JP6882517B2 - 回転工具 - Google Patents
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Description
本出願は、2017年11月29日に出願された日本国特許出願2017−229145号の優先権を主張するものであり、この先の出願の開示全体を、ここに参照のために取り込む。
本態様は、回転工具に関する。
被削材に穴あけ加工を行うための回転工具として、例えば、特開2007−7831号公報(特許文献1)に記載のドリルが知られている。特許文献1に記載のドリルは、先端の側に位置する小径部と、小径部の先端に位置する先端切れ刃と、後端の側に位置する大径部と、小径部と大径部との間に位置して径寸法が先端の側から後端の側に向かうにつれて連続的に大きくなっている段部と、段部に位置する段部切れ刃とを有している。
特許文献1に記載のドリルにおいては、段部切れ刃が10〜25°の範囲で傾斜している。これにより、切れ味及び耐久性が向上している。しかしながら、近年、切れ味及び耐久性の更なる向上が求められている。
一態様の回転工具は、第1端から第2端に向かって回転軸に沿って延びた棒形状であって、前記第1端を含む第1部位と、第2部位と、第3部位と、第1刃と、溝と、外周面領域と、を有する本体を備えている。前記第2部位は、前記第1部位よりも前記第2端の側に位置して、前記第1部位よりも外径が大きい。前記第3部位は、前記第1部位及び前記第2部位の間に位置して、前記第1部位の側から前記第2部位の側に向かうにつれて外径が大きくなっている部分を有する。前記第1刃は、前記第1端に位置する。前記溝は、前記第1刃から前記第2端に向かって延び、前記第1部位、前記第3部位及び前記第2部位にかけて位置する。前記外周面領域は、前記溝に沿いながら前記第1部位、前記第3部位及び前記第2部位にかけて位置する。また、前記外周面領域は、前記溝よりも回転方向の後方に位置している。また、前記第3部位における前記外周面領域は、第1部を有する。前記第3部位は、ランド面と、第2刃とを有している。前記ランド面は、前記溝及び前記第1部の間に位置する。前記第2刃は、前記第1部及び前記ランド面が交わる稜線に位置する。前記ランド面は、第1領域と第2領域とを有している。前記第1領域は、前記第1端の側から前記第2端の側に向かうにつれて、前記溝及び前記ランド面のなす稜線に直交する方向における幅が大きくなっている。前記第2領域は、前記第1領域よりも前記第2端の側に位置しており、かつ、前記第1端の側から前記第2端の側に向かうにつれて、前記溝及び前記ランド面のなす稜線に直交する方向における幅が小さくなっている。
以下、実施形態の回転工具について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、以下で参照する各図は、説明の便宜上、実施形態を構成する部材における主要な部材のみを簡略化して示したものである。したがって、回転工具は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各部材の寸法比率を忠実に表したものではない。
図1〜図14においては、回転工具1の一例として2段の段付きドリルを示している。なお、実施形態の回転工具1は、2段の段付きドリルに限定されるものではなく、例えば3段以上の穴あけドリル、エンドミル又はリーマであってもよい。
実施形態の回転工具1における本体3は、図1に示すように、第1端3aから第2端3bに向かって回転軸Xに沿って延びた棒形状である。棒形状の本体3は、切削加工物を製造するための被削材の切削加工時において、図1に示すように回転軸Xを中心に矢印Yの方向に回転する。
図3及び図4においては、本体3の左側の端部が第1端3a、右側の端部が第2端3bである。以下、切削加工時の回転工具1の使用状況に対応して、第1端3aを先端3a、第2端3bを後端3bと記載して説明する。
