JP2009047269A - 車両用無段変速機の変速制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転者の加速要求に応じて通常変速モードと加速変速モードとを切り換えて変速制御を行なう車両用無段変速機の変速制御装置において、加速変速モードから通常変速モードへ切り換えられる際に運転者の意に反して入力軸回転速度が急に上昇して違和感を生じさせることを防止する。
【解決手段】加速変速モードの実行中に加速時目標回転速度NINTL(破線)と目標回転速度基準値(仮変速目標値)NINTLB(一点鎖線)とを比較し、NINTL≧NINTLBの場合は加速時目標回転速度NINTLを用いて加速要求に適した変速制御を行なうが、NINTL<NINTLBの場合には、目標回転速度基準値NINTLBを最終的な目標回転速度NINTとして変速制御を行なうため、その後に加速変速モードから通常変速モードへ切り換えられる際(時間t3 )に目標回転速度NINTが連続的に変化させられるようになり、乗り心地が向上する。
【選択図】図9
【解決手段】加速変速モードの実行中に加速時目標回転速度NINTL(破線)と目標回転速度基準値(仮変速目標値)NINTLB(一点鎖線)とを比較し、NINTL≧NINTLBの場合は加速時目標回転速度NINTLを用いて加速要求に適した変速制御を行なうが、NINTL<NINTLBの場合には、目標回転速度基準値NINTLBを最終的な目標回転速度NINTとして変速制御を行なうため、その後に加速変速モードから通常変速モードへ切り換えられる際(時間t3 )に目標回転速度NINTが連続的に変化させられるようになり、乗り心地が向上する。
【選択図】図9
Description
本発明は車両用無段変速機の変速制御装置に係り、特に、運転者の加速要求に応じて通常変速モードと加速変速モードとを切り換えて変速制御を行なう変速制御装置の改良に関するものである。
(a) 運転者の加速要求値をパラメータとして予め定められた通常時変速条件に従って通常時変速目標値を求め、無段変速機の変速比に関する変速制御量がその通常時変速目標値と一致するように変速制御を行なう通常変速モードと、(b) 予め定められた加速時変速条件に従って加速時変速目標値を求め、前記変速制御量がその加速時変速目標値と一致するように変速制御を行なう加速変速モードと、(c) 前記加速要求値が予め定められた加速要求判定値を下回った場合に前記加速変速モードから前記通常変速モードに切り換える変速モード切換手段と、を有する車両用無段変速機の変速制御装置が知られている。特許文献1に記載の変速制御装置はその一例で、加速要求値を表すアクセル操作量に基づいて加速変速モードと通常変速モードとが切り換えられるようになっているとともに、上記変速制御量として無段変速機の入力軸回転速度が用いられている。また、通常時変速条件は、アクセル操作量および車速をパラメータとして、車速が低いとともにアクセル操作量が大きい程入力軸回転速度が増加するように設定されている一方、加速時変速条件は、アクセル操作量に応じた入力軸回転速度の増大を制限し、車速の上昇に対して入力軸回転速度が比例的に増加するように設定されており、優れた加速フィーリングが得られるようになっている。すなわち、通常時変速条件では、加速要求でアクセル操作量が大きくなった場合には、目標回転速度が高められて入力軸回転速度、更には原動機の回転速度が上昇させられるが、その回転速度の上昇に時間が掛かって車速増加までの応答性が悪い一方、原動機が高回転の状態に維持されて車速増加に伴って変速比が減少(アップシフト)させられるため、騒音が大きくて乗り心地が悪いとともに加速フィーリングが必ずしも良くないのである。
特開2004−125072号公報
ところで、加速変速モードの実行中、すなわち加速要求値(アクセル操作量)が加速要求判定値以上の場合には、加速要求値が加速要求判定値を下回った場合に実行される通常変速モードに比較して、所定の加速性能を得るために基本的には変速比が大きくなり、入力軸回転速度、更には原動機の回転速度が高くされるが、加速要求値が比較的小さい場合や加速時変速条件、或いは路面勾配等の走行条件によっては、その加速要求値が加速要求判定値以上で加速変速モードが継続して実施されている時でも、その加速要求値が加速要求判定値を下回って通常変速モードへ切り換えられたと仮定して、その加速要求判定値に基づいて通常時変速条件に従って求められる仮変速目標値(入力軸回転速度の目標値)よりも加速時変速目標値が低くなり、その後に実際に加速要求値が加速要求判定値を下回って通常変速モードへ切り換えられた時に、入力軸回転速度が逆に大きくなって運転者に違和感を生じさせることがあった。
図11は、加速要求値としてのアクセル操作量PAP、変速制御量としての入力軸回転速度NINの目標値(目標回転速度)NINT、および車速Vのタイムチャートの一例で、破線で示す加速時目標回転速度NINTLは加速時変速条件に従って求められる加速時変速目標値であり、この例では車速Vの上昇に対して比例的に増加させられるようになっている。加速変速モードである時間t1 〜t3 の間は、この破線で示す加速時目標回転速度NINTLが実線で示す目標回転速度NINTとなる。一点鎖線で示す目標回転速度基準値NINTLBは、加速要求判定値PAPLに基づいて通常時変速条件に従って求められる目標回転速度NINTで仮変速目標値に相当するものであり、加速要求判定値PAPLは、例えば図6に示すように車速Vが高くなるに従って増大させられるようになっており、通常時変速条件は、図4に示すように車速Vが低いとともにアクセル操作量PAPが大きい程目標回転速度NINTが高くなるように定められているため、目標回転速度基準値NINTLBは、図7に示すように車速Vが高くなる程大きくなる。
