JP6877251B2 - 電力用半導体装置 - Google Patents

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本発明は電力用半導体装置に関し、特に圧力接触型の電力用半導体コアモジュールを備える電力用半導体装置に関するものである。
近年、環境負荷の低減および高出力化の観点から、制御端子と制御回路基板との電気的接続がはんだの代わりに弾性力を用いた圧力接触によりなされた、様々な電力用半導体装置が提案されている。たとえば特表2004−528724号公報(特許文献1)には、複数の半導体チップと、その真上のカバープレートとが、バネ状の接触要素により電気的に接続された高出力半導体モジュールが開示されている。特表2004−528724号公報の高出力半導体モジュールでは、予備テストされた複数個のサブモジュールが1つのモジュールハウジング要素内に並列に配置される。半導体チップであるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)のゲート電極が、ボンディングワイヤを介して、半導体チップの側方に配置されたゲートランナーに接続される。これにより、複数の半導体チップのそれぞれが、1本の共有のゲート信号導体に集められる。
しかしこのような構造においては、半導体チップのゲート電極は、ボンディングワイヤを介して、半導体チップの平面視における外側に配置されたゲートランナーに接続される。このためボンディングワイヤおよびゲートランナーの配置される領域分だけ、高出力半導体モジュール全体の平面積が増加する。したがってこのような構成は、高出力半導体モジュール全体の小型化には適さないと考えられる。
一方、たとえば特開平11−3995号公報(特許文献2)の半導体装置においては、半導体チップのゲート電極が、半導体チップの真上に延びるコンタクトプローブを介してゲート端子に接続された構成を有している。このため半導体チップからゲート端子への接続経路が半導体チップの平面視における外側に配置されることはなく、半導体装置の小型化がなされている。
特表2004−528724号公報 特開平11−3995号公報
しかし特開平11−3995号公報の半導体装置においては、複数のコンタクトプローブの先端が直接半導体チップの表面に接触するため、これが半導体チップの表面を損傷する恐れがある。つまり、半導体チップの表面の損傷を減らす観点から、ゲート電極に繋がるコンタクトプローブ以外の配線については、当該半導体チップの表面以外の導電性材料の部材に接続されることが好ましい。
また特開平11−3995号公報のように複数のコンタクトプローブが直接半導体チップの表面に接続されそこから電気信号を出力する構成は、半導体チップの表面上のうちコンタクトプローブを接触させ外部との通電が可能な範囲を狭めることとなる。このためコンタクトプローブによる電気信号の入出力の電気的安定性に乏しくなる可能性がある。
本発明は以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、半導体チップに直接接続される配線の数を減少させ半導体チップの表面の保護効果および電気的安定性向上効果が確保され、かつ小型化された電力用半導体装置を提供することである。
本発明の電力用半導体装置は、自己消弧型半導体素子領域と、ダイオード領域とが、平面視にて複数並ぶ電力用半導体装置である。自己消弧型半導体素子領域は、平面視における電力用半導体装置の最外部に、ダイオード領域を囲むように配置されている。自己消弧型半導体素子領域は、導電性ベースプレートと、その上の下側金属板と、その上の電力用半導体チップと、その上の上側金属板と、その上の支持部材と、その上の導電性カバープレートと、導電性部材および信号端子とを備える。導電性部材および信号端子は支持部材内を上側金属板側から導電性カバープレート側まで貫通するように配置される。信号端子は支持部材および上側金属板の双方を貫通する。信号端子は自己消弧型半導体素子領域に含まれる電力用半導体チップのゲートと接続する。
本発明の電力用半導体装置は、導電性ベースプレートと、その上の下側金属板と、その上の電力用半導体チップと、その上の上側金属板と、その上の支持部材と、その上の導電性カバープレートと、導電性部材および信号端子とを備える。導電性部材および信号端子は支持部材内を上側金属板側から導電性カバープレート側まで貫通するように配置される。信号端子は支持部材および上側金属板の双方を貫通する。
本発明によれば、導電性部材が上側金属板に接するように配置されるため、電力用半導体チップの表面に直接接触する導電性部材の数を減らすことにより、半導体チップの表面の保護効果および電気的安定性向上効果が得られる。また信号端子は半導体チップ上の部材を貫通するように真上へ延びるため、電力用半導体装置が小型化される。
本発明に係る電力用半導体装置の一部の領域の概略平面図である。 実施の形態1の第1例に係る、図1中のA−A線に沿う、1つの自己消弧型半導体素子領域の概略断面図である。 図2中のIII−III線に沿う、自己消弧型半導体素子の部分の構成を示す概略平面図である。 図2中のIV−IV線に沿う、上側金属板の部分の構成を示す概略平面図である。 図2中のV−V線に沿う、実施の形態1の第1例に係る支持部材の構成を示す概略平面図である。 実施の形態1の第2例に係る、図1中のA−A線に沿う、1つの自己消弧型半導体素子領域の概略断面図である。 実施の形態1の第3例に係る、図1中のA−A線に沿う、1つの自己消弧型半導体素子領域の概略断面図である。 図2中のVIII−VIII線に沿う、エミッタ用基板の平面視における態様を示す概略平面図である。 図2中のIX−IX線に沿う、ゲート用基板の平面視における態様を示す概略平面図である。 実施の形態1の第4例に係る、図1中のA−A線に沿う、1つの自己消弧型半導体素子の領域の概略断面図である。 図10中のXI−XI線に沿う、実施の形態1の第4例に係る支持部材の構成を示す概略平面図である。 実施の形態1の第5例に係る支持部材の構成を示す概略平面図である。 実施の形態2に係る支持部材の構成を示す概略平面図である。 図13中のXIV−XIV線に沿う、実施の形態2の自己消弧型半導体素子領域に含まれる一の信号端子の領域の構成を示す概略断面図である。 図13中のXV−XV線に沿う、実施の形態2の自己消弧型半導体素子領域に含まれる他の信号端子の領域の構成を示す概略断面図である。 実施の形態3に係る、図1中のA−A線に沿う、1つの自己消弧型半導体素子の領域の概略断面図である。 図16中の点線で囲まれた領域XVII内の信号端子の構成を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
実施の形態1.
