JP6884026B2 - 半導体用膜形成用組成物、半導体用膜形成用組成物の製造方法、半導体用部材の製造方法、及び半導体用工程材の製造方法 - Google Patents

半導体用膜形成用組成物、半導体用膜形成用組成物の製造方法、半導体用部材の製造方法、及び半導体用工程材の製造方法 Download PDF

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本発明は、半導体用膜形成用組成物、半導体用膜形成用組成物の製造方法、半導体用部材の製造方法、及び半導体用工程材の製造方法に関する。
従来より、電子デバイス分野等の各種の技術分野において、ポリマーを含有する組成物を部材に付与することが行われている。
例えば、カチオン性官能基を有し重量平均分子量が2000〜1000000であるポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン誘導体などのポリマーを含有するpHが2.0〜11.0の組成物を、所定の条件を有する部材A及び部材Bの表面に付与する複合体の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、特許文献1には、組成物が付与された複合部材を、多価カルボン酸を含むリンス液で洗浄することが記載されている。
国際公開第2014/156616号
特許文献1では、ポリエチレンイミンなどのポリマーを部材に塗布し、その上に多価カルボン酸を含むリンス液を塗布した後、加熱反応により架橋させており、工程数が多い。しかし、ポリエチレンイミンなどのポリマー及び多価カルボン酸を混合して部材に塗布する組成物を調製しようとすると、ポリマー及び多価カルボン酸が凝集して組成物が白濁化してしまい、その組成物を部材に塗布した場合に凝集体、ピットなどの形成により凹凸が大きく、平滑性が不十分な膜になってしまうという問題がある。
本発明の一態様は、上記問題に鑑みてなされたものであり、凝集体及びピットが少なく、平滑性の高い膜が得られる半導体用膜形成用組成物、その製造方法、その半導体用膜形成用組成物を用いた半導体用部材の製造方法及びその半導体用膜形成用組成物を用いた半導体用工程材の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下のとおりである。
<1> 環構造と1級窒素原子及び2級窒素原子の少なくとも1つを含むカチオン性官能基とを有し、重量平均分子量90以上600以下である化合物(A)と、分子内に−C(=O)OX基(Xは、水素原子又は炭素数1以上6以下のアルキル基である)を3つ以上有し、3つ以上の−C(=O)OX基のうち、1つ以上6つ以下が−C(=O)OH基であり、重量平均分子量が200以上600以下である架橋剤(B)と、アミノ基を有さずカルボキシ基を有する重量平均分子量46以上195以下の酸(C−1)及び環構造を有さず窒素原子を有する重量平均分子量17以上120以下の塩基(C−2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤(C)と、極性溶媒(D)と、を含む、半導体用膜形成用組成物。
<2> さらに、前記架橋剤(B)は、分子内に環構造を有する、<1>に記載の半導体用膜形成用組成物。
<3> 前記環構造は、ベンゼン環及びナフタレン環の少なくとも一方である、<1>又は<2>に記載の半導体用膜形成用組成物。
<4> さらに、前記架橋剤(B)は、前記3つ以上の−C(=O)OX基において、少なくとも1つのXが炭素数1以上6以下のアルキル基である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の半導体用膜形成用組成物。
<5> 基板に形成された凹部の充填材料に用いられる、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の半導体用膜形成用組成物。
<6> 多層レジスト法に用いられる、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の半導体用膜形成用組成物。
<7> <1>〜<6>のいずれか1つに記載の半導体用膜形成用組成物を製造する製造方法であって、前記化合物(A)と、前記架橋剤(B)と、前記添加剤(C)と、を混合する混合工程を含む半導体用膜形成用組成物の製造方法。
<8> 前記添加剤(C)は、アミノ基を有さずカルボキシ基を有する重量平均分子量46以上195以下の酸(C−1)を少なくとも含み、前記混合工程は、前記酸(C−1)と前記化合物(A)との混合物と、前記架橋剤(B)と、を混合する工程である<7>に記載の半導体用膜形成用組成物の製造方法。
<9> 前記添加剤(C)は、環構造を有さず窒素原子を有する重量平均分子量17以上120以下の塩基(C−2)を少なくとも含み、前記混合工程は、前記塩基(C−2)と前記架橋剤(B)との混合物と、前記化合物(A)と、を混合する工程である<7>に記載の半導体用膜形成用組成物の製造方法。
<10> <1>〜<6>のいずれか1つに記載の半導体用膜形成用組成物を用いて半導体用部材を製造する製造方法であって、前記半導体用膜形成用組成物を基板に付与する付与工程と、前記半導体用膜形成用組成物が付与された前記基板を温度100℃以上425℃以下の条件で加熱する加熱工程と、を有する、半導体用部材の製造方法。
<11> <1>〜<6>のいずれか1つに記載の半導体用膜形成用組成物を用いて半導体用工程材を製造する製造方法であって、前記半導体用膜形成用組成物を基板に付与する付与工程と、前記半導体用膜形成用組成物が付与された前記基板を温度100℃以上425℃以下の条件で加熱する加熱工程と、を有する、半導体用工程材の製造方法。
本発明の一態様は、凝集体及びピットが少なく、平滑性の高い膜が得られる半導体用膜形成用組成物、その製造方法、その半導体用膜形成用組成物を用いた半導体用部材の製造方法及びその半導体用膜形成用組成物を用いた半導体用工程材の製造方法を提供することができる。
本明細書において、「〜」又は「−」を用いて表される数値範囲は、「〜」又は「−」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
〔半導体用膜形成用組成物〕
以下、本発明に係る半導体用膜形成用組成物の一実施形態について説明する。本実施形態に係る半導体用膜形成用組成物(以下、「組成物」と称することもある。)は、環構造と1級窒素原子及び2級窒素原子の少なくとも1つを含むカチオン性官能基とを有し、重量平均分子量が90以上600以下である化合物(A)と、分子内に−C(=O)OX基(Xは、水素原子又は炭素数1以上6以下のアルキル基である)を3つ以上有し、3つ以上の−C(=O)OX基のうち、1つ以上6つ以下が−C(=O)OH基であり、重量平均分子量が200以上600以下である架橋剤(B)と、アミノ基を有さずカルボキシ基を有する重量平均分子量46以上195以下の酸(C−1)及び環構造を有さず窒素原子を有する重量平均分子量17以上120以下の塩基(C−2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤(C)と、極性溶媒(D)と、を含む。
本実施形態に係る半導体用膜形成用組成物を用いる、具体的には、この半導体用膜形成用組成物を部材に塗布して膜を形成することで、凝集体及びピットが少なく、平滑性の高い膜が得られる。また、本実施形態に係る半導体用膜形成用組成物を用いることで、前述の特許文献1(国際公開第2014/156616号)の技術よりも容易に平滑性の高い膜を得ることができる。
本実施形態に係る半導体用膜形成用組成物を用いることで、凹凸が小さく平滑性がよい膜を形成することができ、例えば、シリコン基板などの平滑な基板上に本実施形態に係る半導体用膜形成用組成物を用いて成膜した場合に、SEM(走査型電子顕微鏡)の20万倍率で500nm幅視野内にて、膜厚の最大値と最小値との差が平均膜厚の25%以下である膜を形成することができる。
さらに、前述の特許文献1の技術では、ポリエチレンイミンなどのポリマーを部材に塗布し、その上に多価カルボン酸を含むリンス液を塗布した後、加熱反応により架橋させているため、塗布されたポリマーが多価カルボン酸を含むリンス液に溶解してしまうおそれがある。そのため、部材に形成される膜において、大口径ウェハにおける面内の膜厚が均一になりにくく、膜厚の制御も容易ではない。
また、前述の特許文献1の技術では、数十ナノメートル以上の厚い膜を形成する場合、多価カルボン酸が部材とポリマーとの界面まで浸透しにくいため、膜厚方向の組成が均一になりにくい。
