JP6888324B2 - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、積層セラミック電子部品の製造方法に関する。
積層セラミック電子部品の一例として、積層セラミックコンデンサが挙げられる。積層セラミックコンデンサを製造するためには、例えば、内部電極が形成されたセラミックグリーンシートを積層し、得られた未焼成の部品本体を焼成した後、焼結した部品本体の相対向する端面に外部電極を形成する。これによって、両側の端面に引き出された内部電極が外部電極と電気的に接続された積層セラミックコンデンサが得られる。
近年、電子部品の小型化及び高機能化に伴い、積層セラミックコンデンサには、小型化及び高容量化が求められている。積層セラミックコンデンサの小型化及び高容量化を実現するためには、セラミックグリーンシート上を占有する内部電極の有効面積、つまり、互いに対向する内部電極の面積を大きくすることが有効である。
例えば、特許文献1には、積層された複数のセラミックグリーンシートと、上記セラミックグリーンシート間の複数の界面に沿ってそれぞれ配置された内部電極パターンとを含む、マザーブロックを作製する工程と、上記マザーブロックを互いに直交する第1方向の切断線及び第2方向の切断線に沿って切断することによって、未焼成の状態にある複数のセラミック層と複数の内部電極とをもって構成された積層構造を有し、かつ上記第1方向の切断線に沿う切断によって現れた切断側面に上記内部電極が露出した状態にある、複数のグリーンチップを得る工程と、上記切断側面にセラミックペーストを塗布して、未焼成のセラミック保護層を形成することによって、未焼成の部品本体を得る工程と、上記未焼成の部品本体を焼成する工程とを備える積層セラミック電子部品の製造方法が開示されている。
特許第5678905号公報
特許文献1に記載の方法では、側面に内部電極が露出するようにマザーブロックを切断することによって、互いに対向する内部電極の面積を大きくしている。しかし、マザーブロックの切断にはダイシング等の方法が用いられており、切断時の応力によって内部電極が垂れてしまう。そのため、内部電極間の距離が短くなるほど、内部電極が層間をまたがって接触する箇所(以下、短絡箇所ともいう)が切断側面に発生しやすくなる。このような状態でチップ部品を作製すると、脱脂後の段階でのショート不良率が増加してしまう。以上より、高容量の積層セラミックコンデンサを製造する方法においては、切断側面に短絡箇所が発生し、ショート不良率が高くなるという問題が懸念される。
なお、上記の問題は、積層セラミックコンデンサを製造する場合に限らず、積層セラミックコンデンサ以外の積層セラミック電子部品を製造する場合に共通する問題である。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、切断側面に短絡箇所が発生しにくく、かつ、ショート不良率の低い積層セラミック電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の積層セラミック電子部品の製造方法は、第1の態様において、積層された複数のセラミックグリーンシートと、上記セラミックグリーンシート間の複数の界面に沿ってそれぞれ配置された内部電極パターンとを含む、マザーブロックを作製する工程と、上記マザーブロックを互いに直交する第1方向の切断線及び第2方向の切断線に沿って切断することによって、未焼成の状態にある複数のセラミック層と複数の内部電極とをもって構成された積層構造を有し、かつ上記第1方向の切断線に沿う切断によって現れた切断側面に上記内部電極が露出した、複数のグリーンチップを得る工程と、上記切断側面に未焼成のセラミック保護層を形成することによって、未焼成の部品本体を得る工程と、上記未焼成の部品本体を焼成する工程と、を備える積層セラミック電子部品の製造方法であって、上記切断側面を脱脂剤で処理することを特徴とする。
本発明の第1の態様では、内部電極が露出しているグリーンチップの切断側面を脱脂剤で処理することにより、切断時に発生した内部電極の垂れを除去することができる。したがって、切断側面に短絡箇所が発生しにくくなるため、ショート不良率を低くすることができる。これは、内部電極を形成するための導電性ペーストに含まれる樹脂成分が脱脂剤の作用によって乳化及び/又は脱脂され、その結果、内部電極が垂れている部分が切断側面から脱落するためと考えられる。なお、セラミック層を形成するためのセラミックグリーンシートに含まれる樹脂成分も脱脂剤の作用によって乳化及び/又は脱脂される場合もあるが、通常はセラミックグリーンシートに比べて導電性ペーストに含まれる樹脂成分の量が少ないため、セラミックグリーンシートと導電性ペーストとで同程度の樹脂成分が乳化及び/又は脱脂されると仮定すると、内部電極を構成する金属成分が優先的に脱落していくと考えられる。
本発明の積層セラミック電子部品の製造方法は、第2の態様において、積層された複数のセラミックグリーンシートと、上記セラミックグリーンシート間の複数の界面に沿ってそれぞれ配置された内部電極パターンとを含む、マザーブロックを作製する工程と、上記マザーブロックを第1方向の切断線に沿って切断することによって、未焼成の状態にある複数のセラミック層と複数の内部電極とをもって構成された積層構造を有し、かつ上記第1方向の切断線に沿う切断によって現れた切断側面に上記内部電極が露出した、複数の棒状のグリーンブロック体を得る工程と、上記切断側面に未焼成のセラミック保護層を形成する工程と、上記未焼成のセラミック保護層が形成された上記棒状のグリーンブロック体を、上記第1方向に直交する第2方向の切断線に沿って切断することによって、複数の未焼成の部品本体を得る工程と、上記未焼成の部品本体を焼成する工程と、を備える積層セラミック電子部品の製造方法であって、上記切断側面を脱脂剤で処理することを特徴とする。
本発明の第2の態様では、内部電極が露出している棒状のグリーンブロック体の切断側面を脱脂剤で処理することにより、本発明の第1の態様と同様、切断時に発生した内部電極の垂れを除去することができる。したがって、切断側面に短絡箇所が発生しにくくなるため、ショート不良率を低くすることができる。
以下、本発明の第1の態様及び第2の態様を特に区別しない場合、単に「本発明の積層セラミック電子部品の製造方法」という。
本発明の積層セラミック電子部品の製造方法において、上記複数のグリーンチップを得る工程又は上記複数の棒状のグリーンブロック体を得る工程では、上記マザーブロックをダイシングにより切断し、上記ダイシングに用いられる切削液に上記脱脂剤が含まれていることが好ましい。
ダイシングに用いられる切削液に脱脂剤が含まれていると、切断側面を脱脂剤で処理する工程を別途行う必要がないため、ショート不良率の低い積層セラミック電子部品を効率的に製造することができる。
本発明の積層セラミック電子部品の製造方法は、上記未焼成のセラミック保護層を形成する前の上記切断側面に対して、砥粒を用いた研削処理又はバイトを用いた切削処理を行う工程をさらに備え、上記研削処理に用いられる研削液又は上記切削処理に用いられる切削液に上記脱脂剤が含まれていることが好ましい。
切断側面に対して研削処理又は切削処理を行うことにより、切断時に発生した内部電極の垂れを除去することができる。この際、研削処理に用いられる研削液又は切削処理に用いられる切削液に脱脂剤を含ませることにより、内部電極の垂れをさらに除去することができる。また、研削処理に用いられる研削液又は切削処理に用いられる切削液に脱脂剤が含まれていると、切断側面を脱脂剤で処理する工程を別途行う必要がないため、ショート不良率の低い積層セラミック電子部品を効率的に製造することができる。
