JP6891430B2 - 小便器装置 - Google Patents

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Description

本発明の態様は、一般的に小便器装置および小便器ユニットに関する
小便器装置において、従来の使用後の水による洗浄に加えて補助的な洗浄を行うことによって衛生性を保ちつつ節水を実現することが提案されている。
第一の例として、トラップ内に設置された流量センサで尿流を検知している間、洗浄水を流すことで、尿を希釈しながらトラップ内へ尿流を排出することで、トラップ内において、尿が局所的に尿濃度が高い状態で残存することを防ぎ、使用後に流す洗浄水によりトラップ内の封水を排水管に排出することで、トラップ内の尿濃度を下げる小便器装置が知られている(例えば、特許文献1)。
これは、近年の環境意識の高まりを受けて、節水志向が高まり、洗浄水の量を削減することが求められていが、洗浄水の使用量を少なくするのみでは、小便器排水口にあるトラップに溜まる尿と洗浄水との置換率が低下し、トラップ内の尿濃度が高くなってしまい、臭気発生の要因となるという課題を解決するものである。
第二の例として、臭いを抑制するため、洗浄水を小便器のボウル部内の空間に散水する小便器装置がある。このような散水を行う小便器装置においては、小便器を使用する使用者にとって、散水は邪魔であるため、散水中に人体を検知すると、散水を停止する小便器装置が知られている(例えば、特許文献2)。
一方、マイクロ波センサを用いて使用者や尿流を検知する小便器も提案されている(例えば、特許文献3)。マイクロ波センサを用いることによってセンサを小便器本体内部に隠蔽できるので意匠性が向上する。また、尿流時間に応じた洗浄流量とすることで節水にできる。
特開2012−149415号公報 特開2016−23499号公報 特許第3740696号
しかしながら、補助的な洗浄を行う際にマイクロ波センサを用いる場合、補助的な洗浄水によりマイクロ波が反射する為にセンサ信号として、マイクロ波センサに補助的な洗浄水による信号が現れ、洗浄中の使用者や尿流の検知にとってはノイズとなり、支障を来たす恐れがあった。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、補助的な洗浄が為されている場合でも、使用者や尿流を精度良く検知できる小便器装置を提供することを目的としている。
使用者と対向する立位面と、前記立位面の下方に設けられ使用者の尿を受けるボウル部と、を有する小便器と、前記立位面の上部から前記ボウル部に洗浄水を吐水する第一洗浄水供給手段と、前記立位面の上部から前記ボウル部に前記第一洗浄水供給手段から供給される水とは性状若しくは流量の異なる水を供給する第二洗浄水供給手段と、前記ボウル部へ向けて放射した電波の反射波によって使用者や尿流に関する情報を取得するドップラーセンサと、前記ドップラーセンサの出力信号に基づいて使用者や尿流の有無を判定し、その判定結果に基づいて前記第一洗浄水供給手段および前記第二洗浄水供給手段の動作を制御する制御手段と、を備えた小便器装置において、前記制御手段は、前記第二洗浄水供給手段の駆動時と非駆動時とで使用者や尿流の有無の判定基準を異ならせることを特徴とする。
このように構成された小便器装置によれば、第二洗浄水供給手段の駆動時においても、第二洗浄水によるセンサ信号(ノイズ)を考慮して、使用者や尿流の検知が行える。
従って、補助的な洗浄中であっても、使用者や尿流の検知がより正確に行える。
また、請求項2記載の小便器装置においては、前記制御手段は、前記ドップラーセンサの出力信号の振幅値と閾値とを比較して、前記閾値を上回ると使用者や尿流が有ると判定するものであり、前記第二洗浄水供給手段の非駆動時は前記閾値を第一閾値とし、前記第二洗浄水供給手段の駆動時は前記閾値を前記第一閾値より大きく設定された第二閾値へと切り替えることを特徴としている。
このように構成された小便器装置によれば、第二洗浄水供給手段の非駆動時に比べて駆動時では、使用者や尿流の検知閾値が大きくなるように切り替えているため、第二洗浄水供給手段の駆動時における補助的な洗浄水によりドップラーセンサの出力信号の振幅値が大きくなった場合でも使用者や尿流を正確に検知することが可能である。
また、請求項3記載の小便器装置においては、前記制御手段は、前記第二洗浄水供給手段の駆動中における前記ドップラーセンサの出力信号の振幅値に基づいて、この振幅値よりも大きく前記第二閾値を設定することを特徴としている。
このように構成された小便器装置によれば、第二洗浄水供給手段の駆動中におけるドップラーセンサの出力信号の振幅値を利用して第二閾値を設定することで、実際の補助的な洗浄水によるドップラーセンサからの振幅値を上回るように第二閾値を設定することができ、補助的な洗浄中における使用者や尿流の検知精度を向上させることができる。
また、請求項4記載の小便器装置においては、前記第二洗浄水供給手段の吐水部は前記立位面に向けて洗浄水を吐水することを特徴としている。
このように構成された小便器装置によれば、第二洗浄水供給手段から吐水される補助的な洗浄水は小便器の立位面を伝って流れるので摩擦抵抗が大きく、空中を落下する場合に比べて速度が低くなり、空中を飛翔する尿流とは速度差が生じる。その為、ドップラーセンサ信号の周波数も補助的な洗浄と尿流とで異なる分布を示すことになり、周波数フィルター等を用いることにより、補助的な洗浄中における尿流の検知精度を向上させることができる。
