JP6891584B2 - プロピレン系重合体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、プロピレン系重合体の製造方法に関し、さらに詳しくは、高い割合でビニル構造を持つように制御されたプロピレン系重合体を、生産性が高く、効率よく製造するプロピレン系重合体の製造方法に関する。
従来、ポリプロピレンは、高融点、高引張強度、高剛性、耐薬品性であるという特徴を有するため、多くの分野において広範囲に用いられている。しかしながら、通常のポリプロピレンは溶融物性が脆弱であり、溶融張力、溶融粘弾性が低い。そのため、発泡成形、シート成形、ブロー成形などへの使用に制限が出てしまう。
そこで、従来のポリプロピレンが持つ溶融物性の悪さを改良する方法として、最近になって、主としてメタロセン触媒を利用したマクロマー共重合法が提案されている。
メタロセン触媒を利用したマクロマー製造方法に関しては、βメチル脱離反応を利用してビニル構造を末端に導入する方法が知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。しかしながら、この方法では高選択的に末端ビニル構造を効率的に得るために比較的高温かつ低圧でスラリー重合する必要がある。こういった重合を行った場合、生成するポリマーは分子量が低く、また錯体の構造により生成する重合体の立体規則性も十分高いものにはならない。
更に、このようなマクロマーとプロピレンとを共重合することにより分岐を導入するマクロマー共重合法を行うが、マクロマーの仕込み量に対して共重合するマクロマー量が少ないため、製品となるマクロマー共重合体の中に無視出来ない量で、こういった低分子量で低立体規則性のマクロマーが残存してしまう。また、こういったマクロマーを使用すると、合成時に副生する低分子量で規則性の低い飽和末端やビニリデン末端の成分が、共重合されることなく含有されることになり、結果として、製品の剛性や衝撃強度といった機械的物性を損なったり、また溶出成分が増大してクリーン性がよくないという欠点が生じてしまう。
また、アズレン配位子を有し特定の部位に嵩高い置換基を有する錯体を使用することにより、ビニル末端を有するポリプロピレンを提供する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、末端ビニル率は十分に高くないためマクロマー共重合用の原料としては不十分であり、また、錯体のマクロマー共重合能力が高くないために分岐成分が導入されていないか、不十分で、スウェルや歪硬化性などの溶融物性が悪いという問題がある。
近年、インデン配位子を有し特定の部位に嵩高い置換基を有するメタロセン化合物と、当該メタロセン化合物と反応してイオン対を形成する化合物又はイオン交換性層状化合物とを組み合わせた触媒により、末端ビニル率が非常に高いプロピレン系重合体が得られることを見出されている(特許文献3参照)。
しかしながら、上記のようなこれまでの技術では、末端ビニル率が高いマクロマー製造の活性は、未だ十分でなく、マクロマーの末端ビニル率を高く維持しつつ、分子量を制御しながら、活性を向上するため、さらなる技術向上が望まれている。
特表2001−525461号公報 特開平11−349634公報 特開2009―299046号公報
Macromol.Rapid Commun.2000,21,1103−1107
したがって、本発明では、上記従来技術の問題点に鑑み、末端ビニル構造を高い割合で有するように制御されたプロピレン系重合体を、従来よりも高い触媒活性で、生産性が高く、効率よく製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定の構造を有するメタロセン化合物に、層間カチオンとしてアルカリ金属イオンを特定量以上含有するイオン交換性層状ケイ酸塩と有機アルミニウム化合物とを組み合わせてオレフィン重合用触媒として用いると、末端ビニル構造を高い割合で有するように制御しながら、従来よりも高い触媒活性でプロピレン系重合体を製造できること、更に、同一水素濃度で低いメルトフローレート(MFR)のプロピレン系重合体、すなわち分子量が高いプロピレン系重合体を製造できることを見出した。
本発明は、これらの知見に基づき、完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記の成分(A)、成分(B)、および成分(C)を含むオレフィン重合用触媒を用いて、プロピレン単独、又は、プロピレンとエチレンおよびα−オレフィンの少なくとも1種とを重合する、末端ビニル率が0.7以上のプロピレン系重合体の製造方法。
成分(A):下記の一般式[I]で表されるメタロセン化合物
Figure 0006891584
[式中、XとXは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、アミノ基または炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基である。RとR11は、互いに同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい5員環を構成する複素環基(但し、5員環を構成する複素環基のヘテロ原子は直接アルカジエニル基と結合しない)である。Yは、2価の、ハロゲンを含有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基、またはゲルミレン基を表す。R、R、R、R、R、R12、R13、R14、R15、R16は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数3〜18の珪素含有アルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基、置換基を有していてもよい5員環又は6員環を構成する複素環基である。また、R、R、R、R、R、R12、R13、R14、R15、R16は、隣接する置換基双方で6〜7員環を構成してもよく、6〜7員環が不飽和結合を含んでいてもよい。]
成分(B):層間カチオンがアルカリ金属イオンを含み、該アルカリ金属イオンの含量が0.62mmol/g以上0.86mmol/g以下であるイオン交換性層状珪酸塩
成分(C):有機アルミニウム化合物
本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記成分(B)において、前記イオン交換性層状ケイ酸塩に含まれるケイ素原子のモル数とアルミニウム原子のモル数の比(Al/Si)が、0.20以上0.23以下である、プロピレン系重合体の製造方法が提供される。
本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記成分(B)の前記イオン交換性層状ケイ酸塩は、酸類による化学処理後、pHが3.5以上となるまで洗浄が行われたものである、プロピレン系重合体の製造方法が提供される。
本発明の第の発明によれば、第1乃至3のいずれかの発明において、前記成分(A)のYが、R20 A(Aは、ゲルマニウム又は珪素であり、R20は、互いに同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基である。隣接するR20双方でAを含む4〜7員環を構成してもよく、5〜7員環で不飽和結合を含んでいてもよい。)で示される2価の架橋基であり、RとR11が、置換基を有していてもよいフリル基又はチエニル基である、プロピレン系重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1乃至4のいずれかの発明において、前記成分(B)は、層間カチオンがリチウムイオンを含み、該リチウムイオンの含量が0.62mmol/g以上0.86mmol/g以下であるイオン交換性層状珪酸塩である、プロピレン系重合体の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第の発明によれば、第1乃至のいずれかの発明において、プロピレンを溶媒として用いるバルク重合またはモノマーをガス状に保つ気相重合で重合を行う、プロピレン系重合体の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第の発明によれば、第1乃至のいずれかの発明において、重合時に水素をプロピレンに対してモル比で1.0×10−6以上、1.0×10−2以下の範囲で用いる、プロピレン系重合体の製造方法が提供される。
本発明によれば、末端ビニル構造を高い割合で有するように制御されたプロピレン系重合体を、従来よりも高い触媒活性により、生産性が高く、効率よく製造する方法を提供することができる。更に、本発明によれば、末端ビニル構造を高い割合で有するように制御しながら、同一水素濃度で低いメルトフローレート(MFR)のプロピレン系重合体、すなわち分子量が高いプロピレン系重合体を、従来よりも高い触媒活性で製造することができる。当該プロピレン系重合体を、末端ビニル率が高いマクロマーとして使用する場合には、生産性が高く効率よく、マクロマー共重合体を製造することができ、末端に官能基を有したプロピレン系重合体を得る原料として用いた場合にも、生産性が高く効率よく、末端に官能基を有したプロピレン系重合体を製造することができる。
図1は、実施例及び比較例において、イオン交換性層状珪酸塩に含まれるアルカリ金属イオン含量に対して、触媒活性をプロットした図である。 図2は、GPCにおけるクロマトグラムのベースラインと区間の説明の図である。
I.オレフィン重合用触媒成分の製造方法
本発明のプロピレン系重合体の製造方法は、下記の成分(A)、成分(B)、および成分(C)を含むオレフィン重合用触媒を用いて、プロピレン単独、又は、プロピレンとエチレンおよびα−オレフィンの少なくとも1種とを重合する、末端ビニル率が0.7以上のプロピレン系重合体の製造方法である。
成分(A):下記の一般式[I]で表されるメタロセン化合物
Figure 0006891584
[式中、XとXは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、アミノ基または炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基である。RとR11は、互いに同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい5員環を構成する複素環基(但し、5員環を構成する複素環基のヘテロ原子は直接アルカジエニル基と結合しない)である。Yは、2価の、ハロゲンを含有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基、またはゲルミレン基を表す。R、R、R、R、R、R12、R13、R14、R15、R16は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数3〜18の珪素含有アルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基、置換基を有していてもよい5員環又は6員環を構成する複素環基である。また、R、R、R、R、R、R12、R13、R14、R15、R16は、隣接する置換基双方で6〜7員環を構成してもよく、6〜7員環が不飽和結合を含んでいてもよい。]
