JP6878944B2 - エポキシ樹脂硬化剤、エポキシ樹脂組成物、繊維強化複合材 - Google Patents

エポキシ樹脂硬化剤、エポキシ樹脂組成物、繊維強化複合材 Download PDF

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Description

本発明は、エポキシ樹脂硬化剤、該エポキシ樹脂硬化剤とエポキシ樹脂とを含有するエポキシ樹脂組成物、及び、該エポキシ樹脂組成物の硬化物と強化繊維とを含む繊維強化複合材に関する。
繊維強化複合材(以下「FRP(Fiber Reinforced Plastics)」ともいう)の中でも炭素繊維強化複合材(Carbon Fiber Reinforced Plastics:CFRP)は、非常に高い弾性率、強度を有し、かつ軽量であることから金属代替材料として注目されている。CFRPは特に自動車構造材用途、風力発電ブレード用途、圧力容器用途、航空宇宙用途への需要が加速することが見込まれており、CFRPに用いられる炭素繊維と、エポキシ樹脂等のマトリクス樹脂の需要も近年増大している。
ところで、自動車構造材用途、風力発電ブレード用途、圧力容器用途、航空宇宙用途それぞれにおいてFRPの成形方法が異なることから、FRP用のマトリクス樹脂に対する要求特性も用途によって異なっている。
例えば風力発電ブレードは、インフュージョン成形、Va−RTM法(Vacuum Assist Resin Transfer Molding)又はLight−RTM法にて成形されるようになってきた。これらの方法では、例えば、フィルムやFRPを使用した上型と、下型とからなる型内に予め強化繊維を配置し、この金型内を真空引きし、マトリクス樹脂となるエポキシ樹脂組成物を常圧で充填して強化繊維へ含浸させ、次いで、該エポキシ樹脂を硬化させて成形する。
インフュージョン成形やVa−RTM法、Light−RTM法による成形では、その成形法の特徴上、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤とを混合したエポキシ樹脂組成物を金型内へ充填するのに、通常は数十分程度かかる。そのため、これらの成形法に使用されるエポキシ樹脂組成物には低粘度でかつポットライフが長いことが要求される。エポキシ樹脂硬化剤としては、イソホロンジアミン、ポリエーテル骨格のポリアミン化合物等が使用されている。
また、圧力容器用途のFRPにおいては、フィラメントワインディング法による成形が用いられる。フィラメントワインディング法は、強化繊維糸にエポキシ樹脂組成物などのマトリクス樹脂を含浸させた強化繊維糸を用いてライナーの外表面を被覆した後、該マトリクス樹脂を硬化させる方法である。この方法に用いるエポキシ樹脂組成物は、ポットライフが短く速硬化性であると、成形前の段階でエポキシ樹脂が硬化してしまう。したがってフィラメントワインディング法には速硬化性のエポキシ樹脂組成物は適用できない。
これに対し自動車構造材用途のFRPは、ハイサイクルRTM法にて成形されている。これは従来のRTM法を改良したものである。
従来のRTM法は上下一対の金型を使用した密閉型成形の一つであり、該金型内に繊維強化プリフォームを配置し、金型をクランプして密閉した後、注入孔からエポキシ樹脂組成物等の樹脂を金型内に注入して繊維強化プリフォームに含浸させ、次いで該樹脂を硬化させた後、離型するという方法である。しかしながら従来のRTM法では、成形時間(プリフォームの配置、樹脂含浸、樹脂硬化、及び離型まで)に数時間を要するため、自動車構造材用途のFRPの製造では、より生産性の高いハイサイクルRTM法が用いられている。
ハイサイクルRTM法による成形技術は、繊維強化プリフォームの配置時間、樹脂の含浸時間、樹脂の硬化時間、及び離型時間のすべてを大幅に短縮し、トータルの成形時間を10分程度まで短縮したものである。ハイサイクルRTM法において、樹脂の含浸から硬化までの工程では、例えばハイサイクルRTM法の一種である高圧RTM法において、上下一対の金型内に強化繊維を配置して密閉し、金型内を減圧にする。次いで、エポキシ樹脂組成物の主剤であるエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤とを、別々のタンクからミキシングヘッドへミスト状態で圧送し、衝突混合後に速やかに金型内に注入して強化繊維に含浸させ、エポキシ樹脂を硬化させる。衝突混合後のエポキシ樹脂組成物は、金型内への充填速度及び強化繊維への含浸速度を高めるため、複数の注入孔から高圧注入される。
ハイサイクルRTM法では、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤とを混合後速やかに金型内に注入することから、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤との混合物であるエポキシ樹脂組成物のポットライフはそれほど必要とされない。一方で、生産性の観点から、強化繊維への含浸性や金型への充填速度が高く、かつ硬化が速いことが要求されるため、ハイサイクルRTM法に用いるエポキシ樹脂組成物には、低粘度でかつ速硬化性であることが要求される。
エポキシ樹脂硬化剤としてポリアミンを用いることは知られている。例えば特許文献1〜3にはポリアミンとしてビス(アミノメチル)シクロヘキサンを含有するエポキシ樹脂硬化剤が開示され、該エポキシ樹脂硬化剤にさらに硬化促進剤を配合してもよいことが記載されている。
特許文献4には、(b1)液体エポキシ樹脂、(b2)1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンを含む硬化剤、及び(b3)スルホン酸及びスルホン酸イミダゾリウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を含む促進剤を含有する樹脂組成物を用いた、繊維強化複合体の製造方法が開示されている。
特開2001−163955号公報 特開2011−6499号公報 特開2015−93948号公報 国際公開第2015/144391号
特許文献4の実施例では、エポキシ樹脂組成物の促進剤としてp−トルエンスルホン酸又はそのイミダゾリウム塩が使用されている。しかしながらハイサイクルRTM法に適用されるエポキシ樹脂組成物には極めて高いレベルの速硬化性が望まれるため、p−トルエンスルホン酸やその塩では硬化促進効果が十分でなかった。
通常、エポキシ樹脂硬化剤への促進剤の添加量を増やすことで硬化促進効果も向上するが、p−トルエンスルホン酸はポリアミンへの溶解性が低いことから添加量を増やすことができない。そこで例えば特許文献4の実施例(表7)に示されているように、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンを基準としたp−トルエンスルホン酸一水和物の配合量が10.0質量%を超える場合は、少量の水を添加してp−トルエンスルホン酸一水和物を溶解させる方法も知られている。
