以下、本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置101について図面を参照して説明する。図1は、レンズ駆動装置101の分解斜視図である。図2Aは、レンズ駆動装置101の上方斜視図であり、図2Bは、Y2側から見たレンズ駆動装置101の正面図である。図3Aは、レンズ駆動装置101の上面図であり、図3Bは、レンズ駆動装置101の底面図である。図4Aは、ケース4を取り外した状態のレンズ駆動装置101の上方斜視図であり、図2Aに対応する。図4Bは、X2側から見た、ケース4を取り外した状態のレンズ駆動装置101の左側面図である。
レンズ駆動装置101は、図1に示すように、レンズ体(図示せず。)を保持可能なレンズ保持部材2と、レンズ保持部材2をレンズ体に関する光軸方向(Z軸方向)に沿って移動させる駆動機構MKと、レンズ保持部材2を光軸方向に移動可能に支持する支持部材としての板ばね6と、板ばね6が固定される固定側部材RGとを含む。レンズ体は、例えば、少なくとも1枚のレンズを備えた筒状のレンズバレルであり、その中心軸線が光軸方向に沿うように構成されている。光軸方向は、レンズ体LSに関する光軸JDの方向、及び、光軸JDに平行な方向を含む。
駆動機構MKは、図1に示すように、環状に巻かれたコイル3と、コイル3と対向して配置された4つの磁石5とを含む。固定側部材RGは、カバー部材としての矩形箱状のケース4と、金属部材7が埋め込まれたベース部材18とを含む。
金属部材7は、図3Bに示すように、外部との電気的な接続をもたらす端子7A、7B及び7Cを含む。板ばね6は、レンズ保持部材2とケース4との間に配置される上側板ばね16と、レンズ保持部材2とベース部材18との間に配置される2つの下側板ばね26A、26Bとを含む。
ケース4は、図2Aに示すように、ベース部材18に結合されてベース部材18とともに筐体を構成する。ケース4は、矩形環状の外周壁部4Gと、外周壁部4Gの上端(Z1側の端)と連続するように設けられた、角部4Cを除いて平板状の天井部4Bとを有する。
外周壁部4Gは、平板状に形成された4つの側板部4Aを備えている。具体的には、側板部4Aは、互いに対向する一対の第1側板部4A1と、第1側板部4A1に垂直で且つ互いに対向する一対の第2側板部4A2とを有する。隣り合う第1側板部4A1と第2側板部4A2との間には、両者を繋ぐ曲面板部4Rが存在する。曲面板部4Rの内側は、天井部4Bの四隅を構成する角部4Cに対応する。天井部4Bの中央には略円形の開口4kが形成されている。そして、開口4kには、角部4Cのそれぞれに向かって拡がるように切欠部4kcが形成されている。切欠部4kcは、例えば、レンズ体をレンズ保持部材2に取り付ける際に、レンズ保持部材2を保持するために利用される。但し、切欠部4kcは省略されてもよい。角部4Cは、第1角部4C1、第2角部4C2、第3角部4C3及び第4角部4C4を含む。そして、切欠部4kcは、第1角部4C1〜第4角部4C4のそれぞれに対向するように配置された第1切欠部4kc1〜第4切欠部4kc4を含む。また、角部4Cは、天井部4Bの平板状の面から下方(Z2方向)に窪むように形成されている。角部4Cの下面(Z2側の面)と磁石5の上面(Z1側の面)との間で上側板ばね16を挟持するためである。なお、角部4Cは、上述のように、ケース4の天井部4Bの一部を構成している。
レンズ駆動装置101は、略直方体形状を有し、撮像素子(図示せず。)を実装した基板(図示せず。)の上に取り付けられる。レンズ駆動装置101と、レンズ保持部材2に装着されたレンズ体と、レンズ体に対向するように基板に実装された撮像素子と、基板とはカメラモジュールを構成する。コイル3は、下側板ばね26A、端子7A及び基板を介し、且つ、下側板ばね26B、端子7B及び基板を介して電源に接続される。コイル3に電流が流れると、駆動機構MKは、光軸方向に沿った電磁力を発生させる。
レンズ駆動装置101は、この電磁力を利用し、撮像素子のZ1側(被写体側)で、光軸方向に沿ってレンズ保持部材2を移動させることで自動焦点調節機能を実現する。具体的には、レンズ駆動装置101は、撮像素子から離れる方向にレンズ保持部材2を移動させてマクロ撮影を可能にし、撮像素子に近づく方向にレンズ保持部材2を移動させて無限遠撮影を可能にしている。
次に、レンズ保持部材2と駆動機構MKについて説明する。図5Aは、レンズ保持部材2の上方斜視図であり、図5Bは、図5Aのレンズ保持部材2にコイル3が巻かれた状態を示す上方斜視図である。図6Aは、レンズ保持部材2の下方斜視図であり、図6Bは、図6Aのレンズ保持部材2にコイル3が巻かれた状態を示す下方斜視図である。図7Aは、レンズ保持部材2の上面図であり、図7Bは、X1側から見たレンズ保持部材2の右側面図である。図8Aは、レンズ保持部材2の下方斜視図であり、図8Bは、図8Aに示すレンズ保持部材2にコイル3が巻かれた状態を示す下方斜視図である。図9Aは、図8Bに示す部分Sの拡大図であり、図9Bは、図6Bに示す部分Pの拡大図である。図10Aは、金属部材7及びベース部材18が省略された状態のレンズ駆動装置101の底面図であり、図10Bは、更に下側板ばね26A、下側板ばね26B及びレンズ保持部材2が省略された状態のレンズ駆動装置101の底面図である。
本実施形態では、レンズ保持部材2は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することで作製されている。具体的には、レンズ保持部材2は、図5Aに示すように、光軸方向に沿って貫通されるように形成された筒状部12と、光軸方向における撮像素子側(Z2側)に形成された第1突出部としてのフランジ部(鍔状部)52とを含む。本実施形態では、フランジ部52は、径方向外側に突出するように、すなわち、光軸方向に垂直な方向に突出するように形成されている。また、筒状部12は、フランジ部52の被写体側(Z1側)においては、円筒状に形成されている。
本実施形態では、筒状部12には、レンズ体が装着されるように、内周面にねじ溝が設けられている。但し、レンズ体は、接着剤によって筒状部12に固定されてもよい。この場合、ねじ溝は省略されてもよい。また、筒状部12には、被写体側の端面に窪み12dhを有した台座部12dが光軸JDを挟んで4箇所に設けられている。台座部12dには、図4Aに示すように、上側板ばね16の内側部分16iが載置され、且つ、接着剤で固定される。
