JP6875964B2 - 透明導電性フィルム用の長尺のハードコートフィルムの製造方法 - Google Patents

透明導電性フィルム用の長尺のハードコートフィルムの製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、透明な長尺のシクロオレフィン樹脂フィルムを基材として用いる、透明導電性フィルム用の長尺のハードコートフィルムの製造方法に関するものである。
シクロオレフィン樹脂フィルムは、耐熱性、耐薬品性、低透湿性、高透明性等の優れた特性があり、光学用途のみでなく、様々な分野で利用されている。しかし、シクロオレフィン樹脂フィルムはその耐傷性(anti−scratch)の低さの他、滑り性(slip properties)も悪いため、長尺でのハンドリングや巻き取りが難しいという欠点がある。また、前記の滑り性が悪いという欠点から通常シクロオレフィン樹脂フィルムは保護フィルムを貼合せた状態で巻き取られており、その形状で運搬、保管されている。
そこで、前記の耐傷性の問題を改良するために、シクロオレフィン樹脂フィルム表面に、アクリル樹脂などを用いたハードコート層をコーティングし、表面硬度を高めることで傷をつきにくくする方法が提案された。しかし、シクロオレフィン樹脂フィルムは、ハードコートなどの樹脂との密着性が悪かった。しかも、ハードコート層をコーティングする工程の前に、シクロオレフィン樹脂フィルムから保護フィルムを剥がす工程が必要であって、その過程で、保護フィルムの粘着剤成分や、保護フィルムに付着していた異物等がシクロオレフィン樹脂フィルムの表面に残ることがあり、それがハードコート層のピンホールや異物による欠陥が発生し、外観不良となる原因となっていた。
一方、特許文献1において、シクロオレフィン樹脂フィルムと偏光子とを接着するに当たって、その接着性を向上させるために、シクロオレフィン樹脂フィルムの偏光子が接着される面に、コロナ処理(コロナ放電処理)を施し、その後に水洗する方法が提案されている。
特開2012−155147号公報
しかし、シクロオレフィン樹脂フィルムとその上のハードコート層との密着性を改良するためにコロナ放電を利用することについては、具体的な方法は知られておらず、検討すべき対象となっていた。また、コロナ放電により表面の改質されたシクロオレフィン樹脂フィルム同士が接触すると、容易に密着し、ブロッキングが発生してしまい、ロール・トゥ・ロール(roll to roll)で長尺加工する際に問題であった。
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、シクロオレフィン樹脂フィルム基材とハードコート層との密着性が高まるとともに、外観不良が抑えられ、かつ、耐ブロッキング性(anti−blocking)に優れる、透明導電性フィルム用の長尺のハードコートフィルムの製造方法を提供することにある。
この発明に係る透明導電性フィルム用の長尺のハードコートフィルムの製造方法は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち
求項に記載の発明に係る透明導電性フィルム用の長尺のハードコートフィルムの製造方法は、透明な長尺のシクロオレフィン樹脂フィルム基材の両面にハードコート層を有する、長尺のハードコートフィルムの製造方法である。このハードコートフィルムの製造方法は、前記シクロオレフィン樹脂フィルム基材の一方の面に第1のハードコート層を形成し、他方の面に第2のハードコート層を形成する。第1のハードコート層の形成においては、前記シクロオレフィン樹脂フィルム基材の一方の面を、窒素ガス雰囲気下でコロナ処理する第1のコロナ処理工程と、その第1のコロナ処理工程の前後いずれかの工程であって、前記一方の面を、有機溶剤によって洗浄する第1の洗浄工程と、それら第1のコロナ処理工程および第1の洗浄工程の後の工程であって、ハードコート層用塗工液を、前記一方の面に塗工する第1の塗工工程とを有して、それら工程により、前記一方の面に第1のハードコート層を形成する。第2のハードコート層の形成においては、前記シクロオレフィン樹脂フィルム基材の他方の面を、窒素ガス雰囲気下でコロナ処理する第2のコロナ処理工程と、その第2のコロナ処理工程の前後いずれかの工程であって、前記他方の面を、有機溶剤によって洗浄する第2の洗浄工程と、それら第2のコロナ処理工程および第2の洗浄工程の後の工程であって、ハードコート層用塗工液を、前記他方の面に塗工する第2の塗工工程とを有して、それら工程により、前記他方の面に第2のハードコート層を形成する。ここで、前記第1の塗工工程と前記第2の塗工工程の少なくとも一方の塗工工程におけるハードコート層用塗工液は、少なくともバインダーおよび複数の微粒子を含む。そして、前記第1の塗工工程と前記第2の塗工工程の少なくとも一方の塗工工程における塗工は、前記シクロオレフィン樹脂フィルム基材の全幅に行う。
この長尺のハードコートフィルムの製造方法によると、ハードコート層は、シクロオレフィン樹脂フィルム基材の両面に設けられる。そして、ハードコート層用塗工液をシクロオレフィン樹脂フィルム基材の一方の面とか他方の面に塗工する塗工工程に先立ち、コロナ処理と、有機溶剤による洗浄が行われることから、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2とハードコート層との密着性が高まるとともに、外観不良が抑えられる。また、第1の塗工工程と第2の塗工工程の少なくとも一方の塗工工程におけるハードコート層用塗工液に複数の微粒子が含まれる結果、その微粒子が含まれたハードコート層を有するハードコートフィルムは、耐ブロッキング性が向上する。そして、第1の塗工工程と第2の塗工工程の少なくとも一方の塗工工程における塗工が、シクロオレフィン樹脂フィルム基材の全幅に対して行われることで、いずれかの塗工工程における塗工が、未塗工部分が生じる場合であっても、その未塗工部分に露出するコロナ処理での改質部が、ハードコートフィルムを巻き取ったとき、互いに接触することがなく、このため、改質部同士の接触によるブロッキングを避けることができる。
また、請求項に記載の発明に係る透明導電性フィルム用の長尺のハードコートフィルムの製造方法は、請求項に記載の製造方法において、前記第1の洗浄工程および前記第2の洗浄工程は、前記シクロオレフィン樹脂フィルム基材の一方の面あるいは他方の面である表面に、有機溶剤を1〜20g/m2塗工し、その塗工の後またはその塗工と同時に、その塗工した有機溶剤を掻き取り、その表面を乾燥する。
また、請求項に記載の発明に係る透明導電性フィルム用の長尺のハードコートフィルムの製造方法は、請求項またはに記載の製造方法において、前記第1のコロナ処理工程および前記第2のコロナ処理工程は、前記窒素ガス雰囲気下における酸素濃度が、5000ppm以下で、放電量が、10〜100W・min/m2の範囲にある。
この発明に係る透明導電性フィルム用の長尺のハードコートフィルムの製造方法によれば、塗工工程に先立ち、コロナ処理と有機溶剤による洗浄を行い、塗工液に複数の微粒子を含めることで、シクロオレフィン樹脂フィルム基材とハードコート層との密着性が高まるとともに、外観不良が抑えられ、かつ、耐ブロッキング性に優れた長尺のハードコートフィルムを製造することができる。