しかしながら強酸性を示す有機スルホン酸系化合物は水の存在下で腐食性を発現することから、有機スルホン酸系化合物と水とを含有するエポキシ樹脂硬化剤を用いると、ハイサイクルRTM法において製造ラインや金型などを腐食するおそれがある。またハイサイクルRTM法などで、エポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物中の水分に起因してアウトガスが発生すると金型が汚染され、汚染された金型の形状がFRP表面に転写されるなどして、得られるFRPの外観が悪化するおそれもある。特に外観が重要視される自動車構造材や建材等の用途においては、上記のような金型汚染による外観性の悪化や生産性の低下も問題となる。また、アウトガスはFRPのボイドや欠陥の要因ともなり得る。
本発明の課題は、低腐食性で、硬化促進剤の溶け残りなどもなく、速硬化性でかつ低粘度であり、外観が良好なFRPなどの成形体を生産性よく製造しうるエポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物、並びに、該エポキシ樹脂組成物の硬化物と強化繊維とを含む繊維強化複合材を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定構造のポリアミンと所定量のアルカンスルホン酸とを含有するエポキシ樹脂硬化剤により上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は下記[1]〜[16]に関する。
[1]環構造を有するポリアミン(A)及びアルカンスルホン酸(B)を含有するエポキシ樹脂硬化剤であって、前記ポリアミン(A)100質量部に対する前記アルカンスルホン酸(B)の含有量が1〜25質量部であるエポキシ樹脂硬化剤。
[2]前記ポリアミン(A)が下記一般式(1)で示されるジアミンである、上記[1]に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
HN−(HC)−A−(CH−NHR (1)
(式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜6のアミノアルキル基である。a、bはそれぞれ独立に0又は1の数である。Aは炭素数5〜20の2価の環状脂肪族基又は炭素数6〜20のアリーレン基である。)
[3]前記一般式(1)において、R及びRが共に水素原子である、上記[2]に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
[4]前記一般式(1)において、a=b=1であり、Aがシクロヘキシレン基である、上記[2]又は[3]に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
[5]前記アルカンスルホン酸(B)が炭素数1〜18のアルカンスルホン酸である、上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
[6]前記アルカンスルホン酸(B)がメタンスルホン酸である、上記[5]に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
[7]水の含有量が0.8質量%以下である、上記[1]〜[6]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
[8]上記[1]〜[7]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂硬化剤と、エポキシ樹脂とを含有するエポキシ樹脂組成物。
[9]前記エポキシ樹脂が分子内に芳香環又は脂環式構造を含むエポキシ樹脂である、上記[8]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[10]前記エポキシ樹脂が下記一般式(2)で示されるエポキシ樹脂である、上記[9]に記載のエポキシ樹脂組成物。
Figure 0006878944
(式(2)中、R21〜R24はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基であり、p、q、r、及びsはそれぞれ独立に0〜4の整数である。複数のR21、複数のR22、複数のR23、及び複数のR24はすべて同一でもよく、互いに異なってもよい。Y及びYはそれぞれ独立に、単結合、−CH−、−CH(CH)−、又は−C(CH−である。R25は−CHCH(OH)−、又は−CH(OH)CH−である。mは平均繰り返し単位数を示し、0〜0.2の数である。)
[11]温度40℃における粘度が750mPa・s以下である、上記[8]〜[10]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
[12]繊維強化複合材用である、上記[8]〜[11]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
[13]上記[8]〜[12]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物と、強化繊維とを含む繊維強化複合材。
[14]強化繊維が炭素繊維である、上記[13]に記載の繊維強化複合材。
[15]自動車用構造材である、上記[13]又は[14]に記載の繊維強化複合材。
[16]低圧RTM法、中圧RTM法、高圧RTM法、コンプレッションRTM法、リキッドコンプレッションモールディング法、リキッドレイダウン法、スプレーレイダウン法、サーフェイスRTM法、プリプレグコンプレッションモールディング法又はリキッドキャストモールディング法により成形する工程を有する、上記[13]〜[15]のいずれか1項に記載の繊維強化複合材の製造方法。
本発明によれば、ハイサイクルRTM法などによって自動車用構造材や建材などのFRPを生産性よく製造できるエポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物を提供することができる。当該エポキシ樹脂組成物をFRPのマトリクス樹脂として用いると、強化繊維への含浸性に優れ、かつ速硬化性であることから金型からの離型が可能になるまでの時間も短く、FRPの生産性を向上させることができる。
[エポキシ樹脂硬化剤]
本発明のエポキシ樹脂硬化剤は、環構造を有するポリアミン(A)及びアルカンスルホン酸(B)を含有するエポキシ樹脂硬化剤であって、前記ポリアミン(A)100質量部に対する前記アルカンスルホン酸(B)の含有量が1〜25質量部であることを特徴とする。
硬化剤成分である環構造を有するポリアミン(A)に上記所定量のアルカンスルホン酸(B)を配合したエポキシ樹脂硬化剤は、低粘度を維持しつつ優れた速硬化性を発現する。またアルカンスルホン酸は環構造を有するポリアミンに対しても溶解性が比較的高いことから、水を添加せずにその配合量を多くすることも可能である。そのため本発明のエポキシ樹脂硬化剤はハイサイクルRTM法などに使用した場合にも製造ラインや金型などを腐食するおそれもなく、成形過程でのアウトガス発生に起因するボイドや欠陥の発生、外観悪化のおそれもない。