本発明の積層セラミック電子部品の製造方法は、上記研削処理又は上記切削処理を行った後、上記未焼成のセラミック保護層を形成する前の上記切断側面に対して、超音波洗浄を行う工程をさらに備えてもよく、上記超音波洗浄に用いられる洗浄液に上記脱脂剤が含まれていることが好ましい。
研削処理又は切削処理を行った後、脱脂剤を含む洗浄液を用いて切断側面を超音波洗浄することにより、切断時に発生した内部電極の垂れをさらに除去することができる。
本発明の積層セラミック電子部品の製造方法は、上記マザーブロックを切断した後、上記未焼成のセラミック保護層を形成する前の上記切断側面に対して、超音波洗浄を行う工程をさらに備え、上記超音波洗浄に用いられる洗浄液に上記脱脂剤が含まれていることが好ましい。
マザーブロックを切断した後、脱脂剤を含む洗浄液を用いて切断側面を超音波洗浄することにより、切断時に発生した内部電極の垂れを除去することができる。
本発明の積層セラミック電子部品の製造方法において、上記脱脂剤は、縮合リン酸塩を含むことが好ましい。上記縮合リン酸塩は、ピロリン酸塩であることが好ましく、ピロリン酸カリウムであることがより好ましい。
ピロリン酸カリウム等の縮合リン酸塩は、内部電極を形成するための導電性ペーストに含まれる樹脂成分を乳化及び/又は脱脂する作用を有するため、切断時に発生した内部電極の垂れを除去することができる。
本発明の積層セラミック電子部品の製造方法において、上記脱脂剤は、アルキル基の炭素数が1以上12以下であるポリアルキレングリコールアルキルエーテルを含むことが好ましい。上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルは、ポリエチレングリコールアルキルエーテルであることが好ましく、ポリエチレングリコールラウリルエーテルであることがより好ましい。
ポリエチレングリコールラウリルエーテル等のポリアルキレングリコールアルキルエーテルは、内部電極を形成するための導電性ペーストに含まれる樹脂成分を乳化及び/又は脱脂する作用を有するため、切断時に発生した内部電極の垂れを除去することができる。
本発明の積層セラミック電子部品の製造方法において、上記脱脂剤を含む液の温度は、10℃以上、70℃以下であることが好ましい。
脱脂剤を含む液の温度が高いほど内部電極を形成するための導電性ペーストに含まれる樹脂成分が乳化及び/又は脱脂されやすくなるため、脱脂剤を含む液の温度を10℃以上、70℃以下とすることにより、切断時に発生した内部電極の垂れが除去されやすくなる。
本発明によれば、切断側面に短絡箇所が発生しにくく、かつ、ショート不良率の低い積層セラミック電子部品の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の積層セラミック電子部品の製造方法によって得られる積層セラミックコンデンサの一例を模式的に示す斜視図である。 図2は、図1に示す積層セラミックコンデンサを構成する部品本体の一例を模式的に示す斜視図である。 図3は、図2に示す部品本体を作製するために準備されるグリーンチップの一例を模式的に示す斜視図である。 図4は、図3に示すグリーンチップを作製するために準備される内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートの一例を模式的に示す平面図である。 図5(a)は、図4に示すセラミックグリーンシートを積層する工程を説明するための斜視図である。図5(b)及び図5(c)は、図4に示すセラミックグリーンシートを積層する工程を説明するための平面図である。 図6は、マザーブロックをダイシングにより切断する方法の一例を模式的に示す概略図である。 図7は、マザーブロックを切断する工程を説明するための斜視図である。 図8は、行及び列方向に配列された複数のグリーンチップの互いの間隔を広げた状態を示す斜視図である。 図9(a)及び図9(b)は、グリーンチップを転動させる工程を説明するための斜視図である。 図10は、未焼成のセラミック保護層を形成する工程を説明するための図である。 図11は、切断側面に対してポリッシングによる研磨処理を行う方法の一例を模式的に示す概略図である。 図12(a)及び図12(b)は、研削処理又は切削処理を行う工程を説明するための図である。 図13は、切断側面に対して超音波洗浄を行う方法の一例を模式的に示す概略図である。 図14(a)は、比較例1の積層セラミックコンデンサの切断側面におけるNi元素マッピング像であり、図14(b)は、実施例1の積層セラミックコンデンサの切断側面におけるNi元素マッピング像である。
以下、本発明の積層セラミック電子部品の製造方法について説明する。
しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
本発明の積層セラミック電子部品の製造方法の一実施形態として、積層セラミックコンデンサの製造方法を例にとって説明する。なお、本発明の製造方法は、積層セラミックコンデンサ以外の積層セラミック電子部品にも適用することができる。
まず、本発明の積層セラミック電子部品の製造方法によって得られる積層セラミックコンデンサについて説明する。
図1は、本発明の積層セラミック電子部品の製造方法によって得られる積層セラミックコンデンサの一例を模式的に示す斜視図である。図2は、図1に示す積層セラミックコンデンサを構成する部品本体の一例を模式的に示す斜視図である。
図1に示す積層セラミックコンデンサ11は、部品本体12を備えている。図2に示すように、部品本体12は、直方体状又は略直方体状をなしており、互いに対向する1対の主面13及び14と、互いに対向する1対の側面15及び16と、互いに対向する1対の端面17及び18とを有している。
図3は、図2に示す部品本体を作製するために準備されるグリーンチップの一例を模式的に示す斜視図である。
後述するように、図2に示す部品本体12は、図3に示すグリーンチップ19の互いに対向する1対の側面(以下、切断側面という)20及び21上に、未焼成のセラミック保護層22及び23をそれぞれ形成したものを焼成することにより得られる。以後の説明において、焼成後の部品本体12におけるグリーンチップ19に由来する部分を積層部24と呼ぶことにする。
図2及び図3に示すように、部品本体12における積層部24は、主面13及び14の方向に延びかつ主面13及び14に直交する方向に積層された複数のセラミック層25と、セラミック層25間の界面に沿って形成された複数対の内部電極26及び27とをもって構成された積層構造を有している。部品本体12は、その側面15及び16をそれぞれ与えるように積層部24の切断側面20及び21上に配置される1対のセラミック保護層22及び23を有している。セラミック保護層22及び23の厚みは、互いに同じであることが好ましい。
なお、図1及び図2においては、説明の便宜のために、積層部24とセラミック保護層22及び23の各々との境界が明瞭に図示されているが、このような境界は明瞭に現れなくてもよい。
図2及び図3に示すように、内部電極26と内部電極27とは、セラミック層25を介して互いに対向する。内部電極26と内部電極27とが対向することによって、電気的特性が発現する。すなわち、図1に示す積層セラミックコンデンサ11においては、静電容量が形成される。