筒状部12の外周面には、図5Aに示すように、コイル3を内側から支持する外壁部としてのコイル支持部12jが設けられている。本実施形態では、コイル支持部12jは、八角環状のコイル3を支持できるよう、上面視で八角形状の外形を有する。具体的には、コイル支持部12jは、ケース4の角部のそれぞれに対応するように配置されている4つの角壁部12Cと、ケース4の側板部4A(第1側板部4A1及び第2側板部4A2)に対向するように配置されている4つの側壁部12Sとを含む。コイル支持部12jとケース4の外周壁部4Gとの間にはコイル3が存在する。そのため、側壁部12Sは、コイル3を挟んだ状態で、ケース4の側板部4Aに対向している。そして、コイル支持部12jは、八角環状の外形を形成するように、且つ、角壁部12C及び側壁部12Sが交互に並ぶように構成されている。より具体的には、角壁部12Cは、第1角部4C1〜第4角部4C4のそれぞれに対向(対応)するように配置された第1角壁部12C1〜第4角壁部12C4を含む。また、側壁部12Sは、第1角壁部12C1と第2角壁部12C2との間にある第1側壁部12S1、及び、第2角壁部12C2と第3角壁部12C3との間にある第2側壁部12S2を含む。同様に、側壁部12Sは、第3角壁部12C3と第4角壁部12C4との間にある第3側壁部12S3(図5Aでは不可視。図8A参照。)、及び、第4角壁部12C4と第1角壁部12C1との間にある第4側壁部12S4(図5Aでは不可視。図7B参照。)を含む。
4つの角壁部12Cのそれぞれは、ケース4の天井部4Bに対向する壁端面FSを有する。壁端面FSには異物捕捉部材50(図5B参照。)が配置される溝部50Rが形成されている。具体的には、壁端面FSは、第1角部4C1〜第4角部4C4のそれぞれに対向(対応)するように配置された第1壁端面FS1〜第4壁端面FS4を含む。溝部50Rは、第1壁端面FS1〜第4壁端面FS4のそれぞれに形成されている第1溝部50R1〜第4溝部50R4を含む。そして、異物捕捉部材50は、第1溝部50R1〜第4溝部50R4のそれぞれに設けられている第1異物捕捉部材50−1〜第4異物捕捉部材50−4を含む。本実施形態では、壁端面FSは、光軸JDに垂直な平坦面で構成されている。コイル3をレンズ保持部材2に巻き付ける際に使用される治具を取り付けやすくするためである。この場合、コイル3は、図5Bに示すように、コイル3のZ1側の端面3Tがケース4の天井部4Bと対向するように、且つ、端面3Tと壁端面FSとが同一平面上に位置するように、レンズ保持部材2に巻き付けられる。溝部50Rの底面は、光軸JDに垂直な平坦面で構成されている。但し、溝部50Rの底面は、光軸JDに垂直な方向に対して傾斜していてもよい。
異物捕捉部材50は、ケース4の開口4kを通って筐体内に侵入する塵埃等の異物を捕捉する粘着性(タック性)を有する部材である。本実施形態では、異物捕捉部材50は、角壁部12Cの壁端面FSに設けられている。但し、光軸方向に延びる筒状部12の外壁に設けられていてもよい。粘着性(タック性)を有する部材は、粘着性接着剤又は粘着性樹脂等を含む。異物捕捉部材50は、角壁部12Cの壁端面FSに貼り付けられる両面テープであってもよい。この場合、溝部50Rは省略されてもよい。或いは、異物捕捉部材50は、角壁部12Cの壁端面FSから上方(Z1方向)に突出する部材であってもよい。本実施形態では、異物捕捉部材50は、レンズ保持部材2とコイル3との接着に用いられる粘着性接着剤と同じ粘着性接着剤で形成される。具体的には、異物捕捉部材50は、粘着性接着剤を硬化させたものであり、コイル3は、その粘着性接着剤により、レンズ保持部材2の外壁部であるコイル支持部12jに固定されている。粘着性接着剤で形成される場合、異物捕捉部材50は、無作為に塗布されるのではなく、所定形状となるように塗布される。本実施形態では、異物捕捉部材50のそれぞれは、図5Bに示すように光軸JDを中心に円弧状に延びるように、且つ、対応する壁端面FS(溝部50Rを含む。)の表面積の30〜40%に相当する表面積を有するように塗布されている。本実施形態では、一つの異物捕捉部材50のZ1側に現れる部分の表面積は0.34[mm2]程度である。
コイル支持部12jの被写体側には、光軸方向において第1突出部としてのフランジ部52と対向するように径方向外側に突出した第2突出部としての庇部12hが4箇所に形成されている。本実施形態では、庇部12hは、ケース4の側板部4A(第1側板部4A1及び第2側板部4A2)に向かって、外方へ突出するように、すなわち、光軸方向に垂直な方向に突出するように形成されている。そして、図5Bに示すように、コイル3は、コイル支持部12jに支持され且つ光軸方向において庇部12hとフランジ部52との間に挟まれるようにしてレンズ保持部材2の外周面側に環状に巻かれている。
フランジ部52は、筒状部12の撮像素子側(Z2側)の部分における外周面から径方向外側に突出している。フランジ部52の被写体側にはコイル3が配置されている。フランジ部52には、図6Bに示すように、レンズ体の光軸JDを挟んで切欠部52kが2つ形成されている。そして、切欠部52kの一方にはコイル3の巻き始め側の線材である延在部33Aが通され、切欠部52kの他方にはコイル3の巻き終わり側の線材である延在部33Bが通されている。切欠部52kを形成するフランジ部52の縁部は、湾曲するように構成されている。縁部と接するコイル3の線材が断線するのを防止し或いは抑制するためである。
フランジ部52は、図6Aに示すように、撮像素子側(Z2側)の面から下方(Z2方向)に突出した、角形凸状の2つの保持部72と、丸形凸状の6つの突設部2tと、3つの壁部(内側壁部82u、外側壁部82v、側壁部82w)で形成された2つの突堤部82とを含む。
保持部72は、図6Bに示すように、コイル3(巻回部13)の巻き始め側に対応する保持部72Aと、コイル3(巻回部13)の巻き終わり側に対応する保持部72Bとを含む。コイル3の両端は、保持部72に巻き付けられて保持されている。
突設部2tは、図6A及び図10Aに示すように、下側板ばね26Aに対応する3つの突設部2tと、下側板ばね26Bに対応する3つ突設部2tとを含む。突設部2tには、下側板ばね26A及び下側板ばね26Bのそれぞれの内側部分26iが装着されて固定されている。下側板ばね26A及び下側板ばね26Bのそれぞれの内側部分26iの固定は、内側部分26iに形成された貫通孔に挿通された突設部2tを熱かしめすることによって実現される。なお、熱かしめは、冷間かしめであってもよい。図6A及び図6Bでは、突設部2tは、熱かしめされた後の先端が変形した状態で図示されている。他の図においても同様である。
突堤部82は、図6Aに示すように、レンズ保持部材2の中心側に位置する内側壁部82uと、内側壁部82uと対向して外側に位置する外側壁部82vと、保持部72に近い側で内側壁部82uと外側壁部82vとの間に位置する側壁部82wとを含む。保持部72から遠い突堤部82の側には、図9Aに示すように、壁部が切り欠かれた開放部82zが形成されている。そして、3つの壁部(内側壁部82u、外側壁部82v、側壁部82w)で囲われた空間が収容部82sを形成している。本実施形態では、突堤部82が保持部72と隣り合う位置に形成されているので、保持部72の側壁は、突堤部82の側壁部82wとして好適に利用されている。したがって、保持部72と隣り合う位置に収容部82sが設けられている。保持部72Aの近くにある収容部82sは、コイル3の延在部33Aと下側板ばね26Aとを接続する導電性接着剤を収容できるように構成されている。同様に、保持部72Bの近くにある収容部82sは、コイル3の延在部33Bと下側板ばね26Bとを接続する導電性接着剤を収容できるように構成されている。