一方、本実施形態では、化合物(A)、架橋剤(B)、及び添加剤(C)を含む半導体用膜形成用組成物を部材に塗布して膜を形成することで、平滑性を高め、かつ膜厚方向における組成の均一性を高めることができる。
本実施形態に係る半導体用膜形成用組成物を用いることで、平滑性及び膜厚方向における組成の均一性に優れ、例えば、0.5nm以上5μm以下の膜厚を有する膜を形成することができる。また、大口径シリコン基板の表面に平滑性に優れる膜を形成することができ、例えば、膜厚が5nm以上150nmとしたときに300ミリφシリコン基板の中心と端部との膜厚ばらつきを±15%以下とすることができ、好ましくは±10%以下とすることができる。
また、本実施形態に係る半導体用膜形成用組成物は、半導体装置用の膜を生成するための組成物であり、例えば、基板に形成された凹部に充填されるギャップフィル材料(埋め込み平坦化膜)、基板に形成された凹部に充填される絶縁材料(埋め込み絶縁膜)、多孔質材料などの低誘電率材料と金属との間に設けられ、絶縁性、密着性、ポアシール性などを有するバリア材料(バリア膜)、シリコン貫通ビア基板のビア側壁において、金属とシリコン基板との間又は金属と絶縁膜との間に設けられ、密着性、絶縁性を有する絶縁材料(シリコン貫通ビア用絶縁膜)などの形成に用いられる。
特に、基板に形成された凹部の充填材料(埋め込み平坦化膜)は基板の複雑加工に用いられる場合がある。
ハードマスクを利用してリソグラフィーパターンを被加工基板に転写する方法の一つとして、多層レジスト法がある。この多層レジスト法は、例えば、フォトレジスト膜、即ち上層レジスト膜と、エッチング選択性が異なる中間レジスト膜と、被加工基板の凹凸にギャップフィル膜が充填された埋め込み平坦化膜、即ち下層レジスト膜と、を用いる。多層レジスト法は、例えば被加工基板の凹凸上に形成された下層レジスト膜を設けた後、更にケイ素を含有する中間レジスト膜を上層レジスト膜と下層レジスト膜との間に介在させ、上層レジスト膜にパターンを設けた後、上層レジストパターンをエッチングマスクとして、中間レジスト膜にパターンを転写し、更に中間レジストパターンをエッチングマスクとして、被加工基板にパターンを転写する方法である。
このような多層レジスト法で使用される下層レジスト膜の組成物として、例えば、CVDによるアモルファスカーボン膜等がある(例えば、米国特許出願公開第2016/0314964号明細書等)。
しかしながら、半導体装置の微細化が更に進行するにつれ、パターンの線幅が微細になるだけでなく、パターンの倒れを防止するために上層レジスト膜の膜厚が薄くなり、下層レジスト膜に要求される性能においても、従来よりも微細なパターンにおける埋め込み性の改善が求められるようになってきた。
また、昨今のリソグラフィーの限界領域における半導体装置の製造プロセスにおいては、前述のようなダブルパターニング等の複雑な工程が提案されている。更に、集積回路素子等のデバイスのさらなる複雑化も進み、配線溝(トレンチ)、プラグ溝(ビア)等のパターン化された基板に対し、多層レジストパターン形成を行う方法、パターン形成を複数回行うことにより、複雑なパターンを形成する方法等も行われている。
従来の多層レジスト法で実用化されている下層レジスト膜は、上記のようなCVDによるアモルファスカーボン膜等が殆どであった。しかしながら、従来のCVD法ではオーバーハングなどの問題により微細な溝をボイド無く埋め込むことが困難になってきている。
また、下層レジスト膜には耐熱性(例えば、下層レジスト膜形成後に施されることがある熱処理に対する耐性)が要求されることがある。
なお、上述の埋め込み性及び耐熱性の要求は、微細パターンの形成を実現する観点から、レジスト膜以外の膜(例えば埋め込み絶縁膜(浅溝型素子分離膜(STI膜)、プリメタル絶縁膜(PMD膜)、配線層間絶縁膜(IMD膜)等)にも求められている。
本実施形態に係る半導体用膜形成用組成物は、埋め込み性及び耐熱性に優れているため、多層レジスト法にて用いる下層レジスト膜、下層レジスト膜以外の前述の膜の製造に用いることができる。
また、微細パターンを形成する別の手法として、感光後のフォトレジスト上に塗布し、感光又は非感光部分のフォトレジストと置き換えることにより形成される反転レジストを形成する目的に本実施形態に係る半導体用膜形成用組成物を用いてもよい。反転レジストを形成することにより、エッチング耐性に優れ、かつパターン倒れの少ない膜を形成することが可能となる。
(化合物(A))
本実施形態に係る半導体用膜形成用組成物は、環構造と1級窒素原子及び2級窒素原子の少なくとも1つを含むカチオン性官能基とを有し、重量平均分子量が90以上600以下である化合物(A)を含む。
化合物(A)は、前記の通り、分子内に環構造を有する。化合物(A)が有する環構造としては、例えば、脂環構造、芳香環構造、複素環構造(ヘテロ環構造)等が挙げられる。化合物(A)は、分子内に環構造を1つのみ有してもよく、複数の環構造を有してもよい。また、化合物(A)が複数の環構造を有する場合、前記複数の環構造は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数の環構造が縮合した縮合環構造(すなわち、2以上の環が2以上の原子を共有して結合した環構造)であってもよい。
なお、化合物(A)は、半導体用膜形成用組成物における熱的安定性の観点から、芳香環構造を有することが好ましく、芳香族複素環以外の芳香環構造を有することが好ましい。
脂環構造としては、例えば、炭素数3以上8以下の脂環構造、好ましくは炭素数4以上6以下の脂環構造が挙げられ、環構造内は飽和であっても不飽和であってもよい。より具体的には、脂環構造としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環などの飽和脂環構造;シクロプロペン環、シクロブテン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環、シクロオクテン環などの不飽和脂環構造が挙げられる。
芳香環構造としては、芳香族性を示す環構造であれば特に限定されず、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ペリレン環などのベンゼン系芳香環、ピリジン環、チオフェン環などの芳香族複素環(すなわち、芳香環構造かつ複素環構造である環構造)、フルオレン環、インデン環、アズレン環などの非ベンゼン系芳香環などが挙げられる。
複素環構造としては、ヘテロ原子として硫黄原子を含む複素環(例えば、チオフェン環)、又は、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環(例えば、ピロール環、ピロリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環等の5員環;イソシアヌル環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、トリアジン環等の6員環;インドール環、インドリン環、キノリン環、アクリジン環、ナフチリジン環、キナゾリン環、プリン環、キノキサリン環等の縮合環等)などが挙げられる。
化合物(A)が分子内に有する環構造としては、例えば、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ベンゼン環、ナフタレン環、及びフルオレン環からなる群より選択される少なくとも1つが好ましく、半導体用膜形成用組成物から得られる膜の耐熱性をより高める点から、ベンゼン環、ナフタレン環、及びフルオレン環の少なくとも一方がより好ましい。
化合物(A)は、1級窒素原子及び2級窒素原子の少なくとも1つを含むカチオン性官能基を有する化合物である。カチオン性官能基としては、正電荷を帯びることができ、かつ1級窒素原子及び2級窒素原子の少なくとも1つを含む官能基であれば特に限定されない。
なお、化合物(A)は、1級窒素原子を含むカチオン性官能基、2級窒素原子を含むカチオン性官能基、並びに1級窒素原子及び2級窒素原子を含むカチオン性官能基の少なくとも1つを有していればよい。すなわち、化合物(A)は、1級窒素原子又は2級窒素原子を含むカチオン性官能基を1つ又は2以上有してもよく、1級窒素原子及び2級窒素原子を含むカチオン性官能基を有してもよい。
ただし、化合物(A)は、耐熱性の高い膜を得る観点から、少なくとも1級窒素原子を含むカチオン性官能基を有することが好ましく、1級窒素原子を含むカチオン性官能基を2以上有することがより好ましい。
また、化合物(A)は、上記のように1級窒素原子及び2級窒素原子の少なくとも一方を含むが、3級窒素原子をさらに含んでいてもよい。