(環構造を有するポリアミン(A))
環構造を有するポリアミン(A)(以下、単に「ポリアミン(A)」ともいう)は、分子内に少なくとも1つの環構造と少なくとも2つのアミノ基とを有する化合物である。
環構造の環員炭素数は、ポリアミン(A)が室温で液体であることが望ましいという点で、好ましくは5〜20、より好ましくは5〜12、さらに好ましくは5〜10、よりさらに好ましくは5〜8である。
環構造としては、脂環構造及び芳香環を挙げることができる。
脂環構造とは脂環式炭化水素から誘導される環構造を意味する。当該脂環構造は飽和であっても不飽和であってもよく、単環であっても多環であってもよい。また、当該脂環構造は置換基を有していてもよい。当該置換基としては例えば、炭素数1〜8のアルキル基、水酸基、炭素数1〜8のアルコキシ基等が挙げられる。
当該脂環構造としては、シクロアルカン環、シクロアルケン環、ビシクロアルカン環、ビシクロアルケン環、及びトリシクロアルカン環等が例示されるが、これらに限定されるわけではない。これらの中でも、好ましくはシクロアルカン環、より好ましくは炭素数5〜8のシクロアルカン環、さらに好ましくはシクロヘキサン環である。
芳香環は単環でも縮合環でもよく、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、及びテトラセン環が例示されるが、これらに限定されるわけではない。これらの中でも、好ましくはベンゼン環及びナフタレン環からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはベンゼン環である。
ポリアミン(A)はアミノ基を少なくとも2つ有していればよく、ポリアミン(A)が有するアミノ基の数は好ましくは2〜4、より好ましくは2である。アミノ基は環構造に直結していてもよいが、エポキシ樹脂との反応性の点からは環構造に直結していない方が好ましい。
ポリアミン(A)としては、下記一般式(1)で示されるジアミンが好ましい。本発明のエポキシ樹脂硬化剤に用いられるポリアミンが特定構造のジアミンであると、低粘度でかつ速硬化性のエポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物を得ることができる。
HN−(HC)−A−(CH−NHR (1)
(式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜6のアミノアルキル基である。a、bはそれぞれ独立に0又は1の数である。Aは炭素数5〜20の2価の環状脂肪族基又は炭素数6〜20のアリーレン基である。)
式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜4のアミノアルキル基が好ましく、水素原子、又は炭素数2〜4のアミノアルキル基がより好ましく、R及びRが共に水素原子であることがさらに好ましい。
a、bはそれぞれ独立に0又は1の数であり、a=b=1であることが好ましい。
また式(1)中、Aは炭素数5〜20の2価の環状脂肪族基又は炭素数6〜20のアリーレン基である。
炭素数5〜20の2価の環状脂肪族基は飽和又は不飽和のいずれでもよいが、飽和環状脂肪族基であることが好ましい。2価の環状脂肪族基の炭素数は、好ましくは5〜12、より好ましくは5〜10、さらに好ましくは5〜8、よりさらに好ましくは6である。
炭素数5〜20の2価の環状脂肪族基としては例えば、シクロペンチレン基、シクロペンテニレン基、シクロへキシレン基、シクロへキセニレン基、シクロへプチレン基、シクロへプテニレン基、シクロオクチレン基、シクロオクテニレン基、シクロデカニレン基、シクロデセニレン基、シクロドデカニレン基、シクロドデセニレン基、メチルシクロへキシレン基、ジメチルシクロへキシレン基、トリメチルシクロへキシレン基、tert−ブチルシクロヘキシレン基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチレン基、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニレン基、アダマンチレン基、及びトリシクロ[5.2.1.02,6]デカニレン基等が挙げられる。これらの中でも、シクロへキシレン基、トリメチルシクロへキシレン基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチレン基、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニレン基、アダマンチレン基、及びトリシクロ[5.2.1.02,6]デカニレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、シクロへキシレン基がより好ましい。
炭素数6〜20のアリーレン基の炭素数は、好ましくは6〜12、より好ましくは6〜10、さらに好ましくは6〜8、よりさらに好ましくは6である。当該アリーレン基としては例えばフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基等が挙げられ、フェニレン基が好ましい。
式(1)中のAは、より好ましくはシクロヘキシレン基又はフェニレン基であり、さらに好ましくはシクロヘキシレン基である。具体的には、Aは1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、及び1,4−フェニレン基からなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、耐熱性及び耐候性の観点からは1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、及び1,4−シクロヘキシレン基からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、1,3−シクロヘキシレン基がより好ましい。
なお本明細書におけるシクロヘキシレン基には、シス体、トランス体のいずれも含まれる。Aがシクロヘキシレン基である場合、シス体、トランス体の含有比率は任意であるが、シス体及びトランス体の両方を含む場合、凝固点降下により、冬場などの低温環境下でも液体として取り扱うことができることから、シス体/トランス体の含有比率は、好ましくは99/1〜1/99、より好ましくは95/5〜30/70、さらに好ましくは90/10〜50/50、よりさらに好ましくは85/15〜60/40である。
好ましいポリアミン(A)の具体例としては、例えば、1,2−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン(MXDA)、p−キシリレンジアミン(PXDA)、下記一般式(1−1)〜(1−4)で示される化合物、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン、アダマンタンジアミン、及び、ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン等が挙げられる。
