JP6892002B2 - 樹脂パネル及び赤外線センサー - Google Patents

樹脂パネル及び赤外線センサー Download PDF

Info

Publication number
JP6892002B2
JP6892002B2 JP2020095293A JP2020095293A JP6892002B2 JP 6892002 B2 JP6892002 B2 JP 6892002B2 JP 2020095293 A JP2020095293 A JP 2020095293A JP 2020095293 A JP2020095293 A JP 2020095293A JP 6892002 B2 JP6892002 B2 JP 6892002B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
resin
resin panel
refractive index
design
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020095293A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021081698A (ja
Inventor
慶祐 小山
慶祐 小山
健太郎 秋山
健太郎 秋山
直紀 佐相
直紀 佐相
昌広 多田
昌広 多田
知則 西田
知則 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from JP2019209127A external-priority patent/JP2021081596A/ja
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2020095293A priority Critical patent/JP6892002B2/ja
Publication of JP2021081698A publication Critical patent/JP2021081698A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6892002B2 publication Critical patent/JP6892002B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
  • Optical Filters (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Optical Radar Systems And Details Thereof (AREA)

Description

本発明は、樹脂パネル及び赤外線センサーに関する。
近年、自動車の自動運転等の分野において、LiDAR等の光センサーの技術開発が進んでいる。これらの光センサーは、発光素子及び受光素子の前面に、保護カバーが配置される場合がある。
光センサーの保護カバーは、例えば、発光素子及び受光素子を飛び石、太陽光や風雨等から保護するために形成される。このため、保護カバーは耐衝撃性や耐候性に優れることが好ましい。例えば、特許文献1には、保護カバーとして、ポリカーボネートからなる光学要素を配置することが提案されている。
特開2019−32505号公報(請求項1、段落0042)
光センサーの発光素子は、人の目への影響を抑制するために、赤外線領域の光を発光波長とするものがある。特に、自動車に搭載する光センサー(主にLiDAR)の発光素子は、赤外線領域の光を発光波長とするものが多い。
しかし、赤外線領域の光を発光波長とする光センサー(赤外線センサー)の保護カバーとして、特許文献1に開示されたポリカーボネートからなる光学要素を適用した場合、赤外線センサーが十分に機能しないケースが頻発した。特に、意匠性を高めるために、当該保護カバーに意匠層を付与した際に、赤外線センサーが十分に機能しないケースが増加する傾向があった。
本発明は、赤外線センサーの保護カバーとして適用した際に、赤外線センサーを十分に機能させることができる樹脂パネル、及び、当該樹脂パネルを有する赤外線センサーを提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明は、以下の[1]〜[2]を提供する。
[1]少なくともコア層を有する樹脂パネルであって、前記樹脂パネルは、波長905nmの光線透過率が85%以上であり、可視光線透過率が20%以下である、樹脂パネル。
[2]赤外線発光素子と、赤外線受光素子と、前記赤外線発光素子及び前記赤外線受光素子の前面に配置されてなる保護カバーとを有する赤外線センサーであって、前記保護カバーが前記[1]の樹脂パネルである、赤外線センサー。
本発明の樹脂パネルは、赤外線センサーの保護カバーとして適用した際に、赤外線センサーを十分に機能させることができる。また、当該樹脂パネルを有する本発明の赤外線センサーは、赤外線センサーを十分に機能させることができる。
本発明の樹脂パネルの一実施形態を示す断面図である。 本発明の樹脂パネルの他の実施形態を示す断面図である。 本発明の樹脂パネルの他の実施形態を示す断面図である。 本発明の樹脂パネルの他の実施形態を示す断面図である。 本発明の樹脂パネルの他の実施形態を示す断面図である。 本発明の樹脂パネルの他の実施形態を示す断面図である。
[樹脂パネル]
本発明の樹脂パネルは、少なくともコア層を有する樹脂パネルであって、前記樹脂パネルは、波長905nmの光線透過率が85%以上であり、可視光線透過率が20%以下であるものである。
図1〜6は、本発明の樹脂パネルの一実施形態を示す断面図である。
図1〜6の樹脂パネル(100)は、何れもコア層(10)を有している。
また、図1〜6の樹脂パネル(100)は、コア層(10)の他に内側層(20)を有しており、当該内側層(20)として、反射防止層(23)等を有している。
また、図1〜5の樹脂パネル(100)は、コア層(10)の他に外側層(30)を有しており、当該外側層(30)として、ハードコート層B(35)等を有している。
なお、本明細書において、「内側層」とは、樹脂パネルを赤外線センサーの保護カバーとして適用した際に、コア層を基準として、赤外線発光素子及び赤外線受光素子側に位置する層のことを意味する。同様に、本明細書において、「外側層」とは、樹脂パネルを赤外線センサーの保護カバーとして適用した際に、コア層を基準として、赤外線発光素子及び赤外線受光素子とは反対側に位置する層のことを意味する。
<透過率>
本発明の樹脂パネルは、波長905nmの光線透過率が85%以上であり、かつ、可視光線透過率が20%以下であることを要する。なお、樹脂パネルの表裏の何れを光入射面とした際にも、前述の数値を満たすことを要する。
波長905nmの光線透過率が85%未満の場合、波長905nmの赤外線を発光波長とする赤外線センサーの検知機能を十分に作用させることができない。また、波長905nmの光線透過率が85%以上であったとしても、可視光線透過率が20%を超える場合には、太陽光等の可視光に基づく誤作動が生じるおそれがあり、赤外線センサーの機能を十分に作用させることができない。また、可視光線透過率を20%以下とすることにより、赤外線センサーの内部に配置する赤外線発光素子及び赤外線受光素子を不可視化しやすくできる。
樹脂パネルの波長905nmの光線透過率は、86%以上であることが好ましく、88%以上であることがより好ましい。樹脂パネルの波長905nmの光線透過率の上限は特に限定されないが、通常は97%以下である。
樹脂パネルの波長905nmの光線透過率を高くするためには、後述する低反射層を有することが好ましく、さらに、当該低反射層の屈折率及び厚みを後述する範囲とすることがより好ましい。
本明細書において、樹脂パネルの波長905nmの光線透過率、及び、後述する可視光線透過率は、20箇所の測定値の平均値とする。
樹脂パネルの可視光線透過率は、15%以下であることが好ましく、13%以下であることがより好ましく、11%以下であることがさらに好ましい。
可視光線透過率を下げるには、通常はカーボンブラックが用いられる。しかし、カーボンブラックは赤外線領域の光を吸収するため、波長905nmの光線透過率を低下してしまう。このため、樹脂パネルの可視光線透過率を低くするためには、後述するアゾメチンアゾ系化合物及びペリレン系化合物から選ばれる1以上の化合物を用いることが好ましい。
なお、可視光線透過率を低くしすぎても、さらなる効果が得られにくい一方で、波長905nmの光線透過率が低下するおそれがある。このため、樹脂パネルの可視光線透過率は、1%以上であることが好ましく、2%以上であることがより好ましい。
なお、本明細書において、「可視光線透過率」とは、波長380〜780nmの分光透過率の平均値を意味する。測定波長間隔は1nmとする。
<コア層>
コア層は、樹脂又はガラスを主成分として含むものが好ましく、成形性の観点から樹脂を主成分として含むものがより好ましい。
主成分とは、コア層を構成する全固形分の50質量%以上を意味し、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。
コア層が樹脂を含む場合、インサート成形及びインモールド成形等の射出成形の容易性の観点から熱可塑性樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AN樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテフタレート系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、およびポリフェニレンサルファイド系樹脂から選ばれる1種または混合物等が挙げられる。これらの中でもポリカーボネート系樹脂及びアクリル系樹脂が好ましく、耐衝撃性に優れるポリカーボネート系樹脂がより好ましい。
―アゾメチンアゾ系化合物、ペリレン系化合物―
コア層は、アゾメチンアゾ系化合物及びペリレン系化合物から選ばれる1以上の化合物を含むことが好ましい。アゾメチンアゾ系化合物及びペリレン系化合物は、黒色系の顔料であり、可視光領域の光を吸収しつつ、赤外線領域の光を透過する性質を有する。このため、コア層がアゾメチンアゾ系化合物及びペリレン系化合物から選ばれる1以上の化合物を含むことにより、樹脂パネルの可視光線透過率を低下させつつ、波長905nmの光線透過率を高い範囲に維持しやすくできる。
アゾメチンアゾ系化合物は、アゾメチン基を有するアゾ系化合物である。アゾメチン基を有するアゾ系化合物は、例えば、下記の一般式(1)で表される構造単位を分子中に有するアゾ基を有する化合物が挙げられる。
アゾメチンアゾ系化合物は、例えば、特開昭63−91283号公報、特開昭62−32149号公報に記載の手法で製造できる。
また、アゾメチンアゾ系化合物としては、テトラクロロフタルイミドとアミノアニリンの反応化合物であるジアゾニウム基を有する化合物も挙げられる。
Figure 0006892002