また、請求項5記載の小便器装置においては、前記第二洗浄水供給手段は前記ボウル部の内部空間に水を散水し、前記制御手段は、前記第二洗浄水供給手段の駆動中における前記ドップラーセンサの出力信号に基づいて、使用者が前記小便器に接近してきたと判定すると前記第二洗浄水供給手段の駆動を停止させると共に、前記第二洗浄水供給手段の駆動中における前記ドップラーセンサの出力信号に基づいて、前記第二洗浄水供給手段からの散水状態に異常が発生したと判定すると、散水異常処理として前記第二洗浄水供給手段の駆動を停止させることを特徴とする。
このように構成された小便器装置によれば、放射した電波の反射波によって小便器の使用者や尿流を検知するドップラーセンサを用いているので、このドップラーセンサの出力信号によって、使用者の接近と散水状態の異常発生とを検出することができ、使用者の接近および散水状態の異常の何れかが発生した場合でも散水を停止させることができる。
従って、第二洗浄水供給手段における散水孔の詰まり等による散水状態の異常を検出するための検出手段を追加する必要がなく、散水異常によって散水がボウル部外側まで飛散することを抑制でき、使用者が不快感を覚えることを抑制できる。
また、請求項6記載の小便器装置においては、前記制御手段は、前記第二閾値よりも小さい前記散水異常処理用の第三閾値を有しており、前記第二洗浄水供給手段の駆動時において、前記ドップラーセンサの出力信号の振幅値が前記第三閾値を下回っていると前記散水異常処理を実行することを特徴としている。
このように構成された小便器装置においては、散水異常の判定をドップラーセンサの出力信号の振幅値に基づいて行うことができ、周波数処理などの複雑な処理を減らすことができ、判定処理を比較的簡単に行うことが可能である。
また、請求項7記載の小便器装置においては、前記ドップラーセンサは、前記立位面のうちの第二洗浄水供給手段から供給される洗浄水がかからない非吐水領域と前後方向において重なる位置に配置されていることを特徴としている。
このように構成された小便器装置においては、補助的な洗浄水によりドップラーセンサの出力信号の振幅値にセンサ信号として影響(ノイズ)を与えることが、少なくなる。
従って、より補助的な洗浄中における使用者や尿流の検知精度を向上させることができる。
本発明によれば、第二洗浄水供給手段の駆動時においても、第二洗浄水によるセンサ信号(ノイズ)を考慮して、使用者や尿流の検知が行える。
従って、補助的な洗浄中であっても、使用者や尿流の検知がより正確に行える。
本発明の実施形態にかかる小便器を表す正面図である。 図1に示した切断面A−Aにおける断面図である。 図1に示すスプレッダの側面図である。 図3に示した切断面B−Bにおける断面図である。 本発明の実施形態にかかる小便器装置の要部構成を模式的に表すブロック図である。 本発明の実施形態にかかる小便器装置の動作を例示するフローチャートである。 本発明の第二実施形態にかかる小便器を表す正面図である。 図7に示した切断面C−Cにおける断面図である。 図7に示すスプレッダを表した斜視図である。 図9に示した切断面D−Dにおける断面図である。 本発明の第二実施形態にかかる小便器装置の要部構成を模式的に表すブロック図である。 本発明の第二実施形態にかかる小便器装置における散水洗浄の動作を例示するフローチャートである。 本発明の第二実施形態にかかる小便器装置における経過時間と振幅電圧の関係を示すグラフである。 本発明の第二実施形態にかかる小便器装置における強度と周波数の関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1乃至図4にて本発明の実施形態に掛かる小便器について以下に説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる小便器を表す正面図である。
図2は、図1に示した切断面A−Aにおける断面図である。
図3は、図1に示すスプレッダの側面図である。
図4は、図3に示した切断面B−Bにおける断面図である。
図1及び図2に示したように、小便器200は、ボウル部210と、ボウル部210の下部から続くトラップ部211と、を有する。
ボウル部210は、ボウル面210aと、立位面210bと、側面210cと、から構成されている。ボウル面210aは、使用者の排尿を受けるため前方に向かって突出しているボウル部210の前端と水平面上同一の高さより下方の面である。立位面210bは、ボウル面210aの後方から連続して上方に延びている、使用者と対向する面である。
側面210cは、立位面210bの左右端からボウル部210の前端に延びる面である。
トラップ部211は、自身の内部において封水を形成している。これにより、トラップ部211は、トラップ部211の後方に設けられた図示しない横引排水配管などから悪臭や害虫類などがトイレ室などに侵入することを防止することができる。
ボウル部210において、ボウル面210aと立位面210bと側面210cとは一体として焼成されている。また、立位面210bの上端が、小便器200の上端である。小便器200は、ボウル面210aの全体が、上方に開放されている。すなわち、ボウル部210において、立位面210bの上部に天板などが設けられていない。天板を有する小便器と比較すると、使用者がより小便器200のボウル面210aへ接近できるため排尿時に床へ飛散する尿汚れを軽減し衛生性、快適性の向上を図れる。
