JP6888317B2 - 立体画像データ作成システム、画像編集方法、造形物の製造方法およびプログラム - Google Patents
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Description
また、本発明に係る画像編集方法は、立体画像データ作成システムが実行する画像編集方法であって、熱膨張性シートの部分的な熱膨張に伴わせて前記熱膨張性シートの表面に凸部を生じさせるための画像を前記熱膨張性シートに、照射された光を熱に変換可能な材料で、印刷するための画像データを編集する編集ステップを有し、前記編集ステップは、前記画像の平面サイズを変更する場合には、前記凸部の高さに寄与する濃淡レベルを、前記画像データのうち点字用データに対しては維持したままで前記点字用データを除く他の画像データに対して変更する、ことを特徴とする。
また、本発明に係る造形物の製造方法は、照射された光を熱に変換可能な材料で熱膨張性シートに画像を印刷する印刷ステップと、前記印刷ステップで印刷された画像に対して前記光を照射することにより前記画像に対応させて前記熱膨張性シートの表面に凸部を形成する照射ステップと、前記印刷ステップに先立って前記画像を印刷するための画像データを編集する編集ステップと、を有し、前記編集ステップは、前記画像の平面サイズを変更する場合には、前記凸部の高さに寄与する濃淡レベルを、前記画像データのうち点字用データに対しては維持したままで前記点字用データを除く他の画像データに対して変更する、ことを特徴とする。
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、熱膨張性シートの部分的な熱膨張に伴わせて前記熱膨張性シートの表面に凸部を生じさせるための画像を前記熱膨張性シートに、照射された光を熱に変換可能な材料で、印刷するための画像データを編集する編集手段として機能させ、前記編集手段は、前記画像の平面サイズを変更する場合には、前記凸部の高さに寄与する濃淡レベルを、前記画像データのうち点字用データに対しては維持したままで前記点字用データを除く他の画像データに対して変更する、ことを特徴とする。
図1は、立体画像形成システム1の概略を示す構成図である。
立体画像形成システム1(立体画像データ作成システム)は、コンピュータ3に、タッチパネルディスプレイ2と、印刷装置41と、発泡装置42とが接続されて構成される。立体画像形成システム1は、後記する熱膨張性シートに濃淡画像としてカーボンブラックを印刷したのち、この熱膨張性シートに向けて近赤外光や可視光を照射する。これにより、立体画像形成システム1は、この熱膨張性シートのカーボンブラックが印刷された領域を膨張させて、立体画像を形成させることができる。本実施形態において熱膨張性シートは、用紙または媒体に含まれる概念である。
発泡装置42への媒体の挿入手順において、タッチパネルディスプレイ2には、発泡装置42への媒体の挿入操作のガイド画面が表示される。このガイド画面には、媒体に対応する画像と立体画像形成システム1に対応する画像が、印刷装置41への媒体の挿入操作のガイド画面に対して表示位置関係が反転するように案内表示される。
更には、紙面エリア上にコピー貼付けされた立体画像コンテンツ5は、貼付け後に任意のサイズに拡大・縮小することもできる。このようにして出来上がった新たな立体画像コンテンツ5は、印刷用データに変換されて印刷装置41に出力される。
なお、上記選択、決定され、紙面エリア上の貼付けられた立体画像コンテンツ5の任意の一部分を更に選択拡大して紙面上に印刷表示させる等の仕様も可能である。その際の印刷用データは、選択されたエリアと更なる拡大表示エリアとのサイズ比率に応じて濃淡データを変更することで作成される。
更にCPU31は、平面方向のリサイズを行うことなく、濃淡を変更してもよい。このような濃淡の変更に関しては、後記する図19〜図21などで詳細に説明する。その後CPU31は、立体画像コンテンツ5を印刷用データに変換して印刷装置41にて用紙に印刷を行い、濃淡画像を形成する。CPU31は、濃淡画像が印刷された用紙を発泡装置42で発泡させることで所望の結果を得ることができる。
