以下に、図面を参照して、本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施例に記載されている構成要素の相対配置、数値等は、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[実施例1]
図3は画像形成装置100の概略断面図である。画像形成装置100は、リーダAと、記録媒体に画像を形成するプリンタBと、操作部66とを備える。
リーダAは、原稿台ガラス102、光源103、光学系104、CCDセンサ71、基準白色板106を備える。光源103は原稿台ガラス102に載置された原稿101へ光を照射する。原稿からの反射光は光学系104を介してCCDセンサ71に結像する。光源103、光学系104、及びCCDセンサ71はキャリッジに収容されており、キャリッジは矢印K1の方向へ移動する。これによって、CCDセンサ71は1ページ分の原稿101の画像を読み取る。つまり、リーダAは原稿台ガラス102に載置された原稿101を読み取る読取手段として機能する。CCDセンサ71は原稿101の読取結果(電気信号)をリーダ画像処理部108へ転送する。リーダ画像処理部108は読取結果(電気信号)に基づいて画像信号を生成する。なお、基準白色板106は、リーダAの読取結果にシェーディング補正を実行するため、リーダAによって読み取られる。シェーディング補正は公知の技術であるので、その説明は省略する。
プリンタBは画像形成部120、130、140、及び150と、電位センサ125、135、145、及び155と、露光装置110と、搬送ベルト111と、定着器114とを備える。
画像形成部120はシアンの画像を形成し、画像形成部130はマゼンタの画像を形成し、画像形成部140はイエローの画像を形成し、画像形成部150はブラックの画像を形成する。画像形成部120、130、140、及び150の構成は略同一である。以下では、シアンの画像を形成する画像形成部120の構成を説明する。
画像形成部120は、感光ドラム121、帯電器122、現像器123、転写部124を備える。感光ドラム121の表面には感光層が形成されている。感光ドラムは感光体として機能する。感光ドラム121は不図示のモータによって回転する。帯電器122は、感光ドラム121の表面を一様に帯電する。露光装置110は帯電器122により帯電された感光ドラム121を露光して静電潜像を形成する。現像器123は、感光ドラム121上の静電潜像を現像して画像を形成する。転写部124は感光ドラム121上の画像を搬送ベルト111へ転写する。搬送ベルト111は記録媒体を担持しながら記録媒体を搬送する。感光ドラム121上の画像が感光ドラム121と搬送ベルト111とのニップ部へ搬送されるタイミングに、搬送ベルト111上の記録媒体がニップ部へ搬送される。これによって、感光ドラム121上の画像が搬送ベルト111上の記録媒体へ転写される。
また、画像形成部120、130、140、及び150は、搬送ベルト111上の記録媒体に、各色の画像が重なるように、画像を転写する。これによって、記録媒体にはフルカラーの画像が転写される。そして、記録媒体は搬送ベルト111から分離されて定着器114へ搬送される。定着器114はヒータ(不図示)を有するローラ対を備える。定着器114はローラ対によって記録媒体を加熱すると共に記録媒体に圧力を加えて画像を記録媒体へ定着する。画像が定着された記録媒体は不図示のローラによって画像形成装置100から排出される。
さらに、電位センサ125は感光ドラム121に形成された静電潜像の電位を計測する。画像形成部130、140、及び150の各々も、同様に、電位センサ(電位センサ135、145、及び155)を備えている。
画像形成部120は、さらに、ドラムクリーナ127と前露光器129とフォトセンサ160を備える。ドラムクリーナ127は、記録媒体へ転写されずに感光ドラム121に残留したトナー(残トナー)を除去する。前露光器129は、感光ドラム121に光を照射して感光ドラムを除電する。フォトセンサ160は、感光ドラム121上に形成されたパッチ画像の反射光量を検出するものである。フォトセンサ160はLED10とフォトダイオード11を備えている。なお、ドラムクリーナ127と前露光器129とフォトセンサ160とは、画像形成部130、140、及び150の各々にも設けられている。
次に、プリンタBを制御するプリンタ制御部109を、図4を用いて説明する。プリンタ制御部109はCPU28、メモリ30、濃度換算回路42を有し、プリンタBと通信可能である。プリンタ制御部109は、フォトセンサ160のLED10、及びフォトダイオード11、帯電器122、現像器123を制御する。また、プリンタ制御部109は、出力画像処理部64(図5)からの信号に基づいてレーザ出力信号を生成するPWM回路26と、レーザ出力信号に基づいて露光装置110を制御するレーザドライバ(LD)27とを備える。
図5は、画像形成装置100の制御ブロック図である。画像形成装置100は、NIC(Network Interface Card)部61、メモリ部63、出力画像処理部64、及びRIP(Raster Image Processor)部67を備える。メモリ部63は、制御プログラムが記憶されたROMと、システムワークメモリとして機能するRAMとを含む。
リーダ画像処理部108は、リーダAによる原稿101の読取結果に基づいて画像データに画像処理を実行する。リーダ画像処理部108の実行する画像処理は図6を用いて後述する。
NIC部61は、ネットワークを介して入力された画像データ(主に、PDLデータ)をRIP部67に渡したり、リーダAによって取得した画像データや画像形成装置100の情報をネットワークを介して送信する。RIP部67は、入力されたPDL(Page Description Language)データを解読し、ラスタイメージデータへ展開する。RIP部67はラスタイメージデータをMFP制御部62に送る。
MFP制御部62は、入力されるデータや出力するデータを制御する交通整理の役割を果たしている。MFP制御部62は、例えば、プロセッサである。MFP制御部62に入力された画像データは、一旦メモリ部63に格納される。格納された画像データは、必要に応じて読み出される。