本体3は、切削部5とシャンク部7とを有している。シャンク部7は、工作機械の回転するスピンドルに把持される部位であり、工作機械におけるスピンドルの形状に応じて設計される部位である。シャンク部7の形状としては、例えば、ストレートシャンク、ロングシャンク、ロングネック及びテーパーシャンクなどが挙げられる。
切削部5は、シャンク部7に対して先端3aの側に位置している。切削部5は、被削材と接触する部位を含み、この部位は、被削材の切削加工において主たる役割をなす。
図1、図3及び図4に示す一例の通り、棒形状の本体3は、第1部位9と、第2部位11と、第3部位13とを有している。第1部位9は、先端3aを含んでいる。第2部位11は、第1部位9よりも後端3bの側に位置して、第1部位9よりも外径が大きい。第3部位13は、第1部位9及び第2部位11の間に位置して、第1部位9の側から第2部位11の側に向かうにつれて外径が大きくなっている部分を有する。
図1、図3及び図4に示す一例の通り、実施形態の回転工具1は、第1刃15と、溝17とを有している。第1刃15は、本体3の先端3aに位置する。溝17は、第1刃15から後端3bに向かって延び、第1部位9、第3部位13及び第2部位11にかけて位置する。実施形態における溝17は、主に第1刃15によって生成される切屑を外部へ排出するために用いられてもよい。
また、本体3は、溝17に沿いながら第1部位9、第3部位13及び第2部位11にかけて位置する外周面領域19を有している。また、外周面領域19は、溝17に対して回転方向の後方に位置している。
また、本体3は、1つ以上の第1刃15と、1つ以上の溝17と、1つ以上の外周面領域19とを有している。第1刃15、溝17及び外周面領域19の数は等しくてもよい。図1などに示す一例においては、本体3は、2つの第1刃15と、2つの溝17と、2つの外周面領域19と、を有している。
また、図1などに示すように、溝17と外周面領域19とがなす稜線上に外周刃を有していてもよい。本体3は外周刃を有してなくてもよいが、図1などに示す一例においては、本体3は外周刃を有している。また、溝17と外周面領域19とがなす稜線上のすべてに外周刃が位置していてもよく、部分的に外周刃を有していてもよい。
溝17のうち第1刃15の近傍部分は、切削加工時にすくい面として機能してもよい。また、溝17は、第1刃15から後端3bに向かって、図1に示す一例のように、螺旋状に延びていてもよい。また、溝17が螺旋状に延びている場合、溝17のねじれ角は、第1刃15から後端3bに向かって変化していてもよいが、一定であってもよい。
図5は、図1における領域B1の拡大図であり、第3部位13の拡大図とも言える。また、図6は、図5における領域B2の拡大図である。なお、図6は、領域B2における溝17及びランド面21のなす稜線に直交する方向における幅の変化を強調するために、実際の縮尺とは異なる縮尺で描いた図面である。
図5及び図6に示す一例のように、第3部位13における外周面領域19は、第1部19aを有している。また、第3部位13は、溝17及び第1部19aの間に位置するランド面21と、第1部19a及びランド面21が交わる稜線に位置する第2刃23とを有している。溝17のうち第2刃23の近傍部分は、切削加工時にすくい面として機能してもよい。
図6に示す一例においては、ランド面21は、先端3aの側から後端3bの側に向かうにつれて(図示中において左から右)、溝17及びランド面21のなす稜線E(以下、単に稜線Eと記載する場合がある。)に直交する方向における幅が大きくなっている第1領域25と、第1領域25よりも後端3bの側に位置しており、かつ、先端3aの側から後端3bの側に向かうにつれて、稜線Eに直交する方向における幅が小さくなっている第2領域27とを有している。
具体的には、図6に示す一例の通り、第1領域25のうち先端3aの側に位置するランド面21における幅W11よりも、第1領域25のうち後端3bの側に位置するランド面21における幅W12のほうが大きい。