この発明の第一の実施の形態の、ハードコートフィルムを示す模式図である。 この発明の第二の実施の形態の、ハードコートフィルムを示す模式図である。 この発明の他の実施の形態の、透明導電性フィルムを示す模式図である。 この発明のさらに他の実施の形態の、透明導電性フィルムを示す模式図である。
以下、この発明に係る透明導電性フィルム用の長尺のハードコートフィルムの製造方法を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第一の実施の形態を示す。図中符号1は、透明導電性フィルム用の長尺のハードコートフィルムを示す。
このハードコートフィルム1は、透明な長尺のシクロオレフィン樹脂フィルム基材2の一方の面にのみハードコート層3を有する。そこで、このハードコートフィルム1の製造方法は、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2の一方の面を、窒素ガス雰囲気下でコロナ処理(コロナ放電処理)するコロナ処理工程と、そのコロナ処理工程の前後いずれかの工程であって、前記一方の面を、有機溶剤によって洗浄する洗浄工程と、それらコロナ処理工程および洗浄工程の後の工程であって、少なくともバインダー(binder component)および複数の微粒子4、4を含むハードコート層用塗工液を、前記一方の面に塗工する塗工工程とを有して、それら工程(つまり、コロナ処理工程、洗浄工程および塗工工程)により、前記一方の面にハードコート層3を形成する。
詳細には、洗浄工程は、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2の一方の面である表面に、有機溶剤を1〜20g/m2塗工し、その塗工の後またはその塗工と同時に、その塗工した有機溶剤を掻き取り、その表面を乾燥する。そして、コロナ処理工程は、窒素ガス雰囲気下における酸素濃度が、5000ppm以下で、放電量が、10〜100W・min/m2の範囲にある。
具体的には、ハードコートフィルム1の基材2となるシクロオレフィン樹脂フィルムは、耐熱性、耐薬品性、低透湿性、高透明性等の優れた特性を持つ。ここで、シクロオレフィン樹脂は、シクロオレフィンを骨格とするモノマー構造のある樹脂であれば、特に限定されず、例えば、シクロオレフィンポリマー(COP)や、シクロオレフィンと他のオレフィンとの共重合体の構造をもつシクロオレフィンコポリマー(COC)などがある。
上記のシクロオレフィンは、多環構造のシクロオレフィンと単環構造のシクロオレフィンが一般的に知られている。多環構造のシクロオレフィンの一例としては、ノルボルネン、メチルノルボルネン、ヘキシルノルボルネン、シクロヘキシルノルボルネン、ビニルノルボルネン、テトラシクロドデセン、メチルテトラシクロドデセン、シクロヘキシルテトラシクロドデセン、ビニルテトラシクロドデセン、シクロヘキセニルテトラシクロドデセン、フェニルテトラシクロドデセン、ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジメチルジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエンなどの複数の環構造を持つ、環状炭化水素がある。また、単環構造のシクロオレフィンとしては、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、シクロデセン、シクロドデセン、シクロオクタジエンなどの1つの環状構造を持つ、環状炭化水素がある。
シクロオレフィン樹脂フィルム基材2は、10〜500μmの厚みが好ましく、10〜200μmの厚みがより好ましく、20〜100μmの厚みがさらに好ましい。シクロオレフィン樹脂フィルム基材2の厚さが10μmよりも薄い場合は、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2の強度が不足し、フィルム基材2の搬送中に断裂したり、しわの発生を誘発するなどの、取り扱いが困難になる問題が生じることがある。また、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2の厚さが500μmよりも厚い場合は、1巻に巻き取れる長さが短くなるなど、コストの面から不利になる。
洗浄工程は、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2の表面に付着している異物や、ハードコート層用塗工液を塗工する前にシクロオレフィン樹脂フィルム基材2から保護フィルムを剥がしたときの粘着剤の成分等を除去するために行う。ここで、洗浄工程は、従来から知られている、空気を吹き付けて異物を飛ばす、あるいは粘着ロール等で表面をクリーニングする、などの方法では、フィルムの搬送や巻状態で保管されることにより圧着してしまった異物を取り除くのは難しく、また水で洗浄する等の方法では、異物の中でも、特に付着している粘着剤成分を除去することは難しいため、有機溶剤を用いて洗浄する。用いる有機溶剤は、粘着剤成分を溶解あるいは膨潤させるものが好ましい。溶解度パラメーターδは7〜15の範囲の有機溶剤であることが好ましく、δが8〜12の範囲の有機溶剤がより好ましい。また、有機溶剤は、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2を溶解または膨潤させるもの、あるいは形状や外観に変化を与えるものであっても良い。
溶解度パラメーターδが7〜15の範囲の有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン(アノン)のようなケトン系の有機溶剤、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンのような炭化水素系の有機溶剤、トルエン、キシレンのような芳香族系の有機溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)のようなエーテル系の有機溶剤、イソプロピルアルコール(IPA)、イソブチルアルコール(IBA)、n−ブチルアルコールのようなアルコール系有機溶剤、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルのようなエステル系有機溶剤などがある。これらの有機溶剤は、それぞれ単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
この洗浄工程は、有機溶剤を塗工し、短時間その有機溶剤をフィルム表面に保持した後、有機溶剤と共に粘着剤などの異物を掻きとり、乾燥することで行われる。
有機溶剤の塗工については塗工と同時に有機溶剤と共に異物を掻きとることができる、ワイヤーバーコート法、ダイレクトグラビアコート法、リバースグラビアコート法などが好ましく、異物を掻きとる際にフィルム表面に傷をつけないように、これらコート法に用いられるバーやロールの表面に、フッ素化処理、チタン処理、DLC(Diamond−like Carbon)処理、窒化処理、セラミック処理、金属めっき、合金めっき等の表面処理を施すのがよい。
