JP6886208B1 - ガス濃度検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】頻繁に標準ガスと清浄ガスを用いて校正係数を更新しなくとも、適切に被測定ガス中の目標ガスの濃度を検知できるガス濃度検知装置を提供すること。【解決手段】ガス濃度検知装置1は、出射光検出部24に届く出射光22OLの光強度22OLIを減少させる校正減光フィルタ23Fを備え、信号処理部25は、ガス容器22が清浄ガスGAで満たされ、かつ、校正減光フィルタで出射光の光強度を減少させたときに得られる校正信号SCと、ガス容器が清浄ガスで満たされ、かつ、校正減光フィルタによる減光を生じさせないときに得られる清浄ガス信号SAと、校正信号SC及び清浄ガス信号SAと相前後して得られ、ガス容器22が被測定ガスGHで満たされ、かつ、校正減光フィルタによる減光を生じさせないときに得られる被測定ガス信号SHと、校正減光フィルタに与えられた校正係数kfとから、被測定ガスGH中の目標ガスGJの濃度chを取得する。【選択図】図1

Description

本発明は、被測定ガス中に含まれる二酸化塩素などの目標ガスの濃度を検知するガス濃度検知装置に関する。
従来、被測定ガス中の目標ガスの濃度を検知するに当たり、二酸化塩素など光吸収波長域を有するガスについては、この光吸収波長域を含む発光波長域の光を照射した場合に、ガスを透過した光の強度の減少度合いが目標ガスの濃度に応じて変化することを利用するガス濃度検知装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5798230号公報
このようなガス濃度検知装置で被測定ガス中の目標ガスの濃度を検知するには、目標ガスが既知の濃度に調整した標準ガスを容器に満たした場合に得られた標準ガス透過後の光の強度と、目標ガスを含まない清浄ガスを満たした場合の清浄ガス透過後の光の強度との関係(校正係数)を予め得ておく。その後、被測定ガスを満たした場合に得られた被測定ガス透過後の光の強度と、清浄ガスを満たした場合の清浄ガス透過後の光の強度との関係と、校正係数とから、被測定ガス中の目標ガスの濃度を算出する。校正係数は、ガス濃度検知装置について一旦得ておけば、その後、頻繁に校正係数を更新する必要はない。
ところが、被測定ガスや清浄ガスに室内や室外の空気を用いる場合などでは、ガス容器等の光の入射窓や出射窓に汚れが付着するなど、光路の状況が経時的に変化することがあり、この場合には、得られる濃度に誤差が生じる。このような場合には、前述のように標準ガスと清浄ガスを用いて校正係数を頻繁に更新するのが好ましい。しかし、標準ガスを常に用意することは難しく、また標準ガスを用いる場合には、標準ガスをガス容器へ導入する機構が必要となるなど装置が大型化しがちである。また、前述のようにして標準ガスと清浄ガスとを用いて校正係数を得るのにも時間が掛かる。
本発明は、かかる不具合に鑑みてなされたものであって、頻繁に標準ガスと清浄ガスを用いて校正係数を更新しなくとも、適切に被測定ガス中の目標ガスの濃度を検知できるガス濃度検知装置を提供するものである。
(第1項)
上記課題を解決するための本発明の一態様は、発光波長域内に目標ガスの光吸収波長域の少なくとも一部を含む光源光を発する光源と、被測定ガスで又は上記目標ガスを含まない清浄ガスで満たされるガス容器であって、上記光源光を上記ガス容器内に入射させる入射窓、及び、上記ガス容器内を透過した後の出射光を出射させる出射窓を有するガス容器と、上記出射窓から出射した上記出射光を受光して光強度信号Sを出力する出射光検出部と、上記光強度信号Sを用いて、上記被測定ガス中の上記目標ガスの濃度chを取得する信号処理部と、を備えるガス濃度検知装置であって、上記光源から上記入射窓まで上記光源光が進行する入射前光路、及び、上記出射窓から上記出射光検出部まで上記出射光が進行する出射後光路、の少なくともいずれかの光路内に配置することによって、上記出射光検出部に届く上記出射光の光強度を減少させる校正減光フィルタを備え、上記信号処理部は、上記光強度信号Sのうち、上記ガス容器が上記清浄ガスで満たされ、かつ、上記校正減光フィルタで上記出射光の光強度を減少させたときに得られる校正信号SCと、上記校正信号SCと相前後して得られ、上記ガス容器が上記清浄ガスで満たされ、かつ、上記校正減光フィルタによる上記出射光の光強度の減少を生じさせないときに得られる清浄ガス信号SAと、上記校正信号SC及び清浄ガス信号SAと相前後して得られ、上記ガス容器が上記被測定ガスで満たされ、かつ、上記校正減光フィルタによる上記出射光の光強度の減少を生じさせないときに得られる被測定ガス信号SHと、上記校正減光フィルタが上記出射光の光強度を減少させる減光度合いに対応して上記校正減光フィルタに与えられた校正係数とから、上記被測定ガス中の上記目標ガスの濃度chを取得するガス濃度検知装置である。
上述のガス濃度検知装置では、清浄ガス信号SA、被測定ガス信号SHのほか、これらと相前後して得た校正減光フィルタを用いた場合の校正信号SC、及び、校正減光フィルタに与えられた校正係数を用いて、被測定ガス中の目標ガスの濃度chを検知する。
このように上述のガス濃度検知装置では、既知の濃度の目標ガスを含む標準ガスを用いず、校正減光フィルタ及び校正信号SCを用いて濃度chを検知するので、取り扱いも容易である上、装置全体の構造も簡易で小型化に寄与する。しかも、清浄ガス信号SA、被測定ガス信号SHのほか、校正信号SCも相前後して得て、これらを用いて濃度chを検知するので、濃度検知の各時点で校正を行いつつ濃度検知を行うこととなり、被測定ガス中の目標ガスの濃度を精度良く検知することができる。
また、光源から出射光検出部に至る光路のうち、ガス容器外の入射前光路及び出射後光路の少なくともいずれかの光路内に校正減光フィルタを配置して又は配置しないで光強度信号Sを取得するので、ガス容器内に校正減光フィルタを配置する場合に比して、校正減光フィルタに汚れが付着し難い。また、校正減光フィルタのクリーニングも容易である。
なお、「校正減光フィルタ」は、入射前光路を進む光源光または出射後光路を進む出射光の一部を吸収あるいは反射等して、出射光検出部に届く出射光の光強度を減少させる減光フィルタであり、減光の程度が予め既知である減光フィルタである。具体的には、紫外光を一部吸収すると共に一部を透過する石英ガラス板など、特定の波長領域の光を適切な量だけ吸収する材質(ガラス、樹脂など)からなる板材(ガラス板、樹脂板)や、これらの板材(ガラス板など)に特定の波長領域の光を吸収する光学被膜を設けた減光フィルタが挙げられる。なお、「校正減光フィルタ」を、入射前光路内あるいは出射後光路内に配置する又は配置しないように移動させるに当たっては、測定者が「校正減光フィルタ」を移動させる、「校正減光フィルタ」を保持し移動させる移動装置を測定者が操作して移動させる、フィルタ移動制御部で校正減光フィルタを移動させるなどの手法が挙げられる。
また、校正減光フィルタに与える「校正係数」としては、校正減光フィルタが出射光の光強度を減少させる減光度合いに対応した値を定めれば良い。例えば、当該校正減光フィルタの減光度合いに相当する目標ガスのガス濃度cfを校正ガス濃度cfとして用いる例が挙げられる。また、出射光検出部の特性や信号処理部における各信号SA,SC,SHを用いた被測定ガス中の目標ガスの濃度chを取得する手法に応じて、校正係数を定めることができる。
(第2項)
更に、上記のガス濃度検知装置であって、前記出射光検出部は、受光した前記出射光の光強度に比例する光強度信号Sを出力する出射光検出部であり、前記校正減光フィルタに与えられた校正係数は、当該校正減光フィルタの前記減光度合いに相当する前記目標ガスの校正ガス濃度cfであり、前記信号処理部は、前記校正信号SC、前記清浄ガス信号SA、及び、前記被測定ガス信号SHと、上記校正ガス濃度cfとを用いて、前記被測定ガス中の前記目標ガスの濃度chを、下記式(1)に基づいて算出するガス濃度検知装置とすると良い。
ch=cf・(SA−SH)/(SA−SC) ・・・(1)
上述のガス濃度検知装置では、校正減光フィルタの校正係数として、校正ガス濃度cfを与えているので、校正信号SC、清浄ガス信号SA、及び、被測定ガス信号SHと、校正ガス濃度cfとを用いて、式(1)により、被測定ガス中の目標ガスの濃度chを容易に得ることができる。
なお、信号処理部は、式(1)に基づく算出を行えば良く、例えば、校正信号SC、清浄ガス信号SA、及び、被測定ガス信号SHから、一旦、被測定ガス減光量Gah=SA−SH、及び、校正フィルタ減光量Gac=SA−SCを得る。その後、減光比Phc=Gah/Gac=(SA−SH)/(SA−SC)を得、校正ガス濃度cfを乗じて濃度chを得る手法が挙げられる。またこれに代えて、校正信号SC、清浄ガス信号SA、及び、被測定ガス信号SHから、被測定ガス減光率Rah=(SA−SH)/SA、及び、校正フィルタ減光率Rac=(SA−SC)/SAを得る。その後、減光比Phc=Gah/Gac=(SA−SH)/(SA−SC)を得、校正ガス濃度cfを乗じて濃度chを得る手法も挙げられる。また、校正信号SC、清浄ガス信号SA、及び、被測定ガス信号SHから、減光比Phc=(SA−SH)/(SA−SC)を直接得た後、校正ガス濃度cfを乗じて濃度chを得る手法も挙げられる。
(第3項)
さらに、上述のガス濃度検知装置であって、前記出射光検出部は、受光した前記出射光の光強度に比例するアナログの光強度信号Sを出力するアナログ出射光検出部であり、前記信号処理部は、アナログ信号である前記校正信号SC、前記清浄ガス信号SA、及び、前記被測定ガス信号SHをアナログ演算処理して、前記式(1)のうち、被測定ガス減光率Rah=(SA−SH)/SAに相当する被測定ガス減光率信号SRah、及び、校正フィルタ減光率Rac=(SA−SC)/SAに相当する校正フィルタ減光率信号SRacを出力する第1アナログ演算部と、上記被測定ガス減光率信号SRah及び上記校正フィルタ減光率信号SRacを、それぞれデジタル値の上記被測定ガス減光率Rah及び上記校正フィルタ減光率Racに変換する第1変換処理部と、デジタル値の校正ガス濃度cfと上記被測定ガス減光率Rahと上記校正フィルタ減光率Racとから、上記式(1)の前記被測定ガス中の前記目標ガスの濃度chの値を算出する第1濃度算出部と、を有するガス濃度検知装置とすると良い。
式(1)による濃度chの取得にあたっては、出射光検出部から得られる電圧値などのアナログ値である光強度信号S(校正信号SC、清浄ガス信号SA、被測定ガス信号SH)を、デジタル値に変換(AD変換)し、その後、CPUなどで減算や除算等を行うこともできる。