次に、レンズ駆動装置101の駆動機構MKについて説明する。駆動機構MKは、図10Bに示すように、コイル3と、ケース4を構成する4つの側板部4A(第1側板部4A1及び第2側板部4A2)のそれぞれと対向するように配置された4つの磁石5とを含む。そして、駆動機構MKは、コイル3に流れる電流と磁石5が発生する磁界とで駆動力(推力)を発生させ、レンズ保持部材2を光軸方向に沿って上下に移動させることができる。
コイル3は、図6Bに示すように、レンズ保持部材2の外周に導電性の線材を巻回して形成されている。コイル3は、環状に巻かれて形成された巻回部13と、巻回部13から延びて保持部72に巻き付けられる延在部33とを含む。図6Bは、明瞭化のため、巻回部13に関しては、絶縁部材で表面を被覆された導電性の線材の詳細な巻回状態の図示を省略している。巻回部13を図示する他の図についても同様である。
延在部33は、コイル3の巻き始め側で巻回部13の内周側に位置する巻回部13の端部(巻き始め部分)に繋がっている延在部33Aと、コイル3の巻き終わり側で巻回部13の外周側に位置する巻回部13の端部(巻き終わり部分)に繋がっている延在部33Bとを含む。
具体的には、延在部33Aは、図9Aに示すように、保持部72Aに巻き付けられる巻き付け部33mと、収容部82sの内底面と対向して延びる接続部33cと、切欠部52kに挿通されてフランジ部52の撮像素子側(Z2側)から被写体側(Z1側)に延びる挿通部33kとを含む。同様に、延在部33Bは、図9Bに示すように、保持部72Bに巻き付けられる巻き付け部33mと、収容部82sの内底面と対向して延びる接続部33cと、切欠部52kに挿通されてフランジ部52の撮像素子側(Z2側)から被写体側(Z1側)に延びる挿通部33kとを含む。
本実施形態では、延在部33Aは、コイル3の線材がレンズ保持部材2の外周に巻き付けられる前に、すなわち、巻回部13が形成される前に、レンズ保持部材2の保持部72Aに巻き付けられる。図9Aに示す例では、コイル3の線材の一部が保持部72Aに3ターン巻き付けられている。これにより、巻き付け部33mが保持部72Aに形成され、延在部33Aの一部が保持部72Aに保持される。但し、延在部33Aは、コイル3の線材がレンズ保持部材2の外周に巻き付けられた後で、保持部72Aに巻き付けられてもよい。
次に、レンズ保持部材2の外周に線材が巻き付けられる。その際には、図9Aに示すように、巻き付け部33mから延びる線材は、収容部82sの内底面と対向するとともに、壁部が切り欠かれた開放部82zを通る。そして、線材は、フランジ部52の下側から切欠部52kを通ってフランジ部52の上側に延びる。このとき、収容部82sの内底面と対向する部分が延在部33Aの接続部33cを構成し、切欠部52kを通る部分が延在部33Aの挿通部33kを構成する。
延在部33Aの挿通部33kは、フランジ部52の下側から上側に延びる際、図9Aに示すように、フランジ部52の縁部に接するように構成されている。そのため、落下等により強い衝撃がレンズ駆動装置101に加えられた際には、コイル3の延在部33Aはフランジ部52の縁部に押し付けられる。本実施形態では、フランジ部52の縁部は湾曲するように構成されている。そのため、延在部33Aは、フランジ部52の縁部で切断され難い。延在部33Bと接するフランジ部52の縁部も湾曲するように構成されていてもよい。
レンズ保持部材2の外周に巻回されたコイル3の巻回部13は、図5Bに示すように、レンズ保持部材2の周囲を囲む位置に配置されている。また、巻回部13は、コイル支持部12j(図5A参照。)により内側から支持された状態で、庇部12hとフランジ部52に挟まれるようにして、フランジ部52の被写体側に固定されている。また、巻回部13の内周面がコイル支持部12jにより等方的にバランス良く支持されるため、巻回部13は、コイル3の中心軸とレンズ保持部材2の中心軸とが一致した状態で、レンズ保持部材2に保持される。したがって、レンズ保持部材2に保持されたレンズ体の光軸JDは、レンズ保持部材2及びコイル3のそれぞれの中心軸と容易に一致するように構成されている。
レンズ保持部材2の外周への線材の巻き付けが終了すると、巻回部13の巻き終わり側の端部に繋がる延在部33Bは、図9Bに示すように、フランジ部52の被写体側から切欠部52kを介してフランジ部52の撮像素子側に引き出される。具体的には、挿通部33kが切欠部52kを通過し、接続部33cが突堤部82の開放部82zを通過するとともに収容部82sの内底面と対向して延び、巻き付け部33mがレンズ保持部材2の保持部72Bに巻き付けられる。図9Bに示す例では、延在部33Bは、保持部72Bに3ターン巻き付けられている。
突堤部82には、保持部72Bから遠い側に、壁部が切り欠かれた開放部82zが形成されている。延在部33Bの接続部33cは開放部82zを通って延びる。この構成により、突堤部82と延在部33Bとの干渉が回避され、レンズ保持部材2と下側板ばね26Bとの隙間の増大が回避され、レンズ駆動装置101の寸法が光軸方向において大きくなるのが抑制され得る。
次に、ケース4について説明する。本実施形態では、ケース4は、オーステナイト系ステンレス鋼等の非磁性金属で形成された板材に抜き加工及び絞り加工を施して作製されている。非磁性金属で形成されているため、ケース4は、デュアルカメラ型の携帯機器等においてレンズ駆動装置101に隣接して別のレンズ駆動装置が配置される場合であっても、その別のレンズ駆動装置に含まれる駆動機構に磁気的な悪影響を及ぼすことはない。具体的には、ケース4は、図2Aに示すように、収納部4sを定める箱状の外形を有する。そして、ケース4は、矩形環状の外周壁部4Gと、外周壁部4Gの上端(Z1側の端)と連続するように設けられた、角部4Cを除いて平板状の天井部4Bとを有する。外周壁部4Gは、平板状に形成された4つの側板部4Aを備えている。このように構成されたケース4は、図10Bに示すように、コイル3及び磁石5を収納部4sに収容し、且つ、図2Aに示すように、ベース部材18に結合されてベース部材18とともに筐体を構成する。但し、ケース4は、鉄等の磁性金属で形成されたカバーで置き換えられてもよい。この場合、ケース4はヨークとして機能する。
次に、駆動機構MKを構成する磁石5について説明する。磁石5は、図1に示すように略直方体形状を有し、光軸方向に垂直な方向(X軸方向又はY軸方向)に延びるように配置されている。そして、4つの磁石5は、図10Bに示すように、コイル3の外側に位置するとともに、ケース4を構成する4つの側板部4A(第1側板部4A1及び第2側板部4A2)のそれぞれに沿うように配置されている。そして、接着剤により、側板部4Aのそれぞれの内面に固定されている。また、磁石5は、例えば、内側がN極、外側がS極となるように配置されている。
次に、板ばね6及び固定側部材RGについて説明する。図11A及び図11Bは、板ばね6を説明する図である。図11Aは、上側板ばね16の上面図であり、図11Bは、下側板ばね26A及び下側板ばね26Bの底面図である。図12A及び図12Bは、下側板ばね26Aとコイル3との接続状態の一例を説明する図である。具体的には、図12Aは、図10Aに示す部分Tの拡大図であり、図12Bは、図10Aに示す部分TをX2側から見たときの下側板ばね26A、コイル3及びレンズ保持部材2の拡大図である。なお、図12A及び図12Bでは、説明を分かり易くするため、導電性接着剤CAがクロスハッチングで示されている。図13A及び図13Bは、固定側部材RGとしてのベース部材18を説明する図である。具体的には、図13Aは、ベース部材18の上方斜視図であり、図13Bは、ベース部材18に下側板ばね26A及び下側板ばね26Bが組み付けられた状態を示す上方斜視図である。
