上述された本発明の性質、特徴および利点、および、それらが達成される方法および様式は、図面に関して詳細に説明される代表的実施例の以下の記述に関して更に明らか且つ更に理解可能となろう。
本発明は、以下において、図面を参照しつつ好適実施例を用いて詳細に説明される。各図において、同一の参照番号は、同一もしくは同様の要素を表す。各図は、本発明の種々の実施例の概略的表現である。各図中に示された要素は、必ずしも縮尺通りには示されず、むしろ、各図中に示された種々の要素は、それらの機能および概略的な目的が当業者に理解可能となる如き様式で再現される。各図中に示された機能的ユニットと各要素との間の接続および結合は、間接的な接続もしくは結合としても実現され得る。機能的ユニットは、ハードウェア、ソフトウェア、または、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせとして実現され得る。
以下においては、光を走査する種々の技術が記述される。以下の技術は、たとえば、光の2次元走査、または、光の1次元走査を可能とし得る。走査とは、異なる発光角度における光の反復的な発光を表し得る。走査とは、光による、周囲における種々の点の反復的な走査を表し得る。たとえば、周囲における種々の点の個数、および/または、種々の発光角度の大きさが、走査有効範囲を決定し得る。
レーザ光は、種々の例において走査させることが可能である。たとえば、可干渉性または非干渉性のレーザ光が使用され得る。偏光された、または、偏光されないレーザ光を使用することが可能である。たとえば、レーザ光がパルス化方式で使用されることが可能である。たとえば、フェムト秒またはピコ秒またはナノ秒の範囲のパルス幅を有する短いレーザ・パルスが使用される。たとえば、パルス化時間は、0.5〜3ナノ秒の範囲内であり得る。レーザ光は、700〜1800nmの範囲内の波長を有し得る。簡潔さのために、以下においては基本的にレーザ光に対して参照が為されるが、此処で記述される種々の例は、たとえば、広帯域の光源またはRGB光源などの他の光源からの光の走査に対しても使用され得る。本明細書において、RGB光源とは、色空間が、たとえば、赤、緑、青、または、シアン、マゼンタ、イエロー、黒などの幾つかの異なる色を重なり合わせることにより網羅されるという可視スペクトルにおける一般的な光源を表している。
レーザ光を走査する種々の例においては、ファイバ形状要素の可動端部が使用される。上記ファイバ形状要素は、長寸であるべく設計され得ると共に、たとえば、梁材とも表され得る。上記ファイバ形状要素は、直線状であると表され得、すなわち、それは、非作動の位置において、湾曲を有さず、または、それほどの湾曲を有さない。上記ファイバ形状要素は、以下において、簡潔さの故にファイバと表される。
たとえば、光を導くコアを有さないファイバが使用され得る。但し、他の例においては、ガラスファイバとも称される光ファイバが使用される。但し、此処では、ファイバがガラスから作成されることは必要でない。ファイバは、たとえば、プラスチック、ガラス、または、他の一定の材料から作成され得る。たとえば、ファイバは、石英ガラスまたはケイ素から作成され得る。たとえば、ファイバは、70GPaの弾性係数を有し得る。たとえば、ファイバは、4%までの材料の膨張を可能とし得る。幾つかの例において、ファイバは、導入されたレーザ光が伝搬され且つ縁部(光学的導波路)における全反射により囲繞されるというコアを有する。但し、ファイバは、コアを有する必要はない。種々の例においては、いわゆるシングルモード・ファイバ(英語:シングルモード・ファイバ)またはマルチモード光ファイバ(英語:マルチモード・ファイバ)が使用される。此処で記述される種々のファイバは、たとえば、円形の断面を有し得る。たとえば、此処で記述される種々のファイバは、50μm以上、選択的には150μm以上、更に選択的には500μm以上、更に選択的には1mm以上である直径を有することが可能である。たとえば、此処で記述される種々のファイバは、屈曲または湾曲されるべく、すなわち、撓曲的であるべく設計され得る。この目的の為に、此処で記述されるファイバの材料は、一定の弾性を有し得る。
たとえば、ファイバの可動端部は、1次元において、または、2次元において移動され得る。たとえば、ファイバの可動端部は該ファイバの固定位置に対して傾斜されることが可能であり、これは、最初は直線状であるファイバの湾曲に帰着する。代替的または付加的に、ファイバの可動端部は、ファイバ軸心、すなわち、中央ファイバ軸心に沿って回転されること(捩れ)が可能である。ファイバの可動端部の移動によれば、レーザ光が種々の角度にて発光され得る。結果として、レーザ光により周囲が走査され得る。可動端部の移動の強さに依存して、種々の大きな走査有効範囲が実現され得る。
此処で記述される種々の例においては、ファイバの可動端部の湾曲に対して代替的にまたは付加的に、ファイバの可動端部の捩れを実現することが可能である。
本明細書中に記述される種々の例において、ファイバは、偏向ユニットに対するアクチュエータとして使用される。上記偏向ユニットは、ファイバの可動端部に対して堅固にまたは固定して取付けられ得る。たとえば、ファイバは偏向ユニットの後側部に対して取付けられ得、その場合に光の偏向は、前側部にて生じる。但し、レーザ光は、ファイバを通るのではなく、別の光路を通じて上記偏向ユニットに到達し得る。たとえば、ファイバの非作動状態において、光路と上記ファイバの長手軸心とは、90°〜270°の範囲内内、選択的には170°〜190°の範囲内、更に選択的には約180°の角度を画成する。換言すると、上記ファイバは、上記偏向ユニットに至る途中にて、レーザ光に対する光学的導波路としては作用しない。これにより、ファイバ内へのレーザ光の複雑で不経済な結合が回避され得る。更に、空間的なTEM00モードだけでなく、代替的または付加的に他のモードも有するレーザ光が使用され得る。これにより、たとえば、レーザ・ダイオードなどの特に小寸のレーザを使用することが可能とされ得る。
たとえば、上記偏向ユニットは、プリズムまたはミラーとして実現され得る。たとえば、上記ミラーはウェハとして実現され得る。たとえば、上記ミラーは、0.05μ〜0.1mmの範囲内の厚みを有し得る。
概略的に、光の走査に対する斯かる技術は、非常に多様な応用の分野において使用され得る。例としては、内視鏡およびRGBプロジェクタおよびプリンタが挙げられる。LIDAR技術は、種々の例において使用され得る。LIDAR技術は、周囲における物体の空間的に解像された距離測定を実施するために使用され得る。たとえば、LIDAR技術は、ファイバの可動端部、物体、および、検出器の間におけるレーザ光の所要時間測定を含み得る。
LIDAR技術に関する種々の例が記述されるが、本出願は、LIDAR技術に限定されない。たとえば、ファイバの可動端部によるレーザ光の走査に関して本明細書中に記述される態様は、他の用途においても使用され得る。例としては、たとえば、プロジェクタにおける画像データの投射が挙げられ、たとえば、此処ではRGB光源が使用され得る。
種々の例は、レーザ光の走査は、発光角度に関して高い精度を以て実施することが好適であり得るという認識に基づく。たとえば、距離測定の空間的分解能は、LIDAR技術に関しては、発光角度の不正確さにより制限され得る。典型的に、レーザ光の発光角度が高い正確さで(低い正確さで)決定され得るほど、更に高い(更に低い)空間的分解能が達成される。
種々の例において、ファイバの可動端部の幾つかの発光角度または位置は、種々の走査位置において再現可能な様式で実現され得ることは必要でない。ファイバの可動端部の幾つかの位置において走査プロセスの中断は必要でなく、単一的な進行−発射(step−and−shoot)技術の代わりに、連続的な進行−発射技術が実現され得る。むしろ、LIDAR測定は、任意の発光角度にて実現され得ると共に、該測定は、たとえば、確実に与えられた角度の走査パターンにて、ファイバの可動端部の位置の正確な測定により、発光角度に関する対応情報により補間され得る。