本明細書において、「1級窒素原子」とは、水素原子2つ及び水素原子以外の原子1つのみに結合している窒素原子(例えば、1級アミノ基(−NH基)に含まれる窒素原子)、又は、水素原子3つ及び水素原子以外の原子1つのみに結合している窒素原子(カチオン)を指す。
また、「2級窒素原子」とは、水素原子1つ及び水素原子以外の原子2つのみに結合している窒素原子(即ち、下記式(a)で表される官能基に含まれる窒素原子)、又は、水素原子2つ及び水素原子以外の原子2つのみに結合している窒素原子(カチオン)を指す。
また、「3級窒素原子」とは、水素原子以外の原子3つのみに結合している窒素原子(即ち、下記式(b)で表される官能基である窒素原子)、又は、水素原子1つ及び水素原子以外の原子3つのみに結合している窒素原子(カチオン)を指す。
Figure 0006884026
式(a)及び式(b)において、*は、水素原子以外の原子との結合位置を示す。
ここで、前記式(a)で表される官能基は、2級アミノ基(−NHR基;ここで、Rはアルキル基を表す)の一部を構成する官能基であってもよいし、その他の2価の連結基であってもよい。
また、前記式(b)で表される官能基(即ち、3級窒素原子)は、3級アミノ基(−NR基;ここで、R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基を表す)の一部を構成する官能基であってもよいし、その他の3価の連結基であってもよい。
化合物(A)の重量平均分子量は、90以上600以下であり、100以上400以下であることが好ましく、100以上300以下であることが更に好ましい。
また、化合物(A)は、必要に応じて、アニオン性官能基やノニオン性官能基をさらに有していてもよい。
前記ノニオン性官能基は、水素結合受容基であっても、水素結合供与基であってもよい。前記ノニオン性官能基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボニル基、エーテル基(−O−)、等を挙げることができる。
前記アニオン性官能基は、負電荷を帯びることができる官能基であれば特に制限はない。前記アニオン性官能基としては、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸基等を挙げることができる。
化合物(A)としては、例えば、環構造を有するアミン(例えば第1級アミン、第2級アミン等)が挙げられ、さらに具体的には、例えば、脂環式アミン、芳香族アミン、複素環(ヘテロ環)アミン等が挙げられる。前記の通り、化合物(A)は、分子内に複数の環構造を有していてもよく、複数の環構造は、同じであっても異なっていてもよい。環構造を有するアミン化合物としては、熱的に、より安定な化合物が得られ易いため、芳香環構造を有する化合物がより好ましい。
また、分子内に環構造を有する重量平均分子量90以上600以下のアミン化合物としては、架橋剤(B)とともにイミド構造、イミドアミド構造、アミド構造などの熱架橋構造の数を多くし易く、耐熱性をより高めることができる点から、1級アミノ基を2つ有するジアミン化合物、1級アミノ基を3つ有するトリアミン化合物等が好ましい。
脂環式アミンとしては、例えば、シクロヘキシルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミンなどが挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、ジアミノジフェニルエーテル、キシレンジアミン(好ましくはパラキシレンジアミン)、ジアミノベンゼン、ジアミノトルエン、メチレンジアニリン、ジメチルジアミノビフェニル、ビス(トリフルオロメチル)ジアミノビフェニル、ジアミノベンゾフェノン、ジアミノベンズアニリド、ビス(アミノフェニル)フルオレン、ビス(アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)ビフェニル、ジカルボキシジアミノジフェニルメタン、ジアミノレゾルシン、ジヒドロキシベンジジン、ジアミノベンジジン、1,3,5−トリアミノフェノキシベンゼン、2,2’−ジメチルベンジジン、トリス(4−アミノフェニル)アミン、2,7−ジアミノフルオレン、1,9−ジアミノフルオレン、ジベンジルアミンなどが挙げられる。
複素環アミンとしては、例えば、窒素原子を含有する複素環構造を有する複素環アミンとして、メラミン、アンメリン、メラム、メレム等が挙げられる。また、硫黄原子を含有する複素環構造を有する複素環アミンとしては、例えば、5−チアゾールアミン、2−アミノベンゾチアゾール等が挙げられる。
更に、複素環構造と芳香族複素環以外の芳香環構造との両方を有するアミン化合物としては、N2,N4,N6−トリス(4−アミノフェニル)―1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
化合物(A)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において、半導体用膜形成用組成物中における化合物(A)の含有量は、特に制限されないが、例えば、組成物全体に対して0.001質量%以上20質量%以下とすることができ、0.01質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
(架橋剤(B))
本実施形態に係る半導体用膜形成用組成物は、分子内に−C(=O)OX基(Xは、水素原子又は炭素数1以上6以下のアルキル基である)を3つ以上有し、3つ以上の−C(=O)OX基(以下、「COOX」とも称する。)のうち、1つ以上6つ以下が−C(=O)OH基(以下、「COOH」とも称する。)であり、重量平均分子量が200以上600以下である架橋剤(B)を含む。
架橋剤(B)は、分子内に−C(=O)OX基(Xは、水素原子又は炭素数1以上6以下のアルキル基である。)を3つ以上有する化合物であるが、好ましくは、分子内に−C(=O)OX基を3つ以上6つ以下有する化合物であり、より好ましくは、分子内に−C(=O)OX基を3つ又は4つ有する化合物である。
架橋剤(B)において、−C(=O)OX基中のXとしては、水素原子又は炭素数1以上6以下のアルキル基が挙げられ、中でも、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。なお、−C(=O)OX基中のXは互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
架橋剤(B)は、分子内にXが水素原子である−C(=O)OH基を1つ以上6つ以下有する化合物であるが、好ましくは、分子内に−C(=O)OH基を1つ以上4つ以下有する化合物であり、より好ましくは、分子内に−C(=O)OH基を2つ以上4つ以下有する化合物であり、更に好ましくは、分子内に−C(=O)OH基を2つ又は3つ有する化合物である。
架橋剤(B)は、重量平均分子量が200以上600以下の化合物である。好ましくは、200以上400以下の化合物である。
架橋剤(B)は、分子内に環構造を有することが好ましい。環構造としては、脂環構造、芳香環構造などが挙げられる。また、架橋剤(B)は、分子内に複数の環構造を有していてもよく、複数の環構造は、同じであっても異なっていてもよい。
脂環構造としては、例えば、炭素数3以上8以下の脂環構造、好ましくは炭素数4以上6以下の脂環構造が挙げられ、環構造内は飽和であっても不飽和であってもよい。より具体的には、脂環構造としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環などの飽和脂環構造;シクロプロペン環、シクロブテン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環、シクロオクテン環などの不飽和脂環構造が挙げられる。
芳香環構造としては、芳香族性を示す環構造であれば特に限定されず、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ペリレン環などのベンゼン系芳香環、ピリジン環、チオフェン環などの芳香族複素環(すなわち、芳香環構造かつ複素環構造である環構造)、フルオレン環、インデン環、アズレン環などの非ベンゼン系芳香環などが挙げられる。
複素環構造としては、ヘテロ原子として硫黄原子を含む複素環(例えば、チオフェン環)、又は、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環(例えば、ピロール環、ピロリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環等の5員環;イソシアヌル環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、トリアジン環等の6員環;インドール環、インドリン環、キノリン環、アクリジン環、ナフチリジン環、キナゾリン環、プリン環、キノキサリン環等の縮合環等)などが挙げられる。