成分(B):層間カチオンがアルカリ金属イオンを含み、該アルカリ金属イオンの含量が0.33mmol/g以上であるイオン交換性層状珪酸塩
成分(C):有機アルミニウム化合物
本発明のプロピレン系重合体の製造方法によれば、前記特定の構造を有するメタロセン化合物(成分(A))に、層間カチオンとしてアルカリ金属イオンを特定量以上含有するイオン交換性層状ケイ酸塩(成分(B))と有機アルミニウム化合物(成分(C))とを組み合わせてオレフィン重合用触媒として用いることにより、従来よりも高い活性で、末端ビニル構造を高い割合で有するように制御しながらプロピレン系重合体を製造できる。
上記組み合わせの作用については、未解明であるが、以下のように推定できる。
層間カチオンとしてアルカリ金属イオンを特定量以上含有するイオン交換性層状ケイ酸塩は、層間カチオンとして水素イオンを有しているイオン交換性層状珪酸塩に対して、水素イオンよりも陽イオン性が小さい陽イオンが多く置換されていることで、イオン性の違いによる微妙な性質の変化が与えられ、重合活性点を形成しやすい層状ケイ酸塩の構造になるか、イオン交換性層状ケイ酸塩の層間カチオンとして存在する当該特定量以上のアルカリ金属イオンの影響によって、前記特定の構造を有するメタロセン化合物におけるXとXの配位子が従来よりも脱離し易くなり、重合が開始され易くなって、従来よりも高い活性で、末端ビニル構造を高い割合で有するように制御しながらプロピレン系重合体を製造できると推定される。
また、前記特定の構造を有するメタロセン化合物に、層間カチオンとしてアルカリ金属イオンを特定量以上含有するイオン交換性層状ケイ酸塩を組み合わせると、層間カチオンとして、水素イオンよりも陽イオン性が小さい陽イオンが多く置換されていることによる電気的なバランスによって、末端ビニル率を高くする触媒活性を阻害することなく、同一水素濃度で従来よりもいわゆる水素レスポンスが低くなり、低いメルトフローレート(MFR)のプロピレン系重合体、すなわち分子量が高いプロピレン系重合体を製造できると推定される。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、“x〜y”という範囲を示す表記は、特に断りが無い限り、当該範囲にxとyが入るものとする。
1.オレフィン重合用触媒
(1)成分(A)
本発明に用いられる成分(A)は、下記一般式[I]で表されるハフニウムを中心金属とするメタロセン化合物である。
Figure 0006891584
[式中、XとXは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、アミノ基または炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基である。RとR11は、互いに同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい5員環を構成する複素環基(但し、5員環を構成する複素環基のヘテロ原子は直接アルカジエニル基と結合しない)である。Yは、2価の、ハロゲンを含有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基、またはゲルミレン基を表す。R、R、R、R、R、R12、R13、R14、R15、R16は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数3〜18の珪素含有アルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基、置換基を有していてもよい5員環又は6員環を構成する複素環基である。また、R、R、R、R、R、R12、R13、R14、R15、R16は、隣接する置換基双方で6〜7員環を構成してもよく、6〜7員環が不飽和結合を含んでいてもよい。]
ここで、XとXは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、アミノ基または炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基である。XとXは、Hfとσ結合を形成する配位子であり、成分(B)および成分(C)とともにオレフィン重合能を有する活性なメタロセンを生成させる。XおよびXとしては、メタロセン化合物の安定性の点から、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基が好ましく、塩素、臭素、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基が特に好ましい。
とR11は、互いに同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい5員環を構成する複素環基(但し、5員環を構成する複素環基のヘテロ原子は直接アルカジエニル基と結合しない)である。複素環の具体例としては、ピロリジル、フリル、ベンゾフリル、チエニル、ベンゾチエニル、チアノフリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリルなどを挙げることができ、これら複素環に炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜6の珪素含有アルキル基、炭素数6〜18のアリール基、もしくは炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基の置換基を有していてもよく、隣接する炭素と環状構造をとっていてもよい。特に好ましい複素環は活性、末端ビニル率の高さの点から2−フリル基、2−チエニル基である。また、置換された2−フリル基、置換された2−チエニル基、の置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基、トリアルキルシリル基、が好ましく、これらのうち、アルキル基が特に好ましい。
また、メタロセン化合物の合成のしやすさから、フリル基、チエニル基の5’位に置換基を有していたほうが、好ましい。フリル基、またはチエニル基の具体例としては、2−フリル、3−フリル、(5−メチル−2−フリル)、(5−メチル−3−フリル)、(5−t−ブチル−3−フリル)、(5−トリメチルシリル−3−フリル)、(5−トリエチルシリル−3−フリル)、(5−フェニル−3−フリル)、(5−トリル−3−フリル)、(5−フルオロフェニル−3−フリル)、(5−クロロフェニル−3−フリル)、(4,5−ジメチル−2−フリル)、(3,5−ジメチル−2−フリル)、2−ベンゾフリル、(5−メチル−2−チエノフラン)、2−チエニル、3−チエニル、(5−メチル−2−チエニル)、(5−メチル−3−チエニル)、(5−t−ブチル−3−チエニル)、(5−トリメチルシリル−3−チエニル)、(5−トリエチルシリル−3−チエニル)、(5−フェニル−3−チエニル)、(5−トリル−3−チエニル)、(5−フルオロフェニル−3−チエニル)、(5−クロロフェニル−3−チエニル)、(4,5−ジメチル−2−チエニル)、(3,5−ジメチル−2−チエニル)、2−ベンゾチエニルなどを挙げることができる。
Yは、2価の、ハロゲンを含有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基、またはゲルミレン基を表す。
上述のシリレン基またはゲルミレン基上に2個の炭化水素基が存在する場合は、それらが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
特に、Yが、R20 A(Aは、ゲルマニウム又は珪素であり、R20は、互いに同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基である。隣接するR20双方でAを含む4〜7員環を構成してもよく、5〜7員環で不飽和結合を含んでいてもよい。)で示されるシリレン基、ゲルミレン基が末端ビニル化率の高さから好ましい。具体例としては、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n−プロピル)シリレン、ジ(i−プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン等のアルキルシリレン基、メチル(フェニル)シリレン、ジフェニルシリレン基、これら、ケイ素原子をゲルマニウム原子としたゲルミレン基などを挙げることが出来る。
、R、R、R、R、R12、R13、R14、R15、R16は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数3〜18の珪素含有アルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基、置換基を有していてもよい5員環又は6員環を構成する複素環基である。また、R、R、R、R、R、R12、R13、R14、R15、R16は、隣接する置換基双方で6〜7員環を構成してもよく、6〜7員環が不飽和結合を含んでいてもよい。
炭素数1〜6のアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを挙げることができる。
炭素数1〜6のアルケニル基の具体例としてはビニル、プロペニル、アリル、ブテニル、シクロヘキセニルなどを挙げることができる。
炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、置換基の具体例としてはフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ヨードメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,1,1−テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、ペンタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、5−クロロペンチルを挙げることができる。
炭素数3〜6の珪素含有アルキル基の具体例としてはトリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリルなどを挙げることができる。
炭素数6〜18のアリール基にはアルキル基が置換されていてもよく具体例としてはフェニル、トリル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、トリメチルフェニル、t−ブチルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アセナフチル、フェナントリル、アントリルなどを挙げることができる。
炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基の具体例としては2−,3−,4−置換の各フルオロフェニル、2−,3−,4−置換の各クロロフェニル、2−,3−,4−置換の各ブロモフェニル、2,4−,2,5−,2,6−,3,5−置換の各ジフルオロフェニル、2,4−,2,5−,2,6−,3,5−置換の各ジクロロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタクロロフェニルなどが挙げられる。
複素環基はヘテロ原子で直接アルカジエニル基とは結合していないものであり、複素環の具体例としてはピロリジル基、ピリミジル基、キノリル基、イソキノリル基、カルバゾリル基、フリル基、チエニル基、チアノフリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピロリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基を挙げることができ、これら複素環に炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜6の珪素含有アルキル基、炭素数6〜18のアリール基、もしくは炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基の置換基を有していてもよい。
また、R、R14に置換基を有していた方がよく、好ましくは、炭素数1〜6の炭化水素基、トリアルキルシリル基であり、特に好ましくは炭素数1〜6の炭化水素基である。具体名としては、炭素数1〜6の炭化水素基としてメチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、フェニル基であり、トリアルキルシリル基としてはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基である。
これら、メタロセン化合物のうち、二つのインデニル環の置換基が等しいメタロセン化合物が、合成がしやすく好ましい。
上記一般式(I)で表される化合物のうち、好ましい化合物として、以下に具体的に例示する。
ジクロロ[1,1’−ジフェニルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−チエニル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−t−ブチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−トリメチルシリル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−フェニル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(4,5−ジメチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(2−ベンゾフリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム
ジクロロ[1,1’−ジフェニルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−チエニル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−t−ブチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−チエニル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−t−ブチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−トリメチルシリル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−フェニル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(4,5−ジメチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(2−ベンゾフリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム
ジクロロ[1,1’−ジフェニルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−チエニル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−t−ブチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジフェニルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−(4−t−ブチルフェニル)インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−チエニル)−(4−t−ブチルフェニル)インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−t−ブチル−2−フリル)−(4−t−ブチルフェニル)インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−トリメチルシリル−2−フリル)−(4−t−ブチルフェニル)インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−フェニル−2−フリル)−(4−t−ブチルフェニル)インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(4,5−ジメチル−2−フリル)−(4−t−ブチルフェニル)インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(2−ベンゾフリル)−(4−t−ブチルフェニル)インデニル}]ハフニウム
ジクロロ[1,1’−ジフェニルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−(4−t−ブチルフェニル)インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−チエニル)−(4−t−ブチルフェニル)インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−t−ブチル−2−フリル)−(4−t−ブチルフェニル)インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−チエニル)−(4−t−ブチルフェニル)インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−t−ブチル−2−フリル)−(4−t−ブチルフェニル)インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−トリメチルシリル−2−フリル)−(4−t−ブチルフェニル)インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−フェニル−2−フリル)−(4−t−ブチルフェニル)インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(4,5−ジメチル−2−フリル)−(4−t−ブチルフェニル)インデニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(2−ベンゾフリル)−(4−t−ブチルフェニル)インデニル}]ハフニウム
ジクロロ[1,1’−ジフェニルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−(4−t−ブチルフェニル)インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−チエニル)−(4−t−ブチルフェニル)インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−t−ブチル−2−フリル)−(4−t−ブチルフェニル)インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−クロロフェニル)−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−フルオロフェニル)−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−インデニル}]ハフニウムド、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(1−ナフチル)−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス(2−(5−メチル−2−フリル)−4−(2−ナフチル)−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス(2−(5−メチル−2−フリル)−4−(2−フェナンスリル)−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス(2−(5−メチル−2−フリル)−4−(9−フェナンスリル)−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(3,5−ジクロロフェニル)−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−クロロフェニル)−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−フルオロフェニル)−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−インデニル}]ハフニウムド、
ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(1−ナフチル)−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス(2−(5−メチル−2−フリル)−4−(2−ナフチル)−インデニル}]ハフニウム、ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス(2−(5−メチル−2−フリル)−4−(2−フェナンスリル)−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス(2−(5−メチル−2−フリル)−4−(9−フェナンスリル)−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(3,5−ジクロロフェニル)−インデニル}]ハフニウム、
ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−インデニル}]ハフニウム
