JP6876613B2 - エテンを調製するための方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ヘテロポリ酸触媒を用いるエタノールの気相脱水によりエテンを製造するための方法に関する。特に、本発明の方法は、特定の操作条件下においてエタノール脱水反応に使用する前に、特定の温度範囲でヘテロポリ酸触媒を乾燥させるステップを含む開始手順を含む。
エテンは、従来、原油由来の炭化水素の水蒸気分解又は接触分解によって、工業的に製造されてきた重要な汎用化学品及びモノマーである。しかし、この生成物を製造する経済的で実行可能な代わりの方法を見出す高い必要性が依然として残っている。エタノールは、バイオマス及び合成ガスの発酵をベースとした技術によって容易に入手できることから、将来エテンを作ることができる重要で潜在的な原料として浮上している。
エタノールの気相化学的脱水によるエテンの製造は、長年にわたって工業的に操作されている周知の化学反応である(例えば、Kirk Othmer Encyclopaedia of Chemical Technology (third edition), Volume 9, pages 411 to 413を参照されたい)。従来、この反応は、例えば活性アルミナ又は担持リン酸などの酸触媒の存在下で行われている。
近年、改善された性能を有する代替触媒を見出すことに注目が移っている。これは、エテン製造用のエタノール及びエトキシエタンを含む原料の脱水の後の、改善された選択性と生産性、及びエタン形成の低減の有益性を有する担持ヘテロポリ酸触媒、例えば欧州特許第1925363号明細書に開示されているような触媒の使用をもたらした。第1にエタンは望ましくない副生成物であり、第2にエテンからのエタンの分離が大規模には困難であり、エネルギー集約的でもあるため、担持ヘテロポリ酸触媒の使用は望ましい。関連文書、国際公開第2007/063281号パンフレット及び国際公開第2007/003899号パンフレットも、担持ヘテロポリ酸触媒を用いて含酸素体原料の脱水を行う形態を開示している。ヘテロポリ酸を適切な溶媒に溶解してヘテロポリ酸溶液を形成し、次いでヘテロポリ酸溶液で適切な触媒担体を含浸させる湿潤含浸技術を用いて、担持されたヘテロポリ酸触媒を容易に調製することができる。
脱水工程では、典型的にはエタノールを含み、並びに水及び他の成分(例えば、エトキシエタン)を含んでいてもよい供給物が、ヘテロポリ酸触媒床及び連続的に除去される生成物を含む反応器に、連続的に供給される。定常状態の条件下では、反応器に入る供給物は、入口近くで水、エタノール、及びエトキシエタン(エタノールの急速な第1段階の脱水の生成物)の平衡混合物へ急速に変換される。このような工程は、典型的には高温及び高圧で行われる。
i)ヘテロポリ酸の性質、ii)担持ヘテロポリ酸触媒の調製方法、及びiii)前記触媒の反応ゾーンへの充填により、ヘテロポリ酸成分は、それがヘテロポリ酸成分に結合し得る条件下で水(例えば、大気中の水分等)にほぼ確実に曝される。したがって、担持ヘテロポリ酸触媒を加熱する前では、担持ヘテロポリ酸触媒のヘテロポリ酸成分の水和状態はゼロより上である(即ち、担持ヘテロポリ酸触媒のヘテロポリ酸成分はそれに化学的に結合した水分子を有する)。典型的には、ヘテロポリ酸の水和状態は、上昇する温度に曝されると減少する。即ち、ヘテロポリ酸に結合する水分子の数は、温度が上昇するにつれて減少する。ヘテロポリタングステン酸の水和度は、担持触媒の酸性度に影響を及ぼし得る。したがって、その活性及び選択性にも影響を及ぼし得る。
国際公開第2011/104495号パンフレットは、担持ヘテロポリ酸触媒を用いたアルケンの調製のための脱水工程を開示している。この文献は、触媒が供給流と接触する前に、触媒のヘテロポリ酸成分の少なくとも一部は水和状態がゼロであるように、最初の触媒乾燥ステップを少なくとも220℃の温度で行い、続いて無水雰囲気下で温度を低下させて結合水を除去することを教示している。国際公開第2011/104495号パンフレットは、乾燥ステップが有利にその後のエタノール脱水反応における触媒のエタン選択率の改善につながることを教示している。したがって、今では、エタノール脱水前の開始手順の一部として、担持ヘテロポリ酸触媒を高温で、典型的には約240℃で、乾燥させることが望ましくなっている。
欧州特許第1925363号明細書 国際公開第2007/063281号パンフレット 国際公開第2007/003899号パンフレット 国際公開第2011/104495号パンフレット
Kirk Othmer Encyclopaedia of Chemical Technology (third edition), Volume 9, pages 411 to 413
先行技術で開示されたヘテロポリ酸触媒を用いる例示の脱水工程において、任意の触媒乾燥後の脱水反応の温度は240℃を超えず、一方、反応物の分圧の和(即ち、不活性希釈剤、例えば窒素の分圧を除く)は、典型的に2MPaである。
ヘテロポリ酸触媒を用いるエタノールの気相脱水によりエテンを製造するための方法における生産性は、高温で、特に先行技術で例示された温度よりも高い温度、例えば240℃を超える温度で、操作すると改善されることが明らかになっている。現在は、適切な選択性を維持しながら、エテンの生産性を向上させるために、可能な最高温度で脱水反応を操作することが望ましくなっているが、これまで認められていなかった1つの問題は触媒の不活性化に関連している。高温で脱水工程を操作すると、ヘテロポリ酸触媒の不活性化が悪化することが判明している。さらに、担持ヘテロポリ酸触媒を先行技術で教示された高温で乾燥すると、ヘテロポリ酸触媒の不活性化が悪化することも見出されている。いかなる特定の理論に縛られることなく、触媒の不活性化は、不活性化に寄与する高い活性化エネルギーを伴う望ましくない副反応の結果として生じると考えられ、このことはより高い温度が使用される結果としてより一般的になっている。
特に、触媒担体の表面上に形成されるヘテロポリ酸分解サイトの数は、高温乾燥ステップ中に増加する、又はそのような分解サイトは乾燥ステップの間に「種付け」され、その後脱水反応中に分解サイトに発展すると考えられる。担体の表面でのこのような「種」サイトへのヘテロポリ酸の移動も、この問題を一層悪化させると考えられる。
