JP6874357B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置、画像形成装置に関する。
プリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはそれらのうちの少なくとも2つの機能を有する複合機などの画像形成装置においては、近年、省エネルギー化、高速化の市場要求が高まってきている。
画像形成装置のなかでも定着装置は消費電力量が多く、省エネルギー化の余地が大きいため、様々な提案がなされており、例えば、低熱容量でフィルム状に薄い無端ベルトを、支持体を兼ねる金属熱伝導体を介することなく、直接加熱する構成とし、高生産の画像形成装置に搭載されても、良好な定着性を得ることができる定着装置が知られている(例えば特許文献1)。この特許文献1に記載された定着装置では、無端状の定着ベルトの外周側に配置された加圧ローラと、定着ベルトの内部(ループ内)に固定配置されたニップ形成部材とが定着ベルトを介して圧接することによって定着ニップを形成している。
一方、様々なサイズの記録材が用いられる画像形成装置では、様々なサイズの記録材に対応するため、定着装置の定着熱源(ヒータ)の長さを記録材の最大サイズに合わせると、小サイズの記録材を定着する場合に非通紙部である定着ベルト/ローラ端部の温度が上昇する。連続通紙時には端部が過昇温となるため、例えば記録材の搬送速度を遅くして生産性を落とすなどの対応が取られている。
これに対処すべく、定着ベルト/ローラの内部に、例えばA4縦通紙幅(210mm)に対応するように中央部の配光分布が密なハロゲンヒータと、A3縦通紙幅のうちA4縦通紙幅に相当する部分を除く(即ち、297mm幅のうち中央の210mm部分を除く)端部付近の配光分布が密なハロゲンヒータとを備える定着装置が知られている。この定着装置は、小サイズの記録材の場合、中央部の配光分布が密なハロゲンヒータのみを点灯し、小サイズよりも大きい記録材の場合、両方のハロゲンヒータを点灯して定着を行う。
このような複数の熱源を用いる定着装置には、次のような問題がある。図19は、熱源として2本のハロゲンヒータを備える定着装置の一例を示す模式図である。ハロゲンヒータ50Aは、定着ベルト60の長手方向中央部を加熱する中央ヒータであり、ハロゲンヒータ50Bは、定着ベルト60の長手方向両側部を加熱する側部ヒータである。図19に示すように、2本のハロゲンヒータ50(A,B)は並列に配置されているため、一方のハロゲンヒータの輻射熱が他方のハロゲンヒータを加熱してしまい、加熱効率が低下してしまう。特に定着装置の小型化に伴って無端の定着ベルトも小径化し、定着装置の横断面におけるハロゲンヒータ間の距離が短くなる時には、そのような問題が深刻である。また、2本のヒータが小径化した定着ベルトの内部で支持部材の表面に配された反射部材70に囲まれるように配置されているため、各ヒータの定着ベルトへの照射角が狭められていて、その点でも加熱効率が低下する。
これに対し、例えば特許文献2には、複数のハロゲンヒータをリフレクタで挟んだ両側に配置することで、複数のハロゲンヒータが互いに加熱し合う熱干渉を防止する構成が開示されている。
しかしながら、このように省エネルギー化やファーストプリントタイムの向上を実現するために部材の低熱容量化を進めると、新たな課題が発生した。定着装置においては、定着ベルトを加熱する熱源の加熱幅よりも幅の狭い記録材(小サイズ紙)を通紙する際に、定着ベルトの幅方向(用紙搬送方向と直交する方向)の温度において、通紙範囲外にあたる領域の温度上昇が著しくなる、いわゆる端部温度上昇が発生する。これは定着ベルトの薄肉化によって、定着ベルトの幅方向における熱移動が阻害されるためである。また、加圧ローラ/ベルトのような定着装置を構成する部材が、耐熱温度以上にまで達してしまう場合があり、部材保護するために通紙範囲外領域の温度を抑制しなければならず、通紙の生産性を落とさなければならないといった課題(CPMダウン)があった。また、端部温度上昇により、記録材の端部付近(幅方向における端部付近)でトナーがホットオフセットするという課題もある。この課題に対応するために、例えば特許文献3等で、定着ニップに良熱伝導部材を配置して、定着ニップで軸方向(幅方向)における温度勾配を緩和させる構成が提案されている。
定着ニップで軸方向温度均一性を高めるためには、熱移動補助部材として銅やアルミニウムなどの良熱伝導部材を用いるのが好ましいが、室温からのウォームアップ時に良熱伝導率であるが故に熱移動補助部材全体に定着ベルトの熱が吸収され、定着ベルトの昇温が遅れ、ウォームアップタイムが遅延する問題があった。前述の端部温度上昇は時間軸としてウォームアップタイムより長いものであるため、熱移動補助部材表面に薄膜の熱抵抗層を備えれば、大幅なウォームアップタイムの遅延を防止できるが、定着ニップでの軸方向温度の均一性確保にはマイナス要因となってしまう。
また、定着ニップは加圧力により記録材にトナーを固定する部位であり、定着ベルトと熱移動補助部材の間で摺動抵抗が発生するため、低摩擦化する必要がある。その手段として従来は薄膜でフッ素などの素材からなる摺接シートを熱移動補助部材の表面に設けることが行われている。このような手段は、摺動抵抗を下げることができるが、熱移動補助部材との密着性が悪いと温度勾配緩和機能が損なわれる場合があった。更に、薄膜摺接シートとして、多孔質や繊維質の摺接素材に潤滑剤を保持させて長期にわたって低トルクを維持できるものが知られているが、潤滑剤保持性が高い反面、空孔率が高いので熱伝導が悪かった。一方で非多孔質素材は潤滑剤の保持性が悪く、潤滑剤が定着ベルト端面から流出して経時で駆動トルクが上昇してしまう問題があった。
