JP6878829B2 - シリカ粉末及び高流動性シリカ造粒粉末並びにその製造方法 - Google Patents

シリカ粉末及び高流動性シリカ造粒粉末並びにその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、不透明石英ガラスの製造に好適なシリカ粉末及び高流動性シリカ造粒粉末並びにその製造方法に関するものである。
近年、半導体分野等で使用される不透明石英ガラス製品において、高純度、高機能、大型化の要望が高まっている。そして、不透明石英ガラスの製造方法としては、例えば、微細な高純度非晶質シリカ粉末をCIP成形し、所定の温度で焼結させる方法(例えば、特許文献1参照)が知られている。このような方法で製造された不透明石英ガラスは、微細な閉気孔を包含するため熱遮蔽性に優れる。
しかしながら、微細な非晶質シリカ粉末は凝集し易く流動性が悪いため、大型品を生産する際に成形型への均一充填が困難であり、小型品に比べて焼結体密度が低下すること、クラックが発生し易いこと、白色ムラが生じることなどの品質問題がある。このような品質問題は大型化するほど顕著になるため、成形性、焼結性に優れる粉末設計が望まれている。
一般に、乾式加圧成形法で使用されるセラミックス粉末の調製法として、各種造粒法が知られている。例えば、噴霧乾燥法では、原料粉末、バインダー、分散剤、可塑剤と水を混合してスラリーを調製し、該スラリーを噴霧乾燥することにより、流動性が比較的良好な球状顆粒が得られ、成形型への均一充填性が向上し易い。
しかしながら、スプレー造粒性を高めるために添加した、バインダー、分散剤、可塑剤等の有機系添加剤が造粒粉末に含まれるため、成形体において有機系添加剤を加熱除去する脱脂工程が新たに必要となり、生産性が劣る。更に、前記脱脂工程では有機系添加剤の分解により成形体内部でガスが放出されるため、成形体にクラックが発生し易い。また、本発明者らによって、バインダーを添加して造粒粉末を作製したところ、本発明のシリカ造粒粉末に比べて流動性が劣ることも明らかとなった。
特開2014−88286公報
これまで、不透明石英ガラスの製造において、大型品の生産に好適な成形性、焼結性に優れるシリカ粉末については報告されていなかった。本発明は、不透明石英ガラス製造用の粉末に関する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、成形性、焼結性に優れるシリカ造粒粉末を提供することであり、それにより、工業的規模において安定生産可能な大型かつ高品質な不透明石英ガラスを提供することである。
本発明者らは、不透明石英ガラスの成形性、焼結性について、粉末特性に着目し鋭意検討した結果、骨材となるシリカ粉末に、助剤として所定の微粒シリカを配合して、湿式混合で均一なスラリーを調製し、該スラリーを噴霧乾燥することにより、造粒性が著しく向上した高流動性シリカ造粒粉末が作製できると共に、成形性、焼結性に優れるシリカ造粒粉末が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明は、
[1]固形分濃度が10wt%のシリカスラリーを遠心沈降法(回転数5000rpm、回転時間15分、操作回数1回)で分離した、上層液中の微粒シリカの50%粒径(個数基準)が0.01〜0.9μmであり、濃縮層中のシリカの50%粒径(体積基準)が2〜20μmかつ100%粒径(体積基準)が200μm以下であり、全シリカ量に対して前記微粒シリカを0.8wt%以上15wt%以下含んでなることを特徴とするシリカ粉末。
[2]BET比表面積が4.5〜15m/gである上記[1]に記載のシリカ粉末。
[3]上記[1]または[2]に記載のシリカ粉末を造粒後の安息角が40°以下かつ軽装嵩密度が0.8g/cm以上であるシリカ造粒粉末。