また、第1領域25と第2領域27との境界Lにおける幅W3は、ランド面21において、稜線Eに直交する方向における幅が最大である。さらに、第2領域27のうち先端3aの側に位置するランド面21における幅W21よりも、第2領域27のうち後端3bの側に位置するランド面21における幅W22のほうが小さい。
また、図6に示す一例におけるX−X乃至XIII−XIIIとは、稜線Eに直交する断面箇所を示すものであり、X−X乃至XIII−XIIIの断面が、それぞれ図10乃至13である。図10乃至13においては、第1部19aに対して傾斜したランド面21を示しているが、図10乃至13に示した断面は一例であって、記載された傾斜角を必ずしも有していなくてもよい。
なお、図6に示す一例においては、第1領域25と第2領域27とは接しているが、第1領域25と第2領域27とは接していなくてもよい。つまり、第1領域25と第2領域27との間に、稜線Eに直交する方向における幅が、第1領域25及び第2領域27における幅よりも小さい第3領域を有していてもよい。
第1部位9よりも外径が大きい第3部位13に位置する第2刃23は、切削加工時において、第1部位9で切削されなかった部分に接触する。図6に示す一例において、第2刃23のうち第1部位9に最も近接する部分を端部23aとする。この端部23aは、第2刃23の中で最も先に被削材に接触する。このとき、ランド面21における端部23aに沿った部分の幅が相対的に小さくてもよい。この場合には、第2刃23の切削性が向上し、第2刃23が被削材に食いつき易くなる。その結果、回転工具1は安定した加工位置で切削加工を行なうことができる。
なお、上記の「端部23a」は、第2刃23における第1部位9の側の端の1点を指すものではなく、第1部位9に近接する領域を意味している。具体的には、第2刃23における第1部位9の側に位置する10%程度の領域を意味している。
また、例えば貫通穴加工や皿穴加工の際に、第3部位13及び第2部位11の境界付近に接触した被削材の表面にバリが生じやすい。しかしながら、実施形態における回転工具1は、バリの発生を抑制することができる。なぜならば、第2領域27の第2部位11の近傍においてはランド面21の幅が小さいため、切削性が向上するからである。さらに、第1領域25の後端3bの側及び第2領域27の先端3aの側、つまりランド面21の中央部分における幅が大きい。そのため、実施形態における回転工具1は、第2刃23における主要な切削部分の耐欠損性が向上する。
また、ランド面21は、第1部位9及び第2部位11に接していてもよいが、図5及び図6に示す一例のように、ランド面21は、第1部位9及び第2部位11から離れていてもよい。言い換えれば、ランド面21は、第3部位13のうち先端3aの側の端部から後端3bの側の端部にかけて位置していてもよいが、図5及び図6に示す一例のように、ランド面21は、第3部位13のうち先端3aの側の端部及び後端3bの側の端部に掛からないように位置していてもよい。
実施形態における回転工具1が上記の構成を有している場合、溝17及び第1部19aが交わる稜線は、第3切刃37及び第4切刃39を有していてもよい。図5及び図6に示す一例のように、溝17及び第1部19aが交わる稜線は第2刃23に接続されていてもよい。
図6に示す一例におけるIX−IX断面及びXIV−XIV断面は、ランド面21が第1部位9及び第2部位11から離れている場合の、溝17及び第1部19aのなす稜線に直交する方向における断面であって、それぞれ図9及び図14に示される通りである。
第1部位9よりも外径が大きい第3部位13に位置する第3刃37は、切削加工時において、第1部位9で切削されなかった部分に初めに接触する。図6に示す構成によれば、第3刃37は、回転方向前方にランド面21が位置せず高い切削性を有するため、被削材に食いつき易くなる。
また、例えば貫通穴加工や皿穴加工の際に、第3部位13及び第2部位11の境界付近に接触した被削材の表面にバリが生じやすいが、図6に示す構成によれば、第4切刃39は、回転方向前方にランド面21が位置せず高い切削性を有するため、バリの発生を抑制することができる。
