JP6892086B1 - 熱物性値測定装置及び熱物性値測定方法 - Google Patents

熱物性値測定装置及び熱物性値測定方法 Download PDF

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Abstract

熱物性値測定装置(1)において、開口部を除いて遮光する遮光体(11)が、試料(10)の試料薄膜の表面に対向して備えられている。加熱用レーザ(22)から出力される繰り返しパルスの加熱光は、遮光体(11)を介して試料薄膜に照射される。測温用レーザ(23)から出力される連続光の測温光は、試料薄膜上の加熱光照射位置から予め定めた距離離れた測定位置に照射される。光検出器(26)が測温光の試料薄膜での反射光を検出し、ADコンバータ(27)でデジタル変換したサーモリフレクタンス信号を、コンピュータ(28)が取得する。コンピュータ(28)は取得したサーモリフレクタンス信号に基づいて、試料(10)の試料薄膜の沿面方向の熱物性値を算出する。

Description

本発明は、熱物性値を測定する熱物性値測定装置及び熱物性値測定方法に関する。
薄膜の熱物性を評価するとき、薄膜の膜厚方向に熱が拡散する時間は薄膜の熱拡散率と膜厚に依存するため、試料表面の温度変化をより高速に測定する必要がある。このような薄膜の熱物性値を測定する方法として、薄膜試料の表面をパルスレーザにより加熱し、測温用のレーザ光を照射したときの薄膜表面での反射光に基づいて熱物性値を算出するサーモリフレクタンス法と呼ばれる方法がある(例えば、特許文献1)。
サーモリフレクタンス法では、薄膜表面又は裏面の温度変化を測定するために、測温用のレーザ光を薄膜に照射し、その反射率変化を検出する。薄膜の温度変化が数℃以内と小さい場合は、温度上昇量は反射率の変化量に比例すると考えられるため、反射率変化に基づいて試料表面の温度変化を検出することができる。
加熱光および測温光としてパルス幅がナノ秒又はそれ以下のオーダーのパルス光を用いることで、数nm〜数10μmの膜厚をもつ薄膜試料の、加熱光の照射位置を起点とした温度履歴曲線を取得することができる。温度履歴曲線を熱伝導方程式により解析することで、試料の熱拡散率、界面熱抵抗を含む熱物性値を算出することができる(例えば、特許文献2)。
ここで、測温光と加熱光の光路差が変化すると、これらの相対的な照射位置が変化することになるため、正確に測定できる時間の範囲に制約が生じていた。これに対し、特許文献2に記載の方法は、加熱用レーザと測温用レーザの駆動信号を信号発生器により電気的に制御することにより、加熱光と測温光の試料への到達時間を制御することができ、より広範囲の時間の測定が可能になり測定対象範囲を広げることができると説明されている。
温度履歴曲線の解析方法については、特許文献1において、薄膜の表面に垂直の方向へ1次元的に伝達する熱流を仮定し、解析モデルを構築し、熱物性値を求めている。これにより、多層薄膜及び傾斜機能材料の膜厚方向の熱応答解析を正確に行うことができると説明されている。
一方、薄膜の沿面方向の熱物性の評価もサーモリフレクタンス法を用いて行われている(例えば、特許文献3)。沿面方向の温度変化の測定において、加熱光と測温光の照射位置を高精度で特定する必要がある。特許文献3に記載の熱物性値測定装置は、加熱光の試料表面に対する照射位置を固定しつつ、試料を固定したXYステージを移動することで、測温光の試料表面に対する照射位置を走査している。これにより、沿面方向の熱拡散率を得ることができ、かつ加熱位置を中心とした熱の拡散のイメージを得ることができると説明されている。
特許第3252155号公報 特開2003−322628号公報 特開2011−145138号公報
特許文献3に記載されたような沿面方向の熱物性の評価において、薄膜に加熱光を照射して熱を印加したとき、熱は沿面方向のみならず、照射面である薄膜表面に垂直の方向に裏面に向かって拡散する。また、薄板状の試料と比較して、薄膜試料は加熱光による損傷の可能性が高いため、加熱光の出力に制限がある。よって、沿面方向に一定距離離れた測定位置における薄膜表面の温度上昇は、距離が大きくなるにつれ極わずかになると予想される。その場合、十分なS/N(Signal-to-Noise)比の信号が検出できない可能性があるため、正確な評価が困難であるという課題があった。
温度上昇がわずかであるとき、測温光を照射する測定位置を加熱光の照射領域からわずかに変位させた位置にする必要がある。しかし、加熱光は空間的な強度分布を有する。よって、加熱光の照射領域と非照射領域を厳密に区別することは困難であった。また、測温光の、加熱光に対する相対的な変位量を精度よく計測するためには複雑な機構が必要であり容易に計測することが困難であった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、薄膜の沿面方向の熱物性値を正確かつ容易に測定することができる熱物性値測定装置及び熱物性値測定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る熱物性値測定装置は、
試料薄膜の表面または裏面に対向して備えられ、開口部を除いて遮光する遮光体と、
前記遮光体を介して前記試料薄膜に繰り返しパルスの加熱光を照射する加熱用レーザと、
前記開口部を通って前記加熱光が照射された前記試料薄膜上の加熱光照射位置から表面の延在方向に沿った沿面方向に予め定めた距離離れた測定位置に測温光を照射する測温用レーザと、
前記測温光の前記試料薄膜での反射光を検出する光検出器と、
前記光検出器で検出した前記反射光の反射光強度に基づいて、前記試料薄膜の前記沿面方向の熱物性値を算出する熱物性値算出部と、
を備え、
前記遮光体に照射する前記加熱光のスポットの直径は、前記試料薄膜上の前記測温光のスポットの直径より大きく、
沿面方向において、前記測温光のスポットの中心は、前記加熱光のスポットに含まれ、
前記開口部を有する前記遮光体を、前記沿面方向に移動させることにより、前記測定位置を前記加熱光照射位置から予め定めた距離離すことを特徴とする。
記加熱光のスポットの中心と、前記測温光のスポットの中心と、は沿面方向において同じ位置にあり、
前記遮光体の前記開口部を、前記加熱光及び前記測温光のスポットの中心からずらすことにより、前記測定位置を前記加熱光照射位置から予め定めた距離離すようにしてもよい。