そして、例えば登り勾配などで車速Vの上昇が小さい場合には、加速時目標回転速度NINTLの増加率が小さくなるが、所定の駆動力が得られるまではアクセルが踏込み操作されたままの状態に保持され、図11の時間t1 〜t3 の間は加速要求モードに維持される。一方、車速Vの上昇に伴って目標回転速度基準値NINTLBは大きくなり、時間t2 でその目標回転速度基準値NINTLBが加速時目標回転速度NINTLを上回り、アクセルの戻し操作により時間t3 で加速変速モードから通常変速モードへ切り換えられる時に、破線で示す加速時目標回転速度NINTLから一点鎖線で示す目標回転速度基準値NINTLBまで白抜き矢印で示すように目標回転速度NINTが不連続に一気に上昇させられることがある。すなわち、アクセルの戻し操作に拘らず無段変速機がダウンシフトされ、入力軸回転速度、更には原動機の回転速度が上昇させられるのであり、運転者に違和感を生じさせる。なお、図11では、アクセルペダルが戻し操作されてアクセル操作量PAPがやや低下した段階で通常変速モードへ切り換えられ、その際に入力軸回転速度や原動機の回転速度が急に増大させられるため、運転者が違和感を生じ易いが、アクセルペダルが踏込み操作されたままでも、走行条件や加速時変速条件によっては目標回転速度基準値NINTLBが加速時目標回転速度NINTLを上回り、通常変速モードへの切換時に入力軸回転速度や原動機の回転速度が急に上昇することがあり、同様の問題が生じる。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、運転者の加速要求に応じて通常変速モードと加速変速モードとを切り換えて変速制御を行なう車両用無段変速機の変速制御装置において、加速変速モードから通常変速モードへ切り換えられる際に運転者の意に反して入力軸回転速度が急に上昇して違和感を生じさせることを防止することにある。
かかる目的を達成するために、第1発明は、(a) 運転者の加速要求値をパラメータとして予め定められた通常時変速条件に従って通常時変速目標値を求め、無段変速機の変速比に関する変速制御量がその通常時変速目標値と一致するように変速制御を行なう通常変速モードと、(b) 予め定められた加速時変速条件に従って加速時変速目標値を求め、前記変速制御量がその加速時変速目標値と一致するように変速制御を行なう加速変速モードと、(c) 前記加速要求値が予め定められた加速要求判定値を下回った場合に前記加速変速モードから前記通常変速モードに切り換える変速モード切換手段と、を有する車両用無段変速機の変速制御装置において、(d) 前記加速変速モードの実行中に、前記加速要求値が前記加速要求判定値を下回って前記通常変速モードへ切り換えられたと仮定して、その加速要求判定値に基づいて前記通常時変速条件に従って求められる仮変速目標値と、前記加速時変速目標値とを比較し、予め定められた一定の条件下でその仮変速目標値を用いて変速制御を行なうことを特徴とする。
第2発明は、第1発明の車両用無段変速機の変速制御装置において、前記加速変速モードの実行中に、前記仮変速目標値に対応する入力軸回転速度が前記加速時変速目標値に対応する入力軸回転速度を超えた場合には、その仮変速目標値を用いて変速制御を行なうことを特徴とする。
第3発明は、第1発明または第2発明の車両用無段変速機の変速制御装置において、前記通常変速モードから前記加速変速モードへ切り換えられた時に前記加速時変速条件に従って求められる加速時変速目標値に対応する入力軸回転速度は、そのモード切換時における前記仮変速目標値に対応する入力軸回転速度よりも高くなるように、その加速時変速条件は定められていることを特徴とする。
第4発明は、第1発明〜第3発明の何れかの車両用無段変速機の変速制御装置において、前記変速制御量は入力軸回転速度であることを特徴とする。
このような車両用無段変速機の変速制御装置においては、加速変速モードの実行中に加速時変速目標値と仮変速目標値とを比較し、予め定められた一定の条件下でその仮変速目標値を用いて変速制御を行なうため、加速変速モードから通常変速モードへ切り換えられる際に運転者の意に反して入力軸回転速度が急に上昇して違和感を生じさせることを防止することができる。例えば、第2発明のように仮変速目標値に対応する入力軸回転速度が加速時変速目標値に対応する入力軸回転速度を超えた場合には、その仮変速目標値を用いて変速制御が行なわれるようにすれば、加速変速モードから通常変速モードへの切換時の入力軸回転速度の急な変化(急変速)が防止される。