以下、図2から図21を参照しつつ第1の実施形態を説明する。第1の実施形態は、点字を形成するための点字用データと、点字を除く図形を形成するための図形用データとが分離されている。
立体絵画用として作成される立体画像コンテンツ5は、表面用濃淡データ51、裏面用濃淡データ52、絵柄データ53、点字用データ54を含んで構成される。表面用濃淡データ51は、用紙を発泡させて所定の領域を隆起させるために用紙の表面に所定サイズで印刷される濃淡データ(画像データ)である。裏面用濃淡データ52は、用紙を発泡させて所定の領域を隆起させるために用紙の裏面に所定サイズで印刷される濃淡データ(画像データ)である。絵柄データ53は、絵柄に係るものであり、用紙の表面に印刷されるカラーデータである。
点字用データ54は、用紙を発泡させて点字として隆起させるためのものであり、用紙の表面に印刷される濃淡データ542と、その位置情報541とを含んでいる。このように、表面用濃淡データ51と点字用データ54とを分離しているので、表面用濃淡データ51にリサイズや高さ調整を掛け、点字用データ54にはこれらの処理を掛けないようにすることができる。
編集画面6は、左側にコンテンツ表示領域7bを備え、右側にはコンテンツ表示領域7bに表示されるコンテンツを編集する各種操作要素を表示している。このコンテンツ表示領域7bは、A4サイズであり、凸領域である点字領域71,73と、ランドマーク72,74と、方位マーク75と、道路76を含んでいる。この編集画面6は、発泡高さに寄与する濃淡データを含む所定サイズの立体画像コンテンツ5(画像データ)の編集を行う編集手段として機能する。
編集画面6の右側1列目には、「編集」が表示され、その右側には、保存ボタン60、A5指定ボタン611、A4指定ボタン612、A3指定ボタン613が表示されている。
保存ボタン60は、コンテンツ表示領域7bに表示されているコンテンツを記憶部34(図1参照)に保存するボタンである。
編集画面6の右側3列目は、オブジェクト選択ボタン群63である。オブジェクト選択ボタン群63は、左側から順に線選択ボタン、円選択ボタン、矩形選択ボタン、文字選択ボタン、点字選択ボタン、スタンプ選択ボタンを含んでいる。
線属性領域64は、色選択メニューと、線の種類メニューと、線の太さを細くするボタンおよび太くするボタンと、発泡高さを設定する「なし」、「低」、「中」、「高」のボタンを有している。
発泡高さ「なし」ボタンがタップされると、濃淡データ中の線の濃度は0%となる。発泡高さ「低」ボタンがタップされると、濃淡データ中の線の濃度は30%となる。発泡高さ「中」ボタンがタップされると、濃淡データ中の線の濃度は60%となる。発泡高さ「高」ボタンがタップされると、濃淡データ中の線の濃度は90%となる。
「元に」ボタンは、直前の編集動作を取り消して元に戻すボタンである。「前面」ボタンは、当該オブジェクトを他のオブジェクトよりも優先表示させるボタンである。「背面」ボタンは、他のオブジェクトを当該オブジェクトよりも優先表示させるボタンである。
編集ボタン群66の下側には、発泡高さ強調に関するボタンが配置されている。発泡高さ強調に関するボタンは、線形強調ボタン671、非線形強調ボタン672である。
ユーザが線形強調ボタン671をタップすると、CPU31は、コンテンツの発泡高さを線形で強調する。非線形強調ボタン672をタップすると、CPU31は、コンテンツの発泡高さを非線形で強調する。
編集画面6において、A3指定ボタン613が強調表示されており、A3サイズが指定されていることを示している。コンテンツ表示領域7aに表示されているコンテンツは、図3に示したA4サイズからA3サイズにリサイズされている。リサイズに伴う拡大率は、およそ140%である。この処理について、後記する図5で詳細に説明する。