架橋剤(B)が分子内に有する環構造としては、例えば、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ベンゼン環及びナフタレン環からなる群より選択される少なくとも1つが好ましく、半導体用膜形成用組成物から得られる膜の耐熱性をより高める点から、ベンゼン環及びナフタレン環の少なくとも一方がより好ましい。
前述したように、架橋剤(B)は、分子内に複数の環構造を有していてもよく、環構造がベンゼンの場合、ビフェニル構造、ベンゾフェノン構造、ジフェニルエーテル構造などを有してもよい。
架橋剤(B)は、分子内にフッ素原子を有することが好ましく、分子内に1つ以上6つ以下のフッ素原子を有することがより好ましく、分子内に3つ以上6つ以下のフッ素原子を有することが更に好ましい。例えば、架橋剤(B)は、分子内にフルオロアルキル基を有していてもよく、具体的には、トリフルオロアルキル基又はヘキサフルオロイソプロピル基を有していてもよい。
さらに、架橋剤(B)としては、脂環カルボン酸、ベンゼンカルボン酸、ナフタレンカルボン酸、ジフタル酸、フッ化芳香環カルボン酸などのカルボン酸化合物;脂環カルボン酸エステル、ベンゼンカルボン酸エステル、ナフタレンカルボン酸エステル、ジフタル酸エステル、フッ化芳香環カルボン酸エステルなどのカルボン酸エステル化合物が挙げられる。なお、カルボン酸エステル化合物は、分子内にカルボキシ基(−C(=O)OH基)を有し、かつ、3つ以上の−C(=O)OX基において、少なくとも一つのXが炭素数1以上6以下のアルキル基(すなわち、エステル結合を有する)である化合物である。本実施形態に係る半導体用膜形成用組成物では、架橋剤(B)がカルボン酸エステル化合物であることにより、組成物中における化合物(A)と架橋剤(B)との会合による凝集が抑制され、凝集体及びピットが少なくなり、かつ平滑性がより高い膜や膜厚の大きな膜を得ること及び膜厚の調整が容易となる。
前記カルボン酸化合物としては、−C(=O)OH基を4つ以下含む4価以下のカルボン酸化合物であることが好ましく、−C(=O)OH基を3つ又は4つ含む3価又は4価のカルボン酸化合物であることがより好ましい。
前記カルボン酸エステル化合物としては、分子内にカルボキシ基(−C(=O)OH基)を3つ以下含み、かつエステル結合を3つ以下含む化合物であることが好ましく、分子内にカルボキシ基を2つ以下含み、かつエステル結合を2つ以下含む化合物であることがより好ましい。
また、前記カルボン酸エステル化合物では、3つ以上の−C(=O)OX基において、Xが炭素数1以上6以下のアルキル基である場合、Xは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが好ましいが、組成物中における化合物(A)と架橋剤(B)との会合による凝集をより抑制する点から、エチル基又はプロピル基であることが好ましい。
前記カルボン酸化合物の具体例としては、これらに限定されないが、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、1,2,3,4,5,6−シクロヘキサンヘキサカルボン酸等の脂環カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸、ベンゼンペンタカルボン酸、メリト酸等のベンゼンカルボン酸;1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸等のナフタレンカルボン酸;3,3’,5,5’−テトラカルボキシジフェニルメタン、ビフェニル−3,3’,5,5’−テトラカルボン酸、ビフェニル−3,4’,5−トリカルボン酸、ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸;4,4’−オキシジフタル酸、3,4’−オキシジフタル酸、1,3−ビス(フタル酸)テトラメチルジシロキサン、4,4’−(エチン−1,2−ジニル)ジフタル酸(4,4'-(Ethyne-1,2-diyl)diphthalic acid)、4,4‘−(1,4−フェニレンビス(オキシ))ジフタル酸(4,4'-(1,4-phenylenebis(oxy))diphthalic acid)、4,4’−([1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジルビス(オキシ))ジフタル酸(4,4'-([1,1'-biphenyl]-4,4'-diylbis(oxy))diphthalic acid)、4,4’−((オキシビス(4,1−フェニレン))ビス(オキシ))ジフタル酸(4,4'-((oxybis(4,1-phenylene))bis(oxy))diphthalic acid)等のジフタル酸;ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸等のペリレンカルボン酸;アントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸等のアントラセンカルボン酸;4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸、9,9−ビス(トリフルオロメチル)−9H−キサンテン−2,3,6,7−テトラカルボン酸、1,4−ジトリフルオロメチルピロメリット酸等のフッ化芳香環カルボン酸;3,3',3''-(2,4,6-トリオキソ-1,3,5-トリアジン-1,3,5-トリル)トリプロピオン酸(3,3',3''-(2,4,6-trioxo-1,3,5-triazinane-1,3,5-triyl)tripropionic acid)等の複素環カルボン酸;等が挙げられる。
前記カルボン酸エステル化合物の具体例としては、前述のカルボン酸化合物の具体例における少なくとも1つのカルボキシ基がエステル基に置換された化合物が挙げられる。カルボン酸エステル化合物としては、例えば、下記一般式(B−1)〜(B−6)で表されるハーフエステル化された化合物が挙げられる。
Figure 0006884026
一般式(B−1)〜(B−6)におけるRは、炭素数1以上6以下のアルキル基であり、中でもメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましく、エチル基、プロピル基がより好ましい。
ハーフエステル化された化合物は、例えば、前述のカルボン酸化合物の無水物であるカルボン酸無水物を、アルコール溶媒に混合し、カルボン酸無水物を開環させて生成することが可能である。
本実施形態において、半導体用膜形成用組成物中における架橋剤(B)の含有量は、特に制限されないが、例えば、化合物(A)中の全窒素原子の数に対する架橋剤(B)中のカルボキシ基の数の比率(COOH/N)は、0.1以上3.0以下であることが好ましく、0.3以上2.5以下であることがより好ましく、0.4以上2.2以下であることが更に好ましい。COOH/Nが0.1以上3.0以下であることにより、半導体用膜形成用組成物を用いることで、加熱処理後に化合物(A)と架橋剤(B)との間にアミド、イミドなどの架橋構造を有し、耐熱性により優れた膜を製造することができる。
(添加剤(C))
本実施形態に係る半導体用膜形成用組成物は、アミノ基を有さずカルボキシ基を有する重量平均分子量46以上195以下の酸(C−1)及び環構造を有さず窒素原子を有する重量平均分子量17以上120以下の塩基(C−2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤(C)を含む。
半導体用膜形成用組成物は、添加剤(C)として、酸(C−1)のみを含んでもよく、塩基(C−2)のみを含んでもよく、酸(C−1)及び塩基(C−2)の両方を含んでもよい。
酸(C−1)は、アミノ基を有さずカルボキシ基を有する重量平均分子量46以上195以下の酸である。本実施形態に係る半導体用膜形成用組成物は、添加剤(C)として酸(C−1)を含むことにより、化合物(A)におけるアミノ基と酸(C−1)におけるカルボキシ基とがイオン結合を形成することで、化合物(A)と架橋剤(B)との会合による凝集が抑制されると推測される。より詳細には、化合物(A)におけるアミノ基に由来するアンモニウムイオンと酸(C−1)におけるカルボキシ基に由来するカルボキシラートイオンとの相互作用(例えば、静電相互作用)が、化合物(A)におけるアミノ基に由来するアンモニウムイオンと架橋剤(B)におけるカルボキシ基に由来するカルボキシラートイオンとの相互作用よりも強いため、凝集が抑制されると推測される。なお、本発明は上記推測によって何ら限定されない。