これらの問題のうち、密着性の問題は、熱移動補助部材に低摩擦材をコーティングすることで解決できるが、潤滑剤の保持性については別途、潤滑剤供給部材を備えるなどが必要であり、更に、低粘度の潤滑剤では定着ベルト端面から流出し易く、高粘度の潤滑剤では潤滑剤供給部材から流出が安定しない問題もある。また、定着ニップでの摺接面は経時で摩耗粉が発生し易く、潤滑剤と摩耗粉が混合することにより、その粘度が上昇し駆動トルクの上昇を招いてしまう問題があった。
また、熱移動補助部材はどのような構成でも必要な物ではなく、例えば低生産性(低ppm)の機種では軸方向の熱移動は定着ベルト内で達成可能となるので、高熱伝導の熱移動補助部材を備えないでニップ形成部材のみの構成でも良い。
発明は、上記のような従来の問題に鑑み、定着ベルトとニップ形成部材の摺擦により発生する摩耗粉が混入して粘度上昇による潤滑機能が損なわれることを防ぎ、定着ベルトを駆動回転させる際に発生するトルクが上昇する現象を長期に渡って抑制することのできる定着装置および画像形成装置を提供することを課題とする。
この課題を解決するため、本発明は、回転可能な定着部材と、前記定着部材を加熱する加熱源と、前記定着部材の外側に設けられ前記定着部材に対向する加圧部材と、前記定着部材内部に配置され前記定着部材を介して前記加圧部材に当接して定着ニップを形成するニップ形成部材とを備える定着装置であって、前記ニップ形成部材の前記定着部材との接触面に、複数の凹部が連続された形状の連続凹部が形成されており、前記連続凹部は、少なくとも前記ニップ形成部材が前記定着部材と接触して前記加圧部材に押圧される範囲内に設けられている定着装置において、前記ニップ形成部材の前記定着部材との前記接触面が、複数の多角形形状に設けられ、前記多角形形状の周囲に設けられた前記連続凹部が、定着部材移動方向の下流に向かって分岐と合流を繰り返すように設けられ、前記多角形形状の角部が、それぞれ前記定着部材移動方向及び前記定着部材移動方向に直交する方向を向いて配置され、前記定着部材移動方向から見て、前記定着部材の中央方向に延びる前記連続凹部の幅は、前記定着部材の端部方向に延びる前記連続凹部の幅よりも広いことを特徴とする。
本発明によれば、定着ベルト内部に付着している潤滑剤の液体分を複数の凹部が連続された形状の連続凹部を経て流動させ、定着ベルト内部を循環させることで、経時でのトルク上昇を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す模式図である。 定着装置の一実施形態を示す概略的な断面構成図である。 ニップ形成ユニットの基本構成を示す斜視図である。 ニップ形成ユニット及びハロゲンヒータの構成を示す斜視図である。 2本のハロゲンヒータの発熱部の配置を示す模式図である。 潤滑剤に含まれる摩耗粉の重量割合と定着ベルトの駆動回転トルクの関係を示すグラフである。 ニップ形成部材もしくは熱移動補助部材のベルト接触面に設けた凹部形状を示す構成図である。 ニップ形成部材もしくは熱移動補助部材ベルト接触面に設けた凹部形状の別形態を示す図である。 その凹部形状の特徴を説明する部分拡大図である。 ニップ形成部材もしくは熱移動補助部材ベルト接触面に設けた凹部形状の更に別の形態を示す図である。 ニップ形成部材もしくは熱移動補助部材ベルト接触面に設けた凹部形状の更に別の形態を示す図である。 その凹部形状の特徴を説明する部分拡大図である。 ベルト接触面に設けた凹部形状の全体を示す図である。 図7または図8の構成における、ニップ形成部材の正面断面図である。 凹部形状の上流側に設けた傾斜面を示す断面図である。 ニップ形成部材もしくは熱移動補助部材ベルト接触面に設けた凹部形状の更に別の形態を示す図である。 ニップ形成部材もしくは熱移動補助部材ベルト接触面に設けた凹部形状の更に別の形態を示す図である。 ニップ形成部材もしくは熱移動補助部材ベルト接触面に設けた凹部形状の更に別の形態を示す図である。 熱源として2本のハロゲンヒータを備える定着装置の一例を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す模式図である。この画像形成装置1は、カラーレーザープリンタであり、そのプリンタ本体の中央には、中間転写ベルト30の展張方向に沿って4つの作像部4Y、4C、4M、4Kが並置して設けられている。各作像部4Y、4C、4M、4Kは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の異なる色の現像剤を収容する以外は、同じ構成である。
具体的に、それぞれ画像ステーションを構成する各作像部4Y、4C、4M、4Kは、潜像担持体としてのドラム状の感光体5と、感光体5の表面を帯電させる帯電装置6と、感光体5の表面にトナーを供給する現像装置7と、感光体5の表面をクリーニングするクリーニング装置8などを備えている。なお、図1では、ブラックの作像部4Kが備える感光体5、帯電装置6、現像装置7、クリーニング装置8のみに色用符号を付し、その他の作像部4Y、4C、4Mにおいては符号を省略している。
