JP2017225233A - 回転機制御装置及び回転機制御方法 - Google Patents

回転機制御装置及び回転機制御方法 Download PDF

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Tetsuya Matsuyama
哲也 松山
淳貴 吉本
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Abstract

【課題】電流制限の技術を改良する。
【解決手段】検出された電流ベクトルを第1の電流ベクトルと定義し、現在の制御サイクルにおいて推定された磁束ベクトルを第1の磁束ベクトルと定義したとき、位相調整部151は、第1の電流ベクトル及び第1の磁束ベクトルからなる2つのベクトルを、第2の電流ベクトル及び第2の磁束ベクトルからなる2つのベクトルへと修正する。制限トルク特定部115は、第2の電流ベクトル及び第2の磁束ベクトルの内積と電流制限値とを用いて電流ベクトルの振幅を電流制限値に追従させるトルクである制限トルクを特定する。トルク制限部123は、トルク修正部150に与えられた指令トルクの絶対値が制限トルク以上である場合には上記絶対値を制限トルクに置き換える。
【選択図】図3

Description

本開示は、回転機制御装置及び回転機制御方法に関する。
従来から、モータの駆動方法として、直接トルク制御(DTC:Direct Torque Control)が知られている。直接トルク制御の一例では、まず、モータの相電流及び相電圧を検出する。次に、相電流及び相電圧から、モータの電機子鎖交磁束及びトルクを求める。次に、求められたトルクと、指令トルクと、指令振幅と、電気子鎖交磁束の位置とから、指令磁束ベクトルを求める。指令トルク及び指令振幅は、例えば、速度制御装置で求められる。次に、指令磁束ベクトルと、電機子鎖交磁束とから、PWMインバータからモータに印加されるべき電圧ベクトルを決定する。次に、決定された電圧ベクトルがモータに印加されるように、PWMインバータのスイッチングを制御する。
直接トルク制御の駆動アルゴリズムはシンプルである。また、エンコーダ、レゾルバ等の位置センサを省略できる。
特許文献1及び非特許文献1では、直接トルク制御について記載されている。非特許文献1では、モータを流れる電流が所定値を超えないようにする制御(電流制限)について記載されている。
特開2015−012771号公報
井上、他3名,「永久磁石同期モータを駆動する直接トルク制御のためのトルクと磁束の指令値作成法とトルク制御器のワインドアップ対策」電気学会論文誌D,130巻,6号,p.777−784(2010年)
本発明者らの検討によれば、非特許文献1に記載されている電流制限の技術には、制御精度、特にモータの回転数が高いときにおける制御精度の点で、改善の余地がある。非特許文献1の電流制限の技術を発電機に応用する場合についても同じことが言える。
以上の事情に鑑み、本開示は、
制御サイクル毎に、次の制御サイクルにおいて3相回転機に印加されるトルク及び電圧ベクトルを規定する指令トルク及び指令電圧ベクトルを特定する回転機制御装置であって、
前記3相回転機の電流ベクトルを検出する電流検出部と、
前の制御サイクルにおいて特定された前記指令電圧ベクトルを用いて、現在の制御サイクルにおける前記3相回転機の磁束ベクトルを推定する磁束推定部と、
位相調整部、制限トルク特定部及びトルク制限部を有するトルク修正部と、を備え、
検出された前記電流ベクトルを第1の電流ベクトルと定義し、現在の制御サイクルにおいて推定された前記磁束ベクトルを第1の磁束ベクトルと定義したとき、前記位相調整部は、前記第1の電流ベクトル及び前記第1の磁束ベクトルからなる2つのベクトルを、第2の電流ベクトル及び第2の磁束ベクトルからなる2つのベクトルへと修正し、
前記制限トルク特定部は、前記第2の電流ベクトル及び前記第2の磁束ベクトルの内積と電流制限値とを用いて前記電流ベクトルの振幅を前記電流制限値に追従させる前記トルクである制限トルクを特定し、
前記トルク制限部は、前記トルク修正部に与えられた前記指令トルクの絶対値が前記制限トルク未満である場合には前記指令トルクを修正せず、前記絶対値が前記制限トルク以上である場合には前記絶対値を前記制限トルクに置き換え、
(i)前記第2の電流ベクトルは前記第1の電流ベクトルと同じであり前記第2の磁束ベクトルは前記第1の磁束ベクトルの位相を変化させたベクトルである、(ii)前記第2の電流ベクトルは前記第1の電流ベクトルの位相を変化させたベクトルであり前記第2の磁束ベクトルは前記第1の磁束ベクトルと同じである、又は、(iii)前記第2の電流ベクトルは前記第1の電流ベクトルの位相を変化させたベクトルであり前記第2の磁束ベクトルは前記第1の磁束ベクトルの位相を変化させたベクトルである、回転機制御装置を提供する。
本開示に係る技術によれば、3相回転機の電流を制限することができる。しかも、本開示に係る技術によれば、電流制限の精度を確保し易い。この技術によれば、3相回転機の回転数が高いときにおいても、電流制限の精度を確保し易い。
モータ制御装置のブロック図 dq座標系及びαβ座標系を説明するための図 モータ制御部のブロック図 PWMインバータの構成図 モータ制御部の動作を説明するためのタイムチャート モータ制御部のブロック図 発電機制御装置のブロック図 発電機制御部のブロック図 実施形態に係るモータ制御部の利点を説明するための図 実施形態に係るモータ制御部の利点を説明するための図 実施形態に係るモータ制御部の利点を説明するための図
(本発明者らによる知見)
本発明者らは、図9に示すようなモータ制御部901を検討した。モータ制御部901は、速度制御系で直接トルク制御を実現するための構成を有している。モータ制御部901では、図示しない電流センサによって、相電流iu,iwが検出される。相電流iu,iwは、U相電流iu及びW相電流iwをまとめて記載したものである。U相電流iu及びW相電流iwは、それぞれ検出された電流ベクトルiacのU相成分及びW相成分である。u,w/α,β変換部906によって、相電流iu,iwが、軸電流iα,iβに変換される。軸電流iα及び軸電流iβは、それぞれ検出された電流ベクトルiacのα軸成分及びβ軸成分である。磁束推定部908によって、軸指令電圧vα *,vβ *及び軸電流iα,iβから、モータの磁束ベクトルが推定される(推定磁束Ψsが特定される)。推定磁束Ψsのα軸成分及びβ軸成分をそれぞれ推定磁束Ψα及び推定磁束Ψβと記載する。推定磁束Ψsの振幅(絶対値)を|Ψs|と記載する。軸指令電圧vα *,vβ *は、次の制御サイクルにおいてモータに印加される電圧ベクトルを規定するものである。速度・位相推定部910によって、推定磁束Ψα,Ψβから、モータの磁束ベクトルの位相と、モータの回転数が推定される(推定位相θs及び推定回転数Nrが特定される)。トルク推定部909によって、推定磁束Ψα,Ψβ及び軸電流iα,iβから、モータのトルクが推定される(推定トルクTeが特定される)。指令トルク特定部921によって、推定回転数Nrが指令回転数Nref *に一致するように、(第1の)指令トルクTrefが特定される。制限トルク特定部915によって、推定磁束Ψα,Ψβ、振幅|Ψs|及び軸電流iα,iβから、制限トルクTlimが特定される。トルク制限部923によって、指令トルクTref及び制限トルクTlimから、(第2の)指令トルクTe *が特定される。指令トルクTe *は、モータのトルクが追従するべきトルクを表す。指令振幅特定部922によって、指令トルクTe *から、指令振幅|Ψs *|が特定される。トルク偏差特定部911によって、推定トルクTeと第2の指令トルクTe *との間の偏差(トルク偏差ΔT=Te *−Te)が求められる。指令位相特定部927によって、トルク偏差ΔT及び推定位相θsから、指令位相θs *が特定される。指令磁束特定部912によって、指令位相θs *及び指令振幅|Ψs *|から、指令磁束ベクトルΨs *が特定される。指令磁束ベクトルΨs *のα軸成分及びβ軸成分を、それぞれα軸指令磁束Ψα *及びβ軸指令磁束Ψβ *と記載する。α軸磁束偏差特定部913aによって、α軸指令磁束Ψα *と推定磁束Ψαとの間の偏差(磁束偏差ΔΨα=Ψα *−Ψα)が求められる。β軸磁束偏差特定部913bによって、β軸指令磁束Ψβ *と推定磁束Ψβとの間の偏差(磁束偏差ΔΨβ=Ψβ *−Ψβ)が求められる。指令電圧特定部907によって、磁束偏差ΔΨα,ΔΨβ及び軸電流iα,iβから、軸指令電圧vα *,vβ *が特定される。指令軸電圧vα *,vβ *は、モータのα−β座標上におけるα軸指令電圧vα *及びβ軸指令電圧vβ *をまとめて記載したものである。α,β/u,v,w変換部914によって、軸指令電圧vα *,vβ *が指令電圧ベクトルvu *,vv *,vw *に変換される。指令電圧ベクトルvu *,vv *,vw *に基づいてPWMインバータのスイッチングがなされる。
具体的に、磁束推定部908は、前の制御サイクルにおいて特定された現在の制御サイクル用の指令電圧ベクトルvα *,vβ *を用いて、現在の制御サイクルにおける推定磁束Ψsを特定する。制限トルク特定部915は、このようにして特定された推定磁束Ψsとともに軸電流iα,iβを用いて、トルク制限値Tlimを計算する。具体的には、制限トルク特定部915は、式(P−1)、(P−2)及び(P−3)に基づいて、トルク制限値Tlimを計算する。トルク制限部923は、第1の指令トルクTrefの絶対値がトルク制限値Tlim以上である場合、第1の指令トルクTrefの絶対値をトルク制限値Tlimに置き換えることによって、第2の指令トルクTe *を得る。そして、得られた第2の指令トルクTe *を出力する。一方、第1の指令トルクTrefの絶対値がトルク制限値Tlim未満である場合、第2の指令トルクTe *として第1の指令トルクTrefを出力する。式(P−1)及び(P−2)のPnは、モータの極対数である。式(P−1)のIamは、電流制限値である。
Figure 2017225233
図9の例では、制限トルク特定部915は、無効電力成分特定部952と、皮相電力成分特定部953と、有効電力成分特定部954とを有している。無効電力成分特定部952が、式(P−1)に基づいてTQを特定する。皮相電力成分特定部953が、式(P−2)に基づいてTAを特定する。有効電力成分特定部954が、式(P−3)に基づいてTlimを特定する。
制限トルク特定部915及びトルク制限部923が行おうとしている制御は、モータのトルクがトルク制限値Tlimを超えることを防止し(トルク制限をかけ)、これによりモータの電流ベクトルの振幅(絶対値)が電流制限値Iamを超えることを防止する(電流制限をかける)制御である。具体的には、トルク制限及び電流制限がかかっている状況において、トルクをトルク制限値Tlimに一致させ、電流ベクトルの振幅を電流制限値Iamを一致させる制御である。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、離散系で制御がなされていることが原因で、電流ベクトルの振幅は電流制限値Iamに厳密には一致しないことがある。以下、その理由を、図10及び図11を参照しながら説明する。
