JP6372820B2 - レーザレンジファインダ及び揺動ミラーの製造方法 - Google Patents

レーザレンジファインダ及び揺動ミラーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、対象物までの距離を測定するレーザレンジファインダ及び揺動ミラーの製造方法に関する。
ロボットが自律移動する時の障害物を検知するためのセンサ、あるいは、人物を検知するためのセンサには、例えば、レーザレンジファインダ(Laser Range Finder、LRF)がある。
レーザレンジファインダは、レーザ光が出射されてから、レーザ光が対象物に当たって反射した反射光が返ってくるまでの時間の測定を行い、測定結果から対象物までの距離を算出する。レーザレンジファインダは、レーザ光を出射する方向を水平方向および垂直方向に変化させることで、距離の測定を行う範囲(以下、「走査範囲」と称する)の全体において対象物までの距離の測定を行う。
具体的には、レーザレンジファインダは、例えば、レーザ光を出射するレーザダイオード(Laser Diode、LD)と、レーザ光の出射方向を調整する揺動ミラーと、対象物からの反射光を受光する受光素子と、信号処理部とを備えている。レーザ光の出射方向を調整する揺動ミラーには、例えば、回転機構に取り付けられたミラー、ポリゴンミラー、MEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラー等がある。信号処理部は、レーザダイオードにレーザ光を出射させる出力信号を出力し、受光素子からの受光信号を受け付ける。信号処理部は、レーザダイオードから出射されるレーザ光の位相と受光素子が受光した反射光の位相との差から、対象物までの距離を測定する。
ここで、このようなレーザレンジファインダを用いて、対象物の形状を測定する形状測定装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この形状測定装置は、レーザ光を出射した方向と、出射したレーザ光と受光したレーザ光との位相差から測定される距離とを用いて、対象物の形状を推定することができる。
このようなレーザレンジファインダでは、測距に用いられるレーザ光のスキャン軌道上の一部にレーザ光を反射する基準反射板を設けて、当該基準反射板で反射されたレーザ光を受光部が受光した時刻に基づいて、当該方向の基準となる揺動ミラーの振れ角を測定する。そして、この基準となる揺動ミラーの振れ角を用いることにより、レーザ光を出射した方向を求めることができる。
特開2013−160545号公報
しかしながら、このような構成の場合、測距に用いられるレーザ光のスキャン軌道上の一部に、揺動ミラーの振れ角を測定するための基準反射板又は受光部を設けることが必要である。つまり、基準反射板又は受光部を設けた箇所を通過するスキャン軌道は、測距のために用いることができない。言い換えると、揺動ミラーの振れ角を検出するために、測定エリアが狭くなるという問題がある。また、スキャン端点の検出によるミラー振れ角検出のみではスキャンエリアを意図的に狭くした場合、または故障等でミラー振れ角が小さくなってしまった場合に対応できない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、測定エリアを広く確保しつつ、揺動ミラーの振れ角を検出でき、また、走査角をリアルタイムで検出可能なレーザレンジファインダ及び揺動ミラーの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るレーザレンジファインダは、対象物までの距離を測定するレーザレンジファインダであって、レーザ光を出射する光源と、前記光源から出射されたレーザ光のうち一部を第1方向に反射し、前記レーザ光のうち他の少なくとも一部を前記第1方向と異なる第2方向に反射する揺動ミラーと、前記揺動ミラーによって前記第1方向に反射されたレーザ光の前記対象物からの反射光が前記揺動ミラーによって反射された光を受光する第1受光部と、前記揺動ミラーによって前記第2方向に反射されたレーザ光を受光する第2受光部とを備える。
これにより、対象物までの距離を測定するためのレーザ光の光路と、揺動ミラーの振れ角を検知するためのレーザ光の光路とを、分離することができる。よって、測定エリアを広く確保しつつ、揺動ミラーの振れ角を検出できる、また、走査角をリアルタイムで検出することが可能となる。
ここで、比較例として、計測スキャン軌道上の一部(例えば、両端部)に、揺動ミラーの振れ角を検出するための反射板又は受光部を設ける構成では、次のような問題がある。具体的には、周囲の環境変化や故障により、レーザレンジファインダの測定エリアを意図的又は故意に制限する場合、つまり揺動ミラーの振れ角を制限する場合には、当該反射板又は受光部に揺動ミラーからのレーザ光が到達しない恐れがある。このような場合には揺動ミラーの振れ角を検出することができない。これに対して、本態様では、対象物までの距離を測定するためのレーザ光の光路と、揺動ミラーの振れ角を検知するためのレーザ光の光路とを、分離するので、揺動ミラーの振れ角を制限する場合であっても、揺動ミラーの振れ角を検出することが可能となる。
例えば、前記揺動ミラーは、前記レーザ光のうち一部を前記第1方向に反射する第1反射面と、前記レーザ光のうち他の少なくとも一部を前記第2方向に反射する第2反射面とを有し、前記第1反射面に対して前記第2反射面は傾斜して設けられていてもよい。
これにより、光源から揺動ミラーに入射したレーザ光を、対象物までの距離を測定するためのレーザ光と、揺動ミラーの振れ角を検知するためのレーザ光とに分離することができる。
また、例えば、前記揺動ミラーは、単結晶シリコンによって形成されたシリコン基板を備え、前記第1反射面と前記第2反射面とは、前記シリコン基板において、前記単結晶シリコンの互いに異なる面方位に形成されていてもよい。