種々の例は、発光角度を表す信号を発すべく設計された位置決定デバイスに関する。このことは、上記位置決定デバイスは、ファイバの可動端部の位置を表す信号を発すべく設計され得ることを意味する。たとえば、レーザ光の走査を利用する用途が、更に高い精度を達成するために上記位置決定デバイスの信号を使用することが可能である。上記位置決定デバイスの結果として、ファイバの一定の位置を反復的に実現することは必要でなく、むしろ、可動ファイバ端部の実際の位置および実際の発光角度が測定され得る。これにより、可動ファイバ端部の位置決めに対するアクチュエータの制御の複雑さが低減される。上記アクチュエータは、たとえば、走査プロセスが測定のために中間位置にて中断されるといういわゆる進行−発射手法とは対照的に、2つの極限位置間で可動端部を連続的に往復移動すべく設計され得る。上記アクチュエータは、各極限位置間における幾つかの位置を解像方式で実現すべく設計される必要はない。上記アクチュエータは、たとえば、ファイバの可動端部を、2つの極限位置間において実質的に一定速度にて定常的に往復させるべく設計され得る。特に上記アクチュエータは、2つの極限位置間における可動ファイバの移動の間において、中間位置にてゼロまでの速度の低下が生じない様に設計され得る。
一例において、上記位置決定デバイスは、光学的測定を実施すべく設計され得る。たとえば、上記位置決定デバイスは、ファイバの湾曲および/または捩れを光学的に測定すべく設計され得る。代替的または付加的に、上記位置決定デバイスは、たとえば、レーザ光自体に基づき、および/または、発光ダイオードの光に基づき、および/または、別のレーザ光源の別のレーザ光に基づき、レーザ光の発光角度を光学的に測定すべく設計され得る。位置の斯かる光学的測定は、特に正確であり得る。更に、高い走査周波数が可能であり得る。これは、連続的な進行−発射の走査技術を必要とする。
幾つかの例において、上記位置決定デバイスは、ファイバの可動端部の領域におけるレーザ光の状況測定により、ファイバの可動端部の位置を決定すべく設計され得る。たとえば、アクチュエータの状況測定を考慮する他の間接的な技術とは対照的に、この様にすれば、レーザ光が発せられる角度の特に正確な決定が行われ得る。更に、レーザ光が発せられる角度の特に迅速な決定が行われ得る。上記位置決定デバイスが信号を発する走査周波数は、特に高くされ得る。
種々の例において、上記位置決定デバイスは、ファイバの可動端部の位置を、ファイバ自体の状況測定により決定すべく設計され得る。たとえば、アクチュエータの状況測定を考慮する他の間接的な技術とは対照的に、この様にすれば、レーザ光が発せられる角度の特に正確な決定が行われ得る。更に、レーザ光が発せられる角度の特に迅速な決定が行われ得る。上記位置決定デバイスが信号を発する走査周波数は、特に高くされ得る。
種々の例において、上記位置決定デバイスはPSDを備えて成る。該PSDは、たとえば、横方向光電効果に基づいて作動され得る。この目的の為に、たとえば、PINダイオードが使用され得る。代替的または付加的に、離散型PSDも使用され得る。たとえば、後者は、たとえばCCDセンサもしくはCMOSセンサの形態の数個の離散的な像点を備えて成り得る。PSDによれば、レーザ光が発光される現在角度を決定することが可能であり得る。幾つかの例においては、光透過性PSD(英語:半透明PSD)が使用されて破損が回避され得る。
種々の例において、上記位置決定デバイスは、少なくともひとつのファイバ・ブラッグ格子を備えて成る。該ファイバ・ブラッグ格子は、ファイバ・コアの屈折率の周期的変調に対応し得る。上記ファイバ・ブラッグ格子は、100μm〜1mmの範囲内の長さを有し得る。ファイバ・ブラッグ格子の周期性は、光の波長の範囲内であり得る。その波長がブラッグ関係を満足する光がファイバ・ブラッグ格子に衝当するとき、入射光の相当な量が反射され得る。ファイバ・ブラッグ格子の領域におけるファイバの長さの変化に関しては、反射光の大きさが測定されるという結論が為され得る。たとえば、ファイバ・ブラッグ格子の領域におけるファイバの長さの変化は、ファイバの自由端部の移動に基づくファイバの湾曲により引き起こされ得る。反射光を評価するために、たとえば、分光計が使用され得る。但し、反射光を評価するために、ファイバ・ブラッグ格子のフィルタ曲線の傾斜部の領域に帯域通過フィルタを備えて成る遮断フィルタが使用されることも可能である。この様にして、遮断フィルタの後における種々の強度は、ファイバ・ブラッグ格子における反射の変化を表し得る。対応する技術は、独国特許発明第DE 10 2009 014 478 B4号明細書に開示されており、対応する開示内容は相互参照により此処で援用される。
上記アクチュエータは、たとえば、共振駆動を実現すべく設計され得る。これは、上記アクチュエータは、ファイバの端部の質量、および、この領域における、たとえば偏向ユニットおよび/またはレンズなどの如き他の要素の質量を共振的に励起すべく設計され得ることを意味する。基本的に、此処では、一次の固有モード、および/または、高次のひとつ以上の固有モードが共振的に励起される。これは、ファイバの湾曲および/または捩れに関連する。但し、上記アクチュエータは非共振的な駆動を実現することも可能である。
此処で記述される技術によれば、種々の効果が達成され得る。たとえば、レーザ光の走査を、特に簡素で高信頼性の様式で、且つ、殆ど構造的スペースを取らずに実現する装置を実現することが可能であり得る。特に、たとえば、数個の懸架箇所にて固定物に対して接続された巨視的走査ミラーを使用する基準的な実施形態と比較して、ファイバの自由端部の移動は、単純な構造部材により、特に高度に統合された様式で実現され得る。更に、従来の走査ミラーと比較して、対応装置における摩耗は、動作の間において更に少なくなり得る。
ファイバの可動端部の特に正確な位置決めは、特にPSDおよび/またはファイバ・ブラッグ格子を備えた位置決定デバイスの使用により実施され得る。結果として、たとえば、周囲に亙るレーザ光の走査に頼るLIDAR技術の如き用途に対して高い空間的分解能を確実とすることが再び可能であり得る。高い空間的分解能はまた、連続的な進行−発射手法に対しても達成され得る。
図1Aは、物体195、196の走査距離測定に関する態様を示している。特に、図1Aは、LIDAR技術に基づく距離測定に関する態様を示している。
図1Aは、レーザ光191、192に対する発光部101を備えて成る装置100を示している。発光部101は、たとえば、レーザ光源、および/または、レーザ光を発する光ファイバの端部であり得る。レーザ光は、たとえば、パルス化方式で発せられる(一次放射線)。たとえば、一次レーザ光191、192は偏光され得る。一次レーザ光191、192が偏光されないことも可能であり得る。発光部101、物体195、196、および、検出器102の間におけるレーザ光パルスの所要時間は、装置100と物体195、196との間の距離を決定するために使用され得る。この目的の為に、物体195、196から反射された二次放射線191B、192Bが測定される。たとえば、検出器102としては、レーザ光191、192の波長を有する光が選択的に通過することを許容する波長フィルタに対して結合されたフォトダイオードが使用され得る。その結果として、物体195、196により反射された二次レーザ光191B、192Bが検出され得る。
基本的に、発光部101および検出器102は別体的な構造部材として実現されることが可能であるが、二次レーザ光191B、192Bは、同様に発光部101を実現する同一のレンズにより検出されることも可能である。
検出器102は、たとえば、アバランシェ・フォトダイオードを備えて成り得る。たとえば、検出器102は、単一光子アバランシェ・ダイオード(SPAD)を備えて成り得る。たとえば、上記検出器は、500個以上、選択的には1,000個以上、更に選択的は10,000個以上のSPADを備えて成るSPADアレイを備えて成り得る。検出器102は、たとえば、光子相関により動作され得る。検出器102は、たとえば、個々の光子を検出すべく設計され得る。