図10は、モータ制御部901の動作を説明するためのタイムチャートである。モータ制御部901は、周期Tsの各制御サイクル[k−1]、[k]、[k+1]・・・用に1つの指令電圧ベクトルを特定する(kは整数である)。タイムチャートの1段目の黒丸は、検出された電流ベクトルの振幅(絶対値)を表す。2段目は、次の制御サイクルにおける指令電圧ベクトルを特定する制御を表す。3段目の線分は、指令電圧ベクトルの振幅(絶対値)を表す。4段目の三角波は、PWMインバータの動作を規定するPWMキャリア信号を表す。なお、検出された電流ベクトルの振幅は、(iα 2+iβ 21/2である。指令電圧ベクトルの振幅は、(vα *2+vβ *21/2である。
図10の例では、制御サイクル[k+1]の開始時点において、電流ベクトルが検出される。制御サイクル[k]において制御サイクル[k+1]用の指令電圧ベクトルが特定される。制御サイクル[k+1]用の指令電圧ベクトルは、制御サイクル[k+1]においてモータに印加される電圧ベクトルを規定するベクトルを意味する。この例では、制御サイクル[k+1]において、制御サイクル[k+1]用の指令電圧ベクトルを平均値とする電圧ベクトルがモータに印加されるように、PWMインバータが動作する。この例では、PWMキャリア信号の周期は、制御サイクルの周期Tsと同じである。
図10に示す離散系の制御を行う場合、各制御サイクル用の指令電圧ベクトルを、各制御サイクルの中心時点(基準時点;図10において縦方向に延びる点線に対応)の指令電圧ベクトルと考えることができる。このように考えたとき、制御サイクル[k]において特定された制御サイクル[k+1]の基準時点における指令電圧ベクトルから、制御サイクル[k+1]における推定磁束Ψsが特定されると考えることができる。制御サイクル[k+1]の基準時点における指令電圧ベクトルから特定されるため、制御サイクル[k+1]における推定磁束は、制御サイクル[k+1]の基準時点において実際にモータに印加されている磁束ベクトルを推定したものと考えることができる。しかしながら、制御サイクル[k+1]における電流ベクトルiac(軸電流iα,iβ)は、電流検出時点において実際にモータを流れる電流ベクトルに対応するものである。図10の例では、電流検出時点は、制御サイクル[k+1]の基準時点ではなく、制御サイクル[k+1]の開始時点である。これらの時点には、半周期分のずれ(1/2×Tsのずれ)がある。このため、図11に示すように、電流ベクトルiacの位相は、基準時点における電流ベクトルiaの位相よりもωTs/2rad遅れている(ωは、モータの電気角速度(単位:rad/秒)であり、Nをモータの回転数(単位:回転/秒)としたときπ×Pn×N/30で与えられる)。つまり、制御サイクル[k+1]における推定磁束Ψsの位相に対する電流ベクトルiacの位相の進み角は、実際のモータにおける進み角よりもωTs/2rad小さい。このことは、制御サイクル[k+1]における推定磁束Ψs及び電流ベクトルiac(軸電流iα,iβ)の内積を用いて特定されたトルク制限値Tlimでは(式(P−1)参照)、精度のよい電流制限がかからないことを意味する。すなわち、そのような制限値Tlimでは、トルク制限がかかっている状況においてモータの電流ベクトルの振幅が電流制限値Iamに正確には一致しないことを意味する。この不一致は、モータの電気角速度が高いとき(つまり、回転数が高いとき)に顕在化する。電流ベクトルの振幅を電流制限値Iamに一致させる制御を発電機に応用する場合にも、同様の問題が発生する。
また、図を用いた説明は省略するが、制御サイクルの開始時点において検出された電流ベクトルが、該開始時点よりも前の時点においてモータ又は発電機を流れる電流ベクトルを表すと考えるべき場合もある。例えば、電流センサを構成するアナログ回路における位相遅れを無視できない場合がこの場合に該当する。また、制御サイクルの開始時点以外の時点において電流ベクトルが検出される場合にも、同様の問題が生じうる。
そこで、本発明者らは、制御精度、特に回転機の回転数が高いときにおける制御精度の点で、電流制限の技術を改良することを目指した。
すなわち、本開示の第1態様は、
制御サイクル毎に、次の制御サイクルにおいて3相回転機に印加されるトルク及び電圧ベクトルを規定する指令トルク及び指令電圧ベクトルを特定する回転機制御装置であって、
前記3相回転機の電流ベクトルを検出する電流検出部と、
前の制御サイクルにおいて特定された前記指令電圧ベクトルを用いて、現在の制御サイクルにおける前記3相回転機の磁束ベクトルを推定する磁束推定部と、
位相調整部、制限トルク特定部及びトルク制限部を有するトルク修正部と、を備え、
検出された前記電流ベクトルを第1の電流ベクトルと定義し、現在の制御サイクルにおいて推定された前記磁束ベクトルを第1の磁束ベクトルと定義したとき、前記位相調整部は、前記第1の電流ベクトル及び前記第1の磁束ベクトルからなる2つのベクトルを、第2の電流ベクトル及び第2の磁束ベクトルからなる2つのベクトルへと修正し、
前記制限トルク特定部は、前記第2の電流ベクトル及び前記第2の磁束ベクトルの内積と電流制限値とを用いて前記電流ベクトルの振幅を前記電流制限値に追従させる前記トルクである制限トルクを特定し、
前記トルク制限部は、前記トルク修正部に与えられた前記指令トルクの絶対値が前記制限トルク未満である場合には前記指令トルクを修正せず、前記絶対値が前記制限トルク以上である場合には前記絶対値を前記制限トルクに置き換え、
(i)前記第2の電流ベクトルは前記第1の電流ベクトルと同じであり前記第2の磁束ベクトルは前記第1の磁束ベクトルの位相を変化させたベクトルである、(ii)前記第2の電流ベクトルは前記第1の電流ベクトルの位相を変化させたベクトルであり前記第2の磁束ベクトルは前記第1の磁束ベクトルと同じである、又は、(iii)前記第2の電流ベクトルは前記第1の電流ベクトルの位相を変化させたベクトルであり前記第2の磁束ベクトルは前記第1の磁束ベクトルの位相を変化させたベクトルである、回転機制御装置を提供する。
2つのベクトルの内積は該2つのベクトルの位相差に依存する。電流ベクトルの検出のタイミング等によっては、第1の磁束ベクトルの位相に対する第1の電流ベクトルの位相の進み角(進み角θ1)が、実際の3相回転機における磁束ベクトルの位相に対する電流ベクトルの位相の進み角(進み角θact)からズレる。このズレがある場合、第1の磁束ベクトル及び第1の電流ベクトルの内積は、進み角θactを正確に反映したものとはならない。この点、第1態様では、位相調整により、第1の電流ベクトル及び第1の磁束ベクトルからなる2つのベクトルを第2の電流ベクトル及び第2の磁束ベクトルからなる2つのベクトルへと修正する。適切な位相調整を行うことにより、第2の磁束ベクトルの位相に対する第2の電流ベクトルの位相の進み角(進み角θ2)を、進み角θ1よりも進み角θactに近いものとすることができる。そして、第1態様では、第2の電流ベクトル及び第2の磁束ベクトルの内積を用いて制限トルクを特定する。トルク修正部に与えられた指令トルクの絶対値をそのような制限トルクに置き換えることは、3相回転機に印加される電流ベクトルの振幅を電流制限値に一致させる電流制限を正確に行う観点から有利である。また、第1態様に係る技術によれば、回転機の回転数が高いときにおいても、電流制限の精度を確保し易い。
本開示の第2態様は、第1態様に加え、
前記制限トルク特定部は、第1部分、第2部分及び第3部分を有し、
前記第1部分は、前記内積と、前記3相回転機の極対数との積である第1の積を特定し、
前記第2部分は、前記極対数と、前記第1の磁束ベクトルの振幅と、前記電流制限値との積である第2の積を特定し、
前記第3部分は、前記第2の積の2乗から前記第1の積の2乗を差し引いた値を1/2乗することによって前記制限トルクを特定する回転機制御装置を提供する。
第2態様の制限トルク特定部によれば、制限トルクを容易に特定することができる。
本開示の第3態様は、第1態様又は第2態様に加え、
前記第2の磁束ベクトルの位相に対する前記第2の電流ベクトルの位相の進み角は、前記第1の磁束ベクトルの位相に対する前記第1の電流ベクトルの位相の進み角よりも、前記3相回転機に印加されている前記磁束ベクトルの位相に対する前記3相回転機を流れている前記電流ベクトルの位相の進み角に近い回転機制御装置を提供する。
第3態様における進み角Δθ2の進み角Δθactからのズレは、進み角Δθ1のΔθactからのズレよりも小さい。すなわち、第2の磁束ベクトル及び第2の電流ベクトルの内積は、第1の磁束ベクトル及び第1の電流ベクトルの内積に比べて、進み角Δθactを正確に反映したものとなる。第3態様では、そのような内積(第2の磁束ベクトル及び第2の電流ベクトルの内積)を用いて制限トルクを特定する。トルク修正部に与えられた指令トルクの絶対値をそのような制限トルクに置き換えることは、3相回転機に印加される電流ベクトルの振幅を電流制限値に一致させる電流制限を正確に行う観点から有利である。
本開示の第4態様は、第3態様に加え、
前記第2の磁束ベクトルの位相に対する前記第2の電流ベクトルの位相の進み角は、前記3相回転機に印加されている前記磁束ベクトルの位相に対する前記3相回転機を流れている前記電流ベクトルの位相の進み角と同じである回転機制御装置を提供する。
第4態様によれば、進み角Δθ2の進み角Δθactからのズレがゼロとなる。すなわち、第2の磁束ベクトル及び第2の電流ベクトルの内積は、進み角Δθactを正確に反映したものとなる。第4態様では、そのような内積を用いて制限トルクを特定する。トルク修正部に与えられた指令トルクの絶対値をそのような制限トルクに置き換えることは、3相回転機に印加される電流ベクトルの振幅を電流制限値に一致させる電流制限を正確に行う観点から特に有利である。
本開示の第5態様は、第1態様〜第4態様に加え、
前記第1の電流ベクトルは、現在の制御サイクルの中心時点よりも期間te前の時点における前記3相回転機の前記電流ベクトルを表し、
前記第2の磁束ベクトルの位相に対する前記第2の電流ベクトルの位相の進み角は、前記第1の磁束ベクトルの位相に対する前記第1の電流ベクトルの位相の進み角よりも角度Δθb大きく、
前記角度Δθbは、ゼロよりも大きく、前記電流ベクトルの位相の変化速度と前記期間teとの積の2倍よりも小さい回転機制御装置を提供する。
ここで、前記期間teは非ゼロである。
磁束推定部は、前の制御サイクルにおいて特定された指令電圧ベクトルを用いて、現在の制御サイクルにおける3相回転機の磁束ベクトルを推定する。この推定された磁束ベクトルは、現在の制御サイクルの中心時点における3相回転機の磁束ベクトルに対応すると考えることができる場合がある。第1の磁束ベクトルについても同様である。第1の電流ベクトルがこの中心時点よりも期間te前における3相回転機の電流ベクトルを表すものである場合、第1の磁束ベクトルの位相に対する第1の電流ベクトルの位相の進み角(進み角Δθ1)は、実際の3相回転機における磁束ベクトルの位相に対する電流ベクトルの位相の進み角(進み角Δθact)よりも、電流ベクトルの位相の変化速度と期間teとの積の分だけ小さいことになる。期間teは非ゼロであるので、第1の磁束ベクトル及び第1の電流ベクトルの内積は、実際の3相回転機における磁束ベクトルの位相に対する電流ベクトルの進み角を正確に反映したものとは言えない。この点、第5態様の第2の磁束ベクトルの位相に対する第2の電流ベクトルの位相の進み角(進み角Δθ2)は進み角Δθ1よりも角度Δθb大きく、角度Δθbはゼロよりも大きく上記積の2倍よりも小さいため、進み角Δθ2は進み角Δθ1よりも進み角Δθactに近い。すなわち、第2の磁束ベクトル及び第2の電流ベクトルの内積は、第1の磁束ベクトル及び第1の電流ベクトルの内積に比べて、進み角Δθactを正確に反映したものとなる。第5態様では、そのような内積(第2の磁束ベクトル及び第2の電流ベクトルの内積)を用いて制限トルクを特定する。トルク修正部に与えられた指令トルクの絶対値をそのような制限トルクに置き換えることは、3相回転機に印加される電流ベクトルの振幅を電流制限値に一致させる電流制限を正確に行う観点から有利である。