前記遮光体は、前記加熱光が透過する材料で構成された透明基板に、前記開口部を除いて遮光性を有する遮光薄膜を成膜して形成したものであって、
前記透明基板上の前記遮光薄膜を前記試料薄膜の表面に対向させ、
前記加熱用レーザは、前記加熱光を前記透明基板側から照射してもよい。
前記試料薄膜は、試料基板上に成膜された薄膜であって、
前記遮光体は、透明基板に前記開口部を除いて、遮光性を有する遮光薄膜を成膜して形成したものであって、
前記透明基板上の前記遮光薄膜を、前記試料基板の前記試料薄膜と反対の面に対向させ、
前記加熱用レーザは、前記加熱光を前記透明基板側から照射してもよい。
前記遮光体は、前記試料薄膜の表面に遮光性を有する遮光薄膜を成膜して形成したものであって、
前記加熱用レーザは、前記加熱光を前記試料薄膜の表面上の前記遮光体の上から照射してもよい。
前記試料薄膜は、試料基板上に成膜された薄膜であって、
前記遮光体は、前記試料基板の前記試料薄膜と反対側の裏面に遮光性を有する遮光薄膜を成膜して形成したものであって、
前記加熱用レーザは、前記加熱光を前記試料基板の前記裏面上の前記遮光体の上から照射してもよい。
前記熱物性値算出部は前記反射光強度に基づいて、前記加熱光照射位置から前記測定位置までの前記試料薄膜の熱拡散時間を算出し、前記熱拡散時間に基づいて熱拡散率を含む前記熱物性値を算出してもよい。
前記測温光は、集光されて、前記試料薄膜の前記遮光体と反対側の面に存する前記測定位置に照射されてもよい。
前記遮光体は、互いに分離された2以上の前記開口部を有し、
前記加熱光及び測温光はいずれも前記遮光体を介して前記試料薄膜に照射され、
前記加熱光は、少なくとも1の前記開口部を含む領域に照射され、
前記測温光は、集光されて、他の1の前記開口部と沿面方向において同じ位置にある前記測定位置に照射されてもよい。
前記遮光体を備えた前記試料薄膜を固定したステージを前記沿面方向に平行な2次元方向に移動して、前記測定位置を変更し、
前記熱物性値算出部は、前記測定位置で反射した前記反射光強度に基づいて、前記沿面方向の前記熱物性値を算出してもよい。
前記加熱光は、パルス幅がナノ秒、ピコ秒又はフェムト秒のオーダーのパルス光でもよい。
前記測温光は、連続光でもよい。
前記測温光は、パルス幅がナノ秒、ピコ秒又はフェムト秒のオーダーのパルス光でもよい。
前記加熱用レーザ及び前記測温用レーザに対して駆動信号を出力する信号発生器を更に備え、
前記加熱光の前記試料薄膜への加熱光照射時刻と、前記測温光の前記試料薄膜への測温光照射時刻を、前記信号発生器の駆動信号により制御し、
前記熱物性値算出部は、前記加熱光照射時刻及び前記測温光照射時刻の時間差に基づいて、熱拡散時間を算出し、前記熱拡散時間に基づいて熱拡散率を含む前記熱物性値を算出してもよい。
前記遮光体は、前記開口部以外に金属材料を成膜した遮光薄膜を有してもよい。
また、本発明の第2の観点に係る熱物性値測定方法は、
試料薄膜の表面又は裏面に対向して備えられ開口部を除いて遮光する遮光体を介して、前記試料薄膜に対して、繰り返しパルスの加熱光を照射する加熱光照射ステップと、
前記開口部を通って前記加熱光が照射された前記試料薄膜上の加熱光照射位置から表面の延在方向に沿った沿面方向に予め定めた距離離れた測定位置に測温光を照射する測温光照射ステップと、
前記測温光の前記試料薄膜での反射光を検出する光検出ステップと、
前記光検出ステップで検出した前記反射光の反射光強度に基づいて、前記試料薄膜の前記沿面方向の熱物性値を算出する熱物性値算出ステップと、
を有し、
前記遮光体に照射する前記加熱光のスポットの直径は、前記試料薄膜上の前記測温光のスポットの直径より大きく、
沿面方向において、前記測温光のスポットの中心は、前記加熱光のスポットに含まれ、
前記測温光照射ステップは、前記開口部を有する前記遮光体を、前記沿面方向に移動させることにより、前記測定位置を前記加熱光照射位置から予め定めた距離離すことを特徴とする。
本発明によれば、遮光体に設けられた開口部を通って加熱光が照射されることにより、加熱光照射位置から測温光照射位置までの距離を正確に特定することができるため、試料薄膜の沿面方向の熱物性値を正確かつ容易に測定することができる。
本発明の実施の形態1に係る熱物性値測定装置の構成を示す図である。 実施の形態1における試料及び遮光体に照射する加熱光及び測温光を表した図である。 実施の形態1における試料及び遮光体に照射する加熱光及び測温光を表した図である。 実施の形態1における試料及び遮光体に照射する加熱光及び測温光を表した図である。 加熱光、温度変化、測温光の反射光及びサーモリフレクタンス信号のタイミングを示したタイミングチャートである。 サーモリフレクタンス信号を示す図である。 規格化したサーモリフレクタンス信号を示す図である。 本発明の実施の形態2における試料及び遮光体に照射する加熱光及び測温光を表した図である。 実施の形態2における試料及び遮光体に照射する加熱光及び測温光を表した図である。 実施の形態2における試料及び遮光体に照射する加熱光及び測温光を表した図である。 本発明の実施の形態3に係る熱物性値測定装置の構成を示す図である。 実施の形態3における試料及び遮光体に照射する加熱光及び測温光を表した図である。 実施例における試料及び遮光体に照射する加熱光及び測温光を表した図である。 実施例における測定位置の変位量に対する信号強度が最大となった時間を示したグラフである。 本発明の他の例に係る熱物性値測定装置の構成を示す図である。 本発明の他の例における試料及び遮光体に照射する加熱光及び測温光を表した図である。 本発明の他の例における試料及び遮光体に照射する加熱光及び測温光を表した図である。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、実施の形態に係る熱物性値測定装置1の構成を示す図である。本実施の形態では、熱物性値測定装置1は、試料10の表面にパルス光である加熱光を照射して、裏面に照射した連続光である測温光の反射光を検出するサーモリフレクタンス法を用いて、温度応答の測定をする。