[4]50%粒径(体積基準)が2〜20μmかつ100%粒径(体積基準)が200μm以下のシリカ粉末に、50%粒径(個数基準)が0.01〜0.9μmの微粒シリカを全シリカ量に対して7wt%以上40wt%以下の比率で湿式混合してスラリー化し、得られたスラリーを噴霧乾燥する上記[3]に記載のシリカ造粒粉末の製造方法。
[5]上記[3]に記載のシリカ造粒粉末を成形、焼結して得られる不透明石英ガラス。
に関するものである。
ここで、50%粒径(体積基準)が2〜20μmかつ100%粒径(体積基準)が200μm以下のシリカ粉末としては、例えば、アルコキシシランの加水分解反応、いわゆるゾルゲル法で製造した非晶質シリカ粉末、四塩化珪素やシロキサン化合物の火炎反応で製造した非晶質シリカ粉末、石英ガラスを粉砕した粉末などを用いることができる。また、微粒シリカは高純度化の面から市販の高純度非晶質シリカを用いることができる。このとき、前記シリカ粉末に、50%粒径(個数基準)が0.01〜0.9μmの微粒シリカを全シリカ量に対して7wt%以上40wt%以下の比率で湿式混合して得たシリカスラリーを噴霧乾燥することにより、シリカ粉末の粒子間の空隙に介在した微粒により凝集力が高まり、それにより造粒性が増し、得られるシリカ造粒粉末の流動性が向上する。これに対し、前記微粒シリカの混合比率が7wt%未満の場合、シリカ粉末の造粒性が低下する。また、前記微粒シリカの混合比率が40wt%を超える場合、シリカ粉末と微粒シリカを湿式混合して得たシリカスラリーの粘性が増大し、造粒操作性が悪くなることや、シリカ造粒粉末の強度が大きくなり成形時の潰れ性が悪くなるなど、均質性の面から好ましくない。
微粒シリカの50%粒径(個数基準)は、骨材となる50%粒径(体積基準)が2〜20μmかつ100%粒径(体積基準)が200μm以下のシリカ粉末の粒子間の空隙に介在できる大きさであり、本発明では0.01〜0.9μmである。
更に、シリカ粉末と微粒シリカを混合したシリカ粉末のBET比表面積は、4.5〜15m/gであることが好ましい。BET比表面積が4.5m/g未満の場合、シリカ粉末の造粒性が低下する。また、BET比表面積が15m/gを超える場合、シリカ粉末と微粒シリカを湿式混合して得たシリカスラリーの粘性が増大し、造粒操作性が悪くなる。本発明では、シリカ粒径、前記微粒シリカの重量比率、更にはBET比表面積を制御したシリカ粉末を用いることにより、所望のシリカ造粒粉末を作製することができる。
本発明のシリカ造粒粉末は、安息角が40°以下かつ軽装嵩密度が0.8g/cm以上であることを特徴とする。安息角が40°を超えるか、軽装嵩密度が0.8g/cm未満の場合、流動性が劣るため、成形型への均一充填が困難となり、大型品を生産する際にクラックのない焼結体を得ることが困難となる。
本発明のシリカ造粒粉末は、Na、Ca、Al、Fe、Cr、Niの各金属不純物の含有量が1ppm以下である。
次に、本発明のシリカ造粒粉末の製造方法について説明する。
本発明のシリカ造粒粉末の製造方法は、50%粒径(体積基準)が2〜20μmかつ100%粒径(体積基準)が200μm以下のシリカ粉末に、50%粒径(個数基準)が0.01〜0.9μmの微粒シリカを全シリカ量に対して7wt%以上40wt%以下の比率で湿式混合してスラリー化し、得られたスラリーを噴霧乾燥することを特徴とする。
以下、本発明のシリカ造粒粉末の製造方法について、工程ごとに詳細に説明する。
(1)原料粉末の選定
本発明において、骨材として用いる非晶質シリカ粉末としては、50%粒径(体積基準)が2〜20μmかつ100%粒径(体積基準)が200μm以下の範囲であれば特に限定されないが、例えば、アルコキシシランの加水分解反応、いわゆるゾルゲル法で製造した非晶質シリカ粉末、四塩化珪素やシロキサン化合物の火炎反応で製造した非晶質シリカ粉末、石英ガラスを粉砕した粉末などを使用することができる。
