JP6872993B2 - 杭基礎構造 - Google Patents

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本発明は、杭基礎構造に関する。
道路や鉄道などの構造物に供される高架橋の橋脚として、複数の柱を有する多柱式橋脚等と呼ばれる構造が知られている。その一例として、複数の鋼管などを柱とし、これらの柱を水平の部材ないし斜めの部材にて相互に連結し、立体構造とした多柱式橋脚が挙げられる。一般的に、橋脚は、基礎によって地盤に支持される。地盤が堅固な場合には、フーチングと呼ばれる直接地盤に接する鉄筋コンクリート版が用いられることもある。しかし、たとえば地盤が軟弱な場合には、杭基礎が採用されることも多い。
杭基礎構造に用いられる杭として、鋼管杭またはPHC(Pretensioned Spun High-strength Concrete;プレテンション方式遠心力高強度プレストレストコンクリート)杭等が挙げられる。たとえば、特許文献1には、多柱式橋脚において鋼管柱と鋼管杭とが上下方向に接続され、フーチングが省略された構造が記載されている。この構造では、多柱式橋脚の1本の鋼管柱に対して、1本の鋼管杭を接続し、フーチングを介さずに上部構造や橋脚からの荷重を杭基礎に直接的に伝達する構造(1柱1杭形式の構造)が採用されている。
特開2008−303598号公報
上記した非特許文献1に記載の杭基礎構造では、地震時の液状化に伴って発生する流動力が考慮されており、流動力に対する抵抗性能が検討されている。液状化時の流動力に対して杭の変位を抑えるため、たとえば杭を太くすることも考えられる。しかし、杭を太くすることは、杭に求められる本来の機能(橋脚等の構造物の支持機能)を超えることとなってしまうため、そのような杭基礎構造は合理的とは言えない。
本発明は、液状化時の流動力に対して杭の変位を抑えるための機能が、杭による構造物の支持機能とは別に備わった杭基礎構造を提供することを目的とする。
本発明は、地震時に流動し得る液状化層を含んだ地盤に設けられ、地上の構造物を支持するための杭基礎構造であって、地盤に設けられて下端が支持層に達すると共に、杭頭部に構造物が結合された複数の杭と、支持層よりも上において、複数の杭を取り囲むように地盤内に設けられた拘束体と、拘束体に上端部が定着されると共に、支持層に下端部が定着された連結体と、を備え、拘束体は、液状化時に液状化層に対して沈むことなく浮上する見かけ比重を有しており、連結体は、支持層に定着された下端部である定着部材と、拘束体に定着された上端部である第1端と定着部材に連結された第2端とを含む鋼材と、を含むグラウンドアンカーを有することを特徴とする。
この杭基礎構造によれば、複数の杭を取り囲むように設けられた拘束体と、この拘束体を支持層に対して連結する連結体とが備わっているので、液状化時に流動力が作用した場合でも、杭の変位は拘束体によって拘束されることとなり、杭の変位が抑えられる。拘束体および連結体は、杭の構造物支持機能とは別に設けられている。すなわち、液状化時の流動力に対して杭の変位を抑えるための機能が、杭による構造物の支持機能とは別に備わっている。このように、機能分離型の杭基礎構造によれば、液状化時の流動力対策のために杭を太くする必要はなく、合理的である。連結体がグラウンドアンカーを有すると、グラウンドアンカーによって、液状化時の引張力(引抜力)に抵抗することができる。
拘束体は、複数の杭の全体を取り囲む枠状をなしてもよい。この場合、液状化時に複数の杭が移動した場合でも、枠状の拘束体によって、これらの杭の変位が抑えられる。また、枠状の拘束体は、杭の打設後であっても杭の打設前であっても構築され得る。このように、枠状の拘束体によれば、構築手順の自由度が高められており、あらゆる杭基礎を対象とすることができる。
複数の杭には、複数の杭同士を連結する連結部材が設けられてもよい。この場合、杭同士は、連結部材によって連結されており、液状化時には一体となって移動し得る。そして、枠状の拘束体によって、杭の変位が抑えられる。