熱物性値測定装置1は、図1に示すように、任意関数の信号を出力する関数発生器(FG:Function Generator)21と、試料10を加熱する加熱光を出力する加熱用レーザ22と、温度を検出するための測温光を出力する測温用レーザ23と、を備える。また、熱物性値測定装置1は、測温光を集光するレンズ25と、試料10及び遮光体11を移動させるXYステージ12と、集光した測温光の試料10での反射光を検出する光検出器26と、を備える。更に、熱物性値測定装置1は、光検出器26の検出信号をアナログ/デジタル変換するADコンバータ(Analog to Digital Converter)27と、ADコンバータ27の出力信号に基づいて熱物性値を算出するコンピュータ28と、を備える。
図2A、図2B、図2Cは、試料10及び試料10に対向して配置する遮光体11と、これらに照射する加熱光及び測温光を表した図である。図2A、図2B、図2Cは、測温光が照射される位置が互いに異なる。試料10は、試料基板101と、試料基板101に成膜した試料薄膜102から構成される。試料基板101は、加熱光又は測温光が透過する材料からなる。試料薄膜102は、熱物性値を測定する測定対象の任意の材料からなる。なお、図2A、図2B、図2Cにおいて、試料10及び遮光体11の表面及び裏面が延在する沿面方向をx方向及びy方向と呼び、沿面方向に垂直の膜厚方向をz方向と呼ぶ。
遮光体11は、開口部110を除いて遮光する機能を有する。遮光体11は、透明基板111と、透明基板111に遮光性を有する任意の物質を成膜した遮光薄膜112からなり、遮光薄膜112は例えば白金等の金属材料の薄膜である。透明基板111は加熱光及び測温光が透過する材料からなる。開口部110は、例えば、予め定めた幅を有するスリットである。遮光体11は、従来の任意の方法で生成される。例えば、金属蒸着法にて透明基板111に金属薄膜を生成した後に、フォトリソグラフィによりパターニングし、開口部110をエッチングする方法で、遮光体11を生成してもよい。開口部110は、予め定めた形状及び大きさを有し、加熱光のスポットの円より十分に小さい。遮光薄膜112は試料薄膜102に接触させて配置してもよい。
試料10及び遮光体11に照射する加熱光及び測温光は、スポットの中心が沿面方向において同じ位置にある。測温光はレンズ25で十分に集光されて試料基板101に照射される。遮光体11に照射する加熱光のスポットの直径は、試料基板101に照射する測温光のスポットの直径より十分に大きい。加熱光及び測温光のスポットの中心が沿面方向における同じ位置にある状態を保ったまま、XYステージ12を2次元方向に駆動させることにより、試料10及び遮光体11の位置がx方向又はy方向に移動する。図2A、図2B、図2Cはx方向に移動させた場合を示している。
図2A、図2B、図2Cに示すように、試料10及び遮光体11を、加熱光のスポットの半径以下の距離を移動させても、加熱光は開口部110を通過して照射されるため、試料薄膜102における加熱光の照射位置は変わらない。一方、測温光の照射位置は、移動距離だけ照射位置が変化する。このため、試料10及び遮光体11を移動させることで、加熱光の照射位置と測温光の照射位置の間の距離を変化させることができる。なお、測温光のスポットの直径は、加熱光の照射位置と測温光の照射位置の間の距離の変化を判別できる程度に十分に小さくする必要がある。例えば、測温光の試料薄膜102におけるスポットは、レンズ25により直径3μmの円より小さい大きさに集光させる。
熱物性値測定装置1の関数発生器21は、加熱用レーザ22に対して、ナノ秒オーダーのパルス光を出力させるための電気信号を出力する。本実施の形態では、加熱用レーザ22が出力するパルス光のパルス幅は1ns程度であり、繰り返し周期は20μsである。繰り返し周期に対応して、関数発生器21が出力する信号は50kHzの振動数を有する。関数発生器21から加熱用レーザ22に入力される電気信号は、1周期の時間間隔の中で発生時間の制御が可能であり、関数発生器21の設定パネル又は外部接続するコンピュータ28で設定可能である。加熱用レーザ22に入力される電気信号の発生のタイミングは、ADコンバータ27に出力され、AD(Analog to Digital)変換のタイミング制御に用いられる。
加熱用レーザ22は、関数発生器21から入力される電気信号により、パルス幅1nsのパルス光を出力するファイバレーザである。加熱用レーザ22から出力された加熱光は、透明基板111の遮光薄膜112と反対側の面に照射される。測温用レーザ23から出力された測温光は、レンズ25で集光されて試料薄膜102の遮光体11と反対側の面に照射される。
ここで、試料10及び遮光体11は一体となってXYステージ12に固定されている。XYステージ12を動かすことにより、試料10及び遮光体11に対する測温光の照射位置を変える。測温光の照射位置は、CCD顕微鏡等で観察することにより、正確に設定する。
光検出器26は、測温光の反射光を受光して電気信号に変換する検出器であり、例えば、フォトダイオードである。ADコンバータ27は、光検出器26が光電変換した検出信号をアナログ/デジタル変換する。コンピュータ28は、ADコンバータ27から出力されるデジタル信号を解析し、熱物性値を計算する処理を実行する。つまり、コンピュータ28は熱物性値算出部として機能する。
以上のように構成された熱物性値測定装置1の動作について説明する。本実施の形態に係る熱物性値測定装置1は、図2A−Cに示すように、遮光体11を介して、試料10の試料薄膜102の表面に加熱光を照射して、試料薄膜102の裏面に測温光を照射する表面加熱/裏面測温(FR:Front heating / Rear detection)配置で測定を行う。
関数発生器21の出力Aと出力Bの端子それぞれから、繰り返し周期20μsの電気信号が出力される。出力Bの出力シグナルは出力Aの出力シグナルに対して一定の遅延を有しており、ADコンバータ27に対して出力される。関数発生器21の出力Aから出力した電気信号により、加熱用レーザ22は、パルス幅1ns、繰り返し周期20μsの加熱光を出力する。
加熱用レーザ22から出力された加熱光は、透明基板111を透過して遮光薄膜112に向かって照射する。そして、遮光薄膜112の開口部110を通過した加熱光のみが試料薄膜102の表面を照射する。つまり、加熱光の照射領域の中心は、開口部110の中心である。加熱光は遮光薄膜112の開口部110を通過することにより、試料薄膜102での照射領域が小さくなる。試料薄膜102における加熱光の照射領域の温度は瞬間的に上昇し、その後、試料薄膜102の内部へ熱が拡散していく。