酸(C−1)としては、アミノ基を有さず、カルボキシ基を有し、かつ重量平均分子量46以上195以下の化合物であれば特に限定されず、モノカルボン酸化合物、ジカルボン酸化合物、オキシジカルボン酸化合物などが挙げられる。より具体的には、酸(C−1)としては、ギ酸、酢酸、マロン酸、シュウ酸、クエン酸、安息香酸、乳酸、グリコール酸、グリセリン酸、酪酸、メトキシ酢酸、エトキシ酢酸、フタル酸、テレフタル酸、ピコリン酸、サリチル酸、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸などが挙げられる。
本実施形態において、半導体用膜形成用組成物中における酸(C−1)の含有量は、特に制限されないが、例えば、化合物(A)中の全窒素原子の数に対する酸(C−1)中のカルボキシ基の数の比率(COOH/N)が、0.01以上10以下であることが好ましく、0.02以上6以下であることがより好ましく、0.5以上3以下が更に好ましい。
塩基(C−2)は、環構造を有さず窒素原子を有する重量平均分子量17以上120以下の塩基である。本実施形態に係る半導体用膜形成用組成物は、添加剤(C)として塩基(C−2)を含むことにより、架橋剤(B)におけるカルボキシ基と塩基(C−2)におけるアミノ基とがイオン結合を形成することで、化合物(A)と架橋剤(B)との会合による凝集が抑制されると推測される。より詳細には、架橋剤(B)におけるカルボキシ基に由来するカルボキシラートイオンと塩基(C−2)におけるアミノ基に由来するアンモニウムイオンとの相互作用が、化合物(A)におけるアミノ基に由来するアンモニウムイオンと架橋剤(B)におけるカルボキシ基に由来するカルボキシラートイオンとの相互作用よりも強いため、凝集が抑制されると推測される。なお、本発明は上記推測によって何ら限定されない。
塩基(C−2)としては、環構造を有さず、窒素原子を有し、かつ重量平均分子量17以上120以下の化合物であれば特に限定されず、モノアミン化合物、ジアミン化合物などが挙げられる。より具体的には、塩基(C−2)としては、アンモニア、エチルアミン、エタノールアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、N−アセチルエチレンジアミン、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、N−(2−アミノエチル)グリシンなどが挙げられる。
本実施形態において、半導体用膜形成用組成物中における塩基(C−2)の含有量は、特に制限されないが、例えば、架橋剤(B)中のカルボキシ基の数に対する塩基(C−2)中の窒素原子の数の比率(N/COOH)が、0.5以上15以下であることが好ましく、0.9以上10以下であることがより好ましい。また、架橋剤(B)において、−C(=O)OX基中のXとして炭素数1以上6以下のアルキル基を有する場合、架橋剤(B)中のカルボキシ基の数に対する塩基(C−2)中の窒素原子の数の比率(N/COOH)が、5以上10以下であることがさらに好ましい。
(極性溶媒(D))
本実施形態に係る半導体用膜形成用組成物は、極性溶媒(D)を含む。ここで、極性溶媒(D)とは、室温(25℃)における比誘電率が5以上である溶媒を指す。極性溶媒(D)としては、具体的には、水、重水などのプロトン性無機化合物;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類;フルフラール、アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサンなどのアルデヒド・ケトン類;無水酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、ホルムアルデヒド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル-2-ピロリドン、ヘキサメチルリン酸アミドなどの酸誘導体;アセトニトリル、プロピロニトリルなどのニトリル類;ニトロメタン、ニトロベンゼンなどのニトロ化合物;ジメチルスルホキシドなどの硫黄化合物;等が挙げられる。極性溶媒(D)としては、プロトン性溶媒を含むことが好ましく、水を含むことがより好ましく、超純水を含むことが更に好ましい。
半導体用膜形成用組成物中における極性溶媒(D)の含有量は、特に限定されないが、例えば、組成物全体に対して1.0質量%以上99.99896質量%以下が挙げられ、40質量%以上99.99896質量%以下であることが好ましい。
(その他の成分)
本実施形態に係る半導体用膜形成用組成物は、ナトリウム及びカリウムの含有量がそれぞれ元素基準で10質量ppb以下であることが好ましい。ナトリウム又はカリウムの含有量がそれぞれ元素基準で10質量ppb以下であれば、トランジスタの動作不良など半導体装置の電気特性に不都合が発生することを抑制できる。
本実施形態に係る半導体用膜形成用組成物は、極性溶媒(D)以外の溶媒を含んでいてもよく、例えば、ノルマルヘキサンなどが挙げられる。
また、本実施形態に係る半導体用膜形成用組成物は、例えば銅の腐食を抑制するため、ベンゾトリアゾール又はその誘導体を含有していてもよい。
本実施形態に係る半導体用膜形成用組成物のpHとしては、特に限定されないが、2.0以上12.0以下であることが好ましい。
〔半導体用膜形成用組成物の製造方法〕
以下、本発明の一実施形態に係る半導体用膜形成用組成物の製造方法について説明する。本実施形態に係る半導体用膜形成用組成物の製造方法は、化合物(A)と、架橋剤(B)と、カルボキシ基を有する重量平均分子量46以上195以下の酸(C−1)及び窒素原子を有する重量平均分子量17以上120以下の環構造を有さない塩基(C−2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤(C)と、を混合する混合工程を含む。なお、添加剤(C)を添加するタイミングは特に限定されない。
なお、前述のように、半導体用膜形成用組成物は、極性溶媒(D)を含んでいるが、半導体用膜形成用組成物を製造する任意のタイミングにて、極性溶媒(D)を添加してもよい。すなわち、化合物(A)、架橋剤(B)、及び添加剤(C)にそれぞれ極性溶媒(D)を添加してもよく、これらの混合物(例えば、化合物(A)と添加剤(C)との混合物、架橋剤(B)と添加剤(C)との混合物、化合物(A)と架橋剤(B)と添加剤(C)との混合物等)に極性溶媒(D)を添加してもよい。また、その他の成分を添加するタイミングも特に限定されない。
また、添加剤(C)として酸(C−1)を添加する場合、混合工程は、酸(C−1)と化合物(A)との混合物と、架橋剤(B)と、を混合する工程であることが好ましい。すなわち、化合物(A)と架橋剤(B)とを混合する前に、化合物(A)と酸(C−1)とを予め混合しておくことが好ましい。これにより、化合物(A)と架橋剤(B)とを混合した際に、組成物の白濁及びゲル化(ゲル化すると組成物の透明化に時間がかかる場合があり、好ましくない)を好適に抑制することができる。
また、添加剤(C)として塩基(C−2)を添加する場合、混合工程は、塩基(C−2)と架橋剤(B)との混合物と、化合物(A)と、を混合する工程であることが好ましい。すなわち、化合物(A)と架橋剤(B)とを混合する前に、架橋剤(B)と塩基(C−2)とを予め混合しておくことが好ましい。これにより、化合物(A)と架橋剤(B)とを混合した際に、組成物の白濁及びゲル化(ゲル化すると組成物の透明化に時間がかかる場合があり、好ましくない)を好適に抑制することができる。
〔半導体用部材の製造方法〕
以下、本実施形態に係る半導体用部材の製造方法について説明する。本実施形態に係る半導体用部材の製造方法は、半導体用膜形成用組成物を基板に付与する付与工程と、半導体用膜形成用組成物が付与された基板を温度100℃以上425℃以下(好ましくは250℃以上425℃以下)の条件で加熱する加熱工程と、を有する。
<付与工程>
本実施形態における付与工程は、半導体用膜形成用組成物を基板に付与する工程である。
基板としては、シリコン基板等の半導体基板、ガラス基板、石英基板、ステンレス基板、プラスチック基板等が挙げられる。基板の形状も特に制限されず、板状、皿状等のいずれであってもよい。例えば、シリコン基板としては、層間絶縁層(Low−k膜)が形成されたシリコン基板であってもよく、また、シリコン基板には、微細な溝(凹部)、微細な貫通孔などが形成されていてもよい。