しかし、被測定ガス中の目標ガスの濃度chが低い(少ない)ために、目標ガスによる出射光の減光がごく僅かである場合には、被測定ガス減光量Gah=SA−SHや被測定ガス減光率Rah=(SA−SH)/SAがごく小さくなる。このような場合にも、十分な精度で濃度chを得るには、各光強度信号S(校正信号SC、清浄ガス信号SA、被測定ガス信号SH)を、AD変換によって十分な分解能を有する高ビットのデジタル値に変換する必要があり、高価なAD変換処理回路(AD変換処理IC)等を用いる必要がある上、清浄ガス信号SAと被測定ガス信号SHの差分SA−SH(被測定ガス減光量Gah)や被測定ガス減光率Rahを得るのに、桁落ちによる有効桁数の減少など,数値処理についても考慮が必要となる。
これに対し、上述の装置では、第1アナログ演算部において、アナログ信号である校正信号SC、清浄ガス信号SA、被測定ガス信号SHを用い、アナログ演算処理によって、アナログの被測定ガス減光率信号SRah及び校正フィルタ減光率信号SRacを取得し出力する。そしてその後、第1変換処理部で、被測定ガス減光率信号SRah及び校正フィルタ減光率信号SRacをデジタル値の被測定ガス減光率Rah及び校正フィルタ減光率Racに変換する。このため、被測定ガス中の目標ガスの濃度chが低い(少ない)場合であっても、高い精度で被測定ガス減光率Rah及び校正フィルタ減光率Racを得ることができ、これにより、高い精度で濃度chを算出することができる。
(第4項)
あるいは、第2項に記載のガス濃度検知装置であって、前記出射光検出部は、受光した前記出射光の光強度に比例するアナログの光強度信号Sを出力するアナログ出射光検出部であり、前記信号処理部は、アナログ信号である前記校正信号SC、前記清浄ガス信号SA、及び、前記被測定ガス信号SHをアナログ演算処理して、前記式(1)のうち、被測定ガス減光量Gah=SA−SHに相当する被測定ガス減光量信号SGah、及び、校正フィルタ減光量Gac=SA−SCに相当する校正フィルタ減光量信号SGacを出力する第2アナログ演算部と、上記被測定ガス減光量信号SGah及び上記校正フィルタ減光量信号SGacを、それぞれデジタル値の上記被測定ガス減光量Gah及び上記校正フィルタ減光量Gacに変換する第2変換処理部と、デジタル値の校正ガス濃度cfと上記被測定ガス減光量Gahと上記校正フィルタ減光量Gacとから、上記式(1)の前記被測定ガス中の前記目標ガスの濃度chの値を算出する第2濃度算出部と、を有するガス濃度検知装置とすると良い。
この装置では、第2アナログ演算部において、アナログ信号である校正信号SC、清浄ガス信号SA、被測定ガス信号SHを用い、アナログ演算処理によって、アナログの被測定ガス減光量信号SGah及び校正フィルタ減光量信号SGacを取得し出力する。そしてその後、第2変換処理部で、被測定ガス減光量信号SGah及び校正フィルタ減光量信号SGacをデジタル値の被測定ガス減光量Gah及び校正フィルタ減光量Gacに変換する。このため、被測定ガス中の目標ガスの濃度chが低い(少ない)場合であっても、高い精度で被測定ガス減光量Gah及び校正フィルタ減光量Gacを得ることができ、これにより、高い精度で濃度chを算出することができる。
(第5項)
あるいは,第2項に記載のガス濃度検知装置であって、前記出射光検出部は、受光した前記出射光の光強度に比例するアナログの光強度信号Sを出力するアナログ出射光検出部であり、前記信号処理部は、アナログ信号である前記校正信号SC、前記清浄ガス信号SA、及び、前記被測定ガス信号SHをアナログ演算処理して、前記式(1)のうち、減光比Phc=(SA−SH)/(SA−SC)に相当する減光比信号SPhcを出力する第3アナログ演算部と、上記減光比信号SPhcをデジタル値の減光比Phcに変換する第3変換処理部と、デジタル値の校正ガス濃度cfと減光比Phcから、上記式(1)の前記被測定ガス中の前記目標ガスの濃度chの値を算出する第3濃度算出部と、を有する
ガス濃度検知装置とすると良い。
この装置では、第3アナログ演算部において、アナログ信号である校正信号SC、清浄ガス信号SA、被測定ガス信号SHを用い、アナログ演算処理によって減光比信号SPhcを取得し出力する。そしてその後、第3変換処理部で、この減光比信号SPhcをデジタル値の減光比Phcに変換する。このため、被測定ガス中の目標ガスの濃度chが低い(少ない)場合であっても、高い精度で減光比Phcを得ることができ、これにより、高い精度で濃度chを算出することができる。
(第6項)
さらに上述のいずれかに記載のガス濃度検知装置であって、前記校正減光フィルタを移動させて、上記校正減光フィルタで前記出射光の光強度を減少させるフィルタ配置状態と、上記校正減光フィルタによる前記出射光の光強度の減少を生じさせないフィルタ非配置状態とを実現するフィルタ移動制御部を、さらに備えるガス濃度検知装置とすると良い。
この装置では、フィルタ配置状態とフィルタ非配置状態とを実現するフィルタ移動制御部を備えるので、校正信号SC,清浄ガス信号SA,及び被測定ガス信号SHを取得する際に、校正減光フィルタの移動を容易に行うことができる。
なお、フィルタ移動制御部としては、フィルタ配置状態とフィルタ非配置状態とを実現できるように、校正減光フィルタを移動させるフィルタ移動機構とこれを制御する機構制御部を設けると良い。フィルタ移動機構としては、例えば、校正減光フィルタを入射前光路または出射後光路に直交する方向に進退させて、フィルタ配置状態とフィルタ非配置状態とを実現するフィルタ移動機構が挙げられる。また、校正減光フィルタを、フィルタ外の所定位置を中心として校正減光フィルタの平面方向に回動させて、フィルタ配置状態とフィルタ非配置状態とを実現するフィルタ移動機構も挙げられる。
(第7項)
さらに前述のいずれかに記載のガス濃度検知装置であって、前記校正減光フィルタに与えられた前記校正係数を書き換え可能に記憶する校正係数記憶部を備えており、上記校正係数は、前記ガス容器内を前記目標ガスの濃度が既知の標準濃度である標準ガスで満たし、かつ、上記校正減光フィルタによる上記出射光の光強度の減少を生じさせないときに得られる標準ガス信号SSと、上記標準ガス信号SSと相前後して得られ、上記ガス容器内を前記清浄ガスで満たし、かつ、上記校正減光フィルタによる上記出射光の光強度の減少を生じさせないときに得られる校正時清浄ガス信号ScAと、上記標準ガス信号SS及び上記校正時清浄ガス信号ScAと相前後して得られ、上記ガス容器内を前記清浄ガスで満たし、かつ、上記校正減光フィルタで上記出射光の光強度を減少させたときに得られる校正時校正信号ScCとから算出される値であるガス濃度検知装置とすると良い。
この装置では、校正係数記憶部に、校正減光フィルタに与えられた校正係数を予め記憶している。そして、この校正係数は、標準ガス信号SSと校正時清浄ガス信号ScAと校正時校正信号ScCとから算出される値である。このため、ガス濃度検知装置を用いて、被測定ガスにおける目標ガスの濃度を検知するにあたり、標準ガスに代えて、校正減光フィルタを用いることができ、この場合には、校正係数の値を利用して、目標ガスの濃度を検知することができる。その一方、校正減光フィルタに与えた校正係数の値を、適時、校正して更新することが可能である。
(第8項)
さらに前述のいずれかに記載のガス濃度検知装置であって、前記光源の発する前記光源光の光強度を検知する光源光強度検知部と、上記光源光強度検知部で検知する上記光源光の光強度が一定になるように、上記光源を駆動制御する光源制御部と、をさらに備えるガス濃度検知装置とすると良い。
あるいは、発光波長域内に目標ガスの光吸収波長域の少なくとも一部を含む光源光を発する光源と、被測定ガスで又は上記目標ガスを含まない清浄ガスで満たされるガス容器であって、上記光源光を上記ガス容器内に入射させる入射窓、及び、上記ガス容器内を透過した後の出射光を出射させる出射窓を有するガス容器と、上記出射窓から出射した上記出射光を受光して光強度信号Sを出力する出射光検出部と、上記光強度信号Sを用いて、上記被測定ガス中の上記目標ガスの濃度chを取得する信号処理部と、を備えるガス濃度検知装置であって、前記光源の発する前記光源光の光強度を検知する光源光強度検知部と、上記光源光強度検知部で検知する上記光源光の光強度が一定になるように、上記光源を駆動制御する光源制御部と、をさらに備えるガス濃度検知装置とすると良い。
これらの装置では、光源光強度検知部と光源制御部によって、光源光の強度が一定になるように光源を駆動制御する。これにより、ガス容器内に入射させる光源光の光強度を安定させることができ、より高精度に、被測定ガス中の目標ガスの濃度chを得ることができる。
(第9項)
さらに第8項に記載のガス濃度検知装置であって、前記光源光強度検知部は、前記光源の発する前記光源光の一部である分岐光源光を導く光ファイバーと、上記光ファイバーから出射した上記分岐光源光を受光して分岐光源光強度信号BSを出力する光源光検出部と、を有し、前記光源制御部は、上記光源光検出部から出力される上記分岐光源光強度信号BSの大きさが一定になるように、上記光源を駆動制御するガス濃度検知装置とすると良い。
この装置では、光源光の一部を光源光検出部まで光ファイバーで導く。このため、光源から光源光検出部までの空間の状態に依らず、安定して分岐光源光を光源光検出部まで導くことができる。また、光源と光源光検出部の配置に制約されることが少なく、容易に、光源から離れた光源光検出部まで光源光の一部を導くことができる。そして、光源制御部で分岐光源光強度信号BSの大きさが一定になるように光源を駆動制御するので、光源の発する光源光の光強度を一定に保持することができ、より高精度に、被測定ガス中の目標ガスの濃度chを得ることができる。
(第10項)
さらに第9項に記載のガス濃度検知装置であって、前記出射光検出部は、前記出射光を受光して電気信号に変える出射光受光素子を有し、前記光源光検出部は、上記出射光受光素子と同一製造者の同一品番で、前記分岐光源光を受光して電気信号に変える光源光受光素子を有し、上記出射光受光素子と上記光源光受光素子とは、同一電子基板上に互いに近接して搭載されてなるガス濃度検知装置とすると良い。
この装置では、出射光検出部と光源光検出部には、同一製造者の同一品番の出射光受光素子と光源光受光素子をそれぞれ有している。このため、出射光受光素子と光源光受光素子とは、環境温度特性や受光特性などの各特性が相互に近似している。しかも、出射光受光素子と光源光受光素子とは、同一の電子基板上に互いに近接して搭載されている。このため、出射光受光素子の周囲の環境温度の変化と、光源光受光素子の周囲の環境温度の変化も近似したものとなる。従って、光源光受光素子の周囲の環境温度が変化するなどにより、光源光受光素子の受光特性が変化した場合、出射光受光素子の周囲の環境温度の変化やこれに伴う受光特性の変化も同様に生じるので、光源光受光素子の周囲の環境温度に変化が生じても、出射光受光素子で取得する光強度信号Sの変動を生じ難くできる。
