JPH0833399A - 直接トルク制御インバータの方形波インバータ化方式 - Google Patents

直接トルク制御インバータの方形波インバータ化方式

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JPH0833399A
JPH0833399A JP16176694A JP16176694A JPH0833399A JP H0833399 A JPH0833399 A JP H0833399A JP 16176694 A JP16176694 A JP 16176694A JP 16176694 A JP16176694 A JP 16176694A JP H0833399 A JPH0833399 A JP H0833399A
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switching
primary
inverter
torque
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Hideki Kimura
秀樹 木村
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Sawafuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1次鎖交磁束のベクトル軌跡を六角形にし
て、制御トルク量を増大させる。 【構成】 直接トルク制御インバータの方形波インバー
タ化方式において、三相誘導電動機2の1次鎖交磁束ベ
クトル及び瞬時トルクを演算する演算回路6と、1次鎖
交磁束の最大値φmax及び最小値φmin、磁束偏角
の領域、トルクの正転,停止の種類を要素とし、インバ
ータ部3のスイッチング電圧パターンが予めデータとし
て記憶されているスイッチングテーブル8と、上記1次
鎖交磁束ベクトル及び瞬時トルクと目標値の1次鎖交磁
束指令及びトルク指令とを基に上記スイッチングテーブ
ル8をアクセスするに当り、1次鎖交磁束の軌跡が六角
形となるように予め定められた1次鎖交磁束の最大値φ
maxと最小値φminとの幅を確保した構成にして上
記インバータ部3のスイッチング電圧パターンを選択す
るスイッチングパターン選択回路7とを備えて構成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直接トルク制御インバ
ータの方形波インバータ化方式、特に直接トルク制御方
式の三相誘導電動機を用いてエンジンと三相誘導電動機
との間でエネルギーの授受を行ない、その回転制御を行
うようにしたエンジン・誘導電動機のハイブリッド装置
において、1次鎖交磁束のベクトル軌跡が六角形となり
えるようにして、制御トルク量、特に力行トルクを増大
させることができるようにした直接トルク制御インバー
タの方形波インバータ化方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の直接トルク制御インバータは、1
次鎖交磁束演算値と指令値とを比較するヒステリシス比
較器の出力により、図19に示されている如く、三相誘
導電動機における1次鎖交磁束ベクトルΦの絶対値|Φ
|が予め定められた1次鎖交磁束の最大値φmaxと最
小値φminとの間に収まるようにスイッチング電圧ベ
クトルを切換え、それと同時に演算トルクTとトルク指
令値T*とを比較をするヒステリシス比較器により、T
>T*なるときは正転ベクトル(V1〜V6)を選び、
T≦T*なるときは零ベクトル(V0,V7)を選ぶよ
うにして、三相誘導電動機における1次鎖交磁束ベクト
ルΦの軌跡を円形に近づけている。
【0003】この様に三相誘導電動機における1次鎖交
磁束ベクトルΦの軌跡を円形に近づけるようにしている
従来の直接トルク制御インバータ方式においては、力行
トルクを増大させる場合、負荷ロータの回転数に対して
最適な1次鎖交磁束指令値Φ*とトルク追従が維持でき
る最大トルク指令値T*との両者の指令値Φ*とT*と
の操作で得るようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、1次鎖
交磁束ベクトルΦの軌跡が円形であるときのトルク追従
制御が行える回転数に対するトルク制御範囲は、図20
の点線で示される範囲内であり、特に直接トルク制御方
式の三相誘導電動機を用いてエンジンと三相誘導電動機
との間でエネルギーの授受を行ない、その回転制御を行
うようにしたエンジン・誘導電動機のハイブリッド装置
においては、高回転域でさらに力行トルクを得ようとし
ても、上記の1次鎖交磁束指令値Φ*とトルク指令値T
*との両者の指令値操作だけではそれ以上の制御トルク
量、例えば力行トルクが得られなかった。
【0005】本発明は、上記の問題点を鑑みなされたも
のであり、従来の1次鎖交磁束ベクトルの軌跡を円形に
近づけることから生じるインバータ部のスイッチング回
数の増大をおさえ、1次鎖交磁束ベクトルの軌跡を六角
形にしてインバータ部のスイッチング回数を減らし、も
って三相誘導電動機に流れる電流の増大をはかるように
し、必要に応じて制御トルク量の増大が得られるように
した直接トルク制御インバータの方形波インバータ化方
式を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決しようとする手段】上記の目的を解決する
ために、本発明の直接トルク制御インバータの方形波イ
ンバータ化方式はエンジンと誘導電動機とが結合された
エンジン・誘導電動機のハイブリッド装置における直接
トルク制御インバータの方形波インバータ化方式におい
て、スイッチング素子の組合わせにより三相誘導電動機
の三相巻線に回転磁束(1次鎖交磁束)を発生させるイ
ンバータ部と、三相誘導電動機の瞬時入力電圧と電流と
からその1次鎖交磁束ベクトル及び瞬時トルクを演算す
る演算回路と、予め定められた1次鎖交磁束の最大値φ
max及び最小値φmin、予め定められた磁束偏角の
領域、トルクの正転,停止の種類を要素とし、インバー
タ部のスイッチング電圧パターンが予めデータとして記
憶されているスイッチングテーブルと、演算回路が出力
する上記1次鎖交磁束ベクトル及び瞬時トルクと目標値
の1次鎖交磁束指令及びトルク指令とを基に上記スイッ
チングテーブルをアクセスするに当り、1次鎖交磁束ベ
クトルの軌跡が六角形となるように予め定められた1次
鎖交磁束の最大値φmaxと最小値φminとの幅を確
保した構成にして、上記インバータ部のスイッチング電
圧パターンを選択するスイッチングパターン選択回路
と、演算回路で演算された1次鎖交磁束の磁束偏角につ
いて、その磁束偏角の領域の切換わり時に、前の磁束偏
角領域のスイッチング電圧パターンのデータを保持させ
るラッチ回路とを備え、1次鎖交磁束ベクトルの軌跡を
六角形にして制御トルク量を増大せしめるようにしたこ
とを特徴としている。
【0007】そして上記前の磁束偏角領域のスイッチン
グ電圧パターンのデータを保持させるラッチ回路は、前
の磁束偏角領域のアドレスを保持してスイッチング電圧
パターンのデータを保持する場合と、前の磁束偏角領域
のアドレスでスイッチングテーブルから読出されたスイ
ッチング電圧パターンのデータを保持する場合とがあ
り、いずれの手段を用いてもよい。
【0008】また1次鎖交磁束ベクトルの軌跡を六角形
にして制御トルク量を増大せしめるに当り、エンジンと
誘導電動機とが結合されたエンジン・誘導電動機のハイ
ブリッド装置における直接トルク制御インバータの方形
波インバータ化方式において、スイッチング素子の組合
わせにより三相誘導電動機の三相巻線に回転磁束(1次
鎖交磁束)を発生させるインバータ部と、三相誘導電動
機の瞬時入力電圧と電流とからその1次鎖交磁束ベクト
ルの大きさとその方向の属する磁束偏角領域及び瞬時ト
ルクを演算すると共に、当該磁束偏角領域の座標を所定
角度変換させた後の当該1次鎖交磁束ベクトルのその方
向の属する新たな磁束偏角領域を演算する演算回路と、
上記座標変換後の予め定められた磁束偏角の領域、トル
クの正転,停止の種類を要素とし、インバータ部のスイ
ッチング電圧パターンが予めデータとして記憶されてい
るスイッチングテーブルと、演算回路が出力する上記1
次鎖交磁束ベクトルの大きさとその方向の属する上記座
標を変換させた後の磁束偏角領域及び瞬時トルクと目標
値の1次鎖交磁束指令及びトルク指令とを基に上記スイ
ッチングテーブルをアクセスし、上記インバータ部のス
イッチング電圧パターンを選択するスイッチングパター
ン選択回路とを備え、上記座標を変換させた後の新たな
磁束偏角領域の切換わり毎に上記インバータ部のスイッ
チング電圧パターンを選択し、1次鎖交磁束ベクトルの
軌跡を六角形にして制御トルク量を増大せしめるように
してもよい。
【0009】さらに直接トルク制御方式の三相誘導電動
機を用いてエンジンと三相誘導電動機との間でエネルギ
ーの授受を行ない、その回転制御を行うようにしたエン
ジン・誘導電動機のハイブリッド装置においては、エン
ジンと誘導電動機とが結合されたエンジン・誘導電動機
のハイブリッド装置における直接トルク制御インバータ
の方形波インバータ化方式において、スイッチング素子
の組合わせにより三相誘導電動機の三相巻線に回転磁束
(1次鎖交磁束)を発生させるインバータ部と、三相誘
導電動機の瞬時入力電圧と電流とから、1次鎖交磁束ベ
クトルの軌跡が円形モード指定のとき、その1次鎖交磁