出力画像処理部64は、画像データに画像処理を施し、画像データをプリンタ制御部109に転送する。出力画像処理部64により実行される画像処理は、図7を用いて後述する。
なお、プリンタBは、出力画像処理部64から出力された画像データに基づいて記録媒体に画像を形成する。操作部66は、印刷設定が入力されたり、リーダAに読取動作を開始させたり、プリンタ制御部109に画像形成装置100のキャリブレーションを実行させるためのボタンを備える。
次に、リーダ画像処理部108に関して説明を行う。
図6は、リーダ画像処理部108の機能ブロック図である。リーダAによって読み取られた画像は、CCDセンサ71により電気信号に変換される。CCDセンサ71は複数の3ラインのカラーセンサを備える。CCDセンサ71はR(Red)、G(Green)、B(Blue)の画素を備えている。それぞれの画素から出力された電気信号(アナログ値)はA/D変換部72に入力される。A/D変換部72では、電気信号の増幅、及び電気信号のオフセット調整が実行された後、色信号毎にデジタル画像データに変換される。
シェーディング補正部73は、基準白色板106の読み取り信号に基づいて、CCDセンサ71の各画素の感度のばらつきや光源103の光量のばらつきを補正する。入力ガンマ補正部74は、露光量と輝度値とが線形関係となるように、R(Red)、G(Green)、B(Blue)の各入力値を補正する。以下、R(Red)、G(Green)、及びB(Blue)の入力値を含む信号をRGB信号と称す。
入力ダイレクトマッピング部75は、入力デバイス(リーダA)に依存するRGB信号からデバイスに依存しないRGB信号に変換する。入力ダイレクトマッピング部75は、CCDセンサ71のRGBフィルタの分光特性によって決まる読取色空間を標準色空間に変換している。つまり、入力ダイレクトマッピング部75は、RGB信号の色空間を画像形成装置100に適した色空間へ変換する。標準色空間とは、例えばsRGBと呼ばれる3刺激値のパラメータを用いて表わされる色空間である。入力ダイレクトマッピング部75は、CCDセンサ71の感度特性や光源103のスペクトル特性を含む諸特性を吸収する機能を備える。その後、画像データにはいくつかの処理が実行される。そして、画像データはMFP制御部62へ送信される。
次に、出力画像処理部64に関して説明する。図7は、出力画像処理部64の機能ブロック図である。出力画像処理部64に入力される画像データは、リーダ画像処理部108からの出力データ(RGB画像データ)と、RIP部67からの出力データ(CMYK画像データ)とがある。
RGB画像データは、下地除去部81に入力される。出力ダイレクトマッピング部83は、RGB画像データをCMYK画像データに変換する。出力ダイレクトマッピング部83は、レッド(R)の信号値に基づいてシアンの画像信号値を生成し、グリーン(G)の信号値に基づいてマゼンタの画像信号値を生成し、ブルー(B)の信号値に基づいてイエローの画像信号値を生成する。さらに、出力ダイレクトマッピング部83は、グリーン(G)の信号値に基づいてブラックの画像信号値を生成する。そして、出力ダイレクトマッピング部83から出力されたCMYK画像データは後述の出力γ補正部82へ入力される。なお、CMYK画像データは、後述の出力ガンマ補正部82に直接入力される。
出力ガンマ補正部82では、プリンタBに対応した出力画像の濃度補正を行っている。出力ガンマ補正部82は、画像信号値(入力値)を画像信号値(出力値)へ変換する。出力ガンマ補正部82は、画像信号値(入力値)を、ルックアップテーブル(γLUT)に基づいて変換する。ルックアップテーブル(γLUT)は色毎に設けられている。γLUTは出力画像の階調特性を補正する階調補正条件に対応する。
ハーフトーン処理部84は、異なる種類のハーフトーン処理が実行可能である。ハーフトーン処理部84は、画像データに、出力画像に適したハーフトーン処理を実行する。
ハーフトーン処理は、一般に、モアレの起きにくい誤差拡散法と、文字や細線の再現性が高いディザ法とが知られている。誤差拡散法は、注目画素とその周辺画素に対して誤差フィルタで重み付けし、階調数を保ちながら多値化の誤差を配分して補正していく方法である。一方、ディザ法は、ディザマトリックスの閾値を多値に設定し、擬似的に中間調を表現する方法である。
スムージング処理部85は、色成分毎の画像のそれぞれに対し、エッジ部分を検出し、画像のエッジをより滑らかに再現するためのパターンに変換する。これによって、画像のエッジにジャギーが発生することを軽減する。
次に、出力画像処理部64の出力ガンマ補正部82で行われる処理について説明する。
図8に、階調が再現される様子を4限チャートで示す。
第I象限は、原稿濃度(縦軸)と濃度信号(横軸)との対応関係を示すリーダAの読取特性を表わしている。第II象限は、濃度信号(横軸)とレーザ出力信号(縦軸)との対応関係を示す変換特性を表わしている。第III象限は、レーザ出力信号(縦軸)と出力画像の濃度(横軸)との対応関係を示すプリンタBのプリンタ特性を表わしている。第IV象限は、原稿濃度(縦軸)と出力画像の濃度(横軸)との対応関係を示す階調特性を表わしている。
出力ガンマ補正部82は、第IV象限の階調特性が理想的な階調特性に補正されるように、画像信号をγLUTに基づいて補正する。つまり、第II象限の変換特性はγLUTに相当する。γLUTは後に述べる演算結果により生成される。出力画像処理部64は、γLUTに基づいて画像データを変換し、画像データにハーフトーン処理を実行し、画像データにスムージング処理を実行し、プリンタ制御部109へ画像データを転送する。PWM回路26は、画像データの画像信号値を、ドット幅に対応した信号(レーザ出力信号)に変換し、LD27にレーザ出力信号を転送する。その後、LD27は、露光装置110を制御する。これによって、感光ドラム121上にはドット面積およびマクロ的な面積率の変化により、所定の階調特性を有する静電潜像が形成される。
以下、階調補正制御について詳細に説明する。
まず、従来の制御方法について図9のフローを用いて説明する。
従来の階調補正制御は、図9(a)に示すように、リーダ制御(Ta1)と、ターゲット設定(Ta2)とを含む。
リーダ制御(Ta1)を、図9(b)を用いて説明する。