本実施形態における付与工程において、半導体用膜形成用組成物を付与する方法としては特に制限はなく、通常用いられる方法を用いることができる。
通常用いられる方法としては、例えば、ディッピング法、スプレー法、スピンコート法、バーコード法などが挙げられる。例えば、ミクロンサイズの膜厚を有する膜を形成する場合、バーコード法を用いることが好ましく、ナノサイズ(数nm〜数百nm)の膜厚を有する膜を形成する場合、スピンコート法を用いることが好ましい。
例えば、スピンコート法による半導体用膜形成用組成物の付与方法としては特に限定はなく、例えば、基板をスピンコーターで回転させながら、基板の表面に半導体用膜形成用組成物を滴下し、次いで基板の回転数を上げて乾燥させる方法を用いることができる。
スピンコート法による半導体用膜形成用組成物の付与方法において、基板の回転数、半導体用膜形成用組成物の滴下量及び滴下時間、乾燥時の基板の回転数などの諸条件については特に制限はなく、形成する膜の厚さなどを考慮しながら適宜調整できる。
<乾燥工程>
本実施形態に係る製造方法は、後述する加熱工程の前に、半導体用膜形成用組成物が付与された基板を、温度80℃以上250℃以下の条件で乾燥する乾燥工程を有していてもよい。なお、前記温度は、基板の半導体用膜形成用組成物が付与された面の温度を指す。
上記温度は、90℃以上200℃以下がより好ましく、100℃以上150℃以下がより好ましい。
本工程における乾燥は通常の方法によって行うことができるが、例えばホットプレートを用いて行うことができる。
本工程における乾燥を行う雰囲気には特に制限はなく、例えば、大気雰囲気下で行ってもよいし、不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等)雰囲気下で行なってもよい。
乾燥時間については特に制限はないが、300秒以下が好ましく、200秒以下がより好ましく、120秒以下が更に好ましく、80秒以下が特に好ましい。
乾燥時間の下限には特に制限はないが、下限は、例えば10秒(好ましくは20秒、より好ましくは30秒)とすることができる。
<洗浄工程>
本実施形態に係る製造方法は、後述する加熱工程の前に、基板に付与された余分な半導体用膜形成用組成物を除去するために、半導体用膜形成用組成物が付与された基板を水等で洗浄する洗浄工程を有していてもよい。また、本実施形態に係る製造方法が、前述の乾燥工程を有する場合、乾燥工程の後に、洗浄工程を行うことが好ましい。
<加熱工程>
本実施形態に係る製造方法は、更に、半導体用膜形成用組成物が付与された基板を、温度100℃以上425℃以下の条件で加熱する加熱工程を有する。
なお、前記温度は、基板の半導体用膜形成用組成物が付与された面の温度を指す。
この加熱工程を有することにより、化合物(A)と架橋剤(B)とが加熱により反応して反応物が得られ、その反応物を含む膜が形成される。
前記温度は、200℃以上425℃以下が好ましく、250℃以上400℃以下がより好ましく、300℃以上400℃以下がさらに好ましい。
また、加熱工程における加熱が行なわれる圧力には特に制限はないが、絶対圧17Pa超大気圧以下が好ましい。
前記絶対圧は、1000Pa以上大気圧以下がより好ましく、5000Pa以上大気圧以下が更に好ましく、10000Pa以上大気圧以下が特に好ましい。
加熱工程における加熱は、炉又はホットプレートを用いた通常の方法により行うことができる。炉としては、例えば、アペックス社製のSPX−1120、光洋サーモシステム(株)製のVF−1000LP等を用いることができる。
また、本工程における加熱は、大気雰囲気下で行なってもよく、不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等)雰囲気下で行なってもよい。
加熱工程における加熱時間については特に制限はないが、例えば1時間以下であり、30分間以下が好ましく、10分間以下がより好ましく、5分間以下が特に好ましい。加熱の時間の下限には特に制限はないが、例えば0.1分間とすることができる。
加熱工程時間を短縮させる目的で、基板の半導体用膜形成用組成物が付与された面に紫外線照射を行ってもよい。紫外線としては波長170nm〜230nmの紫外光、波長222nmエキシマ光、波長172nmエキシマ光などが好ましい。また不活性ガス雰囲気下で紫外線照射を行うことが好ましい。
<半導体用部材の例>
半導体用部材の例としては、基板に形成された凹部にギャップフィル材料(埋め込み平坦化膜)が充填された半導体用部材、基板に形成された凹部に絶縁材料(埋め込み絶縁膜)が充填された半導体用部材、多孔質材料などの低誘電率材料を含む基板と金属との間に絶縁性、密着性、ポアシール性などを有するバリア材料(バリア膜)が設けられた半導体用部材、シリコン貫通ビア基板のビア側壁において、金属とシリコン基板との間又は金属と絶縁膜との間に設けられ、密着性、絶縁性を有する絶縁膜(シリコン貫通ビア用絶縁膜)が設けられた半導体用部材、反転レジスト形成用の半導体用部材などが挙げられる。
基板に形成された凹部に埋め込み平坦化膜が充填された半導体用部材では、埋め込み平坦化膜の厚さは、例えば、30nm以上200nm以下であり、好ましくは50nm以上150nm以下である。
なお、この半導体用部材は、銅多層配線をデュアルダマシンプロセスにて形成する際、例えばビアファーストプロセスにおいて、ビアに埋め込み平坦化膜が設けられた部材として用いることができる。
また、凹部の幅が狭く、アスペクト比(深さ/幅)の大きな溝に埋め込み平坦化膜を形成する場合には、溝への充填性を高める点から、本実施形態に係る半導体用膜形成用組成物を凹部に付与(好ましくは、スピンコート法により付与)して埋め込み平坦化膜を形成することが好ましい。
基板に形成された凹部に埋め込み絶縁膜が充填された半導体用部材では、埋め込み絶縁膜の厚さは、例えば、30nm以上200nm以下であり、好ましくは50nm以上150nm以下である。
なお、この半導体用部材としては、例えば、絶縁性を有する埋め込み絶縁膜をシリコン基板の溝に設けて素子分離領域を形成する手法(STI:シャロートレンチアイソレーション)を用いた部材、絶縁性を有する埋め込み絶縁膜を予め形成されたMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)などのスイッチング素子間に設けた部材、絶縁性を有する埋め込み絶縁膜をMOSFET上にプリメタル絶縁膜(PMD)として設けた部材、絶縁性を有する埋め込み絶縁膜を予め形成された最下層配線(W、Ti/TiN/AlCu/TiNなど)の間に設けた部材、絶縁性を有する埋め込み絶縁膜を最下層配線上にインターメタル絶縁膜(IMD)として設けた部材、絶縁性を有する埋め込み絶縁膜を予め形成された銅配線間の溝に配線層間絶縁膜(ILD)として設けた部材などが挙げられる。
また、凹部の幅が狭く、アスペクト比(深さ/幅)の大きな溝に埋め込み絶縁膜を形成する場合には、溝への充填性を高める点から、本実施形態に係る半導体用膜形成用組成物を凹部に付与(好ましくは、スピンコート法により付与)して埋め込み絶縁膜を形成することが好ましい。
多孔質材料などの低誘電率材料を含む基板と金属との間に、絶縁性、密着性、ポアシール性などを有するバリア膜が設けられた半導体用部材では、バリア膜の厚さは、例えば、0.5nm以上15nm以下であり、好ましくは1.5nm以上12nm以下である。この半導体用部材は、例えば、基板に形成された貫通孔の壁面と、貫通孔に配置された金属と、の間に密着層となるバリア膜が設けられた部材であってもよい。
シリコン貫通ビア基板のビア側壁において金属とシリコン基板との間にシリコン貫通ビア用絶縁膜が設けられた半導体用部材では、シリコン貫通ビア絶縁膜の厚さは、例えば、100nm以上5μm以下であり、好ましくは500nm以上2μm以下である。
シリコン貫通ビア基板のビア側壁において金属と絶縁膜との間にシリコン貫通ビア用絶縁膜が設けられた半導体用部材では、シリコン貫通ビア絶縁膜の厚さは、例えば、0.5nm〜100nmであり、好ましくは1nm〜30nmである。
〔半導体用工程材の製造方法〕
以下、本実施形態に係る半導体用工程材の製造方法について説明する。本実施形態に係る半導体用工程材の製造方法は、半導体用膜形成用組成物を基板に付与する付与工程と、半導体用膜形成用組成物が付与された基板を温度100℃以上425℃以下(好ましくは250℃以上425℃以下)の条件で加熱する加熱工程を有する。
なお、半導体用工程材の製造方法の各工程は、前述の半導体用部材の製造方法の各工程と同様であるため、その説明を省略する。
<半導体用工程材の例>
