JP6884373B2 - 高層ビルの解体工法 - Google Patents

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Description

本発明は、高層ビルを解体するための技術に関する。
世界的に多数の高層ビルが存在している。なお、本願では、高さが少なくとも100m以上のビルディングを「高層ビル」と称するものとする。高層ビルの建築が始まってからかなりの年数が経つため、現存している高層ビルの中には、その耐用年数が経過しようとしているもの、或いは耐用年数が経過したものがある。
耐用年数が経過した高層ビルは、もちろん解体する必要がある。しかしながら、高層ビルはそれが建設される段階では解体のことを意図した設計がなされておらず、その解体は一般的に難しい。そのような点を考慮して高層ビルの解体工法として様々なものが提案されている。
その中の1つに、重機を高層ビルの屋上に設置して行う解体工法がある。かかる工法は、中小型の重機を移動式クレーン等で屋上に吊り上げ、屋上から下に向けて順に高層ビルを解体する工法である。解体により生じた瓦礫等はダメ穴等を介して下階に移動させるか、クレーンなどで吊り降ろす。
かかる解体工法は、高層ビルの周囲に重機設置スペースがない場合や、解体に用いる重機のロングブームが届かない程の高さの高層ビルを解体する場合によく採用される。
上述した解体工法は、もちろん高層ビルを解体することが可能であり、上述したように他の工法を用いるのが難しい特定の条件下においては特に有用である。
しかしながら、上述の解体工法では、高層ビルの屋上で重機による高層ビルの解体作業が実施され、その後においても高層ビルの最上部で重機による解体作業が実施される。そのとき、解体によって生じた物(例えば、コンクリートの破片、ボルト、ナットその他の金属片等、以下これらをまとめて「解体物」と称する。)が、高層ビルのその時点における最上部から地上に落下する可能性がある。かかる解体物は、小さなものでありまた大した重さのないものであっても、高層ビルの最上部、つまり平たくいえば大変に高い位置から落下した場合には、それが地上に到達したときの速度が非常に大きくなっているので、大きな危険を生じる可能性がある。
高層ビルは通常街中に存在するのであり、その下方には道路があったり、或いは鉄道の線路があったりする。解体物が、道路を歩く人、道路を走る自動車、線路を走る鉄道等に干渉する可能性は、可能な限り減じるべきであり、またそのような解体工法についての需要もある。
しかしながら、そのような需要を満足することのできる高層ビルの解体工法は、上述の解体工法以外の解体工法まで考慮したとしても、少なくとも現在のところ知られていない。
本願発明は、高層ビルの解体によって生じる解体物が高層ビルから落下する可能性の低い高層ビルの解体工法を提供することをその課題とする。
上述の課題を解決するため、本願発明者は以下の発明を提案する。
本願発明は、略直方体形状の高層ビルの解体工法(以下、単に「解体工法」と称する場合がある。)であって、前記高層ビルの周囲の適当な箇所に前記高層ビルに沿って立てた、その長さ方向で連続して接続された多数の副マストを接続してなる、当初は前記高層ビルの高さに略等しい高さとされたマストの上端或いは上端付近に、前記高層ビルの上面を覆う上面シート及び、前記高層ビルの側面の全周のうちの前記高層ビルが一度に解体される範囲を覆う側面シートとを有するシート材を、その側面シートの縁部が前記高層ビルの外面の全周に当接するようにして固定するシート材固定過程と、側面視した場合において前記側面シートに略対応した範囲における前記高層ビルの上端側を、前記高層ビルの内部から解体する解体過程と、前記解体過程により前記側面シートに対応した範囲における前記高層ビルの上端側が解体された場合に、前記各マストから前記副マストを少なくとも一つずつ除くことにより、短くなったマストの長さ分だけ前記シート材の高さ位置を下げる、シート材降下過程と、を含んでいる。
そして、本願発明の高層ビルの解体工法では、前記解体過程と、前記シート材降下過程とを交互に繰り返すことにより、前記高層ビルを上から下に向けて解体する。