板ばね6は、銅合金を主な材料とした金属板から作製されている。板ばね6は、図1に示すように、レンズ保持部材2とケース4との間に配置される上側板ばね16と、レンズ保持部材2とベース部材18との間に配置される下側板ばね26A及び下側板ばね26Bとを含む。レンズ保持部材2と板ばね6(上側板ばね16、下側板ばね26A及び下側板ばね26B)のそれぞれとが係合された状態で、板ばね6は、レンズ保持部材2が光軸方向(Z軸方向)へ移動可能となるように、レンズ保持部材2を空中で支持している。下側板ばね26A及び下側板ばね26Bは、コイル3に電流を供給するための給電部材として機能する。そのため、下側板ばね26Aはコイル3の一端に電気的に接続され、下側板ばね26Bはコイル3の他端に電気的に接続されている。上側板ばね16とケース4との間にはスペーサ部材が配置されていてもよい。レンズ保持部材2がZ1方向に移動したときにレンズ保持部材2とケース4とが衝突するのを防止するためである。
上側板ばね16は、図11Aに示すように、略矩形状をなし、レンズ保持部材2に固定される内側部分16iと、固定側部材RGに固定される外側部分16eと、内側部分16iと外側部分16eとの間に位置する4つの弾性腕部16gとを含む。具体的には、上側板ばね16は、枠状に形成されており、中心を挟んで対向するように設けられた2つの内側部分16iを有している。外側部分16eは、4つの角部分16bと、隣り合う2つの角部分16bを繋ぐ4つの桟部16rとを有している。桟部16rの両端部と角部分16bの一部は、ケース4の天井部4Bの一部を構成する角部4Cと磁石5とで挟持されて固定される。このように、ケース4及び磁石5は、固定側部材RGとして機能する。弾性腕部16gは、ケース4における第1角部4C1〜第4角部4C4のそれぞれに対応するように配置された第1弾性腕部16g1〜第4弾性腕部16g4を含む。第1弾性腕部16g1〜第4弾性腕部16g4は、対応する第1角部4C1〜第4角部4C4の内側(光軸JD側)に位置している。すなわち、第1弾性腕部16g1〜第4弾性腕部16g4は、それぞれの弾性変形が第1角部4C1〜第4角部4C4によって妨げられないように構成されている。
上側板ばね16がレンズ駆動装置101に組み込まれた際には、図4Aに示すように、内側部分16iは、レンズ保持部材2の台座部12d(図5A参照。)に載置される。そして、内側部分16iと台座部12dとを接着剤で固定することにより、内側部分16iはレンズ保持部材2に固定される。外側部分16eは、図4Bに示すように、磁石5の上面(Z1側の面)に接し、天井部4Bの角部4Cの下面(図4Bでは不図示。)と磁石5の上面との間に挟持されて固定される。
上側板ばね16は、図11Aに示すように、略左右対称に形成されている。そして、内側部分16iでレンズ保持部材2に固定され、外側部分16eでケース4に固定されている。そのため、上側板ばね16は、レンズ保持部材2をバランス良く空中で支持できる。
下側板ばね26A及び下側板ばね26Bは、図11Bに示すように、それぞれの内側形状が半円形状となるように構成されている。そして、レンズ保持部材2の撮像素子側に固定される内側部分26iと、固定側部材RGに固定される外側部分26eと、内側部分26iと外側部分26eとの間に位置する弾性腕部26gとを含む。
下側板ばね26A及び下側板ばね26Bのそれぞれの内側部分26iは、図11Bに示すように、レンズ保持部材2と係合される3つの内側接合部分26cと、3つの内側接合部分26cの間を繋ぐ2つの第1連結部26pと、コイル3の延在部33と対向する接続板部26hとを含む。
下側板ばね26A及び下側板ばね26Bがレンズ駆動装置101に組み込まれた際には、図6Aに示すレンズ保持部材2の6つの突設部2tのそれぞれは、図11Bに示す下側板ばね26A及び下側板ばね26Bのそれぞれの内側接合部分26cに設けられた円形の貫通孔に挿通されて嵌合される。これにより、下側板ばね26A及び下側板ばね26Bのそれぞれの内側部分26iは、レンズ保持部材2に位置決めされ且つ固定される。下側板ばね26A及び下側板ばね26Bは、例えば、レンズ保持部材2の突設部2tに熱かしめ又は冷間かしめを施すことで、レンズ保持部材2に固定される。
以下では、主に下側板ばね26Aとレンズ保持部材2及びコイル3との関係を説明する。但し、下側板ばね26Aに関する説明は、下側板ばね26Bにも同様に適用される。
下側板ばね26Aの内側部分26iの接続板部26hは、図12Bに示すように、レンズ駆動装置101が組み立てられた際には、レンズ保持部材2の突堤部82と対向する。すなわち、接続板部26hの被写体側(Z1側)の面は、図12Aに示すように、突堤部82で形成された収容部82sと対向する。そして、コイル3の延在部33Aの接続部33cは、図12Bに示すように、下側板ばね26Aの内側部分26iの被写体側の面とレンズ保持部材2のフランジ部52の撮像素子側(Z2側)の面との間を通って延びる。
内側部分26iの接続板部26hには、図12Aに示すように、突堤部82の開放部82zと対向する位置に、貫通部26tとして2つの切り欠きが設けられ、且つ、外側壁部82vと対向する位置に、U字形状の切欠部26kが設けられている。貫通部26tは、底面視で、突堤部82の内側壁部82u及び外側壁部82vのそれぞれの端部に対応する位置に設けられ、且つ、貫通部26tを構成している端面26xがこれらの端部を覆うように設けられている。この配置により、貫通部26tは、導電性接着剤CAが下側板ばね26AのZ1側の表面を伝ってY2側に広がるのを防止している。また、切欠部26kは、導電性接着剤CAが下側板ばね26AのZ1側の表面を伝って外側壁部82vの側(X2側)に広がるのを防止している。すなわち、内側壁部82uの側(X1側)に広がり易くしている。接続部33cの全周囲が導電性接着剤CAによって覆われるようにするためである。
下側板ばね26Aがレンズ保持部材2に組み付けられた際には、図12Bに示すように、保持部72Aは、その先端が下側板ばね26Aの内側部分26iの撮像素子側(Z2側)に位置するように、内側部分26iよりも下方(Z2方向)に突出している。また、巻き付け部33mの一部も内側部分26iの撮像素子側(Z2側)に位置するように保持部72Aに巻き付けられている。