第3発明では、通常変速モードから加速変速モードへ切り換えられた時に、加速時変速目標値に対応する入力軸回転速度が仮変速目標値に対応する入力軸回転速度よりも高くなるため、加速変速モードへの切換に伴って入力軸回転速度が上昇させられ、優れた加速フィーリングが得られるとともに、加速変速モードへの切換に拘らず仮変速目標値を用いて変速制御が行なわれることにより加速性能が損なわれることが抑制される。
第4発明では、変速制御量が入力軸回転速度であるため、加速時変速目標値および仮変速目標値も入力軸回転速度になり、例えば第2発明のように入力軸回転速度に基づいて目標値を変更する場合に、それ等の変速目標値を直接比較すれば良いため、例えば変速比を変速制御量として変速制御を行なう場合に比較して、一々入力軸回転速度に換算する必要がなくて制御が容易である。
無段変速機は、変速比を無段階に変化させることが可能な変速機であり、V溝幅が可変すなわち有効径が可変の一対の可変プーリと、それら一対の可変プーリの間に巻き掛けられた伝動ベルトとを備え、それら一対の可変プーリの有効径が相反的に変化させられることによって変速比が連続的に変化させられる形式のベルト式無段変速機が好適に用いられるが、例えば、同心で相対回転可能に配置された一対のコーン部材とそれらの間に挟圧状態で配置された複数個のローラとを備え、そのローラの回転軸心が一対のコーン部材の回転軸心を含む面内で回動させられることによって変速比が連続的に変化させられる形式のトロイダル型無段変速機など、種々の無段変速機の変速制御装置に適用され得る。
無段変速機の変速制御により入力軸回転速度が変化すると、それに伴って車両走行用の原動機の回転速度も変化させられるが、この原動機の種類は特に限定されるものではなく、燃料の燃焼によって動力を発生するガソリンエンジンやディーゼルエンジン、電気ネルギーで回転駆動される電動モータが広く用いられているが、複数種類の原動機を備えているハイブリッド車両等にも本発明は適用され得る。
運転者の加速要求値は、運転者が車両に要求する出力量を表すパラメータであり、アクセルペダルの操作量(アクセル操作量)や、そのアクセル操作量に応じて制御されるスロットル弁開度、エンジンの吸気管に設けられたチャンバ内或いはシリンダ内へ噴射される燃料の噴射量を示す燃料噴射量、エンジンの吸気管により吸入される吸入空気量などが用いられ、それ等の変化速度を用いることも可能である。
加速要求判定値は、運転者が所定の加速を欲しているか否かを判断するためのものであり、例えば同じアクセル操作量であっても加速を欲しているか否かは車速によって異なるため、車速或いは車速に対して一定の関係を有する物理量をパラメータとして設定することが望ましい。アクセル操作量以外の加速要求値を用いる場合も同様である。また、路面勾配などもアクセル操作量に影響し、加速を欲しているか否かの判断に影響するため、車速以外に路面勾配等も考慮して加速要求判定値を定めることもできる。
通常変速モードは、例えばアクセル操作量(出力要求量に相当)および車速をパラメータとして定められた通常時変速条件に従って求められる目標回転速度(通常時変速目標値)に対して入力軸回転速度(変速制御量)を一致させるように変速制御を行なうように構成され、加速要求でアクセル操作量が急に大きくなった場合には、目標回転速度が一気に高められて入力軸回転速度、更には原動機の回転速度が一気に上昇させられるが、その回転速度の上昇に時間が掛かって車速増加までの応答性が悪い場合があるとともに、原動機が高回転の状態に維持されて車速増加に伴って変速比が減少(アップシフト)させられるため、騒音が大きくて乗り心地が悪く、加速フィーリングも必ずしも良くない。このため、加速要求時には、通常変速モードとは異なる加速変速モードで変速制御を行なうように構成される。
ここで、車速(出力軸回転速度)は急に変化しないため、変速制御においては一定と見做すことが可能で、入力軸回転速度は無段変速機の変速比(入力軸回転速度/出力軸回転速度)に対応し、入力軸回転速度の代わりに変速比を変速制御量として用いるとともに、目標回転速度の代わりに目標変速比を通常時変速目標値、加速時変速目標値として求めて、変速制御を行なうことも可能である。第2発明では、加速時変速目標値および仮変速目標値のうち対応する入力軸回転速度が大きい方に基づいて変速制御を行なうが、入力軸回転速度が大きい方は変速比が大きい方と同じであり、実質的に変速比が大きい方を選択して変速制御を行なうことと同じである。
加速変速モードは、通常変速モードによる変速制御をそのまま用いて変速する場合に比較して、加速性能や加速フィーリング、或いは騒音等に優れた変速制御を行なうものである。例えば、上記通常変速モードでアクセル操作量に応じた入力軸回転速度すなわち原動機の回転速度の増大を制限し、加速要求値等に応じて定められる所定の初期値まで入力軸回転速度を上昇させた後、車速の上昇に対して入力軸回転速度が比例的に増加するように変速制御を行なうように構成されるが、必ずしも車速に対して完全に比例させる、すなわち変速比を一定とする必要はなく、車速変化に対し所定の係数を掛け算して入力軸回転速度を増加させるようになっていても良い。すなわち、車速が一定の変化率で直線的に変化する場合には、入力軸回転速度も一定の変化率で直線的に変化させられるようにすれば良い。また、車速変化とは無関係に加速要求値等に応じて定められた変化率で入力軸回転速度を増加させるようにしても良いなど、種々の態様が可能である。