有機溶剤の塗工量は1〜20g/m2、より好ましくは1〜10g/m2、さらに好ましくは2〜8g/m2であり、塗工量が多すぎても洗浄効果は変わらないが、使用する有機溶剤量が膨大になり無駄であり、逆に少なすぎると均一な塗工が困難で目的とする洗浄効果が得られない可能性がある。
有機溶剤が塗工されたシクロオレフィン樹脂フィルム基材2は、自然乾燥または熱をかけて乾燥されるが、この乾燥までの保持時間が長いとシクロオレフィン樹脂フィルム基材2が過度に侵食され、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2のヘイズ(haze)値が高くなったり、またその位相差が変化する可能性があるため、この保持時間は、好ましくは20秒以内、より好ましくは10秒以内、さらに好ましくは2〜5秒の範囲内とするのがよい。また、熱をかけて乾燥する場合は、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2の変形を防ぐために、シクロオレフィン樹脂のガラス転移点以下の温度で乾燥することが好ましく、100℃以下の温度で乾燥させるのがより好ましく、30〜100℃の範囲がさらに好ましい。
コロナ処理工程は、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2とハードコート層3との密着性を高めるために行う。つまり、コロナ処理は、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2の表面に親水官能基やラジカル活性種を導入したり、表面が粗面化されることにより密着性が向上するものと考えられている。
このコロナ処理は、電極と支持ロールの隙間でコロナ放電を起こし、その間にシクロオレフィン樹脂フィルム基材2を通過させることにより行われる。しかし、コロナ処理の放電量が多すぎると、特に耐傷性(anti−scratch)の問題のあるシクロオレフィン樹脂フィルム基材2の表面にとってはコロナキズを発生させたり、微粉末状の異物が発生したりするなどの問題が生じ、ハードコート層3の欠陥による外観不良につながる可能性がある。また放電量が少なすぎると、充分な密着改良効果が得られない。このため、放電量は、10〜100W・min/m2の範囲が好ましく、さらに好ましくは20〜100W・min/m2の範囲、より好ましくは40〜100W・min/m2の範囲がよい。また、電極間隔は、1〜5mm程度であり、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2の搬送速度は、5〜60m/分程度である。
また、このコロナ処理における酸素濃度については、窒素ガスでパージ(purge)し、窒素ガス雰囲気化にすることで、酸素濃度を5000ppm以下にするのが好ましく、300〜5000ppmの範囲にするのがさらに好ましい。これは通常大気圧下の酸素濃度では、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2の表面に親水官能基やラジカル活性種の導入には有利に働くが、酸化物をはじめとする異物の発生が懸念されるためである。
塗工工程は、洗浄工程およびコロナ処理工程を経たシクロオレフィン樹脂フィルム基材2上に、少なくともバインダーおよび複数の微粒子4、4を含むハードコート層用塗工液を塗工するものであり、塗工後、乾燥し、紫外線露光することで、ハードコート層3か作製される。
この塗工工程においては、長尺のシクロオレフィン樹脂フィルム基材2の全幅塗工、あるいは耳厚(fat edge)を防ぐため両端部分に未塗工部分(例えば、2mm以上の未塗工部分)を残すことができる。この塗工にあたっては、例えば、リバースグラビアコート法、ダイレクトグラビアコート法、ダイコート法、バーコート法、ワイヤーバーコート法、ロールコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、ナイフコート法、キスコート法等の方法を用いることができるが、これらの方法に限定されるわけではない。
塗工後の乾燥は、50〜120℃の温度で10〜180秒間程度行うことが好ましく、特に50〜80℃の温度で行うのが好ましい。乾燥時間は、長いほどよいが、生産性を考慮すれば、10〜120秒程度とすることがさらに好ましい。
次いで、乾燥後のハードコート層3に紫外線を照射して硬化させることで、微粒子4の凝集体をハードコート層3の表面付近に固定化することができる。紫外線照射装置としては、高圧水銀ランプ、無電極(マイクロ波方式)ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、その他任意の紫外線照射装置を用いることができる。紫外線の照射量は、50〜800mJ/cm2の範囲、好ましくは、100〜300mJ/cm2の範囲であるのがよい。
得られたハードコート層3の平均膜厚は、0.5〜10.0μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.75〜5.0μmの範囲であるのがよい。平均膜厚が0.5μm未満であると、硬度が不充分となる虞があり、10.0μmを超えると、ハードコート層3あるいはそのハードコート層3に積層される層にクラックが入ったり、巻き取りも困難になるだけでなく、透明性等の光学特性が低下する虞もある。
このハードコート層3に含まれる微粒子4は、ハードコート層3の平均膜厚より大きい平均粒径の微粒子とすることもできる。もっとも、液晶表示素子あるいは有機EL素子にタッチパネルとして組み込んだ時、ギラツキ(sparkle)、ヘイズ(haze)で優れたものとするには、ハードコート層3の平均膜厚より小さい平均粒径の微粒子とするのが好ましく、特にサブミクロンサイズの有機微粒子であることが好ましい。そして、微粒子4が、ハードコート層3の平均膜厚より大きい平均粒径の微粒子であったり、ハードコート層3の平均膜厚より小さい平均粒径の微粒子がハードコート層3の表面側に偏在したりすることで、ハードコート層3の表面に凹凸が形成され、これによって、ハードコートフィルム1の耐ブロッキング性(anti−blocking)が向上する。
以下に、ハードコート層用塗工液について詳細に説明する。ハードコート層用塗工液は、ハードコート層3を形成する硬化性組成物と有機溶剤とからなる。この硬化性組成物は、紫外線によって硬化するものが好ましい。硬化性組成物としては、紫外線硬化性化合物および光(詳しくは、紫外線)重合開始剤を含むバインダー、微粒子4、レベリング剤等を含む紫外線硬化型の組成物であることが好ましい。
微粒子4は、無機微粒子とか有機微粒子とかがあるが、透明性を有するものが好ましい。ここで、無機微粒子としては、例えば、ジルコニア、シリカ、酸化アルミニウム、ニ酸化チタン、酸化カルシウム等を用いることができるが、これらに限定されるわけではない。また、有機微粒子としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、フェノール樹脂等を用いることができるが、これらに限定されるわけではない。また、これらの微粒子4、4は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