立位面210bの上部には、吐水部として第一吐水口221と、第二吐水口222と、を有するスプレッダ220が設けられている。第一吐水口221と、第二吐水口222と、はそれぞれ第一流路140(図5参照)と、第二流路150(図5参照)と、に連通している。
第一吐水口221はスプレッダ220の下側に1箇所、第二吐水口222はスプレッダ220の左右側にそれぞれ1箇所設けられている。
図示しない給水源(例えば水道あるいはタンクなど)から第一流路140及び第二流路150に供給された水は、それぞれ第一吐水口221からボウル部210の下方向へ、第二吐水口222からボウル部210の左右方向の両側へ洗浄水を吐水される。
なお、第二吐水口222の数は2つに限定されず、第二吐水口222の数を1つとし、左右方向の片側だけに吐水しても良いし、3つ以上設けても良い。
図4は、図3に示した切断面B−Bにおける断面図である。第二流路150はスプレッダ220の給水部223から給水された水が手前側に向けられ、分岐部224で左右方向に分岐した後、立位面210b側に向かうように形成されている。このため、第二吐水口222から吐水される洗浄水は空中を落下することなく立位面210bを伝って流れることになる。
以下では、第一流路140によるボウル部210への洗浄水の吐水を、便宜的に「ボウル洗浄」と称す。そして、第二流路150による洗浄水の吐水を、便宜的に「希釈洗浄」と称す。ボウル洗浄は、トラップ部211に停留した洗浄水を排水管へ押し流す洗浄を指し、希釈洗浄は、使用者の排尿を希釈する洗浄を指している。ボウル洗浄と希釈洗浄において、瞬間吐水流量はボウル洗浄の方が多く、希釈洗浄は尿を薄めることができればよく、わずかに吐水される程度である。
第二吐水口222から吐水された洗浄水は、ボウル面210aの略全体にかかる。
立位面210bにおいて、第二吐水口222よりも上側の部分では、吐水された洗浄水のかからない領域が生じる。さらに、洗浄水は第二吐水口222から左右方向に吐水され、立位面210bに沿って下方に位置するトラップ部211へ向かうために、スプレッダ220の下側の一部領域にも洗浄水のかからない領域が生じる。
すなわち、立位面210bは、第二吐水口222から吐水された洗浄水がかかる吐水領域WA、およびスプレッダ220上側領域とスプレッダ220下側の一部領域のそれぞれに吐水された洗浄水がかからない非吐水領域NA1、NA2を有する。
スプレッダ220下側の非吐水領域NA2の裏側である、立位面210bの背面210dには、マイクロ波ドップラーセンサ120(以下、単に「ドップラーセンサ」という)が設けられている。換言すれば、ドップラーセンサ120は、前方が非吐水領域NA2と重なる位置に配置されている。従って、ドップラーセンサ120は外部に露出していないため、外部からの干渉等による故障を防ぐことができる。
なお、ドップラーセンサ120はスプレッダ220より上方の非吐水領域NA1に設けてもよいし、非吐水領域NA1、NA2と前後方向で重なる位置に配置しても良い。
図5は、本発明の実施形態にかかる小便器装置の要部構成を模式的に表すブロック図である。
なお、図5は、小便器装置10の水路系と電気系との要部構成を併せて表している。
図5に表したように、小便器装置10は、洗浄水機能部100と、制御部110と、人体及び尿流を検出するドップラーセンサ120と、小便器200と、を備える。
洗浄水機能部100は給水源から供給された水が通過する流路である第一流路140及び第二流路150と、給水源と第一流路140及び第二流路150との間に設けられ水の吐止水を行う第一電磁弁160と第二電磁弁170と、第一流路140及び第二流路150から供給された水をボウル部210へ吐水するスプレッダ220と、を有している。
制御部110は、尿流帯域フィルタ110aと、人体帯域フィルタ110bと、を備えている。
尿流帯域フィルタ110aと人体帯域フィルタ110bの周波数帯域はドップラーセンサ120から送受信される周波数に応じて各々設定される。本実施例ではドップラーセンサ120から送受信される周波数を24GHzとし、以下説明する。
尿流帯域フィルタ110aは、尿流検出に不要な周波数帯域(200Hz〜500Hz以外の周波数帯域)を除去するバンドパスフィルタであり、この尿流帯域フィルタ110aにより尿流検出用ドップラー信号を抽出する。
人体帯域フィルタ110bは、人体検出に不要な周波数帯域(200Hz以上の周波数帯域)を除去するバンドパスフィルタであり、この人体帯域フィルタ110bにより人体検出用ドップラー信号を抽出する。
ドップラーセンサ120は、ボウル部210のボウル面210aに向けて送信波としてマイクロ波を送信し、その反射波を受信してドップラー信号(検知信号)を生成し、制御部110に入力する。制御部110は、ドップラーセンサ120からのドップラー信号を基に、小便器200の前にいる使用者およびボウル部210への排尿の有無を判定する。この判定結果に応じて、第一電磁弁160及び第二電磁弁170の開閉動作を制御する。
ここで、アンモニアの発生のメカニズムは、例えば次の通りである。
小便器200に排尿がなされると、尿は、小便器200の表面に付着したり、トラップ部211の封水(滞留水)に滞留する。滞留した尿に、空気中や便器表面等に存在する一般細菌が付着する。一般細菌は尿から栄養を吸収し、ウレアーゼ酵素を出す活動が活性化され、ウレアーゼ酵素より尿素の分解が促進される。尿素はアンモニアと二酸化炭素に分解され、そのアンモニアが悪臭の一因となる。また、発生したアンモニアにより、pHが8.0から8.5を超えてアルカリ性に偏ると、尿中に溶解していたカルシウムイオンが、難溶性のカルシウム化合物(リン酸カルシウム等、また一般的に尿石と呼ばれる)になる。この尿石が菌の温床となり、加速度的にこれまでの過程を繰り返し、一層のアンモニアを発生させることとなる。