従来の画像形成装置は、各色64階調のパッチ画像を記録媒体に形成する(Tb1)。ステップTb1において、前回の階調補正制御において生成されたγLUTは破棄されている。そのため、γLUTの値は、例えば、入力値を出力値へ返す初期値が設定されている。これによって、パッチ画像の濃度は、プリンタBのプリント特性(図8の第III象限)のように、理想的な濃度とはならない。次いで、従来の画像形成装置は、パッチ画像が形成された記録媒体がリーダによって読み取られると、リーダによるパッチ画像の読取結果に基づいて、パッチ画像の濃度を取得する(Tb2)。次いで、従来の画像形成装置は、パッチ画像の濃度と予め記憶された濃度ターゲットとに基づいて、γLUT_Aを生成する(Tb3)。
ここで、γLUT_Aの算出方法を、図10を用いて説明する。図10(a)は、パッチ画像の画像信号(横軸)とパッチ画像の濃度信号(縦軸)との対応関係を示す階調特性を表わしている。図10(b)は、画像信号(横軸)と濃度ターゲット(縦軸)との対応関係を示す理想的な階調特性を表わしている。図10(c)は、階調特性が理想的な階調特性に補正されるように、画像信号を変換するγLUT_Aを表わしている。図10(c)に示すγLUT_Aは、画像信号の入力値と出力濃度の座標を入れ換えることで生成される。この際、実際にパッチ画像が形成されない入力値の濃度は、補間演算により予測する。しかしながら、従来の画像形成装置のプリント特性は複雑な形状となる可能性があるので、記録媒体に形成されるパッチ画像の数はあまり減らすことができなかった。
次に、ターゲット設定(Ta2)を、図9(c)を用いて説明する。
従来の画像形成装置は、前述のリーダ制御(Ta1)において得られたγLUT_Aを設定する(Tc1)。次に、従来の画像形成装置は、γLUT_Aに基づいてパッチ画像データを変換して、各色16階調のパッチ画像を感光ドラムに形成する(Tc2)。感光ドラム上のパッチ画像の濃度がフォトセンサによって検知される(Tc3)。
ステップTc3において、フォトセンサからの出力信号は、濃度換算回路42を用いて濃度に変換される。なお、濃度換算回路42は、図13(b)に示すような変換テーブルに基づいて、フォトセンサからの出力信号値を濃度に変換する。従来の画像形成装置は、ステップTc3において取得したパッチ画像の濃度を基準濃度として記憶する(Tc4)。
次に、記録媒体を用いず画像形成装置の内部に設けられたフォトセンサを使用するパッチ検制御について、図9(d)を用いて説明する。
パッチ検制御は、画像形成装置の内部に設けられたフォトセンサを用いるので、ユーザがパッチ画像の形成された記録媒体をリーダに載置する作業が発生しない。そのため、ユーザの手を煩わすことなく、階調特性を自動的に補正できる。
従来の画像形成装置は、前述のリーダ制御(Ta1)において求められたγLUT_Aを設定する(Td1)。次に、従来の画像形成装置は、γLUT_Aに基づいてパッチ画像データを変換して、各色16階調のパッチ画像を感光ドラムに形成する(Td2)。ステップTd2において形成されるパッチ画像は、ターゲット設定(ステップTc2)において感光ドラムに形成されたパッチ画像と同じとする。感光ドラム上のパッチ画像の濃度がフォトセンサによって検知される(Td3)。そして、従来の画像形成装置は、パッチ画像の濃度とステップTc4において設定された基準濃度との差に基づいてγLUT_Aを補正し、γLUTを更新する(Td4)。
ここで、γLUTの更新方法について説明する。図11(a)は理想的な階調特性である。理想的な階調特性は、例えば、画像信号と濃度との関係が正比例となっている。しかしながら、画像形成装置の状態量が変化した場合、図11(b)に示すように、階調特性に歪みが発生する。そこで、画像形成装置は、図11(c)に示すように、γLUT_Bに基づいて、階調特性を理想的な濃度特性に修正する。フォトセンサにより測定されたパッチ画像の濃度と、ステップTc4において取得された基準濃度とに基づいて、γLUT_Bを生成する。
次に、画像形成装置が画像データに基づいて記録媒体に出力画像を形成する画像形成処理を、図9(e)のフロー図を用いて説明する。なお、画像形成処理は、従来の画像形成装置も本実施例の画像形成装置100も同様である。
従来の画像形成装置は、γLUT_AとγLUT_Bとを合成してγLUTを設定する(Te1)。そして、画像データを合成したγLUTに基づいて変換し(Te2)、変換された画像データに基づいて出力画像を記録媒体に形成する(Te3)。
図12は、γLUT_AとγLUT_Bとに基づいて画像信号が変換される様子を示した模式図である。図12(a)乃至図12(d)は、パッチ制御が実行される以前に、画像信号が変換される様子を示しており、図12(e)乃至図12(h)は、パッチ制御が実行されてγLUT_Bが更新された後に、画像信号が変換される様子を示している。図12(a)に示したγLUT_Aと図12(b)に示したγLUT_Bとに基づいて、図12(c)に示すように、画像信号が変換されると、画像の濃度がターゲット濃度となる。なお、リーダ制御が実行された直後であれば、γLUT_Bはリニアなので、実質γLUT_Aのみに基づいて画像信号が変換されている。プリンタ特性が図12(g)の実線から破線へ変化した場合であっても、パッチ検制御が実行されれば、γLUT_AとγLUT_Bとに基づいて画像信号が変更される。これによって、出力画像の濃度がターゲット濃度となる。
続いて、画像形成装置100の階調補正制御を従来例と異なる部分を中心に説明する。
図1は、画像形成装置100の階調補正制御を示すフローチャート図である。
ユーザによって操作部66から階調補正制御の実行を指示するコマンドが入力されることに応じて、CPU28は図1に示す階調補正制御を実行する。なお、図1に示す階調補正制御の各ステップは、MFP制御部62がメモリ63に記憶された階調補正制御プログラムを実行することによって実現される。
階調補正制御は、図1(a)に示すように、パッチ検制御(Sa1)、リーダ制御(Sa2)、ターゲット設定(Sa3)を含む。以下では、パッチ検制御(Sa1)を図1(b)を用いて説明する。