最初、CPU31は、裏面用濃淡データ52を平面方向にリサイズし(ステップS10)、更に裏面用濃淡データ52を立体画像が形成できる範囲で補正する(ステップS11)。CPU31は、平面方向の拡大・縮小率を参照して裏面用濃淡データ52の濃度を調整して、出来上がる立体画像が高さ方向にリサイズされるようにする。更にCPU31は、濃度が飽和するなどにより、高さ方向に立体画像が形成できないときには、飽和した値でリミットする。この処理については、後記する図16で詳細に説明する。
最後にCPU31は、絵柄データ53を平面方向にリサイズし(ステップS22)、図5のリサイズ処理を終了する。
このようにCPU31は、表面用濃淡データ51と裏面用濃淡データ52に対して、濃度階調の分布に応じた補正を行う補正手段として機能する。
最初、CPU31は、表面用濃淡データ51と点字用データ54とを合成して印刷装置41に出力し、用紙8A(図7参照)の表面に印刷させる(ステップS30)。これにより、図8に示す用紙8Bが形成される。
次にCPU31は、裏面用濃淡データ52を印刷装置41に出力し、用紙8B(図8参照)の裏面に印刷させる(ステップS31)。これにより、図9に示す用紙8Cが形成される。
更にCPU31は、絵柄データ53を印刷装置41に出力し、用紙8C(図9参照)の表面に印刷させる(ステップS32)。これにより、図10に示す用紙8Dが形成される。
ユーザが用紙8Dの表面を上にして発泡装置42に設置し(ステップS33)、発泡装置42が用紙8Dの表面側に光を照射して発泡させる(ステップS34)。これにより、図11に示す用紙8Eが形成される。
更にユーザが用紙8Eの裏面を上にして発泡装置42に設置し(ステップS35)、発泡装置42が用紙8Eの裏面側に光を照射して発泡させる(ステップS36)。これにより、図12に示す用紙8Fが形成される。この用紙8Fは、立体画像である。
図7は、印刷前の媒体の断面図である。
用紙8Aは、基材81と発泡樹脂層82とインク受容層83とが順に積層されている。この用紙8Aは、立体画像形成システム1における工程を経ていない媒体の例である。
基材81は、紙、キャンバス地などの布、プラスチックなどのパネル材などからなり、材質は特に限定されるものではない。
用紙8Bは、図7に示す用紙8Aの表面(インク受容層83側)に対して電磁波熱変換層84が印刷されている。この用紙8Bは、立体画像形成システム1において、表面用濃淡データ51の印刷工程を経た媒体の例である。
電磁波熱変換層84は、例えばカーボンブラックを含むインクで印刷された層であり、可視光や近赤外光(電磁波)を熱に変換する。
用紙8Cは、図8に示す用紙8Bの裏面(基材81側)に電磁波熱変換層86が印刷されている。この用紙8Cは、立体画像形成システム1において、表面用濃淡データ51の印刷工程と、裏面用濃淡データ52の印刷工程を経た媒体の例である。
電磁波熱変換層86は、例えばカーボンブラックを含むインクで印刷された層であり、可視光や近赤外光(電磁波)を熱に変換する。
用紙8Dは、図9に示す用紙8Cの表面(インク受容層83側)にカラーインク層85a,85bが印刷されている。この用紙8Dは、立体画像形成システム1において、表面用濃淡データ51の印刷工程と、裏面用濃淡データ52の印刷工程と、絵柄データ53の印刷工程を経た媒体の例である。
用紙8Eは、立体画像形成システム1において、表面発泡工程を経た媒体の例である。
電磁波熱変換層84は、発泡装置42による第1回目の搬送において、図の上側から光の照射を受けて熱に変換する、この電磁波熱変換層84は、用紙8Eに細かな立体パターンを形成するために設けられている。この電磁波熱変換層84の下側の発泡樹脂層82は、熱を受けて発泡膨張する。インク受容層83、電磁波熱変換層84、カラーインク層85bは、それぞれ伸縮性を有し、発泡樹脂層82の発泡膨張に追従して変形する。このようにして図11に示した用紙8Eが形成される。
用紙8Fは、立体画像形成システム1において、裏面発泡工程を経た媒体の例である。
