JP6893740B2 - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、車両の駆動力伝達系に搭載される無段変速機の変速制御装置に関する。
従来、無段変速機の変速比を変えたときに駆動源側の等価イナーシャ変化に起因して発生するイナーシャトルクを目標変速比に基づいて演算する。そして、このイナーシャトルクを補償するための駆動源の出力増減量を演算し、この出力増減量に応じて駆動源を制御する無段変速機を備えた車両の制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−263151号公報
上記従来装置にあっては、アクセル踏み込み操作による加速要求に基づき無段変速によりダウンシフトする場合、エンジン回転数の上昇イナーシャ分をエンジン出力アップにより協調制御する。このように、無段変速機の変速制御を走行シーンにかかわらず無段変速モードを変えないままとしている。このため、特に、運転点がロード/ロード線(以下、「R/L線」という。)付近で車速を調整しようとするときは、ドライバーによる微妙なアクセル踏み戻し操作が必要となり、車速調整が困難である。さらに、微妙なアクセル踏み戻し操作を行うと、アクセル開度の変化にリンクして実行されるダウンシフトやアップシフトによりエンジン回転が過敏に変化することで回転のふらつきが発生する、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、無段変速モードでの走行中、無段変速による利点を生かしつつ、車速調整要求がある走行シーンの場合に走行用駆動源の回転ふらつきを抑えて車速調整を容易にすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、走行用駆動源と駆動輪との間に配される無段変速機と、無段変速機の変速制御を実行する変速コントローラと、を備える。
この無段変速機の変速制御装置において、無段変速機は、変速モードとして、車速とアクセル開度による運転点に応じて変速比を無段階に変更する無段変速モードを有する。
変速コントローラは、無段変速モードの選択による走行中、運転点が車速調整要求領域にあり、かつ、車速を調整するアクセル操作がある場合、無段変速機の変速比を、ドライバーの意図車速へ到達したと判定された際の変速比に固定する。
無段変速モードの選択による走行中、車速が発進以外の車速領域にあり、かつ、無段変速機の変速比が閾値を超えるハイ変速比領域にある場合、車速調整要求領域にあると判断する。
無段変速制御は、アクセル操作に対して線形的にレシオ変化できる利点はあるものの、走行用駆動源の回転数と車速がリンクせずにダイレクト感が無いという印象になる。このため、特に、車速調整要求がある走行シーンにおいて、アクセル操作に対して走行用駆動源の回転を過敏に変化させずにダイレクト感を出したいという要求がある。
この要求に着目し、運転点が車速調整要求領域にあり、かつ、車速を調整するアクセル操作がある場合、ドライバーの意図車速へ到達すると、ステップATのように変速比を固定させる制御を織り込むようにした。この変速比固定により、走行用駆動源の回転数がアクセル開度ではなく車速にリンクするため、アクセル操作と駆動力とがリニアな関係になってダイレクト感が演出されるし、車速調整が容易なる。
この結果、無段変速モードでの走行中、無段変速による利点を生かしつつ、車速調整要求がある走行シーンの場合に走行用駆動源の回転ふらつきを抑えて車速調整を容易にすることができる。加えて、運転点がR/L線付近の車速調整要求領域にあるとの判断を、アクセル開度条件を用いることなく、車速条件と変速比条件を用いて適切に行うことができる。
実施例1の無段変速機の変速制御装置が適用されたエンジン車の駆動系と制御系を示す全体システム図である。 無段変速モードでの無段変速制御をバリエータにより実行する際に用いられるDレンジ無段変速スケジュールによる変速パターンを示す説明図である。 実施例1のCVTコントロールユニットにて実行される無段変速制御とレシオスタビリティ制御との状態遷移を示す状態遷移図である。 実施例1のCVTコントロールユニットにて無段変速モードによるDレンジ位置の選択中に実行される変速制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の変速制御処理においてレシオ固定作動条件の一つであるドライバーの意図車速への到達判定(アクセル判定)を示すタイムチャートである。 実施例1の変速制御処理においてレシオ固定作動条件の一つであるドライバーの意図車速への到達判定(変速判定)を示すタイムチャートである。 実施例1の変速制御処理においてレシオ固定作動条件の一つである余裕駆動力条件の駆動力・走行抵抗・車速の関係及び余裕駆動力・車速の関係を示す説明図である。 実施例1の変速制御処理においてレシオ固定状態での駆動力不足判定条件を示す駆動力特性図である。 Dレンジ無段変速スケジュールに記載したレシオ固定作動領域・レシオ固定継続領域・レシオ固定非作動領域を示す変速スケジュール図である。 運転点がR/L線付近のときにアクセル踏み増し操作を行った場合のレシオスタビリティ制御作用をあらわすアクセル開度・駆動力・レシオ・プライマリ回転数の各比較特性を示すタイムチャートである。 運転点がR/L線付近のときにアクセル踏み増し操作を行った場合のレシオスタビリティ制御作用をDレンジ無段変速スケジュールに記載した目標プライマリ回転数の変化で示す比較特性図である。 レシオスタビリティ制御作動中にアクセル踏み戻し操作を行った場合にレシオ固定解除からのダウンシフト時におけるアクセル開度・レシオ・プライマリ回転数の各特性を示すタイムチャートである。
以下、本発明の無段変速機の変速制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1における変速制御装置は、トルクコンバータと前後進切替機構とバリエータと終減速機構により構成されるベルト式無段変速機(無段変速機の一例)を搭載したエンジン車に適用したものである。以下、実施例1の構成を、「全体システム構成」、「無段変速モード構成」、「変速制御処理構成」、「レシオ固定作動/解除条件及び駆動力不足判定条件」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施例1の無段変速機の変速制御装置が適用されたエンジン車の駆動系と制御系を示す。以下、図1に基づいて、全体システム構成を説明する。