束ベクトル及び瞬時トルクを演算し、1次鎖交磁束ベク
トルの軌跡が六角形モード指定のとき、当該磁束偏角領
域の座標を所定角度変換させた後の当該1次鎖交磁束ベ
クトルのその方向の属する新たな磁束偏角領域を演算す
る演算回路と、予め定められた1次鎖交磁束の最大値φ
max及び最小値φmin、予め定められた磁束偏角の
領域、トルクの正転,停止の種類を要素とし、インバー
タ部のスイッチング電圧パターンが予めデータとして記
憶されている円形モード用スイッチングテーブルと、上
記座標変換後の予め定められた磁束偏角の領域、トルク
の正転,停止の種類を要素とし、インバータ部のスイッ
チング電圧パターンが予めデータとして記憶されている
六角形モード用スイッチングテーブルとを備えたスイッ
チングテーブルと、演算回路が出力する上記1次鎖交磁
束ベクトル及び瞬時トルクと目標値の1次鎖交磁束指令
及びトルク指令とを基に上記スイッチングテーブルをア
クセスするに当り、円形モードのときには円形モード用
スイッチングテーブルをアクセスし、六角形モードのと
きには六角形モード用スイッチングテーブルをアクセス
するように構成され、上記インバータ部のスイッチング
電圧パターンを選択するスイッチングパターン選択回路
とを備え、1次鎖交磁束ベクトルの軌跡をモード切換え
により円形と六角形とに自由に切換えられるように構成
しておき、必要に応じ1次鎖交磁束ベクトルの軌跡を六
角形に切換え、制御トルク量を増大せしめるようにして
もよい。
【0010】
【作用】1次鎖交磁束ベクトルの軌跡が六角形で回転し
ているときには、インバータ部におけるスイッチング電
圧パターンの設定制御のスイッチング回数が減り、三相
誘導電動機の三相巻線のインダクタンスによる実質上の
インピーダンスが減少してその電流を増大させることが
できるようになり、制御トルク量が増大する。
【0011】なお、1次鎖交磁束ベクトル軌跡を六角形
にすることは、1次鎖交磁束波形が正弦波から方形波に
なることを意味している。
【0012】
【実施例】図1は本発明が用いられているエンジン・誘
導電動機のハイブリッド装置の一実施例全体構成図を示
している。
【0013】同図において、エンジン1は三相誘導電動
機2に直結されており、エンジン1と当該三相誘導電動
機2との間でエネルギーの授受がおこなわれるようにな
っている。三相誘導電動機2はインバータ部3内のスイ
ッチング素子Sa0ないしSc1のスイッチングパター
ンによって制御されるトルク直接制御方式の誘導電動機
である。
【0014】インバータ部3はそのスイッチング素子S
a0ないしSc1のスイッチングパターンによって三相
誘導電動機2に三相交流電圧を供給し、三相誘導電動機
2の三相巻線に回転磁束を発生させるが、その時の三相
誘導電動機2に流れる瞬時電流と瞬時電圧とが電流電圧
センサ4で検出され、その瞬時電流と瞬時電圧とがイン
バータ制御回路5に入力されるようになっている。
【0015】当該インバータ制御回路5は演算回路6、
スイッチングパターン選択回路7及びスイッチングテー
ブル8を備えている。演算回路6は、電流電圧センサ4
で検出された瞬時電流と瞬時電圧とを基に三相誘導電動
機2の1次鎖交磁束ベクトル、即ち1次鎖交磁束ベクト
ルの大きさと当該1次鎖交磁束ベクトルの角度(磁束偏
角)、及び瞬時トルクをそれぞれ演算し求めるようにな
っている。
【0016】スイッチングパターン選択回路7は、演算
回路6で求められた上記1次鎖交磁束ベクトルの大きさ
と当該1次鎖交磁束ベクトルの角度、及び瞬時トルクと
システムコンピュータ9から与えられる三相誘導電動機
2の目標値である1次鎖交磁束指令及びトルク指令とか
ら、この目標値に対して一定の誤差範囲内におさまるよ
うに、スイッチングテーブル8をアクセスし、インバー
タ部3に設定すべきスイッチング電圧パターンを選択す
るようになっている。
【0017】スイッチングテーブル8には予め定められ
た1次鎖交磁束の最大値φmax及び最小値φmin、
予め定められた磁束偏角の領域、トルクの正転,停止の
種類を要素とし、インバータ部3のスイッチング電圧パ
ターンが予めデータとして記憶されている。
【0018】上記システムコンピュータ9には、インバ
ータ制御回路5、特に演算回路6から得られる回転磁界
すなわち周波数の情報、三相誘導電動機2に取付けられ
たタコメータ10からのギア位置情報、エンジン回転情
報、さらにはアクセル,ブレーキが踏まれたときの各情
報、スタータスイッチ,リターダスイッチが投入された
ときの各情報が入力されており、システムコンピュータ
9はその時々のエンジン1の状態に対応した1次鎖交磁
束指令及びトルク指令の各目標値をインバータ制御回路
5に向けて出力する。
【0019】またシステムコンピュータ9には バッテ
リ11の充電状態を監視するバッテリ電圧及び電流の各
情報が入力されており、バッテリ11が過放電や過充電
などの状態に陥らないようにシステムコンピュータ9の
制御を介してその保護がなされるようになっている。
【0020】なお12は制動抵抗制御回路であり、例え
ばブレーキが踏まれたとき、システムコンピュータ9か
らの信号に基づき当該制動抵抗制御回路12はスイッチ
ング素子13をオンオフさせるPWM信号を生成する。
このとき三相誘導電動機2は発電機として運転され、そ
の起電力は電源側へ送り返される。つまりエンジン1側
から見て三相誘導電動機2は重負荷となり、当該起電力
は抵抗器14で消費される回生制動(抵抗制動)とな
る。従って、ブレーキ作用の支援が行われるようにな
る。
【0021】エンジン1の起動に当たっては、システム
コンピュータ9にスタータスイッチ投入の情報が入力さ
れると、エンジン起動のための1次鎖交磁束指令及びト
ルク指令の目標値がシステムコンピュータ9からインバ
ータ制御回路5に出力され、エンジン1の起動状態に応
じてインバータ部3に設定すべきスイッチング電圧パタ
ーンを時々刻々変えながらインバータ部3は回転磁束を
発生させる三相交流電圧を三相誘導電動機2に供給す
る。
【0022】エンジン1が起動され、定速回転状態にな
ると、三相誘導電動機2は誘導発電機つまりオルタネー
タとして運転され、その発電電圧は他の電装部品の電源
となると共にインバータ部3を介してバッテリ11を充
電する。
【0023】またブレーキが踏まれたとき、システムコ
ンピュータ9に当該ブレーキ情報が入力され、システム
コンピュータ9からインバータ制御回路5に三相誘導電
動機2を介してエンジン1を減速するための1次鎖交磁
束指令及びトルク指令の目標値が出力される。この目標
値の1次鎖交磁束指令及びトルク指令と上記説明の演算
回路6で求められる1次鎖交磁束ベクトルの大きさと当
該1次鎖交磁束ベクトルの角度、及び瞬時トルクとから
三相誘導電動機2に上記目標値のトルク指令に一致する
ようなスイッチング電圧パターンが刻々インバータ部3
に選択設定され、これによって三相誘導電動機2がブレ
ーキ作用を行う。
【0024】また逆に、アクセルが踏まれたとき、三相
誘導電動機2のトルクが増大するように運転される。従
ってエンジン1側自身の加速に加え、三相誘導電動機2
側からもエンジン1に対する加速が支援される。
【0025】図2は本発明が用いられているエンジン・
誘導電動機のハイブリッド装置の詳細な一実施例構成を
示している。同図において、符号2,3,6ないし9,
11は図1のものに対応し、4─1は電圧センサ、4─
2は電流センサ、16─1,16─2は三相/二相変換
器、17─1,17─2は乗算器、18─1,18─2
は減算器、19─1,19─2は積分器、20は絶対値
算出器、21─1,21─2は乗算器、22は減算器、
23は磁束偏角算出器、24は磁束比較器、25はトル
ク比較器、26はラッチ回路、32は電流比較器、33
は電流検出部をそれぞれ表している。
【0026】インバータ部3のスイッチSaは図1のス
イッチング素子Sa0とSa1とに対応しており、スイ
ッチSaがその接点0とオンとなっているときは図1の
スイッチング素子Sa0がオン、スイッチSaがその接
点1とオンとなっているときは図1のスイッチング素子
Sa1がオンの状態にそれぞれ対応している。インバー
タ部3の他のスイッチSb,Scについても上記スイッ
チSaと同様に、図1のスイッチング素子Sb0ないし
Sc1のそれぞれの状態に対応している。
【0027】電圧センサ4─1は2つの相間瞬時電圧、
例えばV相とW相との相間電圧Vvw及びW相とU相と
の相間電圧Vwuを検出しており、電流センサ4─2は
その2つの瞬時電流、例えば電流Iu,Iwを検出して
いる。そして対応して設けられている三相/二相変換器
16─1,16─2でそれぞれ三相二相変換演算処理が
なされる。
【0028】ここで、三相正弦波電圧による三相誘導電
動機2の回転磁束ベクトルΦは一般に、三相/二相変換
を行いその直軸、横軸磁界を直交座標で示すと、図5図
示の如く円になるので、三相/二相変換器16─1の三
相二相変換演算処理においてVd,Vqを得、三相/二
相変換器16─2の三相二相変換演算処理においてi
d,iqを得る。
【0029】この様にして得られたid,iqはこれら
に対応して設けられている乗算器17─1,17─2で
一次抵抗の定数R1がそれぞれ乗算され、減算器18─
1,18─2でそれぞれVd─R1・id,Vq─R1
・iqが演算される。そして対応して設けられている積
分器19─1,19─2でそれぞれ積分され、Φd,Φ
qが得られる。
【0030】この様にして得られたΦd,Φqを基に、