発光部101に対し、且つ、検出器102に対して結合されたLIDARシステム103が配備される。たとえば、上記LIDARシステムは、発光部101と検出器102との間における時間的な同期を達成すべく設計され得る。LIDARシステム103は、検出器102から獲得された測定信号に基づいて物体195、196の距離測定を実施すべく設計され得る。たとえば、LIDARシステム103は、装置100に関する物体195、196の距離および/または位置を表す信号を発すべく設計され得る。幾つかの例において、LIDARシステム103は、物体195、196の速度、および/または、物体195、196の材料を表す信号も発し得る。これに加え、たとえば、ドップラ効果が考慮され得る。
これに加え、種々の例においては、自身のフィルタ曲線がレーザ光のスペクトル範囲内に配置された、たとえば遮断フィルタまたは帯域通過フィルタなどの光学周波数フィルタが使用され得る。ドップラ・シフトによれば、フィルタを通して伝達される光の量は、物体195、196の速度の関数として変化することが達成され得る。そのとき、速度は、強度測定により決定され得る。たとえば、フィルタリングが実施されないときの基準測定が実施され得る。
物体195、196を区別し得るために、すなわち、空間的分解能を実現可能とし得るために、発光部101は、異なる角度110(発光角度)にてレーザ光191、192を発光すべく設計される。調節された角度110に依存して、レーザ光191、192は、物体196から、または、物体195からの結果として反射される。LIDARシステム103は上記特定角度に関する情報を有することから、空間的分解能が実現可能とされ得る。図1において、角度110が変更され得る走査範囲は、点線により示される。
図1Bは、装置100に関する態様を示している。図1Bは、図1Aよりも相当に詳細に装置100を示している。
図1Bの例において、発光部101は、レーザ光源599および走査デバイス500により実現される。たとえば、レーザ光源599は、ファイバ・レーザまたはレーザ・ダイオードであり得る。レーザ光源599は、たとえば、幾つかの空間的モードを励起し得る。レーザ光源599は、たとえば、5〜15nmの周波数幅を有し得る。
装置100はまた、走査デバイス500を起動すべく設計されたアクチュエータ900も備えて成る。走査デバイス500は、異なる角度110にて、レーザ光源599から発せられたレーザ光191、192が発光される様に、それらを偏向させるべく設計される。走査デバイス500は、周囲の1次元の走査または2次元の走査を可能とし得る。
アクチュエータ900は典型的に、電気的に作動され得る。アクチュエータ900は、磁的構成要素、および/または、圧電構成要素を備えて成り得る。たとえば、上記アクチュエータは、時間の関数として回転する磁界を生成すべく設計された回転磁界発生源を備えて成り得る。
アクチュエータ900を制御するために、アクチュエータ900に対して制御信号を送信すべく設計された、たとえば電気スイッチ、マイクロコントローラ、FPGA、ASICおよび/またはプロセッサなどの制御器950が配備される。制御器950は特に、それが、一定の角度範囲110を走査すべく上記走査デバイスを起動する如き様式でアクチュエータ900を制御すべく設計される。上記制御器は、一定の走査周波数を実現し得る。たとえば、種々の走査周波数により種々の空間方向が走査され得る。典型的な走査周波数は、0.5kHz〜2.5Hzの範囲内、選択的には0.7kHz〜1.5kHzの範囲内であり得る。走査は、連続的な進行−発射技術において連続的に行われ得る。
これに加え、図1Bにおいては位置決定デバイス560が配備される。位置決定デバイス560は、レーザ光191、192が発光される発光角度を表す信号を発すべく設計される。これに加え、たとえば、位置決定デバイス560は、アクチュエータ900および/または走査デバイス500の状況測定を実施することが可能である。位置決定デバイス560はまた、たとえば、一次レーザ光191、192を直接的に測定することも可能である。位置決定デバイス560は概略的に、たとえば、一次光191、192、および/または、発光ダイオードからの光に基づき、発光角度を光学的に測定し得る。単純な実施形態において、位置決定デバイス560はまた、制御器950からの制御信号を受信すると共に、該制御信号に基づいて上記信号を決定することも可能である。上記の技術の組み合わせさえも可能である。
LIDARシステム103は、物体の走査距離測定のために、位置決定デバイス560により利用可能とされた上記信号を使用し得る。LIDARシステム103は、検出器102に対しても結合される。その場合、位置決定デバイス560の信号に基づき、且つ、検出器102により検出された二次レーザ光191B、192Bに基づき、LIDARシステム103は、装置100の周囲における物体195、196の距離測定を実施し得る。LIDARシステム103は、たとえば、位置決定デバイス560の信号に基づき、距離測定の空間的分解能を実現し得る。
一例において、位置決定デバイス560は、アクチュエータ900の制御器950に対して接続されることも可能である(図1Bには示されない)。その場合、走査デバイス500は、位置決定デバイス560の信号に基づいて調節されるという制御ループが実現される。該制御ループは、アナログおよび/またはデジタル方式で実現され得る。これは、制御器950が、位置決定デバイス560の信号に基づいてアクチュエータ900を制御し得ることを意味する。その場合、周囲の再現可能な走査が可能とされ得る。たとえば、LIDAR測定の測定点は、同一の発光角度にて反復的に検出され得る。これにより、特に簡素な評価が可能とされ得る。
図2は、装置100に関する態様を示している。特に、図3は、走査デバイス500に関する態様を示している。図2の例において、装置100はファイバ201を備えて成る。ファイバ201は、走査デバイス500を実現する。ファイバ201は、中央軸心202に沿って延在する。ファイバ202は、端面209を有する可動端部205を備えて成る。
装置100は、固定物250も備えて成る。たとえば、固定物250は、プラスチックまたは金属から製造され得る。固定物250は、たとえば、ファイバ201の可動端部250を受容するハウジングの一部であり得る。上記ハウジングは、たとえば、DPAKまたはDPAK2ハウジングであり得る。
固定物250は、ファイバ201を固定位置206へと固定する。たとえば、固定位置206におけるファイバ201の固定物250は、締着接続構造により、および/または、半田付け接続構造により、および/または、接着剤接続構造により実現され得る。故に、固定位置206の領域において、ファイバ201は、固定物250に対して固定して、または堅固に結合される。ファイバ206はまた、固定位置206にて終端してもよい、すなわち、可動端部205とは逆側のファイバ201の他端は、固定位置206と一致してもよい。
更に、図2は、固定位置206と可動端部205との間におけるファイバ201の長さ203を示している。この領域において、ファイバ201は直線状であるべく構成される。図2からは、可動端部205は固定位置206から所定距離に在ることが明らかである。たとえば、種々の例において、長さ203は、0.5cm〜10cmの範囲内、選択的に1cm〜5cmの範囲内、更に選択的には1.5〜2.5cmの範囲内であり得る。たとえば、長さ203は、5mm〜10mmの範囲内であり得る。特に、直線状のファイバ201の長さ203の斯かる寸法設定によれば、ファイバの捩れと組み合わせて、特に大きな捩れ角度が達成され得る。
故に、可動端部205は、空間において自由に起立する。固定位置206に対する可動端部205のこの距離の結果として、固定位置206に対するファイバ201の可動端部205の位置が変更され得ることが達成され得る。此処では、たとえば、固定位置206と可動端部205との間の領域におけるファイバ201を湾曲および/または回転させることが可能である。図2は、移動または偏向が無いファイバ201の非作動状態を示している。
図3Aは、装置100に関する態様を示している。特に、図3Aは、走査デバイス500に関する態様を示している。図3Aの例において、装置100はファイバ201を備えて成る。ファイバ201は、走査デバイス500を実現する。図3Aの例は、図2の例に対応する。図3Aは、走査デバイス500の動的状態を示している。