かかる解体工法では、解体しようとする高層ビルの上方の所定の範囲をシート材で覆った上で、概ねシート材で覆った範囲の高層ビルを解体する過程と、解体された分だけシート材を下げる過程と、を繰り返して行うことにより、シート材を降下させる都度、概ねシート材で覆われた範囲の高層ビルを解体することにより、高層ビルを上から下に向けて解体するものである。ここで、シート材は、高層ビルの上面を覆う上面シートと、高層ビルの側面の全周のうちの高層ビルが一度に解体される範囲を覆う側面シートとを有するため、解体過程で一度(シート材がある高さに設置されてから次に下降させられるまでの間)に解体される高層ビルは、その露出する上面とすべての側面との全面を、シート材で覆われた状態とすることが可能となる。
したがって、本願発明の解体工法によれば、高層ビルのうちの一度に解体される範囲をシート材で覆われた範囲とすることにより、解体物の予期せぬ高層ビルからの落下を防止することが可能となる。更に、高層ビルの一度に解体される範囲の解体を行うときに、まず高層ビルの内部を解体し、最後に高層ビルの外壁を解体することとすれば、高層ビルの内部を解体するときに生じる解体物は外壁の存在により落下が防止させられるので、解体物の落下のおそれすらなくすことができる。
なお、本願発明では、シート材は、高層ビルの周囲に複数本立てられるマストの上方に固定される。各マストは、多数の副マストをその長さ方向に連続して接続することによって構成されており、シート材を下降させる場合には、各マストから副マストを少なくとも一つずつ除いて各マストを短くすることによりそれが実現される。かかる構成を採用したのは、シート材のマストに対する上下動を省略することにより、高所にあることによってシート材が強い風を受ける可能性があることから一定の強度が必要となるマスト、或いはマストと接続される後述の骨材の強度が下がることを防止できるからである。
なお、本願のシート材を構成する上面シート及び側面シートは、面状の材料であれば、メッシュ状或いはネット(網)状のものであっても構わない。それによりシート材は風の影響を受けにくくなる。もっともこの場合であってもメッシュ状或いはネット状のシート材に開いた目は、高層ビルからの落下が許されない解体物のうち最も小さい物が通過できない形状、大きさとする必要がある。
なお、本願の解体工法は、高層ビルのすべてについて行う必要はなく、高層ビルの上から一定の範囲について適用することが可能である。その場合、一般的な解体工法で解体できる高層ビルの下から所定の範囲については、一般的な解体工法で解体すれば良い。
本願発明では、前記シート材を、前記シート材を支持することによりその形状を維持する骨材に張り渡すことにより、前記シート材と前記骨材によりテントを構成することが可能である。
本願発明の高層ビルの解体工法における前記シート材降下過程は、各マストに含まれる前記副マストのうち下から2つ目のものを支持することが可能であり、且つ下方に移動させることが可能な支持手段を有するジャッキの当該支持手段で、各マストに含まれる前記副マストのうち下から2つ目のものを支持し、その状態で前記支持手段で支持された前記副マストの下の前記副マストを除去し、前記支持手段を下げることにより、前記各マストから前記副マストを1つ除く過程を含んでもよい。
上述したように、シート材降下過程では、各マストから副マストを除くことにより各マストの高さを下げる。ここで、各マストから除く副マストは、マストの途中に位置するものではなく、他の副マストとの接続を1箇所だけ解除することでマストから取り外すことができるため、マストの最も上又は最も下に位置するものとするのが合理的である。ところで、マストの最も上にある副マストをマストから取り外そうとした場合、その作業は特に解体工法を実施されるにあたって立てられた当初のマストの高さが高層ビルの高さに略準ずるものであることもあり、高所で行うことになる。かかる高所での作業は通常、広さ、頑強さの両面で十分と言える足場を確保できないことが多く、それでもなおマストから副マストを除くことができるようにするのであれば、副マスト間の接続を比較的簡易なものとせざるを得ない。
対して、マストの下端から副マストを除くこととすれば、その作業は地上で或いはその付近で行うことができる。かかる場所で行う作業であれば、広さにおいても頑強さにおいても十分な足場での作業とすることができるから、副マスト間の接続が強固なものであったとしても問題が生じることが少ない。したがって、マストの下端から副マストを除くこととすれば、結果としてマスト全体の強度を上げることが可能となる。上述したように少なくともマストはその高さが高く、その上方にはシート材が取付けられるため、風雨の影響を強く受ける。そのような点を考慮すればマストの強度が高いということは大きな意味を持つ。