1次鎖交磁束の大きさを絶対値算出器20で絶対値計
算、すなわち√(Φd2 +Φq2 )を行う。また対応の
乗算器21─1,21─2で三相/二相変換器16─
1,16─2から得られた上記のid,iqを用いてそ
れぞれ乗算し、Φd・iq,Φq・idを得、その後減
算器22で演算トルクT、すなわちΦd・iq─Φq・
idの瞬時トルクを得る。
【0031】また磁束偏角算出器23で上記積分器19
─1,19─2から得られたΦd,Φq及び上記絶対値
算出器20から得られた1次鎖交磁束の絶対値√(Φd
2 +Φq2 )とを基に1次鎖交磁束の磁束偏角、すなわ
ちその領域が求められる。磁束偏角算出器23から得ら
れた1次鎖交磁束の磁束偏角領域はスイッチングパター
ン選択回路7のラッチ回路26に入力される。
【0032】図3はスイッチングパターン選択回路及び
スイッチングテーブルの一実施例構成を示しており、符
号3,7ないし9は図1のものに対応し、符号20,2
2ないし26、32,33は図2のものに対応してい
る。27はアドレス/データROM、28はデータRO
Mを表している。
【0033】スイッチングパターン選択回路7に設けら
れているラッチ回路26は、磁束偏角算出器23から得
られた1次鎖交磁束の磁束偏角領域(当該磁束偏角領域
については後ほど説明する)がD1ないしD3の3ビッ
トのデータで入力され、磁束比較器24の出力が当該ラ
ッチ回路26のイネーブル信号となっている。このイネ
ーブル信号により、D1ないしD3の入力データがQ1
ないしQ3の3ビットの出力側にそれぞれラッチされる
ようになっている。
【0034】スイッチングテーブル8は2つのROM、
すなわちアドレス/データROM27とデータROM2
8とを備えており、当該スイッチングテーブル8はA7
ないしA0の8ビット構成のアドレスでアクセスされ、
D6ないしD4の3ビットでインバータ部3に設定され
るスイッチング電圧パターンのデータが読出されるよう
になっている。
【0035】図4はラッチ回路の一実施例真理値表図を
示しており、ヒステリシスを有する磁束比較器24の出
力に応じて、当該ラッチ回路26の磁束偏角領域の出力
Q1ないしQ3が変化する。
【0036】すなわち1次鎖交磁束の大きさ|Φ|がラ
ッチ回路26のヒステリシス内、つまり1次鎖交磁束の
最小値φmin<|Φ|<1次鎖交磁束の最大値φma
x、或いは|Φ|<1次鎖交磁束の最小値φminのと
き、ラッチ回路26の出力Q1ないしQ3のデータはそ
のまま保持され、1次鎖交磁束の大きさ|Φ|>1次鎖
交磁束の最大値φmaxのとき、ラッチ回路26の入力
D1ないしD3のデータが出力側のQ1ないしQ3にそ
れぞれそのままラッチされる。
【0037】後に説明する様に、1次鎖交磁束の磁束偏
角領域が切換わるとき、上記1次鎖交磁束の最小値φm
in<|Φ|<1次鎖交磁束の最大値φmax、或いは
|Φ|<1次鎖交磁束の最小値φminならば前の磁束
偏角領域のスイッチング電圧パターンのデータがラッチ
回路26の出力側Q1ないしQ3に保持されるので、1
次鎖交磁束の磁束偏角領域が切換わるときインバータ部
3のスイッチング切換えが行われず、また例えば1次鎖
交磁束の最大値φmaxを大きく選び、1次鎖交磁束の
最小値φminと最大値φmaxとの幅を大きく選んで
おけば、1次鎖交磁束の大きさ|Φ|が上記1次鎖交磁
束の最大値φmaxより大きくなろうとする回数が少な
くなる。すなわち1次鎖交磁束の軌跡は図9の如く六角
形となり、インバータ部3のスイッチング切換え回数が
少なくなる。
【0038】ところで、演算回路6で得られた1次鎖交
磁束ベクトル、瞬時トルク及び次に説明する電流検出部
33で検出された検出電流とシステムコンピュータ9か
ら与えられる三相誘導電動機2の目標値である1次鎖交
磁束指令Φ*、トルク指令T*及び保護電流値指令I*
とから、スイッチングパターン選択回路7を介してスイ
ッチングテーブル8に記憶されているデータを読出す処
理が行われる。
【0039】すなわち、磁束比較器24で1次鎖交磁束
指令Φ*の目標値と上記絶対値算出器20から得られた
1次鎖交磁束の絶対値√(Φd2 +Φq2 )とを比較し
てその磁束偏差|Φ|が求められ、トルク比較器25で
トルク指令T*の目標値と上記減算器22から得られた
演算トルクTのΦd・iq─Φq・idとを比較してそ
のトルク偏差が求められ、ラッチ回路26に磁束偏角算
出器23からの磁束偏角の領域がラッチされる。
【0040】そして電流検出部33によって検出された
インバータ部3に流れる電流とシステムコンピュータ9
からの予め定められている保護電流値指令I※の電流リ
ミットとを電流比較器32で比較し、過電流保護の有無
が求められる。
【0041】なおシステムコンピュータ9からの予め定
められている保護電流値指令I※の電流リミットは2つ
の態様を有しており、三相誘導電動機2が力行状態のと
き、つまりエンジン1側を駆動する電動機として動作し
ているときの電流リミット値Ilmtと、三相誘導電動
機2が回生状態のとき、つまりエンジン1側から駆動さ
れ発電機として動作しているときの電流リミット値−I
lmtとがある。前者の電流リミット値Ilmtは後に
説明するように、電流検出部33が当該電流リミット値
Ilmt以上の過電流を検出したとき、零ベクトルをイ
ンバータ部3に設定し、回転磁束を停止させて過電流の
保護を行う。一方、後者の電流リミット値−Ilmtは
電流検出部33が当該電流リミット値−Ilmt以下の
過電流を検出したとき、正転ベクトルをインバータ部3
に設定し、回生制動を支援するようになっている。
【0042】この磁束偏差|Φ|、トルク偏差、電流リ
ミット及び演算回路6の磁束偏角算出器23で求められ
ラッチ回路26にラッチされた磁束偏角の領域を基に上
記スイッチングテーブル8をアクセスし、インバータ部
3に設定制御すべきスイッチング電圧パターンを読出
す。このスイッチング電圧パターンの読出し説明に先立
ってスイッチングテーブル8に格納されているデータの
説明をしておく。
【0043】図6はROMアドレス生成の一実施例説明
図、図7はアドレス/データROMの一実施例格納図、
図8はデータROMの一実施例格納図、図9は回転磁束
ベクトル発生説明図、図10はスイッチング電圧パター
ン印加説明図、図11はスイッチング電圧ベクトルとス
イッチング電圧パターンとの関係説明図を示している。
【0044】図10のスイッチング電圧パターン印加説
明図において、バッテリ11から三相誘導電動機2にス
イッチング電圧パターンvi(Sa,Sb,Sc)の形
で電圧が印加される。Sa,Sb,Scはスイッチの状
態を示しており、例えば、スイッチSa,Sb,Scの
各接点が0側,0側,1側にそれぞれ接続されるとき、
スイッチング電圧パターンv1 (0,0,1)で表され
る。この時三相誘導電動機2の三相巻線には当該スイッ
チング電圧パターンv1 (0,0,1)に対応の電圧が
バッテリ11から印加され、スイッチング電圧ベクトル
V1による磁束が発生する。これは図9の中心部に示さ
れた方向のスイッチング電圧ベクトルV1に対応してい
る。
【0045】図11に示された他のスイッチング電圧ベ
クトルV2ないしV6も同様のことを意味しており、ス
イッチング電圧パターンvi(Sa,Sb,Sc)の3
つのSa,Sb,Scのスイッチ状態に応じて図9の中
心部に示された方向のスイッチング電圧ベクトルV2な
いしV6による各磁束が発生する。スイッチング電圧パ
ターンv0 (0,0,0),v7 (1,1,1)の時に
はスイッチング電圧ベクトルV0,V7は零ベクトルで
磁束は発生しない。
【0046】そしてスイッチング電圧ベクトルV1ない
しV6の属する磁束偏角が図9図示の如く予め6領域に
分かたれており、スイッチング電圧ベクトルV1の領域
θは5、スイッチング電圧ベクトルV2の領域θは3、
……、スイッチング電圧ベクトルV6の領域θは2と定
義付けられている。
【0047】図9の回転磁束ベクトル発生説明図におい
て、1次鎖交磁束の最大値φmax及び最小値φmin
が予め定められて設定されている。当該1次鎖交磁束の
最大値φmax及び最小値φminは、図2,図3の磁
束比較器24のヒステリシスによって決定されるもので
あり、上記1次鎖交磁束の最小値φminと最大値φm
axとの幅を大きく確保するため当該1次鎖交磁束の最
大値φmaxはその値が大きく設定される。
【0048】今例えば図9図示の如く、1次鎖交磁束Φ
の磁束偏角が領域θ=1の位置にあり、スイッチング電
圧ベクトルV6による磁束が発生しているインバータ部
3のスイッチング電圧パターンv6 (1,1,0)の設
定制御の下で1次鎖交磁束Φが回転しているとき、当該
1次鎖交磁束Φは正転、すなわち時計回りの方向にスイ
ッチング電圧ベクトルV6に沿って回転する。
【0049】そして当該1次鎖交磁束Φは、領域θ=1
のAで予め定められた1次鎖交磁束の最大値φmax以
上になろうとする。このとき上記図11のスイッチング
電圧パターンをv2 (0,1,0)に切り換えることに
より、スイッチング電圧ベクトルV2の磁束が三相誘導
電動機2の三相巻線に発生し、1次鎖交磁束Φの先端は
当該スイッチング電圧ベクトルV2に沿って回転する。
そして領域θ=2のBで予め定められた1次鎖交磁束の
最大値φmax以上になろうとする。このとき上記図1
1のスイッチング電圧パターンをv3 (0,1,1)に
切り換えることにより、スイッチング電圧ベクトルV3
の磁束が三相誘導電動機2の三相巻線に発生し、1次鎖