まず、MFP制御部62は、メモリ63に記憶されている最新のγLUTを出力ガンマ補正部82に設定する(Sb1)。次に、MFP制御部62は、メモリ部63に記憶されたパッチ画像データ16を、出力画像処理部64に設定する(Sb2)。出力画像処理部64は、γLUTに基づいてパッチ画像データ16を変換し、プリンタ制御部109へ変換後のパッチ画像データ16を転送する。プリンタ制御部109は、プリンタBを制御して感光ドラムの各々に16階調のパッチ画像を形成する。次いで、プリンタ制御部109は、フォトセンサ160によってパッチ画像を検知する(Sb3)。ステップSb3において、CPU28は、フォトセンサ160による各パッチ画像の出力値をメモリ30に記憶する。
濃度換算回路42は、フォトセンサ160から出力された信号値を、変換テーブルに基づいて濃度信号(濃度データ)に変換する。変換テーブルは測定用画像の測定結果を変換するために用いられる変換条件に相当する。また、変換テーブルは出力値と濃度との対応関係を示したデータに限らない。濃度換算回路42は、例えば、演算式に基づいて出力値に基づいて濃度の値(濃度データ)を出力する演算回路であってもよい。こうして得られた濃度信号と、あらかじめ設定されている濃度ターゲット(目標濃度データ)とに基づいてγLUTを生成する(Sb4)。
次に、リーダ制御(Sa2)を図1(c)を用いて説明する。
MFP制御部62は、図1(c)に示すパッチ検制御において生成されたγLUTを出力ガンマ補正部に設定する(Sc1)。次に、MFP制御部62は、メモリ63に記憶されたパッチ画像データ8を、出力画像処理部64に設定する(Sc2)。出力画像処理部64は、γLUTに基づいてパッチ画像データ8を変換し、プリンタ制御部109へ変換後のパッチ画像データ8を転送する。プリンタ制御部109は、プリンタBを制御して記録媒体に8階調のパッチ画像を色毎に形成する(Sc3)。
ここで、γLUTに基づいて変換されたパッチ画像データを用いて記録媒体に形成されたパッチ画像の濃度は、γLUTにより変換されていないパッチ画像データを用いて記録媒体に形成されたパッチ画像の濃度よりも、目標濃度との差が小さくなる可能性が高い。さらに、低濃度から高濃度までの広範囲において目標濃度とパッチ画像の濃度との差が低減されるので、記録媒体に形成させるパッチ画像の濃度(階調)の種類を低減させても補正精度が著しく低下する可能性は低い。つまり、画像形成装置100は、γLUTに基づいて変換されたパッチ画像データを用いて記録媒体に形成することによって、パッチ画像の数を抑制することができる。パッチ画像の数は、例えば、各色8階調ずつとする。記録媒体上のパッチ画像がリーダAによって読み取られると、MFP制御部62は、パッチ画像の濃度値を取得する(Sc4)。そして、MFP制御部62は、ステップSc4において取得したパッチ画像の濃度値に基づいて変換テーブルを更新する(Sc5)。
変換テーブルの更新方法について以下に説明する。図13(a)は、リーダAにより検知されたパッチ画像の濃度とフォトセンサ160により検知されたパッチ画像の濃度との比較図である。図13(a)において、フォトセンサ160により検知されたパッチ画像の濃度は、濃度換算回路42が変換テーブルに基づいてフォトセンサ160の出力値から変換した濃度である。図13(b)は、濃度換算回路42の変換テーブルを示す模式図である。図13(b)において、破線Fは更新前の変換テーブルを示し、実線Tは更新後のテーブル2を示している。
まず、MFP制御部62は、図13(a)に示すように、リーダAにより取得されたパッチ画像の濃度とパッチ画像データ16とに基づいて画像信号と濃度との対応関係(実線)を求める。MFP制御部62は、同様に、フォトセンサ160により取得されたパッチ画像の濃度とパッチ画像データ8とに基づいて画像信号と濃度との対応関係(破線)を求める。次いで、MFP制御部62は、画像信号と濃度との対応関係(破線)が画像信号と濃度との対応関係(実線)となるように、図13(b)に示すテーブル2(破線F)を補正する。MFP制御部62は、例えば、フォトセンサ160の出力値をオフセットさせ、テーブル2(破線F)を更新する。オフセット量は、例えば、最小二乗法によって算出されればよい。
図1(c)に示すリーダ制御の説明に戻る。MFP制御部62は、メモリ30に記憶されたフォトセンサ160の出力値を、更新されたテーブル2に基づいて濃度へ変換し、γLUTを再生成する(Sc6)。ステップSc6において、ステップSb3においてメモリ30に記憶された16階調分の出力値を、濃度換算回路42が更新後のテーブル2に基づいて濃度へ変換する。そして、MFP制御部62は、ステップSc6において、階調特性が理想的な階調特性となるように変換後の濃度に基づいてγLUTを生成する。MFP制御部62は、ステップSb6において生成されたγLUTを更新する(Sc7)。ステップSc7において、パッチ検制御において予め取得された各色16階調分のパッチ画像の濃度に基づいてγLUTが生成される。そのため、γLUTを生成するために新たにパッチ画像を形成する必要がないので、キャリブレーションのダウンタイムを短縮することができる。また、各色16階調分のパッチ画像の測定値に基づいてγLUTが生成されるので、各色8階調分のパッチ画像の測定値に基づいてγLUTが生成されるよりも高精度に階調特性を補正できる。MFP制御部62は、更新されたγLUTをメモリ63に記憶させてリーダ制御の処理を終了する。
次に、パッチ検制御ターゲット設定(Sa3)を図1(d)を用いて説明する。MFP制御部62は、ステップSc6において、更新されたテーブル2に基づいてメモリ30に記憶されたフォトセンサ160の出力値から変換された濃度値を基準濃度としてメモリ30に記憶させる(Sd1)。メモリ30は、1色につき16階調の濃度を基準濃度として記憶する。これによって、目標濃度データが更新される。
画像形成装置100は、さらに、所定条件が満たされた場合にパッチ画像を形成し、フォトセンサ160により検知されたパッチ画像の濃度とステップSd1において取得した基準濃度とに基づいてγLUTを更新する。この場合、出力ガンマ補正部82はリーダ制御(Sa2)において求めたγLUTに基づいてパッチ画像データ16を変換し、プリンタBは変換されたパッチ画像データ16に基づいて各色16階調のパッチ画像を感光ドラムに形成する。パッチ画像はステップSd2において感光ドラムに形成されたパッチ画像と同じとする。CPU28は、フォトセンサ160にパッチ画像の濃度を検知させる。このとき、濃度換算回路42はステップSc5において更新された変換テーブルに基づいてフォトセンサ160の出力値を濃度へ変換する。そして、プリンタ制御部109は、パッチ画像の濃度とステップSd1においてメモリ30に記憶された基準濃度との差に基づいてγLUTを更新する。また、画像形成装置100の画像形成処理は、図9(e)に示す画像形成処理と同じなので、説明を省略する。