(第11項)
また前述のいずれか1項に記載のガス濃度検知装置であって、上記ガス容器に向けて導かれる前記被測定ガスから、前記目標ガスを除去した浄化ガスを生成する浄化部を備え、前記ガス容器を満たす前記清浄ガスとして、上記浄化ガスを用いるガス濃度検知装置とすると良い。
あるいは、発光波長域内に目標ガスの光吸収波長域の少なくとも一部を含む光源光を発する光源と、被測定ガスで又は上記目標ガスを含まない清浄ガスで満たされるガス容器であって、上記光源光を上記ガス容器内に入射させる入射窓、及び、上記ガス容器内を透過した後の出射光を出射させる出射窓を有するガス容器と、上記出射窓から出射した上記出射光を受光して光強度信号Sを出力する出射光検出部と、を備えるガス濃度検知装置であって、上記ガス容器に向けて導かれる前記被測定ガスから、前記目標ガスを除去した浄化ガスを生成する浄化部を備え、前記ガス容器を満たす前記清浄ガスとして、上記浄化ガスを用いるガス濃度検知装置とすると良い。
被測定ガスの他に、目標ガスを含まない清浄ガスを用いて、被測定ガス中の目標ガスの濃度chを取得するガス濃度検知装置では、被測定ガスとは別に、この清浄ガスを得る必要がある。この清浄ガスを得るにあたっては、例えば、外気を清浄ガスとして用いるようにすると良い。しかし、このガス濃度検知装置の設置場所によっては、外気に繋がる配管等を装置を設置する建物の壁を貫通させて形成したり、長々と配設する必要があるなど、装置が大がかりになるほか、清浄ガスを得るのが困難となり、設置場所が限られる場合があった。
これに対し、上記二者の装置では、浄化部で、被測定ガスから目標ガスを除去した浄化ガスを生成し、この浄化ガスを清浄ガスとして用いる。このため、この装置では、外気などの清浄ガスの取得可否を考慮したり、外気に繋がる配管等を設置等を考慮する必要がなく、コンパクトで設置場所の制限が少なく、設置容易なガス濃度検知装置とすることができる。
なお、被測定ガスから目標ガスを除去した浄化ガスを生成する浄化部としては、被測定ガスや目標ガスによって異なるが、例えば、目標ガスを吸着する活性炭、ゼオライトなどの吸着材を設けた浄化部や、被測定ガスに紫外光などの光を照射し、目標ガスを照射した光で分解して除去する浄化部も挙げられる。
また前述のいずれか1項に記載のガス濃度検知装置であって、前記目標ガスは、二酸化塩素であり、前記ガス容器は、上記ガス容器内に、前記被測定ガスまたは前記清浄ガスを導入するガス導入口と、上記ガス容器内から、導入済みの上記被測定ガスまたは上記清浄ガスを排出するガス排出口と、を有しており、上記ガス導入口を通じた上記ガス容器内への上記清浄ガス又は上記被測定ガスの導入、及び、ガス排出口を通じた上記ガス容器内からの上記清浄ガス又は上記被測定ガスの排出を行うガス導入排出部を備え、上記ガス導入排出部は、上記清浄ガス又は上記被測定ガスの、上記ガス容器内への導入及び上記ガス容器内からの排出を制御するガス導入排出制御部を有し、上記ガス導入排出制御部は、少なくとも、上記信号処理部で前記被測定ガス信号SHを得ている被測定ガス信号取得期間中は、上記ガス導入排出部によって、既に前記光源光を照射された上記被測定ガスを、上記ガス排出口を通じて、上記ガス容器内から排出させ続けると共に、前記光源光を未照射の上記被測定ガスを、上記ガス導入口を通じて、上記ガス容器内へ導入し続ける制御を行うガス濃度検知装置とすると良い。
あるいは、発光波長域内に目標ガスの光吸収波長域の少なくとも一部を含む光源光を発する光源と、被測定ガスで又は上記目標ガスを含まない清浄ガスで満たされるガス容器であって、上記光源光を上記ガス容器内に入射させる入射窓、上記ガス容器内を透過した後の出射光を出射させる出射窓、上記ガス容器内に前記被測定ガスまたは前記清浄ガスを導入するガス導入口、及び、上記ガス容器内から導入済みの上記被測定ガスまたは上記清浄ガスを排出するガス排出口、を有するガス容器と、上記出射窓から出射した上記出射光を受光して光強度信号Sを出力する出射光検出部と、上記光強度信号Sを用いて、上記被測定ガス中の上記目標ガスの濃度chを取得する信号処理部と、上記ガス導入口を通じた上記ガス容器内への上記清浄ガス又は上記被測定ガスの導入、及び、ガス排出口を通じた上記ガス容器内からの上記清浄ガス又は上記被測定ガスの排出を行うガス導入排出部と、を備えるガス濃度検知装置であって、前記目標ガスは、二酸化塩素であり、上記ガス導入排出部は、上記清浄ガス又は上記被測定ガスの、上記ガス容器内への導入及び上記ガス容器内からの排出を制御するガス導入排出制御部を有し、上記ガス導入排出制御部は、少なくとも、上記信号処理部で前記被測定ガス信号SHを得ている被測定ガス信号取得期間中は、上記ガス導入排出部によって、既に前記光源光を照射された上記被測定ガスを、上記ガス排出口を通じて、上記ガス容器内から排出させ続けると共に、前記光源光を未照射の上記被測定ガスを、上記ガス導入口を通じて、上記ガス容器内へ導入し続ける制御を行うガス濃度検知装置とすると良い。
二酸化塩素は、強力な酸化力を有すると共に気体であるため小さな空間にまで容易に侵入できる浸透性を有している。このため、二酸化塩素が導入された空間内全体に対して、殺菌、滅菌、ウィルスの不活化などの作用を生じさせることができる。その一方、当該空間における二酸化塩素の濃度を適切に維持したり、殺菌等の処理後に換気等によって二酸化塩素の濃度を十分低い濃度まで低下させるためには、当該空間から採取した被測定空気中の二酸化塩素の濃度を適切に検知できるガス濃度検知装置が望まれている。
しかるに、二酸化塩素を含む被測定ガスに光源光を照射すると、二酸化塩素が塩素ガスと酸素ガスに分解すると共に、光吸収波長域の光が吸収される。即ち、被測定ガス信号SHを得るべく、ガス容器内に導入済みの被測定ガスに光源光を照射すると、被測定ガスに含まれる二酸化塩素が分解して徐々にその濃度が低下するため、光源光を照射して被測定ガス信号SHを得ている間に、被測定ガス中の二酸化塩素の濃度が変化し、安定した被測定ガス信号SHを測定できない場合がある。
これに対し、これらの装置では、少なくとも、信号処理部で被測定ガス信号SHを得ている被測定ガス信号取得期間中は、ガス導入排出部によって、既に光源光を照射されて二酸化塩素の濃度が低下した被測定ガスを、ガス排出口を通じてガス容器内から排出させ続けると共に、光源光を未照射で二酸化塩素の濃度が低下していない被測定ガスを、ガス導入口を通じてガス容器内へ導入し続ける制御が行なわれる。このため、光源光の照射によってガス容器内の被測定ガス中の二酸化塩素が減少したとしても、光源光未照射の被測定ガスの導入で新たな二酸化塩素を補うことができるので、安定した被測定ガス信号SHの測定に寄与できる。
(第13項)
また前述のいずれか1項に記載のガス濃度検知装置であって、前記目標ガスは、二酸化塩素であり、前記被測定ガスは、被測定空間から導入した被測定空気であり、前記清浄ガスは、二酸化塩素を含まない清浄空気であり、前記光源は、前記光源光として、紫外光を発する紫外光源であり、前記ガス容器は、前記入射窓及び前記出射窓を除き、外光及び上記光源光から遮光されており、上記被測定空間から上記ガス容器内に上記被測定ガスである上記被測定空気を導入する被測定ガス導入部は、外光及び上記光源光から遮光されているガス濃度検知装置とすると良い。
前述のように、二酸化塩素は紫外光を照射すると、紫外光を吸収して分解するので、二酸化塩素の濃度に応じて透過後の紫外光の強度が、従って被測定ガス信号SHが低下する。その一方、被測定ガス信号SHを得るべく、被測定空間からガス容器に向けて供試用の被測定ガスを導く被測定ガス導入部内やガス容器内に導かれた供試用の被測定ガスに対し、被測定ガス信号SHを測定するよりも前に、紫外光を含む太陽光などの外光や、光源からの光源光が照射された場合には、供試用の被測定ガスにおける二酸化塩素(目標ガス)の濃度が減少し、被測定ガス中の二酸化塩素濃度を適切に測定できなくなる虞がある。
これに対し、この装置では、ガス容器及び被測定ガス導入部を、外光や光源が発する光源光から遮光しているので、供試前の被測定ガスにおける二酸化塩素の濃度の減少を抑制し、被測定ガス中の二酸化塩素濃度を適切に測定することができる。
実施形態及び変形形態1〜3に係るガス濃度検知装置の全体を示す説明図である。 実施形態に係るガス濃度検知装置のうち、信号処理部における処理内容を示すブロック図である。 変形形態1に係るガス濃度検知装置のうち、信号処理部における処理内容を示すブロック図である。 変形形態2に係るガス濃度検知装置のうち、信号処理部における処理内容を示すブロック図である。
(実施形態)
以下、本発明の実施形態に係るガス濃度検知装置1を、図面を参照しつつ説明する。図1にガス濃度検知装置1の全体を示す。また、図2には、信号処理部25における、アナログ演算及びデジタル演算による、被測定ガスGH中の目標ガスGJの濃度chの値の算出の処理手順を示す。
本実施形態のガス濃度検知装置1は、図1において破線で示す被測定空間SPH内の被測定空気(被測定ガス)GHと、清浄領域SPC内の目標ガスGJ(本実施形態では二酸化塩素)を含まない清浄空気(清浄ガス)GAとを、ガス容器22内に交互に導入し、光源21Dからの光源光21Lを照射することで、被測定空気GH内の目標ガス(二酸化塩素)GJの濃度chの値を得て、表示パネル43に表示しあるいはインターフェイス部40を通じて外部に送信する装置である。
なお、本実施形態の目標ガスGJである二酸化塩素は、強力な酸化力を有しており、紙パルプ等の漂白のほか、ウィルスの不活化(除去)や細菌、真菌(カビ)などの殺菌に用いられる。二酸化塩素(目標ガス)GJは、360nm付近を極大として、概ね270〜500nmの範囲に光を吸収する光吸収波長域GJBを有している。このため、二酸化塩素を含む空気に波長360nm程度の紫外光を照射すると、二酸化塩素が紫外光を吸収して分解される。このため、二酸化塩素を含む空気(被測定空気GH)に紫外光を照射して、その透過光を観察すると、二酸化塩素が吸収した分だけ、即ち、被測定空気GH中の二酸化塩素の濃度chに比例して、紫外光の光量が減少する。そこで、本実施形態では、この減少量を検知することで、二酸化塩素の濃度chを検知する。