これにより、第1反射面に対する第2反射面の角度を精度良く出すことができる。例えば、第1反射面がシリコン基板の(100)面に形成され、第2反射面が当該シリコン基板の(111)面に形成されている場合、当該角度として54.7°を精度良く出すことができる。このように第1反射面に対する第2反射面の角度を精度良く出すことにより、レーザレンジファインダの光学部品を組み付ける際の位置合わせを容易にすることができる。
また、例えば、前記揺動ミラーは、前記第1反射面を表面とする略平板形状であり、前記第2反射面は、前記揺動ミラーの表面側に形成された凹部の壁面の少なくとも一部であってもよい。
これにより、光源から出射されたレーザ光を第2方向へ反射する第2反射面を容易に形成することができる。
また、例えば、前記凹部は、当該凹部の開口端部において、開口の中央へ向かって突出する凸部を有してもよい。
これにより、凹部の開口端部で生じる不要光を抑制することができる。ここで、レーザレンジファインダでは、対象物からの反射光は非常に微弱であるため、このような反射光を用いて対象物までの距離を測定するためには、第1受光部に光源から出射されたレーザ光が入射しないようにすることが重要である。すなわち、レーザレンジファインダ内部での不要光及び迷光の発生を抑制することが重要である。本態様では、凹部の開口端部において庇状の凸部を設けることにより不要光を抑制することができるので、レーザレンジファインダ内部での不要光及び迷光の発生を抑制することができる。よって、第1受光部で受光する光のS/N比を向上することができるので、測距離精度を向上することができる。
また、例えば、前記揺動ミラーは、揺動することにより、前記レーザ光のうち一部を第1走査範囲で走査し、前記レーザ光のうち他の少なくとも一部を前記第1走査範囲外の第2走査範囲で走査してもよい。
つまり、対象物の測定エリアである第1走査範囲とは異なる第2走査範囲で走査されるレーザ光を用いて揺動ミラーの振れ角を検出する。よって、対象物の測定エリアを広く確保することができる。
なお、本発明は、このようなレーザレンジファインダとして実現することができるだけでなく、揺動ミラーの製造方法として実現することができる。すなわち、本発明の一態様に係る揺動ミラーの製造方法は、単結晶シリコンの第1の面方位が表面に露出したシリコン基板を準備する工程と、前記第1の面方位と異なる前記単結晶シリコンの第2の面方位が露出するように、前記シリコン基板の一部に対して異方性エッチングを行う工程とを含み、前記第1の面方位の面は、所定方向から入射するレーザ光を第1方向に反射し、前記第2の面方位の面は、前記レーザ光を前記第1方向と異なる第2方向に反射する。
このような異方性エッチングによるエッチング角度は、結晶面方向で規定される。よって、異方性エッチングによって、第1反射面と第2反射面との角度を精度良く出すことができる。つまり、揺動ミラーを高い加工精度で製造することができる。
例えば、前記揺動ミラーの製造方法は、さらに、前記シリコン基板の一部に対して等方性エッチングを行う工程を含み、前記異方性エッチングを行う工程では、当該一部に対して前記異方性エッチングを行ってもよい。
本発明によれば、測定エリアを広く確保しつつ、揺動ミラーの振れ角を検出することができる。
実施の形態1におけるレーザレンジファインダの概略構成の一例を示す斜視図である。 実施の形態1におけるレーザレンジファインダの機能構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態1におけるスキャンミラーの構成の一例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)の揺動軸Jにおける凹部の断面図である。 実施の形態1におけるスキャンミラーの反射面の角度を模式的に示す図である。 実施の形態1におけるスキャンミラーによる反射の様子を模式的に示す斜視図である。 実施の形態1におけるレーザレンジファインダの走査範囲を示す図である。 実施の形態1におけるスキャンミラーの製造工程を模式的に示す図である。 実施の形態1の変形例1におけるレーザレンジファインダの走査範囲を模式的に示す図である。 実施の形態1の変形例2におけるスキャンミラーの製造工程を模式的に示す図である。 実施の形態2におけるスキャンミラーの構成の一例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)の揺動軸Jに垂直な面における凹部の断面図である。 実施の形態2におけるスキャンミラーによる反射の様子を模式的に示す斜視図である。 実施の形態2におけるレーザレンジファインダの走査範囲を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲によって特定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1のレーザレンジファインダについて、図1〜図7を用いて説明する。
[1.レーザレンジファインダの構成]
まず、本実施の形態に係るレーザレンジファインダの構成について、図1及び図2を用いて説明する。
図1は、実施の形態1におけるレーザレンジファインダの概略構成の一例を示す斜視図である。なお、図1にはレーザレンジファインダ1による測定対象物2も示されている。また、図1は、レーザレンジファインダ1の筐体11を透視して筐体11内方を示した図となっている。図2は、実施の形態1におけるレーザレンジファインダ1の機能構成の一例を示すブロック図である。なお、図2では、電気信号の経路を実線の矢印で示し、光の進路を一点鎖線の矢印で示している。