作像部4Y、4C、4M、4Kの下方には、感光体5の表面を露光する露光装置9が配設されている。露光装置9は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラーなどを有し、画像データに基づいて各感光体5の表面へレーザー光を照射するようになっている。
作像部4Y、4C、4M、4Kの上方には、転写装置3が配設されている。転写装置3は、転写体としての中間転写ベルト30と、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ31と、二次転写手段としての二次転写ローラ36とを備える。更に、転写装置3は二次転写バックアップローラ32、クリーニングバックアップローラ33、テンションローラ34、及びベルトクリーニング装置35を備えている。
中間転写ベルト30は無端状のベルトであり、二次転写バックアップローラ32、クリーニングバックアップローラ33及びテンションローラ34によって張架されている。ここでは、二次転写バックアップローラ32が回転駆動することによって、中間転写ベルト30は図の矢印で示す方向に周回走行(回転)するようになっている。
4つの一次転写ローラ31は、それぞれ、各感光体5との間で中間転写ベルト30を挟み込んで一次転写ニップを形成している。また、各一次転写ローラ31には、プリンタ本体の電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が各一次転写ローラ31に印加されるようになっている。
二次転写ローラ36は、二次転写バックアップローラ32との間で中間転写ベルト30を挟み込んで二次転写ニップを形成している。また、一次転写ローラ31と同様に、二次転写ローラ36にもプリンタ本体の電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)又は交流電圧(AC)が二次転写ローラ36に印加されるようになっている。
ベルトクリーニング装置35は、中間転写ベルト30に当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードを有する。
プリンタ本体の上部には、ボトル収容部2が設けられており、ボトル収容部2には補給用のトナーを収容した4つのトナーボトル2Y、2C、2M、2Kが着脱可能に装着されている。各トナーボトル2Y、2C、2M、2Kと各現像装置7との間には、周知のように補給路が設けられ、この補給路を介して各トナーボトル2Y、2C、2M、2Kから各現像装置7へトナーが補給されるようになっている。
一方、プリンタ本体の下部には、記録材としての用紙Pを収容した給紙トレイ10や、給紙トレイ10から用紙Pを搬出する給紙ローラ11などが設けられている。ここで、記録材には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙など)、トレーシングペーパ、OHPシートなどが含まれる。また、周知のように、手差し給紙機構が設けられていてもよい。
プリンタ本体内には、用紙Pを給紙トレイ10から二次転写ニップを通過させて装置外へ排出するための搬送路Rが配設されている。搬送路Rにおいて、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向上流側には、二次転写ニップへ用紙Pを搬送する搬送手段としての一対のレジストローラ12が配設されている。
また、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向下流側には、用紙Pに転写された未定着画像を定着するための定着装置20が配設されている。更に、定着装置20よりも搬送路Rの用紙搬送方向下流側には、用紙を装置外へ排出するための一対の排紙ローラ13が設けられている。また、プリンタ本体の上面部には、装置外に排出された用紙をストックするための排紙トレイ14が設けられている。
本実施形態に係るプリンタの基本的動作は次のようである。作像動作が開始されると、各作像部4Y、4C、4M、4Kにおける各感光体5が図の時計回りに回転駆動され、各感光体5の表面が帯電装置6によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された各感光体5の表面には、露光装置9からレーザー光がそれぞれ照射されて、各感光体5の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体5に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように各感光体5上に形成された静電潜像に、各現像装置7によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
また、作像動作が開始されると、二次転写バックアップローラ32が図の反時計回りに回転駆動し、中間転写ベルト30を図の矢印で示す方向に周回走行させる。そして、各一次転写ローラ31に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加される。これにより、各一次転写ローラ31と各感光体5との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。