また、図1及び図5に示す一例における溝17は、第1部位9から第2部位11にかけて位置する螺旋形状の主溝29と、主溝29と第1部19aとの間に位置する副溝31とを有していてもよい。第3部位13では、先端3aの側から後端3bの側に向かうにつれて外径が大きくなるため、第2刃23における回転速度は大きくなる。そのため、切削加工時に第2刃23で生じる切屑は第1刃15で生じる切屑よりも長くなりやすい。
しかしながら、実施形態における回転工具1は、切屑の排出性を向上することができる。なぜならば、溝17が主溝29よりも比較的小さい副溝31を備えているため、第2刃23で生じる切屑を良好にカールさせることができるからである。切屑は、良好にカールすることによって、長くなりにくい。そのため、切屑が詰まりにくい。
また、図5に示す一例において、副溝31は、第1面33と、第2面35とを有していてもよい。第1面33は、溝17及びランド面21のなす稜線に沿って位置していてもよい。また、第2面35は、第1面33よりも回転方向前方に位置して、第1面33と隣接していてもよい。さらに、図5及び図8における一例においては、第2面35は、凸曲面形状であってもよい。
図8に示す通り、第3部位13の回転軸Xに直交する断面において、第2面35は凸曲線形状である。第2面35が凸曲面形状であるときには、第1部位9及び第3部位13の境界付近が肉厚を有していることから、回転工具1は優れた耐久性を有する。
また、第2面35は、先端3aから後端3bに向かって回転軸Xからの距離が小さくなっている部分を有していてもよい。言い換えれば、第2面35は、後端3bから先端3aに向かって前記回転軸Xからの距離が大きくなっている部分を有していてもよい。
具体的には、図8に示す一例のように、回転軸Xから第2面35までの距離W5の大きさが、先端3aから後端3bに向かって小さくなっている部分を有している。言い換えれば、図8に示す一例における第2面35は、回転軸Xから第2面35までの距離W5の大きさが、後端3bから先端3aに向かって大きくなっている部分を有している。
切削加工時において、第2刃23で生じた切屑は、第2切刃23に直交する方向に進行し易く、主溝29に略垂直に流入し易い。そのため、第2刃23で生じた切屑が、第1刃15で生じ主溝29を流れる切屑に略垂直に合流しやすい。したがって、第1刃15で生じた切屑と第2刃23で生じた切屑とが絡み易く、切屑詰まりが発生するおそれがある。
しかしながら、上記の構成を有する場合、第2面35のうち、第3部位13と第1部位9との境界付近の回転軸Xから第2面35までの距離が大きい。そのため、第2刃23で生じた切屑が主溝29を流れる切屑に略垂直に合流しにくくなる。
また、第2面35が、先端3aから後端3bに向かって回転軸Xから第2面35までの距離が小さくなっているときには、第2刃23で生じた切屑を良好にカールさせつつ、第2刃23で生じた切屑を比較的緩やかな角度で主溝29に合流させることができる。その結果、第1刃15で生じた切屑と第2刃23で生じた切屑が絡まりにくくなり、切屑詰まりが抑制される。したがって、実施形態における回転工具1は、良好な切屑排出性を有する。
また、図5及び図8における一例においては、第1面33は、平坦な形状であってもよい。図8に示す通り、第3部位13の回転軸Xに直交する断面において、第1面33は直線形状である。第1面33が平坦な形状であるため、第2面35における切屑排出スペースが確保され、回転工具1は良好な切屑排出性を有する。
また、図5に示す一例において、第1面33は、先端3aから後端3bに向かって幅が大きくなっている部分を有していてもよい。具体的には、図5に示す一例の通り、第1面33における後端3bの側における溝17及びランド面21のなす稜線に直交する方向における幅W42は、第1面33における先端3aの側における溝17及びランド面21のなす稜線に直交する方向における幅W41よりも大きくてもよい。上記の構成を満たすときには、第1面33における切屑排出スペースが確保され、回転工具1は良好な切屑排出性を有する。