図3Aの例において、ファイバ201の端部205は、位置301および位置302(図3Aにおける破線)にて示される。これらの位置301、302はファイバ201の極限位置を実現し、たとえば、位置301、302を越える端部205の更なる移動を呈する(図3Aでは示されない)停止部が配備され得る。ファイバ201は、たとえば周期的に、位置301、302間で往復して移動し得る。図3Aの例において、位置301は、湾曲311に対応する。位置302は湾曲321に対応する。湾曲311、321は、逆の符号を有する。ファイバ201を位置301、302間で移動させるために、アクチュエータ900が配備され得る(図3Aにおいてアクチュエータ900は示されない)。
図3Aにおいては、(図3Aの描画平面内の)1次元移動が示されるが、(図3Aの描画平面に対して直交する成分を備える)2次元移動も可能である。たとえば、リサージュの図形が実現され得る。
位置301、302において湾曲311、321を利用可能とすることにより、レーザ光191、192が湾曲角度範囲110−1に亙り発光されることが達成され得る。これにより、装置100の周囲領域をレーザ光191、192により走査することが可能とされる。此処で、レーザ光191、192は、ファイバ201を通り進行する必要は無く、(図3Aにおいて示されない)一次レーザ光191、192は、別の光路を通じても可動端部205に到達し得る。
図3Aの例は、湾曲311に対する例示的な曲率半径312も示している。更に、湾曲321に対する例示的な曲率半径322が示される。曲率半径312、322はいずれも、固定位置206と可動端部205との間におけるファイバ201の長さ203の略々1.5倍である。他の例においては、更に小さい湾曲311、321、または、更に大きい湾曲311、321さえもまた実現され得る。此処で、更に小さい湾曲311、321は、特に長さ203に関し、更に大きい曲率半径312、322に対応する。
種々の実施形態は、大きな走査領域と小さな湾曲311、321との間の重み付けが好適であり得るという認識に基づく。一方で、小さな湾曲311、321は、走査周波数、および/または、ファイバ201の材料疲労に関して好適であり得る。他方で、大きな湾曲311、321は、大きな走査領域に関して好適であり得る。
多くの例において、位置301、302における湾曲311、321は、ファイバ201の軸心202に沿う位置に沿う異なる曲率半径312、322を有することが可能であり得る。たとえば、ファイバ201の端部205に接近して(端部205から所定距離にて)、位置301、302には更に大きな(更に小さな)曲率半径312、322が存在すること、または、その逆とすることが可能である。たとえば、ファイバの端部205に接近して(端部205から所定距離にて)、位置301、302には、正の(負の)曲率半径312、322が存在することが可能である。換言すると、湾曲311、321は、転換点を有することが可能である。湾曲311、321の斯かる設計態様は、たとえば、ファイバ201に対するアクチュエータ900の適切な協働により達成され得る。たとえば、アクチュエータ900の力の作用は、固定位置206に存在するよりも端部205に接近する(または、固定位置206に更に接近する)ファイバ201上の点に作用し得る。たとえば、二次または高次の湾曲モードが共振的に励起され得る。斯かる技術によれば、レーザ光191、192により特に大きな走査範囲が走査され得ることが達成され得る。
図3Bは、装置100に関する態様を示している。特に、図3Bは走査デバイス500に関する態様を示している。図3Bの例において、装置100はファイバ201を備えて成る。ファイバ201は、走査デバイス500を実現する。図3Bの例は、図2の例に対応する。図3Bは、走査デバイス500の動的状態を示している。
図3Bの例において、ファイバ201の端部205は、固定位置206と可動端部205との間の領域におけるファイバ201が、第1捩れ371と第2捩れ372との間で移動される如き様式で移動される。これは、ファイバ201がその直線形状を保持する中央軸心202に沿った該ファイバの捩れに対応する。
捩れ371、372を利用可能とすると、(図3Bにおいては示されない)レーザ光191、192は、たとえば、(図3Bにおいては示されない)偏向ユニットと協働して、対応する捩れ角度範囲110−2に亙り発光され得ることが達成される。これにより、(図3Bにおいては示されない)レーザ光191、192により装置100の周囲領域を走査することが可能とされる。此処で、レーザ光191、192はファイバ201を通り進行する必要はなく、(図3Aにおいて示されない)一次レーザ光191、192は、別の光路を通じても可動端部205に到達し得る。
再び、種々の捩れ371、372を実現すべく設計された対応アクチュエータが配備され得る。たとえば、図3Bに示された捩れ371、372は、可動端部205の各極限位置に対応し得る。たとえば、(図3Bにおいては示されない)捩れ371、372を越える可動端部205の更なる回転を阻止する適切な停止部が配備されることが可能である。代替的または付加的に、アクチュエータが、捩れ371、372を越える可動端部205の更なる回転を回避すべく設計されることも可能である。更に、図3Bは、ファイバ201の可動端部205の捩れ371、372により(図3Bにおいては示されない)偏向ユニットと協働して実現され得る角度範囲110−2を示している。
図4Aは、装置100に関する態様を示している。特に、図4Aは、走査デバイス500に関する態様を示している。図4Aの例において、装置100はファイバ201を備えて成る。ファイバ201は、走査デバイス500を実現する。
図4Aの例は、特に、一次レーザ光191、192のビーム経路を示している。図4Aの例において、ファイバ201の可動端部205に対しては偏向ユニット452が接続される。故に、ファイバ201の移動は、偏向ユニット452の移動をもたらす。たとえば、偏向ユニット452は、ファイバ201の傾斜311、321により傾斜され、且つ/又は、ファイバ201の捩れ371、372により回転され得る。図4Aからは、一次レーザ光191、192のビーム経路およびファイバ202の中央軸心202は、約180°の角度866を画成することが明らかである。ファイバ201は、偏向ユニット452にては該偏向ユニット452の後側部452−2に締着される一方、レーザ光191、192は前側部452−1に衝当する。斯かる幾何学形状の結果として、特に大きな走査角度が生成され得る。特に、一次レーザ光191、192を、たとえば、>120°の範囲内、または、160°よりさえも大きい走査角度を以て送出することが可能であり得る。
図4Aおよび図3Bを比較すると、角度866はファイバ201の捩れ時に一定のままであることが明らかである。これは真実である、と言うのも、捩れ軸心はファイバ201の中央軸心202と一致するからである。これにより、光191、192を偏向させるために利用可能な上記偏向ユニットの実効表面は、ファイバ201の捩れ角度に対する依存性を示さないことが達成される。このことは、特に、二次光191B、192Bが一次レーザ光191、192に従って偏向されるという状況展開(図15参照)において、検出器の開口が大きな走査角度により減少されない、という利点を有している。故に、たとえば、LIDAR測定は、特に大きな範囲を以て実施され得る。スライド入射が回避される。
(図4Aにおける左右方向にて、すなわち、ファイバ201の中央軸心202に直交する)偏向ユニット452の横方向寸法は、中央軸心202に対して直交するファイバ201の幅よりも、たとえば、1.5倍を超え、または、2倍を超え、または、4倍を超えるなど、相当に大きい。
此処で記述される種々の例において、偏向ユニット451の領域における一次レーザ光191、192のビーム径は、偏向ユニット451の直径の約1.5倍、選択的には2.5倍を超え、更に選択的には5倍を超えて大きいことが可能である。このことは、一次レーザ光191、192は実質的に、偏向ユニット451の小さな箇所だけでなく、偏向ユニット451の全体を照射し得ることを意味する。たとえば、偏向ユニット451の領域における一次レーザ光191、192のビーム径は、1〜5mmの範囲内であり、且つ、約3mmであり得る。