その後、各感光体5の回転に伴い、感光体5上の各色のトナー画像が一次転写ニップに達したときに、一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、各感光体5上のトナー画像が中間転写ベルト30上に順次重ね合わせて転写される。かくして中間転写ベルト30の表面にフルカラーのトナー画像が担持される。また、中間転写ベルト30に転写しきれなかった各感光体5上のトナーは、クリーニング装置8によって除去される。各感光体5の表面は、その後、除電され、表面電位が初期化される。
画像形成装置の下部では、給紙ローラ11が回転駆動を開始し、給紙トレイ10から用紙Pが搬送路Rに送り出される。搬送路Rに送り出された用紙Pは、レジストローラ12によってタイミングを計られ、二次転写ローラ36と二次転写バックアップローラ32との間の二次転写ニップに送られる。このとき二次転写ローラ36には、中間転写ベルト30上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。
その後、中間転写ベルト30の周回走行に伴って、中間転写ベルト30上のトナー画像が二次転写ニップに達したときに、そのニップにおいて形成された転写電界によって、中間転写ベルト30上のトナー画像が用紙P上に一括して転写される。また、このとき用紙Pに転写しきれなかった中間転写ベルト30上の残留トナーは、ベルトクリーニング装置35によって除去され、除去されたトナーはプリンタ本体内に置かれた廃トナー収容器へと搬送され、回収される。
その後、用紙Pは定着装置20へと搬送され、定着装置20によって用紙P上のトナー画像が当該用紙Pに定着される。そして、用紙Pは、排紙ローラ13によって装置外へ排出され、排紙トレイ14上にストックされる。
以上の説明は、用紙上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つの作像部4Y、4C、4M、4Kのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つの作像部を使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
図2は、定着装置20の一実施形態を示す概略的な断面構成図である。定着装置20は、薄肉で可撓性を有する筒状の定着部材である無端状の定着ベルト21と、この定着ベルト21の外周側から当接する加圧部材である加圧ローラ22とを有している。定着ベルト21は、その内部(ループ内)に配された複数の定着熱源(加熱源)としてのハロゲンヒータ23A、23B(以下、第1のハロゲンヒータ23A、第2のハロゲンヒータ23Bともいう)の輻射熱によって加熱される。なお、ハロゲンヒータは、定着熱源としての輻射型熱源を代表するものである。
更に定着ベルト21の内部には、定着ベルト21を介して加圧ローラ22とで定着ニップNを形成するニップ形成部材24と、ニップ形成部材24を支持するステー部材25(支持部材)とが配されている。定着ベルト21の幅方向に渡って配されたニップ形成部材24が、ステー部材25によって固定支持されることで、加圧ローラ22からの圧力によってニップ形成部材24に撓みが生じることを防止し、加圧ローラ22の軸方向(長手方向)に渡って均一なニップ幅が得られるようになっている。なお、ニップ形成部材24は、機械的強度が高く耐熱温度200℃以上の耐熱性部材、特に耐熱性樹脂、例えばポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、液晶ポリマー(LCP)樹脂、それらをガラス繊維で強化したもので構成されている。これにより、トナー定着温度域で、熱によるニップ形成部材24の変形を防止し、安定した定着ニップの状態を確保し、出力画質の安定化を図っている。また、ステー部材25やハロゲンヒータ23A、23Bは、その長手方向両端を、定着装置20の側板あるいは別途設けられたホルダに固定保持されている。
本実施例では定着ベルトの長手方向における温度勾配を緩和する均熱部材とも称される熱移動補助部材27が、ニップ形成部材24のベルト内周面に対向する面を覆うように配されており、小サイズ紙通紙時に定着ベルト21の端部領域に熱が留まることを防止して、積極的に定着ベルト21の幅方向、即ち、熱移動補助部材27の長手方向に熱を移動させて、長手方向の温度不均一を解消させる。そのため、熱移動補助部材27は短時間で熱移動が可能となる熱伝導率の高い材料、例えば銅やアルミニウムなどで形成されている。図2の描写では、熱移動補助部材27の定着ベルト21の内周面に対向する面が定着ベルト21に直接接触する面であり、ニップ形成面となっており、平坦状に形成されているが、凹形状やその他の形状であってもよい。凹形状のニップ形成面であると、用紙先端の排出方向が加圧ローラ寄りになり、分離性が向上してジャムの発生が抑制される。
周知のように、定着ベルト21の外周側の適切な位置、例えば定着ニップのベルト回転方向上流側には、ベルト温度を検知する温度センサ29が設けられており、定着装置20の用紙搬送方向下流側には、定着ベルト21から用紙Pを分離する分離部材41が配されている。さらに、加圧ローラ22を定着ベルト21へ加圧する解除可能な加圧手段も設けられている。