まず本実施の形態の第1例の電力用半導体装置の構成について、図1〜図9(図6,図7を除く)を用いて説明する。なお、説明の便宜のため、X方向、Y方向、Z方向が導入されている。図1の電力用半導体装置101の概略平面図において、X方向は図の左右方向に相当し、Y方向は図の上下方向に相当し、Z方向は図の紙面に垂直な方向に相当する。図1は電力用半導体装置101の一部の領域の平面態様を示している。
図1を参照して、本発明に係る電力用半導体装置101は、電力用半導体コアモジュール102を有している。電力用半導体装置101においては、たとえば4つの電力用半導体コアモジュール102A,102B,102C,102Dが集まった構成を電力用半導体コアモジュール102の1つの単位とした平面態様を有している。電力用半導体コアモジュール102Aは、電力用半導体コアモジュール102において図1のX方向負側およびY方向正側(左上側)に配置される。電力用半導体コアモジュール102Bは、電力用半導体コアモジュール102において図1のX方向正側およびY方向正側(右上側)に配置される。電力用半導体コアモジュール102Cは、電力用半導体コアモジュール102において図1のX方向負側およびY方向負側(左下側)に配置される。電力用半導体コアモジュール102Dは、電力用半導体コアモジュール102において図1のX方向正側およびY方向負側(右下側)に配置される。なお当該電力用半導体装置101は、図1が示す平面態様の4つの電力用半導体コアモジュール102A〜102Dが集まった1つの単位が、互いに間隔をあけて、X方向およびY方向の双方に複数ずつ、互いに間隔をあけて行列状に配置されるよう繰り返された構成を有することが好ましい。
電力用半導体コアモジュール102A〜102Dのそれぞれは、複数の自己消弧型半導体素子領域MTと、複数のダイオード領域DIとを有している。すなわち図1に示すように、電力用半導体コアモジュール102A〜102Dのそれぞれは、たとえば5つの自己消弧型半導体素子領域MTと、4つのダイオード領域DIとを有している。電力用半導体コアモジュール102A〜102Dのそれぞれにおいて、自己消弧型半導体素子領域MTは、電力用半導体コアモジュール102の単位全体の最外部を囲むように配置されている。すなわち電力用半導体コアモジュール102Aにおいては図1の左側および上側に、電力用半導体コアモジュール102Bにおいては右側および上側に、電力用半導体コアモジュール102Cにおいては左側および下側に、電力用半導体コアモジュール102Dにおいては右側および下側に、自己消弧型半導体素子領域MTが配置される。一方、電力用半導体コアモジュール102A〜102Dのそれぞれにおいて、ダイオード領域DIは、自己消弧型半導体素子領域MTに囲まれるよう、その内側に集まるように4つずつ配置されている。
図1が示す電力用半導体装置101および電力用半導体コアモジュール102の平面態様は一例であり、これに限られない。たとえば図1においては4つの電力用半導体コアモジュール102A〜102Dが行列状に配置されている。しかしこれに限らず、電力用半導体装置101において電力用半導体コアモジュールの配置される数は2以上の任意である。また図1において電力用半導体コアモジュール102A〜102Dのそれぞれは四角形状の平面形状を有し、これらが行列状に並んだ電力用半導体装置101も四角形状の平面形状を有している。ただしこれに限らず、たとえば電力用半導体コアモジュール102A〜102Dのそれぞれは円形または楕円形の平面形状を有していてもよい。さらに自己消弧型半導体素子領域MTおよびダイオード領域DIについても、図1においては矩形状を有するが、円形または楕円形の平面形状を有してもよい。さらに図1においては電力用半導体コアモジュール102A〜102Dのそれぞれは、5つの自己消弧型半導体素子領域MTと、4つのダイオード領域DIとの合計9つがX方向、Y方向のそれぞれに3列ずつ行列状に並ぶように配置される。しかしこれに限らず、電力用半導体コアモジュール102A〜102Dのそれぞれに配置される自己消弧型半導体素子領域MTおよびダイオード領域DIの数は任意である。
なお自己消弧型半導体素子領域MTには、たとえばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)およびIGBTなどの半導体素子が搭載されている。またダイオード領域DIにはたとえばSBD(Schottky Barrier Diode)およびPNダイオードが搭載されている。
図2は、本実施の形態の第1例に係る、図1中に複数並ぶ自己消弧型半導体素子領域MTの1つとしての自己消弧型半導体素子領域MT1の断面態様を示している。図2を参照して、本実施の形態の第1例の自己消弧型半導体素子領域MT1は、ベースプレート1と、下側金属板3と、電力用半導体チップ4と、上側金属板6と、支持部材7と、カバープレート8と、導電性部材9と、信号端子10とを主に備えている。
ベースプレート1は、自己消弧型半導体素子領域MT1全体の土台となるZ方向最下部に配置された平板形状の部材である。ベースプレート1は、たとえばモリブデンなどの熱膨張率が比較的低い導電性材料により形成されることが好ましい。ただしこれに限らず、銅、SUS、アルミニウムからなる群から選択されるいずれかなどの一般公知の金属材料であってもよい。このようにベースプレート1を導電性材料により構成すれば、電力用半導体チップ4のZ方向下部に接している下側金属板3からの接続端子を電力用半導体コアモジュール102の外部に取り出す配線を不要とすることができる。
下側金属板3は、ベースプレート1の上に、すなわちベースプレート1のZ方向上側の主表面に接するように配置される部材である。下側金属板3は、図2においては概ね平板形状を有しているが、これに限らず、たとえば角柱形状を有するものであってもよい。ここで平板形状とは、XY平面に沿うように矩形の主表面が配置され、それに交差するZ方向の厚みがX方向およびY方向の寸法よりも小さい直方体状をいうこととする。またここで角柱形状とは、XY平面に沿うように矩形の主表面が配置され、それに交差するZ方向の厚みがX方向およびY方向の寸法よりも大きい直方体状をいうこととする。