エンジン車の駆動系は、図1に示すように、エンジン1と、トルクコンバータ2と、前後進切替機構3と、バリエータ4と、終減速機構5と、駆動輪6,6と、を備えている。
ここで、ベルト式無段変速機CVTは、トルクコンバータ2と前後進切替機構3とバリエータ4と終減速機構5を図外の変速機ケースに内蔵することにより構成される。
エンジン1は、ドライバーによるアクセル操作による出力トルクの制御以外に、外部からのエンジン制御信号により出力トルクが制御可能である。このエンジン1には、スロットルバルブ開閉動作や燃料カット動作等により出力トルク制御を行う出力トルク制御アクチュエータ10を有する。
トルクコンバータ2は、トルク増大機能やトルク変動吸収機能を有する流体継手による発進要素である。トルク増大機能やトルク変動吸収機能を必要としないとき、エンジン出力軸11(=トルクコンバータ入力軸)とトルクコンバータ出力軸21を直結可能なロックアップクラッチ20を有する。このトルクコンバータ2は、エンジン出力軸11にコンバータハウジング22を介して連結されたポンプインペラ23と、トルクコンバータ出力軸21に連結されたタービンランナ24と、ケースにワンウェイクラッチ25を介して設けられたステータ26と、を構成要素とする。
前後進切替機構3は、バリエータ4への入力回転方向を前進走行時の正転方向と後退走行時の逆転方向で切り替える機構である。この前後進切替機構3は、ダブルピニオン式遊星歯車30と、複数枚のクラッチプレートによる前進クラッチ31と、複数枚のブレーキプレートによる後退ブレーキ32と、を有する。前進クラッチ31は、Dレンジ等の前進走行レンジ選択時に前進クラッチ圧Pfcにより油圧締結される。後退ブレーキ32は、Rレンジ等の後退走行レンジ選択時に後退ブレーキ圧Prbにより油圧締結される。なお、前進クラッチ31と後退ブレーキ32は、Nレンジ(ニュートラルレンジ)の選択時、前進クラッチ圧Pfcと後退ブレーキ圧Prbをドレーンすることで、いずれも解放される。
バリエータ4は、プライマリプーリ42と、セカンダリプーリ43と、プーリベルト44と、を有し、ベルト接触径の変化により変速比(バリエータ入力回転数とバリエータ出力回転数の比)を無段階に変化させる無段変速機能を備える。プライマリプーリ42は、バリエータ入力軸40の同軸上に配された固定プーリ42aとスライドプーリ42bにより構成され、スライドプーリ42bは、プライマリ圧室45に導かれるプライマリ圧Ppriによりスライド動作する。セカンダリプーリ43は、バリエータ出力軸41の同軸上に配された固定プーリ43aとスライドプーリ43bにより構成され、スライドプーリ43bは、セカンダリ圧室46に導かれるセカンダリ圧Psecによりスライド動作する。プーリベルト44は、プライマリプーリ42のV字形状をなすシーブ面と、セカンダリプーリ43のV字形状をなすシーブ面に掛け渡されている。このプーリベルト44は、環状リングを内から外へ多数重ね合わせた2組の積層リングと、打ち抜き板材により形成され、2組の積層リングに沿って挟み込みにより環状に積層して取り付けられた多数のエレメントにより構成されている。なお、プーリベルト44としては、プーリ進行方向に多数配列したチェーンエレメントを、プーリ軸方向に貫通するピンにより結合したチェーンタイプのベルトであっても良い。
終減速機構5は、バリエータ出力軸41からのバリエータ出力回転速度を減速すると共に差動機能を与えて左右の駆動輪6,6に伝達する機構である。この終減速機構5は、減速ギア機構として、バリエータ出力軸41に設けられたアウトプットギア52と、アイドラ軸50に設けられたアイドラギア53及びリダクションギア54と、デフケースの外周位置に設けられたファイナルギア55と、を有する。そして、差動ギア機構として、左右のドライブ軸51,51に介装されたディファレンシャルギア56を有する。
エンジン車の制御系は、図1に示すように、油圧制御系を代表する油圧制御ユニット7と、電子制御系を代表するCVTコントロールユニット8と、を備えている。
油圧制御ユニット7は、プライマリ圧室45に導かれるプライマリ圧Ppriと、セカンダリ圧室46に導かれるセカンダリ圧Psecと、前進クラッチ31への前進クラッチ圧Pfcと、後退ブレーキ32への後退ブレーキ圧Prbと、を調圧するユニットである。この油圧制御ユニット7は、走行用駆動源であるエンジン1により回転駆動されるオイルポンプ70と、オイルポンプ70からの吐出圧に基づいて各種の制御圧を調圧する油圧制御回路71と、を備える。油圧制御回路71には、ライン圧ソレノイドバルブ72と、プライマリ圧ソレノイドバルブ73と、セカンダリ圧ソレノイドバルブ74と、前進クラッチ圧/後退ブレーキ圧ソレノイドバルブ75と、ロックアップ圧ソレノイドバルブ76と、を有する。なお、各ソレノイドバルブ72,73,74,75,76は、CVTコントロールユニット8から出力される制御指令値によって各指令圧に調圧する。
ライン圧ソレノイドバルブ72は、CVTコントロールユニット8から出力されるライン圧指令値に応じ、オイルポンプ70からの吐出圧を、指令されたライン圧PLに調圧する。このライン圧PLは、各種の制御圧を調圧する際の元圧であり、駆動系を伝達するトルクに対してベルト滑りやクラッチ滑りを抑える油圧とされる。
プライマリ圧ソレノイドバルブ73は、CVTコントロールユニット8から出力されるプライマリ圧指令値に応じ、ライン圧PLを元圧として指令されたプライマリ圧Ppriに減圧調整する。セカンダリ圧ソレノイドバルブ74は、CVTコントロールユニット8から出力されるセカンダリ圧指令値に応じ、ライン圧PLを元圧として指令されたセカンダリ圧Psecに減圧調整する。
前進クラッチ圧/後退ブレーキ圧ソレノイドバルブ75は、CVTコントロールユニット8から出力される前進クラッチ圧指令値又は後退ブレーキ圧指令値に応じ、ライン圧PLを元圧として指令された前進クラッチ圧Pfc又は後退ブレーキ圧Prbに減圧調整する。ロックアップ圧ソレノイドバルブ76は、CVTコントロールユニット8から出力されるロックアップ圧指令値に応じ、ロックアップクラッチ20を締結/スリップ締結/解放するロックアップ制御圧PL/Uを調整する。