拘束体は、複数の杭のそれぞれが挿通される複数の孔を含む平板状をなしてもよい。この場合、各杭が拘束体によって取り囲まれることになるので、拘束体によって、各杭の変位が抑えられる。杭同士を連結する連結部材を省略することができる。
拘束体は、中空の構造を有してもよい。
拘束体の見かけ比重は、液状化時における液状化層の見かけ比重より小さくてもよい。
地盤は、地震時の液状化に伴う側方流動における流動方向を有しており、連結体は、拘束体の流動方向の下流側の部分に設けられて当該下流側の部分を支持する少なくとも1つの杭体を有してもよい。流動方向の下流側に杭体が設けられると、この杭体によって、液状化時の圧縮力(押込力)に抵抗することができる。
本発明によれば、液状化時の流動力に対して杭の変位を抑えるための機能が、杭による構造物の支持機能とは別に備わっており、液状化時の流動力対策のために杭を太くする必要がない。
本発明の第1実施形態に係る杭基礎構造を示す図である。 図1の杭基礎構造の平面断面図である。 本発明の第2実施形態に係る杭基礎構造を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る杭基礎構造を示す図である。 図4の杭基礎構造の平面断面図である。 拘束体の変形例を示す平面図である。 本発明の変形例に係る杭基礎構造を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1を参照して、第1実施形態に係る杭基礎構造10について説明する。図1に示されるように、杭基礎構造10は、比較的軟弱な地盤Xに設けられて、地上の構造物である橋脚1を支持するためのものである。橋脚1は、たとえば道路や鉄道等の地上の構造物に供される高架橋を支える。橋脚1は、たとえば、複数の鋼管柱2を有する鋼管集成橋脚(または多柱式橋脚)である。複数の(たとえば4本の)円筒状の鋼管柱2は、地盤X上において、互いに平行に立設されている。複数の鋼管柱2は、橋軸方向および橋軸直角方向に並ぶように配列されている。なお、複数の鋼管柱2の本数や配列は、この態様に限られない。
隣り合う2本の鋼管柱2は、水平方向に延びる横つなぎ材3によって連結されている。横つなぎ材3は、鋼板からなり、2本の鋼管柱2に対して、たとえば溶接等によって接合されている。横つなぎ材3は、水平方向に対して斜めに設けられてもよい。横つなぎ材3が省略されてもよい。橋脚1の上端部は、上部構造に接続される。橋脚1の下端部すなわち鋼管柱2の下端部2aには、杭基礎構造10が接続されている。なお、杭基礎構造10が支持する構造物は、橋脚1に限られない。杭基礎構造10が支持する構造物は、たとえば建物等であってもよい。
杭基礎構造10は、複数の(たとえば4本の)杭11を有しており、これらの杭11が地盤Xの支持層Xbまで到達するように設けられている。地盤X内に設けられた複数の杭11は、水平方向に離間しており、それらの軸線が互いに平行となるように設けられている。橋脚1および杭基礎構造10において、鋼管柱2の軸線および杭11の軸線が、いずれも鉛直方向に延びてもよい。杭11は、たとえば鋼管杭である。杭11として、通常の鋼管杭よりもより剛性の高い鋼管ソイルセメント杭が用いられてもよい。鋼管ソイルセメント杭を用いることにより、杭11の本数を最小化することができる。杭11は、PHC杭等であってもよい。
各杭11は、各鋼管柱2の下端部が結合された杭頭部11aを含む上部11dと、地盤Xの支持層Xbに達する下端11bとを有する。各杭頭部11aに対して各鋼管柱2の下端部2aが結合されており、これによって、鋼管柱2に杭基礎構造10が接続されている。橋脚1および杭基礎構造10は、いわゆる1柱1杭形式の構造とされている。杭11の上部11dは、杭11の全長のうち、たとえば中間部より上の部分である。たとえば、地盤Xは、橋脚1に近い上部において、地震時に流動し得る液状化層Xdを含んでいる。この液状化層Xdは、杭11の上部11dに対応する領域に形成されてもよいし、上部11dと部分的に重複する領域に形成されてもよい。液状化層Xdは、杭11の上部11dよりも下に形成されてもよい。