内部電極26は、部品本体12の端面17に露出する露出端を持ち、内部電極27は、部品本体12の端面18に露出する露出端を持っている。一方、上述したセラミック保護層22及び23が配置されているため、内部電極26及び27は、部品本体12の側面15及び16には露出しない。
図1に示すように、積層セラミックコンデンサ11は、さらに、内部電極26及び27の各々の露出端にそれぞれ電気的に接続されるように、部品本体12の少なくとも1対の端面17及び18上にそれぞれ形成された、外部電極28及び29を備えている。
外部電極28及び29は、部品本体12の少なくとも1対の端面17及び18上にそれぞれ形成されており、図1では、主面13及び14並びに側面15及び16の各一部にまで回り込んだ部分を有している。
内部電極を構成する導電材料としては、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Au等の金属材料を用いることができる。
セラミック層及びセラミック保護層を構成するセラミック材料としては、例えば、BaTiO、CaTiO、SrTiO、CaZrO等を主成分とする誘電体セラミックを用いることができる。
セラミック保護層を構成するセラミック材料は、セラミック層を構成するセラミック材料と少なくとも主成分が同じであることが好ましい。この場合、同じ組成のセラミック材料がセラミック層とセラミック保護層との双方に用いられることが特に好ましい。
上述のとおり、本発明の製造方法は、積層セラミックコンデンサ以外の積層セラミック電子部品にも適用することができる。例えば、積層セラミック電子部品が圧電部品の場合には、PZT系セラミック等の圧電体セラミック、サーミスタの場合には、スピネル系セラミック等の半導体セラミックが用いられる。
外部電極は、下地層と下地層上に形成されるめっき層とで構成されることが好ましい。下地層を構成する導電材料としては、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Au等を用いることができる。下地層は、導電性ペーストを未焼成の部品本体上に塗布して部品本体と同時焼成するコファイア法を適用することによって形成されてもよく、導電性ペーストを焼成後の部品本体上に塗布して焼き付けるポストファイア法を適用することによって形成されてもよい。あるいは、下地層は、直接めっきにより形成されてもよく、熱硬化性樹脂を含む導電性樹脂を硬化させることにより形成されてもよい。
下地層上に形成されるめっき層は、Niめっき、及び、その上のSnめっきの2層構造であることが好ましい。
次に、本発明の積層セラミック電子部品の製造方法について説明する。
本発明の積層セラミック電子部品の製造方法では、切断側面を脱脂剤で処理することを特徴としている。内部電極が露出している切断側面を脱脂剤で処理することにより、切断側面に発生する内部電極の垂れを除去することができる。
以下、本発明の積層セラミック電子部品の製造方法の一例として、図1に示す積層セラミックコンデンサ11の製造方法について説明する。
以下に示す各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせが可能であることは言うまでもない。第2実施形態以降では、第1実施形態と共通の事項についての記述は省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態毎には逐次言及しない。
(第1実施形態)
まず、セラミック層となるべきセラミックグリーンシートが準備される。セラミックグリーンシートは、例えば、キャリアフィルム上で、ダイコータ、グラビアコータ、マイクログラビアコータ等を用いて成形される。
セラミックグリーンシートには、上述した誘電体セラミックを含むセラミック原料の他、バインダ等の樹脂成分、帯電防止剤等が含まれる。セラミックグリーンシートの樹脂成分としては、例えば、セルロース系、アクリル系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルブチラール系、フタル酸エステル系、脂肪酸エステル系、グリコール誘導体等が挙げられる。
セラミックグリーンシートの厚みは、通常3μm以下であり、1μm以下であることが好ましく、0.6μm以下であることがより好ましい。
次に、セラミックグリーンシート上に、所定のパターンをもって導電性ペーストが印刷される。導電性ペーストは、例えば、スクリーン印刷法、インクジェット法、グラビア印刷法等を用いてセラミックグリーンシート上に塗布される。
導電性ペーストには、上述した金属材料の他、共材、バインダ等の樹脂成分、溶剤等が含まれる。共材としては、例えば、セラミック層に使用されるセラミック材料と同じものを使用することができる。導電性ペーストの樹脂成分としては、例えば、セルロース系、アクリル系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルブチラール系、フタル酸エステル系、脂肪酸エステル系、グリコール誘導体等が挙げられる。導電性ペーストの樹脂成分は、セラミックグリーンシートの樹脂成分と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
図4は、図3に示すグリーンチップを作製するために準備される内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートの一例を模式的に示す平面図である。
図4に示すように、セラミック層25となるべきセラミックグリーンシート31上に、所定のパターンをもって導電性ペーストが印刷されることによって、内部電極26及び27の各々となるべき内部電極パターン32が形成される。具体的には、セラミックグリーンシート31上に、帯状の内部電極パターン32が複数列形成される。
内部電極パターンの厚みは特に限定されないが、1.5μm以下であることが好ましい。
その後、内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートをずらしながら所定枚数積層し、その上下に内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを所定枚数積層する積層工程が行われる。
図5(a)は、図4に示すセラミックグリーンシートを積層する工程を説明するための斜視図である。
図5(a)に示すように、内部電極パターン32が形成されたセラミックグリーンシート31を、内部電極パターン32の幅方向に沿って所定間隔、すなわち内部電極パターン32の幅方向寸法の半分ずつずらしながら所定枚数積層する。さらに、その上下に内部電極パターンが印刷されていないセラミックグリーンシートを所定枚数積層する。
図5(b)及び図5(c)は、図4に示すセラミックグリーンシートを積層する工程を説明するための平面図である。図5(b)及び図5(c)は、それぞれ1層目及び2層目のセラミックグリーンシートが拡大して示されている。
図5(b)及び図5(c)には、帯状の内部電極パターン32が延びる方向と直交する第1方向(図5(b)及び図5(c)における上下方向)の切断線33、及び、これに対して直交する第2方向(図5(b)及び図5(c)における左右方向)の切断線34の各一部が示されている。帯状の内部電極パターン32は、2つ分の内部電極26及び27が各々の引出し部同士で連結されたものが、第2方向に沿って連なった形状を有している。図5(b)及び図5(c)では、切断線33及び34が共通して示されている。