以上のように、MFP制御部62は、リーダ制御の前に、パッチ検制御を実施してγLUTを生成する。出力画像処理部64は前述のパッチ検制御において生成されたγLUTに基づいてパッチ画像データを変換するので、変換されたパッチ画像データに基づいて記録媒体上に形成されたパッチ画像の濃度は目標値に収束する。そのため、画像形成装置100は記録媒体上に形成するパッチ画像の数を削減できる。図14(a)は、パッチ画像データをγLUTに基づいて補正せずにリーダ制御が実行された場合のパッチ画像の濃度特性である。濃度特性(実線)と濃度特性(破線)とは、異なる状態量において画像形成装置100により形成されたパッチ画像の濃度特性である。図14(a)に示すように、パッチ画像データをγLUTに基づいて補正せずにリーダ制御が実行された場合、パッチ画像の濃度は最大1.0も異なる。
図14(a)に示す濃度特性(実線)は、低レベルの画像信号から中レベルの画像信号までの範囲(画像信号の約3/4)においてパッチ画像の濃度が著しく増加している。一方、図14(a)に示す破線の濃度特性は、中レベルの画像信号から高レベルの画像信号までの範囲(画像信号の約1/2)においてパッチ画像の濃度が著しく増加している。このように、パッチ画像データをγLUTに基づいて補正せずにリーダ制御が実行された場合、パッチ画像の濃度特性は画像形成装置100の状態量に応じて大きく変化してしまう。そのため、従来のリーダ制御においては複数の階調数のパッチ画像を記録媒体に形成する必要があった。
図14(b)は、γLUTに基づいて補正されたパッチ画像データを用いてリーダ制御が実行された場合のパッチ画像の濃度特性である。濃度特性(実線)と濃度特性(破線)とは、異なる状態量において画像形成装置100により形成されたパッチ画像の濃度特性である。図14(b)に示すように、γLUTに基づいて補正されたパッチ画像データを用いてリーダ制御が実行された場合、パッチ画像の濃度は最大0.4異なる。γLUTに基づいて補正されたパッチ画像データを用いてリーダ制御が実行されるので、パッチ画像の濃度特性に急峻な変化は現れない。そのため、本実施例のリーダ制御において記録媒体に形成されるパッチ画像の階調数が従来のリーダ制御において記録媒体に形成されるパッチ画像の階調数よりも少なくても、本実施例のリーダ制御は従来のリーダ制御と同等の精度を維持することができる。
3種類のスクリーン処理(誤差拡散、低線数ディザ、高線数ディザ)の階調補正を行う場合、従来のリーダ制御は1色につき64階調のパッチ画像が必要であった。4色の画像形成装置により形成されるパッチ画像の総数は768になる。そのため、従来のリーダ制御に必要な記録媒体の枚数は、A4サイズの記録媒体が3枚であった。しかし、本実施例のリーダ制御は1色につき8階調のパッチ画像を用いて従来のリーダ制御と同等の精度を維持できる。この場合、4色の画像形成装置により形成されるパッチ画像の総数は96である。そのため、本実施例のリーダ制御に必要な記録媒体の枚数は、A4サイズの記録媒体が1枚だけである。なお、本実施例のリーダ制御と従来のリーダ制御において記録媒体に形成されるパッチ画像のサイズは同じとする。また、リーダ制御に必要な記録媒体の枚数はパッチ画像のサイズによって変化する。そのため、リーダ制御に必要な記録媒体の枚数は例示であり、この枚数に限定するものではない。
本実施例によれば、γLUTに基づいて補正されたパッチ画像データを用いてリーダ制御が実行されるので、記録媒体に形成されるパッチ画像の数を抑制できる。そのため、リーダ制御に必要な記録媒体の数が従来のリーダ制御に必要な記録媒体の数に比べて少ない。また、画像形成装置100は、フォトセンサ160の出力値を濃度に変換する変換テーブルが更新された後、パッチ画像を新たに形成することなく、メモリ30に記憶されたフォトセンサ160の出力値を用いてγLUTを生成する。そのため、本発明によれば、γLUTを生成するために消費される現像剤の量を抑制できる。
[変形例]
以下では、記録媒体に定着された測定用画像の濃度を測定するカラーセンサ161を用いて、階調補正制御を実行する変形例について説明する。なお、特に記載がない部分は実施例1と同じである。
定着後濃度センサ161は図3に示されるように、記録媒体が搬送される搬送方向において定着器114の下流に配置される。カラーセンサ160は記録媒体が搬送される方向(以下、搬送方向と称す。)に直交する方向に2つ並んで配置されている。カラーセンサ161を備える画像形成装置100によれば、ユーザがパッチ画像が形成された記録媒体をリーダAに読み取らせる手間が省ける。そのため、ユーザが直接階調補正制御を起動しなくとも、画像形成装置100は所定のタイミングで階調補正制御を実施できる。また、リーダAを備えない画像形成装置においても階調補正制御が実施可能となるメリットがある。
以下、変形例に示す階調補正制御を図15を用いて説明する。
階調補正制御は、図15(a)に示すように、パッチ検制御(Sa1)、紙上濃度制御(Sa20)、ターゲット設定(Sa3)を含む。パッチ検制御(Sa1)は、実施例1と同じなので、パッチ検制御の説明は省略する。紙上濃度制御(Sa20)は、リーダAではなくカラーセンサ161を用いてパッチ画像を測定している。紙上濃度制御の各処理は、リーダAの代わりにカラーセンサ161を用いること以外は実施例1と同様である。記録媒体が搬送されている間に、カラーセンサ161は記録媒体上のパッチ画像の濃度を測定する。図16は、記録媒体に形成されたパッチ画像の模式図である。記録媒体には1色につき8階調のパッチ画像が定着される。なお、記録媒体のサイズはA4である。