電力用半導体チップ4は、下側金属板3の上に、すなわち下側金属板3のZ方向上側の主表面に接するように配置される部材である。電力用半導体チップ4は自己消弧型半導体素子としての半導体チップであり、たとえばシリコンにより形成されている。電力用半導体チップ4には上記のようにMOSFETおよびIGBTなどの半導体素子が搭載されている。
図3は図2中のIII−III線に沿うように、電力用4の平面視における態様を示している。図3を参照して、電力用半導体チップ4は、矩形、特に正方形の平面形状を有するチップの上に、すなわち当該チップのZ方向上側の主表面に接するように、電極4Eが配置され、さらにその内側にゲートパッド4Pが形成されている。電極4Eおよびゲートパッド4Pを介して、電力用半導体チップ4に搭載されるMOSFETなどから電気信号を入出力することが可能な構成を有している。電極4Eおよびゲートパッド4Pはアルミニウムまたは銅などの一般公知の金属材料からなる薄膜であることが好ましい。
再度図2を参照して、上側金属板6は、電力用半導体チップ4の上に、すなわち電力用半導体チップ4のZ方向上側の主表面に接するように配置される部材である。したがって上側金属板6は、そのZ方向下側の主表面が電極4Eと接触するように配置される。上側金属板6は、図2においては概ね平板形状を有しているが、これに限らず、たとえば角柱形状を有するものであってもよい。下側金属板3および上側金属板6は、銅などの金属材料により形成されることが好ましい。
図4は図2中のIV−IV線に沿うように、上側金属板6の平面視における態様を示している。図2および図4を参照して、上側金属板6は、その一方の主表面すなわちZ方向下側の主表面からその他方の主表面すなわちZ方向上側の主表面までこれを貫通する貫通孔11が形成されている。図4においては貫通孔11は円形(または楕円形)の平面形状を有するように形成されているが、これに限らず、たとえば貫通孔11は矩形(正方形)の平面形状を有していてもよい。この貫通孔11は、その内部を後述する信号端子10が貫通するための孔部である。したがって貫通孔11の平面視におけるサイズは、信号端子10が挿入可能なサイズである。また貫通孔11の壁面、すなわちZ方向に沿って延びる孔部としての貫通孔11内部の壁面には絶縁被覆膜12が形成されている。この絶縁被覆膜12は、信号端子10と上側金属板6との短絡を抑制するために設けられている。
絶縁被覆膜12は、電気的な絶縁性が高く、かつ貫通孔11の壁面への供給の容易性を考慮し、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、イミド系樹脂からなる群から選択されるいずれか1つが用いられることが好ましい。また絶縁被覆膜12の厚みは、5μm以上2mm以下であることが好ましいがこれに限られない。
再度図2を参照して、支持部材7は、上側金属板6の上に、すなわち上側金属板6のZ方向上側の主表面に接するように配置される、たとえば平板形状の部材である。ただし支持部材7は角柱形状であっても円柱形状であってもよい。
支持部材7は、銅、アルミニウム、モリブデンからなる群から選択されるいずれか1つの金属材料からなることが好ましい。ただし支持部材7としてはこれに限らず、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂成型物、セラミックからなる群から選択されるいずれか1つの絶縁性材料からなっていてもよい。支持部材7として金属を用いることにより、上側金属板6との一体成型も可能となり、低コスト化が可能となる。また支持部材7として熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂成型物を用いることにより、低コスト化が可能になる。さらに支持部材7としてセラミック板加工物を用いることにより、温度に対する寸法精度が、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂成型物より優れているために、電力用半導体チップ4に対する導電性部材9及び信号端子10の位置精度が向上する。
図5は図2中のV−V線に沿うように、本実施の形態の第1例における支持部材7の平面視における態様を示している。図5を参照して、支持部材7は、上側金属板6と同様に、その一方の主表面すなわちZ方向下側の主表面からその他方の主表面すなわちZ方向上側の主表面までこれを貫通する貫通孔11が形成されている。この貫通孔11も、その内部を後述する信号端子10が貫通するための孔部である。したがって貫通孔11は、上側金属板6のZ方向下側の主表面から支持部材7のZ方向上側の主表面まで、上側金属板6および支持部材7の双方を貫通するように延びている。
支持部材7が金属材料からなる場合、支持部材7の貫通孔11内を貫通する信号端子10と支持部材7との短絡を抑制する観点から、図5に示すように、支持部材7の貫通孔11の壁面、すなわちZ方向に沿って延びる孔部としての貫通孔11内部の壁面には絶縁被覆膜12が形成されている。この絶縁被覆膜12により、支持部材7と信号端子10とは互いに電気的に絶縁されている。この絶縁被覆膜12は、上側金属板6の貫通孔11の内壁面の絶縁被覆膜12と同様である。一方、支持部材7が熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂成型物、セラミックからなる群から選択されるいずれか1つの絶縁性材料からなる場合、図5とは異なり、支持部材7の貫通孔11内部の壁面には絶縁被覆膜12が形成されなくてもよい。つまり絶縁被覆膜12は、支持部材7および上側金属板6の双方を貫通する孔部である貫通孔11の壁面に配置されている。