積層工程の結果、積層された複数のセラミックグリーンシートと、セラミックグリーンシート間の複数の界面に沿ってそれぞれ配置された内部電極パターンとを含む、マザーブロックが得られる。得られたマザーブロックは、静水圧プレス等の手段により積層方向にプレスされる。
プレスされたマザーブロックを互いに直交する第1方向の切断線及び第2方向の切断線に沿って切断することによって、複数のグリーンチップが得られる。
第1実施形態では、マザーブロックをダイシングにより切断し、ダイシングに用いられる切削液に脱脂剤が含まれている。
図6は、マザーブロックをダイシングにより切断する方法の一例を模式的に示す概略図である。
図6に示すように、マザーブロック35がテーブル110上に載置され、テーブル110が高速に回転するダイシングブレード120の下方を通過するように移動させることにより、ダイシングブレード120が主としてマザーブロック35に接触し、これによりマザーブロック35が切断される。なお、図6に示すように、粘着シート38によって粘着保持されたマザーブロック35が、粘着シート38ごとテーブル110上に載置されることが好ましい。
切断の際、図6に示すように、マザーブロック35が加工される点に向けてノズル130から切削液Aが噴き付けられる。切削液Aによってダイシングブレード120及びマザーブロック35が冷却されるとともに、切削により生じる切削屑が洗い流されることになる。さらに、切削液Aに脱脂剤が含まれているため、切断側面に発生する内部電極の垂れを除去することができる。
導電性ペーストに含まれる樹脂成分を乳化及び/又は脱脂する作用を有する限り、切削液に含まれる脱脂剤の種類は特に限定されないが、例えば、縮合リン酸塩、アルキル基の炭素数が1以上12以下であるポリアルキレングリコールアルキルエーテル等が挙げられる。これらは1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。
縮合リン酸塩としては、例えば、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム等のピロリン酸塩、ポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム等のポリリン酸塩等が挙げられる。これらは1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。これらの中では、ピロリン酸塩が好ましく、ピロリン酸カリウムがより好ましい。
アルキル基の炭素数が1以上12以下であるポリアルキレングリコールアルキルエーテルのアルキレン基の炭素数は特に限定されないが、2であることが好ましい、すなわち、上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルは、ポリエチレングリコールアルキルエーテルであることが好ましい。上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルのアルキレン基の炭素数は、3又は4であってもよい。
上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルのアルキル基の炭素数は、8以上であることが好ましく、12以上であることがより好ましい。
上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルがポリエチレングリコールアルキルエーテルである場合、ポリエチレングリコールアルキルエーテルとしては、例えば、ポリエチレングリコールオクチルエーテル、ポリエチレングリコールノニルエーテル、ポリエチレングリコールデシルエーテル、ポリエチレングリコールラウリルエーテル、ポリエチレングリコールセチルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ポリエチレングリコールオレイルエーテル等が挙げられる。これらは1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。これらの中では、ポリエチレングリコールラウリルエーテルが好ましい。
脱脂剤を含む切削液の温度は特に限定されないが、内部電極の垂れを除去する観点からは、10℃以上、70℃以下であることが好ましく、20℃以上、40℃以下であることがより好ましい。
切削液中の脱脂剤の濃度は特に限定されないが、内部電極の垂れを除去する観点からは、0.1重量%以上、50重量%以下であることが好ましい。
図7は、マザーブロックを切断する工程を説明するための斜視図である。
図7において、マザーブロック35は、互いに直交する第1方向の切断線33及び第2方向の切断線34に沿って切断され、行及び列方向に配列された複数のグリーンチップ19が得られる。図7では、マザーブロック35の内部に位置する最上の内部電極パターン32が破線で示されている。なお、図7では、1個のマザーブロック35から6個のグリーンチップ19が取り出されているが、実際には、より多数のグリーンチップ19が取り出される。
図3に示したように、各グリーンチップ19は、未焼成の状態にある複数のセラミック層25と複数の内部電極26及び27とをもって構成された積層構造を有している。グリーンチップ19の切断側面20及び21は、第1方向の切断線33に沿う切断によって現れた面であり、切断端面36及び37は第2方向の切断線34の切断によって現れた面である。切断側面20及び21には、内部電極26及び27のすべてが露出している。また、一方の切断端面36には、内部電極26のみが露出し、他方の切断端面37には、内部電極27のみが露出している。
なお、図7に示すように、複数のグリーンチップ19が行及び列方向に配列されるように、マザーブロック35が拡張性のある粘着シート38上に貼り付けられた状態で切断されることが好ましい。この場合、図示しないエキスパンド装置によって、粘着シート38を拡張することができる。
図8は、行及び列方向に配列された複数のグリーンチップの互いの間隔を広げた状態を示す斜視図である。
図7に示す粘着シート38を拡張することによって、図8に示すように、行及び列方向に配列された複数のグリーンチップ19は、互いの間隔を広げた状態とされることが好ましい。
その後、複数のグリーンチップを転動させることによって、複数のグリーンチップの各々の切断側面を揃って開放面とする転動工程が行われることが好ましい。
図9(a)及び図9(b)は、グリーンチップを転動させる工程を説明するための斜視図である。
図9(a)に示すグリーンチップ19を90度回転させることによって、図9(b)に示すように、切断側面20が上方へ向いた開放面とすることができる。
続いて、切断側面に未焼成のセラミック保護層が形成される。未焼成のセラミック保護層は、例えば、セラミック保護層用グリーンシートを貼り付けるか、又は、セラミック保護層用ペーストを塗布することにより形成される。
図10は、未焼成のセラミック保護層を形成する工程を説明するための図である。
図10に示すように、切断側面20にセラミック保護層用グリーンシートを貼り付けるか、又は、セラミック保護層用ペーストを塗布することによって、未焼成のセラミック保護層22を形成することができる。
セラミック保護層用グリーンシート又はセラミック保護層用ペーストには、マザーブロックを作製するためのセラミックグリーンシートと同じセラミック原料が主成分として含有されていることが好ましい。