微粒子4としては、バインダーを含む塗工液中では安定に分散され、塗工、乾燥、紫外線照射後には凝集して表面近傍に偏在することが好ましく、そのためにバインダーとの親和性を有し、比重、屈折率の点でバインダーと同様な特性を有することが好ましく、有機微粒子であることが好ましい。
また、微粒子4の平均粒径は、特に限定されることはないが、ハードコート層3の平均膜厚より小さいことが好ましく、それら微粒子4、4が複数個凝集してハードコート層3の表面凹凸を形成することから、好ましくは平均粒径がハードコート層3の平均膜厚の50%以下、より好ましくは33%以下であって、その平均粒径は、50nm〜500nmの範囲が好ましく、さらに80nm〜400nmの範囲がより好ましい。ハードコート層3の表面凹凸は、これらの微粒子4、4(有機微粒子)の凝集と偏在によって形成されるが、平均粒径が50nm未満では充分な表面凹凸を形成することができない虞があり、平均粒径が500nmを越えると、ヘイズが上昇する虞がある。
微粒子4の形状は、特に限定されないが球状が好ましく用いられる。平均粒径とは、国際標準化機構規格ISO 13320を基にした日本工業規格JIS Z8825に従うレーザ回折・散乱法により得られる体積基準の粒子径分布の、算術平均値である。そして、ハードコート層3の平均膜厚とは、ハードコート層3の表面とシクロオレフィン樹脂フィルム基材2との界面からの反射光を分光解析される測定法で得られた膜厚をいう。
微粒子4の添加量は、粒径(平均粒径)によって異なるが、ハードコート層3(つまりは、ハードコート層用塗工液のうち有機溶剤を除いた部分)に対し、1〜25重量%の範囲が好ましく、2〜20重量%の範囲がさらに好ましい。もっとも、微粒子4の平均粒径が大きい場合、例えば、ハードコート層3の平均膜厚の50%より大きい場合には、微粒子4の添加量は、0.01重量%以上であれば、1重量%未満となってもよい。1重量%未満(微粒子4の平均粒径が大きい場合は、0.01重量%未満)では表面の凹凸を充分に形成することができず、また、25重量%を越えるとヘイズ上昇などの問題が発生する懸念がある。
また、微粒子4の不必要な凝集を防ぎ、優れた分散性と分散安定性を確保するため、分散剤を微粒子4に対して、性能に影響のない範囲で適宜配合してもよい。分散剤としては、種々の界面活性剤が挙げられるが、アニオン系、あるいはノニオン系の界面活性剤が好ましい。
レベリング剤は、塗工時の濡れ性(wettability)を改良し、乾燥工程において塗膜の均一化を促進させ、干渉縞(uneven interference)やハジキ(cissing)を防止するためのものである。このレベリング剤としては、シリコーン系やフッ素系のものが挙げられるが、シリコーン系レベリング剤が好ましい。
シリコーン系レベリング剤としては、各種(ポリエーテル、ポリエステル)変性シリコーン、アクリル基を有する各種(ポリエーテル、ポリエステル)変性シリコーン等が挙げられ、特にポリジメチルシロキサン系レベリング剤、例えばジメチルシロキサン、フェニルメチルシロキサン、各種(ポリエーテル、ポリエステル)変性ポリジメチルシロキサン、アクリル基を有する各種(ポリエーテル、ポリエステル)変性ポリジメチルシロキサン等が好ましい。
また、フッ素系レベリング剤としては、フルオロ基、親水基、親油基、紫外線反応性基含有オリゴマー等が用いられる。
レベリング剤は、ハードコート層用塗工液における含有量が、バインダー(詳しくは、紫外線硬化性化合物および光重合開始剤を含むバインダー)に対して0.01〜5重量%であることが好ましく、0.05〜2重量%であることがより好ましい。
ハードコート層用塗工液における有機溶剤は、硬化性組成物の、バインダー(詳しくは、紫外線硬化性化合物および光重合開始剤を含むバインダー)、微粒子4、レベリング剤を溶解あるいは分散させ、適正な塗工液の性状にするためのものである。また、有機溶剤を用いて塗工液を希釈することにより、微粒子4を含有するハードコート層3の膜厚(平均膜厚)を適宜調節することもできる。さらに、塗工、乾燥、紫外線照射工程で有機溶剤が揮発することにより、微粒子4(有機微粒子)を凝集させるために、有機溶剤としては微粒子4と親和性が高いもの、例えば溶解度パラメーターδが8〜11の範囲の有機溶剤を用いるのが好ましい。この範囲の有機溶剤では微粒子4の分散性に優れ、かつ耐ブロッキング性に優れる表面凹凸を有するハードコート層3が得られる。
ハードコート層用塗工液に用いられる有機溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)のようなアルコール系の有機溶剤、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン(アノン)のようなケトン系の有機溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルのようなエーテル系有機溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートのようなエステル系有機溶剤、トルエン、キシレンのような芳香族系の有機溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンのようなアミド系有機溶剤などがある。このような有機溶剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても良く、その溶解度パラメーターδが8〜11の範囲であることが好ましく、溶解度パラメーターδが8〜10の範囲にあるケトン系あるいはエステル系がさらに好ましい。
ハードコート層用塗工液における有機溶剤の含有量は、硬化性組成物に対し、20〜95重量%の範囲内であることが好ましい。この含有量は、ハードコート層用塗工液の粘度やハードコート層3の膜厚(平均膜厚)を考慮して適宜決定できる。
次に、第一の実施の形態における透明導電性フィルム用の長尺のハードコートフィルム1の製造方法の作用効果について説明する。この長尺のハードコートフィルム1の製造方法によると、ハードコート層3は、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2の一方の面にのみ設けられる。そして、ハードコート層用塗工液をシクロオレフィン樹脂フィルム基材2の一方の面に塗工する塗工工程に先立ち、コロナ処理と、有機溶剤による洗浄が行われることから、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2とハードコート層3との密着性が高まるとともに、外観不良が抑えられる。また、ハードコート層用塗工液に複数の微粒子4、4が含まれる結果、その微粒子4が含まれたハードコート層3を有するハードコートフィルム1は、微粒子4によりハードコート層3の表面に凹凸が形成されることから、耐ブロッキング性が向上する。