再度図2を参照して、ここでは下側金属板3および上側金属板6のZ方向に関する寸法すなわち厚みが、電力用半導体チップ4に比べて非常に大きく示されている。しかしこれに限らず、たとえば下側金属板3および上側金属板6が電力用半導体チップ4と同じ厚みであってもよく、電力用半導体チップ4より薄くてもよい。また図2においては下側金属板3、上側金属板6および支持部材7の厚みが等しくなっているが、これに限らず、たとえば下側金属板3および上側金属板6よりも支持部材7が厚くなっても薄くなってもよい。また下側金属板3は上側金属板6よりも厚くてもよいが薄くてもよい。
また図2においては上側金属板6よりも下側金属板3が平面視において大きく、かつ上側金属板6よりも支持部材7が平面視において大きく形成されている。しかしこれに限らず、たとえば下側金属板3、上側金属板6および支持部材7のサイズがすべて等しくてもよいし、下側金属板3が上側金属板6より小さくなってもよく、上側金属板6が支持部材7より大きくなってもよい。さらに、図2においては下側金属板3が支持部材7よりも平面視において大きいが、逆に支持部材7が下側金属板3よりも大きくなってもよい。
カバープレート8は、支持部材7の上、すなわち支持部材7のZ方向上側の主表面に接するように配置される部材である。カバープレート8は、自己消弧型半導体素子領域MT1全体のZ方向最上部に配置された平板形状の部材である。カバープレート8は、絶縁性の材料により形成されることが好ましい。
図6は、本実施の形態の第2例に係る、図1中に複数並ぶ自己消弧型半導体素子領域MTの1つとしての自己消弧型半導体素子領域の断面態様を示している。また図7は、本実施の形態の第3例に係る、図1中に複数並ぶ自己消弧型半導体素子領域MTの1つとしての自己消弧型半導体素子領域の断面態様を示している。図6を参照して、ここに図示される自己消弧型半導体素子領域は、図2に示す自己消弧型半導体素子領域と基本的に同様である。しかし図6の自己消弧型半導体素子領域は、図2の自己消弧型半導体素子領域に対し、後述するエミッタ用基板21と電気的に接続された導電材15を有する点において異なっている。導電材15は、カバープレート8の上、すなわちカバープレート8のZ方向上側の主表面に接するように配置される。導電材15は、導電性材料からなる平板状の部材である。
図7は図6の自己消弧型半導体素子領域がZ方向に2つ以上積層、すなわち多段積層されている点において図6と異なっているが他は基本的に図6と同様である。図7を参照して、電力用半導体コアモジュール102A〜102Dが複数(たとえば2つ)の自己消弧型半導体素子領域MT1の積層により構成される場合には、個々の自己消弧型半導体素子領域MT1のカバープレート8の最上面に図6のような導電材15が配置されることが好ましい。このようにすれば、積層された個々の自己消弧型半導体素子領域MT1同士を容易に電気的に接続することができる。
導電性部材9は、支持部材7内を上側金属板6側すなわちZ方向最下部の主表面からカバープレート8側すなわちZ方向最上部の主表面まで貫通するように配置される部材である。言い換えれば導電性部材9は、Z方向に関して上側金属板6と、カバープレート8との間に配置されている。すなわち図2および図5を参照して、支持部材7にはそのZ方向最下部の主表面からZ方向最上部の主表面までこれを貫通するように複数の円筒形の孔部が互いに間隔をあけて形成されている。当該円筒形の孔部のそれぞれの内部を挿通するように導電性部材9が配置される。したがって自己消弧型半導体素子領域MT1において導電性部材9は複数設置される。図5に示すように、たとえば支持部材7にはX方向およびY方向のそれぞれに7列ずつの円筒形の孔部が形成される(中央を除く)がこれに限られず、当該孔部の形成される列の数は任意である。
信号端子10は、支持部材7内を上側金属板6側すなわちZ方向最下部の主表面からカバープレート8側すなわちZ方向最上部の主表面まで貫通するように配置される部材である。言い換えれば導電性部材9は、Z方向に関して上側金属板6と、カバープレート8との間に配置されている。この点においては信号端子10は導電性部材9と同様である。ただし信号端子10は支持部材7および上側金属板6の双方を貫通している。すなわち信号端子10は、上記のように支持部材7および上側金属板6の双方に形成された貫通孔11の内部を挿通するように配置されている。このため信号端子10は、支持部材7のZ方向最上部から、上側金属板6のZ方向最下部まで延びている。信号端子10は、互いに平面的に重なるように繋がった支持部材7の貫通孔11内および上側金属板6の貫通孔11内の双方を貫通している。この点においては信号端子10は、支持部材7のみを貫通する導電性部材9と異なっている。
支持部材7および上側金属板6の双方に貫通孔11が形成されその内部を信号端子10が貫通する構成であることにより、電力用半導体装置101の製造時において、貫通孔11は信号端子10の配置場所および延在方向のガイドとして用いることができる。このため信号端子10の位置決めを容易に行なうことができる。
導電性部材9および信号端子10を構成する材料は特に限定されず、任意の導電性材料とすることができる。また導電性部材9および信号端子10の形状は特に限定されず、弾性を有する形状であれば、バネ形状および棒形状など様々な形状とすることができる。図2においては一例としてバネ形状を有する導電性部材9および信号端子10が示されている。導電性部材9および信号端子10としてコイルバネまたは輪バネを用いた場合、導電性部材9および信号端子10の、そのZ方向上側および下側に接する部材(電力用半導体チップ4、カバープレート8など)に対して接触する圧力を均一にすることができる。その結果、導電性部材9および信号端子10は、これらが接触する部材との間の電気信号の入出力を電気的に安定させることができる。