一方、測温用レーザ23は連続光である測温光を出力する。測温光は、レンズ25で集光された後、試料基板101を透過して試料薄膜102の裏面を照射する。測温光の反射率は、温度変化に比例するため、熱物性値測定装置1は、測温光の反射率の変化から試料薄膜102の裏面温度の変化を観測する。加熱光の1パルスによる温度変化は0.1℃程度である。
ここで、図2A、図2B、図2Cに示すように、遮光薄膜112を照射する加熱光のスポットの中心と、試料薄膜102を照射する測温光のスポットの中心は、沿面方向において同じ位置にある。加熱光及び測温光のスポットの中心が沿面方向において同じ位置にある状態を保ったまま、XYステージ12を駆動することで、試料10及び遮光体11を移動させる。なお、ここでは、XYステージをx方向にのみ駆動する場合を説明する。
例えば、図2Aに示すように、加熱光及び測温光のスポットの中心が開口部の中心に一致しているとき、試料薄膜102の表面における加熱光の照射領域の中心と裏面上の測温位置がx1であり、x方向に同じであるため、観測する熱の伝搬方向は白矢印の膜厚方向のみである。
次に、図2Bに示すように、XYステージ12をx方向に(x2−x1)の距離を移動させたとき、試料薄膜102の表面における加熱光の照射領域の中心と裏面上の測温位置は、x方向にずれている。加熱光の照射領域の中心と測温位置のx方向における距離は、(x2−x1)である。よって、観測する熱の伝搬方向は、白矢印で示したように、膜厚方向の成分と沿面方向の成分を合成した合成方向である。
更に、図2Cに示すように、XYステージ12をx方向に(x3−x2)の距離を移動させたとき、試料薄膜102の表面における加熱光の照射領域の中心と裏面上の測温位置は、x方向にずれている。加熱光の照射領域の中心と測温位置のx方向における距離は、(x3−x1)である。よって、観測する熱の伝搬方向は、白矢印で示したように、膜厚方向の成分と沿面方向の成分を合成した合成方向である。ここで、膜厚方向の成分は、図2Aの測温位置がx1であるときの測定で求められるため、合成方向の測定から沿面方向の成分を求めることができる。
このようにして、測温位置をx1,x2,x3と変化させることができる。なお、本実施の形態ではXYステージ12を用いてx方向にのみ移動する場合について説明するが、3次元方向に移動可能なステージを用いてもよい。実施の形態2,3についても同様である。
測温光の反射光は、光検出器26に入射され電気信号に変換される。光検出器26が出力する検出信号はADコンバータ27に入力される。ADコンバータ27が出力したサーモリフレクタンス信号は、温度応答信号としてコンピュータ28に送信される。コンピュータ28は、受信したサーモリフレクタンス信号を解析することにより、試料薄膜102の熱物性値を算出することができる。
パルス光による加熱に対する温度応答について図3を用いて説明する。図3は、加熱光、温度変化、測温光の反射光及びサーモリフレクタンス信号のタイミングを示したタイミングチャートである。図3の(a)に示すような、パルス光の加熱光が試料薄膜102の表面に照射されると、図3の(b)に示すように、パルス光と同一の繰り返し周期で試料薄膜102の表面の温度が変化する。一方、連続光である測温光は、試料薄膜102の裏面で、温度変化に比例した反射率で反射されるため、図3の(c)に示すように反射光の強度が変化する。
反射光を光検出器26で電気信号に変換し、ADコンバータ27でAD変換したサーモリフレクタンス信号を、図3の(d)に示す。このようにして得られる温度応答信号であるサーモリフレクタンス信号は、ADコンバータ27からコンピュータ28に送信される。コンピュータ28は、受信したサーモリフレクタンス信号を用いて解析することにより、試料薄膜102の熱物性値を算出することができる。
サーモリフレクタンス法により観測された信号は時間応答信号である。図2A、図2B、図2Cに示したx方向の座標がx1,x2,x3である位置におけるサーモリフレクタンス信号を図4に示す。信号強度の立ち上がりの時間が最も早いのはx1であり、最大となるときの信号強度もx1が最も大きい。
図5は、図4に示したサーモリフレクタンス信号の測定位置依存性をよりわかりやすくするために、加熱光の1周期(20μs)分に相当する時間範囲内において、信号強度の最小値を各時間における信号強度から減算し、その後最大値で除算することで規格化した値を示す図である。
x3の測定点におけるサーモリフレクタンス信号は、約130nsのピーク強度が相対的に減少する一方、比較的遅い時間の約3000nsに最大となる。各信号は、試料薄膜102の沿面方向の熱拡散による温度変化を示している。コンピュータ28は、これらのサーモリフレクタンス信号を熱拡散方程式に基づく理論式を用いて解析することにより、加熱光照射位置から各測定位置までの熱拡散時間を求め、熱拡散時間に基づいて熱拡散率を含む熱物性値を算出することができる。
以上説明したように、本実施の形態において、熱物性値測定装置1は、加熱用レーザ22から出力されるパルス光である加熱光を試料10に照射し、測温用レーザ23から出力される連続光である測温光を試料10に照射する。そして、測温光の試料薄膜102における反射光の検出信号をAD変換することにより得られたサーモリフレクタンス信号をコンピュータ28が解析する。試料薄膜102の、試料基板101と反対側の表面に対向して、開口部110を有する遮光薄膜112が備えられている。加熱光のスポットの中心と反射光のスポットの中心が沿面方向において同じ位置にある状態で、試料10及び遮光体11が沿面方向に移動する。加熱光は、遮光薄膜112の開口部110を通って照射され、測温光は、加熱光の照射位置から予め定めた距離離れた測定位置に照射される。これにより、各測定位置における反射光の検出信号に基づいて温度変化を取得することができるため、試料薄膜102の沿面方向の熱物性値を正確かつ容易に測定することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について図面を参照して詳細に説明する。熱物性値測定装置1の構成及び動作は、実施の形態1と同様である。本実施の形態では、試料10と遮光体11の構成が異なる。