前記非晶質シリカ粉末の粒径は、例えば、ジェットミル、ボールミル、ビーズミルなどで粉砕して制御することができる。この際、粉砕後の非晶質シリカ粉末の50%粒径(体積基準)を小さくしすぎると、粉砕機材質から混入する金属不純物量が増加するため好ましくない。また、粉砕条件を変えて粉砕後の非晶質シリカ粉末の50%粒径(体積基準)を大きくすると、粉砕機材質から混入する金属不純物量は少なくなるが、造粒、成形、焼結が困難になる。そこで、本発明では前記非晶質シリカ粉末の50%粒径(体積基準)を2〜20μmかつ100%粒径(体積基準)を200μm以下とし、該非晶質シリカ粉末の造粒、成形、焼結の各特性を高めるために、助剤となる微粒シリカを湿式混合する。
次に、本発明で使用する微粒シリカは、50%粒径(個数基準)が0.01〜0.9μmの範囲であれば特に限定されないが、例えば、アルコキシシランの加水分解反応、いわゆるゾルゲル法で製造したシリカ微粒子、四塩化珪素やシロキサン化合物の火炎反応で製造したシリカ微粒子などを使用することができる。
(2)原料粉末の混合
(1)で選定した非晶質シリカ粉末と微粒シリカを湿式混合する。微粒シリカの混合比率は、全シリカ量に対して7wt%以上40wt%以下であるが、好ましい範囲は用いる非晶質シリカ粉末や微粒シリカの粒度分布によって異なるため、適宜条件設定できる。非晶質シリカ粉末と微粒シリカの混合方法としては、例えば、容器回転型のロッキングミキサー、クロスミキサー、ポットミル、ボールミルなどを用い、超純水を加えて固形分濃度が30〜80wt%のスラリーを調製し、回転容器内で均一に湿式混合する方法が挙げられる。
なお、本発明では不透明石英ガラス製造用原料に用いられる造孔剤粉末を選定し、非晶質シリカ粉末、微粒シリカと共に湿式混合してもよい。例えば、50%粒径(体積基準)が2〜20μmかつ100%粒径(体積基準)が200μm以下のシリカ粉末に、50%粒径(個数基準)が0.01〜0.9μmの微粒シリカを全シリカ量に対して7wt%以上40wt%以下、造孔剤粉末として50%粒径(体積基準)が5〜40μmの黒鉛粉末またはアモルファスカーボン粉末を全シリカ量に対して4wt%以上40wt%以下含んでなる混合シリカ粉末とすることができる。
(3)造粒
(2)で得られる非晶質シリカ粉末と微粒シリカを均一混合したスラリーを用いて、噴霧乾燥法で造粒する。噴霧乾燥で使用する装置は特に限定されないが、例えば、ディスク式(アトマイザー式)、圧力ノズル式、二流体ノズル式などが挙げられる。噴霧乾燥条件は、装置の仕様(種類、乾燥室内径など)に応じて適宜条件設定する。例えば、ディスク式で乾燥室内径1.5m程のスプレードライヤーにおいては、スラリー供給速度5〜15kg/hr、ディスク回転数10000〜20000rpm、熱風入口温度100〜170℃、出口温度60〜120℃となる。
本発明の製造方法で得られるシリカ造粒粉末は、乾式加圧成形法を用いる不透明石英ガラス用の原料などに利用することができる。
本発明のシリカ粉末は、造粒、成形、焼結において優れた特性を有する。具体的には、該シリカ粉末で作製した造粒粉末は、有機系添加剤を一切含まず、金属不純物量が少なく、流動性に優れる球状顆粒である。また、本発明のシリカ造粒粉末を乾式加圧成形、焼結用の原料に用いれば、均一充填性、最密充填性に優れるため、工業生産において大型化しても、クラックのない、密度の高い成形体、焼結体を歩留り良く製造でき、高純度で高熱遮蔽性を有する不透明石英ガラスを提供することができる。
