JP6884581B2 - 機械式駐車装置の制御装置、それを備えた機械式駐車装置、及び機械式駐車装置の制御方法、並びに機械式駐車装置の制御プログラム - Google Patents
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Description
特許文献1では、機械式駐車装置の車両の入出庫させる入出庫モードと、車両の入出庫後に入出庫時の消費電力より消費電力を低減して運転する待機モードと、待機モードになり所定時間経過後にさらに消費電力を低減する省エネモードとを設定し、待機電力を省エネ化する技術が記載されている。
特許文献2では、車両を乗入階と格納階の間で昇降させる複数の昇降装置の運転タイミングを制御し、機械式駐車装置の運転電力を省エネ化する技術が記載されている。
本発明は、車両の入出庫が行われる乗入階と、該車両が格納棚に格納される格納階との間で、搬送機によって前記車両を昇降させる昇降装置及び前記格納階で移動自在に設けられ、前記車両を搬送する走行台車を備える機械式駐車装置の制御装置であって、同時に実行する入出庫処理を1件とし、かつ、前記昇降装置の始動から停止までの第1運転期間と、前記走行台車の始動から停止までの第2運転期間とが重ならないように、前記昇降装置及び前記走行台車を制御する第1省エネ運転モードと、同時に実行する入出庫処理を1件とし、かつ、前記昇降装置及び前記走行台車の同時運転を許容する第2省エネ運転モードとを実行可能な制御手段を具備し、前記制御手段は、省エネ運転中であって、許容される消費電力が所定電力値以上の場合に、前記第2省エネ運転モードを実行し、前記省エネ運転中であって、許容される消費電力が前記所定電力値未満の場合に、前記第1省エネ運転モードを実行する機械式駐車装置の制御装置を提供する。
昇降装置が乗入階に昇降する運転と同時に、走行台車が昇降装置前まで移動する運転が行われ、各装置の運転期間が重なる場合では、車両の入庫時には車両が乗入階に乗り入れている間は走行台車が待機する待機電力が必要となり、車両の出庫時には走行台車が格納棚から車両を引き渡される間は昇降装置が待機する待機電力が必要となる。本発明の構成によれば、昇降装置と走行台車の運転期間が重ならないように制御されているので、昇降装置と走行台車の運転期間が重なるように運転されていた従来と比較して、一方の装置が運転している時の他方の装置の待機電力が不要となり、省電力に繋がる。
本発明の一参考例としての他の態様は、車両の入出庫が行われる乗入階と、該車両が格納棚に格納される格納階との間で、搬送機によって前記車両を昇降させる昇降装置と、前記格納階で移動自在に設けられ、前記車両を搬送する走行台車とを備える機械式駐車装置の制御プログラムであって、前記昇降装置の始動から停止までの第1運転期間と、前記走行台車の始動から停止までの第2運転期間とが重ならないように、前記昇降装置及び前記走行台車を制御する第1処理をコンピュータに実行させるための機械式駐車装置の制御プログラムを提供する。
図1は本実施形態に係る複列式機械駐車装置(以下、「機械式駐車装置」という)10の概略構造を示す斜視図ある。本実施形態においては、機械式駐車装置を複列式機械駐車装置として説明するが、機械式駐車装置の形式は特に限定されない。本実施形態においては、複数の機器間においてコンベヤによって車両の受け渡しをする機械式駐車装置を例に挙げて説明するが、コンベヤ型に限定されるものでなく、例えば、車両をパレットに配置してパレットごと移動させるパレット型であってもよい。
走行台車5は、複列式格納棚群12,13間の台車走行路4に1台または複数台、移動自在に設けられている。走行台車5は、複列式格納棚群12側と複列式格納棚群13側とに設けられたレール21上を走行することにより、複列式格納棚群12,13に沿って走行することができる。なお、複列式格納棚群12,13は階層構造になっており、これに対応して、走行台車5も各格納階に設けられている。
入庫車両は、駐車場入口1の入庫バース2に停止した後、横送りコンベア14a,14b及び17a,17bによって入庫リフト3に移され、この入庫リフト3によって、車両を格納する所定の格納階まで運ばれ、横送りコンベア17a,17b及び18a,18bによって走行台車5に搬入される。