[式(1)中、「Ar」は芳香族化合物又は複素環式化合物の残基であり、「X」は水素原子又はハロゲン原子であり、「m」はArの置換位置に起因する1以上の整数である。「m」は好ましくは1〜4の整数である。]
ペリレン系化合物は、ペリレンテトラカルボン酸二無水物の六員環を構成している酸素原子2個を脱落させた構造を有する化合物であり、ペリレンブラック等が挙げられる。
コア層中のアゾメチンアゾ系化合物及びペリレン系化合物から選ばれる1以上の化合物の含有量は、コア層の厚み、及び、後述する意匠層の組成等により異なるため一概にはいえないが、コア層を構成する全固形分の45質量%以下であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい。
コア層は、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤及び難燃剤等の添加剤を含有してもよい。
コア層の厚みは特に限定されないが、通常、1mm以上であり、1〜10mmであることが好ましい。
本明細書において、樹脂パネルを構成する各層(コア層、意匠層等)の厚みは、樹脂パネルの垂直断面を電子顕微鏡等で観察した際の任意の20箇所の平均値として算出したものとする。
<反射防止層>
本発明の樹脂パネルは、少なくとも一方の側の表面に反射防止層が配置されてなることが好ましい。反射防止層は、少なくとも樹脂パネルの内層側の表面に配置することが好ましく、樹脂パネルの両側の表面に配置してもよい。なお、樹脂パネルの外層側には優れた耐擦傷性が求められることを考慮すると、樹脂パネルの内層側の表面のみに反射防止層を配置することも好ましい。
なお、一般的な反射防止層は、可視光領域の中心波長である550nm近傍の反射率が最も低くなるように設計されている。本実施形態の反射防止層は、波長905nm近傍の反射率が最も低くなるようにすることが好ましい。
反射防止層は、例えば、低屈折率層の単層構造、高屈折率層と低屈折率層の2層構造が挙げられ、さらに3層以上で反射防止層を形成してもよい。高屈折率層と低屈折率層の2層構造の場合、低屈折率層を表面側(=高屈折率層をコア層側)に配置する。
反射防止層の厚みの総和は、反射防止層の構成(単層、2層、3層以上)ごとに、波長905nm近傍の反射率が低くなるように調整すればよい。反射防止層の厚みの総和は、例えば、120〜550nm程度であり、好ましくは170〜450nm程度である。
―低屈折率層―
低屈折率層の屈折率は1.28〜1.40であることが好ましく、1.30〜1.38であることがより好ましい。
また、低屈折率層の厚みは、120〜250nmであることが好ましく、120〜200nmであることがより好ましく、150〜200nmであることがさらに好ましい。
低屈折率層の屈折率及び厚みを上記範囲とすることで、波長905nm近傍の反射率が最も低くなるようにしやすくできる。
低屈折率層を形成する手法としては、ウェット法とドライ法とに大別できる。ウェット法としては、金属アルコキシド等を用いてゾルゲル法により形成する手法、フッ素樹脂のような低屈折率の樹脂を塗工して形成する手法、樹脂組成物に低屈折率粒子を含有させた低屈折率層形成用塗布液を塗工して形成する手法が挙げられる。ドライ法としては、後述する低屈折率粒子の中から所望の屈折率を有する粒子を選び、物理気相成長法又は化学気相成長法により形成する手法が挙げられる。
ウェット法は生産効率の点で優れており、ウェット法の中でも、バインダー樹脂組成物に低屈折率粒子を含有させた低屈折率層形成用塗布液により形成することが好ましい。
低屈折率粒子は、シリカ及びフッ化マグネシウム等の無機化合物からなる粒子、有機化合物からなる粒子のいずれであっても制限なく用いることができるが、低屈折率化により反射防止特性を向上する観点から、空隙を有する構造の粒子が好ましく用いられる。
空隙を有する構造をもつ粒子は、微細な空隙を内部に有しており、例えば、屈折率1.0の空気などの気体が充填されているので、それ自身の屈折率が低いものとなっている。このような空隙を有する粒子としては、無機系、又は有機系の多孔質粒子、中空粒子などが挙げられ、例えば、多孔質シリカ、中空シリカ粒子、又はアクリル樹脂などが用いられた多孔質ポリマー粒子や中空ポリマー粒子が挙げられる。
低屈折率粒子の一次粒子の平均粒子径は、5〜200nmが好ましく、5〜100nmがより好ましく、10〜80nmがさらに好ましい。
低屈折率粒子の含有量は、バインダー成分100質量部に対して、50〜200質量部であることが好ましく、70〜150質量部であることがより好ましい。
バインダー樹脂組成物は、硬化性樹脂組成物が好ましい。硬化性樹脂組成物は、反射防止層中で硬化物となり、バインダー成分となる。
硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂組成物、電離放射線硬化性樹脂組成物が挙げられ、これらの中でも電離放射線硬化性樹脂組成物が好ましい。
熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて、イソシアネート系硬化剤等の硬化剤が添加される。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましい。また、転写シートを製造する過程で樹脂層が傷つくことを抑制する観点からは、電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物が更に好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
多官能性(メタ)アクリレート系化合物のうち、2官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリレート系モノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
また、多官能性(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等のアクリレート系重合体等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
上記電離放射線硬化性樹脂は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
電離放射線硬化性樹脂が紫外線硬化性樹脂である場合には、樹脂層形成用塗布液は、光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサンソン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
低屈折率層は撥水剤を含むことが好ましい。低屈折率層が撥水剤を含むことにより、樹脂パネルの内側の結露を抑制することができ、結露による赤外線センサーの機能低下を抑制できる。
撥水剤としてはフッ素系化合物が挙げられる。撥水剤の含有量は、低屈折率層の全固形分の1〜30質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることがより好ましい。
―高屈折率層―
反射防止層は、さらに高屈折率層を有していてもよい。低屈折率層に加えて高屈折率層を有することにより、反射率の低い波長領域が広がり、赤外線レーザーの波長の適用範囲を広げることができる。また、905nm付近の反射率のピークをシャープにすることができ、他の波長の反射率を上げることによりノイズとなる他の波長をカットすることが可能となる。
高屈折率層は低屈折率層よりもコア層側に配置する。
高屈折率層は、屈折率が1.55〜1.85であることが好ましく、1.56〜1.70であることがより好ましい。
また、高屈折率層の厚みは、300nm以下であることが好ましく、20〜250nmであることがより好ましい。
高屈折率層は、例えば、バインダー樹脂組成物及び高屈折率粒子を含む高屈折率層塗布液から形成することができる。該バインダー樹脂組成物としては、例えば、低屈折率層で例示した硬化性樹脂組成物を用いることができる。
高屈折率粒子としては、五酸化アンチモン(1.79)、酸化亜鉛(1.90)、酸化チタン(2.3〜2.7)、酸化セリウム(1.95)、スズドープ酸化インジウム(1.95〜2.00)、アンチモンドープ酸化スズ(1.75〜1.85)、酸化イットリウム(1.87)及び酸化ジルコニウム(2.10)等が挙げられる。
高屈折率粒子の一次粒子の平均粒子径は、5〜200nmが好ましく、5〜100nmがより好ましく、10〜80nmがさらに好ましい。
―接触角―
反射防止層表面の水接触角は、100度以上であることが好ましく、105度以上であることがより好ましい。接触角を当該範囲とすることにより、樹脂パネルの内側の結露を抑制することができ、結露による赤外線センサーの機能低下を抑制できる。
本明細書において、「水接触角」とは、純水を1.5μL滴下し、着滴2秒後の静的接触角をθ/2法に従って計測したものを意味する。
<他の層1(コア層と反射防止層との間に位置する層)>
コア層と反射防止層とは、直接密着していてもよいが、他の層を介して密着していることが好ましい。