図4Aの例において、一次レーザ光191、192は、偏向ユニット452に対して照射される。此処で、レーザ光191、192は、ファイバ201を貫通しては進行しない。これにより、ファイバ201の(図4Aにおいては示されないが、それが仮に存在する限りにおける)光学的導波路内への損失を伴うレーザ光191、192の複雑な入力結合が回避され、特に簡素で経済的な構成が可能である。
上記偏向ユニットは、一次レーザ光191、192を偏向角度452Aだけ偏向させる。たとえば、偏向角度452Aは、約90°、または、45〜135°の範囲内、選択的には25°〜155°の範囲内、更に選択的には5°〜175°の範囲内であり得る。
図4Aの例において、偏向ユニット452は、プリズムにより実現される。たとえば、プリズムは、特に小寸であるべく構成され得る。たとえば、プリズムは、2mm以下の直径を有し得、これは、上述された偏向ユニット452の横方向寸法に対応する。プリズムは選択的に、1mm以下の直径を有し得る。これにより、固定位置206と可動端部205との間の領域におけるファイバ201が、偏向ユニット452の特に大きな質量を克服すべき慣性なしで、移動され得ることが達成され得る。これに加え、ファイバ201の移動の大きな共振周波数が達成され得る。他方、偏向ユニット452は、レーザ光源599とは対照的に、たとえば、熱膨張、重力などに基づく位置の僅かな系統的変化の場合においてさえも、依然としてレーザ光191、192により衝当されるほど十分に大寸であるべく寸法設定され得る。これに加え、偏向ユニット452は、可動端部205の移動時においてさえも、レーザ光線により衝当され得る。
他の例において、偏向ユニット452は、たとえば、マイクロミラーなどのミラーにより構成され得る。
図4Bの例において、偏向ユニット452は、ファイバ201を介してのみ、固定物250に対して接続され、すなわち、固定物250に対する偏向ユニット452の1箇所結合が実現される。他の例において、偏向ユニット452は、たとえば、(図4Bにおいては示されない)他のファイバ、または、案内部材などにより、固定物250に対して接続され得る。ファイバ201のみによる偏向ユニット452の接続によれば、該偏向ユニット452の特に大きな移動性が可能とされ得る。これにより、大きな走査角度110、110−1、110−2が可能とされ得る。
図4Bは、装置100に関する態様を示している。特に、図4Aは、走査デバイス500に関する態様を示している。図4Bの例において、装置100は1本のファイバ201を備えて成る。ファイバ201は、走査デバイス500を実現する。図4Bの例は、特に、二次レーザ光191B、192Bのビーム経路を示している。
図4Bの例において、二次レーザ光191B、192Bは、偏向角度452Aに対応する偏向角度452Bだけ偏向される。これにより、二次レーザ光191B、192Bが一次レーザ光191、192と同一の光路を取ることが達成され得る。
図4Cは、装置100に関する態様を示している。特に、図4Aは、走査デバイス500に関する態様を示している。図4Bの例において、装置100は1本のファイバ201を備えて成る。ファイバ201は、走査デバイス500を実現する。図4Cの例は、特に、二次レーザ光191B、192Bのビーム経路を示している。
図4Cの例において、偏向ユニット452は、ファイバ201の光学的導波路内へと二次レーザ光191B、192Bを送給する光学要素も実現する。たとえば、偏向ユニット452は、サーキュレータを実現し得る。このことは、二次レーザ光191B、192Bが、一次レーザ光191、192とは異なる偏向角度452Cにて偏向されることを意味する。特に、上記サーキュレータは、二次レーザ光191B、192Bをファイバ201の光学的導波路内へと結合すべく設計される。この目的の為に、一次レーザ光191、192および二次レーザ光191B、192Bは、偏光される。これにより、一次レーザ光191、192の容易な検出が可能とされる。
別の例において、二次レーザ光191B、192Bを入力結合する光学要素はたとえば、別のプリズムもしくは別のミラーとしてなど、別の偏向ユニットとして実現され得る。他の偏向ユニット452は、たとえば、偏向ユニット452の近傍に配置され得る。たとえば、他の偏向ユニットは、偏向ユニット452に隣接して配置され得る。たとえば、他の偏向ユニットは、ファイバ201の可動端部205と偏向ユニット452との間に配置され得る。これにより、二次レーザ光191B、192Bが殆ど直接反射にて測定され得ることが達成され得る。これにより、高い信号レベルが達成され得る。
対応する機能性は、偏向ユニット452とは別体的な光学要素によっても実現され得る。
図5は、装置100に関する態様を示している。特に図5は、位置決定デバイス560に関する態様を示している。図5の例において、位置決定デバイス560は、ファイバ201の端部205の移動を測定すべく設計される。特に、位置決定デバイス560は、ファイバ201の湾曲311、321を測定すべく設計される。特に、位置決定デバイス560は、ファイバ201の湾曲311、321を光学的に測定すべく設計される。
この目的の為に、たとえば、レーザ光191、192とは異なる波長を有する入射光591が使用される。たとえば、光591は、広帯域の光源により利用可能とされ得る。光591のスペクトルは、たとえば、50nm以上、好適には150nm以上、特に好適には500nm以上のスペクトル幅を有し得る。一定の場合には二次放射線とも表される反射光592は、対応する検出器により検出される。反射光592は、ファイバ201の湾曲311、312を、故に、端部205の位置301、302を表す。その場合、反射光592に基づき、ファイバ201の湾曲311、321を表す信号が入手可能とされ得る。たとえば、この信号は、LIDARシステム103により使用され得る。レーザ光191、192が発光される発光角度は、光学的測定により特に正確に決定され得る。
図5の例において、位置決定デバイス560はファイバ・ブラッグ格子511により実現される。ファイバ・ブラッグ格子511は、ファイバ201の光学的導波路内に実現される。ファイバ・ブラッグ格子511は、ファイバ201の中央軸心202と平行な延在範囲を有し、材料の屈折率は、その延在範囲に沿って周期的に変調される。ファイバ・ブラッグ格子511は、固定位置206と端部205との間においてファイバ201内に配置される。ファイバ201内におけるファイバ・ブラッグ格子511の適切な配置によれば、ファイバ201の湾曲311、321は、ファイバ・ブラッグ格子511の長手方向変化に帰着することが達成され得る。たとえば、ファイバ・ブラッグ格子511は、(図5には示されない)ファイバ201の中央軸心202から所定距離に配置され得る。ファイバ・ブラッグ格子511のこの長手方向変化は再び、ブラッグ条件を満足する波長の範囲内の反射光592の振幅の変化に帰着し得る。このために、ファイバ・ブラッグ格子511の周期性は、光591の波長と連携調整される。その場合に位置決定デバイス560は、上記信号を、反射光592の振幅に基づいて決定すべく配置され得る。特に、反射光592の振幅を、特に正確に且つ/又は特に迅速に決定することが可能であり得る。結果として、湾曲311、321を特に正確に決定することが可能であり得る。結果として、端部205の位置と、その位置における角度210を特に正確に決定することが再び可能であり得る。
ファイバ・ブラッグ格子511は、固定位置206と端部205との間におけるファイバ201の長さの80%に略々対応する長さ525を有する。他の例において、長さ525は、長さ203の少なくとも50%、好適には少なくとも70%、特に好適には少なくとも90%であることが可能である。湾曲311、321は、長さ203に沿う斯かるファイバ・ブラッグ格子511の拡張により特に正確に決定され得る。