出庫車両は、横送りコンベア18a,18b及び19a,19bによって走行台車5から出庫リフト8に搬出され、出庫リフト8によって出庫バース7が設けられる所定の格納階まで運ばれ、横送りコンベア19a,19b及び20a,20bによって駐車場出口9の出庫バース7に移される。
なお、車両の入出庫が行われる入庫バース2と出庫バース7は乗入階26に設けられ、入庫リフト3と出庫リフト8を含む昇降装置は、乗入階26と格納階との間で搬送機(図示略)によって車両を昇降させる。
なお、図1の機械式駐車装置10は、入庫バース2と出庫バース7とがそれぞれ複列式格納棚群13側に設けられている場合を一例として説明していたが、入出庫バースの位置はこれに限定されない。
制御装置50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラム(例えば、制御プログラム)の形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
予約受付部51は、入出庫指示を取得し、入出庫指示部52に出力する。
入出庫指示部52は、入出庫指示を受け取ると、省エネ運転中か否かを判定し、省エネ運転中でないと判定した場合には、省エネ運転しない消費電力の運転である通常運転を継続させる。入出庫指示部52は、省エネ運転中であると判定した場合には、既に実行中の入出庫処理の有無を判定する。
また、入出庫指示部52は、既に実行中の入出庫処理があると判定した場合には、受け取った入出庫指示を保留し、実行中の入出庫処理が完了するのを待機する。入出庫指示部52は、実行中の入出庫処理がない(または、入庫処理が完了した)と判定した場合には、制御部53にその旨を出力する。
図5(a)は、従来の機械式駐車装置における車両を入庫させるための作業フローを示し、図5(b)は、本実施形態に係る機械式駐車装置10における車両を入庫させるための作業フローを示している。
まず、図5(a)を用いて、従来の機械式駐車装置における車両の入庫時の作業フローを説明する。入庫車両が乗入階(以下「乗降室」ともいう)に入場すると、運転手を含む入庫車両の乗員は降車し、入庫の予約が入力される。入庫予約が受け付けられると、入庫リフトは空荷昇降を開始し、入庫バースまで入庫リフトが搬送され、入庫バースとの連動待ち状態となる。これに併せて、入庫車両を受け入れる予定の格納棚が設けられる格納階の走行台車が空荷走行して、入庫リフトが到着する位置の横に配置され、入庫リフトとの連動待ち状態となる。
本実施形態においては、入庫予約が受付されると、他の実行中の入庫処理の有無を判定した上で、入庫リフト3がシリアルに起動され、走行台車5は始動(起動)されず待ち時間となる。また、入庫リフト3の実荷昇降の終了後に走行台車5の空荷走行が開始され、走行台車5がシリアルに起動される。
このように、入庫リフト3及び走行台車5がそれぞれシリアルに起動されるので、消費電力が抑えられ、省エネにつながる。
まず、図6(a)を用いて、従来の機械式駐車装置における車両の出庫時の作業フローを説明する。出庫予約が入力されると、出庫させる車両が格納されている格納棚の走行台車が空荷走行して格納棚の横に到着する。これに併せ、出庫リフトが格納階まで空荷昇降され、走行台車に連動待ちの状態となる。
格納棚から車両を受け取った走行台車は実荷走行し、出庫リフトの横に配置される。出庫リフトは走行台車から車両を受け取ると、乗入階まで実荷昇降し、乗入階にて出庫バースと連動待ち状態となる。
出庫バースの車両に運転手及び乗員が乗車し、出庫バースから退車する。
このように、従来は、出庫予約が入力されると、格納棚から車両を受け取るための走行台車の始動とともに、出庫リフトの空荷昇降が同時に開始される。
なお、図6(a)は、図6(b)と比較しやすくするために出庫リフトと走行台車との制御タイミングだけが記載されているが、従来は、複数の入出庫処理が同時に処理されている。つまり、上記出庫予約の出庫処理よりも前に、他の入出庫処理が実行中であれば他の入出庫処理を継続しつつ上記出庫予約の処理を実行する。例えば、複数の台車が備えられる機械式駐車装置である場合に、上記出庫予約の出庫処理を受け付けたときに、既に車両の出庫処理が実行中であれば、上記出庫予約で使用される台車とは異なる台車で出庫処理が実行されていたり、入庫リフトで入庫処理が実行されている。
出庫リフト8は、走行台車5の実荷走行が完了した後に、空荷昇降を開始し、出庫車両が配置される走行台車5のある格納階まで昇降する。出庫リフト8は、走行台車5の横に到着すると、出庫リフト8は走行台車5から車両を受け取り、受け取った車両を乗入階まで実荷昇降し、出庫バース7と連動待ちの状態となる。
