JP6891430B2 - 小便器装置 - Google Patents
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Description
これは、近年の環境意識の高まりを受けて、節水志向が高まり、洗浄水の量を削減することが求められていが、洗浄水の使用量を少なくするのみでは、小便器排水口にあるトラップに溜まる尿と洗浄水との置換率が低下し、トラップ内の尿濃度が高くなってしまい、臭気発生の要因となるという課題を解決するものである。
このように構成された小便器装置によれば、第二洗浄水供給手段の駆動時においても、第二洗浄水によるセンサ信号(ノイズ)を考慮して、使用者や尿流の検知が行える。
従って、補助的な洗浄中であっても、使用者や尿流の検知がより正確に行える。
このように構成された小便器装置によれば、第二洗浄水供給手段の非駆動時に比べて駆動時では、使用者や尿流の検知閾値が大きくなるように切り替えているため、第二洗浄水供給手段の駆動時における補助的な洗浄水によりドップラーセンサの出力信号の振幅値が大きくなった場合でも使用者や尿流を正確に検知することが可能である。
このように構成された小便器装置によれば、第二洗浄水供給手段の駆動中におけるドップラーセンサの出力信号の振幅値を利用して第二閾値を設定することで、実際の補助的な洗浄水によるドップラーセンサからの振幅値を上回るように第二閾値を設定することができ、補助的な洗浄中における使用者や尿流の検知精度を向上させることができる。
このように構成された小便器装置によれば、第二洗浄水供給手段から吐水される補助的な洗浄水は小便器の立位面を伝って流れるので摩擦抵抗が大きく、空中を落下する場合に比べて速度が低くなり、空中を飛翔する尿流とは速度差が生じる。その為、ドップラーセンサ信号の周波数も補助的な洗浄と尿流とで異なる分布を示すことになり、周波数フィルター等を用いることにより、補助的な洗浄中における尿流の検知精度を向上させることができる。
このように構成された小便器装置によれば、放射した電波の反射波によって小便器の使用者や尿流を検知するドップラーセンサを用いているので、このドップラーセンサの出力信号によって、使用者の接近と散水状態の異常発生とを検出することができ、使用者の接近および散水状態の異常の何れかが発生した場合でも散水を停止させることができる。
従って、第二洗浄水供給手段における散水孔の詰まり等による散水状態の異常を検出するための検出手段を追加する必要がなく、散水異常によって散水がボウル部外側まで飛散することを抑制でき、使用者が不快感を覚えることを抑制できる。
このように構成された小便器装置においては、散水異常の判定をドップラーセンサの出力信号の振幅値に基づいて行うことができ、周波数処理などの複雑な処理を減らすことができ、判定処理を比較的簡単に行うことが可能である。
このように構成された小便器装置においては、補助的な洗浄水によりドップラーセンサの出力信号の振幅値にセンサ信号として影響(ノイズ)を与えることが、少なくなる。
従って、より補助的な洗浄中における使用者や尿流の検知精度を向上させることができる。
従って、補助的な洗浄中であっても、使用者や尿流の検知がより正確に行える。
図1は、本発明の実施形態にかかる小便器を表す正面図である。
図2は、図1に示した切断面A−Aにおける断面図である。
図3は、図1に示すスプレッダの側面図である。
図4は、図3に示した切断面B−Bにおける断面図である。
ボウル部210は、ボウル面210aと、立位面210bと、側面210cと、から構成されている。ボウル面210aは、使用者の排尿を受けるため前方に向かって突出しているボウル部210の前端と水平面上同一の高さより下方の面である。立位面210bは、ボウル面210aの後方から連続して上方に延びている、使用者と対向する面である。
側面210cは、立位面210bの左右端からボウル部210の前端に延びる面である。
トラップ部211は、自身の内部において封水を形成している。これにより、トラップ部211は、トラップ部211の後方に設けられた図示しない横引排水配管などから悪臭や害虫類などがトイレ室などに侵入することを防止することができる。