Figure 0006878944
式(1−1)〜(1−4)中、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキレン基である。R及びRは炭素数1〜4のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基がより好ましく、炭素数3のアルキレン基がさらに好ましい。
上記の中でも、ポリアミン(A)としては、1,2−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン(MXDA)、p−キシリレンジアミン(PXDA)、前記一般式(1−1)で示される化合物、及び前記一般式(1−2)で示される化合物からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、1,2−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、及びp−キシリレンジアミンからなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、耐熱性及び耐候性の観点からは1,2−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、及び1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンからなる群から選ばれる1種以上がさらに好ましく、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンがよりさらに好ましい。ポリアミン(A)は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(アルカンスルホン酸(B))
本発明のエポキシ樹脂硬化剤は、所定量のアルカンスルホン酸(B)を含有する。これにより、低粘度と速硬化性とを両立したエポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物を得ることができる。
前記(A)成分単独でもエポキシ樹脂硬化剤として機能するが、アルカンスルホン酸(B)は前記(A)成分の硬化促進剤として作用するため、アルカンスルホン酸(B)を配合することでより速硬化性を有するエポキシ樹脂硬化剤が得られる。またアルカンスルホン酸は(A)成分に対しても溶解性が比較的高いことから、水を添加せずにその配合量を多くすることも可能である。そのため本発明のエポキシ樹脂硬化剤はハイサイクルRTM法などに使用した場合にも製造ラインや金型などを腐食するおそれもなく、成形過程でのアウトガス発生に起因するボイドや欠陥の発生、外観悪化のおそれもない。
アルカンスルホン酸(B)は速硬化性を発現する観点から炭素数1〜18のアルカンスルホン酸が好ましく、その炭素数は、より好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜8、よりさらに好ましくは1〜4、よりさらに好ましくは1又は2である。
アルカンスルホン酸(B)としては例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、オクタンスルホン酸、デカンスルホン酸、ドデカンスルホン酸、テトラデカンスルホン酸、ヘキサデカンスルホン酸、及びオクタデカンスルホン酸からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、オクタンスルホン酸、デカンスルホン酸、及びドデカンスルホン酸からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、及びオクタンスルホン酸からなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、及びブタンスルホン酸からなる群から選ばれる1種以上がさらに好ましく、メタンスルホン酸及びエタンスルホン酸からなる群から選ばれる1種以上がよりさらに好ましく、メタンスルホン酸がよりさらに好ましい。
アルカンスルホン酸(B)は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルカンスルホン酸(B)中の水の含有量は、低腐食性のエポキシ樹脂硬化剤を得る観点からは少ない方が好ましく、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下、さらに好ましくは0.80質量%以下である。当該水の含有量は例えば市販の水分計を用いて測定することができ、具体的には実施例に記載の方法で測定できる。
エポキシ樹脂硬化剤中のアルカンスルホン酸(B)の含有量は、前記ポリアミン(A)100質量部に対する含有量として1〜25質量部である。前記(A)成分100質量部に対する当該(B)成分の含有量が1質量部未満であると速硬化性が得られない。また、25質量部を超えると得られるエポキシ樹脂組成物の硬化物の耐熱性も低下する。また、エポキシ樹脂硬化剤及びこれを含有するエポキシ樹脂組成物が高粘度になるため、特に、ハイサイクルRTM法により成形されるFRPに用いた際に、成形性及び生産性が低下する。
エポキシ樹脂硬化剤中のアルカンスルホン酸(B)の含有量は、速硬化性の観点から、前記(A)成分100質量部に対し、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは8質量部以上である。また、得られるエポキシ樹脂組成物の硬化物の耐熱性低下を抑制する観点からは、好ましくは22質量部以下、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは15質量部以下である。
また本発明のエポキシ樹脂硬化剤は、水の含有量が5.0質量%未満であることが好ましい。アルカンスルホン酸(B)はポリアミン(A)に対する溶解性が高いため、ポリアミン(A)に溶解させるために水を添加する必要がない。そしてエポキシ樹脂硬化剤中の水の含有量が5.0質量%未満であれば、アルカンスルホン酸(B)を含む硬化剤であっても、ハイサイクルRTM法などに用いた場合に製造ラインや金型などを腐食するおそれがなく、成形過程でのアウトガス発生に起因するボイドや欠陥の発生、外観悪化のおそれもない。
当該水の含有量は、より好ましくは2.0質量%未満、さらに好ましくは1.0質量%未満、よりさらに好ましくは0.8質量%以下、よりさらに好ましくは0.7質量%以下、よりさらに好ましくは0.6質量%以下、よりさらに好ましくは0.5質量%以下、よりさらに好ましくは0.4質量%以下、よりさらに好ましくは0.3質量%以下、よりさらに好ましくは0.2質量%以下、よりさらに好ましくは0.15質量%以下、よりさらに好ましくは0.1質量%以下である。当該水の含有量の下限値は0質量%であり、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、さらに好ましくは0.03質量%以上、よりさらに好ましくは0.04質量%以上、よりさらに好ましくは0.05質量%以上である。エポキシ樹脂硬化剤中の水の含有量は、実施例に記載の方法で求めることができる。