含酸素体の脱水は、酸性触媒、例えばケイタングステン−SiO上への炭素の堆積を引き起こし得、これは触媒の不活性化をもたらすことが知られている。触媒の不活性化をもたらす炭素の堆積は、例えば、国際公開第2008/138775号パンフレットに記載されている。この文献では、大気圧で行われ、ヘリウム中のエタノール及びヘリウム中のジエチルエーテルを含む一連の気相供給物の使用を含む、ヘテロポリ酸触媒による含酸素体の脱水におけるこのような不活性化を報告している。2.1MPa(21bara)の高圧、即ち、不活性希釈剤/成分を除いた反応物の分圧の合計で行われた同等の操作に関して得られた不活性化の結果は、大気圧で観察された結果と一致していると報告された。これは、炭素の堆積は操作圧力に影響されないことを示唆している。
脱水系における触媒の交換は、労働集約的であり、莫大な材料コストを要し、連続法と思われるプロセスの一時的な停止を含み、これは製品生産量に悪影響を与える。したがって、触媒の不活性化の問題は、エタノール脱水工程の経済的実行可能性に重大な問題を提起する。
驚くべきことに、今では、エタノール脱水反応における触媒寿命は、触媒乾燥ステップ、その後に特定の条件下でエタノール脱水反応を行うことにより、延長され得ることが見出されている。特に、担持ヘテロポリ酸触媒を最初にエタノール脱水反応に用いる前に、先行技術で教示されているよりも低い温度で乾燥ステップを実施し、続いて、先行技術に例示されているよりも低い圧力で脱水工程自体を行うことにより、触媒寿命を大幅に延長することができる。先行技術で提案されているものに反して、特定の中間圧力で脱水反応を行うことにより、触媒の不活性化を悪化させることなく、反応温度を上昇させてエテンの生産性を向上させることもできる。その結果、本発明による方法の特徴の特定の組合せは、延長された触媒寿命にわたって、脱水工程における生産性の損失を飛躍的に減少させる利点を有している。さらに、少なくともいくつかの実施形態では、最大エテン生産性(モル/kg触媒/時間)も増加させ得る。
本発明により、エタノール、並びに任意に水及び/又はエトキシエタンを含む供給流の気相化学的脱水によりエテンを調製するための方法を提供する。前記方法は、反応器中で乾燥担持ヘテロポリ酸触媒を少なくとも200℃の供給温度を有する供給流と接触させるステップを含み、反応器内の圧力は少なくとも0.80MPaであるが1.80MPa未満であり、担持ヘテロポリ酸触媒を少なくとも200℃の供給温度を有する供給流と接触させる前に、
(i)担持ヘテロポリ酸触媒を、反応器内で、100℃超〜200℃の温度で不活性ガス流下で、乾燥させるステップ、及び
(ii)乾燥担持ヘテロポリ酸触媒を、100℃超〜160℃の供給温度を有するエタノール含有蒸気流と接触させるステップ
により開始される。
好ましくは、エタノール脱水工程の開始は、(iii)エタノール含有蒸気流の供給温度を、好ましくは10分〜8時間にわたって、より好ましくは20分〜4時間にわたって、少なくとも200℃まで徐々に上昇させるステップをさらに含む。
本明細書において、反応器内の圧力への言及は、反応物の分圧、即ち、エテン生成物の分圧のみならず、エタノールと水とエトキシエタンとの分圧の和に相当する。本明細書において特段の定めがない限り、不活性ガス希釈剤、例えばヘリウム及び窒素、又は他の不活性成分の分圧は、所定の圧力の合計から除外されている。したがって、本明細書において、反応器の圧力への言及は、式、P反応器=P+Pエタノール+Pエトキシエタン+Pエテンに従う。さらに、特段の定めがない限り、本明細書において、反応器圧力への言及は、絶対圧力を意味しており、ゲージ圧力を意味していない。
当業者によって理解されるように、脱水反応器内の供給流が反応器に入る地点と流出流が反応器から出る地点との間で、圧力降下がしばしば発生する。例えば、供給流圧力は1.4MPaであってもよく、一方、流出流は0.4MPaの圧力降下に相当する1.0MPaの圧力であってもよい。結果として、程度の差はあるが、反応器自体の内部に存在する内部圧力勾配がある。したがって、本明細書において、「反応器内の圧力」、又は「反応器の内部圧力」への言及は、上記の内部圧力勾配によって定義される圧力範囲内に入る任意の圧力を意味することが、理解されるべきである。したがって、反応器自体の内部の圧力は、供給流圧力と流出流圧力との間にある。
驚くべきことに、エタノール脱水工程は、上記の範囲の圧力でエタノール脱水を実施する前に、担持ヘテロポリ酸触媒を乾燥し、上記の温度でエタノール含有蒸気流と接触させるステップにより開始される場合に、特に有利であることが見出された。特に、開始手順と操作条件とのこの組合せは、エタノール脱水反応において観察されるヘテロポリ酸触媒の不活性化の程度を低下させ、少なくともいくつかの実施形態では、エテン最大生産性を向上させる。
担持ヘテロポリ酸が不活性化されると考えられるメカニズムは、i)無機カチオン、例えば、アンモニア/アンモニウムカチオン、及び有機窒素含有化合物による中和、ii)炭素の堆積、並びに、iii)ヘテロポリ酸のその構成酸化物への分解を含む。無機カチオン及び有機窒素含有化合物による中和の結果としての不活性化は、エタノールベースの原料を浄化処理にかけて中和種を除去することにより軽減され得る。対照的に、本発明による開始手順の特徴は、炭素の堆積及びヘテロポリ酸のその構成酸化物への分解の結果としてのヘテロポリ酸触媒の不活性化をほとんど排除すると考えられる。
担持ヘテロポリ酸触媒の調製の間、触媒を任意に乾燥させ得る。しかし、当業者が理解するように、担持触媒は、輸送及び反応器への導入の際に水分に必然的に曝される。乾燥させるステップは、担体の表面化学的性質、例えばヘテロポリ酸成分の酸性度、に悪影響を及ぼし得る凝縮水蒸気を担体の表面から除去する。しかし、本発明による反応器内で乾燥させるステップは、驚くべきことに、触媒上のヘテロポリ酸分解サイトの形成を低減させることも見出された。
いかなる特定の理論に縛られることなく、本方法のステップ(i)による低温乾燥は、その後に分解を引き起こし得る「種」サイトを形成する可能性を低減すると考えられる。「種」サイトは、例えば、熱に曝されることによるヘテロポリ酸の酸化状態の変化、炭素残渣の形成、及び/又は欠陥構造の形成、に続いて生成され得る。熱に曝されて特定の表面位置でヘテロポリ酸が化学変化を引き起こしてそのような「種」サイトを形成する場合、これらのサイトにおけるヘテロポリ酸のその構成酸化物への完全分解の可能性は実質的に増大する。