また、図1では、Z軸方向をレーザレンジファインダ1の走査軸(基準方向)に平行な軸として示しており、Y軸を上下方向(設置状態での重力の作用する方向)として示している。以下ではY軸方向を上下方向として説明するが、使用態様によってはY軸方向が上下方向にならない場合も考えられるため、Y軸方向は上下方向となることには限定されない。以下の図においても、同様である。
また、以下において、例えば、X軸方向プラス側とは、X軸の矢印方向側を示しており、X軸方向マイナス側とは、X軸方向プラス側とは反対側を示す。Y軸方向やZ軸方向についても同様である。
図1に示すように、本実施の形態におけるレーザレンジファインダ1は、筐体11の内部に配置されたLD10と、スキャンミラー20と、フォトダイオード(PD;Photodiode)30と、PD40とを備える。なお、フォトダイオード30は、より高感度なアバランシェフォトダイオード(APD:Avalanche Photo Diode)でもよい。また、本実施の形態におけるレーザレンジファインダ1は、さらに、有孔ミラー50と、集光レンズ60とを備える。また、本実施の形態におけるレーザレンジファインダ1は、さらに、図2に示すように、変調信号出力部70と、ミラー駆動部80と、信号処理部90とを備える。ここで、信号処理部90は、測定対象物2までの距離を算出する距離算出部91、及び、測定対象物2が存在する角度を算出するスキャン位置算出部92を有する。
LD10は、レーザ光を出射する光源の一例であり、変調信号出力部70から出力される変調信号に従ってレーザ光を出射する。LD10は、筐体11の内部に配置され、レーザ光をスキャンミラー20に向けて出射する。
スキャンミラー20は、LD10から出射されたレーザ光のうち一部を第1方向に反射し、LD10から出射されたレーザ光のうち他の少なくとも一部を第1方向と異なる第2方向に反射する揺動ミラーの一例であり、ミラー部材21と、当該ミラー部材21を支持する支持体22とを有する。スキャンミラー20は、ミラー部材21が揺動軸Jを中心に揺動することにより、LD10から出射されたレーザ光のうち一部を測定対象物2の測定エリア(第1走査範囲)で走査し、当該レーザ光のうち他の一部を上記測定エリア外の走査範囲(第2走査範囲)で走査する。ここで、LD10から出射されたレーザ光のうち一部が走査される測定エリアはレーザレンジファインダ1外の領域を含み、他の一部が走査される走査範囲はレーザレンジファインダ1内の領域である。
このスキャンミラー20は、例えば、電子回路を形成するシリコン基板上に、微小な機械部品であるミラー部材21を形成して構成されるMEMSミラーである。なお、スキャンミラー20の詳細な構成については後述する。また、スキャンミラー20の揺動軸Jとは、具体的には、後述するスキャンミラー20のミラー部材21の揺動軸である。
PD30は、スキャンミラー20によって第1方向に反射されたレーザ光の測定対象物2からの反射光がスキャンミラー20によって反射された光を受光する第1受光部の一例であり、受光量を示す電気信号を距離算出部91へ出力する。つまり、PD30は、測定対象物2からの反射光を、スキャンミラー20を介して受光する。このPD30で受光された反射光は、測定対象物2までの距離を測定するために用いられる。
PD40は、スキャンミラー20によって第2方向に反射されたレーザ光を受光する第2受光部の一例であり、受光量を示す電気信号をスキャン位置算出部92へ出力する。このPD40で受光された反射光は、スキャンミラー20の振れ角を検知するために用いられ、より具体的には、測定対象物2が位置する方向を算出するために用いられる。またはスキャンミラー20の動作確認(例えば、故障判別等)のために用いられる。このPD40は、第2走査範囲上にあり、検出したい角度に対応した位置に配置して、スキャンミラー20の角度が走査軸に対して所定角となっている場合に、LD10から出射されたレーザ光の当該スキャンミラー20による反射光を受光する。
有孔ミラー50は、LD10から出射されたレーザ光をそのまま通過させ、スキャンミラー20からの光(スキャンミラー20によって第1方向に反射されたレーザ光の測定対象物2からの反射光が、スキャンミラー20によって反射された光)を反射させる部材である。有孔ミラー50は、LD10とスキャンミラー20との間のレーザ光の光路上に配置されている。
より詳細には、有孔ミラー50は、スキャンミラー20からの光をPD30に向けて反射させる反射面を備える板状部材を備えて構成されている。当該板状部材には、LD10から出力されたレーザ光をそのまま通過させる孔が形成されている。有孔ミラー50を通過するレーザ光は集束された光であるため、孔の直径は非常に小さく形成することが可能である。測定対象物2からの反射光はレーザ光に比べて強度が弱いことから、反射面の面積を確保するため、孔の直径は小さくすることが好ましい。
なお、LD10から出射されたレーザ光をそのまま通過させ、スキャンミラー20からの光を反射させる部材であれば、有孔ミラー50でなくてもよく、例えば、ハーフミラーであってもよい。
集光レンズ60は、有孔ミラー50で反射されたスキャンミラー20からの光を集光してPD30に導く、例えば凸レンズである。すなわち、スキャンミラー20からのレーザ光は測定対象物2において反射散乱されるため、レーザレンジファインダ1内に戻ってくる反射光は、光強度の小さな散乱光となる。このため、集光レンズ60を設けることにより、PD30における受光感度を向上することができる。
変調信号出力部70は、LD10に出射させるレーザ光に含まれる変調信号を生成する。また、当該変調信号を距離算出部91へ出力する。
ミラー駆動部80は、信号処理部90の出力に従って、スキャンミラー20を駆動するための駆動電流を生成し、スキャンミラー20に対して出力する。具体的には、ミラー駆動部80は、信号処理部90から出力されるスキャンミラーの振れ角を示す信号に基づいて、当該振れ角が所定の振れ角になるように駆動電流を調整する。