そして、ハードコート層3がシクロオレフィン樹脂フィルム基材2の一方の面にのみ設けられることで、塗工工程での塗工が、未塗工部分が生じる場合であっても、その未塗工部分に露出するコロナ処理(つまり、コロナ放電処理)での改質部が、ハードコートフィルム1を巻き取ったとき、互いに接触することがなく、このため、改質部同士の接触によるブロッキングを避けることができる。つまり、コロナ処理した改質部同士は、互いに接着しやすく、滑り性(slip properties)も悪く、また耐ブロッキング性が不十分となるが、ハードコート層3を一方の面のみに設けることで、ハードコートフィルム1を巻き取ったとき、この改質部同士が接触することがない。したがって、このハードコートフィルム1は、ハードコート層3、もしくはその反対面側に、後述する保護フィルム7を貼り合せなくても、巻き取ることができる。もっとも、保護フィルム7を貼り合せることは勿論構わず、この場合、この保護フィルム7を形成する材料は、熱処理工程中及び熱処理工程後のカールの制御という観点から、ハードコートフィルム1(詳しくは、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2)と、加熱収縮率及び線膨張係数が近い材料が好ましい。
このように、この長尺のハードコートフィルム1の製造方法によれば、塗工工程に先立ち、コロナ処理と有機溶剤による洗浄を行い、塗工液に複数の微粒子4、4を含めることで、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2とハードコート層3との密着性が高まり、耐傷性および滑り性が改良されるとともに、汚れ・異物による欠陥に基づく外観不良が抑えられ、かつ、耐ブロッキング性に優れた長尺のハードコートフィルム1を安定的に、低コストで製造することができる。さらに、このハードコートフィルム1に、透明導電層、薄膜金属層、光学調整層等を設けることで、ハンドリング性に優れ、視認性にも優れた透明導電性フィルムとして、静電容量方式、抵抗膜方式等のタッチパネルに適用することにより、低コスト、高品位のタッチパネルを製造することができる。
図2は、本発明の第二の実施の形態を示す。この実施の形態においては、ハードコートフィルム1は、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2の両面にハードコート層3を有するが、他は第一の実施の形態とほぼ同様であり、以下に、同様の部分には同一の符号を付して、異なる部分を主に説明する。
このハードコートフィルム1は、透明な長尺のシクロオレフィン樹脂フィルム基材2の両面にハードコート層3を有する。そこで、このハードコートフィルム1の製造方法は、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2の一方の面を、窒素ガス雰囲気下でコロナ処理(コロナ放電処理)する第1のコロナ処理工程と、その第1のコロナ処理工程の前後いずれかの工程であって、前記一方の面を、有機溶剤によって洗浄する第1の洗浄工程と、それら第1のコロナ処理工程および第1の洗浄工程の後の工程であって、ハードコート層用塗工液を、前記一方の面に塗工する第1の塗工工程とを有して、それら工程(つまり、第1のコロナ処理工程、第1の洗浄工程および第1の塗工工程)により、前記一方の面に、ハードコート層3としての第1のハードコート層3aを形成する。そして、第1のハードコート層3aが設けられたシクロオレフィン樹脂フィルム基材2の他方の面を、窒素ガス雰囲気下でコロナ処理(コロナ放電処理)する第2のコロナ処理工程と、その第2のコロナ処理工程の前後いずれかの工程であって、前記他方の面を、有機溶剤によって洗浄する第2の洗浄工程と、それら第2のコロナ処理工程および第2の洗浄工程の後の工程であって、ハードコート層用塗工液を、前記他方の面に塗工する第2の塗工工程とを有して、それら工程(つまり、第2のコロナ処理工程、第2の洗浄工程および第2の塗工工程)により、前記他方の面に、ハードコート層3としての第2のハードコート層3bを形成する。
ここで、第1の塗工工程と第2の塗工工程の少なくとも一方の塗工工程におけるハードコート層用塗工液は、第一の実施の形態のハードコート層用塗工液と同様に、少なくともバインダーおよび複数の微粒子4、4を含む。図示実施の形態においては、第1の塗工工程におけるハードコート層用塗工液(つまり、第1のハードコート層3a)は、バインダーおよび複数の微粒子4、4を含み、第2の塗工工程におけるハードコート層用塗工液(つまり、第2のハードコート層3b)は、微粒子4を含んでいない。もっとも、第2の塗工工程におけるハードコート層用塗工液(つまり、第2のハードコート層3b)が、バインダーおよび複数の微粒子4、4を含み、第1の塗工工程におけるハードコート層用塗工液(つまり、第1のハードコート層3a)が、微粒子4を含んでいなくてもよい。また、両方のハードコート層用塗工液(つまり、第1および第2のハードコート層3a、3b)が複数の微粒子4、4を含んでいてもよい。
そして、第1の塗工工程と第2の塗工工程の少なくとも一方の塗工工程(つまり、いずれか一方の塗工工程、または両方の塗工工程)における塗工は、長尺のシクロオレフィン樹脂フィルム基材2の全幅に行う。
詳細には、第1の洗浄工程および第2の洗浄工程は、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2の一方面あるいは他方の面である表面に、第一の実施の形態の洗浄工程と同様に、有機溶剤を1〜20g/m2塗工し、その塗工の後またはその塗工と同時に、その塗工した有機溶剤を掻き取り、その表面を乾燥する。そして、第1のコロナ処理工程および第2のコロナ処理工程は、第一の実施の形態のコロナ処理工程と同様に、窒素ガス雰囲気下における酸素濃度が、5000ppm以下で、放電量が、10〜100W・min/m2の範囲にある。
次に、第二の実施の形態における透明導電性フィルム用の長尺のハードコートフィルム1の製造方法の作用効果について説明する。この長尺のハードコートフィルム1の製造方法によると、ハードコート層3は、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2の両面に設けられる。そして、ハードコート層用塗工液をシクロオレフィン樹脂フィルム基材2の一方の面とか他方の面に塗工する塗工工程に先立ち、コロナ処理と、有機溶剤による洗浄が行われることから、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2とハードコート層3a、3bとの密着性が高まるとともに、外観不良が抑えられる。また、第1の塗工工程と第2の塗工工程の少なくとも一方の塗工工程におけるハードコート層用塗工液に複数の微粒子4、4が含まれる結果、その微粒子4が含まれたハードコート層3を有するハードコートフィルム1は、微粒子4によりハードコート層3の表面に凹凸が形成されることから、耐ブロッキング性が向上する。