コア層と反射防止層との間に位置する層としては、例えば、基材A、接着層A及びハードコート層Aが挙げられる。さらに、コア層と反射防止層との間には、外側層として例示する意匠層及びプライマー層等のその他の層を有していてもよい。
図1及び図4のように、反射防止層(23)とコア層(10)との間に基材A(22)及び接着層A(21)を有する場合(≒内側層(20)として、接着層A(21)及び基材A(22)を有する場合)、コア層(10)に対して内側層(20)をラミネートして、コア層と内側層とを密着することが好ましい。
図2及び図5のように、反射防止層(23)とコア層(10)との間に基材A(22)を有する場合(≒内側層(20)として、基材A(22)を有するが、接着層A(21)を有さない場合)、インサート成形により、コア層(10)と内側層(20)とを密着することが好ましい。
図3のように、反射防止層(23)とコア層(10)との間に接着層A(21)を有する場合(≒内側層(20)として、接着層A(21)を有するが、基材A(22)を有さない場合)、転写シート(離型基材上に、反射防止層及び接着層A等を含む転写層(内側層)を備えた転写シート)を用いたインモールド成形により、コア層(10)と内側層(20)とを密着することが好ましい。
―基材A―
基材Aとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体などのビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチルなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ナイロン6又はナイロン66などで代表されるポリアミド系樹脂などの樹脂からなるプラスチックフィルムが挙げられる。
これらのプラスチックフィルムの中では、耐熱性及び寸法安定性の観点からは2軸延伸ポリエステルフィルムが好ましく、インサート成形等の成形性及び耐候性の観点からはアクリルフィルム、ポリカーボネートフィルム、またはアクリルとポリカーボネートとの共押し出し品が好ましい。
基材Aの厚みは、成形性及び取り扱い性等の観点から、28〜250μmであることが好ましく、38〜200μmであることがより好ましい。
―接着層A―
接着層Aは、コア層と接する位置に配置することが好ましい。
接着層Aは、感圧接着層(いわゆる「粘着層」)であってもよいし、感熱接着層(いわゆる「ヒートシール層」)であってもよい。上述のラミネートを行う場合には、感圧接着層(粘着層)が好ましく、上述のインモールド成形を行う場合には、感熱接着層(ヒートシール層)が好ましい。
また、接着層Aは、コア層の素材に適した感熱性又は感圧性の樹脂を使用することが好ましい。例えば、コア層の材質がアクリル系樹脂の場合は、アクリル系樹脂を用いることが好ましい。また、コア層の材質がポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用することが好ましい。さらに、コア層の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂を使用することが好ましい。
接着層Aの厚みは、0.1〜50μmであることが好ましく、0.5〜30μmであることがより好ましい。
―ハードコート層A―
ハードコート層Aは、反射防止層よりもコア層側であって、反射防止層に接する位置に配置することが好ましい。
ハードコート層Aをかかる位置に配置することにより、樹脂パネルの製造時及び樹脂パネルを赤外線センサーに組み込む際などに、反射防止層の表面が傷つくことを抑制し、所望の透過率を長期に渡って維持しやすくできる。また、ハードコート層Aをかかる位置に配置することにより、ハードコート層Aの屈折率の調整によって、赤外線透過率をより高めることができる。
ハードコート層Aは、硬化性樹脂組成物の硬化物を主成分として含むことが好ましい。
主成分とは、ハードコート層Aを構成する全固形分の50質量%以上を意味し、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上である。
ハードコート層Aの硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂組成物及び電離放射線硬化性樹脂組成物が挙げられ、電離放射線硬化性樹脂組成物が好ましい。
ハードコート層Aの熱硬化性樹脂組成物及び電離放射線硬化性樹脂組成物は、低屈折率層の熱硬化性樹脂組成物及び電離放射線硬化性樹脂組成物と同様のものが挙げられる。
ハードコート層Aは、硬度を高めるために無機粒子を含んでいてもよい。
無機粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア及びチタニア等が挙げられ、シリカが好ましい。
無機粒子の平均粒子径は、10nm〜6μmであることが好ましく、30nm〜5μmであることがより好ましい。
本明細書において、平均粒子径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値d50として測定したものである。
ハードコート層A中の無機粒子の含有量は、硬化性樹脂組成物の硬化物100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましい。
ハードコート層Aの厚みは、1〜20μmであることが好ましく、2〜10μmであることがより好ましく、3〜5μmであることがさらに好ましい。
<意匠層>
本発明の樹脂パネルは、意匠層を有していてもよい。
樹脂パネルが反射防止層を有する場合、意匠層は、反射防止層とコア層との間、又は、コア層の反射防止層とは反対側に位置することが好ましく、中でも、コア層の反射防止層とは反対側に位置することがより好ましい。
すなわち、反射防止層及び意匠層を有する実施形態においては、樹脂パネルは、意匠層、コア層及び反射防止層をこの順に有し、反射防止層が樹脂パネルの表面に配置されてなることがより好ましい。
意匠層は、バインダー樹脂及び着色剤を含むことが好ましい。
意匠層のバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂組成物の硬化物及び電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が挙げられ、隣接する層(例えば、基材B、プライマー層、ハードコート層B)との密着性を良好にする観点から、隣接する層の組成に応じて適宜選択することが好ましい。例えば、バインダー樹脂として熱可塑性樹脂を含むと、様々な層との密着性を良好にしやすい点で好ましい。また、隣接する層を熱硬化性樹脂組成物から形成する場合、意匠層のバインダー樹脂は、熱硬化性樹脂組成物から形成することが好ましい(隣接する層が熱硬化性樹脂組成物の硬化物を含む場合、意匠層のバインダー樹脂は熱硬化性樹脂組成物の硬化物を含むことが好ましい。)。
意匠層のバインダー樹脂としての熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂組成物は、コア層の熱可塑性樹脂として例示したもの、低屈折率層の熱硬化性樹脂組成物として例示したものと同様のものが挙げられる。
意匠層の着色剤は、波長905nmの光線透過率を高い範囲で維持する観点から、アゾメチンアゾ系化合物及びペリレン系化合物から選ばれる1以上の化合物であることが好ましい。すなわち、意匠層は、アゾメチンアゾ系化合物及びペリレン系化合物から選ばれる1以上の化合物を含むことが好ましい。
意匠層中のアゾメチンアゾ系化合物及びペリレン系化合物から選ばれる1以上の化合物の含有量は、意匠層の厚み、及び、上述したコア層の組成等により異なるため一概にはいえないが、意匠層を構成する全固形分の5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。
意匠層は、単層構成であってもよいが、網点又はメッシュから形成されてなる第一意匠層と、全面ベタの第二意匠層とを有することが好ましい。当該構成とすることにより、第一意匠層の網点又はメッシュにより意匠性を付与しつつ、第二意匠層の全面ベタ印刷により可視光の隠蔽性が付与され、意匠性と可視光の隠蔽性とを両立しやすくできる。
特に、第一意匠層及び第二意匠層の何れもが、アゾメチンアゾ系化合物及びペリレン系化合物から選ばれる1以上の化合物を含むことにより、意匠性と可視光の隠蔽性とを両立しつつ、波長905nmの光線透過率を高い範囲で維持しやすくできる。
第一意匠層の網点は、個々の直径が5〜100μm、網点の中心同士の間隔が20〜200μmであることが好ましい。
第一意匠層のメッシュは、線幅が20〜100μm、線の中心同士の間隔が20〜200μmであることが好ましい。
意匠層の厚み(意匠層が第一意匠層及び第二意匠層を有する場合には、第一意匠層及び第二意匠層の合計厚み)は、0.5〜10μmであることが好ましく、1〜7μmであることがより好ましく、3〜5μmであることがさらに好ましい。