図6は、本発明の実施形態にかかる小便器装置の動作を例示するフローチャートである。具体的には小便器200への使用者の接近に伴う制御部110での処理を示している。
ステップS01において、制御部110は、ドップラーセンサ120からの検知信号に基づいて人体検知の有無を判定する。
人体検知有りだと判定された場合(S01:Yes)は、ステップS02に進み、無しだと判定された場合(S01:No)は、ステップS01を繰り返す。
なお、人体検知を行う場合のセンサはドップラーセンサ120に限らず、赤外線信号を利用した焦電センサであっても良い。また、ドップラーセンサは1つに限らず、2つ設け、正面に向けて電波を送受信しても良い。
ステップS02において、制御部110は、尿流帯域フィルタ110aの出力信号が未希釈洗浄時における尿流検知用に設定された第一閾値を超えたか否かを判定する。
超えたと判定された場合(S02:Yes)は、尿流が検知されたと判断しステップS03に進み、超えていないと判定された判定された場合(S02:No)は、尿流は検知されないと判断しステップS01へ戻る。
ステップS03において、制御部110は、第二電磁弁170を開き、給水源から第二流路150を介して、第二吐水口222からボウル部210への吐水を開始する。換言すると、小便器200に対して、トラップ部211へ流れ込む尿を洗浄水で希釈する希釈洗浄を開始する。また、制御部110は、閾値を未希釈洗浄時における尿流検知用に設定された第一閾値から希釈洗浄時における尿流検知用に設定された第二閾値へ切り替える。
ここで、ドップラーセンサ120によりボウル面210aに向かう、ボウル部210の内部空間を通過する尿流を直接検知していることで、排尿のタイミングにあわせ吐水を開閉制御でき、排尿開始時から希釈洗浄のための洗浄水吐水開始までのタイムラグをなくすことができる。
従って、尿は排尿開始時から希釈された状態でトラップ部211内へ流入する。すなわち、トラップ部211内において尿は局所的に尿濃度が高い状態で残存することがなくなり、ボウル洗浄によりトラップ部211内の封水を排水管に流すことで、トラップ部211内からの臭気を抑制することができる。
ステップS04において、制御部110は、尿流帯域フィルタ110aの出力信号が希釈洗浄時における尿流検知用に設定された第二閾値を超えたか否かを判定する。超えていないと判定された場合(S04:No)は尿流は検知されないと判断し、ステップS05に進み、超えたと判定された場合(S04:Yes)は尿流が検知されたと判断し、ステップS04を繰り返す。ここで、第二閾値は希釈洗浄時の尿流検知用に設定されたものであり、希釈洗浄によるノイズを考慮しているため、第二電磁弁170駆動時の検知電圧及び第一閾値よりも大きな値となっている。第二閾値は、予め設定しておいても良いし、実際の希釈洗浄時の信号を利用して随時、変更設定しても良い。実際の希釈洗浄時の信号を利用して、その信号を上回るように第二閾値を設定することにより、給水圧や洗浄水機能部100の個体差による信号のばらつきに応じて閾値を適切に設定することが可能となる。
このようにすることで、希釈洗浄中においても、尿流検知の際に、希釈水による検知電圧(ドップラー信号)への影響を考慮して、未希釈洗浄時での閾値と異なる閾値に切り替えているため、希釈洗浄水により尿流検知が妨げられずに正確な尿流検知を行うことができる。
従って、希釈洗浄中においても、排尿終了に合わせて、すぐに洗浄水を止水することができ、節水に繋がる。
尚、本実施例では尿流帯域フィルタの出力信号の振幅値で判定する例を示したが、ドップラー信号を周波数解析して、その周波数スペクトルを用いて判定しても良い。こうすることによって、制御部110での計算負荷は大きくなるものの、精度良く判定できるようになる。
ステップS05において、制御部110は、第二電磁弁170を閉じて、第二吐水口222からの吐水を停止する。換言すると、小便器200に対しての希釈洗浄を終了する。
ドップラーセンサ120によりボウル面210aに向かう、ボウル部210の内部空間を通過する尿流を直接検知していることで、排尿終了後すぐに希釈洗浄のための洗浄水を止水可能となるため、尿流の希釈への寄与が低い洗浄水の吐水をなくし、節水化を図ることができる。
また、ドップラーセンサ120が非吐水領域NA2の後方に設置されているため、第二吐水口222よりボウル部210へ洗浄水を吐水する際、ドップラーセンサ120の前方に位置する立位面210bに洗浄水がかからない。そのため、ドップラーセンサ120の前方に洗浄水膜が形成されず、ドップラー信号から尿流を抽出する際に洗浄水の影響が抑制される。
従って、洗浄中であっても、尿流の検知がより正確に行えるため、排尿終了に合わせすぐに洗浄水を止水することができ、節水に繋がる。
本実施例では、ドップラーセンサ120を非吐水領域NA2の後方に設置しているが、第二吐水口222よりも上方側に位置するスプレッダ220の内部やNA1の後方に設置することもできる。