信号処理部90は、上述のように距離算出部91及びスキャン位置算出部92を備え、システムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)、あるいは、IC(Integrated Circuit)を用いて構成されていてもよい。あるいは、信号処理部90は、マイクロコントローラにより構成されていても構わない。
距離算出部91は、PD30が受光した反射光と変調信号出力部70で生成された変調信号との位相差を用いて、レーザレンジファインダ1から測定対象物2までの距離を算出する。つまり、距離算出部91は、当該位相差を用いて、レーザ光がLD10から出射されてからPD30で受光されるまでの時間を算出する。この時間は、レーザ光がLD10から測定対象物2までを往復するのにかかる時間である。したがって、距離算出部91は、当該時間の1/2に光の速さを乗算することにより、当該距離を求めることができる。
スキャン位置算出部92は、PD40がレーザ光を受光したタイミングを用いて、Z軸のプラス方向に対して当該測定対象物2が位置する方向がなす角を算出する。具体的には、スキャン位置算出部92は、PD40のレーザ光の受光タイミングと、スキャンミラー20に対してPD40が配置された方向とから、スキャンミラー20の振れ角を算出し、算出した振れ角を示す信号をミラー駆動部80へ出力する。さらに、算出した当該振れ角と、PD30の反射光の受光タイミングとから、測定対象物2が位置する方向を算出する。
以上のように構成されたレーザレンジファインダ1は、スキャンミラー20によってレーザ光を走査し、測定対象物2によるレーザ光の反射光を受光することにより、当該測定対象物2までの距離及び当該測定対象物2の方向を測定することができる。
また、本実施の形態では、スキャンミラー20は、LD10から出射されたレーザ光の一部を第1方向に反射し、他の少なくとも一部を第1方向と異なる第2方向に反射する。つまり、本実施の形態では、測定対象物2までの距離を測定するためのレーザ光の光路と、スキャンミラーの振れ角を検知するためのレーザ光の光路とが、分離されている。よって、本実施の形態では、測定エリアを広く確保しつつ、スキャンミラー20の振れ角を検出することができる。このように光路が分離されるメカニズムについては、後述するスキャンミラー20の詳細な構成で説明する。
なお、以下、本実施の形態では、図1に示すように、LD10及びPD40の各々は、LD10、PD40及びスキャンミラー20を含むYZ平面において、スキャンミラー20に対して互いに異なる方向に配置されているとして、説明する。
[2.スキャンミラー]
次に、上述したスキャンミラー20について、図3〜図6を用いて詳述する。
[2−1.構成]
まず、スキャンミラー20の構成について、図3を用いて説明する。図3は、実施の形態1におけるスキャンミラー20の構成の一例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)の揺動軸Jにおける凹部の断面図である。なお、同図では、X’軸方向を図1に示すX軸方向と同一方向として示し、Y’軸方向をスキャンミラー20の揺動軸Jの延伸方向、Z’軸方向をX’軸方向及びY’軸方向に直交する方向として示している。以下、本実施の形態において、他の図も同様である。
図3の(a)に示すように、スキャンミラー20は、ミラー部材21と、ミラー部材21を支持する支持体22とを備え、ミラー部材21と支持体22とは、架橋部材23によって互いに機械的に接続されている。また、ミラー部材21には、中央部に凹部121が形成されている。
凹部121は、略平板形状のミラー部材21に形成され、かつ、LD10から出射されたレーザ光が照射される範囲内に配置されている、例えば、略台形形状である。ここで、当該凹部121の開口径は、LD10から出射されたレーザ光のスポット径よりも十分小さく、例えば、当該開口径は100μm、当該スポット径は0.5mmである。これにより、LD10から出射されたレーザ光は、ミラー部材21において、凹部121を形成する面の少なくとも一部と、ミラー部材21の表面のうち凹部121が形成された領域以外の面とで反射される。
ミラー部材21は、図3の(b)に示すように、シリコン基板130と、当該シリコン基板130を被覆する熱酸化膜131との積層構造を有する。
シリコン基板130は、単結晶シリコンによって形成されている。ここで、シリコン基板130は、例えば、(100)面が上面(図3の(b)中のZ’軸方向プラス側の面)となるようにされている。つまり、図3の(b)中において、シリコン基板130と熱酸化膜131との界面21aにおけるシリコン基板130の面方位は、(100)面となっている。また、図3の(b)中において、凹部121の壁面を形成するシリコン基板130の面方位は、(111)面となっている。
なお、シリコン基板130の面方位は、これに限らず、当該シリコン基板130の上面の面方位と、凹部121の壁面を形成する面の面方位とが異なっていればよい。
熱酸化膜131は、シリコン基板130を熱酸化処理することにより形成された膜であり、例えば、SiOである。ここで、この熱酸化膜131は、(100)面を上面とするシリコン基板130を被覆するように形成されているので、当該熱酸化膜131の上面は、シリコン基板130の(100)面と略同一である。すなわち、凹部121以外のミラー部材21の表面(以下、ミラー表面21bと記載)は、シリコン基板130の(100)面に形成されている。
したがって、LD10から出射されたレーザ光は、ミラー部材21において、凹部121を形成する面の少なくとも一部と、ミラー表面21bとで反射される。