本開示の第6態様は、第5態様に加え、
前記角度Δθbは、前記電流ベクトルの位相の変化速度と前記期間teとの積である回転機制御装置を提供する。
第6態様の進み角Δθ2は進み角Δθ1よりも角度Δθb大きく、角度Δθbは電流ベクトルの位相の変化速度と期間teとの積であるため、進み角Δθ2は進み角Δθactに一致する。すなわち、第2の磁束ベクトル及び第2の電流ベクトルの内積は、進み角Δθactを正確に反映したものとなる。第6態様では、そのような内積を用いて制限トルクを特定する。トルク修正部に与えられた指令トルクの絶対値をそのような制限トルクに置き換えることは、3相回転機に印加される電流ベクトルの振幅を電流制限値に一致させる電流制限を正確に行う観点から特に有利である。
本開示の第7態様は、第5態様又は第6態様に加え、
制御サイクルの周期を周期Tsと定義したとき、前記期間teは、(a)前記周期Tsの−1/2倍よりも大きくゼロよりも小さい、(b)ゼロよりも大きく前記周期Tsの1/2倍以下である、又は、(c)前記周期Tsの1/2倍よりも大きく前記周期Tsの3/2倍以下である回転機制御装置を提供する。
第7態様の(a)は、第1の電流ベクトルが現在の制御サイクルの中心時点よりも後かつ終了時点よりも前の時点における3相回転機の電流ベクトルを表すものである場合に、3相回転機に印加される電流ベクトルの振幅を電流制限値に一致させる電流制限を正確に行うことに適している。第7態様の(b)は、第1の電流ベクトルが現在の制御サイクルの開始時点以後かつ中心時点よりも前の時点における3相回転機の電流ベクトルを表すものである場合に、上記電流制限を正確に行うことに適している。第7態様の(c)は、第1の電流ベクトルが前の制御サイクルにおける3相回転機の電流ベクトルを表すものである場合に、上記電流制限を正確に行うことに適している。
本開示の第8態様は、第1態様〜第7態様に加え、
前記第2の磁束ベクトルの位相に対する前記第2の電流ベクトルの位相の進み角は、前記第1の磁束ベクトルの位相に対する前記第1の電流ベクトルの位相の進み角よりも角度Δθb大きく、
制御サイクルの周期を周期Tsと定義したとき、前記角度Δθbは、(A)前記電流ベクトルの位相の変化速度と前記周期Tsとの積の−1/2倍よりも大きくゼロよりも小さい、(B)ゼロよりも大きく前記電流ベクトルの位相の変化速度と前記周期Tsとの積の1/2倍以下である、又は、(C)前記電流ベクトルの位相の変化速度と前記周期Tsとの積の1/2倍よりも大きく前記電流ベクトルの位相の変化速度と前記周期Tsとの積の3/2倍以下である回転機制御装置を提供する。
角度Δθbの範囲の例は、第8態様で規定しているように周期Tsを用いて表現することもできる。
本開示の第9態様は、第1態様〜第8態様に加え、
(I)前記第2の電流ベクトルは前記第1の電流ベクトルと同じであり前記第2の磁束ベクトルは前記第1の磁束ベクトルの位相を遅らせたベクトルである、(II)前記第2の電流ベクトルは前記第1の電流ベクトルの位相を進ませたベクトルであり前記第2の磁束ベクトルは前記第1の磁束ベクトルと同じである、又は、(III)前記第2の電流ベクトルは前記第1の電流ベクトルの位相を進ませたベクトルであり前記第2の磁束ベクトルは前記第1の磁束ベクトルの位相を遅らせたベクトルである回転機制御装置を提供する。
第9態様は、進み角Δθ1が進み角Δθactよりも小さい場合に、3相回転機に印加される電流ベクトルの振幅を電流制限値に一致させる電流制限を正確に行うことに適している。
本開示の第10態様は、第1態様〜第9態様に加え、
前記位相調整部は、ルックアップテーブルを用いて、前記電流ベクトルの位相の変化速度に応じて、前記第1の電流ベクトル及び前記第1の磁束ベクトルからなる2つのベクトルを、前記第2の電流ベクトル及び前記第2の磁束ベクトルからなる2つのベクトルへと修正する回転機制御装置を提供する。
第10態様では、ルックアップテーブルを用いる。ルックアップテーブルによれば、簡便に、第1の電流ベクトル及び第1の磁束ベクトルからなる2つのベクトルを、第2の電流ベクトル及び第2の磁束ベクトルからなる2つのベクトルへと修正することができる。また、ルックアップテーブルによれば、アナログ回路による位相遅れを考慮してこの修正を行うこともできる。
本開示の第11態様は、第1態様〜第10態様に加え、
前記第2の磁束ベクトルの位相に対する前記第2の電流ベクトルの位相の進み角は、前記第1の磁束ベクトルの位相に対する前記第1の電流ベクトルの位相の進み角よりも角度Δθb大きく、
前記電流ベクトルの位相の変化速度の絶対値が大きければ大きいほど、前記角度Δθbの絶対値を大きくする回転機制御装置を提供する。
第11態様のように角度Δθbを設定することは、3相回転機の回転数が低い場合と高い場合の両方において、3相回転機に印加される電流ベクトルの振幅を電流制限値に一致させる電流制限を正確に行うことに適している。
本開示の第12態様は、第1態様〜第11態様に加え、
前記回転機制御装置は、制御サイクル毎に、次の制御サイクルにおいて前記3相回転機に印加される前記磁束ベクトルを規定する指令磁束ベクトルを特定し、
前記回転機制御装置は、
検出された前記電流ベクトル及び現在の制御サイクルにおいて推定された前記磁束ベクトルから現在の制御サイクルにおける前記トルクを推定する、又は前記第2の電流ベクトル及び前記第2の磁束ベクトルから現在の制御サイクルにおける前記トルクを推定するトルク推定部と、
前記トルク制限部から出力された前記指令トルクを用いて指令振幅を特定する指令振幅特定部と、
前記トルク制限部から出力された前記指令トルクと推定された前記トルクとの間の偏差であるトルク偏差をゼロに近づけるフィードバック制御を含む制御を実行することによって、前記トルク偏差をゼロに近づける指令位相を特定する指令位相特定部と、
振幅が前記指令振幅であり位相が前記指令位相である前記指令磁束ベクトルを特定する指令磁束特定部と、を備える回転機制御装置を提供する。
第12態様によれば、トルク修正部で修正された指令トルクを活かして指令磁束ベクトルを特定することができる。
本開示の第13態様は、
制御サイクル毎に、次の制御サイクルにおいて3相回転機に印加されるトルク及び電圧ベクトルを規定する指令トルク及び指令電圧ベクトルを特定する回転機制御方法であって、
前記3相回転機の電流ベクトルを検出する電流検出ステップと、
前の制御サイクルにおいて特定された前記指令電圧ベクトルを用いて、現在の制御サイクルにおける前記3相回転機の磁束ベクトルを推定する磁束推定ステップと、
位相調整ステップ、制限トルク特定ステップ及びトルク制限ステップを有するトルク修正ステップと、を備え、
検出された前記電流ベクトルを第1の電流ベクトルと定義し、現在の制御サイクルにおいて推定された前記磁束ベクトルを第1の磁束ベクトルと定義したとき、前記位相調整ステップは、前記第1の電流ベクトル及び前記第1の磁束ベクトルからなる2つのベクトルを、第2の電流ベクトル及び第2の磁束ベクトルからなる2つのベクトルへと修正し、
前記制限トルク特定ステップは、前記第2の電流ベクトル及び前記第2の磁束ベクトルの内積と電流制限値とを用いて前記電流ベクトルの振幅を前記電流制限値に追従させる前記トルクである制限トルクを特定し、
前記トルク制限ステップは、前記トルク修正部に与えられた前記指令トルクの絶対値が前記制限トルク未満である場合には前記指令トルクを修正せず、前記絶対値が前記制限トルク以上である場合には前記絶対値を前記制限トルクに置き換え、
(i)前記第2の電流ベクトルは前記第1の電流ベクトルと同じであり前記第2の磁束ベクトルは前記第1の磁束ベクトルの位相を変化させたベクトルである、(ii)前記第2の電流ベクトルは前記第1の電流ベクトルの位相を変化させたベクトルであり前記第2の磁束ベクトルは前記第1の磁束ベクトルと同じである、又は、(iii)前記第2の電流ベクトルは前記第1の電流ベクトルの位相を変化させたベクトルであり前記第2の磁束ベクトルは前記第1の磁束ベクトルの位相を変化させたベクトルである、回転機制御方法を提供する。
第13態様によれば、第1態様の効果と同じ効果を得ることができる。
回転機制御装置の技術は、回転機制御方法に適用できる。回転機制御方法の技術は、回転機制御装置に適用できる。
本開示の第14態様は、第13態様の回転機制御方法を実行するための命令を含む、コンピュータプログラムを提供する。
本開示の第15態様は、第14態様のコンピュータプログラムが格納された、コンピュータによる読み取りが可能なメモリを提供する。
本開示の第16態様は、第14態様のコンピュータプログラムを実行するプロセッサを提供する。
本開示の第17態様は、
第14態様のコンピュータプログラムが格納された、コンピュータによる読み取りが可能なメモリと、
前記コンピュータプログラムを実行するプロセッサと、を備えた制御システムを提供する。
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1に示すように、モータ制御装置100は、第1電流センサ105a、第2電流センサ105b、モータ制御部101及びデューティ生成部103を含んでいる。モータ制御装置100は、PWMインバータ(PWM方式で電力変換を行う電力変換回路)104及び3相モータ102に接続され得る。
モータ制御部101は、速度制御系で直接トルク制御を実現するための構成を有している。また、モータ制御部101は、3相モータ102の位置センサレス運転を実行するように構成されている。位置センサレス運転は、エンコーダ、レゾルバ等の位置センサを用いない運転である。本実施形態の位置センサレス運転では、3相モータ102の磁束ベクトルを推定する。そして、推定された磁束ベクトルの位相を用いて磁束ベクトルを制御する。磁束ベクトルは、3相モータ102に印加されている3相交流座標上の電機子鎖交磁束と、この電機子鎖交磁束を座標変換することにより得た磁束の両方を含む概念である。同様に、電流ベクトルは、3相モータ102を流れている3相交流座標上の電流ベクトルと、この電流ベクトルを座標変換することにより得た電流ベクトルの両方を含む概念である。同様に、電圧ベクトルは、3相モータ102に印加されている3相交流座標上の電圧ベクトルと、この電圧ベクトルを座標変換することにより得た電圧ベクトルの両方を含む概念である。本明細書では、「振幅」は、単に大きさ(絶対値)を指す場合がある。
モータ制御装置100の一部又は全部の要素は、DSP(Digital Signal Processor)又はマイクロコンピュータにおいて実行される制御アプリケーションによって提供され得る。DSP又はマイクロコンピュータは、コア、メモリ、A/D変換回路及び通信ポート等の周辺装置を含んでいてもよい。また、モータ制御装置100の一部又は全部の要素は、論理回路によって構成されていてもよい。
(モータ制御装置100を用いた制御の概要)