また、セラミック保護層用グリーンシート又はセラミック保護層用ペーストには、Mgが実質的に含有されていないことが好ましい。
これまでに、Mgを含有するセラミック保護層用グリーンシート又はセラミック保護層用ペーストを用いて未焼成のセラミック保護層を形成することによって、内部電極の端部に異相を形成してショート不良率を低減させる方法が知られている。これに対し、本発明の積層セラミック電子部品の製造方法では、セラミック保護層用グリーンシート又はセラミック保護層用ペーストにMgが実質的に含有されていなくても、ショート不良率を低減させることができる。
未焼成のセラミック保護層を形成した後、必要に応じて、乾燥工程が行われる。乾燥工程では、未焼成のセラミック保護層22が形成されたグリーンチップ19が、例えば、120℃に設定されたオーブンに5分間入れられる。
次に、図9(a)及び図9(b)を参照して説明した工程と同様の転動工程が行われることが好ましい。すなわち、複数のグリーンチップを転動させることによって、複数のグリーンチップの各々の切断側面を揃って開放面とする転動工程が行われることが好ましい。この場合、グリーンチップを180度回転させることによって、反対側の切断側面が上方へ向いた開放面とすることができる。
反対側の切断側面に対しても、上記と同様に、未焼成のセラミック保護層を形成すればよい。また、未焼成のセラミック保護層を形成した後、必要に応じて、乾燥工程が行われる。以上により、未焼成の部品本体が得られる。
得られた未焼成の部品本体が焼成される。焼成温度は、未焼成の部品本体に含まれるセラミック材料や金属材料にもよるが、例えば900℃以上、1300℃以下の範囲である。
焼成後の部品本体の両端面17及び18に導電性ペーストを塗布し、焼き付け、さらに、必要に応じて、めっきが施されることによって、外部電極28及び29が形成される。なお、導電性ペーストの塗布は、未焼成の部品本体に対して実施されてもよく、未焼成の部品本体の焼成時に、導電性ペーストの焼付けを同時に行なうようにしてもよい。
このようにして、図1に示す積層セラミックコンデンサ11が製造される。
(第2実施形態)
第2実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、切断側面に対して、砥粒を用いた研削処理又はバイトを用いた切削処理を行い、研削処理に用いられる研削液又は切削処理に用いられる切削液に脱脂剤が含まれている場合について説明する。
まず、第1実施形態で説明した方法により、積層された複数のセラミックグリーンシートと、セラミックグリーンシート間の複数の界面に沿ってそれぞれ配置された内部電極パターンとを含む、マザーブロックが作製される。得られたマザーブロックは、静水圧プレス等の手段により積層方向にプレスされる。
プレスされたマザーブロックを互いに直交する第1方向の切断線及び第2方向の切断線に沿って切断することによって、複数のグリーンチップが得られる。この切断には、例えば、ダイシング、押切り、レーザカット等の方法が適用される。
なお、マザーブロックをダイシングにより切断する場合、第1実施形態で説明した方法を用いてもよい。この場合、ダイシングに用いられる切削液に含まれる脱脂剤の種類は、後述する研削処理に用いられる研削液又は切削処理に用いられる切削液に含まれる脱脂剤の種類と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第1実施形態と同様、図7に示すように、マザーブロック35は、互いに直交する第1方向の切断線33及び第2方向の切断線34に沿って切断され、行及び列方向に配列された複数のグリーンチップ19が得られる。この際、複数のグリーンチップ19が行及び列方向に配列されるように、マザーブロック35が拡張性のある粘着シート38上に貼り付けられた状態で切断されることが好ましい。
また、図7に示す粘着シート38を拡張することによって、図8に示すように、行及び列方向に配列された複数のグリーンチップ19が、互いの間隔を広げた状態とされ、その後、複数のグリーンチップを転動させることによって、複数のグリーンチップの各々の切断側面を揃って開放面とする転動工程が行われることが好ましい。
第2実施形態では、切断側面に対して、砥粒を用いた研削処理又はバイトを用いた切削処理を行い、研削処理に用いられる研削液又は切削処理に用いられる切削液に脱脂剤が含まれている。
研削処理としては、例えば、固定砥粒を用いた研削処理(ダイシング、グラインディング等)、固定砥粒を用いた研磨処理(ドライポリッシュ、テープ研磨等)、遊離砥粒を用いた研磨処理(ラッピング、ポリッシング等)等が挙げられる。これらの処理を組み合わせてもよい。なお、ダイシングによる研削処理は、マザーブロックに対して2回のダイシングを実施することにより行うことができ、1回目のダイシングを切断処理、2回目のダイシングを研削処理として区別する。この場合、2回目のダイシングに使用する砥粒の平均粒子径を1回目のダイシングに使用する砥粒の平均粒子径よりも小さくすることが好ましい。
短絡箇所の発生を防止する観点からは、固定砥粒を用いた研磨処理、又は、遊離砥粒を用いた研磨処理が好ましく、切断側面の表面を平滑にする観点も考慮すると、遊離砥粒を用いた研磨処理がより好ましい。固定砥粒を用いた研磨処理としては、テープ研磨が好ましい。遊離砥粒を用いた研磨処理としては、ポリッシングが好ましい。この場合、ポリッシングのみを行ってもよいし、前処理としてラッピングを行った後にポリッシングを行ってもよい。なお、ラッピングとポリッシングとでは砥粒の大きさが異なり、ポリッシングよりも大きな砥粒を用いた研磨処理をラッピングと呼ぶことにする。
砥粒を用いた研削処理において、砥粒の材質は特に限定されないが、ダイヤモンド砥粒が好ましい。ダイヤモンド砥粒は洗浄性に優れ、焼成雰囲気に与える影響も少ないため、焼成時における過度な粒成長を抑制し、適切な品位の積層セラミック電子部品を製造することができる。
図11は、切断側面に対してポリッシングによる研磨処理を行う方法の一例を模式的に示す概略図である。
図11に示すように、研磨ヘッド230に保持されたグリーンチップ19を研磨パッド220に押し付けて接触させ、供給管240から研磨液(研削液)Bを滴下させながら、研磨ヘッド230と研磨定盤210とを相対的に回転させることによって、切断側面が研磨される。研磨処理に用いられる研磨液Bに脱脂剤が含まれているため、切断側面に発生する内部電極の垂れを除去することができる。なお、図11に示すように、複数のグリーンチップ19が粘着シート38上に貼り付けられた状態のまま、それぞれのグリーンチップ19の切断側面が研磨されることが好ましい。
切削処理としては、例えば、バイトの回転による切削処理、グリーンチップの回転による切削処理、バイトの直線運動による切削処理、グリーンチップの直線運動による切削処理等が挙げられる。これらの処理を組み合わせてもよい。
短絡箇所の発生を防止する観点からは、バイトの回転による切削処理、グリーンチップの回転による切削処理、又は、これらを組み合わせた切削処理が好ましい。具体的には、サーフェースプレーナー等の切削装置を用いた切削処理が好ましい。サーフェースプレーナーを用いる場合、所定の切込高さに固定したバイトを回転させた状態において、グリーンチップを送ることによって、グリーンチップの表面を切削することができる。さらに、バイトの刃先によって、グリーンチップの表面が1回で削り取られるため、グリーンチップの表面を平滑にすることもできる。
バイトを用いた切削処理において、バイトの材質は特に限定されないが、ダイヤモンドバイトが好ましい。