パッチ検制御ターゲット設定(Sa3)は、実施例1と同じである。なお、変換テーブルを更新する場合、図17に示すように、不足しているパッチ画像の測定結果は実際に測定されたパッチ画像の測定結果から線形補間して求める。パッチ画像データを補正せずに記録媒体にパッチ画像が形成される場合、階調補正制御に必要なパッチ画像は、従来のリーダ制御におけるパッチ画像の数と同じである。
本変形例によれば、γLUTに基づいて補正されたパッチ画像データを用いて紙上濃度制御が実行されるので、記録媒体に形成されるパッチ画像の数を抑制できる。そのため、紙上濃度制御に必要な記録媒体の数が低減できる。また、画像形成装置100は、フォトセンサ160の出力値を濃度に変換する変換テーブルが更新された後、パッチ画像を新たに形成することなく、メモリ30に記憶されたフォトセンサ160の出力値を用いてγLUTを補正する。そのため、本変形例によれば、γLUTを生成するために消費される現像剤の量を抑制できる。さらに、本変形例の画像形成装置100は、記録媒体の搬送される搬送路にカラーセンサ161を有し、記録媒体に形成されたパッチ画像をカラーセンサ161によって測定し、測定結果に基づいてγLUTを生成する。そのため、本変形例の画像形成装置によれば、階調補正制御を自動的に実行することができ、リーダAを用いて記録媒体上のパッチ画像を測定する構成よりも、ユーザビリティを向上することができる。
[実施例2]
実施例1に記載の画像形成装置100は、フォトセンサ160を用いて感光ドラム121上のパッチ画像を測定する。しかし、画像形成装置は、画像が転写される中間転写体にパッチ画像を形成し、中間転写体上のパッチ画像を測定する構成としてもよい。以下、中間転写体として機能する中間転写ベルト210と、中間転写ベルト上の第1測定用画像を測定するフォトセンサ50と、記録媒体に形成された第2測定用画像を測定するカラーセンサ80とを備える画像形成装置200を説明する。
図18は、画像形成装置200の概略断面図である。画像形成部220はイエローの画像を形成し、画像形成部230はマゼンタの画像を形成し、画像形成部240はシアンの画像を形成し、画像形成部250はブラックの画像を形成する。画像形成部220は感光ドラム221を有する。画像形成部230、240、及び250も、画像形成部220と同様に、感光ドラム231、241、及び251を有する。感光ドラム221、231、241、及び251は矢印R1方向へ回転する。
画像形成装置200はさらに画像形成部220、230、240、及び250により形成された画像が転写される中間転写ベルト210を備える。中間転写ベルト210は複数のローラに掛け回されている。中間転写ベルト210は駆動ローラの回転によって矢印R2方向へ回転する。画像形成部220、230、240、及び250の各々に形成された各色の画像は、中間転写ベルト210において重なるように転写される。これによって、中間転写ベルト210にはフルカラーの画像が転写される。さらに、中間転写ベルト210は転写電圧が印加される転写ローラ211を備える。転写ローラ211は中間転写ベルト210上の画像を記録媒体Pへ転写する。
画像形成装置200は記録媒体Pを収容するカセット270を備えている。カセット270に収容された記録媒体Pはピックアップローラ201により給紙され、レジストレーションローラ202へ向けて搬送される。レジストレーションローラ202は、記録媒体の所望の位置に中間転写ベルト210上の画像が転写されるように、記録媒体の搬送速度、又は搬送タイミングを制御する。
転写ローラ211によって画像が転写された記録媒体Pは定着器260へ搬送される。定着器260は不図示のヒータの熱とローラ対の圧力によって、画像を記録媒体Pに定着させる。画像が定着された記録媒体Pは排紙ローラ203によって画像形成装置200から排紙される。
画像形成装置200は、中間転写ベルト210に形成されたパッチ画像を測定するフォトセンサ50を備える。フォトセンサ50は中間転写ベルト210へ光を照射する発光素子と中間転写ベルト210からの反射光を受光する受光素子とを備える。受光素子は反射光の受光光量(受光強度)に基づく信号を出力する。フォトセンサ50は、後述のパッチ検制御A、及びBにおいて中間転写ベルト210上のパッチ画像を測定する。
さらに、画像形成装置200は記録媒体上のパターン画像を測定するカラーセンサ80を備える。カラーセンサ80は記録媒体に定着されたパターン画像を測定する測定手段として機能する。カラーセンサ80がパターン画像を測定する場合、パターン画像が定着された記録媒体Pは反転ローラ204へ搬送される。反転ローラ204は記録媒体Pをスイッチバックする。反転ローラ204によって搬送方向が切り替えられた記録媒体Pはローラ205へ向けて搬送される。ローラ205、206、及び207は記録媒体Pを搬送する。搬送ローラ206と搬送ローラ207との間にはカラーセンサ80の測定位置がある。記録媒体Pが搬送ローラ206によって搬送されながらカラーセンサ80は記録媒体上のパターン画像を測定する。カラーセンサ80は、後述のカラーセンサ制御において記録媒体上のパターン画像を測定する。
搬送ローラ207によって搬送された記録媒体Pは、レジストレーションローラ202へ搬送される。これによって、測定用画像が測定された記録媒体Pは再び定着器260を通過して排紙ローラ203によって画像形成装置200から排紙される。
図19(a)はカラーセンサ80の要部断面図である。図19(b)はカラーセンサ80の受光素子の概略構成図である。カラーセンサ80は、白色LED81と、RGBオンチップフィルタ付き電荷蓄積型センサ82とを備える。白色LED81発光素子として機能し、電荷蓄積型センサ82は受光素子として機能する。カラーセンサ80は、記録媒体Pに定着されたパッチ画像を読み取り、レッド(R)、グリーン(G)、及びブルー(B)の輝度信号を出力する。
カラーセンサ80は、白色LED81から発光させた光を、定着後のパッチ画像が形成された記録媒体Pに対して斜め45度より入射させ、0度方向への乱反射光を電荷蓄積型センサ82により検出する。図19(b)に示すように、電荷蓄積型センサ82は、レッド(R)、グリーン(G)、及びブルー(B)の画素が独立している。
電荷蓄積型センサ82は、例えば、フォトダイオードでもよい。また、レッド(R)、グリーン(G)、及びブルー(B)の画素を数セット並べたラインセンサでもよい。また、カラーセンサ80は、入射角が0度、反射角が45度となるように発光素子と受光素子とが配置された構成でもよい。また、カラーセンサ80は、レッド、グリーン、及びブルーの光を発光するLEDとフォトダイオードとを備えた構成としてもよい。