第一吐水口221はスプレッダ220の下側に1箇所、第二吐水口222はスプレッダ220の左右側にそれぞれ1箇所設けられている。
図示しない給水源(例えば水道あるいはタンクなど)から第一流路140及び第二流路150に供給された水は、それぞれ第一吐水口221からボウル部210の下方向へ、第二吐水口222からボウル部210の左右方向の両側へ洗浄水を吐水される。
なお、第二吐水口222の数は2つに限定されず、第二吐水口222の数を1つとし、左右方向の片側だけに吐水しても良いし、3つ以上設けても良い。
立位面210bにおいて、第二吐水口222よりも上側の部分では、吐水された洗浄水のかからない領域が生じる。さらに、洗浄水は第二吐水口222から左右方向に吐水され、立位面210bに沿って下方に位置するトラップ部211へ向かうために、スプレッダ220の下側の一部領域にも洗浄水のかからない領域が生じる。
すなわち、立位面210bは、第二吐水口222から吐水された洗浄水がかかる吐水領域WA、およびスプレッダ220上側領域とスプレッダ220下側の一部領域のそれぞれに吐水された洗浄水がかからない非吐水領域NA1、NA2を有する。
なお、ドップラーセンサ120はスプレッダ220より上方の非吐水領域NA1に設けてもよいし、非吐水領域NA1、NA2と前後方向で重なる位置に配置しても良い。
なお、図5は、小便器装置10の水路系と電気系との要部構成を併せて表している。
尿流帯域フィルタ110aと人体帯域フィルタ110bの周波数帯域はドップラーセンサ120から送受信される周波数に応じて各々設定される。本実施例ではドップラーセンサ120から送受信される周波数を24GHzとし、以下説明する。
尿流帯域フィルタ110aは、尿流検出に不要な周波数帯域(200Hz〜500Hz以外の周波数帯域)を除去するバンドパスフィルタであり、この尿流帯域フィルタ110aにより尿流検出用ドップラー信号を抽出する。
人体帯域フィルタ110bは、人体検出に不要な周波数帯域(200Hz以上の周波数帯域)を除去するバンドパスフィルタであり、この人体帯域フィルタ110bにより人体検出用ドップラー信号を抽出する。
小便器200に排尿がなされると、尿は、小便器200の表面に付着したり、トラップ部211の封水(滞留水)に滞留する。滞留した尿に、空気中や便器表面等に存在する一般細菌が付着する。一般細菌は尿から栄養を吸収し、ウレアーゼ酵素を出す活動が活性化され、ウレアーゼ酵素より尿素の分解が促進される。尿素はアンモニアと二酸化炭素に分解され、そのアンモニアが悪臭の一因となる。また、発生したアンモニアにより、pHが8.0から8.5を超えてアルカリ性に偏ると、尿中に溶解していたカルシウムイオンが、難溶性のカルシウム化合物(リン酸カルシウム等、また一般的に尿石と呼ばれる)になる。この尿石が菌の温床となり、加速度的にこれまでの過程を繰り返し、一層のアンモニアを発生させることとなる。
人体検知有りだと判定された場合(S01:Yes)は、ステップS02に進み、無しだと判定された場合(S01:No)は、ステップS01を繰り返す。
なお、人体検知を行う場合のセンサはドップラーセンサ120に限らず、赤外線信号を利用した焦電センサであっても良い。また、ドップラーセンサは1つに限らず、2つ設け、正面に向けて電波を送受信しても良い。
超えたと判定された場合(S02:Yes)は、尿流が検知されたと判断しステップS03に進み、超えていないと判定された判定された場合(S02:No)は、尿流は検知されないと判断しステップS01へ戻る。
従って、尿は排尿開始時から希釈された状態でトラップ部211内へ流入する。すなわち、トラップ部211内において尿は局所的に尿濃度が高い状態で残存することがなくなり、ボウル洗浄によりトラップ部211内の封水を排水管に流すことで、トラップ部211内からの臭気を抑制することができる。
従って、希釈洗浄中においても、排尿終了に合わせて、すぐに洗浄水を止水することができ、節水に繋がる。
従って、洗浄中であっても、尿流の検知がより正確に行えるため、排尿終了に合わせすぐに洗浄水を止水することができ、節水に繋がる。
本実施例では、ドップラーセンサ120を非吐水領域NA2の後方に設置しているが、第二吐水口222よりも上方側に位置するスプレッダ220の内部やNA1の後方に設置することもできる。