杭基礎構造10では、隣接する杭11の間には、水平に延びる連結部材12が設けられている。複数の杭11の杭頭部11a同士が、複数の連結部材12によって連結されている。連結部材12は、杭11の上部11dで且つ杭頭部11aよりも下に設けられてもよい。連結部材12は、たとえば鋼材からなる。連結部材12は、たとえば地中梁として機能する。複数の杭11同士を連結する連結部材12によって、複数の杭11の杭頭部11a(上部11d)が一体化されている。連結部材12の形状は、水平に延びる形状に限られない。連結部材12は、斜めに延びるブレース形状でもよい。このように、複数の杭11の杭頭部11aが連結部材12によって連結された構造は、フーチングが省略された杭基礎構造である。
杭基礎構造10は、複数の杭11の上部11dを取り囲むように地盤X内に設けられた拘束体20と、拘束体20と支持層Xbとを連結する連結体40とを備える。これらの拘束体20および連結体40を備えることにより、杭基礎構造10は、地震時に液状化現象が発生した際に、複数の杭11の変動を所定範囲以内に抑えることを可能にしている。
拘束体20は、支持層Xbよりも上に設けられている。拘束体20は、地盤Xの液状化層Xd内に位置してもよいし、液状化層Xdと重なるように位置してもよいし、液状化層Xdより上に位置してもよい。拘束体20の位置(すなわち深度)は、杭11の曲げモーメント分布を考慮して設定され得る。すなわち、拘束体20は、杭11の曲げモーメントの最大値が小さくなるような位置に設けられる。拘束体20は、杭頭部11aを取り囲むように設けられてもよい。
拘束体20の構成についてより詳細に説明すると、図1および図2に示されるように、拘束体20は、平面視において複数の杭11の全体を取り囲む枠状をなしている。拘束体20は、矩形の枠状をなしている。言い換えれば、拘束体20は、平面視においてロの字状をなしている。拘束体20は、複数の杭11に対面する内周面21を含み、拘束体20の内周側に、複数の杭11が配置される。たとえば、4本の杭11の外側に配置された拘束体20の内周面21と、各杭11との間には、隙間(遊間)が形成されている。
拘束体20は、矩形断面を有する中空のコンクリートからなってもよい。拘束体20は、地盤X内において、液状化時に浮上する程度の軽い構造体になっている。拘束体20は、液状化時の地盤X(液状化層Xd)に対して比較的小さい比重を有しており、液状化時に、沈むことなく浮上し得るように構成されている。なお、拘束体20は、地震が発生しない通常時には、地盤X内に埋設されて静止している。拘束体20は、鋼製あるいはコンクリート製の中空の箱であって、見かけの比重が液状化層Xdの比重よりもなるべく小さくするのが好適である。
拘束体20と杭11との間の隙間は、杭11の変形性能に合わせて設定され得る。たとえば、隙間は、杭11における許容変位よりも大きく設定される。なお、拘束体20と杭11との間に、ゴムやスポンジ等の緩衝材等を挟み込んでもよい。
連結体40は、拘束体20と支持層Xbとを連結する4つのグラウンドアンカー30を有している。各グラウンドアンカー30は、上端部である第1端31aが拘束体20に定着された鋼材31と、鋼材31の第2端31bに連結された下端部である定着部材32と、を含む。定着部材32は、支持層Xbに定着されている。
鋼材31は、たとえば、PC鋼(ピアノ線)からなるより線である。各鋼材31の第1端31aは、たとえば、拘束体20の四隅の位置に定着されている。鋼材31は、拘束体20から支持層Xbに向けて、放射状に広がるように(四角錐の斜辺をなすように)設けられている。拘束体20に対する鋼材31の定着形態として、公知のくさび定着が用いられてもよい。定着部材32に対する鋼材31の連結形態として、公知のくさび定着が用いられてもよい。また、定着部材32は、支持層Xbに対して公知の打設方法を用いて定着されてもよい。鋼材31および定着部材32からなるグラウンドアンカー30は、所定の引張力(引抜力)に耐え得るように構成されている。