電磁波熱変換層86は、発泡装置42による第2回目の搬送において、図の下側から光の照射を受けて熱に変換する、この電磁波熱変換層86は、粗い立体パターンを形成するために設けられている。この電磁波熱変換層86の近傍の発泡樹脂層82は、熱を受けて発泡膨張する。インク受容層83、電磁波熱変換層84、カラーインク層85aは、それぞれ伸縮性を有し、発泡樹脂層82の発泡膨張に追従して変形する。このようにして、立体画像を含む用紙8Fが形成される。
図13は、立体画像コンテンツ5の縮小リサイズ時の濃度変換関数を示すグラフと立体画像コンテンツ5の濃度ヒストグラムである。ここでは、A4サイズからA5サイズへの縮小時の変換関数が表示されている。
立体画像コンテンツ5は、平面方向のリサイズにより、70%に縮小される。よって、高さ方向にも70%縮小することにより、平面方向と高さ方向とがバランスするように発泡高さを適切に調整することができる。
拡大リサイズの場合と異なり、縮小リサイズの場合、濃度階調は、立体画像を形成できる濃度範囲に必ず収まる。
この立体画像9bは、A4サイズであり、点字領域91,93と、ランドマーク92,94と、方位マーク95と、道路96とを含んでいる。点字領域91は、ランドマーク92の右側に位置しており、このランドマーク92の説明が点字で示されている。点字領域93は、ランドマーク94の右側に位置しており、このランドマーク94の説明が点字で示されている。
この立体画像9cは、A5サイズであり、点字領域91,93と、ランドマーク92,94と、道路96とを含んでいる。
点字領域91は、ランドマーク92の右側に位置しており、このランドマーク92の説明の一部が点字で示されているが、立体画像9cから逸脱している部分は形成されていない。図15では、立体画像9cから逸脱している部分を含めて破線で示している。
点字領域91と点字領域93とは殆ど距離なく隣接している。よって、立体画像9cに対応する立体画像コンテンツ5を更に縮小リサイズすると、点字領域91と点字領域93とが相互に干渉して、配置できなくなる。
道路96は、点字領域93の下側に配置されている。
図16は、立体画像コンテンツ5の拡大リサイズ時の濃度変換関数と立体画像コンテンツ5の濃度ヒストグラムを示すグラフである。ここでは、A4サイズからA3サイズへの拡大時の濃度変換関数が表示されている。
立体画像コンテンツ5は、平面方向のリサイズにより、140%に拡大される。よって、高さ方向にも140%拡大することにより、平面方向と高さ方向とがバランスするように発泡高さを適切に調整することができる。
この立体画像9aは、A3サイズであり、点字領域91,93と、ランドマーク92,94と、方位マーク95と、道路96とを含んでいる。点字領域91は、ランドマーク92の右側に位置しており、このランドマーク92の説明が点字で示されている。点字領域93は、ランドマーク94の右側に位置しており、このランドマーク94の説明が点字で示されている。
方位マーク95は、点字領域91,93の右側かつ所定間隔だけ離れた位置に配置されている。道路96は、点字領域93の下側に配置されている。
最初、CPU31は、裏面用濃淡データ52と表面用濃淡データ51の濃度ヒストグラムを取得する(ステップS40)。この濃度ヒストグラムの例を、後記する図19に示す。
次にCPU31は、取得した濃度ヒストグラムが濃度領域の一部にだけ分布するか否かを判断する。CPU31は、濃度ヒストグラムが濃度領域の一部にだけ分布するならば(ステップS41→Yes)、濃度ヒストグラムが濃度範囲全体に分布するように、裏面用濃淡データ52と表面用濃淡データ51を補正する(ステップS42)。このときの濃度ヒストグラムと、補正に係る変換関数を図19に示す。更にCPU31は、ステップS32の処理が終了すると、図18の高さ強調処理を終了する。
CPU31は、濃度ヒストグラムが濃度領域の全体に分布するならば(ステップS41→No)、図19の高さ強調処理を終了する。
このようにCPU31は、表面用濃淡データ51と裏面用濃淡データ52に対して、濃度階調の分布に応じた補正を行う補正手段として機能する。