また、図6に示す一例におけるX−X断面乃至XIII−XIII断面は、稜線Eに直交する方向における断面であり、図10乃至13に示す一例の通り、ランド面21は第1部19aに対して傾斜している。
図10及び図11に示す一例の通り、第1領域25のうち後端3bの側に位置するランド面21における傾斜角θ2よりも、第1領域25のうち先端3aの側に位置するランド面21における傾斜角θ1のほうが小さくてもよい。また、第1領域25の第1部19aに対する傾斜角が、第1領域25における後端3bの側の端部から先端3aの側の端部に向かうにつれて小さくなっていてもよい。
第1部位9よりも外径が大きい第3部位13に位置する第2刃23は、切削加工時において、第1部位9で切削されなかった部分に接触する。第1領域25の第1部位9の近傍は、第2刃23のうち最も先に被削材に接触する。第1領域25の第1部位9の近傍の切削性が高い場合、第1領域25の第1部位9近傍は被削材に食いつきやすい。実施形態における回転工具1は、ランド面21における傾斜角が小さいため、高い切削性を有する。したがって、実施形態における回転工具1は、被削材に食いつき易くなるため、安定した加工位置で切削加工を行なうことができる。
また、図12及び図13に示す一例の通り、第2領域27のうち先端3aの側に位置するランド面21における傾斜角θ3よりも、第2領域27のうち後端3bの側に位置するランド面21における傾斜角θ4のほうが小さくてもよい。また、第2領域27の第1部19aに対する傾斜角が、第2領域27における先端3aの側の端部から後端3bの側の端部に向かうにつれて小さくなっていてもよい。
貫通穴加工や皿穴加工の際に、第3部位13及び第2部位11の境界付近に接触した被削材の表面にはバリが生じやすい。しかしながら、第2領域27の第3部位13近傍においてランド面21の傾斜角が小さいときには、第2領域27の第3部位13近傍は高い切削性を有するため、実施形態における回転工具1は、バリの発生を抑制することができる。
また、上記を言い換えれば、第1領域25の第1部19aに対する傾斜角が、第1領域25における先端3aの側の端部から後端3bの側の端部に向かうにつれて大きくなっており、第2領域27の第1部19aに対する傾斜角が、第2領域27における後端3bの側の端部から先端3aの側の端部に向かうにつれて大きくなっていてもよい、ということができる。
さらに、上記構成を満たしている場合、第1領域25の後端3bの側及び第2領域27の先端3aの側、つまりランド面21の中央部分における傾斜角が大きいため、第2刃23における主要な切削部分は優れた耐欠損性を有する。
なお、第1領域25は、先端3aの側から後端3bの側にかけて第1領域25の第1部19aに対する傾斜角が、第1領域25における後端3bの側の端部から先端3aの側の端部に向かうにつれて小さくなっている部分を有していればよい。つまり、後端3bの側から先端3aにかけて第1領域25の第1部19aに対する傾斜角が、部分的に小さくなっていてもよい。
同様にして、第2領域27は、先端3aの側から後端3bの側にかけて第2領域27の第1部19aに対する傾斜角が、第2領域27における先端3aの側の端部から後端3bの側の端部に向かうにつれて小さくなっている部分を有していればよい。つまり、先端3aの側から後端3bにかけて第2領域27の第1部19aに対する傾斜角が、部分的に小さくなっていてもよい。
また、ランド面21の第1部19aに対する傾斜角は、ランド面21における先端3aの側の端部から後端3bの側の端部にかけて一定であってもよい。傾斜角が一定の場合、仕上げ面の面粗度を比較的均等にすることができるため、良好な加工面を得ることができる。なお、傾斜角が一定とは、数学的に厳密な一定ではなく、製造上避けることのできない微差を含む。
実施形態における第1部位9の外径は、例えば、2mm〜25mmに設定される。また、実施形態における第2部位11の外径は、例えば、4mm〜50mmに設定される。また、第3部位25の外径は、第1部位9の外径及び第2部位11の外径の間の大きさである。なお、上記寸法は一例であって、実施形態における回転工具1は、上記以外の寸法も含みうる。