さらに、ドップラーセンサ120がスプレッダ220より下方の非吐水領域NA2に設置されているため、ボウル部210の内部空間を通過する尿流までの距離が近くなる。また、第二吐水口222よりボウル部210へ吐水される洗浄水の吐水のうち、特に第二吐水口222付近の比較的速度の速い洗浄水をドップラーセンサ120で検知しない。さらに、第二吐水口222からボウル部210へ吐水された洗浄水は、左右方向へ広がり、その後下方へ落下するので、尿流を検知するため下方領域を対象としているドップラーセンサ120の検知領域からずれる。
そのため、第二吐水口222から吐水された洗浄水に対するドップラー信号の強度が小さくなる。加えて、第二吐水口222より左右方向へ広がるように吐水し、立位面210bを伝って下方へ落下するので、空中を落下するのに比べて洗浄水の速度V1は低くなる(第二吐水口222付近の比較的速度の速い洗浄水を除く)。よって、洗浄水の速度V1とボウル部210の内部空間を通過する尿流の速度V2をドップラー信号の検知周波数で識別(V1<V2)し易くなり、より正確な検知が行える。
ドップラー信号の検知周波数範囲を比較した時、洗浄水の速度V1は速度の変動が少なく、安定しており、洗浄水の検知周波数範囲(0Hz〜200Hz)が尿流の検知周波数範囲(200Hz〜500Hz)よりも狭い、即ち洗浄水の検知周波数がボウル部210の内部空間を通過する尿流の検知周波数と重複する部分が少ないため、子供の排尿時等にドップラー信号の信号強度が小さくても正確な検知が行える。
従って、洗浄中であっても、排尿終了に合わせすぐに洗浄水を止水することができるため、節水に繋がる。
ステップS06において、制御部110は、ドップラーセンサ120からの検知信号に基づいて人体検知の有無を判定する。
人体検知有りではないと判定された場合(S06:No)は、ステップS07に進み、有りだと判定された場合(S06: Yes)は、ステップS06を繰り返す。
ステップS07において、制御部110は、第一電磁弁160を開き、給水源から第一流路140を介して、第一吐水口221からボウル部210への吐水を開始する。換言すると、小便器200に対して、トラップ部211に溜まっている希釈された尿を排水管へ押し流すボウル洗浄を開始する。
なお、ボウル洗浄は人体検知によらず、希釈洗浄終了後から一定時間経過したときに開始しても良い。
ステップS08において、制御部110は、予め設定した所定時間が経過したか否かの判定をする。
所定時間を越えたと判定された場合(S08:Yes)は、ステップS09に進み、超えていないと判定された場合(S08:No)は、ステップS08を繰り返す。
ステップS09において、制御部110は、第一電磁弁160を閉じて、第一吐水口221からボウル部210への吐水を停止する。換言すると、小便器200に対しての、ボウル洗浄を終了する。
ボウル洗浄中に次回使用者が排尿を開始した場合、小便器装置10のトラップ部211下流側に接続される排水管の洗浄状態を考慮し、ボウル洗浄を継続しても良いし希釈洗浄に切り替えても良い。特に、小便器装置10や排水管の汚れ、詰まり防止のため小便器装置10の使用状態に関係無く定期的に所定流量の洗浄水を吐水している時は、その洗浄行為自体が希釈洗浄となるため排尿中であっても希釈洗浄への切り替えをしない方が好ましい。
次に、本発明に掛かる小便器400の第二実施形態について以下に説明する。
図7は、本発明の第二実施形態にかかる小便器を表す正面図である。
図8は、図7に示した切断面C−Cにおける断面図である。
図7乃至図8に示したように、小便器400は、使用者の尿を受けるボウル部410と、ボウル部410の下部に設けられ、尿および洗浄水が流れ込むトラップ部411とから構成されている。小便器400は、男子用小便器である。
トラップ部411は、トラップ部411自身の内部において封水を形成する。これにより、トラップ部411は、小便器装置300の後方に設けられた図示しない横引排水配管などから悪臭や害虫類などがトイレ室などに侵入することを防止することができる。
ボウル部410の上部には、スプレッダ420が設けられており、洗浄水供給手段340と洗浄水散水手段360とは、スプレッダ420を介して、ボウル部410へ洗浄水を吐出する。
スプレッダ420上側のボウル部410の背面410aには、人体及び散水異常を検知するマイクロ波ドップラーセンサ320(以下、単に「ドップラーセンサ」という)が設けられている。従って、ドップラーセンサ320は外部に露出していないため、外部からの干渉等による故障を防ぐことができる。
次に図9乃至図10にて、スプレッダ420内部の構造を説明する。
図9は、図7に示すスプレッダを表した斜視図である。図10は図9における切断面D−Dにおける断面図である。
図9から図10に示すように、洗浄水供給手段340は、吐水口341と、吐水口341と連通している第一流路342と、第一電磁弁343(図11参照)と、を有している。洗浄水供給手段340は、図示しない給水源から第一流路342を介して水道水を、吐水口341から小便器400のボウル部410に供給している。洗浄水供給手段340からの吐水により、トラップ部411へ停留している尿を排水管(図示せず)へ押し流す。
洗浄水散水手段360は、散水部361と、散水部361と連通している第二流路362と、第二電磁弁363(図11参照)と、を有している。また、散水部361は、散水孔361aを有する。散水部361は、液滴化された水を散水孔361aから散水する。散水孔361aは、散水部361の内部から外部へ向かって径が広がった形状を有する。散水孔361aの第1の直径D1は、約0.5mm以上0.8mm以下程度である。散水孔161aの第2の直径D2は、約2.7mm以上3.0mm以下程度である。