再度図2を参照して、これらの他、自己消弧型半導体素子領域MT1には、エミッタ用基板21およびゲート用基板22が配置されている。エミッタ用基板21は、カバープレート8の下、すなわちカバープレート8のZ方向下側の主表面に接するように配置される平板状の部材である。すなわちエミッタ用基板21は、支持部材7とカバープレート8との間に配置されており、支持部材7およびカバープレート8と同様にXY平面に沿う主表面を有し、支持部材7およびカバープレート8と平面的に重なる領域を含むように配置されている。
図8は図2中のVIII−VIII線に沿うように、エミッタ用基板21の平面視における態様を示している。図8を参照して、エミッタ用基板21は電力用半導体コアモジュール102A〜102Dのそれぞれの平面視における全体と重なるように、XY平面に沿って拡がる、電力用半導体チップ4などよりも平面サイズの大きな部材である。図8においては一例として電力用半導体コアモジュール102Dに含まれるエミッタ用基板21を示しているが、他の電力用半導体コアモジュール102A〜102Cにも同様のエミッタ用基板21が配置される。エミッタ用基板21は、その全体がエミッタ端子に電気的に接続される導電性材料により構成された、平面視においてプレート状の部材である。
エミッタ用基板21は、その下側の主表面から上側の主表面までこれを貫通するエミッタ用基板ホール21Hを有している。エミッタ用基板ホール21Hは、電力用半導体コアモジュール102Dに含まれる複数の自己消弧型半導体素子領域MT1のそれぞれにおいて、支持部材7の貫通孔11および上側金属板6の貫通孔11の双方と平面的に重なるように配置されることが好ましい。従ってエミッタ用基板ホール21Hは貫通孔11と同様にたとえば円形の平面形状を有している。図8においては代表として自己消弧型半導体素子領域MT1に含まれる支持部材7(図1に示すようにX方向、Y方向のそれぞれに3列ずつ配置される)を点線の矩形状で示している。支持部材7は自己消弧型半導体素子領域MTと同数だけ配置されるため、図8においては図1の自己消弧型半導体素子領域MTと同様の位置に配置されている。
電力用半導体コアモジュール102Dに含まれる複数(5つ)の自己消弧型半導体素子領域MTのうち図の右上の自己消弧型半導体素子領域MTの支持部材7としての支持部材7Aに隣接する領域からは、エミッタ用基板21の端子としてのエミッタ用基板端子21Tが、図8のX方向右方に延びている。これは図2におけるカバープレート8よりも右方にエミッタ用基板21が延びたエミッタ用基板端子21Tに相当する。エミッタ用基板端子21Tからは電力用半導体装置101の外部への電気信号の入出力が可能となっている。
導電性部材9のZ方向下側の端部は上側金属板6の最上面と接しているが、上側金属板6の最下面は電力用半導体チップ4に含まれる半導体素子のエミッタ(電極4E)に接続されている。このため導電性部材9のZ方向下側の端部は電力用半導体チップ4に含まれる半導体素子のエミッタ(電極4E)に接続されている。支持部材7内をZ方向に延びるように貫通する導電性部材9は、そのZ方向最上部が導電性のエミッタ用基板21と接触することでこれと電気的に接続され、そのZ方向最下部が上側金属板6と接触することでこれと電気的に接続されている。したがって複数の導電性部材9のそれぞれは、上下方向に延在した状態で、上側金属板6(電力用半導体チップ4に含まれる半導体素子のゲート)と、エミッタ用基板21との双方に当接している。
ゲート用基板22は、カバープレート8の主表面に沿うように、XY平面に沿う主表面を有し、カバープレート8の内部に部分的に埋もれるように配置されている、平板状の部材である。ゲート用基板22の大部分は上記のようにXY平面に沿う主表面を有する領域であるが、その他にゲート用基板信号配線部22Lと、ゲート用基板端子22Tとを含んでいる。ゲート用基板信号配線部22Lは信号端子10のZ方向最上部から、エミッタ用基板21のエミッタ用基板ホール21Hを貫通してカバープレート8の内部までZ方向に延びる部分であり、ゲート用基板22のXY平面に延びる領域と機械的および電気的に接続されている。これに対してゲート用基板端子22Tは、カバープレート8内に埋もれたカバープレート8の主表面に沿うゲート用基板22の領域から、カバープレート8の外側に露出した領域である。このためゲート用基板端子22Tは、エミッタ用基板端子21Tと同様に図8のX方向右方に延びている。なおゲート用基板端子22Tもゲート用基板22のXY平面に延びる領域と機械的および電気的に接続されている。
図9は図2中のIX−IX線に沿うように、ゲート用基板22の平面視における態様を示している。図9を参照して、ゲート用基板22は、ゲート用基板信号配線部22Lおよびゲート用基板端子22Tを含め、その全体がゲート端子に電気的に接続される導電性材料により構成されている。ゲート用基板22はたとえば平面視においては電力用半導体コアモジュール102(102D)を構成する複数の自己消弧型半導体素子領域MT1の支持部材7を貫通する信号端子10同士を繋ぐように接続された、図9に示すような直線状(折れ線状)の平面形状であってもよい。あるいは図示しないがゲート用基板22もエミッタ用基板21と同様にプレート状であってもよい。そしてそのゲート用基板22の一部がカバープレート8からはみ出ることにより、電力用半導体コアモジュール102と平面的に重なる領域からはみ出たゲート用基板端子22Tが形成される。
ただし、仮にゲート用基板端子22Tが、エミッタ用基板端子21Tと同様に図の右上の支持部材7Aに隣接する領域から延びる場合、ゲート用基板22Tがエミッタ用基板端子21Tと短絡する恐れがある。ゲート用基板端子22Tとエミッタ用基板端子21Tとが互いに近接するためである。したがってこれを回避する観点からは、図9中に点線で示すように、たとえば支持部材7Aに隣接する他の支持部材7Bに隣接する領域からゲート用基板端子22Tが延びるように構成されてもよい。他の支持部材7Bに隣接する領域からゲート用基板端子22Tが延びる場合には、図2の断面図にはゲート用基板端子22Tは現れない。以上のように延びるゲート用基板端子22Tからは電力用半導体装置101の外部への電気信号の入出力が可能となっている。