実施例1で作製したシリカ造粒粉末の走査型電子顕微鏡写真を示す。 実施例2で作製したシリカ造粒粉末の走査型電子顕微鏡写真を示す。 比較例1で作製したシリカ造粒粉末の走査型電子顕微鏡写真を示す。 比較例2で作製したシリカ造粒粉末の走査型電子顕微鏡写真を示す。
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
造粒、成形、焼結の各特性に影響を及ぼすシリカ中の微粒に関しては、後記(a)の遠心沈降法を用いて微粒シリカを分離することにより、微粒シリカの重量比率と粒度分布を定量した。なお、実施例と比較例で調製した各シリカスラリーを、後記(a)の遠心沈降法を用いずに粒度分布を測定した場合には、粒度分布に有意差は認められず、微粒の定量評価は困難であった。
(a)遠心沈降分離の操作方法
固形分濃度(Cs)が10wt%のシリカスラリーを調製後、50ml遠沈管(樹脂製、コニカル型、内径約27mm、高さ約113mm)にシリカスラリーを30g仕込んだ。シリカスラリーは、各種粉砕装置で乾式粉砕したシリカ粉末を用いて超純水で調製した。なお、乾式粉砕したシリカ粉末に代えて湿式粉砕したシリカスラリーを用いる場合は、予め、ポットミルで均一分散させて、乾燥機にて130℃で恒量になるまで乾燥させて固形分重量を測定した後、固形分濃度(Cs)が10wt%になるように調製する。
次いで、固形分濃度(Cs)が10wt%のシリカスラリーを超音波ホモジナイザー((株)日本精機製作所製US−150T、チップ径φ12mm、電流値150μA、処理時間5分)で分散処理した。前記シリカスラリーを遠心器(アズワン製CN−1050、回転数5000rpm、回転時間15分、操作回数1回)で遠心沈降処理した後、続けて、上層液を2mlパスツールにて50mlガラス製サンプル瓶に採取して、濃縮層(沈降層及び圧縮層)と分離した。
(b)シリカ中の微粒シリカ重量比率の定量
(a)に記載の上層液分離後の濃縮層から適当量(約2g)を駒込ピペットでガラス製容器に採取し、乾燥機にて130℃で恒量になるまで乾燥させて濃縮層の固形分重量を測定した。全シリカ量に対する微粒シリカ重量比は、以下の式から計算した。
Figure 0006878829
ここで、Wは遠心沈降前のスラリー重量[g]、Wは遠心沈降後の濃縮層の重量[g]、Csは遠心沈降前のスラリーの固形分濃度[wt%]、Csは遠心沈降後の濃縮層の固形分濃度[wt%]である。W,Wは、精密天秤(天秤精度0.1mg)で秤量した値であり、Cs,Csは、固形分重量/スラリー重量×100で求めた値である。
(c)粒度分布
シリカの粒度分布は、レーザー回折・散乱法で測定(球相当径)した。測定装置は、マイクロトラック(マイクロトラック・ベル(株)製、MT3300EX)を用い、測定条件は、シリカの屈折率を1.46、溶媒を水、水の屈折率を1.33、累積分布を篩下とし、分布形式を個数基準または体積基準とした。
本発明では、前記(a)の遠心沈降法で分離した、上層液と濃縮層を各々超音波ホモジナイザーで2分間分散させた後、上層液中の微粒シリカの50%粒径を個数基準で評価し、濃縮層中のシリカの50%粒径と100%粒径を体積基準で評価した。
他の測定は、以下の方法で行った。
(d)BET比表面積
シリカのBET比表面積は、島津製作所製フローソーブII2300装置を用いて測定した。なお、脱ガス処理は、窒素ガス流通下、加熱温度200℃、加熱時間30分とし、吸着用のガスは、窒素30%とヘリウム70%(体積比)の混合ガス(BET1点法)とした。
(e)安息角と軽装嵩密度
シリカ造粒粉末の安息角と軽装嵩密度は、マルチテスター((株)セイシン企業製、MT−1001K)を用いて測定した。
(f)金属不純物含有量
シリカ造粒粉末の金属不純物含有量は、誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP−AES)を用いて測定した。