なお、ミラー部材21は、少なくともシリコン基板130を備えていればよく、熱酸化膜131を備えていなくてもよい。ただし、熱酸化膜131は単結晶シリコンによって形成されているシリコン基板130よりも高い耐変性及び高硬度を有することから、ミラー部材21は、当該ミラー部材21の反射特性等の長期信頼性を保つために、熱酸化膜131を備えることが好ましい。また、ミラー部材21は、熱酸化膜131に代わり、シリコン基板130の表面が窒化処理されることにより形成された窒化膜(例えば、SiN)を備えてもよい。このようなシリコンの窒化膜は、熱酸化膜131よりもさらに高硬度を有するため、ミラー部材21の長期信頼性を一層保つことができる。
このように構成されたスキャンミラー20は、LD10から出射されたレーザ光を、凹部121を形成する面の少なくとも一部である壁面121aと、ミラー表面21bとで反射する。
[2−2.光路分離のメカニズム]
次に、以上のように構成されたスキャンミラー20によって、測定対象物2までの距離を測定するためのレーザ光の光路と、スキャンミラー20の振れ角を検知するためのレーザ光の光路とが分離されるメカニズムについて、図4〜図6を用いて説明する。
図4は、実施の形態1におけるスキャンミラー20の反射面の角度を模式的に示す図である。具体的には、同図には、ミラー表面21bと凹部121の壁面121aと、これら各面の法線N1、N2と、LD10から出射されたレーザ光L1、レーザ光L1のミラー表面21bによって反射されたレーザ光L2、及び、レーザ光L1の壁面121aによって反射されたレーザ光L3とが示されている。図5は、実施の形態1におけるスキャンミラー20による反射の様子を模式的に示す斜視図である。なお、同図には、上記法線N1、N2と、レーザ光L1〜L3とが示されている。図6は、実施の形態1におけるレーザレンジファインダ1の走査範囲を示す図である。具体的には、同図には、スキャンミラー20が揺動軸Jを中心に揺動した場合に、上記レーザ光L2が走査される走査範囲D1(第1走査範囲)と、上記レーザ光L3が走査される走査範囲D2(第2走査範囲)とが示されている。
上述したように、スキャンミラー20は、LD10から出射されたレーザ光L1を、凹部121を形成する面の少なくとも一部である壁面121aと、ミラー部材21のミラー表面21bとで反射する。また、上述したように、ミラー表面21bはシリコン基板130の(100)面に設けられ、壁面121aはシリコン基板130の(111)面に設けられている。
つまり、図4に示すように、壁面121aはミラー表面21bに対して傾斜して設けられており、この傾斜角は、例えば54.7°である。したがって、図4及び5に示すように、LD10から出射されたレーザ光L1のうち、ミラー表面21bで反射されたレーザ光L2の進行方向は、当該レーザ光L1のうち壁面121aで反射されたレーザ光L3の進行方向とは異なる。
言い換えると、本実施の形態におけるスキャンミラー20は、LD10から出射されたレーザ光L1のうち一部を第1方向に反射し、当該レーザ光L1のうち他の少なくとも一部を当該第1方向と異なる第2方向に反射する。これにより、本実施の形態では、測定対象物2までの距離を測定するためのレーザ光L2の光路と、スキャンミラー20の振れ角を検知するためのレーザ光L3の光路とを、分離することができる。
また、図6に示すように、本実施の形態におけるスキャンミラー20は、揺動することにより、レーザ光L2を走査範囲D1で走査し、上記レーザ光L3を走査範囲D2で走査する。つまり、本実施の形態では、測定対象物2の測定エリアである走査範囲D1とは異なる走査範囲D2で走査されるレーザ光L3を用いてスキャンミラー20の振れ角を検出する。よって、本実施の形態では、測定対象物2の測定エリアを広く確保することができる。
また、本実施の形態では、スキャンミラー20の振れ角を検知するためのPD40を、レーザ光L3のスキャン軌道(図6における走査範囲D2内の白抜き矢印)上の任意の位置に配置することが可能となる。よって、スキャンミラー20とPD40との位置合わせを線で行うことが可能となるので、レーザレンジファインダ1の光学部品を組み付ける際の位置合わせを容易にすることができる。
[2−3.製造工程]
次に、上述のスキャンミラー20の製造方法について、図7を用いて説明する。図7は、実施の形態1におけるスキャンミラーの製造工程を模式的に示す図である。
まず、単結晶シリコンによって形成されたシリコン基板130を準備する(図7の(a))。ここで、このシリコン基板130は、上面(図7の紙面上方の面)の面方位が、例えば(100)面である。
次に、シリコン基板130を熱酸化処理することにより、シリコン基板130の上面を被覆する熱酸化膜131を形成する(図7の(b))。
次に、凹部121に対応する位置に開口するようなレジスト151を塗布し(図7の(c))、RIE(Reactive Ion Etching)等で熱酸化膜131に開口を形成する(図7の(d))。
次に、KOH、ヒドラジン等の溶液152を用いて、シリコン異方性エッチングを行う(図7の(e))。ここで、この異方性エッチングを行う工程では、(100)面と異なる単結晶シリコンの面方位(本実施の形態では(111)面)が露出するように、シリコン基板130に対して異方性エッチングを行う。つまり、(111)面が(100)面よりエッチングされにくい(エッチング速度が遅くなる)ようにエッチングを行う。
このような工程により、壁面121aが(111)面である凹部121が形成されて(図7の(f))、上述したようなスキャンミラー20が製造される。すなわち、このように製造されたスキャンミラー20は、LD10から出射されたレーザ光L1のうち一部を第1方向に反射し、当該レーザ光L1のうち他の少なくとも一部を第1方向と異なる第2方向に反射することができる。
なお、本実施の形態では、溶液152を用いたウエットエッチングによりシリコン異方性エッチングを行ったが、RIE等を用いたドライエッチングにより異方性エッチングを行ってもよい。
[3.まとめ]