下側板ばね26Aとコイル3の延在部33Aは、合成樹脂中に銀粒子等の導電性フィラーが分散された導電性接着剤CAで電気的且つ機械的に接続されている。具体的には、下側板ばね26Aをレンズ保持部材2に組み込む前に、レンズ保持部材2の突堤部82で囲まれた収容部82sに導電性接着剤CAが塗布され、その後、下側板ばね26Aがレンズ保持部材2に装着される。そして、レンズ保持部材2の突設部2tが熱かしめされ、且つ、導電性接着剤CAが熱硬化される。導電性接着剤CAの収容部82sへの塗布から導電性接着剤CAの熱硬化までは、保持部72が鉛直上方に突出するようにレンズ保持部材2が逆さまにされた状態で行われる。そのため、導電性接着剤CAは、流動性を有する場合であっても、所望の位置(収容部82s内の位置)に適切に保持され得る。そして、接続部33cの一部は、収容部82s内に配置されているため、導電性接着剤CA内に埋設される。なお、導電性接着剤CAは、熱硬化型に限らず、紫外線硬化型であってもよい。
また、下側板ばね26Aとコイル3の延在部33Aは、導電性接着剤CAではなく、半田付けで電気的に接続されていてもよい。この場合、半田は、下側板ばね26AのZ2側に配置され、下側板ばね26Aと延在部33Aとを電気的に接続する。
下側板ばね26Aの外側部分26eは、図11Bに示すように、ベース部材18と係合される2つの外側接合部分26dと、2つの外側接合部分26dを繋ぐ第2連結部26qとを含む。下側板ばね26Aの外側接合部分26dに設けられた貫通孔は、ベース部材18の上面に設けられた突設部18t(図13A参照。)と嵌合する。これにより、下側板ばね26Aの外側部分26eは、ベース部材18に位置決めされ且つ固定される。
下側板ばね26A及び下側板ばね26Bは、図11Bに示すように、略左右対称に形成されている。そして、下側板ばね26Aは、3つの内側接合部分26cでレンズ保持部材2に接続され、2つの外側接合部分26dでベース部材18に接続されている。下側板ばね26Bについても同様である。この構成により、下側板ばね26A及び下側板ばね26Bは、レンズ保持部材2を光軸方向へ移動可能な状態でバランス良く空中で支持することができる。
次に、固定側部材RGについて説明する。固定側部材RGは、上側板ばね16を固定するケース4及び磁石5と、下側板ばね26A及び下側板ばね26Bのそれぞれを固定するベース部材18とを含む。
ベース部材18は、液晶ポリマー等の合成樹脂を用いた射出成形によって作製される。そして、ベース部材18は、光軸方向において、レンズ保持部材2と対向するように、レンズ保持部材2の下側(Z2側)に配置される。本実施形態では、ベース部材18は、図13Aに示すように、矩形板状の外形を有する部材であり、中央に円形の開口18kが形成されている。そして、開口18kの縁部には突堤部18Dが設けられている。突堤部18Dは、ケース4の開口4kを通って筐体内に侵入した塵埃等の異物が開口18kを通って撮像素子又はその上に設置されているフィルタ(以下、「撮像素子等」とする。)に達してしまうのを抑制するように構成されている。突堤部18Dは、開口18kを囲むように、開口18kの縁部に沿って断続的に形成されている。本実施形態では、8つの欠落部で分断された8つの部分(第1突堤部18D1〜第8突堤部18D8)で開口18kを囲むように構成されている。欠落部は、レンズ保持部材2の下面(Z2側の面)から突出する突設部2t等と突堤部18Dとが接触してしまうのを防止するために形成されている。突堤部18Dの周辺には、レンズ保持部材2に設けられた異物捕捉部材50と同様の異物捕捉部材が設けられていてもよい。例えば、異物捕捉部材は、突堤部18Dの径方向外側で突堤部18Dに沿うように周方向に設けられていてもよい。また、異物捕捉部材は、光軸方向に延びる突堤部18Dの外壁に設けられていてもよい。
また、ベース部材18の被写体側(Z1側)の面(上面)には、上方に向けて突出する6つの突設部18tが設けられている。突設部18tは、下側板ばね26A及び下側板ばね26Bのそれぞれにおける外側接合部分26dに設けられた貫通孔に挿通され且つ嵌合される。この際、突設部18tは熱かしめが施されて外側接合部分26dに固定される。なお、熱かしめは、冷間かしめであってもよい。図13A及び図13Bでは、突設部18tは、熱かしめされた後の先端が変形した状態で図示されている。他の図においても同様である。
ベース部材18には、図13Aに示すように、銅若しくは鉄又はそれらを主成分とする合金等の材料を含む金属から形成された金属部材7がインサート成形されて埋め込まれている。金属部材7は、端子7A、7B及び7Cを含み、端子7A、7B及び7Cのそれぞれは、一部がベース部材18の上面(Z1側の面)に露出している。そして、互いに電気的に絶縁されている端子7A、7B及び7Cのそれぞれは、撮像素子等を実装した基板(図示せず。)に電気的に接続されている。また、端子7Aは下側板ばね26Aに電気的に接続され、端子7Bは下側板ばね26Bに電気的に接続されている。更に、下側板ばね26Aはコイル3の一端に電気的に接続され、下側板ばね26Bはコイル3の他端に電気的に接続されている。そのため、コイル3は、端子7Aと下側板ばね26Aとを介し、或いは、端子7Bと下側板ばね26Bとを介して電流の供給を受けることができる。
ベース部材18には、端子7A、7B及び7Cと同様に、銅若しくは鉄又はそれらを主成分とする合金等の材料を含む金属から形成された接続部材7Dもインサート成形されて埋め込まれている。接続部材7Dは、図2A及び図2Bに示すように、ケース4を構成する外周壁部4Gの四隅にある曲面板部4Rの下端部のところで、一部を露出させている。ベース部材18は、ケース4の側板部4Aの内面とベース部材18の外周側面とが組み合わさって位置決めされた後で、接続部材7Dとケース4の四隅にある曲面板部4Rの下端部とが溶接されてケース4に固定される。ケース4とベース部材18とは少なくとも部分的に接着剤で固定されてもよい。なお、接続部材7Dは、端子7Cと繋がっている。端子7Cは、接地用の端子として機能する。
次に、図14〜図17を参照し、レンズ保持部材2に設けられる粘着性の異物捕捉部材50と他の構成要素との位置関係について説明する。図14は、レンズ保持部材2と異物捕捉部材50との位置関係を示す上面図である。図15は、上側板ばね16と異物捕捉部材50との位置関係を示す上面図である。図16は、ベース部材18と異物捕捉部材50との位置関係を示す上面図である。図17は、ケース4と異物捕捉部材50との位置関係を示す上面図である。
図17に示すように、異物捕捉部材50は、ケース4の第1角部4C1〜第4角部4C4のそれぞれに対応(対向)するように配置された第1異物捕捉部材50−1〜第4異物捕捉部材50−4を含む。第1異物捕捉部材50−1は、第1溝部50R1(図5A参照。)内に設けられ、第2異物捕捉部材50−2は、第2溝部50R2(図5A参照。)内に設けられている。第3異物捕捉部材50−3及び第4異物捕捉部材50−4についても同様である。
第1異物捕捉部材50−1〜第4異物捕捉部材50−4は何れも、図14に示すように、光軸JDを中心とする仮想円CLに沿って円弧状に延びるように構成されている。但し、光軸JDと角部4C(図14では不図示。)を結ぶ仮想線L1と交差する他の形状となるように構成されていてもよい。他の形状は、例えば、直線状、径方向内側に凸となる円弧状若しくはV字状、径方向外側に凸となるV字状、波状、ギザギザ状等を含む。第1溝部50R1〜第4溝部50R4についても同様である。