意匠層が第一意匠層及び第二意匠層を有する場合、第一意匠層の厚みと第二意匠層の厚みとの比率は、2:8〜8:2であることが好ましく、4:6〜6:4であることがより好ましい。
<他の層2(コア層の反射防止層とは反対側に位置する層)>
上述したように、意匠層は、コア層の反射防止層とは反対側に位置することが好ましい。なお、コア層の反射防止層とは反対側には、意匠層以外の層を有していてもよい。また、コア層の反射防止層とは反対側には、意匠層を有さないが他の層を有していてもよい(例えば図2、5)。また、コア層の反射防止層とは反対側には、層を有さず、コア層が露出した状態であってもよい(例えば図6)。
コア層の反射防止層とは反対側に位置する意匠層以外の層としては、基材B、接着層B、プライマー層及びハードコート層B等が挙げられる。
図4及び図5のように、コア層10の反射防止層とは反対側に基材B(31)を有する場合(≒外側層(30)として、基材B(31)を有するが、接着層B(32)を有さない場合)、インサート成形により、コア層(10)と外側層(30)とを密着することが好ましい。
図1〜図3のように、コア層10の反射防止層とは反対側に接着層B(32)を有する場合(≒外側層(30)として、接着層B(32)を有するが、基材B(31)を有さない場合)、転写シート(離型基材上に、接着層B等を含む転写層(外側層)を備えた転写シート)を用いたインモールド成形により、コア層(10)と外側層(30)とを密着し、その後、離型基材を剥離することが好ましい。
また、図示しないが、コア層の反射防止層とは反対側に接着層B及び基材Bを有する場合(≒外側層として、接着層B及び基材Bを有する場合)、コア層に対して外側層をラミネートして、コア層と外側層とを密着することが好ましい。
―基材B―
基材Bとしては、基材Aで例示したプラスチックフィルムが挙げられる。
これらのプラスチックフィルムの中では、耐熱性及び寸法安定性の観点からは2軸延伸ポリエステルフィルムが好ましく、インサート成形等の成形性及び耐候性の観点からはアクリルフィルム、ポリカーボネートフィルム、又はアクリルとポリカーボネートの共押し出しフィルムが好ましい。
基材Bの厚みは、成形性及び取り扱い性、並びに、飛び石耐性等の観点から、28〜300μmであることが好ましく、75〜250μmであることがより好ましい。
―接着層B―
接着層Bは、感圧接着層(いわゆる「粘着層」)であってもよいし、感熱接着層(いわゆる「ヒートシール層」)であってもよい。上述のラミネートを行う場合には、感圧接着層(粘着層)が好ましく、上述のインモールド成形を行う場合には、感熱接着層(ヒートシール層)が好ましい。
また、接着層Bは、コア層の素材に適した感熱性又は感圧性の樹脂を使用することが好ましい。コア層の材質に応じた接着層Bの好ましい実施形態は、接着層Aの好ましい実施形態と同様である。
接着層Bの厚みは、0.1〜50μmであることが好ましく、0.5〜30μmであることがより好ましい。
―ハードコート層B―
ハードコート層Bは、コア層の反射防止層とは反対側に位置する層の最表面に配置することが好ましい。すなわち、ハードコート層Bは、外側層の表面側(外側層のコア層から最も遠い側)に配置してなることが好ましい。ハードコート層Bをかかる位置に配置することにより、樹脂パネルの耐擦傷性を向上し、赤外線センサーの機能を長期に渡って維持しやすくできる。
ハードコート層Bは、硬化性樹脂組成物の硬化物を主成分として含むことが好ましい。
主成分とは、ハードコート層Bを構成する全固形分の50質量%以上を意味し、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上である。
ハードコート層Bの硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂組成物及び電離放射線硬化性樹脂組成物が挙げられ、電離放射線硬化性樹脂組成物が好ましい。
ハードコート層Bの熱硬化性樹脂組成物及び電離放射線硬化性樹脂組成物は、低屈折率層の熱硬化性樹脂組成物及び電離放射線硬化性樹脂組成物と同様のものが挙げられる。
ハードコート層Bは、硬度を高めるために無機粒子を含んでいてもよい。
ハードコート層Bの無機粒子の実施形態(粒子の種類、平均粒子径、含有量)は、ハードコート層Aの無機粒子の実施形態と同様である。
ハードコート層Bは、外側に位置するため耐候剤を含むことが好ましい。
耐候剤としては、汎用の紫外線吸収剤及び光安定剤が挙げられる。耐候剤の含有量は、硬化性樹脂組成物の硬化物100質量部に対して、0.1〜15質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることがより好ましい。
ハードコート層Bの厚みは、1〜20μmであることが好ましく、2〜10μmであることがより好ましく、3〜5μmであることがさらに好ましい。
―プライマー層―
プライマー層は、層間密着性を高めるために、必要に応じて各層の間に配置する層である。プライマー層の位置は特に限定されず、例えば、ハードコート層Bと意匠層との間に配置することができる。
プライマー層は、樹脂成分を主成分として含むことが好ましい。
プライマー層の樹脂成分としては、熱可塑性樹脂及び硬化性樹脂組成物の硬化物が挙げられ、硬化性樹脂組成物の硬化物が好ましく、熱硬化性樹脂組成物の硬化物がより好ましい。
プライマーの樹脂成分として用いる熱硬化性樹脂組成物としては、低屈折率層で例示した熱硬化性樹脂組成物と同様のものが挙げられる。
プライマー層の厚みは、1〜20μmであることが好ましく、2〜10μmであることがより好ましく、3〜5μmであることがさらに好ましい。
―ATO(アンチモン酸化スズ)、ITO(スズ酸化インジウム)―
本発明の樹脂パネルは、外側層の何れかの層に、ATO及びITOから選ばれる1以上の赤外線吸収剤を含んでいてもよい。
ATO及びITOは、波長905nmの光を所定の割合で透過する一方、波長905nmを超える近赤外線の大部分を吸収できる特性を有する。このため、外側層の何れかの層に、ATO及びITOから選ばれる1以上の赤外線吸収剤を含むことにより、波長905nmの光線透過率を高いレベルで維持する一方で、波長905nmを超える近赤外線をカットすることにより赤外線センサー内部の温度上昇を抑制し、赤外線センサーの機能を十分に発揮しやすくできる。
ATO及びITOから選ばれる1以上の赤外線吸収剤は、接着層B、ハードコート層B及びプライマー層から選ばれる何れか1以上の層に含まれることが好ましい。
ATO及びITOから選ばれる1以上の赤外線吸収剤の含有量は、樹脂パネルの波長905nmの光線透過率を85%以上に維持できる範囲で適宜調整すればよい。
なお、赤外線吸収剤の代表例である、セシウム酸化タングステン及び六ホウ化ランタンを用いた場合は、波長905nmの光線透過率を高いレベルで維持することが困難である。
[樹脂パネルの製造方法]
本発明の樹脂パネルは、例えば、ラミネート、インサート成形及びインモールド成形等により製造することができる。
以下、図1〜6の樹脂パネルの製造例を説明する。
<図1の樹脂パネルの製造例>
図1の樹脂パネルは、例えば、下記1−1〜1−5を含む工程で製造することができる。
1−1.接着層A(21)、基材A(22)、ハードコート層A(24)及び反射防止層(23)をこの順に有する、内側層(20)形成用のラミネートフィルムを用意する工程。
1−2.離型基材B(図示せず)、ハードコート層B(35)、意匠層(33)及び接着層B(32)をこの順に有する、外側層(30)形成用のインモールド成形用の転写シートBを用意する工程。
1−3.インモールド成形用金型内に、上記1−2の転写シートBを配置し(転写シートBは、接着層B(32)が金型の内側を向くように金型内に配置する。その後、コア層形成用組成物を射出注入し、コア層(10)と、転写シートBの接着層B(32)とを密着させた積層体を得る工程。
1−4.上記1−3で得た積層体から離型基材Bを剥離する工程。
1−5.上記1−3で得た積層体又は上記1−4の離型基材Bを剥離した積層体のコア層(10)が露出した面側に、上記1−1のラミネートフィルムの接着層A(21)側を貼り合わせる工程。
<図2の樹脂パネルの製造例>
図2の樹脂パネルは、例えば、下記2−1〜2−5を含む工程で製造することができる。
2−1.基材A(22)、ハードコート層A(24)及び反射防止層(23)をこの順に有する、内側層(20)形成用のインサート成形用フィルムAを用意する工程。
2−2.離型基材B(図示せず)、ハードコート層B(35)及び接着層B(32)をこの順に有する、外側層(30)形成用のインモールド成形用の転写シートBを用意する工程。
2−3.真空成形型内に上記2−1のインサート成形用フィルムAを配置し、真空成形(オフライン予備成形)し、必要に応じて余分な部分をトリミングして成形シートAを得る工程。
2−4.一対の射出成形(インサート及びインモールド一括成形)用金型の一方の側に、上記2−3で得た成形シートAを配置するとともに、前記金型の他方の側に、上記2−2の転写シートBを配置し、その後、コア層形成用組成物を射出注入し、成形シートAの基材A(22)と、コア層(10)と、転写シートBの接着層B(32)とを密着させた積層体を得る工程。