各マストから副マストを除去する作業は一般的なジャッキを用いてこれを行うことができる。つまり、マストのうちの下から2つ目のものをジャッキの支持手段で支持した状態で最も下の副マストを除去し、その後ジャッキで2つ目の副マストを含む支持手段で支えられたマストを、支持手段を除去された副マストの長さの分だけ下方に移動させることにより下降させるのである。
本願発明の高層ビルの解体工法で、マストの強度をより上げることが必要な場合には、解体工法は、最初の前記解体過程が実行される前に、前記マストのそれぞれを、前記高層ビルの外周に固定する過程を含んでいても良い。この場合、各マストはその複数箇所で高層ビルに固定されても良い。
本願発明の高層ビルの解体工法における前記解体過程は、前記高層ビルを解体したことによって生じた瓦礫を、前記高層ビルが備えるエレベータシャフトを介して地階に落下させる過程を含んでいてもよい。
前記上面シートの所定の部位に、開閉可能な開閉部が設けられていてもよい。この場合、本願発明の高層ビルの解体工法における前記解体過程は、前記高層ビルを解体したことによって生じた瓦礫を、開放した前記開閉部からクレーンによって吊り上げ地上に下ろす過程を含んでいてもよい。
これらの方法によって、瓦礫を地上に下ろすことが可能となる。もちろんこれらの方法は択一的なものではなく、それらの双方が採用されても良い。
前記上面シートは、不透水性の素材でできていてもよい。この場合上面シートは、そのうちの所定の部位である特定部位が他の部位よりも低くなるように傾斜させられていてもよい。これらの条件が充足されている場合、本願発明による高層ビルの解体工法は、前記特定部位に溜まった雨水を前記特定部位から地上にまで連なる管により排水する過程を含んでいてもよい。
これによれば、解体作業中の高層ビルの中にいる上面シートの下にいる作業者は、上面シートによって雨を凌ぐことができるし、また上面シートの上に溜まった雨水の排水も簡便に行うことができる。
一実施形態で解体される高層ビルを示す斜視図。 図1に示した高層ビルの周囲にマストを立てた状態を示す斜視図。 図2に示したマストの上に屋根材を取付けた状態を示す斜視図。 図3の屋根材付近を拡大して示す縦断面図。 図4に示した状態から、高層ビルのうちの一度に解体される範囲が解体されている途中の状態を示す図。 図4に示した状態から、高層ビルのうちの一度に解体される範囲が解体され終わった状態を示す図。 マストのジャッキダウンの方法を観念的に示す側面図。 マストのジャッキダウンを行ったことにより屋根材を下げた状態を示す側面図。 屋根材の変形例を示す斜視図。
以下、本発明の好ましい一実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施形態では、図1に示したような高層Bビルを解体する。この高層ビルBは、高さが100m以上である。また、高層ビルBは、略直方体形状である。なお、図1における高層ビルBでは、窓やエントランス等の図示は省略しているが、それらは普通の高層ビルと同じようにこの実施形態における高層ビルにも存在している。
また、高層ビルBの内部には、図4等に示すように、その地階から最上階にまで及ぶエレベータシャフトB1が設けられている。
高層ビルBを解体するにあたり、まず、その周囲の適当な箇所に適当な数だけマスト10を立てる(図2)。マスト10は、後述する屋根材を支持するのに十分な強度を得られる数を、屋根材を支持するのに十分な強度を得られ且つ立地的な事情が許される位置に立てる。
この実施形態では、図2に示したように、マスト10は高層ビルBの平面視した場合における矩形の頂点のやや外側に4本立てられる。もっとも、マスト10の数及びそれらを立てる位置は必ずしもこの限りではなく、例えば高層ビルBの壁面に沿って更に複数本のマスト10を立てること等も可能である。
また、この実施形態で立てられる4本のマスト10はいずれも、高層ビルBと略同じ高さとされ、より詳細には高層ビルBよりも若干低い程度の高さとされる。
マスト10は多数の副マスト11からなる。多数の副マスト11はいずれも棒状であり、且つその端部をその上下に隣接する副マスト11の端部と互いに連結可能とされている。マスト10、及びそれを構成する副マスト11は、例えばタワークレーンのマスト乃至それを構成する部材を流用することが可能である。