そして、第1の塗工工程と第2の塗工工程の少なくとも一方の塗工工程における塗工が、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2の全幅に対して行われることで、いずれかの塗工工程における塗工が、未塗工部分が生じる場合であっても、その未塗工部分に露出するコロナ処理(つまり、コロナ放電処理)での改質部が、ハードコートフィルム1を巻き取ったとき、互いに接触することがなく、このため、改質部同士の接触によるブロッキングを避けることができる。つまり、コロナ処理した改質部同士は、互いに接着しやすく、滑り性も悪く、また耐ブロッキング性が不十分となるが、第1のハードコート層3aと第2のハードコート層3bのいずれか一方または両方をシクロオレフィン樹脂フィルム基材2の全幅に設けることで、ハードコートフィルム1を巻き取ったとき、改質部同士が接触することがない。したがって、このハードコートフィルム1は、第1もしくは第2のハードコート層3a、3bに、後述する保護フィルム7を貼り合せなくても、巻き取ることができる。もっとも、保護フィルム7を貼り合せることは勿論構わず、この場合、この保護フィルム7を形成する材料は、熱処理工程中及び熱処理工程後のカールの制御という観点から、ハードコートフィルム1(詳しくは、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2)と、加熱収縮率及び線膨張係数が近い材料が好ましい。
このように、この長尺のハードコートフィルム1の製造方法によれば、塗工工程に先立ち、コロナ処理と有機溶剤による洗浄を行い、少なくとも一方の塗工液に複数の微粒子4、4を含めることで、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2とハードコート層3a、3bとの密着性が高まり、耐傷性および滑り性、ならびに、汚れ・異物等による欠陥・外観不良が抑えられ、かつ、耐ブロッキング性に優れた長尺のハードコートフィルム1を安定的に、低コストで製造することができる。さらに、このハードコートフィルム1に、透明導電層、薄膜金属層、光学調整層等を設けることで、ハンドリング性に優れ、視認性にも優れた透明導電性フィルムとして、静電容量方式、抵抗膜方式等のタッチパネルに適用することにより、低コスト、高品位のタッチパネルを製造することができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、図3に示すように、第1の実施の形態に示すハードコートフィルム1に対し、ハードコート層3の表面に、光学調整層6が設けられてもよい。図示実施の形態においては、光学調整層6は、高屈折率層6aと低屈折率層6bとの二層からなるが、勿論一層からなっても構わない。ここで、高屈折率層6aにおいては、金属酸化微粒子を含んでもよい。また、この実施の形態においては、シクロオレフィン樹脂フィルム基材2の他方の面に、保護フィルム7が貼り合わされている。保護フィルム7は、基材となるプラスチックフィルム基材7aの一方の面に粘着層7bを有する。そして、この図3に示すように、ハードコートフィルム1における光学調整層6の表面に、透明導電層8が設けられて、透明導電性フィルムが形成される。
また、図4に示すように、第二の実施の形態に示すハードコートフィルム1においても、同様に、光学調整層6が設けられてもよく、また、保護フィルム7が、ハードコート層3(図示実施の形態においては、第2のハードコート層3b)の表面に貼り合わされてもよい。そして、ハードコートフィルム1における光学調整層6の表面に、透明導電層8が設けられて、透明導電性フィルムが形成される。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
<実施例1>
(溶剤洗浄およびコロナ処理)
コーティングラインの巻出側にフィルム基材2として、シクロオレフィン樹脂フィルム(日本ゼオン株式会社製、商品名:ゼオノアフィルムZF16、厚み100μm)の長尺フィルム基材を設置し、コーティングラインとは別のフィルム巻取機によりポリエチレン製の保護フィルムを剥がした後、連続してDLC(diamond−like carbon)処理されたグラビアロールを用いたリバースグラビアコーターで、前記シクロオレフィン樹脂フィルム基材2の一方の面の全幅に渡り有機溶剤であるメチルエチルケトン(MEK)を5g/m2となるよう塗工し掻き取り、3秒後に60℃の空気を12秒間吹きつけて乾燥することで、溶剤洗浄を行い、直ちにコロナ照射機(春日電機株式会社製)を用いて、前記溶剤洗浄をした面にコロナ処理を行った。コロナ処理の処理条件は、窒素ガス雰囲気下で酸素濃度1000ppm以下、電極間隔2mm、出力強度1.5kWで、放電量は44W・min/m2とした。
(ハードコート層用塗工液(1)の調整)
SUS(ステンレス鋼)製容器に、アクリル樹脂系微粒子を含有するアクリレート化合物(アイカ工業株式会社製、商品名:アイカアイトロンZ−739L、固形分濃度55重量%、平均粒径120nm)を65.4kg、ポリエーテル変性シリコーン系レベリング剤(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:L−720、固形分濃度100重量%)を0.03kg、シクロヘキサノン:メチルイソブチルケトン(MIBK)=4:1(重量比)となる溶剤34.5kgを加え、全体が均一に混合されるよう撹拌を行い、ハードコート層用塗工液(1)を調整した。
(ハードコートフィルム(1)の作製)
上記のフィルム基材2の溶剤洗浄・コロナ処理を行った面に、上記ハードコート層用塗工液(1)により、ハードコート層3の平均膜厚が1.5μmとなるよう、リバースグラビア塗工方式で両端5mmの未塗工部分を残して塗工を行い、その後70℃で90秒間乾燥を行い、次いで、高圧水銀ランプを用いて、光量200mJ/cm2の条件で紫外線を照射しハードコート層3を硬化させ、保護フィルムを用いることなく巻き上げて、一方の面にのみハードコート層3を有するハードコートフィルム(1)を作製した。
<比較例1>
溶剤洗浄を行わなかった以外は全く実施例1と同様にして、一方の面にのみハードコート層3を有する比較例のハードコートフィルム(1)を作製した。
<比較例2>
溶剤洗浄の代わりに、粘着ロールを用いて表面をクリーニングした以外は全く実施例1と同様にして、一方の面にのみハードコート層3を有する比較例のハードコートフィルム(2)を作製した。
<比較例3>
溶剤洗浄の代わりに、水洗浄を行なった以外は全く実施例1と同様にして、一方の面にのみハードコート層3を有する比較例のハードコートフィルム(3)を作製した。
<実施例2>
溶剤洗浄に使用する有機溶剤をイソプロピルアルコール(IPA)に変更し、硬質クロムめっき処理されたグラビアロールを用いた以外は全く実施例1と同様にして、一方の面にのみハードコート層3を有するハードコートフィルム(2)を作製した。
<実施例3>
溶剤洗浄に使用する有機溶剤をメチルイソブチルケトン(MIBK):メチルエチルケトン(MEK)=1:9(重量比)に替えた以外は全く実施例1と同様にして、一方の面にのみハードコート層3を有するハードコートフィルム(3)を作製した。
<実施例4>