2−5.上記2−4で得た積層体から離型基材Bを剥離する工程。
<図3の樹脂パネルの製造例>
図3の樹脂パネルは、例えば、下記3−1〜3−4を含む工程で製造することができる。
3−1.離型基材A(図示せず)、反射防止層(23)、ハードコート層A(24)及び接着層A(21)をこの順に有する、内側層(20)形成用のインモールド成形用の転写シートAを用意する工程。
3−2.離型基材B(図示せず)、ハードコート層B(35)、意匠層(33)及び接着層B(32)をこの順に有する、外側層(30)形成用のインモールド成形用の転写シートBを用意する工程。
3−3.一対のインモールド成形用金型の一方の側に、上記3−1の転写シートAを配置するとともに、前記金型の他方の側に、上記3−2の転写シートBを配置し(転写シートA及び転写シートBは、接着層A(21)及び接着層B(32)がそれぞれ金型の内側を向き、接着層Aと接着層Bとが対向するように金型内に配置する。)、その後、コア層形成用組成物を射出注入し、転写シートAの接着層A(21)と、コア層(10)と、転写シートBの接着層B(32)とを密着させた積層体を得る工程。
3−4.金型を開き、上記3−3で得た積層体から離型基材A及び離型基材Bを剥離する工程。
<図4の樹脂パネルの製造例>
図4の樹脂パネルは、例えば、下記4−1〜4−5を含む工程で製造することができる。
4−1.接着層A(21)、基材A(22)及び反射防止層(23)をこの順に有する、内側層(20)形成用のラミネートフィルムを用意する工程。
4−2.基材B(31)、意匠層(33)、プライマー層(34)及びハードコート層B(35)をこの順に有する、外側層(30)形成用のインサート成形用フィルムを用意する工程。
4−3.真空成形型内に上記4−2のインサート成形用フィルムを配置し、真空成形(オフライン予備成形)し、必要に応じて余分な部分をトリミングして成形シートを得る工程。
4−4.上記4−3で得た成形シートを射出成形型に挿入し、コア層形成用組成物を射出注入し、コア層(10)と、成形用シート(外側層)とを密着させた積層体を得る工程。
4−5.上記4−4で得た積層体のコア層が露出した面側に、上記4−1のラミネートフィルムの接着層A(21)側を貼り合わせる工程。
<図5の樹脂パネルの製造例>
図5の樹脂パネルは、例えば、下記5−1〜5−5を含む工程で製造することができる。
5−1.基材A(22)、ハードコート層A(24)及び反射防止層(23)をこの順に有する、内側層(20)形成用のインサート成形用フィルムAを用意する工程。
5−2.基材B(31)、プライマー層(34)及びハードコート層B(35)をこの順に有する、外側層(30)形成用のインサート成形用フィルムBを用意する工程。
5−3.真空成形型内に上記5−1のインサート成形用フィルムAを配置し、真空成形(オフライン予備成形)し、必要に応じて余分な部分をトリミングして成形シートAを得る工程。
5−4.真空成形型内に上記5−2のインサート成形用フィルムBを配置し、真空成形(オフライン予備成形)し、必要に応じて余分な部分をトリミングして成形シートBを得る工程。
5−5.一対のインサート成形用金型の一方の側に、上記5−3で得た成形シートAを配置するとともに、前記金型の他方の側に、上記5−4で得た成形シートBを配置した後、コア層形成用組成物を射出注入し、成形用シートA(内側層)と、コア層(10)と、成形用シートB(外側層)とを密着させた積層体を得る工程。
<図6の樹脂パネルの製造例>
図6の樹脂パネルは、例えば、下記6−1〜6−3を含む工程で製造することができる。
6−1.接着層A(21)、基材A(22)及び反射防止層(23)をこの順に有する、内側層(20)形成用のラミネートフィルムを用意する工程。
6−2.成形済みのコア層(10)を用意する工程。
6−3.コア層に、上記6−1のラミネートフィルムの接着層A(21)側を貼り合わせる工程。
[赤外線センサー]
本発明の赤外線センサーは、赤外線発光素子と、赤外線受光素子と、前記赤外線発光素子及び前記赤外線受光素子の前面に配置されてなる保護カバーとを有してなり、前記保護カバーが上述した本発明の樹脂パネルであるものである。
赤外線発光素子は、赤外線レーザーを発光するものであれば、特に制限されることなく使用できる。赤外線レーザーの波長は905nmであることが好ましい。
また、赤外線受光素子は、上記赤外線レーザーを受光できるものであれば、特に制限されることなく使用できる。
赤外線発光素子及び赤外線受光素子は、筐体内に配置されることが好ましい。
筐体は窓部を有し、窓部を通して、赤外線を照射、受光できることが好ましい。また、窓部には保護カバーを設置することが好ましい。
保護カバーは、赤外線発光素子及び赤外線受光素子の前面に配置される。本発明の赤外線センサーは、保護カバーとして上述した本発明の樹脂パネルを用いることを要する。
保護カバーとして上述した本発明の樹脂パネルを用いることにより、赤外線センサーが誤作動しにくくなり、赤外線センサーを十分に機能させることができる。
樹脂パネルが反射防止層を有する場合、反射防止層を有する側が赤外線発光素子及び赤外線受光素子側を向くように樹脂パネルを配置することが好ましい。
赤外線センサーは、距離センサー(LiDAR)として有用であり、例えば、自動車運転用センサーとして用いることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、実施例に記載の形態に限定されるものではない。
1.測定、評価
実施例及び比較例で得られた樹脂パネルについて以下の測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
1−1.透過率
下記の機能及び仕様を備えた紫外可視分光光度計を用いて、樹脂パネルの波長905nmの光線透過率(赤外線透過率)、及び、可視光線透過率を測定した。なお、実施例1〜4及び比較例3に関しては、内側面(反射防止層を有する側の面)を光入射面とした場合、及び、外側面を光入射面とした場合の両方で測定を実施した。
<機能及び仕様>
・機種;日本分光株式会社製の紫外可視分光光度計(型番:V−670)
・付属ユニット;積分球ユニット(日本分光株式会社製、品番:ISN−723)
・光源;重水素ランプ(190〜350nm)、ハロゲンランプ(330〜2700nm)
・測定波長間隔;1nm
・測定スポット径:2〜20mm
1−2.耐擦傷性
実施例1〜4及び比較例3の樹脂パネルの外側面(反射防止層を有する側とは反対側の面)、及び、比較例1〜2の樹脂パネルのコア層が露出している面に対して、100g/mの荷重でスチールウール(「ボンスター#0000」、日本スチールウール社製)を100往復させて、表面の状態を目視で観察した。傷付きがなく、艶の変化が確認されないといえるレベルであったものを3点、軽微な傷付き、及び軽微な艶の変化が確認されたものを2点、傷付きが確認され、著しい艶変化が確認されたものを1点として、20人の被験者が評価した。20人の評価の平均点を算出し、下記基準によりランク付けした。
<耐擦傷性評価基準>
A:平均点が2.5以上
B:平均点が2.0以上2.5未満
C:平均点が2.0未満
2.塗布液の調製
下記の塗布液を調製した。なお、「部」及び「%」は質量基準である。
<ハードコート層用塗布液1>
・ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂組成物 100部
(固形分35%、トルエン/酢酸エチル混合溶剤)
・光重合開始剤 1.5部
(IGM Resins B.V.社、商品名「Omnirad 184」)
<ハードコート層用塗布液2(電子線硬化タイプ)>
・ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂組成物 100部
(固形分35%、トルエン/酢酸エチル混合溶剤)
・シリカ粒子 5部
(平均粒子径:3μm)
・耐候剤 3部
(BASF社製、品番:Tinuvin479)
<接着層(粘着層)形成用の積層体1>
・厚み25μmの透明粘着剤層の両面にセパレータを有する積層体(パナック社製、商品名:パナクリーンPD-S1)を準備した。
<接着層(ヒートシール層)用塗布液2>
・アクリル樹脂 100部
(商品名「TM−R600(NT)K3」、大日精化工業社製、固形分20%)
・希釈溶剤 適量
(メチルエチルケトン、トルエン)
<低屈折率層用塗布液1>
・紫外線硬化性化合物 1.0部
(3〜4官能のアルコキシ化ペンタエリスリトールアクリレート、日本化薬社製、商品名「PET−30」)
・光重合開始剤 0.07部
(IGM Resins B.V.社、商品名「Omnirad 127」)
・中空シリカ 1.1部
(平均粒子径60nm)
・フッ素系防汚剤 0.1部(有効成分:0.005質量部)
(信越化学工業社製、商品名「X−71−1203M」)
・希釈溶剤 適量
<意匠層用塗布液1(第一意匠層、第二意匠層で共通)>
・バインダー樹脂 100質量部
(アクリルウレタン系樹脂)
・アゾメチンアゾ系化合物 20質量部
(黒色系顔料、大日精化工業製、商品名:クロモファインブラックA1103)