続いて、杭基礎構造10の構築方法(施工方法)について説明する。まず、地盤X内の所定の位置に、拘束体20を設置する。次に、複数の杭11を所定の配置で打設し、支持層Xbに到達させる。杭11の打設には、中堀工法、埋込工法、打撃工法、圧入工法、およびこれらの工法の併用など、各種の工法が適用され得る。このとき、予め設置した拘束体20をガイドとして、杭11を打設してもよい。杭11の打設前に、杭11同士を連結部材12によって連結してもよいし、杭11の打設後に連結部材12を取り付けてもよい。さらに、杭基礎構造10(本実施形態では各杭11)に対して、鋼管柱2を結合し、橋脚1を構築する。杭基礎構造10の構築方法では、杭11を打設後に拘束体20を構築してもよいし、杭11より先に拘束体20を構築してもよい。このように構築手順を自由に選べることにより、本実施形態の杭基礎構造10は、たとえば、既設の杭基礎に対する耐震補強としても適用可能になっている。
本実施形態の杭基礎構造10によれば、複数の杭11を取り囲むように設けられた拘束体20と、この拘束体20を支持層Xbに対して連結する連結体40とが備わっているので、液状化時に流動力が作用した場合でも(図1に示される流動方向D参照)、杭11の変位は拘束体20によって拘束されることとなり、杭11の変位が抑えられる。拘束体20および連結体40は、杭11の構造物支持機能とは別に設けられている。すなわち、液状化時の流動力に対して杭11の変位を抑えるための機能が、杭11による橋脚1の支持機能とは別に備わっている。このように、機能分離型の杭基礎構造10によれば、液状化時の流動力対策のために杭11を太くする必要はなく、合理的である。
杭基礎構造10によれば、液状化時に複数の杭11が移動した場合でも、枠状の拘束体20によって、これらの杭11の変位が抑えられる。また、枠状の拘束体20は、杭11の打設後であっても杭11の打設前であっても、比較的容易に構築することができる。このように、枠状の拘束体20によれば、構築手順の自由度が高められており、あらゆる杭基礎を対象とすることができる。
杭11同士は、連結部材12によって連結されており、一体化されている。複数の杭11は、液状化時には一体となって移動し得る。そして、枠状の拘束体20によって、杭11の変位が抑えられる。
連結体40がグラウンドアンカー30を有すると、グラウンドアンカー30によって、液状化時の引張力(引抜力)に抵抗することができる。
続いて、図3を参照して、第2実施形態に係る杭基礎構造について説明する。第2実施形態の杭基礎構造10Aが先の実施形態の杭基礎構造10と違う点は、4つのグラウンドアンカー30のうち一部(たとえば2つ)のグラウンドアンカー30が杭体35に置換された連結体40Aを備える点である。この杭基礎構造10Aでは、地震時の液状化に伴う側方流動の方向が考慮されている。地盤Xによっては、側方流動の流動方向Dを特定できる場合がある。流動方向Dが特定される場合、流動方向Dにおける拘束体20の下流側の部分(図示右側の部分)には、当該下流側の部分を支持する少なくとも1つの杭体35が設けられてもよい。
たとえば、拘束体20において、流動方向Dの上流側の2つの隅部には、第1実施形態と同様の2つのグラウンドアンカー30が設けられ、流動方向Dの下流側の2つの隅部に、2つの杭体35が設けられる。杭体35の上端部35aは拘束体20に定着されており、杭体35の下端部35bは支持層Xbに定着されている。杭体35は、PHC杭であってもよいし、鋼管杭であってもよい。地震時には、グラウンドアンカー30は引抜側に位置し、杭体35は押込側に位置する。