洗浄水散水手段360は、給水源から第二流路362を通して導かれた水道水を、液滴化された水として散水部361から、小便器400のボウル部410の内部空間を介してボウル部410に供給している。
なお、散水孔361aの数は、1つには限定されない。
洗浄水散水手段360が散水する液滴化された水の径は、約10マイクロメートル(μm)以上1200μm以下程度である。小便器400の使用前に数μmの径を有する水をボウル部410に向けミスト状に散水すれば、ボウル部410の内部空間に漂う臭気を抑制することができる。
換言すると、散水部361がボウル部410の上部から下方へ液滴化された水を散水するため、ボウル部410の内部には、散水部361から下方へ向かう気流が発生する。
そのため、ボウル部410の内部で発生した気流は、アンモニアの上昇を抑えることができる。これにより、使用者は、小便器装置300から発生するアンモニアによる臭いを感じにくくなる。
また、小便器400の側面や周辺の床に散水による洗浄水が付着した場合でも、散水時間が短ければ極微量であるため比較的早く乾き、使用者へ不快感を与えない。
なお、洗浄水散水手段360の散水する水は、水道水に限ることなく、機能水でもよい。
洗浄水供給手段340が1回の動作でボウル部410に供給する水の量(水量)は、洗浄水散水手段360が1回の動作でボウル部410に供給する水の量よりも多い。洗浄水供給手段340が1回の動作でボウル部410に供給する水の量は、約0.4リットル(L)以上1.5L以下程度である。洗浄水散水手段360が1回の動作でボウル部410に供給する水の量は、約20ミリリットル(mL)以上100mL以下程度である。
以下では、洗浄水供給手段340によるボウル部410への洗浄水の吐水を、便宜的に「ボウル洗浄」と称す。そして、洗浄水散水手段360によるボウル部410内部空間への洗浄水の吐水を、便宜的に「散水洗浄」と称す。
図11は、本発明の第二実施形態にかかる小便器装置の要部構成を模式的に表すブロック図である。
なお、図11は、小便器装置300の水路系と電気系との要部構成を併せて表している。
図11に表したように、小便器装置300は、制御手段310と、ドップラーセンサ320と、洗浄水供給手段340と、洗浄水散水手段360と、小便器400と、を備える。
第一電磁弁343及び第二電磁弁363は、それぞれ、給水源と第一流路342及び第二流路362との間に設けられ水の吐止水を行う。
制御手段310は、未散水洗浄用人体帯域フィルタ310aと、散水洗浄用人体帯域フィルタ310bと、を備えている。
なお、制御手段310は、小便器400と別に形成し、小便器400に取り付けてもよいし、小便器400と一体に形成してもよい。制御手段310と小便器400とを別体とする場合、小便器装置300は、小便器400を含まなくてもよい。すなわち、制御手段310を小便器装置300としてもよい。
ドップラーセンサ320は、ボウル部410に向けて送信波としてマイクロ波を送信し、その反射波を受信して出力信号(振幅値)を生成し、制御手段310に入力する。制御手段310は、ドップラーセンサ320の出力信号(振幅値)を基に、小便器400の前にいる使用者の有無およびボウル部410への散水状態を判定する。この判定結果に応じて、第一電磁弁343及び第二電磁弁363の開閉動作を制御する。
人体検知手段をボウル部410へ向けて放射した電波の反射波によって被検知体に関する情報を取得するドップラーセンサ320によって構成しているため、このドップラーセンサ320の出力信号(振幅値)によって、使用者の接近と散水状態の異常発生とを検出することができ、使用者の接近および散水状態の異常の何れかが発生した場合でも洗浄水散水手段360の駆動を停止させることができる。
従って、洗浄水散水手段360における散水孔の詰まり等による散水状態の異常を検出するための検出手段を追加する必要がなく、散水異常によって散水がボウル部410外側まで飛散することを抑制でき、使用者が不快感を覚えることを抑制できる。
図12は、本発明の実施形態にかかる小便器装置における散水洗浄の動作を例示するフローチャートである。具体的には使用者による小便器400への排尿が終わり、ボウル洗浄終了後からの制御手段310での処理を示している。
ステップS101において、制御手段310は、第一電磁弁343を閉じて、ボウル洗浄を終了させる。
ステップS102において、制御手段310は、ドップラーセンサ320からの検知電圧が未散水洗浄時における人体検知用に設定された第一閾値を超えたか否かを判定する。越えたと判定された場合(S102:Yes)は、人体が検知されたと判断しステップS102を繰り返し、超えていないと判定された場合(S102:No)は、人体は非検知だと判断しステップS103に進む。
なお、越えたと判定された場合、すなわち人体が検知された場合、ステップS102を繰り返さずに、次回ボウル洗浄時まで散水洗浄の動作をスキップしても良い。
ここで、検知電圧とは、電波の反射量に依存するドップラーセンサ320の出力の振幅値を反映する値を示し、適宜ノイズ除去等の処理を加えた後の値でも良い。
ステップS103において、制御手段310は、第二電磁弁363を開くとともに、散水孔361aからの散水を開始する。換言すると、小便器400に対しての散水洗浄を開始する。
ステップS104において、制御手段310は、人体検知フィルタを未散水洗浄用から散水洗浄用へ切り替える。
