上記複数のスイッチング素子へのスイッチング指令を生成する選択部とを備える、
電力変換装置。 - 上記選択部は、全ての仮スイッチング状態による推定制御量を取得し、取得された全ての推定制御量が上記制御量指令を含む上記指令幅に入らない場合において、該推定制御量と上記制御量指令との差分が最小となる仮スイッチング状態を、上記1つのスイッチング状態として選択する、
請求項11に記載の電力変換装置。
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