・希釈溶剤 適量
<意匠層用塗布液2(第一意匠層、第二意匠層で共通)>
・バインダー樹脂 100質量部
(アクリルウレタン系樹脂)
・アゾメチンアゾ系化合物 40質量部
(黒色系顔料、大日精化工業製、商品名:クロモファインブラックA1103)
・希釈溶剤 適量
<プライマー層用塗布液1>
・アクリルポリオール 100部
(大日精化工業株式会社製、商品名:TM−VMAC)
・イソシアネート系化合物 1部
(大日精化工業株式会社製、商品名:RC−3硬化剤)
・希釈溶剤 適量
3.成形用材料の作製
3−1.ラミネートフィルム
厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、ハードコート用塗布液1を乾燥後の厚みが4μmとなるように、塗布、乾燥、紫外線照射して、ハードコート層Aを形成した。次いで、ハードコート層A上に、低屈折率層用塗布液1を乾燥後の厚みが175nmとなるように、塗布、乾燥、紫外線照射して、低屈折率層の単層の反射防止層を形成した。次いで、上記積層体1の一方のセパレータを剥がしてポリエチレンテレフタレートフィルムのハードコート層とは反対側の面に貼り合せた後、積層体1のもう一方のセパレータを剥離し、接着層A(粘着層)、基材A(ポリエチレンテレフタレートフィルム)、ハードコート層A及び反射防止層(低屈折率層の単層)をこの順に有する、ラミネートフィルムを得た。
なお、低屈折率層用塗布液1から低屈折率層の屈折率は1.36であった。
3−2.インサート成形用フィルム
厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを厚み125μmのアクリルフィルムに変更し、接着層A(粘着層)を形成しなかった以外は、3−1と同様にして、インサート成形用フィルムを得た。当該インサート成形用フィルムは、基材A(アクリルフィルム)、ハードコート層A及び反射防止層(低屈折率層の単層)をこの順に有している。
3−3.インモールド成形用の転写シート1
厚み50μmの離型性を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(離型基材A)上に、低屈折率層用塗布液1を乾燥後の厚みが175nmとなるように、塗布、乾燥、紫外線照射して、低屈折率層の単層の反射防止層を形成した。次いで、低屈折率層上に、ハードコート用塗布液1を乾燥後の厚みが4μmとなるように、塗布、乾燥、紫外線照射して、ハードコート層Aを形成した。次いで、ハードコート層A上に、接着層(ヒートシール層)用塗布液2を乾燥後の厚みが2μmとなるように、塗布、乾燥して、ヒートシール性を有する接着層Aを形成し、インモールド成形用の転写シート1を得た。
転写シート1は、離型基材A、反射防止層(低屈折率層の単層)、ハードコート層A及び接着層A(ヒートシール層)をこの順に有している。
3−4.インモールド成形用の転写シート2
厚み50μmの離型性を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(離型基材B)上に、ハードコート用塗布液2を乾燥後の厚みが4μmとなるように、塗布、乾燥、電子線照射して、ハードコート層Bを形成した。次いで、ハードコート層B上に、意匠層用塗布液1を網点状(網点直径:30μm、網点の中心同士の間隔:70μm)に塗布、乾燥し、厚み2μmの第一意匠層を形成した。次いで、第一意匠層上に、意匠層用塗布液1をベタ状に塗布、乾燥し、厚み2μmの第二意匠層を形成した。次いで、第二意匠層上に、接着層(ヒートシール層)用塗布液2を乾燥後の厚みが2μmとなるように、塗布、乾燥して、ヒートシール性を有する接着層Bを形成し、インモールド成形用の転写シート2を得た。
転写シート2は、離型基材B、ハードコート層B、意匠層及び接着層B(ヒートシール層)をこの順に有している。
3−5.インモールド成形用の転写シート3
意匠層を形成しなかった以外は、3−4と同様にして、インモールド成形用の転写シート3を得た。転写シート3は、離型基材B、ハードコート層B及び接着層B(ヒートシール層)をこの順に有している。
3−6.インモールド成形用の転写シート4
意匠層用塗布液1を意匠層用塗布液2に変更し、さらに、第一意匠層及び第二意匠層の厚みを2μmから3μmに変更した以外は、3−4と同様にして、インモールド成形用の転写シート4を得た。転写シート4は、離型基材B、ハードコート層B、意匠層及び接着層B(ヒートシール層)をこの順に有している。
4.樹脂パネルの作製
[実施例1]
インモールド成形用金型内に、上記3−4の転写シート2を配置した(転写シート2は、接着層Bが金型の内側を向くように金型内に配置した。)。
次いで、金型を締め、金型内にコア層形成用組成物(ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、アゾメチンアゾ系化合物を30質量部含む組成物。コベストロ社製の商品名「Makrolon AX2675ST、色番号:978001」)を射出注入し、コア層(厚み4.0mm)と、前記転写シート2の接着層B側とを密着させた積層体を得た。
次いで、積層体から離型基材Bを剥離した。
次いで、積層体のコア層が露出した面側に、上記3−1のラミネートフィルムの接着層A側を貼り合わせ、実施例1の樹脂パネルを得た。実施例1の樹脂パネルは、図1に示す層構成を有している。
[実施例2]
真空成形型内に上記2−1のインサート成形用フィルムを配置し、真空成形(オフライン予備成形)し、余分な部分をトリミングして成形シート1を得た。
次いで、一対の射出成形(インサート及びインモールド一括成形)用金型の一方の側に、前記成形シート1を配置するとともに、前記金型の他方の側に、上記3−5の転写シート3を配置した(転写シート3は、接着層Bが金型の内側を向くように金型内に配置した。)。
次いで、金型を締め、金型内にコア層形成用組成物(ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、アゾメチンアゾ系化合物を30質量部含む組成物。コベストロ社製の商品名「Makrolon AX2675ST、色番号:978001」)を射出注入し、成形シート1の接着層Aと、コア層(厚み4.0mm)と、転写シート3の接着層Bとを密着させた積層体を得た。
次いで、当該積層体から離型基材Bを剥離し、実施例2の樹脂パネルを得た。実施例2の樹脂パネルは、図2に示す層構成を有している。
[実施例3]
上下一対のインモールド成形用金型の一方の側に、上記3−3の転写シート1を配置するとともに、前記金型の他方の側に、上記3−6の転写シート4を配置した(転写シート1及び転写シート4は、接着層A及び接着層Bがそれぞれ金型の内側を向き、接着層Aと接着層Bとが対向するように金型内に配置する。)。
次いで、金型を締め、金型内にコア層形成用組成物(透明ポリカーボネート樹脂)を射出注入し、転写シート1の接着層Aと、コア層(透明なコア層、厚み4.0mm)と、転写シート4の接着層Bとを密着させた積層体を得た。
次いで、当該積層体から離型基材A及び離型基材Bを剥離し、実施例3の樹脂パネルを得た。実施例3の樹脂パネルは、図3に示す層構成を有している。
[実施例4]
ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、アゾメチンアゾ系化合物を30質量部含む組成物(コベストロ社製の商品名「Makrolon AX2675ST、色番号:978001」)が、厚み4.0mmの板状に成形されてなるコア層を準備した。
当該コア層に、上記3−1のラミネートフィルムの接着層A側を貼り合わせ、実施例4の樹脂パネルを得た。実施例4の樹脂パネルは、図6に示す層構成を有している。
[比較例1]
比較例1の樹脂パネルとして、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、アゾメチンアゾ系化合物を30質量部含む組成物(コベストロ社製の商品名「Makrolon AX2675ST、色番号:978001」)を、厚み4.0mmの板状に成形してなるものを準備した。
[比較例2]
比較例2の樹脂パネルとして、厚み4.0mmの透明ポリカーボネート樹脂板を準備した。
[比較例3]
コア層形成用組成物からアゾメチンアゾ系化合物を除いた以外は、実施例2と同様にして、比較例3の樹脂パネルを得た。比較例3の樹脂パネルは、コア層がアゾメチンアゾ系化合物を含まず透明である以外は、実施例2の樹脂パネルと同様である。
Figure 0006892002
表1から明らかなように、実施例の樹脂パネルは、可視光線透過率を低いレベルに抑制しつつ、赤外線透過率を高いレベルで維持し得るものであり、赤外線センサーの保護カバーとして適用した際に、赤外線センサーを十分に機能させ得るものであることが確認できる。
10:コア層
20:内側層
21:接着層A
22:基材A
23:反射防止層
24:ハードコート層A
30:外側層
31:基材B
32:接着層B
33:意匠層
33A:第一意匠層
33B:第二意匠層
34:プライマー層
35:ハードコート層B
100:樹脂パネル