図1を参照しながら、モータ制御装置100を用いた制御の概要を説明する。電流センサ105a,105bによって、相電流iu,iwが検出される。相電流iu,iwは、U相電流iu及びW相電流iwをまとめて記載したものである。U相電流iu及びW相電流iwは、それぞれ検出された電流ベクトルiacのU相成分及びW相成分である。モータ制御部101によって、指令回転数Nref *及び相電流iu,iwから、指令電圧ベクトルvu *,vv *,vw *が特定される。指令電圧ベクトルvu *,vv *,vw *の各成分は、それぞれ3相交流座標上のU相電圧、V相電圧及びW相電圧に対応する。デューティ生成部103によって、指令電圧ベクトルvu *,vv *,vw *から、デューティDu,Dv,Dwが生成される。PWMインバータ104によって、デューティDu,Dv,Dwから、3相モータ102に印加するべき電圧ベクトルvu,vv,vwが生成される。指令回転数Nref *は、上位制御装置からモータ制御装置100に与えられる。指令回転数Nref *は、3相モータ102の回転数が追従するべき回転数(単位:回転/秒)を表す。このような制御により、3相モータ102は、回転数が指令回転数Nref *に追従するように制御される。
指令電圧ベクトルvu *,vv *,vw *は、逐次更新される。本明細書では、指令電圧ベクトルvu *,vv *,vw *が更新されてから次に更新されるまでのサイクルを「制御サイクル」と称する。本実施形態では、制御サイクル毎に、指令トルク及び指令電圧ベクトルvu *,vv *,vw *が特定される。特定された指令トルクは、次の制御サイクルにおいて3相モータ102に印加されるトルクを規定する。特定された指令電圧ベクトルvu *,vv *,vw *は、次の制御サイクルにおいて3相モータ102に印加される電圧ベクトルvu,vv,vwを規定する。本実施形態の各制御サイクルは、周期Tsを有する。
以下では、α−β座標(2相座標)に基づいてモータ制御装置100を説明することがある。また、d−q座標(第2の2相座標)に基づいてモータ制御装置100を説明することもある。図2に、α−β座標及びd−q座標を示す。α−β座標は、固定座標である。α−β座標は、静止座標とも交流座標とも称される。α軸は、U軸(図2では省略)と同一方向に延びる軸として設定される。d−q座標は、回転座標である。θは、U軸からみたd軸の進み角である。θは、ロータ位置とも称される。
(モータ制御部101について)
図3に示すように、モータ制御部101は、u,w/α,β変換部(3相2相座標変換部)106、指令電圧特定部107、磁束推定部108、トルク推定部109、速度・位相推定部110、指令トルク特定部121、トルク修正部150、指令振幅特定部122、トルク偏差特定部111、指令位相特定部127、指令磁束特定部112、α軸磁束偏差特定部113a、β軸磁束偏差特定部113b及びα,β/u,v,w変換部(2相3相座標変換部)114を含んでいる。トルク修正部150は、位相調整部151、制限トルク特定部115及びトルク制限部123を含んでいる。
モータ制御部101では、u,w/α,β変換部(3相2相座標変換部)106によって、相電流iu,iwが、軸電流iα,iβに変換される。軸電流iα,iβは、3相モータ102のα−β座標上におけるα軸電流iα及びβ軸電流iβをまとめて記載したものである。相電流iu,iw及び軸電流iα,iβは電流ベクトルであるので、相電流iu,iw及び軸電流iα,iβをそれぞれ電流ベクトルiu,iw及び電流ベクトルiα,iβと称することができる。磁束推定部108によって、指令軸電圧vα *,vβ *及び軸電流iα,iβから、3相モータ102の磁束ベクトルが推定される(推定磁束Ψsが特定される)。推定磁束Ψsのα軸成分及びβ軸成分をそれぞれ推定磁束Ψα及び推定磁束Ψβと記載する。推定磁束Ψsの振幅を|Ψs|と記載する。軸指令電圧vα *,vβ *は、次の制御サイクルにおいてモータに印加される電圧ベクトルを規定するものである。速度・位相推定部110によって、推定磁束Ψα,Ψβから、3相モータ102の磁束ベクトルの位相と、3相モータ102の回転数が推定される(推定位相θs及び推定回転数Nrが特定される)。トルク推定部109によって、推定磁束Ψα,Ψβ及び軸電流iα,iβから、3相モータ102のトルクが推定される(推定トルクTeが特定される)。指令トルク特定部121によって、推定回転数Nrが指令回転数Nref *に一致するように、(第1の)指令トルクTrefが特定される。位相調整部151によって、推定磁束Ψα,Ψβから、仮想的な磁束Ψα_b,Ψβ_bが特定される。制限トルク特定部115によって、磁束Ψα_b,Ψβ_b、振幅|Ψs|及び軸電流iα,iβから、制限トルクTlimが特定される。トルク制限部123によって、指令トルクTref及び制限トルクTlimから、(第2の)指令トルクTe *が特定される。指令トルクTe *は、3相モータ102のトルクが追従するべきトルクを表す。指令振幅特定部122によって、指令トルクTe *から指令振幅|Ψs *|が特定される。トルク偏差特定部111によって、推定トルクTeと指令トルクTe *との偏差(トルク偏差ΔT=Te *−Te)が求められる。指令位相特定部127によって、トルク偏差ΔT及び推定位相θsから、指令位相θs *が特定される。指令磁束特定部112によって、指令位相θs *及び指令振幅|Ψs *|から、指令磁束ベクトルΨs *が特定される。指令磁束ベクトルΨs *のα軸成分及びβ軸成分を、それぞれα軸指令磁束Ψα *及びβ軸指令磁束Ψβ *と記載する。α軸磁束偏差特定部113aによって、α軸指令磁束Ψα *と推定磁束Ψαとの偏差(磁束偏差ΔΨα=Ψα *−Ψα)が求められる。β軸磁束偏差特定部113bによって、β軸指令磁束Ψβ *と推定磁束Ψβとの偏差(磁束偏差ΔΨβ=Ψβ *−Ψβ)が求められる。指令電圧特定部107によって、磁束偏差ΔΨα,ΔΨβ及び軸電流iα,iβから、指令軸電圧vα *,vβ *が特定される。指令軸電圧vα *,vβ *は、3相モータ102のα−β座標上におけるα軸指令電圧vα *及びβ軸指令電圧vβ *をまとめて記載したものである。指令軸電圧vα *,vβ *は電圧ベクトルであるので、指令軸電圧vα *,vβ *を指令電圧ベクトルvα *,vβ *と称することができる。α,β/u,v,w変換部114によって、指令軸電圧vα *,vβ *が、指令電圧ベクトルvu *,vv *,vw *に変換される。
このような制御(フィードバック制御)により、3相モータ102のトルクが指令トルクTe *に追従し、3相モータ102の磁束ベクトルが指令磁束ベクトルΨs *に追従する(3相モータ102の磁束ベクトルの振幅が指令振幅|Ψs *|に追従する)ように、PWMインバータ104を介して3相モータ102に電圧ベクトルが印加される。
本明細書では、軸電流iα,iβは、実際に3相モータ102を流れる電流ではなく、情報として伝達される電流値を意味する。指令軸電圧vα *,vβ *、推定磁束Ψs、磁束Ψα_b,Ψβ_b、推定位相θs、推定トルクTe、指令トルクTref、制限トルクTlim、指令トルクTe *、指令回転数Nref *、指令位相θs *、指令振幅|Ψs *|、指令磁束ベクトルΨs *、指令電圧ベクトルvu *,vv *,vw *等も同様である。
本実施形態の制御に関する各構成要素について、以下で説明する。
(第1電流センサ105a、第2電流センサ105b)
第1電流センサ105a及び第2電流センサ105bは、3相モータ102の相電流(電流ベクトル)iu,iwを検出する。図1に示す第1電流センサ105a及び第2電流センサ105bとして、公知の電流センサを用いることができる。本実施形態では、第1電流センサ105aは、u相を流れる相電流iuを測定するように設けられている。第2電流センサ105bは、w相を流れる相電流iwを測定するように設けられている。ただし、第1電流センサ105a及び第2電流センサ105bは、u相及びw相の2相以外の組み合わせの2相の電流を測定するように設けられていてもよい。以下では、第1電流センサ105a及び第2電流センサ105bの組み合わせを電流検出部と称することがある。電流検出部は、電流ベクトルを検出する。
(u,w/α,β変換部106)
図3に示すu,w/α,β変換部106は、相電流iu,iwを軸電流iα,iβに変換する。具体的に、u,w/α,β変換部106は、式(1)及び(2)により、相電流iu,iwを軸電流iα,iβに変換して、軸電流iα,iβを出力する。
Figure 2017225233
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(磁束推定部108)
磁束推定部108は、前の制御サイクルにおいて特定された指令軸電圧(指令電圧ベクトル)vα *,vβ *を用いて、現在の制御サイクルにおける3相モータ102の磁束ベクトルを推定する(推定磁束Ψsを特定する)。具体的には、磁束推定部108は、軸電流iα,iβ及び指令軸電圧vα *,vβ *から、推定磁束Ψs(推定磁束Ψα,Ψβ)を求める。より具体的には、磁束推定部108は、式(3)、(4)及び(5)を用いて、推定磁束Ψα,Ψβ、及び推定磁束Ψsの振幅|Ψs|を求める。式(3)及び(4)におけるΨα|t=0、Ψβ|t=0は、それぞれ推定磁束Ψα,Ψβの初期値である。式(3)及び(4)におけるRは、3相モータ102の巻線抵抗である。本実施形態では、式(3)及び(4)における演算のために必要となる積分器は離散系で構成されている。
Figure 2017225233
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(トルク推定部109)
トルク推定部109は、検出された電流ベクトルiac(軸電流iα,iβ)と、現在の制御サイクルにおいて推定された磁束ベクトルである推定磁束Ψα,Ψβとから、現在の制御サイクルにおけるトルクを推定する(推定トルクTeを特定する)。具体的には、トルク推定部109は、式(6)を用いて、推定トルクTeを求める。式(6)におけるPnは、3相モータ102の極対数である。
Figure 2017225233
(速度・位相推定部110)
速度・位相推定部110は、推定磁束Ψs(推定磁束Ψα,Ψβ)から磁束ベクトルの位相を推定する(推定位相θsを特定する)。具体的に、速度・位相推定部110は、式(7)により、推定位相θsを求める。また、速度・位相推定部110は、現在の制御サイクルにおいて求めた推定位相θs(n)と、前回の制御サイクルにおいて求めた推定位相θs(n−1)とを用いて、式(8)により、3相モータ102の回転数を推定する(推定回転数Nrを特定する)。速度・位相推定部110は、公知の位相推定器である。ここで、Tsは各制御サイクルの周期(制御周期)を意味する。nは、n番目の制御サイクルであることを示す。nは整数である。
Figure 2017225233
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(指令トルク特定部121)
指令トルク特定部121は、指令回転数Nref *及び推定回転数Nrから、(第1の)指令トルクTrefを特定する。具体的に、指令トルク特定部121は、式(9)により、指令トルクTrefを求める。式(9)におけるKsPは比例ゲインである。KsIは積分ゲインである。指令トルク特定部121は、公知のPI補償器である。
Figure 2017225233
(トルク修正部150)