CVTコントロールユニット8は、ライン圧制御や変速制御や前後進切替制御やロックアップ制御、等を行う。ライン圧制御では、スロットル開度等に応じた目標ライン圧を得る指令値をライン圧ソレノイドバルブ72に出力する。変速制御では、目標変速比(目標プライマリ回転速度Npri*)を決めると、決めた目標変速比(目標プライマリ回転速度Npri*)を得る指令値をプライマリ圧ソレノイドバルブ73及びセカンダリ圧ソレノイドバルブ74に出力する。前後進切替制御では、選択されているレンジ位置に応じて前進クラッチ31と後退ブレーキ32の締結/解放を制御する指令値を前進クラッチ圧/後退ブレーキ圧ソレノイドバルブ75に出力する。ロックアップ制御では、ロックアップクラッチ20を締結/スリップ締結/解放するロックアップ制御圧PL/Uを制御する指令値をロックアップ圧ソレノイドバルブ76に出力する。
CVTコントロールユニット8には、プライマリ回転センサ80、車速センサ81、セカンダリ圧センサ82、油温センサ83、インヒビタスイッチ84、ブレーキスイッチ85、アクセル開度センサ86、プライマリ圧センサ87、前後Gセンサ89、タービン回転センサ90等からのセンサ情報やスイッチ情報が入力される。また、エンジンコントロールユニット88には、エンジン回転センサ12からのセンサ情報が入力される。CVTコントロールユニット8は、エンジンコントロールユニット88へエンジントルクリクエストを出力することで、エンジンコントロールユニット88からエンジントルク情報を入力する。
プライマリ回転センサ80は、プライマリプーリ42のプライマリ回転数をパルス波信号のカウント回数であるパルスカウント数により検出するセンサである。車速センサ81も同様に、変速機出力回転数をパルス波信号のカウント回数であるパルスカウント数により検出するセンサである。タービン回転センサ90も同様に、タービン回転数をパルス波信号のカウント回数であるパルスカウント数により検出するセンサである。
インヒビタスイッチ84は、セレクト操作手段(セレクトレバーやセレクトスイッチ等)により選択されているレンジ位置(Pレンジ,Rレンジ,Nレンジ,Dレンジ,Lレンジ)を検出し、レンジ位置に応じたレンジ位置信号を出力する。
ブレーキスイッチ85は、ブレーキ操作の有無を検出するスイッチであり、ブレーキ解放操作時にはOFF信号を出力し、ブレーキ踏み込み操作時にはON信号を出力する。
アクセル開度センサ86は、運転者によるアクセル操作量(=アクセル開度APO)を検出するセンサであり、アクセル解放操作時にはアクセル開度APOがAPO=0のアクセル開度信号を出力する。そして、アクセル踏み込み操作を行うと、踏み込み操作量に応じてアクセル開度APOが上昇するアクセル開度信号を出力する。一方、アクセル戻し操作を行うと、戻し操作量に応じてアクセル開度APOが低下するアクセル開度信号を出力する。
前後Gセンサ89は、車体に作用ずる前後Gを検出するセンサであり、前後Gセンサ情報は、路面勾配を推定する入力情報として用いられる。
[無段変速モード構成]
図2は、無段変速モードでの無段変速制御をバリエータ4により実行する際に用いられるDレンジ無段変速スケジュールによる変速パターンを示す。図3は、実施例1のCVTコントロールユニット8にて実行される無段変速制御とレシオスタビリティ制御との状態遷移を示す。以下、図2及び図3に基づいて、変速モード構成を説明する。
まず、無段変速モードを選択したときは、基本制御として、車速VSPとアクセル開度APOと図2に示すDレンジ無段変速スケジュールを用いる無段変速制御が実行される。ここで、Dレンジ無段変速スケジュールは、図2に示すように、横軸を車速VSPとし、縦軸を目標プライマリ回転数Npri*とし、最Low変速比と最High変速比による変速比幅の範囲内で変速比を無段階に変更するように設定されている。よって、運転点(VSP,APO)により決まる目標プライマリ回転数Npri*に実プライマリ回転数Npriを一致させる制御を行うことで、変速比が無段階に変更される。
例えば、車速VSPが一定のときは、図2の矢印Aに示すように、アクセル踏み込み操作を行うと目標プライマリ回転数Npri*が上昇してダウンシフト方向に変速する。逆に、アクセル戻し操作を行うと目標プライマリ回転数Npri*が低下してアップシフト方向に変速する。また、アクセル開度APOが一定(目標プライマリ回転数Npri*が一定)のときに車速VSPが上昇すると、図2の矢印Bに示すように、アップシフト方向に変速する。逆に、車速VSPが低下するとダウンシフト方向に変速する。
このように、アクセル操作に対して線形的にレシオ(変速比)の変化できるのはベルト式無段変速機CVTの利点である。しかし、車速VSPが一定のときにプライマリ回転数Npri(≒エンジン回転数Ne)が上昇したり低下したりし、又、プライマリ回転数Npri(≒エンジン回転数Ne)が一定のときに車速VSPが上昇したり低下したりする。つまり、エンジン回転数Neと車速VSPがリンクせず、アクセル操作に対してラバーバンドフィールやダイレクト感が無いという印象になる。
そこで、アクセル操作に対してエンジン回転数Neを過敏に動かさず、ダイレクト感を演出するために、車速調整が要求される走行シーンに限ってステップAT(複数の変速段を持つ自動変速機)のようなレシオ固定(インギヤ)を織り込むようにした。つまり、バリエータ4をレシオ固定にすると、図2の矢印Cに示すように、プライマリ回転数Npri(≒エンジン回転数Ne)がアクセル開度APOではなく車速VSPにリンクする。このレシオ固定は、特に、アクセル低開度域でのR/L付近の車速調整を容易にする。
さらに、レシオ固定に伴い、駆動力不足が判定されたときに駆動力不足を補うダウンシフトを加えるようにした。以下、「レシオ固定」+「ダウンシフト」による制御を“レシオスタビリティ制御(変速比安定化制御)”という。
そして、無段変速制御中にレシオスタビリティ制御を織り込むとき、無段変速制御状態とレシオスタビリティ制御状態の状態遷移は、図3に示すようになる。つまり、無段変速制御状態において、レシオ固定作動条件が成立して作動判定がなされると、無段変速制御状態からレシオスタビリティ制御状態へと状態遷移する。一方、レシオスタビリティ制御状態において、レシオ固定解除条件が成立し禁止判定(故障判定等)や解除判定(リニア判定等)がなされると、レシオスタビリティ制御状態から無段変速制御状態へと状態遷移する。
[変速制御処理構成]
図4は、実施例1のCVTコントロールユニット8にて無段変速モードによるDレンジ位置の選択中に実行される変速制御処理の流れを示す。以下、変速制御処理構成をあらわす図4の各ステップについて説明する。このフローチャートは、Dレンジ位置を選択することで開始され、Dレンジ位置以外のレンジ位置選択や他の変速モード選択を行うことで終了する。