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−インデニル){2−(5−メチル−2−チエニル)−4−フェニル−インデニル}]ハフニウム、などを挙げることができる。
(2)成分(B)
本発明に用いられる成分(B)は、層間カチオンがアルカリ金属イオンを含み、該アルカリ金属イオンの含量が0.33mmol/g以上であるイオン交換性層状珪酸塩である。
イオン交換性層状珪酸塩(以下、単に珪酸塩と略記することもある)は、イオン結合などによって構成される面が互いに結合力で平行に積み重なった結晶構造を有し、且つ、含有されるイオンが交換可能である珪酸塩化合物である。大部分の珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出され、水中に分散/膨潤させ、沈降速度等の違いにより精製することが一般的であるが、完全に除去することが困難であることがあり、イオン交換性層状珪酸塩以外の夾雑物(石英、クリストバライト等)を含んでいることが多いが、それらを含んでもよい。それら夾雑物の種類、量、粒子径、結晶性、分散状態によっては純粋な珪酸塩以上に好ましいことがあり、そのような複合体も、成分(B)に含まれる。
尚、本発明の原料とは、後述する本発明の化学処理を行う前段階の珪酸塩をさす。また、本発明で使用する珪酸塩は、天然産のものに限らず、人工合成物であってもよい。
また、本発明においては、化学処理を加える前段階でイオン交換性を有していれば、該処理によって物理的、化学的な性質が変化し、イオン交換性や層構造がなくなった珪酸塩も、イオン交換性層状珪酸塩であるとして取り扱う。
イオン交換性層状珪酸塩の具体例としては、例えば、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1988年)等に記載される1:1型構造や2:1型構造をもつ層状珪酸塩が挙げられる。
1:1型構造とは、前記「粘土鉱物学」等に記載されているような1層の四面体シートと1層の八面体シートが組み合わさっている1:1層構造の積み重なりを基本とする構造を示し、2:1型構造とは、2層の四面体シートが1層の八面体シートを挟み込んでいる2:1層構造の積み重なりを基本とする構造を示す。
1:1層が主要な構成層であるイオン交換性層状珪酸塩の具体例としては、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、メタハロイサイト、ハロイサイト等のカオリン族珪酸塩、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族珪酸塩等が挙げられる。
2:1層が主要な構成層であるイオン交換性層状珪酸塩の具体例としては、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメクタイト族珪酸塩、バーミキュライト等のバーミキュライト族珪酸塩、雲母、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母族珪酸塩、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、パイロフィライト、タルク、緑泥石群等が挙げられる。これらは混合層を形成していてもよい。
これらの中では、主成分が2:1型構造を有するイオン交換性層状珪酸塩であるものが好ましい。より好ましくは、主成分がスメクタイト族珪酸塩であり、さらに好ましくは、主成分がモンモリロナイトである。
層間カチオン(イオン交換性層状珪酸塩の層間に含有される陽イオン)の種類としては、主成分として、リチウム、ナトリウム等の周期律表第1族のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等の周期律表第2族のアルカリ土類金属、あるいは鉄、コバルト、銅、ニッケル、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、イリジウム、白金、金等の遷移金属などが、工業原料として比較的容易に入手可能である。
前記イオン交換性層状珪酸塩は、乾燥状態で用いてもよく、液体にスラリー化した状態で用いてもよい。また、イオン交換性層状珪酸塩の形状については、特に制限はなく、天然に産出する形状、人工的に合成した時点の形状でもよいし、また、粉砕、造粒、分級などの操作によって形状を加工したイオン交換性層状珪酸塩を用いてもよい。このうち造粒されたイオン交換性層状珪酸塩を用いると、該イオン交換性層状珪酸塩を触媒成分として用いた場合に、良好なポリマー粒子性状を与えるため特に好ましい。
造粒、粉砕、分級などのイオン交換性層状珪酸塩の形状の加工は、後述する化学処理の前に行ってもよい(すなわち、あらかじめ形状を加工したイオン交換性層状珪酸塩に下記の化学処理を行ってもよい)し、化学処理を行った後に形状を加工してもよい。
ここで用いられる造粒法としては、例えば、撹拌造粒法、噴霧造粒法、転動造粒法、ブリケッティング、コンパクティング、押出造粒法、流動層造粒法、乳化造粒法、液中造粒法、圧縮成型造粒法等が挙げられるが、特に限定されない。好ましくは、撹拌造粒法、噴霧造粒法、転動造粒法、流動造粒法が挙げられ、特に好ましくは撹拌造粒法、噴霧造粒法が挙げられる。
なお、噴霧造粒を行う場合、原料スラリーの分散媒として、水あるいはメタノール、エタノール、クロロホルム、塩化メチレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の有機溶媒を用いる。好ましくは水を分散媒として用いる。球状粒子が得られる噴霧造粒の原料スラリー液中における珪酸塩の濃度は、0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%、特に好ましくは1〜10重量%である。球状粒子が得られる噴霧造粒の熱風の入口温度は、分散媒により異なるが、水を例にとると80〜260℃、好ましくは100〜220℃で行う。
造粒において、粒子強度の高い担体を得るため、及び、プロピレン重合活性を向上させるためには、珪酸塩を必要に応じ微細化する。珪酸塩は、如何なる方法において微細化してもよい。微細化する方法としては、乾式粉砕、湿式粉砕いずれの方法でも可能である。好ましくは、水を分散媒として使用し珪酸塩の膨潤性を利用した湿式粉砕であり、例えばポリトロン等を使用した強制撹拌による方法やダイノーミル、パールミル等による方法がある。造粒する前の平均粒径は、0.01〜3μm、好ましくは0.05〜1μmである。
また、造粒の際に有機物、無機溶媒、無機塩、各種バインダーを用いてもよい。用いられるバインダーとしては、例えば、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネシウム、アルコール類、グリコール等が挙げられる。
上記のようにして得られた球状粒子は、重合工程での破砕や微粉発生を抑制するためには、0.2MPa以上の圧縮破壊強度を有することが好ましい。また、造粒されたイオン交換性層状珪酸塩の粒径は、0.1〜1000μm、好ましくは1〜500μmの範囲である。粉砕法についても特に制限はなく、乾式粉砕、湿式粉砕のいずれでもよい。
本発明に係る成分(B)のイオン交換性層状珪酸塩としては、層間カチオンが、リチウム、ナトリウム等の周期律表第1族のアルカリ金属のイオンを含み、該アルカリ金属イオンの含量が0.33mmol/g以上であるものを用いる。
本発明に係る成分(B)のイオン交換性層状珪酸塩としては、前記アルカリイオンの含量が0.33mmol/g以上であるならば、特に処理を行うことなくそのまま用いることができるが、通常は、前記アルカリ金属イオンの含量が0.33mmol/g以上とするために、化学処理を行なうことが望ましい。イオン交換性層状珪酸塩の化学処理とは、酸類、塩類、アルカリ類、有機物等とイオン交換性層状珪酸塩とを接触させることをいう。このような化学処理によって、層間カチオンの交換を行うことができる。
中でも、前記アルカリ金属イオンの含量を0.33mmol/g以上とするために、イオン交換性層状珪酸塩について、酸類処理と、アルカリ金属イオン含量を増加させる塩類処理とを行うか、酸類処理と、アルカリ金属イオン含量を増加させるアルカリ類処理とを行うことが好ましい。さらに、イオン交換性層状珪酸塩について、酸類処理を行った後、塩類処理又はアルカリ類処理を行う前に、pHが3.5以上となるまで、洗浄を行うことが好ましい。
以下に、処理剤(酸類、塩類、アルカリ類)や化学処理条件、乾燥条件、化学処理後の組成について詳細に説明する。なお、本発明では、これら酸類、塩類を組み合わせたものを処理剤として用いてもよい。また、これらの処理剤は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの組み合わせは、処理開始時に添加する処理剤について組み合わせて用いてもよいし、処理の途中で添加する処理剤について、組み合わせて用いてもよい。また化学処理は、同一または異なる処理剤を用いて複数回行うことも可能である。
(i)酸類
層状ケイ酸塩を、酸類と接触させると、表面の不純物が除去されるだけでなく層間に存在する陽イオンの交換を行うほか、結晶構造の中に取り込まれているAl、Fe、Mg等の陽イオンの一部又は全部を溶出させることができる。
この溶出の過程において、酸点、細孔構造、比表面積等の特性が変化する(参考文献:「粘土ハンドブック第三版」236ページ、2009年4月30日発行、技報堂出版株式会社参照。)。
次に、その接触方法などについて説明する。
層状ケイ酸塩と酸類との接触は、層状ケイ酸塩のスラリー下で行うことが好ましい。スラリー化のための溶媒としては、水、アルコール等の有機溶媒などが挙げられる。
酸自体が液状であれば、酸自身が溶媒であってもよい。
酸類の濃度としては、スラリーの酸濃度を重量%[使用する酸の重量÷(使用する層状ケイ酸塩の重量と反応に使用する溶媒、酸、その他使用する試薬等の重量の総和)、%]で示すと、下限は、好ましくは3wt%で、より好ましくは5wt%である。一方、濃度の上限は、高い末端ビニル率のプロピレン系重合体を製造するための触媒活性を向上する点から、好ましくは20wt%で、より好ましくは15wt%、さらに好ましくは10wt%である。
また、処理温度の下限は、好ましくは40℃で、より好ましくは50℃、さらに好ましくは60℃である。処理温度の上限は、好ましくは102℃で、より好ましくは100℃、さらに好ましくは95℃である。あまり温度を低下させると、極端に陽イオンの溶出速度が低下し、製造効率が低下するおそれがある。一方、温度を上げ過ぎると、操作上の安全性が低下するおそれがある。
また、このときの層状ケイ酸塩の濃度[層状ケイ酸塩の重量÷(層状ケイ酸塩の重量+試薬,溶媒などの重量の総和)、%]の下限は、好ましくは3wt%で、より好ましくは5wt%である。一方、層状ケイ酸塩の濃度の上限は、好ましくは30wt%で、より好ましくは25wt%、さらに好ましくは20wt%である。濃度が低くなると、工業的に生産する場合は、大きな設備が必要となってしまう恐れがある。一方、濃度が高い場合には、スラリーの粘度が上昇してしまい、均一な攪拌混合が困難になり、やはり製造効率が低下するおそれがある。