前記加速要求判定値に基づいて求められる仮変速目標値は、加速要求判定値が車速をパラメータとして設定されている場合には、その車速の変化に伴って変化させられる。この仮変速目標値は、車速変化等に応じて通常時変速条件に従って逐次算出するようになっていても良いが、加速要求判定値および通常時変速条件に基づいて予めマップや演算式として設定しておくことも可能である。すなわち、加速要求判定値が車速をパメラータとして設定されており、通常時変速条件が加速要求値(アクセル操作量など)および車速をパラメータとして設定されている場合には、車速に応じて定まる加速要求判定値および車速に基づいて通常時変速条件に従って仮変速目標値が定まるため、結局車速のみををパラメータとして仮変速目標値をマップや演算式によって予め設定することができる。なお、車速以外のパラメータを含んで仮変速目標値を求めたり設定されたりしても良い。
変速モード切換手段は、加速要求値が予め定められた加速要求判定値を下回った場合に加速変速モードから通常変速モードに切り換えるように構成され、その通常変速モードの初期の通常時変速目標値は仮変速目標値と基本的に一致する。なお、通常変速モードから加速変速モードへの切換は、同一または所定のヒステリシスを設けた加速要求判定値に基づいて行なうこともできるが、全く異なる基準で切り換えることも可能である。
第2発明では、加速時変速目標値および仮変速目標値のうち対応する入力軸回転速度が大きい方に基づいて変速制御を行なうが、第1発明の実施に際しては、例えば対応する駆動力が大きい方、或いは原動機のトルクが大きい方を選択して変速制御を行なうようにしても良いなど、種々の態様が可能である。なお、結果的に入力軸回転速度が大きい方に基づいて変速制御が行なわれる場合は、具体的な比較の対象が入力軸回転速度でない場合でも、第2発明の一実施態様と見做すことができる。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両用駆動装置10の骨子図である。この車両用駆動装置10は横置き型で、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に好適に採用されるものであり、走行用の駆動源(原動機)として内燃機関であるガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等のエンジン12を備えている。エンジン12の出力は、トルクコンバータ14から前後進切換装置16、ベルト式の無段変速機(CVT)18、減速歯車機構20を介して差動歯車装置22に伝達され、左右の駆動輪24L、24Rへ分配される。
図1は、本発明が適用された車両用駆動装置10の骨子図である。この車両用駆動装置10は横置き型で、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に好適に採用されるものであり、走行用の駆動源(原動機)として内燃機関であるガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等のエンジン12を備えている。エンジン12の出力は、トルクコンバータ14から前後進切換装置16、ベルト式の無段変速機(CVT)18、減速歯車機構20を介して差動歯車装置22に伝達され、左右の駆動輪24L、24Rへ分配される。
トルクコンバータ14は流体式伝動装置に相当し、エンジン12のクランク軸に連結されたポンプ翼車14p、およびタービン軸34を介して前後進切換装置16に連結されたタービン翼車14tを備えており、流体を介して動力伝達を行うようになっている。また、それ等のポンプ翼車14pおよびタービン翼車14tの間にはロックアップクラッチ26が設けられ、それ等を一体的に連結して一体回転させることができるようになっている。上記ポンプ翼車14pには、無段変速機18を変速制御したりベルト挟圧力を発生させたり、ロックアップクラッチ26を係合解放制御したり、或いは各部に潤滑油を供給したりするための油圧を発生する機械式のオイルポンプ28が設けられている。
前後進切換装置16は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置にて構成されており、トルクコンバータ14のタービン軸34はサンギヤ16sに連結され、無段変速機18の入力軸36はキャリア16cに連結されている。そして、キャリア16cとサンギヤ16sとの間に配設された前進用クラッチC1が係合させられると、前後進切換装置16は一体回転させられてタービン軸34が入力軸36に直結され、前進方向の駆動力が駆動輪24R、24Lに伝達される。また、リングギヤ16rとハウジング30との間に配設された後進用ブレーキB1が係合させられるとともに上記前進用クラッチC1が解放されると、入力軸36はタービン軸34に対して逆回転させられ、後進方向の駆動力が駆動輪24R、24Lに伝達される。