Claims (9)

  1. 少なくともコア層を有する樹脂パネルであって、
    前記樹脂パネルはさらに意匠層を有し、前記意匠層として、網点又はメッシュから形成されてなる第一意匠層と、全面ベタの第二意匠層とを有し、
    前記樹脂パネルは、波長905nmの光線透過率が85%以上であり、可視光線透過率が20%以下である、樹脂パネル。
  2. 前記コア層がポリカーボネート樹脂を含む、請求項1に記載の樹脂パネル。
  3. 前記コア層が、アゾメチンアゾ系化合物及びペリレン系化合物から選ばれる1以上の化合物を含む、請求項1又は2に記載の樹脂パネル。
  4. 少なくとも一方の側の表面に反射防止層が配置されてなる、請求項1〜3の何れかに記載の樹脂パネル。
  5. 前記反射防止層が、表面側に低屈折率層を有し、前記低屈折率層は、屈折率が1.28〜1.40、厚みが120〜250nmである、請求項4に記載の樹脂パネル。
  6. 前記意匠層、前記コア層及び反射防止層をこの順に有し、前記反射防止層が前記樹脂パネルの表面に配置されてなる、請求項4又は5に記載の樹脂パネル。
  7. 前記意匠層が、アゾメチンアゾ系化合物及びペリレン系化合物から選ばれる1以上の化合物を含む、請求項1〜6の何れかに記載の樹脂パネル。
  8. 少なくともコア層を有する樹脂パネルであって、
    前記樹脂パネルはさらに意匠層を有し、前記意匠層が、アゾメチンアゾ系化合物及びペリレン系化合物から選ばれる1以上の化合物を含み、
    前記樹脂パネルは、波長905nmの光線透過率が85%以上であり、可視光線透過率が20%以下である、樹脂パネル。
  9. 赤外線発光素子と、赤外線受光素子と、前記赤外線発光素子及び前記赤外線受光素子の前面に配置されてなる保護カバーとを有する赤外線センサーであって、前記保護カバーが請求項1〜の何れかに記載の樹脂パネルである、赤外線センサー。
JP2020095293A 2019-11-19 2020-06-01 樹脂パネル及び赤外線センサー Active JP6892002B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020095293A JP6892002B2 (ja) 2019-11-19 2020-06-01 樹脂パネル及び赤外線センサー