トルク修正部150は、指令トルクを修正可能である。指令トルクは、次の制御サイクルにおいて3相モータ102に印加されるトルクを規定するものである。トルク修正部150は、位相調整部151、制限トルク特定部115及びトルク制限部123を有する。
(位相調整部151)
位相調整部151は、推定磁束Ψα,Ψβの位相を調整して、仮想的な磁束Ψα_b,Ψβ_bを得る。具体的には、位相調整部151は、式(10)により、推定磁束Ψα,Ψβの位相を△θb遅らせる。式(10)のΨαβは、推定磁束Ψα,Ψβをベクトル表記により表したものである。Ψαβは、Ψsと同じである。式(10)のΨαβ_bは、Ψαβの位相を△θb遅らせたものである。以下では、Ψαβ_bのα軸成分をΨα_bと記載し、Ψαβ_bのβ軸成分をΨβ_bと記載することがある。
Figure 2017225233
(制限トルク特定部115)
制限トルク特定部115は、軸電流iα,iβ、仮想的な磁束Ψα_b,Ψβ_b及び推定磁束Ψsの振幅|Ψs|から、制限トルクTlimを特定する。制限トルク特定部115は、無効電力成分特定部152と、皮相電力成分特定部153と、有効電力成分特定部154とを有している。
(無効電力成分特定部152)
無効電力成分特定部152は、仮想的な磁束Ψα_b,Ψβ_b及び軸電流iα,iβから、無効電力に関係する成分TQを特定する。具体的には、無効電力成分特定部152は、式(11)により、無効電力成分TQを演算する。無効電力成分TQは、仮想的な磁束Ψα_b,Ψβ_b及び軸電流iα,iβの内積と、3相モータ102の極対数Pnとの積である。
Figure 2017225233
(皮相電力成分特定部153)
皮相電力成分特定部153は、推定磁束Ψsの振幅|Ψs|から、皮相電力に関係する成分TAを特定する。具体的には、皮相電力成分特定部153は、式(12)により、皮相電力成分TAを演算する。式(12)のIamは、電流制限値である。
Figure 2017225233
(有効電力成分特定部154)
有効電力成分特定部154は、無効電力成分TQ及び皮相電力成分TAから、制限トルクTlimを特定する。具体的に、有効電力成分特定部154は、式(13)により、制限トルクTlimを演算する。
Figure 2017225233
制限トルク特定部115によれば、トルク制限値Tlimを運転状態に応じて逐次更新することが可能となる。
(トルク制限部123)
トルク制限部123は、(第1の)指令トルクTrefから、(第2の)指令トルクTe *を特定する。具体的に、トルク制限部123は、式(14)により、指令トルクTe *を求める。すなわち、トルク制限部123は、指令トルクを修正可能である。
Figure 2017225233
(指令振幅特定部122)
指令振幅特定部122は、指令トルクTe *を用いて指令振幅|Ψs *|を特定する。指令振幅特定部122は、ルックアップテーブル、計算式(近似式)が格納された演算子等を用いて構成できる。ルックアップテーブルを用いる場合、指令トルクTe *と指令振幅|Ψs *|との対応関係を表すルックアップテーブルを事前に準備することができる。演算子における計算式も、事前に準備できる。このようなルックアップテーブル及び計算式は、予め行った測定データ又は理論に基づいて設定できる。指令振幅|Ψs *|の具体的な特定方法は、公知の文献(武田洋次、森本茂雄、松井信行、本田幸夫、「埋込磁石同期モータの設計と制御」、株式会社オーム社、2001年10月25日発行、等)を参照することにより理解され得る。本実施形態では、最小の電流で最大のトルクを発生できる最大トルク/電流制御(MTPA)を満たすトルクと磁束との関係を利用する。本実施形態における指令振幅特定部122は、磁束パラメータ|Ψa|を用いて指令振幅|Ψs *|を求める。磁束パラメータ|Ψa|は、3相モータ102における永久磁石が作る磁石磁束の振幅として与えられた定数である。
(トルク偏差特定部111)
トルク偏差特定部111は、指令トルクTe *と推定トルクTeとの偏差(トルク偏差ΔT:Te *−Te)を求める。トルク偏差特定部111としては、公知の演算子を用いることができる。
(指令位相特定部127)
指令位相特定部127は、トルク偏差ΔT及び推定位相θsから、指令位相θs *を特定する。具体的には、指令位相特定部127は、式(15)により磁束ベクトルの回転量Δθsを求め、式(16)により指令位相θs *を求める。式(15)におけるKθPは比例ゲインである。KθIは積分ゲインである。すなわち、指令位相特定部127は、指令位相θs *を、トルク偏差ΔTをゼロに近づけるフィードバック制御(具体的には、比例積分制御)を含む制御によって特定する。この点で、指令位相特定部127は、トルクの補償機構を構成するともいえる。本実施形態では、式(15)における演算のために必要となる積分器は、離散系で構成されている。
Figure 2017225233
Figure 2017225233
(指令磁束特定部112)
指令磁束特定部112は、制御サイクル毎に、指令位相θs *及び指令振幅|Ψs *|を用いて、指令磁束ベクトルΨs *を特定する。特定された指令磁束ベクトルΨs *は、次の制御サイクルにおいて3相モータ102に印加される磁束ベクトルを規定する。具体的に、式(17)及び(18)を用いて、指令磁束ベクトルΨα *,Ψβ *を求める。指令磁束Ψα *は、指令磁束ベクトルΨα *,Ψβ *のα軸成分である。指令磁束Ψβ *は、指令磁束ベクトルΨα *,Ψβ *のβ軸成分である。
Figure 2017225233
Figure 2017225233
なお、指令振幅特定部122、指令位相特定部127及び指令磁束特定部112は、1つのまとまった演算部を構成していてもよい。
(α軸磁束偏差特定部113a、β軸磁束偏差特定部113b)
α軸磁束偏差特定部113aは、指令磁束Ψα *と推定磁束Ψαを取得し、これらの偏差(磁束偏差ΔΨα:Ψα *−Ψα)を求める。β軸磁束偏差特定部113bは、指令磁束Ψβ *と推定磁束Ψβを取得し、これらの偏差(磁束偏差ΔΨβ:Ψβ *−Ψβ)を求める。磁束偏差特定部113a,113bとしては、公知の演算子を用いることができる。
(指令電圧特定部107)
指令電圧特定部107は、制御サイクル毎に、指令軸電圧(指令電圧ベクトル)vα *,vβ *を特定する。特定された指令軸電圧vα *,vβ *は、次の制御サイクルにおいて3相モータ102に印加される電圧ベクトルを規定する。具体的には、指令電圧特定部107は、磁束偏差ΔΨα,ΔΨβ及び軸電流iα,iβから、指令軸電圧vα *,vβ *を求める。より具体的には、指令電圧特定部107は、式(19)を用いてα軸指令電圧vα *を求め、式(20)を用いてβ軸指令電圧vβ *を求める。
Figure 2017225233
Figure 2017225233
(α,β/u,v,w変換部114)
α,β/u,v,w変換部114は、指令軸電圧vα *,vβ *を、指令電圧ベクトルvu *,vv *,vw *に変換する。具体的に、α,β/u,v,w変換部114は、式(21)により、指令軸電圧vα *,vβ *を指令電圧ベクトルvu *,vv *,vw *に変換して、指令電圧ベクトルvu *,vv *,vw *を出力する。
Figure 2017225233
(デューティ生成部103)
図1に示すデューティ生成部103は、指令電圧ベクトルvu *,vv *,vw *から、デューティDu,Dv,Dwを生成する。本実施形態では、デューティ生成部103は、指令電圧ベクトルvu *,vv *,vw *の各成分を、各相のデューティDu,Dv,Dwに変換する。デューティDu,Dv,Dwの生成方法としては、一般的な電圧形PWMインバータに用いられる方法を用いることができる。例えば、デューティDu,Dv,Dwは、指令電圧ベクトルvu *,vv *,vw *を、直流電源118(図4)の電圧値Vdcの半分の値で除すことにより求めてもよい。この場合、デューティDuは、2×vu */Vdcである。デューティDvは、2×vv */Vdcである。デューティDwは、2×vw */Vdcである。デューティ生成部103は、デューティDu,Dv,Dwを出力する。
(PWMインバータ104)
図1及び図4に示すように、PWMインバータ104は、スイッチング素子119a,119b,119c,119d,119e,119f及び還流ダイオード120a,120b,120c,120d,120e,120fが対になった変換回路、ベースドライバ116、平滑コンデンサ117及び直流電源118を含む。直流電源118は、ダイオードブリッジ等によって整流された出力を表す。
PWMインバータ104は、PWM制御によって3相モータ102に電圧ベクトルを印加する。具体的には、3相モータ102への給電は、スイッチング素子119a〜119fを介して、直流電源118から行われる。より具体的には、まず、デューティDu,Dv,Dwがベースドライバ116に入力される。次に、デューティDu,Dv,Dwがスイッチング素子119a〜119fを電気的に駆動するためのドライブ信号に変換される。次に、ドライブ信号に従って各スイッチング素子119a〜119fが動作する。
本実施形態では、PWMインバータ104は、スイッチング素子119a〜119fを用いた3相スイッチング回路である。スイッチング素子119a〜119fとしては、例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)及びIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が挙げられる。
本実施形態のモータ制御装置100は、PMWインバータ104を用いて、電圧ベクトルを3相モータ102に印加する。具体的には、モータ制御装置100は、PMWインバータ104を用いて、前の制御サイクルにおいて特定された現在の制御サイクル用の指令電圧ベクトルを平均値とする電圧ベクトルを3相モータ102に印加する。
(3相モータ102)
図1に示す3相モータ102は、モータ制御装置100の制御対象である。3相モータ102には、PWMインバータ104によって、電圧ベクトルが印加される。「3相モータ102に電圧ベクトルが印加される」とは、3相モータ102における3相交流座標上の3相(U相、V相、W相)の各々に電圧が印加されることを指す。本実施形態では、3相(U相、V相、W相)の各々が、相対的に高電圧を有する高電圧相と、相対的に低電圧を有する低電圧相との2種類から選択されるいずれかとなるように、3相モータ102が制御される。
本実施形態における3相モータ102は、永久磁石同期モータである。詳細には、3相モータ102は、SPMSM(Surface Permanent Magnet Synchronous Motor)である。SPMSMでは、d軸インダクタンスLdとq軸インダクタンスLqとが同じである。ただし、3相モータ102として、誘導モータを用いてもよい。誘導モータの磁束ベクトルは、誘導モータの磁束ベクトルと同様に扱うことが可能である。
(本実施形態の利点)
本実施形態のモータ制御部101は、離散系で制御がなされていることに由来する誤差を小さくすることに適している。以下、この点について説明する。
モータ制御部101は、図5に示すタイムチャートに従って動作する。モータ制御部101は、周期Tsの各制御サイクル[k−1]、[k]、[k+1]・・・用に1つの指令電圧ベクトルを特定する(kは整数である)。タイムチャートの1段目の黒丸は、検出された電流ベクトルの振幅を表す。2段目は、次の制御サイクルにおける指令電圧ベクトルを特定する制御を表す。3段目の線分は、指令電圧ベクトルの振幅を表す。4段目の三角波は、PWMインバータ104の動作を規定するPWMキャリア信号を表す。なお、検出された電流ベクトルの振幅は、(iα 2+iβ 21/2である。指令電圧ベクトルの振幅は、(vα *2+vβ *21/2である。