本発明のエポキシ樹脂硬化剤は、ポリアミン(A)及びアルカンスルホン酸(B)以外の公知の硬化剤、添加剤、及び溶剤等を含有していてもよい。但し、本発明の効果を効率的に発現する観点から、ポリアミン(A)とアルカンスルホン酸(B)との合計含有量が、本発明のエポキシ樹脂硬化剤全量に対して好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上、よりさらに好ましくは90質量%以上、よりさらに好ましくは95質量%以上、よりさらに好ましくは99質量%以上となるようにする。
本発明のエポキシ樹脂硬化剤は、温度25℃における粘度が好ましくは300mPa・s以下、より好ましくは250mPa・s以下、さらに好ましくは200mPa・s以下、よりさらに好ましくは150mPa・s以下、よりさらに好ましくは100mPa・s以下、よりさらに好ましくは60mPa・s以下である。温度25℃における粘度が300mPa・s以下であると、エポキシ樹脂との混和が容易であり、FRP用途に用いた際には生産性が向上する。エポキシ樹脂硬化剤の温度25℃における粘度の下限値には特に制限はないが、エポキシ樹脂との混和性の点から、好ましくは10mPa・s以上である。
[エポキシ樹脂組成物]
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂硬化剤とエポキシ樹脂とを含有するものである。
エポキシ樹脂としては、本発明のエポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素と反応するグリシジル基を持つエポキシ樹脂であればいずれも使用することができるが、硬化物の機械的強度に優れる観点からは、分子内に芳香環又は脂環式構造を含むエポキシ樹脂であることが好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂がさらに好ましい。中でも、低粘度でかつ硬化物の機械的強度を確保できる観点から下記一般式(2)で示されるエポキシ樹脂が特に好ましい。
Figure 0006878944
(式(2)中、R21〜R24はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基であり、p、q、r、及びsはそれぞれ独立に0〜4の整数である。複数のR21、複数のR22、複数のR23、及び複数のR24はすべて同一でもよく、互いに異なってもよい。Y及びYはそれぞれ独立に、単結合、−CH−、−CH(CH)−、又は−C(CH−である。R25は−CHCH(OH)−、又は−CH(OH)CH−である。mは平均繰り返し単位数を示し、0〜0.2の数である。)
21〜R24は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基、及びt−ブチル基からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
p、q、r、及びsはいずれも0〜2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、すべて0であることがさらに好ましい。
及びYは−CH−、又は−C(CH−であることが好ましく、−C(CH−であることがより好ましい。
また、低粘度でかつ硬化物の機械的強度を確保できる観点から、mは0〜0.15であることが好ましく、0.01〜0.1であることがより好ましい。
また、エポキシ樹脂のエポキシ当量は、エポキシ樹脂組成物の低粘度性及び速硬化性を両立する観点から、好ましくは300g/当量以下、より好ましくは220g/当量以下、さらに好ましくは200g/当量以下、よりさらに好ましくは180g/当量以下である。
エポキシ樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、さらに、充填材、可塑剤などの改質成分、揺変剤などの流動調整成分、顔料、レベリング剤、粘着付与剤、エラストマー微粒子などのその他の成分を用途に応じて含有させてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物中の前記エポキシ樹脂硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂中のエポキシ基の数に対するエポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素数の比(エポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素数/エポキシ樹脂中のエポキシ基の数)が、好ましくは1/0.8〜1/1.2、より好ましくは1/0.9〜1/1.1、さらに好ましくは1/1となる量である。
本発明のエポキシ樹脂組成物の温度40℃における粘度は、好ましくは750mPa・s以下、より好ましくは600mPa・s以下、さらに好ましくは500mPa・s以下、よりさらに好ましくは350mPa・s以下、よりさらに好ましくは300mPa・s以下である。温度40℃における粘度が750mPa・s以下であると、FRP用途に用いた際には生産性が向上する。エポキシ樹脂組成物の温度40℃における粘度の下限値には特に制限はないが、FRPの成形において、レイノルズ数の上昇により金型内で乱流が生じて強化繊維に乱れが生じることを抑制する点から、好ましくは150mPa・s以上である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、速硬化性の観点から、温度80℃におけるゲル化時間が、好ましくは10分以下、より好ましくは8.0分以下、さらに好ましくは7.0分以下、よりさらに好ましくは6.0分以下、よりさらに好ましくは5.0分以下、よりさらに好ましくは4.0分以下である。また、作業性の観点からは、当該ゲル化時間は、好ましくは0.5分以上、より好ましくは1.0分以上である。
上記ゲル化時間はレオメーターを用いて、実施例に記載の方法で測定できる。具体的には、レオメーターを用いて温度80℃、周波数1Hz、プレート間距離0.5mmでエポキシ樹脂組成物の貯蔵弾性率G’、損失弾性率G’’を測定し、G’とG’’とが交差する点をゲル化時間とする。
本発明のエポキシ樹脂組成物の製造方法には特に制限はなく、エポキシ樹脂硬化剤、エポキシ樹脂、及び必要に応じ他の成分を公知の方法及び装置を用いて混合し、製造することができる。エポキシ樹脂組成物に含まれる各成分の混合順序にも特に制限はなく、ポリアミン(A)とアルカンスルホン酸(B)とを混合してエポキシ樹脂硬化剤を調製した後、これをエポキシ樹脂と混合してもよく、エポキシ樹脂硬化剤に含まれるポリアミン(A)、アルカンスルホン酸(B)及びエポキシ樹脂を同時に混合してもよい。