さらに、処理時間としては、特に制限はないが、前述の金属の溶出量と処理条件(上記酸類の濃度、処理温度、層状ケイ酸塩スラリーの濃度)によって決まるものであり、本発明に好ましい溶出量となる時間に設定するのが好ましい。
酸類による化学処理は、複数回に分けて行うことも、可能である。
使用する酸類として、塩酸、硫酸、硝酸、シュウ酸、安息香酸、ステアリン酸、プロピリオン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸などの無機酸および有機酸が例示される。その中でも、無機酸が好ましく、塩酸、硝酸、硫酸がより好ましい。さらに好ましくは塩酸、硫酸であり、特に好ましくは硫酸である。
上述の酸類による化学処理で、八面体シートを構成する主金属の溶出量の下限は、化学処理前の含有量に対して、好ましくは5%で、より好ましくは10%であり、さらに好ましくは15%であり、よりさらに好ましくは20%である。一方、主金属の溶出量の上限は、好ましくは70%であり、より好ましくは65%であり、さらに好ましくは60%、よりさらに好ましくは50%、特に好ましくは45%、もっとも好ましくは40%である。ここで溶出する八面体を構成する主金属は、アルミニウム、マグネシウム、鉄等が挙げられ、好ましくはアルミニウムである。
主金属の溶出量の計算は、次のようにモル比から求める。例えば、主金属がアルミニウムの場合では、以下の式で、表される。
[酸類と接触前のアルミニウム/珪素(モル比)−酸類と接触後のアルミニウム/珪素(モル比)]÷酸類と接触前のアルミニウム/珪素(モル比)×100 (%)
酸類による化学処理後、後述する塩類処理やアルカリ類処理を行う前に、水などの溶媒で洗浄することが好ましい。層間カチオンのアルカリ金属イオン含量を増加させる点から、酸類による化学処理後の洗浄は、pHが3.5以上となるまで行うことが好ましく、pHが3.8以上となるまで行うことがさらに好ましい。
(ii)塩類
本発明の塩類処理において用いられる塩類としては、アルカリ金属イオン含量を増加させる点から、アルカリ金属陽イオンからなる群から選ばれる陽イオンと、有機陰イオン、無機陰イオン、ハロゲン化物イオンからなる群から選ばれる陰イオンとから構成される塩類が好ましい。
このような塩類の具体例としては、LiCl、LiBr、LiSO、Li(PO)、LiNO、Li(OOCCH)、NaCl、NaBr、NaSO、Na(PO)、NaNO、Na(OOCCH)、KCl、KBr、KSO、K(PO)、KNO、K(OOCCH)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、陰イオンの例としては、上に例示した陰イオン以外にも、ホウ素化合物、リン化合物からなる陰イオン、例えばヘキサフルオロフォスフェート、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレート等が挙げられる。
塩類で特に好ましい化合物は、具体的にはLiSO、LiCl、LiBr等である。
存在させる陽イオンの量については、特に制限は無いが、好ましくは層状ケイ酸塩1g当たり0.5mmol以上を存在させて処理することが好ましく、層間カチオンのアルカリ金属イオン含量を増加させる点から1.0mmol以上を存在させて処理することがさらに好ましい。この陽イオンは、1種類を単独で用いてもよいし2種類以上を組み合わせて用いてもよい。組み合わせて用いる場合、存在させる量はそれぞれの合計が層状ケイ酸塩1gあたり0.5mmol以上、更に1.0mmol以上であることが好ましい。
また、処理温度の下限は、好ましくは25℃で、より好ましくは30℃、さらに好ましくは40℃である。処理温度の上限は、好ましくは80℃で、より好ましくは70℃、さらに好ましくは60℃である。アルカリ金属イオン含量を多くする点からは、処理温度は高くしすぎない方が好ましい。また、あまり温度を低下させると、極端に陽イオンの溶出速度が低下し、製造効率が低下するおそれがある。一方、温度を上げ過ぎると、操作上の安全性が低下するおそれがある。
また、このときの層状ケイ酸塩の濃度[層状ケイ酸塩の重量÷(層状ケイ酸塩の重量+試薬,溶媒などの重量の総和)、%]の下限は、好ましくは3wt%で、より好ましくは5wt%である。一方、層状ケイ酸塩の濃度の上限は、好ましくは30wt%で、より好ましくは25wt%、さらに好ましくは20wt%である。濃度が低くなると、工業的に生産する場合は、大きな設備が必要となってしまう恐れがある。一方、濃度が高い場合には、スラリーの粘度が上昇してしまい、均一な攪拌混合が困難になり、やはり製造効率が低下するおそれがある。
処理時間としては、特に制限はないが、前述の金属の溶出量と処理条件(上記塩類の濃度、処理温度、層状ケイ酸塩スラリーの濃度)によって決まるものであり、本発明に好ましい金属イオン含量となる時間に設定するのが好ましい。
また、層状ケイ酸塩の層間にアルカリ金属イオン含量を増加させるために、反応後スラリーを一旦洗浄して固体分を得た後、当該固体分に対して上記塩類処理を行うように、上記塩類処理を2回以上繰り返し行ってもよい。
塩類による化学処理後、水などの溶媒で洗浄することが好ましい。不要な水素イオンを除去する観点から、塩類による化学処理後の洗浄は、pHが4.0以上となるまで行うことが好ましく、pHが4.5以上となるまで行うことがさらに好ましい。
(iii)アルカリ類
層状ケイ酸塩を、アルカリ類と接触させると、層状ケイ酸塩の結晶構造が破壊され、層状ケイ酸塩の構造の変化をもたらすことができる。
アルカリ類処理で用いられる処理剤としては、LiOH、NaOH、KOH、Mg(OH)、Ca(OH)、Sr(OH)、Ba(OH)などが例示される。
本発明におけるアルカリ類としては、アルカリ金属の水酸化物を用いて、アルカリ金属イオン含量を増加させることが好ましい。中でも、LiOH、NaOHを用いることが好ましい。
アルカリ類による化学処理後、水などの溶媒で洗浄することが好ましい。アルカリ類による化学処理後の洗浄は、pHが4.0以上8.5以下となるまで行うことが好ましく、pHが4.5以上8.0以下となるまで行うことがさらに好ましい。
(iv)乾燥
上記化学処理を実施した後に、過剰の処理剤及び処理により溶出したイオンの除去をすることが可能である点から、洗浄および脱水を行い、その後は乾燥を行うことが好ましい。この際、一般的には、水や有機溶媒などの液体を使用する。脱水後は、乾燥を行うが、一般的には、乾燥温度は、好ましくは150℃〜600℃で実施可能であり、本発明においては特に好ましくは150℃〜300℃で実施することが好ましい。温度が高すぎると、珪酸塩の構造破壊を生じるおそれがあるので好ましくない。
これらのイオン交換性層状珪酸塩は、構造破壊されなくとも乾燥温度により特性が変化するために、用途に応じて乾燥温度を変えることが好ましい。乾燥時間は、通常1分〜24時間、好ましくは5分〜4時間であり、雰囲気は、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、又は減圧下であることが好ましい。乾燥方法に関しては特に限定されず各種方法で実施可能である。
(v)イオン交換性層状珪酸塩の化学処理後の組成
化学処理されたイオン交換性層状珪酸塩は、本発明に係る成分(B)として、Al/Siの原子比が、0.01〜0.25、好ましくは0.03〜0.24、さらには0.05〜0.23の範囲のものがよい。Al/Si原子比は、粘土部分の酸処理強度の指標となるものとみられる。また、上記の範囲にAl/Si原子比を制御する方法としては、化学処理前のイオン交換性層状珪酸塩として、モンモリロナイトを使用し、上記記載の酸処理をおこなう方法が挙げられる。
本発明に係る成分(B)のイオン交換性層状珪酸塩としては、層間カチオンがリチウムイオンを含み、該リチウムイオンの含量が0.33mmol/g以上であることが、イオン交換性層状珪酸塩の持つ電荷のバランスの観点から、好ましい。
また、本発明に係る成分(B)のイオン交換性層状珪酸塩としては、触媒活性を高くする点から、層間カチオンがアルカリ金属のイオンを含み、該アルカリ金属イオンの含量が0.40mmol/g以上であることが更に好ましく、更に0.45mmol/g以上であることがより更に好ましい。
なお、イオン交換性層状珪酸塩中のアルミニウム及びケイ素等の含量は、JIS法による化学分析による方法で検量線を作成し、蛍光X線(XRF)分析で定量するという方法で測定される。また、リチウムの含量は、硫酸とフッ化水素酸を添加して加熱し、Siを除去した後、原子吸光光度計(日立製作所製、Z−5310型)で定量することができる。より具体的には、実施例に記載の方法で定量することができる。
(3)成分(C)
本発明に用いられる触媒成分(C)は、有機アルミニウム化合物であり、好ましくは、一般式(AlR3−nで表される有機アルミニウム化合物が使用される。式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表し、Xはハロゲン、水素、アルコキシ基又はアミノ基を表し、nは1〜3の、mは1〜2の整数を各々表す。有機アルミニウム化合物は、単独であるいは複数種を組み合わせて使用することができる。
有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルプロピルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム、トリノルマルデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムジメチルアミド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムクロライド等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、m=1、n=3のトリアルキルアルミニウム及びアルキルアルミニウムヒドリドである。さらに好ましくは、Rが炭素数1〜8であるトリアルキルアルミニウムである。
(4)触媒の調製
(4−1)調製方法
本発明に係るオレフィン重合用触媒は、上記成分(A)、成分(B)及び成分(C)を含む。これらは、重合槽内で、あるいは重合槽外で接触させオレフィンの存在下で予備重合を行ってもよい。
また、各成分は分割して接触させてもよく、特に成分(C)は、あらかじめ成分(A)、成分(B)と接触させてもよく、重合時に添加してもよい。
本発明で使用する成分(A)、(B)および(C)の使用量は任意であるが、成分(B)に対する成分(A)の使用量は、成分(B)1gに対し、好ましくは0.1μmol〜1000μmol、特に好ましくは0.5μmol〜500μmolの範囲である。成分(A)に対する成分(C)の量は、成分(A)の遷移金属に対する成分(C)アルミニウムのモル比で、好ましくは0.01〜5×10、特に好ましくは0.1〜10000、の範囲内が好ましい。