まず、ガス濃度検知装置1のガス検知部20のうち、ガス容器22について説明した後、ガス容器22及びこのガス容器22内に、被測定空気GH等を導入し排出するガス導入排出部10について説明する。ガス容器22は、筒状の部材、具体的には、PTFEからなる筒状の容器本体22Sと、その一方端面(図1において左端面)を気密に塞ぐように取り付けられた入射窓22Iと、他方端面(図1において右端面)を気密に塞ぐように取り付けられた出射窓22Oとを有する。入射窓22I及び出射窓22Oはいずれも、他の光学ガラスに比して紫外光の吸収減衰の少ない、平行平板状の石英ガラス板からなる。なお、入射窓22I及び出射窓22Oは、後述する光源光21Lの発光波長域21LBに応じて、他の材質を用いることもできるし、後述するレンズ21Zの役割を兼ねるべく、凸レンズ形状の入射窓とするなど、平行平板以外の他の形状とすることもできる。
容器本体22Sには、ガス導入口22SIとガス排出口22SOが設けられている。このうちガス導入口22SIには、後述する共用ガス導入管11Mが接続されている。一方、ガス排出口22SOには、後述するガス排出管13Wが接続されている。容器本体22Sの周囲には、図1において破線で示す、遮光性の筒状の容器遮光カバー22Cが配置されており、容器本体22Sは、入射窓22I及び出射窓22Oを除き、外光OL及び光源光21L(迷光)から遮光されている。
本実施形態のガス濃度検知装置1では、容器本体22Sのガス導入口22SIに、被測定空気GHをガス容器22に導く被測定ガス導入部11と、清浄空気GAをガス容器22に導く清浄ガス導入部12とが接続されている。被測定ガス導入部11は、三方電磁バルブ11Vと、この三方電磁バルブ11Vに向けて破線で示す被測定空間SPH内の被測定空気GHを導く被測定ガス導入管11Tと、三方電磁バルブ11Vと容器本体22Sのガス導入口22SIとを結ぶ共用ガス導入管11Mとからなる。
なお、本実施形態のガス濃度検知装置1では、被測定ガス導入部11を成して、被測定空気GHが流通する被測定ガス導入管11T及び共用ガス導入管11Mは、図1において太線で示すように、遮光性の管を用いて、三方電磁バルブ11V及び容器本体22Sのガス導入口22SIと接続している。これにより、これらの内部を流れる被測定空気GHに外光OLが当たらないようにされている。また前述したように、容器本体22Sは、容器遮光カバー22Cによって、入射窓22I及び出射窓22Oを除き、外光OL及び光源光21L(迷光)から遮光されている。
このように、本実施形態のガス濃度検知装置1では、ガス容器22及び被測定ガス導入部11を、外光OLや光源21Dが発する光源光21Lから遮光しているので、供試前の被測定空気GHにおける二酸化塩素(目標ガスGJ)の濃度chの減少を抑制している。かくして、被測定空気GH中の二酸化塩素の濃度chを適切に測定することができる。
一方、清浄ガス導入部12は、三方電磁バルブ11Vと、この三方電磁バルブ11Vに向けて破線で示す清浄領域SPC内の清浄空気GAを導く清浄ガス導入管12Tと、前述の共用ガス導入管11Mとからなる。即ち本実施形態では、三方電磁バルブ11Vと共用ガス導入管11Mとを、被測定ガス導入部11と清浄ガス導入部12とで共用している。
三方電磁バルブ11Vは、ガス導入排出制御部15として作動するCPU50によって駆動制御されており、ソレノイド非励磁時には清浄ガス導入管12Tと共用ガス導入管11Mとが接続され、後述するガスポンプ13Pによって、ガス容器22内に清浄領域SPC内の清浄空気GAが導入される。一方、ソレノイド励磁時には、被測定ガス導入管11Tと共用ガス導入管11Mとが接続され、後述するガスポンプ13Pによって、ガス容器22内に被測定空間SPH内の被測定空気GHが導入される。
なお、被測定空間SPHは、例えば、目標ガスGJ(二酸化塩素)を生成する生成器を備え付けた空間など、被測定空間SPH内の被測定空気GHにおける目標ガスGJ(二酸化塩素)の濃度chを検知したい空間である。このため、被測定空間SPHは閉空間である場合が多いが、特に限定は無く、開放空間や屋外を被測定空間SPHとすることもできる。
一方、清浄領域SPCは、例えば、目標ガスGJ(二酸化塩素)が実質的に存在しない空間である。このため、清浄領域SPCは、屋外や外気との換気が良好な空間である場合が多いが、特に限定は無く、目標ガスGJ(二酸化塩素)が実質的に存在しない清浄空気GAであることが判っている空間を清浄領域SPCとしても良い。
一方、容器本体22Sのガス排出口22SOには、ガス容器22内の計測を終えたガス(被測定ガスGH,清浄ガスGA)を外部(例えば屋外)に向けて排出するガス排出部13に接続されている。このガス排出部13は、浄化器13C、ガスポンプ13P、及び、容器本体22Sのガス排出口22SOと浄化器13C、及び浄化器13Cとガスポンプ13Pとを結ぶガス排出管13Wからなる。このうち、浄化器13Cは、例えば二酸化塩素を吸着する活性炭などを備えており、移出された被測定ガスGH内に残留している目標ガスGJ(二酸化塩素)を除去する装置であり、目標ガスGJが分解された被測定ガスGHや清浄ガスGAは、ガスポンプ13Pを通じて、外部に排出される。
このガス導入排出部10では、三方電磁バルブ11Vを非励磁とした状態でガスポンプ13Pを作動させると、容器本体22S内のガスが排出されると共に、清浄領域SPC内の清浄空気GAがガス容器22内に導入されるので、ガスポンプ13Pを所定の時間作動させることで、ガス容器22内は清浄空気GAで満たされる。一方、三方電磁バルブ11Vを励磁した状態でガスポンプ13Pを作動させると、ガス容器22内のガスが排出されると共に、被測定空間SPH内の被測定空気GHがガス容器22内に導入されるので、ガスポンプ13Pを所定の時間作動させることで、ガス容器22内は被測定空気GHで満たされる。具体的には、ガス導入排出制御部15として作動するCPU50によって、三方電磁バルブ11Vの励磁と非励磁との制御と、ガスポンプ13Pの駆動制御と同期して行うことで、ガス容器22内に、清浄空気GAと被測定空気GHとを交互に導入することができる。
次に、ガス検知部20の光源部21について説明する。光源部21には、光源21D、この光源21Dを囲む光源遮光体21S、レンズ21Zを有する。このうち、光源21Dは、LEDであり、さらに具体的には、波長λ=365nm付近にピークを有し、発光波長域21LBが概ね350〜400nmの紫外発光LEDである。従って、この光源21Dの発する光源光21Lは、二酸化塩素(目標ガス)GJの光吸収波長域GJB(270〜500nm)の一部を含んでいる。このため、この光源21Dの発する光源光21Lを、二酸化塩素(目標ガス)GJを含む空気(被測定空気GH)に照射すると、含まれている二酸化塩素が光源光21Lを吸収して分解されるので、これに伴って、被測定空気GHを透過した透過光の光量が減少する。この現象を、被測定空気GH中の二酸化塩素(目標ガス)GJの濃度chの検知に利用する。光源21Dは、後述するように、光源制御部35によって駆動されるのであるが、光源21Dの点灯初期(光源21Dの駆動当初)における温度上昇に伴うドリフト等を考慮して、光源21Dは、濃度検知の期間中、連続点灯とするのが好ましい。
光源21Dの周囲は、図1に太線で示す光源遮光体21Sで囲まれており、光源光21Lが外部に漏れて迷光となるのを防止している。一方、開口21SOから放射された光源光21Lは、レンズ21Zによって収束されつつ、ガス容器22の入射窓22Iを通じて、ガス容器22内に入射する。ガス容器22内に入射した光源光21Lは、ガス容器22内の被測定空気GHあるいは清浄空気GA内を透過する透過光22TLとして進行し、出射窓22Oからガス容器22外に出射する。出射窓22Oから出射した出射光22OLは、後述する出射光検出部24の出射光受光素子24Pに入射する。この出射光検出部24は、出射光22OLを受光して、出射光22OLの光強度に対応する光強度信号Sを出力する。
なお、光源21Dから、開口21SO及びレンズ21Zを介して、入射窓22Iに至る光路を入射前光路LWIとし、出射窓22Oから出射光受光素子24Pに至る光路を出射後光路LWOとする。
本実施形態では、開口21SOから放射された光源光21Lは、図1において破線で示すように、入射前光路LWIに配置したレンズ21Zによって先細円錐状に収束され、ガス容器22の容器本体22Sの内周面22NSで反射すること無く、出射窓22Oを透過して出射光受光素子24Pに入射するように、レンズ21Zの焦点距離等を調整してある。本実施形態と異なり、ガス容器22の容器本体22Sの内周面22SNで透過光22TLが反射しつつ進むようにした場合には、光軸の変動に伴う反射の変動によって、透過光22TLの進む距離が変化したり、容器本体22Sの内周面に付着した汚れ状態の変化の影響を受けて、出射光受光素子24Pに入射する出射光22OLの光強度22OLIが変動し、出射光検出部24で得られる光強度信号Sの変動要因となる。これに対し、上述のようにするとこのような変動要因を除去できるからである。
但し、図1では、レンズ21Zを単一の凸レンズで示したが、複数のレンズを組合せるようにしても良い。また、レンズ21Zに代えて、入射前光路LWIにコリメートレンズを用いて、光源光21Lを平行光に変え、ガス容器22内を平行光の透過光22TLを進行させ、この平行光を出射光受光素子24Pで受光させるようにしても良い。あるいは、出射窓22Oから出射した平行光を、出射後光路LWOに配置した凸レンズで収束させて出射光受光素子24Pで受光させるようにしても良い。いずれの場合においても、容器本体22Sの内周面での透過光22TLの反射を防止することにより、上述のメリットを得ることができる。
即ち、入射窓22Iからガス容器22内に入射した透過光22TLが、ガス容器22(容器本体22S)の内周面22SNで反射すること無く、ガス容器22内を透過して、直接、出射窓22Oから出射するようにするとよい。
ところで、容易に理解できるように、光源21Dから発する光源光21Lの光強度21LIが時間と共に変動する場合には、出射光受光素子24Pに入射する出射光22OLの光強度22OLIが変動し、出射光検出部24で得られる光強度信号Sの変動要因となる。そこで本実施形態では、光源21Dから発する光源光21Lの光強度21LIを以下のようにして安定化している。
即ち、本実施形態のガス濃度検知装置1は、光源21Dの発する光源光21Lの光強度21LIを検知する光源光強度検知部31と、この光源光強度検知部31で検知する光源光21Lの光強度21LIが一定になるように、光源21Dを駆動制御する光源制御部35とを備えている。これにより、ガス容器22内に入射させる光源光21Lの光強度21LIを安定させることができ、より高精度に、被測定空気GH中の目標ガスGJの濃度chを得ることができる。