各マスト10は、例えば以下のようにして立てることができる。マスト10の予定された最上端の位置よりも上方にまでそのアームが届くクレーンが存在する場合であれば、クレーンのアームによって吊り上げた副マスト11を、その下の副マスト11に乗せるという処理をその都度副マスト11を接続しながら連続して行うことにより、マスト10を予定した高さにまで伸ばすことが可能となる。この場合、クレーンは、地上に存在しても良いし、高層ビルBの例えば屋上に存在してもよい。
或いは、マストクライミング方式のタワークレーンの場合のように、マスト10に対して上下動することのできるクレーンを用い、当該クレーンのアームによって吊り下げた副マスト11をクレーンが取付けられている副マスト11の上に乗せ新たな副マスト11とその下の副マスト11とを接続するという処理を、クレーンを上方に移動させつつ連続して行うことにより、マスト10を予定した高さにまで伸ばすことが可能となる。
或いは、まず地上に副マスト11を1本立て、それをジャッキアップした後にその下に新たな副マスト11を追加して、新たな副マスト11とその上の副マスト11とを接続し、次いで、接続された2本の副マストをジャッキアップした後にその下に新たな副マスト11を追加して、新たな副マスト11とその上の副マスト11とを接続し…、という処理を繰り返すことにより、マスト10を予定した高さにまで伸ばすことが可能となる。
なお、各マスト10は、同じ方法で立てられる必要はない。また、高層ビルBに沿って立てられた各マスト10は、高層ビルBと適当な方法によって接続することが可能であり、この実施形態ではそうしている。マスト10と高層ビルBとの接続は、この実施形態では適当な金具12を用いて行われる。1本のマスト10と高層ビルBとの接続は、複数の金具12を用いて複数箇所で行うことができる。マスト10と高層ビルBとの接続は、マスト10が屋根材を支持するための強度を得られるようにすることが目的であり、その目的が達成されるように、金具12の構造や金具12の数等を適宜選択する。金具12による各マスト10と高層ビルBとの接続は、当該マスト10が予定された高さに到達してからなされても良いが、ジャッキアップによりマスト10を立てる場合を除けば、マスト10が予定された高さにまで到達していない状態でも行うことが可能である。
これには限られないが、この実施形態における各マスト10の下端には、後述の如きジャッキダウンを行うことができるジャッキ40が設けられている。かかるジャッキ40は、上述の如きジャッキアップをも行うことができるものであってもよい。
以上のようにして立てられた4本のマスト10の上端或いはその付近に、屋根材20が取付けられる(図3、図4)。屋根材20は、高層ビルBの上端をその上面及び側面から覆うものとなっており、この実施形態ではこれには限られないが各マスト10の上端に取付けられている。
屋根材20は、概ね、マスト10の上端に固定される壁部21と、膜材であるシート材22と、シート材22を支持する骨材23とからなる。これらの組合せにより、屋根材20は事実上テントを構成することになる。
屋根材20をマスト10の上端に取付けるにあたっては、まず、マスト10の上端に、壁部21を取付ける。壁部21は、4本のマスト10の上端を頂点とする矩形の4つの辺に沿って設けられる、その長さ方向に沿う縦断面が略コの字形状とされた金属製の構造体である。壁部21は、その下側、上側、及び外側が板状体により構成され、その内側(高層ビルBに対向する側)が、所定の間隔で立設された柱によって構成される。壁部21の下側の板の上を作業者は歩くことができるようにされる。これにより、作業者は壁部21沿いに高層ビルBの周囲を一周できるようになる。作業者は、高層ビルBの解体のために必要な作業を、高層ビルBの内側からのみでなく、高層ビルBの外側からも行えるようになる。高層ビルBの外側から行う高層ビルBの解体のために必要な作業は例えば、後述するシート材22の高層ビルB外周への固定の作業である。
壁部21の中のところどころには、例えば図示を省略の油圧ポンプ等を動力として、作業者を乗せた状態で昇降することができ且つ任意の高さで停止させることができるゴンドラ21Aが設けられていても良く、この実施形態ではそうされている。ゴンドラ21Aの高層ビルBに対向する側である内側を開放しておけば、作業者は、壁部21の中の任意の高さで高層ビルBを解体するための作業を行えるようになる。