制御サイクル[k+1]の開始時点において、電流ベクトルが検出される。制御サイクル[k]において制御サイクル[k+1]用の指令電圧ベクトルが特定される。制御サイクル[k+1]用の指令電圧ベクトルvα *,vβ *は、制御サイクル[k+1]において3相モータ102に印加される電圧ベクトルを規定するベクトルを意味する。この例では、制御サイクル[k+1]において、制御サイクル[k+1]用の指令電圧ベクトルvα *,vβ *を平均値とする電圧ベクトルが3相モータ102に印加されるように、PWMインバータ104が動作する。この例では、PWMキャリア信号の周期は、制御サイクルの周期Tsと同じである。
図10を用いて説明したように、モータ制御部901も同様のタイムチャートに従って動作する。しかし、モータ制御部901では、推定磁束Ψs及び電流ベクトルiac(軸電流iα,iβ)の内積を用いてトルク制限値Tlimを特定する(式(P−1)参照)。図11を用いて説明したように、これでは、トルク制限がかかっている状況において3相モータ102の電流ベクトルの振幅が電流制限値Iamに正確には一致しない。この不一致は、3相モータ102の回転数が高いときに顕在化する。
これに対し、本実施形態では、位相調整部151が、第1の電流ベクトル及び第1の磁束ベクトルからなる2つのベクトルを、第2の電流ベクトル及び第2の磁束ベクトルからなる2つのベクトルへと修正する。第1の電流ベクトルは、検出された電流ベクトルiac(軸電流iα,iβ)である。第1の磁束ベクトルは、現在の制御サイクルにおいて推定された磁束ベクトル(推定磁束Ψα,Ψβ)である。第2の電流ベクトルは、電流ベクトルiacである。第2の磁束ベクトルは、仮想的な磁束Ψα_b,Ψβ_bである。つまり、本実施形態では、第2の電流ベクトルは第1の電流ベクトルと同じであり、第2の磁束ベクトルは第1の磁束ベクトルの位相を変化させた(具体的には遅らせた)ベクトルである。制限トルク特定部115は、第2の電流ベクトル及び第2の磁束ベクトルの内積Ψα_bα+Ψβ_bβと電流制限値Iamとを用いて3相モータ102の電流ベクトルの振幅を電流制限値Iamに追従させるトルクである制限トルクTlimを特定する。トルク制限部123は、トルク修正部150に与えられた指令トルクTrefの絶対値が制限トルクTlim未満である場合には指令トルクTrefを修正しない。つまり、指令トルクTe *として指令トルクTrefを出力する。トルク制限部123は、上記絶対値が制限トルクTlim以上である場合には上記絶対値を制限トルクTlimに置き換える。つまり、指令トルクTe *として、この置き換えにより得られた値を出力する。仮想的な磁束Ψα_b,Ψβ_bが適切であれば、内積Ψα_bα+Ψβ_bβは、実際の3相モータ102における磁束ベクトルの位相に対する電流ベクトルの進み角を正確に反映したものとなる。式(11)の無効電力成分TQ及び式(13)の制限トルクTlimが、実際の上記進み角を正確に反映させたものとなる。すなわち、制限トルクTlimは、3相モータ102に印加される電流ベクトルの振幅を電流制限値に正確に一致させるものとなり得る。3相モータ102の回転数が高いときにおいても、制限トルクTlimが、3相モータ102に印加される電流ベクトルの振幅を電流制限値に正確に一致させるものとなり得る。
電流制限の精度が高いことは、電流制限がなされているときに、トルク及び回転数が過大となり3相モータ102が過度に加熱されることを防止できることを意味する。モータ制御装置100がインバータ104を用いて3相モータ102を制御するものである場合には、インバータ104の半導体素子(スイッチング素子)が過度に加熱されることを防止できることを意味する。また、トルク不足及び回転数不足を防止できることを意味する。本実施形態によれば、3相モータ102の過渡変動時(始動時等)においても、精度のよい電流制限を行うことができる。
ところで、3相モータ102の誘起電圧の高調波成分、電流センサ105a,105bに混入するノイズ等が原因で、検出電流における高調波成分は大きくなることがある。これに対し、磁束推定のための積分演算(式(3)及び(4)参照)は、推定磁束における高調波成分を小さくするように作用する。このため、高調波による悪影響が位相調整により顕在化することを避ける観点からは、電流の位相調整よりも磁束の位相調整が有利となることが多い。すなわち、第2の電流ベクトルが第1の電流ベクトルと同じであり第2の磁束ベクトルが第1の磁束ベクトルの位相を変化させたベクトルであることは、高調波による悪影響を抑制する観点から有利となることが多い。
上述の説明から理解されるように、図5の例では、第1の磁束ベクトルは、現在の制御サイクルの中心時点における3相モータ102の磁束ベクトルに対応すると考えることができる。第1の電流ベクトルiac(軸電流iα,iβ)は、現在の制御サイクルの中心時点よりも期間te前の時点における3相モータ102の電流ベクトル(期間te前の時点において3相モータ102を流れる電流ベクトル)を表すものである、と表現することができる。ただし、期間teは非ゼロである。第2の磁束ベクトルの位相に対する第2の電流ベクトルの位相の進み角は、第1の磁束ベクトルの位相に対する第1の電流ベクトルの位相の進み角よりも角度Δθb大きい。角度Δθbは、ゼロよりも大きく、電流ベクトルの位相の変化速度と期間teとの積の2倍よりも小さい。この範囲にある角度Δθbは、内積Ψα_bα+Ψβ_bβを、実際の3相モータ102における磁束ベクトルの位相に対する電流ベクトルの進み角を正確に反映させたものとすることに適している。すなわち、この範囲にある角度Δθbは、3相モータ102に印加される電流ベクトルの振幅を電流制限値に一致させる電流制限を正確に行う観点から有利である。角度Δθbを、電流ベクトルの位相の変化速度と期間teとの積とすることもできる。このようにすることは、上記電流制限を正確に行う観点から特に有利である。
要するに、本実施形態では、第2の磁束ベクトルの位相に対する第2の電流ベクトルの位相の進み角は、第1の磁束ベクトルの位相に対する第1の電流ベクトルの位相の進み角よりも、3相モータ102に印加されている磁束ベクトルの位相に対する3相モータ102を流れている電流ベクトルの位相の進み角(実際の進み角、具体的には制御サイクルの中心時点における進み角)に近い。このことは、3相モータ102に印加される電流ベクトルの振幅を電流制限値に一致させる電流制限を正確に行う観点から有利である。また、第2の磁束ベクトルの位相に対する第2の電流ベクトルの位相の進み角を、3相モータ102に印加されている磁束ベクトルの位相に対する現在の3相モータ102を流れている電流ベクトルの位相の進み角と同じとすることもできる。このようにすることは、3相回転機に印加される電流ベクトルの振幅を電流制限値に一致させる電流制限を正確に行う観点から特に有利である。
なお、期間teは、モータ制御装置の仕様から定まる既知の定数である。場合によっては、モータ制御装置の試運転を行い、期間teを特定することも可能である。一例では、期間teは、現在の制御サイクルの中心時点と第1の電流ベクトルiacの検出時点(電流ベクトルの検出値が得られる時点)との時間差である。電流ベクトルの位相の変化速度は、3相モータ102の電気角速度ωと同じである。必要であれば、電気角速度ωを(つまり、上記変化速度を)、3相モータ102の極対数Pn及び推定回転数Nrからω=π×Pn×Nr/30のように計算したり、極対数Pn及び指令回転数Nref *からω=π×Pn×Nref */30のように計算したりすることができる。このように計算された変化速度と期間teとを用いれば、ゼロよりも大きく電流ベクトルの位相の変化速度と期間teとの積の2倍よりも小さいΔθb(又は、電流ベクトルの位相の変化速度と期間teとの積であるΔθb)を容易に計算することができる。ここで、ωの単位はrad/秒であり、Nr及びNref *の単位は回転/秒である。
計算ではなく、ルックアップテーブルを用いることもできる。具体的に、位相調整部151は、ルックアップテーブルを用いて、電流ベクトルの位相の変化速度に応じて、第1の電流ベクトル及び第1の磁束ベクトルからなる2つのベクトルを、第2の電流ベクトル及び第2の磁束ベクトルからなる2つのベクトルへと修正するものであってもよい。具体的には、位相調整部151は、電流ベクトルの位相の変化速度と角度Δθbとの関係を表すルックアップテーブルに従って、この修正を行うものであってもよい。ルックアップテーブルによれば、簡便に、第1の電流ベクトル及び第1の磁束ベクトルからなる2つのベクトルを、第2の電流ベクトル及び第2の磁束ベクトルからなる2つのベクトルへと修正することができる。また、ルックアップテーブルによれば、アナログ回路による位相遅れを考慮してこの修正を行うこともできる。上記ルックアップテーブルに、3相モータ102の回転数として、指令回転数Nref *を与えたり、推定回転数Nrを与えたりすることができる。
図5の例では、期間teは、周期Tsの1/2倍である。ただし、期間teはこれに限定されない。例えば、期間teが、ゼロよりも大きく周期Tsの1/2倍よりも小さいこともあり得る。期間teは、周期Tsの1/2倍よりも大きく周期Tsの3/2倍以下であり得る。また、シングルシャント方式を用いる場合等には、期間teが、周期Tsの−1/2倍よりも大きくゼロよりも小さいこともあり得る。
周期Tsを用いて角度Δθbの範囲の例を表すこともできる。一例では、角度Δθbは、ゼロよりも大きく電流ベクトルの位相の変化速度と周期Tsとの積の1/2倍以下の範囲にある。別例では、角度Δθbは、電流ベクトルの位相の変化速度と周期Tsとの積の1/2倍よりも大きく電流ベクトルの位相の変化速度と周期Tsとの積の3/2倍以下の範囲にある。更なる別例では、角度Δθbは、電流ベクトルの位相の変化速度と周期Tsとの積の−1/2倍よりも大きくゼロよりも小さい範囲にある。
本実施形態では、電流ベクトルの位相の変化速度の絶対値が大きければ大きいほど、角度Δθbの絶対値を大きくする。このように角度Δθbを設定することは、3相モータ102の回転数が低い場合と高い場合の両方において、3相モータ102に印加される電流ベクトルの振幅を電流制限値に一致させる電流制限を正確に行うことに適している。
本実施形態の制限トルク特定部115は、第1部分(無効電力成分特定部152)、第2部分(皮相電力成分特定部153)及び第3部分(有効電力成分特定部154)を有している。第1部分は、内積Ψα_bα+Ψβ_bβと、3相モータ102の極対数Pnとの積である第1の積TQ=Pn(Ψα_bα+Ψβ_bβ)を特定する。第2部分は、極対数Pnと、第1の磁束ベクトルの振幅|Ψs|と、電流制限値Iamとの積である第2の積TA=Pn|Ψs|Iamを特定する。第3部分は、第2の積の2乗から第1の積の2乗を差し引いた値を1/2乗することによって制限トルクTlim=(TA 2−TQ 21/2を特定する。このような制限トルク特定部115によれば、制限トルクTlimを容易に特定することができる。
