以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の構成を示す図である。本実施形態において、画像形成装置100は、カラー方式の複合機である。
画像形成装置100は、筐体1、操作部2、原稿搬送装置3、読取装置4、給紙部5、補給部6、画像形成部7、定着装置8、排出部9、および搬送部Lを備える。読取装置4、給紙部5、補給部6、画像形成部7、定着装置8、排出部9、および搬送部Lは、筐体1の内部に収容される。画像形成装置100は、特定色調モードを有する。特定色調モードでは、画像形成装置100は、特定色調データに基づいて画像形成を行う。特定色調データは、特定の色調を示すデータである。詳しくは、特定色調モードでは、画像形成装置100は、特定の色に対して、特定の色調になるように画像形成を行う。特定の色は、例えば、チャイニーズレッドである。
操作部2は、画像形成装置100に対するユーザーからの指示を受け付ける。操作部2は、ユーザーからの指示を受け付けると、ユーザーからの指示を示す信号を出力する。本実施形態において、操作部2は、ジョブの実行の指示を受け付ける。
操作部2は、タッチパネル21および複数の操作キー22を含む。タッチパネル21は、ディスプレーおよびタッチセンサーを含む。なお、タッチパネル21は、表示部の一例である。
ディスプレーは、各種画面を表示する。ディスプレーは、例えば、液晶ディスプレーまたは有機ELディスプレー(Organic Electro Luminescence Display)である。
タッチセンサーは、被検知体によるタッチを検知する。タッチセンサーは、被検知体によるタッチを検知した位置を示す検知信号を出力する。被検知体は、例えば、ユーザーの手指である。タッチセンサーは、例えば、抵抗膜方式のタッチセンサーである。
複数の操作キー22は、例えば、テンキー、スタートキー、およびキャンセルキーを含む。
原稿搬送装置3は、原稿載置トレイ31、原稿搬送部32および原稿排出トレイ33を備える。原稿搬送部32は、原稿載置トレイ31に載置されたシート状の原稿Dを1枚ずつ原稿排出トレイ33まで搬送する。詳しくは、原稿搬送部32は、読取位置Rを経由して原稿排出トレイ33まで原稿Dを搬送する。読取位置Rは、原稿搬送装置3によって搬送された原稿Dの画像を読取装置4が読み取ることが可能な位置である。
読取装置4は、原稿Dの画像を読み取って、原稿Dの画像を示す読取画像データを出力する。詳しくは、読取装置4は、コンタクトガラス41、および読取機構42を備える。コンタクトガラス41は、原稿搬送装置3の底面と対向する。読取機構42は、光源421、キャリッジ422、光学系423、およびCCD(Charge−Coupled Device)イメージセンサー424を含む。光源421は、キャリッジ422に支持される。キャリッジ422は、副走査方向S1に移動する。光源421は、副走査方向S1に移動しながら、コンタクトガラス41上に載置された原稿Dに対して光を照射する。光学系423は、原稿Dから反射する光をCCDイメージセンサー424に導く。CCDイメージセンサー424は、光学系423によって導かれた光を電気信号に変換して、読取画像データを出力する。なお、原稿搬送装置3によって搬送される原稿Dの画像を読取装置4が読み取る場合、光源421は、読取位置Rを照射する。本実施形態において、読取装置4は、スキャナーである。なお、読取装置4は、読取部の一例である。
給紙部5は、複数のシートSを収容し、収容された複数のシートSを一枚ずつ給紙する。搬送部Lは、給紙されたシートSを排出部9まで搬送する。
補給部6は、画像形成部7へトナーを補給する。補給部6は、開閉検知スイッチ、4つの装着部61、4つの部品検知スイッチ62、および4つの部品情報読取部63を備える。以下、4つの装着部61を「第1装着部61Y」、「第2装着部61C」、「第3装着部61M」、および「第4装着部61K」と記載する場合がある。
開閉検知スイッチは、筐体1が備えるカバー部材の開閉を検知する。開閉検知スイッチは、カバー部材が閉じると、カバー部材が閉じたことを示す信号を出力する。カバー部材は、閉じた状態において筐体1の壁部の一部を構成する。一方、カバー部材が開いた状態になると、4つの装着部61が露出する。ユーザーは、カバー部材を開いた状態にすることにより、トナーカートリッジCを交換することができる。
各装着部61には、トナーカートリッジCが装着自在に装着される。各トナーカートリッジCは、装着部品の一例である。各トナーカートリッジCは、カラー色のトナーまたはブラック色のトナーを収容する。以下、カラー色のトナーを収容するトナーカートリッジCを「カラートナーカートリッジC1」と記載する場合がある。また、ブラック色のトナーを収容するトナーカートリッジCを「ブラックトナーカートリッジC2」と記載する場合がある。