このように、立体画像コンテンツ5を、好ましい凹凸コントラストになるよう編集した場合であっても、同一画像に混在する点字に関しては高さを維持する(無変更)ようにすることで、判読しやすい点字を含んだ立体画像を得られる。
この例において、立体画像の濃度ヒストグラムは、0%以上60%未満の間に分布している。濃度ヒストグラムは、濃度範囲全体(0%〜100%)のうち一部にだけ分布しているので、濃度範囲全体に分布するような線形の変換関数に基づき、濃度を変換する。これにより、立体画像の形成への充分な考慮のない人が作成した立体画像コンテンツ5でも、メリハリある立体画像を得ることができる。
立体画像9dには、凸部97d,98dと、点字99dが形成されている。発泡高さの飽和値を2mmとしたとき、凸部97dの高さは1mmであり。凸部98dと点字99dの高さは0.5mmである。凸部97dは、立体画像9dにおいて発泡高さが最も高い部位である。立体画像の形成への充分な考慮のない人が作成した場合、立体画像9dのようにメリハリに欠ける。
立体画像9eには、凸部97e,98eと、点字99eが形成されている。発泡高さの飽和値を2mmとしたとき、凸部97eの高さは2mmであり。凸部98eの高さは1mmである。このように、これにより、立体画像の形成への充分な考慮のない人が作成した立体画像コンテンツ5でも、メリハリある立体画像9eを得ることができる。
更に、点字99eの高さは、0.5mmであり、規格値の範囲内である。このように、点字用データ54に対して濃度変換していないので、点字99eの高さは変化しない。これにより、リサイズされた立体画像9eに含まれる点字を、視覚障碍者にとって判読しやすくすることが可能である。
以下、図22から図23を参照しつつ第2の実施形態を説明する。第2の実施形態は、表面用濃淡データに、点字を形成するための点字領域と点字を除く図形を形成するための図形領域とが含まれている。
立体絵画用として作成される立体画像コンテンツ5Aは、表面用濃淡データ51A、裏面用濃淡データ52、絵柄データ53を含んで構成される。第2の実施形態の立体画像コンテンツ5Aは、第1の実施形態の立体画像コンテンツ5とは異なり、点字用データ54を含んでいない。
最初、CPU31は、裏面用濃淡データ52を平面方向にリサイズし(ステップS50)、更に裏面用濃淡データ52を立体画像が形成できる範囲で補正する(ステップS51)。CPU31は、平面方向の拡大・縮小率を参照して裏面用濃淡データ52の濃度を調整して、この裏面用濃淡データ52を用紙に印刷して出来上がる立体画像が高さ方向にリサイズされるようにする。更にCPU31は、濃度が飽和するなどにより、高さ方向に立体画像が形成できないときには、飽和した値でリミットする。
CPU31は、検出した点字領域511とその位置を点字領域データ(不図示)としてRAM33に保存する(ステップS53)。CPU31は、表面用濃淡データ51Aから点字領域511を消去してRAM33に保存し(ステップS54)、点字領域511を消去した表面用濃淡データを平面方向にリサイズする(ステップS55)。CPU31は、表面用濃淡データ51Aから点字領域511に該当する領域を濃度0で消去してもよく、表面用濃淡データ51Aに係る領域から点字領域511に該当する領域を消去してもよい。
なお、CPU31は、点字領域データが印刷領域に配置可能と判断したならば(ステップS58→Yes)、ステップS61の処理に進む。
最後にCPU31は、絵柄データ53を平面方向にリサイズし(ステップS65)、図23の処理を終了する。
よって、CPU31は、リサイズ処理において、点字領域511を用紙に印刷して隆起させた場合の各点の相対的な高低差が維持できればよく、点字領域511の各点を隆起させる濃度データや、一様な所定高さで隆起させる濃度データを変化させてもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能であり、例えば、次の(a)〜(c)のようなものがある。
(a) 濃淡データ中に存在する濃度階調が、立体画像形成できる濃度範囲に収まっていない場合とは、拡大リサイズに伴って濃度補正した場合が含まれる。しかし、理由の如何に依らず、作成・変換・編集・取込したデータが、立体画像形成できる濃度範囲に収まっていない場合であってもよい。