研削処理又は切削処理は、マザーブロックを切断した後、未焼成のセラミック保護層を形成する前であれば、どの段階で行われてもよい。例えば、転動工程の前の切断側面に対して研削処理又は切削処理が行われてもよいし、転動工程を行わず、切断により得られる切断側面に対して研削処理又は切削処理が行われてもよい。
上述の転動工程を行う場合、転動工程により上方へ向いた切断側面に対して研削処理又は切削処理が行われることが好ましい。なお、研削処理と切削処理とが組み合わされて行われてもよく、この場合、研削処理及び切削処理を行う順序は特に限定されない。
研削液又は切削液に含まれる脱脂剤の種類は特に限定されないが、例えば、第1実施形態で説明したものが挙げられる。
脱脂剤を含む研削液又は切削液の温度は特に限定されないが、内部電極の垂れを除去する観点からは、10℃以上、70℃以下であることが好ましく、20℃以上、40℃以下であることがより好ましい。
研削液又は切削液中の脱脂剤の濃度は特に限定されないが、内部電極の垂れを除去する観点からは、0.1重量%以上、50重量%以下であることが好ましい。
図12(a)及び図12(b)は、研削処理又は切削処理を行う工程を説明するための図である。図12(a)及び図12(b)は、グリーンチップの端面方向から示した切断側面付近の拡大図である。
図12(a)及び図12(b)に示すように、切断側面20に対して、研削線X−Xの位置まで研削処理又は切削処理を行う。
第2実施形態では、研削処理又は切削処理の後、切断側面に対して超音波洗浄を行ってもよい。この場合、超音波洗浄に用いられる洗浄液に脱脂剤が含まれていることが好ましい。
超音波洗浄は、公知の方法によって行うことができ、例えば、超音波洗浄機を用いて、保持具によって保持された状態の複数のグリーンチップを洗浄液に浸漬し、洗浄槽に設けられた超音波振動子にて振動が付与された洗浄液によって複数のグリーンチップを洗浄することができる。その際、洗浄液中を進行する振動波の向きと平行な方向に沿って保持具を揺動させることが好ましい。これにより、さらなる洗浄効果を得ることができる。
図13は、切断側面に対して超音波洗浄を行う方法の一例を模式的に示す概略図である。
図13に示すように、保持具330に保持されたグリーンチップ19を洗浄液Cに浸漬する。洗浄槽310内に設置された振動板320及びこれらに組み付けられた超音波振動子321にて振動が付与された洗浄液Cによって、切断側面が超音波洗浄される。超音波洗浄に用いられる洗浄液Cに脱脂剤が含まれているため、切断側面に発生する内部電極の垂れを除去することができる。なお、図13に示すように、複数のグリーンチップ19が粘着シート38上に貼り付けられた状態のまま、それぞれのグリーンチップ19の切断側面が超音波洗浄されることが好ましい。
洗浄液に含まれる脱脂剤の種類は特に限定されないが、例えば、第1実施形態で説明したものが挙げられる。なお、超音波洗浄に用いられる洗浄液に含まれる脱脂剤の種類は、研削処理に用いられる研削液又は切削処理に用いられる切削液に含まれる脱脂剤の種類と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
脱脂剤を含む洗浄液の温度は特に限定されないが、内部電極の垂れを除去する観点からは、10℃以上、70℃以下であることが好ましく、20℃以上、40℃以下であることがより好ましい。
洗浄液中の脱脂剤の濃度は特に限定されないが、内部電極の垂れを除去する観点からは、0.1重量%以上、50重量%以下であることが好ましい。
第2実施形態では、必要に応じて、グリーンチップに付着した脱脂剤を含む液(研削液又は切削液、及び、必要に応じて洗浄液)を洗い流すためのリンス処理が行われる。リンス処理では、水を用いた洗浄を行うことが好ましく、水を用いた超音波洗浄を行うことがより好ましい。
リンス処理の後、乾燥工程が行われることが好ましい。乾燥工程の方式としては、例えば、エアーにより水を飛ばす方式、対象物を回転させて遠心力により水を飛ばす方式、エアー及び遠心力により水を飛ばす方式、40℃以上100℃以下の温度に設定されたオーブン内で乾燥させる方式等が挙げられる。
続いて、切断側面に未焼成のセラミック保護層が形成される。未焼成のセラミック保護層を形成する方法は、第1実施形態で説明したとおりである。
未焼成のセラミック保護層を形成した後、必要に応じて、乾燥工程が行われる。次に、図9(a)及び図9(b)を参照して説明した工程と同様の転動工程が行われることが好ましい。
反対側の切断側面に対しても、上記と同様に、研削処理又は切削処理が行われる。例えば、1回目(一方の切断側面)に研削処理を行った場合、2回目(他方の切断側面)に研削処理を行ってもよいし、切削処理を行ってもよい。2回目の研削処理又は切削処理の条件は、1回目の研削処理又は切削処理の条件と同じでもよいし、異なっていてもよい。2回目の研削処理に用いられる研削液又は切削処理に用いられる切削液に含まれる脱脂剤の種類は、1回目の研削処理に用いられる研削液又は切削処理に用いられる切削液に含まれる脱脂剤の種類と同じでもよいし、異なっていてもよい。
2回目の研削処理又は切削処理の後、切断側面に対して超音波洗浄が行われてもよい。この場合、超音波洗浄に用いられる洗浄液に脱脂剤が含まれていることが好ましい。2回目の超音波洗浄に用いられる洗浄液に含まれる脱脂剤の種類は、1回目の超音波洗浄に用いられる洗浄液に含まれる脱脂剤の種類と同じでもよいし、異なっていてもよい。
上記と同様に、反対側の切断側面に未焼成のセラミック保護層を形成した後、必要に応じて、乾燥工程が行われる。以上により、未焼成の部品本体が得られる。
得られた未焼成の部品本体を焼成した後、焼成後の部品本体の両端面に外部電極を形成することにより、図1に示す積層セラミックコンデンサ11が製造される。
(第3実施形態)
第3実施形態では、上記第1実施形態及び第2実施形態とは異なり、切断側面に対して超音波洗浄を行い、超音波洗浄に用いられる洗浄液に脱脂剤が含まれている場合について説明する。
まず、第1実施形態で説明した方法により、積層された複数のセラミックグリーンシートと、セラミックグリーンシート間の複数の界面に沿ってそれぞれ配置された内部電極パターンとを含む、マザーブロックが作製される。得られたマザーブロックは、静水圧プレス等の手段により積層方向にプレスされる。
プレスされたマザーブロックを互いに直交する第1方向の切断線及び第2方向の切断線に沿って切断することによって、複数のグリーンチップが得られる。この切断には、例えば、ダイシング、押切り、レーザカット等の方法が適用される。
なお、マザーブロックをダイシングにより切断する場合、第1実施形態で説明した方法を用いてもよい。この場合、ダイシングに用いられる切削液に含まれる脱脂剤の種類は、後述する超音波洗浄に用いられる洗浄液に含まれる脱脂剤の種類と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第1実施形態と同様、図7に示すように、マザーブロック35は、互いに直交する第1方向の切断線33及び第2方向の切断線34に沿って切断され、行及び列方向に配列された複数のグリーンチップ19が得られる。この際、複数のグリーンチップ19が行及び列方向に配列されるように、マザーブロック35が拡張性のある粘着シート38上に貼り付けられた状態で切断されることが好ましい。