前記成分(A)、成分(B)及び成分(C)を接触させる順番は、任意であり、これらのうち2つの成分を接触させた後に残りの1成分を接触させてもよいし、3つの成分を同時に接触させてもよい。これらの接触において、接触を充分に行うため、溶媒を用いてもよい。溶媒としては、脂肪族飽和炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族不飽和炭化水素やこれらのハロゲン化物、また予備重合モノマーなどが例示される。脂肪族飽和炭化水素、芳香族炭化水素の例として、具体的にはヘキサン、ヘプタン、トルエン等が挙げられる。また予備重合モノマーとしては、プロピレンを溶媒として用いることができる。
本発明で用いるオレフィン重合用触媒において任意成分の担体として、無機又は有機の化合物から成り、通常5μm〜5mm、好ましくは10μm〜2mmの粒径を有する微粒子状の担体を加えてもよい。
上記の無機担体としては、例えば、SiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、ZnOなどの酸化物、SiO−MgO、SiO−Al、SiO−TiO、SiO−Cr、SiO−Al−MgOなどの複合酸化物などが挙げられる。
上記の有機担体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数2〜14のα−オレフィンの(共)重合体、スチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族不飽和炭化水素の(共)重合体などから成る多孔質ポリマーの微粒子担体が挙げられる。
これらの微粒子の比表面積は、通常20〜1,000m/g、好ましくは50〜700m/gであり、細孔容積は、通常0.1cm/g以上、好ましくは0.3cm/g以上、さらに好ましくは0.8cm/g以上のものが適している。
(4−2)予備重合
本発明に係る触媒は、前記のように、これにオレフィンを接触させて少量重合されることからなる予備重合処理に付されることが好ましい。使用するオレフィンは、特に限定はないが、前記のように、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレン等を例示することができる。オレフィンのフィード方法は、オレフィンを反応槽に定速的にあるいは定圧状態になるように維持するフィード方法やその組み合わせ、段階的な変化をさせる等、任意の方法が可能である。
予備重合温度、時間は、特に限定されないが、各々−20℃〜100℃、5分〜24時間の範囲であることが好ましい。また、予備重合量は、成分(B)に対する予備重合ポリマーの重量比が好ましくは0.01〜100、さらに好ましくは0.1〜50である。また、予備重合時に成分(C)を添加、又は追加することもできる。
上記各成分の接触の際もしくは接触の後に、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体、シリカ、チタニア等の無機酸化物の固体を共存させる等の方法も可能である。
予備重合後に触媒を乾燥してもよい。乾燥方法には、特に制限は無いが、減圧乾燥や加熱乾燥、乾燥ガスを流通させることによる乾燥などが例示され、これらの方法を単独で用いても良いし2つ以上の方法を組み合わせて用いてもよい。乾燥工程において触媒を攪拌、振動、流動させてもよいし静置させてもよい。また、防失活剤として、アルキルアルミを添加してもよい。
2.重合方法
重合形態は、前記成分(A)、成分(B)及び成分(C)からなるオレフィン重合用触媒とモノマーが効率よく接触するならば、あらゆる様式を採用しうる。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー法、不活性溶媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒として用いるバルク重合法あるいは実質的に液体溶媒を用いず各モノマーをガス状に保つ気相重合法などが採用でき、生産効率の点で、プロピレンを溶媒として用いるバルク重合または各モノマーをガス状に保つ気相重合で行うことが好ましい。
また、重合方式は、連続重合、回分式重合、又は予備重合を行う方法も適用される。
スラリー重合の場合は、重合溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族又は芳香族炭化水素の単独又は混合物が用いられる。重合温度は、0〜150℃であり、好ましくは60〜90℃である。重合圧力は、0.01〜3MPaG、好ましくは0.1〜2MPaGが適当である。
プロピレンを溶媒として用いるバルク重合法の場合は、重合温度は、0〜90℃であり、好ましくは60〜80℃であり、さらに好ましくは65〜75℃である。重合圧力は、0〜5MPaG、好ましくは0〜4MPaGが適当である。
気相重合の場合は、重合温度は、0〜150℃であり、好ましくは60〜120℃であり、さらに好ましくは70〜100℃である。重合圧力は、0.01〜4MPaG、好ましくは0.1〜3MPaGが適当である。
さらに、活性向上効果のために、分子量調節剤として補助的に水素を用いることができる。通常水素は、連鎖移動剤として機能して飽和末端を生成するが、本発明のプロピレン系重合体の製造法では、驚くべきことに水素を加えても、依然ビニル末端割合が高いまま保たれる。しかも水素を加えることにより活性が向上する。
そこで水素は、プロピレンに対してモル比で1.0×10−6以上、1.0×10−2以下の範囲で用いるのがよく、好ましくは1.0×10−5以上であり、さらに好ましくは1.0×10−4以上用いるのがよい。また上限に関しては、1.0×10−2以下で用いるのがよく、好ましくは0.9×10−2以下であり、更に好ましくは0.8×10−2以下である。
本発明はプロピレン単独、又は、プロピレンとエチレンおよびα−オレフィンの少なくとも1種とを重合するプロピレン系重合体を製造する方法であり、ここでいうα−オレフィンとしては、炭素数4〜20のオレフィンが適当であり、具体的には1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ビニルシクロヘキサン、ジエン、トリエン、環状オレフィンなどを挙げることができ、更にこれらの2種以上の混合物であってもよい。
3.末端ビニル率が0.7以上のプロピレン系重合体
(1)末端構造
本発明により製造されるプロピレン系重合体は、全ポリマー鎖のうち、片方の末端にビニル基を持つ鎖の割合(末端ビニル率)が0.7以上である。
プロピレンの重合において、ポリマーの成長停止反応としては、一般的にβ水素が脱離して、下記構造式(1−b)に示すビニリデン構造の末端が生成する。また、水素を用いた場合には、通常水素へ連鎖移動が優先的に起こり下記構造式(1−c)に示すような飽和末端(イソブチル構造)が末端に生成する。
しかしながら、特殊な構造の錯体を用いた場合には、β−メチル脱離と一般に呼ばれる特殊な連鎖移動反応が起こり、下記構造式(1−a)に示すビニル構造(プロペニル構造)を末端にもったポリマーが生成する(参照文献:Macromol.Rapid Commun.2000,21,1103―1107)。本発明で用いられる成分(A)を用い、水素を用いた場合には、活性が増大しつつ優先的にβメチル脱離反応がおこり構造式(1−a)のビニル構造(プロペニル構造)が主に生成する。
Figure 0006891584
構造式(1−a)、構造式(1−b)、構造式(1−c)のうち、メタロセン錯体やチーグラー触媒で共重合可能なものは、構造式(1−a)に示すビニル構造のみである。したがって、全末端構造の内、共重合可能な末端ビニル率が高いほうがマクロマーとして効率が高いことを意味する。本発明により得られるプロピレン系重合体は、この末端ビニル率が0.7より大きくマクロマーとしての効率が高く、末端ビニル率としては好ましくは0.8以上である。更に好ましくは0.9以上であり、理想的には1.0(すべてのポリマーにおいて片方の末端がすべてビニル基)である。
また、βメチル脱離反応とは反対に、β水素脱離反応の結果生成する構造式(1−b)に示す末端ビニリデン構造は共重合できない。したがって末端ビニリデン構造をおおく含むような重合体をマクロマー共重合に使用した場合には、末端ビニリデンはそのまま残存してしまいマクロマーとしての効率を低下させる。またそのような低分子量体は物性を悪化させる。そこで末端ビニリデン率が0.1より小さいほうが好ましく、更に好ましくは0.05未満であり、理想的には0(末端ビニリデンが実質的に存在しない)である。
また、βメチル脱離反応、β水素脱離反応の後の開始末端はそれぞれ、イソブチル末端、n―プロピル末端であり飽和炭化水素末端となる。すなわち開始末端は必ず飽和炭化水素末端であり、両末端が不飽和末端となることはない。
末端ビニル率と末端ビニリデン率は、13C−NMRから得られるビニル(プロペニル)末端濃度[Vi]と、ビニリデン末端濃度[Vd]を、GPCより求めた数平均分子量(Mn)から得られる全ポリマー鎖数に対する割合として、下式を用いて算出する。
(末端ビニル率)=(Mn/42)×2×[Vi]/1000
(末端ビニリデン率)=(Mn/42)×2×[Vd]/1000
(ただし、MnはGPCによりもとめた数平均分子量、[Vi]は13C−NMRより算出する全骨格形成炭素1000個当りの末端ビニル基の数、[Vd]は13C−NMRより算出する全骨格形成炭素1000個当りの末端ビニリデン基の数である。)
ここで、13C−NMRによるビニル(プロペニル)末端濃度[Vi]およびビニリデン末端濃度[Vd]の測定法の詳細は、以下の通りである。
試料390mgをNMRサンプル管(10φ)中で重水素化1,1,2,2、−テトラクロロエタン2.6mlに完全に溶解させた後、125℃でプロトン完全デカップリング法で測定する。ケミカルシフトは、重水素化1,1,2,2−テトラクロロエタンの3本のピークの中央のピークを74.2ppmに設定する。他の炭素ピークのケミカルシフトはこれを基準とする。
フリップ角:90度 パルス間隔:10秒
共鳴周波数:100MHz以上
積算回数:10,000回以上
観測域:−20ppmから179ppm
[Vi]は、構造式(1−a)の炭素1と炭素2が約115.5ppm、約137.6ppmに検出されることを利用し、[Vd]は、構造式(1−b)の炭素3と炭素4が約111.2ppm、約144.5ppmに検出されることを利用して、それぞれ全骨格形成炭素1000個に対する個数として下式のように算出する。ここで全骨格形成炭素とは、メチル炭素以外の全ての炭素原子を意味する。
[Vi]=[炭素1のピーク強度]/[全骨格形成炭素のピーク強度の総和]×1000
[Vd]=[炭素3のピーク強度]/[全骨格形成炭素のピーク強度の総和]×1000
数平均分子量(Mn)の値は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって得られるものであるが、その測定法、測定機器の詳細は、以下の通りである。
装置:Waters社製GPC(ALC/GPC、150C)
検出器:FOXBORO社製MIRAN、1A、IR検出器(測定波長:3.42μm)
カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本)
移動相溶媒:o−ジクロロベンゼン(ODCB)
測定温度:140℃