図20は、画像形成装置200の制御ブロック図である。CPU300は画像形成装置200の各部を制御する制御回路である。ROM301は、CPU300により実行される、後述のフローチャートの各種処理を実行するために必要な制御プログラムが記憶されている。RAM302はCPU300が動作するためのシステムワークメモリである。メモリ303は不揮発性のメモリである。メモリ303には後述のルックアップテーブル、フォトセンサ50によりパッチ画像の出力値、及びパッチ画像の濃度が記憶される。なお、画像形成部220(230、240、及び250)、フォトセンサ50、及びカラーセンサ80は既に説明しているので、ここでの説明を省略する。また、画像データは、例えば、プリントサーバ、又は画像形成装置200に接続されたスキャナから転送される。
画像処理部310は、入力された画像データに種々の画像処理を施して、画像データを変換する。画像形成部220により形成される画像の濃度は所望の濃度とならない。そこで、画像処理部310は、画像形成部220により形成される画像の濃度が所望の濃度になるように、メモリ303に記憶されたルックアップテーブル(γLUT)に基づいて画像データの入力値(画像信号値)を補正する。ルックアップテーブル(γLUT)は、画像データを補正する補正条件に相当する。なお、画像処理部310は、ASICなどの集積回路によって実現されてもよく、或いは、CPU300が予め記憶されたプログラムに基づいて画像データを変換することによって実現されてもよい。
変換回路400はフォトセンサ50の出力値を、変換テーブルに基づいて濃度へ変換する。変換回路400はフォトセンサ50のアナログ出力値をデジタル信号へ変換し、メモリ303に記憶されている変換テーブルに基づいてデジタル信号から濃度を決定する。変換回路400はパッチ画像毎に濃度の値を取得し、γLUT生成部320へ出力する。変換テーブルはパッチ画像の測定結果を変換するために用いられる変換条件に相当する。また、変換テーブルは出力値と濃度との対応関係を示したデータに限らない。変換回路400は、例えば、演算式に基づいて出力値に基づいて濃度の値を出力する演算回路であってもよい。この場合、演算式が変換条件に相当する。
γLUT生成部320はメモリ303に記憶された基準濃度とパッチ画像の濃度とに基づいてγLUTを生成する。γLUTの生成方法は、実施例1と同様であるのでここでの説明は省略する。
変換回路500はカラーセンサの出力値を濃度へ変換する。変換回路500は、例えば、補色の関係を用いてパターン画像の濃度を検知する。変換回路500は変換回路400とは異なる条件に基づいて濃度を決定する。変換回路500はパターン画像毎に濃度の値を取得し、テーブル更新部330へ出力する。
テーブル更新部330は、変換回路400が用いる変換テーブルを更新する。テーブル更新部330が変換テーブルを更新する方法は実施例1にて説明した方法と同じ方法を用いる。
次に、画像形成装置200が実施する階調補正制御について図21を用いて説明する。CPU300は不図示の操作部から階調補正制御の実行を指示するコマンドを受信すると、ROM301に格納された階調補正制御の制御プログラムを実行する。
CPU300は、先ず、パッチ検制御Aを実行する(S100)。ステップS100の各処理は図21(b)のフローチャート図を用いて説明する。CPU300は、画像形成部220、230、240、及び250を制御して、各色16階調のパッチ画像を形成させる(S101)。ステップS101において、CPU300は、メモリ303に記憶された最新のγLUTを画像処理部310に設定し、ROM301に記憶されたパッチ画像データを画像処理部310へ出力する。画像処理部310はγLUTに基づいてパッチ画像データを補正し、画像形成部220、230、240、及び250へ転送する。画像形成部220、230、240、及び250は補正されたパッチ画像データに基づいてパッチ画像を形成する。
パッチ画像は感光体221、231、241、及び251から中間転写ベルト210へ転写され、フォトセンサ50へ向けて搬送される。パッチ画像がフォトセンサ50の測定位置を通過するタイミングにおいて、CPU300は、フォトセンサ50によりパッチ画像を測定する(S102)。フォトセンサ50の出力値は変換回路400によって濃度へ変換され、γ生成部320へ入力される。なお、変換回路400は、メモリ303に記憶された変換テーブルに基づいて出力値を濃度へ変換する。さらに、フォトセンサ50からの出力値、及び、変換回路400によって変換されたパッチ画像の濃度はメモリ303に保存される。
次いで、CPU300は、γLUT生成部320にパッチ画像の濃度に基づいてγLUTを生成させる(S103)。γ生成部320はパッチ画像の濃度とメモリ303に記憶されている基準濃度との差が抑制されるようにγLUT_Aを生成する。CPU300はγLUT_Aをメモリ303に記憶する。
CPU300は、パッチ検制御Aが完了すると、図21(a)に示すように、カラーセンサ制御(S200)の処理を実行する。ステップS200の各処理は図21(c)のフローチャート図を用いて説明する。
CPU300は、メモリ303に記憶されたγLUT_Aを画像処理部310に設定し(S201)、ROM301に記憶されたパターン画像データを画像処理部310へ出力する。画像処理部310はγLUT_Aに基づいてパターン画像データを補正する。そして、CPU300は、画像形成部220、230、240、及び250を制御して、各色8階調のパターン画像を記録媒体Pに形成させる(S202)。ステップS202において画像形成部220、230、240、及び250は補正されたパターン画像データに基づいてパターン画像を記録媒体Pに形成する。