以上のように、本実施の形態に係るレーザレンジファインダ1は、LD10から出射されたレーザ光L1のうち一部を第1方向に反射し、レーザ光L1のうち他の少なくとも一部を第1方向と異なる第2方向に反射するスキャンミラー20と、スキャンミラー20によって第1方向に反射されたレーザ光の測定対象物2からの反射光がスキャンミラー20によって反射された光を受光するPD30と、スキャンミラー20によって第2方向に反射されたレーザ光を受光するPD40とを備える。
これにより、測定対象物2までの距離を測定するためのレーザ光L2の光路と、スキャンミラー20の振れ角を検知するためのレーザ光L3の光路とを、分離することができる。よって、測定エリアを広く確保しつつ、スキャンミラー20の振れ角を検出できる。つまり、測定対象物2の測定エリアである走査範囲D1の犠牲を抑制しつつ、スキャンミラー20の振れ角を検出できる。言い換えると、レーザ光L2のスキャン軌道を可能な限り測距に用いることができるので、測定対象物2までの距離を測定できる角度を大きく確保することができる。
ここで、比較例として、計測スキャン軌道上の一部(例えば、両端部)に、スキャンミラーの振れ角を検出するための反射板又は受光部を設ける構成では、次のような問題がある。具体的には、周囲の環境変化や故障により、レーザレンジファインダの測定エリアを意図的又は故意に制限する場合、つまりスキャンミラーの振れ角を制限する場合には、当該反射板又は受光部にスキャンミラーからのレーザ光が到達しない恐れがある。このような場合にはスキャンミラーの振れ角を検出することができない。これに対して、本実施の形態では、測定対象物2までの距離を測定するためのレーザ光L2の光路と、スキャンミラー20の振れ角を検知するためのレーザ光L3の光路とを、分離するので、スキャンミラー20の振れ角を制限する場合であっても、スキャンミラー20の振れ角を検出することが可能となる。
また、本実施の形態において、スキャンミラー20は、レーザ光L1のうち一部を第1方向に反射するミラー表面21bと、レーザ光L1のうち他の少なくとも一部を第2方向に反射する壁面121aとを有し、ミラー表面21bに対して壁面121aは傾斜して設けられている。
これにより、LD10からスキャンミラー20に入射したレーザ光L1を、測定対象物2までの距離を測定するためのレーザ光L2と、スキャンミラー20の振れ角を検知するためのレーザ光L3とに分離することができる。
具体的には、本実施の形態において、スキャンミラー20は、単結晶シリコンによって形成されたシリコン基板130を備え、ミラー表面21bと壁面121aとは、シリコン基板130において、単結晶シリコンの互いに異なる面方位に形成されている。
これにより、ミラー表面21bに対する壁面121aの角度を精度良く出すことができる。例えば、ミラー表面21bがシリコン基板130の(100)面に形成され、壁面121aが当該シリコン基板130の(111)面に形成されている場合、当該角度として54.7°を精度良く出すことができる。このようにミラー表面21bに対する壁面121aの角度を精度良く出すことにより、レーザレンジファインダ1の光学部品を組み付ける際の位置合わせを容易にすることができる。
なお、スキャンミラー20は、単結晶シリコンによって形成されたシリコン基板130を備える構成に限らず、例えば、サファイア基板等の他の単結晶材料によって形成された基板を備えてもよい。
また、本実施の形態において、スキャンミラー20は、ミラー表面21bを表面とする略平板形状であり、壁面121aは、スキャンミラー20の表面側に形成された凹部の壁面の少なくとも一部である。
これにより、LD10から出射されたレーザ光L1を第2方向へ反射する面を容易に形成することができる。
なお、本実施の形態では、凹部121の形状を、略台形形状としたが、これに限らない。凹部121は、入射したレーザ光L1をミラー表面21bと異なる方向に反射する壁面121aを有していればよく、例えば、ピラミッド形状やトレンチ形状であってもよい。つまり、凹部121は、ミラー表面21bの法線N1と異なる角度の法線N2を有する壁面121aを含んでいればよい。また、LD10から出射されたレーザ光L1を第2方向へ反射する面は、凹部121の壁面でなくてもよく、平板形状に形成されたスキャンミラー20から外方に突出するように設けられた凸部を形成する面の少なくとも一部であってもよい。
また、本実施の形態において、スキャンミラー20は、揺動することにより、レーザ光L2を走査範囲D1で走査し、レーザ光L3を走査範囲D2で走査する。
つまり、本実施の形態では、測定対象物2の測定エリアである走査範囲D1とは異なる走査範囲D2で走査されるレーザ光L3を用いてスキャンミラー20の振れ角を検出する。よって、測定対象物2の測定エリアを広く確保することができる。
なお、レーザ光L2の走査位置とレーザ光L3の走査位置とは、同じ位置を同時に走査していなければよく、同じ位置を互いに異なる時間で走査することがあってもよい。つまり、走査範囲D1の一部(一箇所)が走査範囲D2の一部(一箇所)と同じであってもよい。
また、本実施の形態において、スキャンミラー20の製造方法は、(100)面と異なる単結晶シリコンの面方位(本実施の形態では(111)面)が露出するように、シリコン基板130の一部に対して異方性エッチングを行う工程を含む。
このような異方性エッチングによるエッチング角度は、結晶面方向で規定される。よって、異方性エッチングによって、ミラー表面21bと壁面121aとの角度を精度良く出すことができる。つまり、スキャンミラー20を高い加工精度で製造することができる。
(実施の形態1の変形例1)
次に、実施の形態1の変形例1のレーザレンジファインダについて、図8を用いて説明する。図8は、実施の形態1の変形例1におけるレーザレンジファインダの走査範囲を模式的に示す図である。
同図に示すレーザレンジファインダ1Aは、実施の形態1におけるレーザレンジファインダ1とほぼ同様であるが、PD40に代わりPD40Aを備える。