(溶剤洗浄およびコロナ処理)
実施例1で作製したハードコートフィルム(1)のハードコート層3(第1のハードコート層3a)を設けていない反対側に、DLC(diamond−like carbon)処理されたグラビアロールを用いたリバースグラビアコーターで全幅に渡りメチルイソブチルケトン(MIBK)を2.5g/m2となるよう塗工し掻き取った後、4秒後に70℃の空気を15秒間吹きつけて乾燥し、直ちにコロナ照射機(春日電機株式会社製)を用いて、前記溶剤洗浄を行った面にコロナ処理を行った。コロナ処理の処理条件は、窒素ガス雰囲気下で酸素濃度5000ppm以下、電極間隔2mm、出力強度2.0kWで、放電量は78W・min/m2とした。
(ハードコートフィルム(4)の作製)
上記の溶剤洗浄・コロナ処理を行った面に、実施例1のハードコート層用塗工液(1)を平均膜厚が2.0μmとなるよう全幅塗工する(耳部を残さない)以外は全く実施例1と同様にして第2のハードコート層3bを設け、両面にハードコート層3を有するハードコートフィルム(4)を作製した。
<実施例5>
(ハードコートフィルム(5)の作製)
コーティングラインの巻出側にフィルム基材2として、シクロオレフィン樹脂フィルム(日本ゼオン株式会社製、商品名:ゼオノアフィルムZF16、厚み100μm)の長尺フィルム基材を設置し、コーティングラインとは別のフィルム巻取機によりポリエチレン製の保護フィルムを剥がした後、そのシクロオレフィン樹脂フィルムの一方の面に実施例4の第2のハードコート層3bと全く同様の溶剤洗浄、コロナ処理、ハードコート層塗工を行って第1のハードコート層3aを設け、反対側の他方の面に、両端の未塗工部分を2mmとする以外は実施例1と全く同様の溶剤洗浄、コロナ処理、ハードコート層塗工を行って第2のハードコート層3bを設け、両面にハードコート層3を有するハードコートフィルム(5)を作製した。
<実施例6>
(溶剤洗浄およびコロナ処理)
コーティングラインの巻出側にフィルム基材2として、シクロオレフィン樹脂フィルム(日本ゼオン株式会社製、商品名:ゼオノアフィルムZF16、厚み100μm)の長尺フィルム基材を設置し、コーティングラインとは別のフィルム巻取機によりポリエチレン製の保護フィルムを剥がした後、連続して硬質クロムめっき処理されたグラビアロールを用いたリバースグラビアコーターで、前記シクロオレフィン樹脂フィルム基材2の一方の面の全幅に渡りイソプロピルアルコール(IPA)を7.5g/m2となるよう塗工し掻き取り、5秒後に100℃の空気を5秒間吹きつけて乾燥することで、溶剤洗浄を行い、直ちにコロナ照射機(春日電機株式会社製)を用いて、前記溶剤洗浄をした面にコロナ処理を行った。コロナ処理の処理条件は、窒素ガス雰囲気下酸素濃度500ppm以下、電極間隔2mm、出力強度2.0kWで、放電量は98W・min/m2とした。
(ハードコート層用塗工液(2)の調整)
SUS製容器に、アクリレート化合物(アイカ工業株式会社製:アイカアイトロンZ−772UH 固形分濃度57重量%)29.79kg、微粒子(綜研化学株式会社製、MX−150、平均粒径1500nm)0.02kg、メチルイソブチルケトン(MIBK):プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)=1:1(重量比) 70.04kgを加え、全体が均一になるよう撹拌を行ない、ハードコート層用塗工液(2)を調整した。
(ハードコートフィルム(6)の作製)
上記のフィルム基材2の溶剤洗浄・コロナ処理を行った面に、上記ハードコート層用塗工液(2)により、ハードコート層3の平均膜厚が1.0μmとなるよう、リバースグラビア塗工方式で両端5mmの未塗工部分を残して塗工を行い、その後100℃で90秒間乾燥し、次いで、高圧水銀ランプを用いて、光量200mJ/cm2の条件で紫外線を照射しハードコート層3を硬化させ、保護フィルムを用いることなく巻き上げて、一方の面にのみハードコート層3を有するハードコートフィルム(6)を作製した。
<実施例7>
(溶剤洗浄およびコロナ処理)
コーティングラインの巻出側にフィルム基材2として、シクロオレフィン樹脂フィルム(日本ゼオン株式会社製、商品名:ゼオノアフィルムZF16、厚み100μm)の長尺フィルム基材を設置し、コーティングラインとは別のフィルム巻取機によりポリエチレン製の保護フィルムを剥がした後、連続してDLC(diamond−like carbon)処理されたグラビアロールを用いたリバースグラビアコーターで、前記シクロオレフィン樹脂フィルム基材2の一方の面の全幅に渡りメチルエチルケトン(MEK)を2.0g/m2となるよう塗工し掻き取り、2秒後に30℃の空気を2秒間吹きつけて乾燥することで、溶剤洗浄を行い、直ちにコロナ照射機(春日電機株式会社製)を用いて、前記溶剤洗浄をした面にコロナ処理を行った。コロナ処理の処理条件は、窒素ガス雰囲気下酸素濃度3000ppm以下、電極間隔2mm、出力強度3.0kWで、放電量は58W・min/m2とした。
(ハードコートフィルム(7)の作製)
上記のフィルム基材2の溶剤洗浄・コロナ処理を行った面に、実施例6のハードコート層用塗工液(2)により、平均膜厚が1.2μmとなるよう全幅塗工する以外は実施例6と全く同様にして、一方の面にのみハードコート層3を有するハードコートフィルム(7)を作製した。
<比較例4>
実施例1において、コロナ処理を行わなかった以外は全く同様にして、一方の面にのみハードコート層3を有する比較例のハードコートフィルム(4)を作製した。
<比較例5>
実施例4において、最初のハードコート層3a、および反対側のハードコート層3bのどちらも両端5mmの未塗工部分を残して塗工する以外は全く同様にして、両面にハードコート層3を有する比較例のハードコートフィルム(5)を作製した。
<実施例8>
(コロナ処理および溶剤洗浄)
コーティングラインの巻出側にフィルム基材2として、シクロオレフィン樹脂フィルム(日本ゼオン株式会社製、商品名:ゼオノアフィルムZF16、厚み100μm)の長尺フィルム基材を設置し、コーティングラインとは別のフィルム巻取機によりポリエチレン製の保護フィルムを剥がした後、直ちにコロナ照射機(春日電機株式会社製)を用いて、コロナ処理を行った。処理条件は、窒素ガス雰囲気下酸素濃度1000ppm以下、電極間隔2mm、出力強度1.5kWで、放電量は44W・min/m2とした。その後すぐ連続してセラミック処理されたグラビアロールを用いたリバースグラビアコーターで全幅に渡りメチルエチルケトン(MEK)を5.0g/m2となるよう塗工し掻き取った後、5秒後に60℃の空気を3秒間吹きつけて乾燥することで、溶剤洗浄を行った。
(ハードコートフィルム(8)の作製)
上記のフィルム基材2のコロナ処理・溶剤洗浄を行った面に、実施例6のハードコート層用塗工液(2)により、実施例6と全く同様にして、一方の面にのみハードコート層3を有するハードコートフィルム(8)を作製した。
<実施例9>
(コロナ処理および溶剤洗浄)