具体的には、光源光強度検知部31は、光源21Dの発する光源光21Lの一部である分岐光源光21BLを導く光ファイバー31LFと、この光ファイバー31LFから出射した分岐光源光21BLを受光して分岐光源光強度信号BSを出力する光源光検出部33と、を有している。即ち、本実施形態のガス濃度検知装置1では、光ファイバー31LFの一端31LF1(図1において左端)部分を、容器遮光カバー22C内に挿入した形態とし、光源21D付近に配置して、光源光21Lの一部を受光して、分岐光源光21BLを光ファイバー31LF内に導く。光ファイバー31LF内を導かれた分岐光源光21BLは、光ファイバー31LFの他端31LF2(図1において右端)から放射され、光源光検出部33の光源光受光素子33Pに入射する。光源光検出部33では、光源光受光素子33Pで受光した分岐光源光21BLの光強度に対応する分岐光源光強度信号BSを出力する。
そして、光源制御部35では、光源光検出部33から出力される分岐光源光強度信号BSの大きさが一定になるように、光源21Dを駆動制御(フィードバック制御)する。なお、光源制御部35で、分岐光源光強度信号BSの大きさが一定になるように、光源21Dを駆動制御するに当たっては、周囲の温度変化や電源電圧の変動などに対して高精度に安定化された基準電圧VBを発生する基準電圧IC(図示しない)を用い、この基準電圧VBと分岐光源光強度信号BSの大きさとの差あるいは比が、常に一定になるように、光源21Dを駆動制御する手法が挙げられる。
本実施形態のガス濃度検知装置1では、上述のように、光源光21Lの一部である分岐光源光21BLを光源光検出部33(光源光受光素子33P)まで光ファイバー31LFで導いている。このため、光源21Dから光源光検出部33までの空間の状態に依らず、安定して分岐光源光21BLを光源光検出部33まで導くことができる。また、光源21Dと光源光検出部33とを近くに配置したかあるいは遠くに配置したか、これらの配置に制約されることが少なく、光源21Dから離れた光源光検出部33まででも分岐光源光21BLを容易に導くことができる。そして、光源制御部35で分岐光源光強度信号BSの大きさが一定になるように光源21Dを駆動制御するので、光源21Dの発する光源光21Lの光強度21LIを一定に保持することができ、より高精度に、被測定ガスGH中の目標ガスGJの濃度chを得ることができる。
特に、本実施形態のガス濃度検知装置1では、出射光検出部24は、出射光22OLを受光して電気信号に変える出射光受光素子24Pを有しており、光源光検出部33は、出射光受光素子24Pと同一製造者の同一品番で、分岐光源光21BLを受光して電気信号に変える光源光受光素子33Pを有している。出射光受光素子24P及び光源光受光素子33Pとしては、例えば、PINフォトダイオードなどのフォトダイオードのほか、CCD、CMOS、光電子増倍管などの受光素子を例示できる。しかも、図1に示すように、出射光受光素子24Pと光源光受光素子33Pとは、同一の電子基板1PB上に互いに近接して(具体的には、5cm以内の距離で)搭載されている(図1においては、上下に近接して配置されている。)。
このため、出射光受光素子24Pの周囲の環境温度の変化と、光源光受光素子33Pの周囲の環境温度の変化も近似したものとなる。したがって、光源光受光素子33Pの周囲の環境温度が変化するなどにより、光源光受光素子33Pの受光特性が変化した場合、出射光受光素子24Pの周囲の環境温度の変化やこれに伴う受光特性の変化も同様に生じるので、光源光受光素子33Pの周囲の環境温度に変化が生じても、出射光受光素子24Pで取得する光強度信号Sの変動を生じ難くできる。
なお、本実施形態のガス濃度検知装置1のように、光ファイバー31LFで分岐光源光21BLを光源光受光素子33Pまで導くようにすると、光源光受光素子33Pの配置の自由度が高くなり、出射光受光素子24Pと光源光受光素子33Pとを容易に近接して配置することができる。
次いで、校正減光フィルタ23Fについて説明する。本実施形態のガス濃度検知装置1では、後述するように、被測定空気GH中の二酸化塩素(目標ガス)GJの濃度chの検知にあたり、校正減光フィルタ23Fを用いて、校正信号SCを取得する。本実施形態では、この校正減光フィルタ23Fは、平行平板状の石英ガラス板からなる。石英ガラス板は、その厚みにも依存するが、光を通すだけで、紫外光領域では、数%〜10%程度の光強度の減衰を生じる。従って、この校正減光フィルタ23Fを、図1において破線で示すように、出射光22OLが進行する出射後光路LWO内に配置することによって、出射光検出部24(出射光受光素子24P)に届く出射光22OLの光強度22OLIを、所定(例えば10%)の割合で減少させることができる。
なお、この校正減光フィルタ23Fを着脱可能に所定の位置に保持するホルダー(図示しない)を設けておき、測定者が校正減光フィルタ23Fをホルダーに装着することで、この校正減光フィルタ23Fが入射前光路LWI内あるいは出射後光路LWO内に配置された状態とし、測定者が校正減光フィルタ23Fをホルダーから取り外すことで、この校正減光フィルタ23Fが入射前光路LWI内あるいは出射後光路LWO内には配置されない状態とすることができる。また、校正減光フィルタ23Fを移動可能に保持する移動ホルダー(図示しない)を設けておき、測定者が移動ホルダーを操作して、校正減光フィルタ23Fが入射前光路LWI内あるいは出射後光路LWO内に配置される状態と、配置されない状態を切り替えるようにしても良い。さらには次述するようなフィルタ移動制御部23を設けることも出来る。
次に、この校正減光フィルタ23Fを移動させるフィルタ移動制御部23について説明する。本実施形態のガス濃度検知装置1においてフィルタ移動制御部23は校正減光フィルタ23Fと、これを移動させるフィルタ移動機構23Mと、このフィルタ移動機構23Mの動作を制御する機構制御部23Cとからなる。このうち、フィルタ移動機構23Mは、図1において破線で示すように、校正減光フィルタ23Fにより出射光受光素子24Pに届く出射光22OLの光強度22OLIを減少させるフィルタ配置状態FDと、図1において実線で示すように、校正減光フィルタ23Fを出射後光路LWOから退避させて、校正減光フィルタ23Fによる出射光22OLの光強度22OLIの減少を生じさせないフィルタ非配置状態FNの2つの状態を実現する。具体的には、フィルタ移動機構23Mで、図1に両矢印で示すように、校正減光フィルタ23Fを出射後光路LWOに直交する方向(図1では上下方向)に進退させて、フィルタ配置状態FDとフィルタ非配置状態FNとを実現する。
一方、機構制御部23Cは、フィルタ移動機構23Mの作動を制御する。具体的には、ガス容器22が清浄ガスGAで満たされた状態において、校正信号SCを得る際には、校正信号SCの取得に先立って、フィルタ移動機構23Mを作動させて校正減光フィルタ23Fを移動させてフィルタ配置状態FDとし、この校正減光フィルタ23Fで出射光22OLの光強度22OLIを減少させる。また、ガス容器22が清浄ガスGAで満たされた状態において、清浄ガス信号SAを得る際には、清浄ガス信号SAの取得に先立って、フィルタ移動機構23Mを作動させて校正減光フィルタ23Fを出射後光路LWOから退避させてフィルタ非配置状態FNとし、校正減光フィルタ23Fで出射光22OLの光強度22OLIを減少しないようにする。さらに、ガス容器22が被測定ガスGHで満たされた状態において、被測定ガス信号SHを得る際にも、被測定ガス信号SHの取得に先立って、フィルタ移動機構23Mを作動させて校正減光フィルタ23Fを出射後光路LWOから退避させてフィルタ非配置状態FNとし、校正減光フィルタ23Fで出射光22OLの光強度22OLIを減少しないようにする。
次いで、被測定空気GH中の目標ガスGJ(二酸化塩素)の濃度chの取得における各部の動作と、信号処理部25における各信号SC,SA,SHの処理について説明する。
濃度chの取得に当たっては、先ず、ガス容器22内に清浄ガスGAを満たす。具体的には、ガス導入排出制御部15において、三方電磁バルブ11Vを非励磁として、共用ガス導入管11Mを清浄ガス導入管12Tを介して清浄領域SPCに連通した状態で、ガスポンプ13Pを作動させ、容器本体22S内のガスを外部に排出すると共に、ガス容器22内に清浄空気GAを導入する。
なお、ガス導入排出制御部15は、これ以降、信号処理部25において各信号SC,SA,SHをこの順に取得し、さらに、ガス容器22内に被測定空気GHに代えて清浄空気GAを満たすまで、ガスポンプ13Pを作動させ続ける制御を行う。これにより、信号処理部25において校正信号SC及び清浄ガス信号SAを得るに当たっては、ガス容器22内から清浄空気GAが排出され続けると共に、ガス容器22内に新たな清浄空気GAが導入され続ける。また、信号処理部25において被測定ガス信号SHを得るに当たっては、ガス容器22内から光源光21Lが照射された被測定空気GHが排出され続けると共に、ガス容器22内に新たな(光源光21Lを未照射の)被測定空気GHが導入され続ける。
さらに、フィルタ移動機構23Mを作動させて校正減光フィルタ23Fを移動させてフィルタ配置状態FDとする。この状態において、校正減光フィルタ23Fで光強度22OLIが減少された出射光22OLを出射光受光素子24Pで受光し、出射光検出部24から校正信号SCとして、信号処理部25(第1アナログ演算部26)に向けて出力する。この出射光検出部24は、受光した出射光22OLの光強度22OLIに比例するアナログ電圧信号である光強度信号S(各信号SC,SA,SH)を出力するアナログ出射光検出部である。
続いて、フィルタ移動機構23Mを作動させて校正減光フィルタ23Fを出射後光路LWOから退避させてフィルタ非配置状態FNとする。この状態では、出射光22OLの光強度22OLIが校正減光フィルタ23Fで減少されない。この出射光22OLを出射光受光素子24Pで受光し、出射光検出部24から清浄ガス信号SAとして、信号処理部25(第1アナログ演算部26)に向けて出力する。
さらに続いて、ガス容器22内に被測定空気GHを満たす。具体的には、ガス導入排出制御部15において、三方電磁バルブ11Vを励磁して、共用ガス導入管11Mを被測定ガス導入管11Tを介して被測定空間SPHに連通した状態で、ガスポンプ13Pを作動させ、容器本体22S内の清浄ガスGAを外部に排出すると共に、ガス容器22内に被測定空気GHを導入する。なお、フィルタ移動機構23Mは作動させない。このため、校正減光フィルタ23Fはフィルタ非配置状態FNにされたままとなる。この状態では、出射光22OLの光強度22OLIが校正減光フィルタ23Fで減少されない。この出射光22OLを出射光受光素子24Pで受光し、出射光検出部24から被測定ガス信号SHとして、信号処理部25(第1アナログ演算部26)に向けて出力する。