また、図7に示す粘着シート38を拡張することによって、図8に示すように、行及び列方向に配列された複数のグリーンチップ19が、互いの間隔を広げた状態とされ、その後、複数のグリーンチップを転動させることによって、複数のグリーンチップの各々の切断側面を揃って開放面とする転動工程が行われることが好ましい。
第3実施形態では、切断側面に対して超音波洗浄を行い、超音波洗浄に用いられる洗浄液に脱脂剤が含まれている。
超音波洗浄の方法は、第2実施形態で説明したとおりである。超音波洗浄は、マザーブロックを切断した後、未焼成のセラミック保護層を形成する前であれば、どの段階で行われてもよい。例えば、複数のグリーンチップが互いの間隔を広げた状態とされる前でもよいし、複数のグリーンチップが互いの間隔を広げた状態とされた後、かつ、転動工程の前でもよいし、転動工程の後でもよい。また、転動工程を行わずに超音波洗浄が行われてもよい。
洗浄液に含まれる脱脂剤の種類は特に限定されないが、例えば、第1実施形態で説明したものが挙げられる。
脱脂剤を含む洗浄液の温度は特に限定されないが、内部電極の垂れを除去する観点からは、10℃以上、70℃以下であることが好ましく、20℃以上、40℃以下であることがより好ましい。
洗浄液中の脱脂剤の濃度は特に限定されないが、内部電極の垂れを除去する観点からは、0.1重量%以上、50重量%以下であることが好ましい。
第3実施形態では、必要に応じて、グリーンチップに付着した脱脂剤を含む洗浄液を洗い流すためのリンス処理が行われる。リンス処理では、水を用いた洗浄を行うことが好ましく、水を用いた超音波洗浄を行うことがより好ましい。
リンス処理の後、乾燥工程が行われることが好ましい。乾燥工程の方式としては、例えば、第2実施形態で説明した方式が挙げられる。
続いて、切断側面に未焼成のセラミック保護層が形成される。未焼成のセラミック保護層を形成する方法は、第1実施形態で説明したとおりである。
未焼成のセラミック保護層を形成した後、必要に応じて、乾燥工程が行われる。次に、図9(a)及び図9(b)を参照して説明した工程と同様の転動工程が行われることが好ましい。
上記と同様に、反対側の切断側面に未焼成のセラミック保護層を形成した後、必要に応じて、乾燥工程が行われる。以上により、未焼成の部品本体が得られる。
得られた未焼成の部品本体を焼成した後、焼成後の部品本体の両端面に外部電極を形成することにより、図1に示す積層セラミックコンデンサ11が製造される。
(その他の実施形態)
第1実施形態では、マザーブロックを切断した後の切断側面に未焼成のセラミック保護層を形成する場合について説明したが、マザーブロックを切断した後、未焼成のセラミック保護層を形成する前の切断側面に対して、研削処理又は切削処理を行ってもよい。この場合、研削処理に用いられる研削液又は切削処理に用いられる切削液には、脱脂剤が含まれていてもよいし、脱脂剤が含まれていなくてもよい。さらに、研削処理又は切削処理の後、未焼成のセラミック保護層を形成する前の切断側面に対して、超音波洗浄を行ってもよい。この場合、超音波洗浄に用いられる洗浄液には、脱脂剤が含まれていてもよいし、脱脂剤が含まれていなくてもよい。
第3実施形態では、マザーブロックを切断した後、未焼成のセラミック保護層を形成する前の切断側面に対して、超音波洗浄を行う場合について説明したが、マザーブロックを切断した後、超音波洗浄を行う前の切断側面に対して、研削処理又は切削処理を行ってもよい。この場合、研削処理に用いられる研削液又は切削処理に用いられる切削液には、脱脂剤が含まれていてもよいし、脱脂剤が含まれていなくてもよい。
本発明の積層セラミック電子部品の製造方法において、切断側面を脱脂剤で処理する方法は上述した実施形態で説明した方法に限定されるものではなく、他の方法によって切断側面を脱脂剤で処理してもよい。
上述した実施形態では、マザーブロックを第1方向の切断線及び第2方向の切断線に切断して複数のグリーンチップを得てから、切断側面に未焼成のセラミック保護層を形成していたが、以下のように変更することも可能である。
すなわち、マザーブロックを第1方向の切断線のみに沿って切断することによって、第1方向の切断線に沿う切断によって現れた切断側面に内部電極が露出した、複数の棒状のグリーンブロック体を得てから、切断側面に未焼成のセラミック保護層を形成した後、第2方向の切断線に切断して複数の未焼成の部品本体を得て、その後、未焼成の部品本体を焼成してもよい。焼成後は、前述の実施形態と同様の工程を行うことによって、積層セラミック電子部品を製造することができる。
以下、本発明の積層セラミック電子部品の製造方法をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
セラミック原料としてのBaTiOに、ポリビニルブチラール系のバインダ、フタル酸エステル系の可塑剤、ポリビニルブチラール系の分散剤、帯電防止剤及び有機溶剤を加え、これらをボールミルにより湿式混合し、セラミックスラリーを作製した。次いで、このセラミックスラリーをリップ方式によりシート成形し、矩形のセラミックグリーンシートを得た。次に、上記セラミックグリーンシート上に、Ni、セルロース系のバインダ、分散剤及び溶剤を含有する導電性ペーストをスクリーン印刷し、Niを主成分とする内部電極パターンを形成した。
内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを幅方向にずらしながら複数枚積層し、その上下に内部電極パターンが印刷されていないセラミックグリーンシートを積層することにより、マザーブロックを得た。得られたマザーブロックを、静水圧プレスにより積層方向にプレスした。
プレスされたマザーブロックをチップ形状に切断することにより、個々の内部電極が両端面及び両側面に露出したグリーンチップを得た。マザーブロックの切断はダイシングにより行い、切削液として純水を用いた。切断後、純水を用いて超音波洗浄を行った。
グリーンチップの一方の切断側面に対して、研削処理として、遊離砥粒を用いた研磨処理を行った。実施例1では、ダイヤモンドスラリー(研磨液)、及び、綿布系の研磨パッドを用いたポリッシングを行った。なお、研磨液に脱脂剤は含まれていない。
研磨処理後、脱脂剤としてピロリン酸カリウムを含む洗浄液を用いて超音波洗浄を行った。洗浄液を洗い流し、乾燥させた後、研磨処理後の切断側面にセラミック保護層用グリーンシートを貼り付けることにより、未焼成のセラミック保護層を形成した。セラミック保護層用グリーンシートの組成は、セラミックグリーンシートの組成と同じである。
グリーンチップの他方の切断側面に対しても、上記と同様に、遊離砥粒を用いた研磨処理を行った後、脱脂剤としてピロリン酸カリウムを含む洗浄液を用いて超音波洗浄を行った。洗浄液を洗い流し、乾燥させた後、他方の切断側面にも未焼成のセラミック保護層を形成した。これにより、未焼成の部品本体を得た。
得られた未焼成の部品本体を窒素雰囲気中にて脱脂した後、水素/窒素混合雰囲気中にて焼成した。焼成後、導電性ペーストの塗布及び焼付けによって、外部電極を形成し、実施例1の積層セラミックコンデンサを作製した。
(比較例1)
マザーブロックを切断した後、両方の切断側面に対して研磨処理及び超音波洗浄を行わなかったこと以外は実施例1と同様に外部電極まで形成し、比較例1の積層セラミックコンデンサを作製した。
[評価]
(短絡箇所)
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、外部電極を形成する前の切断側面を倍率7000倍で撮影した。内部電極14〜16本中、Ni粒子同士が完全に層間をまたがって接触している箇所の数を測定した。結果を表1の「短絡箇所」に示す。