幾つかの例において、位置決定デバイス560は遮断フィルタを備えて成ることが可能であり得る。遮断フィルタによれば、反射光592の振幅を特に迅速に決定することが可能であり得る。たとえば、遮断フィルタの透過ピークは、ファイバ・ブラッグ格子511の反射曲線の傾斜部の領域に配置され得る。その結果として、ファイバ・ブラッグ格子511の長さの僅かな変化は、遮断フィルタを通される振幅の大きな変化に帰着し得る。結果として、反射光592の振幅は、正確かつ迅速に決定され得る。端部205の位置が決定される迅速な走査周波数が達成され得る。たとえば、位置決定デバイス560は、上記信号を、少なくとも500Hz、好適には少なくとも1kHz、特に好適には少なくとも1.5キロヘルツの走査周波数を以て更新すべく設計されることが可能である。
本明細書中に記述される種々の例において、位置決定デバイス560は上記信号を、アクチュエータ900がファイバ201の端部205を移動させる走査周波数よりも、少なくとも1.5の係数、好適には少なくとも2の係数、特に好適には少なくとも3の係数だけ大きい走査周波数を以て更新すべく設計されることが可能である。その結果として、レーザ光191、192が発光される角度110の非常に正確な決定が行われ得る。連続的な進行−発射技術が可能とされる。
図6Aは、装置100に関する態様を示している。特に、図6Aは、位置決定デバイス560に関する態様を示している。図6Aの例において、位置決定デバイス560は2つのファイバ・ブラッグ格子511、512により実現される。
ファイバ・ブラッグ格子511は、ファイバ201とは異なる、たとえば(不図示の)対応する光学的導波路内のファイバ501−1内に配置される。ファイバ・ブラッグ格子512は、同様にファイバ201とは異なる、たとえば(不図示の)対応する光学的導波路内のファイバ501−2内に配置される。一例において、ファイバ501−1、501−2は、夫々、ファイバ201の両側面251、252にて該ファイバ201に対して取付けられる。別の例においては、各ファイバ・ブラッグ格子512が内部配置される異なる光学的導波路を実現するために、マルチコア・ファイバ201が使用され得る。
ファイバ501−1、501−2の中央軸心502−1、502−2は、ファイバ201の中央軸心202に対して平行に延在する。結果として、ファイバ201の湾曲311、321は、ファイバ501−1、501−2の対応湾曲を生成する。たとえば、湾曲311は、(図3Aと比較して)反時計方向におけるファイバ501−1の圧縮を引き起こすと共に、それにより、ファイバ・ブラッグ格子511の短寸化を引き起こし、反時計方向における湾曲311はまた、ファイバ501−2の伸張、故に、ファイバ・ブラッグ格子512の長寸化も引き起こす。中央軸心202に対するファイバ501−1、501−2の偏心的な配置の結果として、ファイバ・ブラッグ格子511、512の短寸化および長寸化は特に大きくされ得る。結果として、端部205の位置は、ファイバ511、512から反射された光592に基づき、特に正確に決定され得る。対応する長さの変化は、捩れ371、372時においても観察され得る。
図6Bは、装置100に関する態様を示している。特に、図6Bは、位置決定デバイス560に関する態様を示している。図6Bの例において、位置決定デバイス560は2つのファイバ・ブラッグ格子511、512により実現される。此処で、図6Bの例は図6Aの例の平面図である。
再び、各ファイバ・ブラッグ格子512が内部配置される異なる光学的導波路を実現するために、マルチコア・ファイバ201を使用すること可能である。
図6Cは、装置100に関する態様を示している。特に、図6Cは、位置決定デバイス560に関する態様を示している。図6Cの例において、位置決定デバイス560は(図6Cにおいては示されない)4つのファイバ・ブラッグ格子により実現される。図6Cの例は、基本的に、図6A、図6Bの例に対応する。但し、図6Cの例においては、(図6Cにおいては示されない)自身のファイバ・ブラッグ格子を備える多数のファイバ501−1〜501−4が配備される。
再び、各ファイバ・ブラッグ格子512が内部配置される異なる光学的導波路を実現するために、マルチコア・ファイバ201を使用することが可能である。
特に、図6Cの実施形態によれば、端部205の移動は、(図6Cの描画平面内における)2次元で検出され得る。2次元の走査範囲が監視され得る。たとえば、ファイバ501−1、501−2におけるファイバ・ブラッグ格子は、図6Cにおいてxにより表された方向に沿う湾曲に対する感度を有する。たとえば、ファイバ501−3、501−4におけるファイバ・ブラッグ格子は、図6Cにおいてyにより表された方向に沿う湾曲に対する感度を有する。
図7は、装置100に関する態様を示している。特に、図7は、位置決定デバイス560に関する態様を示している。図7の例において、位置決定デバイス560は、4つのファイバ・ブラッグ格子511〜514により実現される。
再び、各ファイバ・ブラッグ格子512が内部配置される異なる光学的導波路を実現するために、マルチコア・ファイバ201を使用することが可能である。ファイバ・ブラッグ格子511、513は、ファイバ501−1内に配置される。ファイバ・ブラッグ格子512、514は、ファイバ501−2内に配置される。幾つかの例においては、特定のファイバ501−1、501−2、201内に、順次的に接続された2つより多いファイバ・ブラッグ格子が配置されることも可能である(図8A参照)。
個々のファイバ・ブラッグ格子511〜514は、特に順次的に接続されたファイバ・ブラッグ格子511〜514に対して異なる格子定数を使用することにより、個別的に制御され得る。このために、十分な帯域幅を有する光が使用され得る。
ファイバ201の端部の位置の特に正確な決定は、特に、曲率半径が、ファイバ201の長さに沿う位置の関数として変化され得るという場合に対し、順次的に配置されたファイバ・ブラッグ格子511、513および512、514により反射された光592の振幅の比較により行われ得る。たとえば、ファイバ201の端部205の位置301、302を表す信号は、順次的に配置されたファイバ・ブラッグ格子511、513および512、514により反射された光592の振幅の差に基づき、位置決定デバイス560により決定されることが可能である。
図8Bは、装置100に関する態様を示している。特に、図8Bは、位置決定デバイス560に関する態様を示している。図8Bの例において、位置決定デバイス560はPSD552により実現される。PSD552は、等方的または離散的に実現され得る。たとえば、PSD552は、数個の像点、または、たとえばPINダイオードを備えて成り得る。
図8Bの例において、装置100はビームスプリッタ801を備えて成る。後者は、一次レーザ光191、192の一部を、PSD552の方向に案内する。PSD552は、一次レーザ光191、192を測定すべく設計される。PSD552は、そのセンサ表面上における一次レーザ光191、192の位置を測定する。この目的の為に、一次レーザ光191、192をPSD552のセンサ表面上に焦点合わせするレンズ551が配備される。ビームスプリッタ801は、ファイバ201の端部205に対して固定接続される。ビームスプリッタ801は、一次レーザ光191、192の部分的ビーム経路802を案内すべく設計される。
可動端部205に関するPSD552の適切な配置によれば、PSD552のセンサ表面上の光点の位置は、ファイバ201の可動端部205の位置と、一次レーザ光191、192の出射の角度とを表すことが達成され得る。故に、この測定に基づき、可動端部205の位置を表し、特に、固定位置206と可動端部205との間の領域における湾曲311、321および/または捩れ371、372を表す信号が入手可能とされ得る。上記信号は、レーザ光191、192の出射の角度を表し得る。
図8Cは、装置100に関する態様を示している。特に、図8Cは、位置決定デバイス560に関する態様を示している。図8Cの例において、位置決定デバイス560はPSD552により実現される。
図8Cの例は基本的に、図8Bの例に対応する。図8Cの例において、一次レーザ光191、192は、PSD552により測定されない。むしろ、発光ダイオード888からの光889が使用される。他の例においては、発光ダイオード888の代わりに、たとえば、先に記述されたファイバ・ブラッグ格子511〜516によるファイバ・ブラッグ格子測定に対しても使用される光源などの、別の光源も使用され得る。