カラートナーカートリッジC1は、イエロー色のトナーを収容するイエロートナーカートリッジCy、シアン色のトナーを収容するシアントナーカートリッジCc、およびマゼンタ色のトナーを収容するマゼンタトナーカートリッジCmを含む。イエロートナーカートリッジCyは、第1装着部61Yに装着される。シアントナーカートリッジCcは、第2装着部61Cに装着される。マゼンタトナーカートリッジCmは、第3装着部61Mに装着される。ブラックトナーカートリッジC2は、第4装着部61Kに装着される。
各トナーカートリッジCは、画像形成装置100の専用品と、画像形成装置100の専用品以外の交換部品とを含む。画像形成装置100の専用品は、第1交換部品の一例である。また、画像形成装置100の専用品以外の交換部品は、第2交換部品の一例である。専用品と専用品以外の交換部品とは、例えば、収容するトナーの特性が互いに異なる。以下、専用品のトナーカートリッジCが収容するトナーを「専用トナー」と記載し、専用品以外のトナーカートリッジCが収容するトナーを「非専用トナー」と記載する。
各トナーカートリッジCは、記憶素子CMを備える。記憶素子CMは、例えば、RF(Radio Frequency Identification)タグのような非接触タグ(電子タグ)である。記憶素子CMは、トナーカートリッジCに関する情報を記憶する。以下、トナーカートリッジCに関する情報を「装着部品情報」と記載する。装着部品情報は、製造元を示す製造元情報、型式番号を示す型式番号情報、およびトナーカートリッジCのシリアル番号を示すシリアル情報を含む。
4つの部品検知スイッチ62は、第1装着部61Y、第2装着部61C、第3装着部61Mおよび第4装着部61Kにそれぞれ配置される。各部品検知スイッチ62は、対応する装着部61にトナーカートリッジCが装着されていることを検知する。
4つの部品情報読取部63は、第1装着部61Y、第2装着部61C、第3装着部61Mおよび第4装着部61Kにそれぞれ配置される。各部品情報読取部63は、対応する装着部61に装着されたトナーカートリッジCの記憶素子CMから装着部品情報を読み取り、装着部品情報を示す信号を出力する。各部品情報読取部63は、例えば、RFリーダーのような近距離無線通信機である。
画像形成部7は、画像形成処理を実行する。画像形成部7は、出力画像データに基づいて、出力画像を形成する。詳しくは、画像形成部7は、4つの装着部61に装着されたトナーカートリッジCの各々から供給されるトナー(専用トナーおよび/または非専用トナー)を使用してトナー像(出力画像)をシートSに形成する。
画像形成部7は、4つの画像形成ユニット70、露光装置71、および転写装置75を備える。
露光装置71は、画像データに基づいて、各画像形成ユニット70が備える感光体ドラム74に静電潜像をそれぞれ形成する。
4つの画像形成ユニット70はそれぞれ、補給部6から供給されたトナーを使用してトナー像を形成する。以下、4つの画像形成ユニット70を「第1画像形成ユニット70Y」、「第2画像形成ユニット70C」、「第3画像形成ユニット70M」、および「第4画像形成ユニット70K」と記載する場合がある。第1画像形成ユニット70Yは、第1装着部61Yからイエロー色のトナーが供給されて、感光体ドラム74にイエロー色のトナー像を形成する。第2画像形成ユニット70Cは、第2装着部61Cからシアン色のトナーが供給されて、感光体ドラム74にシアン色のトナー像を形成する。第3画像形成ユニット70Mは、第3装着部61Mからマゼンタ色のトナーが供給されて、感光体ドラム74にマゼンタ色のトナー像を形成する。第4画像形成ユニット70Kは、第4装着部61Kからブラック色のトナーが供給されて、感光体ドラム74にブラック色のトナー像を形成する。
転写装置75は、各画像形成ユニット70が形成したトナー像をシートSに転写する。
定着装置8は、転写されたトナー像をシートSに定着させる。
排出部9は、トナー像が定着されたシートSを筐体1の外部へ排出する。詳しくは、排出部9は、筐体1の外部に排出トレイ91を備える。排出部9は、トナー像が定着されたシートSを、シート排出口1aを介して排出トレイ91へ排出する。
続いて、図1および図2を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成部7の構成についてさらに説明する。図2は、本発明の実施形態に係る画像形成部7の構成を示す図である。なお、第1画像形成ユニット70Y〜第4画像形成ユニット70Kの構成は、形成するトナー像の色が異なるのみで他の構成は同様である。したがって、図2では、第1画像形成ユニット70Yの構成についてのみ説明し、第2画像形成ユニット70C、第3画像形成ユニット70M、および第4画像形成ユニット70Kの構成についての説明は省略する。