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019209127A JP2021081596A (ja) 2019-11-19 2019-11-19 樹脂パネル及び赤外線センサー
JP2020095293A JP6892002B2 (ja) 2019-11-19 2020-06-01 樹脂パネル及び赤外線センサー

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019209127A Division JP2021081596A (ja) 2019-11-19 2019-11-19 樹脂パネル及び赤外線センサー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021081698A JP2021081698A (ja) 2021-05-27
JP6892002B2 true JP6892002B2 (ja) 2021-06-18

Family

ID=75965096

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020095293A Active JP6892002B2 (ja) 2019-11-19 2020-06-01 樹脂パネル及び赤外線センサー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6892002B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4303632A1 (en) * 2022-07-07 2024-01-10 Covestro Deutschland AG Lidar window, method for preparing the same, and sensor system

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003098470A (ja) * 2001-09-21 2003-04-03 Asahi Glass Co Ltd ヘッドアップディスプレイ装置
JP2006018252A (ja) * 2004-06-04 2006-01-19 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd カラーフィルターのパターン欠陥部の補修方法および補修用カラー
US7727418B2 (en) * 2006-06-19 2010-06-01 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Infrared transmissive thermoplastic composition, and articles formed therefrom
JP2009017125A (ja) * 2007-07-03 2009-01-22 Toyoda Gosei Co Ltd 電波透過カバーおよびその製造方法
JP5040827B2 (ja) * 2008-06-20 2012-10-03 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 フィルター用樹脂組成物
JP5603655B2 (ja) * 2010-05-18 2014-10-08 富士重工業株式会社 車両用内装材
JP6464850B2 (ja) * 2015-03-19 2019-02-06 Jsr株式会社 硬化性組成物、硬化膜、赤外光透過フィルタ及び固体撮像装置
JP2019032351A (ja) * 2015-12-25 2019-02-28 Agc株式会社 光学フィルタおよび光学装置
JP2018044991A (ja) * 2016-09-12 2018-03-22 大日本印刷株式会社 赤外線透過デバイス及び光学ユニット
WO2018052057A1 (ja) * 2016-09-15 2018-03-22 豊田合成 株式会社 近赤外線センサ用カバー
RU2723800C1 (ru) * 2016-12-02 2020-06-17 Чжунтянь Текнолоджи Эдвансд Материалз Ко., Лтд. Устройство и способ изготовления заготовки для вытягивания оптоволокна
JP2019038195A (ja) * 2017-08-25 2019-03-14 大日本印刷株式会社 暗色絵柄化粧シート及びこれを用いた化粧部材
JP6812936B2 (ja) * 2017-09-22 2021-01-13 豊田合成株式会社 近赤外線センサ用カバー装置
KR102318084B1 (ko) * 2017-09-28 2021-10-28 도레이 카부시키가이샤 유기 el 표시 장치, 그리고 화소 분할층 및 평탄화층의 형성 방법
JP2019126984A (ja) * 2018-01-25 2019-08-01 大日本印刷株式会社 遮熱性化粧シート及びこれを用いた化粧部材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021081698A (ja) 2021-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105247277B (zh) 日光重定向窗用玻璃层合体
JP6231237B2 (ja) 防曇積層体、物品、及びその製造方法、並びに防曇方法
US20100053101A1 (en) Optical film, laminate and touch panel
CN109963710B (zh) 用于热管理的透明多层体
US6191884B1 (en) Infrared-blocking transparent film
KR101552920B1 (ko) 적외선 차단 조성물 및 이를 포함하는 적외선 차단 필름
JP5709707B2 (ja) 熱線遮蔽材
JP2005047179A (ja) 熱線遮蔽樹脂シート
WO2015198762A1 (ja) 光学反射フィルム、光学反射フィルムの製造方法、およびそれを用いる光学反射体
JP2020062879A (ja) 化粧板及び該化粧板の製造方法
JP6892002B2 (ja) 樹脂パネル及び赤外線センサー
WO2021100798A1 (ja) 樹脂パネル及び赤外線センサー
CN104918485A (zh) 防鸟玻璃
JP2018106054A (ja) ガラス用フィルム、及びガラス
JP2015174406A (ja) 窓貼用赤外線遮断フイルム
WO2020067565A1 (ja) 化粧シート
JP2015125168A (ja) 誘電体多層膜フィルム
JP4801383B2 (ja) 耐候性積層シ−ト及び耐候性積層シ−ト被覆金属板
WO2021020222A1 (ja) 表面保護板、並びにそれを用いた積層部材及び画像表示装置、並びに表面保護板の製造方法
US20070087183A1 (en) Glazing and film functional coatings having a porous inorganic layer and a polymeric filler
WO2017073262A1 (ja) 防曇積層体、物品、及びその製造方法、並びに防曇方法
WO2015064312A1 (ja) フィルムミラーおよびこれを用いた太陽熱反射用光反射装置
JP6880592B2 (ja) 近赤外線遮蔽積層体、車両用ガラス及び車両
JP2015212736A (ja) 積層反射フィルムおよびその製造方法、ならびにこれを含む光学反射体
JP7187990B2 (ja) 樹脂成形体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200601

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200601

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200612

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201104

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210302

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210408

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210427

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210510

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6892002

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150