ステップS1では、無段変速モードによるDレンジ位置の選択中であって前進走行中であるか否かを判断する。YES(前進走行中)の場合はステップS2へ進み、NO(停車中)の場合はステップS1の判断を繰り返す。
ステップS2では、ステップS1での前進走行中であるとの判断に続き、レシオ固定解除条件が非成立であるか否かを判断する。YES(レシオ固定解除条件非成立)の場合はステップS3へ進み、NO(レシオ固定解除条件成立)の場合はステップS1へ戻る。
なお、「レシオ固定解除条件」の詳しい内容については後述する。
ステップS3では、ステップS2でのレシオ固定解除条件非成立であるとの判断に続き、レシオ固定作動条件が成立であるか否かを判断する。YES(レシオ固定作動条件成立)の場合はステップS4へ進み、NO(レシオ固定作動条件非成立)の場合はステップS1へ戻る。
なお、「レシオ固定作動条件」の詳しい内容については後述する。
ステップS4では、ステップS3でのレシオ固定作動条件成立であるとの判断、或いは、ステップS6での駆動力不足非成立であるとの判断、或いは、ステップS7でのダウンシフトアシストに続き、バリエータ4のレシオ固定によるレシオスタビリティ制御を作動し、ステップS5へ進む。
ステップS5では、ステップS4でのレシオスタビリティ制御作動に続き、レシオ固定解除条件が非成立であるか否かを判断する。YES(レシオ固定解除条件非成立)の場合はステップS6へ進み、NO(レシオ固定解除条件成立)の場合はステップS8へ進む。
なお、「レシオ固定解除条件」の詳しい内容については後述する。
ステップS6では、ステップ5でのレシオ固定解除条件非成立であるとの判断に続き、駆動力不足条件成立であるか否かを判断する。YES(駆動力不足条件成立)の場合はステップS7へ進み、NO(駆動力不足条件非成立)の場合はステップS4へ戻る。
なお、「駆動力不足条件」の詳しい内容については後述する。
ステップS7では、ステップS6での駆動力不足条件成立であるとの判断に続き、レシオスタビリティ制御のレシオ固定による駆動力不足を解消するダウンシフトアシストを実行し、ステップS4へ戻る。
ステップS8では、ステップS5でのレシオ固定解除条件成立であるとの判断に続き、変速のギャップを生まないように状態を見てレシオ固定制御を解除し、無段変速制御へ移行してエンドへ進む。
[レシオ固定作動/解除条件及び駆動力不足判定条件]
図4の変速制御処理で用いた「1.レシオ固定作動条件」、「2.レシオ固定解除条件」、「3.駆動力不足判定条件」の詳細内容を、図5〜図9を用いて説明する。
1.レシオ固定作動条件
レシオ固定作動条件とは、車速調整を行う領域でレシオ固定を作動させる条件をいう。無段変速制御による前進走行中に下記の[1]〜[10]の条件が全て成立したとき、レシオ固定作動条件が成立とし、レシオ固定を作動させる。
[1]レンジ条件
Dレンジの選択中をいう。これは、Dレンジ以外のレンジ位置(例えば、Dsレンジ、Lレンジ等)の選択中に車速調整を行うシーンが無いことによる。
[2]ドライバーの意図車速への到達判定(アクセル判定)
ドライバーが意図する車速になっていることを、アクセル変化量が小さいことから判定する条件である。具体的には、図5に示すように、時刻t1にてアクセル開度変化量が±閾値内であると判断されてから、アクセル開度変化量が±閾値内を意図車速到達判定時間Δtだけ継続して時刻t2になると、意図車速へ到達したと判定する。ここで、アクセル開度変化量の±閾値は、+側閾値(アクセル踏み側閾値)を大きく(緩く)設定し、−側閾値(アクセル戻し側閾値)を小さく(厳しく)設定する。これにより、±閾値を同じ値とした場合に比べ、バリエータ4の変速比がよりLow変速比側となり、レシオ固定時の駆動力を確保することができる。
[3]変速モード
無段変速モード(ノーマルモード)の選択中をいう。これは、他の変速モード(マニュアル変速モード等)は、加速意図がある変速モードであることによる。
[4]車速条件
第1車速閾値VSP1<車速VSP<第2車速閾値VSP2をいう。車速調整が必要なのは発進以外の巡行車速領域であるため、車速VSPで判定する。
[5]ドライバーの意図車速への到達判定(変速判定)
ドライバーが意図する車速になっていることを、変速が完了し、さらに変速が無いことから判定する条件である。具体的には、図6に示すように、時刻t1にてレシオ偏差(指示レシオ−実レシオ)が±閾値内であると判断されてから、レシオ偏差が±閾値内を意図車速到達判定時間Δtだけ継続して時刻t2になると、意図車速へ到達したと判定する。ここで、レシオ偏差の±閾値は、+側閾値(Low変速比側閾値)を大きく(緩く)設定し、−側閾値(High変速比側閾値)を小さく(厳しく)設定する。これにより、±閾値を同じ値とした場合に比べ、バリエータ4の変速比がよりLow変速比側となり、レシオ固定時の駆動力を確保することができる。
[6]レシオ条件
レシオ閾値>実レシオの条件をいう。これは、運転点(VSP,APO)がR/L付近であることを、実レシオがレシオ閾値より高いHigh変速比領域であることにより判定するためである。
[7]余裕駆動力条件
駆動力が小さ過ぎても大き過ぎても車速合わせはできないため、車速合わせが可能な余裕駆動力があることを判定する条件である。具体的には、図7に示すように、閾値1<余裕駆動力<閾値2のとき、余裕駆動力条件が成立とする。つまり、駆動力と走行抵抗と車速の関係は、図7の上部特性に示すようになり、R/L線よりも上側の駆動力が余裕駆動力になる。よって、余裕駆動力と車速の関係は、図7の下部特性に示すようになり、閾値1<余裕駆動力<閾値2の余裕駆動力領域をレシオ固定領域とする。
なお、余裕駆動力は、
余裕駆動力=実駆動力−実走行抵抗 …(1)
実駆動力=エンジントルク×実レシオ×終減速比/タイヤ動半径 …(2)
実走行抵抗=転がり抵抗+空気抵抗 …(3)
空気抵抗=空気密度×空気抵抗係数×全面投影面積×車速^2/2 …(4)
の式を用いて演算される。なお、平坦路&等車速が前提であるので、実走行抵抗の計算には、加速抵抗と勾配抵抗を加えない。
[8]勾配条件