交磁束Φの先端は当該スイッチング電圧ベクトルV3に
沿って回転する。
【0050】以下同様にして1次鎖交磁束の大きさが予
め定められた1次鎖交磁束の最大値φmax以上になろ
うとしたとき、上記図11のスイッチング電圧パターン
vi(Sa,Sb,Sc)を適宜に切り換えることによ
り、1次鎖交磁束の大きさは予め定められた1次鎖交磁
束の最大値φmaxと最小値φminとの間に収めるこ
とができる。すなわち1次鎖交磁束の軌跡が六角形をな
す回転磁束ベクトルを発生させることができる。これに
よりインバータ部3のスイッチング切換え回数が従来の
図19に示された回転磁束ベクトル(図19の1次鎖交
磁束の最大値φmaxと最小値φminとの幅は、図を
分かりよくするため大きく描かれている)に比べ減少
し、三相誘導電動機2の三相巻線のインダクタンスに基
づくインピーダンスが減少し、その電流を増加させるこ
とができる。
【0051】なお、演算回路6の演算トルクTがトルク
指令T*の目標値を超えると、スイッチング電圧ベクト
ルV0,V7、すなわち零ベクトルV0,V7が選ばれ
る。すなわちスイッチング電圧パターンv0 (0,0,
0),v7 (1,1,1)に切換えられる。1次鎖交磁
束ベクトルΦを、回転させる電圧ベクトルと停止させる
電圧ベクトルとを適宜に用いることにより、すべり周波
数の瞬時制御が行える。
【0052】この様に1次鎖交磁束の大きさが予め定め
られた1次鎖交磁束の最大値φmaxと最小値φmin
とのその幅が広げられた間に納まるように、スイッチン
グ電圧パターンの切り換えを行うためのデータがスイッ
チングテーブル8に予め格納されている。
【0053】スイッチングテーブル8は前記説明の如
く、図7に図示されたアドレス/データROM27、図
8に図示されたデータROM28を備えており、当該ア
ドレス/データROM27は図6のROMアドレス生成
の一実施例説明図で次に説明するアドレスの生成によっ
てアクセスされる。
【0054】図6のROMアドレス生成の一実施例説明
図において、アドレス/データROM27をアクセスす
るアドレスは16進2桁で表される様になっており、当
該2桁の上位桁はA7ないしA0の4ビットで表され、
その内のA7,A6の2ビットで電流リミット値I、す
なわち過電流の有無、つまり上記説明の回生状態の過電
流検出(−Ilmt)のとき「00」、正常状態で過電
流が検出されない(−IlmtからIlmt)とき「0
1」、力行状態の過電流検出(Ilmt)のとき「1
1」を与え、そしてA5,A4の2ビットでトルクT、
つまり正転のとき「00」、停止のとき「01」及び
「11」(当該「11」は本来逆転のときに該当する
が、エンジンを逆転させることはないので停止処理とし
ている)を与えている。
【0055】また当該16進2桁の下位桁はA3ないし
A0の4ビットで表され、その4ビットの内のA3,A
2,A1の3ビットで1次鎖交磁束の領域θとA0の1
ビットで1次鎖交磁束の予め定められた最大値φmax
以上と最小値φmin以下とを与えている。すなわちA
3,A2,A1のビットが「011」で領域θ=1、
「010」で領域θ=2、「000」で領域θ=3、
「001」で領域θ=4、「101」で領域θ=5、
「111」で領域θ=6を与え、1ビットのA0が
「0」で1次鎖交磁束が予め定められた1次鎖交磁束の
最小値φmin以下になろうとする場合、1ビットのA
0が「1」で1次鎖交磁束が予め定められた1次鎖交磁
束の最大値φmax以上になろうとする場合をそれぞれ
表わすようにしている。
【0056】図7のアドレス/データROMの一実施例
格納図において、太枠で囲まれた各枠の斜め線の上側
は、上記説明の図6で生成される16進2桁のアドレス
を表わし、太枠で囲まれた各枠の斜め線の下側は、次に
説明する図8のデータROM28に格納されているRO
Mデータを引き出すためのデータ、つまり図8のデータ
ROM28をアクセスするための16進2桁のアドレス
を表わしている。
【0057】図7図示のROMアドレス/データの一実
施例格納図においては、1次鎖交磁束の領域θの予め定
められた特定領域θ=1の領域の各枠の斜め線の下側の
総てのデータに対して16進2桁の下位桁に「1」を与
え、演算磁束周波数検知のためのデータが書込まれてい
る。
【0058】図8のデータROMの一実施例格納図にお
いて、当該ROMデータは図7のROMアドレス/デー
タの一実施例格納図で説明した様に、当該アドレス/デ
ータROM27から得られた16進2桁のデータをアド
レスにして、図8に図示されたデータROM28をアク
セスし、過電流保護の有無、スイッチング電圧パターン
vi(Sa,Sb,Sc)及び上記演算磁束周波数検知
のためのパルス生成か否かを示すデータが読出されるよ
うになっている。
【0059】すなわち当該アドレス/データROM27
から得られた16進2桁のデータをアドレスにして図8
に図示されたデータROM28がアクセスされ、スイッ
チング電圧パターンvi(Sa,Sb,Sc)が読出さ
れるようになっている。つまりD7ないしD0の8ビッ
トの内の上位D6,D5,D4の3ビットがスイッチン
グ電圧パターンvi(Sa,Sb,Sc)を表してお
り、D6のビットがスイッチSaの接点状態、D5のビ
ットがスイッチSbの接点状態、D4のビットがスイッ
チScの接点状態をそれぞれ表している。
【0060】今、例えば上記説明の如く1次鎖交磁束Φ
が、図9の回転磁束ベクトル発生説明図に示されている
様に領域θ=1にあり、スイッチング電圧ベクトルV6
の磁束が発生するようにインバータ部3のスイッチング
電圧パターンv6 (1,1,0)が設定されているもの
とする。
【0061】1次鎖交磁束Φの大きさ、すなわち1次鎖
交磁束Φの先端は当該スイッチング電圧ベクトルV6に
沿って回転する。そして当該1次鎖交磁束Φの先端が領
域θ=1のAで、予め定められた1次鎖交磁束の最大値
φmax以上に大きくなろうとする。このときスイッチ
ングパターン選択回路7のラッチ回路26は、1次鎖交
磁束Φの領域が1であるので磁束比較器24からのイネ
ーブル信号でそのD1ないしD3の入力側のデータをQ
1ないしQ3の出力側にそれぞれラッチさせるが、同じ
領域θ=1であるのでラッチ回路26の出力側Q1ない
しQ3は同じデータを保持する形となる。
【0062】従って、このときスイッチングパターン選
択回路7では、図6で説明した様に、電流リミットIが
正常、トルクTが正転、領域θが1、1次鎖交磁束Φの
先端が予め定められた1次鎖交磁束の最大値φmax以
上に大きくなろうといている状態から、A7,A6のビ
ットが「01」、A5,A4のビットが「00」、A
3,A2,A1のビットが「011」、A0のビットが
「1」、つまり「01000111」の16進2桁で
「47」のアドレスが生成される。この「47」のアド
レスで図7のアドレス/データROM27がアクセスさ
れ、データ「21」が読出される。そしてこのデータ
「21」をアドレスにして図8のデータROM28がア
クセスされ、そのデータ「00100001」が読出さ
れる。このデータの上位2から4ビット、すなわちD
6,D5,D4の3ビットがスイッチング電圧パターン
2 (0,1,0)を表しており、当該スイッチング電
圧パターンv2 (0,1,0)がインバータ部3に設定
制御される。これにより三相誘導電動機2の三相巻線に
スイッチング電圧ベクトルV2の磁束が発生し、1次鎖
交磁束Φの大きさ、すなわち1次鎖交磁束Φの先端は当
該スイッチング電圧ベクトルV2に沿って正回転する。
【0063】ところで、1次鎖交磁束Φの磁束偏角領域
が切換わるとき、すなわち図9のKで示されているスイ
ッチング電圧ベクトルV2に沿って1次鎖交磁束Φが正
回転しているとき、領域がθ=1からθ=2へ切換わ
る。
【0064】このとき当該1次鎖交磁束Φは1次鎖交磁
束の最小値φminと最大値φmaxとの間で回転して
いるので、スイッチングパターン選択回路7のラッチ回
路26は、その領域θ=2を表わすデータがD1ないし
D3に入力されていても、前の領域θ=1を表わすデー
タがラッチ回路26の出力側Q1ないしQ3に保持され
る。
【0065】従って、1次鎖交磁束Φが領域θ=2にな
っても前の領域θ=1のときの同じデータのアドレスが
出力されているので、依然としてインバータ部3にはス
イッチング電圧ベクトルV2の磁束が発生し続け、1次
鎖交磁束Φは当該スイッチング電圧ベクトルV2に沿っ
て回転する。
【0066】そして1次鎖交磁束ΦがBに到達すると、
つまり当該1次鎖交磁束Φの先端が領域θ=2のBで、
予め定められた1次鎖交磁束の最大値φmax以上に大
きくなろうとする。このときスイッチングパターン選択
回路7のラッチ回路26は、1次鎖交磁束Φの領域が2
であるので、磁束比較器24からのイネーブル信号でそ
のD1ないしD3の入力側データをQ1ないしQ3の出
力側にそれぞれラッチさせる。
【0067】従って、ラッチ回路26の出力側Q1ない
しQ3には領域θ=2を表わすD1ないしD3のデータ
がそれぞれそのままラッチされる。このときスイッチン
グパターン選択回路7では、図6で説明した様に、電流
リミットIが正常、トルクTが正転、領域θが2、1次
鎖交磁束Φの予め定められた1次鎖交磁束の最大値φm
ax以上に大きくなろうとしている状態から、A7,A
6のビットが「01」、A5,A4のビットが「0
0」、A3,A2,A1のビットが「010」、A0の
ビットが「1」、つまり「01000101」の16進