低熱容量化を図るため、フィルムのように薄肉で小径化した無端状の定着ベルト21は、ニッケルやSUSなどの金属材料やポリイミドなどの樹脂材料で形成された内周側の基材と、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などで形成された外周側の離型層によって構成されている。基材と離型層の間に、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、あるいはフッ素ゴムなどのゴム材料で形成された弾性層を介在させてもよい。この弾性層の厚さを100μm程度にすれば、未定着トナーを押し潰して定着させるときに弾性層の弾性変形により、ベルト表面の微小な凹凸を吸収でき、光沢ムラの発生を回避できる。低熱容量化の観点から、定着ベルト21は、全体として厚さ1mm以下に、直径20〜40mmに設定されている。そして、定着ベルト21を構成する基材、弾性層、離型層のそれぞれの厚さは、20〜50μm、100〜300μm、10〜50μmの範囲に設定されている。更に低熱容量化を図るためには、望ましくは、定着ベルト21全体の厚さを0.2mm以下にするのがよく、更に望ましくは、0.16mm以下の厚さとするのがよく、直径は30mm以下とするのが望ましい。
断面が略L型の、第1部材25Aと第2部材25Bとから構成され全体として断面T字状のステー部材25は、定着ニップN側と反対側が起立した起立部25aを有しており、定着熱源としてのハロゲンヒータ23A、23Bが起立部25aによって隔てられるように配置されていて、仕切り部材としても機能している。また、ステー部材25とハロゲンヒータ23A、23Bの間には反射部材28A、28Bが配されている。これにより、ハロゲンヒータ23A、23Bの定着ベルト21に対する加熱効率を上げると共に、ハロゲンヒータ23A、23Bからの輻射熱によりステー部材25が加熱されることによる無駄なエネルギー消費を抑制できる。反射部材28A、28Bを備える代わりに、ステー部材25表面に断熱若しくは鏡面処理を行っても同様の効果を得ることができる。
加圧ローラ22は、芯金と、芯金の表面に設けられた発泡性シリコーンゴムやフッ素ゴムなどから成る弾性層と、弾性層の表面に設けられたPFAやPTFEなどから成る離型層によって構成されている。周知のように、加圧手段のバネにより加圧ローラ22が定着ベルト21に押し付けられ定着ベルト21と圧接する箇所では、加圧ローラ22の弾性層が押し潰されることで、所定幅の定着ニップNが形成される。加圧ローラ22は、プリンタ本体に設けられたモータなどの駆動源によって回転駆動する。加圧ローラ22が回転駆動すると、その駆動力が定着ニップNで定着ベルト21に伝達され、定着ベルト21が従動回転する。定着ベルト21は定着ニップNで挟み込まれて回転し、定着ニップN以外では両端部に配された側板フランジにガイドされ、走行する。
本実施形態では、加圧ローラ22を中実のローラとしているが、中空のローラであってもよい。その場合、加圧ローラ22の内部にハロゲンヒータなどの熱源を配設してもよい。弾性層はソリッドゴムでもよいが、加圧ローラの内部に熱源が無い場合は、スポンジゴムを用いてもよい。スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルト21の熱が奪われにくくなるのでより望ましい。
図3は、ニップ形成ユニットの基本構成を示す斜視図である。図3に示すように、ニップ形成ユニットは、ニップ形成部材24、ステー部材25、熱移動補助部材27によって構成される。ニップ形成ユニットでは、ニップ形成部材24の、定着ニップN側と反対側の面が、ステー部材25の定着ニップN側の平面と一体化される。この際、それぞれの面にボスとピンのような凹凸形状を形成させて、これらを形状拘束的に嵌め合わせるようにしてもよい。熱移動補助部材27は略直方体状のニップ形成部材24の、定着ベルト21の内周面に対向する面を覆うように嵌め合わされて一体化される。熱移動補助部材27とニップ形成部材24の一体構成は爪などを設けて噛み合わせればよいが、接着などを用いてもよい。
熱移動補助部材27の定着ベルト21の内周面に対向する面はベルト摺接面27aとして構成されるが、機械的強度上、実質的にニップ形成面となるのはニップ形成部材24の加圧ローラ22に対向する面24cである。尚、ニップ形成する目的だけであれば熱移動補助手段27は必ずしも必要とせず省略する事もできる。
図4は、ニップ形成ユニット及びハロゲンヒータの構成を示す斜視図である。図4に示し、また図2に関して既述したように、ステー部材25は、断面が略L型の、第1部材25Aと第2部材25Bとからなり、断面が略T型に構成されている。そのため、剛性が高く、ニップ形成部材24が加圧ローラ22からの応力によって撓むことを防止できる。また、ステー部材25(第1部材25A及び第2部材25B)は、ニップ形成部材24の長手方向に直線的に延在し、ニップ形成部材24に固定されている。したがって、定着ニップNの長手方向全域に亘り、良好なニップ形成面を保つことができる。
起立部25aの短手方向両側には、それぞれ第1のハロゲンヒータ23A、第2のハロゲンヒータ23Bが配置されている。即ち、第1のハロゲンヒータ23A、第2のハロゲンヒータ23Bは、起立部25aにより相互に遮られている。そのため、図19に示した定着装置のようにヒータ点灯時に互いのガラス管を加熱しないので、加熱効率が下がらない。また、第1のハロゲンヒータ23A、第2のハロゲンヒータ23Bは、ステー部材25に囲まれていない(各ハロゲンヒータ23の中心はステー部材25が囲む空間の外側にある)ため、照射角α、β(図2参照)が鈍角となり、加熱効率を向上できる。