壁部21がマスト10の上端に取付けられたら、続けて骨材23を壁部21に取付ける。骨材23は、上述のようにシート材22を支持するためのものであり、それが可能である限りどのように構成されていてもよい。この実施形態における骨材23は、金属製の棒状の部材により構成されている。例えば、骨材23は、隣接する2本のマスト10の間にわたされる部材を含んでいてもよい。また、骨材23は、シート材22の中心からマスト10の上方まで伸びる4本の部材と、シート材22の中心から隣接する2本のマスト10の間にわたされる部材とを含んでいてもよい。骨材23のうちのシート材22の中心からマスト10の上方まで伸びる4本の部材と、骨材23のうちのシート材22の中心から隣接する2本のマスト10の間にわたされる部材とはともに、上下2段になっており、それらの間に骨材23の強度を保つために公知或いは周知のトラス構造を構成することも可能である。なお、図3では骨材23の図示を省略している。
骨材23が壁部21に取付けられたら、続いてシート材22を骨材23に沿って張り渡す。この実施形態では、図4に示したように、骨材23のうちのシート材22の中心からマスト10の上方まで伸びる4本の部材と、骨材23のうちのシート材22の中心から隣接する2本のマスト10の間にわたされる部材との下方に張り渡される。
シート材22は、シートである。シート材22は膜材であっても良いし、或いはメッシュ状、ネット状のシートであっても良い。シート材22は後述するように高層ビルBの解体作業中に生じる解体物が高層ビルB外に落下するのを防ぐためのものであるので、仮にシート材22がメッシュ状或いはネット状であるのであれば、その目は落下が許容される最も小さい解体物がその間を通らないような大きさ、形状とされている必要がある。もっとも、この実施形態におけるシート材22は、目の無い典型的なシートであって、しかもこれには限られないが不透水性である。なお、シート材22はその全体が同一の素材でできている必要はなく、例えば上面シート22Aと側面シート22Bとを異素材で構成することも可能である。上面シート22Aを不透水性を有するシートとする一方で、側面シート22Bをメッシュ状或いはネット状のシートとする等である。
シート材22は、高層ビルBの上面(当初は、高層ビルBの屋上の上面)を覆う上面シート22Aと、高層ビルBの4つの側面を所定の高さ(例えば、高層ビルBの1フロア分或いは1.5フロア分程度)で覆う4枚の側面シート22Bとを備えている。4枚の側面シート22Bの上端は、上面シート22Aの4つの辺とそれぞれ隙間なく接続されており、4枚の側面シート22Bの幅方向の両端は、隣接する側面シート22Bの端部と隙間なく接続されている。
上面シート22Aは平面視で矩形であり、シート材22が骨材23に対して張り渡されたとき、その中心に向けて下るような傾斜を持つようにされ、全体としてすり鉢形状となるようにされる。上面シート22Aの下りきった部分である上面シート22Aの中心には孔22A1が穿たれている。上面シート22Aの孔22A1の下方には、漏斗31が設けられており、漏斗31の下方には管である排水管32の一端が接続されている。排水管32は、これには限られないがこの実施形態では、柔軟性を有する素材で形成された管である。排水管32の他端は、地上にまで伸びており、例えば排水口の中に挿入されている。上面シート22Aに設けられた上述の傾斜は、高層ビルBの解体中に上面シート22Aの上に降った雨水を上述の孔22A1に集めるためのものである。孔22A1に集められた雨水は、漏斗31を介して排水管32の一端に導かれ、排水管32を通して排水管32の他端から、例えば排水口へ流れるようになっている。
上面シート22Aには、また、開閉自在な窓部22A2が設けられている。窓部22A2は、そこから後述する瓦礫を取り出すためのものである。
また4枚の側面シート22Bの下方の縁部は、例えばその長さ方向の全長にわたって高層ビルBの側面に適当な方法で固定されている。かかる固定は、側面シート22Bと高層ビルBの側面との間に、解体物の落下を許容するような隙間が生じないような態様で行う。
以上のようにして屋根材20をマスト10の上に取付けたら、高層ビルBの解体を行う。