高温で、担体の表面におけるこのような「種」サイトへのヘテロポリ酸の移動は、分解速度を悪化させる。しかし、エタノール脱水反応の間のより低い圧力での操作は、そうでなければ分解につながる「種」サイトへのヘテロポリ酸の移動を促進する、触媒の表面に吸着した種の量を減少させると考えられる。一方、反応器内部での大気圧を超える圧力、例えば少なくとも0.80MPaの圧力での操作は、炭素の堆積を低減させるのを助けると考えられる。結果として、触媒寿命が飛躍的に伸び、このことは、廃棄物の削減はもちろん、触媒の再利用及び交換に関して明確な経済的効果もある。したがって、本発明の操作条件は、このように著しい触媒の不活性化が回避される狭い管理限界(window)に対応し、エチレン生産性を促進する。
本発明においては、担持ヘテロポリ酸触媒は、開始のステップ(i)において、100℃超〜200℃の供給温度を有する不活性ガス流下で乾燥させる。担持ヘテロポリ酸触媒は、ステップ(i)において、好ましくは100℃〜180℃、より好ましくは110℃〜170℃、最も好ましくは120℃〜160℃、例えば150℃の供給温度を有する不活性ガス流下で乾燥させる。
本明細書において、本発明の方法のステップ(i)及び(ii)に関する「開始された」又は「開始」への言及は、これらのステップが、触媒が少なくとも200℃の供給温度の供給流に、触媒が曝される前に行われることを意味することを意図している。さらに、「開始された」又は「開始」は、担持ヘテロポリ酸触媒が反応器内に配置された後に、担持ヘテロポリ酸触媒の組成又は性質に実質的に影響を及ぼす他のいかなるステップも、ステップ(i)の前に全く行われないことを意味することを意図している。
本明細書において、「不活性ガス」への言及は、本発明の方法の反応において消費されず、担持ヘテロポリ酸触媒によって触媒され得るいかなる他のプロセスによっても全く消費されないガスを意味することを意図している。好適な不活性ガスの例は、窒素、アルゴン、ヘリウム、メタン、及び二酸化炭素である。好ましくは、不活性ガスは窒素、アルゴン及びヘリウムから選択され、より好ましくは、不活性ガスは窒素である。本明細書で使用される「不活性ガス流」という用語は、乾燥させるステップが行われる雰囲気が、不活性ガスであり、それは常に除去され、新しい(又は再循環された)不活性ガス(即ちガス流)で再び満たされることを意味する。例えば、「不活性ガス流」は、窒素ガス流であることが好ましい。
本明細書において、「乾燥させる」への言及は、反応器が操作される圧力下で、反応器内の水蒸気及び存在し得る他の蒸気の露点を超えるように、担持ヘテロポリ酸触媒を熱に曝すことを意味することを意図している。本発明の方法によるエタノール脱水反応の開始手順の一部としての担持ヘテロポリ酸の低温乾燥ステップは、担持ヘテロポリ酸触媒の優性な界面化学に関する多くの利点を有することが明らかになった。
本発明の方法による担持ヘテロポリ酸触媒を乾燥させるステップは、少なくとも1時間行われる。乾燥させるステップは、好ましくは1〜48時間、より好ましくは2〜16時間、最も好ましくは2〜12時間の期間行われる。いくつかの実施形態では、乾燥時間は、乾燥のための不活性ガスの供給温度が、エタノール含有蒸気流と接触させるステップの次のステップに使用されるより高い供給温度と一致するように上昇する期間を含む。いかなる理論にも縛られることを望まないが、不活性ガス温度の供給温度の急激な上昇に続く、エタノール含有蒸気流との接触前の一定温度の期間を最小にすることが、商業的に有利であると考えられる。
本発明においては、乾燥担持ヘテロポリ酸触媒を、開始のステップ(ii)において、100℃超〜160℃の供給温度を有するエタノール含有蒸気流と接触させる。乾燥担持ヘテロポリ酸触媒を、ステップ(ii)において、好ましくは120℃〜158℃、より好ましくは130℃〜156℃、さらにより好ましくは140℃〜154℃、最も好ましくは148℃〜152℃、例えば150℃の供給温度を有するエタノール含有蒸気流と接触させる。
本明細書において、「エタノール含有蒸気流」への言及は、少なくとも50重量%のエタノール、及び希釈剤で構成されている残部を含む気体流を意味することを意図している。エタノール含有蒸気流は、好ましくは80重量%以上の、より好ましくは90重量%以上の、最も好ましくは95重量%以上のエタノールを、好ましくは不活性ガス希釈剤で構成されている残部と共に含む。好適な不活性ガス希釈剤は、窒素、アルゴン、ヘリウム、メタン、及び二酸化炭素である。好ましくは、不活性ガス希釈剤は窒素、アルゴン及びヘリウムから選択され、より好ましくは不活性ガス希釈剤は窒素である。エタノール含有蒸気流中の水の量は、エタノール含有蒸気流の総重量に基づいて最大で10重量%、好ましくは最大で7重量%、より好ましくは最大で5重量%、さらにより好ましくは最大で3重量%、さらに一層より好ましくは最大で2重量%である。エタノール含有蒸気流中のエトキシエタンの量は、エタノール含有蒸気流の総重量に基づいて最大で5重量%、好ましくは最大で3重量%、より好ましくは最大で2重量%である。最も好ましくは、エタノール含有蒸気流は無水である、又はエタノール含有蒸気流はエタノールを含む若しくは本質的にエタノールからなり、残部は不活性ガス希釈剤で構成されている。理解されるように、いくつかの実施形態では、エタノール含有蒸気流は、エタノール脱水を受けるエタノールを含有する供給流と組成が同じであってもよい。しかし、好ましい実施形態では、エタノール含有蒸気流は、エタノールを含有する供給流と異なる。
乾燥担持ヘテロポリ酸触媒をエタノール含有蒸気流と接触させるステップ(ii)は、エタノール脱水反応の定常状態の条件を得るのに、及び触媒性能を高めるのに特に有効であることが見出されている。さらに、触媒をエタノール含有蒸気流と100℃超〜160℃の温度で接触させるステップにより、供給流のその後のエタノール脱水の間に、望ましくない競合オリゴマー化反応を招く可能性がある有害な発熱が回避される。特に好ましい一実施形態では、ステップ(i)において担持ヘテロポリ酸を乾燥させるために使用される不活性ガス流は、エタノール蒸気を不活性ガス流に添加することにより、接触させるステップ(ii)のためのエタノール含有蒸気流に変換される。