無段変速機18は、上記入力軸36に設けられた有効径が可変のプライマリシーブ(入力側可変プーリ)38と、出力軸40に設けられた有効径が可変のセカンダリシーブ(出力側可変プーリ)42と、それ等のプライマリシーブ38、セカンダリシーブ42に巻き掛けられた伝動ベルト44とを備えており、両シーブ38、42と伝動ベルト44との間の摩擦力を介して動力伝達が行われる。プライマリシーブ38、セカンダリシーブ42はそれぞれV溝幅が可変で、油圧シリンダ38s、42sを備えて構成されており、プライマリシーブ38の油圧シリンダ38sの油圧(プライマリシーブ圧)Pinが変速制御回路50(図2参照)によって制御されることにより、両シーブ38、42のV溝幅が変化して伝動ベルト44の掛かり径(有効径)が変更され、変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT)が連続的に変化させられる。また、セカンダリシーブ42の油圧シリンダ42sの油圧(セカンダリシーブ圧)Pout は、伝動ベルト44が滑りを生じないように挟圧力制御回路70(図2参照)によって調圧制御される。上記変速制御回路50および挟圧力制御回路70は、例えば図2に示す電子制御装置80により出力油圧が連続的に制御されるリニアソレノイドバルブやデューティソレノイドバルブ、およびそれ等の出力油圧に応じてプライマリシーブ圧Pin、セカンダリシーブ圧Pout を調圧制御するコントロールバルブ等を有して構成されている。
図2において、電子制御装置80はマイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、無段変速機18の変速制御や挟圧力制御、エンジン12の出力制御等を行うもので、必要に応じてエンジン制御用やCVT制御用等に分けて別々に構成される。電子制御装置80には、シフトポジションセンサ82、アクセル操作量センサ84、エンジン回転速度センサ86、車速センサ88、入力軸回転速度センサ90、勾配センサ92などが接続され、シフトレバー81のシフトポジションSFTP、アクセルペダル83の操作量(アクセル操作量)PAP、エンジン回転速度NE、車速V(出力軸40の回転速度(出力軸回転速度)NOUTに対応)、入力軸回転速度NIN(入力軸36の回転速度)など、各種の制御に必要な種々の情報を表す信号が供給されるようになっている。アクセルペダル83は、運転者の出力要求に応じて操作される出力要求操作部材で、アクセル操作量PAPは出力要求量を表しており、本実施例では加速要求値に相当する。なお、油圧制御回路32は、前記変速制御回路50および挟圧力制御回路70の他、ライン圧PLを調圧制御するライン圧制御回路や、ロックアップクラッチ26の係合解放制御、スリップ制御等を行なうロックアップクラッチ制御回路等を備えている。
図3は、上記電子制御装置80が無段変速機18の変速制御に関して備えている各種の機能を説明するブロック線図で、変速制御手段100は、変速モード切換手段102、通常変速手段104、およびリニアシフト手段110を備えており、リニアシフト手段110は更にNINTL算出手段112およびNINT決定手段114を備えている。通常変速手段104は通常変速モードで変速制御を行なうもので、リニアシフト手段110は加速変速モードで変速制御を行なうもので、変速モード切換手段102は、運転者の加速要求に応じて通常変速手段104による通常変速モードとリニアシフト手段110による加速変速モードとを切り換えるものである。加速変速モードで変速制御を行なうリニアシフト手段110は加速変速手段で、NINTL算出手段112は加速時変速目標値算出手段として機能し、NINT決定手段114は加速時最終変速目標値決定手段として機能する。
上記通常変速手段104によって実行される通常変速モードによる変速制御について具体的に説明すると、例えば図4に示すようにアクセル操作量PAPおよび車速Vをパラメータとして予め定められた変速マップから入力側の目標回転速度NINTを算出するとともに、実際の入力軸回転速度NINが目標回転速度NINTと一致するように、それ等の偏差等に応じて変速制御回路50のデューティソレノイドバルブのデューティ比、或いはリニアソレノイドバルブの駆動電流等をフィードバック制御することにより、プライマリシーブ38の油圧シリンダ38sに対する作動油の供給、排出を制御する。図4のマップは通常時変速条件に相当するもので、車速Vが小さくアクセル操作量PAPが大きい程大きな変速比γになる目標回転速度NINTが設定されるようになっており、目標回転速度NINTは通常時変速目標値で、入力軸回転速度NINは無段変速機18の変速比γに関する変速制御量である。また、車速Vは出力軸回転速度NOUTに対応するため、入力軸回転速度NINの目標値である目標回転速度NINTは目標変速比に対応し、無段変速機18の最小変速比γmin と最大変速比γmax の範囲内で定められている。上記変速マップは、電子制御装置80のマップ記憶装置(ROMなどの記憶手段)94に予め記憶されている。なお、アクセル操作量PAPをそのまま用いる代わりに、車速V等を考慮して求めた運転者の要求出力(パワー)等をパラメータとして上記変速マップを設定することも可能である。