半導体用工程材としては、半導体装置の製造工程にて一時的に形成され、後工程にて除去される犠牲膜などが挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下において、「水」としては、超純水(Millipore社製Milli−Q水、抵抗18MΩ・cm(25℃)以下)を使用した。
<混合試験>
実施例1〜実施例4の半導体用膜形成用組成物を調製した。詳細は以下に示す通りである。なお、混合工程においては、化合物(A)の溶液、化合物(A)に酸(C−1)を加えた溶液、架橋剤(B)の溶液、及び架橋剤(B)に塩基(C−2)を加えた溶液の各溶液に沈殿物がないことを確認してから混合した。
同様にして、比較例1〜比較例3の組成物を調製した。詳細は以下に示す通りである。なお、混合工程においては、化合物(A)の溶液及び架橋剤(B)の各溶液に沈殿物がないことを確認してから混合した。
〔実施例1〕
化合物(A)であるパラキシレンジアミン(以下「pXDA」ともいう)を、水と1−プロパノール(以下「1PrOH」ともいう)との混合溶媒に溶解した後、一晩静置し、pXDA溶液1を得た。
架橋剤(B)である1,3,5−ベンゼントリカルボン酸(以下「135BTC」ともいう)に、塩基(C−2)であるエチルアミン(以下「EA」ともいう)と水とを混合させて、135BTCとEAとの混合溶液1とした。
次いで、pXDA溶液1、135BTCとEAとの混合溶液1、及び水を表1に示す濃度となるように混合して、半導体用膜形成用組成物を調製した。
〔実施例2〕
化合物(A)であるpXDAを、水と1PrOHとの混合溶媒に溶解した後、一晩静置し、pXDA溶液2を得た。
架橋剤(B)である1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(以下「124BTC」ともいう)に、塩基(C−2)であるEAと水とを混合させて、124BTCとEAとの混合溶液2とした。
次いで、pXDA溶液2、124BTCとEAとの混合溶液2、及び水を表1に示す濃度となるように混合して、半導体用膜形成用組成物を調製した。
〔実施例3〕
化合物(A)であるpXDAを、水とエタノール(以下「EtOH」ともいう)との混合溶媒に溶解した後、一晩静置し、pXDA溶液3を得た。
架橋剤(B)であるエチルハーフエステルオキシジフタル酸(以下「eheOPDA」ともいう)に、塩基(C−2)であるアンモニア(以下「NH3」ともいう)とEtOHと水を混合させて、eheOPDAとNH3との混合溶液3とした。
次いで、pXDA溶液3、eheOPDAとNH3との混合溶液3、及び水を表1に示す濃度となるように混合して、半導体用膜形成用組成物を調製した。
〔実施例4〕
化合物(A)である2,7−ジアミノフルオレン(以下「DAF」ともいう)を、酸(C−1)である酢酸(以下「AA」ともいう)と水とエタノール(EtOH)との混合溶媒に溶解した後、一晩静置し、DAFとAAとの混合溶液4を得た。
架橋剤(B)であるエチルハーフエステルオキシジフタル酸(eheOPDA)とエチルハーフエステルベンゾフェノンテトラカルボン酸(以下「eheBTDA」ともいう)とをそれぞれEtOHに溶解させて、eheOPDA溶液4及びeheBTDA溶液4とした。
次いで、DAFとAAとの混合溶液4、eheOPDA溶液4、eheBTDA溶液4、及び水を表2に示す濃度となるように混合して、半導体用膜形成用組成物を調製した。
〔比較例1〕
化合物(A)であるパラキシレンジアミン(pXDA)を、水と1−プロパノール(1PrOH)との混合溶媒に溶解した後、一晩静置し、pXDA溶液C1を得た。
架橋剤(B)である1,3,5−ベンゼントリカルボン酸(135BTC)を、EtOHに溶解した後、一晩静置し、135BTC溶液C1を得た。
次いで、pXDA溶液C1、135BTC溶液C1、1PrOH、及び水を表1に示す濃度となるように混合して、半導体用膜形成用組成物を調製した。
〔比較例2〕
化合物(A)であるパラキシレンジアミン(pXDA)を、水と1−プロパノール(1PrOH)との混合溶媒に溶解した後、一晩静置し、pXDA溶液C2を得た。
架橋剤(B)である1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(124BTC)を、EtOHに溶解した後、一晩静置し、124BTC溶液C2を得た。
次いで、pXDA溶液C2、124BTC溶液C2、1PrOH、及び水を表1に示す濃度となるように混合して、半導体用膜形成用組成物を調製した。
〔比較例3〕
化合物(A)であるパラキシレンジアミン(pXDA)を、水とエタノール(EtOH)との混合溶媒に溶解した後、一晩静置し、pXDA溶液C3を得た。
架橋剤(B)であるエチルハーフエステルピロメリット酸(以下「ehePMA」ともいう)を、EtOHに溶解した後、一晩静置し、ehePMA溶液C3を得た。
次いで、pXDA溶液C3、ehePMA溶液C3、1PrOH、及び水を表1に示す濃度となるように混合して、半導体用膜形成用組成物を調製した。
なお、表1中では、pXDA(3質量%)、pXDA(1質量%)、及びDAF(1.7質量%)におけるカッコ内の濃度は、組成物中におけるpXDA及びDAFの濃度を表している。
また、表1中、135BTC[1]、124BTC[1.5]、ehePMA[1]、eheOPDA[1]、eheOPDA[0.5]、及びeheBTDA[0.5]におけるカッコ内の数値は、化合物(A)中の全窒素原子の数に対する、135BTC、124BTC、ehePMA、及びeheOPDA中のカルボキシ基の数の比率(COOH/N)を表している。表2〜表4についても同様である。
また、表1中、EA<1.1>及びNH3<8>のカッコ内の数値は、架橋剤(B)中のカルボキシ基の数に対するEA及びNH3中の窒素原子の数の比率(N/COOH)を表している。表2〜表4についても同様である。
また、表1中、AA{0.52}のカッコ内の数値は、化合物(A)中の全窒素原子の数に対するAA中のカルボキシ基の数の比率(COOH/N)を表している。表2〜表4についても同様である。
また、表1中、1PrOH(50質量%)、EtOH(29.3質量%)、1PrOH(12質量%)、1PrOH(33.3質量%)、EtOH(44.1質量%)、EtOH(22.1質量%)、1PrOH(71質量%)、EtOH(60.3質量%)、及びEtOH(74.6質量%)におけるカッコ内の濃度は、組成物中における1PrOH及びEtOHの濃度を表している。表2〜表4についても同様である。
調整した、半導体用膜形成用組成物の白濁の有無を目視で観察した、結果を表1に示す。
Figure 0006884026
実施例1〜4では、半導体用膜形成用組成物が白濁せず、透明性を維持することができた。白濁せずに凝集が抑制された半導体用膜形成用組成物を用いて膜を形成することで、凹凸の少ない平滑な膜が形成できることが推測される。
比較例1〜3では、化合物(A)と架橋剤(B)との混合溶液は白濁していた。
<半導体用膜形成用組成物の調製>
〔実施例5〜8、比較例4〜6〕
<膜の形成>
実施例5〜8、比較例4〜6では、実施例1〜4、比較例1〜3で調整した半導体用膜形成用組成物を用いて、膜を形成した。
半導体用膜形成用組成物(以下、「組成物」とも称する。)を塗布する基板としてシリコン基板を準備した。シリコン基板をスピンコーターの上にのせ、各実施例及び各比較例で調製した組成物1.0mLを10秒間一定速度で滴下し、13秒間保持した後、2000rpm(rpmは回転速度)で1秒間、600rpmで30秒間回転させた後、2000rpmで10秒間回転させて乾燥させた。このようにして、シリコン基板上に膜を形成した。
次いで、大気中において125℃で1分乾燥後、窒素雰囲気(30kPa)下において、300℃で10分間、膜を加熱した後、さらに、400℃で10分間、膜を加熱した(つまり、同じサンプルを連続処理した)。
<屈折率、消衰係数、及び膜厚の測定>
上記400℃で10分間加熱後のサンプルにおいて、シリコン基板上に形成された膜の屈折率及び消衰係数を測定した。屈折率及び消衰係数は、エリプソメーターを使用して測定した。膜厚は、エリプソメーターによる測定で得られた光学データより計算した。空気/(コーシー+ローレンツ振動子モデル)/自然酸化膜/シリコン基板の光学モデルでフィッティングすることで膜厚を求めた。
結果を表2に示す。
表2において、「N633」は波長633nmにおける屈折率を表す。
表2において、「K633」は波長633nmにおける消衰係数を表す。
<架橋構造>
膜の架橋構造をFT−IR(フーリエ変換赤外分光法)で測定した。用いた分析装置は以下のとおりである。