実施例1
シリカ粉末として、化学的純度が99.9wt%以上、50%粒径(体積基準)が70μmである非晶質シリカ粉末(日本化成(株)製、商品名「MKCシリカPS100」)を用い、ジェットミル粉砕機((株)アイシンナノテクノロジーズ製、商品名「NJ−100」)により、前記非晶質シリカ粉末を供給速度5kg/hrで粉砕し、50%粒径(体積基準)を4.9μmかつ100%粒径(体積基準)を52μmとした。
助剤となる微粒シリカとして、化学的純度が99.9wt%以上、50%粒径(個数基準)が0.1μmである微小球状シリカ粉末((株)トクヤマ製、商品名「シルフィルNSS−3N)を用いた。
次に、ポリエチレン製ポットに、ジェットミル粉砕した非晶質シリカ粉末15.28kg、微小球状シリカ粉末2.70kg(全シリカ量に対して15wt%)、超純水11.26kgを投入し、ポットミルで湿式混合してスラリーを調製した。
前記スラリーをスプレードライヤー((株)プリス製、商品名「TR160」、ディスク式、乾燥室内径1.6m)を用い、スラリー供給速度8kg/hr、ディスク回転数18000rpm、熱風入口温度150℃、出口温度80℃で噴霧乾燥させて、シリカ造粒粉末を約18kg作製した。
表1にシリカ調製条件、表2にシリカ物性とシリカ造粒粉末物性を示す。得られたシリカ造粒粉末は、安息角が30°かつ軽装嵩密度が0.95g/cmであった。
図1に、シリカ造粒粉末の電子顕微鏡写真を示す。流動性の良い約60μmの大きさの球状顆粒である。
また、表3にシリカ造粒粉末の金属不純物分析の結果を示す。この表から、本発明のシリカ造粒粉末は、Na、Ca、Al、Fe、Cr、Niの各金属不純物の含有量が各々1ppm以下であることが明らかである。
実施例2
実施例1と同様の非晶質シリカ粉末と微小球状シリカ粉末を用い、全シリカ量に対する微小球状シリカ粉末の混合比を10wt%とした以外は、実施例1と同様の手順で行った。
表1にシリカ調製条件、表2にシリカ物性とシリカ造粒粉末物性を示す。得られたシリカ造粒粉末は、安息角が34°かつ軽装嵩密度が0.92g/cmであった。
実施例3
実施例1と同様の非晶質シリカ粉末と微小球状シリカ粉末を用い、全シリカ量に対する微小球状シリカ粉末の混合比を25wt%とした以外は、実施例1と同様の手順で行った。
表1にシリカ調製条件、表2にシリカ物性とシリカ造粒粉末物性を示す。得られたシリカ造粒粉末は、安息角が30°かつ軽装嵩密度が1.03g/cmであった。
比較例1
実施例1と同様の非晶質シリカ粉末を用い、微小球状シリカ粉末を混合しない以外は、実施例1と同様の手順で行った。
表1にシリカ調製条件、表2にシリカ物性とシリカ造粒粉末物性を示す。シリカ粉末は造粒が困難で、造粒前と同様の不定形な微粉末であり、安息角が47°と高く、軽装嵩密度が0.66g/cmと低く、本発明とするシリカ造粒粉末は得られなかった。
固形分濃度が10wt%であるシリカスラリー(超音波ホモジナイザー分散、処理時間5分)を遠心沈降法(回転数5000rpm、回転時間15分、操作回数1回)で分離したときの上層液には、50%粒径(個数基準)が0.01〜0.9μmの微粒シリカは検出されなかった。
比較例2
実施例1と同様の非晶質シリカ粉末と微小球状シリカ粉末を用い、全シリカ量に対する微小球状シリカ粉末の混合比を5wt%とした以外は、実施例1と同様の手順で行った。
表1にシリカ調製条件、表2にシリカ物性とシリカ造粒粉末物性を示す。シリカ粉末の造粒性が劣るため、造粒後の粉末が崩壊し、本発明とするシリカ造粒粉末は得られなかった。