光889は、ファイバ201の光学的導波路を通り進行する。図8Cの例において、発光ダイオード888は、ファイバ201の固定端上に配置されると共に、光889をファイバ201内へと送給する。光889をPSD552の方向に偏向させる偏向ユニット852が配備される。斯かる配置構成によれば、可動端部205の領域において特に簡素なレンズが可能とされ得る。
別の例において、一次レーザ光191、192の一部は、レーザ光源599の領域において分岐されると共に、ファイバ201を通して導かれ得る。この分岐されたレーザ光191、192は、その後、偏向ユニット852を介してPSD552へと導かれ得る。
図8Dは、装置100に関する態様を示している。特に、図8Cは、位置決定デバイス560に関する態様を示している。図8Dの例において、位置決定デバイス560はPSD552により実現される。
図8Dの例は基本的に、図8Cの例に対応する。図8Dの例においては、一次レーザ光191、192ならびに光889が、偏向ユニット452により偏向される。偏向ユニット452は、たとえば、自身の前側部が一次レーザ光191、192を偏向させ且つ自身の後側面は光889を偏向させるという鏡面化された内側面を備えて成り得る。その結果として、可動端部205上には、特に空間節約的なレンズが利用可能とされ得る。
図9は、装置100に関する態様を示している。特に、図9はアクチュエータ900に関する態様を示している。図9の例において、アクチュエータ900は、導体巻線を備えて成り且つファイバ201の領域において磁界を生成すべく設計されたコイル機構901を備えて成る。たとえば、スパッタリングにより磁性材料903を以て、ファイバ201は被覆される。それに対し、磁石を接着し、または、それを半田付けすることなども可能である。上記磁性材料は、たとえば、強磁性もしくは常磁性もしくは反磁性である。
更に、アクチュエータ900は、当該案内部材に沿い端部205が1次元的に案内されるという案内部材を備えて成る。このことは、アクチュエータ900は、図9の例に従って設計されてファイバ205を1次元的に走査させることを意味する。磁性材料903の領域においては、コイル機構901上で時的に変化する電流を用いることで、時的に変化する磁界が生成され得る。これにより、ファイバ205は案内部材902に沿って偏向される。ファイバ205は、特に位置301、302間で走査され得る。
上記制御器は、それが、反転位置301、302の間においてファイバ201の端部205を、少なくとも50Hz、選択的には少なくとも700Hz、更に選択的には少なくとも1.2kHzの走査周波数にて走査する如き様式で装置100を制御すべく設計されることが可能である。本明細書中に記述される種々の例において、走査とは、制御器950が、それが数回の反復に亙り端部205の移動を周期的にもたらす如き様式でアクチュエータ900を反復的に制御することを意味し得る。
但し、他の例においては、アクチュエータ900がファイバ201を2次元的に走査すべく設計されることも可能である。その場合に案内部材902は、排除され得る。
図10Aは、装置100に関する態様を示している。特に、図10Aはアクチュエータ900に関する態様を示している。図10Aの例において、アクチュエータ902は、直交するコイル対901を備えて成る(図10Aにおいては一方のコイル対901のみが示され、他方の直交するコイル対は、図面の平面に直交する平面内に配置される)。直交するコイル対901に対して電流を交互的に供給することにより、ファイバ201の端部205の2次元移動が達成され得る。
図10Bは、装置100に関する態様を示している。特に、図10Bはアクチュエータ900に関する態様を示している。図10Bの例において、アクチュエータ902は、ファイバ201の両側面251、252に対して夫々取付けられたレバー951、952を備えて成る。レバー951、952は、ファイバ201の中央軸心202に対して直交して延在する。レバー951、952は、たとえば、プラスチック、ケイ素、ガラスなどから製造され得る。レバー951、952の各々上には、中央軸心202から所定距離にて磁石903が配備される。その結果として、各コイル901により生成される磁界によれば、中央軸心202に対するレバー951、952の偏心的な付勢が行われ得る。結果として、ファイバ201に対しては回転運動が作用し得る。これにより、特に、固定位置206と可動端部205との間の領域におけるファイバ201の捩れが達成され得る。
図10Cは、装置100に関する態様を示している。特に、図10Cは、アクチュエータ900に関する態様を示している。図10Cの例において、アクチュエータ900は、ファイバ201の中央軸心202に直交して画成される平面(図10Cの上側の図の平面)内で時間の関数として回転する磁界961を生成すべく設計された(図10Cには示されない)回転磁界源を備えて成る。図10Cにおいては、任意の2つの時点にて磁界961により呈される角度962が描かれる。
図10Cの例において、アクチュエータ900は2つの磁石903も備えて成る。各磁石903は、ファイバ201上に接着され得る。スパッタリングも可能である。各磁石903は、薄膜として構成され得る。第1磁石903は、ファイバ201の側面251上に配置される。第2磁石903は、ファイバ201の逆の側面252上に配置される。2つの磁石903は、逆の極性を有する。図10Cの例において、(図10Cにおいて左側に示された)第1磁石903の磁化は、描画平面から外方へと配向され、(図10Cにおいて右側に示された)第2磁石903の磁化は描画平面から内方へと配向される。故に、磁界961は、中央軸心202に対して直交する平面(図10Cの描画平面)において、逆向きに配向された力の効果を引き起こす。これは特に、固定位置206と可動端部205との間の領域におけるファイバ201の捩れを達成し得る。
走査領域は、ファイバ201の捩れを考慮した角度962の範囲設定により調節され得る。このことは、図10Cにおける底部に示される。回転磁界961の角度962の推移は、図10Cの底部において時間の関数として示される。図10Cからは、角度962は最大値間で周期的に変化されることが明らかである。ファイバ201の捩れは、たとえば、捩れにより定義される角度範囲110−2が角度962の行程に対応する様に、角度962に追随する。
たとえば、回転磁界源としては、夫々のコイル軸心が、たとえば相互に120°を画成する数個のコイルを備えるシステムが使用され得る。結果として、回転磁界は、各コイルを時的にオフセットした様式で制御することにより生成され得る。
図11は、装置100に関する態様を示している。特に、図11は、アクチュエータ900に関する態様を示している。図11の例において、アクチュエータ902は、ファイバ201の異なる側面251、252に対して取付けられた圧電導体913を備えて成る。電流が各圧電導体913を通して印加されたとき、後者はそれらの長さを、位置301、302の間におけるファイバ201の湾曲311、312または移動が生ずる様に変化させる。
圧電導体の他の配置構成が使用され得る。
図12は、装置100に関する態様を示している。図12の例において、装置100は、1個または数個のファイバ・ブラッグ格子511〜516の格子周期性と連携調整された波長を有する光591を生成する広帯域光源1201を備えて成ると共に、該装置は、1個または数個のファイバ・ブラッグ格子により反射された光592を検出し得る検出器1202を備えて成る。たとえば、検出器1202は、ひとつ以上の遮断フィルタを備えて成り得る。装置100は更に、広帯域光源1201の光591をファイバ201の光学的導波路内に結合すべく設計されたマルチプレクサ1250を備えて成る。マルチプレクサ1250は、1個または数個のファイバ・ブラッグ格子から反射された光592を検出器1202に対して案内してもよい。
たとえば、光源1201は、PSD552における測定に対しても使用され得る(図8D参照)。