具体的には、例えばエレベータシャフトB1を使って高層ビルBの例えば最上階に高層ビルBの解体を行うことのできる重機Hを入れ、かかる重機Hを用いて高層ビルBの内部から高層ビルBを解体する(図5)。ここで、解体される高層ビルBの範囲は、シート材22の側面シート22Bの下端が接続された部分よりも上の範囲である。高層ビルBを解体すると瓦礫が生じ、また、小さなコンクリートの破片やボルトなどの解体物が飛び散ることがある。しかしながら、解体物が飛び散ったとしても、それは、シート材22に当って高層ビルB内に留まり、高層ビルBから落下することはない。また、側面シート22Bの下端が接続された部分よりも上の範囲の高層ビルBを解体する場合、高層ビルBの外壁を残し、まずは高層ビルBの内部から解体することにすれば、高層ビルBの外壁自体が解体物の落下を防ぐ役割を果すことになるから、解体物の落下が生じる可能性をより抑制することができるようになる。
高層ビルBの解体によって生じた瓦礫は例えば、エレベータシャフトB1内の空間を利用して運搬することにより地上に移動させられる。或いは、瓦礫は、上面シート22Aに設けられた窓部22A2から、例えば、高層ビルBの隣に置かれたロングアームを有するクレーンによって吊り上げられ、地上に降ろされる。この場合にも瓦礫を適当な袋に入れて地上に下ろすことにすれば、瓦礫が高層ビルBから落下することを防止することができる。窓部22A2を用いて瓦礫を地上に下ろす場合、図3に示した窓部22A2は1つとされているが、かかる作業を行うために必要な数の例えば複数の窓部22A2を上面シート22Aに設けておくことも勿論可能である。
なお、高層ビルBの解体を行っている最中に雨が降ったとしても、また雨が降ったときに既に高層ビルBの屋上が解体された状態であったとしても、高層ビルBの上に上面シート22Aが存在するため、雨水が高層ビルB内で作業を行う作業者に影響を与えることはない。また、上面シート22Aの上に降った雨により生じた雨水は上述のように、排水管32を介して、排水される。
やがて、側面シート22Bの下端がその外側面に接続された部分よりも上の範囲の高層ビルBが一度に解体される(図6)。一度に解体される範囲というのは、ジャッキダウンが行われるまでに解体される高層ビルBの範囲である。
側面シート22Bの下端が接続された部分よりも上の範囲の高層ビルBが解体されたら、次に各マスト10の長さを短くし、それにより各マスト10の長さを短くした分だけ屋根材20を下げる。
なお、マスト10の長さを短くするに先立って、側面シート22Bの下端の高層ビルBの側面に対する接続を一旦解除する。
マスト10の長さを短くするには各マスト10を構成する副マスト11を除去する。除去される副マスト11は、マスト10を構成する副マスト11のうち最も上方にあるものか、最も下方にあるもののいずれかとするのが合理的である。この実施形態では、マスト10を構成する多数の副マスト11のうち、最も下側にある副マスト11を除去することによりマスト10の長さを縮めることとしている。
マスト10の長さを縮めるために、ジャッキ40が使用される。
ジャッキ40は、ジャッキダウンを行うことができるものとされ、それが可能な限り、公知、周知のもので良く市販のもので良い。ジャッキ40は、本体41と、本体41に対して水平方向の移動と垂直方向の移動を行えるようにされた支持部材42を備えている。
マスト10から最も下端にある副マスト11を除去する方法を簡単に説明する。ジャッキダウンの作業が行われる前のマスト10は、図7(A)の状態にある。次いで、ジャッキダウンの作業を行うため、最下端の副マスト11と下から2つ目の副マスト11の接続を解除し、それらの間に、水平に移動させた支持部材42を差し込む(図7(B))。これにより支持部材42によって、下から2つ目の副マスト11及びその上の副マスト11を含むマスト10が支持された状態となる。次いで、最も下の副マスト11を除去する(図7(C))。そして、今度は支持部材42を、除去された副マスト11の長さ分だけ下方に移動させる(ジャッキダウンさせる)ことにより、ジャッキダウン前に下から2つ目の副マスト11だった副マスト11を、最も下の副マスト11とする。支持部材42を水平に移動させて最も下に位置することとなった副マスト11の下から抜くことにより、マスト10の下端は、図7(A)の状態となる。なお、かかるジャッキダウンは、各マスト10について同時に行うのが好ましい。
このようにして、マスト10の長さが縮められる。必要とあらば上述のジャッキダウンの作業を繰り返して、複数本の副マスト11を各マスト10から除去することも可能である。
マスト10の長さが短くなると、当然に屋根材20は下方に下がる(図8)。屋根材20が下がったら、側面シート22Bの下端の高層ビルBの側面に対する接続を再び行う。また、排水管32の長さが余分となったら、余剰長さ分の排水管32を切断する等排水管32の長さ調整に必要な処理を行っても良い。