図2に示すように、第1画像形成ユニット70Yは、感光体ドラム74に加え、帯電装置72、現像装置73、および第1クリーニング機構77を備える。帯電装置72、現像装置73、画像形成装置100が備える第1撮像素子121、および第1クリーニング機構77は、感光体ドラム74の周面に沿ってこの順で配置される。感光体ドラム74は、図2に示す矢印R1方向(時計回り)に回転する。
帯電装置72は、感光体ドラム74を所定の電位に均一に帯電させる。現像装置73は、補給部6(第1装着部61Y)から補給されたトナーを感光体ドラム74に供給して、感光体ドラム74上に形成された静電潜像を現像する。
第1撮像素子121は、感光体ドラム74の表面に形成されたトナー像を撮像し、トナー像を示す読取画像データを出力する。第1撮像素子121は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサー、またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーである。
第1クリーニング機構77は、感光体ドラム74の表面に付着しているトナーを回収する。
転写装置75は、第1画像形成ユニット70Y〜第4画像形成ユニット70Kが有する各感光体ドラム74の表面に形成された各トナー像をシートSに転写する。本実施形態において、転写装置75は、二次転写方式によって各トナー像をシートSに転写する。
転写装置75は、4つの一次転写ローラー751、中間転写ベルト752、駆動ローラー753、従動ローラー754、および二次転写ローラー755を有する。
中間転写ベルト752は、4つの一次転写ローラー751、駆動ローラー753、および、従動ローラー754に張架される無端ベルトである。中間転写ベルト752は、駆動ローラー753の回転に応じて駆動する。図2において、中間転写ベルト752は、反時計回りに周回する。従動ローラー754は、中間転写ベルト752の駆動に応じて回転駆動する。
中間転写ベルト752は、第1画像形成ユニット70Y〜第4画像形成ユニット70Kと対向して配置される。本実施形態において、第1画像形成ユニット70Y、第2画像形成ユニット70C、第3画像形成ユニット70M、および第4画像形成ユニット70Kは、中間転写ベルト752の下面の駆動方向Hにおいて、上流側から下流側に向けてこの順で配置される。
各一次転写ローラー751は、対応する感光体ドラム74に中間転写ベルト752を介して対向する。各一次転写ローラー751は、不図示の駆動機構により、対応する感光体ドラム74に向けて押圧されたり、対応する感光体ドラム74から離れたりする。各一次転写ローラー751が対応する感光体ドラム74に向けて押圧されている場合、各感光体ドラム74の表面に形成されたトナー像は、中間転写ベルト752に転写される。
二次転写ローラー755は、中間転写ベルト752を介して駆動ローラー753に対向する。二次転写ローラー755は、不図示の駆動機構により、駆動ローラー753に向けて押圧されたり、駆動ローラー753から離れたりする。二次転写ローラー755が駆動ローラー753に向けて押圧されている場合、二次転写ローラー755と駆動ローラー753との間に転写ニップが形成される。中間転写ベルト752上のトナー像は、シートSが転写ニップを通過することによりシートSに転写される。トナー像が転写されたシートSは、搬送部Lによって定着装置8(図1参照)へ搬送される。
第2クリーニング機構757は、中間転写ベルト752上のトナーを回収する。
また、画像形成装置100は、第2撮像素子122をさらに備える。第2撮像素子122は、中間転写ベルト752の表面に形成されたトナー像を撮像し、トナー像を示す読取画像データを出力する。本実施形態において、第2撮像素子122は、中間転写ベルト752の下面の駆動方向Hにおいて第4画像形成ユニット70Kよりも下流に配置される。第2撮像素子122は、例えば、CCDイメージセンサー、またはCMOSイメージセンサーである。
本実施形態において、画像形成装置100は、画像形成モードおよび非画像形成モードの間で動作モードを切り替える。画像形成装置100の動作モードが画像形成モードである場合、画像形成部7によって形成された画像は、シートSに転写される。一方、画像形成装置100の動作モードが非画像形成モードである場合、画像形成部7によって形成された画像は、シートSに転写されることなく、第1撮像素子121によって撮像された後、第1クリーニング機構77によって回収される。あるいは、画像形成部7によって形成された画像は、第2撮像素子122によって撮像された後、第2クリーニング機構757によって回収される。