信号端子10のZ方向下側の端部は、電力用半導体チップ4に含まれる半導体素子のゲート(ゲートパッド4P)に直接接続されている。支持部材7内をZ方向に延びるように貫通する信号端子10は、そのZ方向最上部がゲート用基板信号配線部22Lと接触することでこれと電気的に接続され、そのZ方向最下部が電力用半導体チップ4のゲート(ゲートパッド4P)と接触することでこれと電気的に接続されている。したがって信号端子10は、上下方向に延在した状態で、電力用半導体チップ4のゲートパッド4Pと、ゲート用基板22との双方に当接している。
以上の各部材を有する電力用半導体装置101の各自己消弧型半導体素子領域MTは、樹脂ケース13の内部に収納されている。すなわち樹脂ケース13の本体部分は、ベースプレート1とカバープレート8とを繋ぐように配置されている。
以上に示す電力用半導体装置101、すなわち電力用半導体コアモジュール102の内部(樹脂ケース13の内部)には、各部材間の電気的な絶縁を目的とするガスが封入されてもよい。ガスの種類としては、六フッ化硫黄(SF6)、窒素(N2)、二酸化炭素(CO2)、乾燥空気からなる群から選択されるいずれか1種が用いられることが好ましい。特に六フッ化硫黄のガスは絶縁性能が良いため、高い絶縁性能が要求される場合は六フッ化硫黄のガスを使用するのが望ましい。また、電力用半導体コアモジュール102の樹脂ケース13の内部の電気的な絶縁を目的として、ガスの代わりに封止樹脂が封入されてもよい。封止樹脂の種類としては、シリコーンゲルまたはエポキシ樹脂などが使用できる。
次に、本実施の形態の第1例の作用効果について説明する。
本実施の形態においては、信号端子10は支持部材7および上側金属板6の双方を貫通しており、上側金属板6は電力用半導体チップ4の上に配置される。これにより、信号端子10は電力用半導体チップ4のゲートパッド4Pと直接電気的に接続される。これに対し、導電性部材9は支持部材7内を上側金属板6側からカバープレート8側まで貫通しており、上側金属板6は電力用半導体チップ4の上に配置される。したがって導電性部材9が上側金属板6の最上面と接することにより導電性部材9は電力用半導体チップ4のエミッタ電極4Eと電気的に接続される。
このような構成を有することにより、本実施の形態においては、電極4Eおよびゲートパッド4Pを含む電力用半導体チップ4の表面上に接する端子が1本の信号端子10とされる。エミッタ用基板21に接続される導電性部材9は直接電力用半導体チップ4には接続されず、上側金属板6に接続されることにより、上側金属板6を介して電力用半導体チップ4と電気的に接続されている。このため、電力用半導体チップ4の表面上に接する端子の数を減少させることができ、電力用半導体チップ4の表面の保護効果を高めることができる。また導電性部材9は広い上側金属板6の主表面の任意の位置に接続可能であり、複数の導電性部材9間に必要な距離を保つことができる。このため、たとえば導電性部材9が電力用半導体チップ4の狭い電極上に接続される場合に比べて、電力用半導体チップ4と電気的に安定するように接続させることができる。
また本実施の形態においては、電力用半導体チップ4のゲートパッド4Pから真上に延びる信号端子10によりゲートの電気信号が取り出される。このため、たとえば半導体チップのゲート電極が、当該半導体チップの平面視における外側に配置されたゲートランナーに、ボンディングワイヤを介して接続される場合に比べて、電力用半導体装置101全体の平面積を削減し、電力用半導体装置101を小型化することができる。
また信号端子10は、支持部材7および上側金属板6の双方の貫通孔11内に挿通されるため、その位置が貫通孔11によりガイドされる。したがって信号端子10の位置決めを容易に行なうことができる。
また再度図5を参照して、本実施の形態の第1例においては、支持部材7において、複数の導電性部材9が、平面視において信号端子10に関して対称に配置される。すなわち支持部材7を平面視したときに信号端子10がその中央に配置され、その周囲に複数の導電性部材9が、信号端子10に対して互いに線対称および点対称の位置関係となるように配置されている。このように信号端子10を取り囲むように複数の導電性部材9が均等に配置されている。一方、信号端子10はカバープレート8内のゲート用基板22と接触し電気的に接続され、導電性部材9はカバープレート8のZ方向下側の主表面に接するエミッタ用基板21と接触し電気的に接続される。このため信号端子10がその弾性力によりゲート用基板22を保持する力、および導電性部材9がその弾性力によりエミッタ用基板21を保持する力が均一となる。このことからも、信号端子10とゲート用基板22との接続、および導電性部材9とエミッタ用基板21との接続の電気的安定性を向上させることができる。
次に、図10は、本実施の形態の第4例に係る、図1中に複数並ぶ自己消弧型半導体素子領域MTの1つとしての自己消弧型半導体素子領域MT2の断面態様を示している。また図11は図10中のXI−XI線に沿うように、本実施の形態の第4例における支持部材7の平面視における態様を示している。図10および図11を参照して、本実施の形態の第4例の自己消弧型半導体素子領域MT2は、基本的に自己消弧型半導体素子領域MT1と同様の構成を有するため、同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を繰り返さない。ただし自己消弧型半導体素子領域MT2においては、信号端子10と複数の導電性部材9との位置関係が自己消弧型半導体素子領域MT1とは異なっている。具体的には、自己消弧型半導体素子領域MT2においては、信号端子10は導電性部材9のX方向に複数列(ここでは7列)並ぶうちの最もX方向右側の列に配置されており、これをX方向左側およびY方向上下側から囲むように複数の導電性部材9が配置されている。つまり自己消弧型半導体素子領域MT2においては、信号端子10のX方向右側には導電性部材9が配置されていない。この点において自己消弧型半導体素子領域MT2は、信号端子10がX方向およびY方向に関して複数の導電性部材9の中央部に配置される自己消弧型半導体素子領域MT1と異なっている。なお図11に示すように、信号端子10はX方向に関しては複数列並ぶ導電性部材9の最もX方向右側の列に配置されるが、Y方向に関しては自己消弧型半導体素子領域MT1と同様に複数列並ぶ導電性部材9の中央の列に配置される。