出庫バースの車両に運転手及び乗員が乗車し、出庫バースから退車する。
このように、本実施形態においては、出庫予約が入力されると、他の実行中の入庫処理の有無を判定した上で、走行台車5がシリアルに起動され、出庫リフト8は始動されず起動待ち時間となる。また、走行台車5の実荷走行の終了後に、出庫リフト8の空荷昇降が開始され、出庫リフト8がシリアルに起動される。
このように、本実施形態においては、出庫リフト8及び走行台車5がそれぞれシリアルに起動されるので、消費電力が抑えられ、省エネにつながる。
本実施形態の構成によれば、所定の機械式駐車装置10に対して同時に実行する入出庫処理を1件とし、かつ、昇降装置(入庫リフト3、出庫リフト8)の始動から停止までの第1運転期間と走行台車5の始動から停止までの第2運転期間とが重ならないように運転タイミングが制御される運転モード(最高省エネ運転モード)を設定する。これにより、入庫リフト3(または出庫リフト8)と走行台車5の運転期間が重なるように運転されていた従来と比較して、一方の装置が車両を搬送していた時の他方の装置の待機電力が不要となり、省電力に繋がる。
本実施形態においては、図7に示されるように、走行台車5が車両を搬送する台車走行路4が1つのものを例に挙げて説明していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図8に示されるように、複数の格納棚22,23,24を設け、同じ格納階に複数の走行台車5を設け、格納棚22,23,24間で車両の受け渡しをするコンベヤ25が配置される機械式駐車装置であってもよいし、図9に示されるように、走行台車5の台車走行路4の数が1つであり、複数の格納棚22,23を設け、入庫リフト3及び出庫リフト8までコンベヤ25で車両を移動させる機械式駐車装置であってもよく、機械式駐車装置の態様は特に限定されない。
上記実施形態においては、昇降装置(入庫リフト3、出庫リフト8)が運転される第1運転期間と走行台車5が運転される第2運転期間を異ならせ、重ならないように制御していたが、昇降装置が回生運転される場合には、第1運転期間と第2運転期間とが重なるように昇降装置及び走行台車5を制御してもよい。第1実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる部分について主に説明する。
図10(a)は、図5(a)と同様のため、説明を省略する。
図10(b)は、入庫予約が入力されると、入庫リフト3が起動され、空荷昇降が開始される。入庫リフト3が入庫バース2から車両を受け取ると、実荷昇降が開始され、入庫リフト3が格納階に移動する。地下式の機械式駐車装置10は、入庫バース2が設けられる乗入階よりも下層階に格納庫6が設けられているので、入庫時の入庫リフト3の実荷昇降は、下方に移動することになり回生運転される。そのため、地下式の機械式駐車装置10において、入庫リフト3の実荷昇降と同時に、走行台車5の空荷走行が開始される(図10(b)オーバラップ部分参照)。
図11(a)は、図6(a)と同様のため、説明を省略する。
図11(b)は、出庫予約が入力されると、出庫車両が格納されている格納棚22,23に走行台車5が空荷走行され、格納棚22,23から車両を受け取る。走行台車5が出庫リフト8の位置まで実荷走行される。ここで、地上式の機械式駐車装置10において、出庫リフト8が出庫車両の格納階まで空荷昇降するが、このとき出庫リフト8は回生運転される。そのため、地上式の機械式駐車装置10においては、走行台車5の実荷走行と同時に、出庫リフト8の空荷昇降が開始される(図11(b)オーバラップ部分参照)。
以下、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態においては、車両の受け渡しに係る最大2台の機器を同時に運転する点で第1実施形態と異なる。本実施形態の機械式駐車装置について、第1実施形態と共通する点については説明を省略し、図1、図4、図12、及び図13を用いて異なる点について主に説明する。
以下に、本実施形態に係る機械式駐車装置10の作用を説明する。図12は、入庫時の作業フローであり、図13は、出庫時の作業フローであり、順を追って説明する。