2桁で「45」のアドレスが生成される。
【0068】この「45」のアドレスで図7のアドレス
/データROM27がアクセスされ、データ「30」が
読出される。そしてこのデータ「30」をアドレスにし
て図8のデータROM28がアクセスされ、そのデータ
「00110000」が読出される。このデータの上位
2から4ビット、すなわちD6,D5,D4の3ビット
がスイッチング電圧パターンv3 (0,1,1)を表し
ており、当該スイッチング電圧パターンv3 (0,1,
1)がインバータ部3に設定制御される。これにより三
相誘導電動機2の三相巻線にスイッチング電圧ベクトル
V3の磁束が発生し、1次鎖交磁束Φの大きさ、すなわ
ち1次鎖交磁束Φの先端は図9のLで示されるスイッチ
ング電圧ベクトルV3に沿って正回転する。
【0069】以下1次鎖交磁束Φがその磁束偏角領域を
2から3,3から4,4から5,5から6へ切換わると
きも同様に動作する。すなわち磁束偏角領域θの切換わ
りでは、前の領域のスイッチング電圧パターンが保持さ
れ、インバータ部3の切換えが行われないのでインバー
タ部3の切換え回数が減少する。また1次鎖交磁束の最
小値φminと最大値φmaxとの幅が広くとられてい
るので、1次鎖交磁束の大きさが予め定められた1次鎖
交磁束の最小値φmin以下になることはなくその最大
値φmax以上になろうとし、この時に限り新たなスイ
ッチング電圧パターンをインバータ部3に設定制御する
ので、1次鎖交磁束の軌跡は図9に示されている様に六
角形となり、インバータ部3のスイッチング切換え回数
を減少させることができる。すなわち三相誘導電動機2
の電流を多く流すことができるようになり、制御トルク
量、例えば力行トルクの増大が可能となる。
【0070】電流検出部33が過電流−Ilmt以下ま
たはIlmt以上を検出しているとき、アクセスされる
図14のアドレス/データROM27等のデータに従っ
てインバータ部3にそれぞれ設定制御されるが、本発明
では直接関係がないのでその説明は省略する。
【0071】この様にしてインバータ部3のスイッチン
グ電圧パターンの切り換え制御を行うことにより、1次
鎖交磁束Φの大きさが予め定められた1次鎖交磁束の最
大値φmaxと最小値φminとの間に納まり、六角形
をなす回転磁束、すなわち1次鎖交磁束ベクトルを三相
誘導電動機2の三相巻線に発生させて、回転させる電圧
ベクトルと停止させる零ベクトルとを適宜に選び、瞬時
すべり周波数制御を行わせトルク追従制御させる。
【0072】以上の説明のラッチ回路26は、磁束偏角
の領域の切換わりのとき、前の磁束偏角領域のアドレス
を保持することにより、前の磁束偏角領域のスイッチン
グ電圧パターンのデータを保持させる構成としている。
【0073】しかしながら、ラッチ回路26をスイッチ
ングテーブル8とインバータ部3との間に設け、当該ラ
ッチ回路26で前の磁束偏角領域のアドレスで読出され
たスイッチング電圧パターンのデータを保持させるよう
にしても、同様の動作を得ることができる。このときも
ヒステリシスを有する磁束比較器24の出力をラッチ回
路26のイネーブル信号として用いる。
【0074】以上の説明では1次鎖交磁束Φの軌跡を六
角形にして回転させる方法として、予め定められた1次
鎖交磁束の最大値φmaxと最小値φminとの幅を広
げる手法によっているが、次のようにしても1次鎖交磁
束Φの軌跡を六角形にして回転させることができる。
【0075】今、図15図示の如く、d−q座標(直
軸、横軸磁界の直交座標)を、例えばπ/6遅らせた新
たなd1 −q1 座標において、元のd−q座標の領域θ
=1,2,……,6に対して新たなd1 −q1 座標の領
域をθ=、,……,としたとき、1次鎖交磁束の
磁束偏角が領域θ=に属しておれば、スイッチング電
圧ベクトルV2を、1次鎖交磁束の磁束偏角が領域θ=
に属しておれば、スイッチング電圧ベクトルV3を、
1次鎖交磁束の磁束偏角が領域θ=に属しておれば、
スイッチング電圧ベクトルV1を、1次鎖交磁束の磁束
偏角が領域θ=に属しておれば、スイッチング電圧ベ
クトルV5を、1次鎖交磁束の磁束偏角が領域θ=に
属しておれば、スイッチング電圧ベクトルV4を、1次
鎖交磁束の磁束偏角が領域θ=に属しておれば、スイ
ッチング電圧ベクトルV6をそれぞれ発生させることに
より、上記説明の場合と同様に1次鎖交磁束の軌跡は六
角形となり、インバータ部3のスイッチング切換え回数
を減少させることができる。この様な1次鎖交磁束を発
生させる回路例を次に説明する。
【0076】図12は本発明が用いられているエンジン
・誘導電動機のハイブリッド装置の詳細な他の実施例構
成を示している。同図において、符号2,3,6ないし
9,11は図1のものに対応し、4─1,4─2,16
─1,16─2,17─1,17─2,18─1,18
─2,19─1,19─2,20,21─1,21─
2,22ないし26,32,33は図2のものに対応
し、31は磁束偏角領域変換処理部を表わしている。
【0077】当該磁束偏角領域変換処理部31は、座標
変換処理を行って得られる図15のd−q座標をπ/6
遅らせた新たなd1 −q1 座標において、磁束偏角算出
器23で得られた1次鎖交磁束の磁束偏角領域がどの領
域に属するかを算出するものである。当該磁束偏角領域
変換処理部31は磁束偏角算出器23と一体的に構成さ
れていてもよい。
【0078】上記1次鎖交磁束の軌跡を六角形にして、
インバータ部3のスイッチング切換え回数を減少させる
スイッチングテーブル8として、図14に図示されたア
ドレス/データROM34、図8に図示されたデータR
OM28を備えており、当該アドレス/データROM3
4は図13のROMアドレス生成の一実施例説明図で次
に説明するアドレスの生成によってアクセスされる。
【0079】図13のROMアドレス生成の一実施例説
明図において、アドレス/データROM34をアクセス
するアドレスは16進2桁が生成される様になってお
り、当該2桁の上位桁は4ビットのA7ないしA4で表
され、その内のA7,A6の2ビットで電流リミット
I、すなわち過電流の有無、つまり前述の回生状態の過
電流検出(−Ilmt)のとき「00」、正常状態で過
電流が検出されない(−IlmtからIlmt)とき
「01」、力行状態の過電流検出(Ilmt)のとき
「11」を与え、A5,A4の2ビットでトルクT、つ
まり正転のとき「00」、停止のとき「01」及び「1
1」(当該「11」は本来逆転のときに該当するが、エ
ンジンを逆転させることはないので停止処理としてい
る)を与えている。当該16進2桁の下位桁は4ビット
のA3ないしA0で表され、その内のA3,A2,A1
の3ビットで図15で示された座標変換後の1次鎖交磁
束の磁束偏角の領域θを与えている。すなわち上記説明
のビットA3,A2,A1の「010」で領域θ=、
「011」で領域θ=、「111」で領域θ=、
「101」で領域θ=、「001」で領域θ=、
「000」で領域θ=を与えている。
【0080】この場合の一実施例では磁束比較器24で
のヒステリシス、すなわち1次鎖交磁束の最大値φma
x最小値φminとの関連をなくしているので、1次鎖
交磁束の大きさは関係なく、A0のビットは「0」が与
えられる。
【0081】図14のアドレス/データROMの一実施
例格納図において、太枠で囲まれた各枠の斜め線の上側
は、上記説明の図13で生成される16進2桁のアドレ
スを表し、太枠で囲まれた各枠の斜め線の下側は、前に
説明した図8のデータROM28に格納されているRO
Mデータを引き出すためのデータ、つまり図8のデータ
ROM28をアクセスするための16進2桁のアドレス
を表わしている。
【0082】図14図示のアドレス/データROMの一
実施例格納図においては、図7図示のアドレス/データ
ROMの一実施例格納図の場合と同様に、領域θの予め
定められた特定領域θ=の各枠の斜め線の下側の総て
のデータに対して、16進2桁の下位桁に「1」を与
え、演算磁束周波数検知のためのデータが書込まれてい
る。
【0083】図14のアドレス/データROM34から
読出されたデータのアドレスで図8図示のデータROM
28がアクセスされる。当該データROM28から読出
されるROMデータの内容は、図8で説明したものと同
じでありその動作も同様であるので、その説明は省略す
るが、電流検出部33が正常状態で過電流を検出してい
ない(−IlmtからIlmt)とき、1次鎖交磁束の
磁束偏角が図15で示された座標変換後の領域θ=に
属しておれば、インバータ部3はスイッチング電圧ベク
トルV2による磁束を発生させ、1次鎖交磁束は当該ス
イッチング電圧ベクトルV2に沿って回転し、1次鎖交
磁束の磁束偏角が領域θ=に属しておれば、スイッチ
ング電圧ベクトルV3による磁束を発生させ、以下同様
にして、座標変換後の領域θ=に属しておれば、スイ
ッチング電圧ベクトルV6による磁束を発生させ、1次
鎖交磁束は当該スイッチング電圧ベクトルV6に沿って
回転するようになっている。つまり1次鎖交磁束の軌跡
が六角形の形状で回転する。
【0084】電流検出部33が過電流−Ilmt以下ま
たはIlmt以上を検出しているとき、図14のアドレ
ス/データROM34等から読出されるデータに従って
インバータ部3にそれぞれ対応のスイッチング電圧パタ
ーンが設定制御されるが、本発明では直接関係がないの
でその説明は省略する。
【0085】この様にして1次鎖交磁束の磁束偏角がそ
の座標変換後の新たな領域θが切換わる毎に、インバー