流速:1.0ml/分
注入量:0.2ml
試料の調製は、ODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)を用いて、試料を1mg/mLの溶液となるように調製し、140℃で約1時間を要して溶解させて行う。
なお、得られたクロマトグラムのベースラインと区間は、図2のように行う。
また、GPC測定で得られた保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。使用する標準ポリスチレンは、何れも東ソー社製の以下の銘柄である。
銘柄:F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000
各々が0.5mg/mLとなるように、ODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.2mL注入して、較正曲線を作成する。較正曲線は、最小二乗法で近似して得られる三次式を用いる。
分子量への換算に使用する粘度式:[η]=K×Mαは、以下の数値を用いる。
PS:K=1.38×10−4、α=0.7
PP:K=1.03×10−4、α=0.78
(2)MFR
本発明で得られるプロピレン系重合体は、メルトフローレート(MFR)が、45以上であることが望ましい。このMFRが45以上では、単位重量当たりの末端ビニル量が高まり、反応性を高めることができる。メルトフローレート(MFR)は、より好ましくは65以上であり、さらに好ましくは100以上である。
なお、メルトフローレート(MFR)は、JIS K6758のポリプロピレン試験方法のメルトフローレート(試験条件:230℃、荷重2.16kgf)に従って、測定する。単位はg/10分である。
また、本発明で得られるプロピレン系重合体は、必要に応じて、公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、造核剤、滑剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、着色剤、無機質または有機質の充填剤等の各種添加剤、更には種々の合成樹脂を配合した後、溶融混練機を用いて加熱溶融混練後、更に粒状に切断されたペレットとして、成形材料に供することが可能である。
これらペレット状の成形材料は、各種既知のポリプロピレンの成形法、例えば射出成形、押し出し成形、発泡成形、中空成形等の技術によって成形が行われ、各種工業用射出成形部品、各種容器、無延伸フィルム、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルム、シート、パイプ、繊維等の各種成形品を製造することができる。
また、本発明のプロピレン系重合体は、ビニル末端構造を高い割合で含有するように末端構造を高度に制御したプロピレン系重合体であるので、その特性により、マクロマー、塗料、プライマー、表面改質材、コーティング材の原料等、として用いることができる。
本発明のプロピレン系重合体をマクロマーとして用い、マクロマーとプロピレンとを共重合することにより分岐を導入したマクロマー共重合体を得て、当該マクロマー共重合体を、上述のように各種添加剤、更には種々の合成樹脂を配合した後、ペレットとして、成形材料に供することが可能であり、上述のように、各種成形品を製造することができる。
次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性測定、分析等は、下記の方法に従ったものである。
また、室温とは、特に断りがない限り、25℃である。
(1)メルトフローレート(MFR):JIS K6758のポリプロピレン試験方法のメルトフローレート(試験条件:230℃、荷重2.16kgf)に従って、測定した。単位はg/10分である。
(2)末端ビニル率:日本電子社製、GSX−400、FT−NMRを用い、上記本明細書記載の方法で測定した。単位は%である。
(3)層状ケイ酸塩の組成分析:
AlおよびSiは、700℃で1時間試料を焼成したのち、試料0.5gを融剤(Li)4.5g、剥離剤(KBr)0.03gと混合し、ガラスビードを作成し、XRF分析装置(理学電機工業(株)ZSX−100e)により、検量線法にて定量分析を行った。
検量線範囲は、Siが19.48〜44.22%、Alが2.01〜19.41%である。
Liは、試料を石英製ビーカーに採取し、電気炉に入れて700℃で1時間焼成した。焼成後、試料を白金製るつぼに採取して、硫酸とフッ化水素酸を添加して加熱し、Siを除去した。溶液をメスフラスコに定容して、Liを原子吸光光度計(日立製作所製、Z−5310型)で測定した。
参考例1)
(1)rac−ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}]ハフニウムの合成:
(1−a)ジメチルビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}シランの合成:
1000mLのガラス製反応容器に、2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)インデン (22g、66mmol)、THF(200mL)を加え、−70℃まで冷却した。ここにn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(42mL、67mmol、1.60mol/L)を滴下した。滴下後、徐々に室温まで戻しながら3時間攪拌した。再び−70℃まで冷却し、1−メチルイミダゾール(0.3mL、3.8mmol)を加え、ジメチルジクロロシラン(4.3g、33mmol)を含むTHF溶液(100mL)を滴下した。滴下後、徐々に室温に戻しながら一夜攪拌した。
反応液に蒸留水を加え、分液ロートに移し食塩水で中性になるまで洗浄した。ここに硫酸ナトリウムを加え一晩放置し反応液を乾燥させた。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去して、シリカゲルカラムで精製し、ジメチルビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}シランの淡黄色固体(22g、収率92%)を得た。
(1−b)rac−ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}]ハフニウムの合成:
500mLのガラス製反応容器に、ジメチルビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}シラン9.6g(13.0ミリモル)、ジエチルエーテル300mLを加え、ドライアイス−メタノール浴で−70℃まで冷却した。ここに1.59mol/Lのn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液16mL(26mmol)を滴下した。滴下後、室温に戻し3時間攪拌した。反応液の溶媒を減圧で留去し、トルエン250mL、ジエチルエーテル10mLを加え、ドライアイス−メタノール浴で−70℃まで冷却した。そこに、四塩化ハフニウム4.2g(13.0mmol)を加えた。その後、徐々に室温に戻しながら一夜攪拌した。
溶媒を減圧留去し、ジクロロメタン/ヘキサンで再結晶を行い、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}]ハフニウムのラセミ体(純度99%以上)を黄橙色結晶として1.3g(収率22%)得た。
得られたラセミ体についてのプロトン核磁気共鳴法(1H−NMR)による同定値を以下に記す。
1H−NMR(CDCl)同定結果
ラセミ体:δ0.95(s,6H),δ1.18(s,18H),δ2.09(s,6H),δ5.80(d,2H),δ6.37(d,2H),δ6.75(dd,2H),δ7.09(d,2H),δ7.34(s,2H),δ7.33(d,2H),δ7.35(d,4H),δ7.87(d,4H)。
(2)触媒の調製
(2−a)イオン交換性層状珪酸塩の化学処理
セパラブルフラスコ中で蒸留水1134gに96%硫酸(146g)を加えその後、層状珪酸塩としてモンモリロナイト(水沢化学社製ベンクレイSL:平均粒径14μm、Al:8.8重量%、Si:32.9重量%)175gを加えた。このスラリーを95℃まで昇温し、95℃で380分反応させた。この反応スラリーを室温まで冷却し、蒸留水1750g加えた洗浄し、ろ過した。この洗浄操作を6回繰り返し、pH3.9まで洗浄しケーキ状固体514gを得た。
次に、セパラブルフラスコ中に、硫酸リチウム50.4g、蒸留水1000gを加え硫酸リチウム水溶液としたところへ、上記ケーキ状固体を全量投入し、更に蒸留水119gを加えた。このスラリーを60℃まで昇温し、60℃で120分反応させた。この反応スラリーを1時間で室温まで冷却し、蒸留水1980g加えた後にろ過し、更に蒸留水でpH4.9まで洗浄し、ろ過を行ったところ、ケーキ状固体518gを得た。
得られた固体を窒素気流下100℃で2日間予備乾燥後、53μm以上の粗大粒子を除去し、更に200℃、120分の条件で減圧乾燥することにより、化学処理層状珪酸塩150gを得た。
この化学処理層状珪酸塩の組成は、Al:6.5重量%、Si:38.2重量%、Li:0.25重量%(0.36mmol/g)であり、Al/Si=0.18mol/molであった。
(2−b)触媒調製及び予備重合
3つ口フラスコ(容積1L)中に(2‐a)で得られた化学処理層状珪酸塩10gを入れヘプタン(66mL)を加えてスラリーとし、これにトリイソブチルアルミニウム(25mmol:濃度145mg/mLのヘプタン溶液を34mL)を加えて1時間攪拌後、ヘプタンで1/1000まで洗浄し、全容量を100mLとなるようにヘプタンを加えた。
また、別のフラスコ(容積50mL)中で、rac−ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}]ハフニウム(0.15mmol)をトルエン(29mL)で溶解した。
化学処理層状珪酸塩が入った1Lフラスコに、トリノルマルオクチルアルミニウム(2.1mmol:濃度144mg/mLのヘプタン溶液を5.3mL)を加え、さらに先ほどの錯体溶液を加えて、60℃で15分攪拌した。その後ヘプタンを250mL追加し、このスラリーを1Lオートクレーブに導入した。 オートクレーブの内部温度を40℃にした後、プロピレンを10g/時の速度でフィードし、2時間40℃を保ちつつ予備重合を行った。その後、プロピレンフィードを止めて、1時間残重合を行った。得られた触媒スラリーの上澄みをデカンテーションで除去した後、トリイソブチルアルミニウム(6mmol:濃度140mg/mLのヘプタン溶液を8.5mL)を加えて10分攪拌した。この固体を2時間減圧乾燥することにより、乾燥予備重合触媒25.8gを得た。予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)は1.58であった
(3)重合