本発明による供給流の脱水は、オレフィンと水への直接脱水(式1)、又はエーテル中間体を介して(式2及び3)のいずれかにより進行すると考えられる(Chem. Eng Comm. 1990, 95, 27 to 39)。
Figure 0006876613
2モルのオレフィンと水へのエーテルの直接変換も報告されている(Chem. Eng. Res. and Design 1984, 62, 81 to 91)。上に示した反応の全ては、典型的には、ルイス酸及び/又はブレンステッド酸によって触媒される。式1は、エテンと水へのエタノールの吸熱性直接脱離を示す。式2と3、即ち、発熱性エーテル化反応(式2)、並びにエテン及びエタノールを生成するエトキシエタンの吸熱性脱離(式3)は、式1と競合している。しかし、エテンへのエタノールの脱水反応は、全体では吸熱性であると言われている。
本発明は、エタノール、並びに任意に水及び/又はエトキシエタンを含む供給流の気相化学的脱水によりエテンを調製するための方法を提供する。前記方法は、反応器中で乾燥担持ヘテロポリ酸触媒を少なくとも200℃の供給温度を有する供給流と接触させるステップを含み、反応器内の圧力は少なくとも0.80MPaであるが1.80MPa未満であり、乾燥担持ヘテロポリ酸触媒を少なくとも200℃の供給温度を有する供給流と接触させる前に、(i)担持ヘテロポリ酸触媒を、反応器内で、100℃超〜200℃の供給温度を有する不活性ガス流下で乾燥させるステップ、及び(ii)乾燥担持ヘテロポリ酸触媒を、100℃超〜160℃の供給温度を有するエタノール含有蒸気流と接触させるステップにより開始される。
好ましくは、供給流は水及び/又はエトキシエタンを含み、より好ましくは、供給流は水及びエトキシエタンを含む。供給流中に、エトキシエタン及び水の両方が存在する場合、エトキシエタン対水のモル比は3:1〜1:3、好ましくは3:1〜1:1、より好ましくは2:1〜1:1であるであることが好ましい。
本発明の方法の供給流中の水の量は、反応物質供給流中の水、エタノール、及びエトキシエタンの総重量に基づいて、好適には最大で50重量%、より好ましくは最大で20重量%、最も好ましくは最大で10重量%、又はさらには最大で7重量%である。供給流中の水の量は、供給流中の水、エタノール、及びエトキシエタンの総重量に基づいて、好ましくは少なくとも0.1重量%、より好ましくは少なくとも0.5重量%、最も好ましくは少なくとも1重量%である。
本発明の方法の供給流中のエトキシエタンの量は、供給流中の水、エタノール、及びエトキシエタンの総重量に基づいて、好適には最大で50重量%、より好ましくは最大で40重量%、最も好ましくは最大で35重量%である。供給流中のエトキシエタンの量は、供給流中の水、エタノール、及びエトキシエタンの総重量に基づいて、好ましくは少なくとも0.1重量%、より好ましくは少なくとも0.5重量%、最も好ましくは少なくとも1重量%である。
オレフィン除去後の液体生成物流は、未反応のエタノール、エトキシエタン、及び水を主に含む。出願人は、水を除去した後に、アルコール及びエーテルの大部分を気相脱水反応用器へ戻して再利用することが、特に好ましいことを見出した。
本発明のいくつかの実施形態では、供給流は、不活性ガス希釈剤を含む。他の実施形態では、不活性ガス希釈剤は、使用される場合、触媒床の下に、又は直列若しくは並列に配置される複数の触媒床間に添加される。好ましい供給流の希釈剤は、窒素、ヘリウム、エテン及び/又は飽和炭化水素、例えばヘキサン、2−メチルプロパン又はn−ブタンを含む。供給流の希釈剤は、窒素及び/又はヘリウムから選択されるのが、より好ましい。
前述のように、今では、脱水反応に、より高い温度を使用することにより、より大きなエテン生産性が得られることが見出されている。本発明は、供給流が少なくとも220℃、より好ましくは少なくとも240℃の供給温度を有する場合、触媒の不活性化に及ぼす高い操作温度の悪影響を軽減するので、乾燥担持ヘテロポリ酸を、供給流と接触させることが好ましい。特に好ましい実施形態では、供給温度は少なくとも252℃、少なくとも255℃、少なくとも260℃、少なくとも280℃、又はさらには少なくとも300℃である。供給流の供給温度の上限は、エテンに対する選択性が悪影響を受ける、及び/又は過度にエネルギーを消費する温度よりも下である。供給流の供給温度の上限は、好ましくは350℃、より好ましくは325℃である。本発明において、「供給温度」への言及は、特定の流れが反応器に供給される時点での特定の流れの温度を意味することを意図している。
好ましい実施形態において、担持ヘテロポリ酸触媒を供給流に接触させる場合、反応器は、0.90MPa〜1.60MPaの内部圧力を有する。担持ヘテロポリ酸触媒を供給流に接触させる場合、より好ましくは、反応器は0.95MPa〜1.30MPaの内部圧力を有し、最も好ましくは、反応器は1.00MPa〜1.20MPaの内部圧力を有する。
好ましくは、供給流圧力は1.00MPa〜1.80MPaであり、より好ましくは供給流圧力は1.20MPa〜1.60MPaであり、そして最も好ましくは供給流圧力は1.30MPa〜1.50MPa、例えば1.40MPaである。好ましくは、流出流圧力は0.80MPa〜1.40MPaであり、より好ましくは流出流圧力は0.85MPa〜1.20MPaであり、そして最も好ましくは流出流圧力は0.90MPa〜1.10MPa、例えば1.00MPaである。
担持ヘテロポリ酸は、反応器内に1つ又は2つ以上の触媒床、好ましくは直列又は並列に配置され得る複数の触媒床の形態で、反応器内に適切に提供され得る。好ましい実施形態では、触媒床は、断熱充填床、管状固定床、流動床から選択される。最も好ましくは、反応器内の触媒床は、断熱充填床から選択される。
望ましくは、反応器は、担持ヘテロポリ酸触媒の均一な乾燥を助けるので、ステップ(i)において担持ヘテロポリ酸触媒を乾燥させる間、1つ又は2つ以上の触媒床の全域での温度差が最小であるように構成される。好ましくは、ステップ(i)において担持ヘテロポリ酸触媒を乾燥させる間、触媒床の全域での温度差は20℃以下、好ましくは15℃以下、より好ましくは10℃以下、最も好ましくは5℃以下である。温度差を、触媒床の全域の異なる位置に配置された複数の温度センサによって容易に測定することができる。