続いて、図1〜図3を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の構成についてさらに説明する。図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、画像形成装置100は、記憶部10、および制御部11をさらに備える。
記憶部10は、各種のデータを記憶する。記憶部10は、ストレージデバイスおよび半導体メモリーによって構成される。ストレージデバイスは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)および/またはSSD(Solid State Drive)によって構成される。半導体メモリーは、例えば、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)を構成する。
記憶部10は、特定色調モード設定状態101と、特定色調データ102とを記憶する。特定色調モード設定状態101は、特定色調モードが有効であるか無効であるかの設定状態を示す。特定色調データ102は、特定の色調を示すデータである。特定色調データ102は、例えば、特定の色に対して特定の色調を示すデータである。特定の色は、例えば、チャイニーズレッドである。特定色調データ102は、特定色調モード用に専用トナーでの発色に基づいて調整されている。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーによって構成される。また、制御部11は、画像形成処理用の集積回路を備える。画像形成処理用の集積回路は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって構成される。制御部11は、記憶部10に記憶された制御プログラムを実行することにより、画像形成装置100の各部の動作を制御する。
制御部11は、装着部品が第1交換部品および第2交換部品のいずれであるかを判定する。制御部11は、例えば、各部品情報読取部63が取得した装着部品情報の各々と、記憶部10に記憶された部品情報とが一致するか否かによって装着部品が第1交換部品および第2交換部品のいずれであるかを判定する。否かを判定する。部品情報は、例えば、専用品の製造元情報、および型式番号情報を含む。
図1〜図5を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の特定色調モードの設定の切り換え判定処理について説明する。図4および図5は、本発明の画像形成装置100の特定色調モードの設定の切り換え判定処理を示すフローチャートである。図4に示すステップS102〜ステップS110および図5に示すステップS112〜ステップS118の処理が実行されることによって、特定色調モードの設定の切り換え判定処理が行われる。
ステップS102:制御部11は、特定色調モードが有効であるか否かを判定する。詳しくは、制御部11は、特定色調モード設定状態101を読み出すことによって、特定色調モードが有効であるか否かを判定する。制御部11が特定色調モードが有効でない、すなわち無効であると判定した場合(ステップS102:No)、処理は、終了する。制御部11が特定色調モードが有効あると判定した場合(ステップS102:Yes)、処理は、ステップS104に進む。
ステップS104:制御部11は、装着部品が第1交換部品であるか否かを判定する。制御部11が、装着部品が第1交換部品であると判定した場合(ステップS104:Yes)、処理は、終了する。制御部11が、装着部品が第1交換部品でない、すなわち第2交換部品であると判定した場合(ステップS104:No)、処理は、ステップS106に進む。
ステップS106:制御部11は、特定色調モードのテスト画像データを生成する。詳しくは、制御部11は、記憶部10に記憶された特定色調データ102に基づいて、特定色調モードの出力テスト画像データを生成する。処理は、ステップS108に進む。
ステップS108:制御部11は、出力テスト画像データに基づいて出力テスト画像を形成するように画像形成部7を制御する。この結果、テスト画像がシートSに形成される。処理は、ステップS110に進む。
ステップS110:制御部11は、タッチパネル21に操作方法を表示させる。詳しくは、タッチパネル21に第1メッセージを表示させて、ユーザーにメッセージを通知する。第1メッセージは、排出部9から排出されたシートS(テスト画像が形成されたシートS)をコンタクトガラス41の上に載置した後、画像読取処理の実行指示の操作を行うようにユーザーに促すメッセージである。処理は、図5に示すステップS112に進む。