ステップS105において、制御手段310は、閾値を未散水洗浄時における人体検知用に設定された第一閾値から散水洗浄時における人体検知用に設定された第二閾値へ切り替える。第二閾値は散水洗浄におけるノイズを考慮しているため、洗浄水散水手段360駆動時の検知電圧及び第一閾値よりも大きな値となっている。
すなわち、洗浄水散水手段360の非駆動時に比べて駆動時では、使用者の接近を判定するための閾値が大きくなるように切り替えているため、洗浄水散水手段360の駆動時における散水によりドップラーセンサ320からの検知電圧が大きくなった場合でも使用者の接近を判定することが可能である。
また、使用者の接近の判定をドップラーセンサ320の検知電圧に基づいて行うことができ、周波数処理などの複雑な処理を減らすことができ、判定処理を比較的簡単に行うことが可能である。
ステップS106において、制御手段310は、第二閾値を散水洗浄の状態に合わせて更新する。つまり、第二閾値は前回使用時からの変化(散水ノズルの状態や給水圧など)に対応して、補正・更新する。
そのため、洗浄水散水手段360の駆動中におけるドップラーセンサ320の検知電圧を利用して第二閾値を設定することで、実際の散水によるドップラーセンサ320からの検知電圧を上回るように第二閾値を設定することができ、洗浄水散水手段360による散水中における使用者の接近の判定精度を向上させることができる。
従って、散水中においても、正確な人体接近のタイミングに合わせ、散水を停止することができ、散水された洗浄水が使用者にかかったり、目標が定まらずボウル部410外へ尿が飛散したりするといった、使用者にとって不快と感じる状況を作り出さない。
ステップS107において、制御手段310は、ドップラーセンサ320からの検知電圧が散水状態検知用に設定された第三閾値を下回っているか否かを判定する。
下回っていると判定された場合(S107:Yes)は、散水状態の不具合と判断し、ステップS110に進み、下回っていないと判定された場合(S107:No)は、散水状態に問題なしと判断し、ステップS108へ進む。
第三閾値は、第一閾値よりも大きく、第二閾値よりも小さな値に設定されている。
このようにすることで、散水異常の判定をドップラーセンサの検知電圧に基づいて行うことができ、周波数処理などの複雑な処理を減らすことができ、判定処理を比較的簡単に行うことが可能である。
従って、洗浄水散水手段360の不具合時、散水を停止することで、散水による洗浄水が小便器400周辺の床への飛散することや使用者へ飛散することを未然に防ぐことができ、使用者にとって不快と感じる状況を作り出さない。
ステップS108において、制御手段310は、ドップラーセンサ320からの検知電圧が第二閾値を超えたか否かを判定する。
第二閾値を超えたと判定された場合(S108:Yes)は、人体が検知されたと判断しステップS110に進み、第二閾値を越えていない判定された場合(S108:No)は、人体非検知と判断し、ステップS109へ進む。
このようにすることで、散水中においても、人体検知の際に、散水による検知電圧(ドップラー信号)への影響を考慮して、未散水洗浄時での閾値と異なる閾値に切り替えているため、散水された洗浄水により、人体検知が妨げられずに正確な人体検知を行うことができる。
従って、散水中においても、正確な人体接近のタイミングに合わせ、散水を停止することができ、散水された洗浄水が使用者にかかったり、目標が定まらずボウル部410外へ尿が飛散したりするといった、使用者にとって不快と感じる状況を作り出さない。
ステップS109において、制御手段310は、所定時間が経過したか否かの判定をする。
所定時間を越えたと判定された場合(S109:Yes)は、ステップS110に進み、超えていないと判定された場合(S109:No)は、ステップS107へ戻る。
ステップS110において、制御手段310は、第二電磁弁363を閉じて、散水孔361aからの散水を停止する。換言すると、小便器400に対しての散水洗浄を終了する。
図13は、経過時間と振幅電圧の関係を示すグラフである。図13(a)は、図12に示す動作により検知信号の振幅電圧から散水のみを検知した様子の一例を示す図である。図13(b)は、図12に示す動作により検知信号の振幅電圧から所定量よりも多い散水量を検知した様子の一例を示す図である。図13(c)は、検知信号の振幅電圧から散水中に人体を検知した様子を示す図である。図13(d)は、検知信号の振幅電圧から非散水中に人体を検知した様子を示す図である。
図13(a)に示すように、散水のみの検知電圧は第二閾値と第三閾値の間に位置している。図13(b)に示すように、瞬間的に散水量が増加すると、つまり散水異常が発生すると、散水される領域がより広角に拡がりドップラーセンサの検知範囲内に散水される洗浄水からの反射量が減少するため検知電圧が第三閾値を下回る。また、13(c)に示すように、散水中に人体を検知すると、洗浄水からの反射量に人体からの反射量が重畳するため検知電圧が第二閾値を上回る。散水中の検知電圧を基準とした複数の閾値により散水異常や人体接近を容易に判断することができる。また、複数の閾値は固定でも良いし使用環境に応じて補正しても良い。図13(d)に示すように、非散水中に人体を検知すると、検知電圧が第一閾値を上回る。人体検知判断の閾値を散水中と非散水中で変更することにより人体検知判断が容易となる。