杭基礎構造10Aによれば、杭基礎構造10と同様、杭11の変位は拘束体20によって拘束されることとなり、杭11の変位が抑えられる。液状化時の流動力に対して杭11の変位を抑えるための機能が、杭11による橋脚1の支持機能とは別に備わっている。機能分離型の杭基礎構造10Aによれば、液状化時の流動力対策のために杭11を太くする必要はなく、合理的である。さらには、流動方向Dの下流側に杭体35が設けられる。この杭体35によって、液状化時の圧縮力(押込力)に抵抗することができる。
続いて、図4および図5を参照して、第3実施形態に係る杭基礎構造について説明する。第3実施形態の杭基礎構造10Bが第1実施形態の杭基礎構造10と違う点は、4つのグラウンドアンカー30に加えて、更に8つのグラウンドアンカー30が設けられた連結体40Bを備える点である。図4および図5に示されるように、8つのグラウンドアンカー30の鋼材31は、4つのグラウンドアンカー30の鋼材31よりも長くなっている。より詳細には、3つずつの定着部材32が、第1実施形態と同様、支持層Xb内の4箇所に設けられている。長い鋼材31を含むグラウンドアンカー30は、支持層Xb内のある箇所から、その箇所にもっとも近い拘束体20の隅部の更に隣りの隅部にまで延びている。その結果、3本の鋼材31が、支持層Xbから異なる方向に延びている。そして、3つずつの第1端31aが、拘束体20の四隅の位置に定着されている。
このように、たとえば合計12個のグラウンドアンカー30が、地中において立体トラスを形成するように配置されている。この連結体40Bを備えた杭基礎構造10Bによれば、拘束体20に生じる液状化時の浮力とグラウンドアンカー30に生じる張力により、拘束体20はより安定して元の位置にとどまろうとする。その結果として、杭11の変位をより確実に拘束することが可能となる。第1実施形態では、拘束体20自身が流動化力を受ける場合、浮力の大きさによっては、拘束体20が遊動円木のように変位し得る。そのため、杭11の変位を十分に拘束できないこともあり得る。この連結体40Bを備えた杭基礎構造10Bによれば、拘束体20自身が流動化力を受けた場合でも、拘束体20の変位を抑えて、杭11の変位を拘束できる。なお、グラウンドアンカー30を立体トラス状に配置する場合に、連結体40Bとは異なる他の配置が採用されてもよい。
本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。たとえば、拘束体の形状や構造は、適宜に変更可能である。図6に示されるように、複数の杭11のそれぞれが挿通される複数の孔22を含む平板状の拘束体20Cを有する杭基礎構造10Cであってもよい。孔22の直径は、杭11の直径よりも大きい。このように、拘束体20Cは、杭11を個別に囲んでいる。この場合、孔22に形成される各杭11の周りの隙間も、複数の杭11と拘束体20との間の隙間と同じ考え方によって設定されてもよい。拘束体20Cと杭11との間の隙間に、ゴムやスポンジ等の緩衝材等を挟み込んでもよい。杭基礎構造10Cでは、各杭11が拘束体20Cによって取り囲まれることになるので、拘束体20Cによって、各杭11の変位が抑えられる。杭11同士を連結する連結部材を省略することができる。
第2実施形態の杭基礎構造10Aの杭体35(連結体40A)と、上記の拘束体20Cとを組み合わせてもよい。連結体が有するグラウンドアンカー30や杭体35の数は、適宜に変更可能である。1つのみのグラウンドアンカー30が設けられてもよい。1つのみの杭体35が設けられてもよい。グラウンドアンカー30が設けられず、複数の杭体35のみが設けられてもよい。拘束体と杭11との間に、隙間が設けられなくてもよい。
第3実施形態の杭基礎構造10Bの連結体40Bと、上記の拘束体20Cとを組み合わせてもよい。拘束体20Cに対しても、立体トラスを形成するあらゆる配置のグラウンドアンカー30が採用され得る。