図10および図11に示すように、信号端子10は平面視において導電性部材9の行列状の配置の中央部(逆に言えば導電性部材9が平面視において信号端子10に関して対称)となるように配置されなくてもよい。信号端子10の導電性部材9に対する位置は、自己消弧型半導体素子領域MTの構造などを考慮して適宜決定することができる。図示されないが、たとえば複数並ぶ導電性部材9の最もX方向左側の列に信号端子10が配置されてもよいし、複数並ぶ導電性部材9の最もY方向手前側または奥側の列に信号端子10が配置されてもよい。
図12は、本実施の形態の第5例に係る、図1中に複数並ぶ自己消弧型半導体素子領域MTの1つとしての自己消弧型半導体素子領域MT2の断面態様を示している。図12を参照して、本実施の形態の第5例の自己消弧型半導体素子領域の支持部材7は、基本的に図5の支持部材7と同様の構成を有するため、同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を繰り返さない。ただし図12においては貫通孔11が矩形(正方形)の平面形状を有しており、この点において貫通孔11が円形の平面形状を有する図5の支持部材7とは異なっている。このように貫通孔11の平面形状は任意である。なお図12の構成の場合、支持部材7の貫通孔11が矩形状であることに伴い、その真下の上側金属板6の貫通孔11も同様に矩形状となる。
実施の形態2.
本実施の形態の電力用半導体装置の構成について、図13〜図15を用いて説明する。図13は本実施の形態における支持部材7の平面視における態様を示している。図14は図13のXIV−XIV線に沿うように、本実施の形態の一の信号端子10Aを含む部分の断面態様を示している。図15は図13のXV−XV線に沿うように、本実施の形態の他の信号端子10Bを含む部分の断面態様を示している。
図13〜図15を参照して、本実施の形態の電力用半導体装置101(図1参照)においては、電力用半導体コアモジュール102に複数含まれる自己消弧型半導体素子領域MTの1つとしての自己消弧型半導体素子領域MT3が配置されている。自己消弧型半導体素子領域MT3は、基本的に自己消弧型半導体素子領域MT1と同様の構成を有するため、同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を繰り返さない。ただし自己消弧型半導体素子領域MT3においては、2つの信号端子10としての一の信号端子10Aおよび他の信号端子10Bを有している。このように本実施の形態の自己消弧型半導体素子領域MT3は、信号端子10を複数有している点において、単一の信号端子10のみを有する実施の形態1の自己消弧型半導体素子領域MT1,MT2とは異なっている。
図13および図14を参照して、自己消弧型半導体素子領域MT3における一の信号端子10Aは、そのZ方向下側の端部が、自己消弧型半導体素子としての電力用半導体チップ4のゲートパッド4Pに直接接続されている。また一の信号端子10Aは、そのZ方向上側の端部が、ゲート用基板信号配線部22Lと接続されている。したがって一の信号端子10Aは、実施の形態1の信号端子10と同様に、上下方向に延在した状態で、電力用半導体チップ4のゲートパッド4Pと、ゲート用基板22との双方に当接している。また図13および図15を参照して、自己消弧型半導体素子領域MT3における他の信号端子10Bは、そのZ方向最上部がエミッタ用基板21と接触することでこれと電気的に接続され、そのZ方向最下部が電力用半導体チップ4のエミッタパッド4EPに直接接続されている。したがって他の信号端子10Bは、電力用半導体チップ4のエミッタパッド4EPと、エミッタ用基板21との双方に当接している。
すなわち本実施の形態においては、図15に示すように、エミッタ端子をエミッタ用基板21側へ取り出す部材として、導電性部材9に加え、他の信号端子10Bが併用されている。このように信号端子10を用いてエミッタ端子を取り出すことを可能としてもよい。自己消弧型半導体素子領域MTを実施の形態1の自己消弧型半導体素子領域MT1,MT2のように1つのみの信号端子10を有する構成とするか、本実施の形態の自己消弧型半導体素子領域MT3のように複数の信号端子10を有する構成とするかは、自己消弧型半導体素子領域MTの構造により適宜決めることができる。
このように本実施の形態においては複数(2つ)の信号端子10を有するため、これを挿通させる貫通孔11も、上側金属板6および支持部材7の双方に複数(2つ)形成されている。当該貫通孔11は3つ以上形成されてもよい。
図14および図15においては信号端子10A,10Bはともに支持部材7において複数の導電性部材9の行列状の配置の外縁部すなわちX方向右側に配置されている。しかしこれに限らず、たとえば一の信号端子10Aは複数の導電性部材9の行列状の配置の中央部に、他の信号端子10Bは当該行列状の配置の外縁部に配置されてもよいし、その逆でもよい。もしくは信号端子10A,10Bともに互いに間隔をあけて複数の導電性部材9の行列状の配置の比較的中央寄りの位置に配置されてもよい。これらの信号端子10Aの配置は自己消弧型半導体素子領域MTの構造により適宜決めることができる。
本実施の形態の作用効果は実施の形態1の第1例の作用効果と同様であるため、その説明を繰り返さない。
実施の形態3.