図6A、図6B、図6Cは、本実施の形態に係る試料10及び試料10に対向して配置する遮光体11と、これらに照射する加熱光及び測温光を表した図である。試料10及び遮光体11のそれぞれの構成は実施の形態1と同様であるが、試料10の試料基板101の、試料薄膜102と反対側の裏面に、遮光体11の遮光薄膜112が対向している点が実施の形態1と異なる。
すなわち、試料基板101の裏面と、遮光薄膜112の透明基板111と反対側の面と、が互いに対向している。試料基板101と遮光薄膜112は互いに接触させて配置してもよい。
加熱用レーザ22から出力された加熱光は、図6A、図6B、図6Cに示すように、透明基板111の、遮光薄膜112と反対側の面に向かって照射する。加熱光のスポットの中心は、測温光のスポットの中心と沿面方向において同じ位置にある。加熱光は遮光薄膜112の開口部110を通過することにより照射径が小さくなり、その後試料基板101を透過し、試料薄膜102の裏面を照射する。試料薄膜102での照射領域の温度は瞬間的に上昇し、その後、試料薄膜102の内部へ熱が拡散していく。図6A、図6B、図6Cにおいては、熱は白矢印の方向に伝搬する。
測温用レーザ23から出力された測温光は、レンズ25で十分に集光された後、図6A、図6B、図6Cに示すように、試料薄膜102の試料基板101と反対側の表面を照射する。測温光の反射率は、温度変化に比例するため、熱物性値測定装置1は、測温光の反射率の変化から試料薄膜102の表面温度の変化を観測する。加熱光の1パルスによる温度変化は0.1℃程度である。
遮光薄膜112に照射する加熱光のスポットの直径は、試料薄膜102に照射する測温光のスポットの直径より十分に大きい。加熱光及び測温光はスポットの中心が沿面方向において同じ位置にある状態で、XYステージを駆動させることにより試料10及び遮光体11の位置がx方向又はy方向に移動する。図6A、図6B、図6Cはx方向に移動させた場合を示している。
図6A、図6B、図6Cに示すように、試料10及び遮光体11を、加熱光のスポットの半径以下の距離を移動させても、加熱光は開口部110を通過して照射されるため、試料薄膜102における加熱光の照射位置は変わらない。一方、測温光の照射位置は、移動距離だけ変化する。図6A、図6B、図6Cにおいては、測温光の照射位置は、x1、x2、x3と変化している。
つまり、試料10及び遮光体11を一体として移動させることで、加熱光の照射位置と測温光の照射位置の間の距離を変化させることができる。なお、測温光のスポットの直径は、加熱光の照射位置と測温光の照射位置の間の距離の変化を判別できる程度に十分に小さくする必要がある。例えば、測温光の試料薄膜102におけるスポットは、レンズ25により直径3μmの円より小さい大きさに集光させる。
測温光の反射光は、光検出器26に入射され電気信号に変換され、ADコンバータ27でデジタル信号に変換される。ADコンバータ27から出力されるサーモリフレクタンス信号は、温度応答信号としてコンピュータ28に送信される。コンピュータ28は、受信したサーモリフレクタンス信号を解析することにより、試料薄膜102の熱物性値を算出する。
以上説明したように、本実施の形態において、試料10の試料基板101の、試料薄膜102と反対側の面に対向して、開口部110を有する遮光薄膜112が備えられ、加熱光は、遮光薄膜112の開口部110を通って照射される。加熱光のスポットの中心と反射光のスポットの中心が沿面方向において同じ位置にある状態で、試料10及び遮光体11が沿面方向に移動する。加熱光は、遮光薄膜112の開口部110を通って照射され、測温光は、加熱光の照射位置から予め定めた距離離れた測定位置に照射される。これにより、試料薄膜102上の各測定位置に直接測温光を照射し、測定光の反射光の検出信号に基づいて温度変化を取得することができるため、試料薄膜102の沿面方向の熱物性値を正確かつ容易に測定することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3について図面を参照して詳細に説明する。図7は、実施の形態3に係る熱物性値測定装置3の構成を示す図である。本実施の形態では、熱物性値測定装置3は、試料10の表面にパルス光である加熱光を照射して、表面に照射した連続光である測温光の反射光を検出するサーモリフレクタンス法を用いて、温度応答の測定をする。
本実施の形態に係る熱物性値測定装置3は、実施の形態1と同様の、関数発生器21と、加熱用レーザ22と、測温用レーザ23と、レンズ25と、XYステージ12と、光検出器26と、ADコンバータ27と、コンピュータ28と、を備える。本実施の形態は、図7に示すように、試料10に照射する測温光の照射方向が実施の形態1と異なる。
図8は、試料10及び試料10に対向して配置する遮光体11と、これらに照射する加熱光及び測温光を表した図である。試料10は、実施の形態1と同様の構成を有し、試料基板101及び試料薄膜102からなる。なお、実施の形態1では、試料基板101は加熱光又は測温光を透過する材料からなるとしたが、本実施の形態では、加熱光又は測温光を透過しない材料で構成してもよい。
遮光体11は、2以上の開口部を有し、開口部を除いて遮光する機能を有する。本実施の形態では、2つの開口部108,109を有する場合について説明する。遮光体11は、透明基板111に遮光性を有する任意の物質を成膜した遮光薄膜112からなり、遮光薄膜112は、例えば白金等の金属薄膜である。透明基板111は加熱光及び測温光が透過する材料からなる。遮光体11の製造方法は実施の形態1と同様である。それぞれの開口部108,109は、予め定めた形状及び大きさを有する。図8において、開口部108,109の中心のx座標は、それぞれx1,x2である。遮光薄膜112は試料薄膜102に接触させて配置してもよい。
加熱用レーザ22は、関数発生器21から入力される電気信号により、パルス幅1nsのパルス光を出力するファイバレーザである。加熱用レーザ22から出力された加熱光は、透明基板111の遮光薄膜112と反対側の面に照射される。測温用レーザ23から出力された測温光は、レンズ25で集光されて、透明基板111の遮光薄膜112と反対側の面に照射される。つまり、加熱光及び測温光の照射方向は同じである。なお、レンズ25は、測温光を直径3μmの円より小さい大きさに集光させる。