本実施形態では、第1異物捕捉部材50−1〜第4異物捕捉部材50−4は、図14に示すように、光軸JDについて2回対称となるように配置されている。この構成は、重量バランスに優れている。但し、光軸JDについて4回対称となるように配置されていてもよく、非対称となるように配置されていてもよい。
本実施形態では、第1異物捕捉部材50−1〜第4異物捕捉部材50−4は何れも、連続する1つの領域を形成するように構成されている。但し、第1異物捕捉部材50−1〜第4異物捕捉部材50−4の少なくとも1つは、複数の独立した領域の組み合わせで構成されていてもよい。第1溝部50R1〜第4溝部50R4についても同様である。
本実施形態では、角壁部12Cの壁端面FSにおける溝部50Rの形状は、上側板ばね16の弾性腕部16gの形状に対応するように構成されている。そのため、異物捕捉部材50の形状も、弾性腕部16gの形状に対応するように構成される。
例えば、第3壁端面FS3は、図14に示すように、第3異物捕捉部材50−3(第3溝部50R3)によって隔てられた第1部分FS3a、第2部分FS3b及び第3部分FS3cを含む。第1部分FS3a、第2部分FS3b及び第3部分FS3cは何れも平坦な上面(Z1側の面)を有する。そして、それぞれの上面は同一平面上に位置する。第1壁端面FS1、第2壁端面FS2及び第4壁端面FS4についても同様である。
第1部分FS3aは、第3弾性腕部16g3(図15参照。)の下面(Z2側の面)が第3異物捕捉部材50−3に接触しないように形成されている。具体的には、第3弾性腕部16g3は、外側連結部SG1、外側延在部SG2、外側折り返し部SG3、中央延在部SG4、内側折り返し部SG5、内側延在部SG6及び内側連結部SG7を含む。外側連結部SG1は、上側板ばね16の外側部分16eに連結される部分であり、内側連結部SG7は、上側板ばね16の内側部分16iに連結される部分である。外側折り返し部SG3は、外側延在部SG2と中央延在部SG4を繋ぐように構成されている。内側折り返し部SG5は、中央延在部SG4と内側延在部SG6を繋ぐように構成されている。第1部分FS3aは、Z軸方向において中央延在部SG4と対向するように配置されている。この構成により、中央延在部SG4は、落下等により強い衝撃がレンズ駆動装置101に加えられてレンズ保持部材2がZ1方向に大きく移動した場合であっても、第1部分FS3aに接触するのみである。すなわち、中央延在部SG4は、第1部分FS3aの内周側(筒状部12の側)に形成されている第3異物捕捉部材50−3には接触しない。そのため、中央延在部SG4と第3異物捕捉部材50−3とが付着したままとなってしまうことはない。
また、第3異物捕捉部材50−3は、Z軸方向において内側延在部SG6と対向するように配置されている。そして、内側延在部SG6のうち内側連結部SG7に近い部位に対向する部分の幅W1(図14参照。)が、内側延在部SG6のうち内側折り返し部SG5に近い部位に対向する部分の幅W2(図14参照。)よりも狭くなるように構成されている。内側連結部SG7よりも(Z軸方向における)変位量が大きくなる内側折り返し部SG5のエッジ部分(図15の破線部分BL参照。)がレンズ保持部材2と擦れ合って微粉末が発生してしまうのを防止するためである。すなわち、レンズ保持部材2がZ1方向に大きく移動した場合に、内側折り返し部SG5のエッジ部分がレンズ保持部材2の表面ではなく第3異物捕捉部材50−3と接触するようにするためである。第1異物捕捉部材50−1、第2異物捕捉部材50−2及び第4異物捕捉部材50−4についても同様である。
また、異物捕捉部材50は、図16に示すように、ベース部材18に形成されている突堤部18Dと協働するように構成されている。すなわち、異物捕捉部材50は、図17に示すようなケース4の開口4kに形成されている切欠部4kcから侵入した異物が、ケース4の角部とレンズ保持部材2との間の隙間、突堤部18Dの欠落部、及び、ベース部材18の開口18kを通って撮像素子等に至るのを抑制できるように配置されている。例えば、第1異物捕捉部材50−1は、開口4kの第1切欠部4kc1から侵入した異物が、第1突堤部18D1と第2突堤部18D2との間の欠落部、又は、第1突堤部18D1と第8突堤部18D8との間の欠落部を通って撮像素子等に至るのを抑制できるように配置されている。
具体的には、第1異物捕捉部材50−1は、図17に示すように、第1切欠部4kc1よりも径方向外側に配置されている。また、第1異物捕捉部材50−1に沿う円弧の中心角が、第1切欠部4kc1に沿う円弧の中心角αよりも大きくなるように配置されている。すなわち、光軸JDを中心とした、第1異物捕捉部材50−1が配置される領域の角度は、光軸JDを中心とした、第1切欠部4kc1が形成される領域の角度(中心角α)以上となるように構成されている。このため、第1異物捕捉部材50−1は、コイル3の外側を通ってベース部材18側へ向かう異物がベース部材18側に達する前に、その異物を捕らえることができる。第2異物捕捉部材50−2〜第4異物捕捉部材50−4についても同様である。また、関連する2つの欠落部を塞ぐように、すなわち、第2突堤部18D2と第8突堤部18D8の間の円弧に沿って延びるように配置されている。但し、第1異物捕捉部材50−1に沿う円弧の中心角は、中心角αより小さい値であってもよい。
なお、隣り合う2つの異物捕捉部材50の間には、ケース4の側板部4A(第1側板部4A1及び第2側板部4A2)に沿うように庇部12h(図14参照。)が形成されている。そのため、庇部12hは、ケース4の開口4kに形成されている切欠部4kcから侵入した異物が、ケース4の側板部4Aとレンズ保持部材2との間の隙間に入り込むのを抑制できる。異物が通る経路を塞いでいるためである。その結果、その異物が突堤部18Dの欠落部及びベース部材18の開口18kを通って撮像素子等に至るのを抑制できる。
次に、図18A〜図18Dを参照し、溝部50Rの詳細について説明する。以下の説明は、第2溝部50R2に関するが、第1溝部50R1、第3溝部50R3及び第4溝部50R4にも同様に適用される。図18A〜図18Cは、図14における部分Vの上方斜視図である。但し、図18Bでは、コイル3の図示が省略されている。また、図18Cでは、コイル3及び第2異物捕捉部材50−2の図示が省略されている。図18Dは、図18Cにおける第2溝部50R2内にある第2異物捕捉部材50−2の上方斜視図である。
本実施形態では、第2溝部50R2は、ケース4の天井部4Bに形成されている開口4kの第2切欠部4kc2に対応するように形成されている。そして、第2溝部50R2は、図18Cに示すように、コイル3の内周面と対向するコイル支持部12jの外面に繋がるように形成されている。また、第2溝部50R2は、角壁部12Cの両側にある2つの側壁部12Sの間に形成されている。