前述したように、信号処理部25において被測定ガス信号SHを得るに当たり、ガスポンプ13Pを作動させ続けているので、ガス容器22内から光源光21Lが照射された被測定空気GHが排出され続けると共に、ガス容器22内に新たな(光源光21Lを未照射の)被測定空気GHが導入され続ける。このため、光源光21Lの照射によって、ガス容器22内の被測定空気GH中の二酸化塩素(目標ガス)GJが減少したとしても、光源光未照射の新たな被測定空気GHの導入で新たな二酸化塩素GJを補うことができるので、安定した被測定ガス信号SHの測定に寄与できる。
その後は、後述するようにして、信号処理部25において、各信号SC,SA,SH、及び、校正減光フィルタ23Fに与えられた校正係数kf(cf)を用いて、目標ガスGJ(二酸化塩素)の濃度chを演算して取得する。
このように、本実施形態のガス濃度検知装置1では、1回の濃度chの取得にあたり、ガス導入排出部10による各信号SC,SA,SHの取得を連続して行う。なお、各信号SC,SA,SHの取得は、相前後して行えば良く、その順序は適宜変更して適用できる。但し、例えば、各信号SC,SA,SHの取得を合計で30秒以内に終了するなど、できるだけ互いに近接したタイミングで各信号SC,SA,SHを取得するのが好ましい。各部の温度変動やノイズ状態の変動、環境変動などによる各信号SC,SA,SH間の相違を抑制するためである。
ガス容器22内に被測定空気GHを導入して、出射光検出部24で被測定ガス信号SHを取得した後は、三方電磁バルブ11Vを切り替える。前述したように、ガスポンプ13Pを作動させ続けているので、ガス容器22内から被測定空気GHが排出され、ガス容器22内、共用ガス導入管11M内、ガス排出管13W内に清浄空気GAが導入される。その後も、ガス容器22内、共用ガス導入管11M内、ガス排出管13W内に清浄空気GAを流通させて、これらを清浄空気GAが流通した後に、ガスポンプ13Pを停止させる。被測定空気GHに含まれる目標ガスGJ(二酸化塩素)は、高い酸化力を有するほか、分解して塩素ガスを生成するので、各部の腐食の防止を図るためである。従ってこの装置1によって、間欠的に繰り返し、被測定空間SPHの被測定空気GHについて、目標ガスGJ(二酸化塩素)の濃度chを検知する場合には、次の濃度検知までの待機期間には、ガス容器22内、共用ガス導入管11M内、ガス排出管13W内に清浄空気GAを満たした状態で待機するようにすると良い。また、信号SH,SA,SCの順、あるいは信号SH,SC,SAの順で、各信号を取得することで、濃度chの検知後には、ガス容器22内に清浄空気GAが満たされた状態とすることができ、このまま待機すれば、ガス容器22内に清浄空気GAを導入した状態で待機することができる。
本実施形態のガス濃度検知装置1の信号処理部25では、前述のようにして出射光検出部24から得た各信号SC,SA,SHと、校正減光フィルタ23Fに与えられた校正係数kfである校正ガス濃度cfとを用いて、被測定空気GH中の目標ガスGJの濃度chを、下記式(1)に基づいて算出する。
ch=cf・(SA−SH)/(SA−SC) ・・・(1)
なお、校正係数kfは、校正減光フィルタ23Fが出射光22OLの光強度22OLIを減少させる減光度合い対応して、校正減光フィルタ23Fに与えられる値である。
また、校正ガス濃度cfは、校正係数kfの一種であり、校正減光フィルタ23Fの減光度合いに相当する目標ガスGJ(二酸化塩素)の濃度である。
かくして本実施形態のガス濃度検知装置1では、各信号SC,SA,SHと、校正ガス濃度cfとを用いて、式(1)により、被測定ガス中の目標ガスの濃度chを容易に得ることができる。
なお、式(1)による濃度chの取得にあたっては、出射光検出部24から得られる各々のアナログ電圧信号(校正信号SC、清浄ガス信号SA、被測定ガス信号SH)を、デジタル値に変換(AD変換)し、その後、CPUなどにおけるデジタル演算による減算や除算等を行って、目標ガスGJの濃度chを算出することもできる。
しかし、被測定空気GHにおける目標ガスGJの濃度chが低い場合(例えば、二酸化塩素の濃度chが、1ppm以下、あるいは0.1ppm以下の場合)には、目標ガスGJの吸収による出射光22OLの減光がごく僅かであるため、清浄ガス信号SAと被測定ガス信号SHの値の差がごく小さくなり、式(1)における被測定ガス減光量Gah=SA−SHや、これを清浄ガス信号SAで除した被測定ガス減光率Rah=(SA−SH)/SAはごく小さな値となるので、デジタル値での演算処理を行うのは好ましくない。
そこで、ガス濃度検知装置1では、図2に示す信号処理部25において、目標ガスの濃度chを得る。即ち、先ず第1アナログ演算部26では、出射光検出部24から入力されたアナログ電圧信号である各信号SC,SA,SHをアナログ演算処理して、被測定ガス減光率Rah=(SA−SH)/SAに相当する被測定ガス減光率信号SRah、及び、校正フィルタ減光率Rac=(SA−SC)/SAに相当する校正フィルタ減光率信号SRacを得て、第1変換処理部27に向けて出力する。
なお、本実施形態では、前述したように、アナログ電圧信号である各信号SC,SA,SHは、この順に、例えば数秒から10数秒の時間間隔を空けて間欠的に得られる。そこで、校正信号SCが得られたら、この校正信号SCの大きさ(アナログ電圧)をサンプルホールド回路に一旦保持しておき、清浄ガス信号SAが得られた時点で、校正フィルタ減光率Rac=(SA−SC)/SAに相当するアナログの校正フィルタ減光率信号SRacを、アナログ除算器を用いて演算して得る。また、清浄ガス信号SAの大きさ(アナログ電圧)もサンプルホールド回路で一旦保持しておく。その後、被測定ガス信号SHが得られた時点で、被測定ガス減光率Rah=(SA−SH)/SAに相当するアナログ電圧信号である被測定ガス減光率信号SRahを、アナログ除算器を用いて演算して得る手法が例示できる。
次いで、第1変換処理部27で、被測定ガス減光率信号SRah及び校正フィルタ減光率信号SRacを、それぞれデジタル値の被測定ガス減光率Rah及び校正フィルタ減光率RacにAD変換し、CPU50に入力する。その後、第1濃度算出部28として機能するCPU50では、後述する校正係数記憶部29に記憶されていたデジタル値の校正ガス濃度cf(校正係数kf)と、被測定ガス減光率Rah及び校正フィルタ減光率Racとから、式(1)の濃度chの値を算出する。
本実施形態のガス濃度検知装置1では、上述のように、第1アナログ演算部26で、アナログ演算処理によって、SA−SHの減算を含むアナログ電圧信号の被測定ガス減光率信号SRahや、校正フィルタ減光率信号SRacを得、その後に、デジタル値の被測定ガス減光率Rah及び校正フィルタ減光率Racを得ている。このため、被測定空気GH中の目標ガスGJの濃度chが低い(少ない)場合であっても、桁落ち等が生じる虞があるデジタル値の処理の場合と異なり、高い精度で被測定ガス減光率Rah及び校正フィルタ減光率Racを得ることができ、これにより、高い精度で濃度chを算出することができる。
本実施形態のガス濃度検知装置1では、第1濃度算出部28で得られた濃度chの値は、CPU50のインターフェイス部40を通じて外部に送信する。また、表示制御部42を通じて、液晶画面などをなす表示パネルに、被測定空気GH中の二酸化塩素GJの濃度chの値を示させることもできる。
次いで、校正係数kf及び校正ガス濃度cfと、これらの値の取得手法について説明する。校正係数kfは、校正減光フィルタ23Fが出射光22OLの光強度22OLIを減少させる減光度合いに対応して校正減光フィルタ23Fに与えられた値であり、式(1)を用いて、被測定空気GH中の目標ガスGJの濃度chを算出する本実施形態では、この式(1)中に現れる、校正ガス濃度cfが対応する。この校正ガス濃度cfは、ガス濃度検知装置1において、被測定空気GHに代えて、既知の標準濃度csの標準ガスGSを用い、これをガス容器22内に満たして光源光21Lを照射した場合に、出射光22OLの光強度22OLIを減少させる減光度合いを基準として、校正減光フィルタ23Fが出射光22OLの光強度22OLIを減少させる減光度合いを、相当する目標ガスGJのガス濃度の値cfで示したものである。即ち、校正ガス濃度cfは、校正減光フィルタ23Fを用いることで生じる減光と同じ大きさの減光が生じる目標ガスGJの濃度cの値を示している。
本実施形態のガス濃度検知装置1では、校正係数kf(校正ガス濃度cf)は、CPU50の校正係数記憶部29に書き換え可能に記憶されている。校正係数kf(校正ガス濃度cf)は、標準ガス信号SSと校正時清浄ガス信号ScAと校正時校正信号ScCとから算出される値である。
ここで、標準ガス信号SSは、ガス濃度検知装置1において、ガス容器22内を目標ガスGJの濃度cが既知の標準濃度csである標準ガスGSで満たし、かつ、校正減光フィルタ23Fによる出射光22OLの光強度22OLIの減少を生じさせないときに、出射光検出部24から得られるアナログ電圧信号である。
また、校正時清浄ガス信号ScAは、標準ガス信号SSと相前後して、ガス濃度検知装置1において、ガス容器22内を清浄空気GAで満たし、かつ、校正減光フィルタ23Fによる出射光22OLの光強度22OLIの減少を生じさせないときに、出射光検出部24から得られるアナログ電圧信号である。
さらに、校正時校正信号ScCは、標準ガス信号SS及び校正時清浄ガス信号ScAと相前後して、ガス濃度検知装置1において、ガス容器22内を清浄空気GAで満たし、かつ、校正減光フィルタ23Fで出射光22OLの光強度22OLIを減少させたときに、出射光検出部24から得られるアナログ電圧信号である。
そして、下記の式(2)を用いて、校正ガス濃度cfの値を得ることができる。即ち、校正減光フィルタ23Fに与える校正ガス濃度cfの値を、標準ガスGSを用いて、適時に校正することができ、新たに得た校正ガス濃度cfの値を校正係数記憶部29に記憶させる。
cf=cs・(ScA−ScC)/(ScA−SS) ・・・(2)
かくして、ガス濃度検知装置1を用いて、被測定空気GHにおける目標ガスGJの濃度chを検知するにあたって、目標ガスGJの濃度cが既知の標準濃度csである標準ガスGSを用いるのに代えて、校正減光フィルタ23Fを用いることができ、この場合には、校正ガス濃度cfの値を利用して、目標ガスGJの濃度chを検知することができる。しかも、校正減光フィルタ23Fに与えた校正係数kf(校正ガス濃度cf)の値を、適時、校正して更新することが可能である。
(変形形態1)
上述の実施形態のガス濃度検知装置1では、信号処理部25のうち、第1アナログ演算部26で、アナログ電圧信号である各信号SC,SA,SHをアナログ演算処理して、アナログ信号の被測定ガス減光率信号SRah及び校正フィルタ減光率信号SRacを得る。そして、第1変換処理部27では、これらの信号SRah,SRacをAD変換してデジタル値の被測定ガス減光率Rah及び校正フィルタ減光率Racを得た。