本明細書及び本発明の説明全体を通じて使用される用語「ヘテロポリ酸」は、とりわけ、ヘテロポリ酸のアルカリ塩、アルカリ土類塩、アンモニウム塩、遊離酸、嵩高いカチオン塩、及び/又は金属塩(塩は完全な塩、又は部分的な塩のいずれかであり得る)を含むとみなされる。したがって、本発明で使用したヘテロポリ酸は、酸素結合多価金属原子を含む錯体高分子量アニオンである。典型的には、各アニオンは、12〜18個の酸素結合多価金属原子を含む。周辺原子として公知の多価金属原子は、1つ又は2つ以上の中心原子を対称に取り囲む。周辺原子は、1つ又は2つ以上のモリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブ、タンタル、又は任意の他の多価金属であり得る。中心原子は、ケイ素又はリンが好ましいが、代替的に元素周期表第I〜VIII族の多種多様の原子のいずれか1つを含み得る。これらは、銅、ベリリウム、亜鉛、コバルト、ニッケル、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、鉄、セリウム、ヒ素、アンチモン、ビスマス、クロム、ロジウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタン、ジルコニウム、バナジウム、硫黄、テルル、マンガンニッケル、白金、トリウム、ハフニウム、セリウム、ヒ素、バナジウム、アンチモンイオン、テルル、及びヨウ素を含む。適切なヘテロポリ酸は、ケギン型(Keggin)、ウエルズ・ドーソン型(Wells-Dawson)、及びアンダーソン・エバンス・ペルオフ型(Anderson-Evans-Perloff)のヘテロポリ酸を含む。適切なヘテロポリ酸の具体例としては、次の通りである。
18−タングストリン酸:H6[P2W18O62].xH2O
12−タングストリン酸:H3[PW12O40].xH2O
12−タングストケイ酸:H4[SiW12O40].xH2O
セシウムハイドロゲンタングストケイ酸塩:Cs3H[SiW12O40].xH2O
及び、以下のヘテロポリ酸の遊離酸又は部分塩である。
モノカリウムタングストリン酸塩:KH5[P2W18O62].xH2O
モノナトリウム12−タングストケイ酸:NaK3[SiW12O40].xH2O
カリウムタングストリン酸塩:K6[P2W18O62].xH2O
アンモニウムモリブドジリン酸塩:(NH4)6[P2Mo18O62].xH20
カリウムモリブドジバナドリン酸塩:K5[PMoV2O40].xH2O
また、種々のヘテロポリ酸と塩との混合物を用いることができる。本発明で説明される方法に用いるのに好ましいヘテロポリ酸は、ケギン型構造又はウエルズ・ドーソン型構造に基づく任意の1つ又は2つ以上のヘテロポリ酸である。本発明で説明される方法に用いるのに選択されるヘテロポリ酸は、より好ましくはヘテロポリタングステン酸(例えば、ケイタングステン酸及びリンタングステン酸など)、ケイモリブデン酸、及びリンモリブデン酸の中の任意の1つ又は2つ以上である。最も好ましくは、本発明で説明される方法に用いるのに選択されるヘテロポリ酸は、任意の1つ又は2つ以上のケイタングステン酸、例えば12−タングストケイ酸(H[SiW1240].xHO)である。
本発明により用いられるヘテロポリ酸は、好ましくは700より多く8500未満の分子量、好ましくは2800より多く6000未満の分子量を有することができる。また、このようなヘテロポリ酸は、二量体錯体を含む。
担持触媒は、選択されるヘテロポリ酸を適切な溶媒に溶解することによって簡便に調製され得る。ここで適切な溶媒は、極性溶媒、例えば、水、エーテル、アルコール、カルボン酸、ケトン、及びアルデヒドを含み、蒸留水及び/又はエタノールが最も好ましい溶媒である。得られる酸性溶液は、好ましくは10〜80重量%の間、より好ましくは20〜70重量%の間、最も好ましくは30〜60重量%の間に含まれるヘテロポリ酸の濃度を有する。その後、この前記溶液は、選択される担体に添加される(又は、代替的に、担体は、溶液中に浸漬される)。担体に添加する酸性溶液の実際の量は制限されず、したがって、初期湿潤又は湿潤含浸を達成するのに十分であり得る。湿潤含浸(即ち、担体の細孔容積に対して過剰量の酸性溶液を用いた調製)は、本発明の目的のための好ましい方法である。
担体上への酸性溶液の含浸の前、又は含浸時のいずれかに、担持ヘテロポリ酸を適切な金属塩溶液と長時間接触させることにより、又はリン酸及び/若しくは他の鉱酸を添加することにより、得られる担持ヘテロポリ酸は改質され、そしてヘテロポリ酸の種々の塩は水溶液中に形成され得る。
ヘテロポリ酸溶液で担体を改質するのに可溶性金属塩を使用する場合、その塩は所望の濃度で取り込まれる。その後、担体を、任意の定期的な攪拌又は循環をしながら、適切な期間(例えば、数時間)、前記酸性溶液中に浸漬させておく。その後、全ての過剰な酸を除去するために、適切な手段を使用して、担体を濾過する。
塩が不溶性である場合には、HPAで触媒を含浸し、次いで塩前駆体で滴定することが好ましい。この方法は、HPA塩の分散性を向上させ得る。他の技術、例えば、真空含浸も用いることができる。
得られた担体に含浸されるヘテロポリ酸の量は、ヘテロポリ酸と担体の総重量に基づいて、10重量%〜80重量%、好ましくは20重量%〜50重量%の範囲が適切である。乾燥時の触媒の重量及び使用される担体の重量は、前者から後者を差し引くことにより担体上の酸の重量を得るために用いることができ、「gヘテロポリ酸/kg触媒」として触媒担持量を示す。また、「gヘテロポリ酸/リットル担体」での触媒担持量も、公知の又は測定される担体の嵩密度を用いることにより算出され得る。好ましいヘテロポリ酸の触媒担持量は、150〜600gヘテロポリ酸/kg触媒である。
本発明の好ましい実施形態によれば、乾燥担持ヘテロポリ酸触媒の表面積当たりの平均ヘテロポリ酸担持量は、0.1μモル/mよりも大きい。