本実施形態においては、入庫予約が受付されると、他の実行中の入庫処理の有無を判定した上で、入庫リフト3と、入庫リフト3と車両の引き渡しが行われる走行台車5が同時に起動される。入庫リフト3と走行台車5とが同時に起動されると、図5(b)における入庫リフト3が格納階に到着後の走行台車5との連動待ち時間がなくなるので、最高省エネモードより速やかに入庫処理を進められる。また、他の入出庫処理が実行されていないことを判定し、起動される機器が車両の受け渡しに関連する最大2台に限定されて制御されるので、従来のように、他の入出庫処理が同時に実行されていた場合と比較して消費電力が抑えられ、省エネに繋がる。
走行台車5は、格納棚22,23から車両を受け取ると、出庫リフト8の位置まで実荷走行し、出庫リフト8の位置で、走行台車5と連動待ちとなっていた出庫リフト8に車両を引き渡す。
出庫リフト8は、走行台車5から車両を受け取ると、出庫バース7まで実荷昇降し、出庫バース7に連動待ちの状態となる。
出庫バースの車両に運転手及び乗員が乗車し、出庫バースから退車する。
このように、本実施形態においては、出庫予約が入力されると、他の実行中の入庫処理の有無を判定した上で、走行台車5と、走行台車5と車両の引き渡しが行われる出庫リフト8が同時に起動される。走行台車5と出庫リフト8が同時に起動されると、図6(b)における走行台車5が出庫リフト8の位置に到着後の出庫リフト8との連動待ち時間がなくなるので、最高省エネモードより速やかに出庫処理を進められる。また、他の入出庫処理が実行されていないことを判定し、起動される機器が車両の受け渡しに関連する最大2台に限定されて制御されるので、従来のように、他の入出庫処理が同時に実行されていた場合と比較して消費電力が抑えられ、省エネに繋がる。
50 制御装置
51 予約受付部
52 入出庫指示部
53 制御部(制御手段)
Claims (5)
- 車両の入出庫が行われる乗入階と、該車両が格納棚に格納される格納階との間で、搬送機によって前記車両を昇降させる昇降装置及び前記格納階で移動自在に設けられ、前記車両を搬送する走行台車を備える機械式駐車装置の制御装置であって、
同時に実行する入出庫処理を1件とし、かつ、前記昇降装置の始動から停止までの第1運転期間と、前記走行台車の始動から停止までの第2運転期間とが重ならないように、前記昇降装置及び前記走行台車を制御する第1省エネ運転モードと、同時に実行する入出庫処理を1件とし、かつ、前記昇降装置及び前記走行台車の同時運転を許容する第2省エネ運転モードとを実行可能な制御手段を具備し、
前記制御手段は、省エネ運転中であって、許容される消費電力が所定電力値以上の場合に、前記第2省エネ運転モードを実行し、前記省エネ運転中であって、許容される消費電力が前記所定電力値未満の場合に、前記第1省エネ運転モードを実行する機械式駐車装置の制御装置。 - 前記制御手段は、前記第1省エネ運転モードにおいて、前記昇降装置が回生運転される場合には、前記第1運転期間と前記第2運転期間とが重なるように前記昇降装置及び前記走行台車を制御可能とされている請求項1に記載の機械式駐車装置の制御装置。
- 請求項1又は請求項2に記載の機械式駐車装置の制御装置を備えた機械式駐車装置。
- 車両の入出庫が行われる乗入階と、該車両が格納棚に格納される格納階との間で、搬送機によって前記車両を昇降させる昇降装置と、前記格納階で移動自在に設けられ、前記車両を搬送する走行台車とを備える機械式駐車装置の制御方法であって、
省エネ運転中であって、許容される消費電力が所定電力値未満の場合に、第1省エネ運転モードを実行し、
省エネ運転中であって、許容される消費電力が前記所定電力値以上の場合に、第2省エネ運転モードを実行し、
前記第1省エネ運転モードは、同時に実行する入出庫処理を1件とし、かつ、前記昇降装置の始動から停止までの第1運転期間と、前記走行台車の始動から停止までの第2運転期間とが重ならないように、前記昇降装置及び前記走行台車を制御する運転モードであり、
前記第2省エネ運転モードは、同時に実行する入出庫処理を1件とし、かつ、前記昇降装置及び前記走行台車の同時運転を許容する運転モードである機械式駐車装置の制御方法。 - コンピュータを請求項1又は2に記載の機械式駐車装置の制御装置として機能させるための制御プログラム。
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