次に、図14に強度と周波数の関係を示す。図14(a)は、図12に示す動作により検知信号の周波数分布から散水のみを検知した様子の一例を示す図である。図14(b)は、図12に示す動作により検知信号の周波数分布から所定量よりも多い散水量を検知した様子の一例を示す図である。図14(c)は、検知信号の周波数分布から散水中に人体を検知した様子を示す図である。図14(d)は、検知信号の周波数分布から非散水中に人体を検知した様子を示す図である。
図14(a)乃至図14(c)に示すように、散水のみの周波数分布(f0)は、瞬間的に散水量が増加すると、つまり散水異常が発生すると、散水洗浄手段から吐水される洗浄水の瞬間流速が増加するため周波数が増加し、周波数分布が高い周波数帯域に(f1)にずれる。また、散水中に人体を検知すると、歩行速度から静止状態に応じた低い周波数帯域で強度が上昇する(f2)。散水中の検知周波数を基準として複数の検知周波数範囲を設定することにより散水異常や人体接近を容易に判断することができる。図14(d)に示すように、非散水中に人体を検知すると、歩行速度から静止状態に応じた低い周波数帯域でのみ強度が上昇する(f2)。散水中と非散水中に関わらず人体検知判断の検知周波数領域は同じであり、人体検知用として周波数フィルタを1つ備えれば良い。
以上、本発明の各実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、小便器装置10、300などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや小便器装置10、300の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
10 小便器装置、 100 洗浄水機能部、 110 制御部、 120 ドップラーセンサ、 140 第一流路、 150 第二流路、 160 第一電磁弁、 170 第二電磁弁、 200 小便器、 210 ボウル部、 210a ボウル面、 210b立位面、210c 側面、 210d 背面、 211 トラップ部、 220 スプレッダ、 221第一吐水口、 222 第二吐水口、 223 給水部、 224 分岐部、 300 小便器装置、 310 制御手段、 320 ドップラーセンサ、 340 洗浄水供給手段、 341 吐水口、342 第一流路、 343 第一電磁弁、 360 洗浄水散水手段、 361 散水部、 361a 散水孔、 362 第二流路、 363 第二電磁弁、 400 小便器、410 ボウル部、 410a 背面、 411 トラップ部、 420 スプレッダ

Claims (6)

  1. 使用者と対向する立位面と、前記立位面の下方に設けられ使用者の尿を受けるボウル部と、を有する小便器と、前記立位面の上部から前記ボウル部に洗浄水を吐水する第一洗浄水供給手段と、前記立位面の上部から前記ボウル部に前記第一洗浄水供給手段から供給される水とは性状若しくは流量の異なる水を供給する第二洗浄水供給手段と、前記ボウル部へ向けて放射した電波の反射波によって使用者や尿流に関する情報を取得するドップラーセンサと、前記ドップラーセンサの出力信号に基づいて使用者や尿流の有無を判定し、その判定結果に基づいて前記第一洗浄水供給手段および前記第二洗浄水供給手段の動作を制御する制御手段と、を備えた小便器装置において、
    前記制御手段は、前記第二洗浄水供給手段の駆動時と非駆動時とで使用者や尿流の有無の判定基準を異ならせ
    前記第二洗浄水供給手段は前記ボウル部の内部空間に水を散水し、
    前記制御手段は、前記第二洗浄水供給手段の駆動中における前記ドップラーセンサの出力信号に基づいて、使用者が前記小便器に接近してきたと判定すると前記第二洗浄水供給手段の駆動を停止させると共に、
    前記第二洗浄水供給手段の駆動中における前記ドップラーセンサの出力信号に基づいて、前記第二洗浄水供給手段からの散水状態に異常が発生したと判定すると、散水異常処理として前記第二洗浄水供給手段の駆動を停止させることを特徴とする小便器装置。
  2. 前記制御手段は、前記ドップラーセンサの出力信号の振幅値と閾値とを比較して、前記閾値を上回ると使用者や尿流が有ると判定するものであり、
    前記第二洗浄水供給手段の非駆動時は前記閾値を第一閾値とし、前記第二洗浄水供給手段の駆動時は前記閾値を前記第一閾値より大きく設定された第二閾値へと切り替えることを特徴とする請求項1に記載の小便器装置。
  3. 前記制御手段は、前記第二洗浄水供給手段の駆動中における前記ドップラーセンサの出力信号の振幅値に基づいて、この振幅値よりも大きく前記第二閾値を設定することを特徴とする請求項2に記載の小便器装置。
  4. 前記制御手段は、前記第二閾値よりも小さい前記散水異常処理用の第三閾値を有しており、前記第二洗浄水供給手段の駆動時において、前記ドップラーセンサの出力信号の振幅値が前記第三閾値を下回っていると前記散水異常処理を実行することを特徴とする請求項2または3に記載の小便器装置。
  5. 前記第二洗浄水供給手段の吐水部は前記立位面に向けて洗浄水を吐水することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の小便器装置。
  6. 前記ドップラーセンサは、前記立位面のうちの前期第二洗浄水供給手段から供給される洗浄水がかからない非吐水領域と前後方向において重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の小便器装置。
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