そして、再び重機Hによる高層ビルBの解体を実行する。このとき、解体される高層ビルBの範囲は、上述のように、側面シート22Bが高層ビルBの外側面に接続された部分よりも上側の範囲である。そして、当該範囲の高層ビルBが解体されたら、上述の如きジャッキダウンを行い、また屋根材20を下降させる。
これを繰り返して、高層ビルBを上から下に向けて解体していく。
高層ビルBのすべてを以上の方法により解体しても良いし、高層ビルBの上から所定の範囲を以上の方法により解体し、それよりも低層の部分は他の例えば既存の方法で解体することも可能である。
なお、この実施形態における屋根材20の上面シート22Aは上述のように、その中心に向かって下る傾斜を有するものとなっていたが、例えば、図9(A)に示した如き方形屋根の如き形状とすることも、同(B)に示した如き切妻屋根の如き形状とすることも可能である。
また、上面シート22Aの上に、積雪を融解させるための例えば散水設備を設けるための適宜の工夫を行うことも可能である。
10 マスト
11 副マスト
20 屋根材
21 壁部
22 シート材
22A 上面シート
22B 側面シート
22A1 孔
22A2 窓部
23 骨材
32 排水管
40 ジャッキ
B 高層ビル
B1 エレベータシャフト
H 重機

Claims (6)

  1. 略直方体形状の高層ビルの解体工法であって、
    前記高層ビルの周囲の適当な箇所に前記高層ビルに沿って立てた、その長さ方向で連続して接続された多数の副マストを接続してなる、当初は前記高層ビルの高さに略等しい高さとされたマストの上端或いは上端付近に、前記高層ビルの上面を覆う上面シート及び、前記高層ビルの側面の全周のうちの前記高層ビルが一度に解体される範囲を覆う側面シートとを有するシート材を、その側面シートの縁部が前記高層ビルの外面の全周に当接するようにして固定するシート材固定過程と、
    側面視した場合において前記側面シートに略対応した範囲における前記高層ビルの上端側を、前記高層ビルの内部から解体する解体過程と、
    前記解体過程により前記側面シートに対応した範囲における前記高層ビルの上端側が解体された場合に、前記各マストから前記副マストを少なくとも一つずつ除くことにより、短くなったマストの長さ分だけ前記シート材の高さ位置を下げる、シート材降下過程と、
    を含んでおり、
    前記解体過程と、前記シート材降下過程とを交互に繰り返すことにより、前記高層ビルを上から下に向けて解体するとともに
    前記上面シートの所定の部位に、開閉可能な開閉部が設けられており、
    前記解体過程は、
    前記高層ビルを解体したことによって生じた瓦礫を、開放した前記開閉部からクレーンによって吊り上げ地上に下ろす過程を含む、
    高層ビルの解体工法。
  2. 前記シート材降下過程は、
    各マストに含まれる前記副マストのうち下から2つ目のものを支持することが可能であり、且つ下方に移動させることが可能な支持手段を有するジャッキの当該支持手段で、各マストに含まれる前記副マストのうち下から2つ目のものを支持し、その状態で前記支持手段で支持された前記副マストの下の前記副マストを除去し、前記支持手段を下げることにより、前記各マストから前記副マストを1つ除く過程を含む、
    請求項1記載の高層ビルの解体工法。
  3. 前記解体過程は、
    前記高層ビルを解体したことによって生じた瓦礫を、前記高層ビルが備えるエレベータシャフトを介して地階に落下させる過程を含む、
    請求項1記載の高層ビルの解体工法。
  4. 最初の前記解体過程が実行される前に、前記マストのそれぞれを、前記高層ビルの外周に固定する過程を含む、
    請求項1記載の高層ビルの解体工法。
  5. 前記上面シートは、不透水性の素材でできているとともに、そのうちの所定の部位である特定部位が他の部位よりも低くなるように傾斜させられており、
    前記特定部位に溜まった雨水を前記特定部位から地上にまで連なる管により排水する過程を含む、
    請求項1記載の高層ビルの解体工法。
  6. 前記シート材を、前記シート材を支持することによりその形状を維持する骨材に張り渡すことにより、前記シート材と前記骨材によりテントを構成する、
    請求項1記載の高層ビルの解体工法。
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