(b) 上記実施形態の立体画像コンテンツ5は、いずれも表面用濃淡データ51、裏面用濃淡データ52、絵柄データ53を含んでいる。しかし、これに限られず、表面用濃淡データ51単体、裏面用濃淡データ52単体、表面用濃淡データ51と絵柄データ53の組合せ、裏面用濃淡データ52と絵柄データ53の組合せであってもよく、限定されない。
(c) 上記実施形態では、点字データと点字以外の図形データとを分離して、図形データに限ってリサイズを行っている。しかし、これに限られず、点字と図形とを含む画像データ全体にリサイズを掛けたのち、点字の領域にリサイズの逆変換を掛けて元に戻してもよく、限定されない。
〔付記〕
《請求項1》
発泡高さに寄与する濃淡データを含む所定サイズの画像データの編集を行う編集手段と、
前記濃淡データのうち点字用データに対して濃淡レベルを維持し、かつ前記点字用データを除く他の濃淡データに対して濃淡レベルを変更する高さ調整手段と、
を備えることを特徴とする立体画像データ作成システム。
《請求項2》
前記高さ調整手段は、前記他の濃淡データに対して、発泡高さのダイナミックレンジを向上させるように濃淡レベルを変更し、かつ点字用データに対して濃淡レベルを維持する、
ことを特徴とする請求項1に記載の立体画像データ作成システム。
《請求項3》
前記編集手段が前記画像データのサイズ変更を伴う編集を行ったならば、サイズ変更情報に基づき前記濃淡データのうち前記他の濃淡データに対して平面方向にリサイズする平面サイズ変更手段と、を備え、
前記平面サイズ変更手段は、前記点字用データの印刷位置を変更し、かつ前記点字用データの平面方向のサイズを維持する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の立体画像データ作成システム。
《請求項4》
前記高さ調整手段は、
前記濃淡データに対する平面方向のリサイズに伴い、前記濃淡データのうち前記他の濃淡データに対して濃淡レベルを変更し、前記点字用データに対して濃淡レベルを維持する、
ことを特徴とする請求項3に記載の立体画像データ作成システム。
《請求項5》
所定の領域を隆起させるための濃淡データのうち、点字として隆起させるための点字領域を検出する検出手段と、
前記所定の領域を隆起させた場合の前記所定の領域内での相対的な高低差が変更されるように前記濃淡データを拡大編集または縮小編集する編集手段と、
を備え、
前記編集手段は、前記検出手段により検出された前記点字領域を隆起させた場合の前記点字領域内での相対的な高低差が拡大編集前の濃淡データと拡大編集後の濃淡データとの間で同じになるように、または、縮小編集前の濃淡データと縮小編集後の濃淡データとの間で同じになるように、前記濃淡データを拡大編集または縮小編集することを特徴とする立体画像データ作成システム。
《請求項6》
コンピュータに、
発泡高さに寄与する濃淡データを含む所定サイズの画像データの編集を行わせる手順、
前記濃淡データのうち点字用データに対して濃淡レベルを維持し、かつ前記点字用データを除く他の濃淡データに対して濃淡レベルを変更する手順、
を実行させるための立体画像データ作成プログラム。
《請求項7》
コンピュータに、
所定の領域を隆起させるための濃淡データのうち、点字として隆起させるための点字領域を検出する手順、
前記所定の領域を隆起させた場合の前記所定の領域内での相対的な高低差が変更されるように前記濃淡データを拡大編集または縮小編集し、かつ前記点字領域を隆起させた場合の前記点字領域内での相対的な高低差が拡大編集前の濃淡データと拡大編集後の濃淡データとの間で同じになるように、または、縮小編集前の濃淡データと縮小編集後の濃淡データとの間で同じになるように、前記濃淡データを拡大編集または縮小編集する手順、
を実行させるための立体画像データ作成システム。
2 タッチパネルディスプレイ
3 コンピュータ
31 CPU (編集手段、平面サイズ変更手段、検出手段)