PD40Aは、スキャンミラー20の振れ角を検知するためのレーザ光L3が走査される走査範囲D2のスキャン軌道の全てを包含するように配置された、一次元光位置センサ(PSD:Position Sensitive Detector)である。
これにより、スキャンミラー20の角度をリアルタイムで検出することができる。つまり、レーザレンジファインダの走査角(走査方向)をリアルタイムで検出することができる。
また、計測スキャン軌道上の一部(例えば、両端部)に、スキャンミラーの振れ角を検出するための反射板又は受光部を設ける構成では、スキャンミラーの振れ角を任意に設定することはできない。これは、当該振れ角を任意に設定した場合、当該反射板又は受光部にスキャンミラーからのレーザ光が到達しない場合があるからである。
これに対して、本変形例では、PD40AとしてPSDを用いることにより、スキャンミラー20の振れ角を制限した場合であっても、PD40Aがレーザ光L3を受光することができる。つまり、任意の振れ角に設定されたスキャンミラー20の振れ角を検知することができる。したがって、レーザ光L2が走査される走査範囲D1を小さくして、所定の範囲で測定対象物2までの距離を検出する場合であっても、スキャンミラー20の振れ角を検知することができる。
(実施の形態1の変形例2)
次に、実施の形態1の変形例2のレーザレンジファインダについて、図9を用いて説明する。図9は、実施の形態1の変形例2におけるスキャンミラーの製造工程を模式的に示す図である。
同図に示す本変形例における製造工程は、実施の形態1における製造工程とほぼ同じであるが、RIE等で熱酸化膜131に開口を形成した後(図9の(d)の後)に、等方性エッチングを行い(図9の(d’))、その後に、シリコン異方性エッチングを行う(図9の(e))点が異なる。
このように、本変形例における製造工程は、実施の形態1における製造工程と比較して、さらに、シリコン基板130の一部に対して等方性エッチングを行う工程(図9の(d’))を含み、異方性エッチングを行う工程(図9の(e))では、等方性エッチングを行う工程(図9の(d’))において等方性エッチングを施した領域に対して異方性エッチングを行う。
このように製造された本変形例におけるスキャンミラーは、実施の形態1におけるスキャンミラー20と同様に、凹部221が形成される。この凹部221は、例えば、略ピラミッド形状である。よって、LD10から出射されたレーザ光L1の一部はミラー表面21bで反射され、他の少なくとも一部は凹部221の壁面221aで反射される。よって、本変形例におけるスキャンミラーは、実施の形態1におけるスキャンミラー20と同様の効果を奏する。
また、本変形例におけるスキャンミラーは、当該スキャンミラーの製造工程において、シリコン基板130に対して等方性エッチングを行った後に異方性エッチングを行うことにより、次のような構成を有する。具体的には、本変形例におけるスキャンミラーは、実施の形態1におけるスキャンミラーと比較して、図9の(f)に示すように、凹部221の開口端部において、開口の中央へ向かって突出する凸部221Aを有する。
このように、凹部221の開口端部が庇状の凸部221Aを有することにより、凹部221の開口端部で生じる不要光を抑制することができる。
ここで、レーザレンジファインダでは、測定対象物2からの反射光は非常に微弱であるため、このような反射光を用いて測定対象物2までの距離を測定するためには、PD30にLD10から出射されたレーザ光が入射しないようにすることが重要である。すなわち、レーザレンジファインダ内部での不要光及び迷光の発生を抑制することが重要である。
本変形例では、凹部221の開口端部において庇状の凸部221Aを設けることにより不要光を抑制することができるので、レーザレンジファインダ内部での不要光及び迷光の発生を抑制することができる。よって、PD30で受光する反射光のS/N比を向上することができるので、測距離精度を向上することができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2のレーザレンジファインダについて、図10〜図12を用いて説明する。図10は、実施の形態2におけるスキャンミラーの構成の一例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)の揺動軸Jに垂直な面における凹部の断面図である。図11は、実施の形態2におけるスキャンミラーによる反射の様子を模式的に示す斜視図である。図12は、実施の形態2におけるレーザレンジファインダの走査範囲を模式的に示す図である。
本実施の形態におけるレーザレンジファインダは、実施の形態1におけるレーザレンジファインダ1とほぼ同様であるが、LD10から出射されるレーザ光の光軸が水平方向である点が異なる。具体的には、実施の形態1では、LD10及びPD40の各々は、LD10、PD40及びスキャンミラー20を含むYZ平面において、スキャンミラー20に対して互いに異なる方向に配置されているとしたが、本実施の形態では、LD10及びPD40の各々は、LD10、PD40及びスキャンミラー220を含むXZ平面において、スキャンミラー220に対して互いに異なる方向に配置されている。
また、実施の形態1におけるスキャンミラー20は、揺動軸JがY軸に対して傾いて配置されていたが、本実施の形態におけるスキャンミラー220は、当該揺動軸JがY軸と平行に配置されている。
また、図10に示すように、本実施の形態のスキャンミラー220では、実施の形態1のスキャンミラー20と比較して、凹部121がZ’軸方向プラス側から見て左方向に90°回転した状態で形成されている。
このように、LD10及びPD40の各々が、LD10、PD40及びスキャンミラー220を含むXZ平面において、スキャンミラー220に対して互いに異なる方向に配置されている構成であっても、上記実施の形態1と同様の効果を奏する。