図16は、本実施の形態に係る、図1中に複数並ぶ自己消弧型半導体素子領域MTの1つとしての自己消弧型半導体素子領域MT4の断面態様を示している。また図17は図16中の点線で囲まれた領域XVII内に配置される信号端子の態様を示している。図16および図17を参照して、本実施の形態の自己消弧型半導体素子領域MT4は、基本的に自己消弧型半導体素子領域MT1と同様の構成を有するため、同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を繰り返さない。ただし自己消弧型半導体素子領域MT4においては、信号端子10の代わりに、絶縁被覆膜付き信号端子17が配置されている点において、自己消弧型半導体素子領域MT1と異なっている。
図17に示すように、絶縁被覆膜付き信号端子17においては、実施の形態1などと同様の導電性材料の信号端子10の表面が、絶縁被覆膜12により被覆された構成を有している。つまり絶縁被覆膜付き信号端子17は、信号端子10の表面が絶縁被覆膜12により覆われた構成を有している。ここでの絶縁被覆膜12は、実施の形態1などにおいて信号端子10が挿通する貫通孔11の内壁面を覆う絶縁被覆膜12と同様に、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、イミド系樹脂からなる群から選択されるいずれか1つが用いられることが好ましい。
本実施の形態の作用効果について説明する。本実施の形態においては絶縁被覆膜12が、信号端子10の表面を覆うように形成されている。この場合、あらかじめ信号端子10の表面が絶縁被覆膜12で覆われるため、上側金属板6および支持部材7の貫通孔11の内壁面に絶縁被覆膜12を設ける必要がなくなり、製造工程を簡素化することができる。
以上に述べた各実施の形態(に含まれる各例)に記載した特徴を、技術的に矛盾のない範囲で適宜組み合わせるように適用してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ベースプレート、3 下側金属板、4 電力用半導体チップ、4E 電極、4P ゲートパッド、6 上側金属板、7 支持部材、8 カバープレート、9 導電性部材、10 信号端子、10A 一の信号端子、10B 他の信号端子、11 貫通孔、12 絶縁被覆膜、13 樹脂ケース、15 導電材、17 絶縁被覆膜付き信号端子、21 エミッタ用基板、21H エミッタ用基板ホール、21T エミッタ用基板端子、22 ゲート用基板、22L ゲート用基板信号配線部、22T ゲート用基板端子、101 電力用半導体装置、102,102A,102B,102C,102D 電力用半導体コアモジュール、DI ダイオード領域、MT,MT1,MT2,MT3,MT4 自己消弧型半導体素子領域。

Claims (7)

  1. 自己消弧型半導体素子領域と、ダイオード領域とが、平面視にて複数並ぶ電力用半導体装置であって、
    前記自己消弧型半導体素子領域は、平面視における前記電力用半導体装置の最外部に、前記ダイオード領域を囲むように配置されており、
    前記自己消弧型半導体素子領域は、
    ベースプレートと、
    前記ベースプレート上に配置される下側金属板と、
    前記下側金属板上に配置される電力用半導体チップと、
    前記電力用半導体チップ上に配置される上側金属板と、
    前記上側金属板上に配置される支持部材と、
    前記支持部材上に配置されるカバープレートと、
    前記支持部材内を前記上側金属板側から前記カバープレート側まで貫通するように配置される、導電性部材および信号端子とを備え、
    前記信号端子は前記支持部材および前記上側金属板の双方を貫通し、
    前記信号端子は前記自己消弧型半導体素子領域に含まれる前記電力用半導体チップのゲートと接続する、電力用半導体装置。
  2. 前記支持部材と前記信号端子とは絶縁被覆膜により互いに電気的に絶縁されている、請求項1に記載の電力用半導体装置。
  3. 前記絶縁被覆膜は、前記支持部材および前記上側金属板の双方を貫通する孔部の壁面に配置される、請求項2に記載の電力用半導体装置。
  4. 前記信号端子の表面は前記絶縁被覆膜により覆われている、請求項2に記載の電力用半導体装置。
  5. 前記絶縁被覆膜は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、イミド系樹脂からなる群から選択されるいずれか1つである、請求項2〜4のいずれか1項に記載の電力用半導体装置。
  6. 前記導電性部材は、平面視において前記信号端子に関して対称に配置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力用半導体装置。
  7. 前記導電性部材および前記信号端子の少なくともいずれか1つはバネ構造を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力用半導体装置。
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