路面勾配が平坦路であることを判定する条件である。具体的には、−閾値<路面勾配<+閾値のときに勾配条件成立とする。なお、登坂、降坂時には、道路状況や運転状況に応じて適切な変速比を自動的に選択するINVECS(インべックス、Intelligent & Innovative Vehicle Electronic Control Systemの略)を優先させる。
[9]LU状態
トルクコンバータ2のロックアップクラッチ20が締結状態であると、LU状態条件が成立とする。これは、ロックアップクラッチ20が解放状態であると、エンジン回転が安定せずダイレクト感を出せないことによる。
[10]温度条件
安定して変速できる油温域でレシオ固定させるための油温センサ83からの油温条件をいう。具体的には、入り条件は、閾値L<油温<閾値Hとし、抜け条件は、油温<閾値LL、又は、閾値HH<油温とする。これは、入り抜けハンチング防止のため、入り条件と抜け条件にヒステリシスをつける。
なお、レシオ固定作動条件からアクセル開速度条件を除いている。その理由は、アクセル開速度条件があると、アクセル戻し操作側で速度調整をしたいときにレシオ固定しなくなることによる。
2.レシオ固定解除条件
車速調整を行う必要がなくなるシーンでレシオ固定を解除させる下記の[1]〜[8]の条件のいずれかが成立すると、レシオ固定を解除させる。
[1]アクセル開度条件
アクセル開度APOの大きさによりドライバーに車速合わせ意図が無いことを判定するレシオ固定解除条件である。具体的には、第1アクセル開度閾値≦アクセル開度、又は、アクセル開度≦第2アクセル開度閾値で与えられ、車速合わせ意図が無い高開度域に入ったときや、車速合わせ意図が無いアクセル足離し操作をしたときにアクセル開度条件が成立する。
[2]ブレーキ判定
ブレーキ操作を判定するレシオ固定解除条件である。つまり、ブレーキON時には、車速調整の要求が無いと判断し、ブレーキ判定条件が成立する。
[3]前進クラッチ締結状態
前進クラッチ31の締結中や前進クラッチ31の解放中にはレシオ固定を解除する条件である。つまり、前進クラッチ31の締結状態が定常のときのみレシオ固定を維持する。
[4]故障判定
故障判定をした場合のレシオ固定解除条件である。つまり、故障時はフェールモードを優先させる。
[5]高油温制御時
油温が上昇し、高油温制御モードに入った場合のレシオ固定解除条件である。つまり、油温が上昇により高油温制御モードに入ると、高油温制御モードを優先させる。
[6]疑似D判定
Dレンジ選択中であるにもかかわらず前進クラッチ31が滑り締結状態である疑似D状態が判定された時のレシオ固定解除条件である。つまり、疑似D状態は実質的に前進クラッチ31が解放状態であるため、レシオ固定を解除する。
[7]車両デバイス要求時
INVECS制御、オートクルーズ制御、空調補助制御、暖房補助制御等の車両側からの他の制御要求がある場合のレシオ固定解除条件である。つまり、車両側からの他の制御要求があるときは、制御干渉を防止するため車両側からの他の制御要求を優先させる。
[8]回転スタビリティ
回転スタビリティ制御作動時のレシオ固定解除条件である。つまり、回転スタビリティ制御の作動時には、制御干渉を防止するためにレシオ固定を解除する。
図9は、上記レシオ固定作動条件[1]〜[10]と上記レシオ固定解除条件[1]〜[8]を用いた場合、Dレンジ無段変速スケジュールに記載したレシオ固定作動領域・レシオ固定継続領域・レシオ固定非作動領域を示す変速スケジュール図である。つまり、レシオ固定作動領域は、レシオ固定作動条件のうち、[1]〜[3],[5],[8]〜[10]の条件が成立していると仮定した場合、車速条件[4]とレシオ条件[6]と余裕駆動力条件[7]により規定される図9の格子状ハッチングで示す領域になる。レシオ固定継続領域は、レシオ固定解除条件のうち、[2]〜[8]の条件が成立していると仮定した場合、アクセル開度条件[1]により規定される図9の斜めハッチングで示す領域になる。そして、車速条件[4]やアクセル開度条件[1]が成立しないそれ以外の領域は、レシオ固定非作動領域、つまり、通常の無段変速制御が実行される領域になる。
3.駆動力不足判定条件
レシオ固定による駆動力不足で車速調整ができないシーンでは、レシオ固定を一時的に解除し、ダウンシフトさせることで駆動力を確保するための判定条件である。
駆動力不足判定条件は、レシオ固定によるレシオスタビリティ制御作動中、図8に示すように、駆動力不足判定余裕駆動力に対して実駆動力(レシオ固定状態)が下回ると、駆動力不足と判定する。
ここで、駆動力不足判定余裕駆動力は、ノーマル変速線から算出した余裕駆動力に、駆動力不足判定比率を掛け合わせることで算出する。なお、ノーマル変速線から算出した余裕駆動力は、エンジンコントロールユニット88から取得されるエンジントルクの推定情報を用い、
ノーマル変速線から算出した余裕駆動力=エンジントルク×ノーマル変速線で決まる変速比×終減速比/タイヤ動半径
の式により演算される。
次に、作用を説明する。
実施例1の作用を、「前進走行中の変速制御処理作用」、「レシオスタビリティ制御作用」、「レシオスタビリティ制御作動中のダウンシフト作用」に分けて説明する。
[前進走行中の変速制御処理作用]
以下、図4に示すフローチャートに基づいて、前進走行中の変速制御処理作用を説明する。まず、前進走行中であって、レシオ固定解除条件が成立である場合は、ステップS1→ステップS2へと進む流れが繰り返される。そして、前進走行中であって、レシオ固定解除条件が非成立であるが、レシオ固定解除条件が非成立である場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS3へと進む流れが繰り返される。何れの場合であっても、運転点(VSP,APO)とDレンジ無段変速スケジュールを用いた無段変速制御が実行される。
一方、前進走行中であって、レシオ固定解除条件が非成立であり、かつ、レシオ固定解除条件が非成立から成立へと移行した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進む。ステップS4では、バリエータ4のレシオ固定によるレシオスタビリティ制御の作動が開始される。そして、レシオスタビリティ制御の作動開始後、レシオ固定解除条件が非成立であり、かつ、駆動力不足判定条件が非成立であると、ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進む流れが繰り返され、バリエータ4のレシオ固定制御が継続される。