〜FT−IR分析装置〜
赤外吸収分析装置(DIGILAB Excalibur(DIGILAB社製))
〜測定条件〜
IR光源:空冷セラミック、
ビームスプリッター:ワイドレンジKBr、
検出器:ペルチェ冷却DTGS、
測定波数範囲:7500cm−1〜400cm−1
分解能:4cm−1
積算回数:256、
バックグラウンド:Siベアウェハ使用、
測定雰囲気:N(10L/min)、
IR(赤外線)の入射角:72°(=Siのブリュースター角)
〜判断条件〜
イミド結合は1770cm−1、1720cm−1の振動ピークの存在で判断した。アミド結合は1650cm−1、1520cm−1の振動ピークの存在で判断した。
結果を表2に示す。
<SEM形態観察(平滑性)>
膜の平滑性をSEMによる形態観察で評価した。走査型電子顕微鏡(SEM)であるS−5000(日立製作所製)を用い、加速電圧3kV、200,000倍、500nm幅視野で測定した。平均膜厚に対して、最大膜厚と最小膜厚との差が25%以下である場合には「平滑性あり」と判断し、評価を「A」とした。また、最大膜厚と最小膜厚との差が25%を超える場合の評価を「B」とした。
結果を表2に示す。
各実施例及び各比較例に係る半導体用膜形成用組成物を用いて形成した膜における各物性の測定結果及び評価結果を表2に示す。なお、平滑性の評価が「B」である比較例4、比較例5、及び比較例6においては、膜厚、屈折率、及び消衰係数の測定が困難であるため行っておらず、架橋構造の測定も行わなかった。
Figure 0006884026
実施例5、実施例6、実施例7、及び実施例8では、SEM形態観察の結果、膜は平滑であった。
一方、比較例4〜6では、膜表面が鏡面にならないか、あるいは微小なピンホールが多数存在し、平滑ではなかった。
<トレンチにおける充填性>
〔比較例7〕
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下「BPDA」ともいう)とパラフェニレンジアミン(以下「pDA」ともいう)とをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶媒中で反応させる事により、BPDAとpDAとからなるポリアミック酸(2.5質量%)を常法にて調整した。
次に、100nm幅、200nm深さのトレンチパターンを設けた酸化ケイ素基板に、組成物0.5mLを10秒間一定速度で滴下し、23秒間保持した後、2000rpmで1秒間、600rpmで30秒間回転させた後、2000rpmで10秒間回転させて乾燥させた。次いで、滴下された組成物を100℃で1分間乾燥後、300℃で10分間加熱し、更に400℃で10分間加熱処理を行った。
そして、断面SEMでトレンチに組成物が充填されているか観察した。充填された面積がトレンチ内面積の90%以上である場合をA(充填性が良好)とし、充填された面積がトレンチ内面積の90%未満である場合をBとした。
結果を表3に示す。
〔実施例9〕
比較例7で調整した組成物のかわりに、実施例4で調整した半導体用膜形成用組成物を用いたこと以外は、比較例7と同様の方法で充填性を評価した。
結果を表3に示す。
Figure 0006884026
比較例7の組成物からはポリイミド膜が形成されるが、埋め込み性試験の結果、100nm幅トレンチにおいてボイドが観察された。
実施例9では、化合物(A)と、架橋剤(B)と、酸(C−1)の混合液からなる半導体用膜形成用組成物を用いた場合には、100nm幅トレンチにおいて良好な充填特性が観察された。
<分解温度評価>
〔実施例10〜12〕
実施例1〜3と同じ半導体用膜形成用組成物を用いて、分解温度評価を行った。
(評価方法)
ポリマーの分解温度評価は、以下の方法で行った。
実施例1〜3で用意した各試料100mgを試料カップに入れ、熱重量測定装置(島津製作所社製:DTG−60(型番))を用いて、窒素雰囲気で30℃から550℃まで昇温速度30℃/分で加熱し、各温度での質量を測定した。300℃における質量から10%減少したときの温度を表4に示す。
Figure 0006884026
300℃まで昇温した段階で、各試料は固体になっており、さらに昇温することで、固体となったポリマーが分解すると重量減少が起こる。300℃における質量から10%減少したときの温度で分解温度を評価した。
表4中に示されるように、化合物(A)と架橋剤(B)と塩基(C−2)を含有する実施例10〜12の組成物から得られる固体は、350℃以上の高い分解温度を有していた。
この結果から、化合物(A)と架橋剤(B)と塩基(C−2)を含有する実施例10〜12の組成物を用いることで、分解温度が高いポリマー膜を形成できることが示された。

Claims (11)

  1. 環構造と1級窒素原子及び2級窒素原子の少なくとも1つを含むカチオン性官能基とを有し、重量平均分子量が90以上600以下である化合物(A)と、
    分子内に−C(=O)OX基(Xは、水素原子又は炭素数1以上6以下のアルキル基である)を3つ以上有し、3つ以上の−C(=O)OX基のうち、1つ以上6つ以下が−C(=O)OH基であり、重量平均分子量が200以上600以下である架橋剤(B)と、
    アミノ基を有さずカルボキシ基を有する重量平均分子量46以上195以下の酸(C−1)及び環構造を有さず窒素原子を有する重量平均分子量17以上120以下の塩基(C−2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤(C)と、
    極性溶媒(D)と、
    を含み、極性溶媒(D)が水を含有する半導体用膜形成用組成物。
  2. さらに、前記架橋剤(B)は、分子内に環構造を有する、請求項1に記載の半導体用膜形成用組成物。
  3. 前記架橋剤(B)が有する環構造は、ベンゼン環及びナフタレン環の少なくとも一方である、請求項2に記載の半導体用膜形成用組成物。
  4. さらに、前記架橋剤(B)は、前記3つ以上の−C(=O)OX基において、少なくとも1つのXが炭素数1以上6以下のアルキル基である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の半導体用膜形成用組成物。
  5. 基板に形成された凹部の充填材料に用いられる、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の半導体用膜形成用組成物。
  6. 多層レジスト法に用いられる、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の半導体用膜形成用組成物。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の半導体用膜形成用組成物を製造する製造方法であって、
    前記化合物(A)と、前記架橋剤(B)と、前記添加剤(C)と、を混合する混合工程を含む半導体用膜形成用組成物の製造方法。
  8. 前記添加剤(C)は、アミノ基を有さずカルボキシ基を有する重量平均分子量46以上195以下の酸(C−1)を少なくとも含み、
    前記混合工程は、前記酸(C−1)と前記化合物(A)との混合物と、前記架橋剤(B)と、を混合する工程である請求項7に記載の半導体用膜形成用組成物の製造方法。
  9. 前記添加剤(C)は、環構造を有さず窒素原子を有する重量平均分子量17以上120以下の塩基(C−2)を少なくとも含み、
    前記混合工程は、前記塩基(C−2)と前記架橋剤(B)との混合物と、前記化合物(A)と、を混合する工程である請求項7に記載の半導体用膜形成用組成物の製造方法。
  10. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の半導体用膜形成用組成物を用いて半導体用部材を製造する製造方法であって、
    前記半導体用膜形成用組成物を基板に付与する付与工程と、
    前記半導体用膜形成用組成物が付与された前記基板を温度100℃以上425℃以下の条件で加熱する加熱工程と、
    を有する、半導体用部材の製造方法。
  11. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の半導体用膜形成用組成物を用いて半導体用工程材を製造する製造方法であって、
    前記半導体用膜形成用組成物を基板に付与する付与工程と、
    前記半導体用膜形成用組成物が付与された前記基板を温度100℃以上425℃以下の条件で加熱する加熱工程と、
    を有する、半導体用工程材の製造方法。
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