本発明のエポキシ樹脂硬化剤及びこれを含有するエポキシ樹脂組成物は、速硬化性でかつ低粘度であるという特徴を有することから、繊維強化複合材用であることが好ましく、特に、炭素繊維強化複合材用であることが好ましい。
[繊維強化複合材]
本発明の繊維強化複合材(FRP)は、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物と、強化繊維とを含むものであり、強化繊維に前記エポキシ樹脂組成物を含浸させた後、該組成物を硬化させることにより得ることができる。
強化繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維及び金属繊維などが挙げられる。強化繊維は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、得られる複合材の強度及び軽量性の観点からは炭素繊維が好ましい。すなわち本発明の繊維強化複合材は、好ましくは前記エポキシ樹脂組成物の硬化物と、炭素繊維とを含む炭素繊維強化複合材(CFRP)である。
CFRPに用いられる炭素繊維は、レーヨンやポリアクリロニトリル(PAN)などを原料として製造したものであってもよいし、石油や石炭などのピッチを原料として紡糸して製造したものであってもよい。また、炭素繊維の端材を再利用した再生品や、CFRPから樹脂を除去した再生品の炭素繊維を用いることもできる。炭素繊維の形態は、例えば単にモノフィラメント又はマルチフィラメントを一方向または交互の交差するように並べたもの、編織物等の布帛、不織布あるいはマット等の種々の形態が挙げられる。これらのうち、モノフィラメント、布帛、不織布あるいはマットの形態が好ましく、布帛の形態がより好ましい。
炭素繊維の平均繊維径は、1〜100μmであることが好ましく、3〜50μmがより好ましく、4〜20μmであることがさらに好ましい。平均繊維径がこの範囲であると、加工が容易であり、得られるCFRPの弾性率及び強度が優れたものとなる。なお、平均繊維径は走査型電子顕微鏡(SEM)などによる観察によって測定することが可能である。50本以上の繊維を無作為に選んで長さを測定し、個数平均の平均繊維径を算出することができる。
炭素繊維の繊度は、20〜4,500texが好ましく、50〜4,000texがより好ましい。繊度がこの範囲であると、エポキシ樹脂組成物の含浸が容易であり、得られる複合材の弾性率及び強度が優れたものとなる。なお、繊度は任意の長さの長繊維の重量を求めて、1,000m当たりの重量に換算して求めることができる。フィラメント数は通常、500〜60,000程度の炭素繊維を好ましく用いることができる。
FRPは、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物と強化繊維の他に、さらに発泡材を含んでもよい。発泡材としては特に制限はないが、例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂材料から構成される発泡材が挙げられる。
[繊維強化複合材の製造方法]
本発明の繊維強化複合材の製造方法には特に制限はないが、本発明のエポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物は速硬化性であるため、エポキシ樹脂硬化剤と、エポキシ樹脂とを成形の直前に混合した後、好ましくは10分以内、より好ましくは5分以内に、強化繊維への含浸及び硬化を行うことが好ましい。
この観点から、本発明の繊維強化複合材の製造方法は、低圧RTM法、中圧RTM法、高圧RTM法、コンプレッションRTM法、リキッドコンプレッションモールディング法、リキッドレイダウン法、スプレーレイダウン法、サーフェイスRTM法、プリプレグコンプレッションモールディング法又はリキッドキャストモールディング法により成形する工程を有することが好ましい。これらの成形法の中でも、ハイサイクルRTM法に適用する観点から、低圧RTM法、中圧RTM法、又は高圧RTM法が好ましく、中圧RTM法又は高圧RTM法がより好ましく、成形速度の観点からは高圧RTM法がさらに好ましい。
なお本明細書において、低圧RTM法における「低圧」とは、エポキシ樹脂組成物の主剤であるエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤とを圧送して混合する際の圧送時の圧力が0.5MPa未満であることをいう。同様に、中圧RTM法における「中圧」とは上記圧力が0.5MPa以上、7MPa未満、高圧RTM法における「高圧」とは上記圧力が7MPa以上、20MPa以下であるものを指す。
上記成形法では、本発明のエポキシ樹脂硬化剤と、エポキシ樹脂とを成形の直前に混合して使用することが可能であるため、該エポキシ樹脂組成物のポットライフはそれほど必要とされない。また、当該エポキシ樹脂組成物は速硬化性でかつ低粘度であるため、金型内への充填及び強化繊維への含浸が速く、速やかに硬化するため、成形時間を大幅に短縮できる。したがって本発明のエポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物は、上記成形法に特に好適である。また、上記成形法を用いることにより、本発明のエポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物を適用して、自動車用構造材や建材用などの中〜大型のFRPを生産性よく製造することができる。
高圧RTM法では、エポキシ樹脂組成物の主剤であるエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤とを混合する装置として衝突混合ミキサーを使用することが好ましい。例えば、上下一対の金型内に強化繊維を配置して密閉し、金型内を減圧にする。次いで、エポキシ樹脂組成物の主剤であるエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤とを別々のタンクに充填し、それぞれを非常に小さい穴(オリフィス)から高速で吐出し、衝突混合ミキサーのミキシングチャンバー内で衝突混合させる。このようにして調製したエポキシ樹脂組成物を金型内に高圧注入して強化繊維に含浸させ、次いで、エポキシ樹脂を硬化させる。
低圧RTM法では、エポキシ樹脂組成物の主剤であるエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤とを混合する装置としてダイナミックミキサーを使用することが好ましい。ダイナミックミキサーは、表面に凹凸を有する筒状の高速回転体を備えている。例えば、エポキシ樹脂組成物の主剤であるエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤とを別々のタンクに充填し、それぞれをダイナミックミキサーに送液して前記回転体により主剤と硬化剤の2液を混合する。このようにして調製したエポキシ樹脂組成物を金型内に注入して強化繊維に含浸させ、次いで、エポキシ樹脂を硬化させる。低圧RTM法は、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤との配合比が大きく異なる場合や、装置コスト、装置の省スペース化の観点で有利である。