ここで、図8に示すように、遮光薄膜112を照射する加熱光のスポットの直径は、遮光薄膜112を照射する測温光のスポットの直径より十分に大きい。加熱光は、2つの開口部108,109の両方を通過することができる。加熱光のスポットの中心と測温光のスポットの中心は、沿面方向において同じ位置でもよい。
以上のように構成された熱物性値測定装置3の動作について説明する。本実施の形態に係る熱物性値測定装置3は、加熱光と測温光の両方が、遮光体11を介して試料10の試料薄膜102の表面に照射される表面加熱/表面測温(FF:Front heating / Front detection)配置で測定を行う。
関数発生器21の出力Aの端子から、繰り返し周期20μsの電気信号が出力される。出力Bの出力シグナルは出力Aの出力シグナルに対して一定の遅延を有しており、ADコンバータ27に対して出力される。関数発生器21の出力Aから出力された電気信号により、加熱用レーザ22は、パルス幅1ns、繰り返し周期20μsの加熱光を出力する。
加熱用レーザ22から出力された加熱光は、透明基板111の、遮光薄膜112と反対側の面に向かって照射する。加熱光の遮光薄膜112を照射するスポットの中心は開口部108の中心である。加熱光は、スポットの直径が十分に大きいため、開口部108,109を通過して試料薄膜102の表面を照射する。つまり、図8において、加熱光の試料薄膜102における照射領域は、x座標がx1とx2の位置を中心とする領域である。試料薄膜102の照射領域の温度は瞬間的に上昇し、その後、試料薄膜102の内部へ熱が拡散していく。
一方、測温用レーザから出力された測温光は、レンズ25で十分に集光されているため、開口部108のみを通過して、試料薄膜102の表面を照射する。試料薄膜102での測温光の反射光強度の時間変化は、開口部108を通過した加熱光による位置x2の温度変化、及び、開口部109を通過した加熱光による温度上昇の後、白矢印で示したように熱が拡散することによる位置x2の温度変化、の和として表される。
開口部108を通過した加熱光による位置x2の温度変化は、試料薄膜102の膜厚方向への熱拡散による試料表面の温度変化であり、遮光体11を設置せずに試料薄膜102を直接加熱した場合の測定により求めることができる。よって、開口部109を通過した加熱光による温度上昇の後、熱が拡散することによる位置x2の温度変化は、図8に示した遮光体11を備えた構成による測温光の反射率の変化と、遮光体11を設置せずに測定した測温光の反射率の変化と、の差から計算することができる。
このようにして得られた、開口部109を通過した加熱光による位置x2の温度応答信号が、本実施の形態におけるサーモリフレクタンス信号である。コンピュータ28は、得られたサーモリフレクタンス信号を解析することにより、試料薄膜102の沿面方向の熱拡散率を含む熱物性値を算出することができる。
なお、図8では、2つの開口部108,109を有する構成について説明したが、更に1以上の開口部が沿面方向に離れて備えられてもよい。この場合、加熱光と測温光のスポットの中心を一致させた状態で、試料10及び遮光体11を固定したXYステージ12を移動させて、加熱光と測温光のスポットの中心を他の開口部の中心に合わせることにより、他の位置のサーモリフレクタンス信号を取得できる。得られたサーモリフレクタンス信号に基づいて、沿面方向の熱物性値を更に詳細に知ることができる。
また、図8では、加熱光と測温光のスポットの中心をx2の位置で一致させた場合について示しているが、加熱光のスポットの中心をx1にして測温光のスポットの中心をx2にしてもよい。このとき、加熱光はx2の位置の開口部108も通過することができる。つまり、加熱光のスポットの中心はx1でもx2でもよい。言い換えると、本実施の形態では、遮光薄膜112が2以上の開口部を有し、加熱光が、少なくとも1の開口部109を含む領域に照射され、測温光は、集光されて、他の1の開口部108と沿面方向において同じ位置にある測定位置に照射される。このとき、試料薄膜102には加熱光と測温光がともに照射される領域と、加熱光と測温光のいずれか一方が照射される領域が同時に存在してもよい。
また、図7、8では、試料10の試料薄膜102に遮光薄膜112が対向しているとしたが、実施の形態2と同様に、試料基板101の、試料薄膜102と反対側の面に遮光薄膜112が対向してもよい。この場合、加熱光及び測温光は、遮光薄膜112の開口部110を通って試料基板101を透過して試料薄膜102に照射される。
以上説明したように、本実施の形態において、熱物性値測定装置3は、加熱光及び測温光を、遮光薄膜112の試料薄膜102と反対側の面に照射させる。遮光薄膜112は開口部108,109を含む2以上の開口部を有する。加熱光は、開口部108,109の両方を通過させて試料薄膜102を加熱し、測温光は、開口部108のみを通過させて試料薄膜102で反射させる。得られた測温光の反射光に基づいて得られたサーモリフレクタンス信号をコンピュータ28が解析する。これにより、前面加熱前面測温の構成においても、試料薄膜102の沿面方向の熱物性値を正確に測定することができる。
(実施例)
実施の形態1に示した構成の熱物性値測定装置1において、試料基板101に窒素チタンの試料薄膜102を形成した試料10に加熱光と測温光を照射して得られたサーモリフレクタンス信号を、コンピュータ28が取得し解析した。ここで、遮光体11は、図9に示すように、透明基板111に白金(Pt)の遮光薄膜112が15μmの間隔でスリットを挟んで形成されたワイヤ構造を有している。加熱光のスポットの直径は、ワイヤ構造の周期である15μmの約2倍である約30μmとした。
本実施例では、加熱光は1本の遮光薄膜に隣接する2本の線状の開口部を通って試料薄膜102に照射される。この2本の線状に加熱された領域の内側部分では、膜厚方向および沿面方向へそれぞれ1次元的に熱が拡散するとみなせる。特に、試料基板101の熱拡散率が試料薄膜102より小さい場合、沿面方法への1次元熱伝導の近似がよく成立する。また、線状加熱を行った場合、点状に加熱したときの3次元的な熱拡散と比較して、加熱位置と測温位置の距離の増加による温度の下降が緩やかになるため、より信号を検出しやすくなるという特徴がある。