ここで、このような通常変速モードでは、運転者の加速要求でアクセル操作量PAPが急に大きくなった場合には、目標回転速度NINTが一気に高められて入力軸回転速度NIN、更にはエンジン12の回転速度NEが一気に上昇させられるが、エンジン回転速度NEの上昇に時間が掛かって車速Vが増加し始めるまでの応答性が悪い。また、エンジン12が高回転の状態に維持され、車速Vの増加に伴って変速比γが滑らかに減少(アップシフト)させられるため、騒音が大きくて乗り心地が悪いとともに、加速フィーリングも必ずしも良くない。このため、運転者が所定の加速を欲していると考えられる加速要求時には、前記変速モード切換手段102によりリニアシフト手段110による変速制御に切り換えられ、加速走行に適した加速変速モードで変速制御が行なわれる。
加速要求に応じて変速モードを切り換える変速モード切換手段102は、例えば図5のフローチャートに従って信号処理を行なうことにより加速要求か否かを判断し、変速モードを切り換える。図5は、所定のサイクルタイムで繰り返し実行されるもので、ステップS1では、アクセル操作量PAPに基づいて加速要求か否かを判断するための加速要求判定値PAPLを設定する。具体的には、図6に示すように車速Vをパラメータとして予め定められたマップから、実際の車速Vに応じて加速要求判定値PAPLを設定する。すなわち、車速Vが高くなると、加速を欲していない場合でもアクセル操作量PAPは大きくなるため、この加速要求判定値マップは、車速Vをパメラータとして車速Vが大きくなる程加速要求判定値PAPLが大きくなるように設定されている。この図6の加速要求判定値PAPLに関するマップは、前記図4の変速マップと同様に電子制御装置80のマップ記憶装置94に予め記憶されている。
図5に戻って、ステップS2では、上記加速要求判定値PAPLと実際のアクセル操作量PAPとを比較する。そして、PAP<PAPLであれば運転者が加速を欲していないと判断して、ステップS3で通常変速モードを選択し、前記通常変速手段104に変速制御を実行させる一方、PAP≧PAPLの場合は運転者が加速を欲していると判断して、ステップS4で加速変速モードを選択し、前記リニアシフト手段110に変速制御を実行させる。図9は、アクセル操作量PAP、目標回転速度NINT、および車速Vのタイムチャートの一例で、時間t1 は、PAP≧PAPLになって上記ステップS2の判断がNO(否定)からYES(肯定)に変化し、通常変速モードから加速変速モードへ移行した時間であり、時間t3 は、逆にPAP<PAPLになってステップS2の判断がYESからNOに変化し、加速変速モードから通常変速モードへ移行した時間である。
リニアシフト手段110によって実行される加速変速モードによる変速制御について具体的に説明すると、先ず、前記NINTL算出手段により、次式(1) に示すように目標回転速度基準値NINTLBとアクセル踏込み補正値NINTLPAPと車速変化補正値NINTLSPDとを加算して加速時目標回転速度NINTLを算出する。この加速時目標回転速度NINTLは加速時変速目標値で、(1) 式は実質的に加速時変速条件に相当する。そして、目標回転速度基準値NINTLBは、図7に示すように車速Vをパラメータとしてマップや演算式で設定されており、車速Vが小さい程大きな変速比γになるように定められている。この目標回転速度基準値NINTLBは、前記加速要求判定値PAPLをアクセル操作量PAPとして前記図4の変速マップに従って目標回転速度NINTを求めたものと同じ値で、加速変速モードの基準値になるもので、一連の加速変速モードでの変速制御の継続中は、加速変速モードへ移行した時(図9の時間t1 )に最初に求めた一定値NINTLB0(図9参照)がそのまま用いられる。
NINTL=NINTLB+NINTLPAP+NINTLSPD・・・(1)
NINTL=NINTLB+NINTLPAP+NINTLSPD・・・(1)
上記目標回転速度基準値NINTLBはまた、加速変速モードの実行中に、アクセル操作量PAPが加速要求判定値PAPLを下回って通常変速モードへ切り換えられたと仮定して、その加速要求判定値PAPLに基づいて通常時変速条件(図4の変速マップ)に従って求められる仮変速目標値に相当する。この目標回転速度基準値NINTLBは、図7に示すように車速Vをパラメータとしてマップや演算式として設定され、電子制御装置80のマップ記憶装置94に予め記憶されている。
前記(1) 式のアクセル踏込み補正値NINTLPAPは、アクセル操作量PAPすなわち加速要求値が大きい程加速時目標回転速度NINTLを高くするための補正値で、例えば図8に示すようにアクセル操作量PAPをパラメータとして予め定められたマップや演算式に従って求められる。図8のマップは、加速要求判定値PAPL以上のアクセル操作量PAPで所定のアクセル踏込み補正値NINTLPAPが設定されるように定められており、アクセル操作量PAPが加速要求判定値PAPLを超えて通常変速モードから加速変速モードへ切り換えられた初期(図9の時間t1 )の加速時目標回転速度NINTLは、仮変速目標値に相当する目標回転速度基準値NINTLBよりもアクセル踏込み補正値NINTLPAPだけ大きくなる。この図8のアクセル踏込み補正値NINTLPAPに関するマップは、電子制御装置80のマップ記憶装置94に予め記憶されている。