なお、ステー部材25の断面形状は、略T型に限定されない。ハロゲンヒータ23A、23Bを、起立部25aを挟み相互に仕切るような配置であればよく、第1部材25A及び第2部材25Bをハロゲンヒータの長手方向に曲線的に延在してもよい。また、第1部材25A及び第2部材25Bをニップ形成部材24のニップ形成面に対し、斜め方向に起立させてもよい。尚、本構成は一実施形態であり、ハロゲンヒータ、23A、24Bの配置、ステー部材25の形状は限定されない。
また、図4、図5から分かるように、第1のハロゲンヒータ23Aは、長手方向中央部に発熱部(フィラメントを螺旋状に巻いた部分であって配光分布が密)を有し、定着ベルト21の中央範囲を加熱し、例えばA4縦サイズなどの小サイズ紙に対応するものである。一方、第2のハロゲンヒータ23Bは、長手方向両端部に発熱部を有し、定着ベルト21の側部範囲を加熱する。そして、例えばA3縦サイズなどの大サイズ紙を通紙する場合には、第1のハロゲンヒータ23Aだけでなく、第2のハロゲンヒータ23Bも点灯して、大サイズ紙に対応させる。ハロゲンヒータ23A、23Bは、プリンタ本体に設けられた電源部により出力制御されて発熱するように構成されており、その出力制御は、定着ベルト21の外周に設けられた温度センサ29によるベルト表面の温度検知結果に基づいて行われる。このようなヒータの出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定できるようになっている。
このように2本のハロゲンヒータ23A、23Bによって異なるサイズの用紙に対応させているが、更に異なるサイズの用紙が用いられる場合には、通紙領域では用紙により奪熱される一方、非通紙領域では奪熱されずに無駄に加熱されて、過昇温の問題も発生し得るところ、本実施形態では、熱伝導性の高い材料で形成された熱移動補助部材27によって、積極的に定着ベルト21の幅方向、即ち、熱移動補助部材27の長手方向に熱を移動させて、長手方向の温度不均一を解消させている。
しかしながら、熱移動補助部材27は定着ベルト21の内周面と摺接しているため、銅やアルミニウムなどの熱伝導性の高い材料をそのまま定着ベルト21の内周面と摺接させると摩擦係数が大きく、ユニットトルクが大きくなって、装置の寿命が短くなるなどの不具合がある。そのため、熱移動補助部材27の定着ベルト21との対向する(接する)ベルト摺接面27a(図3参照)は平滑であり、低摩擦処理が施されていることも望ましい。具体的には、PFAやPTFEのようなフッ素系の塗装やコーティングを施す。
更に、熱移動補助部材27と定着ベルト21内周面の間に潤滑剤を介在させて、摺動抵抗を低減させている。つまり、図2に示すように、潤滑剤240が定着ベルト21の内周面に付着しており、定着ベルト21が加圧ローラ22の回転によって連れ回されることで、熱移動補助部材27の表面にも付着する。この潤滑剤として、基油をポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素オイルやシリコーンオイル、添加剤、増ちょう剤として、固体潤滑剤、PTFE等を含有したグリースを用いるが、本例では基油をフッ素オイルとしている。ちょう度が00〜0号程度の半流動状若しくは極めて軟いグリースを用いることで低トルクを維持している。基油としてフッ素オイルを用いた構成であるとシリコーンオイルを用いる場合よりも耐熱性が高く化学的に安定しているため定着ベルト21内に熱源があっても揮発減量、変質を抑制することができる。
図6は、潤滑剤内に含まれる摩耗粉の重量割合(wt%)と定着ベルト21駆動回転トルクの関係を示したものである。摩耗粉混入割合が高くなるほど粘度が上昇し駆動回転トルクが上昇してしまう。これは液状である基油と固体である増ちょう成分に加えて摩耗粉が加わることにより、より固体分が増えて増粘するためである。
図7は、ニップ形成部材24若しくは熱移動補助部材27の、定着ベルト21との接触面(以下、ベルト接触面とも記す)をニップ方向から見た図である。図の「C」は、ベルト搬送方向(図の上下方向)に直交する方向(ベルト幅方向)の中心(搬送中心)である。
ニップ形成部材24、または熱移動補助部材27のベルト接触面は、ベルト搬送方向に延在する複数の凹部(搬送方向凹部)51と、夫々の搬送方向凹部51を繋ぐ非搬送方向凹部52(連絡凹部)により形成される連続的な凹部形状(連続凹部)を有している。凹部底面はニップ形成部材24または熱移動補助部材27のベルト接触面24c、27aよりも0.05〜0.5mm程度低く(ベルト接触面から凹むように)構成し、定着ベルト21と直接接触しない構成となっている。凹部51,52は予めニップ形成部材24若しくは熱移動補助部材27にプレス加工等で、樹脂の場合には型に凹凸面を形成後に摺動層を塗装等で付与しても良いし、摺動層を付与後にプレス加工で凹凸加工を付与しても良い。