ステップS112:制御部11は、出力テスト画像を読取装置4が読み取って読取テスト画像データを生成するように読取装置4を制御する。詳しくは、ユーザーは、第1メッセージが示す内容にしたがって、テスト画像が形成されたシートSをコンタクトガラス41の上に載置する。その後、ユーザーは、操作部2を操作することによって画像読取処理の実行を指示する。制御部11は、操作部2から画像読取処理の実行を指示する信号を受信すると、出力テスト画像を読取装置4が読み取って読取テスト画像データを生成するように読取装置4を制御する。処理は、ステップS114に進む。
ステップS114:制御部11は、色調データが所定の範囲内であるか否かを判定する。詳しくは、まず、制御部11は、特定色調データ102と、読取テスト画像データが示す読取色調データとを比較する。そして、特定色調データ102と読取色調データとの色調の差分が所定の範囲内であるか否かを判定する。制御部11が、色調の差分が所定の範囲内であると判定した場合(ステップS114:Yes)、処理は、終了する。すなわち、特定色調モードは現状の状態、すなわち有効である状態を維持する。制御部11が、色調の差分が所定の範囲内でないと判定した場合(ステップS114:No)、処理は、ステップS116に進む。
ステップS116:制御部11は、特定色調モードを無効にする。詳しくは、制御部11は、記憶部10に記憶されている特定色調モード設定状態101を有効から無効に変更する。処理は、ステップS118に進む。
ステップS118:制御部11は、特定色調モードを無効にした旨をタッチパネル21に表示させる。処理は、終了する。
以上、図1〜図5を参照して説明したように、制御部11は、特定色調データ102と読取色調データとの色調の差分が所定の範囲内であるか否かを判定する。制御部11は、差分が所定の範囲内でない場合、特定色調モードを無効にする。したがって、不適切な色調で画像が形成されることを抑制することができる。
なお、特定色調モードの設定の切り換え判定処理は、例えば、画像形成装置100の電源がオンされたとき、装着部品が交換されたとき、特定色調モードの設定が変更されたときに行われる。
なお、本実施形態において、制御部11は、シートSに形成されたテスト画像の画像読取処理を読取装置4に実行させて、読取テスト画像データを取得する場合を例に説明したが、制御部11は、例えば、感光体ドラム74に形成されたテスト画像の画像読取処理を第1撮像素子121に撮像させて第1撮像素子121(読取部の一例)から出力される読取画像データを取得してもよい。あるいは、制御部11は、感光体ドラム74から中間転写ベルト752に転写されたトナー像を第2撮像素子122に撮像させて、第2撮像素子122(読取部の一例)から出力される読取画像データを取得してもよい。
また、本実施形態において、画像形成部7が二次転写方式でシートSに画像を転写する場合を例に説明したが、画像形成部7は、一次転写方式でシートSに画像を転写してもよい。この場合、第2撮像素子122は、省略可能である。
図1、図2、図6および図7を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の構成について説明する。図6は、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の構成を示すブロック図である。図7は、出力テスト画像TGを示す図である。図6に示す画像形成装置100は、記憶部10が識別情報データ103をさらに記憶する点を除いて、図3に示す画像形成装置100と同様な構成を有するため、重複部分については説明を省略する。
図6に示すように、記憶部10は、特定色調モード設定状態101と、特定色調データ102とに加えて、さらに、識別情報データ103を記憶する。識別情報データ103は、識別情報を示す。装着部品が第2交換部品であると判定した場合、制御部11は、識別情報データ103に基づいて識別情報画像を生成する。
そして、図7に示すように、出力テスト画像TGが識別情報画像Gbを含むように出力テスト画像TGを生成する。出力テスト画像TGは、特定色調画像Gaと、識別情報画像Gbとを含む。特定色調画像Gaは、例えば、特定色調モードにおいて、特定の色調が規定されている色のソリッド画像である。なお、特定色調画像Gaは1つに限らず複数であってもよい。また、特定色調画像Gaは、諧調を有していてもよい。識別情報画像Gbは、例えば、バーコード画像である。