以前に言及し、及び、いくつかの特定の化合物の一般式で表されるヘテロポリ酸の多価の酸化状態及び水和状態は、これが担体上に含浸される前に、特に、脱水工程の条件を受ける前に、新鮮な酸に適用するだけであることに留意すべきである。ヘテロポリ酸の水和度は、担持触媒の酸性度に影響を及ぼし得る。したがって、その活性及び選択性にも影響を及ぼし得る。このように、含浸及び脱水工程のこれらの作用のいずれか又は両方は、ヘテロポリ酸における金属の水和及び酸化状態を変化させ得る。即ち、所定の製造条件下で使用される実際の触媒種は、担体を含浸するのに使用されるヘテロポリ酸における金属の水和/酸化状態を生じ得ない。したがって、当然ながら、このような水和及び酸化状態はまた、反応の後、消費される触媒により異なり得ることが予想される。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記ヘテロポリ酸担持触媒中/上に存在する塩化物の量は、40ppm未満、好ましくは25ppm未満、最も好ましくは20ppm未満である。
本発明の方法で用いられる担持ヘテロポリ酸触媒は、新しい触媒でも、又は以前に使用した触媒でもよい。したがって、一実施形態では、担持ヘテロポリ酸触媒の少なくとも一部は、以前に、エタノール、水及びエトキシエタンを含む原料からエテンを調製するための方法で用いられたことがある。例えば、担持ヘテロポリ酸の少なくとも一部は、以前使用された触媒から、即ち、部分的に不活性化した材料からのヘテロポリ酸の抽出物に由来してもよい。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、ヘテロポリ酸担持触媒は、以下の特性:
PV>0.6−0.3x[HPA担持量/触媒の表面積]
を有するヘテロポリタングステン酸担持触媒であり、
ここで、PVは、乾燥担持ヘテロポリタングステン酸触媒の細孔容積(ml/g触媒で測定)であり、HPA担持量は、乾燥担持ヘテロポリ酸触媒中のヘテロポリ酸の量(μモル/g触媒で測定)であり、触媒の表面積は、乾燥担持ヘテロポリタングステン酸触媒の表面積(m/g触媒で測定)である。
適切な触媒担体は、粉末形態であってもよく、又は代替的に顆粒形態、若しくはペレット形態、球状形態、若しくは押出成形物(成形された粒子を含む)であってもよく、粘土、ベントナイト、珪藻土、チタニア、活性炭、アルミノケイ酸塩、例えば、モンモリロナイト、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア共ゲル、シリカ−ジルコニア共ゲル、炭素被覆アルミナ、ゼオライト、酸化亜鉛、火炎熱分解酸化物を含むが、これらに限定されない。担体は、混合酸化物、中性又は弱塩基性酸化物であり得る。シリカ担体は、例えば、シリカゲル担体及びSiClの火炎加水分解により製造される担体が好ましい。好ましい担体は、系の触媒活性に悪影響を与えるおそれのある外来の金属又は元素を、実質的に含まない。したがって、適切なシリカ担体は、典型的には少なくとも99%w/w純粋である。不純物量は、1%w/w未満、好ましくは0.60%w/w未満、最も好ましくは0.30%w/w未満である。担体の細孔容積は、好ましくは0.50ml/gよりも大きく、好ましくは0.8ml/gよりも大きい。
適切なシリカ担体は以下のいずれかを含むが、それらに限定されるものではない。Grace Davison Davicat(登録商標)Grade 57、Grace Davison Davicat(登録商標)1252、Grace Davison Davicat(登録商標)SI 1254、Fuji Silysia CariAct(登録商標)Q15、Fuji Silysia CariAct(登録商標)Q10、Degussa Aerolyst(登録商標)3045、及び Degussa Aerolyst(登録商標)3043。
担持ヘテロポリ酸粒子の平均直径は、好ましくは500μm〜8,000μm、より好ましくは1,000μm〜7,000μm、さらにより好ましくは2,000μm〜6,000μm、最も好ましくは3,000μm〜5,000μmである。驚くべきことに、本発明の効果は、より大きなサイズの(即ち、上記の範囲内にある)担持ヘテロポリ酸粒子によって増強されることが見出された。しかし、いくつかの実施形態では、これらの粒子を所望により、より小さなサイズ、例えば50〜2,000μmに粉砕して篩い分けし得る。
(ヘテロポリ酸で含浸する前の)担体の平均細孔径は、10〜500Å、好ましくは30〜350Å、より好ましくは50〜300Å、最も好ましくは60〜250Åである。BET表面積は、好ましくは50〜600m/gの間であり、最も好ましくは130〜400m/gの間である。
BET表面積、細孔容積、細孔径分布、及び平均細孔半径を、Micromeritics社製TRISTAR 3000静的体積吸着量分析器を用いて、77Kで決定される窒素吸着等温線から決定した。使用した手順は、英国規格方法(British Standard methods)BS4359:第1部:1984「Recommendations for gas adsorption (BET) methods」、及びBS7591:第2部:1992、「Porosity and pore size distribution of materials」ガス吸着による評価方法(Method of evaluation by gas adsorption)を適用した。(0.05〜0.20P/Poの圧力範囲にわたる)BET法、及び(20〜1000Åの細孔径における)Barrett、Joyner&Halenda(BJH)法を用いて、得られたデータを換算し、それぞれ表面積と細孔径分布を得た。
上記データ削減法の適切な参考書は、Brunauer, S, Emmett, P H, & Teller, E, J. Amer. Chem. Soc. 60, 309, (1938)、及びBarrett, E P, Joyner, LG & Halenda P P, J. Am Chem. Soc., 1951 73 373-380である。
担体と触媒の試料を、分析前に、5x10−3Torr(0.6666Pa)の真空下で、120℃で16時間脱気した。