前述したように、定着ベルト21内部に付着している潤滑剤240はニップ形成部材24若しくは熱移動補助部材27との接触摩擦抵抗を低減させると共に両部材から発生する摩耗を抑制している。しかしながら、長期間の接触摩擦により部材の摩耗は完全には防止できずに摩耗粉が発生して定着ベルト21内部(内周面)を循環すると同時に潤滑剤240と混合する。混合され増粘した潤滑剤240は前述の搬送方向凹部51に侵入すると蓄積するが、定着ベルト21からの熱により基油である液体分は流動し易く摺動部の低摩擦は液体分の寄与により維持できる。さらに定着ベルト21内部で発生する摩耗は長手方向で一律ではなく、例えばニップ部の荷重が高く摩耗量が多い箇所、通紙用紙サイズ、紙厚により負荷が掛かる場所では摩耗が発生しやすい。摩耗発生場所はユーザーによる装置の使い方、環境、条件により特定されるものではないので摩耗粉が堆積する箇所も予測し難い。そのため、摩耗粉が堆積した箇所の潤滑剤を再流出させるために、非搬送方向凹部(連絡凹部)52で潤滑剤240の液体分を長手方向(ベルト幅方向)に流動させるようにしている。これにより、潤滑剤を定着ベルト内部で循環させることができ、経時でのトルク上昇を抑制できる。
図8は、ニップ形成部材24または熱移動補助部材27のベルト接触面に設けた凹部形状の別形態を示す図である。この形態は、縦方向凹部51Bを、搬送中心Cを中心に対称形で傾斜させた(斜め配置した)例である。複数の凹部(縦方向凹部51B)を連絡凹部52で連絡し、連続凹部を形成している。
縦方向凹部51Bの傾斜角度は、図9に示すように縦方向凹部幅をd、凹部間隔をe、凹部搬送方向長さをf、凹部の搬送方向に対する傾斜角をθとした時、tanθ>(d+e)/fとすることにより、ベルト搬送方向で必ず縦方向凹部51Bを定着ベルト21内面が通過することにより、特定箇所のみの摩耗粉を回収することがなく、また、潤滑剤240も特定箇所が不足して部分的に摩耗が加速されないような構成となっている。また、定着ベルト21とニップ形成部材24若しくは熱移動補助部材27との搬送方向接触幅gよりも搬送方向長さfを大きくすることにより潤滑剤240が奥部に流入し易く低摩擦状態とすることができる。
ニップ形成部材24または熱移動補助部材27のベルト接触面の更に別の形態を図10及び図11に示す。この形態では、ニップ形成部材24または熱移動補助部材27のベルト接触面24c、27aは複数の多角形形状、本例では多角形の一例である菱形形状となっており、そのベルト接触面24c、27aを囲むように連続凹部53が連続した凹面で構成されている。なお、本例では、菱形形状のベルト接触面24c、27aは、菱形の角部がそれぞれベルト移動方向およびベルト移動方向に直交する方向を向いて配置されている。本形態では、連続凹部53を構成する複数の凹部がベルト移動方向の下流に向かって分岐と合流を繰り返すように斜め方向に延びる形状である。
凹部53のベルト搬送方向に対する傾斜角は、図10の構成におけるθ1よりも図11の構成におけるθ2が小さく、定着ベルト搬送方向に対する接触角度が小さい分、図11の構成の方が摺動抵抗を小さすることが出来るので望ましい。また、図10の構成であると潤滑剤は長手方向(定着ベルト21幅方向)に流動しやすいため、定着ベルト21の外部に潤滑剤240が流出しやすい。
そのため、図12のように搬送中心に向かう側の凹部幅jを搬送中心外側に向かう凹部幅kよりも広くして、潤滑剤240が外部に流れ難い構成にしても良い。図中の太線の矢印は、縦方向の凹部に沿った潤滑剤の移動方向を示すものである。なお、図12では図11の構成で示したが、図10の構成も同様である。
また、長手方向(定着ベルト21幅方向)全体を図13に示す。図13から分かるように、長手方向全体では、搬送中心Cを中心に対称形となっている。なお、図13では図10の構成で示したが、図11の構成も同様である。
図14は、図7または図8の構成における、ニップ形成部材24の搬送方向凹部51,縦方向凹部51Bを含む正面断面図である。定着ベルト21はニップ形成部材24に圧力が掛かりながら接触搬送する。その際、凹部の長さ(ベルト搬送方向または縦方向の凹部の大きさを長さとする)と凹部の幅(長さと直角な方向の大きさを幅とする)の関係により定着ベルト21が凹部に入り込むと、長さ方向における凹部の角部と定着ベルト21が接触しやすくなる場合があり、摩擦抵抗が大きくなるだけでなく、摩耗粉も増大してしまう。そこで、図15に示すように、凹部の長さ方向の下流側部分に傾斜面54を設けることで摩擦抵抗の増大を防止できる。これにより、低摩擦係数維持と摩耗粉の増大抑制を図ることができる。
ニップ形成部材24または熱移動補助部材27のベルト接触面の更に別の形態を図16及び図17に示す。
図16に示す形態では、ニップ形成部材24または熱移動補助部材27のベルト接触面24c、27aは多角形形状となっており、そのベルト接触面24c、27aを囲むように連続凹部53が連続した凹面で構成されている。多角形形状は、正方形や長方形の四角形状でもよいし、その他の多角形、例えば五角形や六角形でもよい。本例では多角形形状のベルト接触面24c、27aが定着ベルト移動方向および定着ベルト移動方向に直交する方向に並んで配置された形態となっている。
図17に示す形態では、ニップ形成部材24または熱移動補助部材27のベルト接触面24c、27aは円形形状となっており、そのベルト接触面24c、27aを囲むように連続凹部53が連続した凹面で構成されている。なお、ベルト接触面24c、27aは円形に限らず、楕円形でもよい。楕円形の場合は斜めに配置してもよい。本例では円形形状または楕円形形状のベルト接触面24c、27aが定着ベルト移動方向および定着ベルト移動方向に直交する方向に並んで配置された形態となっている。