本実施形態のモータ制御装置100は、制御サイクル毎に指令磁束ベクトルΨs *を特定する。特定された指令磁束ベクトルΨs *は、次の制御サイクルにおいて3相モータ102に印加される磁束ベクトルを規定する。本実施形態のモータ制御装置100は、トルク推定部109と、指令振幅特定部122と、指令位相特定部127と、指令磁束特定部112とを有している。トルク推定部109は、検出された電流ベクトルiac(軸電流iα,iβ)及び現在の制御サイクルにおいて推定された磁束ベクトルである推定磁束Ψα,Ψβから現在の制御サイクルにおけるトルクを推定する(推定トルクTeを特定する)。指令振幅特定部122は、トルク制限部123から出力された指令トルクTe *を用いて指令振幅|Ψs *|を特定する。指令位相特定部127は、トルク制限部123から出力された指令トルクTe *と推定されたトルク(推定トルクTe)との間の偏差であるトルク偏差ΔT=Te *−Teをゼロに近づけるフィードバック制御を含む制御を実行することによって、トルク偏差ΔTをゼロに近づける指令位相θs *を特定する。指令磁束特定部112は、振幅が指令振幅|Ψs *|であり位相が指令位相θs *である指令磁束ベクトルΨs *を特定する。このようなモータ制御装置100によれば、トルク修正部150で修正された指令トルクを活かして指令磁束ベクトルΨs *を特定することができる。
トルク推定部109は、第2の電流ベクトル及び第2の磁束ベクトルから現在の制御サイクルにおけるトルクを推定する(推定トルクTeを特定する)ものであってもよい。このようにすれば、推定トルクTeの特定精度を高めることができる。具体的に、推定トルクTeを、Te=Pn(Ψα_bβ−Ψβ_bα)のように計算することができる。
また、トルク推定部109に代えてトルク検出器を採用し、推定トルクTeに代えて検出したトルクを用いることもできる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態のモータ制御装置について説明する。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様の部分については同一符号を付し、説明を省略する。
第2の実施形態のモータ制御装置200は、モータ制御部101に代えてモータ制御部201を含んでいる(図1参照)。モータ制御装置200は、PWMインバータ104及び3相モータ102に接続され得る。図6に示すように、モータ制御部201は、トルク修正部150に代えてトルク修正部250を含んでいる。トルク修正部250は、位相調整部151及び制限トルク特定部115に代えて位相調整部251及び制限トルク特定部215を含んでいる。
(位相調整部251)
位相調整部251は、軸電流iα,iβの位相を調整して、仮想的な軸電流iα_f,iβ_fを得る。具体的には、位相調整部251は、式(22)により、軸電流iα,iβの位相を△θb進ませる。式(22)のiαβは、軸電流iα,iβをベクトル表記により表したものである。式(22)のiαβ_fは、iαβの位相を△θb進ませたものである。以下では、iαβ_fのα軸成分を、iα_fと記載し、iαβ_fのβ軸成分をiβ_fと記載することがある。
Figure 2017225233
(制限トルク特定部215)
本実施形態における制限トルク特定部215は、無効電力成分特定部152に代えて無効電力成分特定部252を含んでいる。
(無効電力成分特定部252)
無効電力成分特定部252は、推定磁束Ψα,Ψβ及び仮想的な軸電流iα_f,iβ_fから、無効電力に関係する成分TQを特定する。具体的には、無効電力成分特定部252は、式(23)により、無効電力成分TQを演算する。無効電力成分TQは、推定磁束Ψα,Ψβ及び仮想的な軸電流iα_f,iβ_fの内積と、3相モータ102の極対数Pnとの積である。
Figure 2017225233
本実施形態では、位相調整部251が、第1の電流ベクトル及び第1の磁束ベクトルからなる2つのベクトルを、第2の電流ベクトル及び第2の磁束ベクトルからなる2つのベクトルへと修正する。第1の電流ベクトルは、検出された電流ベクトルiac(軸電流iα,iβ)である。第1の磁束ベクトルは、現在の制御サイクルにおいて推定された磁束ベクトル(推定磁束Ψα,Ψβ)である。第2の電流ベクトルは、仮想的な軸電流iα_f,iβ_fである。第2の磁束ベクトルは、推定磁束Ψα,Ψβである。つまり、本実施形態では、第2の電流ベクトルは第1の電流ベクトルの位相を変化させた(具体的には進ませた)ベクトルであり、第2の磁束ベクトルは第1の磁束ベクトルと同じである。本実施形態の第2の電流ベクトル及び第2の磁束ベクトルの内積Ψαα_f+Ψββ_fは、第1の実施形態の第2の電流ベクトル及び第2の磁束ベクトルの内積Ψα_bα+Ψβ_bβと同じである。従って、本実施形態によっても、制限トルクTlimを、実際の3相モータ102における磁束ベクトルの位相に対する電流ベクトルの進み角を正確に反映したものとすることができる。
トルク推定部109は、第2の電流ベクトル及び第2の磁束ベクトルから現在の制御サイクルにおけるトルクを推定する(推定トルクTeを特定する)ものであってもよい。このようにすれば、推定トルクTeの特定精度を高めることができる。具体的に、推定トルクTeを、Te=Pn(Ψαβ_f−Ψβα_f)のように計算することができる。
(第3の実施形態)
また、数式及び図を用いた説明は省略するが、第2の電流ベクトルは第1の電流ベクトルの位相を変化させた(具体的には進ませた)ベクトルであり、第2の磁束ベクトルは第1の磁束ベクトルの位相を変化させた(具体的には遅らせた)ベクトルであってもよい。このような第2の電流ベクトル及び第2の磁束ベクトルの内積も、内積Ψαα_f+Ψββ_f及び内積Ψα_bα+Ψβ_bβと同じとすることができる。具体的に、第2の磁束ベクトルの位相に対する第2の電流ベクトルの位相の進み角を第1の磁束ベクトルの位相に対する第1の電流ベクトルの位相の進み角よりも角度Δθb大きくすれば、第3の実施形態の上記内積は、内積Ψαα_f+Ψββ_f及び内積Ψα_bα+Ψβ_bβと同じとなる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態の発電機制御装置について説明する。図7に示すように、発電機制御装置300は、第1電流センサ105a、第2電流センサ105b、発電機制御部301及びデューティ生成部103を含んでいる。発電機制御装置300は、PWMインバータ(PWM方式で電力変換を行う電力変換回路)104及び3相発電機302に接続され得る。図8に、発電機制御部301のブロック図を示す。図3及び図8から理解されるように、発電機制御部301の構成要素は、モータ制御部101の構成要素と同じである。
3相発電機302は、発電機制御装置300の制御対象である。3相発電機302には、PWMインバータ104によって、電圧ベクトルが印加される。本実施形態では、3相(U相、V相、W相)の各々が、相対的に高電圧を有する高電圧相と、相対的に低電圧を有する低電圧相との2種類から選択されるいずれかとなるように、3相発電機302が制御される。
本実施形態における3相発電機302は、永久磁石同期発電機である。詳細には、3相発電機302は、SPMSG(Surface Permanent Magnet Synchronous Generator)である。SPMSGでは、d軸インダクタンスLdとq軸インダクタンスLqとが同じである。ただし、3相発電機302として、誘導発電機を用いてもよい。誘導発電機の磁束ベクトルは、同期発電機の磁束ベクトルと同様に扱うことが可能である。
3相発電機302は、例えばタービンに接続される。タービンとしては、小型ガスタービンが挙げられる。タービンが回転すると、タービンのトルクが、3相発電機302の回転子に伝達される。これにより、回転子にトルクが加わる。つまり、回転子が回転する。回転子の回転によって、電圧が誘起される。3相発電機302はPWMインバータ104に接続されており、そのPWMインバータ104のスイッチングは指令電圧ベクトルvu *,vv *,vw *に基づいてなされる。
第1の実施形態では、電源から供給された電力が、3相モータ102でトルク(回転力)に変換される。これに対し、本実施形態では、3相発電機302に加えられたトルクが、電力に変換される。両方の場合において、制御の態様は実質的に同じである。従って、モータ制御装置100について説明した事項は、発電機制御装置300にも適用できる。モータ制御装置200について説明した事項についても同様である。ただし、モータ制御装置100及び200の説明を発電機制御装置300の説明に援用する際には、用語の読み替えを行うべきことに留意されたい。このような読み替えは、当業者にとって自明であるため詳細には述べないが、例えば、モータを発電機に読み替えるべきである。
(その他)
上述の実施形態で説明した3相モータ及び3相発電機をまとめて3相回転機と称することができる。モータ制御装置及び発電機制御装置をまとめて回転機制御装置と称することができる。このように称したとき、上述の実施形態に係る回転機制御装置を、以下のように説明することができる。すなわち、回転機制御装置100,200又は300は、制御サイクル毎に指令トルク及び指令電圧ベクトルvu *,vv *,vw *(vα *,vβ *)を特定する。特定された指令トルク及び指令電圧ベクトルvu *,vv *,vw *(vα *,vβ *)は、次の制御サイクルにおいて3相回転機102又は302に印加されるトルク及び電圧ベクトルvu,vv,vwを規定するものである。回転機制御装置100,200又は300は、電流検出部105a,105bと、磁束推定部108と、トルク修正部150又は250と、を備えている。電流検出部105a及び105bは、3相回転機102又は302の電流ベクトルを検出する。磁束推定部108は、前の制御サイクルにおいて特定された指令電圧ベクトル(指令軸電圧)vα *,vβ *を用いて、現在の制御サイクルにおける3相回転機102又は302の磁束ベクトルを推定する(推定磁束Ψsを特定する)。トルク修正部150又は250は、位相調整部151又は251、制限トルク特定部115又は215及びトルク制限部123を有している。検出された電流ベクトルiac(軸電流iα,iβ)を第1の電流ベクトルと定義し、現在の制御サイクルにおいて推定された磁束ベクトル(推定磁束Ψs)を第1の磁束ベクトルと定義したとき、位相調整部151又は251は、第1の電流ベクトル及び第1の磁束ベクトルからなる2つのベクトルを、第2の電流ベクトル及び第2の磁束ベクトルからなる2つのベクトルへと修正する。制限トルク特定部115又は215は、第2の電流ベクトル及び第2の磁束ベクトルの内積と電流制限値Iamとを用いて電流ベクトルの振幅を電流制限値Iamに追従させるトルクである制限トルクTlimを特定する。トルク制限部123は、トルク修正部150又は250に与えられた指令トルクTrefの絶対値が制限トルクTlim未満である場合には指令トルクを修正せず、絶対値が制限トルク以上である場合には絶対値を制限トルクTlimに置き換える(置き換えにより、指令トルクTrefが指令トルクTe *に変更される)。(i)第2の電流ベクトルは第1の電流ベクトルと同じであり第2の磁束ベクトルは第1の磁束ベクトルの位相を変化させたベクトルである、(ii)第2の電流ベクトルは第1の電流ベクトルの位相を変化させたベクトルであり第2の磁束ベクトルは第1の磁束ベクトルと同じである、又は、(iii)第2の電流ベクトルは第1の電流ベクトルの位相を変化させたベクトルであり第2の磁束ベクトルは第1の磁束ベクトルの位相を変化させたベクトルである。