制御部11は、色調の差分が所定の範囲内であるか否かを判定する前に、読取テスト画像データに含まれる識別情報画像Gbが示す読取識別情報を特定する。制御部11は、識別情報データ103が示す識別情報と読取識別情報とが一致する否かを判定する。制御部11は、識別情報と読取識別情報とが一致しないと判定した場合、特定色調モードを無効にする。したがって、ユーザーが正しくないテスト画像が形成されたシートSを用いた場合、制御部11は特定色調モードを無効にする。したがって、正しくないテスト画像が形成されたシートSが用いられることを抑制することができる。その結果、不適切な色調で画像が形成されることを抑制することができる。
なお、制御部11は、出力テスト画像TGを形成する度に識別情報が異なるように識別情報画像Gbを生成することが好ましい。したがって、正しくないテスト画像が形成されたシートSが用いられることを抑制することができる。その結果、不適切な色調で画像が形成されることを抑制することができる。
図1、図2および図6〜図9を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の特定色調モードの設定の切り換え判定処理について説明する。図8および図9は、本発明の画像形成装置100の特定色調モードの設定の切り換え判定処理を示すフローチャートである。図8に示すステップS202〜ステップS210および図9に示すステップS212〜ステップS218の処理が実行されることによって、特定色調モードの設定の切り換え判定処理が行われる。図8および図9に示したフローチャートは、制御部11が識別情報が一致するか否かを判定する点を除いて、図4および図5に示したフローチャートと同様の処理を行うため、重複部分については説明を省略する。
ステップS202:制御部11は、特定色調モードが有効であるか否かを判定する。詳しくは、制御部11は、特定色調モード設定状態101を読み出すことによって、特定色調モードが有効であるか否かを判定する。制御部11が特定色調モードが有効でない、すなわち無効であると判定した場合(ステップS202:No)、処理は、終了する。制御部11が特定色調モードが有効あると判定した場合(ステップS202:Yes)、処理は、ステップS204に進む。
ステップS204:制御部11は、装着部品が第1交換部品であるか否かを判定する。制御部11が、装着部品が第1交換部品であると判定した場合(ステップS204:Yes)、処理は、終了する。制御部11が、装着部品が第1交換部品でない、すなわち第2交換部品であると判定した場合(ステップS204:No)、処理は、ステップS205に進む。
ステップS205:制御部11は、識別情報画像Gbを生成し記憶部10に記憶する。識別情報画像Gbは、記憶部10に記憶されている識別情報データ103に基づいて生成される。処理は、ステップS206に進む。
ステップS206:制御部11は、特定色調モードのテスト画像データを生成する。詳しくは、制御部11は、記憶部10に記憶された特定色調データ102に基づいて、特定色調モードの出力テスト画像データを生成する。処理は、ステップS208に進む。
ステップS208:制御部11は、出力テスト画像データに基づいて出力テスト画像TGを形成するように画像形成部7を制御する。さらに、制御部11は、出力テスト画像TGが識別情報画像Gbを含むように出力テスト画像TGを生成する。この結果、テスト画像がシートSに形成される。処理は、ステップS210に進む。
ステップS210:制御部11は、タッチパネル21に操作方法を表示させる。処理は、図9に示すステップS212に進む。
ステップS212:制御部11は、出力テスト画像TGを読取装置4が読み取って読取テスト画像データを生成するように読取部を制御する。また、読取テスト画像データに含まれる識別情報が示す読取識別情報を特定する。処理は、ステップS213に進む。
ステップS213:制御部11は、識別情報と読取識別情報とが一致する否かを判定する。識別情報は、記憶部10に記憶されている識別情報画像Gbが示す識別情報である。読取識別情報は、ステップS212において特定された識別情報である。制御部11が、識別情報と読取識別情報とが一致しないと判定した場合(ステップS213:No)、処理はステップS216に進む。制御部11が、識別情報と読取識別情報とが一致すると判定した場合(ステップS213:Yes)、処理はステップS214に進む。
ステップS214:制御部11は、色調データが所定の範囲内であるか否かを判定する。詳しくは、まず、制御部11は、特定色調データ102と、読取テスト画像データが示す読取色調データとを比較する。そして、特定色調データ102と読取色調データとの色調の差分が所定の範囲内であるか否かを判定する。制御部11が、色調の差分が所定の範囲内であると判定した場合(ステップS214:Yes)、処理は、終了する。すなわち、特定色調モードは現状の状態、すなわち有効である状態を維持する。制御部11が、色調の差分が所定の範囲内でないと判定した場合(ステップS214:No)、処理は、ステップS216に進む。