次いで、CPU300は、パターン画像が形成された記録媒体Pをカラーセンサ80へ向けて搬送させる。パターン画像が定着された記録媒体Pがカラーセンサ80の測定位置を通過するタイミングにおいて、CPU300はカラーセンサ80にパターン画像を測定させる(S203)。カラーセンサ80の出力値は変換回路500によって濃度へ変換される。そして、テーブル更新部330は、ステップS102においてメモリ303に記憶されたパッチ画像の濃度と、ステップS202において検知されたパターン画像の濃度とに基づいて変換テーブルを更新する(S204)。ステップS204において変換テーブルを更新する方法は、実施例1の説明において既に説明している。そのため、ここでは、変換テーブルの更新方法の説明を省略する。
変換テーブルが更新された後、CPU300は、ステップS101において中間転写ベルト210に形成したパッチ画像の濃度を再計算する(S205)。ステップS205において、CPU300は、変換回路400に更新された変換テーブルを設定し、変換回路400にフォトセンサ50の出力値を変換させ、パッチ画像の濃度を再度取得する。なお、パッチ画像の測定結果に対応するフォトセンサ50の出力値は予めメモリ303に記憶されている。これによって、CPU300は各色16階調分のパッチ画像の濃度を取得する。
CPU300は、ステップS205においてパッチ画像の濃度を取得した後、γLUT生成部320に再取得した濃度に基づいてγLUT_Aを生成させる(S206)。γLUT生成部320は、変換テーブルによる出力値の変換結果に基づいてγLUT_Aを生成する。ステップS206において、γLUT生成部320は、ROM301に記憶されている濃度ターゲットと、ステップS205において取得された濃度とに基づいてγLUT_Aを生成する。CPU300は、ステップS206において生成されたγLUT_Aをメモリ303に記憶させ、カラーセンサ制御の処理を終了する。
CPU300は、カラーセンサ制御が完了すると、図21(a)に示すように、ターゲット設定(S300)の処理を実行する。ステップS300において、CPU300は、ステップS205において取得されたパッチ画像の濃度値を基準濃度としてメモリ303に記憶させる。メモリ303は、1色につき16階調の濃度を基準濃度として記憶する。そして、CPU300は階調補正制御の処理を終了する。なお、メモリ303に記憶された基準濃度は、後述のパッチ検制御Bにおいて用いられる。
図21(e)は、パッチ検制御Bを示すフローチャート図である。CPU300は、所定条件が満たされると、ROM301に格納されたパッチ検制御Bの制御プログラムを実行する。
CPU300は、先ず、画像形成部220、230、240、及び250を制御して、各色16階調のパッチ画像を形成させる(S501)。ステップS501において、CPU300は、メモリ303に記憶された最新のγLUTを画像処理部310に設定し、ROM301に記憶されたパッチ画像データを画像処理部310へ出力する。画像処理部310はγLUTに基づいてパッチ画像データを補正し、画像形成部220、230、240、及び250へ転送する。画像形成部220、230、240、及び250は補正されたパッチ画像データに基づいてパッチ画像を形成する。なお、ステップS501において用いられるパッチ画像データは、前述のステップS101において用いられるパッチ画像データと同じである。
パッチ画像は感光体221、231、241、及び251から中間転写ベルト210へ転写され、フォトセンサ50へ向けて搬送される。パッチ画像がフォトセンサ50の測定位置を通過するタイミングにおいて、CPU300は、フォトセンサ50によりパッチ画像を測定する(S502)。フォトセンサ50の出力値は変換回路400によって濃度へ変換され、γ生成部320へ入力される。なお、変換回路400は、ステップS204において更新された変換テーブルに基づいて出力値を濃度へ変換する。ステップS204において更新された変換テーブルはメモリ303に記憶されている。
次いで、CPU300は、γLUT生成部320にパッチ画像の濃度に基づいてγLUT_Bを生成させる(S503)。γ生成部320はパッチ画像の濃度とメモリ303に記憶されている基準濃度とに基づいてγLUT_Bを生成する。γLUT生成部320は、例えば、パッチ画像の濃度に基づいて階調特性を求め、階調特性が理想的な階調特性となる画像信号を特定し、入力値が理想的な階調特性となる出力値へ変換されるようなγLUT_Bを決定すればよい。
次いで、CPU300は、γLUT生成部320に、γLUT_AとγLUT_Bとを合成してγLUTを生成させる(S504)。ステップS504においてγLUTを生成する方法は実施例1と同様の方法である。そして、CPU300はステップS504において生成されたγLUTをメモリ303に記憶させ、パッチ検制御Bの処理を終了する。
図21(d)は、画像形成装置100の画像形成処理を示すフローチャート図である。スキャナやプリントサーバから画像データ転送されると、CPU300は、メモリ303に記憶された最新のγLUTを画像処理部310に設定する(S401)。ステップS401において、カラーセンサ制御が実行された直後であれば最新のγLUTはγLUT_Aであり、パッチ検制御Bが実行された後であれば最新のγLUTは合成されたγLUTである。
次いで、CPU300は、画像処理部310にγLUTに基づいて画像データを補正させ(S402)、画像形成部220、230、240、及び250に画像データに基づいて画像を形成させ(S403)、画像形成処理を終了する。
本実施例によれば、γLUTに基づいて補正されたパターン画像データを用いて記録媒体にパターン画像が形成させるので、記録媒体に形成されるパターン画像の数をパッチ画像の数よりも少なくすることができる。これにより、カラーセンサ制御に必要な記録媒体の数が低減できる。また、画像形成装置200は、フォトセンサ50の出力値を濃度に変換する変換テーブルが更新された後、パッチ画像を新たに形成することなく、メモリ303に記憶されたフォトセンサ50の出力値を用いてγLUTを生成する。そのため、本実施例によれば、γLUTを生成するために消費される現像剤の量を抑制できる。さらに、画像形成装置200は、記録媒体の搬送される搬送路にカラーセンサ80を有し、記録媒体に形成されたパターン画像をカラーセンサ80によって測定し、測定結果に基づいてγLUTを生成する。そのため、画像形成装置200は、階調補正制御を自動的に実行することができ、リーダAを用いて記録媒体上のパッチ画像を測定する構成よりも、ユーザビリティを向上することができる。