本体3の材質としては、例えば、超硬合金あるいはサーメットなどが挙げられる。超硬合金の組成としては、例えば、WC−Co、WC−TiC−Co及びWC−TiC−TaC−Coが挙げられる。ここで、WC、TiC、TaCは硬質粒子であり、Coは結合相である。また、サーメットは、セラミック成分に金属を複合させた焼結複合材料である。具体的には、サーメットとして、炭化チタン(TiC)又は窒化チタン(TiN)を主成分としたチタン化合物が挙げられる。
本体3の表面は、化学蒸着(CVD)法、又は物理蒸着(PVD)法を用いて被膜でコーティングされていてもよい。被膜の組成としては、炭化チタン(TiC)、窒化チタン(TiN)、炭窒化チタン(TiCN)又はアルミナ(Al2O3)などが挙げられる。
<切削加工物の製造方法>
次に、実施形態の切削加工物の製造方法について、上記の実施形態の回転工具1を用いる場合を例に挙げて詳細に説明する。以下、図15〜図17を参照しつつ説明する。
次に、実施形態の切削加工物の製造方法について、上記の実施形態の回転工具1を用いる場合を例に挙げて詳細に説明する。以下、図15〜図17を参照しつつ説明する。
実施形態の切削加工物の製造方法は、
(1)上記実施形態に代表される回転工具1を回転軸Xの周りで回転させる工程と、
(2)回転している回転工具1における第1刃及び第2刃を被削材101に接触させる工程と、
(3)回転工具1を、被削材101から離す工程と、
を備えている。
(1)上記実施形態に代表される回転工具1を回転軸Xの周りで回転させる工程と、
(2)回転している回転工具1における第1刃及び第2刃を被削材101に接触させる工程と、
(3)回転工具1を、被削材101から離す工程と、
を備えている。
より具体的には、まず、図15に示すように、回転工具1を回転軸Xの周りで回転させるとともに回転軸Xに沿ったZ1方向に移動させることによって、回転工具1を被削材101に相対的に近づける。
次に、図16に示すように、回転工具1における第1刃及び第2刃を被削材101に接触させて被削材101を切削する。そして、図17に示すように、回転工具1をZ2方向に移動させることによって、回転工具1を被削材101から相対的に遠ざける。
実施形態においては、被削材101を固定させるとともに回転軸Xの周りで回転工具1を回転させた状態で、回転工具1を被削材101に近づけている。また、図16においては、回転している回転工具1の第1刃及び第2刃を被削材101に接触させることによって、被削材101を切削している。また、図17においては、回転工具1を回転させた状態で被削材101から遠ざけている。
なお、実施形態の製造方法における切削加工では、それぞれの工程において、回転工具1を動かすことによって、回転工具1を被削材101に接触させる、あるいは、回転工具1を被削材101から離している。当然ながらこのような形態に限定されるものではない。
例えば、(1)の工程において、被削材101を回転工具1に近づけてもよい。同様に、(3)の工程において、被削材101を回転工具1から遠ざけてもよい。切削加工を継続する場合には、回転工具1を回転させた状態を維持して、被削材101の異なる箇所に回転工具1における切刃を接触させる工程を繰り返せばよい。
被削材101の材質の代表例としては、アルミ、炭素鋼、合金鋼、ステンレス、鋳鉄、又は非鉄金属などが挙げられる。
1・・・回転工具
3・・・本体
3a・・第1端(先端)
3b・・第2端(後端)
5・・・切削部
7・・・シャンク部
9・・・第1部位
11・・・第2部位
13・・・第3部位
15・・・第1刃
17・・・溝
19・・・外周面領域
19a・・第1部
21・・・ランド面
23・・・第2刃
25・・・第1領域
27・・・第2領域
29・・・主溝
31・・・副溝
33・・・第1面
35・・・第2面
37・・・第3切刃
39・・・第4切刃