3Lオートクレーブを加熱下、窒素を流通させることにより予めよく乾燥させた後、プロピレンで槽内を置換して室温まで冷却した。トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(140mg/mL)2.86mLを投入し、水素78mlと液体プロピレン750gを導入した後、70℃まで昇温した。
その後、上記予備重合触媒を、予備重合ポリマーを除いた重量で80mgを高圧アルゴンで重合槽に圧送し、重合を開始した。70℃で1時間保持して後、未反応のプロピレンをすばやくパージし重合を停止した。そうしたところ298.5gの重合体が得られた。得られた重合体の評価結果を表1に示す。
参考例2)
参考例1の(2−a)イオン交換性層状珪酸塩の化学処理において、硫酸リチウムとの反応を室温で行った以外は同様の方法で行った。化学処理層状珪酸塩の組成は、Al:6.5重量%、Si:38.5重量%、Li:0.31重量%(0.45mmol/g)であり、Al/Si=0.18mol/molであった。
触媒調製、予備重合および重合は、参考例1と同様の方法で行った。得られた重合体の評価結果を表1に示す。
(比較例1)
特開2009―299046号公報の実施例1に記載の化学処理層状珪酸塩(Al:7.8重量%、Si:36.3重量%、Li:0.20重量%(0.29mmol/g)を用いた以外、触媒調製、予備重合および重合は、参考例1と同様の方法で行った。得られた重合体の評価結果を表1に示す。
(比較例2)
参考例1の(2−a)イオン交換性層状珪酸塩の化学処理において、硫酸で処理した後の洗浄操作を2回(pH1.5)とした以外は同様の方法で行った。化学処理層状珪酸塩の組成は、Al:6.5重量%、Si:38.5重量%、Li:0.13重量%(0.18mmol/g)であり、Al/Si=0.18mol/molであった。
触媒調製、予備重合および重合は、参考例1と同様の方法で行った。得られた重合体の評価結果を表1に示す。
(実施例3)
参考例1の(2−a)イオン交換性層状珪酸塩の化学処理の代わりに、以下のようにイオン交換性層状珪酸塩の化学処理を行った。
セパラブルフラスコ中で蒸留水1290gに96%硫酸(82.3g)を加えその後、層状珪酸塩としてモンモリロナイト(水沢化学社製ベンクレイKK:平均粒径14μm、Al:9.57重量%、Si:32.26重量%)200gを加えた。このスラリーを95℃まで昇温し、95℃で360分反応させた。この反応スラリーを室温まで冷却し、蒸留水3500g加えた洗浄し、ろ過した。この洗浄操作を3回繰り返し、pH3.9まで洗浄しケーキ状固体553gを得た。
次に、セパラブルフラスコ中に、硫酸リチウム225g、蒸留水500gを加え硫酸リチウム水溶液としたところへ、上記ケーキ状固体を全量投入し、更に蒸留水167gを加えた。このスラリーを40℃まで昇温し、40℃で120分反応させた。この反応スラリーを1時間で室温まで冷却し、蒸留水2000g加えた後にろ過し、更に蒸留水でpH4.7まで洗浄し、ろ過を行ったところ、ケーキ状固体548gを得た。
得られた固体を窒素気流下100℃で2日間予備乾燥後、53μm以上の粗大粒子を除去し、更に200℃、120分の条件で減圧乾燥することにより、化学処理層状珪酸塩180gを得た。
この化学処理層状珪酸塩の組成は、Al:7.0重量%、Si:36.8重量%、Li:0.43重量%(0.62mmol/g)であり、Al/Si=0.20mol/molであった。
触媒調製、予備重合および重合は、参考例1と同様の方法で行った。得られた重合体の評価結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例3の硫酸リチウムで処理する工程を2回繰り返した以外は、同様の方法で行った。化学処理層状珪酸塩の組成は、Al:7.0重量%、Si:36.8重量%、Li:0.60重量%(0.86mmol/g)であり、Al/Si=0.20mol/molであった。
触媒調製、予備重合および重合は、参考例1と同様の方法で行った。得られた重合体の評価結果を表1に示す。
(比較例3)
参考例1の(2−a)イオン交換性層状珪酸塩の化学処理の代わりに、以下のようにイオン交換性層状珪酸塩の化学処理を行った。
セパラブルフラスコ中で蒸留水1290gに96%硫酸(82.3g)を加えその後、層状珪酸塩としてモンモリロナイト(水沢化学社製ベンクレイKK:平均粒径14μm、Al:9.57重量%、Si:32.26重量%)200gを加えた。このスラリーを95℃まで昇温し、95℃で320分反応させた。この反応スラリーを室温まで冷却し、蒸留水3500g加えた洗浄し、ろ過した。この洗浄操作を3回繰り返し、pH3.9まで洗浄しケーキ状固体553gを得た。
得られた固体を窒素気流下100℃で2日間予備乾燥後、53μm以上の粗大粒子を除去し、更に200℃、120分の条件で減圧乾燥することにより、化学処理層状珪酸塩178gを得た。
この化学処理層状珪酸塩の組成は、Al:7.6重量%、Si:36.5重量%、Li:0.0重量%(0.0mmol/g)であり、Al/Si=0.21mol/molであった。
触媒調製、予備重合および重合は、参考例1と同様の方法で行った。得られた重合体の評価結果を表1に示す。
Figure 0006891584
図1は、表1の結果に基づき、実施例及び比較例において、イオン交換性層状珪酸塩に含まれるアルカリ金属イオン含量に対して、触媒活性をプロットした図である。
表1及び図1から、本発明のように、Hfを中心金属とする特定のメタロセン触媒に、アルカリ金属イオンの含量が特定量以上であるイオン交換性層状珪酸塩と有機アルミニウム化合物とを組み合わせたオレフィン重合用触媒を使用することにより、末端ビニル率の高いポリプロピレン系重合体を、従来よりも高い触媒活性で製造することができることが明らかにされた。
更に、表1の結果から、Hfを中心金属とする特定のメタロセン触媒に、アルカリ金属イオンの含量が特定量以上であるイオン交換性層状珪酸塩と有機アルミニウム化合物とを組み合わせたオレフィン重合用触媒を使用することにより、末端ビニル構造を高い割合で有するように制御しながら、水素レスポンスが低くなり、同一水素濃度でより低いMFRのプロピレン系重合体、すなわち分子量が高いプロピレン系重合体を製造することができることが明らかにされた。
本発明のプロピレン系重合体の製造方法は、高い割合でビニル構造を持つように高度に末端構造が制御された特性を有するプロピレン系重合体を、従来よりも高い活性で生産性が高く、効率よく製造することができるものである。また、本発明のプロピレン系重合体の製造方法は、高い割合でビニル構造を持つように高度に末端構造が制御された特性を有するプロピレン系重合体の分子量を制御して製造することができ、末端ビニル構造を高い割合で有するように制御しながら、同一水素濃度でより低いメルトフローレート(MFR)のプロピレン系重合体、すなわち分子量が高いプロピレン系重合体を製造することができるものである。得られる末端ビニル率が高いプロピレン系重合体は、その特性により、マクロマー共重合用の原料として用いた場合に、共重合体の機械物性を低下させることなく、溶融張力や溶融流動性を改良することができ、末端に官能基を有したプロピレン系重合体を得る原料として用いた場合にも、優れた溶融物性と機械物性を保持することが期待される。

Claims (7)

  1. 下記の成分(A)、成分(B)、および成分(C)を含むオレフィン重合用触媒を用いて、プロピレン単独、又は、プロピレンとエチレンおよびα−オレフィンの少なくとも1種とを重合する、末端ビニル率が0.7以上のプロピレン系重合体の製造方法。
    成分(A):下記の一般式[I]で表されるメタロセン化合物
    Figure 0006891584
    [式中、XとXは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、アミノ基または炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基である。RとR11は、互いに同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい5員環を構成する複素環基(但し、5員環を構成する複素環基のヘテロ原子は直接アルカジエニル基と結合しない)である。Yは、2価の、ハロゲンを含有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基、またはゲルミレン基を表す。R、R、R、R、R、R12、R13、R14、R15、R16は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数3〜18の珪素含有アルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基、置換基を有していてもよい5員環又は6員環を構成する複素環基である。また、R、R、R、R、R、R12、R13、R14、R15、R16は、隣接する置換基双方で6〜7員環を構成してもよく、6〜7員環が不飽和結合を含んでいてもよい。]
    成分(B):層間カチオンがアルカリ金属イオンを含み、該アルカリ金属イオンの含量が0.62mmol/g以上0.86mmol/g以下であるイオン交換性層状珪酸塩
    成分(C):有機アルミニウム化合物
  2. 前記成分(B)において、前記イオン交換性層状ケイ酸塩に含まれるケイ素原子のモル数とアルミニウム原子のモル数の比(Al/Si)が、0.20以上0.23以下である、請求項1に記載のプロピレン系重合体の製造方法。
  3. 前記成分(B)の前記イオン交換性層状ケイ酸塩は、酸類による化学処理後、pHが3.5以上となるまで洗浄が行われたものである、請求項1又は2に記載のプロピレン系重合体の製造方法。
  4. 前記成分(A)のYが、R20 A(Aは、ゲルマニウム又は珪素であり、R20は、互いに同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基である。隣接するR20双方でAを含む4〜7員環を構成してもよく、5〜7員環で不飽和結合を含んでいてもよい。)で示される2価の架橋基であり、RとR11が、置換基を有していてもよいフリル基又はチエニル基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロピレン系重合体の製造方法。
  5. 前記成分(B)は、層間カチオンがリチウムイオンを含み、該リチウムイオンの含量が0.62mmol/g以上0.86mmol/g以下であるイオン交換性層状珪酸塩である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロピレン系重合体の製造方法。
  6. プロピレンを溶媒として用いるバルク重合またはモノマーをガス状に保つ気相重合で重合を行う、請求項1〜のいずれか1項に記載のプロピレン系重合体の製造方法。
  7. 重合時に水素をプロピレンに対してモル比で1.0×10−6以上、1.0×10−2以下の範囲で用いる、請求項1〜のいずれか1項に記載のプロピレン系重合体の製造方法。
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