タ部3のスイッチング電圧パターンの切り換え制御を行
うことにより、インバータ部3の切換え回数が減少し、
三相誘導電動機2の電流を大きく流すことができ、制御
トルク量、例えば力行トルクの増大が可能となる。
【0086】図16は本発明が用いられているエンジン
・誘導電動機のハイブリッド装置の詳細な他の実施例構
成を示している。本実施例では、1次鎖交磁束の軌跡を
円形にする円形モードと六角形にする六角形モードとを
モード切換え信号により自由に切換えられるようにして
おき、円形モードで不足する力行トルクを六角形モード
に切換えることにより、当該力行トルクの増大を可能と
する構成例が示されている。
【0087】同図において、符号2,3,6ないし9,
11は図1のものに対応し、4─1,4─2,16─
1,16─2,17─1,17─2,18─1,18─
2,19─1,19─2,20,21─1,21─2,
22ないし26,32,33は図2のものに対応し、3
1は図12のものに対応している。
【0088】そして図16のものは、システムコンピュ
ータ9からモード切換え信号が出され、当該モード切換
え信号によってスイッチングテーブル8、磁束比較器2
4、ラッチ回路26及び磁束偏角領域変換処理部31が
上記のモード切換え、すなわち1次鎖交磁束の軌跡を円
形にする円形モードと六角形にする六角形モードとにそ
れぞれ切換えられるようになっている。
【0089】スイッチングテーブル8は、図17に示さ
れている様に円形モードのときアクセスされる図7図示
のアドレス/データROM27、六角形モードのときア
クセスされる前記説明の図14図示のアドレス/データ
ROM34及び図8に図示されたデータROM28を備
えている。そして当該スイッチングテーブル8は、円形
モード時にはアドレス/データROM27から読出され
たデータをアドレスにしてデータROM28が読出さ
れ、六角形モード時にはアドレス/データROM34か
ら読出されたデータをアドレスにしてデータROM28
が読出されるようになっている。
【0090】磁束比較器24は、円形モードのときヒス
テリシスを有する様に機能し、当該ヒステリシス幅、す
なわち1次鎖交磁束の最大値φmaxと最小値φmin
との幅は前述の図9のものに比べかなり狭く設定されて
おり(図18参照)、1次鎖交磁束が円軌跡に近づくよ
うにされている。また六角形モードのとき当該磁束比較
器24から前記説明の如く「0」が出力されるようにな
っている。
【0091】ラッチ回路26は、円形モードのとき当該
ラッチ回路26が働いてラッチ機能を果たし、六角形モ
ードのとき当該ラッチ回路26はその機能を果たさない
ようになっている。
【0092】磁束偏角領域変換処理部31は、円形モー
ドのとき当該磁束偏角領域変換処理部31は動作せずそ
のまま磁束偏角算出器23で得られた1次鎖交磁束の磁
束偏角領域通過させる機能を備え、六角形モードの時前
記説明の如く、座標変換処理を行って得られる図15の
π/6遅らせた新たなd1 −q1 座標において、磁束偏
角算出器23で得られた1次鎖交磁束の磁束偏角がどの
領域に属するかを算出するようになっている。
【0093】この様に構成された本発明の一実施例にお
いて、まずシステムコンピュータ9から円形のモード切
換え信号が出されている場合を先に説明する。通常の運
転は当該円形モードで運転される。
【0094】磁束偏角領域変換処理部31は円形モード
のとき働かないので、演算回路6の機能は図2のものと
ほぼ同じ動作をする。すなわち図18図示の如く、1次
鎖交磁束Φは予め定められた1次鎖交磁束の最小値φm
inと最大値φmaxとの間に収まるようにインバータ
部3のスイッチング電圧パターンが設定される。
【0095】磁束偏角算出器23で積分器19─1,1
9─2から得られたΦd,Φq及び絶対値算出器20か
ら得られた1次鎖交磁束の絶対値√(Φd2 +Φq2
とを基に1次鎖交磁束の磁束偏角、すなわちその領域が
求められる。磁束偏角算出器23から得られた1次鎖交
磁束の磁束偏角領域はスイッチングパターン選択回路7
のラッチ回路26に入力される。
【0096】既に図3以下で説明してきた様に、スイッ
チングパターン選択回路7に設けられているラッチ回路
26は、磁束偏角算出器23から得られた1次鎖交磁束
の磁束偏角領域がD1ないしD3の3ビットのデータで
入力され、磁束比較器24の出力が当該ラッチ回路26
のイネーブル信号となっている。このイネーブル信号に
より、D1ないしD3の入力データがQ1ないしQ3の
3ビットの出力側にそれぞれラッチされるようになって
いる。
【0097】スイッチングテーブル8は円形モードのと
き、図17に図示された2つのROM、すなわちアドレ
ス/データROM27とデータROM28とが用いら
れ、当該スイッチングテーブル8はA7ないしA0の8
ビット構成のアドレスでアクセスされ、D6ないしD4
の3ビットでスイッチング電圧パターンのデータが読出
されるようになっている。
【0098】そして図4のラッチ回路の一実施例真理値
表図で説明した様に、ヒステリシスを有する磁束比較器
24の出力に応じて、当該ラッチ回路26の磁束偏角領
域の出力Q1ないしQ3が変化する。
【0099】すなわち1次鎖交磁束の大きさ|Φ|がラ
ッチ回路26のヒステリシス内、つまり1次鎖交磁束の
最小値φmin<|Φ|<1次鎖交磁束の最大値φma
x、或いは|Φ|<1次鎖交磁束の最小値φminのと
き、ラッチ回路26の出力Q1ないしQ3のデータはそ
のまま保持され、1次鎖交磁束の大きさ|Φ|>1次鎖
交磁束の最大値φmaxのとき、ラッチ回路26の入力
D1ないしD3のデータが出力側のQ1ないしQ3にそ
れぞれそのままラッチされる。
【0100】1次鎖交磁束の磁束偏角領域が切換わると
き、上記1次鎖交磁束の最小値φmin<|Φ|<1次
鎖交磁束の最大値φmax、或いは|Φ|<1次鎖交磁
束の最小値φminならば前の磁束偏角領域のスイッチ
ング電圧パターンのデータがラッチ回路26の出力側Q
1ないしQ3に保持されるので、インバータ部3のスイ
ッチング切換え回数を減らすことが出来るようになり、
また1次鎖交磁束Φはより円軌跡に近づくようになる。
【0101】ところで、演算回路6で得られた1次鎖交
磁束ベクトル、瞬時トルク及び電流検出部33で検出さ
れた検出電流とシステムコンピュータ9から与えられる
三相誘導電動機2の目標値である1次鎖交磁束指令Φ
*、トルク指令T*及び保護電流値指令I*とから、ス
イッチングパターン選択回路7を介してスイッチングテ
ーブル8に記憶されているデータを読出す処理が行われ
る。
【0102】すなわち、磁束比較器24で1次鎖交磁束
指令Φ*の目標値と上記絶対値算出器20から得られた
1次鎖交磁束の絶対値√(Φd2 +Φq2 )とを比較し
てその磁束偏差|Φ|が求められ、トルク比較器25で
トルク指令T*の目標値と上記減算器22から得られた
演算トルクTのΦd・iq─Φq・idとを比較してそ
のトルク偏差が求められ、ラッチ回路26に磁束偏角算
出器23からの磁束偏角の領域がラッチされる。
【0103】そして電流検出部33によって検出された
インバータ部3に流れる電流とシステムコンピュータ9
からの予め定められている保護電流値指令I※の電流リ
ミットとを電流比較器32で比較し、過電流保護の有無
が求められる。
【0104】なおシステムコンピュータ9からの予め定
められている保護電流値指令I※の電流リミットは前述
の如く、2つの態様を有しており、三相誘導電動機2が
力行状態のとき、つまりエンジン1側を駆動する電動機
として動作しているときの電流リミット値Ilmtと、
三相誘導電動機2が回生状態のとき、つまりエンジン1
側から駆動され発電機として動作しているときの電流リ
ミット値−Ilmtとがある。前者の電流リミット値I
lmtは後に説明するように、電流検出部33が当該電
流リミット値Ilmt以上の過電流を検出したとき、零
ベクトルをインバータ部3に設定し、回転磁束を停止さ
せて過電流の保護を行う。一方、後者の電流リミット値
−Ilmtは電流検出部33が当該電流リミット値−I
lmt以下の過電流を検出したとき、正転ベクトルをイ
ンバータ部3に設定し、回生制動を抑制するようになっ
ている。
【0105】この磁束偏差|Φ|、トルク偏差、電流リ
ミット及び演算回路6の磁束偏角算出器23で求められ
ラッチ回路26にラッチされた1次鎖交磁束の磁束偏角
の領域を基に上記スイッチングテーブル8をアクセス
し、インバータ部3に設定制御すべきスイッチング電圧
パターンを読出す。
【0106】このインバータ部3に設定制御すべきスイ
ッチング電圧パターンの読出し、スイッチング電圧ベク
トルについては、図2のものと同じであるので、その説
明は省略する。円形モードでの1次鎖交磁束ベクトル
は、次の様にしてほぼ円形で回転する。
【0107】今、例えば上記説明の如く1次鎖交磁束Φ
が、図18の回転磁束ベクトル発生説明図に示されてい
る様に領域θ=1にあり、スイッチング電圧ベクトルV
6の磁束が発生するようにインバータ部3のスイッチン
グ電圧パターンが設定されているものとする。
【0108】1次鎖交磁束Φの大きさ、すなわち1次鎖
交磁束Φの先端は当該スイッチング電圧ベクトルV6に
沿って回転する。そして当該1次鎖交磁束Φの先端が領
域θ=1のAで、予め定められた1次鎖交磁束の最大値
φmax以上に大きくなろうとする。このときスイッチ
ングパターン選択回路7のラッチ回路26は、1次鎖交
磁束Φの領域が1であるので磁束比較器24からのイネ