また、拘束体20が取り囲む杭基礎は、上記したようなフーチングレスな構造に限られない。たとえば、図7に示されるように、杭頭部11aに設けられたコンクリート版であるフーチング15を備える杭基礎に対し、枠状の拘束体20および連結体40が適用された杭基礎構造10Dであってもよい。その場合、たとえば、拘束体20は、平面視において複数の杭11の全体を取り囲むと共に、フーチング15をも取り囲む。たとえば、拘束体20の内周面21はフーチング15の側面に対面している。拘束体20の内周面21とフーチング15との間には、隙間(遊間)が形成されている。
フーチング15が設けられた杭基礎構造に対しても、上記したあらゆる形態の連結体が採用され得る。また、図7に示される態様とは異なり、フーチング15が設けられた杭基礎構造に対して、フーチング15とは異なる箇所(深度)において拘束体20が複数の杭11を取り囲む態様であってもよい。
本発明の杭基礎構造において、拘束体20は、複数の杭11を含むあらゆる基礎構造に対して設けられてもよい。
本発明の杭基礎構造は、既設の杭基礎(基礎構造)および構造物が有る場合に、その既設の杭基礎に対して、後から施工する耐震補強に適用されてもよい。その場合、拘束体および連結体が後から施工されて、本発明の杭基礎構造が構築される。
1…橋脚、10…杭基礎構造、10A,10B,10C,10D…杭基礎構造、11…杭、11a…杭頭部、11b…下端、11d…上部、12…連結部材、15…フーチング、20…拘束体、20C…拘束体、22…孔、30…グラウンドアンカー、31…鋼材、31a…第1端(上端部)、31b…第2端、32…定着部材(下端部)、35…杭体、35a…上端部、35b…下端部、40…連結体、40A,40B…連結体、D…流動方向、X…地盤、Xb…支持層、Xd…液状化層。

Claims (7)

  1. 地震時に流動し得る液状化層を含んだ地盤に設けられ、地上の構造物を支持するための杭基礎構造であって、
    前記地盤に設けられて下端が支持層に達すると共に、杭頭部に前記構造物が結合された複数の杭と、
    前記支持層よりも上において、前記複数の杭を取り囲むように前記地盤内に設けられた拘束体と、
    前記拘束体に上端部が定着されると共に、前記支持層に下端部が定着された連結体と、を備え
    前記拘束体は、液状化時に前記液状化層に対して沈むことなく浮上する見かけ比重を有しており、
    前記連結体は、
    前記支持層に定着された前記下端部である定着部材と、
    前記拘束体に定着された前記上端部である第1端と前記定着部材に連結された第2端とを含む鋼材と、を含むグラウンドアンカーを有することを特徴とする杭基礎構造。
  2. 前記拘束体は、中空の構造を有することを特徴とする請求項1に記載の杭基礎構造。
  3. 前記拘束体の前記見かけ比重は、液状化時における前記液状化層の見かけ比重より小さいことを特徴とする、請求項1または2に記載の杭基礎構造。
  4. 前記拘束体は、前記複数の杭の全体を取り囲む枠状をなすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の杭基礎構造。
  5. 前記複数の杭には、前記複数の杭同士を連結する連結部材が設けられていることを特徴とする請求項に記載の杭基礎構造。
  6. 前記拘束体は、複数の杭のそれぞれが挿通される複数の孔を含む平板状をなすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の杭基礎構造。
  7. 前記地盤は、地震時の液状化に伴う側方流動における流動方向を有しており、
    前記連結体は、前記拘束体の前記流動方向の下流側の部分に設けられて当該下流側の部分を支持する少なくとも1つの杭体を有することを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の杭基礎構造。
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