別の態様では、本発明はまた、エタノール並びに任意に水及び/又はエトキシエタンを含む供給流の気相化学的脱水によりエテンを製造する方法において、エテン生産性を向上させるための、及び/又は触媒寿命を延ばすための、前述したような開始手順により調製された乾燥担持ヘテロポリ酸触媒の使用を提供し、前記方法は、反応器内で担持ヘテロポリ酸触媒を少なくとも200℃の供給温度を有する供給流と接触させるステップを含み、反応器内の圧力は少なくとも約0.80MPaであるが1.80MPa未満である。
他の態様では、本発明はまた、本発明による方法により得られる生成物それ自体、及び/又はその誘導体を含む、本発明による方法により得られる生成物、及び/又はその誘導体を含む(又はそれからなる)組成物を提供する。本明細書で使用される場合、誘導体は、さらなる方法から生じる生成物を含むか、又はそれからなる組成物であり、前記さらなる方法は、本発明の生成物を任意の段階で原料として利用する。非限定的な例として、ポリエチレンはそのような誘導体であることができる。本明細書に記載された組成物/生成物は、上記の方法から生じるので、上記の方法の任意の特徴は、これらの態様に個々に又は任意の組合せで適用可能である。
次に、本発明は以下の例により、及び以下の図面を参照して例示される。
実施例1及び比較例1〜3の、280℃における供給流への触媒の曝露時間に対する、エテン生産性のグラフ表示。 実施例1及び比較例1〜3の、280℃における供給流への触媒の曝露時間に対する、エテン生産性のグラフ表示(推定される不活性化時間を含む)。 比較例A〜Gの、エテン生産性に及ぼす、脱水温度の効果のグラフ表示。
触媒の調製
ケイタングステン酸(STA,silicotungstic acid)触媒を、次の例に従う脱水反応を行うのに使用した。
表面積147m/g、細孔容積0.84ml/g、平均細孔径230Åを有する高純度なシリカ担体を、STA触媒の調製に使用した。水(1249g)中のケイタングステン酸(508g)溶液に、シリカ(512g)を添加して触媒を調製した。ケイタングステン酸溶液を十分に担体の細孔に含浸させた後、過剰の溶液を重力下で担体から排出し、その後乾燥した。
乾燥重量に基づき、STA.6HOとしての触媒担体へのSTAの担持量は、触媒調製中にシリカにより得られた重量に基づいて、24.5%w/wと推定された。
以下の実施例1及び比較例1〜3用に、触媒を、反応管中に充填する前に粒子径850〜1000μmに粉砕した。
以下の比較例A〜G用に、触媒を、反応管中に充填する前に粒子径100〜200μmに粉砕した。
実施例1及び比較例1〜3の気相脱水反応
上記方法により調製された(下記表1に示すような)STA触媒の塊(850〜1000μm)を、等温床を有し0.501MPaに加圧した反応管中に、不活性ガス(窒素)流下で充填した。触媒を、窒素流(0.4957モル/時間)下で、(下記表1に示すように)150℃又は240℃到達まで2℃/分で加熱し、この温度で2時間保持した後、まだ150℃になっていない場合150℃まで冷却した。
次いで、エタノール(1.3228モル/時間)を窒素流に添加し、温度を2℃/分で225℃まで上昇させた。225℃になったら、反応器内の圧力が1.428Mpa(実施例C)又は2.857MPaの値まで上昇するように、供給圧力を0.1MPa/分の速度に上昇させた。ジエチルエーテルと水の試薬をエタノール及び窒素流に添加した。この時点で、供給成分の流れをエタノール(0.5627モル/時間)、ジエチルエーテル(0.1631モル/時間)、水(0.0625モル/時間)、及び窒素(0.3347モル/時間)となるように調整した。
24時間後、触媒床への供給物の温度を280℃に上昇させ、定常状態となったとき、オンラインのGC分析により時間に対するエテン生産性を監視した。脱水実験の結果を下の表2に示す。
Figure 0006876613

Figure 0006876613

図1及び2にグラフ表示される表2の結果は、触媒寿命に関する本発明の方法の利点を例示している。比較例1〜3と比較して、エテン生産性は高いままであり、かなりより長い時間保持されることが、図1及び2より明らかである。実施例1は、150℃の温度で触媒を乾燥させるステップの後に、本発明による低圧脱水を行った効果を示す。比較例1〜3による触媒は、本発明によらない高温乾燥段階(比較例1及び3)、又は本発明によらない高圧脱水(比較例2)のどちらかを行った。図1及び2はまた、比較例2及び3の場合のような本発明によらない高温で乾燥させるステップ及び/又は高圧脱水と比較して、エタノール脱水反応における最大エテン生産性が、本発明による低温で乾燥させるステップ及び低圧脱水によって、増加し得ることを例示している。特に、実施例1で観測された最大エテン生産性は、23120モル/kg触媒/時間であったが、比較例2及び3で観測された最大エテン生産性は、それぞれ、わずか17831モル/kg触媒/時間、14647モル/kg触媒/時間であった。
比較例A〜Gの気相脱水反応
上記方法に従って調製される(下記表3に示すような)STA触媒の塊(100〜200μm)を、不活性ガス(窒素及びヘリウム)流下で、0.501MPaに加圧された反応管中に充填した。触媒を、窒素(0.01500モル/時間)とヘリウム(0.00107モル/時間)の混合流下で、240℃到達まで2℃/分で加熱し、この温度で8時間保持した後、150℃まで冷却した。
次いで、エタノール(0.04084モル/時間)を窒素/ヘリウム流に添加し、温度を2℃/分で225℃まで上昇させた。225℃になったら、供給圧力を1.430MPa(実施例C及びF)、2.144MPa(実施例E)、又は2.858MPa(実施例A、B、D及びG)の値まで上昇させた。次にジエチルエーテルと水の試薬をエタノール、ヘリウム、及び窒素流に添加した。この時点で、供給成分の流れをエタノール(0.02677モル/時間)、ジエチルエーテル(0.00776モル/時間)、水(0.00297モル/時間)、ヘリウム(0.00106モル/時間)、及び窒素(0.01479モル/時間)となるように調整した。
触媒性能が225℃で安定したら、典型的には約100時間後、触媒床への供給物温度を(表3で示すように)220℃、240℃、260℃、280℃、又は295℃へ変更し、それぞれの場合で、オンラインのGC分析により時間に対するエチレン生産性を監視した。圧力を変えたこれらの脱水実験の結果を下の表3に示す。
Figure 0006876613