図18は、ニップ形成部材24または熱移動補助部材27のベルト接触面の更に別の形態を示す図である。この形態では、ニップ形成部材24または熱移動補助部材27のベルト接触面24c、27aは円形形状となっており、そのベルト接触面24c、27aの位置は、ベルト搬送方向と直交する方向(幅方向)にはまっすぐ並ぶように配置し、かつベルト搬送方向と直交する方向(幅方向)では横に(幅方向に)ずらして配置した構成となっている。ベルト接触面24c、27aをベルト搬送方向と直交する方向にずらし量h,iを設けて配置し、潤滑剤240が外部に流れ難い構成にしている。なお、ベルト接触面24c、27aを楕円形状としてもよい。
なお、図16に示した多角形形状のベルト接触面24c、27aを有する構成において、図18のように、ベルト接触面24c、27aをベルト搬送方向と直交する方向(幅方向)にずらして配置した構成とすることも可能である。
上記説明した各形態において、連続凹部53は、ニップ形成部材24または熱移動補助部材27が定着ベルト21と接触して加圧ローラ22に押圧される範囲内に少なくとも設けられるものとする(定着ベルト21と接触して加圧ローラ22に押圧される範囲の外側に設けられていてもよい)。
また、連続凹部53の定着ベルト移動方向上流側は、ニップ形成部材24または熱移動補助部材27が定着ベルト21と接触する範囲よりも上流側まで設けられていてもよい。
なお、熱移動補助部材27を備える場合は、上記の各凹部は、ニップ形成部材24ではなく、熱移動補助部材27の表面(定着ベルト接触面側の表面)に設けられるものとする。
このように、本発明においては、ニップ形成部材または熱移動補助部材の定着部材との接触面に連続凹部が形成されており、その連続凹部が少なくともニップ形成部材が定着部材と接触して加圧部材に押圧される範囲内に設けられていることで、定着部材とニップ形成部材または熱移動補助部材との摺擦により発生する摩耗粉混入を原因とする粘度上昇による潤滑性低下を防ぎ、定着部材を駆動するトルクの上昇を長期的に抑制することができる。
以上、本発明を図示例に基づき説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の範囲内で適宜変更可能である。
また、定着装置及び画像形成装置としては、本発明を適用可能であれば任意な構成を採用可能である。例えば定着装置の加熱源は、ハロゲンヒータに限らず、適宜な加熱手段を採用可能である。また、画像形成装置としてはプリンタに限らず、複写機やファクシミリあるいは複数の機能を備える複合機であっても良い。
1 画像形成装置
4C、4K、4M、4Y 作像部
20 定着装置
21 定着ベルト(定着部材)
22 加圧ローラ(加圧部材)
23 ハロゲンヒータ(加熱源)
24 ニップ形成部材
24c 定着ベルト接触面
25 ステー部材
27 熱移動補助部材
27 定着ベルト接触面
28 反射部材
51 搬送方向凹部
51B 縦方向凹部
52 非搬送方向凹部(連絡凹部)
53 連続凹部
54 傾斜面
C 搬送中心
N 定着ニップ
P 用紙(記録材)
θ、θ1、θ2 傾斜角
特開2010−32631号公報 特開2010−78839号公報 特開2015−99352号公報

Claims (6)

  1. 回転可能な定着部材と、前記定着部材を加熱する加熱源と、前記定着部材の外側に設けられ前記定着部材に対向する加圧部材と、前記定着部材内部に配置され前記定着部材を介して前記加圧部材に当接して定着ニップを形成するニップ形成部材とを備える定着装置であって、
    前記ニップ形成部材の前記定着部材との接触面に、複数の凹部が連続された形状の連続凹部が形成されており、
    前記連続凹部は、少なくとも前記ニップ形成部材が前記定着部材と接触して前記加圧部材に押圧される範囲内に設けられている定着装置において、
    前記ニップ形成部材の前記定着部材との前記接触面が、複数の多角形形状に設けられ、
    前記多角形形状の周囲に設けられた前記連続凹部が、定着部材移動方向の下流に向かって分岐と合流を繰り返すように設けられ、
    前記多角形形状の角部が、それぞれ前記定着部材移動方向及び前記定着部材移動方向に直交する方向を向いて配置され、
    前記定着部材移動方向から見て、前記定着部材の中央方向に延びる前記連続凹部の幅は、前記定着部材の端部方向に延びる前記連続凹部の幅よりも広いことを特徴とする定着装置。
  2. 前記多角形形状は、菱形形状であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記ニップ形成部材の表面形状は、前記定着部材移動方向に直交する方向の中央部に対し、対称形となっていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記連続凹部の前記定着部材移動方向上流側は、前記ニップ形成部材が前記定着部材と接触する範囲よりも上流側まで設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. 前記ニップ形成部材の前記定着部材との接触面側に高熱伝導率の熱移動補助部材を備える場合は、前記凹部は、前記ニップ形成部材ではなく前記熱移動補助部材の前記定着部材との接触面側の表面に設けられることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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