固形分濃度が10wt%であるシリカスラリー(超音波ホモジナイザー分散、処理時間5分)を遠心沈降法(回転数5000rpm、回転時間15分、操作回数1回)で分離したときの上層液には、50%粒径(個数基準)が0.5μmの微粒シリカが検出されたが、全シリカ量に対する前記微粒シリカの重量比は0.7wt%であり、本発明の微粒シリカ重量比に比べて低い値であった。
比較例3
実施例1と同様の非晶質シリカ粉末を用い、微小球状シリカ粉末を混合せず、有機バインダー(ユケン工業(株)製、セランダーAP−5)を1.0wt%添加(対非晶質シリカ粉末)した以外は、実施例1と同様の手順で行った。
表1にシリカ調製条件、表2にシリカ物性とシリカ造粒粉末物性を示す。シリカ粉末は造粒性がやや劣り、安息角が37°と高く、軽装嵩密度が0.74g/cmと低く、本発明とするシリカ造粒粉末は得られなかった。
固形分濃度が10wt%であるシリカスラリー(超音波ホモジナイザー分散、処理時間5分)を遠心沈降法(回転数5000rpm、回転時間15分、操作回数1回)で分離したときの上層液には、50%粒径(個数基準)が0.01〜0.9μmの微粒シリカは検出されなかった。
Figure 0006878829
Figure 0006878829
Figure 0006878829
応用例
実施例1と実施例2のシリカ造粒粉末、及び比較例1のシリカ粉末を用いて、以下の方法により成形性、焼結性について評価した。
CIP成形体の密度は、重量とサイズから計算し、焼結体の密度は、JIS R 1634に準じてアルキメデス法により測定した。
実施例1、実施例2、比較例1の各粉末を発泡スチロール製の型に充填した後、発泡スチロール型全体をポリエチレン製袋で減圧封入し、圧力280MPaでCIP成形した。次いで、CIP成形体を大気雰囲気下で所定の温度で焼結させて不透明石英ガラスを得た。
表4に、成形体サイズ40mm×40mm×40mmにおいて、各焼結温度(保持時間4時間)で評価した焼結体密度を示す。この表から、本発明のシリカ造粒粉末は、焼結体密度が高く、焼結性に優れることが明らかである。
Figure 0006878829
表5に、大型サイズにおける成形性、焼結性の評価結果を示す。この表から、本発明のシリカ造粒粉末は、成形体密度が高く、1425℃(保持時間4時間)での焼結体密度も高く、クラックも発生していないことが明らかである。これに対し、50%粒径(個数基準)が0.01〜0.9μmの微粒シリカが所定量含まれず、造粒困難であったシリカ粉末を用いた場合には、成形体密度も低く、1425℃(保持時間4時間)での焼結体にクラックが発生した。
従って、本発明のシリカ粉末で調製したシリカ造粒粉末を用いると、CIP成形時の均一充填性、最密充填性、及び焼結性が向上するため、工業的に有益な大型で高品質な不透明石英ガラスを製造することができる。
Figure 0006878829
本発明のシリカ粉末で調製したシリカ造粒粉末は、有機系添加剤を一切含まず、高純度、高流動性を有し、成形性、焼結性に優れるため、例えば、半導体製造装置用部材などに用いられる不透明石英ガラス製造用の原料に好適であり、工業的規模において大型の不透明石英ガラスを生産性良く製造する際に極めて有用である。

Claims (2)

  1. 50%粒径(体積基準)が2〜20μmかつ100%粒径(体積基準)が200μm以下のシリカ粉末に、50%粒径(個数基準)が0.01〜0.9μmの微粒シリカを全シリカ量に対して7wt%以上40wt%以下の比率で湿式混合してスラリー化し、得られたスラリーを噴霧乾燥して造粒することを特徴とする、安息角が40°以下かつ軽装嵩密度が0.8g/cm 以上であるシリカ造粒粉末の製造方法。
  2. 請求項1に記載のシリカ造粒粉末を加圧成形した後に、焼結することを特徴とする、不透明石英ガラスの製造方法
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