ーブル信号でそのD1ないしD3の入力側のデータをQ
1ないしQ3の出力側にそれぞれラッチさせるが、同じ
領域θ=1であるのでラッチ回路26の出力側Q1ない
しQ3は同じデータを保持する形となる。
【0109】従って、このときスイッチングパターン選
択回路7では、図6で説明した様に、電流リミットIが
正常、トルクTが正転、領域θが1、1次鎖交磁束Φの
先端が予め定められた1次鎖交磁束の最大値φmax以
上に大きくなろうとしている状態から、A7,A6のビ
ットが「01」A5,A4のビットが「00」、A3,
A2,A1のビットが「011」、A0のビットが
「1」、つまり「01000111」の16進2桁で
「47」のアドレスが生成される。
【0110】この「47」のアドレスで図17のアドレ
ス/データROM27、すなわち図7のアドレス/デー
タROM27がアクセスされ、データ「21」が読出さ
れる。そしてこのデータ「21」をアドレスにして図1
7のデータROM28、すなわち図8のデータROM2
8がアクセスされ、そのデータ「00100001」が
読出される。このデータの上位2から4ビット、すなわ
ちD6,D5,D4の3ビットがスイッチング電圧パタ
ーンv2 (0,1,0)を表しており、当該スイッチン
グ電圧パターンv2 (0,1,0)がインバータ部3に
設定制御される。これにより三相誘導電動機2の三相巻
線にスイッチング電圧ベクトルV2の磁束が発生し、1
次鎖交磁束Φの大きさ、すなわち1次鎖交磁束Φの先端
は当該スイッチング電圧ベクトルV2に沿って正回転す
る。
【0111】そして当該1次鎖交磁束Φの先端が領域θ
=1のBで、予め定められた1次鎖交磁束の最小値φm
in以下に小さくなろうとする。このときスイッチング
パターン選択回路7のラッチ回路26は、1次鎖交磁束
Φの領域が1であるので磁束比較器24からのイネーブ
ル信号でそのD1ないしD3の入力側データをQ1ない
しQ3の出力側にそれぞれラッチさせるが、同じ領域θ
=1であるのでラッチ回路26の出力側Q1ないしQ3
は同じデータを保持する形となる。
【0112】従って、このときスイッチングパターン選
択回路7では図6で説明した様に、電流リミットIが正
常、トルクTが正転、領域θが1、1次鎖交磁束の先端
が予め定められた1次鎖交磁束の最小値φmin以下に
小さくなろうとしている状態から、A7,A6のビット
が「01」、A5,A4のビットが「00」、A3,A
2,A1のビットが「011」、A0のビットが
「0」、つまり「01000110」の16進2桁で
「46」のアドレスが生成される。
【0113】この「46」のアドレスで図17のアドレ
ス/データROM27、すなわち図7のアドレス/デー
タROM27がアクセスされ、データ「61」が読出さ
れる。そしてこのデータ「61」をアドレスにして図1
7のデータROM28、すなわち図8のデータROM2
8がアクセスされ、そのデータ「01100000」が
読出される。このデータの上位2から4ビット、すなわ
ちD6,D5,D4の3ビットがスイッチング電圧パタ
ーンv6 (1,1,0)を表しており、当該スイッチン
グ電圧パターンv6 (1,1,0)がインバータ部3に
設定制御される。これにより三相誘導電動機2の三相巻
線にスイッチング電圧ベクトルV6の磁束が発生し、1
次鎖交磁束Φの大きさ、すなわち1次鎖交磁束Φの先端
は当該ベクトルV6に沿って正回転する。
【0114】この様にしてインバータ部3のスイッチン
グ電圧パターンの切り換え制御を行うことにより、1次
鎖交磁束Φの大きさが予め定められた1次鎖交磁束の最
大値φmaxと最小値φminとの間に納まり、ほぼ円
をなす回転磁束すなわち1次鎖交磁束ベクトルを三相誘
導電動機2の三相巻線に発生させて、回転させる電圧ベ
クトルと停止させる零ベクトルとを適宜に選び、瞬時す
べり周波数制御を行わせトルク追従制御させる。
【0115】ところで、1次鎖交磁束Φの磁束偏角領域
が切換わるとき、すなわち図18のKで示されているス
イッチング電圧ベクトルV2に沿って1次鎖交磁束Φが
正回転しているとき、領域がθ=1からθ=2へ切換わ
る。
【0116】このとき当該1次鎖交磁束Φは1次鎖交磁
束の最小値φminと最大値φmaxとの間で回転して
いるので、スイッチングパターン選択回路7のラッチ回
路26は、その領域θ=2を表わすデータがD1ないし
D3に入力されていても、前の領域θ=1を表わすデー
タがラッチ回路26の出力側Q1ないしQ3に保持され
る。
【0117】従って、1次鎖交磁束Φが領域θ=2にな
っても前の領域θ=1のときの同じデータのアドレスが
出力されているので、依然としてインバータ部3にはス
イッチング電圧ベクトルV2の磁束が発生し続け、1次
鎖交磁束Φは当該スイッチング電圧ベクトルV2に沿っ
て回転する。
【0118】そして1次鎖交磁束ΦがDに到達すると、
つまり当該1次鎖交磁束Φの先端が領域θ=2のDで、
予め定められた1次鎖交磁束の最大値φmax以上に大
きくなろうとする。このときスイッチングパターン選択
回路7のラッチ回路26は、1次鎖交磁束Φの領域が2
であるので、磁束比較器24からのイネーブル信号でそ
のD1ないしD3の入力側データをQ1ないしQ3の出
力側にそれぞれラッチさせる。
【0119】従って、ラッチ回路26の出力側Q1ない
しQ3には領域θ=2を表わすD1ないしD3のデータ
がそれぞれそのままラッチされる。このときスイッチン
グパターン選択回路7では、図6で説明した様に、電流
リミットIが正常、トルクTが正転、領域θが2、1次
鎖交磁束Φの予め定められた1次鎖交磁束の最大値φm
ax以上に大きくなろうとしている状態から、A7,A
6のビットが「01」、A5,A4のビットが「0
0」、A3,A2,A1のビットが「010」、A0の
ビットが「1」、つまり「01000101」の16進
2桁で「45」のアドレスが生成される。
【0120】この「45」のアドレスで図17のアドレ
ス/データROM27、すなわち図7のアドレス/デー
タROM27がアクセスされ、データ「30」が読出さ
れる。そしてこのデータ「30」をアドレスにして図1
7のデータROM28、すなわち図8のデータROM2
8がアクセスされ、そのデータ「00110000」が
読出される。このデータの上位2から4ビット、すなわ
ちD6,D5,D4の3ビットがスイッチング電圧パタ
ーンv3 (0,1,1)を表しており、当該スイッチン
グ電圧パターンv3 (0,1,1)がインバータ部3に
設定制御される。これにより三相誘導電動機2の三相巻
線にスイッチング電圧ベクトルV3の磁束が発生し、1
次鎖交磁束Φの大きさ、すなわち1次鎖交磁束Φの先端
は図18のLで示されるスイッチング電圧ベクトルV3
に沿って正回転する。
【0121】この様に円形モードのとき1次鎖交磁束Φ
の軌跡はほぼ円となり、三相誘導電動機2の回転はスム
ースな運転となる。一方、当該円形モードでは、発明が
解決しようとする課題の欄で説明した様に、三相誘導電
動機2の、特に高回転域でさらに力行トルクを得ようと
しても、上記の1次鎖交磁束指令値Φ*とトルク指令値
T*との両者の指令値操作だけではそれ以上の力行トル
クが得られない。
【0122】そこで、1次鎖交磁束ベクトルの軌跡を円
形に近づけることから生じるインバータ部3のスイッチ
ング回数の増大をおさえ、1次鎖交磁束ベクトルの軌跡
を六角形にしてインバータ部3のスイッチング回数を減
らし、もって三相誘導電動機2に流れる電流の増大をは
かるようにし、力行トルクの増大が得られる六角形モー
ドが設定される。
【0123】この六角形モードが設定されると、上記説
明の如く、システムコンピュータ9からモード切換え信
号が出される。当該モード切換え信号によってスイッチ
ングテーブル8、磁束比較器24、ラッチ回路26及び
磁束偏角領域変換処理部31が六角形モードに対応した
機能を果たす。
【0124】すなわち図17図示のアドレス/データR
OM34から読出されたデータをアドレスにしてデータ
ROM28がアクセスされる。すなわち図12ないし図
16で説明した1次鎖交磁束Φの軌跡が六角形をなす動
作を行うようになる。つまり磁束偏角領域変換処理部3
1は座標変換処理を行い、図15のπ/6遅らせた新た
なd1 −q1 座標において、磁束偏角算出器23で得ら
れた1次鎖交磁束の磁束偏角領域がどの領域に属するか
を算出するようになり、スイッチングパターン選択回路
7ではスイッチングテーブル8内の六角形モードのとき
アクセスされる図17のアドレス/データROM34及
びデータROM28、すなわち前記説明の図14図示の
アドレス/データROM34及び図15に図示されたデ
ータROM28をアクセスするアドレスが生成される。
【0125】六角形モードのときの動作は、図12ない
し図16で説明したものと同じであるので、その説明は
省略する。この様に、この実施例の直接トルク制御イン
バータの方形波インバータ化方式においては、磁束比較
器24のヒステリシス幅を変えることなく、座標変換、
すなわち磁束偏角座標を切換えてROMデータの変更だ
けで、1次鎖交磁束の軌跡を、直接トルク制御インバー
タ本来の機能の円形と制御トルク量の増大をはかる六角
形とに瞬時に、そして相互に切換えることができるよう
になる。
【0126】以上の説明では、電流検出部33で検出さ
れるインバータ部3の検出電流の過電流を考慮に入れて
記述してきたが、この電流検出の有無については必ずし
も本発明で必要のものではない。