改めて断るまでもないが、上述の実施形態で説明したモータ制御装置又は発電機制御装置に関する技術は、回転機制御装置の技術であると捉えることができる。
本開示に係る技術は、同期電動機、同期発電機、誘導電動機及び誘導発電機等の回転機に適用できる。それらの回転機は、冷暖房装置又は給湯機に使用されるヒートポンプ式冷凍装置に適合したものである。
100,200 モータ制御装置
101,201 モータ制御部
102 3相モータ
103 デューティ生成部
104 PWMインバータ
105a 第1電流センサ
105b 第2電流センサ
106 u,w/α,β変換部
107 指令電圧特定部
108 磁束推定部
109 トルク推定部
110 速度・位相推定部
111 トルク偏差特定部
112 指令磁束特定部
113a α軸磁束偏差特定部
113b β軸磁束偏差特定部
114 α,β/u,v,w変換部
115,215 制限トルク特定部
116 ベースドライバ
117 平滑コンデンサ
118 直流電源
119a〜119f スイッチング素子
120a〜120f 還流ダイオード
121 指令トルク特定部
122 指令振幅特定部
123 トルク制限部
127 指令位相特定部
150,250 トルク修正部
151,251 位相調整部
152,252 無効電力成分特定部
153 皮相電力成分特定部
154 有効電力成分特定部
300 発電機制御装置
301 発電機制御部
302 3相発電機

Claims (13)

  1. 制御サイクル毎に、次の制御サイクルにおいて3相回転機に印加されるトルク及び電圧ベクトルを規定する指令トルク及び指令電圧ベクトルを特定する回転機制御装置であって、
    前記3相回転機の電流ベクトルを検出する電流検出部と、
    前の制御サイクルにおいて特定された前記指令電圧ベクトルを用いて、現在の制御サイクルにおける前記3相回転機の磁束ベクトルを推定する磁束推定部と、
    位相調整部、制限トルク特定部及びトルク制限部を有するトルク修正部と、を備え、
    検出された前記電流ベクトルを第1の電流ベクトルと定義し、現在の制御サイクルにおいて推定された前記磁束ベクトルを第1の磁束ベクトルと定義したとき、前記位相調整部は、前記第1の電流ベクトル及び前記第1の磁束ベクトルからなる2つのベクトルを、第2の電流ベクトル及び第2の磁束ベクトルからなる2つのベクトルへと修正し、
    前記制限トルク特定部は、前記第2の電流ベクトル及び前記第2の磁束ベクトルの内積と電流制限値とを用いて前記電流ベクトルの振幅を前記電流制限値に追従させる前記トルクである制限トルクを特定し、
    前記トルク制限部は、前記トルク修正部に与えられた前記指令トルクの絶対値が前記制限トルク未満である場合には前記指令トルクを修正せず、前記絶対値が前記制限トルク以上である場合には前記絶対値を前記制限トルクに置き換え、
    (i)前記第2の電流ベクトルは前記第1の電流ベクトルと同じであり前記第2の磁束ベクトルは前記第1の磁束ベクトルの位相を変化させたベクトルである、(ii)前記第2の電流ベクトルは前記第1の電流ベクトルの位相を変化させたベクトルであり前記第2の磁束ベクトルは前記第1の磁束ベクトルと同じである、又は、(iii)前記第2の電流ベクトルは前記第1の電流ベクトルの位相を変化させたベクトルであり前記第2の磁束ベクトルは前記第1の磁束ベクトルの位相を変化させたベクトルである、回転機制御装置。
  2. 前記制限トルク特定部は、第1部分、第2部分及び第3部分を有し、
    前記第1部分は、前記内積と、前記3相回転機の極対数との積である第1の積を特定し、
    前記第2部分は、前記極対数と、前記第1の磁束ベクトルの振幅と、前記電流制限値との積である第2の積を特定し、
    前記第3部分は、前記第2の積の2乗から前記第1の積の2乗を差し引いた値を1/2乗することによって前記制限トルクを特定する、請求項1に記載の回転機制御装置。
  3. 前記第2の磁束ベクトルの位相に対する前記第2の電流ベクトルの位相の進み角は、前記第1の磁束ベクトルの位相に対する前記第1の電流ベクトルの位相の進み角よりも、前記3相回転機に印加されている前記磁束ベクトルの位相に対する前記3相回転機を流れている前記電流ベクトルの位相の進み角に近い、請求項1又は2に記載の回転機制御装置。
  4. 前記第2の磁束ベクトルの位相に対する前記第2の電流ベクトルの位相の進み角は、前記3相回転機に印加されている前記磁束ベクトルの位相に対する前記3相回転機を流れている前記電流ベクトルの位相の進み角と同じである、請求項3に記載の回転機制御装置。
  5. 前記第1の電流ベクトルは、現在の制御サイクルの中心時点よりも期間te前の時点における前記3相回転機の前記電流ベクトルを表し、
    前記第2の磁束ベクトルの位相に対する前記第2の電流ベクトルの位相の進み角は、前記第1の磁束ベクトルの位相に対する前記第1の電流ベクトルの位相の進み角よりも角度Δθb大きく、
    前記角度Δθbは、ゼロよりも大きく、前記電流ベクトルの位相の変化速度と前記期間teとの積の2倍よりも小さい、請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転機制御装置。
    ここで、前記期間teは非ゼロである。
  6. 前記角度Δθbは、前記電流ベクトルの位相の変化速度と前記期間teとの積である、請求項5に記載の回転機制御装置。
  7. 制御サイクルの周期を周期Tsと定義したとき、前記期間teは、(a)前記周期Tsの−1/2倍よりも大きくゼロよりも小さい、(b)ゼロよりも大きく前記周期Tsの1/2倍以下である、又は、(c)前記周期Tsの1/2倍よりも大きく前記周期Tsの3/2倍以下である、請求項5又は6に記載の回転機制御装置。
  8. 前記第2の磁束ベクトルの位相に対する前記第2の電流ベクトルの位相の進み角は、前記第1の磁束ベクトルの位相に対する前記第1の電流ベクトルの位相の進み角よりも角度Δθb大きく、
    制御サイクルの周期を周期Tsと定義したとき、前記角度Δθbは、(A)前記電流ベクトルの位相の変化速度と前記周期Tsとの積の−1/2倍よりも大きくゼロよりも小さい、(B)ゼロよりも大きく前記電流ベクトルの位相の変化速度と前記周期Tsとの積の1/2倍以下である、又は、(C)前記電流ベクトルの位相の変化速度と前記周期Tsとの積の1/2倍よりも大きく前記電流ベクトルの位相の変化速度と前記周期Tsとの積の3/2倍以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の回転機制御装置。
  9. (I)前記第2の電流ベクトルは前記第1の電流ベクトルと同じであり前記第2の磁束ベクトルは前記第1の磁束ベクトルの位相を遅らせたベクトルである、(II)前記第2の電流ベクトルは前記第1の電流ベクトルの位相を進ませたベクトルであり前記第2の磁束ベクトルは前記第1の磁束ベクトルと同じである、又は、(III)前記第2の電流ベクトルは前記第1の電流ベクトルの位相を進ませたベクトルであり前記第2の磁束ベクトルは前記第1の磁束ベクトルの位相を遅らせたベクトルである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の回転機制御装置。
  10. 前記位相調整部は、ルックアップテーブルを用いて、前記電流ベクトルの位相の変化速度に応じて、前記第1の電流ベクトル及び前記第1の磁束ベクトルからなる2つのベクトルを、前記第2の電流ベクトル及び前記第2の磁束ベクトルからなる2つのベクトルへと修正する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の回転機制御装置。
  11. 前記第2の磁束ベクトルの位相に対する前記第2の電流ベクトルの位相の進み角は、前記第1の磁束ベクトルの位相に対する前記第1の電流ベクトルの位相の進み角よりも角度Δθb大きく、
    前記電流ベクトルの位相の変化速度の絶対値が大きければ大きいほど、前記角度Δθbの絶対値を大きくする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の回転機制御装置。
  12. 前記回転機制御装置は、制御サイクル毎に、次の制御サイクルにおいて前記3相回転機に印加される前記磁束ベクトルを規定する指令磁束ベクトルを特定し、
    前記回転機制御装置は、
    検出された前記電流ベクトル及び現在の制御サイクルにおいて推定された前記磁束ベクトルから現在の制御サイクルにおける前記トルクを推定する、又は前記第2の電流ベクトル及び前記第2の磁束ベクトルから現在の制御サイクルにおける前記トルクを推定するトルク推定部と、
    前記トルク制限部から出力された前記指令トルクを用いて指令振幅を特定する指令振幅特定部と、
    前記トルク制限部から出力された前記指令トルクと推定された前記トルクとの間の偏差であるトルク偏差をゼロに近づけるフィードバック制御を含む制御を実行することによって、前記トルク偏差をゼロに近づける指令位相を特定する指令位相特定部と、
    振幅が前記指令振幅であり位相が前記指令位相である前記指令磁束ベクトルを特定する指令磁束特定部と、を備える、請求項1〜11のいずれか1項に記載の回転機制御装置。
  13. 制御サイクル毎に、次の制御サイクルにおいて3相回転機に印加されるトルク及び電圧ベクトルを規定する指令トルク及び指令電圧ベクトルを特定する回転機制御方法であって、
    前記3相回転機の電流ベクトルを検出する電流検出ステップと、
    前の制御サイクルにおいて特定された前記指令電圧ベクトルを用いて、現在の制御サイクルにおける前記3相回転機の磁束ベクトルを推定する磁束推定ステップと、
    位相調整ステップ、制限トルク特定ステップ及びトルク制限ステップを有するトルク修正ステップと、を備え、
    検出された前記電流ベクトルを第1の電流ベクトルと定義し、現在の制御サイクルにおいて推定された前記磁束ベクトルを第1の磁束ベクトルと定義したとき、前記位相調整ステップは、前記第1の電流ベクトル及び前記第1の磁束ベクトルからなる2つのベクトルを、第2の電流ベクトル及び第2の磁束ベクトルからなる2つのベクトルへと修正し、
    前記制限トルク特定ステップは、前記第2の電流ベクトル及び前記第2の磁束ベクトルの内積と電流制限値とを用いて前記電流ベクトルの振幅を前記電流制限値に追従させる前記トルクである制限トルクを特定し、
    前記トルク制限ステップは、前記トルク修正部に与えられた前記指令トルクの絶対値が前記制限トルク未満である場合には前記指令トルクを修正せず、前記絶対値が前記制限トルク以上である場合には前記絶対値を前記制限トルクに置き換え、
    (i)前記第2の電流ベクトルは前記第1の電流ベクトルと同じであり前記第2の磁束ベクトルは前記第1の磁束ベクトルの位相を変化させたベクトルである、(ii)前記第2の電流ベクトルは前記第1の電流ベクトルの位相を変化させたベクトルであり前記第2の磁束ベクトルは前記第1の磁束ベクトルと同じである、又は、(iii)前記第2の電流ベクトルは前記第1の電流ベクトルの位相を変化させたベクトルであり前記第2の磁束ベクトルは前記第1の磁束ベクトルの位相を変化させたベクトルである、回転機制御方法。
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