本実施形態では、第2溝部50R2は、コイル3(巻回部13)の内周面と対向する第1側壁部12S1及び第2側壁部12S2のそれぞれの外面と繋がるように形成されている。但し、第2溝部50R2は、第1側壁部12S1及び第2側壁部12S2の何れかの外面のみと繋がるように形成されていてもよい。また、第2溝部50R2は、第1側壁部12S1及び第2側壁部12S2の何れの外面とも繋がらないように形成されていてもよい。すなわち、第2溝部50R2は、その両端が第2壁端面FS2内で終端するように形成されていてもよい。また、第2溝部50R2は、少なくとも一端が第2角壁部12C2の外面と繋がるように形成されていてもよい。なお、第2溝部50R2は、3つ以上の端部を有するように形成されていてもよい。そして、第2溝部50R2は、第2角壁部12C2、第1側壁部12S1及び第2側壁部12S2の少なくとも1つの外面と繋がるように形成されていてもよい。
側壁部12Sの少なくとも1つの外面には、コイル3(巻回部13)の内周面から離れる方向へ窪む凹部RCが形成されていてもよい。凹部RCには、例えば、レンズ保持部材2とコイル3とを接着するための接着剤が充填される。本実施形態では、図18Cに示すように、第1側壁部12S1の外面には第1凹部RC1が形成され、第2側壁部12S2の外面には第2凹部RC2が形成されている。第1凹部RC1及び第2凹部RC2は何れも、上側(Z1側)部分と下側(Z2側)部分とを含む階段状構造を有する。そして、上側部分の少なくとも一部が下側部分よりも(コイル3の内周面から離れる方向において)深くなるように形成されている。接着剤の接着性及び充填性を高めるためである。但し、凹部RCは、他の構造を有していてもよい。例えば、上側部分の深さは、下側部分の深さと同じであってもよい。階段状構造は、レンズ保持部材2とコイル3との接着強度を高める効果を有する。凹部RC内で硬化した接着剤がその形状によりコイル3の上下方向(Z軸方向)及び周方向の動きを妨げるためである。
溝部50Rは、例えば、凹部RCに繋がるように形成されている。この場合、異物捕捉部材50は、レンズ保持部材2とコイル3とを接着するための接着剤で形成されてもよい。本実施形態では、図18Cに示すように、第2溝部50R2は、第1凹部RC1及び第2凹部RC2のそれぞれに繋がるように形成されている。この構成により、第2溝部50R2に注ぎ込まれた流動性を有する接着剤は、第2溝部50R2を通って第1凹部RC1及び第2凹部RC2のそれぞれに至る。接着剤は、例えば、第2溝部50R2の幅が広い部分(図14において幅W2を有する幅広部分)に注ぎ込まれる。接着剤が第2溝部50R2から溢れ出ることなく第2溝部50R2内に確実に注ぎ込まれるようにするためである。その後、接着剤は、第2溝部50R2の幅が狭い部分(図14において幅W1を有する幅狭部分)に流れる。そして、接着剤の流れは、巻回部13の内周面によって塞き止められる。その後、加熱又は紫外線の照射等によってその接着剤が硬化すると、レンズ保持部材2とコイル3とが接着剤で固定されるとともに、粘着性の第2異物捕捉部材50−2が形成される。そのため、レンズ保持部材2とコイル3とが接着剤で固定された状態では、第2異物捕捉部材50−2の両端は、図18Dに示すように、巻回部13の内周面に沿って広がるように形成されている。
次に、図19A及び図19Bを参照し、異物捕捉部材50による効果について説明する。図19Aは、図17の仮想線L2を含むXZ平面をY1側から見たときのレンズ保持部材2、コイル3、ケース4及び磁石5の断面図である。図19Bは、レンズ保持部材2に異物捕捉部材50が設けられていない比較例の断面図である。図19A及び図19Bのそれぞれにおける実線矢印は、塵埃等の異物の移動経路を表す。
例えば、ケース4の開口4kに形成されている第2切欠部4kc2から下方(Z2方向)に向かって侵入した異物は、図19A及び図19Bに示すように、レンズ保持部材2の筒状部12とケース4の天井部4Bとの間を通過する。そして、第2角壁部12C2の第2壁端面FS2に向かう。
レンズ保持部材2に異物捕捉部材50が設けられていない場合、異物は、図19Bに示すように、第2壁端面FS2に沿ってX1方向に移動し、巻回部13と磁石5との間を通過する。そして、レンズ保持部材2の下面(Z2側の面)に沿って光軸JDに近づき、不図示のベース部材18の開口18kを通って撮像素子等に達し得る。
レンズ保持部材2に異物捕捉部材50が設けられている場合、異物は、図19Aに示すように、第2異物捕捉部材50−2で捕捉される。すなわち、異物は、粘着性を有する第2異物捕捉部材50−2に付着する。そのため、第2異物捕捉部材50−2は、異物が撮像素子等に達するのを抑制できる。
上述のように、本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置101は、ケース4及びベース部材18を有する筐体と、この筐体に収容されるとともにレンズ体を保持可能なレンズ保持部材2と、レンズ保持部材2の外側に保持されるコイル3と、コイル3に対向して配置される磁石5とを備え、コイル3に流れる電流と磁石5が発生する磁界とで力を発生させて支持部材としての板ばね6で支持されているレンズ保持部材2を光軸方向に沿って移動させることができる。そして、レンズ保持部材2には粘着性の異物捕捉部材50が設けられている。そのため、レンズ駆動装置101を通じて撮像素子等へ異物が到達してしまうのをより確実に防止でき、撮像素子等に付着した異物による画像エラーの発生を抑制或いは防止できる。また、レンズ駆動装置101では、粘着性の異物捕捉部材50がベース部材18ではなくレンズ保持部材2に設けられているため、レンズ体が大径化しても、ベース部材18のレイアウト(設計)の自由度が確保され得る。
レンズ駆動装置101の筐体は、典型的には、光軸方向に沿って見た平面視において、矩形状を有するカバー部材としてのケース4を備えている。そして、ケース4は、側板部4A(第1側板部4A1及び第2側板部4A2)及び天井部4Bを有している。また、レンズ保持部材2は、コイル3の内周面と対向する外壁部としてのコイル支持部12jを有している。コイル支持部12jは、ケース4の角部のそれぞれに対応(対向)するように配置された角壁部12Cを含んでいる。ケース4の角部は、外周壁部4Gの四隅を構成する曲面板部4R、及び、天井部4Bの四隅を構成する角部4Cの少なくとも一方を含む。角壁部12Cは、天井部4Bに対向する壁端面FSを有する。そして、異物捕捉部材50は、壁端面FSに設けられている。この構成により、レンズ駆動装置101は、ベース部材18よりも天井部4Bに近いところにある壁端面FSに設けられた異物捕捉部材50で異物を捕捉できる。また、この構成では、異物捕捉部材50が角壁部12Cの壁端面FSに設けられているため、レンズ体が大径化しても、ベース部材18のレイアウト(設計)の自由度が確保され得る。
異物捕捉部材50は、例えば、角壁部12Cの壁端面FSに形成された溝部50Rに配置されていてもよい。この構成により、異物は、異物捕捉部材50に捕捉され易くなる。また、異物は、異物捕捉部材50から解放され難くなる。異物は、溝部50Rの内部に入ると、溝部50Rから抜け出すことが困難となるためである。また、異物捕捉部材50が流動性のある接着剤等を硬化させたものである場合、溝部50Rは、異物捕捉部材50の設置(塗布)に関する作業性を向上させることができる。設置(塗布)が望まれない部位への接着剤(異物捕捉部材50)の付着を抑制或いは防止できるためである。