コーティングラインの巻出側にフィルム基材2として、シクロオレフィン樹脂フィルム(日本ゼオン株式会社製、商品名:ゼオノアフィルムZF16、厚み100μm)の長尺フィルム基材を設置し、コーティングラインとは別のフィルム巻取機によりポリエチレン製の保護フィルムを剥がした後、前記シクロオレフィン樹脂フィルム基材2の一方の面を連続してコロナ処理を行った。処理条件は、窒素ガス雰囲気下酸素濃度3000ppm以下、電極間隔2mm、出力強度3.0kWで、放電量は58W・min/m2とした。その後、硬質クロムめっき処理されたグラビアロールを用いたリバースグラビアコーターで前記一方の面の全幅に渡りメチルエチルケトン(MEK)を2.0g/m2となるよう塗工し掻き取った後、2秒後に30℃の空気を2秒間吹きつけて乾燥することで、溶剤洗浄を行った。
(ハードコートフィルム(9)の作製)
上記のフィルム基材2のコロナ処理・溶剤洗浄を行った面に、実施例1のハードコート層用塗工液(1)により、平均膜厚が1.5μmとなるよう全幅塗工する以外は実施例1と全く同様にして、一方の面にのみハードコート層3を有するハードコートフィルム(9)を作製した。
<実施例10>
(光学調整層付きハードコートフィルム(1)の作製)
実施例1で作製された一方の面にのみハードコート層3を有するハードコートフィルム(1)のハードコート層3側に、酸化ジルコニウムを含有する光学調整層6の積層を行ない、光学調整層付きハードコートフィルム(1)を作製した。
<実施例11>
(光学調整層付きハードコートフィルム(2)の作製)
実施例4で作製された両面にハードコート層3を有するハードコートフィルム(4)の第1のハードコート層3a側に、酸化ジルコニウムを含有する光学調整層6の積層を行ない、光学調整層付きハードコートフィルム(2)を作製した。
<実施例12>
(保護フィルム付きハードコートフィルム(1)の作製)
実施例4で作製された両面にハードコート層3を有するハードコートフィルム(4)の第2のハードコート層3b側に、粘着層7bを有する保護フィルム7の貼り合せを行ない、保護フィルム付きハードコートフィルム(1)を作製した。
<実施例13>
(保護フィルムおよび光学調整層付きハードコートフィルム(1)の作製)
実施例10で作製された光学調整層付きハードコートフィルム(1)の光学調整層6ではない面側に、粘着層7bを有する保護フィルム7の貼り合せを行ない、保護フィルムおよび光学調整層付きハードコートフィルム(1)を作製した。
[ハードコートフィルムの評価]
(耐ブロッキング性)
作製した長尺のハードコートフィルムから、A4サイズのサンプルを切り出し、10枚を表裏が重なるように重ね合わせ、25℃/60%の恒温恒湿条件下で、10kgの荷重を72時間与え、フィルム同士の接着性を目視で観察した。その結果全く接着していないもの○(耐ブロッキング性良好)、一部でも接着しているものを×(耐ブロッキング性不良)と判断した。
(密着性)
作製した長尺のハードコートフィルムをJIS K5600 塗料一般試験方法を用いて密着確認を行ない、密着して剥がれがないものを○(密着性良好)、剥がれが認められるものを×(密着性不良)と判断した。
(外観)
作製した長尺のハードコートフィルムをインライン欠陥検査装置(株式会社メック製、LSC−6000)を用いて、100m以上検査を行ない、検出された欠陥の内0.15mm角以上のものを欠陥としてカウントを行なった。
その結果、5個/m2以下のものを○(問題なく使用出来る)、5〜30個/m2のものを△(使用することは可能)、30個/m2以上のものを×(使用不可)と判断した。
[結果]
実施例および比較例の製造方法によって作製されたハードコート層3を有するハードコートフィルムの性能を下記表1、表2に示す。
表1から、有機溶剤による洗浄を行うことで外観不良が抑えられることが分かる。有機溶剤による洗浄を行わない、あるいはその代わりに粘着ロールで表面をクリーニングする、水で洗浄を行う等の方法では、外観不良が抑えられないことが明らかとなった。
またシクロオレフィン樹脂フィルム基材2をコロナ処理することにより、ハードコート層3との密着性が改良されるが、コロナ処理を行わないと、密着性に問題が残されることも明らかとなった。
また両面にハードコート層3を設ける場合、両面とも未塗工部分を残して塗工をすると、コロナ処理した面同士が接着することになるので、少なくともいずれか一方の面は全幅にわたって塗工することが必要であることが明らかとなった。
さらに表2から、溶剤洗浄、コロナ処理の順序については、どちらを先に実施してもハードコートフィルムの性能としては、同様の性能が得られることが明らかとなった。
Figure 0006875964
Figure 0006875964
1 ハードコートフィルム
2 シクロオレフィン樹脂フィルム基材
3 ハードコート層
3a 第1のハードコート層
3b 第2のハードコート層
4 微粒子

Claims (3)

  1. 透明な長尺のシクロオレフィン樹脂フィルム基材の両面にハードコート層を有する、透明導電性フィルム用の長尺のハードコートフィルムの製造方法であって、
    前記シクロオレフィン樹脂フィルム基材の一方の面を、窒素ガス雰囲気下でコロナ処理する第1のコロナ処理工程と、その第1のコロナ処理工程の前後いずれかの工程であって、前記一方の面を、有機溶剤によって洗浄する第1の洗浄工程と、それら第1のコロナ処理工程および第1の洗浄工程の後の工程であって、ハードコート層用塗工液を、前記一方の面に塗工する第1の塗工工程とを有して、それら工程により、前記一方の面に第1のハードコート層を形成し、
    前記シクロオレフィン樹脂フィルム基材の他方の面を、窒素ガス雰囲気下でコロナ処理する第2のコロナ処理工程と、その第2のコロナ処理工程の前後いずれかの工程であって、前記他方の面を、有機溶剤によって洗浄する第2の洗浄工程と、それら第2のコロナ処理工程および第2の洗浄工程の後の工程であって、ハードコート層用塗工液を、前記他方の面に塗工する第2の塗工工程とを有して、それら工程により、前記他方の面に第2のハードコート層を形成するものであって、
    前記第1の塗工工程と前記第2の塗工工程の少なくとも一方の塗工工程におけるハードコート層用塗工液は、少なくともバインダーおよび複数の微粒子を含み、また、
    前記第1の塗工工程と前記第2の塗工工程の少なくとも一方の塗工工程における塗工は、前記シクロオレフィン樹脂フィルム基材の全幅に行う、透明導電性フィルム用の長尺のハードコートフィルムの製造方法。
  2. 前記第1の洗浄工程および前記第2の洗浄工程は、前記シクロオレフィン樹脂フィルム基材の一方の面あるいは他方の面である表面に、有機溶剤を1〜20g/m 2 塗工し、その塗工の後またはその塗工と同時に、その塗工した有機溶剤を掻き取り、その表面を乾燥する、請求項1に記載の透明導電性フィルム用の長尺のハードコートフィルムの製造方法。
  3. 前記第1のコロナ処理工程および前記第2のコロナ処理工程は、前記窒素ガス雰囲気下における酸素濃度が、5000ppm以下で、放電量が、10〜100W・min/m 2 の範囲にある、請求項1または2に記載の透明導電性フィルム用の長尺のハードコートフィルムの製造方法。
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