また、車速変化補正値NINTLSPDは、車速Vの上昇に対して加速時目標回転速度NINTLすなわち入力軸回転速度NINを比例的に増加させるための補正値で、例えば次式(2) に示すように、車速Vの変化速度ΔV或いはサイクルタイム当りの車速Vの変化量ΔVに、所定の補正係数αを掛け算した値を前回の補正値NINTLSPDi-1 に加算することによって求められる。これにより、例えば車速Vが一定の変化率で直線的に増加する場合には、車速変化補正値NINTLSPDも一定の変化率で直線的に増加させられるようになる。この車速変化補正値NINTLSPDおよび前記アクセル踏込み補正値NINTLPAPは、一連の加速変速モードでの変速制御の過程で、所定のサイクルタイムで加速時目標回転速度NINTLが算出される度に逐次更新され、車速変化補正値NINTLSPDは車速Vの増加に応じて連続的に増大させられる。
NINTLSPDi =NINTLSPDi-1 +α×ΔV ・・・(2)
NINTLSPDi =NINTLSPDi-1 +α×ΔV ・・・(2)
一方、前記NINT決定手段114は、図10のフローチャートに従って加速変速モード時の最終的な目標回転速度NINTを決定する。図10のステップR1では、加速変速モードの実行中か否かを、例えば前記ステップS2の判定結果を表すフラグ等によって判断し、加速変速モードの実行中であればステップR2以下を実行する。ステップR2では、前記図7のマップから実際の車速Vに応じて目標回転速度基準値NINTLBを算出する。次のステップR3ではその目標回転速度基準値NINTLBと、前記NINTL算出手段112により前記(1) 式に従って求められた加速時目標回転速度NINTLとを比較する。すなわち、この時の目標回転速度基準値NINTLBは、アルセル操作量PAPが加速要求判定値PAPLを下回って通常変速モードへ切り換えられたと仮定して、その加速要求判定値PAPLに基づいて通常時変速条件(図4の変速マップ)に従って求められる仮変速目標値に相当する。
ステップR3では、加速時目標回転速度NINTLが目標回転速度基準値NINTLB以上か否かを判断し、NINTL≧NINTLBであれば、ステップR4で加速時目標回転速度NINTLを最終的な目標回転速度NINTとする一方、NINTL<NINTLBの場合には、ステップR5で目標回転速度基準値NINTLBを最終的な目標回転速度NINTとする。すなわち、基本的にはNINTL≧NINTLBとなり、加速時目標回転速度NINTLが最終的な目標回転速度NINTとされて加速要求に適した変速制御が行なわれるが、例えば登り勾配などで車速Vの上昇が小さい場合、或いは前記車速変化補正値NINTLSPDの補正係数αが小さい場合等には、加速時目標回転速度NINTLの増加率が小さくなるため、車速Vの上昇に伴って大きくなる目標回転速度基準値NINTLBがその加速時目標回転速度NINTLを上回る場合がある。
図9の目標回転速度NINTの欄の実線は最終的な目標回転速度NINTで、破線は加速時目標回転速度NINTLで、一点鎖線は目標回転速度基準値NINTLBであり、時間t2 は目標回転速度基準値NINTLBが加速時目標回転速度NINTLを上回るようになった時間である。したがって、この時間t2 以降は、目標回転速度基準値NINTLBが最終的な目標回転速度NINTとされる。その後、アクセルペダル83が戻し操作されることにより、時間t3 で加速変速モードから通常変速モードへ切り換えられ、前記通常変速手段104により前記図4の変速マップに従って目標回転速度NINTが求められるが、目標回転速度基準値NINTLBは図4の変速マップに従って設定されたものであるため、加速変速モードから通常変速モードへの変速モードの切換に拘らず目標回転速度NINTの連続性を確保することができる。
そして、このように最終的な目標回転速度NINTが決定されると、リニアシフト手段110は前記通常変速モードと同様に、実際の入力軸回転速度NINが目標回転速度NINTと一致するように、それ等の偏差等に応じて変速制御回路50のデューティソレノイドバルブのデューティ比、或いはリニアソレノイドバルブの駆動電流等をフィードバック制御することにより、プライマリシーブ38の油圧シリンダ38sに対する作動油の供給、排出を制御する。なお、最終的な目標回転速度NINTは、前記(1) 式の各種の補正等に拘らず無段変速機18の最大変速比γmax を超えないようにガードが掛けられる。
このように、本実施例の変速制御装置においては、加速変速モードの実行中にステップR3で加速時目標回転速度NINTLと目標回転速度基準値(仮変速目標値)NINTLBとを比較し、NINTL≧NINTLBの場合は加速時目標回転速度NINTLを用いて加速要求に適した変速制御を行なうが、NINTL<NINTLBの場合には、その目標回転速度基準値NINTLBを用いて変速制御を行なうため、その後に加速変速モードから通常変速モードへ切り換えられる際(図9の時間t3 )に目標回転速度NINTが連続的に変化させられるようになり、乗り心地等の運転フィーリングが向上する。