32 ROM
33 RAM
34 記憶部
41 印刷装置
42 発泡装置
5,5A 立体画像コンテンツ (画像データ)
51 表面用濃淡データ (他の濃淡データ、画像データ)
511 点字領域
512 図形領域
52 裏面用濃淡データ (他の濃淡データ)
53 絵柄データ
54 点字用データ
541 位置情報
542 濃淡データ
6 編集画面
60 保存ボタン
611 A5指定ボタン
612 A4指定ボタン
613 A3指定ボタン
62 タイトル領域
63 オブジェクト選択ボタン群
64 線属性領域
65 塗りつぶし領域
66 編集ボタン群
671 線形強調ボタン
672 非線形強調ボタン
7a,7b コンテンツ表示領域
8A〜8F 用紙
81 基材
82 発泡樹脂層
83 インク受容層
84,86 電磁波熱変換層
85a,85b カラーインク層
9a〜9c 立体画像
Claims (6)
- 熱膨張性シートの部分的な熱膨張に伴わせて前記熱膨張性シートの表面に凸部を生じさせるための画像を前記熱膨張性シートに、照射された光を熱に変換可能な材料で、印刷するための画像データを編集する編集手段を備え、
前記編集手段は、前記画像の平面サイズを変更する場合には、前記凸部の高さに寄与する濃淡レベルを、前記画像データのうち点字用データに対しては維持したままで前記点字用データを除く他の画像データに対して変更する、
ことを特徴とする立体画像データ作成システム。 - 前記編集手段は、前記画像の平面サイズの変更に伴なわせて前記点字用データを除く他の画像データに対して前記濃淡レベルを変更する場合には、前記高さの方向のダイナミックレンジを向上させるように、前記濃淡レベルを変更する、
ことを特徴とする請求項1に記載の立体画像データ作成システム。 - 前記編集手段は、前記画像の平面サイズを変更する場合には、前記画像データのうち点字用データに対しては平面サイズを維持したままで前記点字用データを除く他の画像データに対して平面サイズを変更する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の立体画像データ作成システム。 - 立体画像データ作成システムが実行する画像編集方法であって、
熱膨張性シートの部分的な熱膨張に伴わせて前記熱膨張性シートの表面に凸部を生じさせるための画像を前記熱膨張性シートに、照射された光を熱に変換可能な材料で、印刷するための画像データを編集する編集ステップを有し、
前記編集ステップは、前記画像の平面サイズを変更する場合には、前記凸部の高さに寄与する濃淡レベルを、前記画像データのうち点字用データに対しては維持したままで前記点字用データを除く他の画像データに対して変更する、
ことを特徴とする画像編集方法。 - 照射された光を熱に変換可能な材料で熱膨張性シートに画像を印刷する印刷ステップと、
前記印刷ステップで印刷された画像に対して前記光を照射することにより前記画像に対応させて前記熱膨張性シートの表面に凸部を形成する照射ステップと、
前記印刷ステップに先立って前記画像を印刷するための画像データを編集する編集ステップと、
を有し、
前記編集ステップは、前記画像の平面サイズを変更する場合には、前記凸部の高さに寄与する濃淡レベルを、前記画像データのうち点字用データに対しては維持したままで前記点字用データを除く他の画像データに対して変更する、
ことを特徴とする造形物の製造方法。 - コンピュータを、
熱膨張性シートの部分的な熱膨張に伴わせて前記熱膨張性シートの表面に凸部を生じさせるための画像を前記熱膨張性シートに、照射された光を熱に変換可能な材料で、印刷するための画像データを編集する編集手段として機能させ、
前記編集手段は、前記画像の平面サイズを変更する場合には、前記凸部の高さに寄与する濃淡レベルを、前記画像データのうち点字用データに対しては維持したままで前記点字用データを除く他の画像データに対して変更する、
ことを特徴とするプログラム。
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