これに対し、変形形態1のガス濃度検知装置101では、信号処理部125(図3参照)において、実施形態とは異なる演算処理を行って、目標ガスの濃度chを得る。即ち、先ず第2アナログ演算部126で、出射光検出部24から入力されたアナログ電圧信号である各信号SC,SA,SHをアナログ演算処理して、被測定ガス減光量Gah=SA−SHに相当する被測定ガス減光量信号SGah、及び、校正フィルタ減光量Gac=SA−SCに相当する校正フィルタ減光量信号SGacを得て、第2変換処理部127に向けて出力する。
なお、本変形形態1でも、前述したように、アナログ電圧信号である各信号SC,SA,SHは、この順に、例えば数秒から10数秒の時間間隔を空けて間欠的に得られる。そこで、校正信号SCが得られたら、この校正信号SCの大きさ(アナログ電圧)をサンプルホールド回路に一旦保持しておき、清浄ガス信号SAが得られた時点で、校正フィルタ減光量Gac=SA−SCに相当するアナログの校正フィルタ減光量信号SGacを、アナログ減算器を用いて演算して得る。また、清浄ガス信号SAの大きさ(アナログ電圧)もサンプルホールド回路で一旦保持しておく。その後、被測定ガス信号SHが得られた時点で、被測定ガス減光量Gah=SA−SHに相当するアナログの被測定ガス減光量信号SGahを、アナログ減算器を用いて演算して得る手法が例示できる。
次いで、第2変換処理部127で、被測定ガス減光量信号SGah及び校正フィルタ減光量信号SGacを、それぞれデジタル値の被測定ガス減光量Gah及び校正フィルタ減光量GacにAD変換し、CPU50に入力する。その後、第2濃度算出部128として機能するCPU50では、校正係数記憶部29に記憶されていたデジタル値の校正ガス濃度cf(校正係数kf)と、被測定ガス減光量Gah及び校正フィルタ減光量Gacとから、式(1)の濃度chの値を算出する。
本変形形態1のガス濃度検知装置101でも、上述のように、第2アナログ演算部126で、アナログ演算処理によって、SA−SHの減算を含む被測定ガス減光量信号SGahや、校正フィルタ減光量信号SGacを得、その後に、デジタル値の被測定ガス減光量Gah及び校正フィルタ減光量Gacを得ている。このため、被測定空気GH中の目標ガスGJの濃度chが低い(少ない)場合であっても、桁落ち等が生じる虞があるデジタル値の処理の場合と異なり、高い精度で被測定ガス減光率Rah及び校正フィルタ減光率Racを得ることができ、これにより、高い精度で濃度chを算出することができる。
(変形形態2)
また、変形形態2のガス濃度検知装置201では、信号処理部225(図3参照)において、実施形態及び変形形態1とは異なる演算処理を行って、目標ガスの濃度chを得る。即ち、先ず第3アナログ演算部226では、出射光検出部24から入力されたアナログ電圧信号である各信号SC,SA,SHをアナログ演算処理して、減光比Phc=(SA−SH)/(SA−SC)に相当するアナログ電圧信号である減光比信号SPhcを得て、第2変換処理部127に向けて出力する。
なお、本変形形態2も、前述したように、アナログ電圧信号である各信号SC,SA,SHは、この順に、例えば数秒から10数秒の時間間隔を空けて間欠的に得られる。そこで、校正信号SCが得られたら、この校正信号SCの大きさ(アナログ電圧)をサンプルホールド回路に一旦保持しておく。その後、清浄ガス信号SAが得られたら、この清浄ガス信号SAの大きさ(アナログ電圧)もサンプルホールド回路で一旦保持しておく。その後、被測定ガス信号SHが得られた時点で、減光比Phc=(SA−SH)/(SA−SC)に相当するアナログ電圧信号の減光比信号SPhcを、アナログ減算器及びアナログ除算器を用いて演算して得る手法が例示できる。
次いで、第3変換処理部227で、減光比信号SPhcを、デジタル値の減光比PhcにAD変換し、CPU50に入力する。その後、第3濃度算出部228として機能するCPU50では、校正係数記憶部29に記憶されていたデジタル値の校正ガス濃度cf(校正係数kf)と減光比Phcとを乗じて、式(1)の濃度chの値を算出する。
本変形形態2のガス濃度検知装置201では、上述のように、第3アナログ演算部226で、アナログ演算処理によって、SA−SHの減算や(SA−SH)/(SA−SC)の除算を含む減光比信号SPhcを得、その後に、デジタル値の減光比Phcを得ている。このため、被測定空気GH中の目標ガスGJの濃度chが低い(少ない)場合であっても、桁落ち等が生じる虞があるデジタル値の処理の場合と異なり、高い精度で被測定ガス減光率Rah及び校正フィルタ減光率Racを得ることができ、これにより、高い精度で濃度chを算出することができる。
(変形形態3)
上述の実施形態及び変形形態1,2のガス濃度検知装置1,101,201では、図1において実線で示したように、ガス導入排出部10において、被測定ガス導入部11によって、被測定空間SPHの被測定ガスGHを容器本体22S内に導入するほか、清浄ガス導入部12によって、清浄領域SPCの清浄空気(清浄ガス)GAを容器本体22S内に導入する。
これに対し、本変形形態3のガス濃度検知装置301では、ガス導入排出部310において、実施形態等と同様にして、被測定ガス導入部11によって、被測定空間SPHの被測定ガスGHを容器本体22S内に導入する。但し、実施形態等とは異なり、清浄領域SPCの清浄空気(清浄ガス)GAを容器本体22S内に導入しない。即ち、図1において破線で示したように、清浄ガス導入部312においては、浄化部312Cで、被測定空間SPHから得た被測定ガスGHから二酸化塩素(目標ガス)GJを除去した浄化ガスGCを生成する。具体的には、被測定ガス導入管11Tから分岐した清浄ガス導入管312Tにより、被測定空間SPHから被測定ガスGHを浄化部312Cに導く。この浄化部312Cは、二酸化塩素GJを吸着可能な吸着剤(活性炭)が配置されている。このため、この浄化部312CMCを通った浄化ガスGCは、二酸化塩素GJが除去されている。そこでこの浄化ガスGCを清浄ガスGAとして(清浄ガスGAに代えて)用い、三方電磁バルブ11Vを経由して容器本体22S内に導入する。
実施形態及び変形形態1,2のガス濃度検知装置1,101,201では、図1において実線で示すように、被測定空気GHとは別に、二酸化塩素GJを含まない清浄空気GAを得る必要がある。一般にこの清浄空気GAを得るにあたっては、例えば、外空間を清浄領域SPCとし、外気を清浄空気GAとして用いるようにすると良いが、そのために、清浄空気GAを得るのが困難となる場合や、装置1等の設置場所が限られる場合があった。
これに対し、この変形形態3のガス濃度検知装置301では、浄化部312Cで、被測定空気GHから二酸化塩素GJを除去した浄化ガスGCを生成し、この浄化ガスGCを清浄ガスGAとして用いる。このため、この装置301でも、被測定空気GHと清浄ガスGA(浄化ガスGC)により、被測定空気GH中の二酸化塩素GJの濃度chを得ることができる。しかも、この装置301では、外気などの清浄空気GAの取得可否を考慮したり、外気に繋がる配管等を設置等を考慮する必要がなく、コンパクトで設置場所の制限が少なく、設置容易な装置301とすることができる。例えば、ガスポンプ13Pの排気を被測定空間SPH外の空間に向けて排出するようにした上で、装置301を被測定空間SPH内に設置し、被測定空気GHを装置301内に取り入れるようにすることもできる。あるいは、装置301を被測定空間SPH内に設置し、被測定ガス導入部11を通じて被測定空気GHを装置301内に取り入れるようにしつつ、被測定空間SPH内のうち、被測定ガス導入口11Kから離した位置にガスポンプ13Pの排気を放出するようにしても良い。
以上において、本発明を実施形態及び変形形態1〜3に即して説明したが、本発明は上述の実施形態等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態においては、校正減光フィルタ23Fを出射後光路LWO内に配置した例を示した。しかし、入射前光路LWI内に配置するようにしても良いし、入射前光路LWI内と出射後光路LWO内の両方に配置しても良い。
また、前述の実施形態等では、信号処理部25において被測定ガス信号SHを得るに当たって、ガス容器22内から光源光21Lが照射された被測定空気GHが排出され続けると共に、ガス容器22内に新たな(光源光21Lを未照射の)被測定空気GHが導入され続けるように、ガス導入排出制御部15によって、ガスポンプ13Pを作動させ続ける制御を行った。しかし、光源光21Lの照射による被測定空気GH中の二酸化塩素GJの減少の程度を考慮した上で、ガス容器22内に被測定空気GHが満たされた時点で、ガスポンプ13Pを作動を停止させ、その後の清浄空気GAとの入れ替えのタイミングで、ガスポンプ13Pを再度作動させるようにしても良い。
1,101,201 ガス濃度検知装置
1PB 電子基板
10,310 ガス導入排出部
11 被測定ガス導入部
15 ガス導入排出制御部
20 ガス検知部
21 光源部
21D 光源(紫外光源)
21L 光源光
21LB (光源光の)発光波長域
21LI (光源光の)光強度
21BL 分岐光源光
21S 光源遮光体
22 ガス容器
22S 容器本体
22SI ガス導入口
22SO ガス排出口
22I (ガス容器の)入射窓
22O (ガス容器の)出射窓
22TL (ガス容器内を透過する)透過光
22OL (出射窓から出射した)出射光
22OLI (出射光の)光強度
LWI 入射前光路
LWO 出射後光路
22C 容器遮光カバー
23 フィルタ移動制御部
23C 機構制御部
23M フィルタ移動機構
23F 校正減光フィルタ
kf (校正減光フィルタに与えられた)校正係数
cf (校正減光フィルタに与えられた)校正ガス濃度
FD フィルタ配置状態
FN フィルタ非配置状態
24 出射光検出部(アナログ出射光検出部)
24P 出射光受光素子
S (出射光検出部で得た)光強度信号
SC 校正信号
SA 清浄ガス信号
SH 被測定ガス信号
DSC 校正信号取得期間
DSA 清浄ガス信号取得期間
DSH 被測定ガス信号取得期間
SRah 被測定ガス減光率信号
SRac 校正フィルタ減光率信号
Rah 被測定ガス減光率
Rac 校正フィルタ減光率
SGah 被測定ガス減光量信号
SGac 校正フィルタ減光量信号
Gah 被測定ガス減光量
Gac 校正フィルタ減光量
SPhc 減光比信号
Phc 減光比
ch (被測定ガス中の目標ガスの)濃度
SS 標準ガス信号
ScA 校正時清浄ガス信号
ScC 校正時校正信号