次に、ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進む流れが繰り返されるレシオ固定制御中、レシオ固定解除条件が非成立であるが、駆動力不足判定条件が非成立から成立へと移行すると、ステップS6からステップS7へ進む。ステップS7では、レシオスタビリティ制御のレシオ固定による駆動力不足を解消するダウンシフトアシストが実行される。なお、ダウンシフトの実行により駆動力不足判定条件が成立から非成立へ戻ると、再び、ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進む流れが繰り返される。
ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進む流れが繰り返されるレシオ固定制御中、レシオ固定解除条件が非成立から成立へと移行すると、ステップS5からステップS8→エンドへと進む。ステップS8では、変速のギャップを生まないように状態を見てレシオ固定制御が解除される。そして、レシオ固定制御の解除が完了すると、レシオスタビリティ制御の作動から本来の無段変速制御の作動へ復帰する。
このように、前進走行中であって、レシオ固定解除条件が非成立であり、かつ、レシオ固定解除条件が非成立から成立へ移行すると、無段変速制御状態からレシオスタビリティ制御状態へと状態遷移する。レシオスタビリティ制御状態では、基本的にレシオ固定が実行されるが、駆動力不足判定条件が成立するときに限り、駆動力不足を解消するダウンシフトを介入させる制御が行われる。そして、レシオスタビリティ制御状態でレシオ固定解除条件が非成立から成立へと移行すると、レシオスタビリティ制御状態から無段変速制御状態へと状態遷移する(図3参照)。
[レシオスタビリティ制御作用]
ベルト式無段変速機CVTを搭載したエンジン車において、ドライバビリティ改善要求として、以下の内容でベルト式無段変速機CVTをステップATのようなフィーリングにしたいという要求がある。
まず、ベルト式無段変速機CVTによる無段変速制御は、アクセル操作に対して線形的にレシオ変化できる利点はある。しかし、エンジン回転数と車速がリンクせず、ラバーバンド感やダイレクト感が無いという印象になる。このため、特に、車速調整要求があるR/L線付近での走行シーンにおいて、アクセル操作に対して走行用駆動源の回転を過敏に変化させずにダイレクト感を出したいという要求がある。
この要求に着目し、前進走行中、運転点(VSP,APO)がR/L線付近の車速調整要求領域にあり、かつ、車速VSPを調整するアクセル操作がある場合、ドライバーの意図車速へ到達すると、ステップATのように変速比を固定させるレシオ固定制御を織り込むようにした。さらに、レシオ固定制御を実行することに伴い、レシオ固定制御中に駆動力不足が判定されたときに駆動力不足を補うダウンシフトを加えるようにした。
図10は、運転点がR/L線付近のときにアクセル踏み増し操作を行った場合のレシオスタビリティ制御作用をあらわすタイムチャートである。図11は、図10のレシオスタビリティ制御作用をDレンジ無段変速スケジュールに記載した目標プライマリ回転数の変化で示す。以下、図10及び図11に基づいて、レシオ固定制御とダウンシフト制御によるレシオスタビリティ制御作用を説明する。
アクセル開度APO及びレシオが所定時間の安定状態を経過した時刻t0にてレシオ固定作動条件が成立し、レシオスタビリティ制御のレシオ固定制御が開始され、レシオ固定制御中、時刻t1から時刻t2までアクセル踏み込み操作を行うとする。
この場合、Dレンジ無段変速スケジュールに基づく無段変速制御を行うと、図10のレシオ破線特性に示すように、ダウンシフトが時刻t1から時刻t2まで実行され、車速VSPの上昇に応じて時刻t2から時刻t3までアップシフトされる。このため、図10の駆動力破線特性及びプライマリ回転数破線特性に示すように、時刻t1から時刻t2までの間は駆動力とプライマリ回転数Npriが上昇し、時刻t2から時刻t3までの間は駆動力とプライマリ回転数Npriが徐々に低下する。
これに対し、時刻t0にてレシオ固定制御を開始すると、アクセル踏み込み操作があってもレシオ固定を解除するアクセル開度条件が成立しない限り、時刻t0から時刻t3までの間は、図10のレシオ実線特性に示すように、レシオ(変速比)が一定に保たれる。このため、図10の駆動力実線特性及びプライマリ回転数実線特性に示すように、時刻t1から時刻t3までの間は、アクセル踏み込み操作に基づく車速VSPの上昇に応じて駆動力とプライマリ回転数Npri(=エンジン回転数Ne)が互いにリンクして徐々に上昇する。このようにレシオ固定制御を行うことにより、エンジン回転数Neがアクセル開度APOではなく車速VSPにリンクするため、アクセル操作と駆動力とがリニアな関係になってダイレクト感が演出されるし、車速調整が容易なる。
さらに、レシオ固定制御中、ドライバーの加速意図に基づいて時刻t3から時刻t5までアクセル踏み増し操作を行うとする。
この場合、Dレンジ無段変速スケジュールに基づく無段変速制御を行うと、図10のレシオ破線特性に示すように、ダウンシフトが時刻t3から時刻t5まで実行され、車速VSPの上昇に応じて時刻t5以降はアップシフトされる。このため、図10の駆動力破線特性及びプライマリ回転数破線特性に示すように、時刻t3から時刻t5までの間は駆動力とプライマリ回転数Npriが上昇する。時刻t5以降については、駆動力が徐々に低下するが、プライマリ回転数Npriが車速VSPの上昇に応じて徐々に上昇する。
これに対し、時刻t4にてレシオ固定制御中に駆動力不足判定条件が成立すると、図10のレシオ実線特性に示すように、アクセル踏み増し操作に応じて時刻t6までダウンシフトが行われる。このダウンシフトにより、図10の駆動力実線特性及びプライマリ回転数実線特性に示すように、時刻t4から時刻t6までの間は駆動力とプライマリ回転数Npriが上昇する。即ち、ダウンシフトにより駆動力が上昇することで、レシオ固定制御中における駆動力不足が解消される。
そして、時刻t6にてダウンシフトを終了すると、レシオ固定を解除するアクセル開度条件が成立しない限り、時刻t6以降も、図10のレシオ実線特性に示すように、レシオ(変速比)が一定に保たれる。このため、図10の駆動力実線特性及びプライマリ回転数実線特性に示すように、時刻t6以降は、アクセル踏み込み操作に基づく車速VSPの上昇に応じて駆動力とプライマリ回転数Npri(=エンジン回転数Ne)が互いにリンクして徐々に上昇する。このようにレシオ固定制御を行うことにより、エンジン回転数Neがアクセル開度APOではなく車速VSPにリンクするため、アクセル操作と駆動力とがリニアな関係になってダイレクト感が演出されるし、車速調整が容易になる。