101・・・被削材
L・・・境界
X・・・回転軸
Y・・・回転方向
Z・・・切削方向
3・・・本体
3a・・第1端(先端)
3b・・第2端(後端)
5・・・切削部
7・・・シャンク部
9・・・第1部位
11・・・第2部位
13・・・第3部位
15・・・第1刃
17・・・溝
19・・・外周面領域
19a・・第1部
21・・・ランド面
23・・・第2刃
25・・・第1領域
27・・・第2領域
29・・・主溝
31・・・副溝
33・・・第1面
35・・・第2面
37・・・第3切刃
39・・・第4切刃
101・・・被削材
L・・・境界
X・・・回転軸
Y・・・回転方向
Z・・・切削方向
Claims (9)
- 第1端から第2端に向かって回転軸に沿って延びた棒形状であって、
前記第1端を含む第1部位と、
該第1部位よりも前記第2端の側に位置して、前記第1部位よりも外径が大きい第2部位と、
前記第1部位及び前記第2部位の間に位置して、前記第1部位の側から前記第2部位の側に向かうにつれて外径が大きくなっている部分を有する第3部位と、
前記第1端に位置する第1刃と、
該第1刃から前記第2端に向かって延び、前記第1部位、前記第3部位及び前記第2部位にかけて位置する溝と、
該溝に沿いながら前記第1部位、前記第3部位及び前記第2部位にかけて位置する外周面領域と、を有する本体を備え、
前記外周面領域は、前記溝よりも回転方向の後方に位置しており、
前記第3部位における前記外周面領域は、第1部を有しており、
前記第3部位は、
前記溝及び前記第1部の間に位置するランド面と、
前記第1部及び前記ランド面が交わる稜線に位置する第2刃とを有し、
前記ランド面は、
前記第1端の側から前記第2端の側に向かうにつれて、前記溝及び前記ランド面のなす稜線に直交する方向における幅が大きくなっている第1領域と、
該第1領域よりも前記第2端の側に位置しており、かつ、前記第1端の側から前記第2端の側に向かうにつれて、前記溝及び前記ランド面のなす稜線に直交する方向における幅が小さくなっている第2領域とを有している回転工具。 - 前記ランド面は、前記第1部位及び前記第2部位から離れている請求項1に記載の回転工具。
- 前記溝は、
前記第1部位から前記第2部位にかけて位置する螺旋形状の主溝と、
該主溝と前記外周面領域との間に位置する副溝とを有している請求項1又は2に記載の回転工具。 - 前記副溝は、
前記溝及び前記ランド面のなす稜線に沿って位置する第1面と、
該第1面よりも回転方向前方に位置して、前記第1面と隣接する第2面とを有し、
該第2面は、凸曲面形状である請求項3に記載の回転工具。 - 前記副溝は、
前記溝及び前記ランド面のなす稜線に沿って位置する第1面と、
該第1面よりも回転方向前方に位置して、前記第1面と隣接する第2面とを有し、
該第2面は、前記第1端から前記第2端に向かって前記回転軸からの距離が小さくなっている部分を有している請求項3又は4に記載の回転工具。 - 前記副溝は、
前記溝及び前記ランド面のなす稜線に沿って位置する第1面と、
該第1面よりも回転方向前方に位置して、前記第1面と隣接する第2面とを有し、
前記第1面は、前記第1端から前記第2端に向かって幅が小さくなっている部分を有している請求項3乃至5のいずれか1つに記載の回転工具。 - 前記ランド面の前記外周面領域に対する傾斜角は、前記ランド面における前記第1端の側の端部から前記第2端の側の端部にかけて一定である請求項1乃至6のいずれか1つに記載の回転工具。
- 前記第1領域の前記外周面領域に対する傾斜角が、前記第1領域における前記第2端の側の端部から前記第1端の側の端部に向かうにつれて小さくなっている請求項1乃至6のいずれか1つに記載の回転工具。
- 請求項1乃至8のいずれか1つに記載の回転工具を回転させる工程と、
回転している前記回転工具を被削材に接触させる工程と、
前記回転工具を前記被削材から離す工程とを備えた切削加工物の製造方法。
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