中圧RTM法では、エポキシ樹脂組成物の主剤であるエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤とを混合する装置としてスタティックミキサーを使用することが好ましい。スタティックミキサーは、多数のミキシングエレメントからなる静止型混合器を1個以上組み込んだ管型反応器である。例えば、エポキシ樹脂組成物の主剤であるエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤とを別々のタンクに充填し、それぞれをスタティックミキサーに送液する。スタティックミキサーのねじれたエレメントに主剤と硬化剤の2液を通すことで、分割・転換・反転等の作用より2液が混合される。このようにして調製したエポキシ樹脂組成物を金型内に注入して強化繊維に含浸させ、次いで、エポキシ樹脂を硬化させる。中圧RTM法は、金型内にエポキシ樹脂組成物を圧送できること、及び、装置コストの観点で有利である。
FRPが前記エポキシ樹脂組成物の硬化物と強化繊維の他にさらに発泡材を含む場合は、前記金型内に強化繊維及び発泡材を配置して、前記と同様にFRPの製造を行うことができる。
リキッドコンプレッションモールディング(LCM)法、リキッドレイダウン法にも本発明のエポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物を好適に用いることができる。LCM法及びリキッドレイダウン法では、強化繊維上(FRPがさらに発泡材を含む場合は、強化繊維及び発泡材上)にエポキシ樹脂組成物を流延させて含浸させた後、加熱圧縮してエポキシ樹脂を硬化させる。
FRPの成形において、エポキシ樹脂組成物を金型内に注入、又は強化繊維に含浸させる際の温度は、好ましくは30〜120℃、より好ましくは50〜100℃である。エポキシ樹脂硬化剤とエポキシ樹脂とを別々のタンクから供給して成形直前に混合する場合、エポキシ樹脂硬化剤とエポキシ樹脂との混合時の温度は、個別に設定することもできる。エポキシ樹脂硬化剤の混合時の温度は、粘度上昇を抑制する観点から、好ましくは5〜30℃、より好ましくは10〜25℃である。またエポキシ樹脂の混合時の温度は、エポキシ樹脂の粘度に応じて適宜調整できるが、好ましくは30〜120℃、より好ましくは50〜100℃である。
エポキシ樹脂組成物の強化繊維への含浸時間は、成形性及び生産性の観点から、好ましくは0.1〜15分、より好ましくは0.2〜10分、さらに好ましくは0.5〜5分である。
エポキシ樹脂組成物の硬化温度は、好ましくは50〜200℃、より好ましくは80〜150℃、さらに好ましくは100〜150℃である。硬化温度が50℃以上であれば、エポキシ樹脂の硬化が十分に進み、得られるFRPの機械的特性が優れたものとなる。また、200℃以下であれば、金型温度調整にかかるコストが低く済む。エポキシ樹脂組成物の硬化時間は、成形性及び生産性の観点から、好ましくは0.1〜15分、より好ましくは0.2〜10分、さらに好ましくは0.5〜5分である。
本発明のエポキシ樹脂硬化剤又はエポキシ樹脂組成物を用いて、上記の成形法によりFRPを生産性よく製造することができる。本発明の繊維強化複合材は、炭素繊維強化複合材であることが好ましく、自動車用構造材や建材、特に自動車用構造材であることが好ましい。自動車用構造材としては、バンパー、スポイラー、カウリング、フロントグリル、ガーニッシュ、ボンネット、トランクリッド、フェンダーパネル、ドアパネル、ルーフパネル、インストルメントパネル、ドアトリム、クオータートリム、ルーフライニング、ピラーガーニッシュ、デッキトリム、トノボード、パッケージトレイ、ダッシュボード、コンソールボックス、キッキングプレート、スイッチベース、シートバックボード、シートフレーム、アームレスト、サンバイザ、インテークマニホールド、エンジンヘッドカバー、エンジンアンダーカバー、オイルフィルターハウジング等が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、エポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物の各種測定及び評価は、以下の方法に従って行った。
(水の含有量)
カールフィッシャー水分計「MKH−700」(京都電子工業株式会社製)を用いて各例のエポキシ樹脂硬化剤の原料として用いたポリアミン及び硬化促進剤中の水の含有量を測定した。当該測定値からエポキシ硬化剤中の水の含有量を算出した。
(粘度)
E型粘度計「TVE−22H型粘度計 コーンプレートタイプ」(東機産業(株)製)を用いて、エポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物の粘度を測定した。エポキシ樹脂硬化剤は25℃、エポキシ樹脂組成物は40℃にてそれぞれ測定を実施した。粘度が低いほど、成形時の充填性が高く成形性が良好であることを示す。
(硬化促進剤の溶解性)
エポキシ樹脂硬化剤を目視観察して、硬化促進剤の溶解性を評価した。硬化促進剤の溶け残りなどがなく、エポキシ樹脂硬化剤が透明であるものを「良好」、硬化促進剤の溶け残りがあり、エポキシ樹脂硬化剤に曇りが見られるものを「不良」と判定した。
(ゲル化時間)
レオメーター「ARES−G2」(TAインスツルメント製)を用いて評価を行った。80℃に加温したアルミプレート間にエポキシ樹脂組成物を充填し、温度80℃、周波数1Hz、プレート間距離0.5mmで貯蔵弾性率G’、損失弾性率G’’を測定して、G’とG’’とが交差する点をゲル化時間とした。ゲル化時間が短いほど速硬化性であることを示す。
実施例1(エポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物の調製)
ポリアミン(A)である1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(1,3−BAC、三菱瓦斯化学(株)製、シス/トランス比=77/23、水分含有量0.017質量%)100gに対し、アルカンスルホン酸(B)としてメタンスルホン酸(関東化学(株)製、水分含有量0.60質量%)を3g配合して混合し、エポキシ樹脂硬化剤を得た。
さらに、このエポキシ樹脂硬化剤と、主剤であるビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(「jER825」、三菱化学(株)製)とを、エポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素数と、主剤であるエポキシ樹脂中のエポキシ基数とが等モルとなるよう配合して混合し、エポキシ樹脂組成物を調製した。
得られたエポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物について、前述の方法で評価を行った。結果を表1に示す。なお、エポキシ樹脂jER825は下記構造式で示され、エポキシ当量は175g/当量、m=0.035である。
Figure 0006878944
上記式中、R25は−CHCH(OH)−、又は−CH(OH)CH−である。
実施例2〜4
実施例1においてエポキシ樹脂硬化剤中のメタンスルホン酸の含有量を表1に示す量に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法でエポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物を調製し、前述の方法で評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1においてメタンスルホン酸を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法でエポキシ樹脂組成物を調製し、前述の方法で評価を行った。結果を表1に示す。
比較例2
実施例3においてメタンスルホン酸をp−トルエンスルホン酸一水和物(関東化学(株)製、水分含有量10.1質量%(水和水分を含む))に変更したこと以外は、実施例3と同様の方法でエポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物を調製し、前述の方法で評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006878944
表1より、実施例1〜4のエポキシ樹脂硬化剤は粘度が低く、硬化促進剤の溶け残りなどがなく透明性が良好で、かつ速硬化性である。そのため当該硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物はハイサイクルRTM法などの成形法を用いて各種成形体を製造するのに好適である。
これに対し、ポリアミン(A)に対しアルカンスルホン酸を配合しなかった比較例1のエポキシ樹脂硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物はゲル化時間が長く、硬化速度が低下した。アルカンスルホン酸に代えてp−トルエンスルホン酸一水和物を配合した比較例2のエポキシ樹脂硬化剤は、同量のメタンスルホン酸を配合した実施例3の硬化剤と比較して硬化速度が遅く、さらに、p−トルエンスルホン酸一水和物の溶解性が低く溶け残りが生じた。また、比較例2のエポキシ樹脂硬化剤は必然的に水和水を含むため、実施例のエポキシ樹脂硬化剤と比較して、製造ラインや金型などを腐食するおそれや、アウトガス発生によるボイドや欠陥の発生、外観不良が生じるおそれがある。
本発明によれば、ハイサイクルRTM法などによって自動車用構造材や建材などのFRPを生産性よく製造できるエポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物を提供することができる。当該エポキシ樹脂組成物をFRPのマトリクス樹脂として用いると、強化繊維への含浸性に優れ、かつ速硬化性であることから金型からの離型が可能になるまでの時間も短く、FRPの生産性を向上させることができる。

Claims (14)

  1. 環構造を有するポリアミン(A)及びアルカンスルホン酸(B)を含有するエポキシ樹脂硬化剤であって、前記ポリアミン(A)が下記一般式(1)で示されるジアミンであり、前記ポリアミン(A)100質量部に対する前記アルカンスルホン酸(B)の含有量が1〜25質量部であるエポキシ樹脂硬化剤。
    HN−(H C) −A−(CH −NHR (1)
    (式(1)中、R 及びR は共に水素原子である。a、bはそれぞれ独立に0又は1の数である。Aは炭素数5〜20の2価の環状脂肪族基又は炭素数6〜20のアリーレン基である。)
  2. 前記一般式(1)において、a=b=1であり、Aがシクロヘキシレン基である、請求項に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
  3. 前記アルカンスルホン酸(B)が炭素数1〜18のアルカンスルホン酸である、請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
  4. 前記アルカンスルホン酸(B)がメタンスルホン酸である、請求項に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
  5. 水の含有量が0.8質量%以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂硬化剤と、エポキシ樹脂とを含有するエポキシ樹脂組成物。
  7. 前記エポキシ樹脂が分子内に芳香環又は脂環式構造を含むエポキシ樹脂である、請求項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 前記エポキシ樹脂が下記一般式(2)で示されるエポキシ樹脂である、請求項に記載のエポキシ樹脂組成物。
    Figure 0006878944
    (式(2)中、R21〜R24はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基であり、p、q、r、及びsはそれぞれ独立に0〜4の整数である。複数のR21、複数のR22、複数のR23、及び複数のR24はすべて同一でもよく、互いに異なってもよい。Y及びYはそれぞれ独立に、単結合、−CH−、−CH(CH)−、又は−C(CH−である。R25は−CHCH(OH)−、又は−CH(OH)CH−である。mは平均繰り返し単位数を示し、0〜0.2の数である。)
  9. 温度40℃における粘度が750mPa・s以下である、請求項のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  10. 繊維強化複合材用である、請求項のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  11. 請求項10のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物と、強化繊維とを含む繊維強化複合材。
  12. 強化繊維が炭素繊維である、請求項11に記載の繊維強化複合材。
  13. 自動車用構造材である、請求項11又は12に記載の繊維強化複合材。
  14. 低圧RTM法、中圧RTM法、高圧RTM法、コンプレッションRTM法、リキッドコンプレッションモールディング法、リキッドレイダウン法、スプレーレイダウン法、サーフェイスRTM法、プリプレグコンプレッションモールディング法又はリキッドキャストモールディング法により成形する工程を有する、請求項1113のいずれか1項に記載の繊維強化複合材の製造方法。
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