【0127】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明によれば、1
次鎖交磁束の軌跡を六角形にすることにより、制御トル
ク量の増大がえられ、三相誘導電動機の力行運転時に力
行トルクを増大することができる。
【0128】1次鎖交磁束の軌跡を、直接トルク制御イ
ンバータ本来の機能の円形と制御トルク量の増大をはか
る六角形とに瞬時に、そして相互に切換えることができ
るので、直接トルク制御方式の三相誘導電動機を用いて
エンジンと三相誘導電動機との間でエネルギーの授受を
行ないその回転制御を行うようにしたエンジン・誘導電
動機のハイブリッド装置において、三相誘導電動機の利
用価値が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が用いられているエンジン・誘導電動機
のハイブリッド装置の一実施例全体構成図である。
【図2】本発明が用いられているエンジン・誘導電動機
のハイブリッド装置の詳細な一実施例構成である。
【図3】スイッチングパターン選択回路及びスイッチン
グテーブルの一実施例構成である。
【図4】ラッチ回路の一実施例真理値表図である。
【図5】回転磁束ベクトル説明図である。
【図6】ROMアドレス生成の一実施例説明図である。
【図7】アドレス/データROMの一実施例格納図であ
る。
【図8】データROMの一実施例格納図である。
【図9】回転磁束ベクトル発生説明図である。
【図10】スイッチング電圧パターン印加説明図であ
る。
【図11】スイッチング電圧ベクトルとスイッチング電
圧パターンとの関係説明図である。
【図12】本発明が用いられているエンジン・誘導電動
機のハイブリッド装置の詳細な他の実施例構成である。
【図13】ROMアドレス生成の一実施例説明図であ
る。
【図14】アドレス/データROMの一実施例格納図で
ある。
【図15】回転磁束ベクトル発生説明図である。
【図16】本発明が用いられているエンジン・誘導電動
機のハイブリッド装置の詳細な他の実施例構成である。
【図17】スイッチングテーブルの一実施例構成であ
る。
【図18】円形軌跡の回転磁束ベクトル発生説明図であ
る。
【図19】従来の回転磁束ベクトル発生説明図である。
【図20】従来の回転数に対するトルク制御範囲説明図
である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 三相誘導電動機 3 インバータ部 5 インバータ制御回路 6 演算回路 7 スイッチングパターン選択回路 8 スイッチングテーブル 24 磁束比較器 25 トルク比較器 26 ラッチ回路 27 アドレス/データROM 28 データROM 31 磁束偏角領域変換処理部 34 アドレス/データROM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02P 7/63 302 D

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンと誘導電動機とが結合されたエ
    ンジン・誘導電動機のハイブリッド装置における直接ト
    ルク制御インバータの方形波インバータ化方式におい
    て、 スイッチング素子の組合わせにより三相誘導電動機の三
    相巻線に回転磁束(1次鎖交磁束)を発生させるインバ
    ータ部と、 三相誘導電動機の瞬時入力電圧と電流とからその1次鎖
    交磁束ベクトル及び瞬時トルクを演算する演算回路と、 予め定められた1次鎖交磁束の最大値φmax及び最小
    値φmin、予め定められた磁束偏角の領域、トルクの
    正転,停止の種類を要素とし、インバータ部のスイッチ
    ング電圧パターンが予めデータとして記憶されているス
    イッチングテーブルと、 演算回路が出力する上記1次鎖交磁束ベクトル及び瞬時
    トルクと目標値の1次鎖交磁束指令及びトルク指令とを
    基に上記スイッチングテーブルをアクセスするに当り、
    1次鎖交磁束ベクトルの軌跡が六角形となるように予め
    定められた1次鎖交磁束の最大値φmaxと最小値φm
    inとの幅を確保した構成にして上記インバータ部のス
    イッチング電圧パターンを選択するスイッチングパター
    ン選択回路と、 演算回路で演算された1次鎖交磁束の磁束偏角につい
    て、その磁束偏角の領域の切換わり時に、前の磁束偏角
    領域のスイッチング電圧パターンのデータを保持させる
    ラッチ回路とを備え、1次鎖交磁束ベクトルの軌跡を六
    角形にして制御トルク量を増大せしめるようにしたこと
    を特徴とする直接トルク制御インバータの方形波インバ
    ータ化方式。
  2. 【請求項2】 上記前の磁束偏角領域のスイッチング電
    圧パターンのデータを保持させるラッチ回路は、前の磁
    束偏角領域のアドレスを保持し、前の磁束偏角領域のス
    イッチング電圧パターンのデータを保持するようにした
    ことを特徴とする請求項1記載の直接トルク制御インバ
    ータの方形波インバータ化方式。
  3. 【請求項3】 上記前の磁束偏角領域のスイッチング電
    圧パターンのデータを保持させるラッチ回路は、前の磁
    束偏角領域のアドレスでスイッチングテーブルから読出
    されたスイッチング電圧パターンのデータを保持するよ
    うにしたことを特徴とする請求項1記載の直接トルク制
    御インバータの方形波インバータ化方式。
  4. 【請求項4】 エンジンと誘導電動機とが結合されたエ
    ンジン・誘導電動機のハイブリッド装置における直接ト
    ルク制御インバータの方形波インバータ化方式におい
    て、 スイッチング素子の組合わせにより三相誘導電動機の三
    相巻線に回転磁束(1次鎖交磁束)を発生させるインバ
    ータ部と、 三相誘導電動機の瞬時入力電圧と電流とからその1次鎖
    交磁束ベクトルの大きさとその方向の属する磁束偏角領
    域及び瞬時トルクを演算すると共に、当該磁束偏角領域
    の座標を所定角度変換させた後の当該1次鎖交磁束ベク
    トルのその方向の属する新たな磁束偏角領域を演算する
    演算回路と、 上記座標変換後の予め定められた磁束偏角の領域、トル
    クの正転,停止の種類を要素とし、インバータ部のスイ
    ッチング電圧パターンが予めデータとして記憶されてい
    るスイッチングテーブルと、 演算回路が出力する上記1次鎖交磁束ベクトルの大きさ
    とその方向の属する上記座標を変換させた後の磁束偏角
    領域及び瞬時トルクと目標値の1次鎖交磁束指令及びト
    ルク指令とを基に上記スイッチングテーブルをアクセス
    し、上記インバータ部のスイッチング電圧パターンを選
    択するスイッチングパターン選択回路とを備え、上記座
    標を変換させた後の新たな磁束偏角領域の切換わり毎に
    上記インバータ部のスイッチング電圧パターンを選択
    し、1次鎖交磁束ベクトルの軌跡を六角形にして制御ト
    ルク量を増大せしめるようにしたことを特徴とする直接
    トルク制御インバータの方形波インバータ化方式。
  5. 【請求項5】 エンジンと誘導電動機とが結合されたエ
    ンジン・誘導電動機のハイブリッド装置における直接ト
    ルク制御インバータの方形波インバータ化方式におい
    て、 スイッチング素子の組合わせにより三相誘導電動機の三
    相巻線に回転磁束(1次鎖交磁束)を発生させるインバ
    ータ部と、 三相誘導電動機の瞬時入力電圧と電流とから、1次鎖交
    磁束ベクトルの軌跡が円形モード指定のとき、その1次
    鎖交磁束ベクトル及び瞬時トルクを演算し、1次鎖交磁
    束ベクトルの軌跡が六角形モード指定のとき、当該磁束
    偏角領域の座標を所定角度変換させた後の当該1次鎖交
    磁束ベクトルのその方向の属する新たな磁束偏角領域を
    演算する演算回路と、 予め定められた1次鎖交磁束の最大値φmax及び最小
    値φmin、予め定められた磁束偏角の領域、トルクの
    正転,停止の種類を要素とし、インバータ部のスイッチ
    ング電圧パターンが予めデータとして記憶されている円
    形モード用スイッチングテーブルと、上記座標変換後の
    予め定められた磁束偏角の領域、トルクの正転,停止の
    種類を要素とし、インバータ部のスイッチング電圧パタ
    ーンが予めデータとして記憶されている六角形モード用
    スイッチングテーブルとを備えたスイッチングテーブル
    と、 演算回路が出力する上記1次鎖交磁束ベクトル及び瞬時
    トルクと目標値の1次鎖交磁束指令及びトルク指令とを
    基に上記スイッチングテーブルをアクセスするに当り、
    円形モードのときには円形モード用スイッチングテーブ
    ルをアクセスし、六角形モードのときには六角形モード
    用スイッチングテーブルをアクセスするように構成さ
    れ、上記インバータ部のスイッチング電圧パターンを選
    択するスイッチングパターン選択回路とを備え、1次鎖
    交磁束ベクトルの軌跡をモード切換えにより円形と六角
    形とに自由に切換えられるようにしたことを特徴とする
    直接トルク制御インバータの方形波インバータ化方式。
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