図3にグラフ表示される表3の結果は、エチレン生産性が、試験した全ての圧力で、脱水工程を行う際の温度を上げることにより概ね増加することを示している。
本明細書で開示される寸法及び値は、列挙される数値そのものに厳しく制限されるものとは理解されるべきではない。代わりに、特に断りのない限り、そのような各寸法は、列挙される値及びその値周辺の機能上は同等な範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図している。
本明細書において、明示的に除外されない限り、又は特に制限されない限り、任意の相互参照された又は関連する、特許又は出願を含む本明細書に引用される全ての文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は請求されるいずれの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独、若しくは他のいかなる参照といかなる組合せにおいても、いかなるこのような発明を参照、教示、提案又は開示することを認めるものではない。さらに、この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における同じ用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲では、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義を優先するものとする。
以上本発明の特定の実施形態を説明及び記載してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を加え得ることは、当業者には明白であろう。したがって、添付の特許請求の範囲において、本発明の範囲と趣旨内の全てのそのような変更及び修正を包含することが意図される。

Claims (15)

  1. エタノール並びに任意に水及び/又はエトキシエタンを含む供給流の気相化学的脱水によりエテンを調製するための方法であって、反応器中で乾燥担持ヘテロポリ酸触媒を少なくとも200℃の供給温度を有する前記供給流と接触させるステップを含み、前記反応器内の圧力は少なくとも0.80MPaであるが1.80MPa未満であり、前記担持ヘテロポリ酸触媒を少なくとも200℃の供給温度を有する前記供給流と接触させる前に、
    (i)担持ヘテロポリ酸触媒を、反応器内で、100℃超〜200℃の供給温度を有する不活性ガス流下で乾燥させて、乾燥担持ヘテロポリ酸触媒を形成するステップ、及び
    (ii)前記乾燥担持ヘテロポリ酸触媒を、100℃超〜160℃の供給温度を有するエタノール含有蒸気流と接触させるステップ
    により開始される、前記方法。
  2. 担持ヘテロポリ酸触媒を、ステップ(i)において、100℃〜180℃の供給温度を有する不活性ガス流下で乾燥させる、及び/又は
    乾燥担持ヘテロポリ酸触媒を、ステップ(ii)において、120℃〜158℃の供給温度を有するエタノール含有蒸気流と接触させる、請求項1に記載の方法。
  3. 供給流の供給温度が、少なくとも220℃であり、及び/又は
    前記供給流の供給温度の上限が、350℃である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 担持ヘテロポリ酸触媒を供給流と接触させるときの反応器内の圧力が、0.90MPa〜1.60MPaである、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 供給流圧力が1.00MPa〜1.80MPaであり、及び/又は
    流出流圧力が0.80MPa〜1.40MPaである、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. エタノール脱水工程の開始が、(iii)エタノール含有蒸気流の供給温度を、少なくとも200℃まで徐々に上昇させるステップをさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 供給流が、水及び/又はエトキシエタンを含み、及び/又は
    エタノール含有蒸気流がエタノールを含む又は本質的にエタノールからなり、残部が不活性ガス希釈剤で構成されている、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 乾燥させるステップが、1〜48時間の期間行われる、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 触媒が、反応器内の1つ又は2つ以上の触媒床の形態で提供される、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 触媒床が、断熱充填床、管状固定床、又は流動床から選択される、請求項9に記載の方法。
  11. ステップ(i)において担持ヘテロポリ酸触媒を乾燥させる間、反応器内における前記担持ヘテロポリ酸触媒床の全域での温度差が20℃以下である、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 担持ヘテロポリ酸触媒粒子の平均直径が、500μm〜8,000μmである、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 担持ヘテロポリ酸触媒におけるヘテロポリ酸の量が、前記担持ヘテロポリ酸触媒の全重量に基づいて、10重量%〜50重量%の範囲内である、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 担持ヘテロポリ酸触媒の少なくとも一部が、エタノール、水及びエトキシエタンを含む供給流からエテンを調製するための方法で以前用いられたことがある、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 担持ヘテロポリ酸触媒が、担持ヘテロポリタングステン酸触媒である、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
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