そのため、第二吐水口222から吐水された洗浄水に対するドップラー信号の強度が小さくなる。加えて、第二吐水口222より左右方向へ広がるように吐水し、立位面210bを伝って下方へ落下するので、空中を落下するのに比べて洗浄水の速度V1は低くなる(第二吐水口222付近の比較的速度の速い洗浄水を除く)。よって、洗浄水の速度V1とボウル部210の内部空間を通過する尿流の速度V2をドップラー信号の検知周波数で識別(V1<V2)し易くなり、より正確な検知が行える。
ドップラー信号の検知周波数範囲を比較した時、洗浄水の速度V1は速度の変動が少なく、安定しており、洗浄水の検知周波数範囲(0Hz〜200Hz)が尿流の検知周波数範囲(200Hz〜500Hz)よりも狭い、即ち洗浄水の検知周波数がボウル部210の内部空間を通過する尿流の検知周波数と重複する部分が少ないため、子供の排尿時等にドップラー信号の信号強度が小さくても正確な検知が行える。
従って、洗浄中であっても、排尿終了に合わせすぐに洗浄水を止水することができるため、節水に繋がる。
人体検知有りではないと判定された場合(S06:No)は、ステップS07に進み、有りだと判定された場合(S06: Yes)は、ステップS06を繰り返す。
なお、ボウル洗浄は人体検知によらず、希釈洗浄終了後から一定時間経過したときに開始しても良い。
所定時間を越えたと判定された場合(S08:Yes)は、ステップS09に進み、超えていないと判定された場合(S08:No)は、ステップS08を繰り返す。
図7は、本発明の第二実施形態にかかる小便器を表す正面図である。
図8は、図7に示した切断面C−Cにおける断面図である。
図9は、図7に示すスプレッダを表した斜視図である。図10は図9における切断面D−Dにおける断面図である。
洗浄水散水手段360は、給水源から第二流路362を通して導かれた水道水を、液滴化された水として散水部361から、小便器400のボウル部410の内部空間を介してボウル部410に供給している。
なお、散水孔361aの数は、1つには限定されない。
換言すると、散水部361がボウル部410の上部から下方へ液滴化された水を散水するため、ボウル部410の内部には、散水部361から下方へ向かう気流が発生する。
そのため、ボウル部410の内部で発生した気流は、アンモニアの上昇を抑えることができる。これにより、使用者は、小便器装置300から発生するアンモニアによる臭いを感じにくくなる。
なお、洗浄水散水手段360の散水する水は、水道水に限ることなく、機能水でもよい。
なお、図11は、小便器装置300の水路系と電気系との要部構成を併せて表している。
制御手段310は、未散水洗浄用人体帯域フィルタ310aと、散水洗浄用人体帯域フィルタ310bと、を備えている。
なお、制御手段310は、小便器400と別に形成し、小便器400に取り付けてもよいし、小便器400と一体に形成してもよい。制御手段310と小便器400とを別体とする場合、小便器装置300は、小便器400を含まなくてもよい。すなわち、制御手段310を小便器装置300としてもよい。
従って、洗浄水散水手段360における散水孔の詰まり等による散水状態の異常を検出するための検出手段を追加する必要がなく、散水異常によって散水がボウル部410外側まで飛散することを抑制でき、使用者が不快感を覚えることを抑制できる。
なお、越えたと判定された場合、すなわち人体が検知された場合、ステップS102を繰り返さずに、次回ボウル洗浄時まで散水洗浄の動作をスキップしても良い。
ここで、検知電圧とは、電波の反射量に依存するドップラーセンサ320の出力の振幅値を反映する値を示し、適宜ノイズ除去等の処理を加えた後の値でも良い。
また、使用者の接近の判定をドップラーセンサ320の検知電圧に基づいて行うことができ、周波数処理などの複雑な処理を減らすことができ、判定処理を比較的簡単に行うことが可能である。
従って、散水中においても、正確な人体接近のタイミングに合わせ、散水を停止することができ、散水された洗浄水が使用者にかかったり、目標が定まらずボウル部410外へ尿が飛散したりするといった、使用者にとって不快と感じる状況を作り出さない。