図12の例においては、ファイバ201のみが存在するという状況展開が示されるが、対応様式にて、上記で論じられた如き1個のファイバ・ブラッグ格子または数個のファイバ・ブラッグ格子に対する数本の専用のファイバ501−1〜501−4が可能である。従って、ファイバ201は、数個の光学的導波路またはコアを備えて成ることも可能である(マルチコア・ファイバ)。
図13は、種々の例に係る方法のフローチャートである。ブロック5001においては、一次レーザ光が偏向ユニットの方向に送出される。
ブロック5002においては、ファイバの第1端部が移動される。此処では、連続的な進行−発射技術が使用され得る。此処で、ファイバの可動第1端部は、ファイバの湾曲および/または捩れが可動端部の領域において達成される如き様式で移動され得る。ファイバの可動第1端部は、偏向ユニットに対して堅固に接続される。結果として、偏向ユニットは可動端部と共に移動される。結果として、一次レーザ光が発光される角度は、変化され得る。此処で、一次レーザ光は、ファイバを通して偏向ユニットに到達はしない。
ブロック5003においては、ブロック5002において実施された周囲の走査に基づくLIDAR距離測定が、上記一次レーザ光により選択的に実現される。此処で、反射された二次光は、たとえば、同一の開口またはレンズを通して検出される。光の投射または内視鏡検査法の如き用途さえも使用され得る。
図14は、ファイバ201の可動端部205の移動に関する態様を示している。図14の例において、ファイバ201の偏向の大きさは、固定位置206と可動端部205との間における種々の位置に対して示される。図14の例において、ファイバ201の偏向の大きさは、一次の固有モード(実線)および二次の固有モード(点線)に対して示される。図14からは、二次の固有モードによれば、レーザ光191、192が発光される更に小さい曲率半径、および、その故に更に大きな角度110−1が実現され得ることが明らかである。二次の固有モードは典型的に、一次の固有モードよりも高い固有周波数を有する。これに加え、ファイバ201の材料に対する材料負荷は、一次の固有モードに対するよりも二次の固有モードに対する方が小さいことが観察された。特に、固定位置206の領域においては、二次の固有モードと関連して更に小さい材料負荷が達成され得た。故に、幾つかの例において、アクチュエータ900は、共振様式にて二次以上の固有モードにおいてファイバ201を移動させるべく設計されることが可能である。
図15は、装置100に関する態様を示している。図15の例において、装置100は、光透過要素1701を備えハウジング1700を備えて成る。ファイバ201の可動端部205から出射するレーザ光191、192は、たとえば、プラスチックの板材またはガラスの板材などの光透過要素1701を通して出射し得る。幾つかの例において、光透過要素1701は、屈折力を有し得ることから、(図15においては示されない)レンズを実現し得る。たとえば、光透過要素1701は、レンズにより実現され得る。該レンズによれば、レーザ光191、192のビームの発散的な断面を収束させることが可能である(図15において、光191、192のビームの断面は示されない)。特に、上記レンズの背後におけるレーザ光191、192のビームの断面は、可動端部205の増大する距離による箇所の関数として大きく増大はしないことが達成され得る。結果として、たとえば、LIDAR技術と関連して、特に高い空間的分解能が実現可能とされ得る。レーザ光191、192は、小さい空間的角度で発光される。
図15の例において、ファイバ201の可動端部205が移動する領域は排気される。これは、光透過要素1701と固定物250との間の空間450が気密であるべく構成されることを意味する。結果として、可動端部205の移動は、空気の摩擦なしで実現され得る。更に、外部の阻害的な影響は回避され得る。
たとえば、ハウジング1700は、受動的な温度補償を行い得る。たとえば、ハウジング1700は、温度の大きな変動を減少し得る蓄熱器を備えて成り得る。
たとえば、ハウジング1700は、能動的および/または受動的な衝撃減衰を行い得る。これにより、ファイバ201の可動端部205の移動の不都合な影響が減少され得る様に、装置100の外部からの強力な衝撃の大きさが吸収もしくは減少され得る。
図15の例においては、レーザ光源599および検出器102もまたハウジング1700内に配置される。他の例において、レーザ光源599および/または検出器102は、ハウジング1700の外部に配置され得る。斯かる場合、ハウジング100は光学的なプラグ接点を備えて成ることが可能である。
図15の例において、レーザ光源599および検出器102は、ハウジング1700内で実質的にファイバ201と対向して配置される。これは、偏向ユニット452に対する一次レーザ光191、192の光路と、ファイバ201の非作動位置における該ファイバ201の中央軸心202との間の角度が約180°であることを意味する。他の例において、レーザ光源599および/または検出器102は、ハウジング1700内でファイバ201に関して異なるようにも配置され得る。たとえば、偏向ユニット452に対する一次レーザ光191、192の光路と、ファイバ201の非作動的な位置、すなわち、アクチュエータによる偏向なしでの位置におけるファイバ201の中央軸心202との間の角度は、25°〜335°の範囲内、選択的には90°〜270°の範囲内、更に選択的には120°〜240°の範囲内であり得る。
図15の例において、二次レーザ光191B、192Bは、ファイバ201の光学的導波路内に結合されない。但し、他の例においては、二次レーザ光191B、192Bがファイバ201の光学的導波路内に結合されることも可能である(図16参照)。
図15および図16の例は、たとえば、図8Dの例など、本明細書中に記述された他の例と組み合わされ得、レーザ光191、192の代わりに、他の光さえもPSD552に対して導向され得る。
図17は、2つの直交する空間方向x、yに沿って延在する周囲領域の2次元の走査に関する態様を示している。図17の例においては、2次元の延在範囲を有する周囲領域1800が走査される。周囲領域1800は、たとえば、2つの1次元走査手順の重畳からのリサージュ・パターンにより実現され得る。
捩れ角度範囲110−2は、固定位置206と可動端部205との間の領域におけるファイバ201の捩れによる結果として達成される。捩れ角度範囲110−2は、ファイバ201の湾曲により達成される湾曲角度範囲110−2より大きい。捩れ角度範囲110−2が湾曲角度範囲110−1よりも、少なくとも2の係数だけ、選択的には少なくとも3.5の係数だけ、更に選択的には少なくとも5の係数だけ大きいなら、特に良好な結果が達成され得ることが観察された。
たとえば、捩れ角度110−2は、>90°、選択的には>140°、更に選択的には>170°であり得る。固定位置206と可動端部205との間の領域におけるファイバ201の湾曲により、更に小さい角度範囲110−1が達成される。たとえば、湾曲角度範囲110−1は、10°と60°との間であり得る。
周囲領域1800の斯かる実施形態は、ファイバ201の捩れに基づくと大きな角度範囲110−2の特に効率的な走査が達成され得るという認識に基づいている。同時に、ファイバ201の湾曲との組み合わせにより、2次元的な走査が可能とされ得る。
当然ながら、先に記述された本発明の実施例および態様の特徴は、相互に組み合わせることができる。特に、各特徴は、記述された組み合わせにおいてだけでなく、本発明の有効範囲から逸脱することなく、他の組み合わせにおいて、または、それら自体でも使用され得る。
先の種々の例はLIDARの用法に関して記述されたが、他の例においては、他の用途を実現することも可能である。例としては、たとえば、RGB光源を備えたプロジェクタなどが挙げられる。
先の種々の例は磁的アクチュエータに関して記述されたが、他の例においては、たとえば、屈曲用の圧電アクチュエータの如き圧電式アクチュエータなどの、他の形式のアクチュエータを使用することも可能である。他の形式のものは、上記固定位置の領域に配置することができ、たとえば、ファイバの捩れをもたらすべく設計することができる。