すなわち、図11に示すように、通常変速モードに切り換えられるまで、破線で示す加速時目標回転速度NINTLを用いて変速制御が行なわれると、時間t3 で通常変速モードへ切り換えられる際に、白抜き矢印で示すように目標回転速度NINTが不連続に一気に増大させられ、無段変速機18がダウンシフトさせられるため、アクセルペダル83を戻し操作した運転者の意に反して入力軸回転速度NIN、更にはエンジン12の回転速度NEが急に上昇させられ、運転者に違和感を生じさせるが、本実施例ではNINTL<NINTLBとなった段階(時間t2 )で、その目標回転速度基準値NINTLBを用いて変速制御を行なうように切り換えられるため、入力軸回転速度NINやエンジン回転速度NEの急な変化すなわち急変速が防止され、加速変速モードから通常変速モードへの移行がスムーズに行なわれるのである。
また、通常変速モードから加速変速モードへ切り換えられた当初(時間t1 )は、加速時目標回転速度NINTLが仮変速目標値すなわち目標回転速度基準値NINTLBよりも高くなるため、加速変速モードへの切換に伴って入力軸回転速度NINやエンジン回転速度NEが上昇させられ、優れた加速フィーリングが得られるとともに、加速変速モードへの切換に拘らずNINTL<NINTLBで目標回転速度基準値(仮変速目標値)NINTLBを用いて変速制御が行なわれることにより加速性能が損なわれることが防止される。
また、本実施例では入力軸回転速度NINを変速制御量として変速制御が行なわれるため、加速時目標回転速度NINTLおよび仮変速目標値である目標回転速度基準値NINTLBも入力軸回転速度NINに関するものとなり、加速変速モードではそれ等の加速時目標回転速度NINTLと目標回転速度基準値NINTLBとを直接比較して大きい方を最終的な目標回転速度NINTとして変速制御を行なえば良いため、例えば変速比γを変速制御量として変速制御を行なう場合に比較して、一々入力軸回転速度NINに換算する必要がなくて制御が容易である。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
18:ベルト式無段変速機(無段変速機) 36:入力軸 50:変速制御回路 80:電子制御装置 90:入力軸回転速度センサ 102:変速モード切換手段 104:通常変速手段(通常変速モード) 110:リニアシフト手段(加速変速モード) PAP:アクセル操作量(加速要求値) PAPL:加速要求判定値 NIN:入力軸回転速度(変速制御量) NINT:目標回転速度(通常時変速目標値) NINTL:加速時目標回転速度(加速時変速目標値) NINTLB:目標回転速度基準値(仮変速目標値)
Claims (4)
- 運転者の加速要求値をパラメータとして予め定められた通常時変速条件に従って通常時変速目標値を求め、無段変速機の変速比に関する変速制御量が該通常時変速目標値と一致するように変速制御を行なう通常変速モードと、
予め定められた加速時変速条件に従って加速時変速目標値を求め、前記変速制御量が該加速時変速目標値と一致するように変速制御を行なう加速変速モードと、
前記加速要求値が予め定められた加速要求判定値を下回った場合に前記加速変速モードから前記通常変速モードに切り換える変速モード切換手段と、
を有する車両用無段変速機の変速制御装置において、
前記加速変速モードの実行中に、前記加速要求値が前記加速要求判定値を下回って前記通常変速モードへ切り換えられたと仮定して、該加速要求判定値に基づいて前記通常時変速条件に従って求められる仮変速目標値と、前記加速時変速目標値とを比較し、予め定められた一定の条件下で該仮変速目標値を用いて変速制御を行なう
ことを特徴とする車両用無段変速機の変速制御装置。 - 前記加速変速モードの実行中に、前記仮変速目標値に対応する入力軸回転速度が前記加速時変速目標値に対応する入力軸回転速度を超えた場合には、該仮変速目標値を用いて変速制御を行なう
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用無段変速機の変速制御装置。 - 前記通常変速モードから前記加速変速モードへ切り換えられた時に前記加速時変速条件に従って求められる加速時変速目標値に対応する入力軸回転速度は、該モード切換時における前記仮変速目標値に対応する入力軸回転速度よりも高くなるように、該加速時変速条件は定められている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用無段変速機の変速制御装置。 - 前記変速制御量は入力軸回転速度である
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用無段変速機の変速制御装置。
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JP2007215242A JP2009047269A (ja) | 2007-08-21 | 2007-08-21 | 車両用無段変速機の変速制御装置 |
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JP2013071562A (ja) * | 2011-09-27 | 2013-04-22 | Aisin Seiki Co Ltd | ハイブリッド車両の制御装置 |
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2007
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