このレシオスタビリティ制御作用を、目標プライマリ回転数の変化でみると、図11に示すように、アクセル開度保持区間D→レシオ固定区間E→ダウンシフト区間F→レシオ固定区間Gになる。つまり、Dレンジ無段変速スケジュールに基づく無段変速制御を行う場合の運転点軌跡(破線)に対し、エンジン回転数Neの上昇を抑えながら追従する燃費性能の良い運転点軌跡(実線)により繋ぐことになる。この結果、無段変速モードでの走行中、車速調整要求がある走行シーンにおいては、アクセル操作に対して線形的にレシオ変化できるという無段変速による利点が生かされる。一方、車速調整要求がある走行シーンにおいては、アクセル操作と駆動力とがリニアな関係になってダイレクト感が演出されるし、レシオ変化によるエンジン回転ふらつきが抑えられ、車速調整を容易に行うことができる。
[レシオスタビリティ制御作動中のダウンシフト作用]
図12は、レシオスタビリティ制御作動中にアクセル踏み戻し操作を行った場合にレシオ固定解除からのダウンシフト時におけるアクセル開度・レシオ・プライマリ回転数の各特性を示す。以下、図12に基づいてレシオスタビリティ制御作動中のダウンシフト作用を説明する。
上記のように、レシオスタビリティ制御でのレシオ固定制御中に駆動力不足判定条件が成立するとダウンシフトが行われる。しかし、小さいアクセル操作のときにダウンシフトの変速速度を速くすると、エンジン回転数Neが急に上昇するため、ドライバーに違和感を与える。つまり、レシオ固定からのダウンシフトは、ドライバーにとってダウンシフト意図が無い時であり、ダウンシフト意図が無い時にエンジン回転数Neが急に上昇すると、エンジン回転上昇振動や上昇音がドライバーにとって違和感になる。そこで、実施例1では、レシオ固定からのダウンシフト時にレシオ上昇にランプ勾配をつけるようにした。
即ち、レシオスタビリティ制御でのレシオ固定制御中、時刻t1にてアクセル緩踏み操作を開始すると、駆動力不足判定条件が成立する時刻t2までは、図12のレシオ実線特性に示すように、レシオ固定制御が継続される。このため、時刻t1から時刻t2までのプライマリ回転数Npriは、アクセル緩踏み操作による車速VSPの上昇にしたがって上昇する。
時刻t2にて駆動力不足判定条件が成立すると、本来、図12のレシオ点線特性に示すように、到達レシオまでステップ的にレシオを上昇させることになるが、図12の矢印Hで示すように、レシオ上昇にランプ勾配をつける。このため、図12の矢印Iで示すように、時刻t2から時刻t3までの間にプライマリ回転数Npri(=エンジン回転数Ne)が緩やか上昇勾配で上昇する。
時刻t3にてダウンシフトを終了すると、レシオ固定を解除するアクセル開度条件が成立しない限り、時刻t3以降は、図12のレシオ実線特性に示すように、レシオ(変速比)が一定に保たれる。このため、図12のプライマリ回転数実線特性に示すように、時刻t3からアクセル緩踏み操作が終了する時刻t4までは、アクセル踏み込み操作に基づく車速上昇に応じてプライマリ回転数Npri(=エンジン回転数Ne)が徐々に上昇する。
時刻t4にてアクセル緩踏み操作が終了し、アクセル緩戻し操作を開始すると、図12のプライマリ回転数実線特性に示すように、時刻t4以降はアクセル緩戻し操作に基づく車速低下に応じてプライマリ回転数Npri(=エンジン回転数Ne)が徐々に低下する。
このように、レシオ固定からのダウンシフト時にレシオ上昇にランプ勾配をつけることで、エンジン回転数Neの上昇が遅くなり、エンジン回転数Neの上昇が急であることによるドライバーに与える違和感(煩わしさ)が解消される。
次に、効果を説明する。
実施例1のベルト式無段変速機CVTの変速制御装置にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
(1) 走行用駆動源(エンジン1)と駆動輪6との間に配される無段変速機(ベルト式無段変速機CVT)と、無段変速機の変速制御を実行する変速コントローラ(CVTコントロールユニット8)と、を備える。
この無段変速機(ベルト式無段変速機CVT)の変速制御装置において、無段変速機は、変速モードとして、車速VSPとアクセル開度APOによる運転点に応じて変速比を無段階に変更する無段変速モードを有する。
変速コントローラ(CVTコントロールユニット8)は、無段変速モードの選択による走行中、運転点(VSP,APO)が車速調整要求領域にあり、かつ、車速VSPを調整するアクセル操作がある場合、無段変速機の変速比を、ドライバーの意図車速へ到達したと判定された際の変速比に固定する。
このため、無段変速モードでの走行中、無段変速による利点を生かしつつ、車速調整要求がある走行シーンの場合に走行用駆動源(エンジン1)の回転ふらつきを抑えて車速調整を容易にすることができる。ここで、エンジン車の場合には、エンジン回転数Neの上昇を抑える変速制御になるため、燃費の向上に寄与する。
(2) 変速コントローラ(CVTコントロールユニット8)は、無段変速モードの選択による走行中、車速VSPが発進以外の車速領域にあり、かつ、無段変速機(ベルト式無段変速機CVT)の変速比が閾値を超えるハイ変速比領域にある場合、車速調整要求領域にあると判断する。
このため、(1)の効果に加え、運転点(VSP,APO)がR/L線付近の車速調整要求領域にあるとの判断を、アクセル開度条件を用いることなく、車速条件と変速比条件を用いて適切に行うことができる。ここで、アクセル開度条件を用いないことで、アクセル戻し操作が行われた際も変速比固定作動(レシオ固定作動)に入ることができる。
(3) 変速コントローラ(CVTコントロールユニット8)は、アクセル開度変化量が閾値内である状態を所定時間維持すると、ドライバーの意図車速へ到達したと判定する。
このため、(1)又は(2)の効果に加え、運転点(VSP,APO)が車速調整要求領域にある場合にアクセル操作の収束を監視することにより、ドライバーの意図車速へ到達したと判定することができる。
(4) 変速コントローラ(CVTコントロールユニット8)は、到達変速比と実変速比の差分が閾値内である状態を所定時間維持すると、ドライバーの意図車速へ到達したと判定する。