測温光を照射する位置を、15μmの1区間の間で変化させて測定した結果を図10に示す。横軸の変位量は、開口部110であるスリットの中心を0μmとした値である。縦軸は、図5に示すような規格化したサーモリフレクタンス信号の信号強度が最大となった時間である。図9に示したように、変位量を変えたときに、信号強度が最大になる時間は、ワイヤ構造の周期の半分に相当する変位量8μmの測定点を中心に対称形である。
これは、測温光照射位置から最も近い開口部110を通った加熱光に由来する熱伝達による温度上昇が検出されていると解釈できる。なお、信号強度が最大になる時間が最大になる、変位量8μmの測定点での実際の最大信号強度は最小である。言い換えると、変位量8μmの測定点において、信号強度が最大になる時間が最大であり、かつ、最大信号強度が最小であることから、加熱光及び測温光が、遮光体11の、予め定められた距離離れた位置に照射されていることが保証される。また、遮光体11が3つ以上の開口部110を備え、それぞれの開口部110を加熱光が通過する場合は、3つ目以降の開口部110の影響は、従来行われてきた膜厚方向の1次元熱拡散と同様の解析手法によって取り扱うことができる。
このように、予め定めたテンプレートの遮光体11を対向させた試料10を用いて、一部を遮光した加熱光で加熱するサーモリフレクタンス法による信号検出を行うことで、試料薄膜102の沿面方向の熱拡散についての知見を得ることができる。例えば、試料薄膜102が面内異方性を有する場合、スリット状の開口部110を有する遮光体11を試料薄膜102に対して設置する際に、設置の向きを回転させて測定することで任意の方向の熱拡散率を容易に測定することができる。
また、同一のテンプレートの遮光体11を用いて測定を行うことで、測定対象の試料薄膜102の沿面方向の熱拡散時間の、標準試料の沿面方向の熱拡散時間に対する大小関係を明らかにすることができる。また、各測定点でのサーモリフレクタンス信号の時間変化に基づいて理論計算を行い、熱拡散率を含む熱物性値を取得することができる。
このように本発明は、開口部を除いて遮光する遮光体を備えた試料薄膜に対して、遮光体の開口部を通って繰り返しパルスの加熱光が照射され、試料上の加熱光照射位置から表面の延在方向に沿った沿面方向に予め定めた距離離れた測定位置に測温光が照射され、測温光の試料薄膜での反射光の反射光強度に基づいて、試料薄膜の沿面方向の熱物性値を算出することとした。これにより、試料薄膜の沿面方向の熱物性値を正確かつ容易に測定することが可能になる。
なお、本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
例えば、上記実施の形態において、測温光は連続光であるとしたが、パルス光であってもよい。測温光がパルス光である熱物性値測定装置4の構成を図11に示す。熱物性値測定装置4において、信号発生器A(SG:Signal Generator)41が発生する電気信号により加熱用レーザ22及び測温用レーザ23はパルス駆動され、ナノ秒オーダーのパルス光を出力する。パルス光の加熱光は、信号発生器B(SG)44が発生する電気信号に基づいて光変調器45で強度変調されて、試料11に照射される。一方、パルス光の測温光は、レンズ25で集光されて試料11に照射される。測温光の反射光を検出する光検出器26の出力のうち光変調器45の変調周波数の成分がロックインアンプ47で増幅されて、サーモリフレクタンス信号としてコンピュータ28に出力される。これにより、熱物性値測定装置4は、雑音を低減させたサーモリフレクタンス信号に基づいて、より正確な熱物性値を測定することができる。
また、上記実施の形態において、加熱光はナノ秒オーダーのパルス光であるとしたが、ピコ秒オーダー又はフェムト秒オーダーのパルス光を用いてもよい。加熱光がピコ秒オーダーのパルス光の場合には、測温光もピコ秒オーダーのパルス光である。また、加熱光がフェムト秒オーダーのパルス光の場合には、測温光もフェムト秒オーダーのパルス光である。このとき、信号発生器A41の駆動信号により、測温光の試料薄膜102への測温光照射時刻は、加熱光の試料薄膜102への加熱光照射時刻より遅延するように制御される。熱物性値測定装置4は、加熱光照射時刻及び測温光照射時刻の時間差に基づいて、熱拡散時間を算出する。これにより、より短い時間領域での熱拡散についての知見を得ることができる。
また、上記実施の形態において、遮光体11は、透明基板111に遮光薄膜112を成膜して形成するとしたが、図12に示すように、試料10の試料薄膜102の表面に遮光性のある材料を直接成膜して遮光薄膜112を形成してもよい。あるいは、図13に示すように試料10の試料基板101の試料薄膜102と反対側の面に遮光性のある材料を直接成膜して遮光薄膜112を形成してもよい。
また、上記実施の形態において、熱物性値測定装置1,3,4は、試料基板101に成膜した試料薄膜102を有する試料10について測定を行うとしたが、試料基板101を有さない自立膜である試料薄膜102について測定を行うことも可能である。
また、上記実施の形態において、試料薄膜102に直接又は試料基板101を介して試料薄膜102に加熱光を照射するとしたが、試料薄膜102の表面又は裏面に、光の吸収又は反射を高めるための薄膜を更に備えてもよい。ここでの薄膜は遮光薄膜112とは別の薄膜である。
本出願は、2019年6月20日に出願された、日本国特許出願特願2019−114439号に基づく。本明細書中に日本国特許出願特願2019−114439号の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。
1,3,4…熱物性値測定装置
10…試料
11…遮光体
12…XYステージ
21…関数発生器
22…加熱用レーザ
23…測温用レーザ
24…光変調器
25…レンズ
26…光検出器
27…ADコンバータ
28…コンピュータ
41…信号発生器A
44…信号発生器B
45…光変調器
47…ロックインアンプ
101…試料基板
102…試料薄膜
108,109,110…開口部
111…透明基板
112…遮光薄膜

Claims (16)

  1. 試料薄膜の表面または裏面に対向して備えられ、開口部を除いて遮光する遮光体と、
    前記遮光体を介して前記試料薄膜に繰り返しパルスの加熱光を照射する加熱用レーザと、
    前記開口部を通って前記加熱光が照射された前記試料薄膜上の加熱光照射位置から表面の延在方向に沿った沿面方向に予め定めた距離離れた測定位置に測温光を照射する測温用レーザと、