下回っていると判定された場合(S107:Yes)は、散水状態の不具合と判断し、ステップS110に進み、下回っていないと判定された場合(S107:No)は、散水状態に問題なしと判断し、ステップS108へ進む。
第三閾値は、第一閾値よりも大きく、第二閾値よりも小さな値に設定されている。
従って、洗浄水散水手段360の不具合時、散水を停止することで、散水による洗浄水が小便器400周辺の床への飛散することや使用者へ飛散することを未然に防ぐことができ、使用者にとって不快と感じる状況を作り出さない。
第二閾値を超えたと判定された場合(S108:Yes)は、人体が検知されたと判断しステップS110に進み、第二閾値を越えていない判定された場合(S108:No)は、人体非検知と判断し、ステップS109へ進む。
従って、散水中においても、正確な人体接近のタイミングに合わせ、散水を停止することができ、散水された洗浄水が使用者にかかったり、目標が定まらずボウル部410外へ尿が飛散したりするといった、使用者にとって不快と感じる状況を作り出さない。
所定時間を越えたと判定された場合(S109:Yes)は、ステップS110に進み、超えていないと判定された場合(S109:No)は、ステップS107へ戻る。
Claims (6)
- 使用者と対向する立位面と、前記立位面の下方に設けられ使用者の尿を受けるボウル部と、を有する小便器と、前記立位面の上部から前記ボウル部に洗浄水を吐水する第一洗浄水供給手段と、前記立位面の上部から前記ボウル部に前記第一洗浄水供給手段から供給される水とは性状若しくは流量の異なる水を供給する第二洗浄水供給手段と、前記ボウル部へ向けて放射した電波の反射波によって使用者や尿流に関する情報を取得するドップラーセンサと、前記ドップラーセンサの出力信号に基づいて使用者や尿流の有無を判定し、その判定結果に基づいて前記第一洗浄水供給手段および前記第二洗浄水供給手段の動作を制御する制御手段と、を備えた小便器装置において、
前記制御手段は、前記第二洗浄水供給手段の駆動時と非駆動時とで使用者や尿流の有無の判定基準を異ならせ、
前記第二洗浄水供給手段は前記ボウル部の内部空間に水を散水し、
前記制御手段は、前記第二洗浄水供給手段の駆動中における前記ドップラーセンサの出力信号に基づいて、使用者が前記小便器に接近してきたと判定すると前記第二洗浄水供給手段の駆動を停止させると共に、
前記第二洗浄水供給手段の駆動中における前記ドップラーセンサの出力信号に基づいて、前記第二洗浄水供給手段からの散水状態に異常が発生したと判定すると、散水異常処理として前記第二洗浄水供給手段の駆動を停止させることを特徴とする小便器装置。 - 前記制御手段は、前記ドップラーセンサの出力信号の振幅値と閾値とを比較して、前記閾値を上回ると使用者や尿流が有ると判定するものであり、
前記第二洗浄水供給手段の非駆動時は前記閾値を第一閾値とし、前記第二洗浄水供給手段の駆動時は前記閾値を前記第一閾値より大きく設定された第二閾値へと切り替えることを特徴とする請求項1に記載の小便器装置。 - 前記制御手段は、前記第二洗浄水供給手段の駆動中における前記ドップラーセンサの出力信号の振幅値に基づいて、この振幅値よりも大きく前記第二閾値を設定することを特徴とする請求項2に記載の小便器装置。
- 前記制御手段は、前記第二閾値よりも小さい前記散水異常処理用の第三閾値を有しており、前記第二洗浄水供給手段の駆動時において、前記ドップラーセンサの出力信号の振幅値が前記第三閾値を下回っていると前記散水異常処理を実行することを特徴とする請求項2または3に記載の小便器装置。
- 前記第二洗浄水供給手段の吐水部は前記立位面に向けて洗浄水を吐水することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の小便器装置。
- 前記ドップラーセンサは、前記立位面のうちの前期第二洗浄水供給手段から供給される洗浄水がかからない非吐水領域と前後方向において重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の小便器装置。
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