このため、(1)〜(3)の効果に加え、運転点(VSP,APO)が車速調整要求領域にある場合に変速比の収束を監視することにより、ドライバーの意図車速へ到達したと判定することができる。
(5) 変速コントローラ(CVTコントロールユニット8)は、無段変速機(ベルト式無段変速機CVT)の変速比固定作動条件として、実駆動力と実走行抵抗の差分による余裕駆動力が閾値1から閾値2までの間であるという余裕駆動力条件を加える。
このため、(1)〜(4)の効果に加え、閾値1から閾値2までの余裕駆動力条件を加えることで、変速比を固定したときに車速合わせが可能な余裕駆動力が残っていることを判定することができ、変速比を固定しても余裕駆動力で車速を合わせることができる。
(6) 変速コントローラ(CVTコントロールユニット8)は、無段変速機(ベルト式無段変速機CVT)の変速比固定制御中、変速比固定による駆動力不足が判定されるとダウンシフトする。
このため、(1)〜(5)の効果に加え、変速比固定制御中、変速比固定による駆動力不足を解消し、変速比固定制御をより長く継続させることができる。
(7) 変速コントローラ(CVTコントロールユニット8)は、駆動力不足判定に基づいてダウンシフトする場合、ダウンシフトでの変速比変化にランプ勾配を設定する。
このため、(6)の効果に加え、ドライバーが意図しないダウンシフトによる走行用駆動源(エンジン1)の急な回転上昇が抑えられ、ドライバーに与える違和感を解消することができる。
以上、本発明の無段変速機の変速制御装置を実施例1に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、運転点(VSP,APO)が車速調整要求領域にある場合にアクセル操作判定と変速比判定との2つの判定条件を用いてドライバーの意図車速へ到達したと判定する例を示した。しかし、アクセル操作判定と変速比判定のうち、いずれか一方の判定鑿を用いる例としても良い。
実施例1では、変速モードとして、基本的に全運転点領域にて無段変速制御を行う無段変速モードを備える例を示した。しかし、変速モードとしては、互いに制御干渉が生じないことを条件とし、高アクセル開度領域にて疑似有段変速制御を行い、低アクセル開度領域にてレシオスタビリティ制御を行う無段変速モードを備えるものであっても良い。さらに、無段変速モード以外に、例えば、「手動操作に基づくマニュアル変速モード」を備えるものであっても良い。
実施例1では、本発明の変速制御装置を、無段変速機としてベルト式無段変速機CVTを搭載したエンジン車に適用する例を示した。しかし、本発明の変速制御装置は、無段変速機として、副変速機付き無段変速機を搭載した車両等に適用しても良い。また、適用される車両としても、エンジン車に限らず、走行用駆動源にエンジンとモータを搭載したハイブリッド車、走行用駆動源にモータを搭載した電気自動車等に対しても適用できる。
1 エンジン(走行用駆動源)
CVT ベルト式無段変速機(無段変速機)
2 トルクコンバータ
3 前後進切替機構
31 前進クラッチ
4 バリエータ
5 終減速機構
6 駆動輪
7 油圧制御ユニット
8 CVTコントロールユニット(変速コントローラ)
12 エンジン回転センサ
20 ロックアップクラッチ
80 プライマリ回転センサ
81 車速センサ
83 油温センサ
84 インヒビタスイッチ
85 ブレーキスイッチ
86 アクセル開度センサ
89 前後Gセンサ
90 タービン回転センサ

Claims (6)

  1. 走行用駆動源と駆動輪との間に配される無段変速機と、
    前記無段変速機の変速制御を実行する変速コントローラと、
    を備える無段変速機の変速制御装置において、
    前記無段変速機は、変速モードとして、車速とアクセル開度による運転点に応じて変速比を無段階に変更する無段変速モードを有し、
    前記変速コントローラは、前記無段変速モードの選択による走行中、運転点が車速調整要求領域にあり、かつ、車速を調整するアクセル操作がある場合、前記無段変速機の変速比を、ドライバーの意図車速へ到達したと判定された際の変速比に固定し、
    前記無段変速モードの選択による走行中、車速が発進以外の車速領域にあり、かつ、前記無段変速機の変速比が閾値を超えるハイ変速比領域にある場合、前記車速調整要求領域にあると判断する
    ことを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  2. 請求項1に記載された無段変速機の変速制御装置において、
    前記変速コントローラは、アクセル開度変化量が閾値内である状態を所定時間維持すると、ドライバーの意図車速へ到達したと判定する
    ことを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載された無段変速機の変速制御装置において、
    前記変速コントローラは、到達変速比と実変速比の差分が閾値内である状態を所定時間維持すると、ドライバーの意図車速へ到達したと判定する
    ことを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  4. 請求項1から3までの何れか一項に記載された無段変速機の変速制御装置において、
    前記変速コントローラは、前記無段変速機の変速比固定作動条件として、実駆動力と実走行抵抗の差分による余裕駆動力が閾値1から閾値2までの間であるという余裕駆動力条件を加える
    ことを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  5. 請求項1から4までの何れか一項に記載された無段変速機の変速制御装置において、
    前記変速コントローラは、前記無段変速機の変速比固定制御中、変速比固定による駆動力不足が判定されるとダウンシフトする
    ことを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  6. 請求項5に記載された無段変速機の変速制御装置において、
    前記変速コントローラは、駆動力不足判定に基づいてダウンシフトする場合、前記ダウンシフトでの変速比変化にランプ勾配を設定する
    ことを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
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