    前記測温光の前記試料薄膜での反射光を検出する光検出器と、
    前記光検出器で検出した前記反射光の反射光強度に基づいて、前記試料薄膜の前記沿面方向の熱物性値を算出する熱物性値算出部と、
    を備え
    前記遮光体に照射する前記加熱光のスポットの直径は、前記試料薄膜上の前記測温光のスポットの直径より大きく、
    沿面方向において、前記測温光のスポットの中心は、前記加熱光のスポットに含まれ、
    前記開口部を有する前記遮光体を、前記沿面方向に移動させることにより、前記測定位置を前記加熱光照射位置から予め定めた距離離す、
    熱物性値測定装置。
  2. 記加熱光のスポットの中心と、前記測温光のスポットの中心と、は沿面方向において同じ位置にあり、
    前記遮光体の前記開口部を、前記加熱光及び前記測温光のスポットの中心からずらすことにより、前記測定位置を前記加熱光照射位置から予め定めた距離離す、
    請求項1に記載の熱物性値測定装置。
  3. 前記遮光体は、前記加熱光が透過する材料で構成された透明基板に、前記開口部を除いて遮光性を有する遮光薄膜を成膜して形成したものであって、
    前記透明基板上の前記遮光薄膜を前記試料薄膜の表面に対向させ、
    前記加熱用レーザは、前記加熱光を前記透明基板側から照射する、
    請求項1又は2に記載の熱物性値測定装置。
  4. 前記試料薄膜は、試料基板上に成膜された薄膜であって、
    前記遮光体は、透明基板に前記開口部を除いて、遮光性を有する遮光薄膜を成膜して形成したものであって、
    前記透明基板上の前記遮光薄膜を、前記試料基板の前記試料薄膜と反対の面に対向させ、
    前記加熱用レーザは、前記加熱光を前記透明基板側から照射する、
    請求項1又は2に記載の熱物性値測定装置。
  5. 前記遮光体は、前記試料薄膜の表面に遮光性を有する遮光薄膜を成膜して形成したものであって、
    前記加熱用レーザは、前記加熱光を前記試料薄膜の表面上の前記遮光体の上から照射する、
    請求項1又は2に記載の熱物性値測定装置。
  6. 前記試料薄膜は、試料基板上に成膜された薄膜であって、
    前記遮光体は、前記試料基板の前記試料薄膜と反対側の裏面に遮光性を有する遮光薄膜を成膜して形成したものであって、
    前記加熱用レーザは、前記加熱光を前記試料基板の前記裏面上の前記遮光体の上から照射する、
    請求項1又は2に記載の熱物性値測定装置。
  7. 前記熱物性値算出部は前記反射光強度に基づいて、前記加熱光照射位置から前記測定位置までの前記試料薄膜の熱拡散時間を算出し、前記熱拡散時間に基づいて熱拡散率を含む前記熱物性値を算出する、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の熱物性値測定装置。
  8. 前記測温光は、集光されて、前記試料薄膜の前記遮光体と反対側の面に存する前記測定位置に照射される、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の熱物性値測定装置。
  9. 前記遮光体は、互いに分離された2以上の前記開口部を有し、
    前記加熱光及び測温光はいずれも前記遮光体を介して前記試料薄膜に照射され、
    前記加熱光は、少なくとも1の前記開口部を含む領域に照射され、
    前記測温光は、集光されて、他の1の前記開口部と沿面方向において同じ位置にある前記測定位置に照射される、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の熱物性値測定装置。
  10. 前記遮光体を備えた前記試料薄膜を固定したステージを前記沿面方向に平行な2次元方向に移動して、前記測定位置を変更し、
    前記熱物性値算出部は、前記測定位置で反射した前記反射光強度に基づいて、前記沿面方向の前記熱物性値を算出する、
    請求項1から9のいずれか1項に記載の熱物性値測定装置。
  11. 前記加熱光は、パルス幅がナノ秒、ピコ秒又はフェムト秒のオーダーのパルス光である、
    請求項1から10のいずれか1項に記載の熱物性値測定装置。
  12. 前記測温光は、連続光である、
    請求項11に記載の熱物性値測定装置。
  13. 前記測温光は、パルス幅がナノ秒、ピコ秒又はフェムト秒のオーダーのパルス光である、
    請求項11に記載の熱物性値測定装置。
  14. 前記加熱用レーザ及び前記測温用レーザに対して駆動信号を出力する信号発生器を更に備え、
    前記加熱光の前記試料薄膜への加熱光照射時刻と、前記測温光の前記試料薄膜への測温光照射時刻を、前記信号発生器の駆動信号により制御し、
    前記熱物性値算出部は、前記加熱光照射時刻及び前記測温光照射時刻の時間差に基づいて、熱拡散時間を算出し、前記熱拡散時間に基づいて熱拡散率を含む前記熱物性値を算出する、
    請求項13に記載の熱物性値測定装置。
  15. 前記遮光体は、前記開口部以外に金属材料を成膜した遮光薄膜を有する、
    請求項1から14のいずれか1項に記載の熱物性値測定装置。
  16. 試料薄膜の表面又は裏面に対向して備えられ開口部を除いて遮光する遮光体を介して、前記試料薄膜に対して、繰り返しパルスの加熱光を照射する加熱光照射ステップと、
    前記開口部を通って前記加熱光が照射された前記試料薄膜上の加熱光照射位置から表面の延在方向に沿った沿面方向に予め定めた距離離れた測定位置に測温光を照射する測温光照射ステップと、
    前記測温光の前記試料薄膜での反射光を検出する光検出ステップと、
    前記光検出ステップで検出した前記反射光の反射光強度に基づいて、前記試料薄膜の前記沿面方向の熱物性値を算出する熱物性値算出ステップと、
    を有し、
    前記遮光体に照射する前記加熱光のスポットの直径は、前記試料薄膜上の前記測温光のスポットの直径より大きく、
    沿面方向において、前記測温光のスポットの中心は、前記加熱光のスポットに含まれ、
    前記測温光照射ステップは、前記開口部を有する前記遮光体を、前記沿面方向に移動させることにより、前記測定位置を前記加熱光照射位置から予め定めた距離離す、
    熱物性値測定方法。
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