25,125,225 信号処理部
26 第1アナログ演算部
126 第2アナログ演算部
226 第3アナログ演算部
27 第1変換処理部
127 第2変換処理部
227 第3変換処理部
28 第1濃度算出部
128 第2濃度算出部
228 第3濃度算出部
29 校正係数記憶部
31 光源光強度検知部
31LF 光ファイバー
33 光源光検出部
33P 光源光受光素子
BS 分岐光源光強度信号
35 光源制御部
GH 被測定空気(被測定ガス)
GJ 目標ガス
GJB (目標ガスの)光吸収波長域
c (目標ガスの)濃度
GA 清浄空気(清浄ガス)
GS 標準空気(標準ガス)
cs 標準濃度
SPH 被測定空間
SPC 清浄領域
OL 外光

Claims (5)

  1. 発光波長域内に目標ガスである二酸化塩素の光吸収波長域の少なくとも一部を含む光源光を発する光源と、
    被測定ガスで又は上記目標ガスを含まない清浄ガスで満たされ、上記光源光を入射させる入射窓と、上記ガス容器内を透過した出射光を出射させる出射窓と、上記被測定ガス又は上記清浄ガスを導入するガス導入口、及び、当該ガスを排出するガス排出口とを有するガス容器と、
    上記出射光を受光することで得られる光強度信号Sを用いて、上記被測定ガス中の上記目標ガスの濃度chを取得する信号処理部とを備える
    ガス濃度検知装置であって、
    上記清浄ガス又は上記被測定ガスの、上記ガス容器内への導入及び排出を制御するガス導入排出制御部を有し、
    上記ガス導入排出制御部が、
    少なくとも、上記信号処理部で上記被測定ガスの信号を得ている期間中は、
    既に上記光源光を照射されて上記目標ガスの濃度が低下した上記被測定ガスを、上記ガス排出口を通じて排出させ続けると共に、
    上記光源光を未照射で上記目標ガスの濃度が低下していない上記被測定ガスを、上記ガス導入口を通じて導入し続けることで、
    上記ガス容器内の上記目標ガスである二酸化塩素の濃度が安定している、ことを特徴とする
    ガス濃度検知装置。
  2. 請求項1に記載のガス濃度検知装置であって、
    前記ガス容器への入射前及び出射後の、少なくともいずれかの光路内に配置することによって、前記出射光の光強度を減少させる校正減光フィルタを備え、
    前記信号処理部は、
    前記光強度信号Sのうち、
    前記ガス容器が前記清浄ガスで満たされ、かつ、上記校正減光フィルタで光強度を減少させたときに得られる校正信号SCと、
    上記校正信号SCと相前後して得られ、上記ガス容器が上記清浄ガスで満たされ、かつ、上記校正減光フィルタによる光強度の減少を生じさせないときに得られる清浄ガス信号SAと、
    上記校正信号SC及び清浄ガス信号SAと相前後して得られ、上記ガス容器が前記被測定ガスで満たされ、かつ、上記校正減光フィルタによる光強度の減少を生じさせないときに得られる被測定ガス信号SHと、
    上記校正減光フィルタが上記出射光の光強度を減少させる減光度合いに対応して上記校正減光フィルタに与えられた校正係数とから、
    上記被測定ガス中の前記目標ガスである二酸化塩素の濃度chを取得し、
    1回の濃度chの取得にあたり、上記校正信号SCと、上記清浄ガス信号SAと、上記被測定ガス信号SHの取得を30秒以内に連続して行うことを特徴とする
    ガス濃度検知装置。
  3. 発光波長域内に目標ガスの光吸収波長域の少なくとも一部を含む光源光を発する光源と、
    被測定ガスで又は上記目標ガスを含まない清浄ガスで満たされ、上記光源光を入射させる入射窓と、上記ガス容器内を透過した出射光を出射させる出射窓と、上記被測定ガス又は上記清浄ガスを導入するガス導入口、及び、当該ガスを排出するガス排出口とを有するガス容器と、
    上記ガス容器への入射前及び出射後の、少なくともいずれかの光路内に配置することによって、上記出射光の光強度を減少させる校正減光フィルタを備える、
    ガス濃度検知装置であって、
    上記出射光を受光することで得られる上記出射光の光強度に比例するアナログの光強度信号Sのうち、
    上記ガス容器が上記清浄ガスで満たされ、かつ、上記校正減光フィルタで光強度を減少させたときに得られる校正信号SCと、
    上記校正信号SCと相前後して得られ、上記ガス容器が上記清浄ガスで満たされ、かつ、上記校正減光フィルタによる光強度の減少を生じさせないときに得られる清浄ガス信号SAと、
    上記校正信号SC及び清浄ガス信号SAと相前後して得られ、上記ガス容器が上記被測定ガスで満たされ、かつ、上記校正減光フィルタによる光強度の減少を生じさせないときに得られる被測定ガス信号SHと、
    上記校正減光フィルタの減光度合いに相当する上記目標ガスの校正ガス濃度cfである校正係数とから、
    上記被測定ガス中の上記目標ガスの濃度chを算出する、信号処理部であって、
    アナログ信号である上記校正信号SC、上記清浄ガス信号SA、及び、上記被測定ガス信号SHをアナログ演算処理して、下記式(1)のうち、被測定ガス減光率Rah=(SA−SH)/SAに相当する被測定ガス減光率信号SRah、及び、校正フィルタ減光率Rac=(SA−SC)/SAに相当する校正フィルタ減光率信号SRacを出力する第1アナログ演算部と、
    上記被測定ガス減光率信号SRah及び上記校正フィルタ減光率信号SRacを、それぞれデジタル値の上記被測定ガス減光率Rah及び上記校正フィルタ減光率Racに変換する第1変換処理部と、
    デジタル値の校正ガス濃度cfと上記被測定ガス減光率Rahと上記校正フィルタ減光率Racとから、下記式(1)の上記被測定ガス中の上記目標ガスの濃度chの値を算出する第1濃度演算部とを有する信号処理部と、
    を備えることを特徴とするガス濃度検知装置。
    ch=cf・(SA−SH)/(SA−SC) ・・・(1)
  4. 発光波長域内に目標ガスの光吸収波長域の少なくとも一部を含む光源光を発する光源と、
    被測定ガスで又は上記目標ガスを含まない清浄ガスで満たされ、上記光源光を入射させる入射窓と、上記ガス容器内を透過した出射光を出射させる出射窓と、上記被測定ガス又は上記清浄ガスを導入するガス導入口、及び、当該ガスを排出するガス排出口とを有するガス容器と、
    上記ガス容器への入射前及び出射後の、少なくともいずれかの光路内に配置することによって、上記出射光の光強度を減少させる校正減光フィルタを備える、
    ガス濃度検知装置であって、
    上記出射光を受光することで得られる上記出射光の光強度に比例するアナログの光強度信号Sのうち、
    上記ガス容器が上記清浄ガスで満たされ、かつ、上記校正減光フィルタで光強度を減少させたときに得られる校正信号SCと、
    上記校正信号SCと相前後して得られ、上記ガス容器が上記清浄ガスで満たされ、かつ、上記校正減光フィルタによる光強度の減少を生じさせないときに得られる清浄ガス信号SAと、
    上記校正信号SC及び清浄ガス信号SAと相前後して得られ、上記ガス容器が上記被測定ガスで満たされ、かつ、上記校正減光フィルタによる光強度の減少を生じさせないときに得られる被測定ガス信号SHと、
    上記校正減光フィルタの減光度合いに相当する上記目標ガスの校正ガス濃度cfである校正係数とから、
    上記被測定ガス中の上記目標ガスの濃度chを算出する、信号処理部であって、
    アナログ信号である上記校正信号SC、上記清浄ガス信号SA、及び、上記被測定ガス信号SHをアナログ演算処理して、下記式(1)のうち、被測定ガス減光量Gah=SA−SHに相当する被測定ガス減光量信号SGah、及び、校正フィルタ減光量Gac=SA−SCに相当する校正フィルタ減光量信号SGacを出力する第2アナログ演算部と、
    上記被測定ガス減光量信号SGah及び上記校正フィルタ減光量信号SGacを、それぞれデジタル値の上記被測定ガス減光量Gah及び上記校正フィルタ減光量Gacに変換する第2変換処理部と、
    デジタル値の校正ガス濃度cfと上記被測定ガス減光量Gahと上記校正フィルタ減光量Gacとから、下記式(1)の上記被測定ガス中の上記目標ガスの濃度chの値を算出する第2濃度演算部とを有する信号処理部と、
    を備えることを特徴とするガス濃度検知装置。
    ch=cf・(SA−SH)/(SA−SC) ・・・(1)
  5. 発光波長域内に目標ガスの光吸収波長域の少なくとも一部を含む光源光を発する光源と、
    被測定ガスで又は上記目標ガスを含まない清浄ガスで満たされ、上記光源光を入射させる入射窓と、上記ガス容器内を透過した出射光を出射させる出射窓と、上記被測定ガス又は上記清浄ガスを導入するガス導入口、及び、当該ガスを排出するガス排出口とを有するガス容器と、
    上記ガス容器への入射前及び出射後の、少なくともいずれかの光路内に配置することによって、上記出射光の光強度を減少させる校正減光フィルタを備える、
    ガス濃度検知装置であって、
    上記出射光を受光することで得られる上記出射光の光強度に比例するアナログの光強度信号Sのうち、
    上記ガス容器が上記清浄ガスで満たされ、かつ、上記校正減光フィルタで光強度を減少させたときに得られる校正信号SCと、
    上記校正信号SCと相前後して得られ、上記ガス容器が上記清浄ガスで満たされ、かつ、上記校正減光フィルタによる光強度の減少を生じさせないときに得られる清浄ガス信号SAと、
    上記校正信号SC及び清浄ガス信号SAと相前後して得られ、上記ガス容器が上記被測定ガスで満たされ、かつ、上記校正減光フィルタによる光強度の減少を生じさせないときに得られる被測定ガス信号SHと、
    上記校正減光フィルタの減光度合いに相当する上記目標ガスの校正ガス濃度cfである校正係数とから、
    上記被測定ガス中の上記目標ガスの濃度chを算出する、信号処理部であって、
    アナログ信号である上記校正信号SC、上記清浄ガス信号SA、及び、上記被測定ガス信号SHをアナログ演算処理して、下記式(1)のうち、減光比Phc=(SA−SH)/(SA−SC)に相当する減光比信号SPhcを出力する第3アナログ演算部と、
    上記減光比信号SPhcをデジタル値の減光比Phcに変換する第3変換処理部と、
    デジタル値の校正ガス濃度cfと減光比Phcから、下記式(1)の上記被測定ガス中の上記目標ガスの濃度chの値を算出する第3濃度演算部とを有する信号処理部と、
    を備えることを特徴とするガス濃度検知装置。
    ch=cf・(SA−SH)/(SA−SC) ・・・(1)
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