つまり、図11に示すように、測定対象物2までの距離を測定するためのレーザ光L2の光路と、スキャンミラー20の振れ角を検知するためのレーザ光L3の光路とを、分離することができる。よって、測定エリアを広く確保しつつ、スキャンミラー220の振れ角を検出できる。
また、図12に示すように、スキャンミラー220は、揺動することにより、レーザ光L2を走査範囲D1で走査し、レーザ光L3を走査範囲D2で走査する。
つまり、本実施の形態におけるレーザレンジファインダは、実施の形態1におけるレーザレンジファインダ1と同様に、測定対象物2の測定エリアである走査範囲D1とは異なる走査範囲D2で走査されるレーザ光L3を用いてスキャンミラー220の振れ角を検出する。よって、測定対象物2の測定エリアを広く確保することができる。
(他の実施の形態)
以上、本発明の実施の形態及び変形例に係るレーザレンジファインダについて説明したが、本発明は、これら実施の形態及び変形例に限定されるものではない。
例えば、上記説明では、スキャンミラーはエッチングにより作成されているとしたが、これに限らない。例えば、スキャンミラーは切削やインプリント技術によって作成されていてもよい。
また、スキャンミラーは、さらに、熱酸化膜131を覆う鏡面用金属(例えば、アルミニウム)が蒸着されていてもよい。
また、LD10からスキャンミラーに入射するレーザ光L1の入射ベクトルは上記説明に限らず、任意でよい。このような場合であっても、凹部の壁面(第2反射面)の向きを適宜調整することにより、レーザ光L2を走査範囲D1で走査させつつ、レーザ光L3を当該スキャンミラーの振れ角を検知するためのPD40に入射させることができる。
また、上記説明では、レーザ光L2を一次元走査するレーザレンジファインダについて説明したが、レーザレンジファインダは、上記説明したスキャンミラーを用いて、レーザ光L2を二次元走査してもよい。
さらに、上記実施の形態及び変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
上記実施の形態は、物体の距離を検出するレーザレンジファインダに適用可能である。
1、1A レーザレンジファインダ
2 測定対象物
10 LD(レーザダイオード)
11 筐体
20、220 スキャンミラー(揺動ミラー)
21 ミラー部材
21a 界面
21b ミラー表面
22 支持体
23 架橋部材
30、40、40A PD(フォトダイオード)
50 有孔ミラー
60 集光レンズ
70 変調信号出力部
80 ミラー駆動部
90 信号処理部
91 距離算出部
92 スキャン位置算出部
121、221 凹部
121a、221a 壁面
130 シリコン基板
131 熱酸化膜
151 レジスト
152 溶液
221A 凸部
D1、D2 走査範囲
J 揺動軸
L1、L2、L3 レーザ光
N1、N2 法線

Claims (5)

  1. 対象物までの距離を測定するレーザレンジファインダであって、
    レーザ光を出射する光源と、
    前記光源から出射されたレーザ光のうち一部を第1方向に反射する第1反射面と、前記レーザ光のうち他の少なくとも一部を前記第1方向と異なる第2方向に反射する第2反射面とを有する揺動ミラーと、
    前記揺動ミラーによって前記第1方向に反射されたレーザ光の前記対象物からの反射光が前記揺動ミラーによって反射された光を受光する第1受光部と、
    前記揺動ミラーによって前記第2方向に反射されたレーザ光を受光する第2受光部とを備え
    前記揺動ミラーは、前記第1反射面を表面とする略平板形状であり、
    前記第2反射面は、前記揺動ミラーの表面側に形成された凹部の壁面の少なくとも一部であり、且つ、前記第1反射面に対して傾斜して設けられており、
    前記凹部は、当該凹部の開口端部において、開口の中央へ向かって突出する凸部を有する
    レーザレンジファインダ。
  2. 前記揺動ミラーは、単結晶シリコンによって形成されたシリコン基板を備え、
    前記第1反射面と前記第2反射面とは、前記シリコン基板において、前記単結晶シリコンの互いに異なる面方位に形成されている
    請求項に記載のレーザレンジファインダ。
  3. 前記揺動ミラーは、揺動することにより、
    前記レーザ光のうち一部を第1走査範囲で走査し、
    前記レーザ光のうち他の少なくとも一部を前記第1走査範囲外の第2走査範囲で走査する
    請求項1又は2に記載のレーザレンジファインダ。
  4. 単結晶シリコンの第1の面方位が表面に露出したシリコン基板を準備する工程と、
    前記第1の面方位と異なる前記単結晶シリコンの第2の面方位が露出するように、前記シリコン基板の一部に対して異方性エッチングを行う工程とを含み、
    前記第1の面方位の面は、所定方向から入射するレーザ光を第1方向に反射し、
    前記第2の面方位の面は、前記レーザ光を前記第1方向と異なる第2方向に反射し、

    前記シリコン基板は、前記第1の面方位の面を表面とする略平板形状であり、
    前記異方性エッチングを行う工程において、前記第2の面方位の面は、前記シリコン基板の表面側に形成された凹部の壁面の少なくとも一部であり、且つ、前記第1の面方位の面に対して傾斜するように形成され、
    前記異方性エッチングを行う工程において、前記凹部は、当該凹部の開口端部において、開口の中央へ向かって突出する凸部を有するように形成される
    揺動ミラーの製造方法。
  5. 前記揺動ミラーの製造方法は、さらに、前記シリコン基板の一部に対して等方性エッチングを行う工程を含み、
    前記異方性エッチングを行う工程では、当該一部に対して前記異方性エッチングを行う
    請求項に記載の揺動ミラーの製造方法。
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