ステップS216:制御部11は、特定色調モードを無効にする。詳しくは、制御部11は、記憶部10に記憶されている特定色調モード設定状態101を有効から無効に変更する。処理は、ステップS218に進む。
ステップS218:制御部11は、特定色調モードを無効にした旨をタッチパネル21に表示させる。処理は、終了する。
以上、図1、図2および図6〜図9を参照して説明したように、制御部11は、制御部11は、識別情報と読取識別情報とが一致しないと判定した場合、特定色調モードを無効にする。したがって、正しくないテスト画像が形成されたシートSが用いられた場合、制御部11は特定色調モードを無効にする。したがって、正しくないテスト画像が形成されたシートSが用いられることを抑制することができる。その結果、不適切な色調で画像が形成されることを抑制することができる。
また、制御部11は、出力テスト画像TGを形成する度に識別情報が異なるように識別情報画像Gbを生成することが好ましい。したがって、正しくないテスト画像が形成されたシートSが用いられることを抑制することができる。その結果、不適切な色調で画像が形成されることを抑制することができる。
なお、制御部11は、特定色調データ102と読取色調データとの色調の差分の大きさに応じて、アイコン画像M2の表示状態を変更するようにタッチパネル21を制御することが好ましい。例えば、制御部11は、特定色調データ102と読取色調データとの色調の差分の大きさに応じて、アイコン画像M2の濃度を変更するようにタッチパネル21を制御することが好ましい。図10を参照して、アイコン画像M2の濃度の変更について説明する。図10(a)は、画像形成装置100の操作パネルを示す図である。図10(b)〜図10(d)は、アイコン画像M2を示す図である。
図10(a)に示すように、制御部11は、タッチパネル21に設定画面M1を表示させる。設定画面M1は、複数のアイコン画像M2を含む。アイコン画像M2は、例えば、Aモード(特定色調モード)に設定する機能を示すアイコンである。例えば、ユーザーによってアイコン画像M2がユーザーによってタッチされると、特定色調モード設定状態101を変更される。
図10(b)〜図10(d)に示すように、制御部11は、特定色調データ102と読取色調データとの色調の差分の大きさに応じて、アイコン画像M2の濃度を変更するようにタッチパネル21を制御する。詳しくは、制御部11は、特定色調データ102と読取色調データとの色調の差分が多くなるにつれて、アイコン画像M2の濃度を濃くするようにタッチパネル21を制御する。したがって、ユーザーがアイコン画像M2を確認することによって、特定色調データ102と読取色調データとの色調の差分が多いことを視認することができる。
なお、制御部11は、特定色調データ102と読取色調データとの色調の差分の大きさに応じて、アイコン画像M2に表示される文字の傾きを変更するようにタッチパネル21を制御してもよい。図11を参照して、アイコン画像M2の文字の傾きの変更について説明する。図11(a)〜図11(c)は、アイコン画像M2を示す図である。
図11(a)〜図11(c)に示すように、制御部11は、特定色調データ102と読取色調データとの色調の差分の大きさに応じて、アイコン画像M2に表示される文字の傾きを変更するようにタッチパネル21を制御する。詳しくは、制御部11は、特定色調データ102と読取色調データとの色調の差分が多くなるにつれて、アイコン画像M2に表示される文字の傾きを大きくするようにタッチパネル21を制御する。したがって、ユーザーがアイコン画像M2を確認することによって、特定色調データ102と読取色調データとの色調の差分が大きいことを視認することができる。
以上、図面(図1〜図11)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)〜(2))。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(1)本発明の実施形態において、画像形成装置100が複合機である場合を例に説明したが、画像形成装置100は、例えば、コピー機またはプリンターであってもよい。
(2)本発明の実施形態では、電子写真方式の画像形成装置100に本発明が適用される場合を例に説明したが、本発明は、例えば、インクジェット方式の画像形成装置にも適用可能である。この場合、装着部品は、インクカートリッジである。