(脱脂後ショート不良率)
それぞれ100個の積層セラミックコンデンサの静電容量をLCRメータにて測定し、ショート不良の発生率を算出した。結果を表1の「ショート不良率」に示す。
Figure 0006888324
表1に示すように、切断側面に対して研磨処理及び超音波洗浄を行わなかった比較例1では、切断側面に短絡箇所が発生していたのに対し、切断側面に対して研磨処理を行った後、脱脂剤としてピロリン酸カリウムを含む洗浄液を用いて超音波洗浄を行った実施例1では、短絡箇所が0個であった。さらに、実施例1では、比較例1よりもショート不良率が大きく低下していた。
図14(a)は、比較例1の積層セラミックコンデンサの切断側面におけるNi元素マッピング像であり、図14(b)は、実施例1の積層セラミックコンデンサの切断側面におけるNi元素マッピング像である。
表1の結果と同様、切断側面に対して研磨処理及び超音波洗浄を行わなかった比較例1では、図14(a)に示すように、短絡箇所(図14(a)中、○印で囲った部分)が発生していたのに対し、切断側面に対して研磨処理を行った後、脱脂剤としてピロリン酸カリウムを含む洗浄液を用いて超音波洗浄を行った実施例1では、図14(b)に示すように、短絡箇所が発生していないことが確認できる。
11 積層セラミックコンデンサ(積層セラミック電子部品)
12 部品本体
13,14 主面
15,16 側面
17,18 端面
19 グリーンチップ
20,21 切断側面
22,23 セラミック保護層
24 積層部
25 セラミック層
26,27 内部電極
28,29 外部電極
31 セラミックグリーンシート
32 内部電極パターン
33 第1方向の切断線
34 第2方向の切断線
35 マザーブロック
36,37 切断端面
38 粘着シート
110 テーブル
120 ダイシングブレード
130 ノズル
210 研磨定盤
220 研磨パッド
230 研磨ヘッド
240 供給管
310 洗浄槽
320 振動板
321 超音波振動子
330 保持具
A 切削液
B 研磨液(研削液)
C 洗浄液

Claims (13)

  1. 積層された複数のセラミックグリーンシートと、前記セラミックグリーンシート間の複数の界面に沿ってそれぞれ配置された内部電極パターンとを含む、マザーブロックを作製する工程と、
    前記マザーブロックを互いに直交する第1方向の切断線及び第2方向の切断線に沿って切断することによって、未焼成の状態にある複数のセラミック層と複数の内部電極とをもって構成された積層構造を有し、かつ前記第1方向の切断線に沿う切断によって現れた切断側面に前記内部電極が露出した、複数のグリーンチップを得る工程と、
    前記内部電極が露出している前記切断側面を脱脂剤で処理する工程と、
    前記脱脂剤で処理した後に前記切断側面に未焼成のセラミック保護層を形成することによって、未焼成の部品本体を得る工程と、
    前記未焼成の部品本体を焼成する工程と、を備えることを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 積層された複数のセラミックグリーンシートと、前記セラミックグリーンシート間の複数の界面に沿ってそれぞれ配置された内部電極パターンとを含む、マザーブロックを作製する工程と、
    前記マザーブロックを第1方向の切断線に沿って切断することによって、未焼成の状態にある複数のセラミック層と複数の内部電極とをもって構成された積層構造を有し、かつ前記第1方向の切断線に沿う切断によって現れた切断側面に前記内部電極が露出した、複数の棒状のグリーンブロック体を得る工程と、
    前記内部電極が露出している前記切断側面を脱脂剤で処理する工程と、
    前記脱脂剤で処理した後に前記切断側面に未焼成のセラミック保護層を形成する工程と、
    前記未焼成のセラミック保護層が形成された前記棒状のグリーンブロック体を、前記第1方向に直交する第2方向の切断線に沿って切断することによって、複数の未焼成の部品本体を得る工程と、
    前記未焼成の部品本体を焼成する工程と、を備えることを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 前記複数のグリーンチップを得る工程又は前記複数の棒状のグリーンブロック体を得る工程では、前記マザーブロックをダイシングにより切断し、
    前記ダイシングに用いられる切削液に前記脱脂剤が含まれている請求項1又は2に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  4. 前記未焼成のセラミック保護層を形成する前の前記切断側面に対して、砥粒を用いた研削処理又はバイトを用いた切削処理を行う工程をさらに備え、
    前記研削処理に用いられる研削液又は前記切削処理に用いられる切削液に前記脱脂剤が含まれている請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  5. 前記研削処理又は前記切削処理を行った後、前記未焼成のセラミック保護層を形成する前の前記切断側面に対して、超音波洗浄を行う工程をさらに備え、
    前記超音波洗浄に用いられる洗浄液に前記脱脂剤が含まれている請求項4に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  6. 前記マザーブロックを切断した後、前記未焼成のセラミック保護層を形成する前の前記切断側面に対して、超音波洗浄を行う工程をさらに備え、
    前記超音波洗浄に用いられる洗浄液に前記脱脂剤が含まれている請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  7. 前記脱脂剤は、縮合リン酸塩を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  8. 前記縮合リン酸塩は、ピロリン酸塩である請求項7に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  9. 前記縮合リン酸塩は、ピロリン酸カリウムである請求項8に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  10. 前記脱脂剤は、アルキル基の炭素数が1以上12以下であるポリアルキレングリコールアルキルエーテルを含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  11. 前記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルは、ポリエチレングリコールアルキルエーテルである請求項10に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  12. 前記ポリアルキレングリコールアルキルエーテルは、ポリエチレングリコールラウリルエーテルである請求項11に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  13. 前記脱脂剤を含む液の温度は、10℃以上、70℃以下である請求項1〜12のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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