ケース4の天井部4Bに形成された開口4kには、ケース4の角部のそれぞれに向かって拡がるように切欠部4kcが形成されていてもよい。この場合、溝部50Rは、切欠部4kcに対応するように形成されていてもよい。この構成により、溝部50R内に配置されている異物捕捉部材50は、切欠部4kcを通じて侵入してくる異物をより確実に捕捉できる。そして、異物が撮像素子等まで至るのを抑制或いは防止できる。
溝部50Rは、コイル3の内周面と対向する外壁部としてのコイル支持部12jの外面に繋がるように形成されていてもよい。具体的には、図18Cに示すように、第2溝部50R2の右端(X1側の端部)は、コイル支持部12jにおける第1側壁部12S1の外面に繋がっているとともに、コイル3の巻回部13の内周面に対向するように形成されていてもよい。また、図18Cに示すように、第2溝部50R2の左端(Y2側の端部)は、コイル支持部12jにおける第2側壁部12S2の外面に繋がっているとともに、コイル3の巻回部13の内周面に対向するように形成されていてもよい。なお、溝部50Rは、その両端の一方のみがコイル支持部12jにおける側壁部12Sの外面に繋がるように形成されていてもよい。すなわち、溝部50Rは、コイル3の内周面と対向する側壁部12Sの少なくとも1つの外面に繋がるように形成されていてもよい。この構成により、異物捕捉部材50が流動性のある接着剤等を硬化させたものである場合、コイル3の巻回部13は、溝部50Rに注ぎ込まれた接着剤の流れを塞き止めることができる。
外壁部としてのコイル支持部12jは、コイル3を挟んでケース4の側板部4A(第1側板部4A1及び第2側板部4A2)に対向するように配置された側壁部12Sを含んでいてもよい。この場合、溝部50Rは、角壁部12Cの両側にある2つの側壁部12Sの間に形成されていてもよい。具体的には、図18Cに示すように、第2溝部50R2は、第2角壁部12C2の両側にある第1側壁部12S1と第2側壁部12S2との間に形成されていてもよい。なお、第2溝部50R2は、側壁部12Sに繋がっていなくてもよい。この構成により、角壁部12Cの壁端面FS上で第1側壁部12S1と第2側壁部12S2との間の広い範囲にわたって延びるように形成されている溝部50Rは、筐体内に侵入した異物をより確実に捕捉できる。
側壁部12Sの少なくとも1つの外面には、図18Cに示すように、コイル3の内周面から離れる方向へ窪む凹部RCが形成されていてもよい。レンズ保持部材2とコイル3とを接着するための接着剤を受け入れるためである。この場合、溝部50Rは、凹部RCに繋がるように形成されていてもよい。具体的には、図18Cに示すように、第1側壁部12S1の外面には第1凹部RC1が形成されていてもよく、第2側壁部12S2の外面には第2凹部RC2が形成されていてもよい。そして、第2溝部50R2は、その右端が第1凹部RC1に繋がりその左端が第2凹部RC2に繋がるように形成されていてもよい。この構成により、未硬化の異物捕捉部材50の量が多い場合であっても、凹部RCは、その未硬化の異物捕捉部材50を受け入れることができる。
異物捕捉部材50は、上述のように、接着剤を硬化させたものであってもよい。そして、コイル3は、その接着剤によって外壁部としてのコイル支持部12jに固定されてもよい。すなわち、異物捕捉部材50を形成するための接着剤と、コイル3をレンズ保持部材2に固定するための接着剤は同じ接着剤であってもよい。この場合、作業者は、溝部50Rに接着剤を注ぎ込むだけで、異物捕捉部材50を形成し、且つ、コイル3をレンズ保持部材2に固定することができる。そのため、レンズ駆動装置101の生産性は高まる。
レンズ保持部材2は、外方へ突出するように形成された第1突出部としてのフランジ部52と、ケース4の側板部4Aに向かって外方へ突出するように形成された第2突出部としての庇部12hと、を有していてもよい。この場合、庇部12hは、光軸方向においてフランジ部52と対向するように形成されていてもよい。また、コイル3は、光軸方向においてフランジ部52と庇部12hとの間に配置されていてもよい。この構成では、例えば図5Aに示すように、隣り合う第1角壁部12C1と第2角壁部12C2との間に庇部12hが存在する。そのため、異物は、庇部12hとケース4の天井部4Bとの間ではなく、角壁部12Cと天井部4Bとの間を通過しようとする。隙間が大きいためである。その結果、異物は、角壁部12Cの壁端面FSに形成された異物捕捉部材50で捕捉され易い。
角壁部12Cの壁端面FSは、光軸JDに垂直な平坦面であってもよい。この場合、ケース4の天井部4Bと対向するように配置されたコイル3の端面3Tと壁端面FSは同一平面上にあってもよい。この構成により、コイル3をレンズ保持部材2に巻き付ける際に用いられる治具の壁端面FSへの取り付けが容易になる。また、異物捕捉部材50の壁端面FSへの設置も容易になる。
ベース部材18に形成された開口18kの縁部には複数の突堤部18Dが設けられていてもよい。具体的には、突堤部18Dは、例えば図16に示すように、ベース部材18の開口18kの縁部で、異物捕捉部材50によって囲まれていない開放部分を補うように設けられていてもよい。より具体的には、第2突堤部18D2は、第1異物捕捉部材50−1と第2異物捕捉部材50−2との間の開放部分を補うように設けられていてもよい。同様に、第4突堤部18D4は、第2異物捕捉部材50−2と第3異物捕捉部材50−3との間の開放部分を補うように設けられていてもよい。第6突堤部18D6及び第8突堤部18D8についても同様である。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に限定されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形及び置換が適用され得る。また、上述の実施形態を参照して説明された特徴のそれぞれは、技術的に矛盾しない限り、適宜に組み合わされてもよい。
例えば、上記実施形態では、フランジ部52には、コイル3の延在部33を通す切欠部52kが2つ設けられているが、コイル3の巻回部13を保持可能であれば、3つ以上の切欠部が設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、下側板ばね26Aと延在部33Aとを電気的に接続し、且つ、下側板ばね26Bと延在部33Bとを電気的に接続する構成としたが、これに限るものではない。例えば、手振れ補正機能付きのレンズ駆動装置においては、上側板ばねを2つに分割して一対とし、延在部33A及び延在部33Bのそれぞれと電気的に接続する構成であってもよい。この場合には、レンズ保持部材2の上端部側(Z1側)に切欠部を有するフランジ部が設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、異物捕捉部材50は、第1角部4C1〜第4角部4C4のそれぞれに対向するように配置されているが、4つの角部4Cのうちの1つ、2つ又は3つに対向するように配置されていてもよい。
本願は、2017年12月27日に出願した日本国特許出願2017−251987号に基づく優先権を主張するものであり、この日本国特許出願の全内容を本願に参照により援用する。